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技術 化合物の精製方法、化合物の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の製造方法、および有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法

出願人 三星電子株式会社
発明者 稲山智加藤文昭柴田勝則
出願日 2015年12月17日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-245906
公開日 2017年6月22日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-109956
状態 未査定
技術分野 エレクトロルミネッセンス光源 発光性組成物 インドール系化合物
主要キーワード 直流定電圧電源 層状ケイ酸塩鉱物 精製処理後 コーティング組成 賦活炭 機能性有機材料 粒形状 輝度測定装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

不純物の濃度が低減した化合物を提供する。

解決手段

層状ケイ酸塩鉱物活性炭、および多孔質構造を有する無機酸化物からなる群より選択された少なくともいずれか1種以上の処理剤を用いて、複数回、化合物を精製処理する、化合物の精製方法

概要

背景

近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(Organic ElectroLuminessennce Diode:有機EL素子)などに代表される有機電子デバイスの開発が盛んに進められている。また、有機電子デバイスに用いられる機能性有機材料の開発も進められている。

このような機能性有機材料では、含有される微量の不純物が有機電子デバイス(organic electric device)の特性低下、または動作不良などの原因となる場合がある。そのため、機能性有機材料には、非常に高い純度が求められる。

例えば、下記の特許文献1には、目的化合物に含有されるハロゲン(halgen)の濃度を低減させるために、後処理工程にてハロゲンを低分子誘導体に変換した後、洗浄または再沈殿によって目的化合物から除去することが開示されている。また、下記の特許文献2には、目的化合物の純度を向上させるために、不純物を昇華させて目的化合物中から除去することが開示されている。

概要

不純物の濃度が低減した化合物を提供する。層状ケイ酸塩鉱物活性炭、および多孔質構造を有する無機酸化物からなる群より選択された少なくともいずれか1種以上の処理剤を用いて、複数回、化合物を精製処理する、化合物の精製方法。なし

目的

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

層状ケイ酸塩鉱物活性炭、および多孔質構造を有する無機酸化物からなる群より選択された少なくともいずれか1種以上の処理剤を用いて、複数回、化合物精製処理する、化合物の精製方法

請求項2

異なる2種以上の前記処理剤を用いて、複数回、前記化合物を精製処理する、請求項1に記載の化合物の精製方法。

請求項3

層状ケイ酸塩鉱物、または活性炭のいずれかから選択される第1の処理剤と、多孔質構造を有する無機酸化物から選択される第2の処理剤と、をそれぞれ用いて、複数回、前記化合物を精製処理する、請求項2に記載の化合物の精製方法。

請求項4

前記第1の処理剤を用いて、前記化合物を精製処理した後、前記第2の処理剤を用いて、前記化合物を精製処理することを含む、請求項3に記載の化合物の精製方法。

請求項5

前記層状ケイ酸塩鉱物は、活性白土酸性白土ベントナイト、またはカオリナイトのいずれかである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の精製方法。

請求項6

前記多孔質構造を有する無機酸化物は、ケイ酸マグネシウムシリカゲル、または活性アルミナのいずれかである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物の精製方法。

請求項7

前記化合物の分子量は、900以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物の精製方法。

請求項8

前記化合物は、芳香族化合物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の精製方法。

請求項9

化合物を提供するステップと、請求項1〜8のいずれか一項に記載の精製方法にて前記化合物を精製処理するステップと、を含む、化合物の製造方法。

請求項10

請求項9に記載の製造方法にて製造された化合物を用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の製造方法。

請求項11

前記化合物を溶媒に溶解するステップをさらに含む、請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の製造方法。

請求項12

請求項10または11に記載の製造方法にて製造された有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、化合物精製方法、化合物の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の製造方法、および有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(Organic ElectroLuminessennce Diode:有機EL素子)などに代表される有機電子デバイスの開発が盛んに進められている。また、有機電子デバイスに用いられる機能性有機材料の開発も進められている。

0003

このような機能性有機材料では、含有される微量の不純物が有機電子デバイス(organic electric device)の特性低下、または動作不良などの原因となる場合がある。そのため、機能性有機材料には、非常に高い純度が求められる。

0004

例えば、下記の特許文献1には、目的化合物に含有されるハロゲン(halgen)の濃度を低減させるために、後処理工程にてハロゲンを低分子誘導体に変換した後、洗浄または再沈殿によって目的化合物から除去することが開示されている。また、下記の特許文献2には、目的化合物の純度を向上させるために、不純物を昇華させて目的化合物中から除去することが開示されている。

先行技術

0005

特表2008−516421号公報
特開2011−111568号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1および2に開示された技術は、合成時に用いられる触媒等に含まれる金属を除去することは困難であり、目的化合物に含有される不純物を十分に低減することができないという問題点があった。

0007

そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、化合物中の不純物の濃度をさらに低減することが可能な、新規かつ改良された化合物の精製方法、化合物の製造方法、該化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の製造方法、および該材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、層状ケイ酸塩鉱物活性炭、および多孔質構造を有する無機酸化物からなる群より選択された少なくともいずれか1種以上の処理剤を用いて、複数回、化合物を精製処理する、化合物の精製方法が提供される。

0009

この観点によれば、化合物中の不純物の濃度をさらに低減することができる。

0010

前記化合物の精製方法は、異なる2種以上の前記処理剤を用いて、複数回、前記化合物を精製処理してもよい。

0011

この観点によれば、化合物中の不純物の濃度をより効率的に低減することができる。

0012

前記化合物の精製方法は、層状ケイ酸塩鉱物、または活性炭のいずれかから選択される第1の処理剤と、多孔質構造を有する無機酸化物から選択される第2の処理剤と、をそれぞれ用いて、複数回、前記化合物を精製処理してもよい。

0013

この観点によれば、化合物中の不純物の濃度をより効率的に低減することができる。

0014

前記化合物の精製方法は、前記第1の処理剤を用いて、前記化合物を精製処理した後、前記第2の処理剤を用いて、前記化合物を精製処理することを含んでもよい。

0015

この観点によれば、化合物中の不純物の濃度をより効率的に低減することができる。

0016

前記層状ケイ酸塩鉱物は、活性白土酸性白土ベントナイト、またはカオリナイトのいずれかであってもよい。

0017

この観点によれば、化合物中の不純物の濃度をより低減することができる。

0018

前記多孔質構造を有する無機酸化物は、ケイ酸マグネシウムシリカゲル、または活性アルミナのいずれかであってもよい。

0019

この観点によれば、化合物中の不純物の濃度をより低減することができる。

0020

前記化合物の分子量は、900以上であってもよい。

0021

このような化合物は、本発明の一実施形態に係る化合物の精製方法によって好適に不純物の濃度を低減することができる。

0022

前記化合物は、芳香族化合物であってもよい。

0023

このような化合物は、本発明の一実施形態に係る化合物の精製方法によって好適に不純物の濃度を低減することができる。

0024

また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、化合物を提供するステップと、上記の精製方法にて前記化合物を精製処理するステップと、を含む、化合物の製造方法が提供される。

0025

この観点によれば、より純度が高く、不純物の濃度が低減した化合物を提供することができる。

0026

また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の製造方法にて製造された化合物を用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の製造方法が提供される。

0027

この観点によれば、不純物の濃度が低減したため、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光特性を向上させることが可能な有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供することができる。

0028

前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の製造方法は、前記化合物を溶媒に溶解するステップをさらに含んでもよい。

0029

この観点によれば、溶液塗布法による成膜に好適であり、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光特性を向上することが可能な有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供することができる。

0030

また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の製造方法にて製造された有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法が提供される。

0031

この観点によれば、発光特性が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。

発明の効果

0032

以上説明したように本発明によれば、化合物中の不純物の濃度をさらに低減することが可能である。

0033

以下にて、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。

0034

本発明の一実施形態に係る化合物の精製方法は、具体的には、有機化合物の精製方法であり、より具体的には、有機EL素子に用いられる有機化合物の精製方法である。

0035

有機EL素子は、発光層等が有機化合物で形成される発光素子である。このような有機EL素子では、発光層等に用いられる有機化合物の純度が低い場合、発光層等の内部で発光を伴わない電流が発生してしまうことがある。このような電流は、抵抗熱を発生させ、有機EL素子の劣化を早めてしまう。そのため、有機EL素子に用いられる有機化合物には、高い純度が求められる。

0036

ここで、有機EL素子に用いられる有機化合物の精製方法の一例として、昇華精製法を例示することができる。昇華精製法は、目的物となる有機化合物を昇華させた後、再結晶させることで有機化合物を精製する方法である。

0037

有機EL素子に用いられる有機化合物は、蒸着法によって成膜するために、昇華しやすい物質であることが多い。そのため、有機EL素子に用いられる有機化合物は、昇華精製法によって精製することが一般的であった。

0038

また、有機EL素子に用いられる有機化合物は、合成において金属錯体が触媒として用いられることが多い。そのため、粗生成物には、有機EL素子の動作および特性に影響の大きい金属原子が不純物として多く含まれてしまう。昇華精製法によれば、目的物である有機化合物から、昇華しない金属を容易に除去することが可能であるため、有機EL素子に用いられる有機化合物では、昇華精製法によって精製することが一般的であった。

0039

しかしながら、昇華精製法は、分子量が大きい有機化合物に対して適用することは困難である。具体的には、分子量が大きい有機化合物は、熱分解温度昇華温度よりも低くなるため、昇華よりも先に熱分解を起こしてしまう。このような化合物を昇華精製法にて精製することは、現実的ではなかった。したがって、有機EL素子に用いられる有機化合物において、分子量が大きい有機化合物の純度を向上させることは、困難であった。

0040

このような昇華精製が困難な化合物とは、例えば、有機EL素子に用いられる有機化合物のうち、溶液塗布法によって成膜することを目的とした高分子量の芳香族化合物、または芳香族化合物ポリマー(polymer)である。

0041

より具体的には、昇華精製法によって精製可能な化合物の分子量の上限値は、おおよそ900である。すなわち、分子量が900以上の化合物を昇華精製法によって精製することは、困難であった。

0042

本発明の発明者らは、昇華精製が困難な化合物に含まれる不純物の濃度を低減するために、上記事情等を考慮して鋭意検討を行うことにより、本発明を想到するに至った。本発明は、層状ケイ酸塩鉱物、活性炭、および多孔質構造を有する無機酸化物からなる群より選択された少なくともいずれか1種以上の処理剤を用いて、複数回、化合物を精製処理することにより、昇華精製が困難な化合物を不純物の濃度を低減させる精製方法である。

0043

本発明によれば、精製された化合物中に含まれる不純物の濃度を低減することが可能である。具体的には、本発明によれば、化合物中のPdなどの不純物の濃度を0.01ppm以下に低減することが可能である。

0044

以下、本発明の一実施形態に係る化合物の精製方法についてより具体的に説明する。

0045

本発明の一実施形態に係る化合物の精製方法では、層状ケイ酸塩鉱物、活性炭、および多孔質構造を有する無機酸化物からなる群より選択された少なくともいずれか1種以上の処理剤を用いて、複数回、化合物の精製処理が行われる。

0046

層状ケイ酸塩鉱物は、例えば、粘土を構成する鉱物である。具体的には、層状ケイ酸塩鉱物は、アルミニウム(Al)、ナトリウム(Na)、またはカルシウム(Ca)などの金属イオン(ion)と、ケイ酸(silicic acid)とが連結したシート(seat)構造が層状に積層された鉱物である。層状ケイ酸塩鉱物は、積層されたシート構造同士の間隙に、水、金属イオン、または有機物等を容易に取り込むことができるため、化合物に含有される金属等の不純物を効率的に取り除くことができる。

0047

本実施形態に係る化合物の精製方法にて用いられる層状ケイ酸塩鉱物としては、例えば、活性白土、酸性白土、ベントナイト(bentonite)、およびカオリナイト(kaolinite)などを例示することができる。また、層状ケイ酸塩鉱物の形状については、特に限定されないが、化合物に含有される不純物を効率的に取り除くためには、化合物との接触面積が大きくなる粉末形状、または粒形状であってもよい。

0048

活性炭は、化学的または物理的な処理(活性化、または賦活ともいう)を施すことで多孔質化した炭素材である。活性炭の活性化の方法としては、水蒸気二酸化炭素または空気などのガス(gas)を用いて炭素源高温(例えば、800℃〜950℃)で炭化する物理的方法を用いてもよく、塩化亜鉛などを用いて化学的に多孔質化する化学的方法を用いてもよい。活性炭は、表面に多数の細孔が形成されており、該細孔に細孔よりも径が小さい不純物を吸着することができる。そのため、活性炭は、化合物に含有される不純物を効率的に取り除くことができる。本実施形態にて用いられる活性炭が有する細孔の大きさは、ガス吸着法による測定によれば、例えば、1nm〜50nmであってもよい。

0049

本実施形態に係る化合物の精製方法にて用いられる活性炭としては、例えば、ヤシ(palm)殻等の植物、石炭、または石油などを原料とするガス賦活炭または塩化亜鉛賦活炭などを例示することができる。また、活性炭の形状は、特に限定されないが、化合物に含有される不純物を効率的に取り除くためには、化合物との接触面積が大きくなる粉末形状、または粒形状であってもよい。

0050

多孔質構造を有する無機酸化物は、例えば、ケイ酸マグネシウム(MgSiO3)、シリカゲル(SiO2)、または活性アルミナ(AlO3)などである。これらの無機酸化物は、多孔質構造を有するため、表面に形成された多数の細孔に、該細孔よりも径が小さい不純物を吸着することができる。そのため、多孔質構造を有する無機酸化物は、化合物に含有される不純物を効率的に取り除くことができる。本実施形態にて用いられる多孔質構造を有する無機酸化物が有する細孔の大きさは、ガス吸着法による測定によれば、例えば、3nm〜15nmであってもよい。

0051

また、ケイ酸マグネシウム(MgSiO3)、シリカゲル(SiO2)、および活性アルミナ(AlO3)は、極性が高い無機酸化物である。一方、有機EL素子に用いられる化合物は、芳香環を多数有する芳香族化合物または芳香族ポリマーであり、低極性または無極性である。極性が高い無機酸化物は、極性が高い物質の方が吸着しやすいため、上述した無機化合物は、目的化合物を吸着しにくく、目的化合物の収量を低下させることなく、より効率的に不純物を除去することが可能である。

0052

本実施形態に係る化合物の精製方法では、上述した処理剤から少なくともいずれか1種以上を用いて、複数回、化合物の精製処理が行われる。

0053

精製処理の具体的な方法としては、例えば、目的化合物を含む溶液と、上記処理剤とを混合し、所定時間接触させた後、処理剤をろ過または遠心分離等の手段によって分離する方法、または上記処理剤を充填したカラム内に目的化合物を含む溶液を通液する方法等を挙げることができる。なお、処理剤をろ過によって分離する場合、例えば、セライト(celite、登録商標)などの珪藻土などをろ過助剤として用いてもよい。

0054

精製処理の回数は、複数回であればよく、特に上限は限定されない。ただし、精製処理の回数を増加させるほど不純物の濃度は低下するが、同時に目的化合物の収量も低下する。例えば、目的化合物中の不純物の濃度を0.01ppm以下にする場合、必要な精製処理の回数は、2回以上である。

0055

精製処理の際に、目的化合物を溶解させる溶媒としては、目的化合物が溶解すれば、いかなる有機溶媒使用可能であるが、例えば、ペンタン(pentane)、ヘキサン(hexane)、ヘプタン(heptane)、オクタン(octane)、デカン(decane)およびシクロヘキサン(cyclohexane)等の脂肪族炭化水素系溶媒トルエン(toluene)およびキシレン(xylene)等の芳香族炭化水素系溶媒ジエチルエーテル(diethyl ether)、ジイソプロピルエーテル(diisopropyl ether)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)およびジオキサン(dioxane)等のエーテル(ether)系溶媒、酢酸エチル(ethyl acetate)等のエステル(ester)系溶媒、アセトン(acetone)およびメチルエチルケトン(methyl ethyl ketone)等のケトン(ketone)系溶媒、またはジクロロメタン(dichloromethane)およびクロロベンゼン(chlorobenzene)等のハロゲン化炭化水素系溶媒などを1種または2種以上混合して用いることができる。

0056

また、精製処理の処理温度は、特に限定されないが、例えば、0℃〜200℃であり、好ましくは、40℃〜100℃である。また、精製処理の処理時間は、特に限定されないが、例えば、0.1時間〜48時間であり、好ましくは、0.3時間〜10時間である。

0057

また、本実施形態に係る化合物の精製方法では、上述した処理剤のうちから異なる2種以上の処理剤を選択して、複数回、化合物を精製処理することが好ましい。すなわち、異なる吸着特性を有する処理剤を組み合わせて、複数回、化合物を精製処理することにより、目的化合物からより効率的に様々な種類の不純物を除去することが可能である。

0058

具体的には、本実施形態に係る化合物の精製方法では、層状ケイ酸塩鉱物、または活性炭のいずれかから選択される第1の処理剤と、多孔質構造を有する無機酸化物からから選択される第2の処理剤とをそれぞれ用いて、複数回、化合物を精製処理することが好ましい。

0059

第1の処理剤は、不純物の極性等に依らずに不純物を除去可能な処理剤であり、第2の処理剤は、極性が高い不純物ほど除去効率が高い処理剤である。したがって、このような不純物の除去特性が異なる複数の処理剤を組み合わせて、化合物を精製処理することにより、目的化合物からより効率的に様々な種類の不純物を除去することが可能である。

0060

また、上記の第1の処理剤、および第2の処理剤の処理の順序は、特に限定されないが、第1の処理剤を用いて化合物を精製処理した後、第2の処理剤を用いてさらに化合物を精製処理することが好ましい。

0061

これは、不純物の特性に依らずに不純物を除去可能な第1の処理剤にて化合物を精製処理した後に、特定の不純物ほど除去効率が高い第2の処理剤にて化合物を精製処理したほうが、第2の処理剤による不純物除去の効率を高めることができるためである。一方、第2の処理剤にて化合物を精製処理した後、第1の処理剤にて化合物を精製処理した場合、第2の処理剤による精製処理の際に、目的化合物中に第2の処理剤による除去効率が低い不純物も多く含まれることになる。このような場合、第2の処理剤による不純物除去の効率を低くなってしまうため、好ましくない。

0062

以上にて説明した本実施形態に係る精製方法によって精製された化合物は、含有される不純物の濃度を0.01ppm以下に低下させることができる。具体的には、本実施形態に係る精製方法によって精製された化合物は、化合物の合成の際に用いた金属触媒等に含有される金属(例えば、Pdなど)の濃度を0.01ppm以下に低下させることができる。

0063

本実施形態に係る精製方法に好適な化合物としては、昇華精製法による精製が困難な分子量が900以上の芳香族化合物、および芳香族ポリマーを例示することができる。

0064

例えば、分子量が900以上の芳香族化合物としては、置換基を含めてベンゼン(benzene)環を10以上有するアリールアミン(arylamine)系化合物、フルオレン(fluorene)系化合物、カルバゾール(carbazole)系化合物、ジベンゾフラン(dibenzofuran)系化合物、ジベンゾチオフェン(dibenzothiophene)系化合物、フルオランテン(fluoranthene)系化合物、ピリジン(pyridine)系化合物、ピリミジン(pyrimidine)系化合物、ピラジン(pyrazine)系化合物、ピリダジン(pyridazine)系化合物、トリアジン(triazine)系化合物、キノリン(qinoline)系化合物、キナゾリン(qinazoline)系化合物およびフェナントレン(phenanthrene)系化合物などを挙げることができる。

0065

例えば、芳香族ポリマーとしては、ポリアリールアミン(polyarylamine)系化合物、ポリ−p−アリーレンビニレン(poly−p−arylvinylene)系化合物、ポリフルオレン(polyfluorene)系化合物、ポリ−スピロ−ビフルオレン(poly−spiro−bifluorene)系化合物、ポリ−p−フェニレン(poly−p−phenylene)系化合物、ポリ−p−ビフェニレン(poly−p−biphenylene)系化合物、ポリジヒドロフェナントレン(polydihydrophenanthrene)系化合物、ポリ−インデノフルオレン(polyindenofluorene)系化合物、ポリチオフェン(polythiophene)系化合物、ポリピリジン(polypyridine)系化合物、ポリピロール(polypyrrole)系化合物、およびポリフェナントレン(polyphenanthrene)系化合物などを挙げることができる。

0066

本実施形態に係る精製方法にて精製された化合物は、不純物濃度が極めて低いため、有機EL素子用材料として好適に用いることができる。また、本実施形態に係る精製方法にて精製された化合物を溶媒等に溶解させることによって、インクジェット(ink jet)印刷法およびスピンコート(spin coat)法等の溶液塗布法によって有機EL素子の有機層を成膜するための組成液を作製することも可能である。具体的には、本実施形態に係る精製方法にて精製された化合物を溶媒(トルエンなど)に溶解することで、インクジェット印刷法等に用いるインク組成液、またはスピンコート法に用いるコーティング組成液を作製することも可能である。

0067

本実施形態に係る化合物の精製方法によれば、不純物の濃度を低減した化合物が提供される。また、本実施形態に係る化合物の精製方法によって精製された化合物を用いることにより、発光特性が向上した有機EL素子を作製することも可能である。

0068

以下では、実施例および比較例を参照しながら、本実施形態に係る化合物の精製方法について具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、あくまでも一例であって、本実施形態に係る化合物の精製方法が下記の例に限定されるものではない。

0069

<有機化合物の精製>
(実施例1)
Pd錯体を触媒とする公知の合成反応によって、以下で構造式を示す分子量が1017.29である化合物1を合成し、再結晶することで、未精製の化合物1を得た。すなわち、未精製の化合物1は、合成反応の際に使用した触媒に含まれるPdが不純物として含まれている。

0070

0071

まず、2.0gの未精製の化合物1をトルエン10mlに溶解し、さらに活性白土(和光純薬工業製)1.0gを加え、窒素雰囲気下で、1時間加熱撹拌した。加熱後の溶液は、セライト(登録商標)でろ過し、トルエン200mlで洗浄した後、エバポレーター(evaporator)で溶媒を除去した。

0072

続いて、活性白土による精製処理後の化合物1を改めてトルエン10mlに溶解し、溶液をケイ酸マグネシウム(MgSiO3)からなるフロリジル(florisil、登録商標)(和光純薬工業)20gを充填したカラム(column)に展開溶媒トルエン150mlで通過させ、再び、エバポレーターで溶媒を除去した。溶媒除去後白色固体を150℃にて12時間乾燥し、精製後の化合物1を得た。精製後の化合物1のPdの残存量を誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)によって測定した。

0073

(比較例1)
実施例1において、未精製の化合物1のPdの残存量をICP−MSによって測定した。

0074

(比較例2)
実施例1において、活性白土による精製処理後の化合物1のPdの残存量をICP−MSによって測定した。

0075

(評価結果)
上記にてそれぞれ測定したPdの残存量を以下の表1に示す。

0076

0077

表1の結果を参照すると、本実施形態に係る化合物の精製方法を適用した実施例1では、精製後の化合物に含まれる不純物(すなわち、Pd)の濃度が、比較例1および2に対して、顕著に低下していることがわかる。また、実施例1では、精製後の化合物に含まれる不純物の濃度が0.01ppm以下となっていることがわかる。

0078

一方、比較例1および2では、本実施形態に係る化合物の精製方法を適用していないため、化合物に含まれる不純物(すなわち、Pd)の濃度が高く、純度が低いことがわかる。

0079

以上にて説明したように、本発明の一実施形態に係る化合物の精製方法によれば、化合物中に含まれる不純物の濃度を0.01ppm以下に低減することが可能である。また、本発明の一実施形態に係る精製方法によって生成された化合物を用いることにより、発光特性が向上した有機EL素子を作製することが可能である。

0080

<有機EL素子の作製>
(実施例2)
次に、以下の工程によって、上記の実施例1にて精製した化合物1を含む有機EL素子を作製した。

0081

ストライプ(stripe)状のITO(酸化インジウムスズ)を備えたガラス基板上に、PEDOT/PSS(poly(3,4−ethylene dioxythiophene)/poly(4−styrene sulfonate)(Sigma−Aldrich製)を乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法にて塗布し、正孔注入層を形成した。

0082

次に、市販のTFB(poly(9,9−dioctyl−fluorene−co−N−(4−butylphenyl)−diphenylamine))をキシレン(xylene)に溶解し、正孔輸送層塗布液を調製した。正孔注入層上に、正孔輸送層塗布液を乾燥膜厚が10nmになるようにスピンコート法にて塗布し、正孔輸送層を形成した。

0083

続いて、ホスト(host)材料として実施例1にて精製した化合物1を含み、ドーパント(dopant)材料としてトリス(2−(3−p−キシイルフェニル)ピリジンイリジウム(III)(tris(2−(3−p−xylyl)phenyl)pyridine iridium(III))を含むトルエン(toluene)溶液を調整した。また、正孔輸送層上に、調整したトルエン溶液を乾燥膜厚が50nmになるようにスピンコート法で塗布し、発光層を形成した。なお、ドーパント材料のドープ量は、発光層の総質量に対して10質量%とした。

0084

次に、発光層上に、真空蒸着装置にて、8−ヒドロキシキノリノラートリチウム(Liq)およびKLET−03(ケミプロ化成製)を共蒸着し、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。また、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を蒸着し、膜厚1nmの電子注入層を形成した。さらに、電子注入層上に、アルミニウム(Al)を蒸着し、膜厚100nmの陰極を形成した。以上の方法により有機EL素子を作製した。

0085

(比較例3)
ホスト材料を未精製の化合物1に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、有機EL素子を作製した。

0086

(有機EL素子の評価)
上記で作製した有機EL素子の電流効率および発光寿命を以下の方法にて評価した。

0087

直流定電圧電源KEYENCE製ソースメータ(source meter))を用いて、各有機EL素子に対して所定の電圧を加え、有機EL素子を発光させた。有機EL素子の発光を輝度測定装置(Topcom製SR−3)にて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が6000cd/m2になったところで電流を一定にし、放置した。

0088

ここで、有機EL素子の面積から単位面積あたりの電流値電流密度)を計算し、輝度(cd/m2)を電流密度(A/m2)にて除算することで、「電流効率」(cd/A)を算出した。また、輝度測定装置で測定した輝度の値が徐々に低下し、初期輝度の80%になるまでの時間(hrs)を「発光寿命」とした。

0089

評価結果を表2に示す。なお、表2では、電流効率および発光寿命を比較例3における測定値を100としたときの相対値として示す。

0090

0091

表2の結果を参照すると、本実施形態に係る化合物の精製方法にて精製した化合物1を用いた実施例2は、未精製の化合物1を用いた比較例3に対して、電流効率および発光寿命が向上していることがわかる。したがって、本実施形態に係る化合物の精製方法にて精製した有機化合物を用いることによって、有機EL素子の発光特性が向上することがわかる。

実施例

0092

以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

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