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技術 粉末コーティング装置

出願人 株式会社フルヤ金属
発明者 丸子智弘伊藤あみ子地主啓一郎熊谷清明
出願日 2015年12月25日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2015-253095
公開日 2017年6月29日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-115214
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着
主要キーワード 水準位置 回転バレル内 粉末コーティング装置 各螺旋溝 刷毛状 粉末凝集 ターゲットユニット ヘラ状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

粉末バレルに付着してスパッタリング装置照射領域を超えて迫り上がることを抑制することができる粉末コーティング装置の提供。

解決手段

バレル3と、バレル3内を真空引きする排気手段4と、バレル3内に設置されたスパッタリング装置2と、を有し、バレル3が、主軸Cが水平方向を向いており、かつ、主軸Cを中心に回転し、スパッタリング装置が、バレル3に入れられた粉末7の表面にコーティング膜を形成する粉末コーティング装置100において、粉末コーティング装置100は、バレル3の内壁3aのうち、バレル3の回転によって上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される少なくとも1つの粉末上昇抑制部品20と支持部21とを有し、支持部21は、バレル3が回転する時に、主軸Cに対する粉末上昇抑制部品20の位置を固定する粉末コーティング装置100。

概要

背景

粉末に機能を与えるために、粒子の表面に薄膜コーティングする場合がある。乾式法でコーティングする技術としてスパッタリング法があり、スパッタリング法を用いた粉末へのコーティング装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。

特許文献1では、粉末コーティング装置攪拌板及びスクレーパを設置し、粉末コーティング装置内を往復動させることによって、装入された原料粉末を等しくスパッタリングに晒すことができる装置が開示されている。ここで、攪拌板によって流動層攪拌するとともに、スクレーパによって回転バレル内面に付着して回転バレルと共回りする粉末粒子そぎ落として流動層に戻す。これによって、個々の粉末粒子に対して均一なコーティング層が形成され、高品質コーティング粉末が高い歩留まりで得られることが記載されている。

概要

粉末がバレルに付着してスパッタリング装置照射領域を超えて迫り上がることを抑制することができる粉末コーティング装置の提供。バレル3と、バレル3内を真空引きする排気手段4と、バレル3内に設置されたスパッタリング装置2と、を有し、バレル3が、主軸Cが水平方向を向いており、かつ、主軸Cを中心に回転し、スパッタリング装置が、バレル3に入れられた粉末7の表面にコーティング膜を形成する粉末コーティング装置100において、粉末コーティング装置100は、バレル3の内壁3aのうち、バレル3の回転によって上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される少なくとも1つの粉末上昇抑制部品20と支持部21とを有し、支持部21は、バレル3が回転する時に、主軸Cに対する粉末上昇抑制部品20の位置を固定する粉末コーティング装置100。

目的

本発明の目的は、粉末がバレルに付着してスパッタリング装置の照射領域を超えて迫り上がることを抑制することができる粉末コーティング装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バレルと、該バレル内真空引きする排気手段と、前記バレル内に設置されたスパッタリング装置と、を有し、前記バレルは、主軸が水平方向を向いており、かつ、該主軸を中心に回転し、前記スパッタリング装置は、前記バレルに入れられた粉末の表面にコーティング膜を形成する粉末コーティング装置において、該粉末コーティング装置は、前記バレルの内壁のうち、前記バレルの回転によって上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される少なくとも1つの粉末上昇抑制部品と該粉末上昇抑制部品を支持する支持部とを有し、該支持部は、前記バレルが回転する時に、前記主軸に対する前記粉末上昇抑制部品の位置を固定することを特徴とする粉末コーティング装置。

請求項2

前記粉末コーティング装置は、粉末凝集抑制部品及び粉末位置調整部品のいずれか一方又は両方を更に有し、前記粉末凝集抑制部品及び前記粉末位置調整部品は、前記バレルの内壁に接触状態又は非接触状態で配置され、かつ、前記粉末上昇抑制部品よりも下方の位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の粉末コーティング装置。

請求項3

前記粉末上昇抑制部品は、前記バレルの主軸に平行な自転軸と該自転軸を中心に前記粉末上昇抑制部品を回転させる回転機構とを有し、該回転機構の回転方向は、前記バレルの回転方向とは反対方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉末コーティング装置。

請求項4

前記粉末凝集抑制部品は、前記バレルの主軸に平行な自転軸と該自転軸を中心に前記粉末凝集抑制部品を回転させる回転機構とを有し、該回転機構の回転方向は、前記バレルの回転方向と同一方向であることを特徴とする請求項2又は3に記載の粉末コーティング装置。

請求項5

前記バレルは、第一方向及び該第一方向とは反対の第二方向に交互に回転し、前記粉末上昇抑制部品は、前記バレルが前記第一方向に回転するときに上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される第一粉末上昇抑制部品と、前記バレルが前記第二方向に回転するときに上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される第二粉末上昇抑制部品とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の粉末コーティング装置。

請求項6

前記粉末上昇抑制部品、粉末凝集抑制部品及び粉末位置調整部品のうち少なくとも一つを振動させる振動機構を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の粉末コーティング装置。

請求項7

前記粉末上昇抑制部品が棒状であるとき、前記粉末上昇抑制部品の少なくとも前記粉末が接触する部分の表面粗さは、0.1μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の粉末コーティング装置。

請求項8

前記粉末凝集抑制部品が棒状であるとき、前記粉末凝集抑制部品の少なくとも前記粉末が接触する部分の表面粗さは、0.1μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一つに記載の粉末コーティング装置。

請求項9

前記粉末位置調整部品は、外周面螺旋溝を有する少なくとも1本のねじ棒であり、該ねじ棒は、前記バレルの主軸に平行な自転軸を有し、前記螺旋溝の中に入った前記粉末の搬送方向が前記スパッタリング装置の照射領域の中央側に向かう方向となるように回転することを特徴とする請求項2〜8のいずれか一つに記載の粉末コーティング装置。

請求項10

前記粉末上昇抑制部品は、前記スパッタリング装置の各ターゲット面を該ターゲット面の法線方向に平行に前記バレルの内壁へ投影したすべての投影面から外れた位置、かつ、前記ターゲット面に接するとともに前記ターゲット面の法線に直交する仮想平面と前記バレルの内壁面とのすべての交線よりも下方の位置に配置されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の粉末コーティング装置。

技術分野

0001

本発明は、粉末の各粒子の表面に薄膜コーティングするための粉末コーティング装置に関する。

背景技術

0002

粉末に機能を与えるために、粒子の表面に薄膜をコーティングする場合がある。乾式法でコーティングする技術としてスパッタリング法があり、スパッタリング法を用いた粉末へのコーティング装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。

0003

特許文献1では、粉末コーティング装置に攪拌板及びスクレーパを設置し、粉末コーティング装置内を往復動させることによって、装入された原料粉末を等しくスパッタリングに晒すことができる装置が開示されている。ここで、攪拌板によって流動層攪拌するとともに、スクレーパによって回転バレル内面に付着して回転バレルと共回りする粉末粒子そぎ落として流動層に戻す。これによって、個々の粉末粒子に対して均一なコーティング層が形成され、高品質コーティング粉末が高い歩留まりで得られることが記載されている。

先行技術

0004

特開平5‐271922号公報

発明が解決しようとする課題

0005

スパッタリング装置では、粉末は、常に、スパッタリング装置の照射領域内に配置されることが均一なコーティング層を形成する上で重要である。しかし、特許文献1では、回転バレルに付着して照射領域の外に出た粉末を、スクレーパによって事後的にそぎ落とす技術であり、スクレーパは往復動するため、粉末を常に照射領域内に配置することはできない。

0006

本発明の目的は、粉末がバレルに付着してスパッタリング装置の照射領域を超えて迫り上がることを抑制することができる粉末コーティング装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る粉末コーティング装置は、バレルと、該バレル内真空引きする排気手段と、前記バレル内に設置されたスパッタリング装置と、を有し、前記バレルは、主軸が水平方向を向いており、かつ、該主軸を中心に回転し、前記スパッタリング装置は、前記バレルに入れられた粉末の表面にコーティング膜を形成する粉末コーティング装置において、該粉末コーティング装置は、前記バレルの内壁のうち、前記バレルの回転によって上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される少なくとも1つの粉末上昇抑制部品と該粉末上昇抑制部品を支持する支持部とを有し、該支持部は、前記バレルが回転する時に、前記主軸に対する前記粉末上昇抑制部品の位置を固定することを特徴とする。

0008

本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末コーティング装置は、粉末凝集抑制部品及び粉末位置調整部品のいずれか一方又は両方を更に有し、前記粉末凝集抑制部品及び前記粉末位置調整部品は、前記バレルの内壁に接触状態又は非接触状態で配置され、かつ、前記粉末上昇抑制部品よりも下方の位置に配置されることが好ましい。粉末凝集抑制部品によって粉末の凝集を分離して凝集を抑制することができ、粉末位置調整部品によって粉末をスパッタリング装置の照射領域の中央部へ集めることができる。

0009

本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末上昇抑制部品は、前記バレルの主軸に平行な自転軸と該自転軸を中心に前記粉末上昇抑制部品を回転させる回転機構とを有し、該回転機構の回転方向は、前記バレルの回転方向とは反対方向であることが好ましい。粉末の迫り上がりをより抑制することができる。

0010

本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末凝集抑制部品は、前記バレルの主軸に平行な自転軸と該自転軸を中心に前記粉末凝集抑制部品を回転させる回転機構とを有し、該回転機構の回転方向は、前記バレルの回転方向と同一方向であることが好ましい。粉末の凝集をより抑制することができる。

0011

本発明に係る粉末コーティング装置では、前記バレルは、第一方向及び該第一方向とは反対の第二方向に交互に回転し、前記粉末上昇抑制部品は、前記バレルが前記第一方向に回転するときに上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される第一粉末上昇抑制部品と、前記バレルが前記第二方向に回転するときに上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される第二粉末上昇抑制部品とを含むことが好ましい。第一方向及び第二方向のいずれに回転する場合であっても、粉末の迫り上がりを抑制することができる。

0012

本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末上昇抑制部品、粉末凝集抑制部品及び粉末位置調整部品のうち少なくとも一つを振動させる振動機構を有することが好ましい。粉末上昇抑制部品に振動機構を設けることで、粉末の迫り上がりをより抑制することができる。また、部品に粉末が付着することを抑制することができる。

0013

本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末上昇抑制部品が棒状であるとき、前記粉末上昇抑制部品の少なくとも前記粉末が接触する部分の表面粗さは、0.1μm以上500μm以下であることが好ましい。粉末の迫り上がりをより抑制することができる。

0014

本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末凝集抑制部品が棒状であるとき、前記粉末凝集抑制部品の少なくとも前記粉末が接触する部分の表面粗さは、0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。粉末の凝集体をより解砕しやすくなり、凝集をより抑制することができる。

0015

本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末位置調整部品は、外周面螺旋溝を有する少なくとも1本のねじ棒であり、該ねじ棒は、前記バレルの主軸に平行な自転軸を有し、前記螺旋溝の中に入った前記粉末の搬送方向が前記スパッタリング装置の照射領域の中央側に向かう方向となるように回転することが好ましい。粉末をスパッタリング装置の照射領域の中央部に集めることができる。

0016

本発明に係る粉末コーティング装置では、前記粉末上昇抑制部品は、前記スパッタリング装置の各ターゲット面を該ターゲット面の法線方向に平行に前記バレルの内壁へ投影したすべての投影面から外れた位置、かつ、前記ターゲット面に接するとともに前記ターゲット面の法線に直交する仮想平面と前記バレルの内壁面とのすべての交線よりも下方の位置に配置されることが好ましい。粉末をより確実にスパッタリング装置の照射領域内に配置することができる。

発明の効果

0017

本発明は、粉末がバレルに付着してスパッタリング装置の照射領域を超えて迫り上がることを抑制することができる粉末コーティング装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

本実施形態に係る粉末コーティング装置の全体構成図である。
ターゲットユニット、バレル、粉末上昇抑制部品、粉末凝集抑制部品及び粉末位置調整部品についてのA−A断面の概略図である。
ターゲットユニットとバレルについての斜視概略図である。
ターゲットの向きと粉末の位置との関係を説明するための概略図である。
粉末上昇抑制部品及び粉末凝集抑制部品の一例を示す概略図である。
粉末位置調整部品の一例を示す概略図であり、粉末位置調整部品が2本のねじ棒である場合を示す。
粉末位置調整部品の一例を示す概略図であり、粉末位置調整部品が1本のねじ棒である場合を示す。
粉末上昇抑制部品及び粉末位置調整部品の一例を示す概略図であり、粉末上昇抑制部品が丸棒である場合を示す。
粉末上昇抑制部品及び粉末位置調整部品の一例を示す概略図であり、粉末上昇抑制部品が回転ブラシである場合を示す。
粉末上昇抑制部品、粉末凝集抑制部品又は粉末位置調整部品の自転機構を説明するための概略図である。
バレルが第一方向及び第二方向に回転するときの、粉末上昇抑制部品、粉末凝集抑制部品及び粉末位置調整部品の配置の一例を示す概略図である。

実施例

0019

次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。

0020

まず、図1図3を用いて、成膜機構について説明する。本実施形態に係る粉末コーティング装置は、粉末の粒子表面全体被膜を施すことができる回転バレル式スパッタリング装置である。ここでは多元スパッタリング装置を例示しながら説明をする。なお、特許文献1に記載の装置は、単元スパッタリング装置である。本実施形態では、多元又は単元のどちらのスパッタリング装置でも粉末の表面を均す機構を装着することができる。

0021

図1に示すように、本実施形態に係る粉末コーティング装置100は、バレル3と、バレル3内を真空引きする排気手段4と、バレル3内に設置されたスパッタリング装置2と、を有し、バレル3は、主軸Cが水平方向を向いており、かつ、主軸Cを中心に回転し、スパッタリング装置2は、バレル3に入れられた粉末7の表面にコーティング膜を形成する。ここで、図2に示すようにスパッタリング装置2a,2b,2cは2つ以上のターゲット6(6a,6b,6c、図2では3つ)を取り付けるために、ターゲット一つに付き固定部10(10a,10b,10c)を1つ有する。また、図3に示すように、スパッタリング装置2a,2b,2cは、固定部10(10a,10b,10c)にターゲット6(6a,6b,6c)を取り付けたときに、各ターゲット6a,6b,6cは、主軸Cの方向に対して同一水準位置に互いに並列に配置されている。

0022

本実施形態に係る粉末コーティング装置100は、粉末の粒子表面全体に被膜を施すことができる回転バレル式多元スパッタリング装置である。この装置は、2つ以上のターゲットを同時にスパッタでき、各ターゲットは個別に電源1と接続されている。例えば、2種類以上のターゲットを装着すれば、複数の物質を同時にスパッタすることが可能である。また、各ターゲットは出力を個別に調整できるので、任意の割合でスパッタすることが可能である。

0023

バレル3は、駆動ロール5a及び従動ロール5bで支持されている。駆動ロール5aは、駆動モーター5からの動力を受けて、バレル3の主軸Cを水平軸として回転させることができる。バレル3には、円筒上端が開口したバレル本体3d及びそれをふさぐ蓋体3eが設けられており、O‐リング(不図示)でシールされている。バレル本体3dの開口部からバレル3内に粉末7を投入する。また、バレル3はバレル本体3d及び蓋体3eを有する代わりに縦割り又は横割りの分割構造を有していてもよく、この場合は分割時に粉末7を投入する。

0024

バレル3は真空容器を兼ねている。真空引きする排気手段4は、バレル3の内部空間のガスを排気する。排気手段4は、真空シール型軸受け4aによって気密保持されている。

0025

バレル3の中に設置されたスパッタリング装置2は、バレル3の外に設置されたスパッタリング電源1に接続されている。スパッタリング電源1は、直流電源又は高周波電源のいずれでもよい。スパッタリング装置2は、真空シール型軸受け1aで気密保持されたアーム1bによってバレル3の中に装入されている。この気密保持されたアーム1bの中には、ターゲット冷却水通路入口1c、ターゲット冷却水通路出口1d及びアルゴンガス入口1eが内蔵されている。

0026

スパッタリング装置2は、バレル3の中に2つ以上設置されており(図2においては、3つのスパッタリング装置2a,2b,2cが設置されている)、これによって、バレル3の中には2つ以上のターゲット6が設置できる(図2においては、3つのターゲット6a,6b,6cが設置されている。)。スパッタリング装置2は、ターゲット一つに付き固定部10(10a,10b,10c)を1つ有している。すなわち、図2では、3つのスパッタリング装置2a,2b,2cがそれぞれ固定部10a,10b,10cを有している。また、スパッタリング装置2a,2b,2cには、それぞれ別々にスパッタリング電源1が接続され、別々に出力が制御される。これによって、スパッタリング装置2は、多元スパッタリング装置となる。

0027

固定部10は、ターゲット6を保持するバッキングプレートである。バッキングプレートの表側には、取付け金具によってターゲット6が取り付けられている。バッキングプレートの表側には、プラズマを発生させるときの対極になるシールドカバーがバッキングプレートと所定の距離を保って取り付けられている。一方、バッキングプレートの裏側には、マグネットを収容する複数の凹部が形成されている。また、バッキングプレートの裏側には、ターゲット冷却水通路入口1c及びターゲット冷却水通路出口1dとつながっている冷却水通路が配置されている。

0028

固定部10にターゲット6を取り付けたときに、図3に示すように、各ターゲット6a,6b,6cは、主軸Cの方向に対して同一水準位置に互いに並列に配置されている。例えば、ターゲット6a,6b,6cの主軸Cの方向における重心位置が互いに揃っていることが好ましい。また、ターゲット6a,6b,6cの主軸Cの方向における大きさが同じ場合には、主軸Cの方向における各ターゲットの両端の位置が互いに揃っていることが好ましい。バレル3は、主軸Cを中心に回転するため、各ターゲット6a,6b,6cを、主軸Cの方向に対して同一水準位置に互いに並列に配置すれば、各ターゲット6a,6b,6cから飛び出したスパッタ粒子は、回転するバレル3に入れられた粉末に、万遍なく当たるため、組成ムラが生じにくい。また、各ターゲット6a,6b,6cの主軸Cの方向の長さは、干渉を避けるため、バレル3の軸方向長さより若干短いことが好ましい。

0029

図3に示したターゲットの配置とせずに、各ターゲットを主軸Cの方向に沿って順に配置すると、粉末が主軸Cの方向に混ざりにくいため、1つのターゲットから飛び出したスパッタ粒子しか当たらず、膜に組成ムラが生じてしまう。すなわち、複数のターゲットから飛び出した複数種類のスパッタ粒子が同時に粉末粒子の表面に到達しないため、均一な合金膜複酸化物膜、複窒化物膜、又は、複炭化物膜を作ることができない。仮に各ターゲットを主軸Cの方向に沿って順に配置し、各ターゲットから飛び出したターゲット粒子が所定の領域に集まるようにターゲット面の向きを調整すれば、上記問題は解決するが、その領域は主軸C方向においてバレル側壁の一部分に限られてしまう。そうすると、バレルの容積当たり処理可能な粉末量が少量となってしまうため、生産性が劣る。同じ種類のターゲットを用いたとしても同様に生産性が劣る。

0030

次に図4を参照する。図4は、ターゲットの向きと粉末の位置との関係を説明するための概略図である。本実施形態に係る粉末コーティング装置100では、図4に示すように、各ターゲット6a,6b,6cは、ターゲット面の法線ha,hb,hcと平行にターゲット面をバレル3の内壁3aに向かって投影したときに、内壁3aに到達する手前で投影図が重なり合う向きに向けられていることが好ましい。各ターゲット6a,6b,6cから飛び出した元素(スパッタ粒子)が、バレル3に入れられた粉末7に対してより混ざり合った状態で到達するため、各ターゲットから万遍なくそれぞれの元素を取り込んだ薄膜を粉末の粒子の表面に成膜することができる。内壁3aに到達する手前とは、具体的には、粉末7の表面であることが好ましく、例えばバレル3の半径(主軸Cと内壁3aとの距離)をrとすると、内壁3aから主軸Cに向かって0.05r〜0.15rの範囲である。また、各ターゲット6a,6b,6cは、ターゲット面の重心を通る法線が内壁3a上又は粉末7の粒子の表面上で重なり合う向きに向けられていることがより好ましい。図3では、ターゲット面の重心を通る法線(ha,hb,hc)が粉末の粒子の表面上で重なり合う向きに向けられている形態を図示した。各ターゲット6a,6b,6cの大きさが揃っていない場合であっても、各ターゲット6a,6b,6cから飛び出した元素がより混ざり合って粉末に到達することが可能となる。さらに内壁3a上又は粉末の粒子の表面上で投影図が完全に重なり合うように、ターゲットの大きさ又はシールドカバーの開口部、及び、ターゲットの向きを設定することが好ましく、この場合、膜の組成ムラが一層抑制される。

0031

本実施形態に係る粉末コーティング装置100では、各ターゲット6a,6b,6cは、組成が互いに異なることが好ましい。合金膜、複酸化物膜、複窒化物膜、又は、複炭化物膜などを成膜する際に組成ムラを少なくすることができる。合金膜としては、白金ターゲットと金ターゲットを用いてPt‐Au合金膜をガラスビーズの表面に成膜する例がある。なお、各ターゲット6a,6b,6cの組成を同じとすれば、所定時間内での成膜量を増やしたことと同じ効果が得られる。すなわち、成膜速度を上げることができる。各ターゲット6a,6b,6cの組成の組み合わせは、適宜選択することができるが、例えばSiO2,TiO2など酸化物ターゲットを用いる場合、成膜速度が遅いため,2枚又は3枚同時スパッタすることによって、成膜速度を上げることが出来る。例えば、ターゲットが3枚のとき、各ターゲット(6a,6b,6c)を(SiO2,SiO2,SiO2)、(TiO2,TiO2,TiO2)などにする。また,成膜速度の速いターゲット(例えば金属)と成膜速度の遅いターゲット(例えば酸化物)を用いて複合膜を形成したい場合、成膜速度の遅いターゲットの速度を相対的に上げるため、成膜速度の遅いターゲットの枚数を成膜速度の速いターゲットの枚数よりも多くセットする。例えば、ターゲットが3枚のとき、成膜速度の遅いターゲットを2枚セットし、成膜速度の速いターゲットを1枚セットする。一例をあげれば、各ターゲット(6a,6b,6c)を(Pt,SiO2,SiO2)にする。

0032

各スパッタリング装置2a,2b,2cは角度調整機構(不図示)を有することが好ましい。角度調整機構は、特に限定されないが、各スパッタリング装置2a,2b,2cがターゲットユニット2Uに組み込まれ、各スパッタリング装置2a,2b,2cの相対的な向きが固定化されていることが好ましい。

0033

次に、粉末コーティング装置100のバレル内に配置される各部品(粉末上昇抑制部品20、粉末凝集抑制部品30及び粉末位置調整部品40)について説明する。本実施形態では、粉末コーティング装置100のバレル内に配置される各部品の組合せは、粉末上昇抑制部品20だけ、粉末上昇抑制部品20と粉末凝集抑制部品30との組合せ、粉末上昇抑制部品20と粉末位置調整部品40との組合せ、又は粉末上昇抑制部品20と粉末凝集抑制部品30と粉末位置調整部品40との組合せである。

0034

本実施形態に係る粉末コーティング装置100では、図1及び図4に示すように、バレル3の内壁3aのうち、バレル3の回転によって上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される少なくとも1つの粉末上昇抑制部品20と粉末上昇抑制部品20を支持する支持部21とを有し、支持部21は、バレル3が回転する時に、主軸Cに対する粉末上昇抑制部品20の位置を固定する。

0035

粉末上昇抑制部品20は、粉末7が迫り上がる上限位置を定める部品である。粉末上昇抑制部品20は、図4ではヘラ状である形態を示したが、これに限定されず、棒状、刷毛状、又は回転ブラシ状であってもよい。粉末上昇抑制部品20が棒状であるとき、断面の形状が円形半円形楕円形半楕円形又は、三角形四角形などの多角形である形態がある。

0036

粉末上昇抑制部品20は、バレル3の内壁3aに接触状態又は非接触状態で配置される。本明細書において、バレル3の内壁3aは、バレル3の内側側壁、すなわち、バレル3の主軸Cに平行な面(側面)の内壁である。粉末上昇抑制部品20がバレル3の内壁3aに接触状態で配置されるとき、バレル3の内壁3aから受ける垂直抗力が略0となるように接触することが好ましい。粉末上昇抑制部品20が刷毛タイプ又は回転ブラシタイプであるときは、刷毛又はブラシの毛先がバレル3の内壁3aに接していることが好ましい。また、粉末上昇抑制部品20が、バレル3の内壁3aに非接触状態で配置されるとき、粉末7がバレル3の内壁3aと粉末上昇抑制部品20の側面との間をすり抜けない程度の間隔が開いていることが好ましい。当該間隔は、特に限定されないが、バレル3の内壁3aと粉末上昇抑制部品20の側面との距離が0μmを超え1000μm以下であることが好ましく、10μm以上500μm以下であることがより好ましい。

0037

支持部21は、例えばアームであり、バレル3が回転する時に、バレルの主軸Cに対する粉末上昇抑制部品20の位置を固定する。そうすることで、粉末上昇抑制部品20が、バレル3の回転によって粉末7がバレル3に付着して迫り上がってしまうことを阻止できる。支持部21が固定される位置は、バレル3が回転してもそれと一緒に動かない部分であればよく、例えば、図1では、スパッタリング装置2を支持している部分である。

0038

図5に示すように、粉末上昇抑制部品20は、バレル3の主軸Cに平行な自転軸c1と自転軸c1を中心に粉末上昇抑制部品20を回転させる回転機構(不図示)とを有し、回転機構の回転方向r1は、バレル3の回転方向Rとは反対方向であることが好ましい。粉末7がバレル3に付着して迫り上がることを更に抑制することができる。粉末上昇抑制部品20の回転速度は、バレル3の回転速度よりも速いことが好ましい。これによって、粉末7の迫り上がりをより抑制することができる。

0039

回転機構は、モーターによって直接又は動力伝達によって粉末上昇抑制部品20を回転させる。動力伝達によって回転させるとき、回転機構は、例えば、図10に示すように、攪拌モーター9bと、撹拌モーター9bの回転軸に固定されたスプロケット61と、粉末上昇抑制部品20に固定されたスプロケット62と、スプロケット61,62間に跨って掛けられたチェーン63とを有し、攪拌モーター9bの回転を粉末上昇抑制部品20に伝達させて自転させる機構である。このとき、粉末上昇抑制部品20は、支持部21によってバレル3の回転時にバレルの主軸Cに対する位置が固定されているから、粉末上昇抑制部品20は、固定された場所で回転(自転)する。スプロケット61,62及びチェーン63は支持部21のアームに内蔵されることが好ましい。

0040

粉末上昇抑制部品20の固定位置は、スパッタリング装置100の照射領域の境界位置と一致させることが好ましい。これによって、スパッタ粒子をより効率的に粉末7に照射できる。すなわち、粉末7の迫り上がりを粉末上昇抑制部品20によって滞留させた状態でスパッタ粒子を当てることができるため、スパッタ粒子の照射効率を高めることができる。本明細書において、スパッタリング装置の照射領域とは、粉末7が無い状態において、スパッタ粒子がバレル3の内壁3aに到達する面をいう。スパッタリング装置が多元スパッタリング装置であるとき、スパッタリング装置の照射領域は、スパッタリング装置2a,2b,2cの各ターゲット面6a,6b,6cをターゲット面6a,6b,6cの法線ha,hb,hc方向に平行にバレル3の内壁3aへ投影した投影面がバレル3の内壁3a上で重なり合って形成される面であることがより好ましい。また、スパッタリング装置が単元スパッタリング装置であるとき、スパッタリング装置の照射領域は、スパッタリング装置のターゲット面を当該ターゲット面の法線方向に平行にバレル3の内壁3aへ投影した投影面であることがより好ましい。

0041

図4に示すように、粉末上昇抑制部品20は、スパッタリング装置2a,2b,2cの各ターゲット面6a,6b,6cをターゲット面6a,6b,6cの法線ha,hb,hc方向に平行にバレル3の内壁3aへ投影したすべての投影面から外れた位置、かつ、ターゲット面6a,6b,6cに接するとともにターゲット面6a,6b,6cの法線ha,hb,hcに直交する仮想平面Pa,Pb,Pcとバレル3の内壁3a面とのすべての交線よりも下方の位置S2に配置されることが好ましい。このように配置することによって、粉末7をより確実にスパッタリング装置の照射領域内に配置することができる。

0042

粉末上昇抑制部品20が棒状であるとき、粉末上昇抑制部品20の少なくとも粉末が接触する部分の表面粗さは、0.1μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm以上200μm以下であることがより好ましい。このように、粉末上昇抑制部品20の表面粗さによって、粉末7の迫り上がりをより抑制することができる。粉末上昇抑制部品20の粉末が接触する部分は、例えば、粉末上昇抑制部品20の側面である。

0043

特に、粉末上昇抑制部品20がバレル3の回転方向Rとは反対方向に回転しているとき、粉末上昇抑制部品20の少なくとも粉末が接触する部分の表面粗さを、10μm以上500μm以下とすることで、粉末上昇抑制部品20の回転によって粉末7を飛ばしながら粉末7の迫り上がりを抑制することができる。また、粉末上昇抑制部品20の少なくとも粉末が接触する部分の表面粗さを、0.1μm以上10μm未満とすることで、粉末上昇抑制部品20の回転によって粉末7を粉末上昇抑制部品20の近くに落としながら粉末7の迫り上がりを抑制することができる。

0044

粉末上昇抑制部品20は、バレル3の回転によって上方向に移動する部分の側壁に2本以上並べて配置してもよい(不図示)。2本以上並べて配置する形態は、例えば、粉末上昇抑制部品20として刷毛タイプの部品と、刷毛タイプの部品よりも上方側にヘラタイプ又は丸棒タイプの部品とを並べて配置する形態である。この形態例では、刷毛タイプの部品が取りこぼした粉末7の迫り上がりをヘラタイプ又は丸棒タイプの部品が補助的に抑制することができる。

0045

粉末凝集抑制部品30は、粉末7の凝集を分離して凝集を抑制する部品である。粉末凝集抑制部品30は、例えば、棒状又は板状であることが好ましい。粉末凝集抑制部品30が棒状であるとき、断面の形状が円形、半円形、楕円形、半楕円形又は、三角形・四角形などの多角形である形態がある。また、粉末凝集抑制部品30が板状であるとき、断面の形状が長辺と短辺をもつ矩形である形態がある。

0046

図5に示すように、粉末凝集抑制部品30は、粉末上昇抑制部品20よりも下方の位置に配置されることが好ましい。粉末凝集抑制部品30は、粉末7が堆積するところに配置することがより好ましく、粉末7が堆積してできた粉末7の山の内部に配置されることがより好ましい。

0047

粉末凝集抑制部品30は、バレル3の内壁3aに接触状態又は非接触状態で配置されることが好ましい。粉末凝集抑制部品30がバレル3の内壁3aに接触状態で配置されるとき、バレル3の内壁3aから受ける垂直抗力は、略0となるように接触することが好ましい。また、粉末凝集抑制部品30が自転するときは、粉末凝集抑制部品30がバレル3の内壁3aから受ける垂直効力は、粉末7の粒子自体が砕けない(変形しない)程度の大きさ、又は粉末凝集抑制部品30若しくはバレル3の内壁が傷つかない程度の大きさであってもよい。このとき、粉末7の凝集体はバレル3の内壁3aと粉末凝集抑制部品30の側面との間に入り込んで解砕される。粉末凝集抑制部品30は側面の軸方向の全域でバレル3の内壁3aに接していることが好ましい。また、粉末凝集抑制部品30がバレル3の内壁3aに非接触状態で配置されるとき、バレル3の内壁3aと粉末凝集抑制部品30の側面との距離は、10μm以上3000μm以下であることが好ましく、10μm以上1000μm以下であることがより好ましい。このとき、粉末7の凝集体はバレル3の内壁3aと粉末凝集抑制部品30の側面との間に入り込んで解砕される。

0048

粉末凝集抑制部品30は、バレル3の主軸Cに平行な自転軸c2と自転軸c2を中心に粉末凝集抑制部品30を回転させる回転機構(不図示)とを有し、回転機構の回転方向r2は、バレル3の回転方向Rと同一方向であることが好ましい。これによって、粉末7の凝集をより抑制することができる。粉末凝集抑制部品30がバレル3の内壁3aに接触状態で配置されるとき、粉末凝集抑制部品30の回転速度はバレル3の回転速度と同じであることが好ましい。回転機構は、モーターによって直接又は動力伝達によって粉末凝集抑制部品30を回転させるか、又はバレル3の回転力摩擦によって粉末凝集抑制部品30に伝達されることで、粉末凝集抑制部品30を回転させてもよい。また、粉末凝集抑制部品30がバレル3の内壁3aに非接触状態で配置されるとき、粉末凝集抑制部品30の回転速度はバレル3の回転速度よりも速いことが好ましい。

0049

粉末凝集抑制部品30が棒状であるとき、粉末凝集抑制部品30の少なくとも粉末が接触する部分の表面粗さは、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。このように、粉末凝集抑制部品30の表面を比較的滑らかにすることで、粉末7の凝集をより分離しやすくなり、凝集をより抑制することができる。粉末凝集抑制部品30の粉末が接触する部分は、例えば、粉末凝集抑制部品30の側面である。

0050

粉末位置調整部品40は、粉末をスパッタリング装置の照射領域の中央部へ集める部品である。図6及び図7を用いて、粉末位置調整部品40を説明する。図6及び図7は、粉末位置調整部品40をスパッタリング装置2b(図2に図示)の法線方向から見た平面図であり、粉末位置調整部品40の上に堆積した粉末7は図示を省略して、粉末位置調整部品40を透視させている。また、照射領域Aはバレル3の内壁3a上の面であるが、図6及び図7では、照射領域Aを透視させている。図6に示すように、粉末位置調整部品40は、外周面に螺旋溝を有する少なくとも1本のねじ棒であり(図6では2本、図7では1本)、ねじ棒は、バレル3の主軸Cに平行な自転軸c3を有し、螺旋溝の中に入った粉末7の搬送方向がスパッタリング装置の照射領域Aの中央O側に向かう方向となるように回転することが好ましい。「粉末7の搬送方向が照射領域Aの中央O側に向かう方向となる」とは、照射領域Aの中央Oからみた任意の粉末7の相対的な位置を搬送前後で比較したとき、搬送後の相対的な位置の方が、搬送前の相対的な位置よりも照射領域Aの中央Oに近くなるように粉末7を搬送することをいう。スパッタリング装置が多元スパッタリング装置であるとき、照射領域Aの中央Oは、スパッタリング装置2a,2b,2cの各ターゲット面6a,6b,6cをターゲット面6a,6b,6cの法線ha,hb,hc方向に平行にバレル3の内壁3aへ投影した投影面がバレル3の内壁3a上で重なり合って形成される面の重心であることがより好ましい。また、スパッタリング装置が単元スパッタリング装置であるとき、照射領域Aの中央Oは、スパッタリング装置のターゲット面を当該ターゲット面の法線方向に平行にバレル3の内壁3aへ投影した投影面の重心であることがより好ましい。

0051

螺旋溝の中に入った粉末7の搬送方向がスパッタリング装置の照射領域Aの中央O側に向かう方向となるようにするためのねじ棒の回転方向は、螺旋溝をねじの溝と見立て、スパッタリング装置の照射領域Aの中央O側をねじの先端(ねじの頭部とは反対側の端)側と仮定したとき、ねじを緩める方向である。螺旋溝は、搬送方向に向かって見たとき(ねじの頭部側から見たとき)、ねじ棒の回転方向に対して反対方向にスパッタリング装置の照射領域Aの中央Oに近づくように旋回する。すなわち、ねじ棒の螺旋溝が右ねじであるとき、ねじ棒の回転方向は、搬送方向に向かって見て反時計回り左回り)であり、ねじ棒が左ねじであるとき、ねじ棒の回転方向は、搬送方向に向かって見て時計回り右回り)である。このように回転させることで、ねじ棒の回転運動直線運動に変換させることによって、粉末7が搬送され、粉末7をスパッタリング装置の照射領域Aの中央部に集めることができる。

0052

図6に示すように、粉末位置調整部品40としてねじ棒を2本用いるとき、該2本のねじ棒は、バレル3の主軸C(図1に図示)に平行な同一軸上にそれぞれ自転軸c3を有し、先端同士を相互に向かい合わせに配置され、自転軸c3が回転した時の螺旋溝の中に入った粉末7の搬送方向をねじ棒の先端側に向けて配置されていることが好ましい。2本のねじ棒の組合せは、右ねじと左ねじとの組合せ(図6に図示)であるか、2本の右ねじの組合せ(不図示)であるか、又は2本の左ねじの組合せ(不図示)であってもよい。いずれの組合せであっても、自転軸c3が回転した時の螺旋溝の中に入った粉末7の搬送方向をねじ棒の先端側に向けて配置されていることで、粉末7をねじ棒の先端方向へ搬送することができる。

0053

また、ねじ棒が2本の場合、1組に限らず、2組以上設けてもよい。例えば2組設けることで、粉末7を並行するねじ棒の間に集めつつ、ねじ棒の先端方向へ搬送することができる。

0054

図7に示すように、粉末位置調整部品40としてねじ棒を1本用いるとき、螺旋溝は、ねじ棒の自転軸c3方向の中央部を境として互いに逆方向に傾斜し、各螺旋溝の中に入った粉末7の搬送方向がねじ棒の自転軸c3方向の中央部に向かう方向となるように回転することが好ましい。これによって、粉末7をねじ棒の自転軸c3方向の中央部へ搬送することができる。

0055

図8及び図9に示すように、粉末位置調整部品40は、粉末上昇抑制部品20よりも下方の位置に配置されることが好ましい。粉末位置調整部品40は、粉末7が粉末上昇抑制部品20にあたって下方に落とされて堆積するところに配置することが好ましい。例えば粉末上昇抑制部品20が図8に示すように丸棒状であるとき、粉末7が粉末上昇抑制部品20にあたると粉末7は粉末上昇抑制部品20の近くに落とされて堆積する。これに対して、粉末上昇抑制部品20が図9に示すように回転ブラシ状であるとき、粉末7が粉末上昇抑制部品20にあたると粉末7はブラシの回転で飛ばされて、粉末上昇抑制部品20が丸棒状である場合と比較してより遠くに落とされて堆積する。このように、粉末位置調整部品40の位置は、粉末上昇抑制部品20の形態に応じて適宜調整することが好ましい。また、粉末位置調整部品40は、粉末7が堆積してできた粉末7の山の内部に配置されることがより好ましい。

0056

粉末位置調整部品40は、バレル3の内壁3aに接触状態又は非接触状態で配置されることが好ましい。粉末位置調整部品40がバレル3の内壁3aに接触状態で配置されるとき、バレル3の内壁3aから受ける垂直抗力が略0となるように接触することが好ましい。また、粉末位置調整部品40がバレル3の内壁3aに非接触状態で配置されるとき、バレル3の内壁3aと粉末位置調整部品40の側面との距離は、10μm以上5000μm以下であることが好ましく、10μm以上2000μm以下であることがより好ましい。

0057

粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40は、図1に示した真空シール型軸受け9aによって気密保持された撹拌モーター9bの回転軸に固定され、この回転軸を中心に任意の角度の範囲内を揺動するか、又は粉末上昇抑制部品20と同様にバレル3が回転する時に、主軸Cに対する粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40の位置が固定されていてもよい。

0058

粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40が揺動するとき、その回転軸は、バレル3の回転軸である主軸Cと同軸関係にある。また、本実施形態では、任意の角度の範囲は、バレル回転時における粉末7の存在範囲包含していることが好ましい。揺動角度および揺動速度は、粉末7の凝集状態に応じて適宜調節可能であるが、揺動速度が速すぎて粉末が舞ってしまうことが無い様な速度に設定する必要がある。例えば揺動速度は、2往復/分間に設定するが、1〜10往復/分間であればよい。粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40を間欠的に揺動させてもよい。

0059

一方、粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40が、バレル3の回転時に、バレルの主軸Cに対する位置が固定されているとき、粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40は、バレル3が回転してもそれと一緒に動かない部分に固定されていればよく、例えば、スパッタリング装置2を支持している部分に固定されていてもよい。また、粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40が自転するときは、回転機構(不図示)が、モーターによって直接又は動力伝達によって粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40を回転させるか、又はバレル3の回転力が摩擦によって粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40に伝達されることで、粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40を回転させてもよい。動力伝達によって回転させるとき、回転機構は、例えば、図10に示すように、攪拌モーター9bと、撹拌モーター9bの回転軸に固定されたスプロケット61と、粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40に固定されたスプロケット62と、スプロケット61,62間に跨って掛けられたチェーン63とを有し、攪拌モーター9bの回転を粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40に伝達させて自転させてもよい。

0060

本実施形態に係る粉末コーティング装置100では、粉末上昇抑制部品20、粉末凝集抑制部品30及び粉末位置調整部品40のうち少なくとも一つを振動させる振動機構(不図示)を有することが好ましい。粉末上昇抑制部品20,粉末凝集抑制部品30,粉末位置調整部品40に粉末が付着又は堆積することを抑制することができる。このうち、粉末上昇抑制部品20を振動させる振動機構を有することがより好ましい。粉末上昇抑制部品20を振動させることで、粉末の迫り上がりをより抑制することができる。また、粉末上昇抑制部品20の上に堆積した粉末を振動によって落とすことができる。振動機構は、特に限定されないが、例えば、圧電素子圧電振動子又はモーターである。

0061

粉末上昇抑制部品20、粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40が棒状であり、粉末上昇抑制部品20,粉末凝集抑制部品30,粉末位置調整部品40がバレル3の内壁3aに接触状態で配置されるとき、粉末上昇抑制部品20、粉末凝集抑制部品30又は粉末位置調整部品40の材質は、バレル3の内壁3aの材質と同じであることが好ましい。粉末上昇抑制部品20,粉末凝集抑制部品30,粉末位置調整部品40がバレル3の内壁3aから受ける垂直抗力が大きかったとしても、粉末上昇抑制部品20,粉末凝集抑制部品30,粉末位置調整部品40の表面又はバレル3の内壁3aの表面の傷つきを小さくすることができる。

0062

粉末上昇抑制部品20、粉末凝集抑制部品30及び粉末位置調整部品40の耐熱温度は、100℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましい。常温で成膜するときであってもバレル3内の温度は上昇するところ、粉末上昇抑制部品20,粉末凝集抑制部品30,粉末位置調整部品40の変形を抑制することができる。加熱状態で成膜するときは、その加熱温度に耐えられる耐熱温度を有する粉末上昇抑制部品20,粉末凝集抑制部品30,粉末位置調整部品40を用いる。

0063

ここまで、バレル3が一方の方向Rだけに回転する形態について説明してきたが、バレル3は、図11に示すように、第一方向R1及び第一方向R1とは反対の第二方向R2に交互に回転してもよい。バレル3が、第一方向R1及び第一方向R1とは反対の第二方向R2に交互に回転するとき、粉末上昇抑制部品20は、バレル3が第一方向R1に回転するときに上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される第一粉末上昇抑制部品20aと、バレル3が第二方向R2に回転するときに上方向に移動する部分の内壁に接触状態又は非接触状態で配置される第二粉末上昇抑制部品20bとを含むことが好ましい。第一方向R1及び第二方向R2のいずれに回転する場合であっても、粉末7の迫り上がりを抑制することができる。このとき、粉末上昇抑制部品20(20a,20b)の下方の位置には、それぞれ粉末凝集抑制部品30(30a,30b)及び粉末位置調整部品40(40a,40b)のいずれか一方又は両方を更に有していてもよい。

0064

1スパッタリング電源
1a真空シール型軸受け
1bアーム
1cターゲット冷却水通路入口
1d ターゲット冷却水通路出口
1eアルゴンガス入口
2(2a,2b,2c)スパッタリング装置
3バレル
3a内壁
3d バレル本体
3e 固定部蓋
4排気手段
4a 真空シール型軸受け
5駆動モーター
5a駆動ロール
5b従動ロール
6(6a,6b,6c) ターゲット
7粉末
9b撹拌モーター
10(10a,10b,10c) 固定部
20(20a,20b) 粉末上昇抑制部品
21 支持部
30(30a,30b)粉末凝集抑制部品
40(40a,40b) 粉末位置調整部品
61,62スプロケット
63チェーン
100粉末コーティング装置
C バレルの主軸
c1自転軸
c2 自転軸
c3 自転軸
ha,hb,hc法線
Pa,Pb,Pc仮想平面
A照射領域
O 照射領域の中央

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