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技術 保持シール材及び保持シール材の製造方法

出願人 イビデン株式会社
発明者 岡部隆彦畑中清成
出願日 2015年12月16日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2015-245626
公開日 2017年6月22日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-110564
状態 特許登録済
技術分野 繊維製品への有機化合物の付着処理 無機繊維 排気の後処理 触媒による排ガス処理 繊維製品の化学的、物理的処理 不織物
主要キーワード 金属ケース間 巻付体 無機質短繊維 楕円柱形状 アルミナ比率 アクリレート系ラテックス 集合型 マグネシア粒子
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月22日)のものです。
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課題

保持シール材に高い圧力を受けた状態で、950℃以上の高温排ガスに長時間曝されたとしても、面圧が低下しにくく、風蝕し難い、保持シール材を提供する。

解決手段

アルミナ繊維からなる保持シール材20であって、アルミナ繊維は、アルミナ成分を85〜98wt%及びシリカ成分を15〜2wt%含み、保持シール材は、ニードルパンチ痕25が形成されており、熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の熱処理試験後の保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の熱処理試験後の保持シール材の面圧の65〜99%であることを特徴とする保持シール材。保持シール材を圧縮工程を行い、その後、加熱工程をう。加熱工程の後、室温まで冷却し、解放工程を行い、解放工程の後、再圧縮し、再解放する。上記、再圧縮・再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行う。

概要

背景

自動車等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有される一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOX)等の有害物質を、無害二酸化炭素(CO2)、水(H2O)及び窒素(N2)に変換する触媒コンバータ排ガス浄化装置)が開発され、実用化されている。

通常、触媒コンバータ(排ガス浄化装置)としては、排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、該排ガス処理体と該ケーシングとの間隙に装着される無機繊維からなる保持シール材により構成される。
一般的に排ガス処理体は、炭化ケイ素コージェライトなどの多孔質セラミックからなり、ハニカム形状である。さらに排ガス処理体には、触媒として白金パラジウムロジウム等の貴金属や、カリウムナトリウム等のアルカリ金属や、バリウム等のアルカリ土類金属や、酸化セリウム等の金属酸化物等が担持されている。
内燃機関から排出された排ガスは排ガス浄化装置の排ガス処理体を通過することになるが、この際、排ガスの熱により、排ガス処理体に担持された触媒が活性温度まで上昇し、この活性化された触媒により排ガスに含まれる有害物質は無害な物質に変換されることになる。

近年、排ガス浄化の更なる効率化のため、排ガス浄化装置をより内燃機関に近い位置に設置し、より高温の排ガスを排ガス浄化装置に到達させ、触媒が活性温度に上昇するまでの時間を短縮することが試みられてきた。

このような排ガス浄化装置には、排ガス処理体とケーシングとの間に、通常保持シール材が設置される。保持シール材は、車両走行時等における排ガス処理体とケーシングの当接による破損を防ぐとともにケーシングと排ガス処理体との隙間から排ガスがリークすることを防止するために用いられる。また、保持シール材は、内燃機関から伝わる振動や、排ガスの排圧により排ガス処理体が脱落することを防止する役割を有する。さらに排ガス処理体は、反応性を維持するため温度を高温に維持する必要があり、保持シール材には断熱性能も要求される。これらの要求を満たす部材としては、アルミナファイバー等の無機繊維からなるシート材がある。しかし、950℃を超えるような高温の排ガスが、排ガス浄化装置に到達すると、保持シール材を構成する無機繊維が熱により劣化しやすくなり、その結果、保持シール材の面圧が低下し、保持力も低下しやすい。また、排ガス浄化装置が内燃機関から近い場所に配置されると、より強い排ガスの流れに保持シール材が曝されるため、排ガスによる風蝕が進みやすい。そのため、高温でも面圧が低下しにくく、風蝕しにくく、耐熱性の高い保持シール材が求められていた。

また、従来より、保持シール材の耐熱性を高くする研究は行われてきた。耐熱性の高い保持シール材用の材料として、特許文献1には、無機質短繊維集積体であって、その比表面積が10m2/g以下であり、かつその99%以上(100%を含む)の本数が繊維径1.5〜15μmの無機質短繊維からなり、しかも該無機質短繊維の化学組成アルミナ成分74〜86質量%で、シリカ成分26〜14質量%であり、鉱物組成ムライト15〜60質量%であり、平均繊維径が2〜8μmであることを特徴とする保持材用無機質短繊維集積体が開示されている。

また、特許文献2には、100cm2の中に50〜3000個の密度ニードルパンチング処理がされた無機質繊維マットからなり、かつ有機質含有量が0重量%を超え、且つ2重量%以下であり、0.15〜0.45g/cm3の充填密度において300〜1000℃の間に加熱したときに5〜500kPaの面圧を発生することを特徴とする保持シール材が開示されている。

概要

保持シール材に高い圧力を受けた状態で、950℃以上の高温の排ガスに長時間曝されたとしても、面圧が低下しにくく、風蝕し難い、保持シール材を提供する。アルミナ繊維からなる保持シール材20であって、アルミナ繊維は、アルミナ成分を85〜98wt%及びシリカ成分を15〜2wt%含み、保持シール材は、ニードルパンチ痕25が形成されており、熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の熱処理試験後の保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の熱処理試験後の保持シール材の面圧の65〜99%であることを特徴とする保持シール材。保持シール材を圧縮工程を行い、その後、加熱工程をう。加熱工程の後、室温まで冷却し、解放工程を行い、解放工程の後、再圧縮し、再解放する。上記、再圧縮・再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行う。

目的

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、保持シール材に高い圧力を受けた状態で、950℃以上の高温の排ガスに長時間曝されたとしても、面圧が低下しにくく、風蝕し難い、保持シール材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

アルミナ繊維からなる保持シール材であって、前記アルミナ繊維は、アルミナ成分を85〜98wt%及びシリカ成分を15〜2wt%含み、前記保持シール材は、ニードルパンチ痕が形成されており、下記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の前記熱処理試験後の前記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の前記熱処理試験後の前記保持シール材の面圧の65〜99%であることを特徴とする保持シール材。熱処理試験:保持シール材を上部板と下部板との間に配置し、前記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように圧縮する圧縮工程を行い、前記圧縮工程の後、圧縮した状態で45℃/minの昇温速度で前記保持シール材を所定の試験温度まで加熱し、前記所定の試験温度の状態を6時間維持する加熱工程を行い、前記加熱工程の後、室温まで冷却し、前記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように解放する解放工程を行い、前記解放工程の後、前記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように再圧縮し、その後、前記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように再解放し、前記再圧縮及び前記再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行い、前記サイクル工程の最後の再解放時の荷重を測定し、前記荷重を前記保持シール材の面積除算することにより面圧(kPa)を求める。

請求項2

前記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の前記熱処理試験後の前記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の前記熱処理試験後の前記保持シール材の面圧の80〜99%である請求項1に記載の保持シール材。

請求項3

前記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の前記熱処理試験後の前記保持シール材の面圧が、10〜50kPaである請求項1又は2に記載の保持シール材。

請求項4

前記アルミナ繊維の平均繊維径が5〜8μmである請求項1〜3のいずれかに記載の保持シール材。

請求項5

前記アルミナ繊維の表面に無機粒子が付着している請求項1〜4のいずれかに記載の保持シール材。

請求項6

前記無機粒子は、チタニア粒子シリカ粒子アルミナ粒子及びマグネシア粒子からなる群から選択される少なくとも1種である請求項5に記載の保持シール材。

請求項7

前記アルミナ繊維中のαアルミナの割合が、前記アルミナ繊維の重量に対して0.3〜15wt%である請求項1〜6のいずれかに記載の保持シール材。

請求項8

前記保持シール材は、水溶性又は水分散した有機重合体熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の有機バインダを含む請求項1〜7のいずれかに記載の保持シール材。

請求項9

前記水溶性又は水分散した有機重合体は、アクリル系樹脂アクリレート系ラテックスゴム系ラテックスカルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項8に記載の保持シール材。

請求項10

前記熱可塑性樹脂は、スチレン樹脂である請求項8に記載の保持シール材。

請求項11

前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂である請求項8に記載の保持シール材。

請求項12

前記有機バインダの含有量は、前記保持シール材の重量に対して0.1〜9.0wt%である請求項8〜11のいずれかに記載の保持シール材。

請求項13

前記ニードルパンチ痕は、湾曲して前記保持シール材を貫通しているものを含む請求項1〜12のいずれかに記載の保持シール材。

請求項14

アルミナ繊維からなる保持シール材を製造する方法であって、塩基性塩化アルミニウムが82.8〜97.7wt%、シリカが17.2〜2.3wt%となるように塩基性塩化アルミニウム水溶液と、シリカゾルとを混合し紡糸用混合物を準備する紡糸用混合物準備工程と、前記紡糸用混合物をブローイング法により80〜140℃の条件で紡糸してアルミナ繊維前駆体を作製するアルミナ繊維前駆体作製工程と、前記アルミナ繊維前駆体を捕集し、含水率が5〜10%のアルミナ繊維前駆体の集合体を作製する集合体作製工程と、前記アルミナ繊維前駆体の集合体に水分を付与して含水率を10〜18%とし、前記アルミナ繊維前駆体の集合体を搬送する搬送工程と、前記アルミナ繊維前駆体の集合体を圧縮して含水率が10〜18%であるシート状物を作製するシート状物作製工程と、前記シート状物に、2〜50個/cm2の条件でニードルパンチング処理を行うニードルパンチング処理工程と、含水率が10〜18%である前記シート状物を1200〜1300℃の条件で焼成する焼成工程とを含むことを特徴とする保持シール材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、保持シール材及び保持シール材の製造方法に関する。

背景技術

0002

自動車等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有される一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOX)等の有害物質を、無害二酸化炭素(CO2)、水(H2O)及び窒素(N2)に変換する触媒コンバータ排ガス浄化装置)が開発され、実用化されている。

0003

通常、触媒コンバータ(排ガス浄化装置)としては、排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、該排ガス処理体と該ケーシングとの間隙に装着される無機繊維からなる保持シール材により構成される。
一般的に排ガス処理体は、炭化ケイ素コージェライトなどの多孔質セラミックからなり、ハニカム形状である。さらに排ガス処理体には、触媒として白金パラジウムロジウム等の貴金属や、カリウムナトリウム等のアルカリ金属や、バリウム等のアルカリ土類金属や、酸化セリウム等の金属酸化物等が担持されている。
内燃機関から排出された排ガスは排ガス浄化装置の排ガス処理体を通過することになるが、この際、排ガスの熱により、排ガス処理体に担持された触媒が活性温度まで上昇し、この活性化された触媒により排ガスに含まれる有害物質は無害な物質に変換されることになる。

0004

近年、排ガス浄化の更なる効率化のため、排ガス浄化装置をより内燃機関に近い位置に設置し、より高温の排ガスを排ガス浄化装置に到達させ、触媒が活性温度に上昇するまでの時間を短縮することが試みられてきた。

0005

このような排ガス浄化装置には、排ガス処理体とケーシングとの間に、通常保持シール材が設置される。保持シール材は、車両走行時等における排ガス処理体とケーシングの当接による破損を防ぐとともにケーシングと排ガス処理体との隙間から排ガスがリークすることを防止するために用いられる。また、保持シール材は、内燃機関から伝わる振動や、排ガスの排圧により排ガス処理体が脱落することを防止する役割を有する。さらに排ガス処理体は、反応性を維持するため温度を高温に維持する必要があり、保持シール材には断熱性能も要求される。これらの要求を満たす部材としては、アルミナファイバー等の無機繊維からなるシート材がある。しかし、950℃を超えるような高温の排ガスが、排ガス浄化装置に到達すると、保持シール材を構成する無機繊維が熱により劣化しやすくなり、その結果、保持シール材の面圧が低下し、保持力も低下しやすい。また、排ガス浄化装置が内燃機関から近い場所に配置されると、より強い排ガスの流れに保持シール材が曝されるため、排ガスによる風蝕が進みやすい。そのため、高温でも面圧が低下しにくく、風蝕しにくく、耐熱性の高い保持シール材が求められていた。

0006

また、従来より、保持シール材の耐熱性を高くする研究は行われてきた。耐熱性の高い保持シール材用の材料として、特許文献1には、無機質短繊維集積体であって、その比表面積が10m2/g以下であり、かつその99%以上(100%を含む)の本数が繊維径1.5〜15μmの無機質短繊維からなり、しかも該無機質短繊維の化学組成アルミナ成分74〜86質量%で、シリカ成分26〜14質量%であり、鉱物組成ムライト15〜60質量%であり、平均繊維径が2〜8μmであることを特徴とする保持材用無機質短繊維集積体が開示されている。

0007

また、特許文献2には、100cm2の中に50〜3000個の密度ニードルパンチング処理がされた無機質繊維マットからなり、かつ有機質含有量が0重量%を超え、且つ2重量%以下であり、0.15〜0.45g/cm3の充填密度において300〜1000℃の間に加熱したときに5〜500kPaの面圧を発生することを特徴とする保持シール材が開示されている。

先行技術

0008

国際公開第2004/003276号
特開2001−259438号公報

発明が解決しようとする課題

0009

特許文献1に開示された保持材用無機質短繊維集積体を用いて保持シール材を製造したとしても、当該保持シール材が高い圧力を受けた状態で950℃以上に加熱されると、面圧が低下しやすく、充分な保持力を維持できないという問題があった。

0010

また、特許文献2に開示された保持シール材は、短時間、高温の熱に曝されたには耐熱性を有するものの、長時間、高温の熱に曝された際の耐熱性は充分とはいえず、充分な面圧を維持できないという問題があった。この問題は、保持シール材を構成するアルミナ繊維のアルミナ成分が70wt%であり、アルミナ繊維の耐熱性が充分でないことに起因すると考えられた。

0011

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、保持シール材に高い圧力を受けた状態で、950℃以上の高温の排ガスに長時間曝されたとしても、面圧が低下しにくく、風蝕し難い、保持シール材を提供することである。

課題を解決するための手段

0012

すなわち、本発明の保持シール材は、アルミナ繊維からなる保持シール材であって、上記アルミナ繊維は、アルミナ成分を85〜98wt%及びシリカ成分を15〜2wt%含み、上記保持シール材は、ニードルパンチ痕が形成されており、下記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧の65〜99%であることを特徴とする。
熱処理試験:保持シール材を上部板と下部板との間に配置し、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように圧縮する圧縮工程を行い、上記圧縮工程の後、圧縮した状態で45℃/minの昇温速度で上記保持シール材を所定の試験温度まで加熱し、上記所定の試験温度の状態を6時間維持する加熱工程を行い、上記加熱工程の後、室温まで冷却し、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように解放する解放工程を行い、上記解放工程の後、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように再圧縮し、その後、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように再解放し、上記再圧縮及び上記再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行い、上記サイクル工程の最後の再解放時の荷重を測定し、上記荷重を上記保持シール材の面積除算することにより面圧(kPa)を求める。

0013

本発明の保持シール材では、本発明の保持シール材を構成するアルミナ繊維は、アルミナ成分を85〜98wt%及びシリカ成分を15〜2wt%含む。
アルミナ繊維にこのようにアルミナ成分が多く含有されると、アルミナ繊維の耐熱性が向上する。そのため、アルミナ繊維が高温に加熱されたとしても、アルミナ繊維が劣化しにくくなり、保持シール材が高温に加熱されたとしても保持シール材の面圧が低下しにくくなる。
アルミナ成分が85wt%未満のアルミナ繊維では、アルミナ繊維の耐熱性が充分といえず、高い圧力を受けた状態で、長時間、950℃以上の高温に加熱されると劣化し面圧が低下しやすくなる。
アルミナ成分が98wt%を超えるアルミナ繊維では、アルミナ繊維の耐熱性が上限に近づき向上しにくくなる。また、シリカ成分が少なく繊維弾性が低下して保持シール材としての圧縮、復元を繰り返した際に面圧が低下する。

0014

本発明の保持シール材には、ニードルパンチ痕が形成されている。
本明細書において「ニードルパンチ痕」とは、保持シール材にニードルパンチング処理を行い、アルミナ繊維を互いに交絡させることにより形成された痕のことを意味する。
より詳しく説明すると、ニードルパンチング処理とは、バーブがついたニードルを保持シール材に貫通させてから引き抜く処理であり、この際、アルミナ繊維がバーブに絡まり、ニードルの引き抜き方向に引っ張られることになる。この際に、アルミナ繊維が互いに交絡することになる。
つまり、ニードルパンチ痕とは、ニードルを貫通させることにより形成された孔、及び、その孔に引っ張り出されたアルミナ繊維のことを意味する。
このようにアルミナ繊維を互いに交絡させることで、本発明の保持シール材の強度を向上させることができる。さらに、排ガスによる風蝕の進行を抑止することができる。

0015

本発明の保持シール材は、下記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧の65〜99%であり、望ましくは80〜99%である。
熱処理試験:保持シール材を上部板と下部板との間に配置し、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように圧縮する圧縮工程を行い、上記圧縮工程の後、圧縮した状態で45℃/minの昇温速度で上記保持シール材を所定の試験温度まで加熱し、上記所定の試験温度の状態を6時間維持する加熱工程を行い、上記加熱工程の後、室温まで冷却し、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように解放する解放工程を行い、上記解放工程の後、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように再圧縮し、その後、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように再解放し、上記再圧縮及び上記再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行い、上記サイクル工程の最後の再解放時の荷重を測定し、上記荷重を上記保持シール材の面積で除算することにより面圧(kPa)を求める。

0016

通常、本発明の保持シール材は、排ガス浄化装置に用いられることになる。
すなわち、本発明の保持シール材は排ガス処理体に巻き付けられ、本発明の保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体はケーシングに収容され、排ガス浄化装置となる。
このような排ガス浄化装置において、本発明の保持シール材は高い圧力を受ける。
また、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置は、車両に設置されることになり、内燃機関が駆動する際に本発明の保持シール材は高温の排ガスに曝されることになる。
しかし、本発明の保持シール材は、上記熱処理試験のように高い圧力を受け、かつ、高温の条件で長時間熱処理されたとしても面圧が減少しにくい。
そのため、本発明の保持シール材は、高い圧力を受けた状態で、高温の排ガスに曝されたとしても面圧を充分に保つことができる。
その結果、本発明の保持シール材は、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置において、充分に排ガス処理体を保持することができる。
上記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧の65%未満であると、保持シール材の面圧が低下しすぎる。そのため、保持シール材が排ガス浄化装置に用いられた際に、排ガス処理体が脱落しやすく、保持シール材の繊維交点拘束力が低下して排ガスによる風蝕が進みやすくなる。
上記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧の99%を超える保持シール材は製造することが困難である。

0017

本発明の保持シール材は、上記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、10〜50kPaであることが望ましい。
空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3である状態の保持シール材の面圧が、10〜50kPaであると、保持シール材が用いられた排ガス浄化装置において充分に排ガス処理体を保持することができる。
そのため、上記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の本発明の保持シール材の面圧が、10〜50kPaであると、本発明の保持シール材は、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置において、充分に排ガス処理体を保持することができる。

0018

本発明の保持シール材では、上記アルミナ繊維の平均繊維径が5〜8μmであることが望ましい。
アルミナ繊維の平均繊維径が5μm未満であると、アルミナ繊維が細すぎるので、アルミナ繊維の強度が充分に強くなりにくい。そのため、このようなアルミナ繊維が用いられた保持シール材の面圧が充分になりにくい。また、アルミナ繊維が飛散しやすくなる。
アルミナ繊維の平均繊維径が8μmを超えると、繊維内部に欠陥部分を多く含みやすくなり、繊維強度が低下し、折れやすくなる。そのため、保持シール材が高い圧力を受けた際に、アルミナ繊維が折れてしまい面圧が低下しやすくなる。

0019

本発明の保持シール材では、上記アルミナ繊維の表面に無機粒子が付着していることが望ましい。
アルミナ繊維の表面に無機粒子が付着していると、アルミナ繊維の表面に凹凸が形成される。そのため、アルミナ繊維同士が接触しやすくなり、アルミナ繊維同士の摩擦力が向上する。その結果、本発明の保持シール材の面圧が向上する。

0020

本発明の保持シール材では、上記無機粒子は、チタニア粒子シリカ粒子アルミナ粒子、及び、マグネシア粒子からなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
これら種類の無機粒子がアルミナ繊維の表面に付着していると、本発明の保持シール材の面圧が向上する。

0021

本発明の保持シール材では、上記アルミナ繊維中のαアルミナの割合が、上記アルミナ繊維の重量に対して0.3〜15wt%であることが望ましい。
アルミナ繊維中のαアルミナの割合がアルミナ繊維の重量に対して0.3〜15wt%であると、αアルミナの結晶化率が適度であり、アルミナ繊維の強度が充分に強くなる。そのため、本発明の保持シール材の面圧も向上する。
アルミナ繊維中のαアルミナの割合がアルミナ繊維の重量に対して0.3wt%未満であると、アルミナ繊維の強度が強くくなりにくい。
アルミナ繊維中のαアルミナの割合がアルミナ繊維の重量に対して15wt%を超えると、アルミナ繊維の弾性が失われやすくなる。そのため、保持シール材の面圧が向上しにくくなる。

0022

本発明の保持シール材は、水溶性又は水分散した有機重合体熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の有機バインダを含むことが望ましい。
保持シール材がこれらの有機バインダを含むと、アルミナ繊維同士の交絡をより強固なものとすることができるとともに、保持シール材の嵩高さを抑えることができる。

0023

本発明の保持シール材では、上記水溶性又は水分散した有機重合体は、アクリル系樹脂アクリレート系ラテックスゴム系ラテックスカルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。

0024

本発明の保持シール材では、上記熱可塑性樹脂は、スチレン樹脂であることが望ましい。

0025

本発明の保持シール材では、上記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であることが望ましい。

0026

本発明の保持シール材では、上記有機バインダの含有量は、上記保持シール材の重量に対して0.1〜9.0wt%であることが望ましい。
有機バインダの含有量が、保持シール材の重量に対して0.1wt%未満であると、有機バインダの重量が少ないので、アルミナ繊維同士の交絡を強固なものとしにくく、保持シール材の嵩高さを抑えにくくなる。
有機バインダの含有量が、保持シール材の重量に対して9.0wt%を超えると、保持シール材が用いられた排ガス浄化装置に高温の排ガスが到達した際に、多量の有機バインダが分解して多量の有機成分のガスとなる。このような有機成分のガスは発生しない方が望ましい。

0027

本発明の保持シール材では、上記ニードルパンチ痕は、湾曲して上記保持シール材を貫通しているものを含むことが望ましい。
ニードルパンチ痕が湾曲していると、ニードルパンチ痕が直線状である場合と比較して、アルミナ繊維の交絡量が増加する。これにより保持シール材の強度を増加させ、保持力を向上させることができる。
本発明の保持シール材では、アルミナ繊維のアルミナ比率が高いので、アルミナ繊維のしなやかさが充分になりにくく、アルミナ繊維同士を交絡させにくいが、ニードルパンチ痕が湾曲していると、アルミナ比率が高いアルミナ繊維同士を充分に交絡させやすくなる。そのため、保持シール材の強度を向上させることができる。

0028

本発明の保持シール材の製造方法は、アルミナ繊維からなる保持シール材を製造する方法であって、塩基性塩化アルミニウムが82.8〜97.7wt%、シリカが17.2〜2.3wt%となるように塩基性塩化アルミニウム水溶液と、シリカゾルとを混合し紡糸用混合物を準備する紡糸用混合物準備工程と、上記紡糸用混合物をブローイング法により80〜140℃の条件で紡糸してアルミナ繊維前駆体を作製するアルミナ繊維前駆体作製工程と、上記アルミナ繊維前駆体を捕集し、含水率が5〜10%のアルミナ繊維前駆体の集合体を作製する集合体作製工程と、上記アルミナ繊維前駆体の集合体に水分を付与して含水率を10〜18%とし、上記アルミナ繊維前駆体の集合体を搬送する搬送工程と、上記アルミナ繊維前駆体の集合体を圧縮して含水率が10〜18%であるシート状物を作製するシート状物作製工程と、上記シート状物に、2〜50個/cm2の条件でニードルパンチング処理を行うニードルパンチング処理工程と、含水率が10〜18%である前記シート状物を1200〜1300℃の条件で焼成する焼成工程とを含むことを特徴とする。

0029

まず、紡糸用混合物準備工程では、塩基性塩化アルミニウムが82.8〜97.7wt%、シリカが17.2〜2.3wt%となるように塩基性塩化アルミニウム水溶液と、シリカゾルとを混合する。
塩基性塩化アルミニウムの重量とシリカの重量とが上記割合になれば、どのような方法でこれら化合物を混合してもよい。
塩基性塩化アルミニウムの重量とシリカの重量とが上記割合であれば、製造される保持シール材を構成するアルミナ繊維のアルミナ成分を85〜98wt%とし、シリカ成分を15〜2wt%とすることができる。
なお、塩基性塩化アルミニウム水溶液とは、Al/Cl=2.0(原子比)となるように調製されたアルミニウム塩素とを含む水溶液を意味する。

0030

次に、アルミナ繊維前駆体作製工程では、紡糸用混合物をブローイング法により80〜140℃の条件で紡糸してアルミナ繊維前駆体を作製する。
紡糸用混合物からアルミナ繊維前駆体を作製する際の紡糸(紡糸液の繊維化)は、高速紡糸気流中に紡糸液を供給するブローイング法によって行われるが、この時の紡糸雰囲気の温度は80〜140℃であり、望ましくは85〜140℃であり、より望ましくは100〜120℃である。
紡糸雰囲気の温度が80℃未満であるとアルミナ繊維前駆体の含む水分が充分に蒸発しなく焼成工程において揮発する水分によりアルミナ繊維内に欠陥が生じやすくなる。
紡糸雰囲気の温度が140℃を超えるとアルミナ繊維前駆体が充分に延伸されない。

0031

次に、集合体作製工程では、アルミナ繊維前駆体を捕集し、含水率が5〜10%のアルミナ繊維前駆体の集合体を作製する。
すなわち、本工程では、繊維化されたアルミナ繊維前駆体を繊維捕集機上で一定量捕集し、アルミナ繊維前駆体の集合体とする。この時、繊維捕集機は、底面から紡糸気流を吸引する構造になっており、80〜140℃に制御された気流が捕集されたアルミナ繊維前駆体の集合体の内部を通り、アルミナ繊維前駆体の乾燥を促進させることになる。この時のアルミナ繊維前駆体の集合体の含水率は5〜10%に制御される。これによりアルミナ繊維前駆体が内部まで乾燥されることになる。
含水率が5%未満であると乾燥が進み過ぎ、アルミナ繊維前駆体の集合体を搬送する際に、アルミナ繊維前駆体にクラックが生じることがある。
含水率が10%を超えると、アルミナ繊維前駆体の内部まで乾燥されない。

0032

次に、搬送工程では、上記アルミナ繊維前駆体の集合体に水分を付与して含水率を10〜18%とし、上記アルミナ繊維前駆体の集合体を搬送する。
上記集合体作製工程では、アルミナ繊維前駆体を内部まで乾燥させるが、アルミナ繊維前駆体の集合体の搬送を行う際には、アルミナ繊維前駆体の表面部分に水分が付着している方が、アルミナ繊維前駆体同士の潤滑性を高めることができ、搬送時の振動等による損傷を回避することができる。そのため、本工程では、アルミナ繊維前駆体の集合体に水分を付与して含水率を10〜18%として搬送する。これにより、アルミナ繊維前駆体は、内部は乾燥しているが、表面は湿った状態となる。
含水率が10%未満であると乾燥が進み過ぎ、後のシート状物作製工程において、アルミナ繊維前駆体にクラックが生じることがある。
含水率が18%を超えると、後の焼成工程においてアルミナ繊維内に欠陥が生じやすくなる。
本工程では、アルミナ繊維前駆体の集合体の含水率が10〜18%となれば、どのような方法で水分を付与してもよい。水分を付与する方法としては、例えば、加湿気流を当てて水分を付与する方法や、スプレーにより水分を付与する方法があげられる。

0033

次に、シート状物作製工程では、上記アルミナ繊維前駆体の集合体を圧縮して含水率が10〜18%であるシート状物を作製する。
シート状物の含水率を、10〜18%とすることで、後の焼成工程において、耐熱性が高く、強度の強いアルミナ繊維を作製することができる。
含水率が10%未満であると乾燥が進み過ぎ、後の焼成工程において、焼成の初期段階においてアルミナ繊維前駆体にクラックが生じることがある。
含水率が18%を超えると後の焼成工程においてアルミナ繊維内に欠陥が生じやすくなる。

0034

次に、ニードルパンチング処理工程では、上記シート状物に、2〜50個/cm2の条件でニードルパンチング処理を行う。
ニードルパンチングを行うことにより、アルミナ繊維を互いに交絡させることができ、製造される保持シール材の強度を向上させ、排ガス処理装置への組み付け時に、保持シール材の破壊を抑制し、保持力を向上させることができる。
また、ニードルパンチングにより形成されたニードルパンチ痕に気流が流れやすくなるので、シート状物に水分の偏りが生じにくくなる。

0035

次に、焼成工程では、含水率が10〜18%である上記シート状物を1200〜1300℃の条件で焼成する。
本工程を行うことにより、アルミナ繊維前駆体をアルミナ繊維とすることができ、所定の大きさに裁断することで保持シール材を製造することができる。
焼成温度が1200℃未満であると、結晶化が不充分となり、繊維の強度が弱くなりやすい。
焼成温度が1300℃を超えると、繊維の結晶の粒成長が進行しすぎ、繊維が固くなりすぎ脆くなる。

図面の簡単な説明

0036

図1(a)は、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置の長手方向に平行な方向の断面の一例を模式的に示す断面図である。図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。
図2(a)は、本発明の保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
図3(a)〜(d)は、熱処理試験の各工程の一例を順に模式的に示す図である。
図4は、本発明の保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する方法の一例を模式的に示す図である。

0037

(発明の詳細な説明)
本発明の保持シール材を詳しく説明する前に、まず、本発明の保持シール材が用いられることになる排ガス浄化装置について説明する。

0038

排ガス浄化装置は、ケーシングと、ケーシングに収容された排ガス処理体と、排ガス処理体及びケーシングの間に配設された保持シール材とを備えている。
排ガス処理体は、多数の貫通孔隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のものである。なお、ケーシングの端部には、内燃機関から排出された排ガスを導入する排気管と排ガス浄化装置を通過した排ガスが外部に排出される排気管とが接続されることになる。

0039

上記排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の一例について説明する。
排ガス処理体の形状は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム状の形状であってもよい。
また、排ガス処理体は、炭化ケイ素や窒化ケイ素などの非酸化多孔質セラミックから形成されていてもよく、サイアロン、アルミナ、コージェライト、ムライト等の酸化多孔質セラミックから形成されていてもよい。これらの中では、耐熱性及び耐久性の観点から炭化ケイ素であることが望ましい。

0040

また、排ガス処理体は、モノリス状であってもよく、複数のユニット接着材層を介して結束されてなる集合型であってもよい。

0041

排ガス処理体の形状は、例えば、円柱形楕円柱形状、角柱形状等の任意の形状であってもよい。

0042

通常、排ガス処理体には、排ガスを浄化するための触媒が担持されている。排ガス処理体に担持される触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属、又は、酸化セリウム等の金属酸化物等があげられる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
内燃機関から排出された排ガスが、排ガス浄化装置の内部の排ガス処理体に到達すると、排ガスは、排ガス処理体の排ガス流入側の端面に開口した貫通孔に流入することになる。さらに、排ガスは、貫通孔に担持された触媒に接触しながら貫通孔の中を通過する。この際、排ガス中のCOやHC、NOX等の有害なガス成分が貫通孔に担持された触媒により浄化される。そして、排ガスは、排ガス処理体の排ガス流出側の端面に開口した貫通孔から流出する。

0043

上記排ガス浄化装置を構成するケーシングの一例について説明する。
ケーシングの形状としては、内径が、排ガス処理体に保持シール材が巻き付けられた巻付体の直径よりも短く、円筒状であることが望ましい。このような形状であると、巻付体をケーシングに配設した際に、巻付体をしっかりと固定することができる。
また、ケーシングは、両端部の内径が中央部の内径よりも小さい円筒状であってもよいし、内径が一定である円筒状であってもよい。
ケーシングは、特に限定されないが、耐熱性があるステンレス等の金属からなることが望ましい。

0044

上記排ガス浄化装置を構成する保持シール材には、後述する本発明の保持シール材が用いられることになる。
通常、排ガス浄化装置を構成する保持シール材は、排ガス処理体及びケーシングの間に圧縮された状態で配置されることになる。このように圧縮された保持シール材には面圧が発生し、この面圧により排ガス処理体を保持する。

0045

次に、排ガスが、排ガス浄化装置を通過する場合の一例について説明する。
図1(a)は、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置の長手方向に平行な方向の断面の一例を模式的に示す断面図である。図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)及び(b)に示すように、排ガス浄化装置10は、ケーシング11と、ケーシング11に収容された排ガス処理体12と、排ガス処理体12及びケーシング11の間に配設された保持シール材20とを備えている。
排ガス処理体12は、多数の貫通孔15が隔壁16を隔てて長手方向に並設された円柱状であり、隔壁16には触媒17が担持されている。
内燃機関から排出された排ガス(図1(a)中、排ガスをGで示し、流れを矢印で示す)が、排ガス浄化装置10の内部の排ガス処理体12に到達すると、排ガスは、排ガス処理体12の排ガス流入側の端面に開口した貫通孔15に流入する。さらに、排ガスは、貫通孔15に担持された触媒17に接触しながら貫通孔15の中を通過する。この際、排ガス中のCOやHC、NOX等の有害なガス成分が貫通孔15に担持された触媒17により浄化される。そして、排ガスは、排ガス処理体12の排ガス流出側の端面に開口した貫通孔15から流出する。

0046

なお、上記排ガス浄化装置に含まれる排ガス処理体の一例として、貫通孔を有し、触媒が担持された触媒担体として機能する排ガス処理体を説明したが、上記排ガス浄化装置に含まれる排ガス処理体は、各々の貫通孔におけるいずれか一方の端面が封止材によって目封じされた排ガスフィルタハニカムフィルタ)として機能する排ガス処理体であってもよい。
ハニカムフィルタを用いることにより、排ガスに含まれるスス等のパティキュレートを捕集することができる。

0047

次に、本発明の保持シール材の一例について説明する。
本発明の保持シール材は、アルミナ繊維からなる保持シール材であって、上記アルミナ繊維は、アルミナ成分を85〜98wt%及びシリカ成分を15〜2wt%含み、上記保持シール材は、ニードルパンチ痕が形成されており、下記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧の65〜99%であることを特徴とする。
熱処理試験:保持シール材を上部板と下部板との間に配置し、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように圧縮する圧縮工程を行い、上記圧縮工程の後、圧縮した状態で45℃/minの昇温速度で上記保持シール材を所定の試験温度まで加熱し、上記所定の試験温度の状態を6時間維持する加熱工程を行い、上記加熱工程の後、室温まで冷却し、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように解放する解放工程を行い、上記解放工程の後、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように再圧縮し、その後、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように再解放し、上記再圧縮及び上記再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行い、上記サイクル工程の最後の再解放時の荷重を測定し、上記荷重を上記保持シール材の面積で除算することにより面圧(kPa)を求める。

0048

本発明の保持シール材は、アルミナ繊維からなる保持シール材であって、アルミナ繊維は、アルミナ成分を85〜98wt%及びシリカ成分を15〜2wt%含む。また、アルミナ繊維は、アルミナ成分を90〜97wt%含むことが望ましく、92〜97wt%含むことがより望ましい。
アルミナ繊維がこのようにアルミナ成分が多く含まれると耐熱性が向上がする。
そのため、アルミナ繊維が高温に加熱されたとしても、アルミナ繊維が劣化しにくくなり、保持シール材が高温に加熱されたとしても保持シール材の面圧が低下しにくくなる。
アルミナ成分が85wt%未満のアルミナ繊維では、アルミナ繊維の耐熱性が充分といえず、高い圧力を受けた状態で、長時間、950℃以上の高温に加熱されると劣化しやすく面圧が低下しやすい。
アルミナ成分が98wt%を超えるアルミナ繊維では、アルミナ繊維の耐熱性が上限に近づき向上しにくくなる。また、シリカ成分が少なく繊維弾性が低下して保持シール材としての圧縮、復元を繰り返した際に面圧が低下する。

0049

本発明の保持シール材では、アルミナ繊維中のαアルミナの割合が、アルミナ繊維の重量に対して0.3〜15wt%であることが望ましく、0.5〜13wt%であることがより望ましい。
アルミナ繊維中のαアルミナの割合がアルミナ繊維の重量に対して0.3〜15wt%であると、αアルミナの結晶化率が適度であり、アルミナ繊維の強度が充分に強くなる。そのため、本発明の保持シール材の面圧も向上する。
アルミナ繊維中のαアルミナの割合がアルミナ繊維の重量に対して0.3wt%未満であると、アルミナ繊維の強度が強くなりにくい。
アルミナ繊維中のαアルミナの割合がアルミナ繊維の重量に対して15wt%を超えると、アルミナ繊維の弾性が失われやすくなる。そのため、保持シール材の面圧が向上しにくくなる。

0050

本発明の保持シール材では、上記アルミナ繊維の平均繊維径が5〜8μmであることが望ましい。
アルミナ繊維の平均繊維径が5μm未満であると、アルミナ繊維が細すぎるので、アルミナ繊維の強度が充分に強くなりにくい。そのため、このようなアルミナ繊維が用いられた保持シール材の面圧が充分になりにくい。また、アルミナ繊維が飛散しやすくなる。
アルミナ繊維の平均繊維径が8μmを超えると、繊維内部に欠陥部分を多く含みやすくなり、繊維強度が低下し、折れやすくなる。そのため、保持シール材が高い圧力を受けた際に、アルミナ繊維が折れてしまい面圧が低下しやすくなる。

0051

本発明の保持シール材では、上記アルミナ繊維の平均繊維長が0.1〜150mmであることが望ましく、0.5〜100mmであることがより望ましい。
アルミナ繊維の平均繊維長が0.1mm未満であると、アルミナ繊維同士が交絡しにくくなる。そのため、本発明の保持シール材の面圧が充分になりにくくなる。
アルミナ繊維の平均繊維長が150mmを超えると、アルミナ繊維の均一な解繊が困難となる。そのため、保持シール材が高い圧力を受けた際に、アルミナ繊維が偏った部分で繊維が折れてしまい面圧が低下しやすくなる。

0052

本発明の保持シール材では、アルミナ繊維の表面に無機粒子が付着していることが望ましい。
アルミナ繊維の表面に無機粒子が付着していると、アルミナ繊維の表面に凹凸が形成される。そのため、アルミナ繊維同士が接触しやすくなり、アルミナ繊維同士の摩擦力が向上する。その結果、本発明の保持シール材の面圧が向上する。

0053

このような無機粒子としては、チタニア粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、マグネシア粒子等の金属酸化物等があげられ、これらの中では、チタニア粒子、アルミナ粒子であることが望ましい。なおこれら無機粒子は、1種が単独で用いられていてもよく、2種以上が併用されていてもよい。
これら種類の無機粒子がアルミナ繊維の表面に付着していると、本発明の保持シール材の面圧が向上する。

0054

本発明の保持シール材には、ニードルパンチ痕が形成されている。
ニードルパンチングによりアルミナ繊維を互いに交絡させることで、本発明の保持シール材の強度を向上させることができる。さらに、排ガスによる風蝕の進行を抑止することができる。
また、ニードルパンチングを保持シール材に行うことにより、保持シール材を成形する際に用いる有機バインダの量を減らすことができる。
保持シール材に含まれる有機バインダの量が多いと、保持シール材が用いられた排ガス浄化装置に高温の排ガスが到達した際に、有機バインダは分解して有機成分のガスとなる。このような有機成分のガスは発生しない方が望ましい。
つまり、ニードルパンチングをすることにより、有機成分のガスの量を減らすことができる。

0055

ニードルパンチ痕の密度は、特に限定されないが、2〜50個/cm2であることが望ましい。

0056

本発明の保持シール材では、ニードルパンチ痕は、湾曲して保持シール材を貫通しているものを含むことが望ましい。
ニードルパンチ痕が湾曲していると、ニードルパンチ痕が直線状である場合と比較して、アルミナ繊維の交絡量が増加する。これにより保持シール材の強度を増加させ、保持力を向上させることができる。
本発明の保持シール材では、アルミナ繊維のアルミナ比率が高いので、アルミナ繊維のしなやかさが充分になりにくく、アルミナ繊維同士を交絡させにくいが、ニードルパンチ痕が湾曲していると、アルミナ比率が高いアルミナ繊維同士を充分に交絡させやすくなる。そのため、保持シール材の強度を向上させることができる。
また、ニードルパンチ痕は、なりに湾曲していてもよい。

0057

本発明の保持シール材において、複数のニードルパンチ痕が形成されている場合には、各ニードルパンチ痕は湾曲していてもよい。また、湾曲の方向は特に限定されない。
各ニードルパンチ痕を湾曲させることにより、保持シール材に多くのニードルパンチ痕を形成することができ、アルミナ繊維同士の交絡量をさらに増加させることができる。

0058

また、ニードルパンチ痕は、保持シール材の厚さ方向に対し、斜めに形成されていることが望ましい。
ニードルパンチ痕が、保持シール材の厚さ方向に対し、斜めに形成されていると、ニードルパンチ痕を長くすることができ、アルミナ繊維の交絡量を増加させることができる。

0059

このような構成の保持シール材の形状を図面を用いて説明する。
図2(a)は、本発明の保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
図2(a)に示すように、本発明の保持シール材の一例である保持シール材20は、所定の長さ(以下、図2(a)中、矢印Lで示す)、幅(図2(a)中、矢印Wで示す)及び厚さ(図2(a)中、矢印Tで示す)を有する平面視矩形平板状の形状である。
そして、保持シール材20の主面には、ニードルパンチ痕25が形成されている。

0060

図2(a)に示す保持シール材20では、保持シール材20の長さ方向側の端部のうち、一方の端部には凸部21が形成されており、他方の端部には凹部22が形成されている。保持シール材20の凸部21及び凹部22は、上記のように排ガス浄化装置を組み立てるために排ガス処理体に保持シール材20を巻き付けた際に、ちょうど互いに嵌合するような形状となっている。

0061

また、図2(b)に示すように、各ニードルパンチ痕25は、湾曲した形状であり、保持シール材20の厚さ方向に対し斜めに形成されている。

0062

本発明の保持シール材の目付量(単位面積あたりの重量)は、特に限定されないが、900〜3000g/m2であることが望ましい。
目付量が900g/m2未満であると、排ガス処理体と金属ケース間の所定の間隙に充填される保持シール材としての保持力が充分に高くなりにくい。
目付量が3000g/m2を超えると、保持シール材の嵩が低くなりにくく厚みが大きい。そのため、保持シール材が用いられた排ガス浄化装置において、排ガス処理体と金属ケース間の所定の間隙に保持シール材を、例えば圧入方式により収めることが困難である。

0063

本発明の保持シール材の嵩密度(排ガス浄化装置に用いられる前の保持シール材の嵩密度)は、特に限定されないが、0.1〜0.23g/cm3であることが望ましい。嵩密度が0.1g/cm3未満であると、アルミナ繊維の絡み合いが弱く、アルミナ繊維が剥離しやすいため、保持シール材の形状を所定の形状に保ちにくくなる。
嵩密度が0.23g/cm3を超えると、保持シール材が硬くなり、排ガス処理体への巻き付け性が低下し、保持シール材が割れやすくなる。

0064

本発明の保持シール材の厚さは、特に限定されないが、4〜25mmであることが望ましい。
保持シール材の厚さが4mm未満であると、排ガス処理体と金属ケース間の所定の間隙に充填される保持シール材としての保持力が充分になりにくい。そのため、保持シール材を排ガス浄化装置に用いた際に、排ガス処理体がケーシングから脱落しやすくなる。
保持シール材の厚さが25mmを超えると、保持シール材が厚すぎるため、排ガス処理体への巻き付け性が低下し、保持シール材が割れやすくなる。

0065

本発明の保持シール材は、さらに、有機バインダを含んでいてもよい。
有機バインダとしては、特に限定されないが、アクリル系樹脂、アクリレート系ラテックス、ゴム系ラテックス、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルアルコール等の水溶性又は水分散した有機重合体、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等があげられる。
保持シール材がこれらの有機バインダを含むと、アルミナ繊維同士の交絡をより強固なものとすることができるとともに、保持シール材の嵩高さを抑えることができる。

0066

本発明の保持シール材では、有機バインダの含有量は、保持シール材の重量に対して0.1〜9.0wt%であることが望ましく、0.2〜2.0wt%であることがより望ましい。
有機バインダの含有量が、保持シール材の重量に対して0.1wt%未満であると、有機バインダの重量が少ないので、アルミナ繊維同士の交絡を強固なものとしにくく、保持シール材の嵩高さを抑えにくくなる。
有機バインダの含有量が、保持シール材の重量に対して9.0wt%を超えると、保持シール材が用いられた排ガス浄化装置に高温の排ガスが到達した際に、多量の有機バインダが分解して多量の有機成分のガスとなる。このような有機成分のガスは発生しない方が望ましい。

0067

本発明の保持シール材は、下記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧の65〜99%であり、望ましくは80〜99%であり、より望ましくは85〜99%である。

0068

熱処理試験:保持シール材を上部板と下部板との間に配置し、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように圧縮する圧縮工程を行い、上記圧縮工程の後、圧縮した状態で45℃/minの昇温速度で上記保持シール材を所定の試験温度まで加熱し、上記所定の試験温度の状態を6時間維持する加熱工程を行い、上記加熱工程の後、室温まで冷却し、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように解放する解放工程を行い、上記解放工程の後、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように再圧縮し、その後、上記保持シール材の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように再解放し、上記再圧縮及び上記再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行い、上記サイクル工程の最後の再解放時の荷重を測定し、上記荷重を上記保持シール材の面積で除算することにより面圧(kPa)を求める。

0069

上記の通り、本発明の保持シール材は、排ガス浄化装置に用いられることになる。
また、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置は、車両に設置されることになり、内燃機関が駆動する際に本発明の保持シール材は高温の排ガスに曝されることになる。
しかし、本発明の保持シール材は、上記熱処理試験のように高い圧力を受け、かつ、高温の条件で長時間熱処理されたとしても面圧が減少しにくい。
そのため、本発明の保持シール材は、高い圧力を受けた状態で、高温の排ガスに曝されたとしても面圧を充分に保つことができる。
本発明の保持シール材は排ガス浄化装置に用いられ、排ガス浄化装置は車両に設置される。内燃機関が駆動し車両は動く場合には、高温の排ガスが排ガス処理体を通過する際の排気抵抗が保持シール材に伝わり、さらに車両が振動することになるが、その振動は本発明の保持シール材にも伝わる。すなわち、本発明の保持シール材は、外部からの排気抵抗と振動を受け続けることになる。
また、内燃機関が稼動中は高温の排ガスにより金属ケース熱膨張することで、排ガス処理体と金属ケースの間隙は広くなる。一方、内燃機関が停止した際には、排ガス処理体と金属ケースの間隙は、元の間隙に戻るため、保持シール材には、開放、圧縮の外部からの圧力変動を受ける。
しかし、本発明の保持シール材は、高い圧力を受けた状態で、高温の排ガスに曝されたとしても面圧を充分に保つことができるので、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置において、充分に排ガス処理体を保持することができる。

0070

上記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧の65%未満であると、保持シール材の面圧が低下しすぎる。そのため、保持シール材が排ガス浄化装置に用いられた際に、排ガス処理体が脱落しやすくなる。
上記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧の99%を超える保持シール材は製造することが困難である。

0071

また、本発明の保持シール材は、上記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、10〜50kPaであることが望ましく、15〜50kPaであることがより望ましい。
空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3である状態の保持シール材の面圧が、10〜50kPaであると、保持シール材が用いられた排ガス浄化装置において充分に排ガス処理体を保持することができる。
そのため、上記熱処理試験において加熱工程における試験温度を950℃とした際の上記熱処理試験後の本発明の保持シール材の面圧が、10〜50kPaであると、本発明の保持シール材は、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置において、充分に排ガス処理体を保持することができる。

0072

熱処理試験について図面を用いて詳しく説明する。
図3(a)〜(d)は、熱処理試験の各工程の一例を順に模式的に示す図である。
なお、図3(a)〜(d)では、荷重をかける方向を矢印P1〜P4で示している。また、矢印P1〜P4の大きさは、相対的な荷重の大きさを示している。
まず、熱処理試験では、図3(a)に示すように、保持シール材20を上部板51と下部板52との間に配置し、保持シール材20の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように荷重(矢印P1で示す)をかけ圧縮する圧縮工程を行う。
圧縮工程の後、45℃/minの昇温速度で保持シール材20を950℃まで加熱し、950℃の状態を6時間維持する加熱工程を行う。
加熱工程の後、室温まで冷却し、図3(b)に示すように、荷重(矢印P2で示す)を弱め、保持シール材20の空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように解放する解放工程を行う。
解放工程の後、図3(c)に示すように、保持シール材20の空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように荷重(矢印P3で示す)をかけ再圧縮する。
その後、図3(d)に示すように、荷重(矢印P4で示す)を弱め、空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように保持シール材20を再解放する。
そして、この図3(c)に示す再圧縮及び図3(d)に示す再解放を合計1000回繰り返すサイクル工程を行う。
サイクル工程の最後の再解放時において図3(d)に示す矢印P4で示す荷重を測定し、この荷重を保持シール材20の面積で除算することにより面圧(kPa)を求める。

0073

次に本発明の保持シール材の製造方法を説明する。
アルミナ繊維からなる保持シール材を製造する方法であって、塩基性塩化アルミニウムが82.8〜97.7wt%、シリカが17.2〜2.3wt%となるように塩基性塩化アルミニウム水溶液と、シリカゾルとを混合し紡糸用混合物を準備する紡糸用混合物準備工程と、上記紡糸用混合物をブローイング法により80〜140℃の条件で紡糸してアルミナ繊維前駆体を作製するアルミナ繊維前駆体作製工程と、上記アルミナ繊維前駆体を捕集し、含水率が5〜10%のアルミナ繊維前駆体の集合体を作製する集合体作製工程と、上記アルミナ繊維前駆体の集合体に水分を付与して含水率を10〜18%とし、上記アルミナ繊維前駆体の集合体を搬送する搬送工程と、上記アルミナ繊維前駆体の集合体を圧縮して含水率が10〜18%であるシート状物を作製するシート状物作製工程と、上記シート状物に、2〜50個/cm2の条件でニードルパンチング処理を行うニードルパンチング処理工程と、含水率が10〜18%である前記シート状物を1200〜1300℃の条件で焼成する焼成工程とを含む。

0074

(紡糸用混合物準備工程)
塩基性塩化アルミニウムが82.8〜97.7wt%、シリカが17.2〜2.3wt%となるように塩基性塩化アルミニウム水溶液と、シリカゾルとを混合し紡糸用混合物を準備する。
塩基性塩化アルミニウムの重量とシリカの重量とが上記割合になれば、どのような方法でこれら化合物を混合してもよい。
塩基性塩化アルミニウムの重量とシリカの重量とが上記割合であれば、製造される保持シール材を構成するアルミナ繊維のアルミナ成分を85〜98wt%とし、シリカ成分を15〜2wt%とすることができる。

0075

(アルミナ繊維前駆体作製工程)
アルミナ繊維前駆体作製工程では、紡糸用混合物からアルミナ繊維前駆体を作製する際の紡糸(紡糸液の繊維化)は、高速の紡糸気流中に紡糸液を供給するブローイング法によって行われるが、この時の紡糸雰囲気の温度は80〜140℃であり、望ましくは85〜140℃であり、より望ましくは100〜120℃である。
紡糸雰囲気の温度が80℃未満であるとアルミナ繊維前駆体の含む水分が充分に蒸発しなく焼成工程において揮発する水分によりアルミナ繊維内に欠陥が生じやすくなる。
紡糸雰囲気の温度が140℃を超えるとアルミナ繊維前駆体が充分に延伸されない。

0076

(集合体作製工程)
次に、集合体作製工程では、アルミナ繊維前駆体を捕集し、含水率が5〜10%のアルミナ繊維前駆体の集合体を作製する。
すなわち、本工程では、繊維化されたアルミナ繊維前駆体を繊維捕集機上で一定量捕集し、アルミナ繊維前駆体の集合体とする。この時、繊維捕集機は、底面から紡糸気流を吸引する構造になっており、80〜140℃に制御された気流が捕集されたアルミナ繊維前駆体の集合体の内部を通り、アルミナ繊維前駆体の乾燥を促進させることになる。この時のアルミナ繊維前駆体の集合体の含水率は5〜10%に制御される。これによりアルミナ繊維前駆体が内部まで乾燥されることになる。
含水率が5%未満であると乾燥が進み過ぎ、アルミナ繊維前駆体の集合体を搬送する際に、アルミナ繊維前駆体にクラックが生じることがある。
含水率が10%を超えると、アルミナ繊維前駆体の内部まで乾燥されない。

0077

(搬送工程)
次に、搬送工程では、上記アルミナ繊維前駆体の集合体に水分を付与して含水率を10〜18%とし、上記アルミナ繊維前駆体の集合体を搬送する。
上記集合体作製工程では、アルミナ繊維前駆体を内部まで乾燥させるが、アルミナ繊維前駆体の集合体の搬送を行う際には、アルミナ繊維前駆体の表面部分に水分が付着している方が、アルミナ繊維前駆体同士の潤滑性を高めることができ、搬送時の振動等による損傷を回避することができる。そのため、本工程では、アルミナ繊維前駆体の集合体に水分を付与して含水率を10〜18%として搬送する。これにより、アルミナ繊維前駆体は、内部は乾燥しているが、表面は湿った状態となる。
含水率が10%未満であると乾燥が進み過ぎ、後のシート状物作製工程において、アルミナ繊維前駆体にクラックが生じることがある。
含水率が18%を超えると、後の焼成工程においてアルミナ繊維内に欠陥が生じやすくなる。
本工程では、アルミナ繊維前駆体の集合体の含水率が10〜18%となれば、どのような方法で水分を付与してもよい。水分を付与する方法としては、例えば、加湿気流を当てて水分を付与する方法や、スプレーにより水分を付与する方法があげられる。
また、水分を付与する時期は特に限定されず、アルミナ繊維前駆体の集合体の搬送前であっても搬送中であってもよい。
さらに、後のニードルパンチング処理工程において、摩擦抵抗を低減させるために、本工程においてアルミナ繊維前駆体の集合体に油剤を付与してもよい。油剤としてはケロシン脂肪酸エステルシリコーン等があげられる。

0078

(シート状物作製工程)
次に、シート状物作製工程では、上記アルミナ繊維前駆体の集合体を圧縮して含水率が10〜18%であるシート状物を作製する。
シート状物の含水率を、10〜18%とすることで、後の焼成工程において、耐熱性が高く、強度の強いアルミナ繊維が作製される。また、シート状物の含水率は10〜15%であることが望ましい。
含水率が10%未満であると乾燥が進み過ぎ、後の焼成工程において、焼成の初期段階においてアルミナ繊維前駆体にクラックが生じることがある。
含水率が18%を超えると後の焼成工程においてアルミナ繊維内に欠陥が生じやすくなる。
シート状物の作製方法としては、特に限定されないが、例えば、クロスレイヤー法により作製することができる。
クロスレイヤー法では、一定方向に搬送駆動するベルトコンベアと、ベルトコンベアの搬送駆動方向に対して直交する方向にベルトコンベア上を往復移動可能であって、薄層シート状に圧縮されたアルミナ繊維前駆体(前駆体ウェブ)を供給するアームとから構成された積層装置を使用する。
この積層装置を使用してクロスレイヤー法によりシート状物を作製する場合には、まず、ベルトコンベアを搬送駆動させる。この状態で、ベルトコンベアの搬送駆動方向に対して直交する方向にアームを往復移動させながら、前駆体ウェブをアームからベルトコンベア上に連続して供給する。そうすると、前駆体ウェブは、ベルトコンベア上で複数回折り畳まれて積層されながら、ベルトコンベアにより一定の方向に連続して搬送される。積層された前駆体ウェブの長さが取り扱いに適した適当な長さになったところで切断し、所定の大きさのシート状物を作製する。
クロスレイヤー法により作製されたシート状物では、大部分のアルミナ繊維前駆体が第1の主面及び第2の主面に略平行な方向に沿って配列し、互いに緩く絡み合うことになる。

0079

(ニードルパンチング処理工程)
次に、ニードルパンチング処理工程では、上記シート状物に、2〜50個/cm2の条件でニードルパンチング処理を行う。
ニードルパンチングを行うことにより、アルミナ繊維を互いに交絡させることができ、製造される保持シール材の強度を向上させ、排ガス処理装置への組み付け時に、保持シール材の破壊を抑制し、保持力を向上させることができる。
また、ニードルパンチングにより形成されたニードルパンチ痕に気流が流れやすくなるので、シート状物に水分の偏りが生じにくくなる。

0080

また、ニードルパンチング処理は、シート状物を搬送させながら行うことが望ましい。
このようにニードルパンチング処理を行うことにより、ニードルパンチ痕を湾曲させることができる。
このようにニードルパンチ痕を湾曲させることにより、ニードルパンチ痕を長くすることができる。上記の通り、ニードルパンチ痕には気流が流れることになるが、ニードルパンチ痕が長いと、シート状物の水分の偏りがさらに生じにくくなる。

0081

また、ニードルパンチング処理は、形成されるニードルパンチ痕が、シート状物の厚さ方向に対し斜めになるように行うことが望ましい。

0082

(焼成工程)
次に、焼成工程では、含水率が10〜18%である上記シート状物を1200〜1300℃の条件で焼成する。また、焼成の条件は、1250〜1300℃であることが望ましい。
本工程を行うことにより、アルミナ繊維前駆体をアルミナ繊維とすることができ、所定の大きさに裁断することで保持シール材を製造することができる。
焼成温度が1200℃未満であると、結晶化が不充分となり、繊維の強度が弱くなりやすい。
焼成温度が1300℃を超えると、繊維の結晶の粒成長が進行しすぎ、繊維が固くなりすぎ脆くなる。

0083

次に、本発明の保持シール材の使用方法について説明する。
上記の通り、本発明の保持シール材は、排ガス浄化装置に用いられる。
排ガス浄化装置は、排ガスを処理するための排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、排ガス処理体とケーシングとの間に介在する本発明の保持シール材とからなる。このような排ガス浄化装置を製造する方法としては、本発明の保持シール材を、排ガス処理体に巻き付け巻付体を作製する巻付体作製工程と、上記巻付体をケーシングに収容する収容工程とを含む方法があげられる。

0084

巻付体作製工程では、まず、排ガス処理体を準備し、保持シール材を排ガス処理体に巻き付け巻付体を作製する。
排ガス処理体を準備する方法としては、特に限定されず押出成形により成形体を作製し、その後焼成する等、従来の方法を用いることができる。

0085

収容工程では、上記巻付体をケーシングに収容する。
ケーシングは、ステンレス等の金属からなることが望ましい。
その形状は、両端部の内径が中央部の内径よりも小さい円筒状であってもよいし、内径が一定である円筒状であってもよい。
ケーシングの内径(巻付体を収容する部分の内径)は、巻付体の直径より若干短くなっていることが望ましい。ケーシングの内径が、巻付体の直径より若干短いと、巻付体はしっかりと押さえつけられるので、製造された排ガス浄化装置の使用時に、排ガス処理体が脱落しにくくなる。

0086

収容工程では、圧入方法により巻付体をケーシングに圧入して製造してもよく、サイジング法により製造してもよい。
サイジング法により排ガス浄化装置を製造する場合には、巻付体を、巻付体の外径よりも内径が大きい円筒状のケーシング内に配置し、ケーシングの周囲に対して均等に圧力をかけ、ケーシングを小さくしてケーシングの内壁と巻付体との隙間を塞ぎ、巻付体を固定することにより製造することができる。

0087

以下に、本発明の保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する方法を図面を用いて説明する。
図4は、本発明の保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する方法の一例を模式的に示す図である。

0088

まず、図4に示すように、排ガス処理体12を準備し、保持シール材20を排ガス処理体12に巻き付け巻付体13を作製する。その後、巻付体13をケーシング11に収容する。

0089

これらの工程を経て、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置を製造することができる。

0090

以下、本発明の保持シール材について作用効果を記載する。
(1)本発明の保持シール材では、本発明の保持シール材を構成するアルミナ繊維は、アルミナ成分を85〜98wt%及びシリカ成分を15〜2wt%含む。
アルミナ繊維がこのようにアルミナ成分の含有が多いと、アルミナ繊維の耐熱性が向上する。そのため、アルミナ繊維が高温に加熱されたとしても、アルミナ繊維が劣化しにくくなり、保持シール材が高温に加熱されたとしても保持シール材の面圧が低下しにくくなる。

0091

(2)本発明の保持シール材には、ニードルパンチ痕が形成されている。
ニードルパンチング処理によりアルミナ繊維を互いに交絡させることで、本発明の保持シール材の強度を向上させることができる。さらに、排ガスによる風蝕の進行を抑止することができる。

0092

(3)本発明の保持シール材は、上記熱処理試験において、加熱工程における試験温度を950℃とした際の熱処理試験後の上記保持シール材の面圧が、加熱工程における試験温度を800℃とした際の熱処理試験後の上記保持シール材の面圧の65〜99%である。
つまり、本発明の保持シール材は、上記熱処理試験のように高い圧力を受け、かつ、高温の条件で長時間熱処理されたとしても面圧が減少しにくい。
そのため、本発明の保持シール材は、高い圧力を受けた状態で、高温の排ガスに曝されたとしても面圧を充分に保つことができる。
その結果、本発明の保持シール材は、本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置において、充分に排ガス処理体を保持することができる。

0093

(実施例)
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0094

(実施例1)
(1)紡糸用混合物準備工程
Al含有量が12.5wt%であり、Al/Cl=2.0(原子比)となるように調製した塩基性塩化アルミニウム水溶液を400gに、20wt%のシリカゾルを25g加え、紡糸用混合物を準備した。
さらに、有機重合体(ポリビニルアルコール)を適量添加して混合液を調製した。

0095

(2)アルミナ繊維前駆体作製工程
得られた混合液を濃縮して紡糸用混合物とし、この紡糸用混合物をブローイング法(紡糸雰囲気温度:120℃)により紡糸してアルミナ繊維前駆体を作製した。
得られたアルミナ繊維前駆体の平均繊維径は5.5μmであった。

0096

(3)集合体作製工程
次に、アルミナ繊維前駆体を繊維捕集機上に捕集してアルミナ繊維前駆体の集合体とした。
アルミナ繊維前駆体の捕集は、繊維捕集機の底面から100℃の紡糸気流を吸引することにより行った。得られたアルミナ繊維前駆体の集合体の含水率は5%であった。

0097

(4)搬送工程
アルミナ繊維前駆体の集合体の含水率が10%となるように、得られたアルミナ繊維前駆体の集合体に加湿気流を当てながら搬送した。

0098

(5)シート状物作製工程
搬送されたアルミナ繊維前駆体を、クロスレイヤー法により圧縮し、含水率が10%であるシート状物を作製した。

0099

(6)ニードルパンチング処理工程
得られたシート状物に密度が23個/cm2となるように、ニードルパンチング処理を行った。

0100

(7)焼成工程
その後、シート状物を最高温度1300℃で焼成することにより、アルミナ繊維前駆体をアルミナ繊維に転換しアルミナ繊維のシートを得た。その後、得られたシートの重量に対し有機バインダを1wt%付与し、長さ330mm×幅90mmとなるように裁断することにより実施例1に係る保持シール材を製造した。
保持シール材の厚さは9.3mmであった。保持シール材は、単位面積あたりの重量は1400g/m2であった。保持シール材の密度(嵩密度)は、0.15g/cm3であった。
また、アルミナ繊維は、その組成比が、Al2O3:SiO2=95:5(重量比)であった。アルミナ繊維の化学組成は、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、製品名:ZSX−PrimusII)を用いて分析した。

0101

(実施例2)
実施例1の保持シール材を製造する方法において、(6)ニードルパンチング処理工程の後、シート状物の重量に対し無機粒子を1wt%付与したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る保持シール材を製造した。

0102

(実施例3)
実施例1の保持シール材を製造する方法における、(1)紡糸用混合物準備工程において、塩基性塩化アルミニウム水溶液を380gに、シリカゾルを50g加え、紡糸用混合物を準備したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3に係る保持シール材を製造した。
なお、実施例3の保持シール材におけるアルミナ繊維のアルミナとシリカの組成比は、Al2O3:SiO2=90:10(重量比)であった。

0103

(比較例1)
実施例1の保持シール材を製造する方法における、(1)紡糸用混合物準備工程において、塩基性塩化アルミニウム水溶液を350gに、シリカゾルを90g加え、紡糸用混合物を準備したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る保持シール材を製造した。
なお、比較例1の保持シール材におけるアルミナ繊維のアルミナとシリカの組成比は、Al2O3:SiO2=82:18(重量比)であった。

0104

(比較例2)
実施例1の保持シール材を製造する方法における、(1)紡糸用混合物準備工程において、塩基性塩化アルミニウム水溶液を305gに、シリカゾルを140g加え、紡糸用混合物を準備したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2に係る保持シール材を製造した。
なお、比較例2の保持シール材におけるアルミナ繊維のアルミナとシリカの組成比は、Al2O3:SiO2=72:28(重量比)であった。

0105

<熱処理試験(加熱温度:950℃)>
(1)熱処理試験用サンプルの作製
実施例1〜3並びに比較例1及び2に係る保持シール材を縦×横=50×50mmに打ち抜き熱処理試験用サンプルを作製し、重量を測定した。

0106

(2)圧縮工程
加熱ヒーターを備えた熱間面圧測定装置を準備し、各サンプルを熱間面圧測定装置の上部板と下部板との間に配置し、各サンプルの空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように圧縮した。

0107

(3)加熱工程
上記(2)圧縮工程の後、45℃/minの昇温速度で各サンプルを950℃まで加熱し、950℃の状態を6時間維持した。

0108

(4)解放工程
上記(3)加熱工程の後、各サンプルを空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように解放した。

0109

(5)サイクル工程
上記(4)解放工程の後、各サンプルの空隙かさ密度(GBD)が0.3g/cm3となるように再圧縮し、その後、各サンプルの空隙かさ密度(GBD)が0.27g/cm3となるように再解放し、再圧縮及び再解放を合計1000回繰り返した。

0110

(6)熱処理試験後の面圧の測定
上記(5)サイクル工程の最後の再解放時の荷重を測定し、得られた荷重を各サンプルの面積で除算することにより、熱処理試験後の各サンプルの面圧(kPa)を求めた。結果を表1に示す。

0111

<熱処理試験(加熱温度:800℃)>
上記<熱処理試験(加熱温度:950℃)>において、(3)加熱工程を、以下の(3´)加熱工程とした以外は同様にして、熱処理試験後の各サンプルの面圧を求めた。結果を表1に示す。

0112

(3´)加熱工程
上記(2)圧縮工程の後、45℃/minの昇温速度で各サンプルを800℃まで加熱し、800℃の状態を6時間維持した。

0113

熱処理試験(加熱温度:800℃)後の各サンプルの面圧に対する、熱処理試験(加熱温度:950℃)後の各サンプルの面圧の割合(%)を求めた。結果を表1に示す。

0114

0115

表1に示すように、実施例1〜3に係るサンプルは、比較例1及び2に係るサンプルと比較し、熱処理試験(800℃)後の面圧及び熱処理試験(950℃)後の面圧が高かった。保持シール材に無機粒子を付与した、実施例2に係るサンプルは、熱処理試験(950℃)後の面圧が特に優れていた。
また、熱処理試験(加熱温度:800℃)後の各サンプルの面圧に対する、熱処理試験(加熱温度:950℃)後の各サンプルの面圧の割合(%)について、実施例1〜3に係るサンプルの面圧は、全て65%以上であった。
すなわち、実施例1〜3に係る保持シール材は、高い圧力を受けた状態で、950℃以上の高温の排ガスに曝されたとしても、面圧が低下しにくく、風蝕し難いという特性を有する。
実施例1〜3に係る保持シール材がこのような特性を有する理由としては、保持シール材を構成するアルミナ繊維のアルミナ比率を85%以上にしたこと、保持シール材の製造方法のアルミナ繊維前駆体作製工程において、紡糸雰囲気の温度を80〜140℃に制御したこと、保持シール材の製造方法の(3)集合体作製工程〜(7)焼成工程の間において、アルミナ繊維前駆体の集合体及びシート状物を適切な含水率に制御したことが理由として考えられる。

0116

10排ガス浄化装置
11ケーシング
12排ガス処理体
13巻付体
15貫通孔
16隔壁
17触媒
20保持シール材
21 凸部
22 凹部
25ニードルパンチ痕
51 上部板
52 下部板

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