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技術 クレーン装置、制御方法、及び制御プログラム

出願人 富士電機株式会社
発明者 永野正規片桐源一
出願日 2015年12月14日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2015-243065
公開日 2017年6月22日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-109805
状態 特許登録済
技術分野 クレーンの細部(制御,安全) 移動体・走行体・天井走行クレーン
主要キーワード 仮想多角形 区間目 ランウェイ 仮想三角形 軸力変化 インターロック制御 トラス要素 位置決め性
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (18)

課題

部ユニットを小さい空間内に納めるとともに、ロープ及び/又は巻取ドラム保守及び交換を容易にするクレーン装置を提供する。

解決手段

クレーン装置は、複数のロープが接続される下部ユニット30及び下部ユニット30の上方に設けられ、複数のロープのそれぞれを牽引する上部ユニット20を備え、上部ユニットは、作業者足場となる上部プラットフォーム21、上部プラットフォームの下側に設けられ、各ロープの牽引方向を鉛直方向成分を有するように各々変更する複数のシーブ24、上部プラットフォームの上側に設けられ、複数のシーブ24のうちの各シーブを通った各ロープの牽引方向を水平方向成分を有するように各々変更する複数のシーブ25、上部プラットフォームの上側に載置され、複数のシーブ25のうちの各シーブを通った各ロープを巻き取る複数の巻取部22を有する。

概要

背景

従来、貨物運搬可能又は懸架可能な下部プラットフォーム(例えば、フック等でもよい)を複数のワイヤロープ(単にロープと呼ぶ)により上部プラットフォームから吊り下げ、上部プラットフォームを水平方向に駆動することにより貨物を搬送するクレーン装置が知られている。

例えば、特許文献1に記載のクレーン装置では、上部プラットフォームに水平面内で回転可能な3つのサポートアームが設けられ、それら3つのサポートアームの先端から降ろされる6つのロープにより下部プラットフォームが吊り下げられる。下部プラットフォームは、上部プラットフォームを水平方向に駆動することで水平方向に移動するとともに、上部プラットフォームに対して3つのサポートアームを水平面内で回転駆動することで旋回することができる。
特許文献1特表2013−523561号公報

概要

部ユニットを小さい空間内に納めるとともに、ロープ及び/又は巻取ドラム保守及び交換を容易にするクレーン装置を提供する。クレーン装置は、複数のロープが接続される下部ユニット30及び下部ユニット30の上方に設けられ、複数のロープのそれぞれを牽引する上部ユニット20を備え、上部ユニットは、作業者足場となる上部プラットフォーム21、上部プラットフォームの下側に設けられ、各ロープの牽引方向を鉛直方向成分を有するように各々変更する複数のシーブ24、上部プラットフォームの上側に設けられ、複数のシーブ24のうちの各シーブを通った各ロープの牽引方向を水平方向成分を有するように各々変更する複数のシーブ25、上部プラットフォームの上側に載置され、複数のシーブ25のうちの各シーブを通った各ロープを巻き取る複数の巻取部22を有する。B

目的

クレーン装置100は、一例として6軸テンシルトラスクレーン装置であり、ロープの巻取のみにより姿勢を維持しつつ、高い安定性及び高い位置決め性で下部プラットフォームを移動すること及び/又は上部ユニットを小さい空間内に納めるとともにロープ及び/又は巻取ドラムの保守及び交換を容易にするクレーン装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数のロープが接続される下部ユニットと、前記下部ユニットの上方に設けられ、前記複数のロープのそれぞれを牽引する上部ユニットと、を備え、前記上部ユニットは、作業者足場となる上部プラットフォームと、前記上部プラットフォームの下側に設けられ、前記複数のロープのうちの各ロープに対して各々設けられ各ロープの牽引方向を鉛直方向成分を有するように各々変更する複数の第1シーブと、前記上部プラットフォームの上側に設けられ、前記複数のロープのうちの各ロープに対して各々設けられ、前記複数の第1シーブのうちの各第1シーブを通った各ロープの牽引方向を水平方向成分を有するように各々変更する複数の第2シーブと、前記上部プラットフォームの上側に載置され、前記複数のロープのうちの各ロープに対して各々設けられ前記複数の第2シーブのうちの各第2シーブを通った各ロープを巻き取る複数の巻取部と、を有するクレーン装置

請求項2

前記複数の巻取部のそれぞれの巻取軸は、水平方向に配置される請求項1に記載のクレーン装置。

請求項3

前記複数の第1シーブのそれぞれと前記複数の第2シーブのうち対応する第2シーブとの間のロープ長は、当該対応する第2シーブと前記複数の巻取部のうち対応する巻取部との間のロープ長よりも小さい請求項1または2に記載のクレーン装置。

請求項4

前記上部ユニットは、前記上部プラットフォームの下側に設けられ、前記複数のロープのうちの各ロープに対して各々設けられ各ロープの牽引方向を前記複数の第1シーブのうちの各第1シーブの溝の方向に各々変更する複数の第3シーブを更に有する請求項1から3のいずれか一項に記載のクレーン装置。

請求項5

前記上部ユニットは、前記複数の第1シーブのうちの少なくとも1つに対応して設けられ、前記少なくとも1つの第1シーブに加わる各ロープの張力を測定する少なくとも1つの張力測定部を更に有する請求項4に記載のクレーン装置。

請求項6

前記複数のロープは、前記下部ユニットにおいて第1の多角形のそれぞれの頂部に対応する位置に一対ずつ接続され、前記複数の第3シーブは、前記上部ユニットにおいて第2の多角形のそれぞれの頂部に対応する位置に一対ずつ配置され、前記第1の多角形のそれぞれの頂部に対応する位置からの一対のロープが、当該頂部に対して対応付けられた前記第2の多角形の辺の両側に位置する2つの頂部に対応する位置の2つの第1シーブに1本ずつ通される請求項4または5に記載のクレーン装置。

請求項7

前記複数の巻取部のそれぞれにおける対応するロープの巻取量を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記上部ユニットに対する前記下部ユニットの相対位置を最終目標位置へと移動させる指示を取得する指示取得部と、前記下部ユニットの移動の開始位置から前記最終目標位置までの間を複数に時分割した区間毎に、各区間内における目標位置である区間目標位置を決定する決定部と、複数の区間のそれぞれについて、前記下部ユニットを各区間分移動させるための前記複数のロープのそれぞれを巻き上げまたは引き出す操作量を算出する操作量算出部と、前記開始位置から順に前記複数の区間のそれぞれについて算出された前記複数のロープのそれぞれの操作量を用いて前記複数の巻取部を制御していき、前記下部ユニットを前記最終目標位置まで移動させる移動処理部と、を有する請求項1から6のいずれか一項に記載のクレーン装置。

請求項8

複数のロープが接続される下部ユニットと、前記下部ユニットの上方に設けられ、前記複数のロープを巻き取る複数の巻取部を有する上部ユニットと、前記複数の巻取部のそれぞれにおける対応するロープの巻取量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記上部ユニットに対する前記下部ユニットの相対位置を最終目標位置へと移動させる指示を取得する指示取得部と、前記下部ユニットの移動の開始位置から前記最終目標位置までの間を複数に時分割した区間毎に、各区間内における目標位置である区間目標位置を決定する決定部と、複数の区間のそれぞれについて、前記下部ユニットを各区間分移動させるための前記複数のロープのそれぞれを巻き上げまたは引き出す操作量を算出する操作量算出部と、前記開始位置から順に前記複数の区間のそれぞれについて算出された前記複数のロープのそれぞれの操作量を用いて前記複数の巻取部を制御していき、前記下部ユニットを前記最終目標位置まで移動させる移動処理部と、を有するクレーン装置。

請求項9

時分割した前記区間が、前記下部ユニットの移動の指令単位である請求項8に記載のクレーン装置。

請求項10

前記操作量算出部は、前記複数の区間のそれぞれについて、前記複数の巻取部のそれぞれから前記下部ユニットまでの長さの変化および前記複数のロープのそれぞれののび量の変化に基づいて、前記複数の巻取部のそれぞれの操作量を算出し、前記移動処理部は、前記複数の区間のそれぞれについて算出された前記複数のロープのそれぞれの操作量を用いて前記複数の巻取部を制御していき、前記下部ユニットを前記最終目標位置まで姿勢を維持して移動させる、請求項8または9に記載のクレーン装置。

請求項11

前記上部ユニットは、前記複数のロープの張力を測定する複数の張力測定部を有し、前記制御部は、前記複数の張力測定部の測定結果に基づいて前記下部ユニットが持ち上げる負荷荷重を算出する荷重算出部を更に有し、前記操作量算出部は、前記荷重算出部が算出した荷重を用いて前記複数のロープのそれぞれの操作量を算出する請求項10に記載のクレーン装置。

請求項12

前記移動処理部は、前記開始位置から連続する2以上の区間の間、前記下部ユニットの移動速度を上昇させていく請求項8から11のいずれか一項に記載のクレーン装置。

請求項13

前記移動処理部は、前記開始位置から連続する2以上の区間の間、前記下部ユニットの移動速度をS字状に増加させていく請求項12に記載のクレーン装置。

請求項14

前記移動処理部は、前記最終目標位置の直前に連続する2以上の区間の間、前記下部ユニットの移動速度を減少させていく請求項8から13のいずれか一項に記載のクレーン装置。

請求項15

前記移動処理部は、前記最終目標位置の直前に連続する2以上の区間の間、前記下部ユニットの移動速度を逆S字状に減少させていく請求項14に記載のクレーン装置。

請求項16

前記制御部は、前記下部ユニットに対して、鉛直方向と垂直なX方向およびY方向の移動、鉛直方向であるZ方向の移動、鉛直方向を軸とした回転、並びにこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つに対応する移動をさせる制御をする請求項8から15のいずれか一項に記載のクレーン装置。

請求項17

複数のロープが接続される下部ユニットと、前記下部ユニットの上方に設けられ、前記複数のロープを巻き取る複数の巻取部を有する上部ユニットとを備えるクレーン装置を制御装置によって制御する制御方法であって、前記制御装置が、前記上部ユニットに対する前記下部ユニットの相対位置を最終目標位置へと移動させる指示を取得し、前記制御装置が、前記下部ユニットの移動の開始位置から前記最終目標位置までの間を複数に時分割した区間毎に、各区間内における目標位置である区間目標位置を決定し、前記制御装置が、複数の区間のそれぞれについて、前記下部ユニットを各区間分移動させるための前記複数のロープのそれぞれを巻き上げまたは引き出す操作量を算出し、前記制御装置が、前記開始位置から順に前記複数の区間のそれぞれについて算出された前記複数のロープのそれぞれの操作量を用いて前記複数の巻取部を制御していき、前記下部ユニットを前記最終目標位置まで移動させる制御方法。

請求項18

コンピュータを、複数のロープが接続される下部ユニットと、前記下部ユニットの上方に設けられ、前記複数のロープを巻き取る複数の巻取部を有する上部ユニットとを備えるクレーン装置を制御するための制御プログラムであって、前記制御プログラムは、前記コンピュータを、前記上部ユニットに対する前記下部ユニットの相対位置を最終目標位置へと移動させる指示を取得する指示取得部と、前記下部ユニットの移動の開始位置から前記最終目標位置までの間を複数に時分割した区間毎に、各区間内における目標位置である区間目標位置を決定する決定部と、複数の区間のそれぞれについて、前記下部ユニットを各区間分移動させるための前記複数のロープのそれぞれを巻き上げまたは引き出す操作量を算出する操作量算出部と、前記開始位置から順に前記複数の区間のそれぞれについて算出された前記複数のロープのそれぞれの操作量を用いて前記複数の巻取部を制御していき、前記下部ユニットを前記最終目標位置まで移動させる移動処理部と、して機能させる制御プログラム。

技術分野

0001

本発明は、クレーン装置制御方法、及び制御プログラムに関する。

背景技術

0002

従来、貨物運搬可能又は懸架可能な下部プラットフォーム(例えば、フック等でもよい)を複数のワイヤロープ(単にロープと呼ぶ)により上部プラットフォームから吊り下げ、上部プラットフォームを水平方向に駆動することにより貨物を搬送するクレーン装置が知られている。

0003

例えば、特許文献1に記載のクレーン装置では、上部プラットフォームに水平面内で回転可能な3つのサポートアームが設けられ、それら3つのサポートアームの先端から降ろされる6つのロープにより下部プラットフォームが吊り下げられる。下部プラットフォームは、上部プラットフォームを水平方向に駆動することで水平方向に移動するとともに、上部プラットフォームに対して3つのサポートアームを水平面内で回転駆動することで旋回することができる。
特許文献1特表2013−523561号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上述のクレーン装置は、下部プラットフォームを吊り下げ支持する3つのサポートアームを上部プラットフォームに対して回転して下部プラットフォームを水平面内で旋回し、3つのサポートアームのそれぞれを伸長して下部プラットフォームを水平面内で移動することで、下部プラットフォームを位置決めする。そのため、下部プラットフォームの安定性及び位置決め精度が低いことが予想される。また、サポートアームの回転及び伸縮のため専用の機構及び制御装置が必要となり、装置全体が複雑化することが予想される。

0005

また、6つのロープをそれぞれ巻き取る巻取ドラムが、その回転軸巻取軸と呼ぶ)を鉛直方向に向けて上部プラットフォームに設けられている。そのため、上部プラットフォームが鉛直方向に大きな空間を占め、例えば狭い室内でのクレーン装置の利用が困難であること、またロープ及び/又は巻取ドラムの保守及び交換が困難であることが予想される。

課題を解決するための手段

0006

本発明の第1の態様においては、複数のロープが接続される下部ユニットと、前記下部ユニットの上方に設けられ、前記複数のロープのそれぞれを牽引する上部ユニットと、を備え、前記上部ユニットは、作業者足場となる上部プラットフォームと、前記上部プラットフォームの下側に設けられ、前記複数のロープのうちの各ロープに対して各々設けられ各ロープの牽引方向を鉛直方向成分を有するように各々変更する複数の第1シーブと、前記上部プラットフォームの上側に設けられ、前記複数のロープのうちの各ロープに対して各々設けられ、前記複数の第1シーブのうちの各第1シーブを通った各ロープの牽引方向を水平方向成分を有するように各々変更する複数の第2シーブと、前記上部プラットフォームの上側に載置され、前記複数のロープのうちの各ロープに対して各々設けられ前記複数の第2シーブのうちの各第2シーブを通った各ロープを巻き取る複数の巻取部と、を有するクレーン装置が提供される。

0007

本発明の第2の態様においては、複数のロープが接続される下部ユニットと、前記下部ユニットの上方に設けられ、前記複数のロープを巻き取る複数の巻取部を有する上部ユニットと、前記複数の巻取部のそれぞれにおける対応するロープの巻取量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記上部ユニットに対する前記下部ユニットの相対位置を最終目標位置へと移動させる指示を取得する指示取得部と、前記下部ユニットの移動の開始位置から前記最終目標位置までの間を複数に時分割した区間毎に、各区間内における目標位置である区間目標位置を決定する決定部と、複数の区間のそれぞれについて、前記下部ユニットを各区間分移動させるための前記複数のロープのそれぞれを巻き上げまたは引き出す操作量を算出する操作量算出部と、前記開始位置から順に前記複数の区間のそれぞれについて算出された前記複数のロープのそれぞれの操作量を用いて前記複数の巻取部を制御していき、前記下部ユニットを前記最終目標位置まで移動させる移動処理部と、を有するクレーン装置が提供される。

0008

本発明の第3の態様においては、複数のロープが接続される下部ユニットと、前記下部ユニットの上方に設けられ、前記複数のロープを巻き取る複数の巻取部を有する上部ユニットとを備えるクレーン装置を制御装置によって制御する制御方法であって、前記制御装置が、前記上部ユニットに対する前記下部ユニットの相対位置を最終目標位置へと移動させる指示を取得し、前記制御装置が、前記下部ユニットの移動の開始位置から前記最終目標位置までの間を複数に時分割した区間毎に、各区間内における目標位置である区間目標位置を決定し、前記制御装置が、複数の区間のそれぞれについて、前記下部ユニットを各区間分移動させるための前記複数のロープのそれぞれを巻き上げまたは引き出す操作量を算出し、前記制御装置が、前記開始位置から順に前記複数の区間のそれぞれについて算出された前記複数のロープのそれぞれの操作量を用いて前記複数の巻取部を制御していき、前記下部ユニットを前記最終目標位置まで移動させる制御方法が提供される。

0009

本発明の第4の態様においては、コンピュータを、複数のロープが接続される下部ユニットと、前記下部ユニットの上方に設けられ、前記複数のロープを巻き取る複数の巻取部を有する上部ユニットとを備えるクレーン装置を制御するための制御プログラムであって、前記制御プログラムは、前記コンピュータを、前記上部ユニットに対する前記下部ユニットの相対位置を最終目標位置へと移動させる指示を取得する指示取得部と、前記下部ユニットの移動の開始位置から前記最終目標位置までの間を複数に時分割した区間毎に、各区間内における目標位置である区間目標位置を決定する決定部と、複数の区間のそれぞれについて、前記下部ユニットを各区間分移動させるための前記複数のロープのそれぞれを巻き上げまたは引き出す操作量を算出する操作量算出部と、前記開始位置から順に前記複数の区間のそれぞれについて算出された前記複数のロープのそれぞれの操作量を用いて前記複数の巻取部を制御していき、前記下部ユニットを前記最終目標位置まで移動させる移動処理部と、して機能させる制御プログラムが提供される。

0010

なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群サブコンビネーションもまた、発明となりうる。

図面の簡単な説明

0011

クレーン装置の全体構成の一例を側面視において示す。
クレーン装置の全体構成の一例を上面視において示す。
上部ユニットの構成の一例を示す。
巻き取りユニットの構成の一例を示す。
ロープの張力を測定する張力測定部の構成の一例を示す。
下部ユニットの構成の一例を示す。
6軸テンシルトラス座標系を示す。
6軸テンシルトラスのトラス要素の配置の一例を示す。
下部ユニットの移動によるその変位量の一例を示す。
制御部の構成の一例を示す。
下部ユニットの駆動制御フローの一例を示す。
下部ユニットの駆動制御における速度カーブの一例を示す。
下部ユニットのY方向への移動量に対するロープの巻き取り量の関係の一例を示す。
下部ユニットのX方向への移動量に対するロープの巻き取り量の関係の一例を示す。
下部ユニットのθ方向への旋回量に対するロープの巻き取り量の関係の一例を示す。
巻き取りユニット及び下部ユニットの変形構成の一例を示す。
本実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の一例を示す。

実施例

0012

以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

0013

図1A及び図1Bは、本実施形態に係るクレーン装置100の全体構成を示す。ここで、図1A及び図1Bは、それぞれ、側面視及び上面視においてクレーン装置100の全体構成を示す。なお、図1A及び図1B並びにその他の図面において、上部ユニット20が駆動される水平方向をXY方向、但し駆動ユニット10の第1駆動部12により上部ユニット20が駆動される方向(すなわち、図1Bにおける上下方向)をX方向、駆動ユニット10の第2駆動部14により上部ユニット20が駆動される方向(すなわち、図1A及び図1Bにおける左右方向)をY方向、下部ユニット30が上部ユニット20に対して上昇及び下降する鉛直方向(図1Aにおける上下方向)をZ方向とする。

0014

クレーン装置100は、一例として6軸テンシルトラスクレーン装置であり、ロープの巻取のみにより姿勢を維持しつつ、高い安定性及び高い位置決め性で下部プラットフォームを移動すること及び/又は上部ユニットを小さい空間内に納めるとともにロープ及び/又は巻取ドラムの保守及び交換を容易にするクレーン装置を提供することを目的とするものであり、駆動ユニット10、上部ユニット20、下部ユニット30、複数のワイヤロープ(単にロープと呼ぶ)39、及び後述する制御部50を備える。

0015

本実施形態では、クレーン装置100は、一例として、Y方向に対向する2つの壁面W及びこれらの間に位置する床面Fにより囲まれる室内に設置されているものとし、2つの壁面Wは、同じ高さ(すなわち、同じZ位置)でX方向に延びる段部W0をそれぞれ有することとする。ただし、これに限らず、クレーン装置100は、例えば複数の柱状部材により支持される構造物上に設けられてもよい。さらに、構造物は、移動可能に構成されてもよい。

0016

駆動ユニット10は、上部ユニット20をXY方向に駆動するユニットであり、第1駆動部12及び第2駆動部14から構成される。

0017

第1駆動部12は、各2つのガイド12a及び駆動装置12bを含む。2つのガイド12aは、一軸方向に延びるレール状の部材であり、それぞれ、例えば両端を支持部材12a0により支持されて、2つの壁面Wの段部W0上でX方向に延設されている。2つのガイド12aは、上部ユニット20及び第2駆動部14を走行させるためのランウェイとして機能する。2つの駆動装置12bは、それぞれ2つのガイド12aに対応して設けられ、ガイド12aに係合して回転するローラ(不図示)、ローラを回転駆動するモータ等の原動機(不図示)、並びにこれらを収容するX方向を長手とする筐体を有する。第1駆動部12は、駆動装置12bの原動機を制御してローラを回転することで、駆動装置12b(の筐体)をガイド12aに沿ってX方向に駆動する。なお、第1駆動部12は、ガイド12a及びこれに係合して回転するローラを組み合せた構成に限らず、ラック及びこの表面に並設された歯に係合して回転するピニオンを組み合わせた構成、その他の回転直動機構の構成とすることもできる。

0018

第2駆動部14は、各2つのガイド14a及び駆動装置14bを含む。2つのガイド14aは、一軸方向に延びるレール状の部材であり、それぞれ、2つの駆動装置12b(の筐体)の間に、ただしX方向に離間して、端部が固定されたY方向を長手とする角柱状の支持部材14a0上でY方向に延設されている。2つの駆動装置14bは、それぞれ2つのガイド14aに対応して上部ユニット20に含まれる上部プラットフォーム21の下面に設けられ、それぞれガイド14aに係合して回転するローラ(不図示)、及びローラを回転駆動するモータ等の原動機(不図示)、並びにこれらを収容して上部プラットフォーム21の下面に固定されるY方向を長手とする筐体を有する。第2駆動部14は、駆動装置14bの原動機を制御してローラを回転することで、上部プラットフォーム21(すなわち、上部ユニット20)をガイド14aに沿ってY方向に駆動する。なお、第2駆動部14は、ガイド14a及びローラを組み合わせた構成に限らず、ラック及びピニオンを組み合わせた構成、その他の回転直動機構の構成とすることもできる。

0019

上述の構成より、駆動ユニット10は、第1駆動部12により駆動装置12b(の筐体)をX方向に駆動し、第2駆動部14により上部プラットフォーム21をY方向に駆動することで、上部プラットフォーム21(すなわち、上部ユニット20)をXY方向に駆動する。

0020

図2Aは、上面視において、上部ユニット20の構成例を示す。上部ユニット20は、下部ユニット30に接続される複数(本実施形態では一例として6とする)のロープ39を牽引するユニットであり、上部プラットフォーム21及び6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2を含む。

0021

上部プラットフォーム21は、6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2を支持して、駆動ユニット10によりXY方向に移動する搬送台である。上部プラットフォーム21は、一例として仮想の3つの頂点A,B,Cを有する仮想三角形ABCを内側に含む形状を有し、仮想三角形ABCの中心Oに開口21a(開口21aは軽量化のための一手段であり必須の構成要件でない)及び開口21aの周囲に6つの孔部210が形成されている。なお、上部プラットフォーム21、下部プラットフォーム31、及びこれらを接続するロープ39により形成されるテンシルトラス(引張力が作用して伸縮し得る可撓性部材から構成されるトラス)の構成により、本例において仮想三角形の頂点A,B,Cとして示した頂点の数(すなわち、本例において仮想三角形とした仮想多角形の頂点の数)及び孔部210の数は変わり得る。また、後述する三角形多角形、及び頂点に関する記載において「仮想」を省いた表現を用いるとする。

0022

6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2は、それぞれ、下部ユニット30に接続される6つのロープのうちの対応するロープを個別に巻き取る又は巻き出す(特に断らない限り、単に、巻き取ると総称する)装置、部材等の集合である。巻取ユニット20A1及び20A2は、三角形ABCの頂点Aの近傍に配置されて、ロープ39を巻き取る。また、巻取ユニット20B1及び20B2は、頂点Bの近傍に配置されて、ロープ39を巻き取る。また、巻取ユニット20C1及び20C2は、頂点Cの近傍に配置されて、ロープ39を巻き取る。

0023

6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2は、それぞれ同様に構成される。ここでは代表して巻取ユニット20A1についてその構成を説明する。なお、図2Aにおいて、巻取ユニット20A1の構成各部に対応する巻取ユニット20A2,20B1,20B2,20C1及び20C2のそれらについて、説明及び符号付を省略する。

0024

図2Bは、側面視において、巻取ユニット20A1の構成を示す。巻取ユニット20A1は、上部プラットフォーム21上の頂点Aの近傍に配置された巻取部22、3つのシーブ23,24,25、及び張力測定部26を含む。

0025

巻取部22は、後述するシーブ23等を通ったロープ39を巻き取る装置であり、巻取ドラム22a及びモータ22b(例えば、サーボモータ)を有する。巻取ドラム22aは、ロープ39を巻回する円筒形状の胴部とその両端に外向きに張り出すフランジとを有する部材である。巻取部22は、巻取ドラム22aの巻取中心22a0が上部プラットフォーム21に設けられた対応する孔部210に正対する位置に配置されている。モータ22bは、Z方向に交差(ここでは一例としてZ方向に直交、すなわちX方向に平行)する巻取軸を有し、これにより減速機(不図示)を介して回転駆動するモータであり、上部プラットフォーム21の上面上に固定されている。ここで、巻取ドラム22aは、モータ22bの巻取軸に着脱可能に固定することができる。従って、巻取部22は、モータ22bを制御して巻取軸、すなわち巻取ドラム22aを回転することで、孔部210及び後述するシーブ25を介して上部プラットフォーム21の下方からロープ39をY方向(巻取部がロープを巻き取る方向を巻取方向と呼ぶ)に巻き取ることができる。

0026

上述の通り、モータ22bの巻取軸がX方向に平行であることで、巻取部22のZ方向の高さはXY方向の幅より小さい。それにより、巻取軸をZ方向に平行に設けた場合と比較して、上部ユニット20を小さい、特に低い空間内に納めることができる。また、モータ22bの巻取軸が水平であることから、例えば作業員が上部プラットフォーム21に搭乗して巻取ドラムを水平方向に引き抜くことができ、ロープ及び/又は巻取ドラムの保守及び交換が容易になる。

0027

シーブ23は、下部ユニット30から延伸するロープ39の牽引方向をXY方向に変更する綱車であり、頂点Aの近傍の上部プラットフォーム21の下面上に固定されている。シーブ23は、その周囲にV字又はU字状の溝を有し、その溝内でロープ39を支持する。ここで、シーブ23に巻かれるロープ39の中心Oからの最遠点A1は、中心Oと頂点Aを結ぶ仮想線と頂点Aの直近となるようシーブ23を配置する。隣り合う巻取ユニット20A2のために配置されるシーブ23は、巻取ユニット20A2における当該最遠点A2が中心Oと頂点Aを結ぶ仮想線に対して最遠点A1と対称となる位置に配置する。他の巻取ユニット20B1及び20B2における当該最遠点B1及びB2、並びに巻取ユニット20C1及び20C2における当該最遠点C1及びC2も、同様に配置される。

0028

シーブ24は、シーブ23と後述するシーブ25との間に設けられ、シーブ23を通ったロープ39の牽引方向をシーブ25の方向(すなわち、本実施形態においてはZ方向、或いは鉛直方向)を有するように変更する綱車であり、開口210の近傍の上部プラットフォーム21の下面上に支持部材260により固定されている。ここで、シーブ24に巻かれるロープ39の中心Oに対する最近点は開口210の直下に位置する。

0029

シーブ(スイベルシーブとも呼ぶ)25は、2つのシーブ23,24を通り且つ開口210を介したロープ39の牽引方向を巻取部22の巻取方向(すなわち、本実施形態においてはY方向、あるいは水平方向)を有するように変更する綱車であり、開口21aの近傍の上部プラットフォーム21の上面上に軸が固定されている。シーブ25は、対応する孔部210を介して上部プラットフォーム21上に立ち上がるロープ39を巻取ドラム22aの巻取中心22a0に向けるように配置される。ここで、シーブ25に巻かれるロープ39の中心Oに対する最近点は開口210の直上に位置する。また、シーブ25の中心と巻取ドラム22aの巻取中心22a0を結ぶ仮想線に対して、シーブ25の中心を基準とする巻取ドラム22aの両端の角度(一般にフリートアングルと呼ばれる)の制約条件(例えば、溝付きドラムの場合4度以内)を満たすように、巻取部22及びシーブ24,25が配置される。これに伴い、巻取部22とシーブ25との離間距離は十分長く、シーブ24とシーブ25との離間距離より長くなり、巻取部22とシーブ25との間のロープ39の長さはシーブ24とシーブ25との離間距離より長くなる。

0030

巻取ユニット20A1は、下部ユニット30から+Z方向に延びるロープ39を、順に3つのシーブ23,24,25を介して牽引方向を変えて、巻取部22により巻き取ることができる。ここで、上部プラットフォーム21の上側に巻取部22及びシーブ25を設け、上部プラットフォーム21の下側にシーブ23及び24を設けて下側の空間を有効に利用することで、上部ユニット20の特に上部プラットフォーム21の上側を小さい空間内に納めて、下部ユニット30が昇降する下側の空間を広くとることができる。

0031

張力測定部26は、シーブ24に加わるロープ39の張力を測定する。張力測定部26は、例えば、シーブ24の側面に一端が、支持部材260に他端が固定されたロードセルを含む。

0032

図2Cに、張力測定部26によるロープ39の張力測定の原理を示す。ロープ39は、シーブ23によりその方向をおよそ水平方向に変え、シーブ24により鉛直方向に変え、そしてシーブ25により巻取部22(図2Cでは不図示)の巻取方向に変える。ここで、シーブ24に固定されたロードセルの力を検出する方向は、シーブ23及び24の間のロープ39とシーブ24及び25の間のロープ39とがなす角度の中角方向(矢印の方向)Lに向けられている。ロープ39に張力(矢印の方向の力)が加わると、シーブ24にこれを中角方向に引く力が加わり、シーブ24に固定されたロードセルに曲げモーメントが作用する。張力測定部26は、ロードセルにより、これに作用する曲げモーメントを検出することでロープ39の張力を測定する。

0033

上述の巻取ユニット20A1の構成より、シーブ24は、上部プラットフォーム21の下側で下部ユニット30から延びるロープ39の牽引方向を水平方向に変えるシーブ23と上部プラットフォーム21の上側でロープ39の牽引方向を巻取部22の巻取方向に変えるシーブ25との間に配置されている。それにより、下部ユニット30が移動しても、シーブ24に係るロープ39がなす角度は常に一定となる。従って、張力測定部26は、ロードセルによりシーブ24に加わる中角方向Lへの力を検出することで、下部ユニット30の位置に依ることなく、ロープ39の張力を正確に測定することができる。

0034

図2Dは、下部ユニット30の構成例を示す。図中、6つのロープ39、これらに対して上部ユニット20にそれぞれ設けられたシーブ23、及び最遠点A1,A2,B1,B2,C1及びC2が併せて示されている。下部ユニット30は、上部ユニット20により巻き取られる6つのロープ39により上部ユニット20の下方に吊り下げ支持されるユニットであり、下部プラットフォーム31及び6つのシャックル32を含む。

0035

下部プラットフォーム31は、これに貨物を積載、またはこの下面に固定された把持装置により貨物を吊下する搬送台である。下部プラットフォーム31は、一例として3つの頂点a,b,cを有する(すなわち、3つの辺ab,bc,caからなる)三角形abcの中央を内側に含む形状を有する。なお、上部プラットフォーム21、下部プラットフォーム31、及びこれらを接続するロープ39により形成されるテンシルトラスの構成により、本例において三角形の頂点a,b,cとして示した頂点の数(すなわち、本例において三角形とした多角形の頂点の数)及びシャックル32の数は変わり得る。

0036

6つのシャックル32は、下部プラットフォーム31の上面上に固定された連結具であり、それぞれ6つのロープ39のうちの対応するロープの先端を傾動可能に軸留めする。2つのシャックル32は頂点aの近傍に配置され、2つの頂点B1,C2からそれぞれ降ろされる2つの巻取ユニット20B1,20C2のロープ39が接続される。なお、これら2つのシャックル32の軸心、すなわちロープ39の傾動中心を点a1及びa2とする。点a1及びa2は、頂点aの近傍に、下部プラットフォーム31の中心oと頂点aとを結ぶ仮想線に対して対称に配置される。また、2つのシャックル32は頂点bの近傍に配置され、2つの頂点C1,A2からそれぞれ降ろされる2つの巻取ユニット20C1,20A2のロープ39が接続される。なお、これら2つのシャックル32の軸心、すなわちロープ39の傾動中心を点b1及びb2とする。点b1及びb2は、頂点bの近傍に、下部プラットフォーム31の中心oと頂点bとを結ぶ仮想線に対して対称に配置される。また、2つのシャックル32は頂点cの近傍に配置され、2つの頂点A1,B2からそれぞれ降ろされる2つの巻取ユニット20A1,20B2のロープ39が接続される。なお、これら2つのシャックル32の軸心、すなわちロープ39の傾動中心を点c1,c2とする。点c1及びc2は、頂点cの近傍に、下部プラットフォーム31の中心oと頂点cとを結ぶ仮想線に対して対称に配置される。

0037

なお、下部ユニット30に、さらに、貨物等を把持する把持装置等、様々な形状、重量等の貨物を搬送するのに好適なアタッチメントを設けてもよい。アタッチメントは、下部プラットフォーム31の上面に設置してもよく、下面に設置してもよい。アタッチメントとして、例えば、2つの状のアームを有し、アームを開閉してそれらの先端をロール状貨物の中心穴差し入れ、支持して搬送するもの、握持部を先端に有するアームを含み、これを用いて対象物を握持して搬送するもの、吸着具を有し、これを用いて板状部材吸着して搬送するものなどを設けてもよい。

0038

複数(ここでは6)のロープ39は、上部ユニット20から下部ユニット30を吊り下げ支持するための可撓性部材であり、一例として鋼製のロープを採用することができる。6つのロープ39は、先述の通り、6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2によりそれぞれのシーブ23を介して、すなわち三角形ABCの頂点A,B,C近傍に位置する点A1,A2,B1,B2,C1,C2から吊り下げられ、それぞれの下端が下部ユニット30の6つのシャックル32に、すなわち三角形abcの頂点a,b,c近傍に位置する点c1,b2,a1,c2,b1及びa2を傾動中心として固定される。

0039

図3A及び図3Bは、それぞれ斜視及び上面視において、クレーン装置100における6軸テンシルトラスの座標系(例として直交座標系)を示す。上部ユニット20(図3A及び図3Bでは不図示)上の三角形ABCは、その中心を原点O上に、辺ABをX方向に平行に、頂点CをY軸上に配置する。下部ユニット30(図3A及び図3Bでは不図示)上の三角形abcは、その中心を原点O'上に、辺abをX'方向に平行に、頂点cをY'軸上に配置する。

0040

下部ユニット30(図3A及び図3Bでは不図示)が互いに等しい長さ(シーブ23とシャックル32との間の長さ)の6つのロープ39により吊り下げられた状態(中立状態と呼ぶ)において、下部ユニット30上の三角形abcは、その原点O'をZ軸上に位置し、辺abをX方向に平行に、頂点cをY軸上に配置する。すなわち、原点O'のXY位置は原点Oのそれに一致し、X'軸及びY'軸はそれぞれX軸及びY軸に平行になる。なお、原点O'を通るZ方向に平行な軸についての回転をθ方向への旋回又はθ旋回と呼び、その回転量(旋回量とも呼ぶ)を変数θにより表すこととする。この中立状態において、三角形abcは、XY方向について三角形ABCと中心を一致させ、3つの頂点a,b,cを三角形ABCの3つの辺BC,CA,ABに対向し、3つの辺ab,bc,caを三角形ABCの3つの頂点C,A,Bに対向する。

0041

6つのロープ39は、下部ユニット30(図3A及び図3Bでは不図示)上の多角形abcの3つの頂点a,b,cに対応する位置に各一対接続される。ただし、シャックル32は有限の大きさを有するため、各一対のシャックル32が3つの頂点a,b,cに対応して干渉することなく互いに離間して下部プラットフォーム31上に配置される。それにより、各一対の点a1,a2,b1,b2及びc1,c2はそれぞれ頂点a,b,及びcから離間し、また互いに離間する。なお、点a1,a2,b1,b2,c1及びc2は、三角形abcを内接する円Cabc上に位置する。

0042

6つのロープ39は、上部ユニット20(図3A及び図3Bでは不図示)上の多角形ABCの3つの頂点A,B,Cに対応する位置に各一対通される。ただし、シーブ23は有限の大きさを有するため、各一対のシーブ23が3つの頂点A,B,Cに対応して干渉することなく互いに離間して上部プラットフォーム21上に配置される。それにより、各一対の点A1,A2,B1,B2及びC1,C2はそれぞれ頂点A,B及びCから離間し、また互いに離間する。なお、点A1,A2,B1,B2,C1及びC2は、三角形ABCを内接する円CABC上に位置する。

0043

従って、6つのロープ39のうちの2つは、それぞれ、三角形abcの点aに対応する位置にある点a1及びa2と、点aに対向する三角形ABCの辺BCの両端の2つの頂点B,Cにそれぞれ対応する点B1,C2と、を結ぶ。これら2つのロープ39及び辺BCより1つのトラスaBCが構成される。また、別の2つは、それぞれ、三角形abcの点bに対応する位置にある点b1及びb2と、点bに対向する三角形ABCの辺CAの両端の2つの頂点C,Aにそれぞれ対応する点C1,A2と、を結ぶ。これら2つのロープ39及び辺CAより1つのトラスbCAが構成される。また、残りの2つは、それぞれ、三角形abcの点cに対応する位置にある点c1及びc2と、点cに対向する三角形ABCの辺ABの両端の2つの頂点A,Bにそれぞれ対応する点A1,B2と、を結ぶ。これら2つのロープ39及び辺ABより1つのトラスcABが構成される。なお、点a1と点B1との間のロープ、点a2と点C2との間のロープ、点b1と点C1との間のロープ、b2と点A2との間のロープ、点c1と点A1との間のロープ、及び点c2と点B2との間のロープをそれぞれトラス要素Ba,Ca,Cb,Ab,Ac,Bcと呼ぶ。

0044

図3Cは、下部ユニット30の移動による三角形abc及びその頂点a,b,cの変位の一例を示す。後述するように、クレーン装置100は、6つのロープをそれぞれ巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2により巻き取ることで下部ユニット30を上部ユニット20に対して駆動する。図示した例では、三角形abcはその原点O'をXY方向に移動するともに、XY面内で角θ(X軸に対するX'軸の角度)旋回している。また、下部ユニット30は、Z位置(Z方向に関する原点Oに対する原点O'の位置)に昇降することができる。下部ユニット30は、3つのトラスaBC,bCA,cABの構成及び配置より、点A1,A2,B1,B2,C1及びC2を有する六角形の領域内で各トラス要素Ba,Ca,Cb,Ab,Ac,Bcの張力が保たれる(すなわち各ロープ39に引張力が作用する)範囲内でXY方向に移動し、かつ各トラス要素Ba,Ca,Cb,Ab,Ac,Bcの張力が保たれる角度範囲(原理上、360度/トラスの数に等しい角度範囲)内でXY面内で旋回し、床面Fから上部ユニット20の直下までの範囲内で昇降することができる。

0045

図4に、制御部50の構成を示す。制御部50は、6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2に含まれる巻取部22により対応するロープ39の巻取量を制御することで、下部ユニット30を上部ユニット20に対して駆動するものであり、指示取得部51、決定部52、荷重算出部53、操作量算出部54、及び移動処理部55を含む。なお、制御部50は、コンピュータ、マイクロコントローラ等を含む情報処理装置制御用プログラムを実行させることによって具現されてもよい。

0046

指示取得部51は、携帯端末等の入力部59を介して、クレーン装置100の操作者からの下部ユニット30を最終目標位置へ移動させる指示を取得する。最終目標位置は、上部ユニット20に対する相対位置として与えられる。最終目標位置は、決定部52に送信される。

0047

決定部52は、下部ユニット30の現在位置、すなわち移動の開始位置から最終目標位置までの間を複数に時分割した区間毎に、各区間内における目標位置である区間目標位置を決定する。なお、時分割した区間が、下部ユニット30の移動の指令単位となる。区間目標位置は、操作量算出部54に送信される。

0048

荷重算出部53は、6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2にそれぞれ含まれる張力測定部26から測定結果を取得し、これに基づいて下部ユニット30に加わる荷重を算出する。算出された荷重は、操作量算出部54に送信される。荷重が既知の場合、入力部59を介して操作量算出部54に送信することもできる。

0049

操作量算出部54は、複数の区間のそれぞれについて、下部ユニット30を区間目標位置に移動させるための6つのロープ39のそれぞれを巻き上げる操作量を、決定部52から受信した区間目標位置等のデータ及び荷重算出部53から受信した下部ユニット30に加わる荷重等のデータに基づいて算出する。算出された操作量は、移動処理部55に送信される。

0050

移動処理部55は、開始位置から順に複数の区間のそれぞれについて算出された6つのロープ39のそれぞれの操作量を用いて6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2にそれぞれ含まれる6つの巻取部22を制御して、下部ユニット30を最終目標位置まで移動する。

0051

なお、制御部50は、荷重算出部53により6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2にそれぞれ含まれる張力測定部26から測定結果を取得することで、各ロープ39の過大又は過小な張力が検知された場合、下部ユニット30が障害物衝突した等の異常が生じたものとして、移動処理部55により下部ユニット30の駆動を停止するインターロック制御する障害検知部をさらに備えてもよい。

0052

図5は、制御部50による下部ユニット30の駆動制御のフローの一例を示す。

0053

テップS1において、制御部50の指示取得部51は、クレーン装置100の操作者からの下部ユニット30の移動指示を取得する。それにより、下部ユニット30の駆動制御が開始される。ここで、操作者は、入力部59を介して下部ユニット30の移動指示を入力することができる。移動指示は、下部ユニット30の最終目標位置Rを含む。なお、移動に要する時間(移動時間とも呼ぶ)T、下部ユニット30に加わる荷重M等をさらに含んでもよい。

0054

最終目標位置R(=(X,Y,Z,θ))は、X方向の最終目標位置X、Y方向の最終目標位置Y、Z方向の最終目標位置Z、及びXY面内での回転(旋回又はθ旋回と呼ぶ)方向の最終目標旋回量θにより与えられる。なお、最終目標位置に代えて、現在位置からの変位量を与えることとしてもよい。従って、下部ユニット30は、X方向への移動、Y方向への移動、Z方向への移動、及びXY面内での旋回の任意の組み合わせにより、最終目標位置Rに移動することができる。

0055

なお、本実施形態では、下部プラットフォーム31の姿勢を維持しつつ下部ユニット30を移動する目的より、下部ユニット30の傾き、すなわちX'軸及びY'軸に関する回転はゼロとして処理する。ただし、下部ユニット30を、偏荷重が加わることにより傾いた状態で移動してもよい。係る場合、下部ユニット30の傾きも考慮することとする。

0056

ステップS2において、制御部50の決定部52は、区間目標位置R1〜RNを決定する。

0057

まず、決定部52は、指示取得部51から最終目標位置Rを受信すると、基準時間Tnを定める。基準時間Tnは、予め与えられた又は操作者により入力部59を介して入力された移動時間Tを予め定められた単位時間ΔTで分割することで、Tn=nΔTと定められる。ここで、基準時間の数をN(すなわち、n=1〜N)とする。従って、移動時間Tは、N(=T/ΔT)の区間ΔTn(n=1〜N)に分割される。

0058

次に、決定部52は、各区間ΔTn(n=1〜N)における移動速度Vn(n=1〜N)を定める。ここで、下部ユニット30をX方向、Y方向、Z方向、及びθ旋回方向の任意の組み合わせにより移動する場合、各方向についての移動の開始及び終了がともに同時となるように移動速度を定める。また、決定部52は、図6に示すように、移動の開始後の加速期間の間、移動速度を例えばS字状(例えば、S字状とは、加速度が連続的に変化することが望ましい)に上昇し、移動の終了前の減速期間の間、移動速度を例えば逆S字状に減少し、加速期間と減速期間との間の定速期間の間、移動速度を定速とする。なお、加速期間は、移動の開始後の連続する2以上の区間を含み、減速期間は、移動の終了前の連続する2以上の区間を含む。また、S字状とは、連続又は連続且つ滑らかな任意のカーブにより表現することができる速度変化の態様である。なお、下部ユニット30のX方向、Y方向、Z方向、及びθ旋回方向のそれぞれの移動の開始又は終了のタイミングは同時でなく、時系列的に連続するよう移動速度を定めてもよい。

0059

最後に、決定部52は、各基準時間Tn(n=1〜N)における区間目標位置Rn(n=1〜N)を定める。区間目標位置Rnは、上で定められた移動速度Vn(n=1〜N)を用いて、例えばRn=R0+Σn=1〜nVnΔTと求められる。ただし、R0=(X0,Y0,Z0,θ0)は下部ユニット30の移動開始時における位置であり、RN=Rを満たす。以上のように、加速期間、定速期間、及び減速期間を含めて各区間の移動速度を決定することで、下部ユニット30位置制御を実現している。

0060

ステップS3において、制御部50の荷重算出部53は、下部ユニット30に加わる荷重Mを算出する。荷重Mは、6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2にそれぞれ含まれる張力測定部26による張力(軸力とも呼ぶ)の測定結果を用いて算出することができる。

0061

なお、荷重Mの算出は、例えば、下部ユニット30に貨物を積載した場合に実行するものとし、貨物を積載せず下部ユニット30に加わる荷重が変わらない場合、ステップS1において操作者により入力される場合などには省略してもよい。

0062

ステップS4において、制御部50は、インデックスnを1にセットする。

0063

ステップS5において、制御部50の操作量算出部54は、下部ユニット30の初期位置(例えばX方向、Y方向、及びθ旋回方向の移動がない状態でのZ方向のある位置を基準とする)から区間目標位置Rn(ここではR1)に対して6つのロープ39のそれぞれの巻き上げの操作量を算出する。

0064

下部ユニット30のX方向、Y方向、Z方向、及びθ旋回方向の移動の区間目標位置Rnとロープ39の巻取量の関係は、一般に構造力学分野で知られている立体トラスにおけるトラス要素(すなわち、ロープ39)にかかる軸力と変位との関係を応用することで解析的に得ることができる。すなわち、下部ユニット30の移動に伴って6つのロープ39の長さ、すなわち6つのトラス要素Ac,Ab,Ba,Bc,Cb,Caの長さ(軸長と呼ぶ)が変わることによるトラスの形状変化とこれと同時に変化する軸力変化に伴うロープ39の伸び量、すなわち軸長の伸び量の変化とがあり、これらの和又は差分からロープ39の必要巻取量を算出することができる。

0065

トラスの形状変化は、下部ユニット30の移動に伴う6つのロープ39の長さの変化に等価であり、上部プラットフォーム21の下側に配置された6つのシーブ23と下部プラットフォーム31の上面に配置された6つのシャックル32を結ぶそれぞれ6つのロープ39の立体座標系における座標上端座標及び下端座標と呼ぶ)より一意に定まる。6つのロープ39の座標は、下部ユニット30のX方向、Y方向、Z方向、及びθ旋回方向の各移動量を変数として関数式化することができる。

0066

軸力変化は、局部座標系における単純な軸方向の力と伸びの関係を立体座標系で表すことで得ることができる。ここで、局部座標系は、立体座標系に対して、6つのロープ39の上端座標及び下端座標の軸をもとにした座標系である。上部プラットフォーム21の下面に配置された6つのシーブ23を固定端、下部プラットフォーム31の上面に配置された6つのシャックル32を可動端みなすことができるので、各軸力は、6つのロープ39の立体座標系に対する方向余弦を用いて、可動端である軸下端にかかる外力のX,Y,Z方向成分と各方向余弦との積のそれぞれの和として表される。

0067

一方、上部プラットフォーム21の下側に配置された6つのシーブ23と下部プラットフォーム31の上面に配置された6つのシャックル32を結ぶそれぞれ6つのロープ39で構成される立体系において、下部プラットフォーム31の移動に伴う並進及び回転に関する力の釣合成立しなければならない。

0068

これらの関係式解くことで、各軸力が、下部ユニット30のX方向、Y方向、Z方向、及びθ旋回方向の移動量に対して関数式化される。

0069

従って、6つのロープ39のそれぞれの必要巻取量は、下部ユニット30のX方向、Y方向、Z方向、及びθ旋回方向の移動量に対するトラスの形状変化を表す関数式と軸力変化を表す関数式とを用いて関数式化され、操作量算出部54に組み込まれている。

0070

操作量算出部54は、6つのロープ39のそれぞれの必要巻取量の関数式を用いることで、トラスの形状変化に伴う各軸長の変量及びトラスの軸力変化に伴う各軸長の伸びの変量に基づいて、区間目標位置Rnに対して6つのロープ39のそれぞれの巻き取りの操作量を算出する。下部ユニット30が移動することにより、トラスが変形することで軸長が変化し、そしてトラス要素が傾き、軸力が変化することでロープ39の伸び量が変化する。従って、各軸長の変量のみから6つのロープ39の巻き取りの操作量を決定するだけでなく、さらに各軸長の伸びの変量を逐次考慮して操作量を補正することで、すなわち軸長の変量と軸長の伸びの変量の和により操作量を与えることで、姿勢を維持しつつ高い安定性及び高い位置決め精度で下部ユニット30を区間目標位置Rn、ひいては最終目標位置Rに移動することができる。

0071

なお、6つのロープ39のそれぞれの巻き取りの操作量を算出する際に、各軸長の変量及び各軸長の伸びの変量だけでなく、複数の巻取部22のそれぞれから対応するシャックル32までの長さの変化および6つのロープ39のそれぞれの伸び量の変化を考慮する。さらに、巻取部22により巻取ドラム22aに巻き取られたロープ39の伸びを考慮することとしてもよい。なお、ロープ30の伸び及び/又は伸びの変量は、例えば、操作量算出部54が軸長の伸び及び/又は伸びの変量並びに軸力をロープ39の巻き取り位置に対して記憶し、巻取ドラム22aからロープ39を巻き出す際に、その時の軸力と巻き取った時の軸力を比較して、巻き取り時におけるロープ30の伸び及び/又は伸びの変量を用いてロープ39の巻き出し量を補正してもよい。

0072

ステップS6では、制御部50の移動処理部55は、区間目標位置Rn(ここではR1)に対してステップS5において算出された操作量を用いて、6つの巻取ユニット20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2にそれぞれ含まれる6つの巻取部22を制御して、6つのロープ39をそれぞれ巻き取る。それにより、下部ユニット30は、区間目標位置Rnまで移動する。

0073

なお、移動処理部55は、区間ΔTnにおいて、6つの巻取部22を制御して、6つのロープ39をそれぞれの操作量に応じた一定の速度で巻き取ってよい。

0074

ステップS7では、制御部50は、現在位置rをRnに更新する。

0075

ステップS8では、制御部50は、インデックスnがNに等しいか否かを判断する。判断が肯定されると、制御部50は、移動制御のフローを終了する。判断が否定されると、制御部50は、ステップS9に移行する。

0076

ステップS9では、制御部50は、インデックスnを1インクリメントしてステップS3に戻る。制御部50は、ステップS7における判断が肯定されるまで、ステップS5からS8を繰り返す。それにより、下部ユニット30は、最終目標位置R(=RN)まで移動する。

0077

なお、各区間ΔTn(n=1−N)において、6つのロープ39はそれぞれ6つの巻取部22により一定の速度で巻き取られるが、連続する2以上の区間について巻取速度増減することで、下部ユニット30は、加速期間においては加速、定速期間においては定速移動、減速期間においては減速する。

0078

図7Aは、下部ユニット30のY方向への移動量に対するロープ39の巻き取り量の関係の一例を示す。例えば下部ユニット30をマイナス側からプラス側にY方向に移動する場合、巻取ユニット20C1及び20C2により巻き取られるロープ39の量は、下部ユニット30の移動に伴い、傾きを小さくしつつ減少し(すなわちロープ39は巻出し速度を下げつつ巻出され)、巻取ユニット20A1及び20B2により巻き取られるロープ39の量は、下部ユニット30の移動に伴い、減少し(すなわちロープ39は巻き出され)、傾きを正の方向に大きくしつつ増大し(すなわちロープ39は巻き取り速度を正の方向に上げつつ巻き取られ)、巻取ユニット20A2及び20B1により巻き取られるロープ39の量は、下部ユニット30の移動に伴い、傾きを大きくしつつ増大する(すなわちロープ39は巻き取り速度を上げつつ巻き取られる)。このようにロープ39を移動量に対して非線形的に巻き取る又は巻き出すことにより、下部ユニット30をY方向に定速で移動することができる。

0079

図7Bは、下部ユニット30のX方向への移動量に対するロープ39の巻き取り量の関係の一例を示す。例えば下部ユニット30をマイナス側からプラス側にX方向に移動する場合、巻取ユニット20A1,20A2,及び20C1により巻き取られるロープ39の量は、下部ユニット30の移動に伴い、傾きを小さくしつつ減少し(すなわちロープ39は巻出し速度を下げつつ巻出され)、巻取ユニット20B1,20B2,及び20C2により巻き取られるロープ39の量は、下部ユニット30の移動に伴い、傾きを大きくしつつ増大する(すなわちロープ39は巻き取り速度を上げつつ巻き取られる)。このようにロープ39を移動量に対して非線形的に巻き取る又は巻き出すことにより、下部ユニット30をX方向に定速で移動することができる。

0080

図7Cは、下部ユニット30のθ方向への旋回量に対するロープ39の巻き取り量の関係の一例を示す。例えば下部ユニット30をマイナス側からプラス側にθ方向に旋回する場合、巻取ユニット20A1,20B1,及び20C1により巻き取られるロープ39の量は、下部ユニット30の旋回に伴い、傾きを小さくしつつ減少し(すなわちロープ39は巻出し速度を下げつつ巻出され)、巻取ユニット20A2,20B2,及び20C2により巻き取られるロープ39の量は、下部ユニット30の移動に伴い、傾きを大きくしつつ増大する(すなわちロープ39は巻き取り速度を上げつつ巻き取られる)。このようにロープ39を旋回量に対して非線形的に巻き取る又は巻き出すことにより、下部ユニット30をθ方向に定速で旋回することができる。

0081

本実施形態における下部ユニット30の駆動制御は、下部ユニット30の位置及び姿勢を上述の通りフィードバック制御するため、操作者は最終目標位置及び移動時間を指定するのみで下部ユニット30を簡便且つ高い位置決め精度で駆動制御することができる。

0082

なお、本実施形態のクレーン装置100は、上部ユニット20から6つのロープ39により下部ユニット30を吊り下げ支持する6軸テンシルトラスクレーン装置としたが、ロープの数、すなわちトラス要素の数は6に限らず、それ以上の数、例えば8でもよい。

0083

図8は、巻取ユニット120A1及び下部ユニット130の変形構成の一例を側面視において示す。巻取ユニット120A1は、上部プラットフォーム21上の頂点Aの近傍に配置された巻取部22、及び2つのシーブ23,25を含む。なお、巻取ユニット120A1及び下部ユニット130に対応する構成各部について、同じ符号を付することとし、併せてその詳細説明を省略する。

0084

巻取部22は、シーブ23,25を通ったロープ39を巻き取る装置であり、巻取ドラム22a及びモータ22bを有する。ここで、上部プラットフォーム21上の頂点A1に孔部210が設けられ、これに正対する位置に巻取ドラム22aの巻取中心が配置されている。巻取部22は、モータ22bを制御して巻取ドラム22aを回転することで、孔部210及びシーブ25を介して上部プラットフォーム21の下方からロープ39を巻取方向(本実施形態ではY方向、或いは水平方向)に巻き取る。

0085

シーブ23は、下部ユニット130から延伸するロープ39の牽引方向をZ方向に変更する綱車であり、頂点Aの近傍の上部プラットフォーム21の下面上に固定されている。

0086

シーブ25は、シーブ23を通り且つ開口210を介したロープ39の牽引方向を巻取部22の巻取方向(すなわち、本実施形態においてはY方向、あるいは水平方向)を有するように変更する綱車であり、シーブ25に巻かれるロープ39の中心Oからの最遠点が頂点A1上に位置するように、また孔部210を介して上部プラットフォーム21上に立ち上がるロープ39を巻取ドラム22aの巻取中心22a0に向けるように、上部プラットフォーム21の上面上に配置されている。

0087

巻取ユニット120A1は、下部ユニット130から+Z方向に延びるロープ39を、順に2つのシーブ23,25を介して牽引方向を変えて、巻取部22により巻き取ることができる。

0088

下部ユニット130は、下部プラットフォーム31、6つのシャックル32、及び6つの張力測定部26を含む。ただし、図中、6つのシャックル32及び6つの張力測定部26のうち、巻取ユニット120A1に対応するシャックル32及び張力測定部26のみが示されている。

0089

シャックル32は、支持部材260により、下部プラットフォーム31の上面上の頂点aの近傍に固定され、6つのロープ39のうちの対応するロープの先端を傾動可能に軸留めする。

0090

図8の変形構成の一例において張力測定部26は、シャックル32に加わるロープ39の張力を測定する。張力測定部26は、例えば、シャックル32の側面に一端が、支持部材260に他端が固定されたロードセルを含む。ロープ39に張力が加わると、シャックル32に、これをロープ39が延びる方向に引く力が加わり、シャックル32に固定されたロードセルに曲げモーメントが作用する。張力測定部26は、ロードセルにより、これに作用する曲げモーメントを検出することでロープ39の張力を測定する。ただし、上部ユニット20に対する下部ユニット130の位置によりロープ39の傾きが変わることで、ロードセルに作用する曲げモーメントの方向が変わり、測定される張力の大きさが変わり得る。そこで、張力測定部26は、ロープ39の傾き、或いはロードセルに作用する曲げモーメントの方向を併せて検出し、その結果を用いて曲げモーメントの検出結果を補正することでロープ39の張力を測定することとしてもよい。

0091

図9は、本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、及びSDカード2040を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。

0092

ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレームバッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。

0093

入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速入出力装置である通信インターフェイス2030、SDカード2040を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。SDカード2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラム及びデータを格納する。

0094

また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。入出力チップ2070は、例えばパラレルポートシリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。

0095

RAM2020を介してSDカード2040に提供されるプログラムは、利用者によって提供される。プログラムは、SDカード2040から読み出され、CPU2000において実行される。

0096

コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を制御部50として機能させるプログラムは、指示取得モジュール決定モジュール、荷重算出モジュール、操作量算出モジュール、及び移動処理モジュールを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、指示取得部51、決定部52、荷重算出部53、操作量算出部54、及び移動処理部55としてそれぞれ機能させる。

0097

これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である指示取得部51、決定部52、荷重算出部53、操作量算出部54、及び移動処理部55として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御部50が構築される。

0098

一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、SDカード2040等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データ読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクトメモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。

0099

また、CPU2000は、SDカード2040に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。

0100

また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチン呼び出す

0101

また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。

0102

また、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。

0103

以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスクCD−ROM、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体テープ媒体ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。

0104

以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

0105

特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。

0106

10…駆動ユニット、12…第1駆動部、12a…ガイド、12a0…支持部材、12b…駆動装置、14…第2駆動部、14a…ガイド、14a0…支持部材、14b…駆動装置、20…上部ユニット、20A1,20A2,20B1,20B2,20C1,20C2…巻取ユニット、21…上部プラットフォーム、210…開口、22…巻取部、22a…巻取ドラム、22b…モータ、23…シーブ、24…シーブ(スイベルシーブ)、25…シーブ、26…張力測定部、260…支持部材、30…下部ユニット、31…下部プラットフォーム、32…シャックル、39…ワイヤロープ(ロープ)、50…制御部、51…指示取得部、52…決定部、53…荷重算出部、54…操作量算出部、55…移動処理部、59…入力部、100…テンシルトラスクレーン装置(クレーン装置)、120A1…巻取ユニット、130…下部ユニット、1900…コンピュータ、2000…CPU、2010…ROM、2020…RAM、2030…通信インターフェイス、2040…SDカード、2070…入出力チップ、2075…グラフィック・コントローラ、2080…表示装置、2082…ホスト・コントローラ、2084…入出力コントローラ、Ac,Ab,Ba,Bc,Cb,Ca…トラス要素、F…床面、W…壁面、W0…段部。

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