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課題

本開示は、とりわけ終末補体(例えば、C5b−9 TCCのアセンブリ及び/または活性)及びC5aアナフィラトキシン媒介炎症を阻害するため、ひいては補体関連障害治療するために有用な抗体を提供する。

解決手段

該抗体は、エクリズマブと比べていくつかの向上した特性を有し、これは例えば、ヒトにおける血清半減期の増加を含む。この開示は、本明細書に記載の新たな抗体が、標的媒介クリアランスに対する感受性を低減し、ひいては既知の抗C5抗体と比較して、血中のより長い血清排出半減期半減期)を有することも示す。

概要

背景

補体系は、身体の他の免疫系と併せて作用して、細胞及びウイルス病原体侵入から防御する。少なくとも25の補体タンパク質があり、それらは血漿タンパク質及び膜共因子複合集合体として見出される。血漿タンパク質は、脊椎動物血清中グロブリンの約10%を構成する。補体成分は、一連の複雑だが精密な酵素的切断及び膜結合事象において相互作用することによって、それらの免疫防御機能を達成する。結果として生じる補体カスケードは、オプソニン免疫調節、及び溶解機能を有する生成物の生成につながる。補体活性に関連した生物活性簡潔概要は、例えば、The Merck Manual,16th Editionにおいて提供される。

補体カスケードは、古典経路(CP)、レクチン経路、または代替経路AP)を介して進行することができる。レクチン経路は、典型的に、マンノース結合レクチン(MBL)の、高マンノース基質への結合で開始される。APは、抗体非依存性であり得、病原体表面上の特定分子によって開始され得る。CPは、典型的に、標的細胞上の抗原部位の抗体認識、及びその部位への結合によって開始される。これらの経路は、補体成分C3が、活性プロテアーゼによって切断され、C3a及びC3bを産出する点である、C3転換酵素において合流する。

APC3転換酵素は、血液の血漿画分中に豊富にある補体成分C3の自然加水分解によって開始される。「チックオーバー」としても知られるこのプロセスは、C3中のチオエステル結合自然切断を通じて起こり、C3iまたはC3(H2O)を形成する。チックオーバーは、活性化されたC3の結合を支持する、及び/または中性もしくは陽性電荷特性を有する表面(例えば、細菌細胞表面)の存在によって促進される。このC3(H2O)の形成は、血漿タンパク質B因子の結合を可能にし、これが今度は、D因子がB因子をBa及びBbに切断するのを可能にする。Bb断片は、C3に結合されたままでC3(H2O)Bbを含有する複合体、すなわち「流体相」または「開始」C3転換酵素を形成する。少量で生成されるに過ぎないが、流体相C3転換酵素は、複数のC3タンパク質をC3a及びC3bに切断することができ、C3bの生成、及び表面(例えば、細菌表面)へのC3bの後続共有結合をもたらす。表面結合したC3bに結合したB因子は、D因子によって切断され、ひいてはC3b,Bbを含有する表面結合したAP C3転換酵素複合体を形成する。(例えば、Muller−Eberhard(1988)Ann Rev Biochem 57:321−347を参照されたい。)

APC5転換酵素、すなわち(C3b)2,Bbは、第2のC3bモノマーの、AP C3転換酵素への付加時に形成される。(例えば、Medicus et al.(1976)J Exp Med 144:1076−1093、及びFearon et al.(1975)J Exp Med 142:856−863を参照されたい。)第2のC3b分子役割は、C5に結合して、Bbによる切断のためにそれを提示することである。(例えば、Isenman et al.(1980)J Immunol 124:326−331を参照されたい。)AP C3及びC5転換酵素は、例えば、上記Medicus et al.(1976)に記載されるように、三量体タンパク質プロパージンの付加によって安定化される。しかしながら、プロパージン結合は、機能する代替経路C3またはC5転換酵素を形成するために必要とされない。(例えば、Schreiber et al.(1978)Proc Natl Acad Sci USA 75:3948−3952、及びSissons et al.(1980)Proc Natl Acad Sci USA 77:559−562を参照されたい)。

CP C3転換酵素は、C1q、C1r、及びC1sの複合体である補体成分C1の、標的抗原(例えば、微生物抗原)に結合される抗体との相互作用時に形成される。C1のC1q部分の、抗体−抗原複合体への結合は、Clrを活性化するC1中の配座変化を引き起こす。次に、活性C1rは、C1関連C1sを切断し、それにより活性セリンプロテアーゼを生成する。活性C1sは、補体成分C4をC4b及びC4aに切断する。C3bと同様に、新たに生成されたC4b断片は、標的表面(例えば、微生物細胞表面)上の好適な分子とのアミドまたはエステル結合を容易に形成する、高反応性チオールを含有する。C1sはまた、補体成分C2をC2b及びC2aに切断する。C4b及びC2aによって形成された複合体は、CP C3転換酵素であり、C3をC3a及びC3bにプロセスすることができる。CP C5転換酵素、すなわちC4b、C2a、C3bは、C3bモノマーの、CP C3転換酵素への付加時に形成される。(例えば、Muller−Eberhard(1988)、上記及びCooper et al.(1970)J Exp Med 132:775−793を参照されたい。)

C3及びC5転換酵素におけるその役割に加えて、C3bは、マクロファージ及び樹状細胞などの抗原提示細胞の表面上に存在する補体受容体とのその相互作用を通じて、オプソニンとしても機能する。C3bのオプソニン機能は、一般に、補体系の最も重要な抗感染機能のうちの1つであると考えられている。C3b機能を遮断する遺伝子病変を有する患者は、幅広い病原体により感染しやすいが、補体カスケード配列のより後に病変を有する患者、すなわち、C5機能を遮断する病変を有する患者は、ナイセリア感染症にのみ感染しやすく、そして幾分より感染しやすいのみであることが見出される。

AP及びCP C5転換酵素は、C5をC5a及びC5bに切断する。C5の切断は、強力なアナフィラトキシン及び走化性因子であるC5a、及び溶解終末補体複合体C5b−9の形成を可能にするC5bを放出する。C5bは、C6、C7、及びC8と組み合わさって、標的細胞の表面にC5b−8複合体を形成する。いくつかのC9分子の結合時に、膜攻撃複合体(MAC、C5b−9、終末補体複合体、すなわちTCC)が形成される。十分な数のMACが標的細胞膜に挿入されるとき、それらが作り出す開口部(MAC細孔)は、標的細胞の急速な浸透圧溶解を媒介する。

適切に機能している補体系は、感染する微生物に対して頑強な防御を提供するが、補体経路不適切な調節または活性化は、例えば、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎喘息虚血再灌流傷害非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、デンスデポジット病(DDD)、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、黄斑変性(例えば、加齢性黄斑変性(AMD))、溶血、高肝酵素及び低血小板HELLP)症候群血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自然流産少数免疫性血管炎表皮水疱症習慣性流産多発性硬化症(MS)、外傷性脳損傷、ならびに心筋梗塞心肺バイパス、及び血液透析から生じる損傷を含む、様々な障害発病に関係があるとされてきた。(例えば、Holers et al.(2008)Immunological Reviews 223:300−316を参照されたい。)補体活性化下方調節は、様々な動物モデルにおいていくつかの疾患適応治療する際に有効であることが実証された。例えば、Rotheret al.(2007)Nature Biotechnology 25(11):1256−1264、Wang et al.(1996)Proc Natl Acad Sci USA 93:8563−8568、Wang et al.(1995)Proc Natl Acad Sci USA 92:8955−8959、Rinder et al.(1995)J Clin Invest 96:1564−1572、Kroshus et al.(1995)Transplantation 60:1194−1202、Homeister et al.(1993)J Immunol 150:1055−1064、Weisman et al.(1990)Science 249:146−151、Amsterdam et al.(1995)Am J Physiol 268:H448−H457、及びRabinovici et al.(1992)J Immunol 149:1744 1750を参照されたい。

概要

本開示は、とりわけ終末補体(例えば、C5b−9 TCCのアセンブリ及び/または活性)及びC5aアナフィラトキシン媒介炎症を阻害するため、ひいては補体関連障害を治療するために有用な抗体を提供する。該抗体は、エクリズマブと比べていくつかの向上した特性を有し、これは例えば、ヒトにおける血清半減期の増加を含む。この開示は、本明細書に記載の新たな抗体が、標的媒介クリアランスに対する感受性を低減し、ひいては既知の抗C5抗体と比較して、血中のより長い血清排出半減期半減期)を有することも示す。なし

目的

)第2のC3b分子の役割は、C5に結合して、Bbによる切断のためにそれを提示することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

本願明細書に記載の発明。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、米国仮特許出願第61/949,932号(2014年3月7日出願)に対する優先権及び利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0002

本発明の分野は、医学免疫学分子生物学、及びタンパク質化学である。

背景技術

0003

補体系は、身体の他の免疫系と併せて作用して、細胞及びウイルス病原体侵入から防御する。少なくとも25の補体タンパク質があり、それらは血漿タンパク質及び膜共因子複合集合体として見出される。血漿タンパク質は、脊椎動物血清中グロブリンの約10%を構成する。補体成分は、一連の複雑だが精密な酵素的切断及び膜結合事象において相互作用することによって、それらの免疫防御機能を達成する。結果として生じる補体カスケードは、オプソニン免疫調節、及び溶解機能を有する生成物の生成につながる。補体活性に関連した生物活性簡潔概要は、例えば、The Merck Manual,16th Editionにおいて提供される。

0004

補体カスケードは、古典経路(CP)、レクチン経路、または代替経路AP)を介して進行することができる。レクチン経路は、典型的に、マンノース結合レクチン(MBL)の、高マンノース基質への結合で開始される。APは、抗体非依存性であり得、病原体表面上の特定分子によって開始され得る。CPは、典型的に、標的細胞上の抗原部位の抗体認識、及びその部位への結合によって開始される。これらの経路は、補体成分C3が、活性プロテアーゼによって切断され、C3a及びC3bを産出する点である、C3転換酵素において合流する。

0005

APC3転換酵素は、血液の血漿画分中に豊富にある補体成分C3の自然加水分解によって開始される。「チックオーバー」としても知られるこのプロセスは、C3中のチオエステル結合自然切断を通じて起こり、C3iまたはC3(H2O)を形成する。チックオーバーは、活性化されたC3の結合を支持する、及び/または中性もしくは陽性電荷特性を有する表面(例えば、細菌細胞表面)の存在によって促進される。このC3(H2O)の形成は、血漿タンパク質B因子の結合を可能にし、これが今度は、D因子がB因子をBa及びBbに切断するのを可能にする。Bb断片は、C3に結合されたままでC3(H2O)Bbを含有する複合体、すなわち「流体相」または「開始」C3転換酵素を形成する。少量で生成されるに過ぎないが、流体相C3転換酵素は、複数のC3タンパク質をC3a及びC3bに切断することができ、C3bの生成、及び表面(例えば、細菌表面)へのC3bの後続共有結合をもたらす。表面結合したC3bに結合したB因子は、D因子によって切断され、ひいてはC3b,Bbを含有する表面結合したAP C3転換酵素複合体を形成する。(例えば、Muller−Eberhard(1988)Ann Rev Biochem 57:321−347を参照されたい。)

0006

APC5転換酵素、すなわち(C3b)2,Bbは、第2のC3bモノマーの、AP C3転換酵素への付加時に形成される。(例えば、Medicus et al.(1976)J Exp Med 144:1076−1093、及びFearon et al.(1975)J Exp Med 142:856−863を参照されたい。)第2のC3b分子役割は、C5に結合して、Bbによる切断のためにそれを提示することである。(例えば、Isenman et al.(1980)J Immunol 124:326−331を参照されたい。)AP C3及びC5転換酵素は、例えば、上記Medicus et al.(1976)に記載されるように、三量体タンパク質プロパージンの付加によって安定化される。しかしながら、プロパージン結合は、機能する代替経路C3またはC5転換酵素を形成するために必要とされない。(例えば、Schreiber et al.(1978)Proc Natl Acad Sci USA 75:3948−3952、及びSissons et al.(1980)Proc Natl Acad Sci USA 77:559−562を参照されたい)。

0007

CP C3転換酵素は、C1q、C1r、及びC1sの複合体である補体成分C1の、標的抗原(例えば、微生物抗原)に結合される抗体との相互作用時に形成される。C1のC1q部分の、抗体−抗原複合体への結合は、Clrを活性化するC1中の配座変化を引き起こす。次に、活性C1rは、C1関連C1sを切断し、それにより活性セリンプロテアーゼを生成する。活性C1sは、補体成分C4をC4b及びC4aに切断する。C3bと同様に、新たに生成されたC4b断片は、標的表面(例えば、微生物細胞表面)上の好適な分子とのアミドまたはエステル結合を容易に形成する、高反応性チオールを含有する。C1sはまた、補体成分C2をC2b及びC2aに切断する。C4b及びC2aによって形成された複合体は、CP C3転換酵素であり、C3をC3a及びC3bにプロセスすることができる。CP C5転換酵素、すなわちC4b、C2a、C3bは、C3bモノマーの、CP C3転換酵素への付加時に形成される。(例えば、Muller−Eberhard(1988)、上記及びCooper et al.(1970)J Exp Med 132:775−793を参照されたい。)

0008

C3及びC5転換酵素におけるその役割に加えて、C3bは、マクロファージ及び樹状細胞などの抗原提示細胞の表面上に存在する補体受容体とのその相互作用を通じて、オプソニンとしても機能する。C3bのオプソニン機能は、一般に、補体系の最も重要な抗感染機能のうちの1つであると考えられている。C3b機能を遮断する遺伝子病変を有する患者は、幅広い病原体により感染しやすいが、補体カスケード配列のより後に病変を有する患者、すなわち、C5機能を遮断する病変を有する患者は、ナイセリア感染症にのみ感染しやすく、そして幾分より感染しやすいのみであることが見出される。

0009

AP及びCP C5転換酵素は、C5をC5a及びC5bに切断する。C5の切断は、強力なアナフィラトキシン及び走化性因子であるC5a、及び溶解終末補体複合体C5b−9の形成を可能にするC5bを放出する。C5bは、C6、C7、及びC8と組み合わさって、標的細胞の表面にC5b−8複合体を形成する。いくつかのC9分子の結合時に、膜攻撃複合体(MAC、C5b−9、終末補体複合体、すなわちTCC)が形成される。十分な数のMACが標的細胞膜に挿入されるとき、それらが作り出す開口部(MAC細孔)は、標的細胞の急速な浸透圧溶解を媒介する。

0010

適切に機能している補体系は、感染する微生物に対して頑強な防御を提供するが、補体経路不適切な調節または活性化は、例えば、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎喘息虚血再灌流傷害非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、デンスデポジット病(DDD)、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、黄斑変性(例えば、加齢性黄斑変性(AMD))、溶血、高肝酵素及び低血小板HELLP)症候群血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自然流産少数免疫性血管炎表皮水疱症習慣性流産多発性硬化症(MS)、外傷性脳損傷、ならびに心筋梗塞心肺バイパス、及び血液透析から生じる損傷を含む、様々な障害発病に関係があるとされてきた。(例えば、Holers et al.(2008)Immunological Reviews 223:300−316を参照されたい。)補体活性化下方調節は、様々な動物モデルにおいていくつかの疾患適応治療する際に有効であることが実証された。例えば、Rotheret al.(2007)Nature Biotechnology 25(11):1256−1264、Wang et al.(1996)Proc Natl Acad Sci USA 93:8563−8568、Wang et al.(1995)Proc Natl Acad Sci USA 92:8955−8959、Rinder et al.(1995)J Clin Invest 96:1564−1572、Kroshus et al.(1995)Transplantation 60:1194−1202、Homeister et al.(1993)J Immunol 150:1055−1064、Weisman et al.(1990)Science 249:146−151、Amsterdam et al.(1995)Am J Physiol 268:H448−H457、及びRabinovici et al.(1992)J Immunol 149:1744 1750を参照されたい。

先行技術

0011

Muller−Eberhard(1988)Ann Rev Biochem 57:321−347

課題を解決するための手段

0012

本開示は、例えば、治療目的で使用される既知の抗C5抗体と比べて、より向上した特性のうちの1つを有する抗C5抗体に関する。例えば、本明細書に記載の抗C5抗体は、エクリズマブ血清排出半減期と比べて増加した血清寿命を呈する。それらの向上した薬物動態特性のために、本明細書に記載の抗体は、多くの利点、例えば、完全長または成熟C5に結合し、その切断を阻害する他の抗C5抗体を超える利点を特徴とする。かかる抗C5抗体と同様に、本明細書に記載の抗体は、C5a媒介炎症反応、及びC5の切断から生じるC5b(MAC)依存性細胞溶解を阻害することができる。しかしながら、ヒト血漿中のC5の濃度は、約0.37μMであるため(Rawal and Pangburn(2001)J Immunol 166(4):2635−2642)、エクリズマブなどの抗C5抗体の高濃度使用及び/または頻繁な投与が、ヒトにおいてC5を有効に阻害するためにしばしば必要である。本開示は、実施例において、抗C5抗体が、インビトロ及びインビボで補体を阻害することにおいて非常に有効であるが(例えば、Hillmen et al.(2004)N Engl J Med 350(6):552を参照されたい)、抗体が、血中の高濃度のC5のために、標的媒介クリアランスに対して特に感受性であることを証明する、実験データを記載する。この開示は、本明細書に記載の新たな抗体が、標的媒介クリアランスに対する感受性を低減し、ひいては既知の抗C5抗体と比較して、血中のより長い血清排出半減期(半減期)を有することも示す。

0013

それらの長い半減期を考慮して、本明細書に記載の抗体は、既知の抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)よりもはるかに低い用量、及び/または少ない頻度でヒトに投与することができ、ヒトにおいて同じもしくはより高いC5の阻害を有効にもたらす。例えば、エクリズマブの用量と比較して、より少ない用量の抗体を投与する能力は、例えば、皮下投与、筋内投与、肺内送達、及び生物学的に分解可能な微小体の使用を介した投与などの追加の送達経路も可能にする。

0014

したがって、一態様において、本開示は、エクリズマブと比べて1つ以上の向上した特性(例えば、向上した薬物動態特性)を有する抗C5抗体を特徴とする。抗体またはそのC5結合断片は、(a)補体成分C5に結合する、(b)C5の、断片C5a及びC5bへの切断を阻害する、ならびに(c)(i)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、(ii)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、(iii)配列番号3に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、(iv)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、(v)配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び(vi)配列番号6に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含むものであり、(i)〜(vi)の少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または少なくとも8つ)のアミノ酸複数可)が、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、C5は、ヒトC5である。

0015

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、重鎖CDR1の少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、重鎖CDR2の少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、重鎖CDR3の少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。

0016

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、軽鎖CDR1の少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、配列番号4に対して8位のグリシンは、異なるアミノ酸(例えば、ヒスチジン)で置換される。

0017

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、軽鎖CDR2の少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、軽鎖CDR3の少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。

0018

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、置換は、配列番号1に対して1位のグリシン、配列番号1に対して2位のチロシン、配列番号1に対して3位のイソロイシン、配列番号1に対して4位のフェニルアラニン、配列番号1に対して5位のセリン、配列番号1に対して6位のアスパラギン、配列番号1に対して7位のチロシン、配列番号1に対して8位のトリプトファン、配列番号1に対して9位のイソロイシン、配列番号1に対して10位のグルタミン、配列番号2に対して1位のグルタミン酸、配列番号2に対して2位のイソロイシン、配列番号2に対して3位のロイシン、配列番号2に対して4位のプロリン、配列番号2に対して5位のグリシン、配列番号2に対して6位のセリン、配列番号2に対して7位のグリシン、配列番号2に対して8位のセリン、配列番号2に対して9位のトレオニン、配列番号2に対して10位のグルタミン酸、配列番号2に対して11位のチロシン、配列番号2に対して12位のトレオニン、配列番号2に対して13位のグルタミン酸、配列番号2に対して14位のアスパラギン、配列番号2に対して15位のフェニルアラニン、配列番号2に対して16位のリジン、配列番号2に対して17位のアスパラギン酸、配列番号3に対して1位のチロシン、配列番号3に対して2位のフェニルアラニン、配列番号3に対して3位のフェニルアラニン、配列番号3に対して4位のグリシン、配列番号3に対して5位のセリン、配列番号3に対して6位のセリン、配列番号3に対して7位のプロリン、配列番号3に対して8位のアスパラギン、配列番号3に対して9位のトリプトファン、配列番号3に対して10位のチロシン、配列番号3に対して11位のフェニルアラニン、配列番号3に対して12位のアスパラギン酸、及び配列番号3に対して13位のバリンからなる群から選択されるアミノ酸位置で行われる。

0019

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、置換は、配列番号4に対して8位のグリシン、配列番号4に対して10位のロイシン、配列番号6に対して3位のバリン、及び配列番号6に対して6位のトレオニンからなる群から選択されるアミノ酸位置で行われる。

0020

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、置換は、配列番号1に対して2位のチロシン、配列番号1に対して9位のイソロイシン、配列番号2に対して3位のロイシン、及び配列番号2に対して8位のセリンからなる群から選択されるアミノ酸位置で行われる。

0021

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、配列番号1に対して2位のチロシン及び配列番号2に対して3位のロイシンの両方は、異なるアミノ酸で置換される。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、異なるアミノ酸は、ヒスチジンである。

0022

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、配列番号1に対して9位のイソロイシン及び配列番号2に対して8位のセリンの両方は、異なるアミノ酸で置換される。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、配列番号1に対して9位のイソロイシン及び配列番号2に対して3位のロイシンの両方は、異なるアミノ酸で置換される。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、異なるアミノ酸は、ヒスチジンである。

0023

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、配列番号1に対して2位のチロシン及び配列番号2に対して8位のセリンの両方は、異なるアミノ酸で置換される。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合断片は、表1から選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、異なるアミノ酸は、ヒスチジンである。

0024

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、アミノ酸置換の組み合わせは、抗体またはその抗原結合断片の軽鎖ポリペプチド中の配列番号4に対して8位のグリシンに対する異なるアミノ酸の置換、(ii)抗体またはその抗原結合断片の重鎖ポリペプチド中の配列番号1に対して2位のグリシンに対する異なるアミノ酸の置換、及び(iii)抗体またはその抗原結合断片の重鎖ポリペプチド中の配列番号2に対して8位のセリンに対する異なるアミノ酸の置換を含む。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、異なるアミノ酸は、ヒスチジンである。

0025

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、配列番号1に対して2位のチロシン及び配列番号2に対して8位のセリンは、ヒスチジンで置換される。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、異なるアミノ酸は、ヒスチジンである。

0026

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかは、pH7.4及び25℃で、0.1nM≦KD≦1nMの範囲内である親和性解離定数(KD)をもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかは、pH7.4及び25℃で、0.2nM≦KD≦1nMの範囲内であるKDをもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかは、pH7.4及び25℃で、0.5nM≦KD≦1nMの範囲内であるKDをもってC5に結合する。

0027

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかは、pH6.0及び25℃で、≧1nM(例えば、≧50nM、≧100nM、または≧1μM)であるKDをもってC5に結合する。

0028

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、[(pH6.0及び25℃でのC5に対する抗体またはその抗原結合断片のKD)/(pH7.4及び25℃でのC5に対する抗体またはその抗原結合断片のKD)]は、25を超える。本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、[(pH6.0及び25℃でのC5に対する抗体またはその抗原結合断片のKD)/(pH7.4及び25℃でのC5に対する抗体またはその抗原結合断片のKD)]は、100を超える(例えば、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1400、1500、1600、1800、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、または8500を超える)。

0029

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、pH7.4及び25℃でのC5に対する抗体またはその抗原結合断片のKDは、1nM未満(例えば、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1nM未満)である。

0030

実施例に記載されるいくつかの変異エクリズマブ分子の特徴に基づいて、発明者らは、エクリズマブと比較して向上した薬物動態特性を有する抗体の新たな属を発見した。この属内の抗体は、pH7.4でのC5に対するエクリズマブの親和性よりも弱い、C5に対する親和性を有する。それでも、これらの抗体は、pH7.4で、1nM以下のC5に対する親和性解離定数(KD)を有する。本開示は、任意の特定の理論または作用機序拘束されないが、発明者らは、pH7.4でのC5に対するエクリズマブの親和性をわずかに低減すること、及びpH6.0でのC5に対する抗体の親和性に対するその後次の影響が、pH7.4及びpH6.0で同じ/同様の親和性の比率を維持しながら、患者において結果として生じる抗体の補体阻害機能に実質的に影響を及ぼすことなく、抗体のC5媒介クリアランスを実質的に低減すると考える。故に、発明者らは、各々エクリズマブと比べて、必要な薬物動態特性を保持しながら向上した薬物動態特性をもたらす、抗C5抗体についての最適親和性範囲を定義した。したがって、別の態様において、本開示は、(a)pH7.4及び25℃で、≦1nMの親和性解離定数(KD)をもって補体成分C5に結合し、(b)pH6.0及び25℃で、10nM以上のKDをもってC5に結合し、(c)C5の、断片C5a及びC5bへの切断を阻害する、単離抗体またはその抗原結合断片を特徴とし、[(pH6.0及び25℃でのC5に対する抗体またはその抗原結合断片のKD)/(pH7.4及び25℃でのC5に対する抗体またはその抗原結合断片のKD)]は、25以上である。

0031

いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH7.4及び25℃で、0.1nM≦KD≦1nMの範囲内の親和性解離定数(KD)をもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH7.4及び25℃で、0.2nM≦KD≦1nMの範囲内のKDをもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH7.4及び25℃で、0.5nM≦KD≦1nMの範囲内のKDをもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH6.0及び25℃で、≧1nMのKDをもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH6.0及び25℃で、≧50nMのKDをもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH6.0及び25℃で、≧100nMのKDをもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH6.0及び25℃で、≧1μMのKDをもってC5に結合する。

0032

いくつかの実施形態において、[(pH6.0及び25℃でのC5に対する抗体またはその抗原結合断片のKD)/(pH7.4及び25℃でのC5に対する抗体またはその抗原結合断片のKD)]は、50を超える(例えば、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、または8500を超える)。

0033

いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH7.4及び25℃で、KD<1nMをもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH7.4及び25℃で、KD<0.8nMをもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH7.4及び25℃で、KD<0.5nMをもってC5に結合する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、pH7.4及び25℃で、KD<0.2nMをもってC5に結合する。

0034

いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、(ii)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、(iii)配列番号3に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、(iv)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、(v)配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び(vi)配列番号6に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含み、(i)〜(vi)のうちの少なくとも1つのアミノ酸が、異なるアミノ酸で置換される。異なるアミノ酸は、任意のアミノ酸(例えば、ヒスチジン)であり得る。いくつかの実施形態において、重鎖CDR1のうちの少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、重鎖CDR2のうちの少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、重鎖CDR3のうちの少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、軽鎖CDR1のうちの少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、軽鎖CDR2のうちの少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、軽鎖CDR3のうちの少なくとも1つのアミノ酸は、異なるアミノ酸で置換される。

0035

いくつかの実施形態において、置換は、配列番号4に対して8位のグリシン、配列番号4に対して10位のロイシン、配列番号6に対して3位のバリン、及び配列番号6に対して6位のトレオニンからなる群から選択されるアミノ酸位置で行われる。いくつかの実施形態において、置換は、配列番号1に対して2位のチロシン、配列番号1に対して9位のイソロイシン、配列番号2に対して3位のロイシン、及び配列番号2に対して8位のセリンからなる群から選択されるアミノ酸位置で行われる。いくつかの実施形態において、抗体または抗原結合断片は、表1から選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。

0036

いくつかの実施形態において、CDRに導入されたアミノ酸置換の組み合わせは、(i)抗体またはその抗原結合断片の軽鎖ポリペプチド中の配列番号4に対して8位のグリシンに対する異なるアミノ酸の置換、(ii)抗体またはその抗原結合断片の重鎖ポリペプチドの配列番号1に対して2位のグリシンに対する異なるアミノ酸の置換、及び(iii)抗体またはその抗原結合断片の重鎖ポリペプチドの配列番号2に対して8位のセリンに対する異なるアミノ酸の置換を含む。

0037

いくつかの実施形態において、アミノ酸置換の組み合わせは、(i)抗体またはその抗原結合断片の重鎖ポリペプチドの配列番号1に対して2位のグリシンに対する異なるアミノ酸の置換、及び(ii)抗体またはその抗原結合断片の重鎖ポリペプチドの配列番号2に対して8位のセリンに対する異なるアミノ酸の置換を含む。

0038

いくつかの実施形態において、配列番号1に対して2位のチロシン及び配列番号2に対して8位のセリンが(例えば、ヒスチジンで)置換される。

0039

いくつかの実施形態において、抗体またはその断片のうちのいずれかは、変異ヒトFc定常領域が誘導された天然ヒトFc定常領域の親和性よりも高い親和性をもって、ヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合する変異ヒトFc定常領域(例えば、変異ヒトIgG
Fc定常領域)を含む。変異Fc定常領域は、該変異ヒトFc定常領域が誘導された天然ヒトFc定常領域に対して、1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、または5つ以上)のアミノ酸置換を含むことができる。この置換は、例えば、天然ヒトFc定常領域に対して237、238、239、248、250、252、254、255、256、257、258、265、270、286、289、297、298、303、305、307、308、309、311、312、314、315、317、325、332、334、360、376、380、382、384、385、386、387、389、424、428、433、434、または436(EU付番)アミノ酸位置においてであり得る。この置換は、全てEU付番で、237位のグリシンに対するメチオニン、238位のプロリンに対するアラニン、239位のセリンに対するリジン、248位のリジンに対するイソロイシン、250位のトレオニンに対するアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、メチオニン、グルタミン、セリン、バリン、トリプトファン、またはチロシン、252位のメチオニンに対するフェニルアラニン、トリプトファン、またはチロシン、254位のセリンに対するトレオニン、255位のアルギニンに対するグルタミン酸、256位のトレオニンに対するアスパラギン酸、グルタミン酸、またはグルタミン、257位のプロリンに対するアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、またはバリン、258位のグルタミン酸に対するヒスチジン、265位のアスパラギン酸に対するアラニン、270位のアスパラギン酸に対するフェニルアラニン、286位のアスパラギンに対するアラニンまたはグルタミン酸、289位のトレオニンに対するヒスチジン、297位のアスパラギンに対するアラニン、298位のセリンに対するグリシン、303位のバリンに対するアラニン、305位のバリンに対するアラニン、307位のトレオニンに対するアラニン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、バリン、トリプトファン、またはチロシン、308位のバリンに対するアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、グルタミン、またはトレオニン、309位のロイシンまたはバリンに対するアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、またはアルギニン、311位のグルタミンに対するアラニン、ヒスチジン、またはイソロイシン、312位のアスパラギン酸に対するアラニンまたはヒスチジン、314位のロイシンに対するリジンまたはアルギニン、315位のアスパラギンに対するアラニンまたはヒスチジン、317位のリジンに対するアラニン、325位のアスパラギンに対するグリシン、332位のイソロイシンに対するバリン、334位のリジンに対するロイシン、360位のリジンに対するヒスチジン、376位のアスパラギン酸に対するアラニン、380位のグルタミン酸に対するアラニン、382位のグルタミン酸に対するアラニン、384位のアスパラギンまたはセリンに対するアラニン、385位のグリシンに対するアスパラギン酸またはヒスチジン、386位のグルタミンに対するプロリン、387位のプロリンに対するグルタミン酸、389位のアスパラギンに対するアラニンまたはセリン、424位のセリンに対するアラニン、428位のメチオニンに対するアラニン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、またはチロシン、433位のヒスチジンに対するリジン、434位のアスパラギンに対するアラニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、セリン、トリプトファン、またはチロシン、及び436位のチロシンまたはフェニルアラニンに対するヒスチジンからなる群から選択されるものであり得る。

0040

本明細書に記載の抗体または抗原結合断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、変異ヒトFc定常領域は、各々EU付番で、428位にメチオニン及び434位にアスパラギンを含む。

0041

いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片のうちのいずれかは、配列番号12もしくは14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド、及び配列番号8もしくは11に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含み得るか、またはそれらからなり得る。

0042

本開示は、エクリズマブの重鎖可変領域(配列番号7)またはエクリズマブの重鎖領域のCDR(配列番号1〜3)を含む抗体も特徴とし、本明細書に記載の変異ヒトFc定常領域のうちのいずれか、例えば、変異ヒトFc定常領域は、各々EU付番で、428位にメチオニン及び434位にアスパラギンを含む。

0043

一実施形態において、抗体または抗原結合断片は、エクリズマブの血清半減期と比べて、ヒトにおいて増加した半減期を有する。本明細書で使用される半減期は、体内抗体薬物の血漿濃度が2分の1または50%低減されるのにかかる時間として定義される。この血清濃度の50%低減は、循環しており、自然な抗体クリアランスの方法によって除去されない薬物の量を反映する。エクリズマブの半減期は、PNH患者では272+82時間または11.3日であり、aHUS患者では12.1日であると決定された(Soliris処方情報を参照されたい)。本明細書に記載の抗体または断片のヒトにおける半減期は、エクリズマブのヒトにおける半減期と比べて増加し得る。エクリズマブと比べた半減期の増加は、エクリズマブの半減期の少なくとも1.5倍、エクリズマブの半減期の少なくとも2倍、エクリズマブの半減期の少なくとも2.5倍、またはエクリズマブの半減期の少なくとも3倍であり得る。

0044

本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、抗体は、ヒトにおいて少なくとも10日以上(例えば、少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40日以上)の血清半減期を有する。この半減期(またはエクリズマブと比べた半減期の延長)は、いくつかの実施形態において、天然に存在するヒトFc定常領域を含む本明細書に記載の抗体によって達成され得る。いくつかの実施形態において、この半減期は、本明細書に記載の変異ヒトFc定常領域を含む抗体と比べて測定される。本明細書に記載の抗体または断片のヒトにおける半減期は、エクリズマブのヒトにおける半減期と比べて増加し得る。本明細書に記載の抗体のヒトにおける半減期は、少なくとも25日、少なくとも26日、少なくとも27日、少なくとも28日、少なくとも29日、少なくとも30日、少なくとも31日、少なくとも32日、少なくとも33日、少なくとも34日、または少なくとも35日である。

0045

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体または断片のうちのいずれかは、ヒト化、完全ヒト、脱免疫化(deimmunized)、またはキメラである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体またはその断片は、例えば、組換え抗体単鎖抗体ダイアボディ細胞内抗体、Fv断片、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、及びF(ab’)2断片であり得る。

0046

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体またはその断片のうちのいずれかは、異種部分、例えば糖を含むことができる。例えば、抗体またはその断片は、グリコシル化され得る。この異種部分は、検出可能な標識、例えば、蛍光標識発光標識重金属標識、放射性標識、または酵素標識でもあり得る。

0047

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片のうちのいずれかは、CHO細胞内で作製され得る。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、検出可能なシアル酸残基を含有しない。

0048

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片のうちのいずれかは、(a)循環中の抗体またはその抗原結合断片の安定化、及び(b)循環中の抗体またはその抗原結合断片の保持、のうちの一方または両方を向上させる部分で修飾され得る。かかる部分は、PEG(PEG化)であり得る。

0049

なおも別の態様において、本開示は、本明細書に記載の抗体または抗原結合断片のうちのいずれかの重鎖及び軽鎖ポリペプチドのうちの一方または両方をコードする核酸を特徴とする。核酸及び細胞(例えば、昆虫細胞、細菌細胞、真菌細胞、または哺乳類細胞)を含むベクター(例えば、クローニングまたは発現ベクター)も特徴とする。本開示は、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片のうちのいずれかを生成するための方法を更に提供する。これらの方法は、任意選択で、発現ベクター(組み込みまたは染色体外)を含有する上記細胞(または細胞の培養物)を提供することを含み、このベクターは、本明細書に記載の抗体または抗原結合断片のうちのいずれかの重鎖及び軽鎖ポリペプチドのうちの一方または両方をコードする核酸を含有する。細胞もしくは細胞の培養物は、核酸によってコードされる抗体またはその抗原結合断片の細胞(もしくは細胞の培養物)による発現を可能にするために十分な条件下、及び時間にわたって培養される。この方法は、抗体またはその抗原結合断片を、細胞(もしくは培養物の細胞)から、または細胞(単数または複数)が培養された培地から単離することを含むこともできる。

0050

別の態様において、本開示は、薬学的に許容される担体、及び1つ以上の、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片のうちのいずれかを含む、薬学的組成物を特徴とする。

0051

別の態様において、本開示は、(i)1つ以上の、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片のうちのいずれか、及び(ii)抗体またはその抗原結合断片のヒトへの送達のための手段を含む、治療キットを特徴とする。これらの手段は、例えば、シリンジまたはポンプであり得る。

0052

なおも別の態様において、本開示は、ラベルを含む容器、及び1つ以上の、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片のうちのいずれかを含む、製品を特徴とし、このラベルは、補体関連病態を有するか、有することが疑われるか、または発症する危険性のあるヒトに組成物が投与されるべきことを示す。この製品は、補体関連病態を有するか、有することが疑われるか、または発症する危険性のあるヒトを治療する際に使用するための、1つ以上の追加の活性治療薬を更に含むことができる。

0053

別の態様において、本開示は、補体関連病態に罹患した患者を治療するための方法を特徴とし、この方法は、補体関連病態を治療するために有効な量の、1つ以上の、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片のうちのいずれかを対象に投与することを含む。補体関連病態は、例えば、関節リウマチ、抗リン脂質抗体症候群、ループス腎炎、虚血再灌流傷害、非定型溶血性尿毒症症候群、定型溶血性尿毒症症候群、発作性夜間血色素尿症、デンスデポジット病、視神経脊髄炎多巣性運動ニューロパシー、多発性硬化症、黄斑変性、HELLP症候群、自然流産、血栓性血小板減少性紫斑病、少数免疫性血管炎、表皮水疱症、習慣性流産、外傷性脳損傷、心筋炎脳血管障害末梢血管障害腎血管障害、腸間膜/腸血管障害、血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病腎炎全身性エリテマトーデス関連血管炎、関節リウマチに関連した血管炎、免疫複合体血管炎、高安病拡張型心筋症糖尿病性血管障害、川崎病静脈ガス塞栓症ステント留置に続く再狭窄回転式粥腫切除術、経皮的冠動脈形成術重症筋無力症寒冷凝集素病、皮膚筋炎発作性寒冷ヘモグロビン尿症抗リン脂質症候群、グレーブス病粥状動脈硬化アルツハイマー病全身性炎症反応敗血症敗血症性ショック脊髄損傷糸球体腎炎移植拒絶反応(例えば、腎移植)、橋本甲状腺炎I型糖尿病乾癬天疱瘡自己免疫溶血性貧血特発性血小板減少性紫斑病グッドパスチャー症候群、デゴス病、及び劇症型抗リン脂質症候群からなる群から選択されるものであり得る。

0054

本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、2つの軽鎖ポリペプチド及び2つの重鎖ポリペプチドを含む全抗体を指す。全抗体は、IgM、IgG、IgAIgD、及びIgE抗体を含む異なる抗体アイソタイプを含む。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体モノクローナル抗体キメラ化またはキメラ抗体ヒト化抗体霊長類化抗体、脱免疫化抗体、及び完全ヒト抗体を含む。抗体は、様々な種、例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、オランウータンヒヒ、またはチンパンジー)、ウマウシブタヒツジヤギイヌネコウサギモルモットアレチネズミハムスターラット、及びマウスなどの哺乳動物のうちのいずれかにおいて作製され得るか、またはそれから誘導され得る。抗体は、精製抗体または組換え抗体であり得る。

0055

本明細書で使用される場合、「抗体断片」、「抗原結合断片」という用語、または類似語は、標的抗原(例えば、ヒトC5)に結合し、その標的抗原の活性を阻害する能力を保持する抗体の断片を指す。かかる断片としては、例えば、単鎖抗体、単鎖Fv断片(scFv)、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、またはF(ab’)2断片が挙げられる。scFv断片は、scFvが誘導される抗体の重鎖及び軽鎖可変領域の両方を含む、単一ポリペプチド鎖である。加えて、細胞内抗体、ミニボディトリアディ、及びダイアボディも抗体の定義に含まれ、本明細書に記載の方法での使用に適合可能である。例えば、Todorovska et al.(2001)J Immunol Methods248(1):47−66、Hudson and Kortt(1999)J Immunol Methods 231(1):177−189、Poljak(1994)Structure 2(12):1121−1123、Rondon and Marasco(1997)Annual Review of Microbiology 51:257−283を参照されたい(各々の開示は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)。

0056

本明細書で使用される場合、「抗体断片」という用語は、例えば、ラクダ単一ドメイン抗体などの単一ドメイン抗体も含む。例えば、Muyldermans et al.(2001)TrendsBiochem Sci 26:230−235、Nuttall et al.(2000)Curr Pharm Biotech 1:253−263、Reichmann et al.(1999)J Immunol Meth 231:25−38、PCT出願公開第94/04678号、及び同第94/25591号、ならびに米国特許第6,005,079号を参照されたい(これらの全ては、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態において、この開示は、単一ドメイン抗体が形成されるような修飾を有する、2つのVHドメインを含む単一ドメイン抗体を提供する。

0057

いくつかの実施形態において、抗原結合断片は、重鎖ポリペプチドの可変領域及び軽鎖ポリペプチドの可変領域を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗原結合断片は、抗体の軽鎖及び重鎖ポリペプチドのCDRを含む。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
単離抗体またはその抗原結合断片であって、
(a)補体成分ヒトC5に結合し、
(b)C5の、断片C5a及びC5bへの切断を阻害し、
(c)(i)配列番号23に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、(ii)配列番号19に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、(iii)配列番号3に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、(iv)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、(v)配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び(vi)配列番号6に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目2)
配列番号12に示される重鎖可変領域、及び配列番号8に示される軽鎖可変領域を含む、項目1に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目3)
変異ヒトFc定常領域であって、前記変異ヒトFc定常領域が誘導された天然ヒトFc定常領域の親和性よりも優れた親和性をもって、ヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合する、変異ヒトFc定常領域を更に含む、項目1または2に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目4)
前記変異ヒトFc定常領域が、各々EU付番で、428位にメチオニン及び434位にアスパラギンを含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目5)
配列番号13に示される重鎖定常領域を更に含む、項目1〜4のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目6)
配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド、及び配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む、項目1〜5のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目7)
前記抗体が、ヒトにおいて少なくとも25日の血清半減期を有する、項目1〜6のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目8)
前記抗体またはその抗原結合断片が、pH7.4及び25℃で、0.1nM≦KD≦1nMの範囲内である親和性解離定数(KD)をもってヒトC5に結合する、項目1〜7のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目9)
前記抗体またはその抗原結合断片が、pH6.0及び25℃で、KD≧10nMをもってヒトC5に結合する、項目1〜8のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目10)
[(pH6.0及び25℃でのヒトC5に対する前記抗体またはその抗原結合断片のKD)/(pH7.4及び25℃でのヒトC5に対する前記抗体またはその抗原結合断片のKD)]が、25を超える、項目1〜9のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目11)
単離抗体またはその抗原結合断片であって、
(a)補体成分ヒトC5に結合し、
(b)ヒトC5の、断片C5a及びC5bへの切断を阻害し、
(c)(i)配列番号23に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、(ii)配列番号19に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、(iii)配列番号3に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、(iv)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、(v)配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び(vi)配列番号6に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含み、
[(pH6.0及び25℃でのヒトC5に対する前記抗体またはその抗原結合断片のKD)/(pH7.4及び25℃でのヒトC5に対する前記抗体またはその抗原結合断片のKD)]が、25を超え、
前記変異ヒトFc定常領域が、各々EU付番で、428位にメチオニン及び434位にアスパラギンを含み、
前記抗体が、ヒトにおいて少なくとも25日の血清半減期を有する、前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目12)
前記抗体またはその抗原結合断片が、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ポリペプチド、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、項目11に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目13)
配列番号13に示される重鎖定常領域を更に含む、項目11に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片。
(項目14)
前記抗体またはその抗原結合断片が、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド、及び配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む、単離抗体。
(項目15)
前記抗体が、CHO細胞内で作製される、項目14に記載の前記単離抗体。
(項目16)
前記抗体が、検出可能なシアル酸残基を含有しない、項目15に記載の前記単離抗体。(項目17)
項目14に記載の前記抗体またはその抗原結合断片の前記重鎖ポリペプチドをコードする、核酸。
(項目18)
項目14に記載の前記抗体またはその抗原結合断片の前記重鎖ポリペプチド及び前記軽鎖ポリペプチドの両方をコードする、核酸。
(項目19)
項目17または18に記載の前記核酸を含む、ベクター。
(項目20)
項目17または18に記載の前記核酸を含む、発現ベクター。
(項目21)
項目20に記載の前記発現ベクターを含む、細胞。
(項目22)
抗体またはその抗原結合断片を生成するための方法であって、前記核酸によってコードされた前記抗体または抗原結合断片の項目21に記載の細胞による発現を可能にするために十分な条件下、及び時間にわたって前記細胞を培養することを含む、前記方法。
(項目23)
前記抗体またはその抗原結合断片を単離することを更に含む、項目22に記載の前記方法。
(項目24)
薬学的に許容される担体、及び項目1〜16のいずれか一項に記載の前記抗体またはその抗原結合断片を含む、薬学的組成物。
(項目25)
(i)項目1〜16のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片、及び(ii)前記抗体またはその抗原結合断片の、ヒトへの送達のための手段を含む、治療キット。
(項目26)
前記手段が、シリンジである、項目19に記載の前記治療キット。
(項目27)
製品であって、
ラベルを含む容器と、
(i)項目1〜16のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片を含む組成物と、を含み、前記ラベルが、補体関連病態を有するか、有することが疑われるか、または発症する危険性のあるヒトに前記組成物が投与されるべきことを示す、前記製品。
(項目28)
補体関連病態に罹患した患者を治療するための方法であって、前記補体関連病態を治療するために有効な量の項目1〜16のいずれか一項に記載の前記単離抗体またはその抗原結合断片を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目29)
補体関連病態に罹患した患者を治療するための方法であって、前記補体関連病態を治療するために有効な量の項目24に記載の前記薬学的組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目30)
前記補体関連病態が、関節リウマチ、抗リン脂質抗体症候群、ループス腎炎、虚血再灌流傷害、非定型溶血性尿毒症症候群、定型溶血性尿毒症症候群、発作性夜間血色素尿症、デンスデポジット病、視神経脊髄炎、多巣性運動ニューロパシー、多発性硬化症、黄斑変性、HELLP症候群、自然流産、血栓性血小板減少性紫斑病、少数免疫性血管炎、表皮水疱症、習慣性流産、外傷性脳損傷、心筋炎、脳血管障害、末梢血管障害、腎血管障害、腸間膜/腸血管障害、血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病性腎炎、全身性エリテマトーデス関連血管炎、関節リウマチに関連した血管炎、免疫複合体血管炎、高安病、拡張型心筋症、糖尿病性血管障害、川崎病、静脈ガス塞栓症、ステント留置に続く再狭窄、回転式粥腫切除術、経皮的冠動脈形成術、重症筋無力症、寒冷凝集素病、皮膚筋炎、発作性寒冷ヘモグロビン尿症、抗リン脂質症候群、グレーブス病、粥状動脈硬化、アルツハイマー病、全身性炎症反応敗血症、敗血症性ショック、脊髄損傷、糸球体腎炎、移植拒絶反応、橋本甲状腺炎、I型糖尿病、乾癬、天疱瘡、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、グッドパスチャー症候群、デゴス病、及び劇症型抗リン脂質症候群からなる群から選択される、項目28に記載の前記方法。

0058

別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。好ましい方法及び材料は、下に記載されているが、本明細書に記載のものに類似するか、または相当する方法及び材料を、本開示の方法及び組成物の実施または試験において使用することもできる。本明細書で述べられる全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参照文献は、参照によりそれら全体が組み込まれる。

0059

本開示の他の特徴及び利点、例えば、補体関連病態を治療または予防するための方法は、以下の説明、実施例、及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
配列の簡単な説明

0060

配列番号1は、エクリズマブの重鎖CDR1のアミノ酸配列を示す(混合型Kabat−Chothia定義の下で定義される)。
配列番号2は、エクリズマブの重鎖CDR2のアミノ酸配列を示す(Kabat定義の下で定義される)。
配列番号3は、エクリズマブの重鎖CDR3のアミノ酸配列を示す(混合型Kabat定義の下で定義される)。
配列番号4は、エクリズマブの軽鎖CDR1のアミノ酸配列を示す(Kabat定義の下で定義される)。
配列番号5は、エクリズマブの軽鎖CDR2のアミノ酸配列を示す(Kabat定義の下で定義される)。
配列番号6は、エクリズマブの軽鎖CDR3のアミノ酸配列を示す(Kabat定義の下で定義される)。
配列番号7は、エクリズマブの重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号8は、エクリズマブ及びBNJ441抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号9は、エクリズマブの重鎖定常領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号10は、エクリズマブの重鎖全体のアミノ酸配列を示す。
配列番号11は、エクリズマブ及びBNJ441抗体の軽鎖全体のアミノ酸配列を示す。
配列番号12は、BNJ441抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号13は、BNJ441抗体の重鎖定常領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号14は、BNJ441抗体の重鎖全体のアミノ酸配列を示す。
配列番号15は、YTE置換を含むIgG2重鎖定常領域変異型のアミノ酸配列を示す。
配列番号16は、配列番号15(上記)に示される重鎖定常領域を含むエクリズマブ変異型の重鎖全体のアミノ酸配列を示す。
配列番号17は、配列番号4に対して8位にグリシンからヒスチジンへの置換を有する、エクリズマブの軽鎖CDR1のアミノ酸配列を示す(Kabat定義の下で定義される)。
配列番号18は、EHG303抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号19は、配列番号2に対して8位のセリンが、ヒスチジンで置換される、エクリズマブの重鎖CDR2のアミノ酸配列を示す。
配列番号20は、いわゆる「FLAG」タグのアミノ酸配列を示す。
配列番号21は、抗原タグとして一般に使用されるポリヒスチジン配列を示す。
配列番号22は、いわゆるヘマグルチニンタグのアミノ酸配列を示す。
配列番号23は、(配列番号1に対して)2位のチロシンが、ヒスチジンで置換される、エクリズマブの重鎖CDR1のアミノ酸配列を示す。
配列番号24は、EHG303抗体の重鎖ポリペプチドアミノ酸配列を示す。
配列番号25は、EHG303抗体の軽鎖ポリペプチドアミノ酸配列を示す。
配列番号26は、EHL049抗体の重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号27は、EHL049抗体の軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号28は、EHL000重鎖ポリペプチドアミノ酸配列を示す。
配列番号29は、EHL000抗体の軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号30は、BHL006の軽鎖ポリペプチドアミノ酸配列を示す。
配列番号31は、BHL006抗体の重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号32は、BHL009抗体の軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号33は、BHL009抗体の重鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号34は、BHL0011抗体の軽鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号35は、BHL011抗体の重鎖のアミノ酸配列を示す。

図面の簡単な説明

0061

外因性ヒトC5の存在または非存在下の、ヒトFcRnトランスジェニックマウスの血清からのエクリズマブのクリアランスを示す線グラフである。Y軸は、血清中に残留する抗体のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
マウスの血清からの、IgG2定常領域(Ecu−IgG2)、及びYTE置換を含むEcu−IgG2抗体(Ecu−IgG2(YTE))を有するエクリズマブ変異型のクリアランスを示す線グラフである。Y軸は、血清中に残留する抗体のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
マウスの血清からの、IgG2定常領域(Ecu−IgG2)、及びYTE置換を含むEcu−IgG2抗体(Ecu−IgG2(YTE))のエクリズマブ変異型のクリアランスを示す線グラフである。実験は、外因性ヒトC5の存在または非存在下で行った。Y軸は、血清中に残留する抗体のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
3つの抗C5抗体、すなわち、EHL000、EHG303、及びEHL049に対する(pH7.4での)会合ならびに(pH7.4及びpH6.0での)解離動態を示すセンサーグラムプロットである。Y軸は、任意単位である一方で、X軸は、時間(秒単位)を表す。
EHG303(Y27H−S57H二重置換)抗体、エクリズマブのY27H単一置換変異型、及びエクリズマブ(ecu、Ec293F)に対するpH7.4及びpH6.0での解離の動態を示すセンサーグラムプロットである。Y軸は、ナノメートル(nm)単位である一方で、X軸は、時間(秒単位)を表す。
EHG304(I34H−L52H二重置換)抗体、エクリズマブのI34H単一置換変異型、及びエクリズマブ(ecu、Ec293F)に対するpH7.4及びpH6.0での解離の動態を示すセンサーグラムプロットである。Y軸は、ナノメートル(nm)単位である一方で、X軸は、時間(秒単位)を表す。EHG304抗体は、選択のための第2の閾値を満たさなかった、つまり、pH7.4での解離に対する(エクリズマブからの)最大許容変動を超えた。
EHG303(Y27H−S57H二重置換)抗体及びエクリズマブ(ecu、Ec293F)に対するpH7.4及びpH6.0での解離の動態を示すセンサーグラムプロットである。Y軸は、ナノメートル(nm)単位である一方で、X軸は、時間(秒単位)を表す。
EHL049[G31H(軽鎖)/Y27H−S57H二重置換(重鎖)]抗体、エクリズマブのY27H−S57H(EHG303)二重置換変異型、及びエクリズマブ(ecu)に対するpH7.4及びpH6.0での解離の動態を示すセンサーグラムプロットである。Y軸は、ナノメートル(nm)単位である一方で、X軸は、時間(秒単位)を表す。
EHL058[G31H(軽鎖)/L52H−S57H二重置換(重鎖)]抗体、エクリズマブのL52H−S57H二重置換(重鎖)変異型、及びエクリズマブ(ecu)に対するpH7.4及びpH6.0での解離の動態を示すセンサーグラムプロットである。Y軸は、ナノメートル(nm)単位である一方で、X軸は、時間(秒単位)を表す。EHL058抗体は、選択のための第2の閾値を満たさなかった、つまり、pH7.4での解離に対する(エクリズマブからの)最大許容変動を超えた。
EHL000、BNJ421、及びBNJ423の、NOD/scid/C5欠乏マウスの血清からのクリアランスを示す線グラフである。Y軸は、血清中に残留する抗体のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
ヒトC5の存在または非存在下でのEHL000、BNJ421、及びBNJ423の、NOD/scid/C5欠乏マウスの血清からのクリアランスを示す線グラフである。Y軸は、血清中に残留する抗体のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
体外溶血アッセイにおけるEHL000、BNJ423、及びBNJ421抗体の活性を示す線グラフである。Y軸は、溶血のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
hFcRnトランスジェニックマウスにおけるBHL011抗体の薬物動態を示す線グラフである。各線は、異なる動物を表す。Y軸は、抗体の濃度をμg/mLで表す。X軸は、時間を日数で表す。
hFcRnトランスジェニックマウスにおけるBHL011抗体の薬物動態を示す線グラフである。各線は、異なる動物を表す。Y軸は、各時点で、血清中に残留する1日目の抗体の濃度の%を表す。X軸は、時間を日数で表す。
hFcRnトランスジェニックマウスにおけるBHL006抗体の薬物動態を示す線グラフである。各線は、異なる動物を表す。Y軸は、抗体の濃度をμg/mLで表す。X軸は、時間を日数で表す。
hFcRnトランスジェニックマウスにおけるBHL006抗体の薬物動態を示す線グラフである。各線は、異なる動物を表す。Y軸は、各時点で、血清中に残留する1日目の抗体の濃度の%を表す。X軸は、時間を日数で表す。
hFcRnトランスジェニックマウスにおけるBHL009抗体の薬物動態を示す線グラフである。各線は、異なる動物を表す。Y軸は、抗体の濃度をμg/mLで表す。X軸は、時間を日数で表す。
hFcRnトランスジェニックマウスにおけるBHL009抗体の薬物動態を示す線グラフである。各線は、異なる動物を表す。Y軸は、各時点で、血清中に残留する1日目の抗体の濃度の%を表す。X軸は、時間を日数で表す。
hFcRnトランスジェニックマウスにおけるBHL011、BHL006、及びBHL009抗体の平均薬物動態の対数プロットを示す線グラフである。各線は、指示されるように異なる抗体を表す。Y軸は、各時点で、血清中に残留する1日目の抗体の濃度の%を表す。X軸は、時間を日数で表す。
hFcRnトランスジェニックマウスにおけるBHL011、BHL006、及びBHL009抗体の平均薬物動態の線形プロットを示す線グラフである。各線は、指示されるように異なる抗体を表す。Y軸は、各時点で、血清中に残留する1日目の抗体の濃度の%を表す。X軸は、時間を日数で表す。
単回投与後の体外血清溶血アッセイにおけるBHL011抗体の遮断能力を示す線グラフである。Y軸は、(投与前レベルと比べた)溶血のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
単回投与後の体外血清溶血アッセイにおけるBHL006抗体の遮断能力を示す線グラフである。Y軸は、(投与前レベルと比べた)溶血のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
単回投与後の体外血清溶血アッセイにおけるBHL009抗体の遮断能力を示す線グラフである。Y軸は、(投与前レベルと比べた)溶血のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
BHL011血清濃度と、単回投与後の体外血清溶血アッセイとの相関を示すグラフである。Y軸は、(投与前レベルと比べた)溶血のパーセンテージを表し、X軸は、抗体濃度をμg/mLで表す。
BHL006血清濃度と、単回投与後の体外血清溶血活性との相関を示すグラフである。Y軸は、(投与前レベルと比べた)溶血のパーセンテージを表し、X軸は、抗体濃度をμg/mLで表す。
BHL009血清濃度と、単回投与後の体外血清溶血活性との相関を示すグラフである。Y軸は、(投与前レベルと比べた)溶血のパーセンテージを表し、X軸は、抗体濃度をμg/mLで表す。
hFcRnトランスジェニックマウスにおけるBHL011、BHL009、またはBHL006の単回投与後の平均体外溶血活性を示す線グラフである。各線は、指示されるように異なる抗体を表す。Y軸は、(投与前レベルと比べた)溶血のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
pHの関数として、BNJ441及びエクリズマブの親和性の片対数図21A)及び線形(図21B)プロットを示す線グラフの対である。Y軸は、解離%を表し、X軸は、pHである。
pHの関数として、BNJ441及びエクリズマブの親和性の片対数(図21A)及び線形(図21B)プロットを示す線グラフの対である。Y軸は、解離%を表し、X軸は、pHである。
NOD/scidマウスにおける、ヒトC5の非存在下でのBNJ441及びエクリズマブの薬物動態を示す線グラフである。Y軸は、抗体の濃度をμg/mLで表す。X軸は、時間を日数で表す。
NOD/scidマウスにおける、ヒトC5の存在下でのBNJ441及びエクリズマブの薬物動態を示す線グラフである。Y軸は、抗体の濃度をμg/mLで表す。X軸は、時間を日数で表す。
時間の関数として、ヒトC5の存在下でNOD/scidマウスの血清中に残留するBNJ441及びエクリズマブのパーセンテージを示す線グラフである。Y軸は、抗体の濃度をμg/mLで表す。X軸は、時間を日数で表す。
時間の関数として、単回投与後のBNJ441抗体及びエクリズマブの対外血清溶血遮断活性を示す線グラフである。Y軸は、(投与前レベルと比べた)溶血のパーセンテージを表し、X軸は、時間を日数で表す。
200mgまたは400mg用量の、健康なボランティアへの静脈内投与に続く平均血清BNJ441濃度−時間プロファイルを示す(上パネル線形目盛、下パネル−対数線形目盛)。
プラセボ、200mgのBNJ441、または400mgのBNJ441の、健康なボランティアへの静脈内投与に続く平均ニワトリ赤血球細胞溶血−時間プロファイルを示す。
BNJ441の、健康なヒトボランティアへの静脈内投与に続くBNJ441濃度とニワトリ赤血球細胞溶血率との間の関係を示す。
終末補体活性アッセイにおけるエクリズマブと比較したBNJ441の能力を示す。
BNJ441の構造を示す。
BNJ441の鎖間ジスルフィド結合を示す。

0062

本開示は、とりわけ、終末補体(例えば、C5b−9 TCCのアセンブリ及び/または活性)ならびにC5aアナフィラトキシン媒介炎症を阻害するため、ひいては補体関連障害を治療するために有用な抗体を提供する。抗体は、エクリズマブと比べて、例えば、ヒトにおける血清半減期の増加を含む、いくつかの向上した特性を有する。決して限定することを意図しないが、例示的な抗体、複合体、薬学的組成物、及び製剤、ならびに上記のうちのいずれかを使用するための方法は、以下で詳しく説明され、実施例において例示される。

0063

抗体
本明細書に記載の抗C5抗体は、補体成分C5(例えば、ヒトC5)に結合し、C5の断片C5a及びC5bへの切断を阻害する。上記のとおり、かかる抗体は、例えば、治療目的で使用される他の抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)と比べて向上した薬物動態特性も有する。

0064

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、(i)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、(ii)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、(iii)配列番号3に示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、(iv)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、(v)配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び(vi)配列番号6に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含み、(i)〜(vi)の少なくとも1つ(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10以上)のアミノ酸(複数可)が、異なるアミノ酸で置換される。

0065

CDRの正確な境界は、異なる方法に従って別様に定義された。いくつかの実施形態において、軽鎖または重鎖可変ドメイン内のCDRまたはフレームワーク領域の位置は、Kabatら[(1991)「Sequences of Proteins of Immunological Interest」NIH Publication No.91−3242、U.S. Department of Health and Human Services、Bethesda,MD]によって定義されるとおりであり得る。かかる場合において、CDRは、「Kabat CDR」(例えば、「Kabat LCDR2」または「Kabat HCDR1」)と称され得る。いくつかの実施形態において、軽鎖または重鎖可変領域のCDRの位置は、Chothia et al.(1989)Nature 342:877−883によって定義されるとおりであり得る。したがって、これらの領域は、「Chothia CDR」(例えば、「Chothia LCDR2」または「Chothia HCDR3」)と称され得る。いくつかの実施形態において、軽鎖及び重鎖可変領域のCDRの位置は、Kabat−Chothia混合定義によって定義されるとおりであり得る。かかる実施形態において、これらの領域は、「混合型Kabat−Chothia CDR」と称され得る。Thomasら[(1996)Mol Immunol 33(17/18):1389−1401]は、Kabat及びChothia定義によるCDR境界の特定を例示する。

0066

任意のアミノ酸が、任意の他のアミノ酸で置換され得る。いくつかの実施形態において、この置換は、保存的置換である。保存的置換は、典型的に、以下の群、すなわちグリシン及びアラニン;バリン、イソロイシン、及びロイシン;アスパラギン酸及びグルタミン酸;アスパラギン、グルタミン、セリン、及びトレオニン;リジン、ヒスチジン、及びアルギニン;ならびにフェニルアラニン及びチロシン内の置換を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上のアミノ酸がヒスチジンで置換される。

0067

いくつかの実施形態において、重鎖CDR1の少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つ)のアミノ酸が、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、重鎖CDR2の少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つ)のアミノ酸が、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、重鎖CDR3の少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つ)のアミノ酸が、異なるアミノ酸で置換される。

0068

いくつかの実施形態において、軽鎖CDR1の少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つ)のアミノ酸が、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、軽鎖CDR2の少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つ)のアミノ酸が、異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、軽鎖CDR3の少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つ)のアミノ酸が、異なるアミノ酸で置換される。

0069

いくつかの実施形態において、置換は、配列番号1に対して1位のグリシン、配列番号1に対して2位のチロシン、配列番号1に対して3位のイソロイシン、配列番号1に対して4位のフェニルアラニン、配列番号1に対して5位のセリン、配列番号1に対して6位のアスパラギン、配列番号1に対して7位のチロシン、配列番号1に対して8位のトリプトファン、配列番号1に対して9位のイソロイシン、配列番号1に対して10位のグルタミン、配列番号2に対して1位のグルタミン酸、配列番号2に対して2位のイソロイシン、配列番号2に対して3位のロイシン、配列番号2に対して4位のプロリン、配列番号2に対して5位のグリシン、配列番号2に対して6位のセリン、配列番号2に対して7位のグリシン、配列番号2に対して8位のセリン、配列番号2に対して9位のトレオニン、配列番号2に対して10位のグルタミン酸、配列番号2に対して11位のチロシン、配列番号2に対して12位のトレオニン、配列番号2に対して13位のグルタミン酸、配列番号2に対して14位のアスパラギン、配列番号2に対して15位のフェニルアラニン、配列番号2に対して16位のリジン、配列番号2に対して17位のアスパラギン酸、配列番号3に対して1位のチロシン、配列番号3に対して2位のフェニルアラニン、配列番号3に対して3位のフェニルアラニン、配列番号3に対して4位のグリシン、配列番号3に対して5位のセリン、配列番号3に対して6位のセリン、配列番号3に対して7位のプロリン、配列番号3に対して8位のアスパラギン、配列番号3に対して9位のトリプトファン、配列番号3に対して10位のチロシン、配列番号3に対して11位のフェニルアラニン、配列番号3に対して12位のアスパラギン酸、及び配列番号3に対して13位のバリンからなる群から選択されるアミノ酸位置で行われる。

0070

いくつかの実施形態において、配列番号8に対して31位のグリシンは、異なるアミノ酸で置換される。例えば、エクリズマブの軽鎖のCDR1における下線のグリシン、すなわち、



は、異なるアミノ酸で置換され得る。この置換は、グリシンの代わりのヒスチジン、すなわち、



であり得る。

0071

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、配列番号7に対して26位のグリシン、配列番号7に対して27位のチロシン、配列番号7に対して28位のイソロイシン、配列番号7に対して29位のフェニルアラニン、配列番号7に対して30位のセリン、配列番号7に対して31位のアスパラギン、配列番号7に対して32位のチロシン、配列番号7に対して33位のトリプトファン、配列番号7に対して34位のイソロイシン、配列番号7に対して35位のグルタミン、配列番号7に対して50位のグルタミン酸、配列番号7に対して51位のイソロイシン、配列番号7に対して52位のロイシン、配列番号7に対して53位のプロリン、配列番号7に対して54位のグリシン、配列番号7に対して55位のセリン、配列番号7に対して56位のグリシン、配列番号7に対して57位のセリン、配列番号7に対して58位のトレオニン、配列番号7に対して59位のグルタミン酸、配列番号7に対して60位のチロシン、配列番号7に対して61位のトレオニン、配列番号7に対して62位のグルタミン酸、配列番号7に対して63位のアスパラギン、配列番号7に対して64位のフェニルアラニン、配列番号7に対して65位のリジン、配列番号7に対して66位のアスパラギン酸、配列番号7に対して99位のチロシン、配列番号7に対して100位のフェニルアラニン、配列番号7に対して101位のフェニルアラニン、配列番号7に対して102位のグリシン、配列番号7に対して103位のセリン、配列番号7に対して104位のセリン、配列番号7に対して105位のプロリン、配列番号7に対して106位のアスパラギン、配列番号7に対して107位のトリプトファン、配列番号7に対して108位のチロシン、配列番号7に対して109位のフェニルアラニン、配列番号7に対して110位のアスパラギン酸、及び配列番号7に対して111位のバリンからなる群から選択されるアミノ酸位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、抗C5抗体は、上記の置換のうちのいずれかの2つ以上(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10以上)、及び任意の組み合わせを含む。

0072

いくつかの実施形態において、抗C5抗体は、エクリズマブに関して以下の基準を満たす少なくとも1つの置換を含む。
(1)pH7.4での会合動態の最大変動が、エクリズマブについて観察される800秒での平均化ピークシフトと比較して、800秒で33%小さいピーク相シフト、
(2)pH7.4での解離動態の最大変動が、エクリズマブについて観察される800秒での平均化ピーク相シフトと比較して、800秒超で3倍以下のピーク相シフトの低減、及び
(3)pH6.0での解離動態の最小変化が、エクリズマブについて観察される800秒での平均化ピーク相シフトと比較して、800秒超で少なくとも3倍低減したピーク相シフト。
例えば、上記の基準(1)に関して、エクリズマブとの会合の800秒後の平均化ピーク相シフトが、約0.75nMである場合、0.5nM未満の相シフトを有する(例えば、2回以上再現した)試験抗体は、上記基準を満たさない。対照的に、800秒で0.5nMを超えるピーク相シフトを有する抗C5抗体は、第1の基準を満たす。かかる置換は、pH7.4でのエクリズマブのka及びkdからわずかに逸脱する抗C5抗体を生じるが、pH6.0でのエクリズマブのkdからより著しく逸脱する。

0073

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、配列番号8に対して31位のグリシン、配列番号8に対して33位のロイシン、配列番号8に対して91位のバリン、及び配列番号8に対して94位のトレオニンからなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、3つ、または4つ)のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、配列番号7に対して27位のチロシン、配列番号7に対して34位のイソロイシン、配列番号7に対して52位のロイシン、及び配列番号7に対して57位のセリンからなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つ)のアミノ酸置換(複数可)を含む。

0074

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、その軽鎖可変領域内に、以下から選択される少なくとも1つの置換、すなわち、配列番号8に対して31位のグリシン、配列番号8に対して33位のロイシン、配列番号8に対して91位のバリン、及び配列番号8に対して94位のトレオニンを含む。下の表1を参照されたい。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、その重鎖可変領域内に、以下から選択される少なくとも1つの置換、すなわち、配列番号7に対して27位のチロシン、配列番号7に対して34位のイソロイシン、配列番号7に対して52位のロイシン、及び配列番号7に対して57位のセリンを含む。下の表1を参照されたい。

0075

いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号1〜6によって定義されるCDRセットに対して、少なくとも2つ(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、または10)のアミノ酸置換を含む。故に、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、表1に記載される組み合わせ、及びアミノ酸位置に2つ以上の置換を含む。

0076

表1に記載される置換は、指示されたアミノ酸残基とは異なる任意のアミノ酸に対してであり得る。いくつかの実施形態において、異なるアミノ酸は、ヒスチジンである。

0077

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、配列番号7に対して27位のチロシン、配列番号7に対して34位のイソロイシン、配列番号7に対して52位のロイシン、及び配列番号7に対して57位のセリンからなる群から選択されるアミノ酸位置で行われる置換を含む。いくつかの実施形態において、配列番号7に対して27位のチロシン及び配列番号7に対して52位のロイシンの両方は、各々異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、配列番号7に対して34位のイソロイシン及び配列番号7に対して57位のセリンの両方は、各々異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、配列番号7に対して34位のイソロイシン及び配列番号7に対して52位のロイシンは、各々異なるアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態において、配列番号7に対して27位のチロシン及び配列番号7に対して57位のセリンの両方は、各々異なるアミノ酸で置換される。本明細書に記載の抗C5抗体のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、異なるアミノ酸は、ヒスチジンである。例えば、27位のチロシン及び57位のセリンは、各々ヒスチジンで置換され得る。

0078

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列、すなわち、



を含むか、またはそれからなる重鎖CDR1を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列、すなわち、



を含むか、またはそれからなる重鎖CDR2を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列、すなわち、



を含む重鎖可変領域を含む。

0079

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列、すなわち、



を含む軽鎖可変領域を含む。

0080

本明細書に記載の抗C5抗体は、pH7.4及び25℃で(ならびに、そうでなければ生理的条件下で)、少なくとも0.1(例えば、少なくとも0.15、0.175、0.2、0.25、0.275、0.3、0.325、0.35、0.375、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.525、0.55、0.575、0.6、0.625、0.65、0.675、0.7、0.725、0.75、0.775、0.8、0.825、0.85、0.875、0.9、0.925、0.95、または0.975)nMの親和性解離定数(KD)をもってC5に結合することができる。いくつかの実施形態において、抗C5抗体のKDは、1nM以下(例えば、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、または0.2nM以下)である。

0081

本明細書に記載の任意の抗C5抗体のいくつかの実施形態では、[pH6.0、CでのC5に対する抗体のKD/(pH7.4、25℃でのC5に対する抗体のKD)]は、21(例えば、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、または8000)を超える。

0082

抗体がタンパク質抗原に結合するかどうか、及び/または抗体のタンパク質抗原に対する親和性を決定するための方法は、当該技術分野において既知である。例えば、抗体のタンパク質抗原に対する結合は、限定されないが、ウェスタンブロットドットブロット表面プラズモン共鳴(SPR)方法(例えば、BIAcore system、Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)、または酵素結合免疫吸着測定法ELISA)などの様々な技法を使用して検出及び/または定量され得る。例えば、Harlow and Lane(1988)″Antibodies:A Laboratory Manual″Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Benny K.C.Lo(2004)″Antibody Engineering:Methodsand Protocols,″Humana Press(ISBN:1588290921)、Borrebaek(1992)″Antibody Engineering,A Practical Guide,″W.H.Freeman and Co.,NY、Borrebaek(1995)″Antibody Engineering,″2nd Edition,Oxford University Press,NY,Oxford、Johne et al.(1993)J Immunol Meth 160:191−198、Jonsson et al.(1993)Ann Biol Clin 51:19−26、及びJonsson et al.(1991)Biotechniques 11:620−627を参照されたい。加えて、親和性(例えば、解離定数及び会合定数)を測定するための方法は、実施例に記載される。

0083

本明細書で使用される場合、「ka」という用語は、抗原に対する抗体の会合の速度定数を指す。「kd」という用語は、抗原/抗原複合体からの抗体の解離の速度定数を指す。そして「KD」という用語は、抗体−抗原相互作用の平衡解離定数を指す。平衡解離定数は、動態速度定数の比から推測されるKD=ka/kd。かかる決定は、好ましくは25℃または37℃で測定される(実施例を参照されたい)。例えば、ヒトC5に結合する抗体の動態は、表面プラズモン共鳴(SPR)を介して、BIAcore 3000器具上で、抗体を固定するための抗Fc捕捉方法を使用してpH8.0、7.4、7.0、6.5、及び6.0で決定され得る。

0084

本明細書に記載の抗C5抗体は、C5タンパク質(例えば、ヒトC5タンパク質)のC5a及び/またはC5b活性断片の生成または活性を遮断することにおいて活性を有し得る。この遮断効果を通じて、抗体は、C5aの炎症促進効果、及び細胞の表面でのC5b−9膜侵襲複合体(MAC)の生成を阻害する。

0085

本明細書に記載の特定の抗体が、C5切断を阻害するかどうかを決定するための方法は、当該技術分野において既知である。ヒト補体成分C5の阻害は、対象の体液中の補体の細胞溶解能力を低減し得る。体液(複数可)中に存在する補体の細胞溶解能力のかかる低減は、当該技術分野において周知の方法によって、例えば、Kabat and Mayer(eds.),″Experimental Immunochemistry,2nd Edition,″135−240,Springfield,IL,CC Thomas(1961),pages 135−139によって記載される溶血アッセイなどの従来の溶血アッセイ、または例えば、Hillmen et al.(2004)N Engl J Med 350(6):552に記載されるニワトリ赤血球溶血方法などの従来のアッセイの変化型などによって測定され得る。候補化合物が、ヒトC5のC5a及びC5b形態への切断を阻害するかどうかを決定するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、Moongkarndi et al.(1982)Immunobiol 162:397、Moongkarndi et al.(1983)Immunobiol 165:323、Isenman et al.(1980)J Immunol 124(1):326−31、Thomas et al.(1996)Mol Immunol 33(17−18):1389−401、及びEvans et al.(1995)Mol Immunol 32(16):1183−95に記載されている。例えば、体液中のC5a及びC5bの濃度及び/または生理活性は、当該技術分野において周知の方法によって測定され得る。C5a濃度または活性を測定するための方法としては、例えば、走化性アッセイ、RIA、またはELISAが挙げられる(例えば、Ward and Zvaifler(1971)J Clin Invest 50(3):606−16及びWurzner et al.(1991)Complement Inflamm 8:328−340を参照されたい)。C5bの場合、本明細書で考察される溶血アッセイまたは可溶性C5b−9に対するアッセイを使用することができる。当該技術分野において既知の他のアッセイを使用することもできる。これらまたは他の好適な種類のアッセイを使用して、ヒト補体成分C5を阻害することができる候補薬スクリーニングすることができる。

0086

限定されないが、ELISAなどの免疫学的技法を使用して、C5及び/またはその分割生成物のタンパク質濃度を測定し、C5の生物学的に活性な生成物への変換を阻害する、抗C5抗体の能力を決定することができる。いくつかの実施形態において、C5aの生成が測定される。いくつかの実施形態において、C5b−9新エピトープ特異的抗体を使用して、終末補体の形成を検出する。

0087

溶血アッセイを使用して、補体活性化に対する抗C5抗体の阻害活性を決定することができる。インビトロでの血清試験溶液中の古典補体経路媒介溶血に対する抗C5抗体の効果を決定するために、例えば、ヘモリシン被覆されたヒツジ赤血球、または抗ニワトリ赤血球抗体で感作されたニワトリ赤血球を、標的細胞として使用する。溶血のパーセンテージは、阻害剤の非存在下で起こる溶血に等しい100%溶血を考慮することによって正規化される。いくつかの実施形態において、古典補体経路は、例えば、Wieslab(登録商標)古典経路補体キット(Wieslab(登録商標)COMPLCP310、Euro−Diagnostica,Sweden)において用いられる、ヒトIgM抗体によって活性化される。簡単に言うと、試験血清を、ヒトIgM抗体の存在下、抗C5抗体でインキュベートする。生成されるC5b−9の量は、混合物を酵素複合抗C5b−9抗体及び蛍光発生基質と接触させること、ならびに適切な波長での吸光度を測定することによって測定される。対照として、試験血清を、抗C5抗体の非存在下でインキュベートする。いくつかの実施形態において、試験血清は、C5ポリペプチドで再構成されたC5欠乏血清である。

0088

代替経路媒介溶血に対する抗C5抗体の影響を決定するために、未感作のウサギまたはモルモット赤血球を標的細胞として使用する。いくつかの実施形態において、血清試験溶液は、C5ポリペプチドで再構成されたC5欠乏血清である。溶血のパーセンテージは、阻害剤の非存在下で起こる溶血に等しい100%溶血を考慮することによって正規化される。いくつかの実施形態において、代替補体経路は、例えば、Wieslab(登録商標)代替経路補体キット(Wieslab(登録商標)COMPLAP330、Euro−Diagnostica,Sweden)において用いられる、リポ多糖分子によって活性化される。簡単に言うと、試験血清を、リポ多糖の存在下、抗C5抗体でインキュベートする。生成されるC5b−9の量は、混合物を酵素複合抗C5b−9抗体及び蛍光発生基質と接触させること、ならびに適切な波長での蛍光を測定することによって測定される。対照として、試験血清を、抗C5抗体の非存在下でインキュベートする。

0089

いくつかの実施形態において、C5活性、またはその阻害は、CH50eqアッセイを使用して定量される。CH50eqアッセイは、血清中の総古典補体活性を測定するための方法である。この試験は、抗体感作赤血球を古典補体経路の活性剤として、及び試験血清の様々な希釈液を使用して、50%溶解(CH50)をもたらすために必要な量を決定する溶解アッセイである。溶血パーセントは、例えば、分光光度計を使用して決定され得る。CH50eqアッセイは、終末補体複合体(TCC)自体が測定される溶血に直接関与するため、TCC形成の間接尺度を提供する。

0090

このアッセイは周知であり、当業者によって一般的に実施されている。簡単に言うと、古典補体経路を活性化するために、未希釈血清試料(例えば、再構成ヒト血清試料)を、抗体感作の赤血球を含有するマイクロアッセイウェルに添加し、それによりTCCを生成する。次に、活性化した血清を、捕捉試薬(例えば、TCCの1つ以上の成分に結合する抗体)で被覆されたマイクロアッセイウェル内で希釈する。活性化試料中に存在するTCCは、マイクロアッセイウェルの表面を被覆するモノクローナル抗体に結合する。ウェル洗浄し、各ウェルに、検出可能に標識され、結合したTCCを認識する検出試薬を添加する。検出可能な標識は、例えば、蛍光標識または酵素標識であり得る。このアッセイ結果は、1ミリリットル当たりのCH50単位当量(CH50U Eq/mL)で表される。

0091

阻害は、例えば、それが終末補体活性に関する場合、類似条件下、及び等モル濃度での対照抗体(またはその抗原結合断片)の影響と比較して、例えば、溶血アッセイまたはCH50eqアッセイにおいて、終末補体の活性の少なくとも5%(例えば、少なくとも6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、または60%)の減少を含む。本明細書で使用される場合、実質的な阻害は、少なくとも40%(例えば、少なくとも45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%以上)の所与の活性(例えば、終末補体活性)の阻害を指す。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、エクリズマブのCDR(すなわち、配列番号1〜6)に対して1つ以上のアミノ酸置換を含むが、溶血アッセイまたはCH50eqアッセイにおいて、エクリズマブの補体阻害活性の少なくとも30%(例えば、少なくとも31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%)を保持する。

0092

本明細書に記載の抗C5抗体は、ヒトにおいて、少なくとも20日(例えば、少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36日)の血清半減期を有する。抗体の血清半減期を測定するための方法は、当該技術分野において既知であり、実施例において例示される。例えば、Dall’Acqua et al.(2006)J Biol Chem 281:23514−23524、Hinton et al.(2004)J Biol Chem 279:6213−6216、Hinton et al.(2006)J Immunol 176:346−356、及びPetkova et al.(2006)Int Immunol 18(12):1759−69を参照されたい(各々の開示は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、例えば、実施例に記載のマウスモデル系のうちの1つ(例えば、C5欠乏/NOD/scidマウスまたはhFcRnトランスジェニックマウスモデル系)において測定されるように、エクリズマブの血清半減期よりも少なくとも20%(例えば、少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、250、300、400、500%)長い血清半減期を有する。

0093

Fc領域に対する修飾
本明細書に記載の抗C5抗体は、いくつかの実施形態において、変異ヒトFc定常領域が誘導された天然ヒトFc定常領域の親和性よりも優れた親和性をもって、ヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合する変異ヒトFc定常領域を含むことができる。例えば、Fc定常領域は、変異ヒトFc定常領域が誘導された天然ヒトFc定常領域と比べて、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、または8以上)のアミノ酸置換を含むことができる。この置換は、相互作用のpH依存を維持しながら、pH6.0において、変異Fc定常領域を含むIgG抗体の、FcRnへの結合親和性を増加させることができる。例えば、Hinton et al.(2004)J Biol Chem 279:6213−6216、及びDatta−Mannan et al.(2007)Drug Metab Dispos 35:1−9を参照されたい。抗体のFc定常領域内の1つ以上の置換が(相互作用のpH依存を維持しながら)pH6.0において、FcRnについてのFc定常領域の親和性を増加させるかどうかを試験するための方法は、当該技術分野において既知であり、実施例において例示される。例えば、Datta−Mannan et al.(2007)J Biol Chem 282(3):1709−1717、国際公開第98/23289号、国際公開第97/34631号、及び米国特許第6,277,375号を参照されたい(各々の開示は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)。

0094

FcRnについての抗体Fc定常領域の結合親和性を強化する置換は、当該技術分野において既知であり、例えば、(1)Dall’Acqua et al.(2006)J Biol Chem 281:23514−23524に記載のM252Y/S254T/T256E三重置換、(2)Hinton et al.(2004)J Biol Chem 279:6213−6216及びHinton et al.(2006)J Immunol 176:346−356に記載のM428LまたはT250Q/M428L置換、ならびに(3)Petkova et al.(2006)Int Immunol 18(12):1759−69に記載のN434AまたはT307/E380A/N434A置換が挙げられる。追加の置換対合:P257I/Q311I、P257I/N434H、及びD376V/N434Hは、例えば、Datta−Mannan et al.(2007)J Biol Chem 282(3):1709−1717に記載されている(その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。

0095

いくつかの実施形態において、変異定常領域は、バリンに対してEUアミノ酸残基255に置換を有する。いくつかの実施形態において、変異定常領域は、アスパラギンに対してEUアミノ酸残基309に置換を有する。いくつかの実施形態において、変異定常領域は、イソロイシンに対してEUアミノ酸残基312に置換を有する。いくつかの実施形態において、変異定常領域は、EUアミノ酸残基386に置換を有する。

0096

いくつかの実施形態において、変異Fc定常領域は、それが誘導された天然定常領域と比べて、30以下(例えば、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、または2以下)のアミノ酸置換、挿入、または欠失を含む。いくつかの実施形態において、変異Fc定常領域は、M252Y、S254T、T256E、N434S、M428L、V259I、T250I、及びV308Fからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、変異ヒトFc定常領域は、各々EU付番で、428位にメチオニン、及び434位にアスパラギンを含む。いくつかの実施形態において、変異Fc定常領域は、例えば、米国特許第8,088,376号に記載のように、428L/434S二重置換を含む。

0097

いくつかの実施形態において、変異定常領域は、天然ヒトFc定常領域と比べて、アミノ酸位置237、238、239、248、250、252、254、255、256、257、258、265、270、286、289、297、298、303、305、307、308、309、311、312、314、315、317、325、332、334、360、376、380、382、384、385、386、387、389、424、428、433、434、または436(EU付番)に置換を含む。いくつかの実施形態において、この置換は、全てEU付番で、237位のグリシンに対するメチオニン、238位のプロリンに対するアラニン、239位のセリンに対するリジン、248位のリジンに対するイソロイシン、250位のトレオニンに対するアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、メチオニン、グルタミン、セリン、バリン、トリプトファン、またはチロシン、252位のメチオニンに対するフェニルアラニン、トリプトファン、またはチロシン、254位のセリンに対するトレオニン、255位のアルギニンに対するグルタミン酸、256位のトレオニンに対するアスパラギン酸、グルタミン酸、またはグルタミン、257位のプロリンに対するアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、またはバリン、258位のグルタミン酸に対するヒスチジン、265位のアスパラギン酸に対するアラニン、270位のアスパラギン酸に対するフェニルアラニン、286位のアスパラギンに対するアラニンまたはグルタミン酸、289位のトレオニンに対するヒスチジン、297位に対するアスパラギンに対するアラニン、298位のセリンに対するグリシン、303位のバリンに対するアラニン、305位のバリンに対するアラニン、307位のトレオニンに対するアラニン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、バリン、トリプトファン、またはチロシン、308位のバリンに対するアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、グルタミン、またはトレオニン、309位のロイシンまたはバリンに対するアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、またはアルギニン、311位のグルタミンに対するアラニン、ヒスチジン、またはイソロイシン、312位のアスパラギン酸に対するアラニンまたはヒスチジン、314位のロイシンに対するリジンまたはアルギニン、315位のアスパラギンに対するアラニンまたはヒスチジン、317位のリジンに対するアラニン、325位のアスパラギンに対するグリシン、332位のイソロイシンに対するバリン、334位のリジンに対するロイシン、360位のリジンに対するヒスチジン、376位のアスパラギン酸に対するアラニン、380位のグルタミン酸に対するアラニン、382位のグルタミン酸に対するアラニン、384位のアスパラギンまたはセリンに対するアラニン、 385位のグリシンに対するアスパラギン酸またはヒスチジン、386位のグルタミンに対するプロリン、387位のプロリンに対するグルタミン酸、389位のアスパラギンに対するアラニンまたはセリン、424位のセリンに対するアラニン、428位のメチオニンに対するアラニン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、またはチロシン、433位のヒスチジンに対するリジン、434位のアスパラギンに対するアラニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、セリン、トリプトファン、またはチロシン、及び436位のチロシンまたはフェニルアラニに対するヒスチジンからなる群から選択される。

0098

本明細書に記載の抗C5抗体は、いくつかの実施形態において、配列番号12もしくは14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド、及び/または配列番号8もしくは11に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含むことができる。

0099

抗C5抗体及びその抗原結合断片を生成するための方法
本開示は、本明細書に記載の抗C5抗体及びその抗原結合断片のうちのいずれかを生成するための方法も特徴とする。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体を調製するための方法は、対象(例えば、非ヒト哺乳類)に適切な免疫原免疫付与することを含み得る。本明細書に記載の抗体のうちのいずれかを生成するための好適な免疫原は、本明細書に記載される。例えば、C5に結合する抗体を生成するために、熟練者は、好適な対象(例えば、ラット、マウス、アレチネズミ、ハムスター、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウマ、または非ヒト霊長類などの非ヒト哺乳類)に、完全長ヒトC5ポリペプチドなどの完全長C5にポリペプチドで免疫付与することができる。いくつかの実施形態において、非ヒト哺乳類は、C5欠乏であり、例えば、Levy and Ladda(1971)Nat New Biol 229(2):51−52、Crocker et al.(1974)J Clin Pathol 27(2):122−124、Wetsel et al.(1990)J Biol Chem 265:2435−2440、及びJungi and Pepys(1981)Immunology 43(2):271−279に記載のC5欠乏マウスである。

0100

好適な対象(例えば、非ヒト哺乳動物)は、哺乳動物による抗体の生成を誘発するために十分な回数の後次追加免疫とともに、適切な抗原で免疫付与され得る。免疫原は、補助剤とともに対象(例えば、非ヒト哺乳動物)に投与することができる。対象において抗体を生成する際に有用な補助剤には、タンパク質補助剤、細菌補助剤、例えば、全細菌(BCGコリネバクテリウムパルバム、またはサルモネラミネソタ)、ならびに結核菌細胞壁骨格トレハロースジミコレートモノホスホリル脂質A、メタノール抽出可能な残基(MER)を含む細菌成分、完全または不完全フロイント補助剤、ウイルス補助剤、化学補助剤、例えば、水酸化アルミニウム、及びヨード酢酸塩及びコレステリルヘミスクシナートが挙げられるが、これらに限定されない。免疫反応を引き起こすための方法において使用され得る他の補助剤としては、例えば、コレラ毒素及びパラポックスウイルスタンパク質が挙げられる。Bieg et al.(1999)Autoimmunity 31(1):15−24も参照されたい。また例えば、Lodmell et al.(2000)Vaccine 18:1059−1066、Johnson et al.(1999)J Med Chem 42:4640−4649、Baldridge et al.(1999)Methods19:103−107、及びGupta
et al.(1995)Vaccine 13(14):1263−1276も参照されたい。

0101

いくつかの実施形態において、これらの方法は、免疫原に結合するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株を調製することを含む。例えば、実験用マウスなどの好適な哺乳動物に、上記のようなC5ポリペプチドで免疫付与する。免疫付与した哺乳動物の抗体生成細胞(例えば、脾臓B細胞)は、免疫原の少なくとも1回の追加免疫の2〜4日後に単離することができ、次に、好適な骨髄腫細胞株の細胞との融合前に、培地中で短期成長させられ得る。これらの細胞は、例えば、ワクチニアウイルスまたはポリエチレングリコールなどの融合促進剤の存在下で融合され得る。融合において得られたハイブリッド細胞クローン化され、所望の抗体を分泌する細胞クローンが選択される。例えば、好適な免疫原で免疫付与したBalb/cマウスの脾臓細胞は、骨髄腫細胞株PAIまたは骨髄腫細胞株Sp2/0−Ag14の細胞と融合され得る。融合後、正常な骨髄腫細胞が所望のハイブリドーマ細胞過剰増殖させるのを防ぐために、一定間隔選択培地、例えばHAT培地を補充した好適な培養培地中で細胞を増殖させる。次に、得られたハイブリッド細胞を、所望の抗体、例えば、C5に結合し、C5の断片C5a及びC5bへの切断を阻害する抗体の分泌についてスクリーニングする。

0102

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片のうちのいずれかは、CHO細胞中で作製され得る。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、検出可能なシアル酸残基を含有しない。

0103

いくつかの実施形態において、熟練者は、例えば、米国特許第6,300,064号(Knappik et al.、Morphosys AG)及びSchoonbroodt et al.(2005)Nucleic AcidsRes 33(9):e81に記載されるように、非免疫優位ライブラリから抗C5抗体を特定することができる.

0104

上記方法を使用してスクリーニングされる抗体の亜集団は、当該技術分野において既知の任意の免疫学または生化学に基づく方法を使用して、特定の免疫原(例えば、C5)に対するそれらの特異性及び結合親和性について特徴付けられ得る。例えば、天然の完全長C5への抗体の特異的結合は、C5aと比較して、例えば、限定されないが、ELISAアッセイ、SPRアッセイ、免疫沈降アッセイ、親和性クロマトグラフィー、及び上記の平衡透析などの免疫学または生化学に基づく方法を使用して決定されてもよい。抗体の免疫特異的結合及び交差反応性分析するために使用され得る免疫アッセイとしては、ウェスタンブロット、RIA、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチイムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体固定アッセイ、免疫放射定量アッセイ、蛍光イムノアッセイ、及びタンパク質Aイムノアッセイなどの技法を使用する競合及び非競合アッセイシステムが挙げられるが、これらに限定されない。かかるアッセイは、当該技術分野において日常的であり、周知である。

0105

抗体は、抗体のC5との相互作用の動態パラメータを特徴付けるために、当該技術分野において既知の任意のSPRに基づくアッセイを使用してアッセイすることもできる。BIAcore器具(Biacore AB、Uppsala,Sweden)、lAsys器具(Affinity Sensors、Franklin,Massachusetts)、IBISシステム(Windsor Scientific Limited、Berks,UK)、SPR−CELLIAシステム(Nippon Laser and Electronics Lab、Hokkaido,Japan)、及びSPR Detector Spreeta(Texas Instruments、Dallas,Texas)を含むがこれらに限定されない市販の任意のSPR器具を、本明細書に記載の方法において使用することができる。例えば、Mullett et al.(2000)Methods 22:77−91、Dong et al.(2002)Reviews in Mol Biotech 82:303−323、Fivash et al.(1998)Curr Opin Biotechnol 9:97−101、及びRich et al.(2000)Curr Opin Biotechnol 11:54−61を参照されたい。

0106

上記方法を使用して、例えば、抗C5抗体が、完全長の天然C3及び/またはC4タンパク質に結合しないかどうかを決定することもできることが理解される。

0107

上記参照文献に記載されるように、ファージ選択後、ファージからの抗体コード領域を単離し、それを使用して、ヒト抗体を含む全抗体、または任意の所望の断片を生成して、例えば、下で詳述されるように、哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞酵母、及び細菌を含む任意の所望の宿主内で発現させることができる。例えば、Fab、Fab’、及びF(ab’)2断片を組換えにより生成するための技法は、当該技術分野において既知の方法、例えば、PCT公開第92/22324号、Mullinax et al.(1992)BioTechniques 12(6):864−869、及びSawai et al.(1995)Am J Repr Immunol 34:26−34、ならびにBetter et al.(1988)Science 240:1041−1043に開示されるものなどを使用して用いることもできる。単鎖Fv及び抗体を生成するために使用することができる技法の例としては、米国特許第4,946,778号及び同第5,258,498号、Huston et al.(1991)Methodsin Enzymology 203:46−88、Shu et al.(1993)Proc Nat Acad Sci USA 90:7995−7999、及びSkerra et al.(1988)Science 240:1038−1040に記載されるものが挙げられる。

0108

いくつかの実施形態において、エピトープマッピングを使用して、例えば、抗体と相互作用するC5の領域を特定することができる。特定の抗体が結合するエピトープを特定するための方法も当該技術分野において既知であり、上に記載される。

0109

本明細書で特定される抗体及びその断片は、「キメラ」であり得るか、または「キメラ」にされ得る。キメラ抗体及びその抗原結合断片は、2つ以上の異なる種(例えば、マウス及びヒト)からの部分を含む。キメラ抗体は、ヒト定常ドメインに融合した所望の特異性のマウス可変領域を用いて生成され得る(例えば、米国特許第4,816,567号)。この方法で、非ヒト抗体を修飾して、それらがヒト臨床適用に対してより好適になるようにすることができる(例えば、対象における補体媒介障害を治療または予防するための方法)。

0110

本開示のモノクローナル抗体は、非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態を含む。ヒト化またはCDR移植mAbは、それらがマウス抗体のように急速に循環から一掃されず、典型的に逆免疫反応を引き起こさないため、ヒトに対する治療薬として特に有用である。一般に、ヒト化抗体は、非ヒト源からそれに導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒト アミノ酸残基は、多くの場合、「移入」残基と称され、これらは典型的に、「移入」可変ドメインから取られる。ヒト化抗体を調製する方法は、一般に当該技術分野において周知である。例えば、ヒト化は、本質的に、Winter及び同僚の方法に従い(例えば、Jones et al.(1986)Nature 321:522−525、Riechmann et al.(1988)Nature 332:323−327、及びVerhoeyen et al.(1988)Science 239:1534−1536を参照されたい)、齧歯類フレームワークまたはCDR配列をヒト抗体の対応する配列と置換することによって行うことができる。例えば、Staelens et al.(2006)Mol Immunol 43:1243−1257も参照されたい。いくつかの実施形態において、非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形態は、ヒト抗体(レシピエント抗体)であり、所望の特異性、親和性、及び結合能力を有する非ヒト抗体(例えば、マウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類抗体)のCDR領域アミノ酸残基が、ヒト抗体のフレームワーク足場の上に移植される。

0111

いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンの1つ以上のフレームワーク領域アミノ酸残基は、非ヒト抗体の対応するアミノ酸残基によっても置換される(いわゆる「逆突然変異」)。加えて、ファージ提示ライブラリを使用して、抗体配列内の選択した位置のアミノ酸を変えることができる。ヒト化抗体の特性は、ヒトフレームワークの選択によっても影響される。更に、ヒト化及びキメラ化抗体は、例えば、親和性またはエフェクタ機能などの抗体特性を更に向上させるために、レシピエント抗体またはドナー抗体において見出されない残基を含むように修飾され得る。

0112

完全ヒト抗体もまた、本開示において提供される。「ヒト抗体」という用語は、ヒト免疫グロブリン配列、好ましくはヒト生殖系配列から誘導される可変及び定常領域(存在する場合)を有する抗体を含む。ヒト抗体は、ヒト生殖系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基を含むことができる(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によって、またはインビボでの体細胞突然変異によって誘導される突然変異)。しかしながら、「ヒト抗体」という用語は、マウスなどの別の哺乳類種から誘導されたCDR配列が、ヒトフレームワーク配列上に移植された抗体(すなわち、ヒト化抗体)を含まない。完全ヒトまたはヒト抗体は、ヒト抗体遺伝子を担持する(可変(V)、多様性(D)、連結(J)、及び定常(C)エクソンを担持する)トランスジェニックマウスから、またはヒト細胞から誘導されてもよい。

0113

ヒト配列は、ヒト抗体の重鎖及び軽鎖の両方をコードすることができ、マウスにおいて正しく機能して、ヒトにおけるものと類似した広い抗体レパートリーを提供するように再配置を受ける。トランスジェニックマウスは、標的タンパク質免疫原で免疫付与され、特定の抗体及びそれらのコードするRNAの多様なアレイを作り出すことができる。次に、かかる抗体の抗体鎖成分をコードする核酸は、動物から提示ベクターにクローン化されてもよい。典型的に、重鎖及び軽鎖配列をコードする核酸の別個集団がクローン化され、次にこの別個の集団は、ベクターへの挿入時に組み換えられて、ベクターの任意の所与の複製が重鎖及び軽鎖のランダムな組み合わせを受け取るようになる。このベクターは、抗体鎖が組み立てられ、ベクターを含有する提示パッケージの外面に提示され得るように、抗体鎖を発現するよう設計される。例えば、抗体鎖は、ファージの外面からファージコートタンパク質との融合タンパク質として発現され得る。その後、提示パッケージを、標的に結合する抗体の提示のために選択し、スクリーニングすることができる。

0114

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、その対応する未改変の定常領域と比べて、低減したエフェクタ機能を有する(または有しない)改変重鎖定常領域を含む。抗C5抗体の定常領域を必要とするエフェクタ機能は、定常領域またはFc領域の特性を改変することによって調節され得る。改変されたエフェクタ機能は、例えば、以下の活性、すなわち抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、補体依存性細胞傷害性(CDC)、アポトーシス、1つ以上のFc受容体への結合、及び炎症促進反応のうちの1つ以上の調節を含む。調節は、未改変形態の定常領域の活性と比較して、改変定常領域を含む対象抗体によって呈されるエフェクタ機能活性の増加、減少、または排除を指す。特定の実施形態において、調節は、活性が廃止されるか、または完全に存在しない状況を含む。

0115

改変FcR結合親和性及び/またはADCC活性及び/または改変CDC活性を有する改変定常領域は、未改変形態の定常領域と比較して、強化もしくは低減されたFcR結合活性及び/またはADCC活性及び/またはCDC活性を有するポリペプチドである。FcRへの結合の増加を提示する改変定常領域は、未改変ポリペプチドよりも優れた親和性をもって少なくとも1つのFcRに結合する。FcRへの結合の減少を提示する改変定常領域は、未改変形態の定常領域よりも低い親和性をもって少なくとも1つのFcRに結合する。FcRへの結合の減少を提示するかかる変異型は、FcRへの好ましい結合をほとんどまたは全く有しないことがあり、例えば、FcRへの天然配列免疫グロブリン定常領域またはFc領域の結合レベルと比較して、FcRへの結合の0〜50%(例えば、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)である。同様に、調節されたADCC及び/またはCDC活性を提示する改変定常領域は、未改変定常領域と比較して、ADCC及び/またはCDC活性の増加または低減のいずれかを呈することができる。例えば、いくつかの実施形態において、改変定常領域を含む抗C5抗体は、未改変形態の定常領域のADCC及び/またはCDC活性の約0〜50%(例えば、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)を呈し得る。低減したADCC及び/またはCDCを提示する改変定常領域を含む本明細書に記載の抗C5抗体は、低減したADCC及び/またはCDC活性を呈するか、または全く呈しないことがある。

0116

ある特定の実施形態において、改変定常領域は、天然配列定常領域または未改変定常領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、及び/または欠失、例えば、天然配列定常領域または親ポリペプチドの定常領域内に、約1〜約100のアミノ酸置換、挿入、及び/または欠失を有する。いくつかの実施形態において、本明細書における改変定常領域は、少なくとも約70%の未改変定常領域との相同性類似性)または同一性、及びいくつかの例では、少なくとも約75%、及び他の例では、少なくとも約80%のそれとの相同性または同一性、及び他の実施形態では、少なくとも約85%、90%、または95%のそれとの相同性または同一性を有する。改変定常領域は、1つ以上のアミノ酸欠失または挿入を含んでもよい。追加として、改変定常領域は、例えば、改変グリコシル化パターンを含む改変翻訳後修飾をもたらす、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、または挿入(例えば、1つ以上の糖成分の付加、1つ以上の糖成分の喪失、または未改変定常領域と比べて1つ以上の糖成分の組成物の変化)を含んでもよい。

0117

改変エフェクタ機能を有するか、または有しない抗体は、異種定常、Fc、または重鎖領域を有する抗体を操作または生成することによって生成することができ、組換えDNA技術及び/または細胞培養及び発現条件を使用して、改変機能及び/または活性を有する抗体を生成することができる。例えば、組換えDNA技術を使用して、エフェクタ機能を含む抗体機能に影響する領域(例えば、Fcまたは定常領域など)内の1つ以上のアミノ酸置換、欠失、または挿入を操作することができる。代替として、翻訳後修飾、例えば、グリコシル化パターンなどの変化は、細胞培養物、及び抗体が生成される発現条件を操作することによって達成することができる。1つ以上の置換、付加、または欠失を抗体のFc領域に導入するための好適な方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Sambrook et al.(1989)″Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,″Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.;Harlow and Lane(1988),上記、Borrebaek(1992),上記、Johne et al.(1993),上記、PCT公開第06/53301号、及び米国特許第7,704,497号に記載される、例えば、標準DNA突然変異誘発技法を含む。

0118

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、低減したエフェクタ機能を呈するか、または全く呈しない。いくつかの実施形態において、抗C5抗体は、ハイブリッド定常領域、またはG2/G4ハイブリッド定常領域などのその部分を含む(例えば、Burton et al.(1992)Adv Immun 51:1−18、Canfield et al.(1991)J Exp Med 173:1483−1491、及びMueller et al.(1997)Mol Immunol 34(6):441−452を参照されたい)。上記を参照されたい。

0119

上記のG2/G4構成体を使用することに加えて、低減したエフェクタ機能を有する本明細書に記載の抗C5抗体は、抗体のある特定の領域のアミノ酸配列に他の型の変化を導入することによって生成することができる。かかるアミノ酸配列の変化は、例えば、PCT公開第94/28027号及び同第98/47531号、ならびにXu et al.(2000)Cell Immunol 200:16−26に記載されるAla−Ala突然変異を含むが、これに限定されない。したがって、いくつかの実施形態において、Ala−Ala突然変異を含む定常領域内に1つ以上の突然変異を有する抗C5抗体は、低減したエフェクタ機能を有するか、または全く有しない。これらの実施形態に従って、抗体の定常領域は、234位のアラニンに対する置換、または235位のアラニンに対する突然変異を含み得る。追加として、改変定常領域は、二重突然変異、すなわち、234位のアラニンに対する突然変異、及び235位のアラニンに対する第2の突然変異を含んでもよい。一実施形態において、抗C5抗体は、IgG4フレームワークを含み、Ala−Ala突然変異は、234位のフェニルアラニンからアラニンへの突然変異(複数可)、及び/または235位のロイシンからアラインへの突然変異を説明する。別の実施形態において、抗C5抗体は、IgG1フレームワークを含み、Ala−Ala突然変異は、234位のロイシンからアラニンへの突然変異(複数可)、及び/または235位のロイシンからアラニンへの突然変異を説明する。抗C5抗体は、代替または追加として、CH2ドメイン内に点突然変異K322Aを含む、他の突然変異を担持することがある(Hezareh et al.(2001)J Virol 75:12161−12168)。定常領域内に前述の突然変異(複数可)を有する抗体は、更に遮断または非遮断抗体であってもよい。

0120

重鎖定常領域に導入されるとき、追加の置換は、例えば、Shieldset al.(2001)J Biol Chem 276(9):6591−6604に記載されるエフェクタ機能の減少をもたらす。特にShieldsらの表1を参照されたい(ヒトFcRn及びFcγRへのヒトIgG1変異体の結合(その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。抗IgE抗体のライブラリ(ライブラリの各抗体は、重鎖定常領域内の1つ以上の置換が異なる)を、Fc受容体の集団(FcRn、FcγRI、FcγRIIA、及びFcγRIIIAを含む)への結合についてスクリーニングすることによって、著者らは、特定のFc−Fc受容体相互作用を調節するいくつかの置換を特定した。例えば、CH2ドメインがD265A置換を含む(Kabatら(上記)による重鎖アミノ酸付番)変異IgG2a重鎖定常領域は、変異定常領域と、IgG Fc受容体FcγRIIB、FcγRIII、FcγRI、及びFcγRIVとの間の相互作用の完全な喪失をもたらす。Shields et al.(2001)6595頁の表1。Baudino et al.(2008)J Immunol 181:6664−6669(上記)も参照されたい。

0121

ヒンジ領域内の変化もまた、エフェクタ機能に影響を及ぼす。例えば、ヒンジ領域の欠失は、Fc受容体に対する親和性を低減させることがあり、補体の活性化を低減することがある(Klein et al.(1981)Proc Natl Acad Sci
USA 78:524−528)。したがって、本開示は、ヒンジ領域内の改変を有する抗体にも関する。

0122

いくつかの実施形態において、抗C5抗体は、強化または低減された補体依存性細胞傷害性(CDC)を呈する改変定常領域を含むことができる。調節されたCDC活性は、1つ以上のアミノ酸置換、挿入、または欠失を抗体のFc領域内に導入することによって達成することができる。例えば、米国特許第6,194,551号を参照されたい。代替または追加として、システイン残基(複数可)は、Fc領域内に導入されてもよく、それによりこの領域内の鎖間ジスルフィド結合の形成を可能にする。故に、生成されたホモ二量体抗体は、向上した、もしくは低減した内部化能力、及び/または増加もしくは減少した補体媒介細胞殺滅を有することができる。例えば、Caron et al.(1992)J Exp Med 176:1191−1195及びShopes(1992)Immunol 148:2918−2922、PCT公開第99/51642号、及び同第94/29351号、Duncan and Winter(1988)Nature 322:738−40、ならびに米国特許第5,648,260号及び同第5,624,821号を参照されたい。

0123

抗体のエフェクタ機能を調節する別の潜在的手段としては、グリコシル化の変化が挙げられ、例えば、Raju(2003)BioProcess International 1(4):44−53に要約されている。Wright and Morrisonにより、ヒトIgGオリゴ糖微小不均一性は、CDC及びADCCなどの生体機能、様々なFc受容体への結合、及びClqタンパク質への結合に影響を及ぼし得る。(1997)TIBTECH 15:26−32。抗体のグリコシル化パターンは、生産性細胞及び細胞培養条件(Raju、上記)に応じて異なり得る。かかる差異は、エフェクタ機能及び薬物動態の両方の変化につながり得る。例えば、Israel et al.(1996)Immunology 89(4):573−578、及びNewkirk et
al.(1996)Clin Exp Immunol 106(2):259−264を参照されたい。エフェクタ機能の差異は、エフェクタ細胞上のFcγ受容体(FcγR)に結合するIgGの能力に関連することがある。Shieldsらは、FcγRへの結合を向上させたアミノ酸配列内の改変を有するIgGが、ヒトエフェクタ細胞を使用して、最大100%強化されたADCCを呈し得ることを示した。(2001)J Biol Chem 276(9):6591−6604。これらの改変は、結合界面において見出されないアミノ酸の変化を含むが、糖成分の性質ならびにその構造パターンの両方が、観察される差異に寄与することもある。加えて、IgGのオリゴ糖成分中のフコースの存在または非存在は、結合及びADCCを向上させることができる。例えば、Shields et al.(2002)J Biol Chem 277(30):26733−26740を参照されたい。Asn297に結合したフコシル化炭水化物を欠失したIgGは、FcγRI受容体への正常な受容体結合を呈した。対照的に、FcγRIIIA受容体への結合は、特により低い抗体濃度で50倍向上し、強化されたADCCを伴っていた。

0124

抗体のエフェクタ機能を改変するために、更に他の手法が存在する。例えば、抗体生産性細胞は、高突然変異誘発性であり得、それにより抗体分子全体にわたってランダムに改変されたポリペプチド残基を有する抗体を生成する。例えば、PCT公開第05/011735号を参照されたい。高突然変異誘発性宿主細胞としては、DNAミスマッチ修復において欠乏している細胞が挙げられる。この方法で生成された抗体は、抗原性が低く、及び/または有益な薬物動態特性を有することがある。追加として、かかる抗体は、強化または減少したエフェクタ機能(複数可)などの特性について選択されてもよい。本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片を調製するために有用な分子生物学技法の追加の詳細は、下に記載される。

0125

組換え抗体の発現及び精製
本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片は、分子生物学及びタンパク質化学の技術分野において既知の様々な技法を使用して生成され得る。例えば、抗体の重鎖及び軽鎖ポリペプチドの一方または両方をコードする核酸は、例えば、プロモータ配列リボソーム結合部位転写開始及び停止配列、翻訳開始及び停止配列、転写ターミネータシグナルポリアデニル化シグナル、及びエンハンサまたはアクチベータ配列を含む、転写及び翻訳制御配列を含む発現ベクターに挿入され得る。制御配列は、プロモータ、ならびに転写開始及び停止配列を含む。加えて、発現ベクターは、それが2つの異なる生物において、例えば、発現のために哺乳類または昆虫細胞において、及びクローニング及び増幅のために原核宿主において維持され得るように、複数の複製系を含み得る。

0126

様々な修飾、例えば置換は、当業者に既知の標準方法を使用して、本明細書に記載の重鎖及び/または軽鎖ポリペプチドをコードするDNA配列に導入され得る。例えば、抗体の1つ以上のCDR位置におけるヒスチジン置換の導入は、PCR媒介突然変異誘発などの標準方法を使用して実行することができ、PCR生成物が所望の突然変異または部位特異的突然変異誘発を含むように、突然変異ヌクレオチドPCRプライマーに組み込まれる。置換は、CDR領域のうちの1つ以上に導入され、例えば、pH7.4またはpH6.0で抗原に対する抗体のKDを増加または減少させることができる。部位特異的突然変異誘発における技法は、当該技術分野において周知である。例えば、Sambrookら(上記)を参照されたい。

0127

いくつかの可能なベクター系は、哺乳類細胞中の核酸からのクローン化重鎖及び軽鎖ポリペプチドの発現に使用可能である。1つのベクター群は、所望の遺伝子配列の、宿主細胞ゲノムへの統合に依存する。安定して統合されたDNAを有する細胞は、大腸菌gpt(Mulligan and Berg(1981)Proc Natl Acad Sci USA 78:2072)またはTn5 neo(Southern and Berg(1982)Mol Appl Genet 1:327)などの薬物耐性遺伝子を同時に導入することによって選択され得る。選択可能なマーカー遺伝子は、発現されるDNA遺伝子配列に結合され得るか、または同時形質移入によって同じ細胞に導入され得るかのいずれかである(Wigler et al.(1979)Cell 16:77)。第2のベクター群は、自家複製能力を染色体外プラスミドに付与するDNA要素を利用する。これらのベクターは、ウシパピローマウイルス(Sarver et al.(1982)Proc Natl Acad Sci USA,79:7147)、サイトメガロウイルスポリオーマウイルス(Deans et al.(1984)Proc Natl Acad Sci USA 81:1292)、またはSV40ウイルス(Lusky and Botchan(1981)Nature 293:79)などの動物ウイルスから誘導され得る。

0128

発現ベクターは、核酸の後次発現に好適な方法で細胞に導入され得る。導入の方法は、下で考察される標的細胞型によって主に規定される。例示的な方法としては、CaPO4沈降、リポソーム融合、カチオンリポソーム電気穿孔ウイルス感染デキストラン媒介形質移入ポリブレン媒介形質移入、プロトプラスト融合、及び直接微量注入が挙げられる。

0129

抗体またはその抗原結合断片の発現に適切な宿主細胞としては、酵母、細菌、昆虫、植物、及び哺乳類細胞が挙げられる。特に、大腸菌などの細菌、サッカロマイセスセレビシエ及びピキアパストリスなどの真菌SF9などの昆虫細胞、哺乳類細胞株(例えば、ヒト細胞株)、ならびに霊長類細胞株関心対象である。

0130

いくつかの実施形態において、抗体またはその断片は、トランスジェニック動物(例えば、トランスジェニック哺乳動物)において発現され、それから精製され得る。例えば、抗体は、例えば、Houdebine(2002)Curr Opin Biotechnol 13(6):625−629、van Kuik−Romeijn et al.(2000)Transgenic Res 9(2):155−159、及びPollock et al.(1999)J Immunol Methods231(1−2):147−157に記載されるように、トランスジェニック非ヒト哺乳動物(例えば、齧歯動物)において生成され、乳汁から単離され得る。

0131

抗体及びその断片は、タンパク質の発現を可能にするために十分な条件下、及び時間にわたって、抗体または断片をコードする核酸を含有する発現ベクターで変換された宿主細胞を培養することによって細胞から生成され得る。タンパク質発現のためのかかる条件は、発現ベクター及び宿主細胞の選択によって異なり、ルーチン実験を通じて当業者により容易に確認される。例えば、大腸菌中で発現された抗体は、封入体から再び折り畳まれ得る(例えば、Hou et al.(1998)Cytokine 10:319−30を参照されたい)。細菌発現系及びそれらの使用のための方法は、当該技術分野において周知である(Current Protocols in Molecular Biology,Wiley & Sons,and Molecular Cloning−−A Laboratory Manual−−3rd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(2001)を参照されたい)。コドン、好適な発現ベクター、及び好適な宿主細胞の選択は、いくつかの因子に応じて異なり、必要に応じて容易に最適化され得る。本明細書に記載の抗体(またはその断片)は、哺乳類細胞において、または酵母、バキュロウイルス、及びインビトロ発現系を含むが、これらに限定されない他の発現系において発現され得る(例えば、Kaszubska et al.(2000)Protein Expression and Purification 18:213−220を参照されたい)。

0132

発現に続いて、抗体及びその断片が単離され得る。本明細書に記載のタンパク質(抗体または断片)のうちのいずれかに適用される「精製された」または「単離された」という用語は、成分(例えば、タンパク質または他の天然に存在する生体分子または有機分子)から分離または精製されたポリペプチドを指し、これらはタンパク質を発現する原核生物において、例えば、他のタンパク質、脂質、及び核酸を天然に伴う。典型的に、ポリペプチドは、それが試料中の総タンパク質の少なくとも60重量%(例えば、少なくとも65、70、75、80、85、90、92、95、97、または99重量%)を構成するときに精製される。

0133

抗体またはその断片は、どの他の成分が試料中に存在するかに応じて、当業者に既知の様々な方法で単離または精製され得る。標準精製方法としては、電気泳動、分子、免疫学的、及びクロマトグラフィー技法が挙げられ、イオン交換疎水性、親和性、及び逆相HPLCクロマトグラフィーを含む。例えば、抗体は、標準抗抗体カラム(例えば、タンパク質−Aまたはタンパク質−Gカラム)を使用して精製され得る。タンパク質濃度と併せて、超ろ過及び透析ろ過も有用である。例えば、Scopes(1994)″Protein Purification,3rd edition,″Springer−Verlag,New YorkCity,New Yorkを参照されたい。必要な精製の程度は、所望の用途に応じて異なる。いくつかの例において、発現された抗体またはその断片の精製は必須でない。

0134

精製された抗体またはその断片の収率または純度を決定するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、ブラッドフォードアッセイ、紫外分光ビウレットタンパク質アッセイ、ローリータンパク質アッセイ、アミドブラックタンパク質アッセイ、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析(MS)、及びゲル電気泳動法(例えば、クマシーブルーまたはコロイド銀染色などのタンパク質染色を使用する)が挙げられる。

0135

いくつかの実施形態において、内毒素は、抗体または断片から除去され得る。タンパク質試料から内毒素を除去するための方法は、当該技術分野において既知である。例えば、内毒素は、様々な市販の試薬を使用してタンパク質試料から除去することができ、無制限に、ProteoSpin(商標)内毒素除去キット(Norgen Biotek Corporation)、Detoxi−Gel内毒素除去ゲル(Thermo Scientific、Pierce Protein Research Products)、MiraCLEAN(登録商標)内毒素除去キット(Mirus)、またはAcrodisc(商標)−Mustang(登録商標)E膜(Pall Corporation)が挙げられる。

0136

試料中に存在する内毒素を検出する、及び/またはその量を測定するための方法は(精製前及び精製後の両方)、当該技術分野において既知であり、市販のキットが入手可能である。例えば、タンパク質試料中の内毒素の濃度は、QCL−1000発色性キット(BioWhittaker)またはリムルス変形細胞ライセート(LAL)系キット、例えば、Associates of Cape Cod Incorporatedから入手可能なPyrotell(登録商標)、Pyrotell(登録商標)−T、Pyrochrome(登録商標)、Chromo−LAL、及びCSEキットを使用して決定され得る。

0137

抗体またはその抗原結合断片の修飾
抗体またはその抗原結合断片は、それらの発現及び精製後に修飾され得る。修飾は、共有結合的または非共有結合的修飾であり得る。かかる修飾は、例えば、ポリペプチドの標的アミノ酸残基を、選択された側鎖または末端残基と反応させることができる有機誘導剤と反応させることによって、抗体または断片に導入され得る。修飾に好適な部位は、例えば、抗体または断片の構造分析またはアミノ酸配列分析を含む様々な基準のうちのいずれかを使用して選択され得る。

0138

いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、異種部分に複合され得る。この異種部分は、例えば、異種ポリペプチド、治療薬(例えば、毒素もしくは薬物)、または限定されないが、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、重金属標識、発光標識、またはビオチンもしくはストレプトアビジンなどの親和性タグなどの検出可能な標識であり得る。好適な異種ポリペプチドとしては、例えば、抗体または断片を精製する際に使用するための、抗原タグ



ポリヒスチジン



ヘマグルチニン



グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、またはマルトース結合タンパク質(MBP))が挙げられる。異種ポリペプチドは、診断または検出可能なマーカーとして有用なポリペプチド(例えば、酵素)、例えば、ルシフェラーゼ蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP))、またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼCAT)も含む。好適な放射性標識としては、例えば、32P、33P、14C、125I、131I、35S、及び3Hが挙げられる。好適な蛍光標識としては、無制限に、フルオレセインフルオレセインイソチオシアネートFITC)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、DyLight(商標)488、フィコエリスリン(PE)、ヨウ化プロピジウム(PI)、PerCP、PE−Alexa Fluor(登録商標)700、Cy5、アロフィコシアニン、及びCy7が挙げられる。蛍光標識は、例えば、様々な発光ランタニド(例えば、ユーロピウムまたはテルビウムキレートのうちのいずれかを含む。例えば、好適なユーロピウムキレートとしては、ジエチレントリアミ五酢酸(DTPA)またはテトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸DOTA)のユーロピウムイキレートが挙げられる。酵素標識としては、例えば、アルカリホスファターゼ、CAT、ルシフェラーゼ、及びホースラディッシュペルオキシダーゼが挙げられる。

0139

2つのタンパク質(例えば、抗体及び異種部分)は、いくつかの既知の化学架橋剤のうちのいずれかを使用して架橋され得る。かかる架橋剤の例は、「ヒンダードジスルフィド結合を含む結合を介して2つのアミノ酸残基を結合するものである。これらの結合において、架橋単位内のジスルフィド結合は、例えば、還元グルタチオンまたは酵素ジスルフィド還元酵素の作用による還元から(ジスルフィド結合のいずれかの側の基を妨げることによって)保護される。1つの好適な試薬、4−スクシンイミジルオキシカルボニル−α−メチル−α(2−ピリジルジチオトルエンSMPT)は、タンパク質のうちの一方の末端リジン及び他方の末端システインを利用して、2つのタンパク質間にかかる結合を形成する。各タンパク質上の異なるカップリング部分によって架橋するヘテロ二官能性試薬を使用することもできる。他の有用な架橋剤としては、無制限に、2つのアミノ基(例えば、N−5−アジド−2−ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド)、2つのスルフヒドリル基(例えば、1,4−ビスマレイミドブタン)、アミノ基及びスルフヒドリル基(例えば、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、アミノ基及びカルボキシル基(例えば、4−[p−アジドサリチルアミドブチルアミン)、ならびにアミノ基及びアルギニンの側鎖内に存在するグアニジニウム基(例えば、p−アジドフェニルグリオキサール一水和物)を結合する試薬が挙げられる。

0140

いくつかの実施形態において、放射性標識は、抗体のアミノ酸骨格に直接複合され得る。代替として、放射性標識は、より大きな分子(例えば、遊離アミノ基に結合して関連タンパク質のメタヨードフェニル(mIP)誘導体を形成する、メタ−[125I]ヨードフェニル−N−ヒドロキシスクシンイミド中の125I([125I]mIPNHS)(例えば、Rogers et al.(1997)J Nucl Med 38:1221−1229を参照されたい)またはタンパク質骨格に順次結合されるキレート(例えば、DOTAまたはDTPA)の一部として含まれ得る。放射性標識、またはそれらを含むより大きな分子/キレートを本明細書に記載の抗体または抗原結合断片に複合する方法は、当該技術分野において既知である。かかる方法は、放射性標識またはキレートの、タンパク質への結合を促進する条件下(例えば、pH、塩濃度、及び/または温度)、放射性標識を有するタンパク質をインキュベートすることを必要とする(例えば、米国特許第6,001,329号を参照されたい)。

0141

蛍光標識(時として「フルオロフォア」と称される)をタンパク質(例えば、抗体)に複合するための方法は、タンパク質化学の技術分野において既知である。例えば、フルオロフォアは、そのフルオロフォアに付着したスクシンイミジル(NHS)エステルまたはテトラフルオロフェニル(TFP)エステル部分を使用して、タンパク質の遊離アミノ基(例えば、リジンの)またはスルフヒドリル基(例えば、システイン)に複合され得る。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、スルホSMCCなどのヘテロ二官能性架橋剤部分に複合され得る。好適な複合方法は、抗体タンパク質またはその断片を、タンパク質へのフルオロフォアの結合を促進する条件下、フルオロフォアでインキュベートすることを必要とする。例えば、Welch and Redvanly(2003)″Handbook of Radiopharmaceuticals:Radiochemistry and Applications,″John Wiley and Sons(ISBN 0471495603)を参照されたい。

0142

いくつかの実施形態において、抗体または断片は、例えば、循環中、例えば血液、血清、他の組織中の抗体の安定化及び/または保持を向上させる部分で修飾され得る。例えば、抗体または断片は、例えば、Lee et al.(1999)Bioconjug Chem 10(6):973−8、Kinstler et al.(2002)Advanced Drug Deliveries Reviews 54:477−485、及びRoberts et al.(2002)Advanced Drug Delivery Reviews 54:459−476に記載のようにPEG化またはHES化され得る(Fresenius Kabi,Germany、例えば、Pavisic et al.(2010)Int J Pharm 387(1−2):110−119を参照されたい)。 安定化部分は、抗体(もしくは断片)の安定性または保持を、少なくとも1.5倍(例えば、少なくとも2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、もしくは50倍以上)向上させることができる。

0143

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片は、グリコシル化され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片は、酵素治療もしくは化学治療に供され得るか、または細胞から生成され得、抗体または断片がグリコシル化を低減または不在にするようになる。低減したグリコシル化を有する抗体を生成するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第6,933,368号、Wright et al.(1991)EMBO J 10(10):2717−2723、及びCo et al.(1993)Mol Immunol 30:1361に記載されている。

0144

薬学的組成物及び製剤
本明細書に記載の組成物は、例えば、補体関連障害の治療または予防のために対象に投与するための、薬学的溶液として配合され得る。薬学的組成物は、一般に、薬学的に許容される担体を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、任意かつ全ての溶媒分散媒体コーティング抗菌及び抗真菌剤等張及び吸収遅延剤、ならびに生理学的に適合性の同様物を指し、それらを含む。組成物は、薬学的に許容される塩、例えば、酸付加塩または塩基付加塩を含み得る(例えば、Berge et al.(1977)J Pharm Sci 66:1−19を参照されたい)。

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