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技術 制御装置、インダクタンス推定装置、空気調和装置、制御方法

出願人 三星電子株式会社
発明者 西牧嘉哉武田勇一
出願日 2015年12月24日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2015-250819
公開日 2017年6月29日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2017-118667
状態 特許登録済
技術分野 交流電動機の制御一般
主要キーワード 計測電流値 内筐体 電圧印加ステップ 固定電流 電流計測器 計測電流 増加値 内部磁石
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

特性が不明な同期電動機故障を抑制しつつ、同期電動機のインダクタンス値を得る。

解決手段

主制御装置15は、室内ファンを駆動する室内ファン駆動装置13に設けられた同期電動機134を起動する際に、同期電動機134に、交流のd軸印加電圧を供給させるとともに、同期電動機134に供給するd軸印加電圧の大きさを、段階的に変更させる。そして、d軸印加電圧とd軸印加電圧が供給された同期電動機134に流れるd軸計測電流とを用いて、同期電動機134のインダクタンスを算出し、d軸計測電流の変化に対するインダクタンスの変化が飽和した状態におけるインダクタンスの値を、同期電動機134のd軸インダクタンスとする。

概要

背景

従来から、所謂ベクトル制御と呼ばれる手法を用いて、同期電動機回転動作を制御することが行われている。ここで、同期電動機のベクトル制御を実行する場合においては、同期電動機のインダクタンスを含む各種モータ定数が用いられる。

特許文献1には、同期電動機に、任意の周波数で回転するdc軸に平行な方向の交流電圧印加し、そのdc軸に生じる交流電流を検出し、dc軸を電気角で180度以上回転した期間におけるdc軸交流電圧およびdc軸交流電流の最大値から直軸インダクタンス(Ld)を、これらの最小値から横軸インダクタンス(Lq)を、それぞれ演算することが記載されている。

また、特許文献2には、直流成分と交流成分とを合成した印加電圧を、交流周波数の成分を変化させて永久磁石型同期電動機に印加する電圧印加ステップと、印加した印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出する電流検出テップと、印加電圧の交流成分とモータ電流の交流成分との位相差を算出する位相差算出ステップと、永久磁石型同期電動機のモータ定数を算出するモータ定数算出ステップとを含む、永久磁石型同期電動機のモータ定数算出方法が記載されている。

概要

特性が不明な同期電動機の故障を抑制しつつ、同期電動機のインダクタンス値を得る。主制御装置15は、室内ファンを駆動する室内ファン駆動装置13に設けられた同期電動機134を起動する際に、同期電動機134に、交流のd軸印加電圧を供給させるとともに、同期電動機134に供給するd軸印加電圧の大きさを、段階的に変更させる。そして、d軸印加電圧とd軸印加電圧が供給された同期電動機134に流れるd軸計測電流とを用いて、同期電動機134のインダクタンスを算出し、d軸計測電流の変化に対するインダクタンスの変化が飽和した状態におけるインダクタンスの値を、同期電動機134のd軸インダクタンスとする。

目的

本発明は、特性が不明な同期電動機の故障を抑制しつつ、同期電動機のインダクタンス値を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

インダクタンスの大きさが不明な同期電動機起動する際に、当該同期電動機のd軸またはq軸に交流電圧を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段が前記同期電動機に供給する交流電圧の大きさを、段階的に変更する変更手段とを含む制御装置

請求項2

交流電圧と交流電圧が供給された前記同期電動機に流れる流入電流とを用いて、当該同期電動機のインダクタンスを算出し、流入電流の変化に対するインダクタンスの変化が飽和した状態におけるインダクタンスの値を、当該同期電動機のd軸インダクタンスに設定する設定手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の制御装置。

請求項3

前記電圧供給手段は、前記同期電動機のd軸インダクタンスが設定された後、d軸より90°進んだ位相に、d軸インダクタンスが設定されたときに供給していた大きさの交流電圧を供給し、前記設定手段は、交流電圧と交流電圧が供給された前記同期電動機に流れる流入電流とを用いて算出したインダクタンスの値を、当該同期電動機のq軸インダクタンスに設定することを特徴とする請求項2記載の制御装置。

請求項4

インダクタンスの大きさが不明な同期電動機を起動する際に、当該同期電動機に交流電圧を供給する電圧供給手段と、交流電圧と交流電圧が供給された前記同期電動機に流れる流入電流とを用いて、当該同期電動機のインダクタンスを推定する推定手段と、前記推定手段を用いたインダクタンスの推定において、前記電圧供給手段が供給する交流電圧の大きさを順次変更する変更手段とを含むインダクタンス推定装置

請求項5

冷媒を介して熱交換を行う熱交換部と、回転することで前記熱交換部に風を送る送風部と、固定される固定子と当該固定子に対して回転可能に設けられる回転子とを備え、当該回転子によって前記送風部を回転駆動する同期電動機と、前記同期電動機を起動する際に、当該同期電動機に交流電圧を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段が前記同期電動機に供給する交流電圧の大きさを、段階的に変更する変更手段とを含む空気調和装置

請求項6

インダクタンスの大きさが不明な同期電動機を起動する際に、当該同期電動機に交流電圧を供給するステップと、前記同期電動機に供給する交流電圧の大きさを、段階的に変更するステップとを含む制御方法

技術分野

背景技術

0002

従来から、所謂ベクトル制御と呼ばれる手法を用いて、同期電動機回転動作を制御することが行われている。ここで、同期電動機のベクトル制御を実行する場合においては、同期電動機のインダクタンスを含む各種モータ定数が用いられる。

0003

特許文献1には、同期電動機に、任意の周波数で回転するdc軸に平行な方向の交流電圧印加し、そのdc軸に生じる交流電流を検出し、dc軸を電気角で180度以上回転した期間におけるdc軸交流電圧およびdc軸交流電流の最大値から直軸インダクタンス(Ld)を、これらの最小値から横軸インダクタンス(Lq)を、それぞれ演算することが記載されている。

0004

また、特許文献2には、直流成分と交流成分とを合成した印加電圧を、交流周波数の成分を変化させて永久磁石型同期電動機に印加する電圧印加ステップと、印加した印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出する電流検出テップと、印加電圧の交流成分とモータ電流の交流成分との位相差を算出する位相差算出ステップと、永久磁石型同期電動機のモータ定数を算出するモータ定数算出ステップとを含む、永久磁石型同期電動機のモータ定数算出方法が記載されている。

先行技術

0005

特開2002−272195号公報
特開2000−50700号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、従来における同期電動機のインダクタンスの算出手法は、同期電動機の定格電流など、インダクタンスを除く他のモータ定数が既知であることを前提としていた。このため、モータ定数が未知となっている同期電動機のインダクタンスを求めようとする場合、同期電動機に供給すべき電圧等が不明であるため、得られるインダクタンスの誤差が大きくなるおそれがあった。また、同期電動機の定格に対して過大な電流が供給されてしまった場合には、同期電動機にて減磁が生じてしまうおそれがあった。

0007

本発明は、特性が不明な同期電動機の故障を抑制しつつ、同期電動機のインダクタンス値を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、インダクタンスの大きさが不明な同期電動機を起動する際に、当該同期電動機のd軸またはq軸に交流電圧を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段が前記同期電動機に供給する交流電圧の大きさを、段階的に変更する変更手段とを含む制御装置を提供する。
ここで、交流電圧と交流電圧が供給された前記同期電動機に流れる流入電流とを用いて、当該同期電動機のインダクタンスを算出し、流入電流の変化に対するインダクタンスの変化が飽和した状態におけるインダクタンスの値を、当該同期電動機のd軸インダクタンスに設定する設定手段をさらに含むものであってもよい。
また、前記電圧供給手段は、前記同期電動機のd軸インダクタンスが設定された後、d軸より90°進んだ位相に、d軸インダクタンスが設定されたときに供給していた大きさの交流電圧を供給し、前記設定手段は、交流電圧と交流電圧が供給された前記同期電動機に流れる流入電流とを用いて算出したインダクタンスの値を、当該同期電動機のq軸インダクタンスに設定するものであってもよい。

0009

また、本発明は、インダクタンスの大きさが不明な同期電動機を起動する際に、当該同期電動機に交流電圧を供給する電圧供給手段と、交流電圧と交流電圧が供給された前記同期電動機に流れる流入電流とを用いて、当該同期電動機のインダクタンスを推定する推定手段と、前記推定手段を用いたインダクタンスの推定において、前記電圧供給手段が供給する交流電圧の大きさを順次変更する変更手段とを含むインダクタンス推定装置を提供する。

0010

さらに、本発明は、冷媒を介して熱交換を行う熱交換部と、回転することで前記熱交換部に風を送る送風部と、固定される固定子と当該固定子に対して回転可能に設けられる回転子とを備え、当該回転子によって前記送風部を回転駆動する同期電動機と、前記同期電動機を起動する際に、当該同期電動機に交流電圧を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段が前記同期電動機に供給する交流電圧の大きさを、段階的に変更する変更手段とを含む空気調和装置を提供する。

0011

さらにまた、本発明は、インダクタンスの大きさが不明な同期電動機を起動する際に、当該同期電動機に交流電圧を供給するステップと、前記同期電動機に供給する交流電圧の大きさを、段階的に変更するステップとを含む制御方法を提供する。

発明の効果

0012

本発明によれば、特性が不明な同期電動機の故障を抑制しつつ、同期電動機のインダクタンス値を得ることができる。

図面の簡単な説明

0013

本実施の形態が適用される空気調和装置の全体構成を示した図である。
室内機における室内ファン駆動装置の構成を示した図である。
(a)、(b)は、室内ファン駆動装置で用いられる同期電動機の構成を模式的に示した図である。
空気調和装置の制御系を説明するためのハードウェアブロック図である。
空気調和装置における室内機制御装置ソフトウェアブロック図である。
室内機における同期電動機の起動処理の手順を示すフローチャートである。
室内機における同期電動機の起動処理の手順を示すフローチャート(つづき)である。
同期電動機における計測電流とインダクタンスとの関係を示す図である。

実施例

0014

以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[空気調和装置の全体構成]
図1は、本実施の形態が適用される空気調和装置1の全体構成を示した図である。
この空気調和装置1は、屋内(室内)に設置される室内機10と、屋外に設置される室外機20と、室内機10と室外機20とを接続する配管30とを備えている。そして、この空気調和装置1は、室内機10と室外機20との間で、配管30を用いて冷媒(図示せず)を循環させるとともに、室内機10および室外機20のそれぞれにおいて冷媒の熱交換を行わせることで、室内機10が配置された室内を冷房あるいは暖房する。

0015

これらのうち、室内機10は、室内熱交換器11と、室内ファン12と、室内ファン駆動装置13と、室内温度センサ14と、室内機制御装置15と、室内筐体16と、リモートコントローラ(以下ではリモコンと称する)17とを有している。

0016

熱交換部の一例としての室内熱交換器11は、その内部を、室外機20から配管30を介して供給されてくる冷媒(図示せず)が通過するように構成されており、室内の空気と冷媒との熱交換を行う。
送風部の一例としての室内ファン12は、回転可能に設けられており、室内の空気を室内熱交換器11に送り込むとともに、室内熱交換器11に供給されることで冷やされあるいは暖められた空気を室内に送り出す。
室内ファン駆動装置13は、室内ファン12の回転駆動を行う。この室内ファン駆動装置13は、室内ファン12を回転させる際に、室内ファン12の単位時間あたりの回転数を調整する。
室内温度センサ14は、室内の温度を測定する。
制御装置あるいはインダクタンス推定装置の一例としての室内機制御装置15は、室内機10を構成する各部の動作を制御する。また、室内機制御装置15は、室外機20に設けられた室外機制御装置28(詳細は後述する)を介して、室外機20を構成する各部の動作を制御する。
室内筐体16は、上述した室内熱交換器11、室内ファン12、室内ファン駆動装置13、室内温度センサ14および室内機制御装置15を内部に収容する。
リモコン17は、室内筐体16の外部に設けられており、室内機制御装置15に対し、赤外線電波等を用いて、起動/停止(電源オンオフ)、設定温度タイマ等の指示を出力する。

0017

一方、室外機20は、室外熱交換器21と、室外ファン22と、室外ファン駆動装置23と、室外温度センサ24と、膨張弁25と、圧縮機26と、四路切換弁27と、室外機制御装置28と、室外筐体29とを有している。

0018

室外熱交換器21は、その内部を、室内機10から配管30を介して供給されてくる冷媒(図示せず)が通過するように構成されており、屋外の空気と冷媒との熱交換を行う。
室外ファン22は、回転可能に設けられており、屋外の空気を室外熱交換器21に送り込む。
室外ファン駆動装置23は、室外ファン22の回転駆動を行う。この室外ファン駆動装置23は、室外ファン22を回転させる際に、室外ファン22の単位時間あたりの回転数を調整する。
室外温度センサ24は、屋外の温度を測定する。
膨張弁25は、二方弁からなるものであって、冷房運転時には、室内機10の室内熱交換器11から配管30を介して流入してくる冷媒を減圧し、室外熱交換器21に送り出す。また、膨張弁25は、暖房運転時には、室外機20の室外熱交換器21から流入してくる冷媒を加圧し、配管30を介して室内機10の室内熱交換器11に送り出す。
圧縮機26は、室外熱交換器21から四路切換弁27を介して流入してくる冷媒を圧縮し、高温高圧ガス冷媒として吐出する。また、圧縮機26は、配管30を介して室内機10と室外機20との間で冷媒を循環させるための搬送力を、冷媒に付与する機能も有している。
四路切換弁27は、四方弁からなるものであって、冷房運転時と暖房運転時とで、室内熱交換器11または室外熱交換器21から圧縮機26に供給されてくる冷媒の流路切り換える。
室外機制御装置28は、室内機10に設けられた室内機制御装置15による制御の下、室外機20を構成する各部の動作を制御する。
室外筐体29は、上述した室外熱交換器21、室外ファン22、室外ファン駆動装置23、室外温度センサ24、膨張弁25、圧縮機26、四路切換弁27および室外機制御装置28を内部に収容する。

0019

[室内ファン駆動装置の構成]
図2は、図1に示す室内機10における室内ファン駆動装置13の構成を示した図である。
この室内ファン駆動装置13は、整流回路131と、平滑化回路132と、逆変換回路133と、同期電動機134と、電流計測器135とを備えている。

0020

整流回路131は、4つのダイオードを用いたダイオードブリッジ等で構成されている。整流回路131は、商用電源2から供給される商用電源周波数(50Hzあるいは60Hz)の単相交流(100Vあるいは200V(実効値))に全波整流を行うことで、単相交流を直流に変換する。ただし、整流回路131からの出力は、一般的な直流に比べて、リップルが大きい脈流となっている。
平滑化回路132は、コンデンサ等で構成されており、整流回路131から供給される直流(脈流)を平滑化する。
逆変換回路133は、半導体素子等で構成されており、平滑化回路132から供給される直流を、目的とする周波数および電圧値に設定された三相交流(U相、V相、W相)に変換する。この逆変換回路133は、出力する三相交流の周波数および電圧値を、動作中に変更できるようになっている。
同期電動機134は、逆変換回路133から供給される三相交流によって、室内ファン12を回転させる。なお、本実施の形態では、同期電動機134として、界磁永久磁石強磁性体)を採用した永久磁石同期電動機(Permanent Magnet Synchronous Motor:PMSM)を用いている。
電流計測器135は、逆変換回路133から同期電動機134に供給される三相交流の電流値を、相毎に計測する。

0021

この室内ファン駆動装置13では、商用電源2から供給される商用電源周波数の単相交流を、整流回路131、平滑化回路132および逆変換回路133を用いて、目的とする周波数(可変)の三相交流に変換した後、室内ファン12を回転させる同期電動機134へと供給する。
なお、ここでは詳細な説明を行わないが、室外機20における室外ファン駆動装置23も、室内ファン駆動装置13と同様の構成を有している。

0022

[同期電動機の構成]
図3は、室内ファン駆動装置13で用いられる同期電動機134の構成を模式的に示した図である。ここで、図3(a)は同期電動機134が表面磁石形永久磁石同期電動機(Surface Permanent Magnet Synchronous Motor:SPMSM)である場合を、図3(b)は同期電動機134が内部磁石形永久磁石同期電動機(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor:IPMSM)である場合を、それぞれ示している。なお、図3(a)および図3(b)は、それぞれ、同期電動機134の極数を2つとした場合を例示している。

0023

本実施の形態の同期電動機134は、固定子41と、回転子42と、U相コイル43と、V相コイル44と、W相コイル45とを有している。
固定子41は、内部に円柱状の空間が形成された構造を有しており、直接あるいは間接的に室内筐体16(図1参照)に固定されている。
回転子42は、円柱状の形状を有するものであって、固定子41の内部に形成された空間に配置されており、固定子41に対し、シャフト42cを介して回転可能に取り付けられている。なお、このシャフト42cには、図2等に示す室内ファン12が装着されており、回転子42が回転すると、シャフト42cを介して室内ファン12が回転する。
U相コイル43は、固定子41のうち内部に形成された空間と対向する位置に取り付けられている。そして、U相コイル43は、逆変換回路133(図2参照)から供給される三相交流のうちのU相と接続される。
V相コイル44は、固定子41のうち内部に形成された空間と対向するとともに、U相コイル43から周方向に120°ずれた位置に取り付けられている。そして、V相コイル44は、逆変換回路133(図2参照)から供給される三相交流のうちのV相と接続される。
W相コイル45は、固定子41のうち内部に形成された空間と対向するとともに、V相コイル44から周方向に120°ずれた位置(U相コイル43から周方向に−120°ずれた位置)に取り付けられている。そして、W相コイル45は、逆変換回路133(図2参照)から供給される三相交流のうちのW相と接続される。

0024

そして、同期電動機134の回転子42には、磁極であるN極42aと、回転子42においてN極42aとは反対側(裏側)に設けられた他の磁極であるS極42bとが設けられている。ここで、図3(a)に示す同期電動機134(表面磁石形永久磁石同期電動機)の場合、各磁極(N極42aおよびS極42b)は、回転子42の外周面露出した位置に配置される。これに対し、図3(b)に示す同期電動機134(内部磁石形永久磁石同期電動機)の場合、各磁極(N極42aおよびS極42b)は、回転子42の外周面に露出しない位置(回転子42の内部となる位置に)に配置される。

0025

ここで、本実施の形態では、同期電動機134として、図3(a)に示す表面磁石形を用いてもよいし、図3(b)に示す内部磁石形を用いてもよい。

0026

そして、本実施の形態の同期電動機134は、回転子42の位相角を検出するためのセンサホール素子等)が設けられていない、所謂センサレス形を採用している。
なお、ここでは、図面の記載を簡略化するために、固定子41に対し、U相コイル43、V相コイル44およびW相コイル45をそれぞれ集中巻きした場合を例示しているが、これら各コイル分布巻きとしてもかまわない。また、同期電動機134の極数を、4つ以上としてもかまわない。

0027

[空気調和装置の制御系]
図4は、空気調和装置1の制御系を説明するためのハードウェアブロック図である。
本実施の形態の制御系は、室内機10側に設けられて室内機10内の各部を制御する室内機制御装置15と、室外機20側に設けられて室外機20内の各部を制御する室外機制御装置28と、室内機制御装置15と室外機制御装置28とを接続し、両者の間で信号の授受を行う通信経路とを有している。

0028

まず、室内機制御装置15は、プログラム読み出して実行するCPU(Central Processing Unit)151と、CPU151が実行するプログラムやプログラムを実行する際に使用するデータ等を記憶するROM152(Read Only Memory)と、プログラムを実行する際に一時的に生成されるデータ等を記憶するRAM153(Random Access Memory)と、プログラムを実行する際に使用するデータ等を記憶するとともに、その内容を書き換え可能であって、電源を供給しなくてもその記憶内容を保持することが可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)154とを備えている。

0029

そして、室内機制御装置15には、室内温度センサ14から室内温度信号が、リモコン17から指示信号が、それぞれ入力される。また、室内機制御装置15には、室内ファン駆動装置13に設けられた電流計測器135から、U相、V相およびW相の計測電流信号が入力される。さらに、室内機制御装置15には、室外機制御装置28から制御信号が入力される。一方、室内機制御装置15は、室内ファン駆動装置13に設けられた逆変換回路133に制御信号を出力する。また、室内機制御装置15は、室外機制御装置28に制御信号を出力する。

0030

次に、室外機制御装置28は、プログラムを読み出して実行するCPU281と、CPU151が実行するプログラムやプログラムを実行する際に使用するデータ等を記憶するROM282と、プログラムを実行する際に一時的に生成されるデータ等を記憶するRAM283と、プログラムを実行する際に使用するデータ等を記憶するとともに、その内容を書き換え可能であって、電源を供給しなくてもその記憶内容を保持することが可能なEEPROM284とを備えている。

0031

そして、室外機制御装置28には、室外温度センサ24から室外温度信号が入力される。また、室外機制御装置28には、室内機制御装置15から制御信号が入力される。一方、室外機制御装置28は、膨張弁25、圧縮機26および四路切換弁27のそれぞれに制御信号を出力する。また、室外機制御装置28は、室内機制御装置15に制御信号を出力する。

0032

図5は、空気調和装置1における室内機制御装置15のソフトウェアブロック図である。ここで、本実施の形態の空気調和装置1では、室内機制御装置15が、公知のベクトル制御にて、室内ファン駆動装置13に設けられた同期電動機134の動作を制御する。このため、室内機制御装置15は、同期電動機134をベクトル制御するために、事前に、この同期電動機134のインダクタンスを含む各種モータ定数の取得を行う。そして、図5は、室内機制御装置15が実行する各種制御のうち、同期電動機134をベクトル制御するために必要なインダクタンスの取得に関するブロックを、抜き出して示している。

0033

室内機制御装置15は、指示受付部51と、位置決め電流指示部52と、印加電圧設定部53と、印加電圧指示部54と、計測電流取得部55と、インダクタンス算出部56と、記憶部57と、判断部58と、ベクトル制御部59とを備えている。

0034

指示受付部51は、リモコン17からの指示(電源オンなど)を受け付ける。
位置決め電流指示部52は、指示受付部51が電源オンの指示を受け付けた場合に、同期電動機134のインダクタンスを算出する際に、固定子41に対する回転子42(ともに図3参照)の位置決め(位置固定)を行うための位置決め電流(固定電流の一例)を設定する。そして、位置決め電流指示部52は、設定した位置決め電流を、逆変換回路133に指示する。
変更手段の一例としての印加電圧設定部53は、位置決め電流の供給に伴って同期電動機134における回転子42が固定子41(ともに図3参照)に対して位置決め(位置固定)された状態で、同期電動機134に印加する電圧(交流電圧の一例)を設定する。
電圧供給手段の一例としての印加電圧指示部54は、印加電圧設定部53が設定した印加電圧を、逆変換回路133に指示する。
計測電流取得部55は、電流計測器135が計測した、逆変換回路133から同期電動機134に流れる電流(計測電流と呼ぶ:流入電流の一例)を取得する。
推定手段の一例としてのインダクタンス算出部56は、印加電圧設定部53が設定した印加電圧と、計測電流取得部55が取得した計測電流とを用いて、同期電動機134のインダクタンスを算出する。
記憶部57は、インダクタンス算出部56が算出した、同期電動機134のインダクタンスを記憶する。
判断部58は、インダクタンス算出部56によって算出され、記憶部57に記憶されるインダクタンスが適正なものであるか否かを判断する。また、判断部58は、記憶部57に記憶されるインダクタンスが適正なものではないと判断した場合に、印加電圧設定部53に、印加電圧を変更させるための指示を出力する。
ベクトル制御部59は、同期電動機134のインダクタンスが決定された後に、このインダクタンスを含む同期電動機134のモータ定数を用いて、同期電動機134のベクトル制御を行う。
なお、本実施の形態では、インダクタンス算出部56および判断部58が、設定手段として機能している。

0035

[空気調和装置の動作]
ここで、本実施の形態の空気調和装置1の動作を、冷房動作を例として説明する。
リモコン17から出力された、冷房の起動を要求する指示信号を、室内機10に設けられた室内機制御装置15が受信すると、室内機制御装置15は、室内ファン駆動装置13を起動させる。これに伴い、室内ファン駆動装置13は、室内ファン12を回転駆動する。また、指示信号を受信した室内機制御装置15は、室外機20に設けられた室外機制御装置28に起動要求信号を出力する。この起動要求信号を受け取った室外機制御装置28は、室外ファン駆動装置23を起動させるとともに、膨張弁25、圧縮機26および四路切換弁27のそれぞれを、冷房時の状態に設定する。これにより、配管30を介して、室内機10の室内熱交換器11と室外機20の室外熱交換器21との間を、図示しない冷媒が循環搬送される。その結果、室内熱交換器11にて屋内(室内)には冷気が導入され、室外熱交換器21にて屋外には暖気が排出される。このとき、室内機10では、室内ファン駆動装置13によって室内ファン12が回転駆動されることで、室内熱交換器11によって導入された冷気が室内に拡散される。一方、室外機20では、室外ファン駆動装置23によって室外ファン22が回転駆動されることで、室外熱交換器21によって導入された暖気が屋外に拡散される。また、室内機10では、室内機制御装置15が、リモコン17によって設定された設定温度と室内温度センサ14による室内温度測定結果とに基づいて、室内ファン駆動装置13の回転速度制御を行い、室外機20では、室外機制御装置28が、リモコン17によって設定された設定温度と室外温度センサ24による室外温度測定結果とに基づいて、室内ファン駆動装置13の回転速度制御や、圧縮機26による冷媒(図示せず)の流量制御を行う。これにより、室内機10が配置された室内は、リモコン17によって設定された設定温度となるように冷房される。この間、室内機10に設けられた室内機制御装置15(ベクトル制御部59)は、逆変換回路133を介して、同期電動機134をベクトル制御する。

0036

[同期電動機の起動処理]
図6および図7は、室内機10における同期電動機134の起動処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態の空気調和装置1では、リモコン17からの空気調和装置1(室内機10および室外機20)の起動に関する指示を室内機制御装置15が受信した後、この室内機制御装置15が室内ファン駆動装置13における同期電動機134のベクトル制御を開始するまでの間に、この同期電動機134のインダクタンスの算出を行う。

0037

この処理では、まず、室内機10の室内機制御装置15において、指示受付部51が、リモコン17からの起動に関する指示を受け付ける(ステップ10)。

0038

次に、室内機制御装置15に設けられた位置決め電流指示部52は、室内ファン駆動装置13に設けられた逆変換回路133に対し、同期電動機134におけるd軸に回転子42を位置決め(位置固定)するためのd軸位置決め電流Idpの出力を指示する(ステップ20)。すると、室内ファン駆動装置13では、d軸位置決め電流Idpに対応するU相d軸位置決め電流、V相d軸位置決め電流およびW相d軸位置決め電流が、同期電動機134に供給され始める。その結果、同期電動機134では、固定子41に対し、回転子42が所定量(例えば1回転未満)だけ回転した後に停止する。これにより、固定子41に対する回転子42のd軸の位置決め(位置固定)が行われる。そして、回転子42のd軸の位置決めが行われると、位置決め電流指示部52は、d軸位置決め電流Idpの出力の停止を指示する。

0039

続いて、室内機制御装置15に設けられた印加電圧設定部53は、d軸印加電圧Vds初期値V0に設定し(ステップ30)、変数nを1(n=1)に設定する(ステップ40)。そして、印加電圧指示部54は、室内ファン駆動装置13に設けられた逆変換回路133に対し、印加電圧設定部53で設定された、n番目(最初は1番目)のd軸印加電圧Vdsの出力を指示する(ステップ50)。すると、室内ファン駆動装置13では、逆変換回路133が、n番目のd軸印加電圧Vdsに対応するU相d軸印加電圧、V相d軸印加電圧およびW相d軸印加電圧を、同期電動機134に供給する。ただし、このとき、同期電動機134における回転子42は、固定子41に対し、回転することなく、ステップ20で位置決め(位置固定)された状態を維持している。

0040

それから、室内機制御装置15に設けられた計測電流取得部55は、室内ファン駆動装置13に設けられた電流計測器135が計測した、逆変換回路133から同期電動機134に流れるd軸計測電流Idmを取得する(ステップ60)。そして、室内機制御装置15に設けられたインダクタンス算出部56は、ステップ50で出力を指示したn番目のd軸印加電圧Vdsと、ステップ60で取得したn番目のd軸計測電流Idmとを用い、以下に示す(a)式に基づいて、n番目のd軸インダクタンスLdnを算出する(ステップ70)。

0041

Ldn=(Vh−ΔV−Ih×R)/(ω×Ih) …(a)

Vh:d軸印加電圧Vdsのピーク値
ΔV:電圧を印加する位相における電圧誤差成分
Ih:d軸計測電流Idmのピーク値
R :同期電動機の推定インピーダンス
ω :d軸印加電圧Vdsの角周波数

0042

次に、室内機制御装置15に設けられたインダクタンス算出部56は、ステップ70で算出したn番目のd軸インダクタンスLdnを、室内機制御装置15に設けられた記憶部57(RAM153)に記憶させる(ステップ80)。

0043

続いて、室内機制御装置15に設けられた判断部58は、記憶部57から、n番目のd軸インダクタンスLdnの1つ前に記憶された、n−1番目のd軸インダクタンスLdn−1を読み出す(ステップ90)。次いで、判断部58は、ステップ70で算出したn番目のd軸インダクタンスLdnと、ステップ80で読み出したn−1番目のd軸インダクタンスLdn−1との差が、予め決められた閾値Lt未満(Ldn−Ldn−1<Lt)となっているか否かを判断する(ステップ100)。

0044

ステップ100で否定の判断(NO)を行った場合、室内機制御装置15に設けられた印加電圧設定部53は、d軸印加電圧Vdsを、現在のd軸印加電圧Vdsに増加値Viを加えたもの(Vds=Vds+Vi)に更新し(ステップ110)、且つ、変数nを、現在の変数nに1を加えたもの(n=n+1)に更新し(ステップ120)、ステップ50へと戻って処理を続行する。したがって、ステップ50〜ステップ120に示す処理は、ステップ100で肯定の判断(YES)が行われるまで、繰り返し実行されることになる。

0045

一方、ステップ100で肯定の判断(YES)を行った場合、室内機制御装置15に設けられた判断部58は、ステップ70で算出したn番目のd軸インダクタンスLdnを、同期電動機134のd軸インダクタンスLdとして、記憶部57(EEPROM154)に記憶させる(ステップ130)。次いで、判断部58は、ステップ130でd軸インダクタンスLdとして記憶させた、n番目のd軸インダクタンスLdnの算出に用いた、n番目のd軸インダクタンスLdnに対応するn番目のd軸印加電圧Vdsを、以降の手順で使用するq軸印加電圧Vqsとして、記憶部57(RAM153あるいはEEPROM154)に記憶させる(ステップ140)。その後、判断部58は、記憶部57に記憶されていた、1番目のd軸インダクタンスLd1〜n番目のd軸インダクタンスLdnを削除する(ステップ150)。さらに、印加電圧指示部54は、室内ファン駆動装置13に設けられた逆変換回路133に対するd軸印加電圧Vdsの出力の停止を指示する。

0046

次に、室内機制御装置15に設けられた位置決め電流指示部52は、室内ファン駆動装置13に設けられた逆変換回路133に対し、q軸位置決め電流Iqpの出力を指示する(ステップ160)。すると、室内ファン駆動装置13では、q軸位置決め電流Iqpに対応するU相q軸位置決め電流、V相q軸位置決め電流およびW相q軸位置決め電流が、同期電動機134に供給され始める。その結果、同期電動機134では、固定子41に対し、回転子42が所定量(例えば90°)だけ回転した後に停止する。これにより、固定子41に対する回転子42のq軸の位置決め(位置固定)が行われる。そして、回転子42のq軸の位置決めが行われると、位置決め電流指示部52は、q軸位置決め電流Iqpの出力の停止を指示する。

0047

続いて、室内機制御装置15に設けられた印加電圧設定部53は、記憶部57からステップ140で記憶させていたq軸印加電圧Vqsを読み出す(ステップ170)。また、印加電圧指示部54は、室内ファン駆動装置13に設けられた逆変換回路133に対し、印加電圧設定部53で設定された、q軸印加電圧Vqsの出力を指示する(ステップ180)。すると、室内ファン駆動装置13では、逆変換回路133が、q軸印加電圧Vqsに対応するU相q軸印加電圧、V相q軸印加電圧およびW相q軸印加電圧を、同期電動機134に供給する。ただし、このとき、同期電動機134における回転子42は、固定子41に対し、回転することなく、ステップ160で位置決め(位置固定)された状態を維持している。

0048

それから、室内機制御装置15に設けられた計測電流取得部55は、室内ファン駆動装置13に設けられた電流計測器135が計測した、逆変換回路133から同期電動機134に流れるq軸計測電流Iqmを取得する(ステップ190)。そして、室内機制御装置15に設けられたインダクタンス算出部56は、ステップ180で出力を指示したq軸印加電圧Vqsと、ステップ190で取得したq軸計測電流Iqmとを用い、以下に示す(b)式に基づいて、q軸インダクタンスLqを算出する(ステップ200)。

0049

Lq=(Vh−ΔV−Ih×R)/(ω×Ih) …(b)

Vh:q軸印加電圧Vqsのピーク値
ΔV:電圧を印加する位相における電圧誤差成分
Ih:q軸計測電流Iqmのピーク値
R :同期電動機の推定インピーダンス
ω :q軸印加電圧Vqsの角周波数

0050

なお、上記(b)式は、対象がd軸であるかq軸であるかを除けば、基本的に、上述した(a)式と同じである。

0051

次に、室内機制御装置15に設けられたインダクタンス算出部56は、ステップ200で算出したq軸インダクタンスLqを、室内機制御装置15に設けられた記憶部57(EEPROM154)に記憶させる(ステップ210)。その結果、記憶部57(EEPROM154)には、ステップ120で記憶したd軸インダクタンスLdおよびステップ210で記憶したq軸インダクタンスLqの両者が、ともに存在していることになる。そして、印加電圧指示部54は、室内ファン駆動装置13に設けられた逆変換回路133に対するq軸印加電圧Vqsの出力を停止させる。

0052

その後、室内機制御装置15に設けられたベクトル制御部59は、記憶部57に記憶されているd軸インダクタンスLdおよびq軸インダクタンスLqを含む、同期電動機134のモータ定数を用い、室内ファン駆動装置13に設けられた逆変換回路133を介した、同期電動機134のベクトル制御(同期電動機134を介した室内ファン12の回転制御)を実行する(ステップ220)。以上により、同期電動機134のインダクタンスの算出処理を含む、同期電動機134の起動処理が完了する。

0053

計測電流値とインダクタンスの推定値との関係]
図8は、同期電動機134における計測電流値(d軸計測電流Idm、q軸計測電流Iqm)とインダクタンスの推定値(d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq)との関係を示す図である。

0054

まず、d軸インダクタンスLdは、d軸計測電流Idmの増加(すなわち、d軸印加電圧Vdsの増加)に伴って徐々に減少していき、ある値(この例では0.75Arms〜1.0Armsあたり)を超えるとほぼ一定レベル収束している(飽和している)。

0055

また、q軸インダクタンスLqも、q軸計測電流Iqmの増加(すなわち、q軸印加電圧Vqsの増加)に伴って徐々に減少していき、ある値(この例では0.75Arms〜1.0Armsあたり)を超えるとほぼ一定レベルに収束している(飽和している)。

0056

これらから明らかなように、計測電流値(d軸計測電流Idm、q軸計測電流Iqm)が低すぎる場合、インダクタンスの推定値(d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq)は、実際よりも大きい値となってしまう。これに対し、計測電流値が大きくなっていくことにより、同期電動機134に必要十分な電流が流れると、同期電動機134で磁気飽和が生じた状態となり、インダクタンスの推定値は真値に近い状態で安定する。

0057

そして、磁気飽和の影響が現れた後も、同期電動機134に供給する電流を増加させていった場合には、同期電動機134において、磁極(ここではN極42aおよびS極42b)の不可逆減磁を招くことになってしまう。すなわち、必要以上の電流を同期電動機134に供給してしまった場合には、同期電動機134が故障することになってしまう。

0058

このため、本実施の形態では、モータ定数が未知の同期電動機134を起動する際に、まず、同期電動機134にd軸位置決め電流Idpを供給することで、固定子41に対し回転子42の位置をd軸に固定した。次に、同期電動機134に交流のd軸印加電圧Vdsを供給し、同期電動機134に供給するd軸印加電圧Vdsの大きさを、段階的に増加させるようにした。

0059

そして、d軸印加電圧Vdsとd軸印加電圧Vdsが供給された同期電動機134に流れるd軸計測電流Idmとを用いて、上記(a)式を用いて同期電動機134のインダクタンスを算出し、d軸計測電流Idmの変化に対するインダクタンスの変化が飽和した状態におけるインダクタンスの値を、同期電動機134のd軸インダクタンスLdとした。

0060

また、本実施の形態では、d軸と直交するq軸のインダクタンスであるq軸インダクタンスLqを求める場合に、上記d軸インダクタンスLdと同じ手法を用いるのではなく、固定子41に対し回転子42の位置をq軸に固定した状態で、d軸インダクタンスLdを得たときに用いたd軸印加電圧Vdsをq軸印加電圧Vqsとして用いることで、q軸印加電圧Vqsを段階的に増加させることなく、q軸インダクタンスLqを得るようにした。

0061

より具体的に説明すると、本実施の形態では、上述した手順によりd軸インダクタンスLdを得た後、q軸印加電圧Vqs(d軸印加電圧Vdsに基づいて決まる)を供給し、q軸印加電圧Vqsとq軸印加電圧Vqsが供給された同期電動機134に流れるq軸計測電流Iqmとを用いて、上記(b)式を用いて得たインダクタンスを、同期電動機134のq軸インダクタンスLqとした。

0062

これにより、特性が不明な同期電動機134に過剰な電流が供給されることに起因する同期電動機134の故障を抑制しながら、同期電動機134のインダクタンス(d軸インダクタンスLdおよびq軸インダクタンスLq)を得ることができる。

0063

従来にあっては、同期電動機134のインダクタンスの推定をより正確に行うために、同期電動機134の種別毎に、各同期電動機134の特性に応じた専用の制御装置(室内機制御装置15)を用意しておく必要があった。これに対し、本実施の形態の室内機制御装置15を用いた場合には、それぞれの同期電動機134の特性(定格)に応じて、d軸印加電圧Vds(d軸計測電流Idm)およびq軸印加電圧Vqs(q軸計測電流Iqm)のそれぞれの限界値が決まることになるため、室内機制御装置15に汎用性を持たせることができる。したがって、例えば能力冷房能力暖房能力)が異なる複数種の空気調和装置1に対しても、同一構成の室内機制御装置15を用いた動作制御(同期電動機134のベクトル制御)を行うことが可能になる。

0064

なお、本実施の形態では、同期電動機134が永久磁石形である場合を例として説明を行ったが、これに限られるものではなく、他の形式であってもかまわない。

0065

また、本実施の形態では、同期電動機134にd軸位置決め電流Idpを供給することで、固定子41に対する回転子42の位置をd軸に固定した後に、d軸印加電圧Vdsを印加し、また、同期電動機134にq軸位置決め電流Iqpを供給することで、固定子41に対する回転子42の位置をq軸に固定した後に、q軸印加電圧Vqsを印加するようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、同期電動機134におけるd軸およびq軸の位置が既知である場合には、固定子41に対する回転子42の位置を固定する必要はない。すなわち、このような場合にあっては、d軸位置決め電流Idpあるいはd軸位置決め電流Idpを供給した後に、d軸印加電圧Vdsあるいはq軸印加電圧Vqsを印加しなくてもよい。

0066

1…空気調和装置、2…商用電源、10…室内機、11…室内熱交換器、12…室内ファン、13…室内ファン駆動装置、14…室内温度センサ、15…室内機制御装置、16…室内筐体、17…リモートコントローラ、30…配管、41…固定子、42…回転子、42a…N極、42b…S極、43…U相コイル、44…V相コイル、45…W相コイル、51…指示受付部、52…位置決め電流指示部、53…印加電圧設定部、54…印加電圧指示部、55…計測電流取得部、56…インダクタンス算出部、57…記憶部、58…判断部、59…ベクトル制御部、131…整流回路、132…平滑化回路、133…逆変換回路、134…同期電動機、135…電流計測器

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