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技術 無機酸化膜の成膜方法

出願人 株式会社FLOSFIA
発明者 香取重尊織田真也人羅俊実
出願日 2016年3月18日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-056306
公開日 2017年6月22日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-110287
状態 特許登録済
技術分野 絶縁膜の形成 CVD
主要キーワード 非酸素雰囲気 トリアルコキシアルミニウム化合物 OTF 供給箇所 亜鉛含有化合物 キャリアガス源 チタニア膜 ミスト発生
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

良質な無機酸化膜を、簡便かつ容易に、工業的有利に成膜できる成膜方法の提供。

解決手段

無機酸化物の前駆体を含む第1の原料溶液4aと、酸化剤を含む第2の原料溶液14aとを夫々霧化又は液滴化し、得られた第1のミスト又は液滴4bと、第2のミスト又は液滴14bとを夫々キャリアガス2a、12aでもって基体10まで搬送し、ついで、基体10上で、第1のミスト又は液滴4bと、第2のミスト又は液滴14bとを200℃未満の温度にて熱反応させて、基体10上に無機酸化膜を成膜する成膜方法。

概要

背景

無機酸化膜は、導電性膜半導体膜絶縁膜、保護膜等として種々の産業に使用されている。特に、シリコン酸化膜は、非常に高い絶縁性を持つため電子デバイスの絶縁膜として幅広く使用されており、MOSトランジスタゲート絶縁膜、SiO2ケーブル高性能LSIデバイスへも採用されている。
半導体分野におけるシリコン酸化膜の作製法には、熱酸化法CVD法が知られている。熱酸化法は、シリコン酸化膜を作製する最もシンプルな手法であり、良質な膜が得られる。しかし、熱酸化を促進するには800℃〜1100℃も必要であるため、ウエハプロセスのみに限定されるなどの問題があった。そのため、MOSトランジスタのゲート絶縁膜など、特に、ウエハプロセス後の工程にはCVD法が用いられている。CVD法を利用したシリコン酸化膜の成膜については、例えば特許文献1などに記載されている。しかしながら、CVD法も、気相部の反応が支配的であり、下地段差に対して、オーバーハングを形成し、層間絶縁膜としては、ステップカバレッジが劣悪となってしまうなどの問題があった。また、CVD法は原料が、例えば有毒性自然発火性が非常に強いモノシラン(SiH4)等に限定される等の問題があり、必ずしも満足のいくものではなかった。

また、近年、有機材料を用いた半導体デバイスが大きな注目を集めている。代表的なものとしては、有機EL(OLED)、有機トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタOTFT)、有機薄膜太陽電池などが挙げられ、世界中で活発な研究が行われている。有機半導体の特徴としては、フレキシブル低コスト大面積化が可能などである。有機EL素子は、湿気酸素によって劣化が進行されると考えられており、実用の際にはこれらの侵入を防ぐため、表面を覆う封止膜が必要となる。有機EL素子の封止膜を成膜するにあたり、有機材料は耐熱性が低いことから、そこで成膜温度が大きな問題となっている。シリコン酸化膜を適用する場合、低温で成膜可能な技術が求められる。有機トランジスタなども同様に、ゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜を低温で成膜することが望まれている。

最近では、ミストCVD法によるシリコン酸化膜の成膜法として、オゾンを用いた成膜法が検討されている(非特許文献1)。しかしながら、この方法では、オゾンを用いるため、安全性や環境衛生の面で望ましくなく、設備莫大費用を要するといった問題があった。また、オゾンは、反応性が高く、分解も速いため、利用の直前にオゾンを発生させなければならない問題があり、ミストCVDのように連続的なオゾンガスが必要となるような成膜方法には適していなかった。そのため、オゾンガスを用いる必要がなく、さらに、低温成膜が可能な成膜方法が待ち望まれていた。

概要

良質な無機酸化膜を、簡便かつ容易に、工業的有利に成膜できる成膜方法の提供。無機酸化物の前駆体を含む第1の原料溶液4aと、酸化剤を含む第2の原料溶液14aとを夫々霧化又は液滴化し、得られた第1のミスト又は液滴4bと、第2のミスト又は液滴14bとを夫々キャリアガス2a、12aでもって基体10まで搬送し、ついで、基体10上で、第1のミスト又は液滴4bと、第2のミスト又は液滴14bとを200℃未満の温度にて熱反応させて、基体10上に無機酸化膜を成膜する成膜方法。

目的

有機トランジスタなども同様に、ゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜を低温で成膜することが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

無機酸化物の前駆体を含む原料溶液霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴をキャリアガスでもって基体まで搬送し、ついで、前記基体上で、前記ミストまたは液滴を熱反応させて、前記基体上に無機酸化物を成膜する方法であって、前記原料溶液が酸化剤を含み、前記熱反応を200℃未満の温度にて行うことを特徴とする無機酸化膜成膜方法

請求項2

前駆体が、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザンである請求項1記載の成膜方法。(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一または異なって、水素原子ハロゲン原子置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、R1、R2およびR3から選ばれる任意の2つの基が結合して環を形成してもよい。)

請求項3

請求項4

キャリアガスが、不活性ガスである請求項1〜3のいずれかに記載の成膜方法。

請求項5

熱反応を非酸素雰囲気下にて行う請求項1〜4のいずれかに記載の成膜方法。

請求項6

熱反応を、150℃以下の温度で行う請求項1〜5のいずれかに記載の成膜方法。

請求項7

第1の原料溶液と、第2の原料溶液とをそれぞれ霧化または液滴化し、得られた第1のミストまたは液滴と、第2のミストまたは液滴とをそれぞれキャリアガスでもって基体まで搬送し、ついで、前記基体上で、第1のミストまたは液滴と、第2のミストまたは液滴とを熱反応させて、前記基体上に無機酸化膜を成膜する方法であって、第1の原料溶液が無機酸化物の前駆体を含み、第2の原料溶液が酸化剤を含み、前記熱反応を200℃未満の温度にて行うことを特徴とする無機酸化膜の成膜方法。

請求項8

第1の原料溶液が、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザンを含む請求項7記載の成膜方法。(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、R1、R2およびR3から選ばれる任意の2つの基が結合して環を形成してもよい。)

請求項9

酸化剤が、過酸化水素水、硝酸、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過よう素酸、過よう素酸ナトリウム、過よう素酸カリウム、メタンスルホン酸、硫酸および硫酸エチレンジアミンから選ばれる1種または2種以上である請求項7または8に記載の成膜方法。

請求項10

キャリアガスが、不活性ガスである請求項7〜9のいずれかに記載の成膜方法。

請求項11

熱反応を非酸素雰囲気下にて行う請求項7〜10のいずれかに記載の成膜方法。

請求項12

熱反応を、150℃以下の温度で行う請求項7〜11のいずれかに記載の成膜方法。

請求項13

請求項1〜12のいずれかに記載の成膜方法により成膜された無機酸化膜。

請求項14

請求項13記載の無機酸化膜を含む半導体装置

技術分野

0001

本発明は、導電性膜半導体膜絶縁膜、保護膜等として有用な無機酸化膜成膜方法に関する。

背景技術

0002

無機酸化膜は、導電性膜、半導体膜、絶縁膜、保護膜等として種々の産業に使用されている。特に、シリコン酸化膜は、非常に高い絶縁性を持つため電子デバイスの絶縁膜として幅広く使用されており、MOSトランジスタゲート絶縁膜、SiO2ケーブル高性能LSIデバイスへも採用されている。
半導体分野におけるシリコン酸化膜の作製法には、熱酸化法CVD法が知られている。熱酸化法は、シリコン酸化膜を作製する最もシンプルな手法であり、良質な膜が得られる。しかし、熱酸化を促進するには800℃〜1100℃も必要であるため、ウエハプロセスのみに限定されるなどの問題があった。そのため、MOSトランジスタのゲート絶縁膜など、特に、ウエハプロセス後の工程にはCVD法が用いられている。CVD法を利用したシリコン酸化膜の成膜については、例えば特許文献1などに記載されている。しかしながら、CVD法も、気相部の反応が支配的であり、下地段差に対して、オーバーハングを形成し、層間絶縁膜としては、ステップカバレッジが劣悪となってしまうなどの問題があった。また、CVD法は原料が、例えば有毒性自然発火性が非常に強いモノシラン(SiH4)等に限定される等の問題があり、必ずしも満足のいくものではなかった。

0003

また、近年、有機材料を用いた半導体デバイスが大きな注目を集めている。代表的なものとしては、有機EL(OLED)、有機トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタOTFT)、有機薄膜太陽電池などが挙げられ、世界中で活発な研究が行われている。有機半導体の特徴としては、フレキシブル低コスト大面積化が可能などである。有機EL素子は、湿気酸素によって劣化が進行されると考えられており、実用の際にはこれらの侵入を防ぐため、表面を覆う封止膜が必要となる。有機EL素子の封止膜を成膜するにあたり、有機材料は耐熱性が低いことから、そこで成膜温度が大きな問題となっている。シリコン酸化膜を適用する場合、低温で成膜可能な技術が求められる。有機トランジスタなども同様に、ゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜を低温で成膜することが望まれている。

0004

最近では、ミストCVD法によるシリコン酸化膜の成膜法として、オゾンを用いた成膜法が検討されている(非特許文献1)。しかしながら、この方法では、オゾンを用いるため、安全性や環境衛生の面で望ましくなく、設備莫大費用を要するといった問題があった。また、オゾンは、反応性が高く、分解も速いため、利用の直前にオゾンを発生させなければならない問題があり、ミストCVDのように連続的なオゾンガスが必要となるような成膜方法には適していなかった。そのため、オゾンガスを用いる必要がなく、さらに、低温成膜が可能な成膜方法が待ち望まれていた。

0005

特開2014−86445号公報

先行技術

0006

Jinchun Piao et al., ”Fabrication of Silicon Oxide Thin Films by Mist Chemical Vapor Deposition Method from Polysilazane and Ozone as Sources”, Japanese Journal of Applied Physics 51 (2012) 090201

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、オゾンを用いることなく、低温成膜が可能であり、さらに、良質な無機酸化膜を工業的有利に成膜できる方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、無機酸化物の前駆体を含む原料溶液霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴をキャリアガスでもって基体まで搬送し、ついで、前記基体上で、前記ミストまたは液滴を熱反応させて、前記基体上に無機酸化物を成膜すれば、オゾンを用いることなく、良質な無機酸化膜を、低温で、容易かつ簡便に成膜できることを知見し、このような成膜方法が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。

0009

すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1]無機酸化物の前駆体を含む原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴をキャリアガスでもって基体まで搬送し、ついで、前記基体上で、前記ミストまたは液滴を熱反応させて、前記基体上に無機酸化物を成膜する方法であって、前記原料溶液が酸化剤を含み、前記熱反応を200℃未満の温度にて行うことを特徴とする無機酸化膜の成膜方法。
[2] 前駆体が、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザンである前記[1]記載の成膜方法。



(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一または異なって、水素原子ハロゲン原子置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、R1、R2およびR3から選ばれる任意の2つの基が結合して環を形成してもよい。)
[3] 酸化剤が、過酸化水素水硝酸硝酸アンモニウム硫酸アンモニウムペルオキソ二硫酸アンモニウムペルオキソ二硫酸カリウム過塩素酸過塩素酸アンモニウム過塩素酸ナトリウム過塩素酸カリウム、過よう素酸、過よう素酸ナトリウム、過よう素酸カリウムメタンスルホン酸硫酸および硫酸エチレンジアミンから選ばれる1種または2種以上である前記[1]または[2]に記載の成膜方法。
[4] キャリアガスが、不活性ガスである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の成膜方法。
[5] 熱反応を非酸素雰囲気下にて行う前記[1]〜[4]のいずれかに記載の成膜方法。
[6] 熱反応を、150℃以下の温度で行う前記[1]〜[5]のいずれかに記載の成膜方法。
[7] 第1の原料溶液と、第2の原料溶液とをそれぞれ霧化または液滴化し、得られた第1のミストまたは液滴と、第2のミストまたは液滴とをそれぞれキャリアガスでもって基体まで搬送し、ついで、前記基体上で、第1のミストまたは液滴と、第2のミストまたは液滴とを熱反応させて、前記基体上に無機酸化膜を成膜する方法であって、第1の原料溶液が無機酸化物の前駆体を含み、第2の原料溶液が酸化剤を含み、前記熱反応を200℃未満の温度にて行うことを特徴とする無機酸化膜の成膜方法。
[8] 第1の原料溶液が、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザンを含む前記[7]記載の成膜方法。



(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、R1、R2およびR3から選ばれる任意の2つの基が結合して環を形成してもよい。)
[9] 酸化剤が、過酸化水素水、硝酸、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過よう素酸、過よう素酸ナトリウム、過よう素酸カリウム、メタンスルホン酸、硫酸および硫酸エチレンジアミンから選ばれる1種または2種以上である前記[7]または[8]に記載の成膜方法。
[10] キャリアガスが、不活性ガスである前記[7]〜[9]のいずれかに記載の成膜方法。
[11] 熱反応を非酸素雰囲気下にて行う前記[7]〜[10]のいずれかに記載の成膜方法。
[12] 熱反応を、150℃以下の温度で行う前記[7]〜[11]のいずれかに記載の成膜方法。
[13] 前記[1]〜[12]のいずれかに記載の成膜方法により成膜された無機酸化膜。
[14] 前記[13]記載の無機酸化膜を含む半導体装置

発明の効果

0010

本発明の成膜方法によれば、オゾンを用いることなく、良質な無機酸化膜が、低温で、容易かつ簡便に、そして、工業的有利に得られる。

図面の簡単な説明

0011

実施例において用いた成膜装置(ミストCVD)の概略構成図である。
実施例における吸収スペクトル測定結果を示す図である。
実施例における電流−電圧特性の評価結果を示す図である。
実施例における電流−電圧特性の評価結果を示す図である。
実施例におけるFT−IRの測定結果を示す図である。
実施例における屈折率の測定結果を示す図である。
実施例における膜厚の測定結果を示す図である。

0012

本発明の無機酸化物の成膜方法は、前駆体を含む原料溶液を霧化または液滴化し(霧化・液滴化工程)、得られたミストまたは液滴をキャリアガスでもって基体まで搬送し(搬送工程)、ついで、前記基体上で、前記ミストまたは液滴を熱反応させて、前記基体上に無機酸化物を成膜する(成膜工程)方法であって、前記原料溶液が酸化剤を含み、前記熱反応を200℃未満の温度にて行うことを特長とする。

0013

(霧化・液滴化工程)
霧化・液滴化工程は、前記原料溶液を霧化または液滴化する。霧化手段または液滴化手段は、原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段が好ましい。超音波を用いて得られたミストまたは液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので衝突エネルギーによる損傷がないため、非常に好適である。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは100nm〜10μmである。

0014

(原料溶液)
前記原料溶液は、無機酸化物の前駆体および酸化剤を含んでいれば特に限定されない。無機材料を含んでいてもよいし、有機材料を含んでいてもよい。また、前記原料溶液は、無機材料および有機材料の両方の材料を含んでいてもよい。無機酸化物の前駆体としては、例えば、Si、Ti、Zr、Al、Zn、Sn、W、Mo、Co、In、Sb、As、Yb、Sr、Th、Ta等の金属などを含むアルコキシドアセテート金属有機酸塩等の金属錯体金属塩金属石鹸ハロゲン化物など公知の有機化合物または金属化合物などが挙げられ、これらを単独または複数で使用することができる。

0015

前記無機酸化物は、無機元素を少なくとも1種含有する酸化物であれば特に限定されず、公知の無機酸化物であってよい。前記無機酸化物としては、例えば、前記金属の酸化物などが挙げられるが、中でも、シリカシリコン酸化物)、チタニアアルミナジルコニア酸化亜鉛が好ましく、シリコン酸化物がより好ましい。

0016

前記無機酸化物がシリコン酸化物である場合には、前記前駆体として、ケイ素含有化合物を用いることができる。
前記ケイ素含有化合物は、少なくとも一つのケイ素を含む化合物であれば特に限定されない。前記ケイ素含有化合物としては、例えば、シランシロキサンシラザン、ポリシラザンなどが挙げられる。前記シランとしては、例えば、モノシラン(SiH4)、アルコキシシランなどが挙げられる。前記アルコキシシランとしては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシランテトラプロポキシシランテトラブトキシシラン、テトラアミロキシシラン、テトラオクチルオキシシラン、テトラノニルオキシシランジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジブトキシシラン、ジエトキシジトリチルオキシシランまたはこれらの混合物などが挙げられる。前記シロキサンとしては、例えばヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジブチルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンヘキサエチルジシロキサン及び3−グリシドキシプロピルペンタメチルジシロキサンなどが挙げられる。シラザンとしては、例えばヘキサメチルジシラザン及びヘキサエチルジシラザンなどが挙げられる。

0017

本発明においては、前記ケイ素含有化合物が、ポリシラザンであるのが好ましい。前記ポリシラザンは、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザンであるのが好ましく、下記式(2)で表される繰り返し単位を有するポリシラザンであるのがより好ましい。なお、下記式(1)または(2)において、平均繰り返し数は、整数であれば特に限定されないが、2〜1000であるのが好ましく、2〜100であるのがより好ましく、2〜10であるのが最も好ましい。

0018

(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、R1、R2およびR3から選ばれる任意の2つの基が結合して環を形成してもよい。)

0019

(式中、nは、平均繰り返し数であって、整数である。)

0020

前記ケイ素含有化合物の使用量は、特に限定されないが、溶媒に完全に溶ける量であるのが好ましい。例えば、溶媒を含めた原料溶液中、前記ケイ素含有化合物を約0.01〜50%の濃度となるように溶解させるのが好ましく、0.1〜30%の濃度となるように溶解させるのがより好ましく、約1〜10%の濃度となるように溶解させるのが最も好ましい。

0021

また、前記無機酸化物がチタニアである場合には、前記前駆体として、例えば、チタンアルコキシド等の公知のチタン含有化合物を用いることができる。前記チタンアルコキシドとしては、例えば、チタントリメトキシド、チタントリエトキシド、チタントリ−n−プロポキシド、チタントリ−i−プロポキシド、チタントリ−n−ブトキシド、チタントリ−sec−ブトキシド、チタントリ−tert−ブトキシド、イソプロポキシビスエチルアセトアセテート)チタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラメトキシチタンなどのテトラアルコキシドチタン化合物などが挙げられる。チタン含有化合物の使用量は、特に限定されず、前記したケイ素含有化合物の使用量と同様であってよい。

0022

また、前記無機酸化物がアルミナである場合には、前記前駆体として、例えば、アルミニウムアルコキシド等のアルミニウム含有化合物を用いることができる。前記アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、アルミニウムイソプロピネート、アルミニウムトリセカンダリーブトキシドモノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等のトリアルコキシアルミニウム化合物などが挙げられる。アルミニウム含有化合物の使用量は、特に限定されず、前記したケイ素含有化合物の使用量と同様であってよい。

0023

また、前記無機酸化物がジルコニアである場合には、前記前駆体として、例えば、ジルコニウムアルコキシド等のジルコニウム含有化合物を用いることができる。前記ジルコニウムアルコキシドとしては、例えば、ジアセチルアセトントリブトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウムなどのテトラアルコキシジルコニウム化合物などが挙げられる。ジルコニウム含有化合物の使用量は、特に限定されず、前記したケイ素含有化合物の使用量と同様であってよい。

0024

また、前記無機酸化物が酸化亜鉛である場合には、前記前駆体として、例えば、亜鉛アルコキシド等の亜鉛含有化合物を用いることができる。前記亜鉛含有化合物としては、例えば、亜鉛イソプロピネート、亜鉛ジセカンダリーブトキシド、モノsec−ブトキシ亜鉛ジイソプロピレートなどのジアルコキシ亜鉛化合物などが挙げられる。亜鉛含有化合物の使用量は、特に限定されず、前記したケイ素含有化合物の使用量と同様であってよい。

0025

前記酸化剤は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の酸化剤であってよい。前記酸化剤としては、例えば、過酸化水素水、硝酸、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過よう素酸、過よう素酸ナトリウム、過よう素酸カリウム、メタンスルホン酸、硫酸および硫酸エチレンジアミンから選ばれる1種または2種以上などが挙げられる。本発明においては、前記酸化剤が、過酸化水素水であるのが好ましい。

0026

前記酸化剤の使用量は、特に限定されないが、溶媒に完全に溶ける量であるのが好ましい。例えば、溶媒を含めた原料溶液中、前記酸化剤を約0.1〜70%の濃度となるように溶解させるのが好ましく、約1〜50%の濃度となるように溶解させるのがより好ましく、約10〜50%の濃度となるように溶解させるのが最も好ましい。

0027

なお、本発明においては、前記原料溶液として、前記無機酸化物の前駆体および前記酸化剤を、溶媒に溶解または分散させたものを好適に用いることができる。前記溶媒としては、有機溶媒または水等の無機溶媒などが挙げられる。前記有機溶媒としては、例えば、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル酢酸プロピル酢酸ブチルプロピオン酸エチルプロピオン酸プロピルプロピオン酸ブチルなど)、エーテル溶媒(例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルジグライム(例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジブチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテル)、1,2−ジメトキシエタンテトラヒドロフランなど)、アミド溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど)、ケトン溶媒(例えば、メチルイソブチルケトンメチルエチルケトンシクロヘキサノンシクロペンタノンなど)、ニトリル溶媒(例えば、アセトニトリルプロピオニトリルなど)、アルコール溶媒(例えば、メタノールエタノール1−プロパノール2−プロパノール、1−ブタノール2−ブタノールなど)、ハロゲン化溶媒(例えば、塩化メチレンクロロホルムなど)、芳香族溶媒(例えば、トルエンキシレンクロロベンゼンニトロベンゼンなど)などが挙げられるが、好ましくはエステル溶媒である。

0028

前記原料溶液は、例えば、前記無機酸化物の前駆体および前記酸化剤を前記溶媒に混合することによって得られる。また、本発明においては、前記無機酸化物の前駆体と前記酸化剤とを別々の原料溶液とするのが好ましい。例えば、無機酸化物の前駆体を前記溶媒に混合して第1の原料溶液とし、前記酸化剤を前記溶媒に混合して第2の原料溶液とすること等が挙げられる。前記原料溶液には、本発明の目的を阻害しない限り、公知の各種添加剤ドーパント、そして水等が含まれていてもよい。

0029

(搬送工程)
搬送工程では、キャリアガスでもって前記ミストまたは前記液滴を基体まで搬送する。前記キャリアガスとしては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素アルゴン等の不活性ガス、または水素ガスフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げ希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01〜20L/分であるのが好ましく、1〜10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001〜2L/分であるのが好ましく、0.1〜1L/分であるのがより好ましい。なお、本発明においては、前記キャリアガスが、不活性ガスであるのが好ましく、窒素ガスであるのがより好ましい。
また、原料溶液を複数で用いる場合には、それぞれのミストまたは液滴を、それぞれのキャリアガスでもって前記基体まで搬送するのが好ましい。例えば、前記無機酸化物の前駆体を含む第1の原料溶液と、酸化剤を含む第2の原料溶液とを、それぞれ霧化または液滴化する場合には、それぞれ得られる第1のミストまたは液滴と、第2のミストまたは液滴とを、それぞれキャリアガスでもって基体まで搬送する。ここで、第1のミストまたは液滴と、第2のミストまたは液滴とは、基体上で合流してもよいし、基体にたどり着くまでの途中で合流してもよい。

0030

(成膜工程)
成膜工程では、基体上で前記ミストまたは液滴を200℃未満の温度にて熱反応させることによって、基体上に、無機酸化膜を成膜する。熱反応は、200℃未満の温度にて、熱でもって前記ミストまたは液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、200℃未満で行うが、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。また、100℃以下の場合には、低温で成膜できるのみならず、より良質なシリコン酸化膜が得られ、さらに厚膜つまり10nm以上、好ましくは20nm以上の膜厚を有するシリコン酸化膜が容易に得られる。下限については、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましい。なお、50℃以上の場合、さらに、より高い屈折率を有するシリコン酸化膜が得られる。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよいが、非酸素雰囲気下または酸素雰囲気下で行われるのが好ましく、非酸素雰囲気下で行われるのがより好ましい。また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。

0031

(基体)
前記基体は、前記無機酸化膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。多孔質構造体であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されないが、10μm〜100mmが好ましく、100μm〜10mmがより好ましい。

0032

前記基板は、板状であって、前記無機酸化膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、金属基板導電性基板であってもよい。また、これらの表面の一部または全部の上に、金属膜、半導体膜、導電性膜および絶縁性膜の少なくとも1種の膜が形成されているものも、前記基板として好適に用いることができる。本発明においては、前記基板が、ガラス基板であるのが好ましく、また、金属膜、半導体膜、導電性膜および絶縁性膜の少なくとも1種の膜を表面に有するガラス基板であるのがより好ましい。前記金属膜の構成金属としては、例えば、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロムロジウムニッケルコバルト、亜鉛、マグネシウムカルシウムシリコンイットリウムストロンチウムおよびバリウムから選ばれる1種または2種以上の金属などが挙げられる。半導体膜の構成材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムのような元素単体周期表の第3族〜第5族、第13族〜第15族の元素を有する化合物、金属酸化物金属硫化物金属セレン化物、または金属窒化物等が挙げられる。また、前記導電性膜の構成材料としては、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛GZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In2O3)、酸化タングステン(WO3)などが挙げられるが、本発明においては、導電性酸化物からなる導電性膜であるのが好ましく、スズドープ酸化インジウム(ITO)膜であるのがより好ましい。前記絶縁性膜の構成材料としては、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si3N4)、酸窒化シリコン(Si4O5N3)などが挙げられるが、絶縁性酸化物からなる絶縁性膜であるのが好ましく、チタニア膜であるのがより好ましい。

0033

なお、金属膜、半導体膜、導電性膜および絶縁性膜の形成手段は、特に限定されず、公知の手段であってよい。このような形成手段としては、例えば、ミストCVD法、スパッタ法、CVD法(気相成長法)、SPD法スプレー熱分解堆積法)、蒸着法、ALD(原子層堆積)法、塗布法(例えばディッピング滴下ドクターブレードインクジェットスピンコート刷毛塗りスプレー塗装ロールコーターエアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコートインクジェット塗布等)などが挙げられる。

0034

本発明においては、前記基板上に、前記導電性膜または前記絶縁性膜が形成されているのが好ましく、前記基板上に、前記導電性膜が形成されているのがより好ましい。また、本発明においては、前記基体が、スズドープインジウム膜を含むのが好ましい。

0035

また、本発明においては、前記基体上に、直接、無機酸化膜を設けてもよいし、バッファ層緩衝層)や応力緩和層等の他の層を介して無機酸化膜を設けてもよい。バッファ層(緩衝層)や応力緩和層等の他の層の形成手段は、特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、ミストCVD法が好ましい。

0036

上記のようにして、無機酸化膜を成膜することで、オゾンを用いることなく、簡便かつ容易に良質な無機酸化膜を得ることができる。また、得られる無機酸化膜の膜厚も、成膜時間を調整することにより、容易に調整することができる。

0037

前記無機酸化膜は、導電性膜、半導体膜、絶縁膜または保護膜として、種々の用途に有用である。本発明においては、例えば、前記無機酸化膜がシリコン酸化膜である場合には、前記シリコン酸化膜を絶縁膜や保護膜として半導体装置に用いるのが好ましい。前記半導体装置としては、例えば、半導体レーザダイオードまたはトランジスタなどが挙げられ、より具体的には例えば、MISHEMT等のトランジスタやTFT、ショットキーバリアダイオードPINダイオード受発光素子等が挙げられる。本発明においては、前記半導体装置が、ダイオードまたはトランジスタであるのが好ましい。

0038

以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0039

(実施例1)
1.成膜装置
図1を用いて、本実施例で用いたミストCVD装置(1)を説明する。ミストCVD装置(1)は、キャリアガスを供給するキャリアガス源(2a、12a)と、キャリアガス源(2a、12a)から送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁(3a、13a)と、原料溶液(4a、14a)が収容されるミスト発生源(4、14)と、水(5a、15a)が入れられている容器(5、15)と、容器(5、15)の底面に取り付けられた超音波振動子(6、16)と、成膜室(7)と、ミスト発生源(4、14)から基板(10)付近までをつなぐ供給管(9、19)と、成膜室(7)内に設置されたホットプレート(8)とを少なくとも備えている。なお、ホットプレート(8)上には、基板(10)が設置されている。また、原料溶液(4a、14a)は、2種類あり、それぞれ、キャリアガス源(2a、12a)、キャリアガス(希釈)源(2b、12b)、流量調節弁(3a、3b、13a、13b)、ミスト発生源(4、14)、容器(5、15)、超音波振動子(6、16)、供給管(9、19)が備え付けられている。

0040

2.原料溶液の作製
2−1.第1の原料溶液の作製
ポリシラザンの濃度が6.0%となるように、ポリシラザンと酢酸ブチルとを混合し、第1の原料溶液を得た。
2−2.第2の原料溶液の作製
過酸化水素の濃度が20.0%となるように、過酸化水素水と蒸留水とを混合し、第2の原料溶液を得た。

0041

3.成膜準備
上記2.で得られた第1の原料溶液(4a)を第1のミスト発生源(4)内に収容した。また、上記2.で得られた第2の原料溶液(14a)を第2のミスト発生源(14)内に収容した。次に、基板(10)として、15mm角ITO膜付きガラス基板をホットプレート(8)上に設置し、ホットプレート(8)を作動させて温度を100℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁(3a、13a)を開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段(2a、12a)からキャリアガスを成膜室(7)内に供給し、成膜室(7)の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を2L/分に調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。

0042

4.シリコン酸化膜の形成
次に、超音波振動子(6、16)を2.4MHzで振動させ、その振動を、水(5a、15a)を通じて原料溶液(4a、14a)に伝播させることによって、原料溶液(4a、14a)を霧化させてミスト(4b、14b)を生成させた。このミスト(4b、14b)が、キャリアガスによって、供給管(9、19)内を通って、成膜室(7)内に導入され、大気圧下、100℃にて、成膜室(7)内でミストが熱反応して、基板(10)上に膜が形成された。なお、成膜時間は30分間であった。

0043

5.評価
得られたシリコン酸化膜について、膜厚、屈折率および吸収スペクトルを、分光エリプソメトリー(株式会社堀場製作所社製、Auto SE)で測定した。その結果、膜厚は、64nmであった。また、屈折率は1.485であった。吸収スペクトルについては、図2に示す。これら結果から、良質なシリコン酸化膜が得られたことがわかる。

0044

また、得られたシリコン酸化膜について、ソースメータ(株式会社TFFケースレーインスツルメンツ社製、2634B型ソースメータ、2チャンネル、(1fA、200V、1.5A、DC/10Aパルス)、ベンチトップバージョン)を用いて電流電圧測定を行った。なお、測定は、次の手順で行った。基板に電極を成膜する。アノード電極として、スパッタリング装置EMITECH社製、K575X)のターゲットを金(Au)に設定し、直径1.5mmの円形電極を6ポイント成膜した。後に、アセトンを用いて端部の薄膜剥離し、銀ペーストを塗布することで、ITO膜面をカソード電極とする。探針で電極へコンタクトを取り、電圧印加ブレークダウン電圧を測定した。結果を図3に示す。

0045

(実施例2)
成膜温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸化膜を成膜した。また、実施例1と同様にして、電流−電圧特性を評価した。結果を図4に示す。

0046

実施例の結果からも明らかなように、本発明の成膜方法で得られるシリコン酸化膜は、良質であり、耐圧等の電気特性にも優れている。

0047

(実施例3)
成膜温度を22℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸化膜を成膜した。

0048

(実施例4)
成膜温度を50℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸化膜を成膜した。

0049

(実施例5)
成膜温度を70℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸化膜を成膜した。

0050

(実施例6)
再現性の確認も含め、成膜温度を再度100℃とし、実施例1と同様にしてシリコン酸化膜を成膜した。

0051

(実施例7)
成膜温度を120℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸化膜を成膜した。

0052

(実施例8)
成膜温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸化膜を成膜した。

0053

(実施例9)
成膜温度を170℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸化膜を成膜した。

0054

(実施例10)
成膜温度を200℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸化膜を成膜した。

実施例

0055

実施例3〜10で得られたシリコン酸化膜につき、FT−IRにてシリコン酸化膜の形成を確認した。FT−IRのチャート図5に示す。図5から、シリコン酸化膜が成膜できたことがわかる。また、実施例4〜8および実施例10で得られたシリコン酸化膜につき、屈折率および膜厚を測定した。屈折率についての測定結果を図6に示し、膜厚についての測定結果を図7に示す。図6から、50℃以上の場合には、シリコン酸化膜が良好な屈折率を有するようになることがわかる。また、図7から、100℃以下の場合には、成膜レートに優れ、厚膜が容易に得られることがわかる。

0056

本発明の成膜方法で得られる無機酸化膜は、導電性膜、半導体膜、絶縁膜または保護膜として、種々の産業に利用でき、例えば、前記シリコン酸化膜を絶縁膜として半導体装置に利用できる。

0057

1ミストCVD装置
2a (第1の)キャリアガス源
3a (第1の)流量調節弁
4 (第1の)ミスト発生源
4a (第1の)原料溶液
4b (第1の)ミスト
5 (第1の)容器
5a (第1の)水
6 (第1の)超音波振動子
7成膜室
8ホットプレート
9 (第1の)供給管
10基板
12a (第2の)キャリアガス源
13a (第2の)流量調節弁
14 (第2の)ミスト発生源
14a (第2の)原料溶液
14b (第2の)ミスト
15 (第2の)容器
15a (第2の)水
16 (第2の)超音波振動子
19 (第2の)供給管

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