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技術 自動車車体の前部構造

出願人 豊田鉄工株式会社
発明者 小林秀幸
出願日 2015年12月18日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2015-247631
公開日 2017年6月22日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-109697
状態 未査定
技術分野 車両用車体構造
主要キーワード 一体的結合 隙間範囲 軸連結部材 塑性破壊 相対移動不可 締結用孔 回動中心線 徐行走行
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重要な関連分野

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図面 (7)

課題

自動車車体サイドメンバラジエータサポートとの相対移動可能とする連結部を、重量増及び強度アップを要することなく、ラジエータ後方移動を図る。

解決手段

ブラケット30と、ラジエータサポート28と、前記ブラケット30と前記ラジエータサポート28とを前面衝突の際の荷重作用方向に相対移動可能に連結する連結部32とを有する。そして、前記ブラケット30と前記ラジエータサポート28には、軸締結用孔42が穿設されて、軸締結部材により締結されており、前記軸締結用孔42は、前面衝突の際の荷重作用方向の後方に開口した開口部43を有して形成されている。

概要

背景

従来から、自動車徐行走行ベル(7〜8Km/h以下)での前面軽衝突におけるラジエータの保護を図るため、ラジエータは、ある程度の範囲、後方に移動可能として配置されている。ラジエータは、自動車の走行風を受けてエンジン冷却水の冷却を図るものであり、軽衝突後においてエンジン運転可能とするためにも重要な装置である。また、ラジエータは製造コストが高価であるため、修理費の軽減を図るうえからも保護が図られている。

ラジエータは、バンパ構造とエンジンとの間に配置される。エンジンとラジエータとの間には、両者をそれぞれ独立させて自動車車体に搭載する関係上、所定の配置隙間が設けられる。この隙間を利用して前面からの軽衝突時にラジエータに衝突荷重が作用した場合、ラジエータを衝突荷重作用方向(後方)に移動させて、ラジエータが損傷しないようにしている。

一般に、ラジエータは枠状のラジエータサポートに支持されている。そして、ラジエータサポートは、ブラケット等を介して自動車車体のサイドメンバに連結されて、支持される構成となっている。この構成において、サイドメンバ側となる第1メンバ部位とラジエータサポート側となる第2メンバ部位とを前面衝突の際の荷重作用方向に相対移動可能として配置して、ラジエータの後方移動を可能としている。このための構成として下記特許文献で示すような各種構成の提案がなされている。

下記特許文献1では、冷却系部品(ラジエータ)の上部、下部が支持ブラケットを介して、それぞれアッパロア梁部に支えられている。そして、アッパ梁部及び下部支持ブラケットが車体後方に向けてスライド可能に支持される構成としている。これにより、軽衝突時に、それぞれを車体後方に向けてスライド移動可能としている。

下記特許文献2では、連結部のメンバ部位に、車両前後方向に長い長孔と、当該長孔の後端側にブラケットとラジエータサポートを締結するための締結孔が設けられる。通常は当該締結孔位置で締結されている。所定以上の車両後方側への衝突荷重入力により当該締結された脆弱部破断又は変形して、締結位置を長孔の後端側から前端側へ相対的に変位させて、ラジエータの後方移動を可能としている。

下記特許文献3では、ラジエータサポートのサイドメンバに当接ブラケット取付けられている。この当接ブラケットに車両の後側に向かって所定値以上の衝突荷重が加えられると、上方に設定された回動中心線まわりにラジエータサポートが回動し、これに伴いラジエータが車両の後方側へ移動する。

概要

自動車車体のサイドメンバとラジエータサポートとの相対移動可能とする連結部を、重量増及び強度アップを要することなく、ラジエータの後方移動をる。ブラケット30と、ラジエータサポート28と、前記ブラケット30と前記ラジエータサポート28とを前面衝突の際の荷重作用方向に相対移動可能に連結する連結部32とを有する。そして、前記ブラケット30と前記ラジエータサポート28には、軸締結用孔42が穿設されて、軸締結部材により締結されており、前記軸締結用孔42は、前面衝突の際の荷重作用方向の後方に開口した開口部43を有して形成されている。

目的

本発明は上記した問題を解決するために創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ラジエータの後方移動を図るための構成である、自動車車体のサイドメンバ側とラジエータサポート側との相対移動可能とする連結部の構成を、重量増及び強度アップを要することなく達成することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

自動車車体サイドメンバと、ラジエータを支持するラジエータサポートと、前記サイドメンバ側と、前記ラジエータサポート側とを、自動車前面衝突の際の荷重作用方向に相対移動可能に連結する構成とされた連結部と、前記連結部を構成する前記サイドメンバ側となる第1メンバ部位、および前記ラジエータサポート側となる第2メンバ部位と、を有し、前記第1メンバ部位と前記第2メンバ部位は面状に形成されて、縦方向に重ね合わされて前面衝突の際の荷重作用方向に向いて配設されており、前記重ね合わされた第1メンバ部位と第2メンバ部位とは、軸締結用孔穿設されて、該軸締結用孔を通じて軸締結部材締結されており、前記第1メンバ部位に穿設される軸締結用孔は、前記前面衝突の際の荷重作用方向に向けて後方に開口した開口部を有して形成されている自動車車体の前部構造

請求項2

請求項1に記載の自動車車体の前部構造であって、前記第1メンバ部位に穿設される軸締結用孔の開口部の下方位置には、後方に延設される支持部位が設けられている自動車車体の前部構造。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の自動車車体の前部構造であって、前記第1メンバ部位は、前記サイドメンバとラジエータサポートの枠状に形成された縦柱部位との間に配設されるブラケットであり、当該ブラケットはサイドメンバと相対移動不可に一体的に結合されている自動車車体の前部構造。

請求項4

請求項3に記載の自動車車体の前部構造であって、前記ブラケットの配設位置は、ラジエータサポートの縦柱部位の縦方向の中央位置である自動車車体の前部構造。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれかの請求項に記載の自動車車体の前部構造であって、前記第1メンバ部位に穿設される軸締結用孔の開口部の開口の大きさは前記軸締結部材の軸径より狭く設定されている自動車車体の前部構造。

技術分野

0001

本発明は、自動車車体前部構造に関する。詳細には、自動車徐行走行ベルでの前面軽衝突の際に、自動車の前部位置に配設されるラジエータの保護を図る自動車車体の前部構造に関する。

背景技術

0002

従来から、自動車の徐行走行レベル(7〜8Km/h以下)での前面軽衝突におけるラジエータの保護を図るため、ラジエータは、ある程度の範囲、後方に移動可能として配置されている。ラジエータは、自動車の走行風を受けてエンジン冷却水の冷却を図るものであり、軽衝突後においてエンジン運転可能とするためにも重要な装置である。また、ラジエータは製造コストが高価であるため、修理費の軽減を図るうえからも保護が図られている。

0003

ラジエータは、バンパ構造とエンジンとの間に配置される。エンジンとラジエータとの間には、両者をそれぞれ独立させて自動車車体に搭載する関係上、所定の配置隙間が設けられる。この隙間を利用して前面からの軽衝突時にラジエータに衝突荷重が作用した場合、ラジエータを衝突荷重作用方向(後方)に移動させて、ラジエータが損傷しないようにしている。

0004

一般に、ラジエータは枠状のラジエータサポートに支持されている。そして、ラジエータサポートは、ブラケット等を介して自動車車体のサイドメンバに連結されて、支持される構成となっている。この構成において、サイドメンバ側となる第1メンバ部位とラジエータサポート側となる第2メンバ部位とを前面衝突の際の荷重作用方向に相対移動可能として配置して、ラジエータの後方移動を可能としている。このための構成として下記特許文献で示すような各種構成の提案がなされている。

0005

下記特許文献1では、冷却系部品(ラジエータ)の上部、下部が支持ブラケットを介して、それぞれアッパロア梁部に支えられている。そして、アッパ梁部及び下部支持ブラケットが車体後方に向けてスライド可能に支持される構成としている。これにより、軽衝突時に、それぞれを車体後方に向けてスライド移動可能としている。

0006

下記特許文献2では、連結部のメンバ部位に、車両前後方向に長い長孔と、当該長孔の後端側にブラケットとラジエータサポートを締結するための締結孔が設けられる。通常は当該締結孔位置で締結されている。所定以上の車両後方側への衝突荷重入力により当該締結された脆弱部破断又は変形して、締結位置を長孔の後端側から前端側へ相対的に変位させて、ラジエータの後方移動を可能としている。

0007

下記特許文献3では、ラジエータサポートのサイドメンバに当接ブラケット取付けられている。この当接ブラケットに車両の後側に向かって所定値以上の衝突荷重が加えられると、上方に設定された回動中心線まわりにラジエータサポートが回動し、これに伴いラジエータが車両の後方側へ移動する。

先行技術

0008

特開2009−137482号公報
特開2006−256461号公報
特開2009−262693号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかし、上述した各特許文献に示される構成では、次のような問題がある。特許文献1に示される構成では、ブラケットに直接荷重が作用する構造のため、ブラケットに強度が必要であり、重量増となる。

0010

また、特許文献2及び特許文献3に示される構成では、長孔のため、車両後方へのスライド量が限られる。なお、スライド量を増やすため、すなわち、長孔を長くするためには、ブラケットの強度アップが必要となる。

0011

而して、本発明は上記した問題を解決するために創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ラジエータの後方移動を図るための構成である、自動車車体のサイドメンバ側とラジエータサポート側との相対移動可能とする連結部の構成を、重量増及び強度アップを要することなく達成することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するため、本発明は次の手段をとる。

0013

本発明に係る自動車車体の前部構造は、自動車車体のサイドメンバと、ラジエータを支持するラジエータサポートと、前記サイドメンバ側と、前記ラジエータサポート側とを、自動車の前面衝突の際の荷重作用方向に相対移動可能に連結する構成とされた連結部と、前記連結部を構成する前記サイドメンバ側となる第1メンバ部位、および前記ラジエータサポート側となる第2メンバ部位と、を有する。

0014

そして、前記第1メンバ部位と前記第2メンバ部位は面状に形成されて、縦方向に重ね合わされて前面衝突の際の荷重作用方向に向いて配設されており、前記重ね合わされた第1メンバ部位と第2メンバ部位とは、軸締結用孔穿設されて、該軸締結用孔を通じて軸締結部材が締結されており、前記第1メンバ部位に穿設される軸締結用孔は、前記前面衝突の際の荷重作用方向に向けて後方に開口した開口部を有して形成されている。

0015

上記本発明によれば、自動車の前面衝突により比較的軽微な衝突荷重が作用した場合には、サイドメンバ側となる第1メンバ部位とラジエータサポート側となる第2メンバ部位との連結部が相対移動する。この相対移動は、第1メンバ部位と第2メンバ部位とを連結していた軸締結部材が、第1メンバ部位に穿設された軸締結用孔の開口部から外れることにより行われる。これにより、軸締結部材と一体的関係にある第2メンバ部位のラジエータサポート及びラジエータは、衝突荷重により損傷することなく後方へ移動し、保護が図られる。なお、本説明における方向は、自動車の運転者から見た方向として示している。

0016

そして、サイドメンバ側となる第1メンバ部位とラジエータサポート側となる第2メンバ部位との連結部の相対移動、具体的にはラジエータの後方移動は、軸締結部材が、第1メンバ部位に穿設された軸締結用孔の開口部から外れることにより行われる。このため、ラジエータの後方移動範囲は、ラジエータとエンジンとの配置隙間範囲最大限利用して行うことができ、従来のように長孔の範囲に制約されることがない。

0017

また、相対移動可能とする連結部の構成は、軸締結用孔に開口部を設ける構成であるので、その構成をコンパクトなものとすることができ、連結部の構成の重量増加や強度アップを抑えることができる。

0018

なお、上記の本発明は次の態様とすることができる。

0019

先ず、前記第1メンバ部位に穿設される軸締結用孔の開口部の下方位置には、後方に延設される支持部位が設けられている構成とすることができる。この構成とすることにより、自動車の前面衝突により第1メンバ部位と第2メンバ部位とを締結している軸連結部材は、第1メンバ部位の軸締結用孔から外れ、後方に移動する。その際、軸締結部材は支持部位により支持され、下方に落下することが阻止される。したがって、後方移動するラジエータの落下が防止される。

0020

次に、前記第1メンバ部位は、前記サイドメンバとラジエータサポートの枠状に形成された縦柱部位との間に配設されるブラケットであり、当該ブラケットはサイドメンバと相対移動不可に一体的に結合されている構成とすることができる。この構成によれば、開口部を有する軸締結用孔をブラケットに設定することになるので、連結部の構成をより簡素な構成とすることができる。

0021

次に、前記ブラケットの配設位置は、ラジエータサポートの縦柱部位の縦方向の中央位置である構成とすることができる。この構成によれば、連結部の位置も中央位置となり、前面軽衝突におけるラジエータの後方移動が安定した状態で行われる。

0022

次に、前記第1メンバ部位に穿設される軸締結用孔の開口部の開口の大きさは前記軸締結部材の軸径より狭く設定されている構成とすることができる。この構成によれば、軸締結部材による第1メンバ部位に穿設される軸締結用孔への締結の位置決めが確実に行われる。すなわち、通常状態では、軸締結用孔の開口部の開口を通じて軸締結部材は外れることはないので、軸締結部材は位置決めされる。なお、衝突荷重が作用した際には、軸締結部材の軸径より狭く設定された開口部の部位は塑性破壊されて、軸締結部材は後方へ移動する。

発明の効果

0023

上述した手段の本発明によれば、本発明が解決しようとする課題は、ラジエータの後方移動を図るための構成である、自動車車体のサイドメンバ側とラジエータサポート側との相対移動可能とする連結部の構成を、重量増及び強度アップを要することなく達成することができる。

図面の簡単な説明

0024

本発明の実施形態に係る自動車の前部構造の配置構成を示す模式図である。
本実施形態の連結部の構成をスケルトンで示す模式図である。
本実施形態のブラケットとラジエータサポートとの連結部の構成を示す概略斜視図である。
本実施形態のブラケットを示す斜視図である。
本実施形態の具体的構成を示す斜視図である。
本実施形態の連結部の具体的構成を示す斜視図である。

実施例

0025

以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は本実施形態の自動車の前部構造を模式的に示したものである。なお、本説明のおける方向表示は自動車の通常走行状態での運転者から見た方向である。Fが前方、Rが後方、Hが上方、Dが下方である。

0026

先ず、図1に基づいて、本実施形態の自動車の前部構造10の概略を説明する。自動車の前部位置には、バンパ構造12、ラジエータ14、エンジン16が配置されている。これらは直接または間接的に自動車車体18に支持されている。バンパ構造12が最前部に配置されており、自動車の前部衝突の際、最初に衝突荷重を受ける。次いで、ラジエータ14が配設されている。そして、ラジエータ14の後方にエンジン16が配置されている。ラジエータ14とエンジン16は自動車車体18により形成されるエンジンルーム20内に配置されている。

0027

ラジエータ14はエンジン16の冷却水を冷却するものである。そのため、ラジエータ14とエンジン16とは冷却水を流通するための可撓性パイプ22で接続されている。ラジエータ14とエンジン16とはそれぞれ別個に自動車車体18に支持されることから、両者14,16の前後方向には所定の配置間隔隙間Xが形成されている。このため、ラジエータ14は衝突荷重が作用した際に、損傷を伴うことなく、この隙間Xだけ後方に移動が可能とされる。当該Xは自動車の種類によって異なるが、普通には80mm程度である。

0028

エンジン16はエンジンルーム20内に配設された自動車車体18のクロスメンバ24に支持されている。クロスメンバ24は左右のサイドメンバ26をつなぐ部材として配置されている。エンジン16には通常冷却ファン17が設けられている。また、エンジン16の配置形態としては、縦置き、横置きがある。なお、バンパ構造12は、その両端部でクラッシュボックス34を介して自動車車体18のサイドメンバ26に支持されている。

0029

ラジエータ14はラジエータサポート28に支持されて、ラジエータサポート28がブラケット30を介して自動車車体18のサイドメンバ26に支持されている。この支持構造がスケルトン図として図2に示されている。図2は本発明で言う連結部32の構成を示すものである。本実施形態の連結部32は、本発明で言うラジエータサポート28側の第2メンバ部位がラジエータサポート28の縦柱部位28Aとなっており、サイドメンバ26側の第1メンバ部位がサイドメンバ26と一体的に連結されているブラケット30となっている。この連結部32におけるブラケット30の詳細構造は後述する。

0030

図2に示されるように、ブラケット30は断面L字形とされている。その一片30Aはラジエータサポート28の縦柱部位28Aに面して配設されて、連結部32を構成している。他片30Bはサイドメンバ26と一体的結合される部位として配設される。この他片30Bにはサイドメンバ26がボルトナット等の軸締結部材36で一体的結合されると共に、バンパ構造12のクラッシュボックス34とも軸締結部材36で一体的に結合されている。サイドメンバ26とバンパ構造12のクラッシュボックス34は、図2に示すようにブラケット30の他片30Bを挟んで前後に配置されており、先に、サイドメンバ26にブラケット30が軸締結部材36で仮止めされた後で、クラッシュボックス34が本締めされる。なお、クラッシュボックス34はバンパ構造12が衝突した際の初期の衝突荷重を受けてエネルギ吸収する機能装置である。このクラッシュボックス34によるエネルギ吸収後、バンパ構造12がラジエータ14及びラジエータサポート28に当接して衝突荷重が作用する。

0031

次に、図3及び図4に基づき連結部32の構成を説明する。図3は連結部32の構成を模式的に示し、図4はブラケット30単品を模式的に示す。図3及び図4から良く分かるようにブラケット30は、前述もしたL字形に形成されている。連結部32を構成するブラケット30の一片30Aと、ラジエータサポート28の縦柱部位28Aとは、図3に示すように縦方向(図3で見て上下方向)に重ね合わされて配設されている。そして、重ね合わせ面方向は、前面衝突の際の荷重作用方向とされている。

0032

ブラケット30のL字形の折り曲げ位置は、一片30Aの前方位置とされている。したがって、ブラケット30の他片30Bは一片30Aより前方の位置で、図3及び図4では図示が省略されているが、図2で示したようにボルトナット等の軸締結部材36でサイドメンバ26の前方位置に一体的に結合されている。この結合はブラケット30とサイドメンバ26とが相対移動不可とした連結とされている。このため、図3及び図4に示すように他片30Bには軸締結部材36が挿通する丸孔の軸締結用孔38が4個設けられている。

0033

ブラケット30の一片30Aにも、図3及び図4に示すように、軸締結用孔42が形成されてる。この軸締結用孔42は上下に2個形成されており、図2に示すラジエータサポート28の縦柱部位28Aと当該ブラケット30の一片30Aを締結する軸締結部材44が挿通する。軸締結用孔42には図3及び図4に示すように開口部43が形成されており、後方に開口している。開口部43の開口方向は前面衝突の際の衝突荷重作用方向とされている。なお、この開口部43の大きさYは軸締結部材44の軸部の径より小さくされている。これにより軸締結用孔42に軸締結部材44を締結する際の位置決めを確実に行うことができる。

0034

一片30Aに形成された下方の軸締結用孔42の下方位置には支持部位46が、図3及び図4で見て後方に延設して形成されている。この延設方向は前述の衝突荷重作用方向であり、この方向は一片30Aの配設方向と同じであり、支持部位46は一片30Aの配設方向から直線的に配設されている。なお、支持部位46の後方への延設長さは、衝突時におけるラジエータ14の後方移動量を考慮して定められる。好ましくは、ラジエータ14とエンジン16との配置隙間Xと同程度とするのが良い。支持部位46は軸締結用孔42から後方に外れた軸締結部材44及び一体的関係にあるラジエータ14が下方に落下するのを防止する。

0035

図3において、ブラケット30の一片30Aに設けられた上下2個の軸締結用孔42の位置に対応するラジエータサポート28の縦柱部位28Aの位置には、図3では見えないが、2個の軸締結用孔48(図2参照)が穿設されている。そして、図2に示すようにボルトナット等の軸締結部材44で締結されている。なお、軸締結用孔48は丸孔である。

0036

図5及び図6は本実施形態の具体的構成を示す。図5は自動車の前部構造の要部を示し、図6は連結部32を示している。図5において、ラジエータサポート28は枠形状に形成されており、縦柱部位28Aと横柱部位28Bとからなっている。このラジエータサポート28の枠形状内にラジエータ14が配置されおり、ラジエータ14は周知の手段によりラジエータサポート28に支持されている。

0037

図5に示されるように、連結部32の設置位置は縦柱部位28Aの縦方向(上下方向)の中央位置となっている。中央位置でラジエータ14及びラジエータサポート28をサイドメンバ26で支持することにより、安定して支持することができる。なお、図5では右側の連結部32の図示は省略されているが、連結部32は左右の二箇所に設けられている。

0038

ラジエータサポート28の上方の角部、すなわち、上方に配設される横柱部位28Bと左右の縦柱部位28Aの上方位置との接続部にはヘッドランプ支持部材50が後方に向けて配設されている。不図示のヘッドランプは当該ヘッドランプ支持部材50と図5左側位置として図示されるサイドメンバ26との間に配設される。ヘッドランプ支持部材50はヘッドランプを支持する強度部材であるので、前面衝突の軽衝突荷重でも容易に変形できる強度のものである。したがって、軽衝突荷重によるラジエータ14及びラジエータサポート28の後方移動に支障となることはない。

0039

図6は連結部32を拡大して示した。ブラケット30の他片30Bとサイドメンバ26との間には補強板52が介在されて連結されている。なお、ラジエータサポート28は通常は鋼板製である。しかし、軽量化を図る観点から樹脂製とされることもある。同様にブラケット30も通常は鋼板製であるが、樹脂製とされることもある。なお、ブラケット30の鋼板製の厚みは1.8mm程度である。

0040

次に、自動車の前面軽衝突の際の作用について説明する。軽衝突とは徐行走行(7〜8Km/h以下)レベルで衝突した場合である。図1で見て、前面軽衝突の衝突荷重はバンパ構造12に作用する。バンパ構造12はクラッシュボックス34に支持されているので、クラッシュボックス34を撓ませて後方移動する。この際、クラッシュボックス34により衝突荷重のエネルギ吸収が行われる。

0041

上記によりバンパ構造12が後方へ移動すると、バンパ構造12がラジエータ14またはラジエータサポート28のいずれかに当接し、ラジエータ14及びラジエータサポート28に後方への衝突荷重作用力を及ぼす。この衝突荷重の後方への作用力は、図2及び図3に示される連結部32にも及ぼされる。

0042

連結部32は、ラジエータサポート28の縦柱部位28Aとブラケット30の一片30Aとが軸締結部材44で締結されている。そして、ラジエータサポート28の縦柱部位28Aと軸締結部材44は相対的移動不可の一体的関係とされている。そして、ブラケット30の一片30Aと軸締結部材44は当該一片30Aに穿設された軸締結用孔42が開口部43を有して形成されているため、軸締結部材44は軸締結用孔42の開口部43から後方へ移動可能とされている。これにより、軸締結部材44と一体的関係にあるラジエータサポート28及びラジエータ14は、衝突荷重の後方への作用力により後方へ移動する。

0043

前面軽衝突の際の衝突荷重では、サイドメンバ26は変形しない剛性を有する構成とされているので、軽衝突時の反力はサイドメンバ26で受ける。これにより、ラジエータ14及びラジエータサポート28は、図1に示すラジエータ14とエンジン16との間に形成された隙間Xだけ、ラジエータ14は破損することなく後方に移動することができ、ラジエータ14の保護が図られる。

0044

ラジエータ14の後方移動の際、ブラケット30の一片30Aに形成された下方の軸締結用孔42には支持部位46が延設されているので、軸締結用孔42から外れた軸締結部材44は、支持部位46に案内されて後方移動する。これによりラジエータ14が後方移動する際、下方に落下することがない。

0045

上述した実施形態によれば、連結部32をラジエータサポート28とサイドメンバ26との間にブラケット30を介在させる構成であるので、従前のブラケットを配設する構成を利用して小変更するという簡素な構成で課題を達成することができる。

0046

また、連結部32を構成するブラケット30における軸締結用孔42は開口部43を有して、その後方部位箇所は欠如した構成となっている。このため、ブラケット30の一片30Aの構成スペースを小さくすることができる。それに伴い、重量軽減及びコスト低減を図ることができる。

0047

更に、上述の実施形態の構成によれば、ブラケット30には強度が不要なため、軽量化を図ることができる。

0048

以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明はその他各種の形態でも実施できる。

0049

例えば、上述した実施形態では、ラジエータサポート28の縦柱部位28Aとサイドメンバ26との間にブラケット30を介在させて、連結部32をブラケット30と縦柱部位28Aとの間に形成した。しかし、ブラケット30を配設することなく、縦柱部位28Aとサイドメンバ26との間に直接連結部32を構成することもできる。

0050

また、ブラケット30を介在させて連結部32を形成する場合でも、ブラケット30とサイドメンバ26との間に連結部32を構成することもできる。

0051

また、軸締結部材36,44は、上述の実施形態ではボルトナットであったが、リベット等であっても良い。

0052

また、連結部32の設置位置は、上述の実施形態ではラジエータサポート28の縦柱部位28Aの上下方向の中央位置であったが、設置位置は上方位置又は下方位置であっても良い。また、設置数も一箇所に限らず、例えば、上方位置と下方位置の二箇所に設けても良い。

0053

また、ブラケット30の一片30Aの軸締結用孔42に設ける支持部位46は、上述の実施形態では下方の軸締結用孔42に設けているが、上方の軸締結用孔42に設けてもよい。また、上方と下方の両方に設けても良い。

0054

10自動車の前部構造
12バンパ構造
14ラジエータ
16エンジン
18自動車車体
20エンジンルーム
22 可撓性パイプ
24クロスメンバ
26サイドメンバ
28ラジエータサポート
28A縦柱部位
28B横柱部位
30ブラケット
30A ブラケットの一片
30B ブラケットの他片
32 連結部
34クラッシュボックス
36 ブラケットの他片の軸締結部材
38 ブラケットの他片に穿設された軸締結用孔
42 連結部の軸締結用孔
43 開口部
44 連結部の軸締結部材
46支持部位
48 縦柱部位に穿設された軸締結用孔
50ヘッドランプ支持部材
52 補強板

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