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技術 査定装置および査定方法

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 瀧野修
出願日 2015年12月22日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2015-249681
公開日 2017年6月29日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2017-117067
状態 特許登録済
技術分野 金融・保険関連業務,支払い・決済
主要キーワード 主要構造部 人間側 中長期的 補償内容 評価ガイド ゲリラ豪雨 補償範囲 評価ルール
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月29日)のものです。
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図面 (14)

課題

災害による被害発生のリスクの変化を随時評価して、損害保険契約保険金額および保険料を適正化する。

解決手段

記憶部14が、保険対象と保険対象に対して想定される被害を示す被害シナリオと各被害シナリオについて選定された補償範囲とを含む補償内容143と、被害シナリオと各被害シナリオに対する備えを示すチェック項目属性に基づいて被害発生のリスクの度合いを示す評価値を算出する評価式とを含む評価ガイドライン144と、チェック項目についての保険対象の属性を示すプロファイル145と、を記憶する。評価部152が、災害予報を取得し、プロファイル145を用いて災害予報の被害の対象となり得る保険対象を特定し、補償内容143に含まれる保険対象の各被害シナリオについて、プロファイル145により特定された属性と評価ガイドライン144の評価式とに基づいて、保険対象の被害シナリオに対する評価値を算出する。

概要

背景

一般に、損害保険サービスにおいて損害保険契約保険料査定を行う際、経験則すなわち被害発生の統計的データ活用して、契約希望者に対する被害発生のリスク高低に応じたリスク区分を決定し、リスク区分ごとに予め設定された保険料が適用される。具体的に、保険会社は、予め経験則を活用して、被害発生の多寡への関連が予想される契約希望者の属性の組み合わせと被害発生のリスクとを対応付けした査定ガイドラインを作成しておく。損害保険契約の申込みの際には、契約希望者の属性が調査され、査定ガイドラインに従ってリスク区分が決定される。そして、契約希望者の希望する保険規模補償範囲に応じて保険料が算出され、損害保険契約が締結される。

ここで、査定ガイドラインの見直し周期の想定は中長期的であるため、中長期的に保険会社が支払保険金額の範囲を予想して、一定の安全率を見込んだ保険金額が設定されている。

なお、自動車事故で生ずる被害額補償する損害保険料を、過去の多数の事故データを用いて経験的に得られた被害発生のリスクと、個々の車両の走行時間や走行ルート等の契約者利用状況との関係を評価して、査定に利用する技術が知られている(特許文献1参照)。

概要

災害による被害発生のリスクの変化を随時評価して、損害保険契約の保険金額および保険料を適正化する。記憶部14が、保険対象と保険対象に対して想定される被害を示す被害シナリオと各被害シナリオについて選定された補償範囲とを含む補償内容143と、被害シナリオと各被害シナリオに対する備えを示すチェック項目の属性に基づいて被害発生のリスクの度合いを示す評価値を算出する評価式とを含む評価ガイドライン144と、チェック項目についての保険対象の属性を示すプロファイル145と、を記憶する。評価部152が、災害予報を取得し、プロファイル145を用いて災害予報の被害の対象となり得る保険対象を特定し、補償内容143に含まれる保険対象の各被害シナリオについて、プロファイル145により特定された属性と評価ガイドライン144の評価式とに基づいて、保険対象の被害シナリオに対する評価値を算出する。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、災害による被害発生のリスクの変化を随時評価して、損害保険契約の保険金額および保険料を適正化することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

災害による保険対象被害額補償する損害保険保険料査定する査定装置において、前記保険対象と該保険対象に対して想定される被害を示す被害シナリオと各被害シナリオについて選定された補償範囲とを含む補償内容と、前記被害シナリオと各被害シナリオに対する備えを示すチェック項目属性に基づいて被害発生のリスク度合いを示す評価値を算出する評価式とを含む評価ガイドラインと、前記チェック項目についての保険対象の属性を示すプロファイルと、を記憶する記憶部と、災害予報を取得し、前記プロファイルを用いて該災害予報の被害の対象となり得る保険対象を特定し、前記補償内容に含まれる該保険対象の各被害シナリオについて、前記プロファイルにより特定された属性と前記評価ガイドラインの評価式とに基づいて、該保険対象の被害シナリオに対する前記評価値を算出する評価部と、を備えることを特徴とする査定装置。

請求項2

算出された前記評価値が所定の閾値を超えた場合に、被害発生のリスクの変動を通知する対処部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の査定装置。

請求項3

前記災害予報は、自然災害予報サイバー災害予報とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の査定装置。

請求項4

災害による保険対象の被害額を補償する損害保険の保険料を査定する査定装置で実行される査定方法であって、前記査定装置は、前記保険対象と該保険対象に対して想定される被害を示す被害シナリオと各被害シナリオについて選定された補償範囲とを含む補償内容と、前記被害シナリオと各被害シナリオに対する備えを示すチェック項目の属性に基づいて被害発生のリスクの度合いを示す評価値を算出する評価式とを含む評価ガイドラインと、前記チェック項目についての保険対象の属性を示すプロファイルと、を記憶する記憶部を備え、災害予報を取得し、前記プロファイルを用いて該災害予報の被害の対象となり得る保険対象を特定し、前記補償内容に含まれる該保険対象の各被害シナリオについて、前記プロファイルにより特定された属性と前記評価ガイドラインの評価式とに基づいて、該保険対象の被害シナリオに対する前記評価値を算出する評価工程を含んだことを特徴とする査定方法。

技術分野

0001

本発明は、査定装置および査定方法に関する。

背景技術

0002

一般に、損害保険サービスにおいて損害保険契約保険料査定を行う際、経験則すなわち被害発生の統計的データ活用して、契約希望者に対する被害発生のリスク高低に応じたリスク区分を決定し、リスク区分ごとに予め設定された保険料が適用される。具体的に、保険会社は、予め経験則を活用して、被害発生の多寡への関連が予想される契約希望者の属性の組み合わせと被害発生のリスクとを対応付けした査定ガイドラインを作成しておく。損害保険契約の申込みの際には、契約希望者の属性が調査され、査定ガイドラインに従ってリスク区分が決定される。そして、契約希望者の希望する保険規模補償範囲に応じて保険料が算出され、損害保険契約が締結される。

0003

ここで、査定ガイドラインの見直し周期の想定は中長期的であるため、中長期的に保険会社が支払保険金額の範囲を予想して、一定の安全率を見込んだ保険金額が設定されている。

0004

なお、自動車事故で生ずる被害額補償する損害保険料を、過去の多数の事故データを用いて経験的に得られた被害発生のリスクと、個々の車両の走行時間や走行ルート等の契約者利用状況との関係を評価して、査定に利用する技術が知られている(特許文献1参照)。

先行技術

0005

特開2005−327209号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、大規模自然災害サイバーテロ、またはサイバー犯罪について、契約希望者のリスク区分は日々変化する性質をもつ。例えば、サイバー保険の保険対象としてのICTステムや顧客事業は、それ自体が日々進化拡張しているため、進化に合わせて突発的かつ離散的にリスク区分が変化する。

0007

また、サイバー犯罪の攻撃の傾向は短い周期で変化している。サイバーテロの攻撃者攻撃手法は増加する傾向にある。自然災害においても、土石流竜巻の発生が増加傾向にあり、ゲリラ豪雨や逆流冠水等の過去に例のない被害が増加している。特に、サイバー犯罪のいわゆるゼロDayアタックや大規模自然災害では、突発的に被害が拡大するおそれがある。

0008

いずれの場合にも、過去の被害発生の統計データの活用のみによる査定では、保険会社が支払う保険金額が想定を上回り高額化する恐れがあるため、保険会社にとっての安全率を高くして保険金額の設定を高くせざるを得ない。その結果、保険料が高くなり、損害保険サービスが提供しにくくなっていた。

0009

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、災害による被害発生のリスクの変化を随時評価して、損害保険契約の保険金額および保険料を適正化することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る査定装置は、災害による保険対象の被害額を補償する損害保険の保険料を査定する査定装置において、前記保険対象と該保険対象に対して想定される被害を示す被害シナリオと各被害シナリオについて選定された補償範囲とを含む補償内容と、前記被害シナリオと各被害シナリオに対する備えを示すチェック項目の属性に基づいて被害発生のリスクの度合いを示す評価値を算出する評価式とを含む評価ガイドラインと、前記チェック項目についての保険対象の属性を示すプロファイルと、を記憶する記憶部と、災害予報を取得し、前記プロファイルを用いて該災害予報の被害の対象となり得る保険対象を特定し、前記補償内容に含まれる該保険対象の各被害シナリオについて、前記プロファイルにより特定された属性と前記評価ガイドラインの評価式とに基づいて、該保険対象の被害シナリオに対する前記評価値を算出する評価部と、を備えることを特徴とする。

発明の効果

0011

本発明によれば、災害による被害発生のリスクの変化を随時評価して、損害保険契約の保険金額および保険料を適正化することができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、本発明の一実施形態に係る査定装置の概略構成を示す模式図である。
図2は、本実施形態の補償内容の構成を例示する図である。
図3は、本実施形態の補償内容を説明するための説明図である。
図4は、本実施形態の評価ガイドラインの構成を例示する図である。
図5は、本実施形態のプロファイルの構成を例示する図である。
図6は、本実施形態のプロファイルの構成を例示する図である。
図7は、本実施形態の補償内容およびプロファイルを説明するための説明図である。
図8は、本実施形態の査定部の処理を説明するための説明図である。
図9は、本実施形態の査定ガイドラインを説明するための説明図である。
図10は、本実施形態の評価部および対処部の処理を説明するための説明図である。
図11は、本実施形態の評価部の処理を説明するための説明図である。
図12は、本実施形態の評価部の処理を説明するための説明図である。
図13は、本実施形態の査定処理手順を含むシーケンス図である。

実施例

0013

以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。

0014

[査定装置の構成]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る査定装置の概略構成を説明する。図1に示すように、本実施形態の査定装置1は、ワークステーションパソコン等の汎用コンピュータないしスマートフォンタブレット等のデバイス並びにクラウドシステム上の仮想化された計算機資源で実現され、入力部11と、出力部12と、通信制御部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。

0015

入力部11は、キーボードマウス等の入力デバイスを用いて実現され、操作者による入力操作に対応して、制御部15に対して各種指示情報を入力する。出力部12は、液晶ディスプレイなどの表示装置プリンター等の印刷装置情報通信装置等によって実現され、後述する分析処理の結果等を操作者に対して出力する。

0016

通信制御部13は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介したサーバ等の外部の装置と制御部15との通信を制御する。本実施形態において通信制御部13は、損害保険サービスの契約希望者の端末や、天気予報やサイバーリスク情報等の災害予報を発信する情報提供事業者のサーバとの通信を制御する。ここで、災害とは、地震台風等の自然災害や、サイバーテロ等の人的なサイバー災害を意味する。

0017

記憶部14は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク光ディスク等の記憶装置によって実現され、査定ガイドライン141、保険料率表142、補償内容143、評価ガイドライン144、およびプロファイル145を記憶する。

0018

査定ガイドライン141は、損害保険サービスの契約者または契約希望者(以下、契約者と称する)の属性の組み合わせと被害発生のリスクとの関係を表し、経験則により決定される。契約者の属性の組み合わせとこの査定ガイドラインと141を用いて、リスク区分が導出される。保険料率表142は、リスク区分と損害保険サービスの保険料との対応付けを示す。

0019

補償内容143は、保険対象と該保険対象に対して想定される被害を示す被害シナリオと各被害シナリオについて選定された補償範囲とを含む。図2は、補償内容143の構成を例示する図である。図2に例示する補償内容143には、サイバー災害の保険対象として営業支援システムおよび公式ホームページが例示され、両保険対象に対して、4つの被害シナリオと各被害シナリオについての補償範囲との対応付けが含まれている。図2には、サイバー災害で想定される被害シナリオとして、データベース改ざん顧客情報漏えい、ホームページ改ざん、およびウィルス埋設が例示されている。また、図2には、補償範囲として、セキュリティコンサル補償、利益逸失補償、顧客賠償補償、および訴訟対応補償が例示されている。なお、各被害シナリオについて、複数の補償範囲を対応付けすることが可能である。図2に示す例では、例えば、データベース改ざんに対して、セキュリティコンサル補償と利益逸失補償とが対応付けされている。

0020

ここで、補償内容143とは、契約者が希望する保険対象とこの保険対象に対する補償内容とを表し、例えば、損害保険契約時に査定装置1に入力される。契約に際して、損害保険サービスを提供する保険会社は、契約者にサービスメニュー提示して、契約者が保険対象、被害シナリオおよび補償範囲を選定する。図3はサイバー災害に対するサービスメニューを例示する図である。図3には、被害シナリオとして、データベース改ざん、顧客情報漏えい、DDoS攻撃による閲覧不能、ウィルス埋設、およびホームページ改ざんが例示されている。また、図3には、補償範囲として、保険金額が上限200万円のセキュリティコンサル補償、上限1000万円の利益逸失補償、上限2000万円の顧客賠償補償、および上限2000万円の訴訟対応補償が例示されている。そして、サービスメニューでは、各被害シナリオに対して選択できる補償範囲が限定されている。図3に示す例では、ウィルス埋設に対する補償範囲として、顧客賠償補償は選択できない。

0021

評価ガイドライン144は、被害シナリオと各被害シナリオに対する備えを示すチェック項目の属性に基づいて被害発生のリスクの度合いを示す評価値を算出する評価式とを含む。図4は、評価ガイドライン144の構成を例示する図である。図4には、被害シナリオとして、ホームページ改ざん、システム侵入、またはデータベース改ざんが例示され、チェック項目として、防御方式、認証方式運用チーム、およびサイト構築歴が例示されている。図4の例では、例えば、ホームページ改ざんに対する防御方式の評価値を、FW、IDS、IPSがあれば1.0とし、無ければ100として算出する評価式が規定されている。

0022

プロファイル145は、チェック項目についての保険対象の属性を示す。具体的に、プロファイル145には、図4に例示した評価ガイドライン144のチェック項目に対する保険対象の属性が含まれる。プロファイル145は、例えば、損害保険契約時に査定装置1に入力される。

0023

図5は、サイバー災害の保険対象についてのプロファイル145の構成を例示する図である。サイバー災害の保険対象には、上述したように、公式ホームページや営業支援システム等が例示され、チェック項目として、防御方式、認証方式、利用OS、運用チーム、またはサイト構築歴等が例示される。図5には、例えば、保険対象が公式ホームページである場合に、チェック項目としての認証方式の属性は独自方式であることが例示されている。

0024

また、図6は、自然災害の保険対象についてのプロファイル145の構成を例示する図である。図6に示すように、自然災害の保険対象には、本社ビル工場等の建造物が例示され、チェック項目として、工法主要構造部、築年数、または所在等が例示される。そして、図6に例示する自然災害の保険対象のプロファイル145には、例えば、保険対象が本社ビルの場合に、チェック項目としての工法の属性が鉄筋コンクリート造壁式構造)であることが示される。なお、自然災害の保険対象についても、サイバー災害と同様に被害シナリオと各被害シナリオに対して選択できる補償範囲とを含むサービスメニューが予め設定され、工法等チェック項目についての評価ガイドライン144が予め設定されている。

0025

上記の補償内容143およびプロファイル145は、上述したように、例えば、損害保険契約時に査定装置1に入力される。図7は損害保険契約時に契約者から査定装置1に入力される申告内容を説明するための説明図である。損害保険契約に際し、契約者は、図7に例示するように、保険対象と、各保険対象についての補償内容143とプロファイル145とを保険会社に申告する。その際、補償内容143はサービスメニューに従って選定され、プロファイル145は評価ガイドライン144のチェック項目に従って申告される。図7に示す例では、サイバー災害を対象とし、保険対象が公式ホームページおよび営業支援システムであることが示されている。補償内容143として、公式ホームページについての被害シナリオ(1)とその補償範囲、被害シナリオ(2)とその補償範囲等が選定された補償内容(1)と、営業支援システムについての、被害シナリオ(1)とその補償範囲、被害シナリオ(2)とその補償範囲等が選定された補償内容(2)とが入力される。また、プロファイル145として、公式ホームページについてのチェック項目(1)の属性と、チェック項目(2)の属性とが申告されたプロファイル(1)と、営業支援システムについてのチェック項目(1)の属性と、チェック項目(2)の属性とが申告されたプロファイル(2)とが入力される。

0026

制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置メモリに記憶された処理プログラムを実行することにより、図1に例示するように、査定部151、評価部152、および対処部153として機能する。

0027

査定部151は、保険対象の災害による被害額を補償する損害保険の保険料を査定する。具体的に、査定部151は、契約者のリスクに関わる属性と希望する補償内容143とを含む申告内容と、査定ガイドライン141とを用いて、リスク区分を判定し、リスク区分に対応する保険料を決定する。なお、申告内容には、プロファイル145も含まれる。

0028

図8は査定部151の処理の概要を説明するための説明図である。図8に示すように、査定部151は、まず、損害保険契約時に初回の査定を行う。すなわち、査定部151は、契約者の申告内容と査定ガイドライン141とを用いてリスク区分を判定する。そして、査定部151は、リスク区分ごとに保険料が規定されている保険料率表142を用いて保険料を決定する。図8に例示する保険料率表142には、高額、ほどほど、および安価の3段階のリスク区分に対する各保険料が規定されている。

0029

また、査定部151は、例えば1年後等の契約更新時に、再査定を行う。すなわち、査定部151は、契約更新時までの間の損害発生の有無や申告内容に変更があった場合の差分に基づいて、再度、査定ガイドライン141を適用してリスク区分を判定し、保険料率表142を用いて更新後の保険料を決定する。

0030

ここで、上述したように、査定ガイドライン141は、経験則に基づいて規定されている。また、契約更新時の再査定の状況を考慮して定期的に経験則が見直され、査定ガイドライン141が改訂される。

0031

なお、図9を用いて、自動車を保険対象とする損害保険すなわち自動車保険の場合の査定ガイドライン141を用いた保険料の決定方法について説明する。自動車保険の場合に、契約者のリスクに関する属性には、運転歴、事故歴、または年齢等の人間側面の属性と、車種、車の色、または車歴等の自動車側面の属性とが含まれる。この場合に、査定ガイドライン141には、契約者の運転歴、事故歴、年齢、車の色および車歴等の各属性に対する評価値が規定されている。この評価値は、契約者の標準のリスク区分である20等級に対する補正値を意味する。そして、この契約者のリスク区分すなわち等級は、次式(1)に示すように、人間側面の属性を用いて20等級に対する補正値を算出することにより判定される。

0032

0033

また、保険料率表142には、等級ごとの各車種の基本契約価格が規定されている。契約者の保険料は、次式(2)に示すように、契約者の自動車側面の属性を含む属性の組み合わせを用いて、判定された等級の基本契約価格に対する相対額として算出される。

0034

0035

図9に示す例では、査定ガイドライン141から導出される、運転歴10年の評価値1.00、事故歴なしの評価値1.00、年齢30の評価値1.00を用いて、上記式(1)より、20等級からの補正値は0と算出される。これにより、この契約者の等級は20等級と判定される。また、保険料率表142から、この契約者について判定された20等級における車種5ナンバー(500ナンバー)の基本契約価格は50000円と導出される。この契約者の保険料は、基本契約価格50000円と、査定ガイドライン141から導出される、青い車の評価値1.10、新車年目との車歴の評価値1.10、運転歴10年の評価値1.00、事故歴なしの評価値1.00、および年齢30歳の評価値1.00とを用いて、上記式(2)により60500円と算出される。

0036

なお、契約更新時の再査定において、等級および保険料が変更される。例えば、無事故の場合に等級は1ずつ減少させ、初回の自損事故や物損事故が発生した場合には5等級上昇させ、2回目以降の自損事故や物損事故が発生した場合には10等級上昇させる、というように、ルールが規定されている。

0037

評価部152が、災害予報を取得し、プロファイル145を用いて該災害予報の被害の対象となり得る保険対象を特定し、補償内容143に含まれる該保険対象の各被害シナリオについて、プロファイル145により特定された属性と評価ガイドライン144の評価式とに基づいて、該保険対象の被害シナリオに対する評価値を算出する。

0038

図10は、評価部152の処理および後述する対処部153の処理の概要を説明するための図である。図10に例示するように、査定装置1は、査定部151の初回査定時または契約更新時の間に随時、情報提供事業者等から、天気予報等の自然災害予報やサイバーリスク情報等のサイバー災害予報を含む災害予報を取得している。例えば、査定装置1は、情報提供事業者のサーバから通信制御部13を介して随時「Windows(登録商標)7のOSに重大な脆弱性発見。システム侵入リスク高」等の災害予報を取得している。

0039

評価部152は、災害予報を取得した場合に、予報された災害による被害発生のリスク(以下、追加リスクとも称する)を評価する。まず、評価部152は、被害の対象となり得る保険対象を補償内容143に含む損害保険契約を抽出する。すなわち、損害保険契約の保険対象のプロファイル145を参照して補償内容143に含まれる災害予報の対象となる保険対象を特定する。例えば、上記したWindows7のOSに関する災害予報を取得した場合に、各損害保険契約に関するプロファイル145を参照し、Windows7に関連する保険対象として、利用OSがWindows Server 7である公式ホームページが被害の対象となり得ることがわかる。すなわち、この公式ホームページと公式ホームページに対して想定される被害シナリオとが、災害予報の対象となり得る。

0040

次に、評価部152は、特定された保険対象のプロファイル145と当該保険対象についての評価ガイドライン144とを用いて、該保険対象の被害シナリオに対する評価値を算出する。例えば、図5に例示したプロファイル145を参照して、図4に例示した評価ガイドライン144に従って、公式ホームページの被害シナリオのうち、ホームページ改ざんについての評価値を算出する場合について説明する。この場合に、プロファイル145を参照して、防御方式としてFW、IDS、IPAがあり、認証方式が独自方式であり、運用チームはバッチ即対応できるので、評価ガイドラインの評価ルール1により、評価値は1÷2÷10と算出される。さらに、プロファイル145に防御方式としてWAFがあるので、評価ガイドラインの評価ルール2により、評価値は(1÷2÷10)÷2により算出される。さらに、プロファイル145に防御方式としてセキュリティ監査があるので、評価ガイドラインの評価ルール3により、評価値は((1÷2÷10)÷2)÷2により算出される。これにより、公式ホームページのホームページ改ざんについての評価値は0.0125と算出される。なお、本実施形態の評価値は災害発生の確率を示し、数値が大きいほど災害発生の確率が高いことを意味する。

0041

評価部152は、この損害保険契約の1以上の全ての保険対象のすべての被害シナリオについて、同様に評価値を算出して追加リスクの評価値とする。

0042

図11は、評価部152の処理を説明するための図である。図11には、査定部151による初回の査定時に、リスク区分「Low」との査定結果が出ている場合が例示されている。図11に示すように、契約更新時等の査定部151による次回の査定までの間に、査定装置1が上記のWindows7のOSに関する予報1を取得した場合に、評価部152により算出された予報1に対する評価値0.0125の分だけリスクが増加する。なお、予報1のようなサイバー災害による追加リスクの評価値は、予報された災害に対する対処が施されない限り変化しない。

0043

また図11に例示するように、予報1の取得後、契約更新までの間に「超巨大台風が日本を縦走見込。各地で土石流被害に警戒が必要」とする自然災害の予報2が取得された場合に、評価部152により算出された予報2に対する評価値の分だけリスクが増加する。なお、予報2のような自然災害による追加リスクの評価値は、時間経過とともに線形に減少する。

0044

図12は、査定部151の処理と評価部152の処理との関係を説明するための図である。図12に示す例では、図11に示した例に続く1回目の契約更新時には、査定部151による査定結果はリスク区分「Low」のままである。一方、1回目の契約更新から2回目の契約更新までの間に「新種のサイバーテロ懸念。現状防御不可能」とするサイバー災害の予報3が取得された場合に、追加リスクは急増する。ここで、追加リスクとは、図12太破線で囲んで示すように、被害が発生して顕在化するまでは、潜在化しているリスクを意味する。

0045

図12には、予報3で予報された新種のサイバーテロによる被害が現に発生し、その後、予報4に示すように新種サイバーテロへの対処法が発見されて追加リスクが0に減少した場合のリスクの変化が例示されている。また、図12には、2回目の契約更新から3回目の契約更新までの間に「巨大台風が日本を縦走見込。各地で大雨被害に計画が必要」とする自然災害の予報5が取得された時に追加リスクが増加し、その後、時間経過とともに減少することも示されている。この場合のリスクの変化の様子は、上記の予報2の取得時と同様である。

0046

なお、査定部151により判定されるリスク区分は、リスクが顕在化すなわち被害が現に発生した場合に変更される。図12に示す例では、2回目の契約更新時に、査定部151は、新種のサイバーテロによる被害が発生したことを受けて、リスク区分の査定結果を「Low」から「SoSo」へと高い方に変更している。これにより、保険料が値上げされる。これに対し、評価部152により算出される追加リスクの評価値によれば、契約更新時に限定されず、随時取得された災害予報により、潜在化しているリスクの時々刻々の変化を検知できる。

0047

対処部153は、算出された前記評価値が所定の閾値を超えた場合に、被害発生のリスクの変動を通知する。具体的に、対処部153は、図10に例示したように、予報された災害による追加リスクの評価値が予め設定された所定の閾値を超えた場合に、例えば、保険会社における再保険の購入を決定し、再保険調達ネットワークを介して再保険会社との商談を開始する。あるいは、自家保険の検討を開始することも可能である。これにより、保険会社の安全率が向上し、保険金額や保険料の適正化が可能となる。

0048

あるいは、対処部153は、図10に例示したように、算出された評価値が予め設定された警報の閾値を超えた場合に、緊急通報ネットワークを介して、予報された災害による被害発生のリスクの急増を損害保険契約者に通知してもよい。これにより、通報された契約者が迅速に被害を回避する対処を実施して未然に被害発生を防止する可能性が生じる。したがって、保険会社の支払う保険金額の低減や保険料の低減が可能となる。

0049

なお、上記の緊急通報ネットワークは、インターネットの他、メーリングリスト電話連絡により実現されてもよい。また、再保険調達ネットワークは、商談のためのセキュアな通信手段としてもよいし、セキュアなファイル共有システム付帯したグループウェアECサイトで実現されてもよい。

0050

[査定処理]
次に、図13のシーケンス図を参照して、査定装置1による査定処理手順について説明する。図13のシーケンス図は、本実施形態の査定処理を含む処理手順を示すシーケンス図である。まず、保険会社と天気予報やサイバーリスク情報等の災害予報を提供する情報提供事業者との間で、リスク情報提供契約が締結される(ステップS1)。そして、保険会社が損害保険サービスのサービスメニューや評価ガイドライン等の準備を行って(ステップS2)、契約者にサービスメニューや保険金額等の損害保険サービス内容を提示する(ステップS3)。契約者は、契約者のリスクに関わる属性と保険対象、被害シナリオおよび補償範囲を指定した補償内容を含む申告内容とともに、損害保険契約の申し込みを行う(ステップS4)。

0051

査定装置1の査定部151は、情報提供事業者から提供された情報(ステップS5)を参照して初回の査定を実施して(ステップS6)、決定された保険料を契約者に提示する(ステップS7)。その後、契約者と保険会社との間に損害保険契約が締結される(ステップS8)。

0052

情報提供事業者は、天気予報や脆弱性情報を発見した場合に、随時、災害予報を査定装置1に向けて発信する(ステップS9〜ステップS10)。査定装置1が災害予報を取得した場合に、評価部152は追加リスクの評価値を算出し(ステップS11)、対処部153がリスク変動チェックする(ステップS12)。例えば、追加リスクの評価値が所定の閾値を超えているか否かをチェックする。対処部153は、例えば、追加リスクの評価値が所定の警報の閾値を超えた場合に、契約者に評価結果を送信したり警報を発令したりする(ステップS13)。対処部153は、評価結果を用いて再保険購入等の対処を実行してもよい。これにより、一連の査定処理が終了する。

0053

以上、説明したように、本実施形態の査定装置1では、記憶部14が、保険対象と該保険対象に対して想定される被害を示す被害シナリオと各被害シナリオについて選定された補償範囲とを含む補償内容143と、被害シナリオと各被害シナリオに対する備えを示すチェック項目の属性に基づいて被害発生のリスクの度合いを示す評価値を算出する評価式とを含む評価ガイドライン144と、チェック項目についての保険対象の属性を示すプロファイル145と、を記憶する。

0054

また、評価部152が、災害予報を取得し、プロファイル145を用いて該災害予報の被害の対象となり得る保険対象を特定し、補償内容143に含まれる該保険対象の各被害シナリオについて、プロファイル145により特定された属性と評価ガイドライン144の評価式とに基づいて、該保険対象の被害シナリオに対する評価値を算出する。

0055

これにより、災害による被害発生のリスクの変化を随時評価することができる。評価値に応じて、保険会社は再保険に加入したり自家保険を検討したりする等の対策を迅速に講じることができる。また、評価値を通知された契約者は、被害回避の対策を講じることができる。したがって、保険会社が損害保険契約の保険金額を過剰に安全率を見込んで高く設定する必要がなく、保険金額および保険料を適正化することができる。

0056

なお、評価部152は、損害保険サービスの全ての損害保険契約に対する追加リスクの評価値を算出することもできる。その場合に、随時算出された評価値を、損害保険サービスの安定性評価販売目標検討の参考等に用いることができる。例えば、契約ごとに異なるリスクを平準化する営業戦略の策定をしたり、平準化できないケースについて再保険へ加入したりすることができる。査定装置1を、評価された追加リスクの情報を関連各所で共有するプラットフォームとして運用することも可能である。

0057

以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。

0058

1査定装置
11 入力部
12 出力部
13通信制御部
14 記憶部
141査定ガイドライン
142保険料率表
143補償内容
144評価ガイドライン
145プロファイル
15 制御部
151 査定部
152 評価部

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