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技術 負角フランジ部材およびその製造方法、ならびに負角フランジ部材を備える構造体

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 西村隆一中澤嘉明
出願日 2016年1月8日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-002602
公開日 2017年7月13日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-121658
状態 特許登録済
技術分野 車両用車体構造 型打ち,へら絞り,深絞り 車両のドア 特定物品の製造
主要キーワード 凸形状部位 プレス加工方向 度転回 プレス成形設備 横断面形 接合用フランジ 断面効率 設計空間
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月13日)のものです。
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図面 (9)

課題

負角フランジを有する難加工板材(TS440MPa以上)で長手方向へ形状変化する(長手方向へ湾曲する、断面形状が変化する)負角フランジ部材を提供する。

解決手段

第1フランジ3と、第1フランジ3に連続する第1縦壁4と、第1縦壁4に連続する天板5と、天板5に連続する第2縦壁6と、第2縦壁6に連続する第2フランジ7とを有する横断面形状を有し、長手方向への湾曲部8を有するか、または長手方向へ横断面形状が変化する、引張強度が440MPa以上の鋼製プレス成形体1である。第1フランジ3は、断面の内側へ向けた内向きフランジであるとともに、第2フランジ7は、断面の外側へ向けた外向きフランジである。

概要

背景

自動車の軽量化の一環として、耐衝突部材には、横断面内接合用フランジを有する引張強度が440MPa以上の難加工材からなる部材(例えば横断面内に接合用の2つの外向きフランジを備えるハット断面部材)の適用が進められている。

一方、さらなる軽量化や限られた空間への部材配置の観点から、高強度鋼管が、例えば、Aピラーアッパーレインフォースドアーインパクトビーム等の各種の耐衝突部材に用いられている。ハット断面部材の場合、2つの外向きフランジが存在することより、その設計断面の小型化が難しい。

このため、例えば、Aピラーアッパーレインフォースのように、狭隘部に配置される部材には、高強度鋼管の適用が好まれる場合がある。また、ハット断面部材は2つのフランジ外向きであるために、衝突特性剛性を最適化できていない場合がある。すなわち、ハット断面部材の2つのフランジが外向きに制約されることが、設計空間の有効活用、衝突特性や剛性の最適化を阻害する場合がある。

特許文献1には、プレス金型の構造および動作順を工夫することにより、金属製バンパーレインフォースメントのような複雑な形状を有する自動車用部品を一工程で安価に製造する発明が開示されている。

特許文献2には、ロールフォーミングにより所望の閉断面形状成形する発明が開示されている。

さらに、特許文献3には、通常のプレス成形設備を用いて、金属板から閉断面部材を製造することができる金属板のプレス成形方法が開示されている。

概要

負角フランジを有する難加工板材(TS440MPa以上)で長手方向へ形状変化する(長手方向へ湾曲する、断面形状が変化する)負角フランジ部材を提供する。第1フランジ3と、第1フランジ3に連続する第1縦壁4と、第1縦壁4に連続する天板5と、天板5に連続する第2縦壁6と、第2縦壁6に連続する第2フランジ7とを有する横断面形状を有し、長手方向への湾曲部8を有するか、または長手方向へ横断面形状が変化する、引張強度が440MPa以上の鋼製プレス成形体1である。第1フランジ3は、断面の内側へ向けた内向きフランジであるとともに、第2フランジ7は、断面の外側へ向けた外向きフランジである。

目的

本発明は、従来の技術が有する上述の課題に鑑みてなされたものであり、広義には、薄板から自動車用部品を製造するプレス加工技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1フランジと、該第1フランジに連続する第1縦壁と、該第1縦壁に連続する天板と、該天板に連続する第2縦壁と、該第2縦壁に連続する第2フランジとを有する横断面形状を有し、長手方向への湾曲部を有するか、または長手方向へ前記横断面形状が変化する、引張強度が440MPa以上の鋼製プレス成形体において、前記第1フランジは、断面内側へ向けた内向きフランジであるとともに、前記第2フランジは、断面外側へ向けた外向きフランジである、負角フランジ部材

請求項2

請求項1に記載された第1の負角フランジ部材と他の部材とを備える構造体であって、前記第1の負角フランジ部材が前記第1フランジおよび前記第2フランジが前記他の部材との接合部であるとともに閉じた横断面形状を有する、構造体。

請求項3

前記他の部材は、第2の負角フランジ部材であり、前記第1の負角フランジ部材の第1フランジは、前記第2の負角フランジ部材の第1フランジとの重ね合わせ接合部であるとともに、前記第1の負角フランジ部材の第1フランジは、前記第2の負角フランジ部材の第1フランジとの重ね合わせ接合部である、請求項2に記載された構造体。

請求項4

下記第1〜3工程を有することを特徴とする請求項1に記載された負角フランジ部材の製造方法;第1工程:引張強度が440MPa以上の長尺ブランクに、第1パンチ、第1ダイ、第1パッドおよび第1ブランクホルダを用いるパッド絞り成形を行うことによって、長尺のブランクの幅方向の一方の縁部に、長手方向への湾曲部を有するか、あるいは長手方向への断面形状が変化する第1面と該第1面につながる第2面とを備える長尺の第1中間成形品を製造する、第2工程:プレス方向を前記第1工程でのプレス方向から90度転回して前記第1中間成形品の前記第1面の一部を、第2パンチおよび第2パッドで押さえながら第2ダイおよび第2ブランクホルダを用いるパッド絞り成形を行うことによって、第1フランジと前記第1縦壁と該第1縦壁に連続する第2面とを備える長尺の第2中間成形品を製造する、第3工程:プレス方向を、前記第2工程でのプレス方向から90度転回して前記第1工程と同じ方向として、前記第2中間成形品の第2面の幅方向の一部を第3パンチおよび第3パッドで押さえて第3ダイを用いるパッド曲げ成形、または、前記一部を第3パンチおよび第3パッドで押さえながら第3ダイおよび第3ブランクホルダを用いるパッド絞り成形を行うことによって、該第1縦壁に連続する天板と、該天板に連続する第2縦壁と、該第2縦壁に連続する第2フランジとを形成する。

技術分野

0001

本発明は、負角フランジ部材およびその製造方法、ならびに負角フランジ部材を備える構造体に関する。

背景技術

0002

自動車の軽量化の一環として、耐衝突部材には、横断面内接合用フランジを有する引張強度が440MPa以上の難加工材からなる部材(例えば横断面内に接合用の2つの外向きフランジを備えるハット断面部材)の適用が進められている。

0003

一方、さらなる軽量化や限られた空間への部材配置の観点から、高強度鋼管が、例えば、Aピラーアッパーレインフォースドアーインパクトビーム等の各種の耐衝突部材に用いられている。ハット断面部材の場合、2つの外向きフランジが存在することより、その設計断面の小型化が難しい。

0004

このため、例えば、Aピラーアッパーレインフォースのように、狭隘部に配置される部材には、高強度鋼管の適用が好まれる場合がある。また、ハット断面部材は2つのフランジ外向きであるために、衝突特性剛性を最適化できていない場合がある。すなわち、ハット断面部材の2つのフランジが外向きに制約されることが、設計空間の有効活用、衝突特性や剛性の最適化を阻害する場合がある。

0005

特許文献1には、プレス金型の構造および動作順を工夫することにより、金属製バンパーレインフォースメントのような複雑な形状を有する自動車用部品を一工程で安価に製造する発明が開示されている。

0006

特許文献2には、ロールフォーミングにより所望の閉断面形状成形する発明が開示されている。

0007

さらに、特許文献3には、通常のプレス成形設備を用いて、金属板から閉断面部材を製造することができる金属板のプレス成形方法が開示されている。

先行技術

0008

特開2003−053446号公報
特許第4581001号明細書
特開2009−285696号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明者らは、例えば、ハット断面部材の2つの外向きフランジのうちの一つを、断面内部側であって外向きフランジと同じ側へ向けて折れ曲がった内向きフランジ(本明細書ではこのフランジを「負角フランジ」といい、この部材を「負角フランジ部材」という)とすることができれば、この負角フランジ部材は、Aピラーアッパーレインフォース、サイドメンバーといった、狭隘部に配置される衝突部材や、折れモードをコントロールすることが重要な衝突部材に有効であり、通常の外向きハット断面部材よりも軽量化を図ることが可能になることに想到した。

0010

特許文献1には、“複雑な形状”とは記載されているものの、特にブランク板厚や、製品長手方向への曲げ曲率が大きい場合には、しわが発生してしまい、所望の形状に加工できないという制約が大きい。このため、特許文献1により開示された発明では、比較的平坦な形状のバンパーレインフォースメントは製造することはできても、負角フランジ部材を製造することはできない。

0011

特許文献2により開示された発明は、ロールフォーミングで加工を行うため、長手方向へ断面形状が大きく変化する部材を成形することはできず、負角フランジ部材を製造することはできない。

0012

さらに、特許文献3により開示された発明は、曲げ成形を基本としたプレス加工方法であるために、例えば、本発明が対象とする長手方向に湾曲部を有する形状自由度の高い負角フランジ部材を製造することはできない。

0013

本発明は、従来の技術が有する上述の課題に鑑みてなされたものであり、広義には、薄板から自動車用部品を製造するプレス加工技術を提供することを目的とし、具体的には、負角フランジを有する、ドアーインパクトビーム、Aピラーアッパーパネルさらにはメンバ部材等の、引張強度が440MPa以上の難加工板材で長手方向へ形状が変化する(長手方向へ湾曲したり、断面形状が変化したりする)負角フランジ部材と、その製造方法(プレス加工により薄鋼板から負角フランジ部材を製造する方法)と、負角フランジ部材を備える構造体とを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下に列記の知見A,Bを得て、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
(A)負角フランジ部材を、パンチとダイによる通常のプレス加工方法によって成形しようとしても、プレス加工方向に対して負角フランジを形成することになるため、これまでのプレス加工方法では成形できない。
(B)負角フランジ部材のプレス工程を多工程化して部位毎に適したプレス成形方法(各種の曲げ成形,絞り成形)を用い、かつ最適な順序でプレス加工を行うこと、具体的には長尺のブランクの幅方向へ加工工程を分割するとともに用いる金型の構造を変更してプレス加工時のブランクのひずみ増分を制御することにより、引張強度が440MPa以上の負角フランジ部材を製造できる。

0015

本発明は以下に列記の通りである。

0016

(1)第1フランジ(負角フランジ)と、該第1フランジに連続する第1縦壁と、該第1縦壁に連続する天板と、該天板に連続する第2縦壁と、該第2縦壁に連続する第2フランジとを有する横断面形状を有し、長手方向への湾曲部を有するか、または長手方向へ前記横断面形状が変化する、引張強度が440MPa以上の鋼製プレス成形体において、
前記第1フランジは、断面内側へ向けた内向きフランジであるとともに、前記第2フランジは、断面外側へ向けた外向きフランジである、負角フランジ部材。

0017

(2)1項に記載された第1の負角フランジ部材と他の部材とを備える構造体であって、
前記第1の負角フランジ部材が前記第1フランジおよび前記第2フランジが前記他の部材との接合部であるとともに閉じた横断面形状を有する、構造体。

0018

(3)前記他の部材は、第2の負角フランジ部材であり、
前記第1の負角フランジ部材の第1フランジは、前記第2の負角フランジ部材の第1フランジとの重ね合わせ接合部であるとともに、
前記第1の負角フランジ部材の第1フランジは、前記第2の負角フランジ部材の第1フランジとの重ね合わせ接合部である、2項に記載された構造体。

0019

(4)下記第1〜3工程を有することを特徴とする1項に記載された負角フランジ部材の製造方法;
第1工程:引張強度が440MPa以上の長尺のブランクに、第1パンチ、第1ダイ、第1パッドおよび第1ブランクホルダを用いるパッド絞り成形を行うことによって、長尺のブランクの幅方向の一方の縁部に、長手方向への湾曲部を有するか、あるいは長手方向への断面形状が変化する第1面と該第1面につながる第2面とを備える長尺の第1中間成形品を製造する、
第2工程:プレス方向を前記第1工程でのプレス方向から90度転回して前記第1中間成形品の前記第1面の一部を、第2パンチおよび第2パッドで押さえながら第2ダイおよび第2ブランクホルダを用いるパッド絞り成形を行うことによって、前記第1フランジと前記第1縦壁と該第1縦壁に連続する第2面とを備える長尺の第2中間成形品を製造する、
第3工程:プレス方向を、前記第2工程でのプレス方向から90度転回して前記第1工程と同じ方向として、前記第2中間成形品の第2面の幅方向の一部を第3パンチおよび第3パッドで押さえて第3ダイを用いるパッド曲げ成形、または、前記一部を第3パンチおよび第3パッドで押さえながら第3ダイおよび第3ブランクホルダを用いるパッド絞り成形を行うことによって、該第1縦壁に連続する天板と、該天板に連続する第2縦壁と、該第2縦壁に連続する第2フランジとを形成する。

発明の効果

0020

本発明により、難加工材である、引張強度が440MPa以上の長尺のブランク(薄板)から、負角フランジ(内向きフランジ)を有するために小断面化された断面効率の良い負角フランジ部材が提供される。

図面の簡単な説明

0021

図1(a)は本発明に係る負角フランジ部材の一例を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す負角フランジ部材を用いる構造体の一例を示す斜視図である。
図2は、第1工程でパッド絞り成形を行う状況を示す説明図であって、図2(a)は第1工程で用いるプレス金型を示す正面図であり、図2(b)は第1工程で製造される第1中間成形品の正面図であり、図2(c)〜図2(f)は、第1工程で製造される第1中間成形品を様々な方向から見た等角投影図である。
図3は、第2工程でパッド絞り成形を行う状況を示す説明図であって、図3(a)は第2工程で用いるプレス金型を示す正面図であり、図3(b)は第2工程で製造される第2中間成形品の正面図であり、図3(c)〜図3(f)は、第2工程で製造される第2中間成形品を様々な方向から見た等角投影図である。
図4は、第3工程でパッド曲げ成形を行う状況を示す説明図であって、図4(a)は第3工程で用いるプレス金型を示す等角投影図であり、図4(b)〜図4(g)は、第3工程で製造される負角フランジ部材(Aピラーアッパーパネル)を様々な方向から見た等角投影図である。
図5は、第1〜3工程での第1,2中間成形品および負角フランジ部材(Aピラーアッパーパネル)の形状および板厚減少率を示す説明図である。
図6は、本発明により負角フランジ部材(メンバ部材)を製造する状況を示す説明図であり、図6(a)は第1工程で用いる金型を示し、図6(b)は第2工程で用いる金型を示し、図6(c)は第3工程で用いる金型を示す。
図7(a)〜図7(c)は、第1〜3工程により製造される負角フランジ部材(メンバ部材)を様々な方向から見た等角投影図である。
図8は、第1〜3工程での成形条件と、製造された負角フランジ部材(メンバ部材)の各部の板厚減少率(%)および成形中の材料のY方向移動量(mm)をまとめて示す説明図である。

実施例

0022

添付図面を参照しながら、本発明を説明する。

0023

1.本発明に係る負角フランジ部材1
図1(a)は本発明に係る負角フランジ部材1の一例を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す負角フランジ部材1を用いる構造体2の一例を示す斜視図である。

0024

負角フランジ部材1は、引張強度が440MPa以上の鋼製のプレス成形体である。

0025

図1(a)に示すように、負角フランジ部材1は、第1フランジ3(負角フランジ)と、第1縦壁4と、天板5と、第2縦壁6と、第2フランジ7とを有する横断面形状を備える。

0026

第1縦壁4は、第1フランジ3に連続する。天板5は、第1縦壁4に連続する。第2縦壁6は、天板5に連続する。さらに、第2フランジ7は、第2縦壁6に連続する。

0027

負角フランジ部材1は、長手方向への湾曲部8を有するか、または長手方向へその横断面形状が変化する。

0028

湾曲部8を有する場合としては、(a)天板5と略平行な面内で湾曲する場合、(b)天板5と交差する方向(すなわち第1縦壁4、第2縦壁6の高さ方向)へ湾曲する場合がある。横断面形状が変化する場合としては、例えば、天板5の幅、第1,2縦壁4,6の高さ、第1,2フランジ3,7の幅等が変化する場合がある。

0029

図1(a)に示すように、第1フランジ3は、負角フランジ部材1の断面の内側へ向けた内向きフランジであるとともに、第2フランジ7は、負角フランジ部材1の断面の外側へ向けた外向きフランジである。つまり、第1フランジ3および第2フランジ7は、いずれも、横断面内で略同じ方向へ向けて形成されている。

0030

このため、負角フランジ部材1は、難加工材である、引張強度が440MPa以上の長尺のブランク(薄板)から、負角フランジ(内向きフランジ)を有するために小断面化されており、優れた断面効率を有する。

0031

したがって、負角フランジ部材1を、例えば、Aピラーアッパーパネルに適用すれば運転者死角を低減して運転者の視認性を高めることができる。また負角フランジ部材1を、サイドメンバーに適用すれば搭載部品干渉を低減して車両の設計の自由度を高めることができ、サイドメンバー自身の圧壊時の折れモードをコントロールすることにより衝突特性を向上することができる。

0032

2.本発明に係る構造体2
図1(b)に示すように、本発明に係る構造体2は、上述した本発明に係る第1の負角フランジ部材1を備える構造体である。

0033

構造体2は、第1の負角フランジ部材1の第1フランジ3および第2フランジ7を接合部として他の部材9に接合されることにより閉じた横断面形状を有する。図1(b)に示す構造体2は、他の部材9が、本発明に係る第2の負角フランジ部材の場合である。すなわち、第2の負角フランジ部材9は、第1の負角フランジ部材1と同様に、第1フランジ10(負角フランジ)と、第1縦壁11と、天板12と、第2縦壁13と、第2フランジ14とを有する横断面形状を備える。第1縦壁11は、第1フランジ10に連続する。天板12は、第1縦壁11に連続する。第2縦壁13は、天板12に連続する。さらに、第2フランジ14は、第2縦壁13に連続する。さらに、第2の負角フランジ部材9は、長手方向への湾曲部15を有するか、または長手方向へその横断面形状が変化する。

0034

第1の負角フランジ部材1の第1フランジ3は、第2の負角フランジ部材9の第1フランジ10と重ね合わされて接合されるとともに、第1の負角フランジ部材1の第2フランジ7は第2の負角フランジ部材9の第2フランジ14と重ね合わされて接合される。

0035

しかし、本発明に係る構造体2は、他の部材が本発明に係る第2の負角フランジ部材9である場合に限定されず、他の部材が例えば平板状のクロージングプレートであってもよい。

0036

3.本発明に係る負角フランジ部材1の製造方法
本発明に係る負角フランジ部材1は、如何なる手段で製造されてもよいが、以下の第1〜3工程を経て製造されることにより、製造コストの上昇を抑制して安価に製造可能である。以降の説明では、負角フランジ部材1を(1)Aピラーアッパーパネル、(2)メンバ部材に適用する場合を例にとる。

0037

(1)Aピラーアッパーパネル

0038

(1−1)第1工程
図2は、第1工程でパッド絞り成形を行う状況を示す説明図であって、図2(a)は第1工程で用いるプレス金型20を示す正面図であり、図2(b)は第1工程で製造される第1中間成形品27の正面図であり、図2(c)〜図2(f)は、第1工程で製造される第1中間成形品27を様々な方向から見た等角投影図である。

0039

引張強度が440MPa以上(例えば980MPa)であって板厚が例えば1.4mmの長尺のブランクBに、第1ブランクホルダ21、第1ダイ22、第1パンチ23および第1パッド24を用いるパッド絞り成形を行う。このパッド絞り成形では、第1ブランクホルダ21に+0.1mmのディスタンスブロックを用いてもよい。

0040

このパッド絞り成形により、長尺のブランクBの幅方向の一方の縁部に、長手方向への湾曲部8(外凸形状部位)を有するか、あるいは長手方向への断面形状が変化する第1面25と、第1面25につながる第2面26とを備える長尺の第1中間成形品27を製造する。

0041

(1−2)第2工程
図3は、第2工程でパッド絞り成形を行う状況を示す説明図であって、図3(a)は第2工程で用いるプレス金型30を示す正面図であり、図3(b)は第2工程で製造される第2中間成形品35の正面図であり、図3(c)〜図3(f)は、第2工程で製造される第2中間成形品35を様々な方向から見た等角投影図である。

0042

第2工程では、プレス方向を第1工程でのプレス方向から90度転回して第1中間成形品27の第1面25の一部を、第2パンチ31および第2パッド33で押さえながら第2ダイ32および第2ブランクホルダ34を用いるパッド絞り成形を行う。このパッド絞り成形により、第1フランジ3と、第1縦壁4と、第1縦壁4に連続する第2面26とを備える長尺の第2中間成形品35を製造する。

0043

(1−3)第3工程
図4は、第3工程でパッド曲げ成形を行う状況を示す説明図であって、図4(a)は第3工程で用いるプレス金型40を示す等角投影図であり、図4(b)〜図4(g)は、第3工程で製造される負角フランジ部材(Aピラーアッパーパネル)1を様々な方向から見た等角投影図である。

0044

プレス方向を、第2工程でのプレス方向から90度転回して第1工程と同じ方向として、第2中間成形品35の第2面26の幅方向の一部を第3パンチ41および第3パッド43で押さえて第3ダイ42を用いるパッド曲げ成形、または、前記一部を第3パンチ41および第3パッド43で押さえながら第3ダイ42を用いるパッド曲げ成形を行う。

0045

成形時に第2中間成形品35に、しわや肉余りの発生が懸念される場合には材料の流入量を抑制するためにパッド絞り成形を行う。

0046

これにより、第1フランジ3と、第1縦壁4と、天板5と、第2縦壁6と、第2フランジ7とを形成する。このようにして、本発明に係る負角フランジ部材(Aピラーアッパーパネル)1がプレス成形により製造される。

0047

図5は、上述した第1〜3工程での第1,2中間成形品27,35および負角フランジ部材(Aピラーアッパーパネル)1の形状および板厚減少率を示す説明図であり、図中の数字指し示す位置における板厚減少率(%)を示す。

0048

同図に示すように、負角フランジ部材(Aピラーアッパーパネル)1は、長手方向へ天板5と略平行な面内および天板5と交差する面内での湾曲部8を有することが分かる。また、第1中間成形品27の板厚減少率は6.0〜−2.6%であり、第2中間成形品35の板厚減少率は8.2〜−4.1%であるとともに、負角フランジ部材(Aピラーアッパーパネル)1の板厚減少率は8.5〜−3.9%である。この板厚減少率から、本発明の第1〜3工程において割れやしわを生じることなく、負角フランジ部材(Aピラーアッパーパネル)1を製造できることが分かる。

0049

(2)メンバ部材

0050

(2−1)第1工程
図6は、本発明により負角フランジ部材(メンバ部材)1を製造する状況を示す説明図であり、図6(a)は第1工程で用いる金型50を示し、図6(b)は第2工程で用いる金型60を示し、図6(c)は第3工程で用いる金型70を示す。

0051

また、図7(a)〜図7(c)は、第1〜3工程により製造される負角フランジ部材(メンバ部材)1を様々な方向から見た等角投影図である。この負角フランジ部材1の天板5には、ビード5aが形成されている。

0052

さらに、図8は、第1〜3工程での成形条件と、製造された負角フランジ部材(メンバ部材)1の各部の板厚減少率(%)および成形中の材料のY方向移動量(mm)をまとめて示す説明図である。

0053

図6(a)に示すように、引張強度が440MPa以上(例えば980MPa)であって板厚が例えば1.4mmの長尺のブランクBに、第1パンチ51、第1ダイ52、第1パッド53および第1ブランクホルダ54を用いるパッド絞り成形を行う。このパッド絞り成形では、第1ブランクホルダ54と第1ダイ52との間に+0.1mmのディスタンスブロックを配置してもよい。

0054

図8に示すように、第1工程(1工程目)では、例えば、第1パッド53(上パッド)圧を50tonfに、第1ブランクホルダ54圧を20tonfにそれぞれ設定すればよい。

0055

このパッド絞り成形により、長尺のブランクBの幅方向の一方の縁部に、長手方向への湾曲部(外凸形状部位)を有するか、あるいは長手方向への断面形状が変化する第1面25と、第1面25につながる第2面26とを備える長尺の第1中間成形品27を製造する。

0056

(2−2)第2工程
図6(b)に示すように、第2工程では、プレス方向を第1工程でのプレス方向から90度転回して第1中間成形品27の第1面25の一部と第2面26とを、第2パンチ61および第2パッド63で押さえながら第2ダイ62および第2ブランクホルダ64を用いるパッド絞り成形を行う。

0057

このパッド絞り成形では、第2ブランクホルダ64と第2ダイ62との間に+0.1mmのディスタンスブロックを配置してもよいし、例えば、第2パッド63(上パッド)圧を50tonfに、第2ブランクホルダ64圧を20tonfにそれぞれ設定すればよい。

0058

このパッド絞り成形により、第1フランジ3と、第1縦壁4と、第1縦壁4に連続する第1面25とを備える長尺の第2中間成形品35を製造する。

0059

(2−3)第3工程
図6(c)に示すように、第3工程では、プレス方向を、第2工程でのプレス方向から90度転回して第1工程と同じ方向として、第2中間成形品35の第1面25の幅方向の一部を第3パンチ71および第3パッド73で押さえて第3ダイ72を用いるパッド曲げ成形、または、前記一部を第3パンチ71および第3パッド73で押さえながら第3ダイ72および第3ブランクホルダ(図示しない)を用いるパッド絞り成形またはパッド曲げ成形を行う。図6(c)はパッド曲げ成形の場合を示す。

0060

成形時に第2中間成形品35にしわや肉余りの発生が懸念される場合にはパッド絞り成形を行う。

0061

これにより、第1フランジ3と、第1縦壁4と、天板5と、第2縦壁6と、第2フランジ7とを形成する。このようにして、図7(a)〜図7(c)に示す外形を有する本発明に係る負角フランジ部材(メンバ部材)1がプレス成形により製造される。

0062

図7(a)〜図7(c)に示すように、負角フランジ部材(メンバ部材)1は、長手方向へ天板5と略平行な面内および天板5と交差する面内での湾曲部8を有することが分かる。

0063

また、図8に示すように、負角フランジ部材(メンバ部材)1の板厚減少率は13.8〜−10.6%であり、この板厚減少率から、本発明の第1〜3工程において割れやしわを生じることなく、負角フランジ部材(メンバ部材)1を製造できることが分かる。

0064

1 本発明に係る負角フランジ部材
2 本発明に係る構造体
3 第1フランジ
4 第1縦壁
5天板
6 第2縦壁
7 第2フランジ
8湾曲部

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