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課題

シスタチオニンβ−シンターゼ(CBSタンパク質、特にそのトランケート型バリアント、ならびにそれから調製された組成物および医薬組成物を精製するためのクロマトグラフィー法を提供すること。

解決手段

当該方法は、(a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップと、(b)金属アフィニティークロマトグラフィーIMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む。

概要

背景

シスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)は、真核生物におけるホモシステイン(Hcy)代謝において重要な役割を果たす(Muddら、2001年、The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease、第8版、2007〜2056頁、McGraw−Hill、New York)。CBS酵素により、セリンとホモシステインのピリドキサール5’−リン酸PLPビタミンB6)依存性縮合触媒されてシスタチオニンが形成され、次いでこれが、別のPLP依存性酵素であるシスタチオニンγ−リアーゼによるシステインの産生に使用される。トランススルフレション経路を有する哺乳動物細胞では、CBSは、Hcyのメチオニンへの再メチル化またはシステインの生合成におけるその代替的使用の間の調節上重要な位置にある。これらの2つの競合経路間の相対的なフラックスは、おおむね同等であり、細胞内S−アデノシルメチオニン(AdoMet)濃度により制御される(FinkelsteinおよびMartin、1984年、J. Biol. Chem. 259巻:9508〜13頁)。AdoMetにより、哺乳動物のCBS酵素が5倍も活性化され、見かけ解離定数は15μMになる(Finkelsteinら、1975年、Biochem. Biophys. Res. Commun. 66巻:81〜87頁;Roperら、1992年、Arch. Biochem. Biophys. 298巻:514〜521頁;Kozichら、1992年、Hum. Mutation 1巻:113〜123頁)。

ヒトCBSのC末端調節ドメインは、約140アミノ酸残基からなる(Keryら、1998年、Arch. Biochem. Biophys. 355巻:222〜232頁)。この領域は、ヒト酵素の四量体化およびAdoMet活性化のために必要である(Keryら、1998年、同上)。C末端調節領域は、以前に定義された「CBSドメイン」も包含する(Bateman、1997年、TrendsBiochem. Sci. 22巻:12〜13頁)。これらの疎水性配列(CBS1およびCBS2)は、それぞれ配列番号1のアミノ酸残基416〜468および486〜543にわたり、他の点では無関係のタンパク質内で広範囲に保存されている。これらの機能は依然として不明であるが、熱により誘導されるCBS活性化の移り変わりが鋭いこと、およびこのドメインにおける変異により酵素が構成的に活性化され得るという知見により、これらがC末端領域の自己阻害的(autoinhibitory)機能において役割を果たすことが示される(Janosikら、2001年、Biochemistry 40巻:10625〜33頁;Shanら、2001年、Hum. Mol. Genet. 10巻:635〜643頁;MilesおよびKraus、2004年、J. Biol. Chem. 279巻:29871〜4頁)。酵母CBSのC末端領域にも2つの良く保存されたCBSドメインが存在し、これらはヒト酵素とほぼ同じ長さである。

健康な正常な個体では、HcyからシスタチオニンへのCBS媒介性変換は、システイン(Cys)へのメチオニン(Met)代謝の律速的な中間ステップである。ビタミンB6がこのプロセスに必須の補酵素である。CBS酵素における特定の遺伝子変異を有する患者では、Hcyのシスタチオニンへの変換は遅くなる、または存在せず、その結果、酵素の基質(Hcy)の血清中濃度が上昇し、それに対応して酵素産物(シスタチオニン)の血清中濃度が低下する。Hcyの血清中ベルが上昇し、同時にそれが尿中に排出される臨床的状態は、集合的にホモシスチン尿症として公知である。

CBSの欠乏は、血漿組織および尿におけるホモシステインレベル重度な上昇をもたらす、重篤生命にかかわる疾患である遺伝性ホモシスチン尿症の最も一般的な原因である。ホモシスチン尿症の分布率に関する推定値は広範に変動する。新生児スクリーニングによる確認および臨床的確認により、1:200,000から1:335,000までにわたる分布率が示されている(Muddら、1995年、The Metabolic and Molecular Basis of Inherited Diseases、McGraw−Hill: New York、1279頁)。CBS欠損ホモシスチン尿症(CBSDH)に伴う一次的な健康問題としては、治療を受けていない患者および部分的な治療を受けた患者における高い死亡率がもたらされる、血栓症に対する素因を伴う心血管疾患進行性近視および水晶体転位を伴う、眼の系に影響を及ぼす結合組織の問題;マルファン症候群様の体質骨粗鬆症、および側弯症を特徴とする、骨格に影響を及ぼす結合組織の問題;ならびに精神遅滞および発作を含めた中枢神経系の問題が挙げられる。症状としては、水晶体脱臼、骨格障害、精神遅滞、ならびに早発性動脈硬化症および血栓症が挙げられる(Muddら、2001年、同上)。ホモ接合性CBS欠乏は、精神遅滞、骨粗鬆症、後側弯症、脳卒中、心筋梗塞、水晶体偏位、および肺塞栓症を含めた多数の臨床症状に関連する。この疾患の心血管系合併症、具体的には動脈血栓症および静脈血栓症は早期の死亡率の主要な一因となっている。

CBS欠乏の病態生理は、確実に複雑であるが、シスタチオニンが形成されるHcyとL−セリンのCBSに触媒される縮合がないことに起因して組織および血液中蓄積されるCBSの基質である血清中Hcyが極度に上昇することが終末器官傷害の基本的な扇動因子であるということは一致する。Hcyの血液および組織中の濃度がきわめて大きく上昇することの毒性は、Hcyそれ自体の分子反応性および生物学的効果、またはいくつもの生物学的プロセスに影響を及ぼすその代謝産物(例えばHcy−チオラクトン)により生じる可能性がある(Jakubowskiら、2008年、FASEB J 22巻:4071〜6頁)。慢性血小板凝集における異常、血管パラメータの変化、および内皮機能障害は全て、ホモシスチン尿症の患者において記載されている。
現在、CBSDHを治療するための治療の選択肢は3つ存在する:
1)ビタミンB6応答性患者において、薬理学的用量のビタミンB6を使用してCBS活性の残留する活性を増大させること
2)Metの摂取を厳密に制限した食事によって血清中Hcyを低減させること、および
3)HcyからMetへのベタイン媒介性変換、したがって、血清中Hcy濃度を低減させることによって解毒すること。

これらの3つの療法はそれぞれ、血清中Hcy濃度を低減させることを目的としている。ビタミンB6非反応性CBSDHを患っている個体に対する標準の治療は、代謝的調合およびシステインの形態のCys(この状態においては条件的必須アミノ酸になる)を補充したMet制限食からなる。天然のタンパク質が多い肉、乳製品、および他の食品の摂取は禁止される。二次的な栄養不良を予防するために、アミノ酸および微量栄養素を含有する美味しくない合成の代謝的調合を毎日消費することが必要である。ベタイン(商品名:Cystadane(商標)、シノニムトリメチルグリシン)を補充することも標準の療法であり、ベタインは、肝臓におけるベタイン−ホモシステインメチルトランスフェラーゼによって触媒されるHcyからMetへの再メチル化のためのメチル供与体としての機能を果たす(Wilckenら、1983年、N. Engl. J. Med. 309巻:448〜53頁)。食事の遵守は、一般に、最適な介護およびリソースが提供される医療センターにおいてさえ不十分であり、この不履行が、ホモシスチン尿症の生命にかかわる合併症の発生に主に関連している。

ホモシスチン尿症の患者が、制限がはるかに少ない食事(例えば、毎日の摂取を1kg当たりタンパク質2gに限定すること、これは容易に実現できる)を楽しむこと、およびHcyの血漿中レベルを有意に低下させ、それにより長期にわたって臨床的な改善をもたらすことを可能にするために、同時係属の米国仮特許出願第61/758,138号に記載の通り、酵素活性を増大させるための戦略により、治療の潜在性がもたらされる。最も有効な治療的戦略は、ビタミンB6応答性ホモシスチン尿症患者にピリドキシン(pyridoxone)を与えた場合に明らかであるように、酵素活性を増大させることである。しかし、この戦略は、ビタミンB6非反応性患者に対しては、変異の性質に起因して不可能である。これらの患者において酵素活性を増大させるためのやり方としての酵素置換療法ERT)には、当技術分野では存在しない外因性酵素が必要であり、したがって、当技術分野において、CBSを、治療的投与をするための十分に精製された酵素としてより大きな収率で作製するための、改善された試薬および方法の必要性が生じる。

Krausおよび共同研究者らにより、活性な組換えヒトCBSおよびそのバリアントを生成するための発現系および発酵条件が開発された(米国特許第5,635,375号、同第5,523,225号および同第7,485,307号、その全体があらゆる目的について参照により本明細書に組み込まれる)。これらのタンパク質は、医薬品を調製するために有用であると考えられていないタンパク質を先導するタンパク質の使用を含めた、学術的な目的に関連するプロセスによって精製された。

CBS酵素活性を増大させる方法を使用するために、CBS酵素を精製する効率的な方法が必要である。組換えCBSタンパク質に対する既存の精製方法は、精製を容易にするためにアフィニティータグに依拠し、所望の純度および効率がもたらされない。したがって、治療的使用に必要なレベルのCBSをより効率的に得るために、微生物細胞において産生されるCBSタンパク質の下流の精製の改善が必要とされている。

概要

シスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)タンパク質、特にそのトランケート型バリアント、ならびにそれから調製された組成物および医薬組成物を精製するためのクロマトグラフィー法を提供すること。当該方法は、(a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップと、(b)金属アフィニティークロマトグラフィーIMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む。なし

目的

本発明は、シスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)を精製するための方法であって、前記CBSタンパク質がその天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体、特に、組換え細胞において産生されたトランケート型CBSである方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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この技術が所属する分野

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請求項1

本願明細書に記載の発明。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2012年3月26日に出願された米国特許仮出願第61/615,629号および2013年3月14日に出願された米国特許出願第13/830,494号の利益を請求し、これらの開示は各々参照によって組み込まれる。

0002

本発明は、一般には、シスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)、特に、そのトランケート型バリアントを精製するための方法に関する。本発明は、前記精製方法によって作製される実質的に純粋なCBSの組成物にも関する。

背景技術

0003

シスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)は、真核生物におけるホモシステイン(Hcy)代謝において重要な役割を果たす(Muddら、2001年、The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease、第8版、2007〜2056頁、McGraw−Hill、New York)。CBS酵素により、セリンとホモシステインのピリドキサール5’−リン酸PLPビタミンB6)依存性縮合触媒されてシスタチオニンが形成され、次いでこれが、別のPLP依存性酵素であるシスタチオニンγ−リアーゼによるシステインの産生に使用される。トランススルフレション経路を有する哺乳動物細胞では、CBSは、Hcyのメチオニンへの再メチル化またはシステインの生合成におけるその代替的使用の間の調節上重要な位置にある。これらの2つの競合経路間の相対的なフラックスは、おおむね同等であり、細胞内S−アデノシルメチオニン(AdoMet)濃度により制御される(FinkelsteinおよびMartin、1984年、J. Biol. Chem. 259巻:9508〜13頁)。AdoMetにより、哺乳動物のCBS酵素が5倍も活性化され、見かけ解離定数は15μMになる(Finkelsteinら、1975年、Biochem. Biophys. Res. Commun. 66巻:81〜87頁;Roperら、1992年、Arch. Biochem. Biophys. 298巻:514〜521頁;Kozichら、1992年、Hum. Mutation 1巻:113〜123頁)。

0004

ヒトCBSのC末端調節ドメインは、約140アミノ酸残基からなる(Keryら、1998年、Arch. Biochem. Biophys. 355巻:222〜232頁)。この領域は、ヒト酵素の四量体化およびAdoMet活性化のために必要である(Keryら、1998年、同上)。C末端調節領域は、以前に定義された「CBSドメイン」も包含する(Bateman、1997年、TrendsBiochem. Sci. 22巻:12〜13頁)。これらの疎水性配列(CBS1およびCBS2)は、それぞれ配列番号1のアミノ酸残基416〜468および486〜543にわたり、他の点では無関係のタンパク質内で広範囲に保存されている。これらの機能は依然として不明であるが、熱により誘導されるCBS活性化の移り変わりが鋭いこと、およびこのドメインにおける変異により酵素が構成的に活性化され得るという知見により、これらがC末端領域の自己阻害的(autoinhibitory)機能において役割を果たすことが示される(Janosikら、2001年、Biochemistry 40巻:10625〜33頁;Shanら、2001年、Hum. Mol. Genet. 10巻:635〜643頁;MilesおよびKraus、2004年、J. Biol. Chem. 279巻:29871〜4頁)。酵母CBSのC末端領域にも2つの良く保存されたCBSドメインが存在し、これらはヒト酵素とほぼ同じ長さである。

0005

健康な正常な個体では、HcyからシスタチオニンへのCBS媒介性変換は、システイン(Cys)へのメチオニン(Met)代謝の律速的な中間ステップである。ビタミンB6がこのプロセスに必須の補酵素である。CBS酵素における特定の遺伝子変異を有する患者では、Hcyのシスタチオニンへの変換は遅くなる、または存在せず、その結果、酵素の基質(Hcy)の血清中濃度が上昇し、それに対応して酵素産物(シスタチオニン)の血清中濃度が低下する。Hcyの血清中ベルが上昇し、同時にそれが尿中に排出される臨床的状態は、集合的にホモシスチン尿症として公知である。

0006

CBSの欠乏は、血漿組織および尿におけるホモシステインレベル重度な上昇をもたらす、重篤生命にかかわる疾患である遺伝性ホモシスチン尿症の最も一般的な原因である。ホモシスチン尿症の分布率に関する推定値は広範に変動する。新生児スクリーニングによる確認および臨床的確認により、1:200,000から1:335,000までにわたる分布率が示されている(Muddら、1995年、The Metabolic and Molecular Basis of Inherited Diseases、McGraw−Hill: New York、1279頁)。CBS欠損ホモシスチン尿症(CBSDH)に伴う一次的な健康問題としては、治療を受けていない患者および部分的な治療を受けた患者における高い死亡率がもたらされる、血栓症に対する素因を伴う心血管疾患進行性近視および水晶体転位を伴う、眼の系に影響を及ぼす結合組織の問題;マルファン症候群様の体質骨粗鬆症、および側弯症を特徴とする、骨格に影響を及ぼす結合組織の問題;ならびに精神遅滞および発作を含めた中枢神経系の問題が挙げられる。症状としては、水晶体脱臼、骨格障害、精神遅滞、ならびに早発性動脈硬化症および血栓症が挙げられる(Muddら、2001年、同上)。ホモ接合性CBS欠乏は、精神遅滞、骨粗鬆症、後側弯症、脳卒中、心筋梗塞、水晶体偏位、および肺塞栓症を含めた多数の臨床症状に関連する。この疾患の心血管系合併症、具体的には動脈血栓症および静脈血栓症は早期の死亡率の主要な一因となっている。

0007

CBS欠乏の病態生理は、確実に複雑であるが、シスタチオニンが形成されるHcyとL−セリンのCBSに触媒される縮合がないことに起因して組織および血液中蓄積されるCBSの基質である血清中Hcyが極度に上昇することが終末器官傷害の基本的な扇動因子であるということは一致する。Hcyの血液および組織中の濃度がきわめて大きく上昇することの毒性は、Hcyそれ自体の分子反応性および生物学的効果、またはいくつもの生物学的プロセスに影響を及ぼすその代謝産物(例えばHcy−チオラクトン)により生じる可能性がある(Jakubowskiら、2008年、FASEB J 22巻:4071〜6頁)。慢性血小板凝集における異常、血管パラメータの変化、および内皮機能障害は全て、ホモシスチン尿症の患者において記載されている。
現在、CBSDHを治療するための治療の選択肢は3つ存在する:
1)ビタミンB6応答性患者において、薬理学的用量のビタミンB6を使用してCBS活性の残留する活性を増大させること
2)Metの摂取を厳密に制限した食事によって血清中Hcyを低減させること、および
3)HcyからMetへのベタイン媒介性変換、したがって、血清中Hcy濃度を低減させることによって解毒すること。

0008

これらの3つの療法はそれぞれ、血清中Hcy濃度を低減させることを目的としている。ビタミンB6非反応性CBSDHを患っている個体に対する標準の治療は、代謝的調合およびシステインの形態のCys(この状態においては条件的必須アミノ酸になる)を補充したMet制限食からなる。天然のタンパク質が多い肉、乳製品、および他の食品の摂取は禁止される。二次的な栄養不良を予防するために、アミノ酸および微量栄養素を含有する美味しくない合成の代謝的調合を毎日消費することが必要である。ベタイン(商品名:Cystadane(商標)、シノニムトリメチルグリシン)を補充することも標準の療法であり、ベタインは、肝臓におけるベタイン−ホモシステインメチルトランスフェラーゼによって触媒されるHcyからMetへの再メチル化のためのメチル供与体としての機能を果たす(Wilckenら、1983年、N. Engl. J. Med. 309巻:448〜53頁)。食事の遵守は、一般に、最適な介護およびリソースが提供される医療センターにおいてさえ不十分であり、この不履行が、ホモシスチン尿症の生命にかかわる合併症の発生に主に関連している。

0009

ホモシスチン尿症の患者が、制限がはるかに少ない食事(例えば、毎日の摂取を1kg当たりタンパク質2gに限定すること、これは容易に実現できる)を楽しむこと、およびHcyの血漿中レベルを有意に低下させ、それにより長期にわたって臨床的な改善をもたらすことを可能にするために、同時係属の米国仮特許出願第61/758,138号に記載の通り、酵素活性を増大させるための戦略により、治療の潜在性がもたらされる。最も有効な治療的戦略は、ビタミンB6応答性ホモシスチン尿症患者にピリドキシン(pyridoxone)を与えた場合に明らかであるように、酵素活性を増大させることである。しかし、この戦略は、ビタミンB6非反応性患者に対しては、変異の性質に起因して不可能である。これらの患者において酵素活性を増大させるためのやり方としての酵素置換療法ERT)には、当技術分野では存在しない外因性酵素が必要であり、したがって、当技術分野において、CBSを、治療的投与をするための十分に精製された酵素としてより大きな収率で作製するための、改善された試薬および方法の必要性が生じる。

0010

Krausおよび共同研究者らにより、活性な組換えヒトCBSおよびそのバリアントを生成するための発現系および発酵条件が開発された(米国特許第5,635,375号、同第5,523,225号および同第7,485,307号、その全体があらゆる目的について参照により本明細書に組み込まれる)。これらのタンパク質は、医薬品を調製するために有用であると考えられていないタンパク質を先導するタンパク質の使用を含めた、学術的な目的に関連するプロセスによって精製された。

0011

CBS酵素活性を増大させる方法を使用するために、CBS酵素を精製する効率的な方法が必要である。組換えCBSタンパク質に対する既存の精製方法は、精製を容易にするためにアフィニティータグに依拠し、所望の純度および効率がもたらされない。したがって、治療的使用に必要なレベルのCBSをより効率的に得るために、微生物細胞において産生されるCBSタンパク質の下流の精製の改善が必要とされている。

0012

米国特許第5,635,375号明細書
米国特許第5,523,225号明細書
米国特許第7,485,307号明細書

先行技術

0013

Muddら、2001年、The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease、第8版、2007〜2056頁、McGraw−Hill、New York
FinkelsteinおよびMartin、1984年、J. Biol. Chem. 259巻:9508〜13頁
Finkelsteinら、1975年、Biochem. Biophys. Res. Commun. 66巻:81〜87頁
Roperら、1992年、Arch. Biochem. Biophys. 298巻:514〜521頁
Kozichら、1992年、Hum. Mutation 1巻:113〜123頁
Keryら、1998年、Arch. Biochem. Biophys. 355巻:222〜232頁
Bateman、1997年、TrendsBiochem. Sci. 22巻:12〜13頁
Janosikら、2001年、Biochemistry 40巻:10625〜33頁
Shanら、2001年、Hum. Mol. Genet. 10巻:635〜643頁
MilesおよびKraus、2004年、J. Biol. Chem. 279巻:29871〜4頁
Muddら、1995年、The Metabolic and Molecular Basis of Inherited Diseases、McGraw−Hill: New York、1279頁
Jakubowskiら、2008年、FASEB J 22巻:4071〜6頁
Wilckenら、1983年、N. Engl. J. Med. 309巻:448〜53頁

課題を解決するための手段

0014

本発明は、シスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)を精製するための方法であって、前記CBSタンパク質がその天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体、特に、組換え細胞において産生されたトランケート型CBSである方法を提供する。特別な実施形態では、当該方法は、(a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップと、(b)金属アフィニティークロマトグラフィーIMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む。追加的な特別な実施形態では、当該方法は、(a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップと、(b)イオン交換クロマトグラフィーカラムおよび金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む。

0015

ある特定の実施形態では、当該方法は、追加的なクロマトグラフィーステップ(当技術分野で「最終精製」ステップとして公知である)を実施することをさらに含む。特別な実施形態では、本発明の方法は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)カラムを使用してクロマトグラフィーによる分離を実施するステップを含む。他の実施形態では、当該方法は、セラミックヒドロキシアパタイト(hydroxyapaptite)樹脂を使用してクロマトグラフィーによる分離を実施するステップをさらに含む。

0016

ある特定の実施形態では、イオン交換カラムは、陰イオン交換体、好ましくは弱陰イオン交換体である。特別な実施形態では、陰イオン交換体はDEAEセファロースFFカラムである。さらなる実施形態では、IMAC樹脂が二価イオンにより荷電している。さらに別の実施形態では、二価金属イオンは、ニッケル、銅、コバルトまたは亜鉛である。さらなる特定の実施形態では、二価金属イオンは亜鉛である。
ある特定の他の実施形態では、当該方法は、イミダゾールを含む溶出緩衝液を用いてIMAC樹脂からCBSを溶出させるステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、CBS含有溶液は、これだけに限定されないが、遠心分離後の上清または濾過後の濾液を含めた、CBSを含む懸濁液から細胞壊死組織片および他の粒子状物質が除去されている、清澄化されたCBS溶液である。さらに他の実施形態では、CBS含有溶液は、CBSをコードする核酸配列を含む組換え構築物を発現している細胞をホモジナイズすることによって得られる。ある特定の実施形態では、CBS核酸配列は配列番号1を含み、配列番号2と識別されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする。他の実施形態では、核酸配列はトランケートされたものである。さらに他の実施形態では、トランケート型CBS核酸配列は、配列番号2の382〜532、382〜550または543〜550からのアミノ酸残基のうちの1つの終了位置までトランケートされている。

0017

他のある特定の実施形態では、組換え細胞は、微生物細胞、特に、細菌細胞である。特別な実施形態では、細菌細胞は、E.coli細胞、特に、哺乳動物、好ましくはヒトのCBSタンパク質を産生する組換えE.coli細胞である。いくつかの特別な実施形態では、前記ヒトCBSタンパク質は、配列番号3に記載のアミノ酸配列または配列番号2の382〜532または543〜550からのアミノ酸残基のうちの1つの終了位置までトランケートされているトランケート型CBS核酸配列を有する。他の特別な実施形態では、トランケート型CBS核酸配列は、E.coliにおいて発現させるために最適化されており、配列番号4によって識別される。

0018

別の態様では、a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップであって、前記CBSタンパク質が、その天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体、特に、トランケートされたものであるステップと、(b)金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む方法を使用して実質的に精製されたCBS溶液が提供される。追加的な特別な実施形態では、(a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップと、(b)イオン交換クロマトグラフィーカラムおよび金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む方法を使用して実質的に精製されたCBS溶液が提供される。

0019

本発明のある特定の実施形態では、実質的に精製されたCBS溶液は、薬学的に許容される担体中に製剤化される。

0020

別の態様では、本発明は、濃縮されたCBS溶液を作製するための方法であって、
(a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップであって、前記CBSタンパク質が、その天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体、特に、トランケートされたものであるステップと、(b)二価金属イオンにより荷電した固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む方法を提供する。

0021

別の態様では、a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップであって、前記CBSタンパク質が、その天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体、特に、トランケートされたものであるステップと、(b)二価金属イオンにより荷電した固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む方法を使用して濃縮されたCBS溶液が提供される。

0022

本発明の特定の利点は、組換え型全長の、またはトランケートされたCBS、特にヒトCBSの精製を、タンパク質を、例えば、当技術分野で公知の「タグ」分子ポリ−HIS、FLAGなど)を組み入れることによって、さらに修飾することなく実現することができることである。本明細書に開示されているクロマトグラフィー法を使用することにより、有利にこれらのタグが不必要になり、したがって、追加的な組換え操作およびそのようなタグを含有する組換えCBSの任意の調製物に導入される恐れがあるいかなる不都合免疫原性、in vivo半減期または生化学的活性における)も回避される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
シスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)タンパク質を精製するための方法であって、該CBSタンパク質が、天然に存在するトランケート型CBSタンパク質、化学的にトランケートされたトランケート型CBSタンパク質または遺伝子操作されたトランケート型CBSタンパク質であり、
(a)1つまたは複数の不純物を含むCBS含有溶液を用意するステップと、
(b)イオン交換クロマトグラフィーカラムおよび金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を使用して該CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施し、それにより、該不純物を除去するステップと
を含む方法。
(項目2)
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)カラムを使用してクロマトグラフィーによる分離を実施するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
セラミックヒドロキシアパタイト樹脂を使用してクロマトグラフィーによる分離を実施するステップをさらに含む、項目1から2に記載の方法。
(項目4)
前記イオン交換クロマトグラフィーカラムが弱陰イオン交換体である、項目1から3に記載の方法。
(項目5)
前記弱陰イオン交換体がDEAE−セファロースFFカラムである、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂が二価金属陽イオンにより荷電している、項目1から5に記載の方法。
(項目7)
前記二価金属陽イオンがニッケル、銅、コバルトまたは亜鉛である、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記二価金属イオンが亜鉛である、項目7に記載の方法。
(項目9)
イミダゾールを含む溶出緩衝液を用いて前記金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂からCBSを溶出させるステップをさらに含む、項目1から8に記載の方法。
(項目10)
前記トランケート型CBSタンパク質が、配列番号3によって識別されるアミノ酸配列を有する、項目1から9に記載の方法。
(項目11)
前記CBS含有溶液が清澄化されたCBS溶液である、項目1から10に記載の方法。
(項目12)
前記CBSが組換え細胞において産生される、項目1から11に記載の方法。
(項目13)
前記組換え細胞が細菌細胞である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記CBS含有溶液が、CBSをコードする核酸配列を含む組換え構築物を発現する組換え細菌細胞をホモジナイズすることによって得られる、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記CBS核酸がトランケート型CBSタンパク質をコードする、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記トランケート型CBSタンパク質が、配列番号2の382〜532、382〜550または543〜550からのアミノ酸残基のうちの1つの終了位置までトランケートされている、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記CBS核酸配列が配列番号4を含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記組換え細胞がE.coli細胞である、項目12から17に記載の方法。
(項目19)
前記トランケート型CBSタンパク質をコードする核酸配列が、E.coli細胞において発現させるために最適化されている、項目16に記載の方法。
(項目20)
項目1から9に記載の方法によって作製される、実質的に精製されたCBS溶液。
(項目21)
薬学的に許容される担体中に製剤化される、項目20に記載の実質的に精製されたCBS溶液。
(項目22)
濃縮されたCBS溶液を作製するための方法であって、該CBSタンパク質がその天然に存在するトランケート体、化学的に切断されたトランケート体または遺伝子操作されたトランケート体であり、
(a)1つまたは複数の不純物を含むCBS含有溶液を用意するステップと、
(b)二価金属イオンにより荷電した固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を使用して該CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施し、それにより、該不純物を除去するステップと
を含む方法。
(項目23)
前記二価金属イオンがニッケル、銅、コバルトまたは亜鉛である、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記二価金属イオンが亜鉛である、項目23に記載の方法。
(項目25)
トランケート型CBSタンパク質が、配列番号3によって識別されるアミノ酸配列を有する、項目22から24に記載の方法。
(項目26)
前記CBS溶液が清澄化されたCBS溶液である、項目22から25に記載の方法。
(項目27)
前記CBSが組換え細胞において産生される、項目22から26に記載の方法。
(項目28)
前記組換え細胞が細菌細胞である、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記CBS溶液が、CBSをコードする核酸配列を含む組換え構築物を発現する組換え細菌細胞をホモジナイズすることによって得られる、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記CBSがトランケート型CBSタンパク質をコードする、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記トランケート型CBSタンパク質が、配列番号2の382〜532または543〜550からのアミノ酸残基のうちの1つの終了位置までトランケートされている、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記CBS核酸配列が配列番号4を含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記細菌細胞がE.coli細胞である、項目22から32に記載の方法。
(項目34)
前記トランケート型CBSタンパク質をコードする核酸配列が、E.coli細胞において発現させるために最適化されている、項目22から33に記載の方法。
(項目35)
項目22から34に記載の方法によって作製される、濃縮されたCBS溶液。

0023

本発明の特定の好ましい実施形態は、以下のある特定の好ましい実施形態についてのより詳細な記載および特許請求の範囲から明らかになろう。

0024

以下の本発明の実施形態の詳細な説明は、以下の図と併せて読めば最も良く理解することができる。

図面の簡単な説明

0025

図1は、DEAE−セファロース−FF、Zn−IMACおよびHICクロマトグラフィーを含む多段階クロマトグラフィー法を使用したスケールアップ生成実行からの精製手順の概要を示す図である。
図1は、DEAE−セファロース−FF、Zn−IMACおよびHICクロマトグラフィーを含む多段階クロマトグラフィー法を使用したスケールアップ生成実行からの精製手順の概要を示す図である。
図1は、DEAE−セファロース−FF、Zn−IMACおよびHICクロマトグラフィーを含む多段階クロマトグラフィー法を使用したスケールアップ生成実行からの精製手順の概要を示す図である。

0026

図2は、DEAE−セファロース−FFカラムおよび「最適化されていない」細菌発現構築物を使用して精製したCBSを使用した精製実験からの精製の概要を示す図である。移動相は、実施例に記載の他の構成成分に加えて10%エチレングリコールを含んだ。

0027

図3は、DEAE−セファロース−FF、Zn−IMAC、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂およびHICクロマトグラフィーを含む多段階クロマトグラフィー法を使用したスケールアップ生成実行からの精製手順の概要を示す図である。
図3は、DEAE−セファロース−FF、Zn−IMAC、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂およびHICクロマトグラフィーを含む多段階クロマトグラフィー法を使用したスケールアップ生成実行からの精製手順の概要を示す図である。
図3は、DEAE−セファロース−FF、Zn−IMAC、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂およびHICクロマトグラフィーを含む多段階クロマトグラフィー法を使用したスケールアップ生成実行からの精製手順の概要を示す図である。

0028

図4は、DEAEカラムを使用した精製ステップの各段階についてのCBSタンパク質と不純物の相対量を示すSDS pageゲル写真画像である。

0029

図5は、DEAEカラム、Zn−IMACカラムおよびHICカラムを含む3カラム精製方法についてのCBSタンパク質と不純物の相対量を示すSDS pageゲルの写真画像である。

0030

図6は、DEAEカラム、Zn−IMACカラム、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂およびHICカラムを含む4カラム精製方法についてのCBSタンパク質と不純物の相対量を示すSDS pageゲルの写真画像である。

0031

図7は、Zn−IMACを使用した精製後に分離された混合物の構成成分を実証しているクロマトグラムである。
図7は、Zn−IMACを使用した精製後に分離された混合物の構成成分を実証しているクロマトグラムである。

0032

図8は、Ni−IMACカラムを使用した展開実行からの精製の概要を示す図である。

0033

図9は、Ni−IMACカラムを使用した精製方法後の総タンパク質量を実証している要約表である。

0034

図10は、Ni−IMACカラムを使用した精製ステップの各段階についてのCBSタンパク質と不純物の相対量を示すSDS pageゲルの写真画像である。
図10は、Ni−IMACカラムを使用した精製ステップの各段階についてのCBSタンパク質と不純物の相対量を示すSDS pageゲルの写真画像である。

0035

図11は、Cu−IMACカラムを使用したスケールアップ生成実行からの精製の概要を示す図である。

0036

図12は、Zn−IMACカラムを使用した精製方法後の総タンパク質量を実証している要約表である。

0037

図13は、Zn−IMACカラムを使用した精製ステップの各段階についてのCBSタンパク質と不純物の相対量を示すSDS pageゲルの写真画像である。

0038

図14は、多段階クロマトグラフィー精製ステップを使用した精製方法のスキームである。

0039

本発明は、CBSタンパク質を精製するための方法であって、前記CBSタンパク質が、その天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体、特に、組換え細胞において産生されたトランケート型タンパク質CBSである方法を提供する。具体的には、本発明は、CBSタンパク質を精製するための方法であって、(a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップと、(b)金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む方法を提供する。追加的な特別な実施形態では、当該方法は、(a)少なくとも1つの不純物の存在下でCBS含有溶液を用意するステップと、(b)イオン交換クロマトグラフィーカラムおよび金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を使用して前記CBS含有溶液のクロマトグラフィーによる分離を実施するステップとを含む。

0040

本発明によって提供される方法のある特定の実施形態における特定のクロマトグラフィーによる分離ステップは、イオン交換クロマトグラフィーカラムを含む。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーカラムは、陰イオン交換体、好ましくは弱陰イオン交換体である。DEAE−セファデックスQAE−セファデックス、DEAE−セファセルDEAE−セルロースおよびDEAE−セファロース−FFを含めたさまざまな種類の陰イオン交換樹脂を使用することができる。一実施形態によると、陰イオン交換樹脂はDEAE−セファロース−FFである。

0041

本発明によって提供されるある特定の方法における別の特定のクロマトグラフィーによる分離ステップは、タンパク質をカラムに結合させると同時に選択的中間洗浄を使用して結合性の弱いタンパク質および他の分子種を除去することを可能にするために適したpHおよび伝導率を有する金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)樹脂を含む。ある特定の実施形態では、さまざまな濃度のイミダゾールを使用して、クロマトグラフィーの間の分配を調節した。適切な金属アフィニティー樹脂としては、ニッケル、銅、コバルトまたは亜鉛を含めた二価金属イオンにより荷電した固定化金属アフィニティーカラムが挙げられる。本発明の方法のある特定の実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーの後に金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)カラムを使用する。そのような実施形態では、IMACカラムは、二価陽イオンとして亜鉛を用いて荷電させることが好ましい。本発明の方法の他の実施形態では、IMACカラムを最初のクロマトグラフィーステップとして使用する。そのような実施形態では、ニッケルまたは銅二価陽イオンを使用してIMACカラムを荷電させることが好ましい。

0042

CBS含有溶液からCBSを精製するための、本発明の方法のある特定の実施形態において提供される追加的なクロマトグラフィーステップとしては、これだけに限定することなく、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)が挙げられる。HICは、捕捉ステップの間に標的タンパク質一緒に溶出される、比較的密接に関連するクロマトグラフィー上の性質を有する不純物を除去するために有用である。

0043

CBS含有溶液からCBSを精製するための、本発明の方法のある特定の実施形態において提供されるさらなる追加的なクロマトグラフィーステップとしては、これだけに限定することなく、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂が挙げられる。「セラミックヒドロキシアパタイト」または「CHAP」とは、高温で球状のマクロ多孔性のセラミック形態に焼結された、式(Ca10(PO4)6(OH)2)の不溶性ヒドロキシル化リン酸カルシウムを指す。本発明の方法は、遊離の、またはカラムに充填されたヒドロキシアパタイト樹脂と一緒に使用することもできる。当業者は、カラム寸法の選択を決定することができる。

0044

本発明の方法において有用なクロマトグラフィーマトリックスは、生化学的化合物、好ましくはタンパク質、核酸、および/または内毒素を結合させることができる材料であり、前記生化学的化合物の前記クロマトグラフィーマトリックスに対する親和性は、周囲の溶液(緩衝液)のイオン組成に影響される。前記溶液のイオン組成を制御することにより、本発明のクロマトグラフィー材料減法様式(CBSが前記クロマトグラフィーマトリックスを通過し、少なくともある特定の混入物が前記クロマトグラフィーマトリックスに結合する)、または、好ましくは、吸着様式(CBSがクロマトグラフィーマトリックスに結合する)のいずれかで使用することが可能になる。

0045

特別な実施形態では、精製するための方法は、宿主細胞、特に、組換え細胞、およびある特定の実施形態では、哺乳動物、好ましくはヒトのCBSタンパク質を産生する組換え細胞をホモジナイズするステップを含み、前記組換え構築物は、その天然に存在するトランケート型バリアント、または遺伝子操作されたトランケート体であるCBSタンパク質をコードし、特に、前記構築物は組換え細胞での発現のために最適化されている。特別な実施形態では、前記組換え細胞は、微生物細胞、特に、細菌細胞である。いくつかの特別な実施形態では、細菌細胞はE.coli細胞であり、CBS配列は、組換え発現構築物において、前記細胞において発現させるために最適化されるように工学的に操作されており、E.coliにおけるCBS発現のために最適化されたそのような核酸配列の特定の実施形態が配列番号4に記載されている。前記方法では、細胞を、例えば遠心分離によって収集し、場合によって−80℃で保管する。宿主細胞のホモジナイズを、物理的手段、化学的手段もしくは酵素的手段を使用して、またはその組合せによって細胞宿主撹乱することによって実施する。細菌性供給源から精製するために、前記細菌宿主細胞壁超音波処理によって撹乱することによってホモジナイズを実施することが有利である。その代わりにまたはそれに加えて、宿主細菌細胞壁リゾチームなどの細胞壁分解酵素曝露させることによって不安定化することにより、ホモジナイズを実施する。

0046

本発明の方法は、濾過または遠心分離のいずれかによって細胞壊死組織片がホモジネートから除去されている、清澄化されたCBSホモジネートをさらに含んでよい。ある特定の実施形態では、有効な回転速度でホモジネートを遠心分離することによって清澄化を実施する。必要な遠心分離時間は、とりわけホモジネートの体積に左右され、これは経験的に決定して、十分に固いペレットを得ることができる。本質的に細胞壊死組織片を含まない清澄化されたホモジネートを得るために、遠心分離と濾過の組合せをホモジネートに対して実施することができる。

0047

「組換え細胞」という用語は、本明細書で使用される場合、CBSタンパク質、好ましくはヒトCBSタンパク質、および最も具体的には、その天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体であるヒトCBSタンパク質をコードする核酸を発現することができる組換え発現構築物が導入された、任意の種由来の適切な細胞(そのような細胞の後代を含む)を指す。特定の実施形態では、前記組換え発現構築物によりコードされるトランケート型CBSタンパク質は、配列番号3に記載のアミノ酸配列を有する。

0048

「細菌細胞」という用語は、本明細書で使用される場合、前記組換え細胞の後代を含めた、哺乳動物、好ましくはヒトのCBSタンパク質を、とりわけ組換え遺伝子による方法を使用して産生する細菌を指し、前記CBSタンパク質は、その天然に存在するトランケート型バリアント、または遺伝子操作されたトランケート体である。

0049

「組換え発現構築物」という用語は、本明細書で使用される場合、哺乳動物、好ましくはヒトのCBSタンパク質のヌクレオチド配列、および組換え発現構築物が導入された細胞の培養物およびその後代においてCBSタンパク質の合成を導くために十分な配列を有する核酸を指す。

0050

本明細書で使用される場合、CBSタンパク質またはポリペプチドへの言及は、その天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体、または融合タンパク質、またはその任意の相同体(バリアント、変異体)、特に哺乳動物のCBS、好ましくはヒトCBSを包含することが好ましい。そのようなCBSタンパク質は、これだけに限定されないが、精製されたCBSタンパク質、組換えによって作製されたCBSタンパク質、可溶性CBSタンパク質、不溶性CBSタンパク質、および他のタンパク質を伴う単離されたCBSタンパク質を包含し得る。さらに、「ヒトCBSタンパク質」とは、ヒト(Homo sapiens)由来のCBSタンパク質を指し、その天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体を包含することが好ましい。そのように、ヒトCBSタンパク質は、精製されたタンパク質、部分的に精製されたタンパク質、組換えタンパク質、変異した/修飾されたタンパク質および合成タンパク質を包含し得る。本明細書および関連する米国特許第8,007,787号および同第7,485,307号に開示されている通り、CBSタンパク質のトランケート体は、不溶性封入体を創製せずに細菌において産生される可溶性CBSタンパク質であることが有利である。

0051

本明細書で使用される場合、「相同体」という用語(またはバリアントもしくは変異体)は、天然に存在するタンパク質またはペプチド(すなわち、「プロトタイプ」または「野生型」タンパク質)とは、天然に存在するタンパク質またはペプチドに対する修飾によって異なるが、天然に存在する形態の基本的なタンパク質および側鎖構造を維持するタンパク質またはペプチドを指すために使用される。そのような変化としては、これだけに限定されないが、1つ、少数、またはさらにいくつかのアミノ酸の側鎖の変化;欠失(例えば、タンパク質またはペプチドのトランケート版)、挿入および/または置換を含めた、1つ、少数またはいくつかのアミノ酸の変化;1つまたは少数の原子立体化学の変化;および/または、これだけに限定されないが、メチル化、グリコシル化リン酸化アセチル化ミリストイル化プレニル化パルミチン酸化(palmitation)、アミド化および/またはグリコシルホスファチジルイノシトールの付加を含めた副次的な誘導体化が挙げられる。相同体は、天然に存在するタンパク質またはペプチドと比較して増強された、低下した、変化したまたは実質的に類似した性質を有してよい。相同体は、タンパク質のアゴニストまたはタンパク質のアンタゴニストを包含し得る。

0052

相同体は、天然の対立遺伝子の変動または自然変異の結果であってよい。タンパク質をコードする核酸の天然に存在する対立遺伝子バリアントは、ゲノム内の、そのようなタンパク質をコードする遺伝子と基本的に同じ遺伝子座複数可)に存在するが、例えば、変異または組換えによって引き起こされる自然変動に起因して、同様であるが同一ではない配列を有する遺伝子である。対立遺伝子バリアントは、一般には、比較されている遺伝子によりコードされるタンパク質の活性と同様の活性を有するタンパク質をコードする。対立遺伝子バリアントの1つのクラスは、同じタンパク質をコードし得るが、遺伝暗号縮重に起因して異なる核酸配列を有する。対立遺伝子バリアントは、遺伝子の5’または3’非翻訳領域(例えば、調節性制御領域)の変更も含み得る。対立遺伝子バリアントは、当業者に周知である。

0053

相同体は、これだけに限定されないが、単離された、天然に存在するタンパク質に対する直接修飾、直接タンパク質合成、または、例えば、ランダム変異誘発または標的化変異誘発を行うための典型的なまたは組換えDNA技法を使用したタンパク質をコードする核酸配列の修飾を含めた、タンパク質を作製するための当技術分野で公知の技法を使用して作製することができる。CBSバリアントは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,007,787号に記載されており、特別な好ましい実施形態では、本明細書に記載の本発明の試薬および方法は、ヒトCBSタンパク質の天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体を含むことが好ましい。本発明による配列番号3の特定のトランケート型としては、N末端欠失バリアント、C末端欠失バリアント、およびN末端欠失とC末端欠失の両方を有するバリアントが挙げられる。

0054

本明細書で使用される場合、「実質的に純粋な」とは、in vitro、ex vivoまたはin vivoにおけるタンパク質の有効な使用が可能になる純度を指す。タンパク質がin vitro、ex vivoまたはin vivoにおいて有用になるためには、その使用に干渉する可能性があるもしくは干渉すると思われる、または少なくともCBSタンパク質(その相同体を含む)に含まれることが望ましくないと思われる混入物、他のタンパク質および/または化学物質を実質的に含まないことが好ましい。

0055

本明細書で使用される場合、濃縮されたCBS溶液とは、1つまたは複数の精製ステップに供された溶液である。

0056

タンパク質の純度は、精製倍率を算出すること、すなわち、精製された溶液が精製度の低い溶液または粗抽出物と比較してどれほど多いかの尺度をもたらす式によって決定することができる。精製倍率は、次式

0057

最終画分の特異的活性/粗製画分の特異的活性
を使用して算出する。
純度を評価するための別の測定は、酵素の純度を測定する「特異的活性」である。特異的活性は、次式:



を使用して測定することができる。

0058

本発明によって提供されるCBSタンパク質組成物は、生物学的プロセス、特に、シスタチオニンが形成されるセリンおよびホモシステインのピリドキサール5’−リン酸(PLP)依存性縮合の触媒作用に関連するプロセスを調節するために有用である。具体的には、本発明の組成物は、シスタチオニンおよびシステインをin vitroで作製するため、またはCBS活性を増大させることが有効である患者(例えば、ホモシスチン尿症の患者)を治療するために有用である。ある特定の実施形態では、本発明は、前記CBSタンパク質、好ましくはヒトCBSタンパク質の組成物であって、前記CBSタンパク質が、ヒトCBSタンパク質の天然に存在するトランケート型バリアント、または化学的に切断されたもしくは遺伝子操作されたトランケート体である組成物を、前記CBSタンパク質および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として提供する。

0059

本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」とは、in vitro、ex vivoまたはin vivoにおける適切な組成物の投与において使用するために適した薬学的に許容される賦形剤および/または薬学的に許容される送達ビヒクルを包含する。適切なin vitro、in vivoまたはex vivoにおける投与は、CBS活性を調節することが望ましい任意の部位を含むことが好ましい。適切な薬学的に許容される担体は、本発明によって提供されるCBSタンパク質を、タンパク質が培養物中または患者における標的細胞または組織に到達するとタンパク質がその予測されたまたは所望の生物活性を有するような形態に維持することができる。薬学的に許容される担体の例としては、これだけに限定されないが、水、リン酸緩衝生理食塩水リンゲル液ブドウ糖溶液血清含有溶液、ハンクス液、他の水を含む生理的に平衡させた溶液、油、エステルおよびグリコールが挙げられる。水を含む担体は、例えば、化学的安定性および等張性を増強させることによってレシピエントの生理的条件に近づけるために必要な適切な補助物質を含有してよい。本発明の組成物は、従来の方法によって滅菌し、かつ/または凍結乾燥させることができる。

0060

本明細書において記載され、かつ/または引用されている参考文献はそれぞれ、その全体が参照によって組み込まれる。

0061

以下の実施例は、例示のために提供され、本発明の範囲を限定するものではない。

0062

(実施例1)
細菌におけるトランケート型CBSタンパク質の産生
保存されていない領域の特定の部分を欠くトランケート型ヒトCBSバリアント(r−hCβSΔC;配列番号3)を構築し、以前に記載されているE.coliに基づく発現系(KozichおよびKraus、1992年、上記)を使用して過剰発現させた。本明細書に開示されているこの系の改変(すなわち、全長のCBSタンパク質ではなくトランケート体を発現させること)では、配列番号3によりコードされるCBSトランケート体を、いかなる融合パートナーも伴わず、tacプロモーターの制御下で発現させた。トランケート型ヒトCBSタンパク質バリアントr−hCβSΔC(配列番号4)をコードする構築物を、CBSの全長コード配列(配列番号1)がpKK388.1にクローニングされた、以前に記載されているpHCS3 CBS発現構築物(KozichおよびKraus、1992年、Hum. Mutat. 1巻、113〜123頁)を改変することによって生成した。この構築物では、CBS発現はIPT誘導性lacプロモーターにより支配された。C末端欠失構築物を生成するために、Sph I部位およびKpn
I部位をPCR産物の5’末端および3’末端それぞれに組み入れるプライマーを使用して、所望のヌクレオチド残基にわたるCBScDNA断片増幅した。次いで、全てのPCR産物をSph IおよびKpn Iを用いてカットし、Sph IおよびKpn
Iを用いて消化したpHCS3ベクターライゲーションすることによってクローニングした。Sph I部位は、CBScDNAにおいてアンチセンスプライマーハイブリダイゼーション部位(CBS cDNA番号付け、参考文献25に従って、塩基対(pare)1012位)のちょうど上流に天然に存在する。したがって生成したPCR産物を次にNco IおよびSph Iを用いて消化し、同じ酵素を用いてカットしたpHCS3プラスミドにライゲーションした。

0063

最後に、構築物をE.coliBL21(Stratagene)に導入してそれを形質転換した。構築物の確実性を、Thermo Sequenase Cy5.5配列決定キット(Amersham Pharmacia Biotech)およびVisible Genetics Long−Read Tower System−V3.1DNAシークエンサー製造者説明書に従って使用してDNA配列決定によって検証した。

0064

CBS欠失変異体の細菌による発現の解析−CBSトランケート型変異体構築物を有するE.coliBL21細胞の成長、発現の誘導および粗細胞溶解物の生成を以前に記載されている通り実施した(Macleanら、2002年、Hum. Mutat. 19巻(6号)、641〜55頁)。簡単に述べると、細菌を、0.3mMのδ−アミノレブリン酸(δ−ALA)の存在下または不在下で、75μg/mLのアンピシリン(ampicilin)および0.001%チアミンを含有するNZCYMT培地(Gibco/BRL、Gaithersburg、Md.)1L中、37℃で好気的に、600nmにおける濁度が0.5に達するまで成長させた。次いで、IPTGを0.5mMまで添加し、細菌をさらに成長させた。不溶性画分を以下の通り調製した:超音波処理したホモジネートを遠心分離した後、ペレット化した細胞壊死組織片を、冷却したIxトリス緩衝生理食塩水、pH8.0を用いて徹底的に洗浄した。次いで、ペレットを溶解緩衝液(Macleanら、同書)1mlに再懸濁させた後、不溶性画分をホモジナイズするために短時間超音波処理した。

0065

CBS活性アッセイ−CBS活性を、以前に記載されている放射性同位元素アッセイにより、[14C]セリンを標識された基質として使用して決定した(Kraus、1987年、MethodsEnzymol. 143巻、388〜394頁)。タンパク質の濃度をLowry手順(Lowryら、1951年、J. Biol. Chem. 193巻、265〜275頁)により、ウシ血清アルブミン(BSA)を標準物質として使用して決定した。活性の1ユニットは、37℃、1時間で1μmolのシスタチオニンの形成を触媒するCBSの量と定義される。

0066

変性およびネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動およびウエスタンブロット法−粗細胞溶解物のウエスタンブロット分析を、以前に記載されている通り(Janosik、2001年、上記)、いくつかの改変を伴って、変性条件下およびネイティブ条件下の両方で実施した。発現した変異タンパク質を含有するE.coli溶解物可溶性画分試料緩衝液と混合し、6%ネイティブPAGEに、ゲルを積み重ねずに流した。試料緩衝液の最終的な組成は、50mMのトリス−HCl、pH8.9、1mMのDTT、10%グリセロール、0.001%ブロモフェノールブルーであった。ヘムの検出を、ヘムペルオキシダーゼ活性に依拠する以前に記載されている方法を使用して実施した(Vargasら、1993年、Anal. Biochem. 209巻(2号)、323〜6頁)。

0067

濃度測定走査分析−定量的濃度測定分析を、Imagemaster ID(バージョン2.0)ソフトウェア(Pharmacia)を使用して実施した。較正曲線を構築するために、精製された野生型CBSタンパク質50ng、75ng、100ng、250ng、500ngおよび1000ngを、個々の変異体の粗細胞溶解物と一緒にSDS−PAGEに流した。電気泳動した後、ウエスタンブロット免疫分析を、ウサギ抗CBS血清を使用して行った。実験により観察されたCBS変異体サブユニットに対応するシグナルは全て、精製されたヒトCBSを用いて構築された較正曲線の線形範囲内であった。

0068

(実施例2)
粗抽出の調製
下流のクロマトグラフィーステップにおいて使用するための粗CBSタンパク質含有抽出物を調製した。配列番号4によりコードされるトランケート型ヒトCBSを発現する、ヒトトランケート型CBSバリアント(r−hCβSΔC;配列番号3)を産生する組換え細菌の発酵により得た凍結ペレット(細胞)を溶解させた。最初の単離のための溶解緩衝液は1mMのDTT、1%トリトンX100、およびプロテアーゼ阻害剤を含有した。これらの構成成分は、最終的に緩衝液から除去した。スケールアップ実行のための材料を生じた、最終的な単離のために使用した緩衝液は、20mMのリン酸ナトリウム、50mMのNaCl、0.1mMのPLP(pH7.2)からなり、ホモジナイズした後にリゾチームを2mg/mLの濃度まで添加した。4℃で1時間にわたってリゾチームと混合した後、ホモジネートを、粘度が低下するまで超音波処理し、次いで、20,000rpm(48,000×g)で30分の遠心分離に供した。上清を採取し、一定分量にし、使用するまで−70℃で保管した。一般に、クロマトグラフィーによる精製の前に粗抽出物を37℃で解凍した。

0069

(実施例3)
DEAE−セファロースFFクロマトグラフィー
CBSの精製方法の本実施例では、DEAE−セファロースFFが良好な能力および流動性を有し、数年にわたって一貫して製造されているので、これを使用した。このステップでは、樹脂およそ6mLを含有する滴下重力カラムを使用した。カラムを、50mMのNaCl、pH7.0を伴うリン酸ナトリウム緩衝液中で平衡化した。粗抽出物の負荷を、樹脂1mL当たり総タンパク質量およそ20mgに標的化した。カラムに負荷した後、負荷液の赤色がカラムの上部近くに集中した。平衡化緩衝液を用いて洗浄した後、カラムを150mMのNaClを含有する緩衝液で洗浄し、それにより、色の大部分がカラムから溶出した(全てのステップをpH7.0で実施した)。300mMのNaClで洗浄することにより基本的に全ての色がカラムから除去された。これらの結果に基づいて、流動様式で作動させることができるカラムを充填した。NaCl濃度50mMの平衡化/負荷の条件を使用し、250mMのNaClで溶出させた。最終的な条件は、平衡化/洗浄緩衝液(50mMのNaCl)のイオン強度に近づけるためにカラム負荷液をH2Oで希釈すること、および137mMのNaClを用いて溶出することが必要であった(図1、図2および図3)。試料をSDS−PAGEによって分析して、CBSタンパク質と不純物の相対量を決定した(図4)。以下の表には、カラム操作パラメータおよびそれらを使用したスケールアップ実行からのデータが示されている。

0070

(実施例4)
IMACクロマトグラフィー
固定化金属アフィニティーカラム(IMAC)により、組換え細菌細胞ホモジネートなどの生物学的供給源から、CBSタンパク質と不純物および他の混入物を分離することができることが実証された。低pH条件(<5、事例的)を回避することが望ましいので、クロマトグラフィーの間にさまざまな濃度のイミダゾールを使用して、分配を調節した。

0071

銅(Cu++)を、その比較的強力な結合特性に基づいて、IMACカラムの候補種として試験した。IMACカラムに適用する前に、CBS溶液を0.4MのNaClに対して調整した。結果により、捕捉がほぼ完全であり、活性回収(70〜80%)が許容できるものであったことが示された。100mMのイミダゾールを使用してCBSの回収を得、これにより、−70℃での保管から解凍した際に有意な沈殿が生じた(図11)。さらに、純度は負荷液と比較してほんの少ししか上昇しなかった。したがって、選択金属としてNi++IMACを使用する実験を行った。これらの実験では、CBS試料をG−25カラムに流してジチオスレイトール(DTT)を除去した後に、溶液をIMACカラムに負荷した。高イミダゾールストリップ画分におけるA280ピークが比較的小さいことによって証明される通り、純度の増強は低いままであり、選択性はCu++と同様であった(図8図9および図10)。

0072

結合性が比較的弱いZn++も試験した。捕捉、洗浄および溶出の条件に必要であったイミダゾール濃度は有意に低かったが、純度の増強に関する潜在性により、負荷後の洗浄液および高イミダゾールストリップ画分におけるA280ピークが有意なサイズであることに起因して、陽性の結果がもたらされた。非特異的な結合を最小限にするために、0.4MのNaClおよび0.01%トリトンX−100を平衡化緩衝液および洗浄緩衝液に添加した(図1および図3)。試料をSDS−PAGEによって分析して、CBSタンパク質と不純物の相対量を決定した(図13)。IMAC実験の結果が図7に示されている。以下の表に、カラム操作パラメータおよびそれらを使用したスケールアップ実行からのデータが示されている。

0073

(実施例5)
HICクロマトグラフィー
HICクロマトグラフィーについてのパラメータを同定するために多数の実験を行った。結合性が比較的強力なリガンドフェニル)を伴う樹脂を使用した最初の滴下カラム実験を、出発材料/負荷液としてIMAC溶出液を用いて行った。この実験により、1.3Mの(NH4)2SO4における経験的に完全な結合がもたらされた。しかし、低イオン強度の緩衝液を用いて洗浄した後でさえCBSがカラムに有意に保持されたという証拠があった。これらの結果に基づいて、結合性が弱いリガンド(ブチル)を伴う樹脂を試験した。この樹脂を用いた最初の実験では、0.5Mの(NH4)2SO4における明らかな捕捉は示されなかった。このカラム実験の非結合性フロースルーを採取し、1.25Mの(NH4)2SO4に対して調整し、同じ(NH4)2SO4の濃度に平衡化したカラムに再負荷した。この場合、カラムに有意に結合するという証拠があった。画分を採取しながら、1.25Mの(NH4)2SO4から0.25Mの(NH4)2SO4までの20カラム容量(NH4)2SO4グラジエント溶出を実施した。画分のSDS−PAGE分析により、グラジエントの下端において不純物クリアランスの有意な潜在性があることが示された。さまざまな濃度の(NH4)2SO4におけるステップグラジエント洗浄を利用した実験により、最終的な操作パラメータを決定した(図1および図3)。これらのパラメータおよびスケールアップ実行データが下の表に要約されている。

0074

(実施例6)
CHAPクロマトグラフィー
セラミックヒドロキシアパタイトは、CBS精製方法において利用された独特の、潜在的に混在する結合様式化学を有する樹脂である。CBSは酸性の特性を示し、したがって、最初の調査は、リン酸により調節される分配を使用することに焦点を合わせた。最初の実験では、緩衝液を0.05MのNaCl、0.005Mのリン酸カリウム(pH6.8)緩衝液に交換したHIC溶出液を利用した。5mLのセラミックヒドロキシアパタイト(1型カートリッジを同じ緩衝液中で平衡化し、適当な状態にしたHIC溶出液をカラムに負荷した。負荷およびその後の平衡化/洗浄緩衝液を用いた洗浄の間にタンパク質の目に見えブレイクスルーはなかった(A280によって測定された)。次いで、0.005M〜0.5Mのリン酸カリウムの直線グラジエント(5%)を流し、画分を採取した。クロマトグラムに基づいて、試料をSDS−PAGEによって分析してCBSタンパク質と不純物の相対量を決定した。その後の実験(以前の実験の結果の分析に基づいて)において、リン酸のレベルを変動させたステップ洗浄を使用して、負荷ステップ洗浄ステップ、および溶出ステップについての最適な条件を決定した。さらに、緩衝塩の組成をカリウムからリン酸ナトリウムに移行した(図3)。以下の表に、カラム操作パラメータおよびそれらを使用したスケールアップ実行からのデータが示されている。

0075

(実施例7)
統合プロセスの結果
これらの実施例に記載されている特定の多段階方法を60mLの捕捉カラムスケールで評価した。精製手順の全てに、E.coliにおいて発現させるために最適化されたコドンを有する核酸によりコードされるヒトCBSのトランケート型バリアントを含む構築物を含む組換え細胞を播種した発酵から得た出発材料(粗抽出物)を利用した。この構築物により、特異的活性がおよそ2倍高い出発材料がもたらされ、統合精製方法により実現された最終的な純度に有意に強い影響があった。多段階方法を使用した全体的な精製結果をSDS−PAGEおよび特異的活性によって測定した(図5および図6)。結果により、純度および特異的活性が精製されたタグ付けされたトランケート型CBSの純度および特異的活性に応じるまたはそれを超えることが実証された。現在可能な最も大きなスケールで得られる最終的なカラム溶出液の特異的活性は全て、総タンパク質量1mg当たり1200Uを超えた。以下の表に、スケールアップ実行からの全体的な精製の結果が要約されている。

実施例

0076

本発明が詳細に、その特定の実施形態を参照することによって説明されているので、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の範囲から逸脱することなく改変および変形が可能であることが明らかになろう。より詳細には、本明細書では本発明の一部の態様が特に有利であると識別されているが、本発明は必ずしもこれらの本発明の特定の態様に限定されないことが意図されている。

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