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技術 吸収剤及びその製造方法並びに酸性化合物の分離回収方法

出願人 株式会社神戸製鋼所国立大学法人名古屋大学
発明者 松岡亮岸本啓町田洋堀添浩俊
出願日 2015年12月22日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-249603
公開日 2017年6月29日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-113672
状態 特許登録済
技術分野 廃ガス処理 吸収による気体分離 ガス燃料
主要キーワード 二硫化硫黄 二酸化炭素吸収量 単一液相 体積平均値 マイクロチャネル熱交換器 産業排ガス 分離回収装置 二相分離
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

本発明は、比較的少ない消費エネルギー酸性化合物回収分離できる吸収剤を提供することを課題とする。

解決手段

本発明の吸収剤は、酸性化合物を可逆的に吸収脱離することが可能な吸収剤であって、水、アミン化合物及び有機溶剤を含み、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下であることを特徴とする。上記アミン化合物は2級アミンが好ましい。上記アミン化合物の含有率としては、20質量%以上40質量%以下が好ましい。上記有機溶剤の含有率としては、40質量%以上60質量%以下が好ましい。

概要

背景

酸性化合物を含むガスから酸性化合物を回収する方法として、酸性化合物を吸収するアルカリ性吸収剤を用いて酸性化合物を吸収分離し、酸性化合物を吸収した吸収剤から加熱により酸性化合物を脱離させて回収するガス処理方法が公知である。なお、この酸性化合物とは、水に溶けることで酸を生じる化合物を意味しており、具体的には二酸化炭素硫化水素二硫化硫黄等を挙げることができる。

このようなガス処理方法に用いられる吸収剤としては、水、3級アミン及び有機溶媒を含むものが提案されている(例えば特開2014−36933号公報参照)。この公報に記載の吸収剤は、ガス中に比較的高い分圧で含まれる二酸化炭素を分離回収するのに適するとされている。しかしながら、上記公報に記載の吸収剤は、二酸化炭素の分圧が低い場合には、加熱により二酸化炭素を脱離させるためのエネルギーが相対的に大きくなるため、エネルギー効率が不十分となるおそれがある。

そこで、二酸化炭素等の酸性化合物を吸収剤から脱離させるための加熱エネルギーを低減するために、酸性化合物の含有量が少ない第1の部分と酸性化合物の含有量が豊富な第2の部分とに二相分離する吸収剤を用いるガス脱酸方法が提案されている(例えば特開2006−136885公報参照)。

上記特許公報に記載のガス脱酸方法では、酸性化合物を吸収した吸収剤を酸性化合物に乏しい第1相と酸性化合物に富む2相とに分離し、酸性化合物に富む第2相のみを加熱して酸性化合物を脱離させるすなわち吸収剤の再生を行っている。このように、加熱すべき吸収剤の絶対量を減少させることで、吸収剤の再生に必要となるエネルギー量を低減している。

しかしながら、地球環境への関心の高まりにつれ、ガス中の酸性化合物の分離回収へのニーズは高まっており、より少ない消費エネルギーで酸性化合物を分離回収できる吸収剤が求められている。

概要

本発明は、比較的少ない消費エネルギーで酸性化合物を回収分離できる吸収剤を提供することを課題とする。本発明の吸収剤は、酸性化合物を可逆的に吸収脱離することが可能な吸収剤であって、水、アミン化合物及び有機溶剤を含み、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下であることを特徴とする。上記アミン化合物は2級アミンが好ましい。上記アミン化合物の含有率としては、20質量%以上40質量%以下が好ましい。上記有機溶剤の含有率としては、40質量%以上60質量%以下が好ましい。なし

目的

本発明は、比較的少ない消費エネルギーで酸性化合物を回収分離できる吸収剤及びその製造方法並びに酸性化合物の分離回収方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酸性化合物を可逆的に吸収脱離することが可能な吸収剤であって、水、アミン化合物及び有機溶剤を含み、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下であることを特徴とする吸収剤。

請求項2

上記アミン化合物が2級アミンである請求項1に記載の吸収剤。

請求項3

上記アミン化合物の含有率が20質量%以上40質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の吸収剤。

請求項4

上記有機溶剤の含有率が40質量%以上60質量%以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の吸収剤。

請求項5

酸性化合物を吸収する吸収剤の製造方法であって、水、アミン化合物及び有機溶剤を混合する工程を備え、上記混合するアミン化合物及び有機溶剤を、アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下となるよう選択することを特徴とする吸収剤の製造方法。

請求項6

酸性化合物を含む混合ガスから酸性化合物を選択的に分離回収する方法であって、上記混合ガス及び吸収剤を接触させる工程と、上記接触工程後の吸収剤から酸性化合物を放出する工程とを備え、上記吸収剤が、水、アミン化合物及び有機溶剤を含み、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下であることを特徴とする酸性化合物の分離回収方法

技術分野

0001

本発明は、吸収剤及びその製造方法並びに酸性化合物分離回収方法に関する。

背景技術

0002

酸性化合物を含むガスから酸性化合物を回収する方法として、酸性化合物を吸収するアルカリ性の吸収剤を用いて酸性化合物を吸収分離し、酸性化合物を吸収した吸収剤から加熱により酸性化合物を脱離させて回収するガス処理方法が公知である。なお、この酸性化合物とは、水に溶けることで酸を生じる化合物を意味しており、具体的には二酸化炭素硫化水素二硫化硫黄等を挙げることができる。

0003

このようなガス処理方法に用いられる吸収剤としては、水、3級アミン及び有機溶媒を含むものが提案されている(例えば特開2014−36933号公報参照)。この公報に記載の吸収剤は、ガス中に比較的高い分圧で含まれる二酸化炭素を分離回収するのに適するとされている。しかしながら、上記公報に記載の吸収剤は、二酸化炭素の分圧が低い場合には、加熱により二酸化炭素を脱離させるためのエネルギーが相対的に大きくなるため、エネルギー効率が不十分となるおそれがある。

0004

そこで、二酸化炭素等の酸性化合物を吸収剤から脱離させるための加熱エネルギーを低減するために、酸性化合物の含有量が少ない第1の部分と酸性化合物の含有量が豊富な第2の部分とに二相分離する吸収剤を用いるガス脱酸方法が提案されている(例えば特開2006−136885公報参照)。

0005

上記特許公報に記載のガス脱酸方法では、酸性化合物を吸収した吸収剤を酸性化合物に乏しい第1相と酸性化合物に富む2相とに分離し、酸性化合物に富む第2相のみを加熱して酸性化合物を脱離させるすなわち吸収剤の再生を行っている。このように、加熱すべき吸収剤の絶対量を減少させることで、吸収剤の再生に必要となるエネルギー量を低減している。

0006

しかしながら、地球環境への関心の高まりにつれ、ガス中の酸性化合物の分離回収へのニーズは高まっており、より少ない消費エネルギーで酸性化合物を分離回収できる吸収剤が求められている。

先行技術

0007

特開2014−36933号公報
特開2006−136885公報

発明が解決しようとする課題

0008

上記不都合に鑑みて、本発明は、比較的少ない消費エネルギーで酸性化合物を回収分離できる吸収剤及びその製造方法並びに酸性化合物の分離回収方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するためになされた発明は、酸性化合物を可逆的に吸収脱離することが可能な吸収剤であって、水、アミン化合物及び有機溶剤を含み、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下であることを特徴とする。

0010

当該吸収剤は、水、アミン化合物及び有機溶剤を含み、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が上記範囲内であることによって、酸性化合物の吸収能力に優れ、かつ酸性化合物吸収後の液が酸性化合物の含有率が高い相と酸性化合物の含有率が低い相とに自然と二相分離する。酸性化合物の含有率が高い相に対してのみ酸性化合物の分離処理を行えばよいため、当該吸収剤はプラントを簡素化することができ、かつ従来の吸収剤と比べより低いエネルギーで酸性化合物を脱離させることができる。

0011

上記アミン化合物は2級アミンであることが好ましい。2級アミンを用いた吸収剤は1級のアミン化合物を用いた場合と比べ反応熱が低いため、より低い消費エネルギーで酸性化合物を回収分離でき、3級のアミン化合物を用いた吸収剤と比べ、ガス中の酸性化合物の分圧が比較的低い場合においてより高い酸性化合物の吸収能力を有する。

0012

上記アミン化合物の含有率としては、20質量%以上40質量%以下が好ましい。上記アミン化合物の含有率が上記範囲内であることによって、酸性化合物の吸収能力をより確実に向上できる。

0013

上記有機溶剤の含有率としては、40質量%以上60質量%以下が好ましい。上記有機溶剤の含有率が上記範囲内であることによって、酸性化合物を吸収後の二相分離が促進される。

0014

上記課題を解決するためになされた別の発明は、酸性化合物を吸収する吸収剤の製造方法であって、水、アミン化合物及び有機溶剤を混合する工程を備え、上記混合するアミン化合物及び有機溶剤を、アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下となるよう選択することを特徴とする。

0015

当該吸収剤の製造方法は、上記混合するアミン化合物及び有機溶剤を、アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下となるよう選択する。製造された吸収剤は、酸性化合物の吸収能力に優れ、かつ酸性化合物を吸収後の吸収剤が酸性化合物の含有率が高い相と酸性化合物の含有率が低い相とに容易に二相分離する。よって、当該吸収剤の製造方法は、酸性化合物を脱離させるために必要とされるエネルギーが低いため、比較的低い消費エネルギーで酸性化合物を回収分離できる吸収剤を製造できる。

0016

上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、酸性化合物を含む混合ガスから酸性化合物を選択的に分離回収する方法であって、上記混合ガス及び吸収剤を接触させる工程と、上記接触工程後の吸収剤から酸性化合物を放出する工程とを備え、上記吸収剤が、水、アミン化合物及び有機溶剤を含み、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下であることを特徴とする酸性化合物の分離回収方法である。

0017

当該酸性化合物の分離回収方法は、水、アミン化合物及び有機溶剤を含み、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下である吸収剤を用いることにより、混合ガスからの酸性化合物の吸収能力に優れ、かつ酸性化合物を吸収後の吸収剤が酸性化合物の含有率が高い相と酸性化合物の含有率が低い相とに容易に二相分離するため、従来法より低い消費エネルギーで酸性化合物の回収分離を実現できる。

0018

本発明にて規定する「溶解度パラメータ」とは、Fedors法により算出される溶解度パラメータを意味する。

発明の効果

0019

以上のように、本発明の吸収剤、吸収剤の製造方法によって得られる吸収剤、及び酸性化合物の分離回収方法は、比較的少ない消費エネルギーで酸性化合物を回収分離できる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の一実施形態の吸収剤を用いる酸性化合物の分離回収方法に使用される酸性化合物分離回収装置の構成を示す模式図である。

0021

以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。

0022

[吸収剤]
本発明の一実施形態に係る吸収剤は、酸性化合物を可逆的に吸収脱離することが可能な吸収剤であり、水、アミン化合物及び有機溶剤を含む。

0023

上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値の下限としては、1.1(cal/cm3)1/2であり、1.2(cal/cm3)1/2がより好ましい。一方、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値の上限としては、4.2(cal/cm3)1/2であり、4.0(cal/cm3)1/2がより好ましい。上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が上記下限に満たない場合、当該吸収剤が酸性化合物を吸収しても二相分離しないおそれがある。逆に、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が上記上限を超える場合、当該吸収剤が酸性化合物を吸収する前から二相分離し、上記吸収剤を酸性化合物を含む混合ガスに接触させる工程において、吸収剤と混合ガスとの接触状態が不均一となり、吸収効率が低下するおそれがある。

0024

(アミン化合物)
上記アミン化合物の溶解度パラメータの下限としては、10(cal/cm3)1/2が好ましく、12(cal/cm3)1/2がより好ましい。一方、上記アミン化合物の溶解度パラメータの上限としては、20(cal/cm3)1/2が好ましく、15(cal/cm3)1/2がより好ましい。上記アミン化合物の溶解度パラメータが上記下限に満たない場合、酸性化合物を吸収する前から当該吸収剤が二相分離する。逆に、上記アミン化合物の溶解度パラメータが上記上限を超える場合、酸性化合物の吸収時にも当該吸収剤が二相分離し難くなる。

0025

上記アミン化合物としては、例えば1,3−ジアミノプロパン(DAP)、2−アミノエタノールMEA)、DL−2−アミノ1−プロパノール(AP)、2−(2−アミノエトキシエタノールAEE)、(R)−4−アミノ−2−メチル−1−ブタノール(AMB)等の1級アミン、例えば2−(メチルアミノ)エタノール(MAE)、2−(エチルアミノ)エタノール(EAE)、2−(ブチルアミノ)エタノール(BAE)等の2級アミン、例えばトリエタノールアミン(TEA)、N−メチルジエタノールアミン(MDEA)、テトラメチルエチレンジアミンTEMED)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ヘキサメチルトリエチレンテトラミンビス(2−ジメチルアミノエチルエーテル等の3級アミンなどが挙げられる。

0026

当該吸収剤は、一種又は複数種のアミン化合物を含むことができる。また、当該吸収剤のアミン化合物としては、2級アミンが好ましい。このように2級アミンを用いることによって、酸性化合物の吸収及び脱離の際の反応熱を抑制できる。また、アミン化合物として2級アミンに少量(例えば3質量%以上10質量%以下)の1級アミンを添加したものを使用することにより、2級アミンの酸性化合物の吸収速度を向上することができる。また、アミン化合物として2級アミンに少量の3級アミンを添加したものを使用することもできる。なお、複数種のアミン化合物を用いる場合におけるアミン化合物の溶解度パラメータとしては、各アミン化合物の溶解度パラメータの体積平均値を用いる。

0027

ここで、2級アミンが好ましい理由について酸性化合物として二酸化炭素を吸収する場合を例としてより詳しく説明する。2級アミンは、アミン2分子で二酸化炭素を1分子吸収するカルバメート反応に対するアミン1分子で二酸化炭素を1分子吸収するバイカーボネート反応の割合が高く、1級アミンよりも1mol当たりの二酸化炭素吸収量が多い。また、バイカーボネート反応は、反応熱が低いため、より低い消費エネルギーで酸性化合物を回収分離できる。一方、3級アミンは、バイカーボネート反応のみを生じるため単位量当たりの二酸化炭素吸収量は多くなるものの、低圧での吸収効率が低くなるため、二酸化炭素の分圧が比較的低い場合には却って吸収剤の吸収能力が低くなる。

0028

当該吸収剤におけるアミン化合物の含有率の下限としては、20質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。一方、当該吸収剤におけるアミン化合物の含有率の上限としては、40質量%が好ましく、35質量%がより好ましい。当該吸収剤におけるアミン化合物の含有率が上記下限に満たない場合、酸性化合物の吸収能力が不十分となるおそれがある。逆に、当該吸収剤におけるアミン化合物の含有率が上記上限を超える場合、二相分離による加熱すべき吸収剤量の低減量が小さくなり、消費エネルギー低減効果が不十分となるおそれがある。

0029

(有機溶剤)
有機溶剤としては、上記アミン化合物との溶解度パラメータの差が上記範囲内となるものであればよいが、例えば1−ブタノール、1−ペンタノールオクタノールジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGDEE)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME)等が挙げられ、複数種を混合して用いてもよい。なお、複数種の有機溶剤を用いる場合における有機溶剤の溶解度パラメータとしては、各有機溶剤の溶解度パラメータの体積平均値を用いる。

0030

当該吸収剤における有機溶剤の含有率の下限としては、40質量%が好ましく、45質量%がより好ましい。一方、当該吸収剤における有機溶剤の含有率の上限としては、60質量%が好ましく、55質量%がより好ましい。当該吸収剤における有機溶剤の含有率が上記下限に満たない場合、酸性化合物の吸収による二相分離を促進できないおそれがある。逆に、当該吸収剤における有機溶剤の含有率が上記上限を超える場合、酸性化合物の吸収能力が不十分となるおそれがある。

0031

当該吸収剤は、例えば吸収促進剤酸化防止剤腐食防止剤等の添加剤を適宜含んでもよい。上記吸収促進剤としては、例えばピペラジンを用いることができる。

0032

<吸収剤の製造方法>
当該吸収剤は、水、アミン化合物及び有機溶剤を混合する工程を備え、この混合工程で混合するアミン化合物及び有機溶剤を、アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下となるよう選択する。

0033

このように、アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下となるよう、水に混合するアミン化合物及び有機溶剤を選択することによって、酸性化合物の吸収により二相分離する吸収剤を比較的容易に得ることができる。

0034

[酸性化合物の分離回収方法]
本発明の一実施形態に係る酸性化合物の分離回収方法は、酸性化合物を含む混合ガスから酸性化合物を選択的に分離回収する方法であって、上記混合ガス及び吸収剤を接触させる工程と、上記接触工程後の吸収剤から酸性化合物を放出する工程とを備え、上記吸収剤として、水、アミン化合物及び有機溶剤を含み、上記アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下である当該吸収剤を用いる。

0035

当該酸性化合物の分離回収方法は、例えば図1に図示する酸性化合物分離回収装置を用いて行うことができる。

0036

図1の酸性化合物分離回収装置は、混合ガス(処理対象ガス)と吸収剤とを接触させる吸収器1と、吸収器1で酸性化合物を吸収した吸収剤を酸性化合物の含有率が高い第1相部分及び酸性化合物の含有率が低い第2相部分に分離する液分離器2と、液分離器2で分離された第2相部分を加熱して酸性化合物を脱離(放出)させる再生器3と、液分離器2で分離した第2相部分及び再生器3で酸性化合物を放出した吸収剤を吸収器1に混合ガスと接触させる吸収剤として循環する機構4とを備える。

0037

(混合ガス)
図1の酸性化合物分離回収装置で処理する混合ガスとしては、例えば産業排ガス天然ガス水素ガス等が挙げられる。つまり、図1の酸性化合物分離回収装置は、大気に排出されるガスから有害物質を除去する目的や、例えば燃料等として使用されるガス中の不純物を除去する目的で使用することができる。

0038

<吸収器>
吸収器1は、混合ガスと当該吸収剤とを接触させることにより、混合ガス中の酸性化合物を当該吸収剤に吸収させ、酸性化合物が除去された混合ガスを排出する。なお、吸収器1における酸性化合物の吸収は発熱反応である。

0039

このような吸収器1としては、混合ガスと当該吸収剤とを連続的に接触させられるものであればよく、例えば混合ガスの流路に当該吸収剤を噴霧するもの、混合ガスの流路に配置される充填剤を伝って当該吸収剤を流下させるもの、混合ガス及び当該吸収剤をそれぞれ多数の微細な流路に導入して混合ガスの微細流路と当該吸収剤の微細流路とをそれぞれ合流させるもの等を用いることができる。

0040

<液分離器>
液分離器2は、当該吸収剤の相分離を促進して、酸性化合物の含有率が高い第1相部分と酸性化合物の含有率が低い第2相部分とに分離できるものであればよく、例えば当該吸収剤を比重分離する容器、当該吸収剤を遠心分離する装置等を用いることができる。

0041

<再生器>
再生器3は、当該吸収剤を貯留し、貯留する当該吸収剤を加熱することによって、酸性化合物を脱離させる。この当該吸収剤からの酸性化合物の脱離は、吸熱反応である。

0042

このため、再生器3は、貯留する当該吸収剤を加熱するリボイラ5を有する。また、当該吸収剤を加熱すると、酸性化合物が脱離するだけでなく、当該吸収剤中の水が蒸発する。従って、再生器3は、当該吸収剤から蒸発した酸性化合物のガスと水蒸気との混合気体を冷却して水蒸気を凝縮させて分離するコンデンサ6を有する。コンデンサ6で凝縮した水は、再生器3の内部に還流され、酸性化合物のガスが系外に排出される。

0043

循環機構
循環機構4は、吸収器1から当該吸収剤を抜き出して液分離器2に供給する第1流路L1と、液分離器2で分離した第1相部分を再生器3に供給する第2流路L2と、再生器3から当該吸収剤を吸収器1に還流させる第3流路L3と、液分離器2で分離した第2相部分を吸収器1に還流させるために上記第3流路L3に導入する第4流路L4とを有する。

0044

また、循環機構4は、上記第2流路L2及び第3流路L3に跨って配設され、液分離器2で分離した第1相部分と再生器3で酸性化合物を放出した当該吸収剤との間で熱交換する主熱交換器7を有する。この主熱交換器7としては、例えばプレート熱交換器等の周知の構成のものを用いることができるが、温度差が比較的小さい流体間での熱交換が可能なマイクロチャネル熱交換器を用いることで、エネルギー効率を向上することができる。

0045

さらに、循環機構4は、上記第3流路L3の第4流路L4の接続点よりも下流側(吸収器1側)に配設され、通過する当該吸収剤を冷却する吸収剤冷却器8を有する。この吸収剤冷却器8を設けることによって、吸収器1における当該吸収剤の温度を低く保ち、当該吸収剤による酸性化合物の吸収効率を向上することができる。この吸収剤冷却器8としては、例えば川水等の安価な冷却水を用いた熱交換器等を用いることができる。

0046

このように、当該吸収剤を用いる当該酸性化合物の分離回収方法は、当該吸収剤が酸性化合物の吸収により容易に二相分離するので、液分離器2において、酸性化合物の含有率が高い第1相部分及び酸性化合物の含有率が低い第2相部分に容易に分離でき、酸性化合物の含有率が高い第1相部分を再生器3に導入して加熱することで吸収剤から酸性化合物を比較的容易に放出させられる。つまり、当該酸性化合物の分離回収方法では、酸性化合物の含有率が低い第2相部分を再生器3のリボイラ5で加熱しなくてよいので、リボイラ5の消費エネルギーが比較的低い。

0047

[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。

0048

当該酸性化合物の分離回収方法において、吸収器で酸性化合物を吸収した吸収液は、再生器で酸性化合物を脱離した吸収液との間で熱交換した後に、酸性化合物の含有率が高い第1相部分及び酸性化合物の含有率が低い第2相部分に分離してもよい。この場合も、酸性化合物の含有率が高い第1相部分を再生器に供給し、酸性化合物の含有率が低い第2相部分を吸収器に還流させるとよい。

0049

また、当該酸性化合物の分離回収方法において、さらなる熱回収手段を設けて、リボイラにおける消費エネルギーを低減してもよい。

0050

以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。

0051

複数のアミン化合物及び複数の有機溶剤を用意し、これらを水と混合することにより、多種の吸収剤を試作した。各吸収剤は、水の配合率を10質量%とし、アミン化合物の配合率を30質量%とし、有機溶剤の配合率を60質量%とした。

0052

(アミン化合物)
アミン化合物としては、1,3−ジアミノプロパン(DAP:溶解度パラメータ=14.6(cal/cm3)1/2)、2−アミノエタノール(MEA:溶解度パラメータ=14.3(cal/cm3)1/2)、DL−2−アミノ−1−プロパノール(AP:溶解度パラメータ=13.3(cal/cm3)1/2)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(AEE:溶解度パラメータ=12.7(cal/cm3)1/2)、2−(メチルアミノ)エタノール(MAE:溶解度パラメータ=12.5(cal/cm3)1/2)、2−(エチルアミノ)エタノール(EAE:溶解度パラメータ=12.0(cal/cm3)1/2)及び(R)−4−アミノ−2−メチル−1−ブタノール(AMB:溶解度パラメータ=8.8(cal/cm3)1/2)を用いた。

0053

(有機溶剤)
有機溶剤としては、1−ブタノール(溶解度パラメータ=11.3(cal/cm3)1/2)、1−ペンタノール(溶解度パラメータ=11.0(cal/cm3)1/2)及びジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGDEE:溶解度パラメータ=8.2(cal/cm3)1/2)を用いた。

0054

これらのアミン化合物及び有機溶剤を水に混合した吸収液について、二酸化炭素を吸収させてその前後で液相が変化するかどうかを確認した。表1に、各吸収液のアミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値と、二酸化炭素の吸収前後における相状態を示す。なお、表における「良好」とは、二酸化炭素の吸収前は単一液相であり、二酸化炭素の吸収により二液相に分離したことを意味する。また、表における「混和せず」とは、二酸化炭素の吸収前から二液相状態で単一液相を形成しなかったことを意味する。また、表における「分離せず」とは、二酸化炭素の吸収後でも単一液相であったことを意味する。

0055

実施例

0056

以上のように、水、アミン化合物及び有機溶剤を含む吸収剤において、アミン化合物の溶解度パラメータから有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値が1.1(cal/cm3)1/2以上4.2(cal/cm3)1/2以下となるように、アミン化合物及び有機溶剤の組合せを選択することによって、酸性化合物の吸収により酸性化合物の含有率が高い相と酸性化合物の含有率が低い相とに二相分離できることが確認された。このように二相分離できる吸収剤を使用すれば、酸性化合物の含有率が高い相を選択的に加熱して酸性化合物を脱離させることで、比較的少ない消費エネルギーで酸性化合物を回収分離することができる。

0057

本発明の吸収剤及び酸性化合物の分離回収方法は、各種のガスからの酸性化合物の分離、特にガスからの二酸化炭素の分離に好適に利用することができる。

0058

1吸収器
2液分離器
3再生器
4循環機構
5リボイラ
6コンデンサ
7主熱交換器
8吸収剤冷却器
L1 第1流路
L2 第2流路
L3 第3流路
L4 第4流路

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