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技術 気固分離器

出願人 JXTGエネルギー株式会社
発明者 岩間真理絵尾野秀樹大内太
出願日 2016年1月5日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-000585
公開日 2017年7月13日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-121600
状態 特許登録済
技術分野 サイクロン 慣性力等による気体中の粒子の分離
主要キーワード 円錐角度θ 適宜素材 半楕円体 円周等分 円錐筒 外筒壁 断面円弧 サイズダウン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月13日)のものです。
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図面 (8)

課題

気体固体粒子分離効率を向上できる気固分離器を提供する。

解決手段

気固分離器100の内筒10の下端底板11によって閉塞されており、当該底板11の下面11bは、内周側から外周側へ向かうに従って、上方に位置する。従って、上昇してきた気体Gは、底板11の下面11bへ接触したときに、水平方向へ拡散して外筒壁面に沿って流れることが抑制され、底板11の下面11bの形状に沿って上方へ向かって流れる。このように、上昇してきた気体Gが内筒10に沿って上方へ流れるため、上昇する気体Gが外筒壁面に沿って落下する固体粒子Cを巻き上げることを抑制できる。これによって、気体Gと固体粒子Cとの分離効率を向上できる。

概要

背景

従来の気固分離器として、特許文献1に記載されるものが知られている。この気固分離器は、下端閉塞部材によって閉塞されると共に上端開放された、鉛直方向に延びる内筒と、内筒を外方から同軸状に覆うと共に、外部に連通する気体抜出口が上部に形成された外筒と、を備えている。内筒における下端側の側面には、内筒の軸方向に延びる複数の開口部が周方向に設けられている。閉塞部材は水平方向に延びる平板によって構成されている。

概要

気体固体粒子分離効率を向上できる気固分離器を提供する。気固分離器100の内筒10の下端は底板11によって閉塞されており、当該底板11の下面11bは、内周側から外周側へ向かうに従って、上方に位置する。従って、上昇してきた気体Gは、底板11の下面11bへ接触したときに、水平方向へ拡散して外筒壁面に沿って流れることが抑制され、底板11の下面11bの形状に沿って上方へ向かって流れる。このように、上昇してきた気体Gが内筒10に沿って上方へ流れるため、上昇する気体Gが外筒壁面に沿って落下する固体粒子Cを巻き上げることを抑制できる。これによって、気体Gと固体粒子Cとの分離効率を向上できる。

目的

本発明は、気体と固体粒子の分離効率を向上できる気固分離器を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

気体固体粒子を分離する気固分離器であって、下端閉塞部材によって閉塞されると共に上端開放された、鉛直方向に延びる内筒と、前記内筒を外方から同軸状に覆うと共に、外部に連通する気体抜出口が上部に形成された外筒と、を備え、前記内筒における前記下端側の側面には、前記内筒の軸方向に延びる複数の開口部が周方向に設けられており、前記閉塞部材の下面は、内周側から外周側へ向かうに従って、上方に位置する、気固分離器。

請求項2

前記閉塞部材の上面は、外周側から内周側へ向かうに従って、下方に位置する、請求項1に記載の気固分離器。

請求項3

前記閉塞部材には、連通孔が形成される、請求項1又は2に記載の気固分離器。

請求項4

前記連通孔の面積は、閉塞部材全体の面積に対して、0.6%〜20%である、請求項3に記載の気固分離器。

技術分野

0001

本発明は、気固分離器に関する。

背景技術

0002

従来の気固分離器として、特許文献1に記載されるものが知られている。この気固分離器は、下端閉塞部材によって閉塞されると共に上端開放された、鉛直方向に延びる内筒と、内筒を外方から同軸状に覆うと共に、外部に連通する気体抜出口が上部に形成された外筒と、を備えている。内筒における下端側の側面には、内筒の軸方向に延びる複数の開口部が周方向に設けられている。閉塞部材は水平方向に延びる平板によって構成されている。

先行技術

0003

特開平10−249122号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ここで、特許文献1に開示された気固分離器においては、気体固体粒子との分離効率を更に向上させることが要請されていた。そこで、本発明は、気体と固体粒子の分離効率を向上できる気固分離器を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明に係る気固分離器は、気体と固体粒子を分離する気固分離器であって、下端が閉塞部材によって閉塞されると共に上端が開放された、鉛直方向に延びる内筒と、内筒を外方から同軸状に覆うと共に、外部に連通する気体抜出口が上部に形成された外筒と、を備え、内筒における下端側の側面には、内筒の軸方向に延びる複数の開口部が周方向に設けられており、閉塞部材の下面は、内周側から外周側へ向かうに従って、上方に位置する。

0006

本発明に係る気固分離器によれば、内筒の下端側の側面に設けられた複数の開口部から気体と固体粒子が流れ出る。そして、気体の一部は固体粒子と共に下方へ沈み込み、その後に下方から上方へ上昇する。ここで、内筒の下端は閉塞部材によって閉塞されており、当該閉塞部材の下面は、内周側から外周側へ向かうに従って、上方に位置する。従って、上昇してきた気体は、閉塞部材の下面へ接触したときに、水平方向へ拡散して外筒壁面に沿って流れることが抑制され、閉塞部材の下面の形状に沿って上方へ向かって流れる。このように、上昇してきた気体が内筒に沿って上方へ流れるため、上昇する気体が外筒壁面に沿って落下する固体粒子を巻き上げることを抑制できる。これによって、気体と固体粒子との分離効率を向上できる。

0007

本発明に係る気固分離器では、閉塞部材の上面は、外周側から内周側へ向かうに従って、下方に位置してよい。この場合、内筒内を落下する固体粒子が閉塞部材の上面に接触した時に、固体粒子は閉塞部材の上面の形状に沿って下方へ移動する。これによって、固体粒子が閉塞部材の上面と接触することに伴って生じる衝撃を軽減することができるため、閉塞部材の摩耗を軽減できる。

0008

本発明に係る気固分離器において、閉塞部材には、連通孔が形成されてよい。この場合、内筒内を落下する固体粒子は、連通孔を介して内筒の外へ落下する。これにより、固体粒子が内筒内に滞留する滞留時間を減らすことができ、コーキングなどによる閉塞を抑制することができる。

0009

本発明に係る気固分離器において、連通孔の面積は、閉塞部材全体の面積に対して、0.6%〜20%であってよい。連通孔の面積を0.6%以上とすることで、固体粒子が閉塞部材の上面で固まることを抑制できる。連通孔の面積を20%以下とすることで、連通孔の面積が大きすぎる事に起因して分離効率が低下することを抑制できる。

発明の効果

0010

本発明によれば、気体と固体粒子の分離効率を向上できる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の実施形態に係る気固分離器を一部破断して示す斜視図である。
図1に示す気固分離器の横断面図である。
図2に示すIII−III線に沿った断面図である。
本発明の実施形態に係る気固分離器の作用・効果を説明するための拡大断面図である。
変形例に係る気固分離器の拡大断面図である。
実施例及び比較例に係る気固分離器の実験結果を示す表である。
実施例に係る気固分離器の実験結果を示す表である。

実施例

0012

以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。

0013

まず、図1図4を参照して、本実施形態に係る気固分離器100の構造について説明する。気固分離器100は、同軸状に固着された内筒10及び外囲器を兼ねた外筒2を主体に略筒状の二重構造に構成されており鉛直方向に延びた姿勢で使用される。

0014

(内筒の構造)
内筒10は、鉛直方向に延びる有底円筒状であり、その下端が円形状の底板(閉塞部材)11によって閉塞されており、その上端が開放されて導入口1とされている。

0015

内筒10には、この導入口1から固体粒子(粒子状固体触媒)と気体との混合物が導入される。内筒10の寸法についてはその外直径D3は好ましくは上流側に直結される図示しない混合物移送管と同一であることが好ましいが、内筒10を通過する混合物の適度な線速度を得るためにサイズダウンしてもサイズアップしても良い。具体的には、内筒10の混合物線速度が1m/s〜100m/s、好ましくは3m/s〜30m/s、より好ましくは5m/s〜20m/sとなるように、内筒10の直径を設定するようにすると好ましい。

0016

内筒10の底板11側の側面には、その円周等分部位に、軸方向に延びる略矩形状の開口部4が周方向に複数個形成されている。本実施形態において、開口部4は、内筒10の側面に12個形成されているが、2個以上であればよく、好ましくは8個〜16個であり、より好ましくは10〜14個である。開口部4が単一(2個より少ない)である場合、内外筒間隙にて分離に必要な気流反転を良好に形成できず不都合である。16個を越える開口部4が形成されている場合、内筒10の直径等のサイズにもよるが、一般には分離器の複雑化・高コスト化に対する分離効率の向上が得られない。

0017

開口部4の開口面積は、混合物の供給量に応じて開口部4を通過する混合物の線速度が1m/s〜40m/s、好ましくは3m/s〜25m/s、より好ましくは10m/s〜25m/sとなるよう決定される。開口部4を通過する混合物の線速度が1m/sより小さい場合は、混合物の速度が遅く分離が不十分になるため好ましくない。また、開口部4を通過する混合物の線速度が40m/sより大きい場合は、開口部4、案内羽根5、外筒2の側壁の磨耗が激しくなるため好ましくない。開口部4の開口面積が決定されると、それに応じて、開口部4の長さL及び幅Wを決定することができる。

0018

これらの開口部4に対応する内筒10の側面には、外方に突出する長尺湾曲板状の案内羽根5が設けられている。すなわち、案内羽根5は、開口部4と同数だけ、それぞれ開口部4の一方の長辺縁部に沿って設けられている。これらの案内羽根5は、内筒径方向と一定角度を成している。すなわち、各案内羽根5は、各開口部4を覆うように一定円周方向に傾斜して設けられている。傾斜形状は、図1図3及び図4に示されるように湾曲していても良いし、図5の(a)において縦断面図で示されるように平板状であっても良く、さらに、図5の(b)において縦断面図で示されるように途中で折れた板状でもよい。

0019

各案内羽根5が湾曲する場合には、特に図3において詳しく示されるように、開口部4に面する側が凹面となるような曲面、特に、断面円弧となることが好ましい。断面円弧となる場合には、頂角が70°〜120°に設定されていることが好ましい。

0020

なお、分離器総体として円滑な動作が得られるように、全ての案内羽根5を同一形状とすると共に、全ての案内羽根5が円周等分点に位置するように取り付けることが好ましい。また、一つの開口部4に対応して複数部に分割された構成の案内羽根5をそれぞれ設けることもできる。

0021

(外筒の構成)
外筒2は、内筒10を外方から覆うと共に、内筒10に対して同軸状に位置する筒状体である。外筒2は、上から順に、気体案内筒2c、円筒状の中央外筒2a、円錐筒2d及び粒子抜出管2eを有している。中央外筒2aは、内筒10における複数の開口部4が形成された部分10aを取り囲むように配置されている。中央外筒2bは、内筒10の底板11よりもさらに下方に延びていることが好ましい。

0022

中央外筒2aの上には、中央外筒2aよりも径が小さい、円筒状の気体案内筒2cが配置され、気体案内筒2cの側面の対向位置2箇所には、気体抜出口6が形成されている。気体抜出口6には、外部に連通すると共に半径方向に延びた気体抜出管7がそれぞれ接続されている。気体抜出管7は、上方又は下方に傾斜していても良い。

0023

一方、中央外筒2aの下端には、下方に向かうにつれて縮径された円錐筒2d及び小径の粒子抜出管2eが、この順に接続されている。粒子抜出管2eの下端の粒子抜出口3から固体粒子が排出される。粒子抜出管2eの粒子抜出口3からは定常的な気体の排出はなされず、気体抜出管7を通してのみ気体が定常的に排出されるようになっている。また、外筒2と内筒10とは、開口部4のみを介して連通している。粒子抜出管2eの粒子抜出口3の開口径は、内筒10の外直径D3の0.6倍〜2倍であることが好ましい。

0024

上述した各部は、化学反応に耐える適宜素材を用いて形成される。例えば、加工性に優れ耐薬品性も良いステンレスは適材といえる。その他、異なる素材を適宜組み合わせて、上述した各部を構成してもよい。すなわち、上述した各部は、必要な剛性及び耐性を得ることができるものであればよい。

0025

(底板の形状)
図4に示すように、底板11の下面11bは、内周側から外周側へ向かうに従って、上方に位置する。本実施形態では、下面11bは、鏡板の形状を有している。鏡板の形状とは、下側へ凸となるドーム状の曲面を形成する形状である。下面11bでは、中心軸線の部分が最も低い位置に配置され、最も外周側の部分が最も高い位置に配置される。図4に示すように、鏡板の形状を有する下面11bは、断面視において、湾曲した形状をなしている。下面11bは、中心軸線周りに一定な断面形状を有している。下面11bの形状としては、断面形状が正半楕円形状のものや、一定の曲率半径にて湾曲する皿形のものが挙げられる。なお、下面11bの曲率半径や当該曲率半径の変化の態様等は特に限定されない。

0026

底板11の上面11cは、外周側から内周側へ向かうに従って、下方に位置している。本実施形態では、上面11cは、下面11bと同様に鏡板の形状を有している。上面11cは、下面11bと同パターンにて湾曲してよい。上面11cでは、中心軸線の部分が最も低い位置に配置され、最も外周側の部分が最も高い位置に配置される。図4に示すように、鏡板の形状を有する上面11cは、断面視において、湾曲した形状をなしている。上面11cは、中心軸線周りに一定な断面形状を有している。上面11cの形状としては、断面形状が正半楕円形状のものや、一定の曲率半径にて湾曲する皿形のものが挙げられる。なお、上面11cの曲率半径や当該曲率半径の変化の態様等は特に限定されない。また、底板11の厚さ、すなわち下面11bと上面11cとの間の寸法は一定であってもよく、位置によって異なっていてもよい。

0027

底板11には、図4図2,3も参照)に示すように、内筒10の中央部分に相当する位置(本実施形態では、底板11の中央部分と一致している。)に、内筒10と外筒2とを連通する円形状の連通孔11aが設けられている。なお、連通孔11aが形成される位置や個数は特に限定されない。連通孔11aは、底板11の全体にわたって複数個形成されていてもよい。また、連通孔11aの形状も円形に限定されず、例えば多角形状やスリット状の連通孔を形成してもよい。連通孔11aの面積(複数個の場合は総面積)は、底板11全体の面積に対して、0.6%〜20%である。ただし、下限値は、0.05%であってもよく、上限値は30%であってもよい。

0028

運転方法及び作用)
続いて、気固分離器100の運転方法及び作用を説明する。気体(粘度μ[Pa・s])と固体粒子(平均粒径dp[m]、粒子密度ρp[kg/m3])との混合物を、内筒10の導入口1から内筒10内へと所定速度(断面平均線速度U[m/s])で下向きに導入する。固体粒子としては、特に限定されないが、例えば、平均粒径dpが1μm〜500μm程度、粒子密度ρpが1.5g/cm3〜2.5g/cm3程度の流動接触触媒FCC)等が挙げられる。また、気体の粘度μは、通常、0.001Pa・s〜0.000005Pa・s程度である。

0029

定常的に図の上から下に向かう混合物(固体粒子及び気体)の流れは、底板11に遮られて横方向(水平方向)への速度を与えられ、内筒10の側面に形成された複数の開口部4から側方下向きに飛び出す(図2参照)。ここで、図2及び図4では、気体の流れを実線矢印にて表し、固体粒子の流れを点線矢印にて表している。

0030

その後、気体は、開口部4から下向きに流れ出た後、案内羽根5の内面5aに案内されて、鉛直軸を上から見て図示時計回りに少し旋回された後、時計回りに隣接する案内羽根5の外面5bに沿って上昇して、気体抜出口6から排出される。

0031

一方、固体粒子の一部は、案内羽根5の内面5aに衝突してそのまま内面に沿って下向きに移動する。また、残りの固体粒子は、気体抜出口6に向かう気体に随伴する。気体に随伴する固体粒子のうちのごく少数は、そのまま気体抜出口6から排出されるが、気体に随伴する固体粒子のうちの大部分は、気体の流れが下向きから上向きに反転する際にその慣性や自重のために気体から離脱してそのまま下方に進み、図2に示されるように、円錐筒2dの内面に沿って旋回し、粒子抜出口3から排出されることとなる。従って、本実施形態における気固分離器100によって、固体粒子及び気体の混合物を固体粒子と気体とに効果的に分離することが可能となる。

0032

ここで、本実施形態に係る気固分離器100の底板11の作用・効果について、図4を参照し、比較例と比較しながら説明する。図4(a),(c),(e),(f)は本実施形態に係る気固分離器100の部分拡大図であり、図4(b),(d)は比較例に係る気固分離器の部分拡大図である。図4(b),(d)の比較例に係る気固分離器は、水平方向に広がる平板状の底板111を備える。底板111の下面111b及び上面111cは共に水平方向に広がる平面である。

0033

内筒10の下端側の側面に設けられた複数の開口部4から気体Gと固体粒子Cが流れ出る。そして、気体Gの一部は固体粒子Cと共に下方へ向かい、その後に下方から上方へ反転する。ここで、図4(b)に示すように、比較例に係る気固分離器の底板111の下面111bは水平方向に広がる平面である。従って、上昇してきた気体Gは、底板11の水平方向に広がる下面111bへ衝突することで、水平方向へ拡散する。これにより、気体Gは外筒壁面まで及び、当該外筒壁面に沿って上方へ流れる。一方、開口部4から流れ出て外筒壁面と衝突して落下する固体粒子Cが、外筒壁面に沿って落下している。これにより、上昇してきた気体Gが外筒壁面に沿って上方へ流れるため、上昇する気体Gが外筒壁面に沿って落下する固体粒子Cを巻き上げる可能性がある。

0034

一方、図4(a)に示すように、本実施形態に係る気固分離器100の内筒10の下端は底板11によって閉塞されており、当該底板11の下面11bは、内周側から外周側へ向かうに従って、上方に位置する。従って、上昇してきた気体Gは、底板11の下面11bへ接触したときに、水平方向へ拡散して外筒壁面に沿って流れることが抑制され、底板11の下面11bの形状に沿って上方へ向かって流れる。このように、上昇してきた気体Gが内筒10に沿って上方へ流れるため、上昇する気体Gが外筒壁面に沿って落下する固体粒子Cを巻き上げることを抑制できる。これによって、気体Gと固体粒子Cとの分離効率を向上できる。

0035

図4(d)に示すように、比較例に係る気固分離器の底板111の上面111cは水平方向に広がる平面である。従って、内筒10内を落下する固体粒子Cが底板111の上面111cに接触した時に、固体粒子Cは底板111の水平方向に広がる上面11cと垂直に衝突する。これによって、固体粒子Cが底板111の上面111cと接触することに伴って生じる衝撃によって、底板111の摩耗が促進される可能性がある。

0036

一方、図4(c)に示すように、本実施形態に係る気固分離器100では、底板11の上面11cは、外周側から内周側へ向かうに従って、下方に位置している。この場合、内筒10内を落下する固体粒子Cが底板11の上面11cに接触した時に、固体粒子Cは底板11の上面11cの形状に沿って下方へ移動する。これによって、固体粒子Cが底板11の上面11cと接触することに伴って生じる衝撃を軽減することができるため、底板11の摩耗を軽減できる。

0037

図4(f)に示す気固分離器は、底板11に連通孔が形成されていない。従って、内筒10内を落下してきた固体粒子Cは、底板11の上面11cに滞留する。また、セパレータ上部からの壁面の剥離物等が落ちてきた場合も上面11cに滞留する。また、初期に導入されるスチームの溜まりが生じる。これにより、固体粒子等が上面11cで固まる可能性がある。

0038

一方、気固分離器100において、底板111には、鉛直方向に延びる連通孔11aが形成されている。この場合、内筒10内を落下する固体粒子Cは、連通孔11aを介して内筒10の外へ落下する。これにより、固体粒子Cが内筒内に滞留する滞留時間を減らすことができ、コーキングなどによる閉塞を抑制することができる。また、セパレータ上部からの壁面の剥離物等が落ちてきたものが上面11cに滞留することも抑制できる。また、初期に導入されるスチームの溜まりも無くすことができる。これにより、固体粒子等が上面11cで固まることを低減できる。

0039

本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。

0040

底板の下面及び上面の形状は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を満たす範囲で適宜変更可能である。例えば、図5(a)に示すような円錐形状に構成される底板51を採用してもよい。底板51の下面51bは、断面視において、内周側から外周側へ向かって斜め上方真っ直ぐに延びている。底板51の上面51cは、断面視において、外周側から内周側へ向かって斜め下方へ真っ直ぐに延びている。底板51の板厚は場所によらず一定であり、底板51の下面51bが中心軸線との間でなす角度と、上面51cが中心軸線との間でなす角度とは同一である。なお、当該角度を円錐角度θとする。なお、下面51bの円錐角度θと、上面51cの円錐角度θとは、互いに異なっていてもよい。

0041

また、上述の実施形態においては、底板の下面は、内周側から外周側へ向かうに従って、上方に位置し、且つ、底板の上面は、外周側から内周側へ向かうに従って、下方に位置していた。これに代えて、下面のみ前述の構成を有し、上面は水平方向に真っ直ぐ延びる平面であってもよい。例えば、図5(b)に示す底板61では、下面61bは、断面視において、内周側から外周側へ向かって斜め上方へ真っ直ぐに延びており、上面61cは水平方向に延びている。この場合、上面61c側においては、図4(c)で説明した摩耗低減の効果は得られないが、下面61b側においては、図4(a)で説明した固体粒子Cの巻き上げ抑制効果を得ることができる。また、図5(c)に示す底板71を採用してもよく、下面71bは、鏡板状に形成され、断面視において、内周側から外周側へ向かって斜め上方へ湾曲しながら延びている。一方、上面71cは水平方向に延びている。なお、底板61,71は中空であってもよい。

0042

なお、図5(a),(b),(c)の各形態に係る底板51,61,71は、それぞれ連通孔51a,61a,71aを有しているが、当該連通孔51a,61a,71aを省略してもよい。

0043

また、底板の形状は、上述のような鏡板状又は円錐状のものに限定されず、例えば、円錐角度θが複数段階変化するような構成であってもよい。また、底板の下面及び上面の一部が平面状であってもよい。

0044

以下、実施例に基づいて本発明の一形態に係る気固分離器を具体的に説明するが、気固体分離器の構成は下記の実施例に限定されるものではない。

0045

[実施例]
実施例1に係る気固分離器として、図5(c)に示す構成から連通孔71aを省略したものを採用した。すなわち、図6に示すように、実施例1に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が平板状であって、底板の下面(底部下部形状)が鏡板状の正半楕円体形であって、連通孔の面積比が0%であった。なお、底板の下面の「長半径R:短半径r」は「2:1」であった。なお、固体粒子として流動接触分解触媒を使用した。気体として、水素、スチーム、炭化水素で構成されるガスを使用した。

0046

実施例2に係る気固分離器として、図5(b)に示す構成を採用した。すなわち、図6に示すように、実施例2に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が平板状であって、底板の下面(底部下部形状)が円錐角度θ=75°の円錐状であって、連通孔の面積比が5%であった。その他の条件は、実施例1と同様とした。

0047

実施例3に係る気固分離器として、図4(f)に示す構成を採用した。すなわち、図6に示すように、実施例3に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が鏡板状の正半楕円体形であって、底板の下面(底部下部形状)が鏡板状の正半楕円体形であって、連通孔の面積比が0%であった。なお、底板の下面及び上面の「長半径R:短半径r」は「2:1」であった。

0048

実施例4に係る気固分離器として、図5(b)に示す構成から連通孔51aを省略したものを採用した。すなわち、図6に示すように、実施例4に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が平板状であって、底板の下面(底部下部形状)が円錐角度θ=75°の円錐状であって、連通孔の面積比が0%であった。その他の条件は、実施例1と同様とした。

0049

実施例5に係る気固分離器として、図4(a)に示す構成を採用した。すなわち、図6に示すように、実施例5に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が鏡板状の正半楕円体形であって、底板の下面(底部下部形状)が鏡板状の正半楕円体形であって、連通孔の面積比が3%であった。なお、底板の下面及び上面の「長半径R:短半径r」は「2:1」であった。

0050

実施例6に係る気固分離器として、図4(a)に示す構成を採用した。すなわち、図6に示すように、実施例6に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が鏡板状の皿形であって、底板の下面(底部下部形状)が鏡板状の皿形であって、連通孔の面積比が10%であった。なお、底板の下面及び上面の曲率半径rは、0.1D(Dは底板全体の直径)であった。

0051

実施例7に係る気固分離器として、図5(a)に示す構成を採用した。すなわち、図6に示すように、実施例7に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が円錐角度θ=75°の円錐状であって、底板の下面(底部下部形状)が円錐角度θ=75°の円錐状であって、連通孔の面積比が5%であった。その他の条件は、実施例1と同様とした。

0052

実施例8に係る気固分離器として、図5(a)に示す構成を採用した。すなわち、図6に示すように、実施例8に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が円錐角度θ=45°の円錐状であって、底板の下面(底部下部形状)が円錐角度θ=45°の円錐状であって、連通孔の面積比が15%であった。その他の条件は、実施例1と同様とした。

0053

[比較例]
比較例1に係る気固分離器として、図4(b)に示す構成から連通孔111aを省略したものを採用した。すなわち、図6に示すように、比較例1に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が平板状であって、底板の下面(底部下部形状)が平板状であって、連通孔の面積比が0%であった。その他の条件は、実施例1と同様とした。

0054

比較例2に係る気固分離器として、図4(b)に示す構成を採用した。すなわち、図6に示すように、比較例2に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が平板状であって、底板の下面(底部下部形状)が平板状であって、連通孔の面積比が3%であった。その他の条件は、実施例1と同様とした。

0055

比較例3に係る気固分離器として、図4(b)に示す構成を採用した。すなわち、図6に示すように、比較例3に係る気固分離器は、底板の上面(底部上部形状)が平板状であって、底板の下面(底部下部形状)が平板状であって、連通孔の面積比が5%であった。その他の条件は、実施例1と同様とした。

0056

[評価]
図6に示すように、底板の下面が平板状である比較例1,2,3の分離効率はいずれも93.5%よりも小さい値に留まっていた。それに比して、底板の下面が鏡板状又は円錐状である実施例1〜8の分離効率は、少なくとも各比較例よりも高く、95%以の値まで向上できた。なお、分離効率は、「(分離効率)=(1−(気体に同伴される固体重量)÷(導入した固体重量))×100(%)」で算出される。当該結果より、底板の下面が内周側から外周側へ向かうに従って、上方に位置する構成とすることで、分離効率が向上することが理解される。

0057

また、底板の上面が平板状である比較例1,2,3の相対摩耗速度は1.0であり、底板の上面が平板状である実施例1,2の相対摩耗速度は0.9であった。なお、相対摩耗速度とは、比較例1の摩耗量(減肉)を1とした場合の相対値である。それに比して、閉鎖部材の上面が鏡板状又は円錐状である実施例3,4,5,6,7,8の相対摩耗速度は、少なくとも0.9より小さく、0.5以下に低減することができた。当該結果より、底板の上面が外周側から内周側へ向かうに従って、下方に位置する構成とすることで、相対摩耗速度を低減できることが理解される。

0058

[連通孔の面積の評価]
連通孔の面積の評価を行うために、以下の実施例9〜14を準備した。実施例9に係る気固分離器として、実施例4に対して連通孔の面積比が0.5%であること以外の条件が同様なものを採用した。実施例10に係る気固分離器として、実施例4に対して連通孔の面積比が0.6%であること以外の条件が同様なものを採用した。実施例11に係る気固分離器として、実施例4に対して連通孔の面積比が3%であること以外の条件が同様なものを採用した。実施例12に係る気固分離器として、実施例4に対して連通孔の面積比が15%であること以外の条件が同様なものを採用した。実施例13に係る気固分離器として、実施例4に対して連通孔の面積比が20%であること以外の条件が同様なものを採用した。実施例14に係る気固分離器として、実施例4に対して連通孔の面積比が21%であること以外の条件が同様なものを採用した。実施例4,7,9〜14について、分離効率と固着率を測定した。測定結果図7の表に示す。

0059

図7に示すように、実施例10,11,7と、実施例4,9とを比較すると、連通孔面積比を0.6%以上とすることで、固着率が顕著に低くできることが理解される。また、実施例12,13と実施例14とを比較すると、連通孔面積比を20%以下とすることで、分離効率が必要以上に低下することを抑制できることが理解される。

0060

4…開口部、7…気体抜出管、10…内筒、11…閉塞部材(底板)、11a…連通孔、11b…下面、11c…上面、100…気固分離器。

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