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技術 再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置及び電力変動制御方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 佐野裕子中村知治柴田敏郎和田憲久
出願日 2015年12月25日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-253301
公開日 2017年6月29日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-118738
状態 特許登録済
技術分野 交流の給配電 電池等の充放電回路
主要キーワード 減少出力 交差時刻 乖離判定 目標値制御 可変リミッタ ローパスフィルタ演算 気象観測装置 風力計
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図面 (11)

課題

再生可能エネルギ発電装置発電出力が変動する場合でも、必要な蓄電装置の容量を低減する電力変動制御装置を提供する。

解決手段

電力変動制御装置は、発電出力のモニタ値Ppv_fbを平滑化処理して得られる第1出力目標値と発電出力のモニタ値との乖離度合を検出し、乖離度合が所定の修正開始条件成立させる場合は、乖離度合が減少するように、第1出力目標値を第2出力目標値Psys*へ修正する修正量算出部と、第2出力目標値と発電出力のモニタ値との差を低減すべく、発電出力に加えられる蓄電装置の充放電出力を制御する充放電目標値制御部(出力補正部92)と、を備える。

概要

背景

近年、環境問題等から太陽光発電システムなどの再生可能エネルギ(自然エネルギ)を用いる発電装置の導入が促進されている。しかし、太陽光風力などの再生可能エネルギは、天候による変動が大きいため、再生可能エネルギ発電装置連系する電力系統に対して、電圧変動周波数変動を引き起こす可能性がある。

この対策として、再生可能エネルギ発電装置に、変動抑制用の蓄電池システムを併設し、再生可能エネルギ発電装置の出力変化に応じて蓄電池システムを適宜充放電させることで、電力系統の出力を平滑化する方法が提案されている。

特許文献1には、蓄電池システムの運用方法に関する技術が開示されている。特許文献1では、風力発電装置群出力電力の変動を所定の出力可能範囲に制御するために、蓄電システムの充放電によって補償するように制御指令する。また、特許文献1では、気象観測装置計測した気象情報に基づいて、風力発電装置群の近未来の出力電力の変動を予測し、予測された出力電力が、出力可能範囲を逸脱するか否かを判定し、出力可能範囲を逸脱する場合、蓄電システムの制御指令として、蓄電システムの充電率目標値及び蓄電システムの充放電電力制限値のうち少なくともひとつを変更指令する。

概要

再生可能エネルギ発電装置の発電出力が変動する場合でも、必要な蓄電装置の容量を低減する電力変動制御装置を提供する。電力変動制御装置は、発電出力のモニタ値Ppv_fbを平滑化処理して得られる第1出力目標値と発電出力のモニタ値との乖離度合を検出し、乖離度合が所定の修正開始条件成立させる場合は、乖離度合が減少するように、第1出力目標値を第2出力目標値Psys*へ修正する修正量算出部と、第2出力目標値と発電出力のモニタ値との差を低減すべく、発電出力に加えられる蓄電装置の充放電出力を制御する充放電目標値制御部(出力補正部92)と、を備える。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、再生可能エネルギ発電装置の発電出力が変動する場合でも、必要な蓄電装置の容量を低減することができるようにした再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置および電力変動制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

再生可能エネルギを利用して発電する再生可能エネルギ発電装置発電出力の変動を抑制する電力変動制御装置であって、前記発電出力のモニタ値平滑化処理して得られる第1出力目標値と前記発電出力のモニタ値との乖離度合を検出し、前記乖離度合が所定の修正開始条件成立させる場合は、前記乖離度合が減少するように、前記第1出力目標値を第2出力目標値へ修正する出力目標値修正部と、前記第2出力目標値と前記発電出力のモニタ値との差を低減すべく、前記発電出力に加えられる蓄電装置充放電出力を制御する充放電目標値制御部と、を備える再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置。

請求項2

前記出力目標値修正部は、前記発電出力のモニタ値の変化に追従するように、前記第1出力目標値を前記第2出力目標値へ修正する、請求項1に記載の再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置。

請求項3

前記出力目標値修正部は、前記発電出力のモニタ値が低下したために前記修正開始条件が成立した場合、所定の第1角度で減少するように前記第2出力目標値を設定し、前記第2出力目標値が前記発電出力のモニタ値以下になると、所定の第2角度で増加するように前記第2出力目標値を設定する、請求項2に記載の再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置。

請求項4

前記所定の第1角度および前記所定の第2角度は、予め設定されている制約条件を満たすように設定されている、請求項3に記載の再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置。

請求項5

前記充放電目標値制御部は、前記第2出力目標値と前記発電出力のモニタ値との差を充放電目標値として算出し、前記充放電目標値を前記蓄電装置の蓄電量と前記乖離度合とに基づいて補正し、補正した充放電目標値を前記蓄電装置へ与える、請求項4に記載の再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置。

請求項6

前記所定の第1角度と前記所定の第2角度は、その絶対値が同一に設定される、請求項5に記載の再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置。

請求項7

前記修正開始条件は、前記乖離度合が所定の閾値を超えた場合に成立する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置。

請求項8

前記発電出力のモニタ値は、前記再生可能エネルギ発電装置で利用可能な再生可能エネルギの予測値に基づいて生成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置。

請求項9

前記出力目標値修正部は、前記修正開始条件が成立した場合、前記平滑化処理の時定数を小さくすることで、前記第1出力目標値を前記第2出力目標値へ修正する、請求項8に記載の再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置。

請求項10

再生可能エネルギを利用して発電する再生可能エネルギ発電装置の発電出力の変動を抑制する電力変動制御方法であって、前記発電出力のモニタ値を平滑化処理して第1出力目標値を生成し、前記第1出力目標値と前記発電出力のモニタ値との乖離度合を検出し、前記乖離度合が所定の修正開始条件を成立させる場合は、前記乖離度合が減少するように、前記第1出力目標値を第2出力目標値へ修正し、前記第2出力目標値と前記発電出力のモニタ値との差を低減すべく、前記発電出力に加えられる蓄電装置の充放電出力を制御する、再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御方法。

技術分野

0001

本発明は、再生可能エネルギ発電装置電力変動制御装置および電力変動制御方法に関する。

背景技術

0002

近年、環境問題等から太陽光発電システムなどの再生可能エネルギ(自然エネルギ)を用いる発電装置の導入が促進されている。しかし、太陽光風力などの再生可能エネルギは、天候による変動が大きいため、再生可能エネルギ発電装置の連系する電力系統に対して、電圧変動周波数変動を引き起こす可能性がある。

0003

この対策として、再生可能エネルギ発電装置に、変動抑制用の蓄電池システムを併設し、再生可能エネルギ発電装置の出力変化に応じて蓄電池システムを適宜充放電させることで、電力系統の出力を平滑化する方法が提案されている。

0004

特許文献1には、蓄電池システムの運用方法に関する技術が開示されている。特許文献1では、風力発電装置群出力電力の変動を所定の出力可能範囲に制御するために、蓄電システムの充放電によって補償するように制御指令する。また、特許文献1では、気象観測装置計測した気象情報に基づいて、風力発電装置群の近未来の出力電力の変動を予測し、予測された出力電力が、出力可能範囲を逸脱するか否かを判定し、出力可能範囲を逸脱する場合、蓄電システムの制御指令として、蓄電システムの充電率目標値及び蓄電システムの充放電電力制限値のうち少なくともひとつを変更指令する。

先行技術

0005

特開2013−219941号公報

発明が解決しようとする課題

0006

従来技術では、再生可能エネルギ発電装置の発電出力が余った場合は蓄電池充電し、逆に発電出力が足りない場合は蓄電池から放電することで、連系する電力系統に電圧変動や周波数変動が生じるのを抑制している。従って、再生可能エネルギ発電装置の発電出力と蓄電池からの充放電出力との総和が、システム全体としての出力となる。

0007

しかし、例えば、急にってきたり風が止んだりして、その状態が長時間続いたりすると、再生可能エネルギ発電装置の発電出力が長時間低下する。この場合、システム出力の変動を許容範囲内に留めるためには、大容量の蓄電池を用意する必要がある。蓄電池の容量が足りないと、システム出力の変動量が電力系統の許容範囲を超えてしまい、電力の安定供給や品質維持に影響を与えうるためである。しかし、蓄電池が大型化するほど、導入費用は増大し、広い設置面積が必要となる。

0008

本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、再生可能エネルギ発電装置の発電出力が変動する場合でも、必要な蓄電装置の容量を低減することができるようにした再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置および電力変動制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決すべく、本発明の再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置は、再生可能エネルギを利用して発電する再生可能エネルギ発電装置の発電出力の変動を抑制する電力変動制御装置であって、発電出力のモニタ値平滑化処理して得られる第1出力目標値と発電出力のモニタ値との乖離度合を検出し、乖離度合が所定の修正開始条件成立させる場合は、乖離度合が減少するように、第1出力目標値を第2出力目標値へ修正する出力目標値修正部と、第2出力目標値と発電出力のモニタ値との差を低減すべく、発電出力に加えられる蓄電装置の充放電出力を制御する充放電目標値制御部と、を備える。

発明の効果

0010

本発明によれば、第1出力目標値と発電出力のモニタ値との乖離度合が所定の修正開始条件を成立させると、乖離度合が減少するように、第1出力目標値は第2出力目標値へ修正される。このため、充放電目標値制御部は、蓄電池の充放電出力を適切に制御することができる。

図面の簡単な説明

0011

再生可能エネルギ発電システムの全体図。
統括コントローラブロック図。
システム目標出力演算部の詳細を示すブロック図。
出力補正部の詳細を示すブロック図。
出力補正部内のスイッチを制御するテーブルの例。
発電出力モニタ信号とシステム目標出力の時間変化と、システム目標値を修正する場合と修正しない場合とでのSOCの違いを示すグラフ
システム目標出力の修正方法の例を示す説明図。
システム目標出力を修正するために使用できる可変リミッタ概念図。
システム目標出力を修正する処理を示すフローチャート
第2実施例に係る統括コントローラのブロック図。

0012

以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係る再生可能エネルギ発電装置の電力変動制御装置3を説明する。本実施形態では、再生可能エネルギ発電装置として、太陽光発電装置を例に挙げて説明するが、これに限らず風力発電装置等にも適用可能である。

0013

本実施形態の発電システム1は、発電装置の発電出力Ppvと蓄電池7の充放電出力Pbattとの総和であるシステム出力Psysの変動を抑制する「電力変動制御装置」としての電力制御装置3を備える。

0014

電力制御装置3は、発電装置の発電モニタ信号を平滑化処理する平滑化部911(図2参照)を有する。電力制御装置3は、発電出力Ppvとシステム出力のPsysとの乖離補正する目標値修正機能を有する。目標値修正機能は、発電出力Ppvが減少すると、その減少に追従してシステム出力Psysを減少させる。

0015

本実施形態によれば、システム出力Psysを発電装置の発電出力Ppvの変化に追従するように修正できるため、システム出力Psysと発電出力Ppvとの乖離を低減できる。乖離を小さくできるため、その乖離を埋めるために蓄電池7から放電させる電力量を少なくすることができる。この結果、蓄電池7の容量を小型化しても、発電システム1の信頼性を維持することができる。蓄電池7を小型化することで、蓄電池7のコストを低減できる。

0016

図1図9を用いて第1実施例を説明する。図1は、太陽光発電システム1の概略全体構成図を示す。太陽光発電システム1は、例えば、太陽光パネル4、太陽光用パワーコンディショナPCS)5(以下、太陽光用PCS5と称す)および蓄電池システム2を備える。以下、太陽光パネル4および太陽光用PCS5を合わせて、太陽光発電装置または発電装置と呼ぶ。

0017

蓄電池システム2は、太陽光発電装置の発電出力Ppvを蓄電池7の充放電Pbattにより補償する。蓄電池システム2は、例えば、蓄電池7と、蓄電池用パワーコンディショナ6(以下、蓄電池用PCS6と称す)と、電力制御装置3とを備える。

0018

電力制御装置3は、例えば、統括コントローラ9を備える。電力制御装置3は、インターネット等の通信ネットワーク8を介して統括コントローラ9と相互に通信可能な外部コントローラ10と、外部コントローラ10にシリアルバスあるいはパラレルバス等により接続される端末11とをさらに備えてもよい。統括コントローラ9の詳細構成は、図2〜5で後述する。

0019

既設あるいは新設の太陽光発電装置(太陽光パネル4および太陽光用PCS5)に対して、蓄電池システム2を接続することにより、本実施例の太陽光発電システム1を容易に構成することができる。

0020

また、既設の太陽光パネル4、蓄電池7、太陽光用PCS5、および蓄電池用PCS6を有する設備対して、電力制御装置3を接続することにより、本実施例の太陽光発電システム1を容易に構成できる。太陽光用PCS5と蓄電池用PCS6とは接続点CPで接続されており、接続点CPは電力系統12に接続されている。

0021

電力制御装置3は、複数の太陽光発電装置に対応することもできる。つまり、一つの電力制御装置3を複数の太陽光発電装置に接続することで、各太陽光発電装置の発電出力Ppvとシステム出力Psysとの乖離を低減できる。

0022

太陽光パネル4は、太陽光を利用して発電する。太陽光パネル4の発電電力Ppvは、太陽光用PCS5により直流から交流に変換されて、電力系統12へ供給される。ここで、太陽光パネル4は、例えば、単結晶シリコン型多結晶シリコン型、微結晶シリコン型、アモルファスシリコン型等のシリコン系、あるいは、InGaAs、GaAs系、CIS系(カルコバライト系)等の化合物系の、太陽電池を複数直並列接続することで構成することができる。色素増感太陽電池あるいは有機薄膜太陽電池を用いた有機系の太陽光パネル4としても良い。

0023

一方、蓄電池7は、蓄電池用PCS6を介して、電力系統12へ充放電電力Pbattを充放電する。蓄電池7は、例えば、鉛蓄電池リチウムイオン蓄電池ニッケル水素蓄電池などから構成される。

0024

電力系統12に対する発電システム1全体のシステム出力Psysは、太陽光発電装置の発電電力である発電出力Ppvと充放電電力Pbattの合成出力である。などの日影変動成分による発電出力Ppvの変動は、充放電電力Pbattにより相殺(補償)され、システム出力Psysは平滑化される。すなわち、蓄電池システム2は、発電出力Ppvの変動を抑制する変動抑制機能を有する。

0025

なお、PCS5,6は、系統連系インバータと称される場合もある。太陽光パネル4の発電出力Ppvは、太陽光用PCS5を介して出力される。このため、発電出力Ppvの値は、太陽光用PCS5の容量により制限される。

0026

電力制御装置3を構成する統括コントローラ9は、詳細は後述するが、変動抑制の目安となるシステム目標出力Psys*を演算し、求めたシステム目標出力Psys*に基づいて充放電目標値Pb* を求める。そして、統括コントローラ9は、充放電目標値Pb*を蓄電池用PCS6へ出力する。

0027

統括コントローラ9は、太陽光用PCS5から発電出力モニタ信号Ppv_fbを、蓄電池7からSOC(State Of Charge)を、それぞれ定期的にまたは不定期に取得することができる。発電出力モニタ信号Ppv_fbは、発電出力Ppvのモニタ信号であり、太陽光用PCS5により計測される。太陽光発電用PCS5に別途設置する電力計等により、発電出力モニタ信号Ppv_fbを計測する構成としても良い。

0028

図1では、太陽光用PCS5および蓄電池用PCS6を、それぞれ単体にて設置する場合を示しているがこれに限られない。例えば、多数の太陽光パネル4を備えるメガソーラ等の大規模な太陽光発電システム1では、複数の太陽光パネル4に応じて複数台の太陽光用PCS5を設置すると共に、複数の蓄電池7に対応して複数台の蓄電池用PCS6を設置としても良い。この場合、統括コントローラ9は、システム目標出力Psys*を複数台の太陽光用PCS5の合計値として演算する。また、同様に統括コントローラ9は、充放電目標値Pb* を複数台の蓄電用PCS6の合計値として演算する。

0029

電力制御装置3は、発電システム1から離れた場所に設置される外部コントローラ10を介して制御することもできる。オペレータは、端末11を操作することで、外部コントローラ10を介して統括コントローラ9にアクセスし、設定値などを入力できる。また、オペレータは、端末11に発電システム1の状態を表示させることもできる。

0030

図2は、統括コントローラ9の機能ブロック図である。統括コントローラ9は、後述のように、太陽光用PCS5から入力される発電出力モニタ信号Ppv_fbに基づいて、充放電目標値Pb*を算出する。

0031

統括コントローラ9は、例えば、システム目標出力演算部91と、出力補正部92とを備える。システム目標出力演算部91は、太陽光用PCS5から入力される発電出力モニタ信号Ppv_fbに基づいて、システム目標出力Psys*を算出する。システム目標出力Psys*とは、発電システム1の出力する発電電力の目標値である。

0032

システム目標出力演算部91は、平滑演算として移動平均方式一次遅れなどのローパスフィルタ演算を行うことで、システム目標出力Psys*を得る。統括コントローラ9は、システム目標出力Psys*と発電出力モニタ信号Ppv_fbの差分から充放電目標値Pb**を算出する。充放電目標値Pb**は、出力補正部92により補正される。出力補正部92は、入力された充放電目標値Pb**を補正し、蓄電池7のSOCを調整するための目標値Pb*を出力する。出力補正部92は、SOC調整部92と呼んでもよい。出力補正部92は、補正後の充放電目標値Pb*を蓄電池PCS6に与える。

0033

図3は、システム目標出力演算部91の機能ブロック図である。システム目標出力演算部91は、例えば、平滑化部911と、目標値修正部912とを備える。

0034

平滑化部911は、発電出力モニタ信号Ppv_fbを、移動平均などのローパスフィルタ演算することで、システム目標出力Psys**を算出する。この修正前のシステム目標出力Psys**は、「第1出力目標値」に該当する。

0035

目標値修正部912は、システム目標出力Psys**を修正して出力する。目標値修正部912は、例えば、出力変化算出部9121と、制約条件記憶部9122と、修正量算出部9123を備える。

0036

出力変化算出部9121は、システム目標出力Psys**と発電出力モニタ信号Ppv_fbとの乖離度合を算出する。制約条件記憶部9122は、システム出力が守るべき条件を記憶する。制約条件としては、例えば、単位時間あたりの変化率がある。ここでは、送配電事業者などとの間で取り決められた変化率の範囲内で、発電システム1は電力系統12へ電力を供給しなければならないものとする。

0037

修正量算出部9123は、システム目標出力Psys**と発電出力モニタ信号Ppv_fbとの乖離度合が所定値を超えた場合に、制約条件を満たす範囲内で、システム目標出力Psys**を修正する。修正後のシステム目標出力Psys*は、「第2出力目標値」に該当する。

0038

なお、目標値修正部912の機能は、出力補正部92に設けることもできる。つまり、出力補正部92は、修正後のシステム目標出力Psys*を仮想的に算出し、システム目標出力Psys*と発電出力モニタ信号Ppv_fbとの差分を埋めるようにして充放電目標値Pb*を算出することもできる。

0039

図4は、出力補正部92の詳細を示す。出力補正部92は、例えば、SOC判定部921と、乖離判定部922と、切換部923と、切換スイッチ924と、SOC上昇出力演算部925と、SOC減少出力演算部926を備える。

0040

SOC判定部921は、SOC条件に基づいてシステム出力を増減させる。乖離判定部922は、補正後の充放電目標値Pb*と所定値ΔPとの大小関係に基づいて、システム出力を増減させる。切換部923は、SOC判定部921の判定結果と乖離判定部922の判定結果とに基づいて、切換スイッチ924を切り換える。SOC上昇出力演算部925は、SOCを上昇させる出力を演算する。SOC減少出力演算部926は、SOCを減少させる出力を演算する。

0041

図5は、切換スイッチ924の動作を制御する条件を示すテーブルT10である。出力補正部92は、SOC判定部921および乖離判定部922でのそれぞれの判定結果を切換部923に入力し、図5に示すテーブルT10に基づいて切換スイッチ924のスイッチ状態を状態1,2,3の中から選択する。これにより、出力補正部92は、充放電目標値Pb*を補正するかを決定することができる。

0042

ここで、SOC判定部921はSOCに基づいて判定し、乖離判定部922は1ステップ前の充放電目標値Pb*を入力として判定する。スイッチ状態1が選択された場合は、SOC上昇出力演算部925を介した出力が、補正後の充放電目標値Pb**として出力される。スイッチ状態2が選択された場合は、SOC減少出力演算部926を介した出力が、補正後の充放電目標値Pb**として出力される。スイッチ状態3が選択された場合は、充放電目標値Pb*がそのまま出力される。

0043

図5のテーブルT10の下側に示すように、乖離が所定値ΔPよりも小さい場合(Pb*<ΔP)、1ステップ前のスイッチ状態に関わらず、SOC判定部921の判定結果だけでスイッチ状態が決定される。

0044

すなわち、SOC<ULの場合は、SOCを上昇させるようにスイッチ状態1が選択される。SOC>HLの場合は、SOCを減少させるべくスイッチ状態2が選択される。SOCが下限値ULと上限値HLの間に位置する場合(UL<SOC<HL)、現状維持のために、スイッチ3状態が選択される。

0045

テーブルT10の上側に示すように、乖離が所定値ΔPよりも大きい場合(Pb*≧ΔP)、1ステップ前のスイッチ状態の影響を受ける。1ステップ前のスイッチ状態が状態1あるいは状態3であり、かつSOC<HLの場合、Pb*>ΔPが優先されるため、スイッチ状態1が選択され、SOCを上昇させる出力が算出される。SOC>HLの場合は、補正を中止するために、スイッチ状態3が選択される。1ステップ前がスイッチ状態2の場合、補正を中止してこれ以上SOCが減少するのを防ぐため、スイッチ状態3が選択される。このように、本実施例では、SOC判定部921や乖離判定部922の判定結果により、SOC減少出力(蓄電池7からの放電)を中断することもある。

0046

図6は、システム目標出力Psys**、発電出力モニタ信号Ppv_fb、修正後のシステム目標出力Psys*(Plim_d,Plim_u)の関係を示す。

0047

例えば、時刻T1において発電電力Ppvが急激に減少し、その状態がしばらく回復しない場合、出力変動の許容範囲を満たすために蓄電池7から放電させる必要がある。しかし、蓄電池7から放電させ続けると、放電過多状態となって蓄電量(充電量、SOC)が不足する。蓄電池7の蓄電量が不足すると、発電システム1のシステム出力は、電力系統12の要求する出力変動の許容範囲を満たすことができないため、電力系統12の電力品質電圧周波数が一定範囲内にあること)を低下させるおそれがある。さらに、発電システム1のシステム出力の変動を抑制する機能が低下すると、送配電事業者などとの契約違反となり、買電価格が低下するなどの不利益を招くおそれもある。

0048

そこで、本実施例では、蓄電池7からの放電量をなるべく低減して蓄電量を維持できるように、システム目標出力Psys*を補正する。これにより、本実施例では、蓄電池7が過放電状態になるのを未然に防止し、出力変動の許容範囲から逸脱する事態の発生を抑制する。

0049

このために、本実施例では、システム目標出力Psys*と発電出力モニタ信号Ppv_fbとの乖離Pb**の閾値を設定し、その閾値を超えた場合にシステム目標出力Psys*を放電量低減下降出力Plim_dに修正(補正)する。

0050

システム目標出力Psys*の修正を開始する条件としては、例えば、システム目標出力Psys*と発電出力モニタ信号Ppv_fbの乖離Pb**が閾値を超える場合、発電出力モニタ信号Ppv_fbの微分値が所定量以上減少する場合等がある。

0051

システム目標出力Psys*を放電量低減下降出力Plim_dに修正した後、放電量低減下降出力Plim_dと発電出力モニタ信号Ppv_fbとが時刻Tsで交差した場合、システム目標出力を再び修正する。

0052

すなわち、システム目標出力Psys*を、交差時刻Tsで、a2=−a1の傾きを持つ放電量低減上昇出力Plim_uに切り替える。最後に、放電量低減上昇出力Plim_uとシステム目標出力Psys*とが交差する時刻T2で、放電量低減上昇出力Plim_uから補正前のシステム目標出力Psys**に切り替え、通常モードに戻す。

0053

これにより、本実施例では、図6の下側に点線で示すように、日射が急激に減少している時間帯(T1−T2)での蓄電池7の放電量を低下させて、過放電状態の発生を防止することができる。システム目標出力Psys*を修正しない場合は、図6の下側に二点鎖線で示すように、過放電状態となり得る。

0054

本実施例では、少ない蓄電池容量であっても、電力系統12の管理者が要求する出力変動の許容範囲を満たすことができる。従って、本実施例では、発電システム1の変動抑制性能を低下させることなく、システム出力の信頼性を維持し、売電率を向上できる。

0055

図6では、放電量低減下降出力Plim_dや放電量低減上昇出力Plim_uは、一定の変化率a1,a2で変化させているが、これに限らない。システム目標出力を修正するための変化率は、出力変動の許容範囲以下で任意に選定すればよい。減少時の変化率a1と上昇時の変化率a2とは異なってもよいし、同一であってもよい。変化率a1とa2を同一に設定した場合は、制御が容易である。なお、図8に示す可変リミッタを用いて、システム目標出力を修正してもよい。

0056

図7は、放電量低減下降出力Plim_dおよび放電量低減下降上昇出力Plim_uの傾きを決定する方法を示す説明図である。

0057

まず、毎秒システム目標出力Psys*の傾きa3を求める。次に、発電出力モニタ信号Ppv_fbと放電量低減下降出力Plim_dとの乖離Pb**を小さくするために、現在の傾きa3よりも急な傾きとなるように放電量低減下降出力Plim_dの傾きa1を決定する。

0058

図7に示すように、a3<a1とすることで、発電出力モニタ信号Ppv_fbと放電量低減下降出力Plim_dとの乖離を小さくできる。この結果、斜線部に示すように乖離を解消するための放電量を低減することができ、蓄電池7が過放電状態になるのを防止できる。

0059

放電量低減下降出力Plim_dが発電出力モニタ信号Ppv_fbに一致する折り返し時刻Tsでは、システム目標出力Psys**を放電量低減上昇出力Plim_uに切り換える。放電量低減上昇出力Plim_uが発電出力モニタ信号Ppv_fbに一致する修正終了時刻T2になると、システム目標出力Psys**の修正を停止し、通常モードに戻る。

0060

なお、図7中の放電量低減下降出力Plim_dおよび放電量低減上昇出力Plim_uは、いずれも簡略化した直線として示したが、これに限らない。システム目標出力は、曲線状、階段状などの形状で修正することができる。また,図8に示すように,可変リミッタを用いても同じ効果が得られる。

0061

図9は、システム目標出力を修正する処理を示すフローチャートである。その概略は図7で述べたが、図9ではより具体的に説明する。本処理は、統括コントローラ9内で実施されていればよく、システム目標出力演算部91の修正量算出部9123で実行してもよいし、出力補正部92で実行してもよい。ここでは、修正処理動作主体を統括コントローラ9として述べる。またステップを「S」と略記する。

0062

統括コントローラ9は、システム目標出力Psys**と発電出力モニタ信号Ppv_fbの差分Pb**を算出する(S10)。統括コントローラ9は、システム目標出力Psys**と発電出力モニタ信号Ppv_fbの差分Pb**が所定値ΔPを超えるかを判定する(S11)。

0063

統括コントローラ9は、差分Pb**が所定値ΔPを超えと判定すると(S11:YES)、システム目標出力Psys**の現在の傾きa3に基づいて、放電量低減下降出力Plim_dの変化率a1を算出する(S12)。

0064

統括コントローラ9は、ステップS12で算出した変化率a1を用いて、放電量低減下降出力Plim_dを算出し、システム目標出力Psys**から放電量低減下降出力Plim_dへ切り換える(ステップ13)。

0065

統括コントローラ9は、放電量低減下降出力Plim_dが発電出力モニタ信号Ppv_fbと交差するか判定し(S14)、交差する場合(S14:YES)、放電量低減上昇出力Plim_uの変化率a2を算出する(S15)。ステップS15では、放電量低減下降出力Plim_dの変化率a1の大きさをそのままでマイナス符号を付けることで、変化率a2を求めてもよい。

0066

統括コントローラ9は、ステップS15で算出した変化率a2に基づいて、放電量低減上昇出力Plim_uを決定し、システム目標出力を放電量低減下降出力Plim_dから切り換える(S16)。

0067

統括コントローラ9は、放電量低減上昇出力Plim_uとシステム目標出力Psys**とが交差するか判定し(S17)、交差する場合(S17:YES)、放電量低減上昇出力Plim_uから修正前のシステム目標出力Psys**に切り換えて通常モードに戻り(S18)、本処理を終了する。

0068

このように構成される本実施例によれば、太陽光発電装置の発電出力の変化に応じて、システム目標出力を動的に修正することができるため、蓄電池7が過放電状態にならないように充放電目標値Pb*を調整することができる。従って、本実施例によれば、蓄電池7の容量を大型化しなくても、発電出力の低下時に、電力系統12の管理者が要求する出力変動の許容範囲を満たすことができる。この結果、本実施例によれば、発電システム1の変動抑制性能を低下させることなく、システム出力の信頼性を維持でき、蓄電池7の導入コストを低減できる。

0069

図10を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の実施例は、第1実施例の変形例に相当するため、第1実施例との相違を中心に説明する。本実施例では、発電電力Ppvに代えて、日射予測部13からの予測日射量Ppreを使用する。

0070

日射予測部13は、気象データ日射量センサの信号などから太陽光パネル4への日射量を所定周期で予測し、その予測結果を予測日射量Ppreとして、本実施例の統括コントローラ9Aへ出力する。なお、風力発電装置の場合は、風力計風向計、気象データなどから、風速風向を予測することができる。

0071

本実施例では、予測日射量Ppreを用いることで、発電出力Ppvが実際に急変する前に、システム目標出力Psys**を補正することができ、蓄電池7を通常の使用範囲(UL以上、HL未満の範囲)で使用することができる。

0072

さらに本実施例では、予測日射量Ppreの変化に基づいて、未来のSOC状態を予測することもできる。統括コントローラ9Aは、予測されたSOC状態に応じて乖離の閾値を算出できる。これにより、本実施例では、過放電状態の発生を防止できる可能性をより一層向上できる。

0073

例えば、統括コントローラ9Aは、予測日射量Ppreが減少した場合、平滑化部911のフィルタ時定数を小さくする。これにより、発電出力モニタ信号Ppv_fbとシステム目標出力Psys*との乖離が小さくなり、蓄電池7からの放電量を低減することができる。

実施例

0074

なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含むことができる。例えば、上記実施形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。さらに、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。なお、本実施形態に含まれる技術的特徴は、特許請求の範囲に記載した組合せ以外にも組み合わせることができる。

0075

1:発電システム、2:蓄電システム、3:電力制御装置、4:太陽光パネル、5:太陽光用PCS、6:蓄電池用PCS、7:蓄電池、9:統括コントローラ、12:電力系統、13:日射予測部、91:システム目標出力演算部、92:出力補正部、911:平滑化部

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