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技術 筒形弾性連結装置

出願人 住友理工株式会社川崎重工業株式会社
発明者 大坪繁宏波多野基博伊藤友祐玉木健斗西村武宏佐藤與志加村圭市郎内田フランソワオリヴィエ吉松雄太
出願日 2015年12月24日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-250901
公開日 2017年6月29日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-115953
状態 特許登録済
技術分野 鉄道車両懸架装置、車輪装置 ばね ピボット及び枢着 防振装置
主要キーワード 長円弧 湾曲断面 軸連結部材 成形後収縮 相対傾動 一軸回り 軸方向投影 弾性連結体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

ねじり方向の入力に対するばね定数を小さく設定しつつ、軸直角方向やこじり方向の入力に対するばね定数を大きく設定することが可能とされた、新規な構造の筒形弾性連結装置を提供すること。

解決手段

筒形弾性連結装置10であって、インナ軸部材12の外周面には、外周へ向けて開口する凹面22がインナ軸部材12の全周に亘って連続して形成されていると共に、アウタ筒部材14の内周面には、内周へ向けて突出する凸面26が形成されており、それら凹面22と凸面26は相互に対向配置されている。更に、凹面22と凸面26の対向面間に弾性連結体16が配されて、弾性連結体16がそれら凹面22と凸面26の何れか一方に固定されていると共に、それら凹面22と凸面26の何れか他方が弾性連結体16に対して摺動可能とされており、凹面22を備えるインナ軸部材12と凸面26を備えるアウタ筒部材14の周方向相対回転許容されている。

概要

背景

従来から、例えば鉄道用の非操舵形式台車において第三軌条から集電するための集電装置を設ける場合に、集電装置が集電梁によって支持された構造が知られている。即ち、特開2012−130142号公報(特許文献1)の図6に示されているように、鉄道用車両の前後方向に延びる集電梁の両端部が台車の前後に設けられた輪軸によって支持されると共に、集電梁の中央部分に集電装置が取り付けられる。

ところで、集電梁は、輪軸に対して筒形弾性連結装置を介して取り付けられる場合がある。筒形弾性連結装置は、集電梁に取り付けられるインナ軸部材が輪軸に取り付けられるアウタ筒部材挿通されて、インナ軸部材の外周面とアウタ筒部材の内周面との対向面間に弾性連結体が配された構造を有している。そして、一般的には弾性連結体がインナ軸部材とアウタ筒部材の両方に接着されており、集電梁の輪軸に対する相対変位が弾性連結体のねじり変形によるインナ軸部材とアウタ筒部材の相対回転によって許容されるようになっている。

しかしながら、集電梁の輪軸に対する相対変位を弾性連結体の弾性変形によって有効に許容するためには、弾性連結体のねじり方向のばねを小さく設定する必要があって、弾性連結体の軸直角方向やこじり方向のばねを硬く設定し難く、目的とする特性や耐久性を得ることが困難な場合もある。また、集電梁と輪軸の相対変位可能な範囲が、弾性連結体のねじり変形の許容量によって制限されることから、例えば車輪の向きを操舵可能とされた操舵台車に上記の如き集電梁を用いた集電機構を設けると、操舵時に集電梁と輪軸の相対変位を十分に許容できないおそれがあった。

なお、例えばロボットアームのような一自由度平面リンク機構において、リンク接合部(ロボットアームでは関節部)を筒形弾性連結装置で構成する場合もある。このようなリンク機構への適用時にも、リンク間相対傾動を十分に低いばねで許容しながら、筒形弾性連結装置に対する軸直角方向やこじり方向の入力時には弾性連結体の硬いばねが求められる場合があるが、従来の筒形弾性連結装置では要求特性に十分に対応することが難しかった。

概要

ねじり方向の入力に対するばね定数を小さく設定しつつ、軸直角方向やこじり方向の入力に対するばね定数を大きく設定することが可能とされた、新規な構造の筒形弾性連結装置を提供すること。筒形弾性連結装置10であって、インナ軸部材12の外周面には、外周へ向けて開口する凹面22がインナ軸部材12の全周に亘って連続して形成されていると共に、アウタ筒部材14の内周面には、内周へ向けて突出する凸面26が形成されており、それら凹面22と凸面26は相互に対向配置されている。更に、凹面22と凸面26の対向面間に弾性連結体16が配されて、弾性連結体16がそれら凹面22と凸面26の何れか一方に固定されていると共に、それら凹面22と凸面26の何れか他方が弾性連結体16に対して摺動可能とされており、凹面22を備えるインナ軸部材12と凸面26を備えるアウタ筒部材14の周方向の相対回転が許容されている。

目的

しかしながら、集電梁の輪軸に対する相対変位を弾性連結体の弾性変形によって有効に許容するためには、弾性連結体のねじり方向のばねを小さく設定する必要があって、弾性連結体の軸直角方向やこじり方向のばねを硬く設定し難く、目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

インナ軸部材アウタ筒部材に対して挿通されて、それらインナ軸部材の外周面とアウタ筒部材の内周面との間に弾性連結体介装されている筒形弾性連結装置において、前記インナ軸部材の外周面には外周へ向けて開口する凹面が該インナ軸部材の全周に亘って連続して形成されていると共に、前記アウタ筒部材の内周面には内周へ向けて突出する凸面が形成されて、それら凹面と凸面が対向配置されており、更にそれら凹面と凸面の対向面間に前記弾性連結体が配されて、該弾性連結体がそれら凹面と凸面の何れか一方に固定されていると共に、それら凹面と凸面の何れか他方が該弾性連結体に対して摺動可能とされており、該凹面を備える該インナ軸部材と該凸面を備える該アウタ筒部材の周方向相対回転許容されていることを特徴とする筒形弾性連結装置。

請求項2

前記凹面の開口縁部における前記インナ軸部材の外径寸法が、前記凸面の突出先端における前記アウタ筒部材の内径寸法よりも大きくされている請求項1に記載の筒形弾性連結装置。

請求項3

前記インナ軸部材の前記凹面が凹曲面とされていると共に、前記アウタ筒部材の前記凸面が凸曲面とされている請求項1又は2に記載の筒形弾性連結装置。

請求項4

前記凹面が円弧断面を有していると共に、前記凸面が円弧断面を有している請求項3に記載の筒形弾性連結装置。

請求項5

前記弾性連結体が前記インナ軸部材の前記凹面に固定されている請求項1〜4の何れか一項に記載の筒形弾性連結装置。

請求項6

前記凹面が軸方向に分割されており、分割された該凹面の各部を外周面に備える複数の分割内筒部材が内筒連結部材に外嵌されて軸方向で相互に連結された状態で該インナ軸部材がそれら分割内筒部材と内筒連結部材を含んで形成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の筒形弾性連結装置。

請求項7

前記インナ軸部材が複数の前記凹面を備えていると共に、前記アウタ筒部材がそれら複数の凹面に対応する複数の前記凸面を備えており、更にそれら各複数の凹面と凸面の対向面間に前記弾性連結体が配されている請求項1〜6の何れか一項に記載の筒形弾性連結装置。

請求項8

前記インナ軸部材がそれぞれ前記凹面を備えて相互に独立した複数の並設インナ部を備えていると共に、前記アウタ筒部材がそれぞれ前記凸面を備えて相互に独立した複数の並設アウタ部を備えており、更に前記弾性連結体が該並設インナ部の該凹面と該並設アウタ部の該凸面との間にそれぞれ配されて相互に独立した並設弾性体を備えている請求項7に記載の筒形弾性連結装置。

技術分野

0001

本発明は、鉄道用の台車などに用いられる筒形弾性連結装置に関するものである。

背景技術

0002

従来から、例えば鉄道用の非操舵形式台車において第三軌条から集電するための集電装置を設ける場合に、集電装置が集電梁によって支持された構造が知られている。即ち、特開2012−130142号公報(特許文献1)の図6に示されているように、鉄道用車両の前後方向に延びる集電梁の両端部が台車の前後に設けられた輪軸によって支持されると共に、集電梁の中央部分に集電装置が取り付けられる。

0003

ところで、集電梁は、輪軸に対して筒形弾性連結装置を介して取り付けられる場合がある。筒形弾性連結装置は、集電梁に取り付けられるインナ軸部材が輪軸に取り付けられるアウタ筒部材挿通されて、インナ軸部材の外周面とアウタ筒部材の内周面との対向面間に弾性連結体が配された構造を有している。そして、一般的には弾性連結体がインナ軸部材とアウタ筒部材の両方に接着されており、集電梁の輪軸に対する相対変位が弾性連結体のねじり変形によるインナ軸部材とアウタ筒部材の相対回転によって許容されるようになっている。

0004

しかしながら、集電梁の輪軸に対する相対変位を弾性連結体の弾性変形によって有効に許容するためには、弾性連結体のねじり方向のばねを小さく設定する必要があって、弾性連結体の軸直角方向やこじり方向のばねを硬く設定し難く、目的とする特性や耐久性を得ることが困難な場合もある。また、集電梁と輪軸の相対変位可能な範囲が、弾性連結体のねじり変形の許容量によって制限されることから、例えば車輪の向きを操舵可能とされた操舵台車に上記の如き集電梁を用いた集電機構を設けると、操舵時に集電梁と輪軸の相対変位を十分に許容できないおそれがあった。

0005

なお、例えばロボットアームのような一自由度平面リンク機構において、リンク接合部(ロボットアームでは関節部)を筒形弾性連結装置で構成する場合もある。このようなリンク機構への適用時にも、リンク間相対傾動を十分に低いばねで許容しながら、筒形弾性連結装置に対する軸直角方向やこじり方向の入力時には弾性連結体の硬いばねが求められる場合があるが、従来の筒形弾性連結装置では要求特性に十分に対応することが難しかった。

先行技術

0006

特開2012−130142号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上述の事情背景に為されたものであって、その解決課題は、ねじり方向の入力に対するばね定数を小さく設定しつつ、軸直角方向やこじり方向の入力に対するばね定数を大きく設定することが可能とされた、新規な構造の筒形弾性連結装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。

0009

すなわち、本発明の第一の態様は、インナ軸部材がアウタ筒部材に対して挿通されて、それらインナ軸部材の外周面とアウタ筒部材の内周面との間に弾性連結体が介装されている筒形弾性連結装置において、前記インナ軸部材の外周面には外周へ向けて開口する凹面が該インナ軸部材の全周に亘って連続して形成されていると共に、前記アウタ筒部材の内周面には内周へ向けて突出する凸面が形成されて、それら凹面と凸面が対向配置されており、更にそれら凹面と凸面の対向面間に前記弾性連結体が配されて、該弾性連結体がそれら凹面と凸面の何れか一方に固定されていると共に、それら凹面と凸面の何れか他方が該弾性連結体に対して摺動可能とされており、該凹面を備える該インナ軸部材と該凸面を備える該アウタ筒部材の周方向の相対回転が許容されていることを、特徴とする。

0010

本発明の第一の態様に従う構造とされた筒形弾性連結装置によれば、インナ軸部材の凹面とアウタ筒部材の凸面との何れか他方が弾性連結体に対して摺動可能とされていることにより、それらインナ軸部材とアウタ筒部材の周方向の相対回転が小さな抵抗(ばね定数)で許容される。しかも、弾性連結体が凹面と凸面の何れか一方に対して固定されていることにより、凹面と凸面の何れか他方の弾性連結体に対する摺動性能を精度よく得ることができる。

0011

また、インナ軸部材とアウタ筒部材の周方向の相対回転が弾性連結体のねじり変形によって許容されるものではないことから、弾性連結体の周方向ばね定数を小さく設定する必要がなく、弾性連結体のばねを軸直角方向やこじり方向の入力に対して要求される特性に応じて設定することができる。しかも、軸直角方向やこじり方向の入力に対して、インナ軸部材の凹面とアウタ筒部材の凸面との間で弾性連結体が圧縮されることにより、弾性連結体が軸方向外側へ逃げ難くなって、圧縮ばね成分による硬いばね特性が効率的に発揮される。従って、軸直角方向やこじり方向の入力に対して大きなばね定数を設定することができて、硬いばね特性を得ることができる。

0012

本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された筒形弾性連結装置において、前記凹面の開口縁部における前記インナ軸部材の外径寸法が、前記凸面の突出先端における前記アウタ筒部材の内径寸法よりも大きくされているものである。

0013

第二の態様によれば、アウタ筒部材の凸面がインナ軸部材の凹面の開口部よりも内周側まで入り込んで配置されて、軸直角方向やこじり方向の入力時に弾性連結体が凹面と凸面の間で有効に圧縮されることから、硬いばね特性を得ることができる。

0014

本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された筒形弾性連結装置において、前記インナ軸部材の前記凹面が凹曲面とされていると共に、前記アウタ筒部材の前記凸面が凸曲面とされているものである。

0015

第三の態様によれば、凹面と凸面がそれぞれ曲面とされていることにより、それら凹面と凸面の間に配される弾性連結体において応力の集中が軽減乃至は回避されて、耐久性の向上が図られる。

0016

本発明の第四の態様は、第三の態様に記載された筒形弾性連結装置において、前記凹面が円弧断面を有していると共に、前記凸面が円弧断面を有しているものである。

0017

第四の態様によれば、弾性連結体における応力の集中がより有利に軽減乃至は回避される。更に、例えば各一つの凹面と凸面を備える構造において、こじり方向の入力に対して弾性連結体において圧縮ばね成分がより支配的となり得て、硬いばね特性と優れた耐荷重性が実現され得る。

0018

本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか1つの態様に記載された筒形弾性連結装置において、前記弾性連結体が前記インナ軸部材の前記凹面に固定されているものである。

0019

第五の態様によれば、例えば硬いばね特性を実現し易い薄肉の弾性連結体を採用する場合に、接触面積を大きく確保し易い凹面に弾性連結体を固定することにより、弾性連結体を強固に位置決めすることができる。

0020

本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか1つの態様に記載された筒形弾性連結装置において、前記凹面が軸方向に分割されており、分割された該凹面の各部を外周面に備える複数の分割内筒部材が内筒連結部材に外嵌されて軸方向で相互に連結された状態で該インナ軸部材がそれら分割内筒部材と内筒連結部材を含んで形成されているものである。

0021

第六の態様によれば、例えば、分割内筒部材をアウタ筒部材の凸面に対して軸方向両側から組み付けることにより、凸面が凹面の開口部よりも内周へ入り込む構造を容易に実現することができる。更に、複数の分割内筒部材を内筒連結部材によって連結することにより、凹面と凸面が対向して配された状態に保持される。

0022

本発明の第七の態様は、第一〜第六の何れか1つの態様に記載された筒形弾性連結装置において、前記インナ軸部材が複数の前記凹面を備えていると共に、前記アウタ筒部材がそれら複数の凹面に対応する複数の前記凸面を備えていると共に、それら各複数の凹面と凸面の対向面間に前記弾性連結体が配されているものである。

0023

第七の態様によれば、弾性連結体の軸方向の複数箇所が複数の凹面と複数の凸面との対向面間に配されていることにより、特にこじり方向の入力に対して硬いばね特性を得易くなる。

0024

本発明の第八の態様は、第七の態様に記載された筒形弾性連結装置において、前記インナ軸部材がそれぞれ前記凹面を備えて相互に独立した複数の並設インナ部を備えていると共に、前記アウタ筒部材がそれぞれ前記凸面を備えて相互に独立した複数の並設アウタ部を備えており、更に前記弾性連結体が該並設インナ部の該凹面と該並設アウタ部の該凸面との間にそれぞれ配されて相互に独立した並設弾性体を備えているものである。

0025

第八の態様によれば、複数の凸面が相互に独立した複数の並設アウタ部に形成されていることにより、複数の凸面を備えるアウタ筒部材を容易に形成することができる。しかも、各複数の並設インナ部と並設アウタ部をそれぞれ組み合わせることによって、複数組の凹面と凸面を各別に対向配置させることができて、複数の凹面を備えるインナ軸部材と複数の凸面を備えるアウタ筒部材とを容易に組み合わせて適切に配置することができる。

発明の効果

0026

本発明によれば、凹面と凸面の何れか一方に弾性連結体が固定されていると共に、何れか他方が弾性連結体に対して摺動可能とされていることから、インナ軸部材とアウタ筒部材の周方向の相対回転が小さな抵抗(ばね定数)で許容されると共に、凹面と凸面の何れか他方の弾性連結体に対する摺動性能を精度よく得ることができる。更に、軸直角方向やこじり方向の入力に対しては、弾性連結体のばね定数をねじり方向の特性に制限されることなく大きな自由度で設定可能であることから、硬いばね特性を得ることが可能となる。しかも、弾性連結体が凹面と凸面の間で圧縮されることにより、弾性連結体の軸方向外側への逃げが抑えられて、大きなばね定数を設定し易くなる。

図面の簡単な説明

0027

本発明の第一の実施形態としての筒形弾性連結装置を示す正面図。
図1のII−II断面図。
図1の筒形弾性連結装置を装着した操舵台車の一部を示す正面図。
本発明の第二の実施形態としての筒形弾性連結装置を示す断面図。
本発明の第三の実施形態としての筒形弾性連結装置を示す断面図。
本発明の第四の実施形態としての筒形弾性連結装置を示す断面図。

実施例

0028

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。

0029

図1,2には、本発明の第一の実施形態としての筒形弾性連結装置10が示されている。筒形弾性連結装置10は、インナ軸部材12がアウタ筒部材14に挿通されていると共に、インナ軸部材12の外周面とアウタ筒部材14の内周面との対向面間に弾性連結体16が配設された構造を有している。以下の説明において、原則として、上下方向とは図1中の上下方向を、前後方向とは図1中の左右方向を、左右方向とは図2中の左右方向を、それぞれ言う。

0030

より詳細には、インナ軸部材12は、図1,2に示すように、全体として略円筒形状を有しており、鉄などの金属や硬質合成樹脂などで形成された高剛性の部材とされている。更に、本実施形態のインナ軸部材12は、軸方向で相互に突き合わされた分割内筒部材18aと分割内筒部材18bが、内筒連結部材20に外嵌された構造を有している。分割内筒部材18aと分割内筒部材18bは、内周面が円筒面とされていると共に、外周面が相互に突き合わされる端部から他方の端部付近まで徐々に外周へ傾斜する傾斜面を備えている。本実施形態において、前記傾斜面は傾斜角度が軸方向で徐々に変化する湾曲傾斜面とされていると共に、分割内筒部材18aと分割内筒部材18bの前記他方の端部における外周面が、略一定の直径で軸方向に広がる円筒面とされている。なお、本実施形態の分割内筒部材18aと分割内筒部材18bは、軸直角方向に広がる面に関して相互に面対称形状とされている。

0031

そして、分割内筒部材18aと分割内筒部材18bは、軸方向端面を相互に突き合わせた状態で内筒連結部材20によって相互に連結されている。内筒連結部材20は、薄肉の略円筒形状を有しており、分割内筒部材18aと分割内筒部材18bの軸方向長さの合計と略同じ軸方向長さで形成されている。この内筒連結部材20が分割内筒部材18aと分割内筒部材18bに圧入されることにより、分割内筒部材18aと分割内筒部材18bが内筒連結部材20に対する外嵌状態で相互に連結されており、インナ軸部材12がそれら分割内筒部材18aと分割内筒部材18bと内筒連結部材20によって構成されている。

0032

さらに、図2に示すように、インナ軸部材12の外周面には、凹面22が形成されている。凹面22は、インナ軸部材12の軸方向略中央部分において外周へ向けて開口しており、本実施形態では全周に亘って略一定の円弧断面で連続して延びる凹曲面とされている。なお、凹面22は、分割内筒部材18aと分割内筒部材18bが軸方向に突き合されて、それら分割内筒部材18aと分割内筒部材18bの外周面にそれぞれ設けられた湾曲傾斜面が軸方向で連続することにより形成されている。換言すれば、凹面22は、軸方向中央部分二分割されており、分割された凹面22の各部が分割内筒部材18aと分割内筒部材18bの各一方に形成されている。なお、凹面22の曲率中心は、凹面22によってインナ軸部材12の外周面に形成される凹所よりも外周側に位置しており、凹面22が半周に満たない円弧状の湾曲断面で形成されている。

0033

また、インナ軸部材12の凹面22には、弾性連結体16が固定されている。弾性連結体16は、凹面22の全体を略一定の厚さで覆うように設けられて、凹面22に固着されている。本実施形態では、凹面22が分割内筒部材18aと分割内筒部材18bに分割されて設けられていることから、凹面22に固着される弾性連結体16が、分割内筒部材18aが備える凹面22の一部に固着される分割弾性体24aと、分割内筒部材18bが備える凹面22の一部に固着される分割弾性体24bとに、分割されている。なお、本実施形態では、分割弾性体24aが分割内筒部材18aを備える一体加硫成形品として形成されていると共に、分割弾性体24bが分割内筒部材18bを備える一体加硫成形品として形成されており、弾性連結体16が凹面22に加硫接着されることで固定されている。本実施形態の弾性連結体16は、大きなばね定数を設定し易くするために薄肉とされており、凹面22に対する重ね合わせ面積が後述する凸面26に対する重ね合わせ面積よりも大きくなっていることから、凹面22への固着によって弾性連結体16が強固に固定されている。

0034

本実施形態の弾性連結体16は、後述するアウタ筒部材14との摺動摩擦抵抗を小さくするために、表面の摩擦抵抗が小さいゴム弾性体とされており、好適には自己潤滑ゴムによって形成されている。尤も、弾性連結体16の自己潤滑性は必須ではなく、例えば、筒形弾性連結装置10が高温環境下で使用される場合などには、弾性連結体16を耐熱ゴムで形成するとともに後述するアウタ筒部材14の凸面26にフッ素コーティングなどの潤滑処理を施すことによって、弾性連結体16とアウタ筒部材14の間の摺動摩擦抵抗を小さくすることもできる。

0035

さらに、弾性連結体16の形成材料としては、ゴム状弾性を有する高分子エラストマを採用することも可能であり、ウレタン系やスチレン系、オレフィン系、エステル系フッ素系、ジエン系のもの等が何れも好適に採用される。なお、弾性連結体16の形成材料としては、上記の如きエラストマが単独で或いは2種以上を組み合わされて採用され得る。更に、上記の如きエラストマに、カーボンブラック等を添加して、特性を調節することも可能である。

0036

このような弾性連結体16を固着された凹面22を備えるインナ軸部材12は、アウタ筒部材14に挿通されている。アウタ筒部材14は、インナ軸部材12と同様に高剛性の部材とされており、全体として略円筒形状を有している。更に、アウタ筒部材14の内周面は、軸方向中央に向けて次第に内径寸法が小さくなる凸面26とされている。凸面26は、凹面22に対応する略円弧断面で全周に亘って連続する凸曲面とされている。

0037

そして、アウタ筒部材14は、インナ軸部材12に外挿されており、凸面26がインナ軸部材12の凹面22に対して外周側に対向配置されていると共に、それら凹面22と凸面26の対向面間に弾性連結体16が配設されている。凸面26は、弾性連結体16の外周面に対して、固定されることなく当接状態で重ね合わされており、アウタ筒部材14の凸面26が弾性連結体16に対して周方向に摺動可能とされている。これにより、凹面22を備えるインナ軸部材12と凸面26を備えるアウタ筒部材14は、アウタ筒部材14の弾性連結体16に対する摺動によって、周方向で相対的に回転可能とされている。

0038

凹面22の開口縁部(最外周端)におけるインナ軸部材12の外径寸法R1 は、凸面26の突出先端(最内周端)におけるアウタ筒部材14の内径寸法R2 よりも大きく(R1 >R2 )されており、凹面22と凸面26が軸方向投影において重なり合っている。なお、本実施形態では、インナ軸部材12の凹面22が軸方向中央で分割されており、凹面22の各部を備える分割内筒部材18a,18bとそれらに固着された分割弾性体24a,24bが、アウタ筒部材14に対して軸方向両側から組み付けられることにより、アウタ筒部材14の凸面26が凹面22の開口部よりも内周へ入り込んで配されている。

0039

かくの如き構造とされた筒形弾性連結装置10は、図3に示すように、第三軌条集電方式の鉄道用車両を構成する操舵台車27に装着される。即ち、図1〜3に示すように、インナ軸部材12が集電梁28の端部に取り付けられると共に、アウタ筒部材14が輪軸30に一端を取り付けられた輪軸連結部材32の他端に取り付けられることにより、集電梁28と輪軸30および輪軸連結部材32とが筒形弾性連結装置10によって相互に連結されている。なお、図示は省略したが、本実施形態の操舵台車27は二軸操舵台車であって、集電梁28の他端にも同様の筒形弾性連結装置が取り付けられており、集電梁28の他端が後部の輪軸に筒形弾性連結装置を介して取り付けられている。

0040

集電梁28の前後中央部分には集電靴を含む集電装置34が取り付けられており、集電装置34が集電梁28を介して前後の輪軸30によって支持されている。また、台車枠36に対して軸ばね38を介して取り付けられた軸ハリ40には、輪軸30が回転可能に取り付けられており、輪軸30と一体的に設けられた車輪42の回転が許容されている。更に、軸ハリ40には、操舵リンク44が軸ハリブッシュ46を介して取り付けられており、操舵リンク44を前後(図3中の左右)に変位させることで軸ハリ40を介して輪軸30を前後に移動させて、車輪42の向きを操作できるようになっている。

0041

このように筒形弾性連結装置10を装着した操舵台車27が軌条上を走行する際に、筒形弾性連結装置10のインナ軸部材12とアウタ筒部材14の間には、主として、ねじり方向(周方向)の入力と、軸直角方向の入力と、こじり方向の入力が、作用する。

0042

筒形弾性連結装置10は、アウタ筒部材14が弾性連結体16に対して非固着で重ね合わされており、アウタ筒部材14が弾性連結体16に対して摺動することにより、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の相対回転が許容されている。それ故、集電梁28と輪軸連結部材32の相対傾動に起因するねじり方向の入力に対して、アウタ筒部材14の弾性連結体16に対する摺動による低ばね特性が発揮されて、集電梁28と輪軸連結部材32の相対傾動が容易に許容される。

0043

特に、インナ軸部材12とアウタ筒部材14が回転量を制限されることなく相対回転可能とされることから、例えば操舵時に生じる集電梁28と輪軸連結部材32の大きな相対傾動も許容される。加えて、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の相対回転によって弾性連結体16の周方向ばね定数が大きくなることがなく、集電梁28と輪軸連結部材32の相対傾動を、傾動変位量に拘わらず略一定の低いばね定数で許容することができる。

0044

さらに、硬質のインナ軸部材12と硬質のアウタ筒部材14の間に弾性連結体16が介装されて、アウタ筒部材14が弾性連結体16に対して摺動することから、摺動時の異音や摺動による摩耗が低減乃至は回避される。更にまた、弾性連結体16が表面の摩擦抵抗が小さい自己潤滑ゴムで形成されていることによって、アウタ筒部材14と弾性連結体16の間に作用する摺動摩擦抵抗が小さくされており、潤滑油を定期的に補給するなどの作業を要することなく、アウタ筒部材14と弾性連結体16の低摩擦摺動が安定して実現される。

0045

さらに、凹面22と凸面26がそれぞれ角のない曲面とされていると共に、弾性連結体16の外周面における凸面26に重ね合わされる部分が、凸面26に対応する曲面とされている。それ故、アウタ筒部材14の凸面26が弾性連結体16に対して繰り返し摺動しても、局所的な摩耗や亀裂の発生などが防止される。

0046

一方、軸直角方向の入力に対しては、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の間で弾性連結体16が圧縮されることにより、圧縮ばね成分による高ばね特性が発揮される。筒形弾性連結装置10では、アウタ筒部材14が弾性連結体16に対して摺動可能とされていることから、弾性連結体16が形成材料や形状(ボリューム)によってばね定数を大きく設定されていても、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の相対回転を十分に許容することができる。従って、弾性連結体16を薄肉にしたり、弾性連結体16を硬度の大きな形成材料で形成したりすることができて、弾性連結体16の軸直角方向のばね定数を大きく設定し易い。加えて、インナ軸部材12の凹面22とアウタ筒部材14の凸面26との間に弾性連結体16が配されていることから、弾性連結体16において軸直角方向入力によって圧縮される部分が、それら凹面22と凸面26の対向面間から外側へ逃げ難くされていることによっても、硬いばね特性が発揮される。

0047

また、こじり方向の入力に対しても、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の間で弾性連結体16が圧縮されることにより、圧縮ばね成分による高ばね特性が発揮される。更に、インナ軸部材12の凹面22とアウタ筒部材14の凸面26との間に弾性連結体16が配されていることから、こじり方向の入力に対して弾性連結体16の圧縮ばね成分がより広い範囲で支配的に作用する。しかも、弾性連結体16においてこじり方向の入力によって圧縮される部分が、それら凹面22と凸面26の対向面間から外側へ逃げ難くされていることによっても、硬いばね特性が発揮される。

0048

特に本実施形態では、凹面22の開口縁部におけるインナ軸部材12の外径寸法が、凸面26の突出先端におけるアウタ筒部材14の内径寸法よりも大きくされて、インナ軸部材12の凹面22とアウタ筒部材14の凸面26が軸方向投影において重なっている。これにより、弾性連結体16が凹面22と凸面26の間で軸方向外側へ逃げることなく圧縮され易くなっており、硬いばね特性を得ることができる。

0049

なお、凹面22と凸面26がそれぞれ角のない円弧状断面を有していると共に、弾性連結体16の外周面における凸面26に重ね合わされる部分が、凸面26に対応する円弧状断面を有している。それ故、軸直角方向やこじり方向の荷重が繰り返し入力されても、応力集中による局所的な摩耗や亀裂の発生などが防止される。また、凹面22と凸面26が円弧状断面を有していることにより、インナ軸部材12とアウタ筒部材14のこじり変位に対して弾性連結体16が有効に圧縮されて、硬いばね特性が発揮される。

0050

図4には、本発明の第二の実施形態としての筒形弾性連結装置50が示されている。筒形弾性連結装置50は、インナ軸部材52がアウタ筒部材54に挿通されて、インナ軸部材52の外周面とアウタ筒部材54の内周面の間に弾性連結体16が配設されている。以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同じ構成として把握できる部材および部位については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。

0051

より詳細には、インナ軸部材52は、分割内筒部材56aと分割内筒部材56bが内筒連結部材20によって軸方向に突き合わされた状態で連結された構造を有している。分割内筒部材56aと分割内筒部材56bは、全体として略円筒形状を有しており、内周面が略一定の断面形状で軸方向に広がる円筒面とされている。分割内筒部材56aと分割内筒部材56bの外周面は、軸方向両端部分が略一定の外径で軸方向に延びる円筒面とされていると共に、軸方向中間部分には相互に突き合わされる端部側から他方の端部側へ行くに従って外周へ傾斜する傾斜面を備えている。本実施形態では、前記傾斜面の傾斜角度が軸方向で略一定とされている。

0052

そして、分割内筒部材56aと分割内筒部材56bが軸方向端面を突き合わされた状態で内筒連結部材20によって相互に連結されることにより、インナ軸部材52が形成されている。このインナ軸部材52の外周面には、凹面58が形成されている。凹面58は、インナ軸部材52の軸方向略中央部分において外周へ向けて開口して、全周に亘って略一定の断面形状で連続して延びている。図4に示す本実施形態の凹面58は、軸方向中央部分が軸方向直線的に延びると共に、軸方向両端部分が軸方向外側へ行くに従って外周へ直線的に傾斜して延びる断面形状を有している。なお、凹面58の軸方向中央部分と軸方向両端部分は、曲面によって滑らかに連続している。

0053

また、インナ軸部材52の凹面58には、弾性連結体16が固着されており、弾性連結体16の外周面にアウタ筒部材54が非固定で重ね合わされている。アウタ筒部材54は、全体として円筒形状とされており、外周面が円筒面とされていると共に、内周面に凸面60を備えている。凸面60は、インナ軸部材52の凹面58と対応する形状を有しており、軸方向中央部分が略一定の内径で軸方向に広がる円筒面とされていると共に、軸方向両端部分が軸方向外側へ行くに従って略一定の傾斜角度で拡径するテーパ面とされている。なお、弾性連結体16は、内周面が凹面58に対応する形状を有していると共に、外周面が凸面60に対応する形状を有している。

0054

このような本実施形態に従う構造とされた筒形弾性連結装置50においても、第一の実施形態と同様に、ねじり方向の入力に対して小さな抵抗でインナ軸部材52とアウタ筒部材54の回転が許容されると共に、軸直角方向およびこじり方向の入力に対して弾性連結体16のばね定数を大きく設定して硬いばね特性を得ることができる。本実施形態から理解されるように、凹面および凸面は、必ずしも円弧状断面で広がる面に限定されるものではなく、略多角形状断面で広がる面とされ得る。

0055

また、図5に示す本発明の第三の実施形態としての筒形弾性連結装置70に示すように、長円弧状断面の凹面および凸面も採用可能である。筒形弾性連結装置70は、インナ軸部材72がアウタ筒部材74に挿通されて、インナ軸部材72の外周面とアウタ筒部材74の内周面の間に弾性連結体16が配設されている。

0056

より詳細には、インナ軸部材72は、分割内筒部材76aと分割内筒部材76bが内筒連結部材20によって軸方向に突き合わされた状態で連結された構造を有している。分割内筒部材76aと分割内筒部材76bは、全体として略円筒形状を有しており、内周面が略一定の断面形状で軸方向に広がる円筒面とされている。分割内筒部材76aと分割内筒部材76bの外周面は、軸方向両端部が略軸方向に広がる円筒面とされていると共に、軸方向中間部分には、相互に突き合わされる端部側から他方の端部側へ行くに従って外周へ傾斜する傾斜面が設けられている。本実施形態の前記傾斜面は、傾斜角度が軸方向で徐々に変化する湾曲傾斜面とされている。

0057

そして、分割内筒部材76aと分割内筒部材76bが軸方向端面を突き合わされた状態で内筒連結部材20によって相互に連結されることにより、インナ軸部材72が形成されている。このインナ軸部材72の外周面には、凹面78が形成されている。凹面78は、インナ軸部材72の軸方向略中央部分において外周へ向けて開口して、全周に亘って略一定の断面形状で連続して延びている。図5に示す本実施形態の凹面78の断面形状は、軸方向中央部分が軸方向直線的に延びると共に、軸方向両端部分が軸方向外側へ行くに従って外周へ湾曲傾斜して延びる長円弧形状とされている。なお、凹面78の軸方向両端部分は、軸方向外側へ行くに従って次第に軸方向に対する傾斜角度が大きくなっている。

0058

また、インナ軸部材72の凹面78には、弾性連結体16が固着されており、弾性連結体16の外周面にアウタ筒部材74が非固定で重ね合わされている。アウタ筒部材74は、全体として円筒形状とされており、外周面が円筒面とされていると共に、内周面に凸面80を備えている。凸面80は、インナ軸部材72の凹面78と対応する形状を有しており、軸方向中央部分が略一定の内径で軸方向に広がる円筒面とされていると共に、軸方向両端部分が軸方向外側へ行くに従って傾斜角度が大きくなるように湾曲して拡径するテーパ面とされている。これにより、凸面80の断面形状は、凹面78に対応する長円弧形状とされている。なお、弾性連結体16は、内周面が凹面78に対応する凸形状を有していると共に、外周面が凸面80に対応する凹形状を有している。

0059

このような本実施形態に従う構造とされた筒形弾性連結装置70においても、第一, 第二の実施形態と同様のばね特性を得ることができることから、凹面および凸面としては長円弧状断面で広がる面も採用され得る。凹面は、インナ軸部材の外周面に開口して全周に亘って連続して延びていれば、具体的な断面形状は特に限定されるものではなく、例示した円弧状断面や多角形状断面、長円弧状断面の他、楕円弧状断面や二次曲線状断面なども採用可能である。同様に、凸面は、アウタ筒部材の内周面において内周へ突出するように形成されていれば、具体的な断面形状は特に限定されるものではなく、例示した円弧状断面や多角形状断面、長円弧状断面の他、楕円弧状断面や二次曲線状断面なども採用可能である。

0060

図6には、本発明の第四の実施形態としての筒形弾性連結装置90が示されている。筒形弾性連結装置90は、インナ軸部材92がアウタ筒部材94に挿通されて、インナ軸部材92の外周面とアウタ筒部材94の内周面の間に弾性連結体96が配設された構造を有している。

0061

より詳細には、インナ軸部材92は、相互に独立して形成された二つの並設インナ部98,98を、軸方向に当接状態で並べて配設した構造を有している。並設インナ部98は、第一の実施形態に示すインナ軸部材12と略同じ構造とされており、分割内筒部材18aと分割内筒部材18bが内筒連結部材20によって軸方向に突き合わされた状態で連結された構造を有している。また、インナ軸部材92は、二つの並設インナ部98,98を備えていることにより、軸方向で相互に離れて配された二つの凹面22,22を備えている。なお、凹面22の曲率半径が第一の実施形態に比して小さくされていることにより、並設インナ部98の軸方向長さがインナ軸部材12の軸方向長さよりも小さくされている。

0062

また、各並設インナ部98の凹面22には、それぞれ並設弾性体100が固着されている。並設弾性体100は、第一の実施形態の弾性連結体16と略同じ構造とされており、分割内筒部材18aに固着される分割弾性体24aと、分割内筒部材18bに固着される分割弾性体24bとによって構成されている。本実施形態では、二つの並設弾性体100,100が相互に独立して設けられて、並設インナ部98,98の各一方に固着されている。

0063

また、インナ軸部材92には、アウタ筒部材94が外挿されている。アウタ筒部材94は、二つの相互に独立した並設アウタ部102,102を備えている。並設アウタ部102は、第一の実施形態のアウタ筒部材14と略同じ構造とされており、内周面に凹面22と対応する略円弧断面の凸面26を備えている。なお、凸面26の曲率半径が第一の実施形態に比して小さくされていることにより、並設アウタ部102の軸方向長さがアウタ筒部材14の軸方向長さよりも小さくされている。また、二つの並設アウタ部102,102は、軸方向で相互に所定の距離を隔てて離れて配置されており、アウタ筒部材94がそれら二つの並設アウタ部102,102によって構成されている。更に、二つの並設アウタ部102,102にそれぞれ凸面26が設けられていることによって、アウタ筒部材94は軸方向で相互に離れて配された二つの凸面26,26を備えている。

0064

そして、二つの凹面22,22を備えるインナ軸部材92が、二つの凸面26,26を備えるアウタ筒部材94に挿通されて、それら凹面22,22と凸面26,26の間に弾性連結体96(並設弾性体100,100)が配されている。要するに、本実施形態の筒形弾性連結装置90は、第一の実施形態の筒形弾性連結装置10を軸方向に二つ並べて配設したような構造とされている。

0065

そして、インナ軸部材92が集電梁28に取り付けられると共に、アウタ筒部材94が輪軸連結部材32に取り付けられることにより、鉄道用の操舵台車27に装着される。本実施形態では、二つの並設インナ部98,98が集電梁28に装着されることによって相互に位置決めされるようになっているが、例えば、二つの並設インナ部98,98に筒状の連結部材を圧入することにより、それら二つの並設インナ部98,98を集電梁28への装着前に予め相互に位置決めすることもできる。更に、内筒連結部材20,20を軸方向に連続した一体のスリーブとすることにより、四つの分割内筒部材18a,18b,18a,18bが一つの内筒連結部材によって相互に位置決めされるようにしても良い。同様に、本実施形態では、二つの並設アウタ部102,102が輪軸連結部材32に装着されることによって相互に位置決めされるようになっているが、例えば、二つの並設アウタ部102,102を筒状の連結部材に圧入することにより、それら二つの並設アウタ部102,102を輪軸連結部材32への装着前に予め相互に位置決めしても良い。なお、並設アウタ部102,102を輪軸連結部材32の孔に対して各一方の側から圧入したり、並設アウタ部102,102の間にスペーサを介在させたりすることにより、独立した並設アウタ部102,102が輪軸連結部材32に対してそれぞれ適切な位置に圧入固定されるようにすることもできる。

0066

このような本実施形態に従う構造とされた筒形弾性連結装置90によれば、ねじり方向の入力に対するインナ軸部材92とアウタ筒部材94の相対回転を小さな抵抗でスムーズに許容することができる一方、軸直角方向およびこじり方向の入力に対して弾性連結体96のばね定数が大きくされており、硬いばね特性が発揮される。特に、弾性連結体96を構成する二つの並設弾性体100,100が、筒形弾性連結装置90の軸方向中央に対して軸方向両側へ外れた位置に配されていることから、こじり方向の入力に対する硬いばね特性をより設定し易くなり得る。

0067

なお、本実施形態では、並設インナ部98と並設アウタ部102と並設弾性体100とで構成される部分の二組によって、第一の実施形態の筒形弾性連結装置10に相当する構造が二つ設けられた例を示したが、並設インナ部98と並設アウタ部102と並設弾性体100とで構成される部分の三組以上によって、第一の実施形態の筒形弾性連結装置10に相当する構造が三つ以上設けられていても良い。また、筒形弾性連結装置10に相当する構造に代えて或いは加えて、第二,第三の実施形態の筒形弾性連結装置50,70に相当する構造を複数備える筒形弾性連結装置も採用され得る。並設される複数の並設インナ部は必ずしも同じ構造を採用する必要はなく、複数が並設される並設アウタ部についても異なる構造を組み合わせて採用することが可能であり、特性や構造が異なる複数種類の並設弾性体を組み合わせて採用することもできる。

0068

また、本実施形態では、複数の凹面22が互いに独立して形成される部材(並設インナ部98)に一つずつ独立して形成された構造を例示したが、複数の凹面22が一つの部材に形成される構造も採用され得る。同様に、複数の凸面26は、必ずしも相互に独立して形成される部材(並設アウタ部102)に一つずつ形成される構造には限定されず、一つの部材に複数の凸面26を形成することもできる。加えて、複数の凹面22と複数の凸面26の対向面間に配される弾性連結体は、本実施形態で例示したような各対向面間ごとに独立した複数の並設弾性体100を備える構造の他、各対向面間に一体で連続して配される構造も採用され得る。

0069

以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、弾性連結体16は、必ずしも凹面22に加硫接着されていなくても良く、例えば、凹面22に対して非接着で嵌合されるなどして機械的に固定されていても良い。また、弾性連結体16がアウタ筒部材14の凸面26に固定されると共に、インナ軸部材12の凹面22が弾性連結体16に対して摺動可能とされた構造も採用され得る。

0070

また、第一の実施形態では、インナ軸部材12に弾性連結体16が加硫接着された状態で、インナ軸部材12がアウタ筒部材14に挿通配置される例を示したが、インナ軸部材12をアウタ筒部材14に挿通配置した状態で、それらインナ軸部材12とアウタ筒部材14の間に弾性連結体16を後形成しても良い。これによれば、例えば、弾性連結体16の成形後収縮によって、弾性連結体16をインナ軸部材12の凹面22に嵌着させると共に、弾性連結体16をアウタ筒部材14の凸面26に対して摺動可能とすることもできる。

0071

また、第一の実施形態では、凹面22が軸方向に分割されていたが、例えば、凸面26の突出先端におけるアウタ筒部材14の内径寸法をインナ軸部材12の最大外径寸法よりも大きくして、インナ軸部材12をアウタ筒部材14に挿通し、インナ軸部材12に外挿配置されたアウタ筒部材14を縮径加工することにより、凸面26を凹面22の開口より内周へ差し入れることも可能である。なお、凹面22が軸方向に分割されていない構造では、内筒連結部材20を省略して、インナ軸部材12の全体を一つの部材で構成することができる。

0072

また、前記実施形態において内筒連結部材を設けることなく、複数の分割内筒部材を筒形弾性連結装置が装着される輪軸やロッドなどに直接に外嵌固定しても良い。

0073

また、前記実施形態では、本発明に係る筒形弾性連結装置を鉄道用の操舵台車に適用した例を示したが、本発明に係る筒形弾性連結装置は、鉄道用の非操舵台車におけるリンク機構や、ロボットアームの関節部などにも適用され得る。なお、本発明に係る筒形弾性連結装置は、二つのリンクを一軸回り傾動可能に接続する各種公知の一自由度平面リンクリンク連結部分に適用することができる。

0074

10,50,70,90:筒形弾性連結装置、12,52,72,92:インナ軸部材、14,54,74,94:アウタ筒部材、16,96:弾性連結体、18,56,76:分割内筒部材、20:内筒連結部材、22,58,78:凹面、26,60,80:凸面、28:集電梁、30:輪軸、32:輪軸連結部材、98:並設インナ部、100:並設弾性体、102:並設アウタ部

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