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技術 車両構造

出願人 ダイハツ工業株式会社
発明者 北野恵睦
出願日 2015年12月25日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-255321
公開日 2017年6月29日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-114458
状態 特許登録済
技術分野 階段・物品収容 椅子の脚、座部、背もたれ及び付属物 乗客設備
主要キーワード 底ボックス 側部板 シートボックス フロア領域 壁状部材 側方ドア 足元領域 座面下方
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月29日)のものです。
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図面 (9)

課題

本発明は、近年のライフスタイルの変化に対応すべく後部座席スペースについて、荷積みの利便性荷台としての機能・空間確保を考慮して設計した車両の後部座席構造を提供する。

解決手段

車室構造は、前部座席と後部座席との間の後席乗員足元フロア領域に後部座席の下方から突出・退入自在であり、少なくとも、略鉛直方向に起立して幅方向に延びて下端で後席乗員足元フロア領域に担持される壁状部材を形成する引出部材と、当壁状部材の後方で連結されて前後方向に延び、後部座席の下方から前後方向に突出・退入する荷物積載部と、を有する荷物収容部を備える、ことを特徴とする。

概要

背景

法律上の制限があり自由度が少ない状態で基本設計を行っている軽自動車基本設計段階において車内スペースの確保は市場性向上の大きな要因である。近年、車内スペースを有効活用し、積載スペースを確保することで、ユーザーの利便性を向上させる車両パッケージング自動車メーカ販売促進における最重要課題の一つとして位置付けられてきている。

このことを踏まえ発明者らは、購買者層として近年増加しているいわゆる「大人世帯」の潜在的な要求に注目した。「大人世帯」とは、未婚成人した子供とその親世代同居している世帯である。このような世帯では、1人または2人での車両使用が中心であり、後席空間を荷台として利用する人が増加している傾向にあり、荷積みの際にバックドアに回り込む手間を回避し、後側方ドアから後席空間に簡便に荷積みするニーズが高まっている。また、後部座席後方の荷台は不要または同じ荷物の置きっぱなし等デッドスペース化している場合も多く、日常の荷台としての必要性は低下している現状もある。また、このことは「大人世帯」以外の購買層でもライフスタイルの変化により今後一層高まってくることが予想される。

その一方、後部座席スペースには後部座席前方に足置き用のフロアスペース(「乗員足元領域」とも称する)があり、荷台として考えた場合、フロアスペースに置いた荷物が運転中に運転席足元まで転がっていくことも考えられる。また、食料品を入れた買い物袋ファッションバッグ等は汚れたフロアスペースに置くことに抵抗感を有する場合があり、シート上に置いても、買い物袋の水滴等で後部座席が汚れたり、シートから転がり落ちることも考えられる。また、フロアスペースと後部座席とは高さ方向に階段状であり、後部座席の前後長を超える荷物を積載し難い。さらに、フロアスペースがあるため後部座席に積載した荷物に前部座席側の乗員の手が届きにくいという問題もある。

従来、このような問題を解決するために、アフターマーケット等でシートボックスやスペースクッションシートアンダートレイ等を購入し設置していたが、非使用時に邪魔になったり、別途置き場の確保や走行中に転がったりすることの弊害も多い。また、アフターマーケットでのその多くは汎用性を持たせた購入品であるため、購入代金支払ったにも関わらず、車両全体デザイン性マッチしないうえ、サイズ的にも車両にフィットしない等の問題もあった。

これに対して特許文献1では、後部座席のシートクッション内の巻き取り装置を用いてシートクッションから可撓性を有するカバー出し入れすることでフロアスペースを覆う装置が提供されている。しかしながら、特許文献1の装置の場合、カバーはあくまで布製等の可撓性を有する目隠しに過ぎず、耐荷重性も弱く積極的に荷物を積載させる目的のものではない。すなわち、上述するような後部座席スペースについて乗員スペースとしてよりも荷台スペースとしての機能を重視する基本設計に基づくようなものではなく、あくまで補助的にフロアスペースを目隠しする程度のものに過ぎない。

また、特許文献2においても前部座席の背面や後部座席の下部から荷物収容部が用意される装置が示されているが、特許文献1の装置と同様にあくまで通常の前部座席と後部座席が存在する車内基本設計に基づくフロアスペースに、補助的・付加的に荷物積載部分を提供するに過ぎず、近年の「大人世帯」に対応するような後部座席スペースを荷台兼ゆったりとした乗車空間領域として基本設計したものではないため、ユーザの潜在ニーズ発掘し、販売促進させるほどのものではない。

概要

本発明は、近年のライフスタイルの変化に対応すべく後部座席スペースについて、荷積みの利便性と荷台としての機能・空間確保を考慮して設計した車両の後部座席構造を提供する。本車室構造は、前部座席と後部座席との間の後席乗員足元フロア領域に後部座席の下方から突出・退入自在であり、少なくとも、略鉛直方向に起立して幅方向に延びて下端で後席乗員足元フロア領域に担持される壁状部材を形成する引出部材と、当壁状部材の後方で連結されて前後方向に延び、後部座席の下方から前後方向に突出・退入する荷物積載部と、を有する荷物収容部を備える、ことを特徴とする。

目的

また、特許文献2においても前部座席の背面や後部座席の下部から荷物収容部が用意される装置が示されているが、特許文献1の装置と同様にあくまで通常の前部座席と後部座席が存在する車内基本設計に基づくフロアスペースに、補助的・付加的に荷物積載部分を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

側方ドアを備えた車両における、前部座席後部座席との間の後席乗員足元フロア領域に後部座席の下方から突出・退入自在であり、少なくとも、略鉛直方向に起立して幅方向に延びて下端で後席乗員足元フロア領域に担持される壁状部材を形成する引出部材と、当壁状部材の後方で連結されて前後方向に延び、後部座席の下方から前後方向に突出・退入する荷物積載部と、を有する荷物収容部を備える、ことを特徴とする車室構造

請求項2

前記荷物積載部は、後部座席の下方から突出・退入して後部座席の座面下方収納される中央板状部材と、を備え、突出時に後席乗員足元フロア領域に対して高さ方向に離間する天板を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の車室構造。

請求項3

前記荷物積載部は、上方に開口する箱形状で突出・退入可能な収納ボックスを形成し、該収納ボックスは、突出時に前記箱形状より深底となる箱形状に変形する、ことを特徴とする請求項1に記載の車室構造。

請求項4

前記荷物積載部は、後部座席の取付脚部間で突出・退入して後部座席の座面下方で収納される中央板状部材と、該中央板状部材の側部両側で幅方向に突出・退入自在な側部板状部材とを備え、突出時に後席乗員足元フロア領域に対して高さ方向に離間する天板を形成する、ことを特徴とする請求項2に記載の車室構造。

請求項5

前記荷物積載部は、上方に開閉可能な蓋部材を備える箱形状で突出・退入可能な収納ボックスを形成し、該収納ボックスは、突出時に前記箱形状より深底となる箱形状に変形する、ことを特徴とする請求項1に記載の車室構造。

請求項6

荷物積載部の側部の一方または両方に、着脱可能な副収容部を備え、副収容部は、上方に開口する箱形状で、当該開口を開閉自在な蓋部材を備えることを特徴とする請求項1乃至5記載の車室構造

技術分野

0001

本発明は、車両の後部座席スペースについて、乗員の着座機能・空間と荷台としての機能・空間および荷積みの利便性両立を考慮して設計した車室構造に関する。

背景技術

0002

法律上の制限があり自由度が少ない状態で基本設計を行っている軽自動車基本設計段階において車内スペースの確保は市場性向上の大きな要因である。近年、車内スペースを有効活用し、積載スペースを確保することで、ユーザーの利便性を向上させる車両パッケージング自動車メーカ販売促進における最重要課題の一つとして位置付けられてきている。

0003

このことを踏まえ発明者らは、購買者層として近年増加しているいわゆる「大人世帯」の潜在的な要求に注目した。「大人世帯」とは、未婚成人した子供とその親世代同居している世帯である。このような世帯では、1人または2人での車両使用が中心であり、後席空間を荷台として利用する人が増加している傾向にあり、荷積みの際にバックドアに回り込む手間を回避し、後側方ドアから後席空間に簡便に荷積みするニーズが高まっている。また、後部座席後方の荷台は不要または同じ荷物の置きっぱなし等デッドスペース化している場合も多く、日常の荷台としての必要性は低下している現状もある。また、このことは「大人世帯」以外の購買層でもライフスタイルの変化により今後一層高まってくることが予想される。

0004

その一方、後部座席スペースには後部座席前方に足置き用のフロアスペース(「乗員足元領域」とも称する)があり、荷台として考えた場合、フロアスペースに置いた荷物が運転中に運転席足元まで転がっていくことも考えられる。また、食料品を入れた買い物袋ファッションバッグ等は汚れたフロアスペースに置くことに抵抗感を有する場合があり、シート上に置いても、買い物袋の水滴等で後部座席が汚れたり、シートから転がり落ちることも考えられる。また、フロアスペースと後部座席とは高さ方向に階段状であり、後部座席の前後長を超える荷物を積載し難い。さらに、フロアスペースがあるため後部座席に積載した荷物に前部座席側の乗員の手が届きにくいという問題もある。

0005

従来、このような問題を解決するために、アフターマーケット等でシートボックスやスペースクッションシートアンダートレイ等を購入し設置していたが、非使用時に邪魔になったり、別途置き場の確保や走行中に転がったりすることの弊害も多い。また、アフターマーケットでのその多くは汎用性を持たせた購入品であるため、購入代金支払ったにも関わらず、車両全体デザイン性マッチしないうえ、サイズ的にも車両にフィットしない等の問題もあった。

0006

これに対して特許文献1では、後部座席のシートクッション内の巻き取り装置を用いてシートクッションから可撓性を有するカバー出し入れすることでフロアスペースを覆う装置が提供されている。しかしながら、特許文献1の装置の場合、カバーはあくまで布製等の可撓性を有する目隠しに過ぎず、耐荷重性も弱く積極的に荷物を積載させる目的のものではない。すなわち、上述するような後部座席スペースについて乗員スペースとしてよりも荷台スペースとしての機能を重視する基本設計に基づくようなものではなく、あくまで補助的にフロアスペースを目隠しする程度のものに過ぎない。

0007

また、特許文献2においても前部座席の背面や後部座席の下部から荷物収容部が用意される装置が示されているが、特許文献1の装置と同様にあくまで通常の前部座席と後部座席が存在する車内基本設計に基づくフロアスペースに、補助的・付加的に荷物積載部分を提供するに過ぎず、近年の「大人世帯」に対応するような後部座席スペースを荷台兼ゆったりとした乗車空間領域として基本設計したものではないため、ユーザの潜在ニーズ発掘し、販売促進させるほどのものではない。

先行技術

0008

実開平4−21714号公報
特開2008−179193号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、上記課題に鑑み創作されたものであり、近年のライフスタイルの変化に対応すべく後部座席スペースについて、乗員の着座機能・空間と荷台としての機能・空間確保および荷積みの利便性を考慮して設計した車両の後部座席構造を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、
後側方ドアを備えた車両における、前部座席と後部座席との間の後席乗員足元フロア領域に後部座席の下方から突出・退入自在であり、少なくとも、
略鉛直方向に起立して幅方向に延びて下端で後席乗員足元フロア領域に担持される壁状部材を形成する引出部材と、
当壁状部材の後方で連結されて前後方向に延び、後部座席の下方から前後方向に突出・退入する荷物積載部と、を有する荷物収容部を備え、荷物積載部にかかる荷重を壁状部材を介して後席乗員足元フロアで支持することができる、ことを特徴とする車室構造を提供している。

0011

本発明によれば、例えば、後部座席を前後スライド可能とし、後方にスライドさせた状態で後席乗員足元フロア領域を拡げておき、後席領域全体を荷積み領域兼ゆったりとした乗車空間領域として位置付けた車両の車室構造を提供することができる。さらに、後方ドアスライドドアとすることで、オープニングの開口部分Aに荷物置き場があり、より便利であるとともに、開いた状態のスイングドアを回り込んで荷積みしたり、バックドアに回り込んで荷積みする手間を省いて荷積みし易い導線を確保できる。

0012

また、後部座席を後方にスライドさせた状態では、後部座席下方から荷物積載部を前部座席後部まで引出しておけば乗員足元フロア領域を荷積み領域とすることができ、前記問題を解消しつつ荷物を置くことができる。さらに、荷物積載は前部座席に近いため前部座席から荷物に手が届き易い荷積領域を提供することもできる。一方、後部座席を前方に寄せ、荷物積載部を退入させておくと、後部座席に乗員を座らせながら、後部荷室空間を拡大することも可能である。したがって、上述したような一人又は二人乗車が多いユーザのライフスタイルにも合致する車室となり、追加乗員が発生したときにも従来車両と同様に乗車させることを可能としている。

0013

また、本車室構造における前記荷物積載部は、
後部座席の下方から突出・退入して後部座席の座面下方収納される中央板状部材と、を備え、
突出時に後席乗員足元フロア領域に対して高さ方向に離間する天板を形成しても良い。

0014

さらに、具体的にこの荷物積載部は、
該中央板状部材の側部両側で幅方向に突出・退入自在な側部板状部材とを備えても良い。

0015

この車室構造によれば、単に後席領域を拡大させて座面と荷物積載部とを荷物の種類によって置きわけることができるのみならず、前後長が座面を超えるような荷物を置くことも容易であり、また前部座席から手を伸ばしたら届くところに荷物(かばん等)を置くこともでき、利便性が向上する。さらに、後部座席の幅と荷物積載部の幅を略同じとできる上に、幅方向に全体に略平坦な荷物置き場ができるため(前後方向には座面と略一体)特に有益である。シートクッションが左右分割してスライドする後部座席の場合には、左右の座席ごとに一対のシートレール取付脚部を有するため、座席下から突出・退入する荷物積載部の幅寸法が小さくなり、左右の荷物積載部間に隙間が発生することから、荷物積載部を引き出した状態で幅方向に拡幅させてもよい。

0016

また、前記荷物積載部は、
上方に開口する又は開閉可能な蓋部材を備える箱形状で突出・退入可能な収納ボックスを形成し、該収納ボックスは、突出時に前記箱形状より深底となる箱形状に変形しても良い。

0017

また、荷物積載部の側部の一方または両方に、着脱可能な副収容部を備え、副収容部は、上方に開口する箱形状で、当該開口を開閉自在な蓋部材を備えることができ、例えば、車幅方向の側部の少なくとも一方の上端縁に、上端縁を回転軸中心とし、回動自在な蓋部材を備えても良く、副収容部の後方の上縁部を回転軸中心とする回動自在な蓋部材を備えても良い。

0018

荷物積載部の側部に、着脱可能な副収容部を備えることで後席足元領域を最大限荷物の収容領域にすることができる。この副収容部は、その上方の開口を開閉自在な蓋部材を設けることで副収容部や側部の荷物積載部を開閉する蓋を備えることができる。

0019

この車室構造の例では、荷物積載部が引き出し式の収納ボックスを形成し、例えば底面を折りたたみ式になっており底面を立ち上げると深底ボックス化するので荷物を安定して収納できる点で有利である。なお、ユーザは車両購入時にそのニーズに応じて、この収納ボックス式の荷物積載部と上述する天板式の荷物積載部とを選択することもできるし、左右の後部座席それぞれに収納ボックス式と天板式とを選択しても良い。

発明の効果

0020

本発明によれば、近年のライフスタイルの変化に対応すべく後席領域全体を荷積み領域兼乗員空間領域として位置付けた車両の車室構造が提供される。

図面の簡単な説明

0021

本発明の車室構造を採用する車両の上視断面の略図である。
本発明の車室構造の第一の実施形態における後部座席を後方に移動させた通常状態を示した斜視図である。
本発明の車室構造の後部座席とこれを滑動させる取付脚部とを示した略上方視である。
本発明の車室構造の第一の実施形態の引出部材と荷物積載部との作動機構を示す荷物収容部を示しており、(a)はその平面視、(b)は側方視を示している。
本発明の車室構造の第二の実施形態における後部座席を後方に移動させた通常状態で荷物収容部を引き出した状態を示した斜視図である。
図5図7に示すような荷物積載部に副収容部を装着した例であり、(a)は荷物積載部の側部に副収容部が装着された状態の後部座席の斜視図、(b)は(a)の副収容部のうち紙面最右側の副収容部の斜視図を示され、(c)は荷物積載部と副収容部とに取り付けた蓋部材の開閉の様子を示す模式図が示され、(d)には(c)の最右側の副収容部30aの蓋部材35a、35bの開閉の様子が示されている。
図5〜6に示すような荷物積載部に前方から開閉する蓋部材を取り付けた状態を示す写真図である。

実施例

0022

次に、図2図4を参照しつつ、それぞれの後部座席3の構造と作動状態を説明する。図2は、後部座席3を後方に移動させた通常状態を示した斜視図である。後部座席3は、乗員が座るクッション9と、クッションから起立し乗員背面を支持するシートバック12と、頭部を支持するヘッドレスト13とで概ね構成されており、クッション9の下部は、取付脚部19(図3参照)に沿って滑動する。これらの構成は通常の後部座席と同様である。

0023

後部座席3のクッション9は図2右シートのように持ち上げてシートバック12に後部座席座面10を当接させておくことも可能である。このとき後部座席3は平坦で硬いクッション支持面14が露出されている。また、クッション9(及びクッション支持面14)は、その下方で車体に結合された支持機構(図示せず)で担持され、支持機構に装着された取付脚部19(図3参照)を介して車長方向に滑動し、これにより後部座席3も前後移動する。クッション9の下方で支持機構に設けられた隙間には荷物積載部17が介挿されている。

0024

荷物積載部17は、前方側先端で引出部材15に結合されており、引出部材15を前後方向に引出す作業に応じて荷物積載部17が後部座席3から突出・退入する(引き出され・押し込まれる)。引出部材15は、乗員足元領域11に対して略垂直に起立した壁状部材であり、突出・退入させやすいようにその下端にキャスター20を取り付けることが好ましい。また、引出部材19の前面中央付近には引出す際の取手としての開閉レバー16が設けられている。この開閉レバー16は引出部材15が押し込まれ荷物積載部17がクッション9下方に収納された状態や、荷物積載部を引き出した状態で、クッション支持面14や支持機構等、後部座席3にロックされる機構を有しているので、走行中の加減速振動により荷物積載部が、意に反して突出・退入することを抑制することができる。

0025

図3は、後部座席3と後部座席3を車長方向に滑動させる取付脚部19とを示した略上方視であり、取付脚部19とシートレッグ22とはその位置を透視図で示している。この図からも明らかなように取付脚部19は、車体(及びフロア)に固定されており、幅方向に平行に離間して左右一対19a、19bに配設されている。荷物積載部17は、この取付脚部19a、19bの間の隙間で突出・退入する。

0026

図4は、引出部材15と荷物積載部17との作動機構を示す荷物収容部を示しており、(a)はその平面視、(b)は側方視を示している。支持機構の上部には荷物積載部17の収容機構23が取り付けられており、収容機構23の天面23aが剛性のある板状部材(図示せず)を介してクッション支持部14を形成する。収容機構23は天面23aの下部および前方が開口し、取付脚部19より狭い幅の枠形状と、その内部に荷物掲載部17を前後方向(図5右方向)に滑動させる機構とを備えている(図示せず)。

0027

図4(a)では、突出時に荷物積載部17が幅方向(矢印A)に拡げられた状態を示している。荷物積載部17は、概ね板状の中央板部材17aと側部板部材17b、cとで構成され、中央板部材17aは中央付近で収容機構23内を突出・退入自在な幅を有している。側部板部材17b、17cは退入時には中央板部材17aに重ねられており(図4(b参照))、突出時には幅方向に滑動して中央板部材17aの両側部からそれぞれ同時に突出する一対17b、17cの略板形状を有している。なお、図4の例では側部板部材17b、17cの幅方向外側は荷物が転落防止用の枠形状を備えている。

0028

この側部板部材17b、17cが突出されると図2に示すように乗員足元領域11の幅方向全体を覆うこととなり、中央板部材17a及び側部板部材17b、17cで略一体の平坦な上げ底の荷物台となる。また、中央板部材17a及び側部板部材17b、17cはクッション支持面14と略平坦なため、中央板部材17a、側部板部材17b、17c及びクッション支持面14の全体として見た場合にも、概ね一体の荷台としても使用することもできる。

0029

次に、他の車室構造およびその荷物積載部の実施形態について説明する。
図5図7を参照しつつ、それぞれの後部座席3の構造を説明する。図5は、後部座席3を後方に移動させた状態(本発明での基本状態)において荷物収容部を引き出した状態を示した斜視図である。図7は、荷物積載部27を示す写真図であり、(a)は突出させたままの状態、(b)は突出させた状態でその底面を立ち上げたときの写真図である。なお、図5図7に示す参照番号のうち図2図4と同一の番号は同種のものである。

0030

図2の実施形態と同様に後部座席3は、乗員が座るクッション9と、乗員背面を支持するシートバック12と、頭部を支持するヘッドレスト13とで概ね構成されており、クッション9の下部は、取付脚部19(図3参照)に沿って滑動する。クッション9は、その下方で車体および乗員足元領域11に連結された支持機構で担持されている。後部座席3は取付脚部19を介して車長方向に滑動し、クッション9の下方で支持機構に設けられた隙間に荷物積載部27が介挿される。荷物積載部27は、前方側先端で引出部材15に結合されており、引出部材15を前後方向に引出す作業に応じて荷物積載部17が後部座席3から突出・退入される。引出部材15も図2同様に、乗員足元領域11に対して略垂直に起立した壁状部材であり、その下端にキャスター20が取り付けられ、前面中央付近には引出す際の取手としての開閉レバー16が設けられている。

0031

また、支持機構の上部には荷物積載部27の収容機構(図4の参照番号23参照)が取り付けられている。収容機構23は、その内部に荷物積載部27を前後方向に滑動させる機構を備えている(図示せず)。荷物積載部27は、上方に開口する箱形状で形成され、収容機構23内を突出・退入自在な幅を有している。荷物積載部27の突出されたままの状態及び退入時の状態は、図2の参照番号27aと図3(a)とで示され、突出された状態でその底部を立ち上げたときの形状は、図2の参照番号27bと図3(b)とで示されている。

0032

なお、図5図6では箱形状の荷物積載部27を示しているが、荷物積載部27は図8に示すように前方から開閉する蓋部材36を備えても良い。この場合、荷物積載部27は収納ボックスとして機能するとともに、蓋部材36が図4に示す荷物積載部17のような荷物の積載面としての機能も同時に有することとなる。図8(a)は荷物積載部27が蓋部材36で閉鎖された積載機能を有する状態、図8(b)は蓋部材36が開放されて荷物積載部27が収納ボックスとして機能する状態を示している。

0033

また、荷物積載部27の側部には着脱可能な副収容部30が装着される場合もある。図6には、図5図7に示すような深底の箱形状の荷物積載部27に副収容部30を装着した例が示されている。なお、図6においても図1図5図7と同一の参照番号は同種の部材を示している。図6(a)には、図5と同様の深底形状27bの荷物積載部27の側部に副収容部30が装着された状態の後部座席の斜視図を例示している。また、図6(b)は、図6(a)の副収容部30のうち図6(a)の紙面最右側の副収容部30aの一例の斜視図を示している。また、図6(c)は、荷物積載部27と副収容部30とに取り付けた蓋部材32の開閉の様子を示す模式図が示されている。さらに、図6(d)には(c)の最右側の副収容部30aの蓋部材35a、35bの開閉の様子を示している。

0034

荷物積載部27は後部座席3の下方で出し入れされるものであり、図6(a)に示すように乗員足元領域11において荷物積載部27の間には車幅方向に隙間が生じる場合が多い。この隙間を有効に活用すべく荷物積載部27の間には副収容部30が装着されている。図6(a)の場合、荷物積載部27aの両側に副収容部30a、30b、荷物積載部27bの両側に副収容部30c、30bが装着されている。各副収容部30a、30b、30cは、樹脂成形で上方が開放された箱形状で構成されており、それぞれ図6(a)に示すようにその上縁部を回動中心として車幅方向や前後方向(矢印参照)に開閉する蓋部材32、37が設けられている。副収容部30a、30b、30cは、それぞれの側面、底面を一体的に成形し、蓋部材32、37をインテグラルヒンジ(図示せず)で一体に成形する場合や、それぞれの側面、底面をヒンジ付きで別体で形成し、成形時にヒンジを組み合わせて折り畳み可能に形成する場合などが考えられる。

0035

なお、各副収容部30a、30b、30cは縫製バッグ33で成形される場合も考えられる。図6(b)では図6(a)の紙面最右側の副収容部30aを例示している。この場合、副収容部30aは固定フック31aと蓋部材32aと縫製のバッグ33とで形成されている。

0036

また、固定フック31aには紙面左側の両角部にフック部34aが設けられ、このフック部34aを荷物積載部27aの紙面右側の上端縁に引っ掛けることで荷物積載部27aに副収容部30aを取り付けている。

0037

さらに、図6(b)に示すように副収容部30aには板状の蓋部材32aを取り付けることもできる。蓋部材32aには固定フック31aのフック部34と反対側(紙面右側)に引っ掛けることができるフック部35aが設けられている。蓋部材32aはそのフック部35aを介して副収容部30aの右上端縁を回転軸中心として開閉可能となっている。

0038

図6(d)では、図6(a)に示す蓋部材32、37のうち車幅方向に開閉する蓋部材32の開閉状態を模式的に示している。蓋部材32aは副収容部30aの右上端縁を回転軸中心として開閉可能となっている。また、蓋部材32bは蓋部材32aと同様に副収容部30aの左上端縁を回転軸中心として隣の荷物積載部27aを開閉可能としている。なお、図6(d)に示すように蓋部材32aは閉鎖時には副収容部30aの上方で互いに重ねられている。

0039

ここで図6(c)(d)を参照しつつ複数の荷物積載部27、副収容部30が進出した状態全体の配列および蓋部材32、37の開閉方向について説明する。具体的には、後部足元領域11では、車幅方向に紙面右(左座席)から順に副収容部30a、荷物積載部27a、副収容部30b、荷物積載部27b、副収容部30cが配設されている。なお、図6(c)に示す副収容部30a〜30cの場合、それぞれ車幅方向に荷物積載部27a、27bの寸法の略半分である。したがって、3つの副収容部30a〜30cで2つの荷物積載部27a、27bの3/4程度の荷物を収納することができる。

0040

蓋部材32aは、そのヒンジ部35aにより副収容部30aの右側上端部に回動可能に接続されてヒンジ部35aを回転軸中心として矢印a方向に回動することで、副収容部30aの上部開口を開閉する。蓋部材32bは、そのヒンジ部35bが副収容部30aの左縁側に引っ掛けられてヒンジ部35bを回転軸中心として矢印b方向に回動することで、荷物積載部27aの上部右側開口を開閉する。蓋部材32cは、そのヒンジ部35cが副収容部30bの右縁側に回動可能に接続されてヒンジ部35cを回転軸中心として矢印c方向に回動することで、荷物積載部27aの上部左側開口を開閉する。蓋部材37は、副収容部30bの後方上縁部のヒンジ部(図示せず)を回転軸中心として矢印d方向(車両前後方向)に回動することで、副収容部30bの上部開口を開閉する。蓋部材32dは、そのヒンジ部35dにより副収容部30bの右側上端部に回動可能に接続されてヒンジ部35dを回転軸中心として矢印e方向に回動することで、荷物積載部27bの上部右側開口を開閉する。

0041

蓋部材32eは、そのヒンジ部35eが副収容部30cの右縁側に回動可能に接続されてヒンジ部35eを回転軸中心として矢印f方向に回動することで、荷物積載部27bの上部左側開口を開閉する。蓋部材32fは、そのヒンジ部35fが副収容部30cの左縁側に回動可能に接続されてヒンジ部35fを回転軸中心として矢印g方向に回動することで、副収容部30cの上部開口を開閉する。

0042

なお、蓋部材32(32a〜32f)、37は、上述するような図4に示す荷物積載部17のようにスライド式のものであっても良い。その場合、中央板部材17aが荷物積載部27の蓋部材となり、そこから車幅方向両側に進出する側部板部材17bが副収容部30の蓋部分を構成する。

0043

以上、図2図4に示す天板形状の荷物積載部17の実施形態と、図5図6に示す浅底・深底の箱形状の荷物積載部27の実施形態と図7に示す副収容部30を備える実施形態との三例を示して説明してきたが、ユーザはそれぞれの利点をライフスタイルに応じて選択することができる。したがって、左右の後部座席3の一方を荷物積載部17とし、他方を荷物積載部27とすることも可能であり、荷物積載部27に副収容部30を取り付けることも可能である。

0044

以上、本発明の車室構造についての2つの実施形態およびその概念について説明してきたが本発明はこれに限定されるものではなく、例えば後部座席座面が左右分割されない一体式ベンチシートや、前後スライド機構を備えない後部座席などは、スライド機構やシートレッグの数が少ない分、座席下の空間の自由度が高いため、より簡素な荷物積載構造を提供することができるなど、特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。

0045

1 車両
2前部座席
3、3’後部座席
4、4’荷物積載領域(荷物積載部17およびクッション支持面14)
5、5スライドドア
6スイングドア
7バックドア
8後方荷台スペース
9 クッション
10 後部座席座面
11乗員足元領域
12シートバック
13ヘッドレスト
14 クッション支持面
15引出部材
16開閉レバー
17 荷物積載部
17a中央板部材
17b側部板部材
19取付脚部
20キャスター
22シートレッグ
23収容機構
27 荷物積載部
27a 中央板部材
27b 側部板部材
30 副収容部
31固定フック
32蓋部材
33バッグ
34フック部
35 フック部
36、37 蓋部材

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