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技術 板ガラス製造装置及び板ガラス製造方法

出願人 日本電気硝子株式会社
発明者 山内幸一金谷仁
出願日 2015年12月22日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2015-249843
公開日 2017年6月29日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-114711
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの成形
主要キーワード 温度調整部材 エッジローラ オーバーフロー溝 板ガラス製造装置 成形構造 成形炉 中空構造体 アニーラ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

温度調整部材熱変形を防止することにより、高品質板ガラス成形する。

解決手段

板ガラス製造装置1は、ダウンドロー法により溶融ガラスGMを板ガラスGRに成形する成形体5と、成形体5の下方で板ガラスGRの温度を調整する中空状の一対の温度調整部材7と、温度調整部材7の下方で板ガラスGRを徐冷する徐冷炉3とを備える。温度調整部材7は、炭化ケイ素を含むとともに、内部に連通する複数の開口部20を備える。

概要

背景

周知のように、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機ELディスプレイ(OLED)などのフラットパネルディスプレイFPD)用のガラス基板に代表されるように、各種分野に利用される板ガラスには、表面欠陥うねりに対して厳しい製品品位が要求されるのが実情である。

このような要求を満たすために、板ガラスの製造方法としてダウンドロー法が広く利用されている。このダウンドロー法としては、オーバーフローダウンドロー法スロットダウンドロー法が公知である。

オーバーフローダウンドロー法は、断面が略くさび形成形体の上部に設けられたオーバーフロー溝溶融ガラス流し込み、このオーバーフロー溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを成形体の両側の側壁部に沿って流下させながら、成形体の下端部で融合一体化し、一枚の板ガラスを連続成形するというものである。また、スロットダウンドロー法は、溶融ガラスが供給される成形体の底壁スロット状の開口部が形成され、この開口部を通じて溶融ガラスを流下させることにより一枚の板ガラスを連続成形するというものである。

例えば、オーバーフローダウンドロー法を用いる板ガラス製造装置としては、特許文献1に開示されるように、溶融炉と、撹拌装置と、成形体(オーバーフロー成形構造)と、成形体を覆う隔壁部(マッフル)と、成形体の下方に配置される温度調整部材マッフル扉)とを備えたものがある。

この板ガラス製造装置は、溶融炉から供給される溶融ガラスを、撹拌装置によって十分に均質化した後に、隔壁部内に配置される成形体のオーバーフロー溝()に供給する。その後、溶融ガラスは、オーバーフロー溝の両側に設けられるから溢れ出て、成形体における一対の側壁部を伝って流下する。さらに溶融ガラスは、成形体の下端部(エッジ)にて融合一体化し、これによって板ガラスとして連続成形される。板ガラスは、温度調整部材の間を通過することによって、板厚が一定となるように、その幅方向における温度分布が調整される。

概要

温度調整部材の熱変形を防止することにより、高品質の板ガラスを成形する。板ガラス製造装置1は、ダウンドロー法により溶融ガラスGMを板ガラスGRに成形する成形体5と、成形体5の下方で板ガラスGRの温度を調整する中空状の一対の温度調整部材7と、温度調整部材7の下方で板ガラスGRを徐冷する徐冷炉3とを備える。温度調整部材7は、炭化ケイ素を含むとともに、内部に連通する複数の開口部20を備える。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、温度調整部材の熱変形を防止することにより、高品質の板ガラスを成形することが可能な板ガラス製造装置及び板ガラス製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ダウンドロー法により溶融ガラス板ガラス成形する成形体と、前記成形体の下方で前記板ガラスの温度を調整する中空状の一対の温度調整部材と、前記温度調整部材の下方で前記板ガラスを徐冷する徐冷炉と、を備える板ガラス製造装置において、前記温度調整部材は、炭化ケイ素を含むとともに、その内部に連通する複数の開口部を備えることを特徴とする、板ガラス製造装置。

請求項2

前記温度調整部材は、上壁部と、下壁部と、前記上壁部と前記下壁部とを連結する側壁部と、前記側壁部から所定の間隔をおいて前記上壁部と前記下壁部とを連結する複数の支柱とを備える、請求項1に記載の板ガラス製造装置。

請求項3

前記温度調整部材は、前記上壁部と、前記下壁部と、前記側壁部と、前記支柱とが一体に構成されてなる、請求項2に記載の板ガラス製造装置。

請求項4

ダウンドロー法により溶融ガラスを板ガラスに成形する成形工程と、前記成形工程後に中空状の一対の温度調整部材の間に、前記板ガラスを通過させることにより前記板ガラスの温度を調整する温度調整工程と、前記温度調整工程後に前記板ガラスを徐冷する徐冷工程とを備える板ガラス製造方法において、前記温度調整部材は、炭化ケイ素を含むとともに、その内部に連通する複数の開口部を備えることを特徴とする、板ガラス製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ダウンドロー法によって板ガラス成形する製造技術の改良に関する。

背景技術

0002

周知のように、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機ELディスプレイ(OLED)などのフラットパネルディスプレイFPD)用のガラス基板に代表されるように、各種分野に利用される板ガラスには、表面欠陥うねりに対して厳しい製品品位が要求されるのが実情である。

0003

このような要求を満たすために、板ガラスの製造方法としてダウンドロー法が広く利用されている。このダウンドロー法としては、オーバーフローダウンドロー法スロットダウンドロー法が公知である。

0004

オーバーフローダウンドロー法は、断面が略くさび形成形体の上部に設けられたオーバーフロー溝溶融ガラス流し込み、このオーバーフロー溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを成形体の両側の側壁部に沿って流下させながら、成形体の下端部で融合一体化し、一枚の板ガラスを連続成形するというものである。また、スロットダウンドロー法は、溶融ガラスが供給される成形体の底壁スロット状の開口部が形成され、この開口部を通じて溶融ガラスを流下させることにより一枚の板ガラスを連続成形するというものである。

0005

例えば、オーバーフローダウンドロー法を用いる板ガラス製造装置としては、特許文献1に開示されるように、溶融炉と、撹拌装置と、成形体(オーバーフロー成形構造)と、成形体を覆う隔壁部(マッフル)と、成形体の下方に配置される温度調整部材マッフル扉)とを備えたものがある。

0006

この板ガラス製造装置は、溶融炉から供給される溶融ガラスを、撹拌装置によって十分に均質化した後に、隔壁部内に配置される成形体のオーバーフロー溝()に供給する。その後、溶融ガラスは、オーバーフロー溝の両側に設けられるから溢れ出て、成形体における一対の側壁部を伝って流下する。さらに溶融ガラスは、成形体の下端部(エッジ)にて融合一体化し、これによって板ガラスとして連続成形される。板ガラスは、温度調整部材の間を通過することによって、板厚が一定となるように、その幅方向における温度分布が調整される。

先行技術

0007

特表2009−519884号公報

発明が解決しようとする課題

0008

従来の板ガラス製造装置では、温度調整部材として金属製のものが使用されている。しかしながら、金属製の温度調整部材は、成形体の近傍位置で高温に曝されるため、熱変形を生じ得る。このように温度調整部材に熱変形が生じると、板ガラスに対する温度調整が適切に行われず、板ガラスの品質を低下させてしまうという問題があった。

0009

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、温度調整部材の熱変形を防止することにより、高品質の板ガラスを成形することが可能な板ガラス製造装置及び板ガラス製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ダウンドロー法により溶融ガラスを板ガラスに成形する成形体と、前記成形体の下方で前記板ガラスの温度を調整する中空状の一対の温度調整部材と、前記温度調整部材の下方で前記板ガラスを徐冷する徐冷炉と、を備える板ガラス製造装置において、前記温度調整部材は、炭化ケイ素を含むとともに、その内部に連通する複数の開口部を備えることを特徴とする。

0011

かかる構成によれば、成形体によって成形された板ガラスを一対の温度調整部材の間に通過させることで、成形炉から徐冷炉にかけて適切な温度勾配を構成するように、板ガラスの温度を調整することができる。また、温度調整部材は、板ガラスの幅方向における温度分布が均一となるように温度調整を行うものである。この温度調整部材は、炭化ケイ素を含むことから、金属製のものよりも耐火性に優れ、熱変形を生じ難い。また、温度調整部材に複数の開口部を形成することにより、断熱材や温度制御ユニットを温度調整部材の内部に配置できる。したがって、板ガラスの温度調整を精度良く行うことができ、厚さの均一な高品質の板ガラスを製造できる。

0012

本発明に係る板ガラス製造装置では、前記温度調整部材は、上壁部と、下壁部と、前記上壁部と前記下壁部とを連結する側壁部と、前記側壁部から所定の間隔をおいて前記上壁部と前記下壁部とを連結する複数の支柱とを備えることが望ましい。このように、上壁部と下壁部とを側壁部及び支柱によって連結支持することにより、温度調整部材を熱変形し難い構造体とすることができる。

0013

本発明に係る板ガラス製造装置では、前記温度調整部材は、前記上壁部と、前記下壁部と、前記側壁部と、前記支柱とが一体に構成されてなることが望ましい。これにより、上壁部、下壁部、側壁部及び支柱を接着溶接等によって接合する場合と比較して、温度調整部材を熱変形が生じ難い高強度の構造体とすることができる。温度調整部材は、例えば押出成形により筒状体を構成し、この筒状体を焼成した後にその一部を切除することで、支柱及び開口部を形成することにより形成される。

0014

本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ダウンドロー法により溶融ガラスを板ガラスに成形する成形工程と、前記成形工程後に中空状の一対の温度調整部材の間に、前記板ガラスを通過させることにより前記板ガラスの温度を調整する温度調整工程と、を備える板ガラス製造方法において、前記温度調整部材は、炭化ケイ素を含むとともに、その内部に連通する複数の開口部を備えることを特徴とする。

0015

かかる構成によれば、成形工程によって成形された板ガラスを、温度調整工程において一対の温度調整部材の間に通過させることで、成形工程から徐冷炉にかけて適切な温度勾配を構成するように、板ガラスの温度を調整することができる。また、温度調整部材は、板ガラスの幅方向における温度分布が均一となるように温度調整を行うものである。この温度調整部材は、炭化ケイ素を含むことから、金属製のものよりも耐火性に優れ、熱変形を生じ難い。また、温度調整部材に複数の開口部を形成することにより、断熱材や温度制御ユニットを温度調整部材の内部に配置できる。したがって、板ガラスの温度調整を精度良く行うことができ、厚さの均一な高品質の板ガラスを製造できる。

発明の効果

0016

本発明によれば、温度調整部材の熱変形を防止することにより、高品質の板ガラスを成形できる。

図面の簡単な説明

0017

板ガラス製造装置の一実施形態における縦断側面図である。
図1の板ガラス製造装置における縦断正面図である。
温度調整部材及び支持部材の斜視図である。
温度調整部材の縦断側面図である。
図4のV−V断面図である。
温度調整部材の他の例を示す斜視図である。

実施例

0018

以下、本発明に係る板ガラス製造装置および板ガラス製造方法を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。

0019

図1乃至図6は、本発明に係る板ガラス製造装置の一実施形態を示す。図1及び図2に示すように、板ガラス製造装置1は、溶融ガラスGMを板ガラスGRに成形する成形炉2と、成形炉2の下方で板ガラスGRを徐冷する徐冷炉(アニーラ)3と、成形炉2及び徐冷炉3を覆うケーシング4を主に備える。加えて、図示はしないが、板ガラス製造装置1は、徐冷炉3の下方に、徐冷炉3を通過した板ガラスGRを室温付近まで冷却する冷却炉を備えている。

0020

成形炉2は、オーバーフローダウンドロー法を実行可能な成形体5と、成形体5を覆う隔壁部6と、成形体5の下方に配置される温度調整部材7と、隔壁部6及び温度調整部材7を支持する支持部材8と、温度調整部材7の下方に配置される冷却ローラエッジローラ)9とを備える。

0021

成形体5は、長尺状に構成されるとともに、頂部にその長手方向に沿って形成されたオーバーフロー溝10と、一対の側壁部を構成する垂直面部11及び傾斜面部12を備える。一対の傾斜面部12は、下方に向かって漸次接近することで交差し、成形体5の下端部13を構成している。成形体5のオーバーフロー溝10から溢れ出て、垂直面部11及び傾斜面部12を伝って流下する溶融ガラスGMは、加熱装置14により加熱されることでその粘度が調整されつつ、成形体5の下端部13で融合して一枚の板ガラスGRに成形される。

0022

隔壁部6は、マッフル(muffle)とも呼ばれ、内部に収容する成形体5から溢れ出る溶融ガラスGMを所定の温度に維持するためのものである。隔壁部6は、その外面に加熱装置14を備える。図1に示すように、加熱装置14は、成形体5の両側の垂直面部11及び傾斜面部12に対向するように配置されている。具体的には、加熱装置14は、垂直面部11に対向する位置と、傾斜面部12に対向する位置との上下2列で、複数個隣接配置されている。

0023

温度調整部材7は、隔壁部6の内側で支持部材8に支持されている。温度調整部材7は、上下方向Pにおいて成形体5と徐冷炉3との間に位置しており、徐冷炉3による徐冷が適切に行われるように、成形炉2の冷却ローラ9を通過して下降する板ガラスGRの温度を調整する。温度調整部材7は、隔壁部6と併せてマッフル炉と呼ばれる場合があり、成形炉2における板ガラスGRの出口としてマッフル扉(muffle door)とも呼ばれる。一対の温度調整部材7は、板ガラスGRの温度を調整すべく、その間隔を変更することが可能である。これに限らず、温度調整部材7は、一定の間隔を維持すべく支持部材8に固定されてもよい。

0024

温度調整部材7は、熱伝導性を有する材料、例えば、炭化ケイ素(SiC)を含むセラミックによって構成されることが望ましい。炭化ケイ素は、硬度が高く、耐熱性に優れ(分解温度2545℃)、熱伝導率が高く(焼結体の場合で約270W/m・K)、熱膨張係数が低い(40〜400℃において2.0〜6.0×10−6/℃)などの特徴を有する。

0025

図1乃至図3に示すように、温度調整部材7は、上壁部15と、下壁部16と、上壁部15と下壁部16とを連結する側壁部17と、側壁部17から所定の間隔をおいて上壁部15と下壁部16とを連結する複数の支柱18と、温度調整部材7の長手方向における両端部を閉塞する蓋体19と、複数の支柱18の間に形成される開口部20とを備える。また、温度調整部材7の内部には、温度制御ユニット21が収容されている。

0026

上壁部15、下壁部16及び側壁部17は、板ガラスGRの幅方向Wに沿って長い長方形状に構成されている。上壁部15と下壁部16とは互いに対向し、かつ略平行に設けられ、側壁部17は、上壁部15及び下壁部16に直交するように(直角を為すように)設けられている。

0027

上壁部15、下壁部16、及び側壁部17は、長辺の寸法が約500mm以上5000mm以下、短辺の寸法が約50mm以上300mm以下、厚さ寸法が約5mm以上10mm以下とされているが、これに限定されるものではない。また、上壁部15、下壁部16及び側壁部17は、同じ厚さで構成されているが、これに限らず、これらの厚さを異ならせてもよい。

0028

側壁部17は、上壁部15の短辺における一端部と、下壁部16の短辺における一端部とを連結している。一方、支柱18は、上壁部15の短辺における他端部と、下壁部16の短辺における他端部とを連結している。本実施形態において支柱18は、四角柱状又は長尺の板状に構成されるが、この形状に限定されるものではない。また、支柱18は、一端部と他端部にリブ18a,18bを有する。一方のリブ18aは、支柱18と上壁部15とに一体に形成され、他方のリブ18bは、支柱18と下壁部16とに一体に形成される。

0029

蓋体19は、矩形状の板部材により構成される。本実施形態では、蓋体19は、炭化ケイ素を含むセラミックにより構成されるが、これに限らず、金属その他の材料により構成され得る。

0030

図2及び図3に示すように、開口部20は、四角形状に構成されているが、これに限定されるものではない。複数の開口部20は、温度調整部材7の長手方向に沿って等間隔で形成されている。

0031

なお、温度調整部材7の製造方法には、型成形や押出成形等の任意の成形方法および、任意の切断、孔開け手法を用いて良い。

0032

本実施形態では、温度調整部材7の内部に、各開口部20に対応して温度制御ユニット21が配置される。温度制御ユニット21は、図4及び図5に示すように、加熱器ヒータ)22と、加熱器22を支持する耐火物支持体)23とを有する。

0033

加熱器22は、その先端部が側壁部17の内面から離間された位置に配置されている。耐火物23は、加熱器22の先端部を露出させた状態で、この加熱器22を支持している。また、耐火物23は、加熱器22が温度調整部材7の上壁部15、下壁部16、側壁部17のいずれにも接触しないようにこれを支持する。また、耐火物23は、温度調整部材7の開口部20を閉塞している。これにより、温度調整部材7の内部には、耐火物23、上壁部15、下壁部16及び側壁部17によって囲まれた空間が形成され、加熱器22の端部がこの空間に配置されることになる。

0034

図5に示すように、温度調整部材7の内部には、温度制御ユニット21を支持する耐火物23の間に、耐火ブランケット24が配置されている。本実施形態では、耐火ブランケット24は、支柱18と同位置に配置されているが、この位置に限定されない。耐火ブランケット24は、上壁部15、下壁部16、側壁部17及び支柱18に接触している。

0035

耐火ブランケット24は、温度調整部材7の内部空間を複数のゾーンに区切ることができる。これにより、板ガラスGRの温度調整を好適に行うことができる。すなわち、一対の温度調整部材7の間を通過する板ガラスGRは、その幅方向Wにおける温度が一様ではなく、温度分布に偏りがある。この温度分布の偏りを放置すると、比較的高温の部位の厚さが増大し、比較的低温の部位との間で厚さが異なる状態となる。そうすると、板ガラスGRには、その幅方向Wに沿って板厚が区々となる偏肉が生じてしまう。板ガラスGRの厚さを一定に制御するには、この偏肉を防止する必要がある。

0036

このため、耐火ブランケット24を用いることで、温度調整部材7を長手方向に沿って複数のゾーンに区切ることが望ましい。各ゾーンに温度制御ユニット21を配置することで、ゾーン毎に独立した温度調整を行うことができる。これによって、板ガラスGRの偏肉を防止して、その厚さを均一に維持することが可能になる。

0037

支持部材8は、金属製の板状部材として構成されるとともに、その中央部に、板ガラスGRを通過させることが可能な開口部25を有する。この開口部25の縁部は、ほぼ四角形状に構成されている。開口部25に係る縁部の対向する二辺は、温度調整部材7の長さよりも短く設定される。これにより、支持部材8は、温度調整部材7をその開口部25の一方の縁部から他方の縁部にわたって一対の温度調整部材7を架け渡した状態で、これらを支持できる。換言すれば、支持部材8は、温度調整部材7の端部のみを支持することになる。このように、支持部材8によって、一対の温度調整部材7を支持することにより、これらの温度調整部材7の位置決めを精度良く行うことができる。なお、図1図2に示すように、支持部材8の周縁部は、ケーシング4に支持されている。

0038

冷却ローラ9は、板ガラスGRの収縮を抑制するためのものである。冷却ローラ9は、温度調整部材7の下方に配置されている。この冷却ローラ9は、図1及び図2に示すように、板ガラスGRの幅方向Wにおける両端部を挟持するように二対のローラ対として構成される。

0039

徐冷炉3は、温度調整部材7を経て下降する板ガラスGRを徐冷してその内部歪を除去する。すなわち、徐冷炉3内は、所定の温度勾配を有するように温度設定がなされており、板ガラスGRが下降するにつれて徐々に温度が低下し、これによって板ガラスGRの内部歪が除去されることになる。徐冷炉3は、内部に配置された上下複数段案内ローラ26を介して板ガラスGRを鉛直下方に案内する。

0040

ケーシング4は、上下方向Pに沿って長い中空構造体として構成される。ケーシング4は、その上部において成形炉2を支持している。具体的には、ケーシング4は、成形炉2の支持部材8をその側壁部において支持する。また、ケーシング4の中途部では、その側壁部が徐冷炉3を区画している。

0041

以下、上記構成の板ガラス製造装置1を用いて板ガラスGRを製造する方法について説明する。この製造方法は、オーバーフローダウンドロー法により溶融ガラスGMを板ガラスGRに成形する成形工程と、成形工程後に板ガラスGRの温度を調整する温度調整工程と、温度調整工程後に板ガラスGRを徐冷する徐冷工程とを主に備える。

0042

成形工程では、成形炉2の成形体5に供給された溶融ガラスGMがオーバーフロー溝10から溢れ出て、垂直面部11及び傾斜面部12を伝って流下する。そして、溶融ガラスGMは、成形体5の下端部13において融合一体化して板ガラスGRに成形されるとともに、この板ガラスGRの幅方向Wにおける各端部が冷却ローラ9によって下方に引き抜かれる。

0043

温度調整工程では、冷却ローラ9を経て下降してきた板ガラスGRが一対の温度調整部材7の間を通過する。温度調整部材7は、内部に設けられる複数の温度制御ユニット21により、板ガラスGRの幅方向Wにおける温度が一定となるように調整する。また、温度調整部材7は、側壁部17から板ガラスGRの熱を吸収することによって、この板ガラスGRの温度を徐冷点付近にまで低下させる。

0044

徐冷工程では、温度調整部材7を通過した板ガラスGRが徐冷炉3を通過する。このとき、板ガラスGRは、案内ローラ26によって下方に案内されながら所定の温度勾配に従い徐冷され、その内部歪が除去される。

0045

その後、板ガラスGRは、自然冷却によってさらに冷却され(冷却工程)、所定の寸法に切断され(切断工程)、または、切断されることなくロール状に巻き取られる(巻取工程)。

0046

以上説明した本実施形態に係る板ガラス製造装置1及び板ガラス製造方法によれば、この温度調整部材7は、炭化ケイ素を含むことから、金属製のものよりも耐熱性に優れており、熱変形を防止できる。しかも、温度調整部材7に開口部20を形成することにより、温度制御ユニット21をこの開口部20を通じて温度調整部材7の内部に挿入することができる。このように、温度調整部材7が熱変形を生じることなく、板ガラスGRの幅方向Wにおける温度を一定に調節することで、板ガラスGRの厚さを一定にすることが可能になる。

0047

また、温度調整部材7を、上壁部15、下壁部16、側壁部17及び支柱18により構成することで、熱変形し難い構造体とすることができる。しかも、上壁部15、下壁部16、側壁部17及び支柱18を一体に構成することで、これらを接着、溶接等によって接合する場合と比較して、熱変形が生じ難い高強度の構造体とすることができる。

0048

図6は、温度調整部材7の他の例を示す。この例では、温度調整部材7に、開口部20が上下2段に形成されている。本例では、上下に並ぶ開口部20を通じて、温度制御ユニット21を温度調整部材7の内部に配置することで、上下方向Pにおいて、板ガラスGRの温度を緻密に調整することが可能になる。また、温度調整部材7は、上壁部15と下壁部16を支持する複数の支柱18における中途部同士を繋ぐ連結部27を備える。このように、温度調整部材7は連結部27により補強されており、より熱変形し難い高強度のものとして構成される。

0049

なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

0050

上記の実施形態では、オーバーフローダウンドロー法により、板ガラスGRを製造する例を示したが、これに限定されない。本発明は、スロットダウンドロー法によって板ガラスGRを製造する場合にも適用可能である。

0051

上記の実施形態では、温度調整部材7の内部に温度制御ユニット21及び耐火ブランケット24を配置した例を示したが、これに限定されない。温度調整部材7は、成形される板ガラスGRの温度に応じて、温度制御ユニット21を内部に配置することなく板ガラスGRの温度調整(保温)を行うことができる。また、温度制御ユニット21は、加熱器22の他、冷却器をも含み得る。

0052

上記の実施形態では、一対の温度調整部材7を例示したが、これに限らず、複数対の温度調整部材7を使用してもよい。

0053

1板ガラス製造装置
5成形体
7温度調整部材
15上壁部
16下壁部
17側壁部
18支柱
20 開口部
GM溶融ガラス
GR 板ガラス

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