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技術 燃料噴射弁

出願人 ローベルトボッシュゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツング
発明者 小野昭裕
出願日 2015年12月16日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2015-244772
公開日 2017年6月22日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-110536
状態 特許登録済
技術分野 燃料噴射装置
主要キーワード 摺動抵抗力 リフト力 ボルト軸方向 アーマチュアプレート 側オリフィス バルブピストン 閉弁信号 制御弁体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

燃料噴射弁圧力制御室内の圧力の高低によらず、精度良く燃料噴射のタイミングを制御可能な燃料噴射弁を提供する。

解決手段

燃料噴射孔32の開閉制御を行う圧力制御部9(電磁弁)は、圧力制御室82に接続された開閉用オリフィス通路84を開閉する弁体132が設けられたアーマチュアボルト130と、アーマチュアボルト130が挿通されるアーマチュアガイド140と、アーマチュアボルト130に付勢力を与えるスプリング150と、を有し、アーマチュアボルト130の制御弁体132側には、アーマチュアガイド140の端面部141に接触して摺動範囲を制限するつば上面部133を有し、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141とのうち、少なくとも一方の部位には他方の部位との接触面の外縁部に空隙を形成する凹部200が形成されている。

概要

背景

従来から、高圧燃料内燃機関気筒噴射する燃料噴射弁が知られている。この燃料噴射弁は、インレット部から導入された高圧燃料を、燃料噴射孔に供給するとともに、圧力制御室にも供給する。そして、燃料噴射弁は、圧力制御室内の圧力を調節することによってノズルニードル進退動させ、燃料噴射孔を開閉することで燃料噴射を制御している。例えば、特許文献1には、圧力制御室に、高圧燃料を低圧側に排出する流出絞りオリフィス)が接続されており、電磁駆動制御弁電磁弁)が流出絞りを開閉することで圧力制御室内の圧力を調節することが記載されている。

概要

燃料噴射弁の圧力制御室内の圧力の高低によらず、精度良く燃料噴射のタイミングを制御可能な燃料噴射弁を提供する。燃料噴射孔32の開閉制御を行う圧力制御部9(電磁弁)は、圧力制御室82に接続された開閉用オリフィス通路84を開閉する弁体132が設けられたアーマチュアボルト130と、アーマチュアボルト130が挿通されるアーマチュアガイド140と、アーマチュアボルト130に付勢力を与えるスプリング150と、を有し、アーマチュアボルト130の制御弁体132側には、アーマチュアガイド140の端面部141に接触して摺動範囲を制限するつば上面部133を有し、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141とのうち、少なくとも一方の部位には他方の部位との接触面の外縁部に空隙を形成する凹部200が形成されている。

目的

本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御可能な燃料噴射弁を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

高圧燃料が導入されるインレット部と、前記インレット部から燃料噴射孔に通じる第1燃料通路と、前記インレット部から圧力制御室に通じる第2燃料通路と、が形成されたハウジングと、前記ハウジング内に進退移動可能に設けられ、前記燃料噴射孔を開閉するノズルニードルと、前記圧力制御室に接続されたオリフィスから高圧燃料を排出して前記圧力制御室内の圧力を調節することにより、前記ノズルニードルを進退移動させて前記燃料噴射孔の開閉制御を行う電磁弁と、を備え、前記電磁弁は、電磁力を発生させる電磁石と、前記電磁力に吸引されるアーマチュアプレートと、前記アーマチュアプレートに係合するヘッド部が軸方向の一端に形成され、前記オリフィスを開閉する弁体が軸方向の他端に設けられたアーマチュアボルトと、前記アーマチュアボルトが摺動可能に挿通される内周部を有するアーマチュアガイドと、前記アーマチュアボルトのヘッド部から弁体側に向けて付勢力を与えるスプリングと、を有し、前記アーマチュアボルトは、前記弁体側にボルト軸本体から立設して、前記アーマチュアガイドの端面部に接触して摺動範囲を制限する、つば上面部を有し、前記アーマチュアボルトのつば上面部と前記アーマチュアガイドの端面部とのうち、少なくとも一方の部位には、他方の部位との接触面の外縁部に空隙を形成する凹部が形成されていることを特徴とする燃料噴射弁

請求項2

前記アーマチュアボルトのつば上面部と前記アーマチュアガイドの端面部とのうち、少なくとも一方の部位には、前記凹部が複数形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射弁。

請求項3

前記凹部は、前記外縁部から前記接触面の内側に向かって形成された溝であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射弁。

請求項4

前記アーマチュアガイドには、前記アーマチュアボルトが摺動可能に挿通される内周部と前記端面部との境界部位面取りされたチャンファー部が形成されており、前記溝は、前記外縁部から前記アーマチュアボルトのボルト軸本体の外周部に向かって形成され、前記ボルト軸本体の外周部側の溝の終端が、前記チャンファー部により形成される空間または前記ボルト軸本体の外周部まで到達していることを特徴とする請求項3記載の燃料噴射弁。

請求項5

前記アーマチュアガイドには、前記アーマチュアボルトが摺動可能に挿通される内周部と前記端面部との境界部位が面取りされたチャンファー部が形成されており、前記溝は、前記アーマチュアガイドの端面部において、前記外縁部から前記アーマチュアガイドの内周部に向かって形成され、前記内周部側の溝の終端は、前記チャンファー部により形成される空間または前記アーマチュアガイドの内周部まで到達していることを特徴とする請求項3記載の燃料噴射弁。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関気筒燃料噴射する燃料噴射弁に関する。

背景技術

0002

従来から、高圧燃料を内燃機関の気筒へ噴射する燃料噴射弁が知られている。この燃料噴射弁は、インレット部から導入された高圧燃料を、燃料噴射孔に供給するとともに、圧力制御室にも供給する。そして、燃料噴射弁は、圧力制御室内の圧力を調節することによってノズルニードル進退動させ、燃料噴射孔を開閉することで燃料噴射を制御している。例えば、特許文献1には、圧力制御室に、高圧燃料を低圧側に排出する流出絞りオリフィス)が接続されており、電磁駆動制御弁電磁弁)が流出絞りを開閉することで圧力制御室内の圧力を調節することが記載されている。

先行技術

0003

特開2008−516138号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上述した特許文献1に記載された発明を含め、従来の燃料噴射弁では、電磁弁に対して閉弁信号を出しても、オリフィスが閉弁するまでの時間に遅れが生じる場合があった。この結果、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御できないという問題があった。

0005

本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御可能な燃料噴射弁を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上述した従来の課題を解決するため、本発明は、以下の手段を有する。

0007

本発明に係る燃料噴射弁は、高圧燃料が導入されるインレット部と、前記インレット部から燃料噴射孔に通じる第1燃料通路と、前記インレット部から圧力制御室に通じる第2燃料通路と、が形成されたハウジングと、前記ハウジング内に進退移動可能に設けられ、前記燃料噴射孔を開閉するノズルニードルと、前記圧力制御室に接続されたオリフィスから高圧燃料を排出して前記圧力制御室内の圧力を調節することにより、前記ノズルニードルを進退移動させて前記燃料噴射孔の開閉制御を行う電磁弁と、を備え、前記電磁弁は、電磁力を発生させる電磁石と、前記電磁力に吸引されるアーマチュアプレートと、前記アーマチュアプレートに係合するヘッド部が軸方向の一端に形成され、前記オリフィスを開閉する弁体が軸方向の他端に設けられたアーマチュアボルトと、前記アーマチュアボルトが摺動可能に挿通される内周部を有するアーマチュアガイドと、前記アーマチュアボルトのヘッド部から弁体側に向けて付勢力を与えるスプリングと、を有し、前記アーマチュアボルトは、前記弁体側にボルト軸本体から立設して、前記アーマチュアガイドの端面部に接触して摺動範囲を制限する、つば上面部を有し、前記アーマチュアボルトのつば上面部と前記アーマチュアガイドの端面部とのうち、少なくとも一方の部位には、他方の部位との接触面の外縁部に空隙を形成する凹部が形成されていることを特徴とする。

0008

本発明に係る燃料噴射弁において、開弁状態のオリフィスを閉弁する時(閉弁開始時)の閉弁力Fcfは、下記(1)式で表すことができる。

0009

Fcf=Fspr−(Flift+Ffric+Fadh) ・・・(1)
Fsprはスプリングの付勢力であり、Fliftは圧力制御室の圧力によって弁体を持ち上げるリフト力であり、Ffricは、アーマチュアボルトとアーマチュアプレートとの間に生じる摺動抵抗力であり、Fadhは、アーマチュアボルトのつば上面部とアーマチュアガイドの端面部との密着力である。

0010

本発明によれば、アーマチュアボルトのつば上面部とアーマチュアガイドの端面部とのうち、少なくとも一方の部位に、他方の部位との接触領域の外縁部に空隙を形成する凹部が形成されているので、当該凹部が形成されていない場合に比べて、アーマチュアボルトのつば上面部とアーマチュアガイドの端面部とが密着する密着面積が減り、密着状態から離れやすくなる。つまり、上記(1)式に当てはめればFadhの値が小さくなるため、閉弁力Fcfを大きくすることができる。この結果、閉弁信号発信後、速やかにオリフィスを閉弁することができ、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御することが可能となる。

0011

このように燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御することで、精度の高い燃料噴射を可能とし、車両における走行定性排気ガスの改善を可能にすることができる。

0012

また、本発明に係る燃料噴射弁において、前記アーマチュアボルトのつば上面部と前記アーマチュアガイドの端面部とのうち、少なくとも一方の部位には、前記凹部が複数形成されていることが好ましい。

0013

また、本発明に係る燃料噴射弁において、前記凹部は、前記外縁部から前記接触面の内側に向かって形成された溝であることが好ましい。

0014

また、本発明に係る燃料噴射弁において、前記アーマチュアガイドには、前記アーマチュアボルトが摺動可能に挿通される内周部と前記端面部との境界部位面取りされたチャンファー部が形成されており、前記溝は、前記外縁部から前記アーマチュアボルトのボルト軸本体の外周部に向かって形成され、前記ボルト軸本体の外周部側の溝の終端が、前記チャンファー部により形成される空間または前記ボルト軸本体の外周部まで到達していることが好ましい。

0015

また、本発明に係る燃料噴射弁において、前記アーマチュアガイドには、前記アーマチュアボルトが摺動可能に挿通される内周部と前記端面部との境界部位が面取りされたチャンファー部が形成されており、前記溝は、前記アーマチュアガイドの端面部において、前記外縁部から前記アーマチュアガイドの内周部に向かって形成され、前記内周部側の溝の終端は、前記チャンファー部により形成される空間または前記アーマチュアガイドの内周部まで到達していることが好ましい。

発明の効果

0016

本発明によれば、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御可能な燃料噴射弁を提供することができる。

図面の簡単な説明

0017

従来型の燃料噴射弁の全体構成を示した断面図である。
従来型の燃料噴射弁におけるアーマチュアボルトとアーマチュアガイドとを示した分解斜視図である。
従来型の燃料噴射弁のアーマチュアボルトに作用する力を説明するための図である。
本発明が適用された実施形態に係る燃料噴射弁において、アーマチュアボルトのつば上面部に形成される溝を拡大視した断面図である。
図4に示すアーマチュアボルトのつば上面部を平面視した図である。
本発明が適用された実施形態に係る燃料噴射弁において、アーマチュアガイドの端面部に形成される溝を拡大視した断面図である。
実施形態に係る燃料噴射弁と比較例に係る燃料噴射弁との各種時間応答を示す図である。

実施例

0018

本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について具体例を示して説明する。本実施形態は、内燃機関の気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。

0019

<燃料噴射弁の全体構成>
以下では、本発明が適用された燃料噴射弁の具体的な説明に先立ち図1に示すような従来型の燃料噴射弁1000の全体構成について説明する。具体的に、燃料噴射弁1000は、図1に示すように、インジェクタハウジング2と、ノズルボディ3と、ノズルニードル4と、ノズルスプリング5と、ノズルナット6と、バルブピストン7と、バルブボディ8と、圧力制御部9と、インレット部10等、を備える。

0020

ノズルボディ3は、インジェクタハウジング2の先端部(図1下端側)にノズルナット6により締結されている。インジェクタハウジング2には、インレット部10から導入される高圧燃料をノズルボディ3内部に形成された燃料溜まり室30へ送る第1燃料通路21が形成されている。ノズルボディ3には、インレット部10から導入される高圧燃料をノズルボディ3内部に形成された燃料溜まり室30へ送る第1燃料通路31が形成されている。また、インジェクタハウジング2には、インレット部10から導入される燃料を、後述する圧力制御室82へ送る第2燃料通路22が形成されている。インレット部10は、図示しないコモンレールに接続され、当該コモンレールから高圧燃料がインレット部10に導入される。

0021

また、ノズルボディ3の先端部には燃料噴射孔32が形成されている。この燃料噴射孔32につながるシート部33にノズルニードル4の先端部が着座(シート)することにより燃料噴射孔32が閉鎖される一方、ノズルニードル4の先端部がシート部33から離間(リフト)することにより燃料噴射孔32が開放される。これによって燃料の噴射開始、停止が可能となっている。

0022

また、インジェクタハウジング2内には、その中心軸を中心としたスプリング室23が形成され、当該スプリング室23にノズルスプリング5が配置される。ノズルスプリング5は、ノズルニードル4をシート部33側の方向へ付勢する。

0023

バルブピストン7は、インジェクタハウジング2に形成された孔24内に挿入される。また、バルブピストン7は、燃料噴射孔32側の下部71がノズルニードル4の上方部に位置するように配置され、他方の上部72側がバルブボディ8に形成された摺動孔81内に摺動可能に挿入される。

0024

バルブボディ8には、バルブピストン7の頂部72aが位置する部位に、圧力制御室82が形成されている。つまり、圧力制御室82は、バルブピストン7の頂部72aが下方側(燃料噴射孔32側)から上方側に向けて臨むように形成される。また、圧力制御室82は、バルブボディ8に形成された導入側オリフィス通路83に連通している。この導入側オリフィス通路83は、バルブボディ8とインジェクタハウジング2との間にバルブボディ8の周方向で環状に形成された圧力導入室25を介して第2燃料通路22に連通されている。つまり、インレット部10に導入された高圧燃料が、第2燃料通路22、圧力導入室25、導入側オリフィス通路83を順に流れて圧力制御室82に供給される。

0025

また、圧力制御室82は、高圧燃料を低圧側に排出するための開閉用オリフィス通路84にも接続されており、開閉用オリフィス通路84は、圧力制御部9によって開閉可能となっている。

0026

圧力制御部9は、開閉用オリフィス通路84の開閉を行う電磁弁であって、電磁石110と、アーマチュアプレート120と、アーマチュアプレート120に係合するアーマチュアボルト130と、アーマチュアボルト130が挿通されるアーマチュアガイド140と、アーマチュアボルト130に対して圧力制御室82側に付勢力を与えるスプリング150等、を備える。さらに、圧力制御部9は、図示しない燃料タンクに燃料を還流する燃料還流路921が形成されたホルダ92を備える。当該ホルダ92と電磁石110は、電磁石ハウジング93で一体化され、ナット93aによりインジェクタハウジング2との接合部分に締結されている。

0027

電磁石110は、図示しない制御回路から駆動電流が供給されると、電磁力を発生してアーマチュアプレート120を吸引する。

0028

アーマチュアボルト130は、当該ボルト軸本体130aの一端(ホルダ92側)に、アーマチュアプレート120と係合するヘッド部131aが形成されたボルトである。また、アーマチュアボルト130のボルト軸本体130aの他端(圧力制御室82側)に、開閉用オリフィス通路84を開閉する制御弁体132が設けられている。また、アーマチュアボルト130は、図2(A)の分解斜視図に示すように、当該ボルト軸本体130aの制御弁体132側において、ボルト軸本体130aの中心軸に対して垂直方向に立設するように、つば部131bが形成されている。つば部131bの上面部(つば部131bにおけるヘッド部131a側の主面部であり、以下、つば上面部133とする)は、後述するアーマチュアガイド140の端面部141に接触して摺動範囲を制限する。

0029

アーマチュアガイド140は、内周部140aに、アーマチュアボルト130がそのボルト軸方向へ摺動可能に挿通される筒体である。また、アーマチュアガイド140には、図2(B)の分解斜視図に示すように、アーマチュアボルト130のつば上面部133に接触する端面部141と、開閉用オリフィス通路84から排出される燃料を燃料還流路921側に流すための、複数(例えば2つ)の流路孔142と、が形成されている。さらに、図2(B)に示すように、アーマチュアガイド140には、アーマチュアガイド140の端面部141の角、つまり、端面部141と内周部140aとの境界部位が面取りされたチャンファー部141aが形成されている。

0030

スプリング150は、アーマチュアボルト130のヘッド部131aから制御弁体132側に向けて付勢力を与える。

0031

上述した構成を備える燃料噴射弁1000では、インレット部10から導入した高圧燃料が、第1燃料通路21、31を介して燃料溜まり室30内のノズルニードル4の受圧部30aに作用するとともに、第2燃料通路22、圧力導入室25及び導入側オリフィス通路83を介して圧力制御室82内のバルブピストン7の頂部72aにも作用するようになっている。したがって、制御弁体132が、圧力制御室82を低圧側から遮断している状態では、バルブピストン7を介して受ける圧力制御室82の圧力とノズルスプリング5の付勢力とにより、ノズルニードル4はノズルボディ3のシート部33にシートされ、燃料噴射孔32を閉鎖する。

0032

一方、圧力制御部9の電磁石110が駆動電流で励磁されることにより、アーマチュアプレート120が電磁石110側に吸引されると、アーマチュアボルト130も引き上げられ、続いて圧力制御室82の圧力により制御弁体132がリフトして開閉用オリフィス通路84を開放し、圧力制御室82の高圧燃料が開閉用オリフィス通路84を介して低圧である圧力制御部9側に開放される。これによって、圧力制御室82におけるバルブピストン7の頂部72aに作用していた圧力が低下し、ノズルニードル4は受圧部30aに作用している高圧により、ノズルスプリング5の付勢力に抗してシート部からリフトし、燃料噴射孔32が開放されて燃料噴射が行われることになる。

0033

続いて、圧力制御部9の電磁石110への通電が止まると、アーマチュアプレート120に対する電磁石110の吸引力が無くなり、アーマチュアボルト130は、スプリング150により開閉用オリフィス通路84側に戻され、制御弁体132が開閉用オリフィス通路84を閉鎖する。開閉用オリフィス通路84が閉鎖されると、バルブピストン7の頂部72aには再び高圧燃料が作用し、この力はバルブピストン7を介してノズルニードル4に伝達され、ノズルスプリング5の付勢力とともに、ノズルニードル4をシート部33にシートさせる方向に働く。そして燃料噴射孔32は閉鎖され、燃料噴射が終了することになる。

0034

<アーマチュアボルト130に作用する力>
次に、図3を参照して、燃料噴射時から燃料噴射を終了するため開閉用オリフィス通路84の閉弁を開始する時(閉弁開始時)に、圧力制御部9のアーマチュアボルト130に作用する力について説明する。図3は、燃料噴射弁1000のうち、圧力制御部9を拡大視した図である。

0035

図3に示すように、アーマチュアボルト130の閉弁力Fcfは、下記式で表すことができる。

0036

Fcf=Fspr−(Flift+Ffric+Fadh) ・・・(1)
Fsprは、閉弁方向に作用するスプリング150の付勢力である。Fliftは、圧力制御室82の圧力により開弁方向に制御弁体132を持ち上げるリフト力である。Ffricは、アーマチュアボルト130とアーマチュアガイド140との間に生じる摺動抵抗力であり、アーマチュアボルト130に対して閉弁を妨げる方向に作用する。Fadhは、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141の密着力であり、アーマチュアボルト130に対して閉弁を妨げる方向(開弁方向)に作用する。

0037

式(1)から算出されるFcfの値が大きければ、制御弁体132を開閉用オリフィス通路84の閉弁方向に速やかに移動させることができ、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御可能となる。

0038

<摺動抵抗力及び密着力の低減対策
上述したアーマチュアボルト130に作用する力のうち摺動抵抗力Ffric及び密着力Fadhの低減を図るため、図4に示すように、本発明が適用された実施形態に係る燃料噴射弁(以下、従来型の燃料噴射弁1000と区別するため、燃料噴射弁1と呼ぶ。)では、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141とのうち、少なくとも一方の部位に他方の部位に接触しない溝200が形成されている。燃料噴射弁1については、溝以外の構成が従来型の燃料噴射弁1000と同様なので、従来型の燃料噴射弁1000と同じ符号を参照して説明するものとする。

0039

具体的に、図4(A)から図4(C)は、それぞれ、アーマチュアボルト130とアーマチュアガイド140とを組み付けた状態における断面図である。まず、図4(A)に示すように、溝200は、アーマチュアガイド140との対向面における外縁部(つば上面部133の外周133a)に連通する空隙A(凹部)の一態様である。具体的には、溝200は、つば上面部133の外周133aからボルト軸本体130aの外周部133bに向かって形成される。ここで、図4(A)では、ボルト軸本体130aの外周部133b側の溝200の終端がチャンファー部141aの手前である。このような構成に限らず、ボルト軸本体130aの外周部133b側の溝200の終端は、図4(B)のようにチャンファー部141aの空間まで到達し、或いは図4(C)のようにボルト軸本体130aの外周部133bまで到達するように形成されてもよい。当該溝200が形成されることにより、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141とが当接する面積密着面の面積)が減り、密着状態から離れやすくなる。つまり、上記の式(1)における密着力Fadhを軽減することができる。また、当該溝200が、チャンファー部141aの空間まで到達し、或いはボルト軸本体130aの外周部133bまで到達するように形成されることにより、アーマチュアボルト130とアーマチュアガイド140とが摺動する摺動部(隙間)への燃料の供給が促進され、当該摺動部(隙間)の潤滑性が向上し、摺動抵抗力Ffricを軽減することができる。この結果、大きな閉弁力Fcfの値を確保することができ、制御弁体132を開閉用オリフィス通路84の閉弁方向に速やかに移動させることができるので、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御可能となる。

0040

また、図5(A)は、溝200が形成されたつば上面部133を平面視した図である。図5(A)に示すように、つば上面部133には、合計4本の溝200が、つば上面部133の外周133aからボルト軸本体130aの外周部133bに向かって延びるように形成されている。なお、図5(A)に示した具体例に限定されず、つば上面部133に形成される溝の数ないし形状については種々の変形が可能である。例えば、図5(B)に示すように、つば上面部133に合計8本の溝400を形成してもよい。また、図5(C)に示すように、接触部位の外縁部(つば上面部133の外周133a)から内側(ボルト軸本体130aの外周部133b)に向かって形成された溝510に加えて、摺動軸を中心とした円周方向に沿って各溝510に連通する溝520を形成してもよい。さらに、図5(D)に示すように、例えば溝200、400に比べて幅が狭い溝600を複数本(例えば16本)形成してもよい。より多くの溝を形成したり、溝の面積を大きくしたりすることで、上記の式(1)における密着力Fadhをより一層低減することができる。

0041

また、実施形態に係る燃料噴射弁1では、他の例として、図6に示すように、アーマチュアガイド140の端面部141に、アーマチュアボルト130のつば上面部133に接触しない溝300を設けてもよい。

0042

具体的に、図6(A)及び図6(B)は、それぞれ、アーマチュアボルト130とアーマチュアガイド140とを組み付けた状態における断面図である。まず、図6(A)に示すように、溝300は、アーマチュアボルト130との対向面における外縁部に連通する空隙A(凹部)の一態様である。具体的には、溝300は、アーマチュアボルト130との接触面(つば上面部133)よりも外周側に超えた位置141bから、内周部140aに向かって形成されている。ここで、図6(A)では、内周部140a側の溝300の終端がチャンファー部141aの手前である。このような構成に限らず、内周部140a側の溝300の終端は、図6(B)のようにチャンファー部141aの空間まで到達するように形成されてもよい。当該溝300が形成されることにより、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141とが当接する面積(密着面の面積)が減り、密着状態から離れやすくなる。つまり、上記の式(1)における密着力Fadhを軽減することができる。また、当該溝300が、チャンファー部141aの空間まで到達するように形成されることにより、アーマチュアボルト130とアーマチュアガイド140とが摺動する摺動部(隙間)への燃料の供給が促進され、当該摺動部(隙間)の潤滑性が向上し、摺動抵抗力Ffricを軽減することができる。この結果、大きな閉弁力Fcfの値を確保することができ、制御弁体132を開閉用オリフィス通路84の閉弁方向に速やかに移動させることができるので、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御可能となる。

0043

また、端面部141に形成される溝は、上述したつば上面部133に形成される溝と同様に、溝の数ないし形状について種々の変形が可能であり、より多数の溝を形成したり、溝の面積を大きくしたりすることで、密着力Fadhをより一層低減することができる。

0044

以上のように、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141とのうち、少なくとも一方の部位に、他方の部位と接触する当接面の外縁部から内側に向かって溝が形成されていると、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141とが密着したときの密着面積が減る。つまり、密着力Fadhが軽減されてアーマチュアボルト130とアーマチュアガイド140とを密着状態から離れやすくなる。

0045

なお、上述した溝200、300、400、510、520、600に限らず、アーマチュアボルト130のつば上面部133と、アーマチュアガイド140の端面部141とのうち、少なくとも一方の部位に、他方の部位との接触面の外縁部に空隙を形成する凹部(くぼみ)が形成されていれば、上述した密着力Fadhが軽減されてアーマチュアボルト130とアーマチュアガイド140とを密着状態から離れやすくすることができる。

0046

次に、本実施形態に係る燃料噴射弁1の噴射特性について評価する。比較対象として、アーマチュアボルトのつば上部とアーマチュアガイドの端面部とのいずれにも凹部(溝)を形成しない燃料噴射弁(以下、比較例に係る燃料噴射弁という。)を用いるものとする。図7は、燃料噴射弁1の各種時間応答を実線で示し、比較例に係る燃料噴射弁の各種時間応答を破線で示した図である。図7(A)は電磁弁の電磁石に流す駆動電流の時間変化を表し、図7(B)は制御弁体のリフト量の時間変化を表し、図7(C)は燃料噴射率の時間変化を表している。

0047

図7(A)に示す時刻T0において、駆動電流を停止して閉弁動作を開始するのに応じて、制御弁体のリフト量が低下することになる。ここで、図7(B)から明らかなように、比較例に係る燃料噴射弁では、本実施形態に係る燃料噴射弁1に対して、制御弁体のリフト量が立ち下がる時間が遅れることとなる。この結果として、燃料噴射率が立ち下がる時間についても、図7(C)に示すように、本実施形態に係る燃料噴射弁1に比べて、比較例に係る燃料噴射弁では更に大きく遅れてしまうことになる。

0048

つまり、比較例に係る燃料噴射弁では、指示噴射量以上に高圧燃料が噴射されることとなる。このように過剰に高圧燃料が噴射されることで、内燃機関の出力が不安定になったり、排気ガス中のNOxの濃度が高くなるなどの弊害が発生しうる。

0049

上記のような比較例に対して、本実施形態に係る燃料噴射弁1では、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141とのうち、少なくとも一方の面に、他方の部位との当接面の外縁部に空隙を形成する溝200、300、400、510、520、600などの凹部が形成されているので、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141とが密着する密着面積を低減することができる。このようにして密着面積が低減されることにより密着力Fadh自体が小さくなり、この結果、大きな閉弁力Fcfの値を確保することができ、制御弁体132を開閉用オリフィス通路84の閉弁方向に速やかに移動させることができるので、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御可能となる。

0050

また、つば上面部133および端面部141の一方の部位に形成される溝の数は任意でよいが、より多数の溝が形成されることで、密着面積ないし密着力の低減を図れる点で好ましい。

0051

また、上述したように、溝200(300)が、接触領域の外縁部から内側に向かって形成されることで、アーマチュアボルト130とアーマチュアガイド140とが摺動する摺動部(隙間)に燃料を供給する流路として機能する。より好ましくは、アーマチュアボルト130のつば上面部133に形成される溝200について、ボルト本体130aの外周部133b側の溝200の終端がチャンファー部141aの空間まで到達し、或いはボルト本体130aの外周部133bまで到達することで、よりいっそう摺動部に燃料を供給することができる。また、アーマチュアガイド140の端面部141に形成される溝300について、内周部140a側の溝300の終端が、チャンファー部141aの空間まで到達することで、同様に摺動部に燃料を供給することができる。これらの結果として、当該摺動部(隙間)の潤滑性が向上し、摺動抵抗力Ffric自体が小さくなり、さらに大きな閉弁力Fcfを確保することができる。このように大きな閉弁力Fcfを確保することにより、制御弁体132を開閉用オリフィス通路84の閉弁方向に速やかに移動させることができるので、燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御することができる。このように燃料噴射の停止のタイミングを精度良く制御することで、精度の高い燃料噴射を可能とし、車両における走行安定性や排気ガスの改善を可能にすることができる。

0052

なお、本発明が適用される燃料噴射弁は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。たとえば、アーマチュアボルト130のつば上面部133とアーマチュアガイド140の端面部141との両方に、凹部(溝)を形成して密着面積の低減を図ってもよい。

0053

32燃料噴射孔
82圧力制御室
84開閉用オリフィス通路
9圧力制御部
110電磁石
130アーマチュアボルト
131aヘッド部
132制御弁体
133つば上面部
140アーマチュアガイド
141 端面部
150スプリング
200、300、400、510、520、600 溝

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