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図面 (5)

課題

経口摂取等により、安全かつ簡便に機能性胃腸症を改善する手段を提供すること。

解決手段

バチルスズブチリス、特にバチルス・ズブチリスC−3102株またはその培養物を有効成分とする機能性胃腸症改善剤、及び機能性胃腸症改善剤と薬理学的に許容しうる担体を含む錠剤

概要

背景

機能性胃腸症は、内視鏡検査等で器質的疾患を認めないにも関わらず、心窩部痛心窩部灼熱感、食後膨満感、早期膨満感などの症状を呈する疾患である。機能性胃腸症は、ストレス社会、偏った食事高齢者人口の増加、運動不足等により、患者数が増加していると言われており、現在、日本人の約4人に1人が罹患していると考えられている。機能性胃腸症の発症機序については酸分泌異常、消化管運動機能異常、内臓知覚異常、Helicobacterpylori感染心理社会的因子など諸説あり、未だに確立された治療法がなく、治療法の確立が望まれている。

プロバイオティクスとして用いられることの多いバチルスズブチリス(Bacillus subtilis)は、ヒトにおいて、腸内菌叢改善作用や腸内腐敗産物の減少作用などが知られている(非特許文献1)。

出願人は、バチルス・ズブチリスの活性酸素産生抑制作用やこれを利用した炎症性腸疾患予防治療剤(特許文献1)、バチルス・ズブチリスを鶏をはじめとする家畜に摂取させて、腸内有害細菌の数を減少させて、これらの菌による食中毒を回避する効果やこれを利用した飼料添加用腸内有害細菌抑制剤(特許文献2)について報告している。しかし、機能性胃腸症に対する効果に関する報告はこれまでない。

概要

経口摂取等により、安全かつ簡便に機能性胃腸症を改善する手段を提供すること。バチルス・ズブチリス、特にバチルス・ズブチリスC−3102株またはその培養物を有効成分とする機能性胃腸症改善剤、及び機能性胃腸症改善剤と薬理学的に許容しうる担体を含む錠剤。なし

目的

機能性胃腸症の発症機序については酸分泌異常、消化管運動機能異常、内臓知覚異常、Helicobacterpylori感染、心理社会的因子など諸説あり、未だに確立された治療法がなく、治療法の確立が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バチルスズブチリスを有効成分として含む機能性胃腸症改善剤

請求項2

バチルス・ズブチリスの培養物を有効成分として含む、請求項1に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項3

前記培養物が大豆培養物である、請求項2に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項4

バチルス・ズブチリスの芽胞を含む、請求項3に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項5

前記バチルス・ズブチリスがC−3102株(FERM BP−1096)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項6

経口摂取により機能性胃腸症を改善させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項7

錠剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項8

錠剤が素錠である、請求項7に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項9

錠剤が糖衣錠である、請求項7に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項10

麦芽糖及びでんぷんを含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項11

1錠あたり2.0×108〜9.0×1010CFUのバチルス・ズブチリスを含む請求項7〜10のいずれか1項に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項12

1錠あたり4.0×108〜2.0×1010CFUのバチルス・ズブチリスを含む請求項11に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項13

1日あたり1〜5錠服用されることを特徴とする、請求項11又は12に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項14

1日あたり2.0×109〜2.0×1010CFUのバチルス・ズブチリスを摂取できるように製剤化されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の機能性胃腸症改善剤。

請求項15

少なくとも2カ月間服用される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の機能性胃腸症改善剤。

技術分野

0001

本発明は、バチルスズブチリス、特にバチルス・ズブチリスC−3102株またはその培養物を有効成分とする、機能性胃腸症改善剤に関する。

背景技術

0002

機能性胃腸症は、内視鏡検査等で器質的疾患を認めないにも関わらず、心窩部痛心窩部灼熱感、食後膨満感、早期膨満感などの症状を呈する疾患である。機能性胃腸症は、ストレス社会、偏った食事高齢者人口の増加、運動不足等により、患者数が増加していると言われており、現在、日本人の約4人に1人が罹患していると考えられている。機能性胃腸症の発症機序については酸分泌異常、消化管運動機能異常、内臓知覚異常、Helicobacterpylori感染心理社会的因子など諸説あり、未だに確立された治療法がなく、治療法の確立が望まれている。

0003

プロバイオティクスとして用いられることの多いバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)は、ヒトにおいて、腸内菌叢改善作用や腸内腐敗産物の減少作用などが知られている(非特許文献1)。

0004

出願人は、バチルス・ズブチリスの活性酸素産生抑制作用やこれを利用した炎症性腸疾患予防治療剤(特許文献1)、バチルス・ズブチリスを鶏をはじめとする家畜に摂取させて、腸内有害細菌の数を減少させて、これらの菌による食中毒を回避する効果やこれを利用した飼料添加用腸内有害細菌抑制剤(特許文献2)について報告している。しかし、機能性胃腸症に対する効果に関する報告はこれまでない。

0005

特再公表2008−69102号
特開平5−146260号

先行技術

0006

腸内細菌学会誌第18巻 第二号 93−99(2004)

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の課題は、経口摂取等により、安全かつ簡便に機能性胃腸症を改善(治療又は予防)するための手段を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために鋭意検討し、発明者らは、バチルス・ズブチリスの菌体を経口摂取することで、機能性胃腸症が有意に改善することを見出した。

0009

すなわち、本発明は以下の(1)〜(15)を提供する。
(1)バチルス・ズブチリスを有効成分として含む機能性胃腸症改善剤;
(2)バチルス・ズブチリスの培養物を有効成分として含む、上記(1)に記載の機能性胃腸症改善剤;
(3)前記培養物が大豆培養物である、上記(2)に記載の機能性胃腸症改善剤;
(4)バチルス・ズブチリスの芽胞を含む、上記(3)に記載の機能性胃腸症改善剤。
(5)前記バチルス・ズブチリスがC−3102株(FERM BP−1096)である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の機能性胃腸症改善剤;
(6)経口摂取により機能性胃腸症を改善させる、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の機能性胃腸症改善剤;
(7)錠剤である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の機能性胃腸症改善剤;
(8)錠剤が素錠である、上記(7)に記載の機能性胃腸症改善剤;
(9)錠剤が糖衣錠である、上記(7)に記載の機能性胃腸症改善剤;
(10)麦芽糖及びでんぷんを含む、上記(7)〜(9)のいずれかに記載の機能性胃腸症改善剤;
(11)1錠あたり2.0×108〜9.0×1010CFUのバチルス・ズブチリスを含む上記(7)〜(10)のいずれか1項に記載の機能性胃腸症改善剤;
(12)1錠あたり4.0×108〜2.0×1010CFUのバチルス・ズブチリスを含む上記(11)に記載の機能性胃腸症改善剤;
(13)1日あたり1〜5錠服用されることを特徴とする、上記(11)又は(12)に記載の機能性胃腸症改善剤;
(14)1日あたり2.0×109〜2.0×1010CFUのバチルス・ズブチリスを摂取できるように製剤化されている、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の機能性胃腸症改善剤;
(15)少なくとも2カ月間服用される、上記(1)〜(14)のいずれかに記載の機能性胃腸症改善剤。

発明の効果

0010

本発明の機能性胃腸症改善剤は、微量かつ短期間で胃腸症状を改善することができる。有効成分であるバチルス・ズブチリスは古くから食品等に使用されており、長期にわたって安全に経口摂取することができる。それゆえ、本発明によれば、経口摂取という簡便な方法で、しかも安全に機能性胃腸症を改善させることができる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、胃腸症状(個別症状スコア)の変化を示す(◆:プラセボ群、■:C−3102株群)。群間差:マンホイットニーU検定, *p<0.05, **p<0.01、前後差:ウイルコクソンの符号付順位検定, #p<0.05, ##p<0.01
図2は、胃腸症状(下位尺度統合スコア)の変化を示す(◆:プラセボ群、■:C−3102株群)。群間差:マン・ホイットニーのU検定, *p<0.05, **p<0.01、前後差:ウイルコクソンの符号付順位検定, #p<0.05, ##p<0.01
図3は、次世代シーケンサーによる腸内細菌の解析結果を示す(左:C−3102株群、右:プラセボ群)。群間差:マン・ホイットニーのU検定、 *p<0.05(平均値±SE)
図4は、2菌属コリオバクテリウム科の菌属、ホールディマニア属)と全体スコアとの相関関係を示す(左:C−3102株群、右:プラセボ群)。群間差:マン・ホイットニーのU検定、 *p<0.05(平均値±SE)
図5は、Faecalibacterium prausnitziiの8週目占有率を示す。群間差:マン・ホイットニーのU検定、 *p<0.05(平均値±SE)

0012

1.本発明の機能性胃腸症改善剤
1.1 有効成分:バチルス・ズブチリス
本発明の機能性胃腸症改善剤は、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)を有効成分として含む。バチルス属の菌は古くからヒトの食生活に深くかかわっており、その機能性についての情報は多いが、機能性胃腸症に対する効果は未だ報告されていない。

0013

本発明の機能性胃腸症改善剤は、バチルス属に属する細菌の菌体またはその培養物、好ましくはバチルス・ズブチリスの菌体またはその培養物を有効成分として含むことを特徴とする。バチルス・ズブチリスの菌学的性質バージーズ・マニュアルオブバクテリオロジー Vol.11(1986)等に記載されており、具体的には例えば以下の特徴を有する。
(1)グラム陽性
(2)卵円形の芽胞を形成
(3)桿菌
(4)運動性:あり
(5)好気性
(6)カタラーゼ陽性
(7)50℃における発育:+
(8)pH5.7における発育:+
(9)クエン酸塩の利用:+
(10)糖類からの酸生成の有無:アラビノースグルコースキシロースマンニット:+
(11)VP反応:+
(12)デンプン加水分解:+
(13)硝酸塩還元性:+
(14)インドールの生成:−
(15)ゼラチンの加水分解:+
(16)カゼインの加水分解:+
(17)液体培地での被膜形成:+
(18)牛乳凝固:−
(19)牛乳のペプトン化:+

0014

バチルス・ズブチリスは芽胞(胞子)を形成し、芽胞は高温消化酵素に対して耐久性を有する。本発明の機能性胃腸症改善剤は、このバチルス・サブチリス芽胞状態で含み、それゆえ、経口摂取しても生きたまま腸に届き、その効果を発揮できる。

0015

本発明に用いるバチルス・ズブチリスとしては、例えば、バチルス・ズブチリスC−3102株(1985年12月25日付にて受託番号FERM BP−1096として生命工学工業技術研究所に寄託されている(現 独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター:千葉県木更津市かずさ足2−5−8 122室))を挙げることができる。

0016

バチルス・ズブチリスC−3102株については、整腸作用特表2011−111783号、脂質代謝改善作用(特表2008−23608号)、腎機能改善作用(特表2008−23607号)等、さまざまな有用な効果が知られている。すでに、バチルス・ズブチリスC−3102株を含む食品も市販されており、長期摂取による安全性も確立されている。

0017

バチルス・ズブチリスC−3102株の大豆培養物は家畜に対して、腸内細菌叢改善、増体、感染防御卵殻強化肉質改善、便臭改善等の効果があり、添加物として利用されている(特公平4−24022)。またこの株の保健効果として、整腸作用、腸内腐敗産物の減少などが知られている(腸内細菌学会誌第18巻 第二号 93-99(2004))。

0018

バチルス・ズブチリスC−3102は、下記配列1及び配列2のPCRプライマーを用いてPCR反応を行うと約700bpsの断片が増幅するという特徴を持つ。他のバチルス・ズブチリスでは、このPCRプライマーによって増幅は起こらない。バチルス・ズブチリスC−3102のゲノムテンプレートとして増幅される約700bpsの断片は、アミラーゼの配列と相同性を有しないという特徴をもち、この点においてC−3102株はバチルス・ズブチリスの他の株と明確に識別される。
配列1:5'−GCCCCGACATACGAAAAGACTGGCTGAAA−3'(配列番号1)
配列2:5'−GGATCCCACGTTGTGATTAAAAGCAGCGAT−3'(配列番号2)

0019

さらに、バチルス・ズブチリスC−3102株は以下の性質を有する:
(1)プラスミドDNAを有しない。
(2)ゲノムDNAを調製し、制限酵素NotIまたはSfiIで消化してアガロース電気泳動により分離したときの消化パターン図1に示されるとおりである。
(3)B.cerous抗菌物質を産生する。
(4)アンピシリンクロラムフェニコールシプロフロキサシンエリスロマイシンゲンタマイシンカナマイシンリネゾリドキヌプリスチンダルフォプリスチンリファムピンストレプトマイシンテトラサイクリントリメトプリムバンコマイシンに対して耐性を有しない(いずれも最小阻害濃度0.03〜4μg/ml)。

0020

1.2バチルス・ズブチリスの培養物
バチルス・ズブチリスは、培地として微生物培養に通常使用される炭素源窒素源無機物等を含む液体培地又は固体培地を用いて培養することができる。炭素源としては、バチルス・ズブチリスが資化可能な炭素源であればよく、例えばグルコース、フルクトーススクローススターチ糖蜜等を、また窒素源としては、例えばペプトンカゼイン加水分解物肉エキス硫安等を挙げることができる。更に、必要に応じて燐酸カリウムマグネシウムカルシウムナトリウム、鉄およびマンガン等の塩類ビタミン類アミノ酸類界面活性剤等を添加することもできる。また、これらの合成培地の他、大豆油かすなどの天然物由来物質を用いて培養してもよい。培養条件としては、好気的条件が好ましく、培養装置としては例えばジャーファーメンターによる通気撹拌液体培養、固体培養、自動製麹培養装置等が好ましい。培養温度は20〜50℃、特に30〜45℃が好ましく、培養時間は12時間〜7日間、培養初発pHはpH5〜9、特に好ましくはpH6〜8である。

0021

このようにして得られた培養物は、バチルス・ズブチリスの菌体、培地および発酵生成物を含む。培養物は、機能性胃腸症改善剤としてそのまま用いてもよく、培養物を濃縮してもよく、またはこれらに賦形剤等を加えて乾燥粉末顆粒、錠剤等の製剤として用いてもよい。また、培養物から分離した菌体を用いてもよく、培養物から菌体を除去して用いてもよく、菌体を含む形の培養物を用いてもよい。特に好ましい態様においては、バチルス・ズブチリスは、大豆油かす、大豆煮豆小豆煮豆、米飯麦飯小麦ふすま、煮とうもろこし、その他の穀類などの食用に適した天然物由来物質を用いて培養し、培養物から菌体を分離することなく、そのまま食品に配合する。

0022

1.3 効果及び用法用量
本発明の機能性胃腸症改善剤は、経口摂取により機能性胃腸症に伴う胃腸症状、例えば、消化不良下痢腹痛軟便等を改善させる。

0023

本発明の機能性胃腸症改善剤は、腸内フローラにおいて、有用菌(炎症を抑制するとされる菌)を増加させ、胃腸症状の悪化と関連している可能性がある2菌属を減少させる。具体的に言えば、本発明の機能性胃腸症改善剤は、有用菌の一種であるフィーカリバクテリウム属の腸内フローラにおける占有率を増加させることができる。フィーカリバクテリウム属は、大腸酪酸を産生する主要な菌であり、酪酸には、過剰な免疫応答を抑制する制御性T細胞分化を促進し、炎症を抑制する。また、本発明の機能性胃腸症改善剤は、コリオバクテリウム科の菌属、及びホールディマニア属の占有率を減少させるが、これら2菌属は胃腸症状の悪化と関連している可能性が高いことが後述する実施例で明らかにされている。

0024

本発明の機能性胃腸症改善剤は、薬理学的に許容される担体や添加物とともに適宜製剤化され、液体粉末造粒物カプセル剤、錠剤等の形で投与してもよく、食品添加物として飲食品中に配合して摂取してもよい。飲食品としては、例えば、飲料、製菓錠菓ペーストパン魚肉加工製品乳製品ゼリーキャンディレトルト食品クッキーカステラビスケットチョコレートなどが挙げられる。本発明の機能性胃腸症改善剤をこれらの様々な食品素材に添加して、健康飲料、健康食品あるいは機能性食品として提供することができる。

0025

本発明の機能性胃腸症改善剤は、1日あたり1.0×108〜2.0×1011CFU、好ましくは1日あたり1.0×109〜1.0×1011CFU、より好ましくは1日あたり1.0×109〜4.0×1010CFU、さらに好ましくは1日あたり2.0×109〜2.0×1010CFUのバチルス・ズブチリスを摂取できるように服用されることが好ましい。服用回数は1錠に含まれる菌数にもより適宜設定され、特に限定されないが、1日1回〜5回、好ましくは1回〜4回、より好ましくは1日1回〜3回に分けて服用するか、あるいは1日1回服用する。本発明の機能性胃腸症改善剤の対象は、本剤の服用を必要とする者、すなわち、胃腸症状、例えば、消化不良、下痢、腹痛、軟便等の機能性胃腸症に伴う何らかの症状を有する者である。

0026

本発明の有効成分であるバチルス・ズブチリスは微量かつ短期間で有効で、保存性耐酸性にもすぐれ腸内に到達して増殖しやすく、持続的な胃腸機能改善作用が期待できる。一方、本発明のバチルス・ズブチリスは長期にわたって安全に摂取することができる。それゆえ、本発明の機能性胃腸症改善剤は2ヶ月以上、好ましくは6ヶ月以上、より好ましくは1年以上継続して使用するとよい。

0027

2.機能性胃腸症改善用の錠剤
本発明は、バチルス・ズブチリス又はその培養物と薬理学的に許容しうる担体を含む錠剤(錠剤として製剤化された機能性胃腸症改善剤)を提供する。

0028

薬理学的に許容しうる担体としては、例えば賦形剤、滑沢剤結合剤崩壊剤防腐剤抗酸化剤着色剤矯味剤等が挙げられるが、これらに制限されず、その他常用の担体が適宜使用できる。

0031

結合剤としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロースカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルピロリドンが挙げられる。

0032

崩壊剤としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムクロスカルメロースナトリウムカルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。

0034

着色剤としては、水溶性食用タール色素水不溶性レーキ色素、β−カロチンクロロフィルベンガラ等の天然色素が挙げられる。

0036

上記のほか、例えば、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、カテキン甜茶などの茶抽出物グルコサミンコンドロイチンノコギリヤシりんごなどの植物抽出物、ぶどうやりんごなどに含まれるポリフェノール類乳酸菌ビフィズス菌酪酸菌納豆菌糖化菌酵母、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、マンニトールやキシリトールなどの糖アルコール類、結晶セルロースやヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、グリセリン発酵乳ラクトフェリン食物繊維フレーバー等を含んでいてもよい。

0037

特に、本発明の機能性胃腸症改善剤を含む錠剤は、グルコースやフルクトースなどの単糖、スクロースやラクトースなどの二糖イソマルトシクロデキストリンなどのオリゴ糖グラニュー糖、麦芽糖、乳糖などの糖類、及びでんぷんを含むことが好ましい。

0038

錠剤は、糖衣錠であっても素錠であってもよい。糖衣錠は、素錠に比べて一般的には崩壊性は低いが、有効成分の風味や臭いを感じにくいという利点がある。

0039

本発明の錠剤は、機能性胃腸症改善剤は、1日あたり1.0×108〜2.0×1011CFU、好ましくは1日あたり1.0×109〜1.0×1011CFU、より好ましくは1日あたり1.0×109〜4.0×1010CFU、さらに好ましくは1日あたり2.0×109〜2.0×1010CFUのバチルス・ズブチリスを摂取できるように服用され、好ましくは1日1回〜5回、より好ましくは1回〜4回、さらに好ましくは1日1回〜3回に分けて服用するか、あるいは1日1回服用することが好ましい。それゆえ、そのような服用に適した錠剤として製剤化されることが望ましい。

0040

例えば、本発明の錠剤は、1錠あたり2.0×107〜2.0×1011CFU、好ましくは1錠あたり2.0×108〜9.0×1010CFU、より好ましくは1錠あたり4.0×108〜4.0×1010CFU、さらに好ましくは1錠あたり4.0×108〜2.0×1010CFUのバチルス・ズブチリスを含むように調製される。

0041

上述のとおり、本発明の有効成分であるバチルス・ズブチリスは微量かつ短期間で有効であるが、長期にわたって安全に摂取することができる。それゆえ、本発明の錠剤は、上記用法用量にしたがい、2か月以上、好ましくは6ヶ月以上、より好ましくは1年以上継続して使用するとよい。

0042

以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが,これらの実施例は本発明の範囲を制限するものではない。

0043

実施例においては、バチルス属に属する細菌の例として、バチルス・ズブチリスC−3102株(1985年12月25日付にて受託番号FERM BP−1096として生命工学工業技術研究所に寄託されている(現 独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター:千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 122室))を用いた。

0044

実施例1:バチルス・ズブチリスの機能性胃腸症に対する効果
1.糖衣錠の調製
市販大豆油かす造粒品10kgに水5kgを加えて121℃、60分間殺菌し、予め前培養しておいたバチルス・ズブチリスC−3102株(生命工学工業技術研究所寄託番号 FERM BP−1096)の培養液接種し、37℃程度で、60.5時間培養することにより、バチルス・ズブチリスC−3102株の大豆培養物を製造した。このようにして得られた培養物を乾燥粉砕し、下記の表に示す他の成分を配合して、糖衣錠を製造した。糖衣錠の組成を表1、2に示す。

0045

0046

0047

2.試験方法
RomeIII基準により機能性胃腸症もしくはそれに準ずると医師が認めた22〜77外来通院可能な42名を対象とし、このうち21名に3錠あたり4.5×109CFUのバチルス・ズブチリスC−3102株を含む糖衣錠を1日3錠、2ヶ月間摂取させ、残り21名には、プラセボとしてデキストリンを含む錠剤を2ヶ月間摂取させた。1ヶ月ごとに、胃腸症状を評価するGastrointestinal Symptom Rating Scale (GSRS)アンケートを実施した。プラセボ群のうち2名は脱落したため、結果的にC−3102株群21名、及びプラセボ群19名が解析対象となった。摂取8週目においてプラセボ群と比較し、有意な改善がみられた項目を表3に示す。

0048

0049

また、摂取前と摂取4、8週間後に、高速シーケンサーを用いて腸内フローラを網羅的に解析した。

0050

3.結果
(1)GSRSスコア
消化不良スコア(腹鳴・膨満感・曖気放屁)、下痢スコア(下痢・軟便・便意切迫)、および全体スコアの変化をグラフに示した。摂取4、8週間後に、消化不良スコアおよび全体スコアが、摂取8週間後に下痢スコアが有意に改善することが確認された(図2)。
投与8週目の時点で、プラセボ群と比較して、C−3102株群では15項目中5項目(腹鳴、膨満感、放屁、下痢、軟便)の有意な改善が確認された。また、各評価項目統合した評価では、消化不良スコア(腹鳴+膨満感+気+放屁)および下痢スコア(下痢+軟便+便意切迫)の有意な改善が確認され、全てを統合した全体スコアでも有意な改善が確認された。以上の結果から、バチルス・ズブチリスC−3102株が、機能性胃腸症の症状改善作用を有することが明らかとなった。

0051

(2)腸内フローラ解析
バチルス・ズブチリスC−3102株群はプラセボ群と比較して、有用菌の一種であるフィーカリバクテリウム属の腸内フローラに占める割合(占有率)が、摂取4、8週目において有意に増加していた(図3及び図5)。フィーカリバクテリウム属は、大腸で酪酸を産生する主要な菌であり、酪酸には、過剰な免疫応答を抑制する制御性T細胞の分化を促進し、炎症を抑制することがわかっている。
また、胃腸症状に関するGSRSスコアと占有率の変化との相関解析から、胃腸症状が悪い人ほど、コリオバクテリウム科の菌属、およびホールディマニア属の占有率が高いことが明らかになった。これらの2菌属は、バチルス・ズブチリスC−3102株群ではプラセボ群に比較して、摂取8週目において占有率が有意に減少していた。(図4)。以上の結果から、バチルス・ズブチリスC−3102株の摂取により、有用菌(炎症を抑制するとされる菌)が増加し、胃腸症状の悪化と関連している可能性がある2菌属が減少することが確認された。

0052

(3)ピロリ菌陽性率
ピロリ菌の陽性率については、C−3102株群及びプラセボ群のいずれにおいても、試験の前後(0週及び8週)で変化はなかった。

0053

4.考察
機能性胃腸症を訴え被験者では、バチルス・ズブチリスC−3102株を摂取することにより、胃腸症状の改善、炎症抑制作用がある酪酸を産生する主要な菌であるFaecalibacterium prausnitziiの増加、機能性胃腸症の症状スコアと正相関のある菌の減少が認められた。

0054

参考例1:バチルス・ズブチリスを含む素錠
実施例1にしたがい、バチルス・ズブチリスC−3102株の大豆培養物を製造した。得られた培養物を乾燥粉砕し、下記の表に示す他の成分を配合して、糖衣を施さない素錠を製造した。

0055

0056

2.崩壊性試験
第十六改正日本薬局方に準じて崩壊性試験を実施し、素錠の崩壊性を実施例1の糖衣錠と比較した。結果を下表に示す。

0057

0058

3.保存試験
アルミパウチ中で23ヶ月及び36ヶ月保存(20℃)したときの保存安定性(菌数推移)を素錠と糖衣錠で比較した。結果を下表に示す。

0059

0060

4.素錠の過剰摂取安全性試験
3錠あたり5×109CFUのバチルス・ズブチリスC−3102株を含む素錠を調製し、便秘傾向者(男性5名、女性1名、合計6名)に、1日3錠(1日1回、原則として朝食後摂取)、4週間連続摂取させ、摂取期間中の排便回数を記録した。結果を図2に示す。

0061

摂取1週目から排便回数が有意に増加した。バチルス・ズブチリスC−3102株大豆培養物は素錠の形態にしても、服用による有害事象は認められず、糖衣錠と同様に便秘者において排便回数増加作用を有することが明らかとなった。

0062

素錠は同じ組成の糖衣錠と比較して崩壊性に優れ、同等の保存安定性を示し、過剰摂取しても有害事象は認められず、糖衣錠と同様に安全であることが確認された。このことから、素錠についても、糖衣錠と同等あるいはそれ以上の機能性胃腸症改善作用が期待できる。

0063

参考例2:ホームユーステスト
3錠あたり7×109CFUのバチルス・ズブチリスC−3102株を含む素錠及び糖衣錠を調製し、45〜54歳の女性30名に素錠(15名)もしくは糖衣錠(15名)を6日間服用させ、体調変化、飲みやすさ(粒の大きさや粒の数が気になるか否か)についてアンケート調査を実施した。結果を下表に示す。

0064

0065

0066

体調が改善した者は、糖衣錠摂取群と比較し、有意に素錠摂取群で多かった。また、粒の大きさや粒の数が気になる人の数が糖衣錠摂取群と比較し、素錠摂取群で減少した。

0067

製剤例1:カプセル剤
バチルス・ズブチリスC−3102株大豆培養物と食用油脂を混合し、常法により下記成分からなるソフトカプセル剤皮の中に充填し、1粒380mgのソフトカプセルを得た。
内容物
バチルス・ズブチリスC−3102株大豆培養物 100mg
食用油脂 150mg
剤皮
ゼラチン100mg
グリセリン30mg

0068

製剤例2:粉末剤
下記成分を配合し、常法に従って造粒し、5g入りスティック顆粒を製造した。
配合
バチルス・ズブチリスC−3102株大豆培養物5%
CMCNa 適宜
デキストリン適宜

実施例

0069

製剤例3:液剤
下記成分を配合し、常法に従って、水10kgを加えて液剤を調製した。
配合
バチルス・ズブチリスC−3102株大豆培養物100g
液糖4000g
DL−酒石酸ナトリウム1g
クエン酸50g
ビタミンC50g
ビタミンE150g
シクロデキストリン25g
塩化カリウム5g
硫酸マグネシウム2g

0070

本発明の機能性胃腸症改善剤は、経口摂取により胃腸機能を改善させることができる。バチルス・ズブチリスC−3102株はすでに整腸作用等を目的とした錠剤として利用されており、その安全性も確立している。よって、本発明の機能性胃腸症改善剤は、医薬品のみならず、機能性胃腸症改善を目的とした医薬部外品、食品として有用である。

0071

配列番号1:合成DNA(フォワードプライマー
配列番号2:合成DNA(リバースプライマー

0072

FERM BP−1096

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