図面 (/)

技術 電子機器及びその角速度取得方法、角速度取得プログラム

出願人 カシオ計算機株式会社
発明者 石濱孝規
出願日 2015年12月21日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2015-248319
公開日 2017年6月29日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2017-116265
状態 特許登録済
技術分野 ジャイロスコープ 電話機の機能
主要キーワード 乱れの大きさ 周辺磁場 信頼性判定処理 環境発電 リストバンド型 GPSロガー キャリブレーション制御 センサ機器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

電力消費を抑制することができるとともに、周辺磁場の影響を抑制して適正な角速度を検出することができる角速度検出機能を備えた電子機器、及び、その角速度取得方法、角速度取得プログラムを提供する。

解決手段

地磁気センサ120の周辺磁場が安定している状態では、地磁気センサ120の出力を用いた磁気式ジャイロにより角速度を取得するとともに、角速度センサ130を停止させる。一方、地磁気センサ120の周辺磁場が安定していない状態では、周辺磁場の影響を受けない角速度センサ130を用いて角速度を取得する。

概要

背景

近年、携帯電話機スマートフォン高機能携帯電話機)、ナビゲーション端末人体に装着するスマートデバイス等、様々な電子機器が普及している。これらの電子機器においては、一般に、物体の角速度の変化を検出する角速度センサ(又は、ジャイロセンサ)をはじめとする、各種のモーションセンサが搭載されている。ここで、角速度センサは、従来、航空機ロボット姿勢制御撮像装置の手振れ補正ゲームコントローラ等の分野で広く利用されてきたものであるが、近年普及が著しいスマートフォンやスマートデバイス等に搭載されて、ユーザの運動状態移動軌跡等に関する情報を取得する際に利用されている。

角速度センサは、上述したように、電子機器自体や、当該電子機器を携帯又は装着したユーザの身体の動作における、角速度の変化を直接検出することができる有益なセンサであるが、加速度センサ地磁気センサ(又は、磁気センサ)等の、他のモーションセンサに比較して、一般に消費電力が大きいということが知られている。そのため、携帯型や装着型の電子機器のようにバッテリ駆動する機器に、角速度センサを搭載した場合、駆動時間が短くなってしまう場合がある。

そこで、例えば特許文献1、2に記載されているように、地磁気センサ、又は、地磁気センサと加速度センサの出力に基づいて角速度を算出又は推定することにより、角速度センサと同等の機能を実現する手法が提案されている。このような角速度の算出手法は、いわゆる磁気式ジャイロ(又は、磁気ジャイロ)と呼ばれるもので、概略、電子機器に搭載された地磁気センサにより検出した地磁気ベクトル時間的変化に基づいて、角速度が算出される。

概要

電力消費を抑制することができるとともに、周辺磁場の影響を抑制して適正な角速度を検出することができる角速度検出機能を備えた電子機器、及び、その角速度取得方法、角速度取得プログラムを提供する。地磁気センサ120の周辺磁場が安定している状態では、地磁気センサ120の出力を用いた磁気式ジャイロにより角速度を取得するとともに、角速度センサ130を停止させる。一方、地磁気センサ120の周辺磁場が安定していない状態では、周辺磁場の影響を受けない角速度センサ130を用いて角速度を取得する。

目的

本発明は、上述した問題点に鑑み、電力消費を抑制することができるとともに、周辺磁場の影響を抑制して適正な角速度を検出することができる角速度検出機能を備えた電子機器、及び、その角速度取得方法、角速度取得プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

地磁気センサと、角速度センサと、前記地磁気センサを用いて前記地磁気センサの周辺磁場乱れを判定する磁場判定部と、前記磁場判定部の判定結果に基づいて、前記角速度センサ及び前記地磁気センサを有する磁気式ジャイロのいずれか一方により、角速度を検出する角速度検出部と、を備えることを特徴とする電子機器

請求項2

加速度センサを備え、前記磁場判定部は、前記角速度センサと、前記加速度センサ及び前記地磁気センサとを同期して動作させて前記角速度センサ及び前記磁気式ジャイロにより前記角速度を個別に検出し、前記角速度センサ及び前記磁気式ジャイロにより検出された前記角速度を比較して、前記角速度相互の差分が所定の閾値範囲内の場合には、前記周辺磁場の乱れがないと判定し、前記角速度検出部は、前記磁場判定部により前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記磁気式ジャイロにより前記角速度を検出し、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出することを特徴とする請求項1記載の電子機器。

請求項3

前記磁場判定部は、前記地磁気センサの出力が所定の閾値を超えている場合には、前記周辺磁場の乱れがあると判定し、前記角速度検出部は、前記磁場判定部により前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記磁気式ジャイロにより前記角速度を検出し、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出することを特徴とする請求項1記載の電子機器。

請求項4

加速度センサを備え、前記磁場判定部は、前記加速度センサの出力が変化しない状態で、前記地磁気センサの出力が変化した場合には、前記周辺磁場の乱れがあると判定し、前記角速度検出部は、前記磁場判定部により前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記磁気式ジャイロにより前記角速度を検出し、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出することを特徴とする請求項1記載の電子機器。

請求項5

前記磁場判定部は、前記地磁気センサにより検出された磁気データが予め判明している全磁力に対して特異な値を示す場合には、前記周辺磁場の乱れがあると判定し、前記角速度検出部は、前記磁場判定部により前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記磁気式ジャイロにより前記角速度を検出し、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出することを特徴とする請求項1記載の電子機器。

請求項6

前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサのオフセット値の異常を判定するオフセット判定部と、前記オフセット判定部の判定結果に基づいて、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記オフセット値を補正するキャリブレーション処理を実行するキャリブレーション制御部と、をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子機器。

請求項7

前記オフセット判定部は、前記角速度センサと、前記加速度センサ及び前記地磁気センサとを同期して動作させて前記角速度センサ及び前記磁気式ジャイロにより前記角速度を個別に検出し、前記角速度センサ及び前記磁気式ジャイロにより検出された前記角速度を比較して、前記角速度相互の差分が所定の閾値範囲外の場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記オフセット値に異常があると判定し、前記キャリブレーション制御部は、前記オフセット判定部により前記オフセット値に異常があると判定された場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記キャリブレーション処理を実行することを特徴とする請求項6記載の電子機器。

請求項8

前記オフセット判定部は、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサにおいて前回実行した前記キャリブレーション処理からの経過時間が所定の閾値を超えている場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記オフセット値に異常があると判定し、前記キャリブレーション制御部は、前記オフセット判定部により前記オフセット値に異常があると判定された場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記キャリブレーション処理を実行することを特徴とする請求項6記載の電子機器。

請求項9

前記オフセット判定部は、前記磁気式ジャイロ、又は、前記角速度センサにより検出され収集された前記角速度の履歴を参照して、前記周辺磁場の乱れの大きさ回数が所定の閾値以上観測されている場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記オフセット値に異常があると判定し、前記キャリブレーション制御部は、前記オフセット判定部により前記オフセット値に異常があると判定された場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記キャリブレーション処理を実行することを特徴とする請求項6記載の電子機器。

請求項10

電子機器の角速度取得方法であって、前記電子機器は、地磁気センサと角速度センサとを有し、前記地磁気センサを用いて、前記地磁気センサの周辺磁場の乱れを判定し、前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記地磁気センサを有する磁気式ジャイロにより角速度を検出し、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出する、ことを特徴とする電子機器の角速度取得方法。

請求項11

電子機器の角速度取得プログラムであって、前記電子機器は、地磁気センサと角速度センサとを有し、コンピュータに、前記地磁気センサを用いて、前記地磁気センサの周辺磁場の乱れを判定させ、前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記地磁気センサを有する磁気式ジャイロにより角速度を検出させ、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出させる、ことを特徴とする電子機器の角速度取得プログラム。

技術分野

0001

本発明は、角速度検出機能を備えた電子機器、及び、当該電子機器における角速度取得方法、並びに、当該角速度取得方法に適用される角速度取得プログラムに関する。

背景技術

0002

近年、携帯電話機スマートフォン高機能携帯電話機)、ナビゲーション端末人体に装着するスマートデバイス等、様々な電子機器が普及している。これらの電子機器においては、一般に、物体の角速度の変化を検出する角速度センサ(又は、ジャイロセンサ)をはじめとする、各種のモーションセンサが搭載されている。ここで、角速度センサは、従来、航空機ロボット姿勢制御撮像装置の手振れ補正ゲームコントローラ等の分野で広く利用されてきたものであるが、近年普及が著しいスマートフォンやスマートデバイス等に搭載されて、ユーザの運動状態移動軌跡等に関する情報を取得する際に利用されている。

0003

角速度センサは、上述したように、電子機器自体や、当該電子機器を携帯又は装着したユーザの身体の動作における、角速度の変化を直接検出することができる有益なセンサであるが、加速度センサ地磁気センサ(又は、磁気センサ)等の、他のモーションセンサに比較して、一般に消費電力が大きいということが知られている。そのため、携帯型や装着型の電子機器のようにバッテリ駆動する機器に、角速度センサを搭載した場合、駆動時間が短くなってしまう場合がある。

0004

そこで、例えば特許文献1、2に記載されているように、地磁気センサ、又は、地磁気センサと加速度センサの出力に基づいて角速度を算出又は推定することにより、角速度センサと同等の機能を実現する手法が提案されている。このような角速度の算出手法は、いわゆる磁気式ジャイロ(又は、磁気ジャイロ)と呼ばれるもので、概略、電子機器に搭載された地磁気センサにより検出した地磁気ベクトル時間的変化に基づいて、角速度が算出される。

先行技術

0005

国際公開第2007/099599号
特許4566502号

発明が解決しようとする課題

0006

上述した磁気式ジャイロにおいては、一般に、地磁気センサの消費電力が角速度センサに比較して小さいため、電子機器における電力消費を抑制して駆動時間の改善に寄与するという効果を有している。しかしながら、地磁気センサは、電子機器の周辺に存在する磁界や、電子機器内部において地磁気センサの周囲に配置された部品からの磁気の影響を受けやすく、地磁気センサが本来検出すべき地球の磁場に対して、これらの外乱ノイズが影響を与えた場合には、正確な角速度を算出することが困難になるという問題を有していた。

0007

そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、電力消費を抑制することができるとともに、周辺磁場の影響を抑制して適正な角速度を検出することができる角速度検出機能を備えた電子機器、及び、その角速度取得方法、角速度取得プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係る電子機器は、
地磁気センサと、
角速度センサと、
前記地磁気センサを用いて前記地磁気センサの周辺磁場の乱れを判定する磁場判定部と、
前記磁場判定部の判定結果に基づいて、前記角速度センサ及び前記地磁気センサを有する磁気式ジャイロのいずれか一方により、角速度を検出する角速度検出部と、
を備えることを特徴とする。

0009

本発明は、
電子機器の角速度取得方法であって、
前記電子機器は、地磁気センサと角速度センサとを有し、
前記地磁気センサを用いて、前記地磁気センサの周辺磁場の乱れを判定し、
前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記地磁気センサを有する磁気式ジャイロにより角速度を検出し、
前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出する、
ことを特徴とする。

0010

本発明は、
電子機器の角速度取得プログラムであって、
前記電子機器は、地磁気センサと角速度センサとを有し、
コンピュータに、
前記地磁気センサを用いて、前記地磁気センサの周辺磁場の乱れを判定させ、
前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記地磁気センサを有する磁気式ジャイロにより角速度を検出させ、
前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出させる、
ことを特徴とする。

発明の効果

0011

本発明によれば、電力消費を抑制することができるとともに、周辺磁場の影響を抑制して適正な角速度を検出することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明に係る電子機器の複数の適用例を示す概略構成図である。
本発明に係る電子機器の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。
第1の実施形態に係る電子機器における角速度取得方法の一例を示すフローチャート(その1)である。
第1の実施形態に係る電子機器における角速度取得方法の一例を示すフローチャート(その2)である。
第1の実施形態における磁気データの使用状態を示すタイミングチャートである。
第2の実施形態に係る電子機器における角速度取得方法の一例を示すフローチャート(その1)である。
第2の実施形態に係る電子機器における角速度取得方法の一例を示すフローチャート(その2)である。

実施例

0013

以下、本発明に係る電子機器及びその角速度取得方法、角速度取得プログラムについて、実施形態を示して詳しく説明する。
<第1の実施形態>
(電子機器)
図1は、本発明に係る電子機器の複数の適用例を示す概略構成図である。また、図2は、本発明に係る電子機器の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。

0014

本発明は、少なくとも角速度検出機能を備え、例えばユーザの運動状態や移動軌跡等に関する情報を利用した種々のサービスを、ユーザに提供する電子機器に適用される。具体的には、本発明は、例えば図1(a)に示すような腕時計型リストバンド型外観を有するスマートウォッチ10や、図1(b)に示すようなGPSロガーやナビゲーション端末等のアウトドア機器20、図1(c)に示すようなスマートフォン30やタブレット端末等の、携帯型や装着型の電子機器に適用することができる。また、本発明は、図示した電子機器に限定されるものではなく、人体の四肢や頭部、体幹に沿った頸部胸部腰部等に装着され、各部位における角速度を検出して収集するためのスマートデバイスやセンサ機器等にも適用することができる。以下、説明の都合上、これらの機器を「電子機器100」と総称する。

0015

本発明の第1の実施形態に係る電子機器100は、例えば図2に示すように、加速度センサ110と、地磁気センサ120と、角速度センサ(ジャイロセンサ)130と、通信インターフェース部(以下、「通信I/F部」と略記する)140と、入力操作部150と、出力部160と、演算回路部170と、メモリ部180と、電源供給部190と、を有している。ここで、演算回路部170は、本発明に係る磁場判定部、及び、角速度検出部に対応する。

0016

加速度センサ110は、ユーザの身体の動きに応じて電子機器100に生じる移動速度の変化の割合(加速度)を計測する。加速度センサ110は、3軸加速度センサを有し、互いに直交する3軸方向の各々に沿った加速度成分加速度信号)を検出して加速度データとして出力する。地磁気センサ120は、3軸磁気センサを有し、地球の磁場(磁界)を、直交する3軸方向の各々に沿った地磁気成分磁気信号)として検出して磁気データ(又は、3次元の方向データ)として出力する。角速度センサ130は、ユーザの身体の動きに応じて電子機器100に生じる移動方向の変化(角速度)を計測する。角速度センサ130は、3軸角速度センサを有し、加速度センサ110により出力される加速度データを規定する、互いに直交する3軸について、各軸に沿った回転運動の回転方向に生じる角速度成分角速度信号)を検出して角速度データとして出力する。加速度センサ110、地磁気センサ120、角速度センサ130により取得されたセンサデータ(加速度データ、磁気データ、角速度データ)は、各々、時間データに関連付けられてメモリ部180の所定の記憶領域に保存される。

0017

ここで、加速度センサ110及び角速度センサ130は、モーションセンサとして機能し、これらのセンサにより検出されるセンサデータ(加速度データ及び磁気データ)は、後述する演算回路部170においてユーザの身体の動きや運動状態、電子機器100に加わる特定方向の力等を検出する際に用いられる。また、地磁気センサ120により検出される磁気データは、演算回路部170において電子機器100を基準とする方位を算出する際に用いられる。また、本実施形態において、加速度センサ110及び地磁気センサ120は、磁気式ジャイロとしても機能し、これらのセンサにより検出されるセンサデータ(加速度データ及び磁気データ)は、演算回路部170において角速度を算出する際に用いられる。

0018

通信I/F部140は、電子機器100の外部の情報通信機器パーソナルコンピュータやスマートフォン等)やネットワークとの間で、各種のデータの送信又は受信を行う。ここで、通信I/F部140を介して行われる通信は、有線無線を用いた所定の通信方法が適用される他、メモリカード等の記憶媒体を介したデータの移動や転送方法も含まれる。

0019

入力操作部150は、例えば図1に示した電子機器100(スマートウォッチ10やアウトドア機器20、スマートフォン30等)の筐体に設けられた操作スイッチ152やタッチパネル154等を有している。入力操作部150は、電子機器100の動作電源アプリケーションソフトウェアの操作、後述する出力部160(表示部や音響部等)により報知する項目の設定等の、各種の入力操作に用いられる。

0020

出力部160は、電子機器100の筐体に設けられた表示部162や音響部164、振動部(図示を省略)等を有している。出力部160は、少なくとも上述した加速度センサ110、地磁気センサ120、角速度センサ130により取得されたセンサデータに基づいて生成される、ユーザの運動状態や移動軌跡等に関する情報や、後述する角速度の算出処理における実行状態に関する情報等を、視覚聴覚触覚等を通してユーザに提供又は報知する。なお、電子機器100が人体に装着して、各部位におけるセンサデータを検出して収集するためだけのスマートデバイスやセンサ機器である場合には、出力部160を有していない構成であってもよい。

0021

演算回路部170は、計時機能を備えたCPUやMPU等の演算処理装置(コンピュータ)であって、所定の制御プログラムアルゴリズムプログラムを実行することにより、加速度センサ110や地磁気センサ120、角速度センサ130におけるセンシング動作や、取得したセンサデータ基づいてユーザの運動状態や移動軌跡等に関する情報を生成する動作等を制御する。また、本実施形態において、演算回路部170は、地磁気センサ120、又は、加速度センサ110及び地磁気センサ120を有する磁気式ジャイロと角速度センサ130の動作を制御して、適切な角速度データを取得するための処理動作を制御する。なお、本実施形態における角速度データの取得方法については、詳しく後述する。

0022

メモリ部180は、加速度センサ110、地磁気センサ120、角速度センサ130により取得されたセンサデータや、演算回路部170において生成(算出)される各種のデータを、時間データに関連付けて所定の記憶領域に保存する。また、メモリ部180は、演算回路部170において実行される制御プログラムやアルゴリズムプログラムを保存する。なお、これらのプログラムは、演算回路部170に予め組み込まれているものであってもよい。また、メモリ部180は、その一部又は全部が、例えばメモリカード等のリムーバブル記憶媒体としての形態を有し、電子機器100に対して着脱可能に構成されているものであってもよい。

0023

電源供給部190は、電子機器100内部の各構成に駆動用電力を供給する。電源供給部190は、例えば市販のボタン型電池等の一次電池リチウムイオン電池等の二次電池、あるいは、振動や光、熱、電磁波等のエネルギーにより発電する環境発電技術による電源等を、単独で、あるいは、併用して適用することができる。

0024

(電子機器の角速度取得方法)
次に、第1の実施形態に係る電子機器における角速度取得方法について、図面を参照して説明する。ここで、以下に示す電子機器100の角速度取得方法(図3に示すフローチャート)は、上述した演算回路部170が所定の制御プログラムやアルゴリズムプログラムに従って処理を実行することにより実現される。

0025

図3図4は、本実施形態に係る電子機器における角速度取得方法の一例を示すフローチャートである。図5は、本実施形態における磁気データの使用状態を示すタイミングチャートである。

0026

本実施形態に係る電子機器100の角速度取得方法においては、図3のフローチャートに示すように、まず、電子機器100の電源をオンすると、加速度センサ110、地磁気センサ120、角速度センサ130が起動してセンシング動作を開始する(ステップS102)。

0027

次いで、演算回路部170は、現時点で地磁気センサ120の周辺磁場の乱れや磁気異常があるか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、例えば図4のフローチャートに示すように、演算回路部170は、まず、磁気式ジャイロをなす加速度センサ110及び地磁気センサ120と、角速度センサ130とを同期して動作させて、それぞれの出力から角速度を検出する(ステップS120)。次いで、演算回路部170は、磁気式ジャイロと角速度センサ130の各々により個別に検出した角速度を相互に比較して(ステップS122)、その比較結果である差分が予め設定した閾値範囲内にあるか否かを判定する(ステップS124)。ここでは、角速度センサ130の出力が正確であることを前提として、角速度センサの出力に対する(基準とする)磁気ジャイロの出力の差分を比較結果とする。なお、角速度センサ130の出力は、周知のキャリブレーション処理を定期的又は随時実行することにより、正確な状態に保つことができる。

0028

そして、ステップS124において、比較結果が閾値範囲内にある場合には、演算回路部170は、磁場の乱れや磁気異常がなく、地磁気センサ120が外乱ノイズの影響を受けていないと判定する。すなわち、演算回路部170は、この場合には地磁気センサ120の出力について信頼性が確保されていると判定する(ステップS126)。一方、比較結果が閾値範囲外にある場合には、演算回路部170は、磁場の乱れや磁気異常があり、地磁気センサ120が外乱ノイズの影響を受けていると判定する。すなわち、演算回路部170は、この場合には地磁気センサ120の出力について信頼性が確保されていないと判定する(ステップS126)。以下、図4に示した一連の処理動作を、便宜的に「信頼性判定処理」と記す。

0029

ステップS104において、磁場の乱れや磁気異常がないと判定された場合(ステップS104のNo)には、演算回路部170は、角速度センサ130のセンシング動作を一時停止して(ステップS106)、地磁気センサ120、又は、加速度センサ110及び地磁気センサ120を有する磁気式ジャイロにより角速度を検出する動作を実行する(ステップS108)。すなわち、演算回路部170は、磁場の乱れや磁気異常がなく、地磁気センサ120の出力について信頼性が確保されている場合には、磁気式ジャイロによる角速度の検出方法を選択する。

0030

一方、ステップS104において、磁場の乱れや磁気異常があると判定された場合(ステップS104のYes)には、演算回路部170は、角速度センサ130が動作しているか否かを判定して(ステップS110)、角速度センサ130が動作している場合(ステップS110のYes)には、角速度センサ130により角速度を検出する動作を実行する(ステップS114)。一方、角速度センサ130が動作していない場合(ステップS110のNo)には、演算回路部170は、角速度センサ130を起動させて、角速度センサ130により角速度を検出する動作を実行する(ステップS114)。すなわち、演算回路部170は、磁場の乱れや磁気異常があり、地磁気センサ120の出力について信頼性が確保されていない場合には、角速度センサ130による角速度の検出方法を選択する。

0031

ステップS108において磁気式ジャイロにより検出された角速度、又は、ステップS114において角速度センサにより検出された角速度は、時間データに関連付けられてメモリ部180の所定の記憶領域に角速度データとして保存される(ステップS116)ほか、例えば演算回路部170によりユーザの運動状態や移動軌跡等に関する情報を生成する際に用いられる。

0032

なお、図3に示したフローチャートにおいては図示を省略したが、演算回路部170は、上述した一連の処理動作の実行中、処理動作を中断又は終了させる入力操作や動作状態の変化を常時監視して、当該入力操作や状態変化を検出した場合には、処理動作を強制的に終了する。具体的には、演算回路部170は、ユーザによる動作電源の遮断操作や、電源供給部190における電池残量の低下、実行中の機能やアプリケーションの異常等を検出して、一連の処理動作を強制的に中断して終了する。

0033

本実施形態に係る角速度取得方法において、地磁気センサ120、又は、加速度センサ110及び地磁気センサ120を有する磁気式ジャイロによる角速度の検出(算出)方法は、例えば、次のような手法を適用することができる。すなわち、演算回路部170は、まず、加速度センサ110や地磁気センサ120の出力の時間的な変化量に基づいて3次元空間内での速度を算出する。すなわち、特定の位置や地域における地磁気の強さと方向は基本的に一定で変化しないことを前提として、地磁気センサ120を一定の時間間隔で動作させた場合に例えば地磁気の方向の変化が検出されたとき、その地磁気の方向の変化は地磁気センサ120(電子機器100)の回転により生じたものと判断して、回転状態を検出する。これにより、地磁気センサ120に規定された3軸について角速度を計算することができる。

0034

また、本実施形態における磁気データの使用方法は、例えば、次のような手法を適用することができる。すなわち、本実施形態において地磁気センサ120により検出される3軸方向の地磁気は、上述したように、加速度センサ110と地磁気センサ120を磁気式ジャイロとして機能させて角速度を算出する際に用いられるほか、本来の地磁気センサ120の出力としてユーザの運動状態や移動軌跡等に関する情報を生成する際にも用いられる。

0035

そこで、本実施形態においては、図5(a)に示すように、地磁気センサ120により検出された3軸方向の地磁気データについて、図5(b)に示すように、磁気式ジャイロとして当該データを使用する動作(A)と、本来の地磁気センサ120としてデータを使用する動作(B)とを、所定の周期で交互に繰り返し実行する時分割方式でのデータ使用方法を適用することができる。このように地磁気センサ120により検出される一連のデータの用途を期間ごとに切り替えることにより、演算回路部170における処理負担を軽減することができる。

0036

また、本実施形態においては、図5(a)に示した3軸方向の地磁気データについて、図5(c)に示すように、磁気式ジャイロにより当該データを使用する動作(A)と、本来の地磁気センサ120としてデータを使用する動作(B)とを、同時並行して実行する並列処理方式でのデータ使用方法を適用することもできる。このように地磁気センサ120により検出されるデータを各用途に並行して振り分けることにより、データの欠落がなくなり信頼性の高い角速度や運動情報等を提供することができる。

0037

上述したように、本実施形態においては、地磁気センサ120の周辺磁場が安定している状態では、加速度センサ110と地磁気センサ120の出力を用いた磁気式ジャイロにより角速度を取得するとともに、角速度センサ130を一時停止状態移行させる。これにより、角速度センサ130に比較して消費電力が小さい加速度センサ110と地磁気センサ120を用いることができるので、電子機器100における電力消費を抑制して駆動時間の改善に寄与することができるとともに、信頼性が確保された適正な角速度を取得することができる。具体的には、地磁気センサや加速度センサは、一般に数十〜数百μAオーダー電流で動作するのに対して、角速度センサは、mAオーダーの電流で動作するので、本実施形態に係る角速度取得方法を適用することにより、角速度センサのみを用いて角速度を取得する場合に比較して、電子機器100の電力消費を大幅に抑制することができる。また、地磁気センサ120が外乱ノイズの影響を受けて出力が異常な場合には、周辺磁場の影響を受けない角速度センサ130を用いることができるので、信頼性が確保された適正な角速度を取得することができる。

0038

(変形例)
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。
上述した実施形態に係る角速度取得方法においては、地磁気センサ120の周辺磁場の乱れや磁気異常を判定する手法(ステップS104)として、地磁気センサ120、又は、加速度センサ110及び地磁気センサ120を有する磁気式ジャイロにより検出(算出)された角速度と、角速度センサ130により検出された角速度とを比較する手法を示した。本発明はこれに限定されるものではなく、次のような手法を適用することができる。

0039

(1)演算回路部170は、地磁気センサ120からの3軸方向の出力の合計値、又は、特定の一軸方向の出力値が予め設定した閾値を超えているか否かを判定する。そして、演算回路部170は、出力値が閾値を超えている場合には、地磁気センサ120の周辺の磁場に乱れや磁気異常があると判定し、出力値が閾値を超えていない場合には、地磁気センサ120の周辺の磁場に乱れがないと判定する。ここで、突発的又は瞬時的な磁場の乱れや磁気異常による判定精度の低下を抑制するために、地磁気センサ120の出力値が閾値を超えている状態が所定の時間継続している場合、又は、出力値が閾値を超えている状態が一定の時間内に所定の回数以上計測された場合に、磁場の乱れや磁気異常があると判定することが好ましい。

0040

(2)演算回路部170は、加速度センサ110の出力に変化がない状態、又は、加速度センサ110の出力の変化が予め設定した閾値以下の状態のときに、地磁気センサ120の出力に変化があるか否かを判定する。そして、演算回路部170は、地磁気センサ120の出力が変化した場合、又は、地磁気センサ120の出力の変化が予め設定した閾値以上の場合には、地磁気センサ120の周辺の磁場に乱れや磁気異常があると判定する。すなわち、電子機器100を移動させていない場合や使用していない状態では、本来、加速度センサ110や地磁気センサ120の出力に変化はない。したがって、この状態で地磁気センサ120の出力に変化がある場合には、地磁気センサ120が外乱ノイズ(磁場の乱れや磁気異常)の影響を受けていると判定することができる。

0041

(3)演算回路部170は、地磁気センサ120の出力に基づいて、電子機器100の現在位置における磁場の強さや向きを算出し、当該位置における本来の磁場の強さや向きに対して特異な値であるか否かを判定する。すなわち、地球上の全磁力(各場所での磁場の強さと向き)は概ね決まっており予め判明していることから、演算回路部170は、地磁気センサ120の出力に基づいて算出された磁場の強さや向きが、本来の磁場の強さや向きに対して特異な値を示した場合には、地磁気センサ120の周辺の磁場に乱れや磁気異常があると判定する。ここで、電子機器100の現在位置に関する情報は、図2に示した電子機器100の構成に、例えばGPS等による測位手段を備えることにより取得するものであってもよいし、現在位置が含まれる地域や地方をユーザが選択することにより取得するものであってもよい。この位置情報に基づいて本来の磁場の強さや向きを推定することができる。

0042

<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器の角速度取得方法について、図面を参照して説明する。ここで、上述した第1の実施形態と同等の方法については、その説明を簡略化する。
図6図7は、第2の実施形態に係る電子機器における角速度取得方法の一例を示すフローチャートである。

0043

上述した第1の実施形態及びその変形例においては、地磁気センサ120の周辺磁場の乱れや磁気異常があるか否かを判定し、その判定結果に基づいて角速度の検出方法を選択する手法を示した。第2の実施形態においては、上述した判定処理に加え、地磁気センサ120の出力について信頼性が確保されているか否かを判定し、その判定結果に基づいて地磁気センサ120のキャリブレーション処理を実行する処理を有していることを特徴としている。ここで、以下に示す電子機器100の角速度取得方法(図6図7に示すフローチャート)も第1の実施形態と同様に、演算回路部170が所定の制御プログラム及びアルゴリズムプログラムに従って処理を実行することにより実現される。ここで、演算回路部170は、本発明に係るオフセット判定部、及び、キャリブレーション制御部に対応する。

0044

第2の実施形態に係る角速度取得方法は、図6のフローチャートに示すように、電子機器100の電源をオンすることにより、加速度センサ110、地磁気センサ120、角速度センサ130を起動した(ステップS202)後、演算回路部170は、地磁気センサ120のキャリブレーション処理が必要か否かを判定する(ステップS204)。具体的には、上述した第1の実施形態において図4のフローチャートに示した信頼性判定処理(ステップS120〜S126)と同様に、演算回路部170は、磁気式ジャイロをなす加速度センサ110及び地磁気センサ120と、角速度センサ130とを同期して動作させて、それぞれの出力から角速度を検出し(ステップS120)、個別に検出した角速度相互を比較する(ステップS122)。そして、その比較結果(差分)が所定の閾値範囲内にある場合(ステップS124)には、演算回路部170は、地磁気センサ120のオフセット値が正常であり、その出力について信頼性が確保されているため、キャリブレーション処理を実行する必要はないと判定する(ステップS126)。一方、比較結果が所定の閾値範囲外にある場合(ステップS124)には、演算回路部170は、地磁気センサ120のオフセット値が異常であり、その出力について信頼性が確保されていないため、キャリブレーション処理を実行する必要があると判定する(ステップS126)。

0045

ステップS204において、地磁気センサ120のキャリブレーション処理が必要であると判定された場合(ステップS204のYes)には、演算回路部170は、所定のキャリブレーション処理を実行した(ステップS206)後、上述した第1の実施形態(図3のフローチャート)に示したステップS104〜S116と同等の処理動作を実行して、磁気式ジャイロ又は角速度センサ130により検出された角速度データを取得する。ここで、地磁気センサ120のキャリブレーション処理は、周知のキャリブレーション手法を自動的に実行するものであってもよいし、ユーザにキャリブレーション処理を促して手動で実行するものであってもよい。

0046

すなわち、演算回路部170は、現時点で地磁気センサ120の周辺磁場の乱れや磁気異常があるか否かを判定し(ステップS208)、磁場の乱れや磁気異常がないと判定された場合(ステップS208のNo)には、角速度センサ130のセンシング動作を一時停止して(ステップS210)、磁気式ジャイロにより角速度を検出する動作を実行する(ステップS212)。一方、磁場の乱れや磁気異常があると判定された場合(ステップS208のYes)には、演算回路部170は、角速度センサ130を起動させて(ステップS214、S216)、角速度を検出する動作を実行する(ステップS218)。このようにして検出された角速度は、時間データに関連付けられてメモリ部180の所定の記憶領域に角速度データとして保存される(ステップS2206)

0047

ここで、ステップS208における地磁気センサ120の周辺磁場の乱れや磁気異常の有無を判定する処理は、上述した第1の実施形態において図4のフローチャートに示した信頼性判定処理と同様の処理動作を実行するものであってもよい。また、他の手法として、ステップS204に示した地磁気センサ120のキャリブレーション処理の要否を判定する処理において、角速度相互の比較結果(差分)が所定の閾値範囲内にあるか否かに基づいて、磁場の乱れや磁気異常の有無を判定するものであってもよい。

0048

次いで、演算回路部170は、図7のフローチャートに示すように、地磁気センサ120の出力の信頼性の有無に基づいて、地磁気センサ120のキャリブレーション処理が必要か否かを判定する(ステップS230、S240、S250)。具体的には、ステップS230に示す判定処理においては、演算回路部170は、磁気式ジャイロ又は角速度センサ130のいずれかにより角速度を検出して、角速度データを取得した(ステップS220)後、上述した地磁気センサ120のキャリブレーション処理の要否判定処理(ステップS204)と同様の処理動作を実行する。すなわち、演算回路部170は、磁気式ジャイロをなす加速度センサ110及び地磁気センサ120と、角速度センサ130とを同期して動作させて、個別に検出した角速度相互の比較結果(差分)が所定の閾値範囲外にあるか否かを判定する。比較結果が所定の閾値範囲外にある場合(ステップS230のYes)には、演算回路部170は、地磁気センサ120のオフセット値が異常であり、その出力について信頼性が確保されていないため、キャリブレーション処理を実行する必要があると判定する。この場合、演算回路部170は、ステップS206に戻って地磁気センサ120のキャリブレーション処理を実行した後、ステップS208以降の処理動作を実行して、角速度データを取得する。一方、比較結果が所定の閾値範囲内にある場合(ステップS230のNo)には、演算回路部170は、地磁気センサ120のオフセット値が正常であり、その出力について信頼性が確保されているため、キャリブレーション処理を実行する必要はないと判定する。この場合、演算回路部170は、地磁気センサ120のキャリブレーション処理を実行することなく、ステップS208以降の処理動作を実行して、角速度データを取得する。

0049

また、ステップS240に示す判定処理においては、演算回路部170は、前回実行した地磁気センサ120のキャリブレーション処理からの経過時間が所定の閾値を超えたか否かを判定する。経過時間が閾値を超えた場合(ステップS240のYes)には、演算回路部170は、地磁気センサ120のオフセット値が正常(正確)ではない可能性があり、その出力について信頼性が確保されていないため、キャリブレーション処理を実行する必要があると判定する。この場合、演算回路部170は、ステップS206に戻って地磁気センサ120のキャリブレーション処理を実行する。一方、経過時間が閾値を超えていない場合(ステップS240のNo)には、演算回路部170は、地磁気センサ120のオフセット値が正常(正確)であり、その出力について信頼性が確保されていると推測して、キャリブレーション処理を実行する必要はないと判定する。この場合、演算回路部170は、地磁気センサ120のキャリブレーション処理を実行することなく、ステップS208以降の処理動作を実行する。

0050

また、ステップS250に示す判定処理においては、演算回路部170は、過去に収集した磁気式ジャイロの出力の履歴を参照して、地磁気センサ120の周辺磁場の乱れや磁気異常があるか否かを判定する。磁気式ジャイロの出力の履歴において、周辺磁場の乱れや磁気異常の大きさや回数が所定の閾値以上観測されている場合(ステップS250のYes)には、演算回路部170は、地磁気センサ120のオフセット値が正常(正確)ではない可能性があり、その出力について信頼性が確保されていないため、キャリブレーション処理を実行する必要があると判定する。この場合、演算回路部170は、ステップS206に戻って地磁気センサ120のキャリブレーション処理を実行する。一方、周辺磁場の乱れや磁気異常の大きさや回数が閾値以下の場合(ステップS250のNo)には、演算回路部170は、地磁気センサ120のオフセット値が正常(正確)であり、その出力について信頼性が確保されていると推測して、キャリブレーション処理を実行する必要はないと判定する。この場合、演算回路部170は、地磁気センサ120のキャリブレーション処理を実行することなく、ステップS208以降の処理動作を実行する。

0051

上述したように、本実施形態においては、上述した第1の実施形態に示した角速度取得方法の処理動作に加え、地磁気センサ120の出力の信頼性の有無に基づいて、地磁気センサ120のオフセット値を補正するキャリブレーション処理の実行が制御される。これにより、磁気式ジャイロをなす地磁気センサ120のオフセット値を常時正確な状態に補正することができるので、電子機器100における電力消費を抑制することができるとともに、信頼性がより確保された適正な角速度を取得することができる。

0052

(変形例)
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。
本実施形態においては、各センサの起動後、ステップS204において地磁気センサ120のキャリブレーション処理の要否を判定する処理を実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、各センサの起動後、ステップS204の判定処理を行うことなく、ステップS206の地磁気センサ120のキャリブレーション処理を強制的に実行するものであってもよい。これにより、地磁気センサ120のキャリブレーション処理の要否判定を、ステップS230、S240、S250のいずれかの処理動作にまとめることができ、電子機器100の起動直後の処理負担を軽減することができる。

0053

また、本実施形態においては、角速度センサの出力が正確であることを前提として、磁気式ジャイロと角速度センサにより個別に検出された角速度相互を比較することにより、角速度センサ130の出力に対して(基準として)磁気ジャイロの出力が閾値以上外れている場合に、地磁気センサ120のオフセット値の異常を判定して、キャリブレーション処理を実行する手法を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。

0054

すなわち、磁気式ジャイロの出力が正確であることを前提として、磁気式ジャイロと角速度センサにより個別に検出された角速度相互を比較し、磁気式ジャイロの出力に対して(基準として)角速度センサ130の出力が閾値以上外れている場合に、角速度センサ130のオフセット値の異常を判定して、角速度センサ130のキャリブレーション処理を実行するものであってもよい。ここで、磁気式ジャイロをなす地磁気センサ120の出力は、ステップS206に示したように、加速度センサ110、地磁気センサ120、角速度センサ130の起動直後にキャリブレーション処理を実行することにより、正確な状態に保つことができる。

0055

また、本発明は、本実施形態に示した地磁気センサ120のキャリブレーション処理の要否判定手法と、上記の角速度センサ130のオフセット値の異常を判定して、角速度センサ130のキャリブレーション処理の要否判定手法を併用して、互いにオフセット値を正常(正確)な状態に保つようにするものであってもよい。これにより、角速度センサ130の出力、又は、磁気式ジャイロ及び角速度センサ130の出力を正確な状態に保持して、信頼性が確保された適正な角速度を取得することができる。

0056

なお、上述した各実施形態及びその変形例においては、加速度センサ110と地磁気センサ120の出力を用いて角速度を検出(算出)する磁気式ジャイロの手法を適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述した特許文献1等に記載されているように、地磁気センサ120の出力のみに基づいて角速度を検出(算出)する手法を適用するものであってもよい。

0057

以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。

0058

(付記)
[1]
地磁気センサと、
角速度センサと、
前記地磁気センサを用いて前記地磁気センサの周辺磁場の乱れを判定する磁場判定部と、
前記磁場判定部の判定結果に基づいて、前記角速度センサ及び前記地磁気センサを有する磁気式ジャイロのいずれか一方により、角速度を検出する角速度検出部と、
を備えることを特徴とする電子機器。

0059

[2]
加速度センサを備え、
前記磁場判定部は、前記角速度センサと、前記加速度センサ及び前記地磁気センサとを同期して動作させて前記角速度センサ及び前記磁気式ジャイロにより前記角速度を個別に検出し、前記角速度センサ及び前記磁気式ジャイロにより検出された前記角速度を比較して、前記角速度相互の差分が所定の閾値範囲内の場合には、前記周辺磁場の乱れがないと判定し、
前記角速度検出部は、前記磁場判定部により前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記磁気式ジャイロにより前記角速度を検出し、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出することを特徴とする[1]記載の電子機器。

0060

[3]
前記磁場判定部は、前記地磁気センサの出力が所定の閾値を超えている場合には、前記周辺磁場の乱れがあると判定し、
前記角速度検出部は、前記磁場判定部により前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記磁気式ジャイロにより前記角速度を検出し、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出することを特徴とする[1]記載の電子機器。

0061

[4]
加速度センサを備え、
前記磁場判定部は、前記加速度センサの出力が変化しない状態で、前記地磁気センサの出力が変化した場合には、前記周辺磁場の乱れがあると判定し、
前記角速度検出部は、前記磁場判定部により前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記磁気式ジャイロにより前記角速度を検出し、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出することを特徴とする[1]記載の電子機器。

0062

[5]
前記磁場判定部は、前記地磁気センサにより検出された磁気データが予め判明している全磁力に対して特異な値を示す場合には、前記周辺磁場の乱れがあると判定し、
前記角速度検出部は、前記磁場判定部により前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記磁気式ジャイロにより前記角速度を検出し、前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出することを特徴とする[1]記載の電子機器。

0063

[6]
前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサのオフセット値の異常を判定するオフセット判定部と、
前記オフセット判定部の判定結果に基づいて、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記オフセット値を補正するキャリブレーション処理を実行するキャリブレーション制御部と、
をさらに有することを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の電子機器。

0064

[7]
前記オフセット判定部は、前記角速度センサと、前記加速度センサ及び前記地磁気センサとを同期して動作させて前記角速度センサ及び前記磁気式ジャイロにより前記角速度を個別に検出し、前記角速度センサ及び前記磁気式ジャイロにより検出された前記角速度を比較して、前記角速度相互の差分が所定の閾値範囲外の場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記オフセット値に異常があると判定し、
前記キャリブレーション制御部は、前記オフセット判定部により前記オフセット値に異常があると判定された場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記キャリブレーション処理を実行することを特徴とする[6]記載の電子機器。

0065

[8]
前記オフセット判定部は、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサにおいて前回実行した前記キャリブレーション処理からの経過時間が所定の閾値を超えている場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記オフセット値に異常があると判定し、
前記キャリブレーション制御部は、前記オフセット判定部により前記オフセット値に異常があると判定された場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記キャリブレーション処理を実行することを特徴とする[6]記載の電子機器。

0066

[9]
前記オフセット判定部は、前記磁気式ジャイロ、又は、前記角速度センサにより検出され収集された前記角速度の履歴を参照して、前記周辺磁場の乱れの大きさや回数が所定の閾値以上観測されている場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記オフセット値に異常があると判定し、
前記キャリブレーション制御部は、前記オフセット判定部により前記オフセット値に異常があると判定された場合には、前記地磁気センサ、又は、前記角速度センサの前記キャリブレーション処理を実行することを特徴とする[6]記載の電子機器。

0067

[10]
電子機器の角速度取得方法であって、
前記電子機器は、地磁気センサと角速度センサとを有し、
前記地磁気センサを用いて、前記地磁気センサの周辺磁場の乱れを判定し、
前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記地磁気センサを有する磁気式ジャイロにより角速度を検出し、
前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出する、
ことを特徴とする電子機器の角速度取得方法。

0068

[11]
電子機器の角速度取得プログラムであって、
前記電子機器は、地磁気センサと角速度センサとを有し、
コンピュータに、
前記地磁気センサを用いて、前記地磁気センサの周辺磁場の乱れを判定させ、
前記周辺磁場の乱れがないと判定された場合には、前記角速度センサの動作を停止させて、前記地磁気センサを有する磁気式ジャイロにより角速度を検出させ、
前記周辺磁場の乱れがあると判定された場合には、前記角速度センサにより前記角速度を検出させる、
ことを特徴とする電子機器の角速度取得プログラム。

0069

100電子機器
110加速度センサ
120地磁気センサ
130角速度センサ
140通信I/F部
150入力操作部
160 出力部
170演算回路部
180メモリ部
190電源供給部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ