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技術 弾性波装置の製造方法及び弾性波装置

出願人 株式会社村田製作所
発明者 小中陽平
出願日 2015年12月25日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-253658
公開日 2017年6月29日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-118408
状態 特許登録済
技術分野 弾性表面波素子とその回路網
主要キーワード 帯域通過型フィルタ 電極線幅 正面断面 インピーダンス調整用 各反射器 両フィルタ 弾性波装置 弾性波共振子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

周波数を容易に調整することができる、弾性波装置の製造方法を提供する。

解決手段

本発明に係る弾性波装置の製造方法は、圧電基板7を用意する工程と、圧電基板7上に金属膜8Aを形成する工程と、フォトリソグラフィ法により金属膜8Aをパターニングし、複数のIDT電極8a,8bを形成することにより、周波数の異なる複数の弾性波素子部を形成する工程とを備え、複数の弾性波素子部を、フォトリソグラフィ法における露光一括で行うことにより形成し、複数の弾性波素子部における、IDT電極8a,8bの電極指線幅に対する周波数の依存性が揃うように、複数の弾性波素子部におけるIDT電極8a,8bのデューティが調整されていることを特徴とする。

概要

背景

従来、弾性波装置携帯電話機などに広く用いられている。特許文献1には、弾性波装置の一例が示されている。この弾性波装置は、同じ圧電基板に構成された送信フィルタ及び受信フィルタを有するデュプレクサである。送信フィルタの通過帯域は、ラダー型フィルタにより構成されている。受信フィルタの通過帯域は、複数の縦結合共振子型弾性波フィルタにより構成されている。

また、特許文献2には、弾性波装置の一例として、並列腕共振子デューティが、直列腕共振子のデューティよりも大きくされている、ラダー型フィルタが開示されている。当該ラダー型フィルタにおいては、IDT電極を覆うように形成された絶縁膜膜厚を変化させて周波数帯域の調整を行うことが記載されている。

概要

周波数を容易に調整することができる、弾性波装置の製造方法を提供する。本発明に係る弾性波装置の製造方法は、圧電基板7を用意する工程と、圧電基板7上に金属膜8Aを形成する工程と、フォトリソグラフィ法により金属膜8Aをパターニングし、複数のIDT電極8a,8bを形成することにより、周波数の異なる複数の弾性波素子部を形成する工程とを備え、複数の弾性波素子部を、フォトリソグラフィ法における露光一括で行うことにより形成し、複数の弾性波素子部における、IDT電極8a,8bの電極指線幅に対する周波数の依存性が揃うように、複数の弾性波素子部におけるIDT電極8a,8bのデューティが調整されていることを特徴とする。

目的

本発明の目的は、周波数を容易に調整することができる、弾性波装置の製造方法及び弾性波装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

圧電基板を用意する工程と、前記圧電基板上に金属膜を形成する工程と、フォトリソグラフィ法により前記金属膜をパターニングし、複数のIDT電極を形成することにより、周波数の異なる複数の弾性波素子部を形成する工程と、を備え、前記複数の弾性波素子部を、フォトリソグラフィ法における露光一括で行うことにより形成し、前記複数の弾性波素子部における、前記IDT電極の電極指線幅に対する周波数の依存性が揃うように、前記複数の弾性波素子部における前記IDT電極のデューティが調整されている、弾性波装置の製造方法。

請求項2

前記複数の弾性波素子部のうち、他の弾性波素子部と異なる周波数を有する少なくとも1個の弾性波素子部における前記IDT電極のデューティを、他の前記弾性波素子部における前記IDT電極のデューティと異ならせる、請求項1に記載の弾性波装置の製造方法。

請求項3

前記複数の弾性波素子部が複数の弾性波フィルタ部であり、前記複数の弾性波フィルタ部のうち、他の弾性波フィルタ部と異なる通過帯域を有する少なくとも1個の弾性波フィルタ部における前記IDT電極のデューティを、他の前記弾性波フィルタ部における前記IDT電極のデューティと異ならせる、請求項1または2に記載の弾性波装置の製造方法。

請求項4

前記複数の弾性波フィルタ部のうち、少なくとも2個の弾性波フィルタ部における、各通過帯域の端部の周波数の前記IDT電極の電極指の線幅に対する依存性を揃える、請求項3に記載の弾性波装置の製造方法。

請求項5

前記複数の弾性波フィルタ部のうち、通過帯域が異なり、かつ通過帯域の差が最小である2個の弾性波フィルタ部において、通過帯域が高域側に位置する前記弾性波フィルタ部における通過帯域の低域側の端部の周波数と、通過帯域が低域側に位置する前記弾性波フィルタ部における通過帯域の高域側の端部の周波数との前記IDT電極の電極指の線幅に対する依存性を揃える、請求項4に記載の弾性波装置の製造方法。

請求項6

前記複数の弾性波フィルタ部が共通接続されている、マルチプレクサを形成する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の弾性波装置の製造方法。

請求項7

前記複数の弾性波素子部が複数の弾性波共振子部であり、前記複数の弾性波共振子部のうち、他の弾性波共振子部と異なる共振周波数を有する少なくとも1個の弾性波共振子部における前記IDT電極のデューティを、他の前記弾性波共振子部における前記IDT電極のデューティと異ならせる、請求項1または2に記載の弾性波装置の製造方法。

請求項8

圧電基板と、前記圧電基板に構成されており、IDT電極をそれぞれ有する、周波数の異なる複数の弾性波素子部と、を備え、前記複数の弾性波素子部における前記IDT電極のデューティが調整されている、弾性波装置。

請求項9

前記複数の弾性波素子部のうち、他の弾性波素子部と異なる周波数を有する少なくとも1個の弾性波素子部における前記IDT電極のデューティが、他の前記弾性波素子部における前記IDT電極のデューティと異なる、請求項8に記載の弾性波装置。

請求項10

前記複数の弾性波素子部が、複数の弾性波フィルタ部であり、前記複数の弾性波フィルタ部のうち、他の弾性波フィルタ部と異なる通過帯域を有する少なくとも1個の弾性波フィルタ部における前記IDT電極のデューティが、他の前記弾性波フィルタ部における前記IDT電極のデューティと異なる、請求項8または9に記載の弾性波装置。

請求項11

前記複数の弾性波フィルタ部のうち、少なくとも2個の弾性波フィルタ部における、各通過帯域の端部の周波数の前記IDT電極の電極指の線幅に対する依存性が揃っている、請求項10に記載の弾性波装置。

請求項12

前記複数の弾性波フィルタ部のうち、通過帯域が異なり、かつ通過帯域の差が最小である2個の弾性波フィルタ部において、通過帯域が高域側に位置する前記弾性波フィルタ部における通過帯域の低域側の端部の周波数と、通過帯域が低域側に位置する前記弾性波フィルタ部における通過帯域の高域側の端部の周波数との前記IDT電極の電極指の線幅に対する依存性が揃っている、請求項11に記載の弾性波装置。

請求項13

前記複数の弾性波フィルタ部が共通接続された、マルチプレクサが形成されている、請求項10〜12のいずれか1項に記載の弾性波装置。

請求項14

前記複数の弾性波素子部が複数の弾性波共振子部であり、前記複数の弾性波共振子部のうち、他の弾性波共振子部と異なる共振周波数を有する少なくとも1個の弾性波共振子部における前記IDT電極のデューティが、他の前記弾性波共振子部における前記IDT電極のデューティと異なる、請求項8または9に記載の弾性波装置。

技術分野

0001

本発明は、弾性波装置の製造方法及び弾性波装置に関する。

背景技術

0002

従来、弾性波装置が携帯電話機などに広く用いられている。特許文献1には、弾性波装置の一例が示されている。この弾性波装置は、同じ圧電基板に構成された送信フィルタ及び受信フィルタを有するデュプレクサである。送信フィルタの通過帯域は、ラダー型フィルタにより構成されている。受信フィルタの通過帯域は、複数の縦結合共振子型弾性波フィルタにより構成されている。

0003

また、特許文献2には、弾性波装置の一例として、並列腕共振子デューティが、直列腕共振子のデューティよりも大きくされている、ラダー型フィルタが開示されている。当該ラダー型フィルタにおいては、IDT電極を覆うように形成された絶縁膜膜厚を変化させて周波数帯域の調整を行うことが記載されている。

先行技術

0004

特開2013−081068号公報
特開2002−217679号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1のような弾性波装置においては、高コスト化回避のため、一括露光成膜するなどしてより簡便に周波数調整を行うことが求められている。しかし、1つのチップに構成された送信フィルタと受信フィルタとの通過帯域が大きく異なる場合、送信フィルタと受信フィルタにおけるIDT電極の電極指線幅に対する周波数依存性が異なるため、特許文献2の周波数調整手法を適用して両フィルタのIDT電極線幅を同時に調整しようとしても、両フィルタの周波数間隔が変わってしまうので、簡単に周波数の調整を行うことはできなかった。

0006

本発明の目的は、周波数を容易に調整することができる、弾性波装置の製造方法及び弾性波装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る弾性波装置の製造方法は、圧電基板を用意する工程と、前記圧電基板上に金属膜を形成する工程と、フォトリソグラフィ法により前記金属膜をパターニングし、複数のIDT電極を形成することにより、周波数の異なる複数の弾性波素子部を形成する工程とを備え、前記複数の弾性波素子部を、フォトリソグラフィ法における露光を一括で行うことにより形成し、前記複数の弾性波素子部における、前記IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性が揃うように、前記複数の弾性波素子部における前記IDT電極のデューティが調整されている。

0008

本発明に係る弾性波装置の製造方法のある特定の局面では、前記複数の弾性波素子部のうち、他の弾性波素子部と異なる周波数を有する少なくとも1個の弾性波素子部における前記IDT電極のデューティを、他の前記弾性波素子部における前記IDT電極のデューティと異ならせる。この場合には、複数の弾性波素子部の通過帯域における周波数を容易に調整することができる。

0009

本発明に係る弾性波装置の製造方法の他の特定の局面では、前記複数の弾性波素子部が複数の弾性波フィルタ部であり、前記複数の弾性波フィルタ部のうち、他の弾性波フィルタ部と異なる通過帯域を有する少なくとも1個の弾性波フィルタ部における前記IDT電極のデューティを、他の前記弾性波フィルタ部における前記IDT電極のデューティと異ならせる。この場合には、複数の弾性波フィルタ部の通過帯域における周波数を容易に調整することができる。

0010

本発明に係る弾性波装置の製造方法の他の特定の局面では、前記複数の弾性波フィルタ部のうち、少なくとも2個の弾性波フィルタ部における、各通過帯域の端部の周波数の前記IDT電極の電極指の線幅に対する依存性を揃える。この場合には、各通過帯域の周波数の間隔にずれが生じ難い。

0011

本発明に係る弾性波装置の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記複数の弾性波フィルタ部のうち、通過帯域が異なり、かつ通過帯域の差が最小である2個の弾性波フィルタ部において、通過帯域が高域側に位置する前記弾性波フィルタ部における通過帯域の低域側の端部の周波数と、通過帯域が低域側に位置する前記弾性波フィルタ部における通過帯域の高域側の端部の周波数との前記IDT電極の電極指の線幅に対する依存性を揃える。この場合には、各通過帯域の周波数の間隔に、より一層ずれが生じ難い。

0012

本発明に係る弾性波装置の製造方法の別の特定の局面では、前記複数の弾性波フィルタ部が共通接続されている、マルチプレクサを形成する。

0013

本発明に係る弾性波装置の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記複数の弾性波素子部が複数の弾性波共振子部であり、前記複数の弾性波共振子部のうち、他の弾性波共振子部と異なる共振周波数を有する少なくとも1個の弾性波共振子部における前記IDT電極のデューティを、他の前記弾性波共振子部における前記IDT電極のデューティと異ならせる。

0014

本発明に係る弾性波装置は、圧電基板と、前記圧電基板に構成されており、IDT電極をそれぞれ有する、周波数の異なる複数の弾性波素子部とを備え、前記複数の弾性波素子部における前記IDT電極のデューティが調整されている。

0015

本発明に係る弾性波装置のある特定の局面では、前記複数の弾性波素子部のうち、他の弾性波素子部と異なる周波数を有する少なくとも1個の弾性波素子部における前記IDT電極のデューティが、他の前記弾性波素子部における前記IDT電極のデューティと異なる。この場合には、複数の弾性波素子部の通過帯域における周波数を容易に調整することができる。

0016

本発明に係る弾性波装置の他の特定の局面では、前記複数の弾性波素子部が、複数の弾性波フィルタ部であり、前記複数の弾性波フィルタ部のうち、他の弾性波フィルタ部と異なる通過帯域を有する少なくとも1個の弾性波フィルタ部における前記IDT電極のデューティが、他の前記弾性波フィルタ部における前記IDT電極のデューティと異なる。この場合には、複数の弾性波フィルタ部の通過帯域における周波数を容易に調整することができる。

0017

本発明に係る弾性波装置の他の特定の局面では、前記複数の弾性波フィルタ部のうち、少なくとも2個の弾性波フィルタ部における、各通過帯域の端部の周波数の前記IDT電極の電極指の線幅に対する依存性が揃っている。この場合には、各通過帯域の周波数の間隔にずれが生じ難い。

0018

本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記複数の弾性波フィルタ部のうち、通過帯域が異なり、かつ通過帯域の差が最小である2個の弾性波フィルタ部において、通過帯域が高域側に位置する前記弾性波フィルタ部における通過帯域の低域側の端部の周波数と、通過帯域が低域側に位置する前記弾性波フィルタ部における通過帯域の高域側の端部の周波数との前記IDT電極の電極指の線幅に対する依存性が揃っている。この場合には、各通過帯域の周波数の間隔に、より一層ずれが生じ難い。

0019

本発明に係る弾性波装置の別の特定の局面では、前記複数の弾性波フィルタ部が共通接続された、マルチプレクサが形成されている。

0020

本発明に係る弾性波装置のさらに別の特定の局面では、前記複数の弾性波素子部が複数の弾性波共振子部であり、前記複数の弾性波共振子部のうち、他の弾性波共振子部と異なる共振周波数を有する少なくとも1個の弾性波共振子部における前記IDT電極のデューティが、他の前記弾性波共振子部における前記IDT電極のデューティと異なる。この場合には、各弾性波共振子部の周波数を容易に調整することができる。

発明の効果

0021

本発明によれば、周波数を容易に調整することができる、弾性波装置の製造方法及び弾性波装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の回路図である。
本発明の第1の実施形態における入力端子に接続された直列腕共振子の電極構成を示す模式的平面図である。
本発明の第1の実施形態における第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタの電極構成を示す模式的平面図である。
(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の製造方法を説明するための模式的正面断面図である。
本発明の第1の実施形態における第1の帯域通過型フィルタの各IDT電極のデューティを0.55とした場合の、第1の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性を示す図である。
本発明の第1の実施形態における第2の帯域通過型フィルタの各IDT電極のデューティを0.65とした場合の、第2の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性を示す図である。
本発明の第1の実施形態の、第1,第2の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性と、各IDT電極のデューティとの関係を示す図である。
本発明の第2の実施形態に係るマルチプレクサの模式図である。
本発明の第3の実施形態に係る弾性波装置の回路図である。

実施例

0023

以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。

0024

なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。

0025

図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の回路図である。

0026

本実施形態に係る弾性波装置は、図1に示すデュプレクサ1である。デュプレクサ1は、複数の弾性波フィルタ部としての、第1の帯域通過型フィルタ2aと、第1の帯域通過型フィルタ2aと通過帯域が異なる第2の帯域通過型フィルタ2bとを有する。デュプレクサ1は、アンテナに接続されるアンテナ端子4を有する。第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bは、アンテナ端子4に共通接続されている。

0027

第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bは、同じ圧電基板に構成されている。本実施形態では、圧電基板はLiTaO3からなる。なお、圧電基板は、LINbO3などの圧電単結晶や、適宜の圧電セラミックスなどからなっていてもよい。

0028

デュプレクサ1は、通過帯域がBand4に位置するデュプレクサである。より具体的には、第1の帯域通過型フィルタ2aは、通過帯域が1710MHz以上、1755MHz以下の送信フィルタである。第2の帯域通過型フィルタ2bは、通過帯域が2110MHz以上、2155MHz以下の受信フィルタである。

0029

第1の帯域通過型フィルタ2aは、複数の弾性波共振子を有するラダー型フィルタである。より具体的には、第1の帯域通過型フィルタ2aは、入力端子3を有する。第1の帯域通過型フィルタ2aは、入力端子3とアンテナ端子4との間に互いに直列に接続されている直列腕共振子S1a,S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4,S5a〜S5cを有する。さらに、第1の帯域通過型フィルタ2aは、並列腕共振子P1a,P1b,P2a,P2b,P3,P4a,P4bも有する。

0030

上記各弾性波共振子としての直列腕共振子S1a,S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4,S5a〜S5c及び並列腕共振子P1a,P1b,P2a,P2b,P3,P4a,P4bは、それぞれIDT電極を有する。上記各IDT電極のデューティは、いずれも0.5とされている。なお、第1の帯域通過型フィルタ2aの詳細は後述する。

0031

第2の帯域通過型フィルタ2bは、出力端子5を有する。第2の帯域通過型フィルタ2bは、アンテナ端子4と出力端子5との間に互いに並列に接続されている第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6a,6bを有する。第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6a,6bは、それぞれ3IDT型の縦結合共振子型弾性波フィルタである。第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6a,6bの各IDT電極のデューティは、それぞれ0.651とされている。このように、第2の帯域通過型フィルタ2bの各IDT電極のデューティは、第1の帯域通過型フィルタ2aにおける各IDT電極のデューティと異なる。なお、第2の帯域通過型フィルタ2bの詳細は後述する。

0032

本実施形態の特徴は、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bにおける各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性が揃うように、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bの、各IDT電極のデューティが異なっていることにある。それによって、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bの通過帯域における周波数の調整を容易に行うことができる。これを、デュプレクサ1の構成の詳細及び製造方法とともに、以下において説明する。

0033

図1に示すように、第1の帯域通過型フィルタ2aにおいて、直列腕共振子S1bと直列腕共振子S2aとの間の接続点グラウンド電位との間には、並列腕共振子P1a,P1bが互いに直列に接続されている。直列腕共振子S2bと直列腕共振子S3aとの間の接続点とグラウンド電位との間には、並列腕共振子P2a,P2bが互いに直列に接続されている。直列腕共振子S3bと直列腕共振子S4との間の接続点とグラウンド電位との間には、並列腕共振子P3が接続されている。直列腕共振子S4と直列腕共振子S5aとの間の接続点とグラウンド電位との間には、並列腕共振子P4a,P4bが互いに直列に接続されている。

0034

並列腕共振子P1b,P2b,P3,P4bは、グラウンド電位に共通接続されている。直列腕共振子S1a,S1bに並列に、第1のインダクタL1が接続されている。第1のインダクタL1の一方端は入力端子3に接続されている。第1のインダクタL1の他方端は、直列腕共振子S1bの、直列腕共振子S2a側の端部に接続されている。第1のインダクタL1のインダクタンスは2.6nHである。なお、第1の帯域通過型フィルタ2aの回路構成は特に限定されない。

0035

第2の帯域通過型フィルタ2bにおいて、第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6a,6bとアンテナ端子4との間には、特性調整用の弾性波共振子S11a〜S11cが互いに直列に接続されている。第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6a,6bと出力端子5との間の接続点6x1と、グラウンド電位との間にも、特性調整用の弾性波共振子P11a,P11bが互いに直列に接続されている。第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6a,6bと出力端子5との間の接続点6x2と、グラウンド電位との間には、第2のインダクタL2が接続されている。第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6a,6b、弾性波共振子P11a及び第2のインダクタL2と、出力端子5との間には、容量Cが接続されている。第2のインダクタL2のインダクタンスは4.7nHであり、容量Cの容量は100pFである。なお、第2の帯域通過型フィルタ2bの回路構成は特に限定されない。

0036

他方、アンテナ端子4とグラウンド電位との間には、インピーダンス調整用の第3のインダクタL3が接続されている。第3のインダクタL3のインダクタンスは2.2nHである。なお、第3のインダクタL3は設けられていなくともよい。

0037

第1の実施形態における各弾性波共振子は、具体的には、下記の図2に示す構成を有する。なお、図2には、直列腕共振子S1aの構成を代表して示す。

0038

図2は、第1の実施形態における入力端子に接続された直列腕共振子の電極構成を示す模式的平面図である。

0039

直列腕共振子S1aは、圧電基板上に設けられたIDT電極8aAを有する。IDT電極8aAの弾性波伝搬方向両側には、反射器10Aが設けられている。図1に示した直列腕共振子S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4,S5a〜S5c及び並列腕共振子P1a,P1b,P2a,P2b,P3,P4a,P4bは、直列腕共振子S1aと同様の構成を有する。弾性波共振子S11a〜S11c,P11a,P11bも、直列腕共振子S1aと同様の構成を有する。

0040

他方、第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6a,6bは、下記の図3に示す構成を有する。

0041

図3は、第1の実施形態における第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタの電極構成を示す模式的平面図である。

0042

第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ6aは、IDT電極8bA1〜8bA3を有する。IDT電極8bA1〜8bA3の弾性波伝搬方向両側には、反射器10Baが設けられている。同様に、第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6bは、IDT電極8bB1〜8bB3を有する。IDT電極8bB1〜8bB3の弾性波伝搬方向両側には、反射器10Bbが設けられている。

0043

図3には示されていないが、第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ6aのIDT電極8bA1は、IDT電極8bA2側において第1の狭ピッチ部を有する。IDT電極8bA2は、IDT電極8bA1側及びIDT電極8bA3側において第2の狭ピッチ部及び第3の狭ピッチ部を有する。IDT電極8bA3は、IDT電極8bA2側において第4の狭ピッチ部を有する。同様に、第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ6bのIDT電極8bB1〜8bB3も、第1〜第4の狭ピッチ部を有する。

0044

本実施形態においては、各弾性波共振子の各IDT電極は、特に限定されないが、下記の表1のように形成されている。各縦結合共振子型弾性波フィルタの各IDT電極は、特に限定されないが、下記の表2のように形成されている。第1,第2の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極は、Alからなる。なお、各IDT電極は、Al以外の適宜の金属からなっていてもよい。また、各反射器は、特に限定されないが、表1及び表2のように形成されている。各反射器は各IDT電極と同様の材料からなる。

0045

0046

0047

以下において、第1の実施形態の弾性波装置である、デュプレクサ1の製造方法の一例を説明する。

0048

図4(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る弾性波装置の製造方法を説明するための模式的正面断面図である。

0049

図4(a)に示すように、圧電基板7を用意する。次に、圧電基板7上に金属膜8Aを形成する。この金属膜8Aをフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、複数のIDT電極を形成する。

0050

より具体的には、次に、金属膜8A上に、フォトレジストなどからなる感光性材料層9を積層する。次に、図4(b)に示すように、感光性材料層9に露光を行い、感光性材料層9に反応部9aを形成する。このとき、本実施形態のデュプレクサ1における全ての弾性波共振子を形成するための露光を一括で行う。それによって、生産性を効果的に高めることができる。

0051

図4(b)中に模式的に示すパターンAは、図1に示した第1の帯域通過型フィルタ2aにおける弾性波共振子のIDT電極を形成するパターンである。パターンBは、第2の帯域通過型フィルタ2bにおける縦結合共振子型弾性波フィルタのIDT電極を形成するパターンである。

0052

このとき、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bの各IDT電極のデューティを異ならせるように、パターンA,Bを形成する。より具体的には、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bの各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性が揃うように、パターンA,Bを形成する。

0053

次に、図4(c)に示すように、感光性材料層9の反応部9aを、現像液などにより除去する。それによって、感光性材料層9をパターニングする。

0054

次に、金属膜8Aの感光性材料層9から露出した部分をエッチングにより除去し、図4(d)に示すIDT電極8a,8bを形成する。次に、感光性材料層9を除去する。これにより、各弾性波共振子を形成し、図1に示した第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bを形成する。

0055

なお、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bの形成に際し、リフトオフ法を用いてもよい。

0056

ここで、図5図7を用いて、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bにおける各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性を揃えるようにパターンA,Bを形成する方法を、より具体的に説明する。なお、図5図7に示す結果は、上記表1及び表2に示すように各IDT電極及び各反射器が形成された、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bにおける結果である。

0057

図5は、第1の実施形態における第1の帯域通過型フィルタの各IDT電極のデューティを0.55とした場合の、第1の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性を示す図である。図6は、第1の実施形態における第2の帯域通過型フィルタの各IDT電極のデューティを0.65とした場合の、第2の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性を示す図である。図7は、第1の実施形態の、第1,第2の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性と、各IDT電極のデューティとの関係を示す図である。

0058

図5及び図6ではそれぞれ一定のデューティにおける周波数の上記依存性を示しており、図7では、複数のデューティにおける周波数の上記依存性を示している。

0059

なお、図7において、四角形プロット及び実線Cは、第1の帯域通過型フィルタにおける結果を示す。三角形のプロット及び破線Dは、第2の帯域通過型フィルタにおける結果を示す。一点鎖線Eは、第1の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極のデューティが0.5のときの上記依存性を示す。

0060

図5に示すように、第1の帯域通過型フィルタにおけるIDT電極の電極指の線幅が太くなるほど、周波数が小さくなっていることがわかる。この関係を、周波数をy、IDT電極の電極指の線幅をxとしたときに、下記の式1のように表すことができる。

0061

y=−86.533x+1844.1 …式1

0062

同様に、図6に示す第2の帯域通過型フィルタにおけるIDT電極の電極指の線幅と周波数との関係は、下記の式2のように表すことができる。

0063

y=−140.6x+2152 …式2

0064

他方、図7は、各IDT電極のデューティをそれぞれ異ならせて、第1,第2の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性を求めた結果を示す。なお、図5及び図7は、第1の帯域通過型フィルタの通過帯域の高域側の端部における周波数の上記依存性を示している。図6及び図7は、第2の帯域通過型フィルタの通過帯域の低域側の端部における周波数の上記依存性を示している。

0065

図7に示すように、第1の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極のデューティが大きくなるほど、IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性が低くなっていることがわかる。この関係を、IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性をy、デューティをxとしたときに、下記の式3のように表すことができる。同様に、第2の帯域通過型フィルタにおけるIDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性とデューティとの関係は、下記の式4のように表すことができる。

0066

y=376.5x−274.8 …式3
y=1059.5x−776.8 …式4

0067

ここで、例えば、図7中の実線C及び破線Dと、一点鎖線Eとの交点においては、第1,第2の帯域通過型フィルタにおける上記依存性はいずれも−88.55となっており、揃っている。より具体的には、第1の帯域通過型フィルタの通過帯域の高域側の端部の周波数における上記依存性と、第2の帯域通過型フィルタの通過帯域の低域側の端部の周波数における上記依存性とが揃っている。

0068

図7において一点鎖線Eと実線Cとが交わる部分に相当するデューティとなるように、図4(b)に示すパターンAを形成する。同様に、一点鎖線Eと破線Dとが交わる部分に相当するデューティとなるように、パターンBを形成する。より具体的には、第1及び第2の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極のデューティを、それぞれ0.5及び0.651とするようにパターンA及びBを形成する。

0069

なお、第1,第2の帯域通過型フィルタにおける各IDT電極のデューティは上記の値には限定されず、IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性が揃う適宜の値とすればよい。

0070

図4(b)に示した工程における露光のばらつきにより、各IDT電極の電極指の線幅に設計値からのずれが生じたとしても、露光は一括で行われるため、各IDT電極の電極指の線幅は同じようにずれる。各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性は揃えられているため、第1,第2の帯域通過型フィルタの通過帯域は同じようにずれる。そのため、第1,第2の帯域通過型フィルタの通過帯域の周波数の間隔に、ずれが生じ難い。従って、第1,第2の帯域通過型フィルタの通過帯域における周波数の調整を容易に行うことができる。

0071

図1に示す本実施形態のデュプレクサ1では、第2の帯域通過型フィルタ2bの通過帯域の方が、第1の帯域通過型フィルタ2aの通過帯域よりも高域側に位置している。このとき、上述したように、第1の帯域通過型フィルタ2aの通過帯域の高域側の端部における上記依存性と、第2の帯域通過型フィルタ2bの通過帯域の低域側の端部における上記依存性とを揃えることが好ましい。それによって、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bの通過帯域の周波数の間隔に、より一層ずれが生じ難い。

0072

もっとも、第1,第2の帯域通過型フィルタ2a,2bの通過帯域における端部以外の特定の周波数の上記依存性を揃えてもよい。

0073

図8は、第2の実施形態に係るマルチプレクサの模式図である。

0074

マルチプレクサ11は、アンテナ端子4に共通接続された複数の弾性波フィルタ部としての、第1〜第3の帯域通過型フィルタ12a〜12cを有する。第1〜第3の帯域通過型フィルタ12a〜12cは、それぞれIDT電極を有する。第1の帯域通過型フィルタ12aの通過帯域の方が、第2の帯域通過型フィルタ12bの通過帯域よりも高域側に位置する。第2の帯域通過型フィルタ12bの通過帯域の方が、第3の帯域通過型フィルタ12cの通過帯域よりも高域側に位置する。

0075

第1の実施形態と同様に、第1〜第3の帯域通過型フィルタ12a〜12cにおいて、各IDT電極の電極指の線幅に対する周波数の依存性が揃うように、各IDT電極のデューティが異なっている。よって、第1〜第3の帯域通過型フィルタ12a〜12cの通過帯域における周波数の調整を容易に行うことができる。

0076

なお、マルチプレクサ11における帯域通過型フィルタの個数は特に限定されず、4個以上の帯域通過型フィルタが共通接続されていてもよい。

0077

マルチプレクサ11は、第1の実施形態のデュプレクサ1の製造方法と同様の方法によって第1〜第3の帯域通過型フィルタ12a〜12cを設けることにより、製造することができる。このとき、第1〜第3の帯域通過型フィルタ12a〜12cのうち少なくとも2個の帯域通過型フィルタにおける通過帯域の端部の周波数の、IDT電極の電極指の線幅に対する依存性を揃えることが好ましい。それによって、各通過帯域の周波数の間隔にずれが生じ難い。

0078

より好ましくは、通過帯域の差が最小である帯域通過型フィルタ同士において、それぞれ第1の実施形態と同様に依存性を揃えることが望ましい。より具体的には、第1の帯域通過型フィルタ12aの通過帯域の低域側の端部の周波数と、第2の帯域通過型フィルタ12bの通過帯域の高域側の端部の周波数との上記依存性を揃える。加えて、第2の帯域通過型フィルタ12bの通過帯域の低域側の端部の周波数と、第3の帯域通過型フィルタ12cの通過帯域の高域側の端部の周波数との上記依存性を揃える。それによって、各通過帯域の周波数の間隔にずれがより一層生じ難い。

0079

図9は、第3の実施形態に係る弾性波装置の回路図である。

0080

本実施形態の弾性波装置21は、複数の弾性波共振子部としての、直列腕共振子S21〜S23及び並列腕共振子P21,P22を有するラダー型フィルタである。

0081

より具体的には、入力端子23と出力端子24との間に、直列腕共振子S21〜S23が互いに直列に接続されている。直列腕共振子S21と直列腕共振子S22との間の接続点とグラウンド電位との間には、並列腕共振子P21が接続されている。直列腕共振子S22と直列腕共振子S23との間の接続点とグラウンド電位との間には、並列腕共振子P22が接続されている。

0082

直列腕共振子S21〜S23及び並列腕共振子P21,P22は、それぞれIDT電極を有する。直列腕共振子S21〜S23及び並列腕共振子P21,P22における各IDT電極の電極指の線幅に対する共振周波数の依存性が揃うように、各IDT電極のデューティが異なっている。よって、各弾性波共振子部の共振周波数の調整を容易に行うことができる。

0083

なお、各弾性波共振子部の上記依存性は、共振周波数以外の特定の周波数の、各IDT電極の電極指の線幅に対する依存性であってもよい。

0084

弾性波装置21はラダー型フィルタには限定されず、上記依存性が揃っている複数の弾性波共振子部を有する弾性波フィルタであればよい。

0085

1…デュプレクサ
2a,2b…第1,第2の帯域通過型フィルタ
3…入力端子
4…アンテナ端子
5…出力端子
6a,6b…第1,第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ
6x1,6x2…接続点
7…圧電基板
8A…金属膜
8a,8b,8aA,8bA1〜8bA3,8bB1〜8bB3…IDT電極
9…感光性材料層
9a…反応部
10A,10Ba,10Bb…反射器
11…マルチプレクサ
12a〜12c…第1〜第3の帯域通過型フィルタ
21…弾性波装置
23…入力端子
24…出力端子
C…容量
L1,L2,L3…第1〜第3のインダクタ
S1a,S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4,S5a〜S5c,S21〜S23…直列腕共振子
S11a〜S11c…弾性波共振子
P1a,P1b,P2a,P2b,P3,P4a,P4b,P21,P22…並列腕共振子
P11a,P11b…弾性波共振子

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