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技術 自流型境界層制御装置及びこれを用いる風洞試験装置

出願人 三菱重工機械システム株式会社
発明者 小松由尚伊与田真志高峰潤
出願日 2015年12月17日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2015-246743
公開日 2017年6月22日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2017-111057
状態 特許登録済
技術分野 空気力学的試験、水力学的試験、風洞、水槽
主要キーワード 定常流量 ジェット空気 整流金網 循環回流 空気冷却装置 風洞試験装置 整流格子 開口面積比
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

各種試験を精度よく実行することができる自流境界層制御装置及びこれを用いる風洞試験装置を提供すること。

解決手段

送風路と接続され、送風路から空気が供給される測定室に設けられ測定対象物が配置される移動地面板と、空気の進行方向において送風路よりも下流側でかつ移動地面板よりも上流側に配置され、空気を吸引する空気吸込口との間の床面に開口した自流吸込口と、自流吸込口に接続され、自流吸込口から流入した空気が流れる流路と、流路の他方の端部に接続され、空気吸込口と移動地面板との間に空気を排出する自流吹出口と、を有し、流路は、自流吹出口との接続部分に、自流吹出口との接続部分に向かうにしたがって、送風路から測定室に供給される主流の進行方向下流側に向かう案内部を有する。

概要

背景

気流に対する特性を試験する風洞試験装置が使用されている。風洞試験装置は、装置の一端側に送風機が設けられており、この送風機を駆動して風洞内に空気の流れを形成し、計測領域で各種特性計測するようになっている。風洞試験装置では、走行状態の車両の特性の試験を行うために、試験条件と実際の走行状態で差が生じる風洞の床界面の境界層の特性を制御する空気吸込口を備えているものがある。

特許文献1には、環状に連続する送風路を通じて、送風機によりジェット空気循環回流させ、吹出口を通じて測定領域にジェット空気を吹き出す際、ジェット空気の主流空気が床界面側で発生する境界層をジェット空気の主流方向に対して鉛直軸方向に吸い込み、排出する吸込ダクトを有する風洞境界層制御装置が記載されている。特許文献1に記載の風洞境界層制御装置は、吸込ダクト内に吸込まれたジェット空気の淀み圧を低減し、ジェット空気の主流方向の流れの阻害を低減する。

概要

各種試験を精度よく実行することができる自流境界層制御装置及びこれを用いる風洞試験装置を提供すること。送風路と接続され、送風路から空気が供給される測定室に設けられ測定対象物が配置される移動地面板と、空気の進行方向において送風路よりも下流側でかつ移動地面板よりも上流側に配置され、空気を吸引する空気吸込口との間の床面に開口した自流吸込口と、自流吸込口に接続され、自流吸込口から流入した空気が流れる流路と、流路の他方の端部に接続され、空気吸込口と移動地面板との間に空気を排出する自流吹出口と、を有し、流路は、自流吹出口との接続部分に、自流吹出口との接続部分に向かうにしたがって、送風路から測定室に供給される主流の進行方向下流側に向かう案内部を有する。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、各種試験を高い精度で実行することができる自流型境界層制御装置及びこれを用いる風洞試験装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

送風路と接続され、前記送風路から空気が供給される測定室に設けられ測定対象物が配置される移動地面板と、前記空気の進行方向において前記送風路よりも下流側でかつ前記移動地面板よりも上流側に配置され、前記空気を吸引する空気吸込口との間の床面に開口した自流吸込口と、前記自流吸込口に接続され、前記自流吸込口から流入した空気が流れる流路と、前記流路の他方の端部に接続され、前記空気吸込口と前記移動地面板との間に空気を排出する自流吹出口と、を有し、前記流路は、前記自流吹出口との接続部分に、前記自流吹出口との接続部分に向かうにしたがって、前記送風路から前記測定室に供給される主流の進行方向下流側に向かう案内部を有することを特徴とする自流型境界層制御装置

請求項2

前記自流吹出口は、開口面積が、前記自流吸込口の開口面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の自流型境界層制御装置。

請求項3

前記自流吹出口は、前記空気の進行方向に直交する方向に延在するスリットであり、前記自流吸込口は、前記空気の進行方向に直交する方向に延在するスリットまたは前記空気の流れ方向に直交する方向に複数の穴が形成された多孔板であることを特徴とする請求項1または2に記載の自流型境界層制御装置。

請求項4

前記自流吹出口より吹き出される空気の進行方向と、前記主流の進行方向のなす角が15°以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の自流型境界層制御装置。

請求項5

前記自流吹出口は、前記測定室の床面に開口することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の自流型境界層制御装置。

請求項6

前記自流吸込口は、前記自流吹出口よりも前記空気吸込口側の床面に開口されることを特徴とする請求項5に記載の自流型境界層制御装置。

請求項7

前記自流吸込口は、前記自流吹出口よりも前記移動地面板側の床面に開口されることを特徴とする請求項5に記載の自流型境界層制御装置。

請求項8

前記移動地面板は、無端ベルトと、前記無端ベルトを回転させるローラーとを有し、前記自流吹出口は、前記移動地面板のローラーの前記床面よりも鉛直方向下側に配置された部分と対面する位置で、前記測定室と連通する空間に開口され、前記自流吹出口より吹き出される空気の進行方向と、前記自流吹出口より吹き出される空気の進行方向を伸ばした線と前記ローラーとの接点における前記ローラーの接線と、のなす角が15°以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の自流型境界層制御装置。

請求項9

前記案内部は、前記空気の流れ方向下流側に向かうにしたがって、断面積が小さくなることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の自流型境界層制御装置。

請求項10

前記自流吹出口と前記自流吸込口との間の床面を前記空気の進行方向に移動可能な調整機構を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の自流型境界層制御装置。

請求項11

送風路と、前記送風路に接続され、前記送風路から空気が供給される測定室と、前記測定室に設けられ測定対象物が配置される移動地面板と、前記空気の進行方向において前記送風路よりも下流側でかつ前記移動地面板よりも上流側に配置され、前記空気を吸引する空気吸込口と、前記移動地面板と前記空気吸込口との間に配置された請求項1から10のいずれか一項に記載の自流型境界層制御装置と、を有することを特徴とする風洞試験装置

技術分野

0001

本発明は、自流境界層制御装置及びこれを用いる風洞試験装置に関する。

背景技術

0002

気流に対する特性を試験する風洞試験装置が使用されている。風洞試験装置は、装置の一端側に送風機が設けられており、この送風機を駆動して風洞内に空気の流れを形成し、計測領域で各種特性計測するようになっている。風洞試験装置では、走行状態の車両の特性の試験を行うために、試験条件と実際の走行状態で差が生じる風洞の床界面の境界層の特性を制御する空気吸込口を備えているものがある。

0003

特許文献1には、環状に連続する送風路を通じて、送風機によりジェット空気循環回流させ、吹出口を通じて測定領域にジェット空気を吹き出す際、ジェット空気の主流空気が床界面側で発生する境界層をジェット空気の主流方向に対して鉛直軸方向に吸い込み、排出する吸込ダクトを有する風洞境界層制御装置が記載されている。特許文献1に記載の風洞境界層制御装置は、吸込ダクト内に吸込まれたジェット空気の淀み圧を低減し、ジェット空気の主流方向の流れの阻害を低減する。

先行技術

0004

特開2009−156695号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ここで、風洞試験装置は、特許文献1のように境界層制御装置を用いることで、風洞の床境界面である境界層の気体の流れを制御することができ、風洞試験再現性を高くすることができる。

0006

ここで、風洞試験装置には、測定対象走行している状態を再現するために、車両が接地している路面に、路面が移動する移動地面板を設置した装置がある。この移動地面板を有する風洞試験装置は、境界層制御装置と移動地面板との間に一定の距離が生じる。このため、境界層制御装置で流れが制御された場合でも移動地面板に到達するまでに、境界層が発達し、走行状態の気流の再現性が低下してしまう。

0007

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、各種試験を高い精度で実行することができる自流型境界層制御装置及びこれを用いる風洞試験装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述した課題を解決するための本発明は、送風路と接続され、前記送風路から空気が供給される測定室に設けられ測定対象物が配置される移動地面板と、前記空気の進行方向において前記送風路よりも下流側でかつ前記移動地面板よりも上流側に配置され、前記空気を吸引する空気吸込口との間の床面に開口した自流吸込口と、前記自流吸込口に接続され、前記自流吸込口から流入した空気が流れる流路と、前記流路の他方の端部に接続され、前記空気吸込口と前記移動地面板との間に空気を排出する自流吹出口と、を有し、前記流路は、前記自流吹出口との接続部分に、前記自流吹出口との接続部分に向かうにしたがって、前記送風路から前記測定室に供給される主流の進行方向下流側に向かう案内部を有することを特徴とする。

0009

前記自流吹出口は、開口面積が、前記自流吸込口の開口面積よりも小さいことが好ましい。

0010

また、前記自流吹出口は、前記空気の進行方向に直交する方向に延在するスリットであり、前記自流吸込口は、前記空気の進行方向に直交する方向に延在するスリットまたは前記空気の流れ方向に直交する方向に複数の穴が形成された多孔板であることが好ましい。

0011

また、前記自流吹出口より吹き出される空気の進行方向と、前記主流の進行方向のなす角が15°以下であることが好ましい。

0012

また、前記自流吹出口は、前記測定室の床面に開口することが好ましい。

0013

また、前記自流吸込口は、前記自流吹出口よりも前記空気吸込口側の床面に開口されることが好ましい。

0014

また、前記自流吸込口は、前記自流吹出口よりも前記移動地面板側の床面に開口されることが好ましい。

0015

また、前記移動地面板は、無端ベルトと、前記無端ベルトを回転させるローラーとを有し、前記自流吹出口は、前記移動地面板のローラーの前記床面よりも鉛直方向下側に配置された部分と対面する位置で、前記測定室と連通する空間に開口され、前記自流吹出口より吹き出される空気の進行方向と、前記自流吹出口より吹き出される空気の進行方向を伸ばした線と前記ローラーとの接点における前記ロータの接線と、のなす角が15°以下であることが好ましい。

0016

また、前記案内部は、前記気体の流れ方向下流側に向かうにしたがって、断面積が小さくなることが好ましい。

0017

また、前記自流吹出口と前記自流吸込口との間の床面を前記空気の進行方向に移動可能な調整機構を有することが好ましい。

0018

上述した課題を解決するための本発明は、風洞試験装置であって、送風路と、前記送風路に接続され、前記送風路から空気が供給される測定室と、前記測定室に設けられ測定対象物が配置される移動地面板と、前記空気の進行方向において前記送風路よりも下流側でかつ前記移動地面板よりも上流側に配置され、前記空気を吸引する空気吸込口と、前記移動地面板と前記空気吸込口との間に配置された上記のいずれかに記載の前記自流型境界層制御装置と、を有することを特徴とする。

発明の効果

0019

本発明によれば、自流吸込口で、空気を適切に吸い込むことができ、自流吹出口で、空気を適切に吹き出すことができ、境界層の発達を抑制できる。これにより、測定領域により均一流れの空気を供給することができ、各種試験を高い精度で実行することができる。また、主流の流れを利用して空気を流すことができ、動力も不要となる。これにより、各種試験を効率よく実行できる。

図面の簡単な説明

0020

図1は、第1実施形態の風洞試験装置の概略構成を示す模式図である。
図2は、空気吸込口、自流型境界層制御装置、移動地面板の概略構成を示す模式図である。
図3は、第1実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。
図4は、第2実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。
図5は、第3実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。
図6は、第4実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。
図7は、第5実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。
図8は、第6実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。

実施例

0021

以下、本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜組み合わせることが可能である。

0022

第1実施形態に係る自流型境界層制御装置18を有する風洞試験装置10について図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態の風洞試験装置10の概略構成を示す模式図である。

0023

風洞試験装置10は、風洞12と、ファン(送風機)13と、空気吸込口14と、自流型境界層制御装置18aと、移動地面板60と、を有する。風洞12は、空気が流れる経路であり、送風路15と、測定室17と、を有する。送風路15は、複数、本実施形態では4か所で折り曲げられた管路であり、一方の端部が吸込口(コレクタ)20となり、他方の端部が吹出口22となる。送風路15は、吸込口20と吹出口22とが対面している。

0024

また、風洞12は、送風路15の4か所の折れ曲がり部、つまりコーナー部にコーナーベーン26a、26b、26c、26dが設けられている。コーナーベーン26a、26b、26c、26dは、送風路15を流れる空気の向きを上流側の向きから下流側の向きに案内する機構である。本実施形態では、吸込口20から吹出口22に向かって、コーナーベーン26c、26d、26a、26bの順で配置されている。送風路15は、コーナーベーン26c、26d、26a、26bで空気を案内することで、送風路15内での抵抗を低減している。

0025

測定室17は、送風路15の両端が挿入された部屋である。測定室17は、吸込口20と吹出口22とが内部に露出している。測定室17は、吸込口20と吹出口22との間に試験体、本実施形態では車両8が配置される測定領域27が設けられている。このように、風洞12は、送風路15の両端が測定室17と接続されており、送風路15と測定室17とで、空気が循環する経路を形成している。

0026

ファン(送風機)13は、送風路15の内部に配置されている。具体的には、コーナーベーン26dとコーナーベーン26aとの間に配置されている。ファン13は、コーナーベーン26dからコーナーベーン26aに向けて空気を送ることで、コーナーベーン26a、コーナーベーン26b、吹出口22、測定室17、吸込口20、コーナーベーン26c、コーナーベーン26dの順で送風路15と測定室17とを循環する空気の流れであるジェット空気30を形成する。

0027

また、風洞試験装置10は、吹出口22とコーナーベーン26bとの間、つまり、ジェット空気30の流れ方向において、ファン13よりも下流側で、かつ、吹出口22の上流側に空気冷却装置熱交換器)28と整流部29を備えている。整流部29は、空気冷却装置28よりも下流側に配置されている。空気冷却装置28は、測定室17に供給するジェット空気30の温度を調整する。整流部29は、例えば、整流金網整流格子とを有し、流れるジェット空気30を整流する。整流部29で整流することで、吹出口22から吹き出し、測定室17に供給するジェット空気30を整流化することができる。

0028

風洞試験装置10は、ファン(送風機)13を駆動し、風洞12内に空気の流れを形成する。具体的には、ファン13で送風路15内に一方向に流れるジェット空気30の流れを形成することで、測定室17内の空気を吸込口20から収集し、送風路15を通過させて、整流部29で整流した後、吹出口22から測定室17に対してジェット空気30を吹き出すことができる。これにより、測定領域27の車両8にジェット空気30を吹き付けることができる。風洞試験装置10は、ファン13により測定領域27に吹き付けるジェット空気30の風速を調整することができる。

0029

風洞試験装置10は、測定室17の測定領域27に車両8を配置し、さらに測定機器を配置し、車両8にジェット空気30を吹き付けた状態での各種計測パラメータを計測することで、風速分布騒音などの各種試験を行うことができる。

0030

なお、風洞試験装置10では、風速の制御を、インレットガイドベーンによるファン吸い込み流量の制限、ダンパによるファン吐出流量の制限、ファン13の可変ピッチによる流量の制御などで行ってもよい。

0031

次に、図1に加え、図2を用いて、空気吸込口14について説明する。図2は、空気吸込口、自流型境界層制御装置、移動地面板の概略構成を示す模式図である。なお、図2は、各部の上面と側面を模式的に示している。

0032

空気吸込口14は、ジェット空気30の測定室17内での流れ方向42、つまり吹出口22から吸込口20に向かう方向において、吹出口22と後述する自流型境界層制御装置18との間の測定室17の床面40と接続されている。空気吸込口14は、床面40と接続されている位置に床面吸込口38が形成され、測定室17内の空気を吸引することができる。空気吸込口14は、吸込ダクト32と、送風機(吸引機)34と、吸込板36と、を有する。

0033

吸込ダクト32は、床面40に形成された開口である床面吸込口38と接続している。吸込ダクト32は、床面吸込口38との接続部を含む部分が、流れ方向42に対して直交する方向に延在している。つまり吸込ダクト32は、床面40に対して直角に接続されている。送風機34は、吸込ダクト32の空気を吸引し、流れ方向44の流れ、つまり床面吸込口38から吸込ダクト32の他方の端部への空気の流れを形成する。

0034

ここで、風洞試験装置10は、吹出口22から噴出するジェット空気30が主流空気(定常流量)による主流層50の他に主流層50と測定室17の床面40との間で抵抗が生じるために風速が遅れた境界層52が床面40に沿って生じる。そのため、車両8の風速分布の試験を行う際、境界層52の影響を受けることとなる。また、境界層52とは、床面表面付近の主流空気の流れにおいて、速度が床面表面上から主流空気の流速にまで急激に変化する範囲の層をいい、例えば主流空気の流速を100%とした時、流速が99%以下に減速する層をいう。

0035

これに対して、空気吸込口14は、送風機34を駆動し、吸込ダクト32を介して測定室17の空気を床面吸込口38から吸引することで、吹出口22から噴出し、流れ方向42に流れるジェット空気30の境界層52部分の一部を、流れ方向42に対して直角の流れ方向44に吸い込むことで、境界層52の影響を低減することができる。

0036

次に、図1に加え、図2を用いて、移動地面板60について説明する。移動地面板60は、主流の流れ方向において、空気吸込口14の下流側となる測定領域27の床面に配置されており、測定対象の車両8が接地されている。移動地面板60は、2つのローラー62と、ムービングベルト(無端ベルト)64と、を有する。2つのローラー62は、主流空気の流れ方向において、所定距離離れて配置されている。ムービングベルト64は、2つのローラー62によって張られている。移動地面板60は、ローラー62を回転させることで、ムービングベルト64を移動させる。具体的には、ローラー62を回転させることで、ムービングベルト64の床面側の面を主流の流れ方向(進行方向)と同じ方向に移動させる。移動地面板60は、ローラー62を回転させ、ムービングベルト64を回転させることで、車両8が接地されている床面を主流の流れ方向に移動させることができる。これにより、試験時に主流の流れに応じた速度で床面を移動させることができる。移動地面板60は、車両8が接地されている地面を試験条件に応じて移動させることで、車両8が接地している路面を移動させることができ、実際の走行状態に近い状態を再現することができる。また、移動地面板60は、主流層50の速度に応じて、ムービングベルト64上面の移動速度を制御することで、境界層52の影響を低減することができる。

0037

次に、図1及び図2に加え、図3を用いて、自流型境界層制御装置18aについて説明する。図3は、第1実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。自流型境界層制御装置18aは、空気吸込口14と移動地面板60との間に配置されている。つまり、自流型境界層制御装置18aは、主流の流れ方向において、空気吸込口14の下流側で移動地面板60の上流側となる位置、言い換えると、移動地面板60よりも吹出口22側であり、空気吸込口14よりも吸込口20側となる位置に配置されている。自流型境界層制御装置18aは、自流吹出口70aと、自流吸込口72aと、天板76aと、流路78aと、を有する。流路78aは、案内部79aを有する。自流型境界層制御装置18aは、主流の流れ方向に沿って、自流吹出口70a、自流吸込口72aの順で配置されている。

0038

自流吹出口70aは、測定室17の床面であり、かつ、空気吸込口14と移動地面板60との間となる位置に形成されている開口である。自流吹出口70aは、測定室17と繋がっている。自流吹出口70aは、主流の流れ方向に直交する方向において、移動地面板60が配置されている範囲の全域を含み、かつ、移動地面板60が配置されている範囲よりも広い範囲に形成されている。自流吹出口70aは、1つのスリットとなる。

0039

自流吸込口72aは、自流吹出口70aよりも吸込口20側の測定室17の床面に形成されている開口である。自流吸込口72aは、測定室17と繋がっている。自流吸込口72aは、主流の流れ方向に直交する方向において、移動地面板60が配置されている範囲の全域を含み、かつ、移動地面板60が配置されている範囲よりも広い範囲に形成されている。自流吸込口72aは、1つのスリットとなる。

0040

天板76aは、測定室17の床面の一部であり、自流吹出口70aと自流吸込口72aとの間の部分である。天板76aは、自流吹出口70aと自流吸込口72aとの間の床面を、主流の流れ方向の前後の部分と同じ高さとしている。

0041

流路78aは、自流吹出口70aと自流吸込口72aとを接続する。本実施形態の流路78aは、天板76aの測定室17側とは反対側に空間が形成される管路である。案内部79aは、自流吹出口70aと接続する管路である。案内部79aは、自流吹出口70aとの接続部分に向かうにしたがって、主流の進行方向下流側に向かう向きで形成されている。本実施形態の案内部79aは、断面積が一定となる管路である。

0042

自流型境界層制御装置18aは、以上のような構造であり、吹出口22からジェット空気30が排出され、測定室17にジェット空気が供給されると、ジェット空気の床面側の一部、つまり、境界層52の流れの一部が流れ方向74に示すように自流吸込口72aに流入し、流路78a、案内部79aを流れ、自流吹出口70aから、測定室17に吹き出される。自流型境界層制御装置18aは、案内部79aで主流の進行方向に沿った方向に空気の流れが形成され、自流吹出口70aから主流の進行方向に沿った空気を排出する。

0043

自流型境界層制御装置18aは、主流の進行方向に沿った流れの空気を床面近傍に排出することで、空気吸込口14と移動地面板60との間の床面で形成される境界層52を低減することができる。具体的には、移動地面板60よりも吹出口22側であり、空気吸込口14よりも吸込口20側に位置する床面40の、流れ方向42の幅は、移動地面板60が、ローラー62を有することから、一定の長さ存在する。本実施形態の風洞試験装置10は、この空気吸込口14と移動地面板60との間に自流型境界層制御装置18aを設けることで、空気吸込口14と移動地面板60との間の床面40を流れる空気を吸い込むことで、発生した境界層を排除することができる。また、自流型境界層制御装置18aは、自流吹出口70aと自流吸込口72aを流路78で接続し、主流が流入し、流入した空気を排出させる流れを形成することで、自流吸込口72aに空気を吸い込むこと、または、吸い込んだ空気を自流吹出口70aから排出することを、動力を用いることなく実現することができる。これにより、装置構成を簡単にすることができ、またエネルギーを有効活用することができる。また、限られたスぺ—スである空気吸込口14と移動地面板60との間に設置することができ、かつ、空気吸込口14と移動地面板60との間での境界層の発生を低減することができる。

0044

ここで、自流型境界層制御装置18aは、自流吹出口70aの開口面積が、自流吸込口72aの開口面積よりも小さいことが好ましい。これにより、自流吹出口70aより吹き出す空気の流速を速くすることを可能にし、境界層52の発生をより抑制することができる。

0045

また、自流吹出口70aから吹き出される空気の進行方向82(案内部79aの中心軸)と、自流吹出口70aの上部を流れる主流の流れ方向80のなす角θが15°以下であることが好ましい。これにより自流吹出口70aから吹き出す空気の流れ方向と、主流の流れ方向のなす角度差が小さくなり、境界層52の流速を効果的に上げ、境界層52の発達を抑制することができる。

0046

自流吸込口72aは、本実施形態ではスリットとしたが、主流の流れ方向と直交する方向に多数の穴が形成された多孔板としてもよい。自流吸込口72aは、スリット、多孔板とすることで、好適に空気を吸い込むことができる。また、自流吹出口70aは、スリットとすることで、好適に空気を吹き出すことができる。具体的には、自流吸込口72a、自流吹出口70aを上述の構造とすることで、通過する空気に分布ができることを抑制でき、空気の流れに直交する断面における空気の流れを均一にすることできる。

0047

また、自流型境界層制御装置18aは、自流吹出口70aと、自流吸込口72aに挟まれた天板76aを、空気の進行方向において移動可能な調整機構を設けることが好ましい。天板76aを移動させることで、自流吹出口70cの開口面積と、自流吸込口72cの開口面積の比を変化させることが可能となり、吸い込みと、吹き出しが、好適に行うことができる開口面積比にて、試験を行うことができる。

0048

次に、図4を用いて、第2実施形態の風洞試験装置の自流型境界層制御装置18bを説明する。図4は、第2実施形の態自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。
なお、第2の実施形態の自流型境界層制御装置18bは、上述した第1実施形態の自流型境界層制御装置18aに代えて風洞試験装置10に適用することができる。つまり、第2実施形態の風洞試験装置は、自流型境界層制御装置18b以外は、風洞試験装置10と同様の構成である。この点は後述する実施形態も同様である。

0049

図4に示す自流型境界層制御装置18bは、自流吹出口70bと、自流吸込口72bと、天板76bと、流路78bと、を有する。流路78bは、案内部79bを有する。自流型境界層制御装置18bは、案内部79bの形状以外は、自流型境界層制御装置18aと同様の構造である。案内部79bは、自流吹出口70bに近づくにしたがって、つまり、空気の流れ方向下流側に向かって、自流吹出口70bの断面積が徐々に小さくなる形状である。自流型境界層制御装置18bは、案内部79bの形状を自流吹出口70bに向かって断面積が徐々に小さくなる形状とすることで、案内部79bを流れる空気を圧縮することができ、自流吹出口70bより吹き出される空気の流速を速くすることができる。これにより、境界層52の発生をより抑制することができる。この点は、後述する他の実施形態も同様であり、案内部の形状を調整することで、境界層52の発生をより抑制することができる。

0050

次に、図5を用いて、第3実施形態の自流型境界層制御装置18cを説明する。図5は、第3実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。図5に示す自流型境界層制御装置18cは、自流吹出口70cと、自流吸込口72cと、天板76cと、流路78cと、を有する。流路78cは、案内部79cを有する。図5に示す自流型境界層制御装置18cは、自流吸込口72cが、自流吹出口70cより吹出口22側の床面に開口している。つまり、自流型境界層制御装置18cは、主流の流れ方向において、上流側から自流吸込口72c、自流吹出口70cの順で配置されている。

0051

このように、自流型境界層制御装置18cは、自流吹出口70cを自流吸込口72cよりも下流側に配置しても他の実施形態と同様に、自流吸込口72cで境界層52の空気を吸い込み、境界層52の形成を低減する空気の流れを形成することができる。

0052

次に、図6を用いて、第4実施形態の自流型境界層制御装置18dを説明する。図6は、第4実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。図6に示す自流型境界層制御装置18dは、自流吹出口70dと、自流吸込口72dと、天板76dと、流路78dと、を有する。流路78dは、案内部79dを有する。自流型境界層制御装置18dは、自流吸込口72dが、自流吹出口70dより吹出口22側の床面に開口している。つまり、自流型境界層制御装置18dは、主流の流れ方向において、上流側から自流吸込口72d、自流吹出口70dの順で配置されている。

0053

また、自流吹出口70dは、移動地面板60のローラー近傍壁面66に開口されている。つまり、自流吹出口70dは、測定室17の床面よりも鉛直方向下側の領域で、床面40と移動地面板60との間の空間の壁面に開口している。自流型境界層制御装置18dは、自流吹出口70dから空気を吹き出すことでローラー近傍壁面66からローラー62に向けて空気を吹き出す。これにより、自流型境界層制御装置18dは、自流吹出口70dから吹き出した空気を、移動地面板60の主流の流れ方向上流側端部と床面40との間の隙間から、測定室17内に供給することができる。これにより、測定室17内に移動したムービングベルト64の表面に主流の流れ方向に沿った空気の流れをより好適に形成することができ、測定室17内に移動したムービングベルト64の表面に主流層50に近い空気の流れを形成することができる。

0054

ここで、自流吹出口70dから空気を吹き出す角度(案内部79dの中心軸の角度)は、自流吹出口70dより吹き出される空気の進行方向と移動地面板60のローラー62との接点におけるローラー62の接線とのなす角が15°以下となる角度であることが好ましい。これにより、ローラー62と測定室17内の床面40の境界にて空気を吹き出すことができ、境界層52の発生をより抑制することができる。

0055

次に、図7を用いて、第5実施形態の自流型境界層制御装置18eを説明する。図7は、第5実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。図7に示す自流型境界層制御装置18eは、自流吹出口70eと、自流吸込口72eと、天板76eと、流路78eと、を有する。流路78eは、案内部79eを有する。自流型境界層制御装置18の流路78eは、自流吸込口72eの上流側の端部と接続している領域に導風部84を有する。導風部79は、主流の進行方向に沿って進むにしたがって、鉛直方向下側に位置か変化する傾斜が形成されている。自流型境界層制御装置18は、導風部84を設けることで、自流吸込口72eに吸気を流入しやすくすることができる。これにより、自流型境界層制御装置18eで境界層52の空気の流入を潤滑に行うことができ、境界層52をより低減することができる。

0056

次に、図8を用いて、第6実施形態の自流型境界層制御装置18fを説明する。図8は、第6実施形態の自流型境界層制御装置を拡大して示す断面図である。図8に示す自流型境界層制御装置18fは、自流吹出口70fと、自流吸込口72fと、天板76fと、流路78fと、を有する。流路78fは、案内部79fを有する。流路78fは、空気の流れ方向に沿った方向において、流路が平面と曲面とが繋がった形状であり、平面と平面が接続した部分がない構造である。つまり、流路78fは、空気の流れは変化する領域が曲面で形成され、角部がない構造である。自流型境界層制御装置18fは、流路78fを空気の流れ方向に沿った方向において角部がない形状とすることで、流路78fを流れる空気の流体抵抗を減らし、自流吹出口70fより吹出す空気が減速することを抑制できるこれにより、境界層52の発生をより好適に抑制することができる。

0057

本実施形態の自流型境界層制御装置18a、18b、18c、18d、18e、18fは、上記実施形態に限定されず、各種実施形態を組み合わせた形状としてもよい。例えば、自流型境界層制御装置18c、18dの案内部79c、79dの構造を案内部79bの構造としてもよい。また、自流型境界層制御装置18e、18fの構造を他の実施形態に適用してもよい。

0058

8 車両
10風洞試験装置
12風洞
13ファン
14空気吸込口
15送風路
17測定室
18a、18b、18c、18d、18e、18f自流型境界層制御装置
20吸込口
22吹出口
26a、26b、26c、26dコーナーベーン
27 測定領域
28空気冷却装置
29整流部
30ジェット空気
32吸込ダクト
34送風機(吸引機)
36 吸込板
38 床面吸込口
40 床面
50 主流層
52境界層
60移動地面板
62ローラー
64ムービングベルト
66 ローラー近傍壁面
70a、70b、70c、70d、70e、70f 自流吹出口
72a、72b、72c、72d、72e、72f 自流吸込口
74 流れ方向
76a、76b、76c、76e、76f天板
78a、78b、78c、78d、78e、78f流路
79a、79b、79c、79d、79e、79f 案内部
84導風部

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