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図面 (4)

課題

中枢神経系(CNS)異常を示す、中枢神経系腫瘍治療方法の提供。

解決手段

中枢神経系(CNS)腫瘍の存在の結果として少なくとも1種のCNS異常を示す被験体におけるCNS腫瘍を治療する為の医薬組成物であって、前記組成物コエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含み、CNS腫瘍の存在の結果として前記被験体が示す少なくとも1種のCNS異常が対麻痺を含み、前記被験体の治療が前記対麻痺の改善をもたらす、組成物。腫瘍が原発性腫瘍でも、転移性腫瘍であっても、使用される組成物。

概要

背景

中枢神経系(CNS)腫瘍としては、脳、脊髄、もしくはそれらの構造の周囲の被膜(例えば、髄膜およびシュワン細胞)または目に存在する腫瘍が挙げられる。CNSの腫瘍は原発性CNS腫瘍続発性CNS腫瘍とに分類することができる。原発性CNS腫瘍は、CNSに起源を有する新生物である。続発性CNS腫瘍は、脳腫瘍の最も一般的な形態であり、CNSの外部に起源を有し、原発性腫瘍がCNSに転移することにより生じる。続発性CNS腫瘍は、脳に直接関与する場合(すなわち、実質性病変)と、被膜に関与する場合(すなわち、軟膜病変および髄膜病変)とがある。成人において、しばしばCNSに転移することが示されている固形腫瘍としては、肺癌乳癌未知原発部位の腺癌黒色腫腎癌、および結腸癌が挙げられる。小児において、より一般的にCNSに転移する原発性固形腫瘍としては、肉腫ウィルムス腫瘍神経芽細胞腫、および胚細胞腫瘍が挙げられる。固形腫瘍に加えて、CNSに転移し得る血液悪性腫瘍としては、急性リンパ芽球性白血病高悪性度非ホジキンリンパ腫、および頻度は低いものの急性骨髄性白血病が挙げられる。

原発性および続発性CNS腫瘍の治療は、腫瘍の多重度、位置、およびグレードに依存する。続発性CNS腫瘍の治療は、全身性腫瘍の状態にも依存し得る。治療は、外科切除定位放射線手術(SRS)、全脳放射線療法(WBRT)および化学療法またはそれらのいくつかの組み合わせのうちの任意のものを含み得る。脳腫瘍の治療は、それらが骨に覆われた構造の内部に発生し、そのために拡大する空間が限定されることのみでなく、それらが多数の生命機能を有する器官の内部深くに埋め込まれているという事実のために、他のタイプの癌と比べて特有の課題に直面する。したがって、良性腫瘍でさえも、それが呼吸または血液循環などの重要な生体機能を制御する脳の領域に存在する場合には命に関わることもあり得る。治療は、通常は外科的切除から始まり、次に放射線療法または化学療法をおこなう。手術は生命の維持に必要な脳機能を有し得る周囲の組織を除去するリスクを有し、一方で、放射線および化学療法はどちらも治療経路の近くまたは途中に存在する正常な組織を傷つける可能性がある。実際に、腫瘍が、言語、視覚運動または認知を制御する大脳半球の領域に存在する場合には、通常、手術は推奨されない。さらに、3未満の年齢の小児に対する放射線の使用は、この年齢が脳の発達に重要な時期であるためにしばしば禁止される。化学療法の有効性は、しばしば効果の持続時間が限定的で、薬物の標的化および選択性欠除しているためにやや限定的である。

多くの従来の化学療法剤血液脳関門(BBB)を通過することが不可能であるために、それらのCNS腫瘍の治療への使用は歴史的に限定されてきた。BBBは、脳毛細血管内皮細胞間の複雑な密着結合およびそれらの低いエンドサイトーシス活性のために形成される(Potschka et al., Journal of Pharm. and Exp. Therapeutics 306(1):124-131, 2003 July)。これは連続的な脂質二重層として作用する毛細血管壁をもたらし、極性物質および脂質不溶性物質の通過を防止する。さらに、脳毛細血管内皮細胞の膜の中に見いだされるP-糖タンパク質(Pgp; ABCB1)および多剤耐性タンパク質MRP2(ABCC2)などのATP依存性多剤輸送体が、脳内への薬物の浸透を制限することによりBBB機能に重要な役割を果たしていると考えられる。そのため、それがCNSを冒す病気戦うことができる薬物の障害となっている。

概要

中枢神経系(CNS)異常を示す、中枢神経系腫瘍治療方法の提供。中枢神経系(CNS)腫瘍の存在の結果として少なくとも1種のCNS異常を示す被験体におけるCNS腫瘍を治療する為の医薬組成物であって、前記組成物コエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含み、CNS腫瘍の存在の結果として前記被験体が示す少なくとも1種のCNS異常が対麻痺を含み、前記被験体の治療が前記対麻痺の改善をもたらす、組成物。腫瘍が原発性腫瘍でも、転移性腫瘍であっても、使用される組成物。なし

目的

本発明は、特に被験体が腫瘍の結果として少なくとも1種の中枢神経系(CNS)異常を示す場合の、コエンザイムQ10(CoQ10)化合物の投与を含む、CNS腫瘍を有する被験体を治療するための方法および組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

少なくとも1種のCNS異常を示す被験体における中枢神経系(CNS)腫瘍治療する方法であって、被験体にコエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含む組成物投与し、それによりCNS腫瘍を治療することを含む、前記方法。

請求項2

CNS異常が、頭痛発作、記憶の変化、特に短期記憶喪失気質の変化、身近な状況により誘発されるパニック発作の突然の発症知的機能の変化、数学をおこなうことまたは明瞭な視界の中で物体を見つけることの不可能;錯乱見当識障害、身近な場所で道に迷うこと;視力障害視力喪失周辺視力の喪失、複視めまい聴覚障害、高い耳鳴り、低い耳鳴り、発作、筋肉制御の低下、協調欠除感覚の低下、衰弱麻痺対麻痺四肢麻痺歩行困難または足取りの変化、発語困難、および平衡障害からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。

請求項3

治療が少なくとも1種のCNS異常の改善をもたらす、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。

請求項4

少なくとも1種のCNS異常が少なくとも2種のCNS異常を含む、請求項3に記載の方法。

請求項5

少なくとも1種のCNS異常が3〜10種のCNS異常を含む、請求項3に記載の方法。

請求項6

腫瘍が原発性腫瘍である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

腫瘍が転移性腫瘍である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

被験体における原発性腫瘍からの続発性CNS腫瘍を予防または治療する方法であって、被験体にコエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含む組成物を投与し、それにより続発性CNS腫瘍を予防または治療することを含む、前記方法。

請求項9

原発性腫瘍が小児腫瘍である、請求項8に記載の方法。

請求項10

小児腫瘍が白血病である、請求項8または9に記載の方法。

請求項11

原発性腫瘍がCNS放射線治療により治療されたものである、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。

請求項12

原発性腫瘍がCNSへの化学療法剤の投与により治療されたものである、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

CNSへの化学療法の投与が、化学療法剤の髄腔内投与を含む、請求項12に記載の方法。

請求項14

さらに被験体を続発性CNS腫瘍の発症に関してモニターすることを含む、請求項8〜13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

被験体が原発性腫瘍の寛解期にある、請求項8〜14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

続発性腫瘍が、治療が終了してから少なくとも1年後に確認される、請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項17

続発性腫瘍が、治療が終了してから少なくとも3年後に確認される、請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

続発性腫瘍が、治療が終了してから少なくとも5年後に確認される、請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項19

続発性腫瘍が、治療が終了してから少なくとも10年後に確認される、請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

CoQ10化合物がCoQ10である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。

請求項21

CNS腫瘍が、被験体において、脳、脊髄、脳の被膜、脊髄の被膜、および目、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される位置に存在する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。

請求項22

CNS腫瘍が、神経上皮組織の腫瘍、頭蓋および傍脊柱神経の腫瘍、髄膜の腫瘍、造血系の腫瘍、胚細胞腫瘍トルコ鞍部の腫瘍、リンパ系腫瘍、白血病腫瘍、色素細胞腫瘍、癌性腫瘍、および肉腫性腫瘍からなる群より選択される腫瘍である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。

請求項23

腫瘍が白血病腫瘍である、請求項22に記載の方法。

請求項24

白血病腫瘍が、緑色白血病腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(ALL)腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)腫瘍、急性骨髄性白血病腫瘍、および混合系統白血病腫瘍からなる群より選択される、請求項23に記載の方法。

請求項25

CoQ10化合物が経口投与される、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。

請求項26

CoQ10化合物が局所投与される、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。

請求項27

CoQ10化合物が非経口投与される、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。

請求項28

CoQ10化合物が注射または注入により投与される、請求項27に記載の方法。

請求項29

CoQ10化合物が、皮下、静脈内、筋肉内、腫瘍内、髄腔内、頭蓋内、腹腔内、経皮内、髄腔内、脳室内、腹腔内、眼内、および鼻腔内からなる群より選択される経路により投与される、請求項28に記載の方法。

請求項30

CoQ10化合物がCNSに直接投与されない、請求項28に記載の方法。

請求項31

CoQ10化合物が、髄腔内、腫瘍内、頭蓋内、髄内、または眼内投与されない、請求項30に記載の方法。

請求項32

さらに追加の薬剤の投与を含む、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。

請求項33

追加の薬剤が原発性腫瘍または続発性腫瘍を治療するためのものである、請求項32に記載の方法。

請求項34

原発性腫瘍または続発性腫瘍を治療するための薬剤が化学療法剤である、請求項33に記載の方法。

請求項35

被験体がさらに放射線療法により治療される、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。

請求項36

被験体がさらに手術により治療される、請求項1〜35のいずれか1項に記載の方法。

請求項37

被験体がヒトである、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。

請求項38

CoQ10化合物が50 mg/kg以上の用量で投与される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項39

CoQ10化合物が75 mg/kg以上の用量で投与される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項40

CoQ10化合物が100 mg/kg以上の用量で投与される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項41

CoQ10化合物が125 mg/kg以上の用量で投与される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項42

CoQ10化合物が150 mg/kg以上の用量で投与される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項43

CoQ10化合物が200 mg/kg以上の用量で投与される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項44

CoQ10化合物が500 mg/kg以下の用量で投与される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項45

CoQ10化合物が400 mg/kg以下の用量で投与される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項46

CoQ10化合物が300 mg/kg以下の用量で投与される、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項47

CoQ10化合物が週3回投与される、請求項1〜44のいずれか1項に記載の方法。

請求項48

CoQ10化合物が週3回以上投与される、請求項1〜44のいずれか1項に記載の方法。

請求項49

CoQ10化合物が静脈内注入により投与される、請求項1〜48のいずれか1項に記載の方法。

請求項50

CoQ10化合物が、水溶液粒子ナノ分散物に分散されたCoQ10;ならびに分散安定剤およびオプソニン化抑制剤の少なくとも1つを含み、CoQ10のナノ分散物が200 nm未満の平均粒径を有するナノ粒子に分散されている、静脈内投与CoQ10製剤として提供される、請求項49に記載の方法。

請求項51

分散安定剤が、PEG化ひまし油、Cremophor EL、Cremophor RH 40、PEG化ビタミンE、ビタミンETPGS、およびジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)からなる群より選択される、請求項50に記載の方法。

請求項52

分散安定剤がDMPCである、請求項51に記載の方法。

請求項53

オプソニン化抑制剤がポロキサマーおよびポロキサミンからなる群より選択される、請求項50に記載の方法。

請求項54

オプソニン化抑制剤がポロキサマー188である、請求項53に記載の方法。

請求項55

オプソニン化抑制剤がポロキサマー188であり、分散安定剤がDMPCである、請求項54に記載の方法。

請求項56

CoQ10製剤が、それぞれ4%、3%および1.5%のCoQ10、DMPCおよびポロキサマー188の体積あたりの重量を有する、請求項55に記載の方法。

請求項57

CoQ10化合物が局所投与される、請求項1〜48に記載の方法。

請求項58

局所投与用のCoQ10化合物が、(1)組成物の約4.0% w/wのC12〜15アルキルベンゾエート、組成物の約2.00% w/wのセチルアルコール、約1.5% w/wのステアリルアルコール、約4.5% w/wのグリセリルステアレートおよびPEG-100を有する相A;(2) 約2.00% w/wのグリセリン、約1.5% w/wのプロピレングリコール、約5.0% w/wのエトキシジグリコール、約0.475% w/wのフェノキシエタノール、約40% w/wのカルボマー分散物、約16.7% w/wの精製水を有する相B;(3) 約1.3% w/wのトリエタノールアミン、約0.5% w/wの乳酸、約2.0% w/wの乳酸ナトリウム溶液、約2.5% w/wの水を有する相C;(4) 約1.0% w/wの二酸化チタンを有する相D;ならびに(5) 約15.0% w/wの21%濃度のCoQ10を有する相Eを含む3% CoQ10クリームである、請求項57に記載の方法。

請求項59

請求項1〜58の方法のいずれか1つを実施するための組成物。

請求項60

請求項1〜58のいずれか1項に記載の方法のための医薬品のための、請求項1〜58の化合物のいずれか1つの使用。

請求項61

少なくとも1つの中枢神経系(CNS)異常を示す被験体におけるCNS腫瘍を治療するための組成物であって、コエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含み、それによりCNS腫瘍を治療する、前記組成物。

請求項62

被験体における原発性腫瘍からの続発性CNS腫瘍を予防または治療するための組成物であって、コエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含み、それにより続発性CNS腫瘍を予防または治療する、前記組成物。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2011年4月4日に出願された米国仮特許出願第61/471,659号の優先権を主張する。前記出願の全文が参照により本明細書に組み込まれるものとする。

背景技術

0002

中枢神経系(CNS)腫瘍としては、脳、脊髄、もしくはそれらの構造の周囲の被膜(例えば、髄膜およびシュワン細胞)または目に存在する腫瘍が挙げられる。CNSの腫瘍は原発性CNS腫瘍続発性CNS腫瘍とに分類することができる。原発性CNS腫瘍は、CNSに起源を有する新生物である。続発性CNS腫瘍は、脳腫瘍の最も一般的な形態であり、CNSの外部に起源を有し、原発性腫瘍がCNSに転移することにより生じる。続発性CNS腫瘍は、脳に直接関与する場合(すなわち、実質性病変)と、被膜に関与する場合(すなわち、軟膜病変および髄膜病変)とがある。成人において、しばしばCNSに転移することが示されている固形腫瘍としては、肺癌乳癌未知原発部位の腺癌黒色腫腎癌、および結腸癌が挙げられる。小児において、より一般的にCNSに転移する原発性固形腫瘍としては、肉腫ウィルムス腫瘍神経芽細胞腫、および胚細胞腫瘍が挙げられる。固形腫瘍に加えて、CNSに転移し得る血液悪性腫瘍としては、急性リンパ芽球性白血病高悪性度非ホジキンリンパ腫、および頻度は低いものの急性骨髄性白血病が挙げられる。

0003

原発性および続発性CNS腫瘍の治療は、腫瘍の多重度、位置、およびグレードに依存する。続発性CNS腫瘍の治療は、全身性腫瘍の状態にも依存し得る。治療は、外科切除定位放射線手術(SRS)、全脳放射線療法(WBRT)および化学療法またはそれらのいくつかの組み合わせのうちの任意のものを含み得る。脳腫瘍の治療は、それらが骨に覆われた構造の内部に発生し、そのために拡大する空間が限定されることのみでなく、それらが多数の生命機能を有する器官の内部深くに埋め込まれているという事実のために、他のタイプの癌と比べて特有の課題に直面する。したがって、良性腫瘍でさえも、それが呼吸または血液循環などの重要な生体機能を制御する脳の領域に存在する場合には命に関わることもあり得る。治療は、通常は外科的切除から始まり、次に放射線療法または化学療法をおこなう。手術は生命の維持に必要な脳機能を有し得る周囲の組織を除去するリスクを有し、一方で、放射線および化学療法はどちらも治療経路の近くまたは途中に存在する正常な組織を傷つける可能性がある。実際に、腫瘍が、言語、視覚運動または認知を制御する大脳半球の領域に存在する場合には、通常、手術は推奨されない。さらに、3未満の年齢の小児に対する放射線の使用は、この年齢が脳の発達に重要な時期であるためにしばしば禁止される。化学療法の有効性は、しばしば効果の持続時間が限定的で、薬物の標的化および選択性欠除しているためにやや限定的である。

0004

多くの従来の化学療法剤血液脳関門(BBB)を通過することが不可能であるために、それらのCNS腫瘍の治療への使用は歴史的に限定されてきた。BBBは、脳毛細血管内皮細胞間の複雑な密着結合およびそれらの低いエンドサイトーシス活性のために形成される(Potschka et al., Journal of Pharm. and Exp. Therapeutics 306(1):124-131, 2003 July)。これは連続的な脂質二重層として作用する毛細血管壁をもたらし、極性物質および脂質不溶性物質の通過を防止する。さらに、脳毛細血管内皮細胞の膜の中に見いだされるP-糖タンパク質(Pgp; ABCB1)および多剤耐性タンパク質MRP2(ABCC2)などのATP依存性多剤輸送体が、脳内への薬物の浸透を制限することによりBBB機能に重要な役割を果たしていると考えられる。そのため、それがCNSを冒す病気戦うことができる薬物の障害となっている。

0005

本発明は、特に被験体が腫瘍の結果として少なくとも1種の中枢神経系(CNS)異常を示す場合の、コエンザイムQ10(CoQ10)化合物投与を含む、CNS腫瘍を有する被験体を治療するための方法および組成物を提供する。

0006

本発明は、コエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含む組成物を被験体に投与し、それにより中枢神経系(CNS)腫瘍を治療することを含む、少なくとも1種のCNS異常を示す被験体におけるCNS腫瘍を治療する方法を提供する。

0007

ある実施形態において、CNS異常は、頭痛発作、記憶の変化、特に短期記憶喪失気質の変化、身近な状況により誘発されるパニック発作の突然の発症知的機能の変化、数学をおこなうことまたは明瞭な視界の中で物体を見つけることの不可能;錯乱見当識障害、身近な場所で道に迷うこと;視力障害視力喪失周辺視力の喪失、複視めまい聴覚障害、高い耳鳴り(ringing in ears)、低い耳鳴り(buzzing in ears)、発作、筋肉制御の低下、協調の欠除、感覚の低下、衰弱麻痺対麻痺四肢麻痺歩行困難または足取りの変化、発語困難、および平衡障害のうちの1種以上(例えば、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種またはそれ以上)である。ある実施形態において、治療は少なくとも1種のCNS異常の改善をもたらす。ある実施形態において、少なくとも1種のCNS異常は、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、少なくとも15種、または少なくとも20種のCNS異常を含む。ある実施形態において、少なくとも1種のCNS異常は、2〜10種のCNS異常、3〜10種のCNS異常、4〜10種のCNS異常、5〜10種のCNS異常、5〜15種のCNS異常、6〜15種のCNS異常、7〜15種のCNS異常、8〜20種のCNS異常、10〜20種のCNS異常を含む。

0008

ある実施形態において、腫瘍は原発性腫瘍である。ある実施形態において、腫瘍は転移性腫瘍である。

0009

本発明は、被験体にコエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含む組成物を投与し、それにより続発性CNS腫瘍を予防または治療することを含む、被験体における原発性腫瘍からの続発性CNS腫瘍を予防または治療する方法を提供する。

0010

ある実施形態において、原発性腫瘍は小児腫瘍である。ある実施形態において、小児腫瘍は白血病である。

0011

ある実施形態において、原発性腫瘍はCNS放射線療法により治療された。ある実施形態において、原発性腫瘍はCNSへの化学療法剤の投与により治療された。ある実施形態において、CNSへの化学療法剤の投与は、化学療法剤の髄腔内投与を含む。

0012

ある実施形態において、方法はさらに被験体を続発性CNS腫瘍の発症についてモニターすることを含む。

0013

ある実施形態において、被験体は原発性腫瘍の寛解期にある。ある実施形態において、続発性腫瘍は治療が終了してから少なくとも1年後に確認される。ある実施形態において、続発性腫瘍は治療が終了してから少なくとも3年後に確認される。ある実施形態において、続発性腫瘍は治療が終了してから少なくとも5年後に確認される。ある実施形態において、続発性腫瘍は治療が終了してから少なくとも10年後に確認される。

0014

ある実施形態において、CoQ10化合物はCoQ10である。

0015

ある実施形態において、CNS腫瘍は被験体において、脳、脊髄、脳の被膜、脊髄の被膜、および目、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される位置に存在する。ある実施形態において、CNS腫瘍は、神経上皮組織の腫瘍、頭蓋および傍脊柱神経の腫瘍、髄膜の腫瘍、造血系の腫瘍、胚細胞腫瘍、トルコ鞍部の腫瘍、リンパ系腫瘍、白血病腫瘍、色素細胞腫瘍、癌性腫瘍、および肉腫性腫瘍からなる群より選択される腫瘍である。

0016

ある実施形態において、腫瘍は白血病腫瘍である。ある実施形態において、白血病腫瘍は、緑色白血病腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(ALL)腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)腫瘍、急性骨髄性白血病腫瘍、および混合系統白血病腫瘍からなる群より選択される。

0017

ある実施形態において、CoQ10化合物は経口投与される。

0018

ある実施形態において、CoQ10化合物は局所投与される。

0019

ある実施形態において、CoQ10化合物は非経口投与される。

0020

ある実施形態において、CoQ10化合物は注射または注入により投与される。

0021

ある実施形態において、CoQ10化合物は、皮下、静脈内、筋肉内、腫瘍内、髄腔内、頭蓋内、腹腔内、経皮内、髄腔内、脳室内、腹腔内、眼内、および鼻腔内からなる群より選択される経路により投与される。

0022

ある実施形態において、CoQ10化合物はCNSに直接投与されない。ある実施形態において、CoQ10化合物は、髄腔内、腫瘍内、頭蓋内、髄内、または眼内投与されない。

0023

ある実施形態において、方法はさらに、追加の薬剤の投与を含む。ある実施形態において、追加の薬剤は、原発性腫瘍または続発性腫瘍の治療のためのものである。ある実施形態において、原発性腫瘍または続発性腫瘍の治療のための薬剤は化学療法剤である。ある実施形態において、被験体はさらに放射線療法により治療される。ある実施形態において、被験体はさらに手術により治療される。

0024

ある実施形態において、被験体はヒトである。

0025

ある実施形態において、CoQ10化合物は、50 mg/kg以上の用量で、75 mg/kg以上の用量で、100 mg/kg以上の用量で、125 mg/kg以上の用量で、150 mg/kg以上の用量で、200 mg/kg以上の用量で、500 mg/kg以下の用量で、400 mg/kg以下の用量で、300 mg/kg以下の用量で、投与される。

0026

ある実施形態において、CoQ10化合物は週3回投与される。ある実施形態において、CoQ10化合物は週3回以上投与される。

0027

ある実施形態において、CoQ10化合物は静脈内注入により投与される。

0028

ある実施形態において、CoQ10化合物は、
水溶液
粒子ナノ分散物に分散されたCoQ10;および
分散安定剤およびオプソニン化抑制剤の少なくとも1種
を含み、CoQ10のナノ分散物が200 nm未満の平均粒径を有するナノ粒子に分散されている、静脈内CoQ10製剤として提供される。

0029

ある実施形態において、分散安定剤は、PEG化ひまし油、Cremophor EL、Cremophor RH 40、PEG化ビタミンE、ビタミンETPGS、およびジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)からなる群より選択される。ある実施形態において、オプソニン化抑制剤は、ポロキサマーおよびポロキサミン(例えば、ポロキサマー188)からなる群より選択される。ある実施形態において、CoQ10製剤は、それぞれ4%、3%および1.5%のCoQ10、DMPCおよびポロキサマー188の体積あたりの重量を有する。

0030

ある実施形態において、CoQ10化合物は局所投与される。

0031

ある実施形態において、局所投与用のCoQ10化合物は、
(1)組成物の約4.0% w/wのC12〜15アルキルベンゾエート、組成物の約2.00% w/wのセチルアルコール、約1.5% w/wのステアリルアルコール、約4.5% w/wのグリセリルステアレートおよびPEG-100を有する相A;
(2) 約2.00% w/wのグリセリン、約1.5% w/wのプロピレングリコール、約5.0% w/wのエトキシジグリコール、約0.475% w/wのフェノキシエタノール、約40% w/wのカルボマー分散物、約16.7% w/wの精製水を有する相B;
(3) 約1.3% w/wのトリエタノールアミン、約0.5% w/wの乳酸、約2.0% w/wの乳酸ナトリウム溶液、約2.5% w/wの水を有する相C;
(4) 約1.0% w/wの二酸化チタンを有する相D;および
(5) 約15.0% w/wの濃度21%のCoQ10を有する相E
を含む3% CoQ10クリームである。

0032

本発明は、本明細書に提供される任意の方法を実施するための組成物を提供する。

0033

本発明は、本明細書に提供される方法において使用するための医薬品の調製のための、本出願に提供される特許請求の範囲の任意の化合物の使用を提供する。

0034

本発明は、少なくとも1種の中枢神経系(CNS)異常を示す被験体におけるCNS腫瘍を治療するための組成物であって、コエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含み、それによりCNS腫瘍を治療する、前記組成物を提供する。

0035

本発明は被験体における原発性腫瘍からの続発性CNS腫瘍を予防または治療するための組成物であって、コエンザイムQ10(CoQ10)化合物を含み、それにより続発性CNS腫瘍を予防または治療する、前記組成物を提供する。

図面の簡単な説明

0036

本開示のさまざまな実施形態を以下に図面を参照して説明する。
Fischer 344ラットにおける対麻痺の発症を示す図である。リポ多糖による白血病の治療の後の対麻痺の発症(A)、およびCoQ10による治療の後の同じ動物(B)を示す。
CoQ10を用いてまたは用いずに治療した動物の死亡率曲線を示す図である。CNS腫瘍による死亡率の減少が、CoQ10に用量依存する形で観察される。
同じ動物におけるCoQ10治療の前(A)および後(B)の脊髄領域における緑色腫を示す病変のMRI画像を示す図である。
CNS白血病に対するCoQ10の長期的効果を示す図である。顕性CNS白血病を有する300個体の対麻痺の動物をそれぞれ150個体の2群にランダム化した。一方にはリン酸緩衝食塩水(PBS)を投与し、他方の群には100 mg/kgのCoQ10を、第1日に開始して第28日まで1日1回投与した(第1サイクル)。1日1回100 mg/kgのCoQ10の第2サイクルを第35日に開始して第62日まで続けた。動物は、CoQ10をそれぞれ28日の2サイクル投与された。*により示される第173日および第195日に、5個体の動物を屠殺して剖検および病理分析をおこなった。

0037

詳細な説明および好ましい実施形態
I. 定義
本明細書において使用される場合、「中枢神経系(CNS)腫瘍」は、脊髄、脳、および目の少なくとも1つに存在する腫瘍であると理解される。腫瘍は、原発性腫瘍、すなわち、CNSの細胞由来する腫瘍であり得る。腫瘍は離れた部位、すなわち、CNSの外の部位に由来する転移性腫瘍であり得る。また、CNS腫瘍は、CNSのある部位からCNS内の別の部位に、例えば、脳から脊椎に転移し得る。CNS腫瘍としては、神経上皮組織腫瘍、頭蓋および/または傍脊柱神経の腫瘍、髄膜の腫瘍、造血系の腫瘍、胚細胞腫瘍、トルコ鞍部の腫瘍、リンパ腫、白血病、黒色腫、癌腫、および肉腫性腫瘍のうちの1種以上を挙げることができる。白血病腫瘍としては、例えば、緑色白血病腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(ALL)腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)腫瘍、急性前骨髄性白血病腫瘍、および混合系統白血病腫瘍が挙げられる。

0038

用語「癌」または「腫瘍」は当業者に周知であり、制御されない増殖、不死転移能、速い成長および増殖速度細胞死アポトーシスの減少、およびある特有の形態的特徴などの癌を起こす細胞に典型的な特徴を有する細胞の、例えば被験体における存在を指す。本明細書において使用される場合、用語「癌」は、前癌状態ならびに悪性の癌を含む。

0039

本明細書において使用される場合、「癌」は、白血病、リンパ腫、黒色腫、癌腫および肉腫を含むがこれらに限定されない、ヒトにおいて見いだされるすべてのタイプの癌または新生物または悪性腫瘍を指す。本明細書において使用される場合、用語または言葉「癌」、「新生物」、および「腫瘍」は互換的に、また単数形または複数形のいずれでも使用され、悪性形質転換を受けて宿主生物体に対して病原となった細胞を指す。原発性癌細胞(すなわち、悪性形質転換の部位の近くから得られる細胞)は、確立した技術、特に組織学的試験により、容易に非癌細胞識別することができる。本明細書において使用される癌細胞の定義には原発性癌細胞のみでなく、癌幹細胞、ならびに癌前駆細胞または癌細胞の祖先に由来するいかなる細胞も含まれる。これには、転移した癌細胞、ならびに癌細胞に由来するin vitro培養物および細胞系が含まれる。通常固形腫瘍として現れる癌のタイプについて述べる場合、「臨床的に検出可能な」腫瘍は、例えば、CATスキャンMR画像X線、超音波または触診などの方法により腫瘍の塊に基づいて検出可能であるもの、および/または患者から得られるサンプルにおける1種以上の癌特異的抗原発現のために検出可能であるものである。

0040

本明細書において使用される場合、「小児腫瘍」または「小児癌」は、18歳以下の年齢の被験体に最初に確認された腫瘍または癌である。小児腫瘍としては、ユーイング肉腫、白血病、神経芽細胞腫、骨肉腫横紋筋肉腫軟組織肉腫、およびウィルムス腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。

0041

「中枢神経系(CNS)異常」は、腫瘍の存在の結果として被験体の行動または身体的健康に変化をもたらすCNS腫瘍の存在の兆候または症状であると理解される。被験体はCNS腫瘍の結果として1種以上のCNS異常を経験し得る。特定のCNS異常は、典型的には、CNS腫瘍の位置、大きさ、およびタイプに少なくとも部分的に依存するであろう。CNS異常としては、頭痛、発作、記憶の変化、特に短期記憶の喪失、気質の変化、例えば、身近な状況により誘発されるパニック発作の突然の発症、知的機能の変化、例えば、数学をおこなうことまたは明瞭な視界の中で物体を見つけることの不可能;錯乱、見当識障害、例えば、身近な場所で道に迷うこと;視力障害、視力喪失、周辺視力の喪失、複視、めまい、聴覚障害、高い耳鳴り(ringing in ears)、低い耳鳴り(buzzing in ears)、発作、筋肉制御の低下、協調の欠除、感覚の低下、衰弱、麻痺、例えば、対麻痺、四肢麻痺、歩行困難または足取りの変化、発語困難、および平衡障害が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において使用される場合、CNS異常は、直接または間接的に被験体を観察している者により、例えば、CNS異常を有する被験体自身により、CNS異常を有する被験体の伴侶もしくは介護者により、または当業者により、報告され得る。CNS異常には、触診により検出される身体的異常、または画像研究において、例えば、CATスキャン、MR画像、X線、超音波などの方法(CNS異常を検出する目的以外の理由でおこなった画像研究を含む)により観察される身体的異常も含まれる。CNS異常は、そのCNS異常の発症の前の時点と比較して定量的または定性的に分析される必要はない。本明細書において使用される場合、CNS異常は、治療を求める前に被験体により認知され得る。ある実施形態において、CNS異常は、他の方法(例えば、CNS異常以外の理由でおこなった画像研究)によるCNS腫瘍の診断の後に認知される。ある実施形態において、CNS腫瘍は、被験体がCNS異常の治療を求めた時に検出される。

0042

本明細書において使用される場合、用語「治療する」、「治療すること」または「治療」は、好ましくは、検出可能であるか検出不可能であるかに関わらず、疾患または状態の1つ以上の兆候または症状の軽減または改善、疾患の範囲の縮小病状の安定(すなわち、悪化しないこと)、病状の改善または一次的緩和、進行速度または進行までの時間の減少、および寛解(部分的または完全のいずれであっても)を含むがこれらに限定されない有益なまたは所望の臨床結果を得るための行為を指す。癌の「治療」は、治療をおこなわない場合に予測される生存期間と比較して延長された生存期間をも意味し得る。治療は治癒的である必要はない。

0043

本明細書において使用される場合、「続発性CNS腫瘍の予防」は、例えば、CNSへの癌細胞の溢出を防止することにより、癌にかかっている被験体または癌の治療を受けた被験体における続発性CNS腫瘍の、開始を遅らせること、重篤度を制限すること、または発症の発生率を減少させることであると理解される。ある実施形態において、癌は白血病、例えば緑色白血病である。ある実施形態において、腫瘍は小児腫瘍である。種々の腫瘍タイプのCNSへの腫瘍転移の発症の時期および頻度は当業者に公知である。

0044

本明細書において使用される場合、「少なくとも1種のCNS異常の改善」は、CNS腫瘍の治療の結果として被験体が経験する1種以上(例えば、少なくとも1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種等)のCNS異常の重篤度または頻度の減少であると理解される。少なくとも1種のCNS異常の改善は、1〜10種、2〜10種、3〜10種、4〜10種、5〜15種、またはそれ以上のCNS異常の改善であると理解することができる。改善は、異常の兆候または症状の完全な除去を含む必要はない。

0045

「化学療法剤」は、癌の治療に使用される薬物であると理解される。化学療法剤としては、小分子および生物製剤(例えば、抗体、ペプチド薬核酸薬)が挙げられるが、これらに限定されない。

0046

「治療的有効量」は、被験体における疾患を治療するのに十分な量である。治療的有効量は1回またはそれ以上の投与で投与することができる。

0047

用語「投与する」、「投与すること」または「投与」は、医薬組成物または薬剤を被験体の全身または被験体の体内もしくは体表面の特定の領域に送達する任意の方法を含む。ある実施形態において、薬剤は経口送達される。ある実施形態において、薬剤は非経口投与される。ある実施形態において、薬剤は注射または注入により送達される。ある実施形態において、薬剤は局所送達(経粘膜を含む)される。本発明のある実施形態において、薬剤は、静脈内、筋肉内、皮下、髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注射を含む、非経口送達により投与される。一実施形態において、本明細書に提供される組成物は腫瘍に直接注射することにより投与し得る。いくつかの実施形態において、本発明の製剤は、静脈内注射または静脈内注入により投与し得る。ある実施形態において、投与は全身投与である。ある実施形態において、投与は局所投与である。いくつかの実施形態において、例えば、静脈内と腫瘍内、または静脈内と経口(peroral)、または静脈内と経口(oral)、静脈内と局所、または静脈内と経皮もしくは経粘膜などの、1つ以上の投与経路を組み合わせることができる。ある実施形態において、薬剤はCNSに直接投与されない。例えば、薬剤は、髄腔内、腫瘍内、頭蓋内、脳室内、髄内、または眼内送達されない。薬物の投与は、協力して働く多くの人々により実施され得る。薬剤の投与には、例えば、被験体に投与されるべき薬剤の処方、および/または、例えば、経口送達、皮下送達、中心ラインを通した静脈内送達等による自己送達により特定の薬物を服用するための;または例えば、静脈内送達、筋肉内送達、腫瘍内送達等の訓練された専門家による送達のための、直接のまたは他を介した指示の提供が含まれる。

0048

本明細書において使用される場合、「製薬上許容される」成分は、合理的な利益/リスク比に見合って、過度の有害副作用(例えば、毒性、刺激、およびアレルギー反応)を伴うことなく、ヒトおよび/または動物に使用するのに適したものである。

0049

本明細書において使用される場合、「製剤」は、製薬上許容される担体と組み合わされた活性成分、例えばCoQ10、CoQ10の代謝産物、CoQ10の生合成前駆物質、またはCoQ10関連化合物であると理解される。製剤としては、水性製剤リポソーム製剤懸濁剤エマルションマイクロエマルション、局所投与のためのクリーム、ローション、および軟膏製剤などの特定の投与経路のための製剤、および経口投与のための固体製剤を挙げることができるが、これらに限定されない。

0050

本明細書において使用される場合、用語「安全で治療的に有効な量」は、本開示の方式で使用される場合に、合理的な利益/リスク比に見合って、過度の有害副作用(例えば、毒性、刺激、およびアレルギー反応)を伴うことなく、所望の治療反応をもたらすのに十分な成分の量を指す。「治療的有効量」は、所望の治療反応、例えば、少なくとも1つのCNS腫瘍の兆候または症状の改善(少なくとも1種のCNS異常の改善を含む)をもたらすのに有効な本開示の化合物の量を意味する。特定の安全で有効な量または治療的有効量は、治療される特定の状態、患者の健康状態、治療される哺乳動物または動物のタイプ、治療の期間、(存在する場合には)同時におこなう治療の性質、使用する特定の製剤および化合物またはその誘導体の構造などの要因により変化するであろう。

0051

「治療的有効量」は、疾患を治療するために患者に投与される場合に、該疾患の治療に効果を及ぼすのに十分な化合物の量を意味する。疾患を予防するために投与される場合には、量は疾患の開始を回避または遅延するのに十分なものである。「治療的有効量」は、化合物、疾患およびその重篤度、ならびに治療される患者の年齢、体重等に依存して変化するであろう。

0052

用語「治療効果」は、薬理活性物質により引き起こされる動物、特に哺乳類、より特定的にはヒトにおける局所的または全身的効果を指す。ここで、前記用語は疾患の診断、治癒、緩和、治療もしくは予防において、または動物またはヒトにおける望ましい身体的または精神的発達および状態の増強において、使用することが意図される任意の物質を意味する。用語「治療的有効量」は、任意の治療に適用可能な合理的な利益/リスク比で何らかの所望の局所的または全身的効果を引き起こす前記物質の量を意味する。ある実施形態において、化合物の治療的有効量は、その治療指数、溶解度等に依存するであろう。例えば、本発明の方法により発見されたある化合物は、前記治療に適用可能な合理的な利益/リスク比を生じさせるのに十分な量で投与することができる。

0053

本明細書において使用される場合、「共投与」または「併用療法」は、2種以上の活性薬剤を、別々の製剤もしくは単一の医薬製剤を用いて投与すること、または両方(もしくは全部)の活性薬剤がその生物活性を同時に及ぼす期間が存在するように、任意の順序で連続的に投与することであると理解される。共投与は、薬剤が同時に、同じ頻度で、または同じ投与経路で投与されることを必要としない。化学療法剤の例は本明細書に提供される。

0054

本明細書において使用される場合、「共投与」または「併用療法」には、CoQ10化合物を1種以上の化学療法剤と共に投与すること、または2種以上のCoQ10化合物を投与することが含まれる。

0055

本明細書において使用される場合、用語「生存」は、疾患または状態、例えば癌の治療を受けた被験体の生命の存続を指す。生存の期間は、臨床試験への参加の時間、以前の治療レジメンの終了または失敗からの時間、診断からの時間などの任意の時点から定義することができる。

0056

本明細書において使用される場合、用語「被験体」は、獣医学的被験体を含む、ヒトおよび非ヒト動物を指す。用語「非ヒト動物」としては、すべての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類動物、マウスウサギヒツジイヌネコウマウシニワトリ、両生動物、および爬虫類動物などの哺乳動物および非哺乳動物が挙げられる。好ましい実施形態において、被験体はヒトであり、患者と呼ばれることがある。

0057

本明細書において、詞「a」、「an」および「the」は、それに反して他に明白に指示されない限り、1つまたは1つよりも多い(すなわち、少なくとも1つの)該冠詞の文法的対象を指すために使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または1つよりも多い要素を意味する。

0058

本明細書において、用語「含む」は、「含むが、それらに限定されない」という表現と同じ意味で使用され、これと互換的に使用される。

0059

本明細書において、用語「または」は、文脈により他に明白に指示されない限り、用語「および/または」と同じ意味で使用され、これと互換的に使用される。

0060

本明細書において、用語「などの」は、「などであるが、それらに限定されない」という表現と同じ意味で使用され、これと互換的に使用される。

0061

本明細書において使用される場合、特に記載されるか文脈から明白でない限り、用語「約」は、当技術分野における通常の許容誤差の範囲内、例えば、平均の2標準偏差以内であると理解される。約は、記載された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内であると理解することができる。文脈から他に明白でない限り、本明細書に提供されるすべての数値は約という用語を付けることができる。

0062

本明細書に提供される範囲は、範囲内のすべての値の省略表現であると理解される。例えば、1〜50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50からなる群に属する任意の数、数の組合せ、または部分範囲を含むと理解される。

0063

本明細書における可変基の定義における化学基リストの列挙は、任意の単一の基または挙げられた基の組合せとしてのその可変基の定義を含む。本明細書における可変基の実施形態または態様の列挙は、任意の単一の実施形態としての、または任意の他の実施形態もしくはその一部と組み合わせての、その実施形態を含む。

0064

本明細書に提供される任意の組成物または方法は、本明細書に提供される1つ以上の任意の他の組成物および方法と組み合わせることができる。

0065

II.コエンザイムQ10化合物
コエンザイムQ10化合物には、CoQ10化合物のクラスが含まれることが意図される。本明細書に記載される方法に有効なコエンザイムQ10化合物としては、CoQ10、CoQ10の代謝産物、CoQ10の生合成前駆物質、CoQ10の類似物質、CoQ10の誘導体、およびCoQ10関連化合物が挙げられる。CoQ10の類似物質には、イソプレニル反復を持たないまたは1つ以上有する類似物質が含まれる。CoQ10は次の構造:

0066

[式中、xは10である]
を有する。本発明において、CoQ10としては、xが4〜10の任意の数のイソプレニル単位、または6〜10の任意の数のイソプレニル単位、または8〜10の任意の数のイソプレニル単位、または9〜10のイソプレニル単位であるCoQ10の誘導体を挙げることができる。CoQ10としては、完全に酸化された型(ユビキノンとしても知られる)、部分的に酸化された型(セミキノンまたはユビセミキノンとしても知られる)、もしくは完全に還元された型(ユビキノールとしても知られる);またはそれらの任意の混合物もしくは組合せが挙げられる。ある実施形態において、CNS腫瘍を治療するための薬剤はユビキノンである。ある実施形態において、CNS腫瘍を治療するための薬剤はユビキノールである。

0067

本発明のある実施形態において、治療薬はコエンザイムQ10(CoQ10)である。コエンザイムQ10は、本明細書においてCoQ10とも呼ばれるが、ユビキノン、またはユビデカレノンとしても知られる。CoQ10は当該技術分野において認められており、さらに国際公開WO 2005/069916に記載されている(その開示全体を参照により本明細書に組み入れる)。CoQ10は、真核細胞ミトコンドリア電子伝達系に存在する一連ポリプニル2,3-ジメトキシ-5-メチルベンゾキノン(ユビキノン)うちの1つである。ヒト細胞はCoQ10のみを生産し、それは細胞およびすべてのヒト細胞のミトコンドリア膜に見いだされ、中でも肝臓および心臓などの高いエネルギー要求を有する器官において最も高いレベルで見いだされる。CoQ10の体内貯蔵は約2グラムであると推定され、そのうちの50%以上が内因性である。1日およそ0.5グラムのCoQ10を食餌または生合成により得ることが要求される。CoQ10は世界中のサプリメント市場からトン単位の量で製造され、Pasadena、Texasおよび日本、高砂市に工場を有するKanekaから入手することができる。

0068

コエンザイムQ10関連化合物としては、ベンゾキノンイソプレノイドファルネソールファルネシルアセテートファルネシルピロホスフェート、1-フェニルアラニン、d-フェニルアラニン、dl-フェニルアラニン、1-チロシン、d-チロシン、dl-チロシン、4-ヒドロキシ-フェニルピルベート、4-ヒドロキシ-フェニルラクテート、4-ヒドロキシ-シンナメート、チロシンまたはフェニルアラニンのジペプチドおよびトリペプチド、3,4-ジヒドロキシマンデレート、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール、3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデレート、バニリン酸フェニルアセテートピリドキシンS-アデノシルメチオニンパンテノールメバロン酸イソペンチルピロホスフェート、フェニルブチレート、4-ヒドロキシ-ベンゾエートデカプレニルピロホスフェート、ベータ-ヒドロキシブチレート、3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタレート、アセチルカルニチンアセトアセチルカルニチンアセチルグリシン、アセトアセチルグリシン、カルニチン、酢酸ピルビン酸、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルカルニチン;セリンアラニンシステイン、グリシン、スレオニンヒドロキシプロリンリジンイソロイシン、およびロイシンのすべての異性体;カルニチンおよびグリシンの偶数炭素数を有するC4〜C8脂肪酸酪酸カプロン酸カプリル酸カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸、およびステアリン酸)塩、例えば、パルミトイルカルニチンおよびパルミトイルグリシン;および4-ヒドロキシ-ベンゾエートポリプレニルトランスフェラーゼ、これらの化合物の任意の塩、ならびにそれらの任意の組合せ等が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態において、このような薬剤はCNS腫瘍の治療に使用することができる。

0069

CoQ10の代謝産物および生合成前駆物質としては、チロシンおよびアセチルCoAからユビキノールへの化学的生物学的変換の間に形成される化合物が挙げられるが、それらに限定されない。コエンザイム生合成経路中間物質としては、チロシン、アセチルCoA、3-ヘキサプレニル-4-ヒドロキシベンゾエート、3-ヘキサプレニル-4,5-ジヒドロキシベンゾエート、3-ヘキサプレニル-4-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾエート、2-ヘキサプレニル-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2-ヘキサプレニル-3-メチル-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2-ヘキサプレニル-3-メチル-5-ヒドロキシ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、3-オクタプレニル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-オクタプレニルフェノール、2-オクタプレニル-6-メトキシフェノール、2-オクタプレニル-3-メチル-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2-オクタプレニル-3-メチル-5-ヒドロキシ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2-デカプレニル-3-メチル-5-ヒドロキシ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2-デカプレニル-3-メチル-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2-デカプレニル-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2-デカプレニル-6-メトキシフェノール、3-デカプレニル-4-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾエート、3-デカプレニル-4,5-ジヒドロキシベンゾエート、3-デカプレニル-4-ヒドロキシベンゾエート、4-ヒドロキシフェニルピルベート、4-ヒドロキシフェニルラクテート、4-ヒドロキシ-ベンゾエート、4-ヒドロキシシンナメート、およびヘキサプレニルジホスフェートが挙げられる。ある実施形態において、このような薬剤はCNS腫瘍の治療に使用することができる。

0070

III.組成物
本開示は、癌の治療および予防のためのCoQ10化合物を含有する組成物を提供する。本開示の組成物は、単独で、または好適な担体または賦形剤と混合した医薬組成物として、患者に投与することができる。対象の障害を示す患者の治療において、治療的有効量のこれらなどの薬剤(1種または複数種)を投与する。治療的有効用量は、患者において症状の改善または生存の延長をもたらす化合物の量を指す。

0071

本発明の組成物の好適な投与経路としては、いくつかの例を挙げると、静脈内、筋肉内、皮下、髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注射を含む、非経口送達を挙げることができる。一実施形態において、本明細書に提供される組成物は腫瘍に直接注射することにより投与することができる。いくつかの実施形態において、本発明の製剤は、静脈内注射または静脈内注入により投与することができる。一実施形態において、本発明の組成物は静脈内注射により投与される。一実施形態において、本発明の組成物は静脈内注入により投与される。投与経路が、例えば、静脈内注入である場合、本明細書において、IV注入がおよそ40 mg/mLの濃度の活性薬剤(例えば、CoQ10)を含む実施形態が提供される。組成物をIV注入により投与する場合、組成物をリン酸緩衝食塩水または通常生理食塩水などの製薬上許容される水溶液により希釈することができる。いくつかの実施形態において、例えば、静脈内と腫瘍内、または静脈内と経口(peroral)、または静脈内と経口(oral)、または静脈内と局所、経皮もしくは経粘膜などの、1つ以上の投与経路を組み合わせることができる。

0072

本明細書に記載される組成物は、任意の好適な製剤として被験体に投与することができる。これらには、例えば、液体溶液(例えば、注射溶液および注入溶液)、分散液または懸濁液、錠剤丸剤粉剤、クリーム、ローション、塗布薬、軟膏、またはペースト、目、またはへの投与のための滴剤リポソーム、および坐剤などの液体半固体、および固体剤形が含まれる。好ましい剤形は意図される投与方式および治療的適用に依存する。

0073

ある実施形態において、CoQ10化合物は、植込錠経皮パッチ、およびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤のように、急速な放出に対して保護する担体を用いて調製することができる。エチレンビニルアセテートポリ酸無水物ポリグリコール酸コラーゲンポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生物分解性生体適合性ポリマーを使用することができる。このような製剤の調製のための多くの方法が特許を取得しており、または当業者に周知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J.R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照されたい。

0074

例えば、CoQ10化合物は、非経口送達のために、例えば、皮下、静脈内、筋肉内、または腫瘍内注射のために製剤することができる。組成物は単一のボーラスとして、複数回の注射により、または連続的な注入により(例えば、静脈内もしくは腹膜透析により)、投与することができる。非経口投与のために、組成物は滅菌された発熱物質を含まない形態で製剤され得る。

0075

本発明を実施するために、全身投与に適した投薬量の中に、本明細書に開示される化合物を製剤するための製薬上許容される担体を使用することは本開示の範囲に含まれる。担体および好適な製造実務を適正に選択することにより、本開示の組成物、特に溶液として製剤されるものは、静脈内注射などにより非経口投与することができる。

0076

前記化合物の毒性および治療効果は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的方法、例えば、LD50(個体数の50%が死に至る用量)およびED50(個体数の50%に治療効果がある用量)を測定するための方法により決定することができる。毒性と治療効果との間の用量比が治療指数であり、これは比LD50/ED50として表すことができる。大きい治療指数を示す化合物が望ましい。これらの細胞培養アッセイおよび動物実験から得られたデータをヒトにおける使用のための投与量の範囲を処方するために使用することができる。前記化合物の投与量は、ED50を含み、毒性をほとんどまたは全く示さない血中濃度の範囲内とすることができる。投与量は、この範囲内で、使用する剤形および利用する投与経路に依存して変化し得る。

0077

本発明における使用に好適な医薬組成物には、その意図される目的を達成するのに有効な量で活性成分が含有される組成物が含まれる。有効量の決定は、特に本明細書に提供される詳細な開示を参照して、当業者が容易に実施することができる。活性成分に加えて、これらの医薬組成物は、好適な製薬上許容される担体(活性成分の薬学的に使用することができる調製物への加工を容易にする賦形剤および助剤を含む)を含有し得る。静脈内投与のために製剤される調製物は、コロイド分散物の溶液の形態であり得る。

0078

非経口投与のための医薬組成物には、水溶性の形態の活性化合物の水溶液が含まれる。さらに、活性化合物の懸濁液を適切な油性注射懸濁液として調製してもよい。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウムソルビトール、またはデキストランなどの懸濁液の粘度を増大させる物質を含有してもよい。場合により、懸濁液は、好適な安定剤、または化合物の溶解度を増大させて高度に濃縮された溶液の調製を可能にする薬剤を含有してもよい。

0079

IV. 製剤
活性薬剤、例えばCoQ10化合物は、所望の投与経路のための任意の製薬上許容される担体中で送達することができる。本明細書において使用される場合、CoQ10化合物を含む製剤は、他に明白に指示されない限り、任意の投与経路のために製剤される。好ましい実施形態において、製剤は、注射、注入、または局所投与による投与のためのものである。

0080

本発明の方法に使用するための好ましい治療用製剤は、例えば静脈内投与のための微粒子製剤中に活性薬剤(例えば、CoQ10化合物)を含む。このような静脈内製剤は、例えば、WO2011/112900(その全文を参照により本明細書に組み入れる)に提供されており、静脈内製剤は下に記載する実施例において使用される。高圧均質化により、活性薬剤(例えば、CoQ10化合物)粒子が縮小して、200 nm滅菌フィルターを通るのに十分な程度に小さい粒子が作られる。200 nm滅菌フィルターを通るのに十分な程度に小さい粒子は静脈内注射することができる。これらの粒子は血球よりもはるかに小さいので、毛細血管に塞栓を形成しない。例えば、赤血球は6ミクロン×2ミクロンの円盤状である。粒子は分散し、安定剤により包まれてまたは囲まれている。いかなる理論にも拘束されることを望まないが、安定剤は疎水性治療薬に引きつけられ、分散された疎水性治療薬の粒子が安定剤により取り囲まれて懸濁液またはエマルションを形成すると考えられる。懸濁液またはエマルション中に分散された粒子は、安定剤の表面および固体粒子の形態(懸濁液)または非混和性液体の形態(エマルション)の疎水性治療薬(例えば、CoQ10化合物)からなるコアを含む。分散された粒子はリポソームの親油性領域の中に定着することができる。

0081

分散されたコロイド系により、共溶媒を使用することなく薬物含有量の高い製剤を製造することが可能になる。さらに、低濃度内在性リポタンパク質担体に依存することなく、比較的再現性のある高い血漿レベルが達成される。より重要なことは、該製剤は、疎水性治療薬のコロイド粒子受動的蓄積のために、固形腫瘍中に持続的な高い薬物レベルをもたらす。

0082

好ましい静脈内製剤は、実質的に、水の連続相および分散された固体(懸濁液)または分散された非混和性の液体(エマルション)を含む。粒子の大部分が活性薬剤(薬物)自体から構成される分散されたコロイド系は、系に十分な安定性を与えることができれば、連続的な可溶化系と比較して、多くの場合、単位体積あたりより多くの薬物を送達することが可能である。

0083

製剤媒体として、水溶液としては、ハンクス液リンゲル液、リン酸緩衝食塩水(PBS)、生理食塩水または非経口送達製剤に適切なpHおよびモル浸透圧濃度を達成するための他の好適な塩または組合せが挙げられる。水溶液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの溶液の粘度を増大させる物質を含有してもよい。

0084

活性薬剤(例えば、CoQ10化合物)は、疎水性治療薬のナノ分散粒子が分散安定剤により覆われまたは包まれまたは取り囲まれて活性薬剤(例えば、CoQ10化合物)粒子のナノ分散物を形成しているコロイド分散液が形成されるように、水溶液中に分散される。ナノ分散された活性薬剤(例えば、CoQ10化合物)粒子は、疎水性治療薬により形成されるコアを有し、それが安定剤により取り囲まれている。同様に、ある態様において、安定剤は親水性部分および疎水性部分の両方を有するリン脂質である。リン脂質は均質化されるとリポソームまたは他のナノ粒子を形成する。ある態様において、これらのリポソームは二重層を有する単層リポソームであり、一方、他の実施形態において、リポソームは二重層を有する多層リポソームである。分散された活性薬剤(例えば、CoQ10化合物)粒子は、リン脂質により形成されたリポソームの二重層構造親油性部分に分散される。ある別の態様において、リポソームのコアは、活性薬剤(例えば、CoQ10化合物)粒子のナノ分散物のコアと同様に、疎水性治療薬により形成され、外層はリン脂質の二重層構造により形成される。ある実施形態において、コロイド分散物は、凍結乾燥法により処理することにより、ナノ粒子分散物を乾燥した粉末に変換される。

0085

いくつかの実施形態において、使用される注射または注入用製剤は、WO2011/112900において調製された通りの、ナノ懸濁液にCoQ10を含有する4%滅菌水性コロイド分散物である。ある実施形態において、製剤は、水溶液;分散されて粒子のコロイドナノ分散物を形成する疎水性活性薬剤、例えば、CoQ10、CoQ10前駆物質もしくは代謝産物またはCoQ10関連化合物;ならびに分散安定剤およびオプソニン化抑制剤の少なくとも1種を含み、活性薬剤のコロイドナノ分散物は200 nm未満の平均粒径を有するナノ分散物粒子に分散されている。

0086

ある実施形態において、分散安定剤としては、PEG化ひまし油、Cremphor EL、Cremophor RH 40、PEG化ビタミンE、ビタミンETPGS、およびジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)が挙げられるが、これらに限定されない。

0087

ある実施形態において、オプソニン化抑制剤はポロキサマーまたはポロキサミンである。

0088

ある実施形態において、コロイドナノ分散物は懸濁液またはエマルションであり、場合により、コロイドナノ分散物は結晶の形態または過冷却溶融物の形態である。

0089

ある実施形態において、製剤は、ラクトースマンノースマルトースガラクトースフルクトースソルボースラフィノースノイラミン酸グルコサミンガラクトサミン、N-メチルグルコサミン、マンニトール、ソルビトール、アルギニン、グリシンおよびスクロース、またはそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない栄養糖などのリオプロテクタントを含む。

0090

ある実施形態において、注射用製剤は、水溶液;分散されて粒子のコロイドナノ分散物を形成する疎水性活性薬剤;および分散安定剤およびオプソニン化抑制剤の少なくとも1つを含む。活性薬剤のコロイドナノ分散物は200 nm未満の粒径を有するナノ分散物粒子に分散されている。いくつかの実施形態において、分散安定剤は天然または半合成リン脂質より選択される。例えば、好適な安定剤としては、ポリエトキシ化(a/k/a PEG化)ひまし油(Cremophor(登録商標)EL)、ポリエトキシ化水素化ひまし油(Cremophor(登録商標)RH 40)、トコフェロールポリエチレングリコールサクシネート(PEG化ビタミンE、ビタミンETPGS)、ソルビタン脂肪酸エステル(Spans(登録商標))、胆汁酸および胆汁酸塩またはジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)が挙げられる。いくつかの実施形態において、安定剤はDMPCである。

0091

ある実施形態において、製剤は、静脈内、腹腔内、同所、頭蓋内、筋肉内、皮下、髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、鼻腔内、または眼内注射を含む非経口投与に適している。ある実施形態において、製剤は、CoQ10、ジミリストイルホスファチジルコリン、およびポロキサマー188を、それぞれ4:3:1.5の比で含有する。これは、粒子のナノ懸濁液を安定化するために設計されたものである。いくつかの実施形態において、製剤は、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム塩化カリウム塩化ナトリウムおよび水を含有する注射用リン酸緩衝食塩水を含む。ある実施形態において、ナノ懸濁液中にCoQ10を含有する4%滅菌水性コロイド分散物は、リン酸緩衝食塩水により、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20または任意の2つの値により囲まれた他の適切な比を与えるように希釈される。

0092

いくつかの実施形態において、製剤は局所製剤である。CoQ10化合物の局所製剤は、例えば、WO2010/132507、WO2009/126764、WO2008116135、およびWO2005/069916に提供されており、それぞれの全文を参照により本明細書に組み入れる。

0093

局所投与に好適な製剤としては、塗布薬、ローション、クリーム、軟膏またはペーストなどの皮膚を通した浸透に好適な液体または半液体調製物、および目、耳または鼻への投与に好適な滴剤が挙げられる。本開示の滴剤としては滅菌された水性または油性の溶液または懸濁液が挙げられ、活性成分を殺細菌剤および/または殺真菌剤および/または他の好適な保存剤(およびいくつかの実施形態において界面活性剤を含む)の好適な水溶液に溶解することにより調製することができる。次に、得られた溶液を濾過により浄化および滅菌して、無菌技術により容器に移す。滴剤に含有させるのに適した殺細菌剤および殺真菌剤の例は、硝酸フェニル水銀または酢酸フェニル水銀(0.002%)、塩化ベンザルコニウム(0.01%)および酢酸クロルヘキシジン(0.01%)である。油性溶液の調製に好適な溶媒としては、グリセリン、希アルコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。

0094

本開示のローションとしては、皮膚または目への適用に好適なものが挙げられる。点眼剤は、場合により殺細菌剤を含有する滅菌水溶液を含み、滴剤の調製と同様の方法により調製することができる。皮膚に適用するためのローションまたは塗布薬は、アルコールなどの乾燥を促進して皮膚を冷却するための薬剤、および/またはグリセリンなどの保湿剤またはひまし油もしくは落花生油などの油を含んでもよい。

0095

本発明の方法において有用なクリーム、軟膏またはペーストは、活性成分の外部適用のための半固体製剤である。それらは、微細粉砕された形態または粉末の形態の活性成分を、単独でまたは水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、好適な機械を用いて、グリース状のまたはグリース状でない基剤と混合することにより製造することができる。基剤としては、硬、軟もしくは液体パラフィンなどの炭化水素、グリセリン、蜜蝋金属石鹸ゴム糊アーモンド油、コーン油、落花生油、ひまし油またはオリーブ油などの天然起源の油;羊毛脂またはその誘導体、またはプロピレングリコールもしくはマクロゲル(macrogels)などのアルコールと共に用いるステアリン酸もしくはオレイン酸などの脂肪酸を挙げることができる。製剤には、ソルビタンエステルまたはそのポリオキシエチレン誘導体などのアニオン性カチオン性または非イオン性界面活性剤などの任意の好適な界面活性剤を組み入れることができる。天然ゴムセルロース誘導体またはシリカ(silicaceous silica)などの無機材料などの懸濁剤、およびラノリンなどの他の成分を含んでもよい。

0096

いくつかの実施形態において、局所送達ビヒクルの残りの成分は、水または水相、例えば精製水、例えば脱イオン水、グリセリン、プロピレングリコール、エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、および架橋アクリル酸ポリマーであり得る。このような送達ビヒクル組成物は、組成物の総重量に対して約50〜約95%の量の水または水相を含有し得る。存在する水の特定の量は重要でなく、所望の粘度(通常約50cps〜約10,000 cps)および/または他の成分の濃度を得るために調節することができる。局所送達ビヒクルは、約30センチポイズ以上の粘度を有し得る。

0097

局所製剤は、油相を含んでもよく、油相は、例えば、皮膚軟化剤脂肪アルコール乳化剤、それらの組み合わせ等を含み得る。例えば、油相は、C12〜15アルキルベンゾエート(FINSOLV(商標)TNとしてFinetex Inc. (Edison, N.J.)より市販されている)、カプリン酸-カプリル酸トリグリセリドMIGLYOL(商標)812としてHulsより市販されている)等などの皮膚軟化剤を含み得る。利用することができる他の好適な皮膚軟化剤としては、植物由来の油(コーン油、ベニバナ油、オリーブ油、マカダミアナッツ油等);カプリン酸エステルリノール酸エステルジリノール酸エステルイソステアリン酸エステルフマル酸エステルセバシン酸エステル乳酸エステルクエン酸エステルステアリン酸エステルパルミチン酸エステル等を含む種々の合成エステル;合成中鎖トリグリセリドシリコーン油またはポリマー;セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコールラウリルアルコール、それらの組合せ等などの脂肪アルコール;およびグリセリルステアレート、PEG-100ステアレート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレーSE、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸等を含む中和または部分中和された脂肪酸を含む乳化剤;脂肪酸を含有する植物油抽出物セテアレス-20、セテス-20、PEG-150ステアレート、PEG-8ラウレート、PEG-8オレエート、PEG-8ステアレート、PEG-20ステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-150ジステアレート、PEG-8ジステアレート、それらの組合せ等;または当業者の権限の範囲で皮膚軟化剤として使用される化粧品製造上または製薬上許容される他の無極性材料、それらの組合せ等が挙げられる。

0098

また、局所製剤は、例えば、レシチンリゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンホスファチジルイノシトールホスファチジルグリセロールホスファチジン酸ホスファチジルセリンリゾホスファチジルコリンリゾホスファチジルエタノールアミンリゾホスファチジルグリセロールリゾホスファチジン酸リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、およびそれらの組合せなどのリン脂質、少なくとも1種の親油性生物活性剤、ならびに少なくとも1種の可溶化剤を含むリポソーム濃縮物を含み得る。リポソーム濃縮物は、少なくとも1種の透過促進剤を組成物の約0.5重量%〜約20重量%の量で有する少なくとも1種の製薬上許容される担体と組み合わせてもよい。リン脂質は組成物の約2重量%〜約20重量%の量で組成物中に存在することができ、生物活性剤は組成物の約0.5重量%〜約20重量%の量で存在し得る。

0099

CoQ10の送達を促進するために経皮皮膚透過促進剤を使用することもできる。例としては、エトキシジグリコール、1,3-ブチレングリコール、イソペンチルジオール、1,2-ペンタンジオール、プロピレングリコール、2-メチルプロパン-2-オールプロパン-2-オール、エチル-2-ヒドロキシプロパノエートヘキサン-2,5-ジオール、ジ(2-ヒドロキシプロピル)エーテルペンタン-2,4-ジオール、アセトンポリオキシエチレン(2)メチルエーテル2-ヒドロキシプロピオン酸、2-ヒドロキシオクタン酸、プロパン-1-オール、1,4-ジオキサンテトラヒドロフランブタン-1,4-ジオール、プロピレングリコールジペラルゴネートポリオキシプロピレン15ステアリルエーテルオクチルアルコールオレイルアルコールのポリオキシエチレンエステル、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、ジオクチルアジペートジカプリルアジペートジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケートジブチルセバケートジエチルセバケートジメチルセバケートジオクチルセバケートジブチルスベレートジオクチルアゼレートジベンジルセバケートジブチルフタレート、ジブチルアゼレート、エチルミリステートジメチルアゼレート、ブチルミリステート、ジブチルサクシネート、ジデシルフタレートデシルオレエート、エチルカプロエート、エチルサリチレートイソプロピルパルミテート、エチルラウレート、2-エチル-ヘキシルペラルゴネート、イソプロピルイソステアレートブチルラウレートベンジルベンゾエートブチルベンゾエート、ヘキシルラウレート、エチルカプレート、エチルカプリレートブチルステアレートベンジルサリチレート、2-ヒドロキシオクタン酸、ジメチルスルホキシドメチルスルホニルメタン、n,n-ジメチルアセトアミド、n,n-ジメチルホルムアミド2-ピロリドン、1-メチル-2-ピロリドン、5-メチル-2-ピロリドン、1,5-ジメチル-2-ピロリドン、1-エチル-2-ピロリドン、ホスフィンオキシド糖エステルテトラヒドロフルフラルアルコール、尿素ジエチル-m-トルアミド、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、およびそれらの組合せなどのスルホキシドである。

0100

可溶化剤、特に局所投与のための可溶化剤としては、ポリオキシアルキレンデキストラン、サッカロースの脂肪酸エステル、オリゴグルコシドの脂肪アルコールエーテル、グリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンの脂肪酸エステル、ソルビタンのポリエトキシ化脂肪酸エステルポリ(エチレンオキシド)の脂肪酸エステル、ポリ(エチレンオキシド)の脂肪アルコールエーテル、ポリ(エチレンオキシド)のアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーエトキシ化油、およびそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。

0101

局所製剤は、C12〜15アルキルベンゾエート、カプリン-カプリルトリグリセリド、植物由来の油、カプリン酸エステル、リノール酸エステル、ジリノール酸エステル、イソステアリン酸エステル、フマル酸エステル、セバシン酸エステル、乳酸エステル、クエン酸エステル、ステアリン酸エステル、パルミチン酸エステル、合成中鎖トリグリセリド、シリコーン油、ポリマーおよびそれらの組合せを含むがこれらに限定されない皮膚軟化剤を含むことができ;脂肪アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ラウリルアルコールおよびそれらの組合せからなる群より選択され;乳化剤は、グリセリルステアレート、ポリエチレングリコール100ステアレート、中和された脂肪酸、部分中和された脂肪酸、ポリエチレングリコール150ステアレート、ポリエチレングリコール8ラウレート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリエチレングリコール8ステアレート、ポリエチレングリコール20ステアレート、ポリエチレングリコール40ステアレート、ポリエチレングリコール150ジステアレート、ポリエチレングリコール8ジステアレート、およびそれらの組合せからなる群より選択される。

0102

局所製剤は、水、アミン乳酸ナトリウム、および乳酸のうちの1種以上を含む中和相を含み得る。

0104

また、局所製剤は、二酸化チタンなどの顔料を含み得る。

0105

一実施形態において、本発明の方法において使用するための局所製剤は、C12〜15アルキルベンゾエート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、グリセリルステアレート、およびポリエチレングリコール100ステアレートを組成物の約5重量%〜約20重量%の量で含む油相;グリセリン、プロピレングリコール、エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、水、および架橋アクリル酸ポリマーを組成物の約60〜約80重量%の量で含む水相;水、トリエタノールアミン、乳酸ナトリウム、および乳酸を組成物の約0.1重量%〜約15重量%の量で含む中和相;二酸化チタンを組成物の約0.2重量%〜約2重量%の量で含む顔料;ならびにソルビタンのポリエトキシ化脂肪酸エステル、コエンザイムQ10、ホスファチジルコリンレシチン、フェノキシエタノール、プロピレングリコール、および水を組成物の約0.1重量%〜約30重量%の量で含むリポソーム濃縮物を含み、プロピレングリコールとエトキシジグリコールが合計で組成物の3重量%〜約15重量%の量で存在し、コエンザイムQ10が組成物の約0.75重量%〜約10重量%の量で存在する。本発明の方法において使用するための他の製剤は、例えば、WO2008/116135に提供されており、これを参照により本明細書に組み入れる。

0106

いくつかの実施形態において、本発明において使用するための任意の投与経路のための製剤は、約0.001%〜約20%(w/w)のCoQ10、より好ましくは、約0.01%〜約15%、さらに好ましくは、約0.1%〜約10%(w/w)のCoQ10を含み得る。一実施形態において、製剤は約4%(w/w)のCoQ10を含む。一実施形態において、製剤は約8%(w/w)のCoQ10を含む。さまざまな実施形態において、製剤は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%または20%(w/w)のCoQ10、または列挙された任意の2つの値により囲まれた任意の範囲のCoQ10を含む。CoQ10は、Kaneka Q10よりKaneka Q10(USP UBIDECARENONE)として、粉末の形態で入手することができる(Pasadena, Texas, USA)。本明細書に例示される方法に使用されるCoQ10は以下の特徴を有する:残留溶媒はUSP 467の要件を満たし;水含有量は、0.0%未満、0.05%未満、または0.2%未満であり;強熱残分は0.0%、0.05%未満、または0.2%未満であり;重金属含有量は0.002%未満、または0.001%未満であり;純度は98〜100%または99.9%または99.5%の間である。

0107

ある実施形態において、製剤中のCoQ10の濃度は、1 mg/mL〜150 mg/mLの間である。一実施形態において、製剤中のCoQ10の濃度は5 mg/mL〜125 mg/mLの間である。一実施形態において、製剤中のCoQ10の濃度は10 mg/mL〜100 mg/mLの間である。一実施形態において、製剤中のCoQ10の濃度は20 mg/mL〜90 mg/mLの間である。一実施形態において、CoQ10の濃度は30 mg/mL〜80 mg/mLの間である。一実施形態において、CoQ10の濃度は30 mg/mL〜70 mg/mLの間である。一実施形態において、CoQ10の濃度は30 mg/mL〜60 mg/mLの間である。一実施形態において、CoQ10の濃度は30 mg/mL〜50 mg/mLの間である。一実施形態において、CoQ10の濃度は35 mg/mL〜45 mg/mLの間である。上限または下限として前記の値の任意の1つを有する別の範囲、例えば、10 mg/mL〜50 mg/mLの間、または20 mg/mL〜60 mg/mLの間も、この発明の一部であることが意図されると理解されるべきである。

0108

ある実施形態において、製剤中のCoQ10の濃度は、約10、15、20、25、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95 mg/mLである。一実施形態において、製剤中のCoQ10の濃度は約50 mg/mLである。一実施形態において、製剤中のCoQ10の濃度は約60 mg/mLである。一実施形態において、製剤中のCoQ10の濃度は約30 mg/mLである。好ましい実施形態において、製剤中のCoQ10の濃度は約40 mg/mLである。上限または下限としてこれらの値の任意の1つを有する範囲、例えば、37 mg/mL〜47 mg/mLの間、または31 mg/mL〜49 mg/mLの間も、この発明の一部であることが意図されると理解されるべきである。

0109

CoQ10前駆物質、代謝産物、および関連化合物を含有する製剤も同様に調製することができると理解される。

0110

V. 癌の治療
本開示の製剤は、原発性腫瘍および続発性腫瘍を含む癌の治療に利用することができる。したがって、本発明は、本発明の製剤を癌を治療または予防するのに十分な量で被験体に投与し、それにより癌を治療または予防することを含む、被験体における癌を治療または予防する方法を提供する。本発明の製剤は、腫瘍細胞の成長を阻害するためにも利用することができる。したがって、本発明はさらに、本発明の製剤を、腫瘍細胞の成長が阻害されるように、被験体に投与することを含む、被験体における腫瘍細胞の成長を阻害する方法を提供する。本発明はまた、製剤をCNSへの直接投与以外の経路により、すなわち、髄腔内、頭蓋内、脳室内、髄内、または眼内ではない経路により被験体に投与する実施形態を提供する。ある実施形態において、薬剤はCNS腫瘍の中に投与されない。ある実施形態において、被験体はヒト被験体である。

0111

前記製剤は、疎水性治療薬、例えばCoQ10、その代謝産物、またはCoQ10関連化合物を、製薬上許容される担体中に含み得る。いくつかの実施形態において、このような製剤は、約0.001%〜約20%(w/w)のCoQ10、より好ましくは約0.01%〜約15%、さらに好ましくは約0.1%〜約10%(w/w)のCoQ10を含み得る。一実施形態において、製剤は約4%(w/w)のCoQ10を含む。一実施形態において、製剤は約8%(w/w)のCoQ10を含む。さまざまな実施形態において、製剤は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%または20%(w/w)のCoQ10、またはそれらの値により囲まれる任意の範囲のCoQ10を含む。本明細書に記載される通り、本開示の組成物は、当業者の権限の範囲に含まれる任意の手段または投与経路により被験体に導入することができる液体の形態であってよい。例えば、組成物は、静脈内、腫瘍内、それらの組合せ等を含むがそれらに限定されない投与経路により投与することができる。

0112

本発明のある実施形態において、CoQ10、CoQ10前駆物質、代謝産物、または関連化合物の製剤を、治療または予防が引き起こされるようにヒトに静脈内投与することによるヒトにおける癌を治療または予防するための方法が提供され、この方法において、ヒトは、好ましくは、CoQ10が約0.5 mg/kg〜約10,000 mg/kg、約5 mg/kg〜約5,000 mg/kg、約10 mg/kg〜約3,000 mg/kgの範囲で投与されるような製剤の用量を投与される。一実施形態において、好ましくは、CoQ10が約10 mg/kg〜約1,400 mg/kgの範囲で投与されるように製剤を投与する。一実施形態において、好ましくは、CoQ10が約10 mg/kg〜約650 mg/kgの範囲で投与されるように製剤を投与する。一実施形態において、好ましくは、CoQ10が約10 mg/kg〜約200 mg/kgの範囲で投与されるように製剤を投与する。さまざまな実施形態において、好ましくは、CoQ10が約2 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、15 mg/kg、20 mg/kg、25 mg/kg、30 mg/kg、35 mg/kg、40 mg/kg、45 mg/kg、50 mg/kg、55 mg/kg、56 mg/kg、57 mg/kg、58 mg/kg、59 mg/kg、60 mg/kg、65 mg/kg、70 mg/kg、75 mg/kg、76 mg/kg、77 mg/kg、78 mg/kg、79 mg/kg、80 mg/kg、85 mg/kg、90 mg/kg、95 mg/kg、100 mg/kg、101 mg/kg、102 mg/kg、103 mg/kg、104 mg/kg、105 mg/kg、106 mg/kg、107 mg/kg、108 mg/kg、109 mg/kg、110 mg/kg、120 mg/kg、130 mg/kg、140 mg/kg、150 mg/kg、160 mg/kg、170 mg/kg、180 mg/kg、190 mg/kgまたは200 mg/kgの用量で投与されるように製剤を投与する。さまざまな実施形態において、好ましくは、CoQ10が2 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、15 mg/kg、20 mg/kg、25 mg/kg、30 mg/kg、35 mg/kg、40 mg/kg、45 mg/kg、50 mg/kg、55 mg/kg、56 mg/kg、57 mg/kg、58 mg/kg、59 mg/kg、60 mg/kg、65 mg/kg、70 mg/kg、75 mg/kg、76 mg/kg、77 mg/kg、78 mg/kg、79 mg/kg、80 mg/kg、85 mg/kg、90 mg/kg、95 mg/kg、100 mg/kg、101 mg/kg、102 mg/kg、103 mg/kg、104 mg/kg、105 mg/kg、106 mg/kg、107 mg/kg、108 mg/kg、109 mg/kg、110 mg/kg、120 mg/kg、130 mg/kg、140 mg/kg、150 mg/kg、160 mg/kg、170 mg/kg、180 mg/kg、190 mg/kgまたは200 mg/kg以上の用量で投与され、その際にその用量が何らの制限的な毒性をもたらさないように製剤を投与する。上限または下限としてこれらの値の任意の1つを有する範囲、例えば、約50 mg/kg〜約200 mg/kg、または約650 mg/kg〜約1400 mg/kg、または約55 mg/kg〜約110 mg/kgもこの発明の一部であることが意図されると理解されるべきである。一実施形態において、投与される用量は、約1 mg/kg以上、約5 mg/kg以上、約10 mg/kg以上、約12.5 mg/kg以上、約20 mg/kg以上、約25 mg/kg以上、約30 mg/kg以上、約35 mg/kg以上、約40 mg/kg以上、約45 mg/kg以上、約50 mg/kg以上、約55 mg/kg以上、約60 mg/kg以上、約75 mg/kg以上、約100 mg/kg以上、約125 mg/kg以上、約150 mg/kg以上、約175 mg/kg以上、約200 mg/kg以上、約300 mg/kg以上、または約400 mg/kg以上である。ある実施形態において、投与される用量は、約20 mg/kg、約25 mg/kg、約30 mg/kg、約35 mg/kg、約40 mg/kg、約45 mg/kg、約50 mg/kg、約55 mg/kg、約60 mg/kg、約75 mg/kg、約100 mg/kg、約125 mg/kg、約150 mg/kg、約175 mg/kg、約200 mg/kg、約300 mg/kg、約400 mg/kg、約500 mg/kg、約600 mg/kg、約700 mg/kg、約800 mg/kg、約900 mg/kg、約1000 mg/kg、約1100 mg/kg、約1200 mg/kg、または約1300 mg/kg以下である。任意の下限値および上限値を組み合わせて範囲を作ることが可能であると理解される。ある実施形態において、投与される用量は、75 mg/kgまたは100 mg/kg以上、またはヒトにおける約12.2または16.2 mg/kg/日以上に対するラットの同等値、または1週間で85 mg/kg以上、または1週間で113 mg/kg以上である。

0113

一実施形態において、製剤、好ましくはCoQ10製剤は週1回投与される。一実施形態において、製剤、好ましくはCoQ10製剤は週3回投与される。別の実施形態において、製剤、好ましくはCoQ10製剤は週5回投与される。一実施形態において、製剤、好ましくはCoQ10製剤は1日1回投与される。製剤が注入により投与されるIV製剤であるいくつかの実施形態において、投与量は約1時間、2時間、3時間、4時間またはそれ以上に渡って注入により投与される。一実施形態において、IV製剤は約4時間に渡って注入により投与される。

0114

ある実施形態において、製剤、好ましくはCoQ10製剤は、1サイクルまたはそれ以上のサイクルで投与することができる。例えば、CoQ10は、2、3、4、5、6、7、8週間またはそれ以上に渡って継続的に投与した後、1、2、3、4週間またはそれ以上の期間に渡って投与をおこなわないという投与サイクルで提供することができる。投与サイクルの数は、例えば、被験体の反応、疾患の重篤度、および被験体に対して使用される他の治療的介入に依存する。

0115

別の実施形態において、製剤、好ましくはCoQ10製剤は、CoQ10 IV製剤の形態で、約10 mg/kg〜約10,000 mg/kgのCoQ10、約20 mg/kg〜約5000 mg/kg、約50 mg/kg〜約3000 mg/kg、約100 mg/kg〜約2000 mg/kg、約200 mg/kg〜約1000 mg/kg、約300 mg/kg〜約500 mg/kg、または約55 mg/kg〜約110 mg/kg(ここで、CoQ10製剤は約1%〜10%のCoQ10を含む)の投与量で投与される。一実施形態において、CoQ10製剤は約4%のCoQ10を含む。一実施形態において、CoQ10 IV製剤は約8%のCoQ10を含む。他の実施形態において、CoQ10 IV製剤は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%または10%のCoQ10を含む。上限または下限としてこれらの値のうちの任意の1つを有する範囲もこの発明の一部であることが意図されると理解されるべきである。

0116

CNS癌の治療において、製剤は、製薬上許容される担体中の製剤とすることができ、これを単剤療法として、与えられた適応症のための1種以上の他の化学療法剤と組み合わせて、放射線療法と組み合わせて、腫瘍を根本的に除去するための外科的介入の後に、他の代替的および/または補足的な受容可能な癌治療と組み合わせて等のいずれかで、治療的有効量で被験体に投与することができる。

0117

一般的に、本明細書に記載されるCoQ10製剤は、任意の新生物を治療するために予防的または治療的に使用し得る。特定の実施形態において、製剤は原発性および続発性CNS腫瘍の両方を含むCNS腫瘍を治療するために使用される。続発性CNS新生物に冒されている者は、体内の1箇所以上の他の部位において新生物に冒されている可能性があると理解される。一実施形態において、本明細書に記載されるCoQ10製剤は、緑色白血病、例えば中枢神経系に存在する、移動するまたは転移する、例えば続発性または転移性緑色白血病を治療するために使用することができる。

0118

ある実施形態において、癌細胞に対して有し得るCoQ10の効果は、癌細胞が示す代謝フラックスおよび酸化フラックスのさまざまな状態に部分的に依存し得る。CoQ10は、発癌細胞の解糖への依存性および増大する乳酸利用の変化の遮断および/または妨害を利用し得る。癌の状態に関連するので、腫瘍微小環境の解糖フラックスおよび酸化フラックスに対するこの妨害は、癌細胞の発達を減少させる方式でアポトーシスおよび血管新生に影響を与え得る。いくつかの実施形態において、CoQ10と解糖および酸化フラックス因子との相互作用が、癌にその回復性アポトーシス効果を及ぼすCoQ10の能力を増強し得る。本開示はCoQ10およびその代謝産物に焦点を当ててきたが、CoQ10の代わりに、またはCoQ10と組み合わせて投与し得るCoQ10に関連する他の化合物としては、ベンゾキノン、イソプレノイド、ファルネソール、ファルネシルアセテート、ファルネシルピロホスフェート、1-フェニルアラニン、d-フェニルアラニン、dl-フェニルアラニン、1-チロシン、d-チロシン、dl-チロシン、4-ヒドロキシ-フェニルピルベート、4-ヒドロキシ-フェニルラクテート、4-ヒドロキシ-シンナメート、チロシンまたはフェニルアラニンのジペプチドおよびトリペプチド、3,4-ジヒドロキシマンデレート、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール、3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデレート、バニリン酸、フェニルアセテート、ピリドキシン、S-アデノシルメチオニン、パンテノール、メバロン酸、イソペンチルピロホスフェート、フェニルブチレート、4-ヒドロキシ-ベンゾエート、デカプレニルピロホスフェート、ベータ-ヒドロキシブチレート、3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタレート、アセチルカルニチン、アセトアセチルカルニチン、アセチルグリシン、アセトアセチルグリシン、カルニチン、酢酸、ピルビン酸、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルカルニチン;セリン、アラニン、システイン、グリシン、スレオニン、ヒドロキシプロリン、リジン、イソロイシン、およびロイシンのすべての異性体;カルニチンおよびグリシンの偶数の炭素数を有するC4〜C8脂肪酸(酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸)塩、例えば、パルミトイルカルニチンおよびパルミトイルグリシン;および4-ヒドロキシ-ベンゾエートポリプレニルトランスフェラーゼ、これらの化合物の任意の塩、ならびにそれらの任意の組合せ等が挙げられるが、これらに限定されない。

0119

一実施形態において、本明細書に記載されるCoQ10の投与は、CNS腫瘍の大きさを減少させ、CNS腫瘍の成長を阻害し、および/またはCNS腫瘍を有する被験体の生存期間を適切な対照と比較して延長する。したがって、本発明はまた、有効で無毒の量のCoQ10をヒトまたは他の動物に投与することによる、ヒトまたは他の動物におけるCNS腫瘍を治療する方法に関する。例えば、IV投与により有効量を投与することによる。または、例えば、局所投与により有効量を投与することによる。当業者は、本明細書に提供される指針を用いた通常の実験により、悪性腫瘍の治療の目的に適したCoQ10の有効で無毒の量を決定することが可能であろう。例えば、CoQ10の治療的有効量は、被験体の病状(例えば、ステージIとステージIV)、年齢、性別内科合併症(例えば、免疫抑制状態または疾患)および体重、ならびに被験体に所望の反応を引き出すCoQ10の能力などの要因により変化し得る。投与レジメンは最適な治療反応を提供するように調節することができる。例えば、毎日数回に分けた用量を投与してもよく、または治療状況の要求により示される通りに用量を比例的に減少させてもよい。

0120

本発明のある実施形態において、方法には、さらに、手術、放射線、ホルモン療法抗体療法成長因子療法、サイトカイン、および化学療法のうちの任意の1つまたは組合せを含む治療レジメンが含まれる。

0121

このような治療法は、CoQ10前駆物質、代謝産物、および関連化合物の投与によっても同様に実施することができると理解される。

0122

VI.続発性悪性腫瘍の予防および治療
小児癌、特に小児白血病の予後は非常に高いが、長期生存者は治療の晩発効果を経験することが増えている。例えば、1972年〜1988年に急性リンパ芽球性白血病の診断を与えられ、標準的な治療を受けた9720例の小児の研究により、中央値4.7年の追跡で7倍過剰のすべての癌および22倍過剰のCNSの新生物を有することが見いだされた(Neglia et al., NEJM, 325:1330-1336, 1991、参照により本明細書に組み入れる)。英国小児がん生存者研究(British Childhood Cancer Survivor Study)は、小児癌の診断の後に少なくとも5年間生存した17,980人の国家的な集団ベースコホート研究であるが、247例のCNSの続発性原発新生物(SPN)を確認した。この研究において、一般集団と比較して、髄膜腫のリスクが、髄膜組織への放射線の用量の増加により479倍にまで、また、髄腔内メトトレキセートの用量の増加により36倍にまで、急速に増大することが見いだされた(Taylor et al., J Clin Oncol 28:5287-5293, 2010、参照により本明細書に組み入れる)。より長期の追跡により、続発性腫瘍、特に続発性CNS腫瘍の発症率がさらに増大することが明らかになった。例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)の治療を受けた1612例の継続的に登録された患者の研究は、1.39%の20年間の脳腫瘍の累積発症率を有した(Walter et al., J Clin Oncol., 16:3761-3767, 1998、参照により本明細書に組み入れる)。Hijiyaらは、2007年に(JAMA, 297:1207-1215、参照により本明細書に組み入れる)、1962年〜1998年の間に治療されて完全な寛解を達成し、18.7年の追跡期間中央値(2.4〜41.3年の範囲)を有する2169例の急性リンパ芽球性白血病患者の遡及的研究を報告した。123例の患者において最初の事象として続発性新生物が発生し、46例の骨髄悪性腫瘍、3例のリンパ腫、14例の基底細胞癌、16例の他の癌、6例の肉腫、16例の髄膜腫、および22例の他の脳腫瘍を含み、15年間の続発性新生物の累積発症率は4.17%(SE、0.46%)であり、20年以後には実質的に増加し、3
0年後には10.85%(SE、1.27%)に達した。30年後のそれぞれの腫瘍タイプの累積発症率は、骨髄悪性腫瘍で2.19%(SE、0.32%)、リンパ腫で0.17%(SE、0.10%)、脳腫瘍で3.00%(SE、0.59%)、癌で4.91%(SE、1.04%)、および肉腫で0.57%(SE、0.37%)であった。続発性新生物の累積発症率は、ALLの治療後30年間に渡って着実に増加することが証明された。

0123

続発性腫瘍はまた、成人腫瘍の治療を受けた被験体においても観察される。しかしながら、長い潜伏期のために、そのような腫瘍が観察される頻度は低い。

0124

ある実施形態において、本明細書に提供されるCoQ10化合物は、原発性腫瘍の治療および寛解の後に続発性腫瘍を予防および/または治療するために使用することができる。ある実施形態において、該方法は、すべてのタイプの続発性腫瘍の予防に使用することができる。ある実施形態において、該方法は続発性CNS腫瘍の予防に使用することができる。ある実施形態において、該方法は続発性腫瘍の治療に使用することができる。続発性腫瘍としては、例えば、CNSの続発性腫瘍が挙げられる。CNSの続発性腫瘍は、例えば、続発性CNS腫瘍の発症の高いリスクを有する被験体、例えば、小児腫瘍、特に小児白血病の寛解期にある被験体を、特に該被験体がCNSへの放射線によりまたはCNSに送達される化学療法剤により治療された場合に、CNS異常の発症についてモニターすることにより、確認することができる。CNS異常は、機能テスト、CNS異常(例えば、頭痛、発作)の報告もしくは確認、または画像分析により検出することができる。

0125

実施例により、本明細書に提供されるCoQ10化合物がこのような続発性腫瘍の治療に有用であることが証明される。具体的には、実施例において、ラットに白血病を誘導して、次いでそのラットに白血病の治療をおこなった。治療の結果として、ラットの約半分が生存し、寛解期に入った。しかしながら、時間と共に、生存するラットの約20%がCNS腫瘍を発症したことが、CNS異常の発現により証明された。すなわち、ラットが続発性CNS腫瘍を発症し、それは本明細書に提供されるCoQ10化合物により効果的に治療された。

0126

本明細書に提供されるCoQ10化合物は有意な毒性を示さないので、原発性腫瘍、例えば原発性白血病の治療の終了の時点で被験体にCoQ10化合物を投与することにより、続発性CNS腫瘍を含む続発性腫瘍の発症を予防するために化合物を使用することができる。CoQ10化合物の投与は、白血病の治療の終了後の任意の時点で、例えば、特定の時間間隔、例えば1か月、6か月、1年、2年、3年、5年、10年等の時間間隔を開けて;または特定の事象の後に、例えば、寛解の確認の後に、または寛解の確認の後のある時間間隔、例えば、寛解の後1か月、6か月、1年、2年、3年、5年、10年等の時間間隔の後に、開始することができる。CoQ10化合物は本明細書に提供される方法および製剤を用いて投与することができる。

0127

VII.併用療法
ある実施形態において、本発明の製剤、例えば、CoQ10製剤は、少なくとも1種の他の治療薬との併用療法において使用することができる。好ましい実施形態において、CoQ10は単独で送達された場合に治療的に有効である量で投与される。すなわち、CoQ10は治療薬であって、主に他の化学療法または他の癌治療の副作用を改善するための薬剤ではない。CoQ10および/またはその医薬製剤および他の治療薬は相加的に、またはより好ましくは相乗的に作用し得る。一実施形態において、CoQ10および/またはその製剤は別の治療薬の投与と同時に投与される。別の実施形態において、化合物および/またはその医薬製剤は別の治療薬の投与の前または後に投与される。一実施形態において、CoQ10および追加の治療薬は相乗的に作用する。一実施形態において、CoQ10および追加の治療薬は相加的に作用する。

0128

一実施形態において、本発明の治療法はさらに、1種以上の追加の薬剤、例えば1種以上の治療薬の投与を含む。例えば、一実施形態において、本発明の治療法において使用するための追加の薬剤は化学療法剤である。

0129

化学療法剤は、一般に、例えば、1.アントラサイクリン系/アントラセンジオン系、例えば、ドキソルビシン(doxorubicin)、エピルビシン(epirubicin)、イダルビシン(idarubicin)およびネモルビシン(nemorubicin)、アントラキノン系、例えば、ミトキサントロン(mitoxantrone)およびロソキサントロン(losoxantrone)、およびポドフィロトキシン系、例えば、エトポシド(etoposide)およびテニポシド(teniposide)などのトポイソメラーゼII阻害剤;2. 植物アルカロイド(例えば、生物活性および細胞毒性を有する植物に由来するアルカリ性窒素含有分子ファミリーに属する化合物)、例えば、タキサン系、例えば、パクリタキセル(paclitaxel)およびドセタキセル(docetaxel)、およびビンカアルカロイド系(vinka alkaloids)、例えば、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)、およびビノレルビン(vinorelbine)、およびポドフィロトキシンの誘導体などの微小管形成に作用する薬剤(有糸分裂阻害剤);3.ナイトロジェンマスタードエチレンイミン化合物、アルキルスルホネートおよびアルキル化作用を有する他の化合物、例えば、ニトロソ尿素ダカルバジン(dacarbazine)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、イホスファミド(ifosfamide)およびメルファラン(melphalan)などのアルキル化剤;4.代謝拮抗薬ヌクレオシド阻害剤)、例えば、葉酸系、例えば、葉酸、フィウロピリミジン(fiuropyrimidines)、プリンまたはピリミジン誘導体、例えば5-フルオロウラシルカペシタビン(capecitabine)、ゲムシタビン(gemcitabine)、メトトレキセート(methotrexate)、およびエダトレキセート(edatrexate);5.トポテカン(topotecan)、イリノテカン(irinotecan)、および9-ニトカンプトテシン(9-nitrocamptothecin)、カンプトテシン(camptothecin)誘導体、およびレチノイン酸などのトポイソメラーゼI阻害剤;ならびに6.シスプラチン(cisplatin)、オキサリプラチン(oxaliplatin)、およびカルボプラチン(carboplatin)などの白金化合物錯体を含む種々のクラスに属する。本発明の方法に使用するための代表的な化学療法剤としては、アミホスチン(amifostine)(エチオール(ethyol))、シスプラチン(cisplatin)、ダカルバジン(dacarbazine)(DTIC)、ダクチノマイシン(dactinomycin)、メクロレタミン(mechlorethamine)(ナイトロジェンマスタード)、ストレプトゾシン(streptozocin)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、カルスチン(carrnustine)(BCNU)、ロムスチン(lomustine)(CCNU)、ドキソルビシン(doxorubicin)(アドリアマイシン(adriamycin))、ドキソルビシン・リポ(doxorubicin lipo)(ドキシル(doxil))、ゲムシタビン(gemcitabine)(ジェムザール(gemzar))、ダウノルビシン(daunorubicin)、ダウノルビシン・リポ(daunorubicin lipo)(ダウノキソーム(daunoxome))、プロカルバジン(procarbazine)、ミトマイシン(mitomycin)、シタラビン(cytarabine)、エトポシド(etoposide)、メトトレキセート(methotrexate)、5-フルオロウラシル(5-FU)、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)、ブレオマイシン(bleomycin)、パクリタキセル(paclitaxel)(タキソール(taxol))、ドセタキセル(docetaxel)(タキソテレ(taxotere))、アルデスロイキン(aldesleukin)、アスパラギナーゼ(asparaginase)、ブスルファン(busulfan)、カルボプラチン(carboplatin)、クラドリビン(cladribine)、カンプトテシン(camptothecin)、CPT-I l、lO-ヒドロキシ-7-エチル-カンプトテシン(SN38)、ダカルバジン(dacarbazine)、S-Iカペシタビン(S-I capecitabine)、フトラフル(ftorafur)、5'-デオキシルロウリジン(5'deoxyflurouridine)、UFT、エニルウラシル(eniluracil)、デオキシシチジン、5-アザシトシン、5-アザデオキシシトシンアロプリノール(allopurinol)、2-クロロアデノシントリメトレキセート(trimetrexate)、アミノプテリン(aminopterin)、メチレン-10-デアザアミノプテリン(MDAM)、オキサプラチン(oxaplatin)、ピコプラチン(picoplatin)、テトラプラチン(tetraplatin)、サトラプラチン(satraplatin)、DACH白金オルマプラチン(ormaplatin)、CI-973、JM-216、およびそれらの誘導体、エピルビシン(epirubicin)、エトポシドホスフェート(etoposide phosphate)、9-アミノカンプトテシン(9-aminocamptothecin)、10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(10,11-methylenedioxycamptothecin)、カレニテシン(karenitecin)、9-ニトロカンプトテシン(9-nitrocamptothecin)、TAS 103、ビンデシン(vindesine)、L-フェニルアラニンマスタードイフォスファミドホスファミド(ifosphamidemefosphamide)、ペルホスファミド(perfosfamide)、トロホスファミド(trophosphamide)、カルムスチン(carmustine)、セムスチン(semustine)、エポチロンA-E(epothilones A-E)、トムデックス(tomudex)、6-メルカプトプリン6-チオグアニンアムサクリン(amsacrine)、エトポシドホスフェート(etoposide phosphate)、カレニテシン(karenitecin)、アシクロビル(acyclovir)、バラシクロビル(valacyclovir)、ガンシクロビル(ganciclovir)、アマンタジン(amantadine)、リマンタジン(rimantadine)、ラミブジン(lamivudine)、ジドブジン(zidovudine)、ベバシズマブ(bevacizumab)、トラスツズマブ(trastuzumab)、リツキシマブ(rituximab)、5-フルオロウラシル、カペシタビン(Capecitabine)、ペントスタチン(Pentostatin)、トリメトレキセート(Trimetrexate)、クラドリビン(Cladribine)、フロクスリジン(floxuridine)、フルダラビン(fludarabine)、ヒドロキシ尿素、イホスファミド(ifosfamide)、イダルビシン(idarubicin)、メスナ(mesna)、イリノテカン(irinotecan)、ミトキサントロン(mitoxantrone)、トポテカン(topotecan)、ロイプロリド(leuprolide)、メゲストロール(megestrol)、メルファラン(melphalan)、メルカプトプリン、プリカマイシン(plicamycin)、ミトタン(mitotane)、ペグアスパルガーゼ(pegaspargase)、ペントスタチン(pentostatin)、ピポブロマン(pipobroman)、プリカマイシン(plicamycin)、ストレプトゾシン(streptozocin)、タモキシフェン(tamoxifen)、テニポシド(teniposide)、テストラクトン(testolactone)、チオグアニン(thioguanine)、チオテパ(thiotepa)、ウラシルマスタード、ビノレルビン(vinorelbine)、クロラムブシル(chlorambucil)、シスプラチン(cisplatin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、パクリタキセル(paclitaxel)(タキソール(taxol))、ブレオマイシン(bleomycin)、mTor、上皮成長因子受容体(EGFR)、および線維芽細胞成長因子(FGF)、および特定の腫瘍または癌の治療の適切な標準に基づいて当業者に容易に明らかになるそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。

0130

別の実施形態において、本発明の併用療法において使用するための追加の薬剤は生物学的薬剤である。

0131

生物学的薬剤(生物製剤とも呼ばれる)は、生物系、例えば、生物体、細胞、または組換え系の産物である。このような生物学的薬剤の例としては、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子)、インターフェロンインターロイキンコロニー刺激因子、抗体、例えばモノクローナル抗体抗血管新生剤、およびサイトカインが挙げられる。代表的な生物学的製剤は、下により詳細に議論するが、一般に、例えば、1.ホルモンホルモン類似物質、およびホルモン複合体、例えば、エストロゲンおよびエストロゲン類似物質、プロゲステロン、プロゲステロン類似物質およびプロゲスチンアンドロゲン副腎皮質ステロイド抗エストロゲン薬抗アンドロゲン薬、抗テストステロン薬、副腎ステロイド阻害剤、および抗黄体形成ホルモン(anti-leuteinizing hormones);ならびに2. インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子等などの、酵素、タンパク質、ペプチドポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体を含む種々のクラスに属する。

0132

一実施形態において、生物製剤はインターフェロンである。インターフェロン(IFN)は、体内に天然に生成する1種の生物学的薬剤である。インターフェロンは実験室でも製造され、生物学的療法において癌患者に与えられる。それらは癌患者の免疫系が癌細胞に対して作用する方法を改善することが示されている。

0133

インターフェロンは癌細胞に直接作用してそれらの成長を遅くするか、またはそれらは癌細胞をより正常な挙動を有する細胞に変化させる可能性がある。いくつかのインターフェロンはナチュラルキラー(NK)細胞、T細胞、および血流中の白血球の1種であり癌細胞との戦いを助けるマクロファージを刺激する可能性がある。

0134

一実施形態において、生物製剤はインターロイキンである。インターロイキン(IL)は多くの免疫細胞の成長および活性を刺激する。それらは体内に天然に生成するタンパク質(サイトカインおよびケモカイン)であるが、実験室でも製造することができる。

0135

いくつかのインターロイキンは、癌細胞を破壊する働きをする、リンパ球などの免疫細胞の成長および活性を刺激する。

0136

別の実施形態において、生物製剤はコロニー刺激因子である。

0137

コロニー刺激因子(CSF)は、骨髄の中の幹細胞により多くの血球を生産するように働きかけるために患者に与えられるタンパク質である。体は、特に癌が存在する場合には、常に新しい白血球、赤血球、および血小板を必要とする。CSFは、化学療法と共に、免疫系を高めるために与えられる。癌患者が化学療法を受ける場合、骨髄の新しい血球を生産する能力が抑制され、患者はより感染症に罹りやすくなる。免疫系の一部は血球なしでは機能できないので、コロニー刺激因子が骨髄幹細胞に白血球、血小板、および赤血球を生産するように働きかける。

0138

適切な細胞生産により、患者がより高い用量の化学療法を安全に受けることが可能になって、他の癌治療を続けることができる。

0139

別の実施形態において、生物製剤は抗体である。抗体、例えば、モノクローナル抗体は、実験室で製造され、癌細胞に結合する薬剤である。

0140

モノクローナル抗体剤は健康な細胞を破壊しない。モノクローナル抗体はさまざまなメカニズムによりその治療効果を達成する。それらはアポトーシスまたはプログラム細胞死を起こすことに直接的効果を有し得る。それらは、成長因子受容体を遮断して、腫瘍細胞の増殖を有効に抑止することができる。モノクローナル抗体を発現する細胞において、それらは抗イディオタイプ抗体の形成を引き起こすことができる。

0141

本発明の併用療法に使用可能な抗体の例としては、抗CD20抗体、例えば、これらに限定されないが、セツキシマブ(cetuximab)、トシツモマブ(Tositumomab)、リツキシマブ(rituximab)、およびイブリツモマブ(Ibritumomab)が挙げられる。抗HER2抗体も、癌の治療のために環境影響物質(environmental influencer)と組み合わせて使用し得る。一実施形態において、抗HER2抗体はトラスツヅマブ(Trastuzumab)(ハーセプチン(Herceptin))である。癌の治療のために環境影響物質と組み合わせて使用し得る抗体の他の例としては、抗CD52抗体(例えば、アレムツズマブ(Alemtuzumab))、抗CD-22抗体(例えば、エプラツズマブ(Epratuzumab))、および抗CD33抗体(例えば、ゲムツズマブ・オゾガマイシン(Gemtuzumab ozogamicin))が挙げられる。抗VEGF抗体も癌の治療のために環境影響物質と組み合わせて使用し得る。一実施形態において、抗VEGF抗体はベバシズマブ(bevacizumab)である。他の実施形態において、生物学的薬剤は、抗EGFR抗体、例えばセツキシマブ(cetuximab)である抗体である。別の例は抗糖タンパク質17-1A抗体のエドレコロマブ(edrecolomab)である。多くの他の抗腫瘍抗体が当業者に公知であり、本明細書に包含されることが当業者に理解されるであろう。

0142

別の実施形態において、生物製剤はサイトカインである。サイトカイン療法は、被験体の免疫系が癌性の細胞を認識して破壊するのを助けるためのタンパク質(サイトカイン)を使用する。サイトカインは体内で免疫系により天然に生産されるが、実験室で製造することも可能である。この治療法は、進行した黒色腫および補助療法(癌一次治療の後にまたは癌一次治療に加えておこなわれる治療)に使用される。サイトカイン療法は体のすべての部分に届いて癌細胞を殺し、腫瘍の成長を予防する。

0143

別の実施形態において、生物製剤は融合タンパク質である。例えば、組換えヒトApo2L/TRAIL(GENETECH)を併用療法に使用し得る。Apo2/TRAILは、アポトーシス(プログラム細胞死)の調節に関与するアポトーシス促進性受容体DR4およびDR5の両方を活性化するように設計された最初の二重アポトーシス促進性受容体アゴニストである。

0144

一実施形態において、生物製剤はアンチセンス核酸分子である。

0145

本明細書において使用される場合、「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的な、例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的な、mRNA配列に相補的な、または遺伝子のコード鎖に相補的なヌクレオチド配列を含む。したがって、アンチセンス核酸センス核酸水素結合することができる。

0146

一実施形態において、生物学的薬剤は、例えば、血管新生を増強する分子(例えばbFGF、VEGFおよびEGFR)のsiRNA分子である。一実施形態において、血管新生を阻害する生物学的薬剤はRNAiを仲介する。RNA干渉(RNAi)は、二本鎖RNA(dsRNA)を使用してdsRNAと同じ配列を含むメッセンジャーRNA(mRNA)を分解する転写後標的化遺伝子サイレンシング技術である(Sharp, P.A. and Zamore, P.D. 287, 2431-2432 (2000); Zamore, P.D., et al. Cell 101, 25-33 (2000). Tuschl, T. et al. Genes Dev. 13, 3191-3197 (1999); Cottrell TR, and DoeringTL. 2003. Trends Microbiol. 11:37-43; Bushman F.2003. MoI Therapy. 7:9-10; McManusMTand Sharp PA. 2002. Nat Rev Genet. 3.737-47)。この過程は内在性リボヌクレアーゼが長いdsRNAを開裂させて、より短い、例えば、小干渉RNAまたはsiRNAと呼ばれる21または22ヌクレオチド長のRNAを生成する場合に起こる。次に、より小さいRNセグメントが標的のmRNAの分解を仲介する。RNAi合成用キットが、例えば、New England Biolabs(登録商標)またはAmbion(登録商標)より市販されている。一実施形態において、アンチセンスRNAにおいて使用するための1つ以上の化学をRNAiを仲介する分子において使用することができる。

0147

別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸は、RNAiを仲介する化合物である。RNA仲介剤としては、標的遺伝子またはゲノム配列相同であるRNA分子、「短鎖干渉RNA」(siRNA)、「短鎖ヘアピン」または「小ヘアピンRNA」(shRNA)を含む核酸分子、およびRNA干渉(RNAi)により標的遺伝子の発現に干渉するまたはこれを阻害する小分子が挙げられるが、これらに限定されない。RNA干渉は、二本鎖RNA(dsRNA)を使用してdsRNAと同じ配列を含むメッセンジャーRNA(mRNA)を分解する転写後標的化遺伝子サイレンシング技術である(Sharp, P.A. and Zamore, P.D. 287, 2431-2432 (2000); Zamore, P.D., et al. Cell 101, 25-33 (2000). Tuschl, T. et al. Genes Dev. 13, 3191-3197 (1999))。この過程は内在性リボヌクレアーゼが長いdsRNAを開裂させて、より短い小干渉RNAまたはsiRNAと呼ばれる21または22ヌクレオチドの長さのRNAを生成する場合に起こる。次に、より小さいRNセグメントが標的のmRNAの分解を仲介する。RNAi合成用キットが、例えば、New England BiolabsおよびAmbionより市販されている。一実施形態において、アンチセンスRNAにおいて使用するための1つ以上の上記の化学を使用することができる。

0148

本発明の方法に使用するための代表的な生物学的薬剤としては、ゲフィチニブ(gefitinib)(イレッサ(Iressa))、アナストラゾール(anastrazole)、ジエチルスチルステロール(diethylstilbesterol)、エストラジオール(estradiol)、プレマリン(premarin)、ラロキシフェン(raloxifene)、プロゲステロン、ノルエチノドレル(norethynodrel)、エスステロン(esthisterone)、ジメスチステロン(dimesthisterone)、メゲストロール・アセテート(megestrol acetate)、メドロキシプロゲステロン・アセテート(medroxyprogesterone acetate)、ヒドロキシプロゲステロン・カプロエート(hydroxyprogesterone caproate)、ノルエチステロン(norethisterone)、メチルテストステロン、テストステロン、デキサムタゾン(dexamthasone)、プレドニゾン(prednisone)、コルチゾール(Cortisol)、ソルメドロール(solumedrol)、タモキシフェン(tamoxifen)、フルベストラント(fulvestrant)、トレミフェン(toremifene)、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)、テストラクトン(testolactone)、ドロロキシフェン(droloxifene)、アナストロゾール(anastrozole)、ビカルタミド(bicalutamide)、フルタミド(flutamide)、ニルタミド(nilutamide)、ゴセレリン(goserelin)、フルタミド(flutamide)、ロイプロリド(leuprolide)、トリプトレリン(triptorelin)、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)、ミトタン(mitotane)、ゴセレリン(goserelin)、セツキシマブ(cetuximab)、エルロチニブ(erlotinib)、イマチニブ(imatinib)、トシツモマブ(Tositumomab)、アレムツズマブ(Alemtuzumab)、トラスツズマブ(Trastuzumab)、ゲムツズマブ(Gemtuzumab)、リツキシマブ(Rituximab)、イブリツモマブ・チウキセタン(Ibritumomab tiuxetan)、ベバシズマブ(Bevacizumab)、デニロイキンジフチトックス(Denileukin diftitox)、ダクリズマブ(Daclizumab)、インターフェロンアルファインターフェロンベータ、抗4-lBB抗体、抗4-lBBL抗体、抗CD40抗体、抗CD 154抗体、抗OX40抗体、抗OX40L抗体、抗CD28抗体、抗CD80抗体、抗CD86抗体抗CD70抗体、抗CD27抗体、抗HVEM抗体、抗LIGHT抗体、抗GITR抗体、抗GITRL抗体、抗CTLA-4抗体、可溶性OX40L、可溶性4-IBBL、可溶性CD154、可溶性GITRL、可溶性LIGHT、可溶性CD70、可溶性CD80、可溶性CD86、可溶性CTLA4-Ig、GVAX(登録商標)、および、特定の腫瘍または癌の治療の適切な標準に基づいて当業者に容易に明らかになるそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。薬剤の可溶化型は、薬剤を、例えばIg-Fc領域と効果を有するように連結することにより、例えば融合タンパク質として作ることができる。

0149

1種よりも多い追加の薬剤(例えば、1種、2種、3種、4種、5種)を本明細書に提供されるCoQ10製剤と組み合わせて投与し得ることに留意しなければならない。例えば、一実施形態において、2種の化学療法剤をCoQ10と組み合わせて投与することができる。別の実施形態において、化学療法剤、生物学的薬剤、およびCoQ10を投与することができる。本明細書に提供される化学療法剤の適切な用量および投与経路は当業者に公知である。

0150

ここで、本発明の好ましい実施形態を詳細に記載する。発明を好ましい実施形態と関連して説明するが、発明をそれらの好ましい実施形態に限定することは意図されていないことが理解されよう。反対に、添付される特許請求の範囲により定義される通りの発明の趣旨および範囲に含まれる代替物、変更、および等価物が包含されることが意図される。

0151

実施例1 -コエンザイムQ10を用いる中枢神経系緑色白血病の治療
Fischer 344ラットを用いてCNS緑色白血病のモデルを作った。ラット新生仔に緑色白血病細胞を注射して、治療の第一選択としてリポ多糖(LPS)を投与した。このレジメンの治癒率はおよそ50%であり、生存ラットのおよそ10%がCNS白血病を発症したことが、それらの運動技能ならびに四肢麻痺および対麻痺の存在により診断された。

0152

この研究のために、2400個体のFischer 344新生仔に緑色白血病細胞系MIAC51を注射して、LPSにより治療した。白血病、すなわち、全身疾患の明白な兆候を有するすべての動物を第26日までに屠殺した。第35日までに、生存ラットは、腫瘍がCNSに局在化していることを示唆するCNS異常を示し始めた。第40日に、このコホートのうち、後肢対麻痺を有する150個体の動物を選択した。図1Aおよび1Bを参照されたい。次に、これらの動物を5群に再ランダム化し、4週間に渡り、1日3回で、群1には治療を受けさせず、群2には賦形剤対照IVを投与し、群3には5mg/kgのCoQ10 IV(すなわち、15 mg/kg/日)を投与し、群4には10 mg/kg IV(すなわち、30 mg/kg/日)を投与し、群5には25 mg/kg IV(すなわち、75 mg/kg/日)を投与した。

0153

群1、2、3および4のラットは改善の兆候を示さず、転移性悪性腫瘍および重度のCNS異常(例えば、ラットが摂食またはセルフケアをおこなうことを不可能にする筋肉制御の減少、協調の欠除、衰弱、麻痺、歩行困難をもたらす)のために屠殺された(図2)。これらの知見は、MRIによる腫瘍細胞の存在として記録された。際だって対照的に、1日3回25 mg/kg IV(すなわち、75 mg/kg/日)を注射された動物は、それらの運動技能の著しい回復および歩行能力の回復を示した。MRIはこの群に腫瘍細胞がないことを明白に示す(図3AおよびB)。総合すると、これらの結果は、CoQ10がCNS白血病に対する有効な治療であること、およびCNSにおける白血病細胞の溢出を防止し、それにより続発性腫瘍の形成を予防、遅延、または限定するための有効な予防剤でもあり得ることを強く示している。

0154

実施例2 -中枢神経系緑色白血病のCoQ10治療の長期的効果
実施例1において提供されたFischer 344ラットにおけるCNS緑色白血病のモデルを転移性白血病CNS腫瘍の治療の長期研究に使用した。実施例1の通りに、ラット新生仔に緑色白血病細胞を注射して、治療の第一選択としてリポ多糖(LPS)を投与した。このレジメンの治癒率はおよそ50%であり、生存ラットのおよそ10%がCNS白血病を発症したことが、それらの運動技能ならびに四肢麻痺および対麻痺の存在により診断された。

0155

このCNS白血病に対するCoQ10の長期的効果の研究のために、明白なCNS白血病を有する300個体の対麻痺の動物をそれぞれ150個体の2つの群にランダム化した。群1には食塩水対照を投与した。群2には、第1日に開始して第28日まで1日1回100 mg/kgのCoQ10を投与した(第1サイクル)。第2サイクルは第35日に開始して第62日まで続けた。この研究において、動物は2サイクルの28日間のCoQ10を投与された。

0156

対照群のラットは改善の兆候を示さず、転移性悪性腫瘍および重度のCNS異常(例えば、ラットが摂食またはセルフケアをおこなうことを不可能にする筋肉制御の減少、協調の欠除、衰弱、麻痺、歩行困難をもたらす)のために屠殺された(図4)。際だって対照的に、100 mg/kg IVを注射された動物は、それらの運動技能の著しい回復および歩行能力の回復を示した。第173日および第195日に、100 mg/kgのCoQ10により治療された5個体の動物を屠殺して、剖検および病理学的分析をおこなった。緑色白血病またはCNS腫瘍の証拠は見いだされなかった。

実施例

0157

総合すると、これらの結果は、CoQ10がCNS白血病に対する有効な治療であること、およびCNSにおける白血病細胞の溢出を防止し、それにより続発性腫瘍の形成を予防、遅延、または限定するための有効な予防剤でもあり得ることを強く示している。

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