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技術 表示チップ、表示ボードセット及びスケジュールボードセット

出願人 株式会社古林療育技術研究所
発明者 斉藤里司
出願日 2016年1月1日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-000006
公開日 2017年7月6日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-120356
状態 特許登録済
技術分野 表札、パネル等
主要キーワード 表示チップ チップ状部材 ボードセット マグネットシート 屈曲線 スケジュール項目 表示ボード 裏面周縁
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月6日)のものです。
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図面 (7)

課題

手先が不器用自閉症スペクトラム児でも簡便に取り扱うことのできる表示チップ、表示チップを備えて自閉症スペクトラム児の療育に有効な表示ボードセット及びスケジュールボードセットを提供すること。

解決手段

表示チップ10は、鈍角屈曲する表面上の屈曲線の一側及び他側にそれぞれ設けられる表示部11及び補助部12、並びに表示部11及び補助部12のそれぞれの裏面に設けられて被当着面に当着する当着部13を含んで構成される。それにより、鈍角で屈曲する表面上の屈曲線の一側及び他側にそれぞれ設けられる表示部11及び補助部12のうち、いずれかの裏面に設けられた当着部13を被当着面に当着することができる。被当着面として表示ボード、特にスケジュールボードを用いることで、自閉症スペクトラム児にも取り扱い得ることと、視覚的効果による療育が可能となる。

概要

背景

日常生活において、メモ等を記し閲覧するための表示ボード(主にホワイトボード)が広く用いられている。また、表示ボードに付着させて特定種類のメモ等であることを示す部材(例えば、着色されたプラスチック被覆されたマグネット、「重要」「緊急」等の文字を示す磁性板:以下かかる部材を「表示チップ」と呼ぶ)が合わせて用いられることが多い。

表示ボードにスケジュールを表示して閲覧するためのスケジュールボードも、また広く用いられている。スケジュールボードでは、表示チップとして、日付(1から31までの数字)を表したものや、曜日(「日」、「月」等の漢字)を表したものが広く使用されている。さらに、頻繁に行われるスケジュール項目(例えば定例の会議)については、ペンを用いてスケジュールボードに記すことに替えて、予め記された表示チップを付着させることも多い。

以下、自閉症スペクトラム障害子ども(以下「自閉症スペクトラム児」と記す。)による表示ボード、特にスケジュールボードの利用について検討する。なお、自閉症スペクトラム障害は脳機能障害一種であり(註:かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」に区別されていたが、2013年に「自閉症スペクトラム障害」又は「自閉スペクトラム症」との診断名に統合された。)、自閉症スペクトラム児は手先が不器用であることが多いこと(非特許文献1参照)に留意して検討する。

行うべきこと(いわゆるTODO)やスケジュールについて自ら作業することは、それ自体が自閉症スペクトラム児の療育(註:「療育」とは「治療教育」の略であり、個々の子どもの持つ力を伸ばしながら、できることを一つ一つ増やし、その子どもなりのレベル自立して生きていけるようにサポートする方法である。)に資すると考えられる(非特許文献2参照)。しかし、自閉症スペクトラム児にとって、文字を記すことが容易でない場合が多い。表示チップを用いるとしても、従来のスケジュールボードに用いられる表示チップは平面的な磁性板であり、手先を必ずしも繊細に動作させることができない自閉症スペクトラム児にとっては、矩形の磁性板の端部を操作して所望の位置に表示チップを磁着させることは必ずしも容易でない。

また、自閉症スペクトラム児はで聞くよりも眼で見るほうが認識しやすいという視覚優位の特性がある。そこで、自閉症スペクトラム児の療育のためには、情報を視覚的に提示する視覚支援が有効である。その中で文字の読めない自閉症スペクトラム児の療育には、文字でなくイラスト等で情報を提示することが有効となる(非特許文献2参照)。しかし、スケジュールに関するイラスト等を用いた視覚支援の提供は、多くの保護者にとって容易でない。イラスト等の視覚的材料が準備されているものではなく、保護者が作成することとなる。保護者によってはその作成の労力が大き過ぎるものとなってしまう。また、イラスト等を用いる場合には表示チップを利用すると考えられ。自閉症スペクトラム児にとって表示チップの操作が必ずしも容易でないという問題が重大になる。

特許文献1には、脳障害者信頼する人の画像データを保存して表示し、信頼する人の音声データで音声合成を行ってメッセージを伝達する脳障害者向けのスケジュール伝達装置が開示されている。しかし、特殊なソフトウエアインストールしたコンピュータを使用することが前提となり、多くの家庭において多くの保護者が利用できるものではない。

以上のとおり、自閉症スペクトラム児の療育に有効であり、多くの家庭で多くの自閉症スペクトラム児及び保護者が使用することのできる表示ボード、特にスケジュールボードは、保護者の労力が大き過ぎたり、自閉症スペクトラム児に操作が容易でないものであったりするものであった。

概要

手先が不器用な自閉症スペクトラム児でも簡便に取り扱うことのできる表示チップ、表示チップを備えて自閉症スペクトラム児の療育に有効な表示ボードセット及びスケジュールボードセットを提供すること。表示チップ10は、鈍角屈曲する表面上の屈曲線の一側及び他側にそれぞれ設けられる表示部11及び補助部12、並びに表示部11及び補助部12のそれぞれの裏面に設けられて被当着面に当着する当着部13を含んで構成される。それにより、鈍角で屈曲する表面上の屈曲線の一側及び他側にそれぞれ設けられる表示部11及び補助部12のうち、いずれかの裏面に設けられた当着部13を被当着面に当着することができる。被当着面として表示ボード、特にスケジュールボードを用いることで、自閉症スペクトラム児にも取り扱い得ることと、視覚的効果による療育が可能となる。

目的

本発明は、手先が不器用な自閉症スペクトラム児でも簡便に取り扱うことのできる表示チップ、表示チップを備えて自閉症スペクトラム児の療育に有効な表示ボードセット及びスケジュールボードセットを提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

被当着面に当着する表示チップであって、鈍角屈曲する表面上の屈曲線の一側及び他側にそれぞれ設けられる表示部及び補助部と、前記表示部及び前記補助部のそれぞれの裏面に設けられて被当着面に当着する当着部と、を備えることを特徴とする、表示チップ。

請求項2

前記当着部は、マグネット及び磁性体の一方を含み、前記マグネット及び前記磁性体の他方を含む前記被当着面に磁着することを特徴とする、請求項1に記載の表示チップ。

請求項3

前記表示部は、カード挿入可能な挿入部材を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示チップ。

請求項4

前記表示部は、表面から裏面に貫通した孔部を有し、前記挿入部材は前記孔部の箇所に前記カードを挿入可能であることを特徴とする、請求項3に記載の表示チップ。

請求項5

前記カードには、イラスト印刷されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の表示チップ。

請求項6

前記カードは、時刻を表すアナログ時計のイラストと行動を表す別のイラストとがそれぞれ印刷された少なくとも2種類のカードを含むことを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1個に記載の表示チップ。

請求項7

請求項1から6のいずれか一項に記載の表示チップと、前記表示チップを当着させる前記被当着面を備える表示ボードと、を備えることを特徴とする、表示ボードセット。

請求項8

請求項1から6のいずれか一項に記載の表示チップと、前記表示チップを当着させる前記被当着面を備えるスケジュールボードとを備え、前記被当着面は、前記表示チップの前記表示部より大きい面積を有して、日又は週を単位として区切られた複数の表示エリアが設けられたことを特徴とする、スケジュールボードセット

技術分野

0001

本発明は、表示チップ並びに該表示チップを備える表示ボードセット及びスケジュールボードセットに関する。

背景技術

0002

日常生活において、メモ等を記し閲覧するための表示ボード(主にホワイトボード)が広く用いられている。また、表示ボードに付着させて特定種類のメモ等であることを示す部材(例えば、着色されたプラスチック被覆されたマグネット、「重要」「緊急」等の文字を示す磁性板:以下かかる部材を「表示チップ」と呼ぶ)が合わせて用いられることが多い。

0003

表示ボードにスケジュールを表示して閲覧するためのスケジュールボードも、また広く用いられている。スケジュールボードでは、表示チップとして、日付(1から31までの数字)を表したものや、曜日(「日」、「月」等の漢字)を表したものが広く使用されている。さらに、頻繁に行われるスケジュール項目(例えば定例の会議)については、ペンを用いてスケジュールボードに記すことに替えて、予め記された表示チップを付着させることも多い。

0004

以下、自閉症スペクトラム障害子ども(以下「自閉症スペクトラム児」と記す。)による表示ボード、特にスケジュールボードの利用について検討する。なお、自閉症スペクトラム障害は脳機能障害一種であり(註:かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」に区別されていたが、2013年に「自閉症スペクトラム障害」又は「自閉スペクトラム症」との診断名に統合された。)、自閉症スペクトラム児は手先が不器用であることが多いこと(非特許文献1参照)に留意して検討する。

0005

行うべきこと(いわゆるTODO)やスケジュールについて自ら作業することは、それ自体が自閉症スペクトラム児の療育(註:「療育」とは「治療教育」の略であり、個々の子どもの持つ力を伸ばしながら、できることを一つ一つ増やし、その子どもなりのレベル自立して生きていけるようにサポートする方法である。)に資すると考えられる(非特許文献2参照)。しかし、自閉症スペクトラム児にとって、文字を記すことが容易でない場合が多い。表示チップを用いるとしても、従来のスケジュールボードに用いられる表示チップは平面的な磁性板であり、手先を必ずしも繊細に動作させることができない自閉症スペクトラム児にとっては、矩形の磁性板の端部を操作して所望の位置に表示チップを磁着させることは必ずしも容易でない。

0006

また、自閉症スペクトラム児はで聞くよりも眼で見るほうが認識しやすいという視覚優位の特性がある。そこで、自閉症スペクトラム児の療育のためには、情報を視覚的に提示する視覚支援が有効である。その中で文字の読めない自閉症スペクトラム児の療育には、文字でなくイラスト等で情報を提示することが有効となる(非特許文献2参照)。しかし、スケジュールに関するイラスト等を用いた視覚支援の提供は、多くの保護者にとって容易でない。イラスト等の視覚的材料が準備されているものではなく、保護者が作成することとなる。保護者によってはその作成の労力が大き過ぎるものとなってしまう。また、イラスト等を用いる場合には表示チップを利用すると考えられ。自閉症スペクトラム児にとって表示チップの操作が必ずしも容易でないという問題が重大になる。

0007

特許文献1には、脳障害者信頼する人の画像データを保存して表示し、信頼する人の音声データで音声合成を行ってメッセージを伝達する脳障害者向けのスケジュール伝達装置が開示されている。しかし、特殊なソフトウエアインストールしたコンピュータを使用することが前提となり、多くの家庭において多くの保護者が利用できるものではない。

0008

以上のとおり、自閉症スペクトラム児の療育に有効であり、多くの家庭で多くの自閉症スペクトラム児及び保護者が使用することのできる表示ボード、特にスケジュールボードは、保護者の労力が大き過ぎたり、自閉症スペクトラム児に操作が容易でないものであったりするものであった。

0009

特開2006−277191号公報

先行技術

0010

本信也「自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の本」:主婦の友社刊、2015年8月
佐々木正美「じょうずなつきあい方がわかる自閉症の本」:主婦の友社刊、2009年3月

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、手先が不器用な自閉症スペクトラム児でも簡便に取り扱うことのできる表示チップ、表示チップを備えて自閉症スペクトラム児の療育に有効な表示ボードセット及びスケジュールボードセットを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明の表示チップは、
被当着面に当着する表示チップであって、
鈍角屈曲する表面上の屈曲線の一側及び他側にそれぞれ設けられる表示部及び補助部と、
前記表示部及び前記補助部のそれぞれの裏面に設けられて被当着面に当着する当着部と、
を備えることを特徴とする。

0013

この特徴によれば、鈍角で屈曲する表面上の屈曲線の一側及び他側にそれぞれ設けられる表示部及び補助部のうち、いずれかの裏面に設けられた当着部を被当着面に当着することで、表示チップを、表示部を表側に向けて被当着面上に留めることができる。例えば表示部を手に持ち、補助部の裏面に設けられた当着部を被当着面の当着することができる。大きな部分を手に持ち、屈曲を利用して、当着部と被当着面との間から指を抜き取る操作をせずに当着させることができるので、自閉症スペクトラム児にとって扱いやすい。

0014

本発明の表示チップは、
前記当着部は、マグネット及び磁性体の一方を含み、前記マグネット及び前記磁性体の他方を含む前記被当着面に磁着することを特徴とする。

0015

この特徴によれば、当着部がマグネット及び磁性体の一方を含むことで、当着部をマグネット及び磁性体の他方を含む被当着面に磁着することにより、表示チップを被当着面上に容易に留めることができる。

0016

本発明の表示チップは、
前記表示部は、カード挿入可能な挿入部材を有することを特徴とする。

0017

この特徴によれば、表示部がカードを挿入可能な挿入部材を有することで、表示部にカードを挿入することによりカードに描かれた内容を表示チップ上に表示することができる。自閉症スペクトラム児向けに伝える内容を予め印刷したカードを準備すれば、保護者による記入を省略することができる。また、予め印刷したカードがない場合にも、所定のサイズの印刷物を多数作成することは表示部に記載するよりも容易であり、保護者の困難を緩和することができる。

0018

本発明の表示チップは、
前記表示部は、表面から裏面に貫通した孔部を有し、
前記挿入部材は前記孔部の箇所に前記カードを挿入可能であることを特徴とする。

0019

この特徴によれば、孔部を利用してカードを容易に排出することができる。

0020

本発明の表示チップは、
前記カードには、イラストが印刷されていることを特徴とする。

0021

この特徴によれば、カードにイラストが印刷されていることで、カードに印刷されたイラストを表示してその内容を伝えることができる。イラストにより、自閉症スペクトラム児に向けて、情報を視覚的に伝達することができる。視覚優位の特性を持つ自閉症スペクトラム児にとって、理解が容易なものとなり、療育に役立つ。

0022

本発明の表示チップは、
前記カードは、時刻を表すアナログ時計のイラストと行動を表す別のイラストとがそれぞれ印刷された少なくとも2種類のカードを含むことを特徴とする。

0023

この特徴によれば、カードは、時刻を表すアナログ時計のイラストと行動を表す別のイラストとがそれぞれ印刷された少なくとも2種類のカードを含むことで、アナログ時計のイラストが印刷されたカードと別のイラストが印刷されたカードとをそれぞれ2つの表示チップの表示部に挿入して被当着面に隣接させて留めることで、アナログ時計のイラストが表す時刻に別のイラストが表す行動を予定していることを表示することができる。スケジュールボードと合わせて利用するに適した表示チップとなる。

0024

本発明の表示ボードセットは、
上記いずれかの表示チップと、
前記表示チップを当着させる前記被当着面を備える表示ボードと、
を備えることを特徴とする。

0025

この特徴によれば、上記いずれかの表示チップを活用した表示ボードが提供される。利用目的に合わせて表示ボードセットを設計することが可能である。ここで「表示ボードセット」とは、表示ボードと表示チップを組み合わせたセットである。

0026

本発明のスケジュールボードセットは、
上記いずれかの表示チップと、
前記表示チップを当着させる前記被当着面を備えるスケジュールボードとを備え、
前記被当着面は、前記表示チップの前記表示部より大きい面積を有して、日又は週を単位として区切られた複数の表示エリアが設けられたことを特徴とする。

0027

この特徴によれば、被当着面が表示チップの表示部より大きい面積を有して、日又は週を単位として区切られた複数の表示エリアが設けられたスケジュールボードであることで、スケジュールボードの複数の表示エリアのそれぞれに表示チップを留めることにより、その表示エリアが示す日又は週に対応して表示チップの表示部の内容を表示するスケジュール表を構成することができる。自閉症スペクトラム児の利用及び療育に適したスケジュールボードセットとなる。ここで「スケジュールボードセット」とは、スケジュールボードと表示チップを組み合わせたセットである。

発明の効果

0028

本発明の表示チップは、手先が不器用な自閉症スペクトラム児でも簡便に取り扱うことのできる表示チップである。また、視覚的効果によって自閉症スペクトラム児の療育に資する。本発明の表示ボードセットは、本発明の表示チップを活用することができる。本発明のスケジュールボードセットは、保護者の労力をあまり大きくせず、自閉症スペクトラム児の利用が容易でかつ療育に資するスゲジュールボードセットとなる。

図面の簡単な説明

0029

図1は、本実施形態に係る表示チップの構成を示す図である。
図2は、表示チップを被当着面上に留める方法を説明する図である。
図3は、表示チップの表示部に挿入するカードを示す図である。
図4は、表示チップの表示部に挿入するカードを示す図である。
図5は、表示チップの表示部に挿入するカードを示す図である。
図6は、本実施形態に係るスケジュールボードセットを示す図である。

実施例

0030

以下、本発明の一実施形態について説明する。

0031

本実施形態に係るスケジュールボードセット1は、表示チップ10及びスケジュールボード20から構成される。なお、スケジュールボードセットとして説明するが、必ずしもスケジュールを表示せずに、例えばTODOリストを表示する表示ボードセットも、同様の構成で実現されることは自明である。

0032

図1に、表示チップ10の構成を示す。ここで、図1(A)及び図1(B)は、それぞれ正面図及び側面図である。表示チップ10は、被当着面に当着させるチップ状部材である。表示チップ10は、一例として、樹脂等を用いて、図1(A)における上下方向の長さ4cm及び左右方向の幅3cmの矩形状に成形し、上側の1cmの部分を下側の部分に対して手前側に約155度の鈍角で屈曲して形成されている。これにより、屈曲線の下側及び上側にそれぞれ表示部11及び補助部12が設けられる。さらに、表示部11及び補助部12のそれぞれの裏面に例えばマグネットシートを貼着することで、当着部13が設けられる。これにより、表示部及び補助部のいずれかの裏面に設けられた当着部13を、磁性体を含む被当着面に当着(すなわち、磁着)することにより、表示チップ10を、表示部11を表側に向けて被当着面上に留めることができる。

0033

ここで、表示部11及び補助部12のサイズは、任意に設計可能であるが、自閉症スペクトラム児の療育目的には、表示部11は容易に把持できる程度に大きく、補助部12は表示部よりも小さいことが好ましい。

0034

図2を用いて、表示チップ10を被当着面W上に留める方法をより詳細に説明する。自閉症スペクトラム児が手指を用いて表示チップ10の例えば下端を把持し、図2(A)に示すように補助部12の裏面を被当着面Wに当てる。それにより、補助部12の裏面に設けられた当着部13が被当着面Wに磁着する。自閉症スペクトラム児が容易に取り扱うことができ、療育に適したものとなる。

0035

手指を表示チップ10から離しても、補助部12の裏面に設けられた当着部13によって当着されている。表示部11の補助部12に対する屈曲が鈍角なので、補助部12が当着している状態においても表示部を容易に視認できる。

0036

なお、補助部12の磁力と表示部11の質量を調整し、表示部11の自重により表示部11と補助部12との間の屈曲端を支点に表示チップ10が黒塗り矢印の方向に傾動して、補助部12の裏面が被当着面Wから離間し、表示部11の裏面が被当着面Wに磁着するようにしてもよい。これにより、図2(B)に示すように、表示チップ10が被当着面W上に留められる。

0037

表示チップ10を被当着面W上に留める別の方法として、例えば、自閉症スペクトラム児が手指を用いて補助部12を支持して、図2(B)に示すように表示部11の裏面を被当着面Wに当着してもよい。この方法を用いる場合には、補助部12を自閉症スペクトラム児が扱いやすいように本実施形態よりも大きくすることもできる。

0038

なお、被当着面Wに磁性体が含まれるとしたが、被当着面Wにマグネットシートが設けられている場合、表示チップ10の当着部13に磁性体を設けることとしてもよい。磁性体として、例えば、鉄等の金属製の板又は網を採用することができる。

0039

また、当着部13は、表示部11及び補助部12のそれぞれの裏面全体に設けたが、これに限らず、例えばそれぞれの裏面中央のみや裏面周縁部のみのように裏面の一部にのみ設けることとしてもよい。

0040

表示部11には、カード19を挿入可能な挿入部材11aが設けられている。挿入部材11aとして、例えば透明のプラスチックシートを用いてU字状に成形され、外縁が表示部11の外縁に固定された枠体を採用することができる。挿入部材11aにカード19を挿し入れることで、カード19の左辺右辺、及び下辺が保持され、カード19に描かれた内容を表示チップ10上に表示することができる。

0041

表示部11には、また、カード19の挿入される箇所に、孔部11bが設けられている。孔部11bは、板がなく表示部11の表面から裏面に通じている。カード19を交換する場合等に、孔部11bに指を差し込んでカード19を押し、カード19を容易に排出することができる。なお、利用者に合わせた設計として孔部11bを設けないことも可能である。

0042

カード19は、複数のイラストがそれぞれ印刷された複数のカード19を含む。それにより、複数のカード19の中からいずれかを選択して表示部11に挿入することで、そのカードに印刷されたイラストを表示してその内容を伝えることができる。

0043

図3に、イラストの一例を示す。図3(A)に示すカード19には、数字「12」が描かれている。この数字は日にちを表すものであり、数字「1」から「31」がそれぞれ別のカードに描かれている。図3(B)に示すカード19には、文字「月」が描かれている。この文字は曜日を表すものであり、文字「月」、「火」、「水」、「木」、「金」、「土」、及び「日」がそれぞれ別のカードに描かれている。

0044

図4に、イラストの別の例を示す。図4(A)から図4(C)に示すカード19には、アナログ時計のイラストが描かれている。このイラストは時刻を表すものであり、図4(A)に示すカード19のイラストは時刻「7時」、図4(B)は時刻「8時」、及び図4(C)は時刻「3時」をそれぞれ表している。ここで、アナログ時計のイラストは、自閉症スペクトラム児が視覚的に時刻を認識するのに好適である。

0045

図5に、イラストのさらに別の例を示す。図5(A)から図5(C)に示すカード19には、行動を表すイラストが描かれている。図5(A)に示すカード19のイラストは「お茶碗に盛られたご飯と」であり、「食事」を表している。図5(B)に示すカード19のイラストは「学校」であり、「登校」を表している。図5(C)に示すカード19のイラストは「本」であり、「学習(又は読書)」を表している。なお、これらのイラストは一例であり、その他の行動を表すイラストをカード19に描いてよい。自閉症スペクトラム児は、スケジュールボードを見て行うべき行動を視覚的に理解することができる。また、自らがスケジュールボードに表示チップを付する際にも理解が容易となる。

0046

図6に、スケジュールボードセット1を、スケジュールボード20上に複数の表示チップ10a〜10hが当着された状態において示す。なお、表示チップ10a〜10hは、先述の表示チップ10と同様に構成されている。

0047

スケジュールボード20は、フレーム21及びボード本体22から構成される。フレーム21は、例えば金属、高強度の樹脂等を用いて構成されて、ボード本体22を補強する枠体である。ボード本体22は、例えば樹脂層及び磁性体層を積層して形成され、その表面に表示チップ10が当着される被当着面が設けられ、当着される複数の表示チップ10によりスケジュールを表示するボードである。磁性体として、鉄等の金属製の板又は網を採用することができる。ボード本体22は、一例として縦40cm及び横60cmの矩形状を有する。

0048

ボード本体22の表面には、上下に並ぶ2つのエリア23が設けられている。それぞれのエリア23は、3つの表示エリア23a,23b,23cを含む。ここで、表示エリア23a,23b,23cは、表示チップ10の表示部11より大きい面積を有する。表示エリア23aには、日を単位として区切られた7つのサブエリア(見出し「日にち」が描かれたエリアを除く)が含まれる。表示エリア23bには、曜日を単位として区切られた7つのサブエリア(見出し「曜日」が描かれたエリアを除く)が表示エリア23aの7つのサブエリアと並列して含まれる。表示エリア23cには、7つのサブエリア(見出し「予定」が描かれたエリアを除く)が表示エリア23a,23bのそれぞれの7つのサブエリアと並列して含まれる。

0049

スケジュールボードセット1の使用例を説明する。

0050

ボード本体22上の表示エリア23a,23bに、それぞれ、予定を表示する一週間の日にち及び曜日を表示する。ここで、一週間は、12日の月曜から始まり18日の日曜で終わるとする。数字「12」から「18」が描かれたカード19を表示チップ10aの表示部11に差し込み、それぞれ表示エリア23aの7つのサブエリア内に留める。文字「月」、「火」、「水」、「木」、「金」、「土」、及び「日」が描かれたカード19を表示チップ10bの表示部11に差し込み、それぞれ表示エリア23bの7つのサブエリア内に留める。ここで、表示チップ10a及び10bのサイズは、表示エリア23a及び表示エリア23bのサイズに合わせて設計すればよい。

0051

表示エリア23cに、時刻とその時刻の予定を表示する。例として、13日の火曜について、時刻と予定を表示する。「7時」を表すアナログ時計のイラストが描かれたカード19を表示チップ10cの表示部11に差し込み、「食事(ここでは朝食)」を表す「茶碗と箸」のイラストが描かれたカード19を表示チップ10dの表示部11に差し込み、2つの表示チップ10c,10dを表示エリア23c上の上段に留める。これにより、予定「午前7時に朝食をとること」がボード上に表示される。

0052

ここで、表示エリア23cの横幅は、表示チップ10を2個並べることができる6cm以上であるとする。なお、スケジュールボード20の横幅をあまり大きくしない場合には表示エリア23cの横幅が十分に大きくできないこともある。この場合には、表示チップ10c,10dを縦に並べるとよい。また、表示チップ10c、10dの横幅を調整して横に2個並べることができるようにしてもよい。

0053

次に、「8時」を表すアナログ時計のイラストが描かれたカード19を表示チップ10eの表示部11に差し込み、「学校」のイラストが描かれたカード19を表示チップ10fの表示部11に差し込み、2つの表示チップ10e,10fを表示エリア23c上の中段に留める。これにより、予定「午前8時に登校する」ことがボード上に表示される。

0054

最後に、「3時」を表すアナログ時計のイラストが描かれたカード19を表示チップ10gの表示部11に差し込み、「本」のイラストが描かれたカード19を表示チップ10hの表示部11に差し込み、2つの表示チップ10g,10hを表示エリア23c上の下段に留める。これにより、予定「午後3時に学習(読書)する」ことが表示される。

0055

このように、アナログ時計のイラストが印刷されたカード19と行動を表す別のイラストが印刷されたカード19とをそれぞれ2つの表示チップ10の表示部11に挿入して表示エリア23cに並べて留めることで、アナログ時計のイラストが表す時刻に別のイラストが表す行動を予定していることがボード上に表示される。自閉症スペクトラム児による視覚的理解が行われ、療育に資するスケジュールボードセットが提供される。

0056

以上詳細に説明したように、本実施形態に係る表示チップ10は、鈍角で屈曲する表面上の屈曲線の一側及び他側にそれぞれ設けられる表示部11及び補助部12、並びに表示部11及び補助部12のそれぞれの裏面に設けられて被当着面に当着する当着部13を含んで構成される。それにより、鈍角で屈曲する表面上の屈曲線の一側及び他側にそれぞれ設けられる表示部11及び補助部12のうち、いずれかの裏面に設けられた当着部13を被当着面に当着することで、表示チップ10を、表示部11を表側に向けて被当着面上に留めることができる。

0057

また、本実施形態に係るスケジュールボードセット1は、複数の表示チップ10(10a〜10h)、表示チップ10の表示部11より大きい面積を有して、日を単位として区切られた複数の表示エリア23a,23b,23cが設けられたスケジュールボード20を含んで構成される。スケジュールボード20の複数の表示エリア23a,23b,23cのそれぞれに表示チップ10を留めることにより、表示エリア23a,23bに留められた表示チップ10が示す日及び曜日に対応して表示エリア23cに留められた表示チップ10が示す予定を表示するスケジュール表を構成することができる。

0058

なお、本実施形態のスケジュールボードセット1では、スケジュールボード20の表示エリア23aは日を単位にして複数のサブエリアを設けたが、これに限らず週、月等を単位にして複数のサブエリアを設けてもよい。

0059

また、本実施形態の表示チップ10は、マグネットと磁性体との間に作用する磁力を利用して表示チップ10を被当着面に当着することとしたが、これに限らず、例えば面ファスナを利用してもよい。係る場合、一方の面ファスナを表示チップ10の裏面に設け、他方の面ファスナを被当着面上に設けることができる。

0060

また、本実施形態の表示チップ10は、挿入部材11aをU字状に成形したが、カード19を入れる透明な袋を挿入部材11aとしてもよい。また、表示チップ本体にマグネットを有する場合には、カード19を鉄製その他磁性体のものとして磁着させることもできる。

0061

また、本実施形態のスケジュールボード20は、縦に3つの表示チップ10を留めることができる大きさの表示エリア23cを含むものとしたが、これに限らず、表示エリア23cを4以上の表示チップ10を留めることができる大きさとしてもよい。これにより、より多くの1日の予定をボード上に表示することができる。

0062

以上、2週間のスケジュールボードの例を説明したが、他の形態も可能である。例えば、1日分のスケジュールボードとすることや、TODOを示す表示ボードとすることもできる。これらの場合には、少数の表示チップを用いると考えられ、コンパクトなサイズのボードとすることや、大きな(見やすい)表示チップを用いることもできる。

0063

表示ボード(スケジュールボード)を用いずに、マグネットを有する表示チップを磁性体(例えば鉄)を含む壁面等に付して用いることもできる。

0064

手先が不器用な自閉症スペクトラム児でも簡便に取り扱うことのできる表示チップ、その表示チップを活用する表示ボードセット、及び、保護者の労力をあまり大きくせずに自閉症スペクトラム児の利用が容易でかつ療育に資するスゲジュールボードセットであり、多くの自閉症スペクトラム児の保護者による利用、またその際の自閉症スペクトラム児自身による利用が考えられる。

0065

1スケジュールボードセット
10表示チップ
10a 表示チップ
10b 表示チップ
10c 表示チップ
10d 表示チップ
10e 表示チップ
10f 表示チップ
10g 表示チップ
10h 表示チップ
11 表示部
11a挿入部材
11b 孔部
12補助部
13 当着部
19カード
20 スケジュールボード
21フレーム
22 ボード本体
23エリア
23a表示エリア
23b 表示エリア
23c 表示エリア

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