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技術 自律走行装置及び測距装置

出願人 株式会社リコー
発明者 芹沢敬一高林和広前田大輔
出願日 2016年12月1日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-234463
公開日 2017年6月15日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2017-107563
状態 特許登録済
技術分野 移動体の位置、進路、高度又は姿勢の制御 光レーダ方式及びその細部
主要キーワード 複数水準 後方ミラー 停止性能 対象物形状 側面後方 走行精度 レイアウト条件 自律走行装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月15日)のものです。
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図面 (20)

課題

自律走行装置の進行方向の測距を行いつつ、測距する必要がある範囲外の走査範囲照射される光を、測距手段からの照射方向とは異なる方向の測距に活用することが可能となる自律走行装置を提供する。

解決手段

走行手段である駆動モータ及び駆動輪120と、レーザー光の照射方向を連続的に変化させる光走査型の測距手段である測距センサ15とを備える自律走行装置である自走ロボット1において、測距センサ15の走査範囲γの中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部を反射して光路を自走ロボット1の足元に変更する反射手段であるミラー151を備える。

概要

背景

従来、自律走行装置として、レーザー光照射方向を連続的に変化させて周囲の障害物を検出するレーザーレンジファインダ等の光走査型の測距センサを備えたものがある。
例えば、特許文献1には、自律走行装置の前方を走査するようにレーザー光を照射し、その検出領域内物体からの反射光受光することで、その物体までの距離を測定する構成が記載されている。

概要

自律走行装置の進行方向の測距を行いつつ、測距する必要がある範囲外の走査範囲に照射される光を、測距手段からの照射方向とは異なる方向の測距に活用することが可能となる自律走行装置を提供する。走行手段である駆動モータ及び駆動輪120と、レーザー光の照射方向を連続的に変化させる光走査型の測距手段である測距センサ15とを備える自律走行装置である自走ロボット1において、測距センサ15の走査範囲γの中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部を反射して光路を自走ロボット1の足元に変更する反射手段であるミラー151を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

走行手段と、光の照射方向を連続的に変化させる光走査型の測距手段とを備える自律走行装置において、前記測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部を反射して光路を変更する反射手段を備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項2

請求項1の自律走行装置において、前記反射手段として、入射した光を前記測距手段の走査平面に対して下方に傾けて装置本体の進行方向に反射するものを備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項3

請求項1または2の自律走行装置において、前記反射手段の反射方向を変更する反射方向変更手段を備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項4

請求項2に記載の構成を備えた請求項3の自律走行装置において、前記測距手段から前記反射手段を介さずに装置本体の進行方向に照射された光によって検出された装置本体の前方の対象物距離情報と、前記反射手段で反射した光によって検出された装置本体の進行方向の対象物の距離情報と、が異なるときに、前記反射方向変更手段は前記走査平面に対する前記反射手段の反射方向の傾きが変化するように、前記反射手段を揺動させることを特徴とする自律走行装置。

請求項5

請求項3または4の自律走行装置において、前記反射手段とその反射方向を変更する前記反射方向変更手段との組み合わせを複数備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項6

請求項4の構成を備えた請求項5の自律走行装置において、複数の前記反射方向変更手段は、それぞれが反射方向を変更する前記反射手段の反射方向の前記走査平面に対する傾きが変化する範囲が互いに異なるように、それぞれの前記反射手段を揺動させることを特徴とする自律走行装置。

請求項7

請求項1乃至6の何れかに記載の自律走行装置において、前記反射手段として、装置本体の側方足元に向けて光を反射するものを備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項8

請求項1乃至7の何れかに記載の自律走行装置において、前記反射手段として、装置本体の後方足元に向けて光を反射するものを備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項9

請求項1乃至8の何れかに記載の自律走行装置において、前記反射手段として、入射した光を、前記測距手段の走査範囲の中央に向けて反射するものを備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項10

請求項1乃至9の何れかに記載の自律走行装置において、前記反射手段として、装置本体における位置が前記測距手段が走査しながら光を照射する位置よりも後方となるものを備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項11

請求項1乃至10の何れかに記載の自律走行装置において、前記反射手段を複数備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項12

請求項1乃至11の何れかに記載の自律走行装置において、走行経路の周囲に存在する物体の形状の情報を記憶する物体形状記憶手段と、前記測距手段の測定結果に基づいて前記対象物の形状の情報を作成し、前記物体形状記憶手段が有する前記対象物についての物体の形状の情報と、作成した前記対象物の形状の情報とを比較する対象物形状確認手段を備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項13

請求項1乃至12の何れかに記載の自律走行装置において、前記反射手段で反射されて対象物に照射された光によって得た測距情報と、前記測距手段から反射されることなく対象物に照射された光によって得た測距情報と、を分離して記憶する記憶手段を備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項14

走行手段と、光の照射方向を連続的に変化させる光走査型の測距手段とを備える自律走行装置において、前記測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部の光路を変更する光路変更手段を備え、前記光路変更手段として、入射した光の光路を前記測距手段の走査平面に対して下方に傾け、装置本体の幅を前方に延長した範囲に向けて光路を変更するものを備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項15

走行手段と、光の照射方向を連続的に変化させる光走査型の測距手段とを備える自律走行装置において、前記測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部の光路を変更する光路変更手段を備え、前記光路変更手段として、装置本体の側方の足元に向けて光路を変更するものを備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項16

走行手段と、光の照射方向を連続的に変化させる光走査型の測距手段とを備える自律走行装置において、前記測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部の光路を変更する光路変更手段を備え、前記光路変更手段として、装置本体の後方足元に向けて光路を変更するものを備えることを特徴とする自律走行装置。

請求項17

請求項1乃至16の何れかに記載の自律走行装置において、前記測距手段から取得する距離情報に基づいて障害物を検出する障害物検出部と、前記距離情報に基づいて自己位置推定し、移動量から求めた自己位置を、推定した前記自己位置を用いて補正する自己位置推定部と、障害物検出部で検出した障害物情報と、前記自己位置の推定において補正した自己位置とに基づいて、前記走行手段の制御を行う走行制御部を備える自律走行装置。

請求項18

光の照射方向を連続的に変化させる光走査型の測距手段を備える測距装置において、前記測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部を反射して光路を変更する反射手段を備えることを特徴とする測距装置。

技術分野

0001

本発明は、自律走行装置及び測距装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、自律走行装置として、レーザー光照射方向を連続的に変化させて周囲の障害物を検出するレーザーレンジファインダ等の光走査型の測距センサを備えたものがある。
例えば、特許文献1には、自律走行装置の前方を走査するようにレーザー光を照射し、その検出領域内物体からの反射光受光することで、その物体までの距離を測定する構成が記載されている。

発明が解決しようとする課題

0003

近年の走査型の測距センサは、レーザー光の走査範囲が広くなっている。このような測距センサを備えた自律走行装置では、自律走行時の障害物の回避や自己位置推定のために測距する必要がある範囲に比べて、測距センサの走査範囲が広い場合がある。この場合、測距する必要がある範囲外の走査範囲にレーザー光の照射は行われるものの、そのレーザー光は、自律走行を行うための距離の測定に用いられていなかった。

課題を解決するための手段

0004

上述した課題を解決するために、本発明は、走行手段と、光の照射方向を連続的に変化させる光走査型の測距手段とを備える自律走行装置において、前記測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部を反射して光路を変更する反射手段を備えることを特徴とするものである。

発明の効果

0005

本発明によれば、自律走行装置の進行方向の測距を行いつつ、測距する必要がある範囲外の走査範囲に照射される光を、測距手段からの照射方向とは異なる方向の測距に活用することが可能となる。

図面の簡単な説明

0006

実施形態1の自走ロボットミラーの配置と光路との説明図、(a)は上面図、(b)は右側面図。
実施形態1の自走ロボットの説明図、(a)は側面図であり、図2(b)は下面図。
図1(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図。
二つのミラーを備える実施形態1に係る自走ロボットの測距センサ近傍の拡大上面図。
自走ロボットの足元の異常を検出する方法の説明図、(a)は異常がない状態の説明図、(b)は進行方向に障害物がある状態の説明図、(c)は、進行方向に凹部がある状態の説明図。
LRFの中心を原点としたときの座標系を用いた測定距離算出方法の説明図、(a)は上面図、(b)はミラーの傾斜角の説明図。
ミラー反射点を原点とした座標系を用いた測定距離の算出方法の説明図、(a)は、ミラー反射点の位置を示す斜視説明図、(b)は、ミラー反射点を原点とした三次元座標系の説明図。
実施形態1の自走ロボットの制御システムブロック図。
実施形態1の自走ロボットの制御動作フローチャート図。
実施形態2のミラー保持部の説明図、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図、(c)は側面図、(d)は、ミラーの固定位置の説明図。
アジャスタ突き出し量とミラーの傾きとの関係の説明図、(a)は、ミラーを傾けていない状態の説明図、(b)は、初期状態の説明図、(c)は、障害物検出時の説明図。
ミラーの傾きを変更したときの反射レーザー光の照射方向の変化を示す説明図。
実施形態2の自走ロボットの制御システムのブロック図。
実施形態2の自走ロボットの制御動作のフローチャート図。
実施形態3の自走ロボットの説明図、(a)は上面図、(b)は右側面図。
図15(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図。
二つのミラーのそれぞれの傾きを変更したときの反射レーザー光の照射方向の変化を示す説明図。
実施形態3の自走ロボットの制御システムのブロック図。
実施形態4の自走ロボットの説明図、(a)は上面図、(b)は右側面図。
図19(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図。
測距センサによる検出範囲の説明図、(a)は側方ミラーを備えない構成の説明図、(b)は側方ミラーを備える構成の説明図。
実施形態5の自走ロボットの説明図、(a)は上面図、(b)は右側面図。
図22(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図。
測距センサによる検出範囲の説明図、(a)は側方ミラー及び後方ミラーを備えない構成の説明図、(b)は側方ミラー及び後方ミラーを備える構成の説明図。
実施形態6の自走ロボットの説明図、(a)は上面図、(b)は右側面図。
図25(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図。
二つのミラーを備える実施形態6に係る自走ロボットの測距センサ近傍の拡大上面図。
レーザー光が円柱状の障害物に当たる状態の模式図、(a)はミラーを備えない構成の説明図、(b)は二つのミラーを備える構成の説明図。
実施形態6のLRFの中心を原点としたときの座標系を用いた測定距離の算出方法の説明図。
実施形態6の自走ロボットの制御システムのブロック図。
実施形態6の自走ロボットの制御動作のフローチャート図。

実施例

0007

〔実施形態1〕
以下、図面を参照して本発明の一つ目の実施形態(以下、「実施形態1」という)について説明する。
図2は、実施形態1の自律走行装置である自走ロボット1の説明図であり、図2(a)は、自走ロボット1の概略構成を示す側面図であり、図2(b)は下面図である。自走ロボットとしては、車両の上に物を積載し、指定された場所まで無人で物を配送するタイプや、台車などを牽引するタイプなどある。本実施形態の自走ロボット1は、何れのタイプにおいても適用することが可能である。

0008

図2に示すように、自走ロボット1は、車両本体11、駆動輪120、補助輪121、駆動モータ122、駆動輪120の回転数を検出するためのエンコーダ123及び自律走行制御を行う演算部210を備える。駆動輪120、駆動モータ122及びエンコーダ123をそれぞれ二つ備え、右駆動輪120aに対して駆動を伝達する右駆動モータ122aと右駆動輪120aの回転数を検出する右エンコーダ123aとを備える。同様に、左駆動輪120bに対して駆動を伝達する左駆動モータ122bと左駆動輪120bの回転数を検出する左エンコーダ123bとを備える。図2中の矢印「α」で示す方向が、自走ロボット1が前方に直進する際の進行方向であり、自走ロボット1の図2中の右側が前方である。

0009

演算部210の内部には、駆動モータ制御部222、マップデータベースメモリ230及び経路演算部234が備えられている。駆動モータ制御部222は、駆動輪120を駆動するための制御信号を作成し、駆動モータ122にその制御信号を送信する。マップデータベースメモリ230は自律走行制御に必要なマップデータを記憶し、経路演算部234は、指定された目的地までの経路、距離などを演算する。マップデータベースメモリ230は、第一マップメモリ230a、第二マップメモリ230b及び第三マップメモリ230cとを備える。第一マップメモリ230aには予め入力される地図情報を記憶し、第二マップメモリ230bには水平走査によって得られる障害物情報、第三マップメモリ230cには足元走査によって得られる障害物情報を記憶する。このように、地図情報と、水平走査によって得られる障害物情報と、足元走査によって得られる障害物情報とを分離して記憶する。

0010

自走ロボット1の移動速度や移動距離などは、エンコーダ123(a、b)で検出された左右の駆動輪120(a、b)の回転数に基づいて求められている。
また、車両本体11の内部には自走ロボット1の電源となるバッテリー140が配置され、車両本体11の前面には、移動する方向に現れた障害物などを認識するための非接触式の測距センサ15が配置されている。本実施形態では、測距センサ15としてレーザー光を照射するレーザーレンジファインダ(以下、「LRF」ともいう)を用いており、レーザー光の照射方向が略水平となるように配置されている。
測距センサ15は、照射方向を連続的に変化させてレーザー光を照射し、その扇型状の検出領域内の物体からの反射光を受光することで、その物体までの距離を測定することができる。また、測距センサ15は、走査範囲の中央となる正面方向が、自走ロボット1の直進時の進行方向と一致するように自走ロボット1に固定されている。

0011

測距センサ15で認識した障害物までの距離情報が、演算部210に入力されると、演算部210による自律走行制御によって、走行経路が生成される。
自律走行制御では、あらかじめ記憶している地図情報と、オドメトリ(エンコーダ123の回転数から移動距離を算出)による推定される移動距離と、測距センサ15にて検出された距離情報と、をマッチングさせることによって、自己位置の推定を行う。

0012

上述した構成を備える自走ロボット1は、右駆動輪120aと左駆動輪120bとの駆動量をそれぞれ独立に制御することで、直進、曲線後退旋回などの移動動作を行うことができる。そして、ユーザー指示、もしくは、あらかじめプログラムされている目的地を入力することによって経路演算部234が走行経路を生成する。この走行経路に追従するよう駆動モータ制御部222が駆動モータ122(a、b)を制御することによって、目的地に到達することができる。

0013

演算部210の内部に備えられているマップデータベースメモリ230では、使用エリア全体の形状に対して、一定間隔に配置された格子点を結ぶグリッド線描写することで得られるグリッドマップとして地図情報が第一マップメモリ230aに記憶されている。自走ロボット1の稼動時には目的地が地図情報のグリッドマップ上に予め設定され、測距センサ15によって検出した障害物情報が、リアルタイムに各グリッドに設定され、生成された走行経路にしたがって、目的地へと移動する。自走ロボット1を稼動する前に、使用エリア内で、測距センサ15による検出を行いながら自走ロボット1を自律走行させ、記憶された地図情報内に、検出した障害物情報を予め記憶する構成としてもよい。

0014

図1は、実施形態1の自走ロボット1における測距センサ15及びミラー151の位置とレーザー光の光路との説明図であり、図1(a)は、自走ロボット1の上面図、図1(b)は自走ロボット1の右側面図である。図3は、図1(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図である。図1(a)及び図3中の一点鎖線の矢印「γ」で示す範囲は測距センサ15が測距用の光を照射する走査範囲を示している。

0015

自走ロボット1は、矢印「α」で示す進行方向に対して、測距センサ15を中心とした、走査範囲γ内の後方に、ミラー151を配置している。ミラー151は、ミラー保持部160によって車両本体11に固定されている。
図1(b)及び図3中の破線「L1」は測距センサ15の走査面に沿って水平走査する直射レーザー光L1を示している。一方、実線「L2」は測距センサ15から照射され、ミラー151に反射することで自走ロボット1の進行方向の足元を走査する反射レーザー光L2を示している。
このように、ミラー151を配置することによって、ミラー151の配置角度切り替えすることなく、水平方向を走査しつつ、走査範囲γの一部のレーザー光をミラー151で反射し、進行方向の足元側へも同時に走査することができる。これにより、測距センサ15がレーザー光を発する発光位置を含む仮想水平面上における進行方向の測距と、進行方向の足元の測距とを同時に行うことができる。

0016

図4は、複数台のミラー151として、第一ミラー151aと第二ミラー151bとの二つを備える自走ロボット1の測距センサ15近傍の拡大上面図である。
図4では、測距センサ15の走査範囲γ内の後方に第一ミラー151a及び第二ミラー151bを配置し、第一ミラー151aと第二ミラー151bとで配置角度を異ならせている。これにより、一台の測距センサ15を用いて複数水準の距離を測定する構成を実現することができる。

0017

図5は、反射レーザー光L2によって自走ロボット1の足元の異常を検出する方法の説明図である。図5(a)は、進行方向に異常がない状態の説明図であり、図5(b)は進行方向の床面300上に測距センサ15よりも低い障害物301がある状態の説明図である。また、図5(c)は、進行方向の床面300に凹部302がある状態の説明図である。

0018

図5(a)に示すように、自走ロボット1の進行方向に障害物301や凹部302がない場合は、反射レーザー光L2によって床面300が検出される。このとき、反射レーザー光L2が照射される対象物は床面300であり、ミラー151から対象物までの距離として、レイアウト条件から幾何学的に算出される距離「L’0」が検出される。ここでのレイアウト条件とは、測距センサ15やミラー151の自走ロボット1における水平方向の位置や高さ、ミラー151の傾き等である。

0019

一方、図5(b)に示すように、進行方向の床面300上に障害物301がある場合には、反射レーザー光L2が照射される対象物は障害物301の側面となる。このとき、ミラー151から対象物までの距離は、床面300を検出するものとして予め設定されている距離情報「L’0」よりも短い距離「L’1」が検出される。
また、図5(c)で示すように、進行方向の床面300に凹部302がある場合には、反射レーザー光L2が照射される対象物は凹部302の底面となる。このとき、ミラー151から対象物までの距離は、床面300を検出するものとして予め設定されている距離情報「L’0」より長い距離「L’2」が検出される。

0020

自走ロボット1は進行方向の障害物301や凹部302を検出すると、予め記憶している地図情報と推定した自己位置とに基づいて、演算部210が検出した障害物301や凹部302を迂回する走行経路を算出する。

0021

図5(b)に示す場合で、反射レーザー光L2が、障害物301の側面に当たっている状態では、自走ロボット1が障害物301に近づくにつれて距離「L'1」が短くなる。そして、反射レーザー光L2が障害物301の上面に当たる状態となると、自走ロボット1が障害物301に近づいても距離「L'1」は一定となる。このように、反射レーザー光L2が障害物301の上面に当たる状態となったときに距離「L'1」に基づいて障害物301の高さを認識することが可能である。このため、障害物301の高さが自走ロボット1によって乗り越えることが可能な高さである場合は、迂回することなく、障害物301を乗り越えて当初の走行経路に従って目的地に向かう構成としてもよい。

0022

図6及び図7を用いて実施形態1の自走ロボット1における反射レーザー光L2を用いた測定距離の算出方法について説明する。
図6は、照射方向を連続的に変化させる測距センサ15がレーザー光を照射する発光位置の中心(LRFの中心)を原点としたときの座標系を用いた説明図である。図6(a)は上面図、図6(b)は、ミラー151の傾斜角「θβ」の説明図であり、図6(a)中のA−A方向からミラー151を見た説明図である。図6(b)中の直線「X−Y」はX−Y平面を示している。

0023

図7は、ミラー151の表面上における反射レーザー光L2が反射するミラー反射点を原点とした座標系を用いた説明図である。図7(a)は、ミラー151におけるミラー反射点「0」の位置を示す斜視説明図であり、図7(b)は、ミラー反射点「0」を原点とした三次元座標系の説明図である。

0024

図6及び図7では、自走ロボット1の進行方向(矢印「α」方向)をX軸とし、X軸に直交する左右方向を、Y軸とし、鉛直上向きをZ軸として示す。
ミラーZ軸偏心:θα
ミラーX軸偏心:θβ
LRFからの出射角度:θ
LRFの走査平面から床面までの距離:Zm(図5(a)参照)
LRFの中心からミラー面までの距離:LM
LRFの中心からミラー反射点までの距離:L
ミラー反射点から対象物までの反射光線長:N
上記「θβ」は、図6(b)中の破線で示すX−Y平面に直交する仮想のミラー反射面151f’と、X−Y平面に対して傾けて配置されたミラー反射面151fとが成す角の角度である。

0025

LRF(測距センサ15)からミラー151への入射光線ベクトル表示し、



とすると、次式となる。

0026

「L」をレイアウトパラメータとなる「LM」及び「θα」で表すと、次式となる。



(1)および(2)より、



は、次式で表すことができる。

0027

次に、ミラー反射面151fをベクトル表示する。
ミラー反射面151fに垂直なベクトルを、



とし、
ミラー反射面151fに平行かつ、入射光線「L」及び反射光線「L'」に垂直なベクトルを、



とすると、次式で表すことができる。

0028

次に反射光線「L'」をベクトル表示する。
反射光線ベクトルを、




とする。
ここで、入射光線ベクトル




と、反射光線ベクトル




と、ミラー法線ベクトル




とは、次の関係が成り立つ。

0029

0030

また、反射光線ベクトル




と、ミラー反射面151fに平行なベクトル




とは、直交しているので、次式が成り立つ。

0031

式(6)’および(7)より、「k」が求まる。




式(6)’および(8)より、反射光線ベクトルを、




を求めることができる。

0032

次に、反射光線「L’」が床面300に到達する長さ「N」を求めるために、反射光線「L’」を直線の式で表す。
ミラー反射点は、図6から(3)として表すことができる。

0033

原点(LRFの中心)から床面300までの距離は、「Zm」であるため、反射光線「L’」が床面300を照射する座標は以下の(10)式のようになる。

0034

これらによって、ミラー反射点と反射光線「L’」が床面300を照射する座標が求まるので、二点間の距離を算出することによって、反射光線「L’」が床面300に到達する長さ「N」を求めることができる。
この反射光線「L’」が床面300に到達する長さ「N」に、LRFの中心からミラー反射点までの距離「L」を加えた長さが、床面300に障害物301や凹部302が無い状態で検出される床面300までの測距長となる。

0035

足元側へと走査する光路長は、「L+N」として表すことができる。つまり、床面300に障害物301や凹部302が何もない場合においては、測距センサ15による測距長は、「L+N+測定誤差」として測距される。
この値よりも短い測距データの場合は障害物301があり、長い場合は、床面300に凹部302があると判断できる。

0036

また、上述した算出方法によって、足元側への測距データを用いて、レーザー光の測定点の座標(x、y、z)を、測距センサ15の取り付け位置を考慮して、車両本体11を中心とする座標系とへと変換する。そして、オドメトリにより計算した車両本体11の自己位置推定値と車両本体11を中心とする座標系での距離情報を、設置環境における絶対座標系での距離情報へと変換する。これによって、絶対座標系における足元の障害物301の位置情報を取得することが可能となる。

0037

自走ロボット1は、上述した自己位置の推定を行いながら、図5に示すように、進行方向の足元の障害物301を検出することが可能である。足元方向でのレーザー走査によってZ方向(高さ方向)への障害物301が検出された際には、上述したように自走ロボット1が障害物301に近づくことによる「L’」の値の変化に基づいて障害物301の高さを認識できる。反射レーザー光L2を横方向に走査しつつ、近づくことで障害物301の高さを認識することができるので、障害物301の形状を把握することができる。
認識した障害物301の高さが、自走ロボット1の走行性能として、乗り越えられる高さに比べて高い場合は、障害物301を検出した領域が障害物領域として判定される。これにより、測距センサ15が水平走査する直射レーザー光L1の照射範囲で障害物301を検出しなかった場合においても、障害物301が存在する領域は走行不可として判断できる。

0038

実施形態1の自走ロボット1では、使用エリア全体の地図情報を第一マップメモリ230aに記憶する。自己位置を推定するための測距センサ15の水平方向の走査によって得た障害物301の情報と、この情報から推定される現在地情報とは、第二マップメモリ230bに記憶する。さらに、測距センサ15の足元方向の走査によって得た測距センサ15よりも低い位置の障害物301の情報は第三マップメモリ230cに記憶する。

0039

障害物301の高さが測距センサ15の設置位置よりも低い場合など、水平方向へと走査する直射レーザー光L1による検出結果と、足元側へと走査する反射レーザー光L2の検出結果とが、それぞれ異なる場合がある。この場合に、両方の結果を第二マップメモリ230bに上書きしてしまうと、自己位置推定するためのレイアウト地図の情報と、測距結果によって得られる障害物の位置情報とが一致しなくなり、自己位置推定が困難になってしまう。そこで、足元側へと走査する反射レーザー光L2によって、検出した障害物301の座標は、第三マップメモリ230cに記憶し、もともと保有している地図情報や直射レーザー光L1による障害物情報とは別のデータベースメモリに上書きさせる。これにより、自己位置推定をおこないつつ、走行経路を確保することができる。

0040

図8は、実施形態1の自走ロボット1の制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
測距センサ15は、設置環境内の対象物までの距離を計測する光走査型の測距手段である。演算部210は、水平障害物判定部251と、足元障害物判定部252と、自己位置推定部233と、エンコーダ演算部221とを備える。足元障害物判定部252は、測距センサ15から取得する距離情報に基づいて足元の障害物301を検出する。自己位置推定部233は、測距センサ15から取得する距離情報に基づいて自己位置を推定し、移動量から求めた自己位置を、推定した自己位置を用いて補正する自己位置推定処理を実行する。

0041

移動量の積算値から自己位置を算出するオドメトリでは、移動距離に応じて累積誤差が増加する。自走ロボット1では、オドメトリで算出した自己位置を、測距センサ15から取得する距離情報に基づいて推定した自己位置を用いて補正することで、正確な自己位置を把握することができる。

0042

演算部210は、足元障害物判定部252によって検出した障害物情報と、自己位置推定処理によって推定した自己位置とに基づいて、移動装置である駆動モータ122の制御を行う駆動モータ制御部222を備える。

0043

自走ロボット1は、目的地を設定されると、第一マップメモリ230aに予め入力されているマップデータ(地図情報)に基づいて、経路演算部234が経路生成を行う。生成された走行経路に応じて、駆動モータ制御部222が駆動モータ122を制御し、走行を開始する。走行中、駆動輪120の回転軸である駆動軸に設けられたエンコーダ123によって、駆動輪120の回転量を監視し、エンコーダ演算部221によって自走ロボット1の移動量の算出を行う。

0044

自走ロボット1は、制御システムにて予め決められているタイミングで、測距センサ15によって周囲の物体に対する測距を行う。実施形態1の構成では、水平方向及び足元方向の測距が同時に行うことができ、測距センサ15の直射レーザー光L1による測距データは、水平障害物判定部251で処理され、反射レーザー光L2による測距データは、足元障害物判定部252で処理される。

0045

水平障害物判定部251では、直射レーザー光L1による測距データと第一マップメモリ230a内のマップデータとを比較し、測距センサ15の水平方向の障害物の有無判定が行われる。
また、比較結果から自己位置推定部233によって自走ロボット1の自己位置の推定が行われる。水平障害物判定では、例えば、人や他の移動走行車など、第一マップメモリ230a内のマップデータには無い障害物を検出する可能性もあるため、この検出情報は第二マップメモリ230bへと記憶させる。

0046

足元障害物判定部252では、反射レーザー光L2による測距データに基づいて、障害物301の位置を算出し、その位置情報を第三マップメモリ230cへと記憶させる。
自走ロボット1は、自己位置推定部233によって推定した位置情報と、第一マップメモリ230a、第二マップメモリ230b及び第三マップメモリ230c内に記憶された情報とに基づいて経路演算を行う。これにより、目的地までの効率の良い自律走行を実現することができる。

0047

図9は、実施形態1の自走ロボット1の制御動作の一例を示すフローチャート図である。
自律走行制御を開始すると、まず、演算部210が指示された目的地までの走行経路を生成し(S1000)、走行を開始する(S1001)。走行を開始するとオドメトリによる自己位置推定を行いながら走行する(S1002)。
走行中は、水平面上の測距制御と、足元側の測距制御とを行う。

0048

まず、水平面上の測距制御について説明する。
測距センサ15が照射方向を連続的に変化させて照射するレーザー光のうち、ミラー151に入射しない直射レーザー光L1によって発光位置含む仮想水平面上の測距データを取得する(S1003)。「S1002」のオドメトリの結果と「S1003」の測距データとを、第一マップメモリ230aに記憶されたマップデータ(地図情報)と比較することで、マップデータ上での自己位置を推定する(S1004)。
推定した自己位置を現在地情報として、第二マップメモリ230bに上書きする(S1005)。

0049

直射レーザー光L1による測距データに基づいて、障害物301の有無を確認し、走行可能かどうか判定する(S1006)。走行不可能の場合(「S1006」で「No」)は、再度、走行経路を生成する(S1000)。走行可能の場合(「S1006」で「Yes」)は走行継続し(S1013)、目的地かどうかを判定する(S1014)。目的地に未到着の場合(「S1014」で「No」)は、「S1002」以降の制御を繰り返す。目的地に到着した場合(「S1014」で「Yes」)は、自律走行制御を終了する。

0050

次に、足元側の測距制御について説明する。
測距センサ15が照射方向を連続的に変化させて照射するレーザー光のうち、ミラー151に入射して反射する反射レーザー光L2によって自走ロボット1の進行方向前方の足元の測距データを取得する(S1007)。測距データに基づいて障害物301の有無の検出を行う(S1008)。障害物301を検出しなかった場合(「S1008」で「No」)は、走行を継続する(S1013)。一方、障害物301を検出した場合(「S1008」で「Yes」)は、自走ロボット1は障害物301に近づき、移動距離と測距データの変化とに基づいて障害物301の形状を算出する(S1010)。算出した障害物301の形状の情報に基づいて、第三マップメモリ230c内の障害物情報を上書きする(S1011)。

0051

次に、算出した障害物301の形状の情報に基づいて、走行可能かどうかの判定を行う(S1012)。障害物301の高さが、自走ロボット1が乗り越えることが可能な高さである場合は、走行可能として(「1012」で「Yes」)、走行を継続する(S1013)。障害物301の高さが、自走ロボット1が乗り越えることが不可能な高さである場合は、走行不可能として(「1012」で「No」)、再度、走行経路を生成する(S1000)。
測距データに基づいて障害物301の有無の検出を行う処理ステップ(S1008)で凹部302を検出した場合は、走行不可能として(「1012」で「No」)、再度、走行経路を生成する(S1000)。

0052

近年、LRFを用いた測距センサの性能が向上し、180[°]以上の視野角を持つものが一般的であり、これを自律走行装置の前方を走査するように配置すると、自律走行装置の進行方向に対して、±90[°]以上の走査範囲を保有するものとなる。
しかし、自律走行装置は前方のある程度の範囲(例えば、±60[°])のみを測距できれば、問題なく自律走行することが可能な場合がある。この場合、測距センサは必要以上に広い範囲にレーザー光を照射することになる。

0053

また、自律走行装置の前方を走査するために自律走行装置の前側に測距センサを配置すると、測距センサの後方や側方に配置された自律走行装置の構造体によって、走査範囲の光路が遮られる場合がある。この場合、測距センサは測距をできない範囲にレーザー光を照射することになる。自律走行装置の最上部に測距センサを配置する構造であれば、自律走行装置の構造体によって光路が遮ることを防止できるが、上面に物を載置する自律走行装置等、最上部に測距センサを配置できない場合がある。

0054

実施形態1の自走ロボット1では、測距センサ15の走査範囲の後方に相当する領域に、ミラー151を配置し、このミラー151を下方に傾けている。これにより、測距センサ15の中心よりも後方に向けて照射されるレーザー光をミラー151で反射して、自走ロボット1の前方の足元へと照射している。この足元へのレーザー光の照射により、自走ロボット1の前方の進行経路上に存在する高さの低い障害物を検出することが可能となる。このように自走ロボット1では、自律走行時の障害物の回避や自己位置の推定のために測距する必要がある範囲の外側に照射されるレーザー光を、足元の障害物の検出に活用することが可能となる。

0055

また、測距センサ15の後方や側方の走査範囲に自走ロボット1の構造体が配置されている場合、その構造体と測距センサ15との間にミラー151を配置する。これにより、構造体がある方向に照射されるレーザー光を足元の障害物の検出に活用することが可能となる。

0056

実施形態1では、測距センサ15として走査範囲γが270[°](測距センサ15の正面方向に対して±135[°])のレーザーレンジファインダを用いている。
自走ロボット1の前方の180[°]の範囲(測距センサ15の正面方向に対して±90[°]の範囲)に照射されるレーザー光は水平方向に向けて照射される。これにより、自走ロボット1が前方に向けて進行する際に、測距する必要がある範囲(例えば、測距センサ15の正面方向に対して±60[°])を含む前方の180[°]の範囲の測距を行うことができる。
また、自走ロボット1の後方の45[°]の範囲(測距センサ15の正面方向に対して+90[°]〜+135[°]の範囲及び−90[°]〜−135[°]の範囲)にミラー151を配置している。これにより、自走ロボット1が前方に向けて進行する際に測距する必要がある範囲外となる後方の45[°]の走査範囲に照射されるレーザー光を、測距センサ15からの照射方向とは異なる方向である足元の測距に活用することが可能となる。

0057

自走ロボット1は、自己位置推定のための水平方向へのレーザー光の照射と、足元の障害物を検出するための足元へのレーザー光の照射とを一台の測距センサ15で行うことができる。このため、水平方向のみのレーザー光照射用と、足元のみのレーザー光照射用との二台のLRFを設けるものに比べて設置コストや設置スペースの削減を図ることができる。

0058

特許文献1に記載の自律走行装置は、測距センサから進行方向に照射されるレーザー光の照射方向を反射部で切り替えることで、前方水平方向へのレーザー光の照射と、前方足元へのレーザー光の照射とを行っている。しかし、この自律走行装置では、反射部にて照射方向を切り替えている間は、前方の水平方向と足元とのどちらか一方の測距データしか取得することができないといった問題がある。
一方、実施形態1の自走ロボット1では、測距センサ15のレーザー光の照射方向を切り替えることなく、ミラー151よりも前方の水平方向の測距と前方の足元の測距とを同時に行うことが可能である。これにより、水平方向の測距による自己位置推定機能と、足元の測距による足元の障害物検出機能とを良好に両立させることが可能となる。

0059

自走ロボット1は、足元の障害物の検出を行っている間も常に水平方向の障害物の検出を行い、自己位置の推定を常に行うことができるため、設定された走行経路を精度よく走行することが可能となる。また、常に、進行方向の足元の障害物の検出を行うことができるため、予め入力されたマップデータ上に記憶されていない障害物が追加されても、その障害物を検出することができ、自走ロボット1が障害物に衝突することを防止することができる。

0060

自走ロボット1の設置環境としては、物流倉庫を挙げることができる。この物流倉庫など、物の配置変更が頻繁に行われる場所では、物よりも高い位置を測距することで、安定的な自己位置推定を行うことができる。実施形態1の自走ロボット1を用いる場合、測距センサ15の取り付け位置を配置変更が頻繁に行われる物よりも高い位置に設定することで、安定的な自己位置推定を行うことが可能となる。

0061

また、自律走行において、障害物を認識するためには物より低い位置を測距できる測距センサを設置する必要がある。さらに、物流倉庫においては置かれる物の高さも様々である。このことから、倉庫などの設置環境下で自律走行を行うには複数水準の測距ができることが望ましい。そこで、図4に示すように一台の測距センサ15に対して複数の反射手段であるミラー151(a,b)を配置することで、複数水準の計測を一つの測距センサ15を用いて行うことができ、自律走行を実現できる。

0062

また、水平方向にて検出された障害物と足元にて検出された障害物とを同一の記憶部に重ねて情報を更新した場合、記憶された情報の障害物が、例えば、屋内の設置環境のレイアウトを構成する壁なのか、一時的な障害物なのか、がわからなくなってしまう。
実施形態1の使用エリア全体の地図情報と、水平走査による障害物情報と、足元走査による障害物情報とを、第一マップメモリ230a、第二マップメモリ230b及び第三マップメモリ230cに分割して記憶している。すなわち、測距センサ15で複数水準を走査した際に検出された障害物の情報を記憶する記憶部が、各水準に分割されている。
これにより、設置環境のレイアウト情報と一時的な障害物情報とを個別に把握し、分割して管理することができる。これにより、物流倉庫のように、レイアウト内における物の配置が頻繁に変わる設置環境下での自己位置推定精度の向上や効率的な経路生成が可能となる。

0063

〔実施形態2〕
次に、二つ目の実施形態(以下、「実施形態2」という)について説明する。
実施形態2の自走ロボット1は、ミラー保持部160がミラー151の設置角度を変更することができるアクチュエータ機能を備える点で上述した実施形態1の自走ロボット1と相違する。ミラー保持部160がアクチュエータ機能を備える点以外は同様の構成を備えているため、相違点についてのみ説明する。

0064

図10は、実施形態2のミラー保持部160の説明図である。図10(a)は、ミラー保持部160の斜視図、図10(b)は、ミラー保持部160の分解斜視図、図10(c)は、ミラー保持部160の側面図であり、図10(d)は、ミラー保持部160によるミラー151の固定位置の説明図である。

0065

図10に示すように、ミラー保持部160は、ミラー調整モータ161、モータホルダ162、アジャスタ163、三つの板バネ(164,167a,167b)、及びミラーベース165から構成されている。ミラー調整モータ161としてはステッピングモータを用いている。
一般的に、ミラーを配置する際は、三点でつくられる平面に反射面を設置する。実施形態2のミラー151は、図10(d)に示すように、ミラー反射面151fの下部の二箇所(N1及びN2)と、ミラー反射面151fの裏面の上部の一箇所(N3)との三箇所での突き当たりによってミラー反射面151fの位置を固定している。

0066

ミラーベース165は第一突き当て部166a及び第二突き当て部166bに、ミラー反射面151fの下部が突き当たる座面を設けている。ミラーベース165に固定された第一下部板バネ167aと第二下部板バネ167bがミラー反射面151fの下部の二箇所を、それぞれ第一突き当て部166a及び第二突き当て部166bの座面に向けて付勢している。これにより、ミラー反射面151fの下部の二箇所が、ミラーベース165の第一突き当て部166a及び第二突き当て部166bのそれぞれの座面に突き当たる。この二箇所の突き当たりによってミラー151の長手方向の角度(上述した「θα」)を決定する。

0067

ミラー保持部160は、ミラー調整モータ161の回転子161sと係合するアジャスタ163を備え、このアジャスタ163の先端部が上述したミラー反射面151fの裏面の上部の一箇所に接触する。モータホルダ162に固定された上部板バネ164が、ミラー反射面151fの裏面の上部の一箇所をアジャスタ163の先端部に向けて付勢している。これにより、ミラー反射面151fの裏面の上部の一箇所がアジャスタ163の先端部に突き当たり、ミラー反射面151fの位置を決める三点が定まる。座面に突き当たるミラー反射面151fの下部の二箇所に対するミラー反射面151fにおける上部板バネ164が接触する部分の位置が定まることで、ミラー151の短手方向の角度(上述した「θβ」)が決定する。

0068

アジャスタ163はDカットされており、ミラー調整モータ161におけるアジャスタ挿入部162aのアジャスタ163が挿入される穴の断面はD字型となっている。アジャスタ163がアジャスタ挿入部162aに挿入された状態では、アジャスタ163の回転が規制される構成となっている。また、回転子161sには雄ネジが切ってあり、アジャスタ163における回転子161sと係合する穴には雌ネジが切ってある。このような構成により、ミラー調整モータ161が回転子161sを回転させる回転運動を、アジャスタ163の直線運動へと変えることができる。

0069

ミラー調整モータ161が駆動し、回転子161sが回転することで、モータホルダ162に対するアジャスタ163の突き出し量が変化する。これにより、ミラー反射面151fの位置を決める三点のうちのアジャスタ163の先端部が突き当たる位置が変化する。これにより、ミラー151の取り付け角度(上記「θβ」)を任意に変化させることが可能となる。

0070

図11は、アジャスタ163の突き出し量とミラー151の傾きとの関係の説明図である。図11(a)は、ミラー151を傾けていない状態の説明図であり、図11(b)は、初期状態の説明図であり、図11(c)は、障害物検出時の説明図である。
図12は、ミラー151の傾きを変更したときの反射レーザー光L2の照射方向の変化を示す説明図である。

0071

図11中の矢印「F1」は、第一下部板バネ167a及び第二下部板バネ167bによる付勢力を示しており、図11中の矢印「F2」は、上部板バネ164による付勢力を示している。
図11中の破線矢印「L」はミラー反射面151fに対する入射光を示しており、図11中の実線矢印「L’」は、ミラー反射面151fからの反射光を示している。
アジャスタ163の突き出し量が大きくなるとアジャスタ163の先端は図11(a)中の矢印「B2」側に変位し、アジャスタ163の突き出し量が小さくなるとアジャスタ163の先端は図11(a)中の矢印「B1」側に変位する。

0072

ミラー151の下部は、第一下部板バネ167a及び第二下部板バネ167bによる付勢力によってミラー受部である第一突き当て部166a及び第二突き当て部166bに突き当たることで位置が固定される。

0073

自走ロボット1の自律走行開始時には、図11(b)に示す初期状態であり、アジャスタ163の突き出し量を大きくして、ミラー反射面151fが下方を向くようにミラー151が傾斜している。このときの照射方向は図12中の「L2s」で示す直線のようになる。
実施形態2の自走ロボット1の初期位置における反射レーザー光L2の照射方向は、実施形態1と同様であり、障害物301の有無の検出方法も実施形態1と同様である。

0074

図11(b)に示す初期状態で自律走行を行い、反射レーザー光L2によって障害物301を検出すると、ミラー調整モータ161を駆動してアジャスタ163の突き出し量を図11(c)の状態まで小さくし、ミラー反射面151fの傾きを小さくする。このとき、ミラー151は図12中の矢印「C」で示すように回転し、反射レーザー光L2の照射方向は図12中の矢印「D」で示すように変化する。

0075

実施形態2の自走ロボット1では、ミラー151の角度を変えることで、図12に示すように反射レーザー光L2の照射方向を変化させ、照射方向を変化させたときの測距情報に基づいて障害物301の高さを認識することができる。

0076

図13は、実施形態2の自走ロボット1の制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図8に示した実施形態1のブロック図に対して、演算部210が足元障害物形状判定部253とミラー調整モータ制御部254とを備え、車両本体11が、ミラー調整モータ161とミラー151とを有する足元障害物検出部を備える点で異なる。他の構成は、図8に示すブロック図と共通であるため、説明は省略する。

0077

実施形態2の自走ロボット1では、まず、足元障害物判定部252により、足元側への測距データに基づき、障害物301の有無が判定される。ここで、障害物301が有りと判定された場合は、ミラー調整モータ制御部254にて、ミラー調整モータ161を動かしながら、測距センサ15にて障害物301までの距離を測定する。この測距データを元に、足元障害物形状判定部253によって、障害物301の形状データを第三マップメモリ230cへと記憶させる。

0078

図14は、実施形態2の自走ロボット1の制御動作の一例を示すフローチャート図である。
図9に示した実施形態1のフローチャート図に対して、「S1009」の「ミラー動作」の処理ステップを備える点で異なる。他の処理ステップは、図9に示すフローチャート図と共通であるため、説明は省略する。

0079

実施形態2の自走ロボット1では、測距データに基づいて障害物301を検出した場合(「S1008」で「Yes」)は、ミラー調整モータ161を駆動してミラー151を動かす(S1009)。このとき、水平面に対して下方に傾斜した反射レーザー光L2によるレーザー走査面が水平面と略平行となる位置までミラー151の傾きを変えながら測距データを取得する。そして、ミラー151の角度と測距データとに基づいて障害物301の形状を算出する(S1010)。他の処理ステップは実施形態1のフローチャート図と同様である。
ミラー151を動かす制御は、自走ロボット1が走行した状態で実行しても良いし、停止して実行しても良い。

0080

上述した実施形態1の自走ロボット1の構成でも、障害物301の検出後に自走ロボット1が障害物301に向かってが走行することによって、障害物301の高さを認識することが可能である。しかし、高さを認識できる位置まで自走ロボット1が移動するため、障害物301を検出してから、その高さを認識するまでに時間がかかってしまう。また、自走ロボット1の走行速度や停止性能によっては、障害物301の高さを認識できた時点では停止できない可能性もある。さらに、走行経路としても、障害物301の高さを認識するために進むことになるため、結果として無駄な走行になる可能性がある。
一方、障害物301を検出した時点で、走行経路を変更する制御を行うと、障害物301の高さが自走ロボット1によって十分乗り越えられる高さの障害物であってもその障害物301を迂回するような走行経路を生成し直すこととなる。

0081

実施形態2の自走ロボット1では、図11及び図12に示すように、足元側にて障害物301を検出した際に、ミラー調整モータ161を駆動することによってミラー151の角度を変える。これにより、自走ロボット1が移動して確認するよりも早く、障害物301の高さを認識することが可能となる。これによって、より円滑に自走ロボット1を運用することが可能となる。

0082

また、ミラー保持部160が、ミラー151の傾き角度を変化させるミラー調整モータ161を備えることで、障害物検出結果に応じて、ミラー151の姿勢を変えながら障害物301の検出を行うことができる。これにより、水平方向と足元方向との二平面以外の障害物301の形状を三次元的に把握することが可能となる。さらに、車両本体11の自己位置推定値と車両本体11を中心とする座標系での距離情報を、絶対座標系での距離情報へと変換する。これによって、絶対座標系における足元の障害物301の三次元情報を取得することが可能となる。

0083

測距センサ15のような光走査型の測距手段は、その走査面内での物体までの距離を取得する。そのため、反射レーザー光L2によって足元の障害物301を検出したとしても、その障害物301の高さまで把握することができない。そのため、自走ロボット1が乗り越えられる高さの物体であったとしても、障害物301として扱われて、迂回して目的地へと向かってしまう。
これに対して、実施形態2の自走ロボット1のように、ミラー151の傾きを変えて、反射レーザー光L2の照射方向を足元側から上方へと揺動させる。これにより、足元に向けて照射した反射レーザー光L2によって検出された障害物301の高さを把握することができ、乗り越えられる高さであった場合、迂回せずに最短で目的地へと移動することが可能となる。

0084

自走ロボット1の前方に照射された直射レーザー光L1によって検出された障害物301の距離情報と、反射レーザー光L2によって検出された障害物301の距離情報とが異なる場合にミラー151の傾きを変更する制御を実行してもよい。例えば、測距センサ15の高さよりも高く、測距センサ15よりも低い部分が突き出した形状の障害物301を測距した場合、直射レーザー光L1によって検出された距離よりも反射レーザー光L2によって検出された距離の方が近くなる。この場合、ミラー151を上方へと揺動させることで、測距センサ15よりも低い部分が突き出した形状の障害物301の三次元の形状データを取得することができ、障害物301に接触することを回避することができる。

0085

〔実施形態3〕
次に、三つ目の実施形態(以下、「実施形態3」という)について説明する。
図15は、実施形態3の自走ロボット1の説明図であり、図15(a)は、自走ロボット1の上面図、図15(b)は自走ロボット1の右側面図である。図16は、図15(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図である。図15(a)及び図16中の一点鎖線の矢印「γ」で示す範囲は測距センサ15が測距用の光を照射する走査範囲を示している。

0086

実施形態3の自走ロボット1は、ミラー151とミラー151の設置角度を変更するミラー保持部160との組み合わせを複数備える点で上述した実施形態2の自走ロボット1と相違する。ミラー151とミラー保持部160との組み合わせを複数備える点以外は実施形態2と同様の構成を備えているため、相違点についてのみ説明する。

0087

実施形態3の自走ロボット1は、測距センサ15の中心を挟んで左右対象となるように、第一ミラー151a及び第一ミラー保持部160aと、第二ミラー151b及び第二ミラー保持部160bと、を備える。
ミラー反射面151fが下方に向くように傾斜した第一ミラー151a及び第二ミラー151bを備えることで、走査範囲の一部のレーザー光を第一ミラー151a及び第二ミラー151bで反射し、走行方向の足元側に照射することができる。

0088

このような構成により、第一ミラー151a及び第二ミラー151bの配置角度を切り替えることなく、水平方向を走査しつつ、また、足元側も同時に走査することができる。また、実施形態2の自走ロボット1のように単一のミラー151を配置する構成に比べて、第一ミラー151a及び第二ミラー151bという複数のミラー151を備えることにより、足元側の走査範囲を広くすることができる。これによって、障害物情報を多く捉えることができるため、より最適な経路を生成することが可能となる。

0089

実施形態3の自走ロボット1においても、反射レーザー光L2(L2a,L2b)によって障害物301を検出したときに、ミラー調整モータ161(161a,161b)を駆動してミラー151(151a,151b)の傾きを変える。

0090

図17は、第一ミラー151a及び第二ミラー151bのそれぞれの傾きを変更したときの反射レーザー光L2(L2a,L2b)の照射方向の変化を示す説明図である。図17(a)は、第一ミラー151aについての説明図であり、図17(b)は第二ミラー151bについての説明図である。

0091

図17に示すように、実施形態3の自走ロボット1では、障害物301の三次元的な検出を行う際に、第一ミラー151aと第二ミラー151bとで揺動範囲を異ならせている。具体的には、第一ミラー151aは、図17(a)中の矢印「C1」で示すように回転し、反射レーザー光L2(L2a)の照射方向は図17(a)中の矢印「D1」で示すように変化する。第一ミラー151aは、図17(a)に示すようにある高さよりも低い範囲に反射レーザー光L2(L2a)を照射するように揺動する。一方、第二ミラー151bは、図17(b)中の矢印「C2」で示すように回転し、反射レーザー光L2(L2b)の照射方向は図17(b)中の矢印「D2」で示すように変化する。第二ミラー151bは図17(b)に示すようにある高さよりも高い範囲に反射レーザー光L2(L2b)を照射するように揺動する。

0092

これにより、障害物301を検出して、高さ方向の形状を測定する際に、図12に示す単一のミラー151の場合の揺動範囲を、分割(実施形態3では、二分割)できるため、障害物301の形状を把握するのに必要な時間を半分にすることができる。よって、障害物301の形状をより早く検出することが可能となる。
また、第一ミラー151aと第二ミラー151bとで揺動範囲を同一にして、図12に示すように揺動させてもよい。この場合、ミラー151を揺動させたときの走査範囲を広くすることができ、障害物の形状の情報を多く捉えることが可能となる。

0093

実施形態3の自走ロボット1の制御動作の一例を示すフローチャート図は、実施形態2と同様に図14に示すものとなる。「S1007」〜「S1012」の足元側の測距制御については、複数のミラー151に対して並行処理を行う。

0094

図18は、実施形態3の自走ロボット1の制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図13に示した実施形態2のブロック図に対して、ミラー調整モータ161とミラー151とを有する足元障害物検出部を複数備える点で異なる。他の構成は、図13に示すブロック図と共通であるため、説明は省略する。
実施形態3の自走ロボット1では、足元障害物判定部252により障害物301が有りと判定された場合は、ミラー調整モータ制御部254が第一ミラー調整モータ161aと第二ミラー調整モータ161bとの二つのミラー調整モータ161を制御する。

0095

〔実施形態4〕
次に、四つ目の実施形態(以下、「実施形態4」という)について説明する。
図19は、実施形態4の自走ロボット1の説明図であり、図19(a)は、自走ロボット1の上面図、図19(b)は自走ロボット1の右側面図である。図20は、図19(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図である。図19(a)及び図20中の一点鎖線の矢印「γ」で示す範囲は測距センサ15が測距用の光を照射する走査範囲を示している。

0096

実施形態4の自走ロボット1は、実施形態2の自走ロボット1に、側方ミラー152と側方ミラー保持部168とを追加した構成である。
図19及び図20に示すように、実施形態4の自走ロボット1は、測距センサ15が照射するレーザー光の一部を側方ミラー152で反射して、図19及び図20中の破線「L3」で示すように、側面後方に向けてレーザー光を照射している。
このような構成により、測距センサ15のレーザー光の照射方向を切り替えることなく水平方向の前方と後方とを同時に走査することができる。また、ミラー151により前方の足元も同時に走査することができる。

0097

これにより、水平方向の前方を走査することによる自己位置推定機能と、後方を走査することによる後方の障害物検出機能とを両立させることができる。
水平方向の後方の障害物を検出しつつ、自走ロボット1の自己位置推定を常に行うことができるため、走行精度の向上を図ることができる。
また、水平方向の後方の障害物を検出することができるため、後退時に水平方向後方の障害物を検出可能となる。

0098

側方ミラー保持部168は、ミラー保持部160と同様にアクチュエータ機能を備えている。側方ミラー152の反射面が下方を向くように傾けることで、図19及び図20中の実線「L4」で示すように、自走ロボット1の側面後方の足元にレーザー光を照射し、走査することが可能となる。側面後方足元に障害物を検出した場合に、側方ミラー保持部168が側方ミラー152を揺動させることにより、側面後方に位置する障害物の三次元の形状データを取得することができ、自走ロボット1が側面後方の障害物に接触することを回避することができる。

0099

実施形態4では、側方ミラー152で反射したレーザー光によって取得した障害物情報は、第一マップメモリ230a、第二マップメモリ230b及び第三マップメモリ230cとは別の独立した記憶部に記憶する。
分割して記憶することで設置環境のレイアウト情報と一時的な障害物情報とを個別に把握し、分割して管理することが可能となる。

0100

図19及び図20に示すように、実施形態4では側方ミラー152を走査範囲内における測距センサ15の中心よりも後方に配置している。
自走ロボット1は、測距センサ15による水平方向の前方の測距情報に基づいて自己位置の推定や走行経路上の障害物の検出といった前方への自律走行に必要な情報を検出する。このような自律走行を行う際に、測距センサ15の中心よりも前方に照射されたレーザー光であっても真横に近い方向に照射されたレーザー光による測距情報を使用しない場合がある。このような場合、測距センサ15の走査範囲における測距センサ15の中心よりも前方の真横に近い方向となる位置に、側方ミラー152を配置してもよい。

0101

図21は、側方ミラー152を備えない自走ロボット1と、測距センサ15の中心よりも前方に側方ミラー152を配置した自走ロボット1との測距センサ15による検出範囲を比較する上面図である。図21(a)は、側方ミラー152を備えない構成であり、図21(b)は、側方ミラー152を備える構成である。
図21中の領域「ε1」は、測距情報を前方への自律走行に用いる検出範囲であり、領域「ε2」は、障害物を検出する範囲であり、領域「ε3」は、測距センサ15で測距を行うことができない死角となる範囲である。

0102

図21(b)に示す構成は、前方への自律走行に必要最低限の範囲はレーザー光を水平方向の前方に照射して、それ以外の範囲に照射されるレーザー光の一部を後方に向かわせる構成である。
図21(b)に示すように、側方ミラー152を配置することによって、自律走行に用いる検出範囲外に照射されていたレーザー光を、自走ロボット1の斜め後方から後方にかけての障害物の検出に用いることができる。

0103

〔実施形態5〕
次に、五つ目の実施形態(以下、「実施形態5」という)について説明する。
図22は、実施形態5の自走ロボット1の説明図であり、図22(a)は、自走ロボット1の上面図、図22(b)は自走ロボット1の右側面図である。図23は、図22(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図である。図22(a)及び図23中の一点鎖線の矢印「γ」で示す範囲は測距センサ15が測距用の光を照射する走査範囲を示している。

0104

実施形態5の自走ロボット1は、実施形態4の自走ロボット1に、後方ミラー153と後方ミラー保持部169とを追加した構成である。
図22及び図23に示すように、実施形態5の自走ロボット1は、測距センサ15が照射するレーザー光の一部を側方ミラー152で反射して、図22及び図23中の破線「L3」で示すように、側面後方に向けてレーザー光を照射している。さらに、後方に照射されたレーザー光「L3」を後方ミラー153で反射して図22及び図23中の実線「L5」で示すように、車両本体11の後方の足元に向けてレーザー光を照射している。
このような構成により、測距センサ15のレーザー光の照射方向を切り替えることなく水平方向の前方と車両本体11の後方の足元とを同時に走査することができる。また、ミラー151により前方の足元も同時に走査することができる。

0105

これにより、水平方向の前方を走査することによる自己位置推定機能と、後方の足元を走査することによる後方の足元の障害物検出機能とを両立させることができる。
後方足元の障害物を検出しつつ、自走ロボット1の自己位置推定を常に行うことができるため、走行精度の向上を図ることができる。
また、後方足元の障害物を検出することができるため、後退時に後方足元の障害物を検出可能となる。

0106

実施形態4と同様に、側方ミラー152の反射面が下方を向くように傾けることで、図22及び図23中の実線「L4」で示すように、自走ロボット1の側面後方の足元にレーザー光を照射し、走査することが可能となる。側面後方足元に障害物を検出した場合に、側方ミラー保持部168が側方ミラー152を揺動させることにより、側面後方に位置する障害物の三次元の形状データを取得することができ、自走ロボット1が側面後方の障害物に接触することを回避することができる。

0107

さらに、実施形態5の後方ミラー保持部169は、ミラー保持部160と同様にアクチュエータ機能を備えている。後方足元に障害物を検出した場合に、後方ミラー保持部169が後方ミラー153を揺動させることにより、後方足元に位置する障害物の三次元の形状データを取得することができ、自走ロボット1が後方の障害物に接触することを回避することができる。

0108

実施形態5では、側方ミラー152や後方ミラー153で反射したレーザー光によって取得した障害物情報は、第一マップメモリ230a、第二マップメモリ230b及び第三マップメモリ230cとは別の独立した記憶部に記憶する。
分割して記憶することで設置環境のレイアウト情報と一時的な障害物情報とを個別に把握し、分割して管理することが可能となる。

0109

図24は、側方ミラー152及び後方ミラー153を備えない自走ロボット1と、後方ミラー153を備え、測距センサ15の中心よりも前方に側方ミラー152を配置した自走ロボット1との測距センサ15による検出範囲を比較する上面図である。図24(a)は、側方ミラー152及び後方ミラー153を備えない構成であり、図24(b)は、側方ミラー152及び後方ミラー153を備える構成である。
図24中の領域「ε1」は、測距情報を前方への自律走行に用いる検出範囲であり、領域「ε2」は、障害物を検出する範囲であり、領域「ε3」は、測距センサ15で測距を行うことができない死角となる範囲である。

0110

図24(b)に示す構成は、前方への自律走行に必要最低限の範囲はレーザー光を水平方向の前方に照射して、それ以外の範囲に照射されるレーザー光の一部を後方に向かわせ、さらに、車両本体11の後方足元に照射する構成である。
図24(b)に示すように、側方ミラー152及び後方ミラー153を配置することによって、自律走行に用いる検出範囲外に照射されていたレーザー光を、自走ロボット1における車両本体11の後方足元の障害物の検出に用いることができる。

0111

〔実施形態6〕
次に、六つ目の実施形態(以下、「実施形態6」という)について説明する。
図25は、実施形態6の自走ロボット1の説明図であり、図25(a)は、自走ロボット1の上面図、図25(b)は自走ロボット1の右側面図である。図26は、図25(a)中の破線「β」で示す領域の拡大上面図である。図25(a)及び図26中の一点鎖線の矢印「γ」で示す範囲は測距センサ15が測距用の光を照射する走査範囲を示している。

0112

実施形態6の自走ロボット1は、ミラー151の反射面が水平面に対して垂直となっている点で、ミラー151の反射面が下方に向くように傾斜した実施形態1の自走ロボット1と異なる。すなわち、実施形態6の自走ロボット1は実施形態1で説明したミラー151の傾斜角「θβ」が「0[°]」となる配置である。
実施形態6の自走ロボット1は、ミラー151で反射した反射レーザー光L2は、水平方向に反射され、自走ロボット1の前方の水平方向を走査する。このため、反射レーザー光L2が走査する領域と直射レーザー光L1が走査する領域とが重なる構成となっている。図25(b)では、便宜的に反射レーザー光L2の光路が直射レーザー光L1の下方となっているが、実施形態6では反射レーザー光L2と直射レーザー光L1との光路は同一水平面上となる。

0113

一般的に走査型の測距センサは270[°]程度の広い視野角を持ち、これを自律走行装置の前方を走査するように配置すると、自律走行装置の進行方向に対して、±135[°]程度の走査範囲となる。しかし、測距周期は長く、測距密度は低い傾向がある。

0114

測距周期が長いと、一度測距した方向について次に測距するまでの時間の間隔が長くなり、その間に障害物と自律走行装置との距離が詰まると衝突のおそれがあるため、自律走行装置の走行速度を遅くする必要が生じる場合がある。
また、測距密度が低いと、測距する対象物の任意の範囲内に照射されるレーザー光の数が少ないため、測定分解能が低くなり、障害物の形状の認識精度が低くなる。これにより、検出した障害物について、避けて通過できる障害物か迂回すべき障害物かの判断を誤るおそれがある。さらに、検出した障害物の形状情報と地図情報における障害物の形状情報とが一致せず、自己位置の推定ができなかったり、自己位置の推定を誤ったりするおそれもある。

0115

このように測距周期や測距密度は自律走行の性能に大きく関わるが、これらの能力を向上するのは難しい。さらに走査型の測距センサの長所である広い視野も、自律走行装置の機械的な構造上の視野制限によってそれらを全て有効に使えないことがある。

0116

実施形態6の自走ロボット1では、測距センサ15の後方に反射手段であるミラー151を配置し、視野制限により使用できなかったレーザー光を前方への測距に利用する。具体的には、測距センサ15から前方に照射された直射レーザー光L1が測距する領域と、測距センサ15から後方に照射され、ミラー151で反射した反射レーザー光L2が測距領域とが重なるようにミラー151を配置する。

0117

この構成により、自走ロボット1の前方を直射レーザー光L1で測距した後、次に直射レーザー光L1で測距する前に反射レーザー光L2で前方を測距することができる。このため、測距センサ15の測距周期が同じであっても、前方を測距する周期を短縮することができ、前方を測距する際の測距周期の性能を向上することができる。
また、直射レーザー光L1と反射レーザー光L2との測距領域が重なることで、測距センサ15の測距密度が同じであっても、前方の測距する対象物の任意の範囲内に照射されるレーザー光の数を増やすことができ、前方を測距する際の測距密度を高くできる。よって、測定分解能が向上し、障害物の形状の認識精度が向上する。

0118

これらにより、自己位置の推定の能力や障害物認識の能力を向上することができ、自走ロボット1の走行精度が向上する。
また、測距センサ15よりも後方に照射されるレーザー光を前方に向けることで無駄なく測距密度の向上と測距周期の短縮とを図ることが出来る。

0119

図25に示すように、自走ロボット1の走行方向に対して測距センサ15を中心とした走査範囲内の後方に、ミラー151を配置している。このように、ミラー151を配置することによって後方に向かうレーザー光の照射方向を水平方向の前方に変化させ、効率的に測距密度の向上と測定タイミングの間隔の短縮を図ることができる。

0120

図27は、複数台のミラー151として、第一ミラー151aと第二ミラー151bとの二つをレーザー光を水平方向に反射するように配置した自走ロボット1の測距センサ15近傍の拡大上面図である。
図27に示す構成では、測距センサ15の走査範囲γ内の後方に第一ミラー151a及び第二ミラー151bを配置している。この構成により、測定範囲を狭める代わりに、最大でミラー151を備えない構成の三倍の測距密度の向上と測距周期の短縮とを実現することができる。

0121

図28は、測距センサ15から照射されたレーザー光が円柱状の障害物301に当たる状態を模式的に示した説明図であり、図28(a)は、ミラー151を備えない構成の説明図であり、図28(b)は、二つのミラー151を備える構成の説明図である。
図28では、測距センサ15から照射されたレーザー光の光路を破線で示している。図28(a)の構成では、障害物301に対して測距センサ15が配置された箇所の一視点からの測距情報のみを取得する。一方、図28(b)の構成では、障害物301に対して測距センサ15が配置された箇所と、ミラー151が配置された箇所との複数視点からの測距情報を取得することができる。

0122

光走査型の測距センサを用いて前方の物体形状を認識し、追跡する方法は様々な提案がなされているが、一視点からの測距情報では測距密度が低く、測距周期が長く、さらに死角の範囲が広いため、安定した物体追跡は難しい。一方、実施形態6では、ミラー151を用いて複数視点から測距を行うことで、死角を減らすことができる。また、ミラー151を備えない構成では正面からしか計測できなかった物体形状を複数視点から認識することができ、物体の形状をより詳細に計測することができる。
また、設置環境を移動する物体の二次元形状をあらかじめ第二マップメモリ230bに記憶しておき、測距結果と第二マップメモリ230bに記憶した物体の形状とを比較することで、移動する物体であっても良好に物体追跡が実現できる。

0123

図29を用いて実施形態6の自走ロボット1における反射レーザー光L2を用いた測定距離の算出方法について説明する。
図29は、測距センサ15がレーザー光を発する発光位置の中心(LRFの中心)を原点としたときの座標系を用いた上面図である。図29では、自走ロボット1の進行方向(矢印「α」方向)をX軸とし、X軸に直交する左右方向を、Y軸とし、鉛直上向きをZ軸として示す。

0124

ミラーZ軸偏心:θα
LRFからの出射角度:θ
LRFの中心からミラー面までの距離:LM
LRFの中心からミラー反射点までの距離:L
ミラー反射点から対象物までの反射光線長:N

0125

LRF(測距センサ15)からミラー151への入射光線をベクトル表示し、




とすると、次式となる。

0126

「L」をレイアウトパラメータとなる「LM」及び「θα」で表すと、次式となる。




(11)および(12)より、




は、次式で表すことができる。

0127

次に、ミラー反射面151fをベクトル表示する。
ミラー反射面151fに垂直なベクトルを、




とすると、次式で表すことができる。

0128

次に反射光線「L'」をベクトル表示する。
反射光線ベクトルを、




とする。
ここで、入射光線ベクトル




と、反射光線ベクトル




と、ミラー法線ベクトル




とは、次の関係が成り立つ。

0129

0130

式(15)および(16)より、「k」が求まる。

0131

この反射光線「L'」が障害物に到達する長さ「N」に、LRFの中心からミラー反射点までの距離「L」を加えた長さが、検出測距長となる。

0132

ミラーに反射させて走査する光路長は、「L+N」として表すことができる。この算出方法によって、ミラーに反射させた光による測距データを用いて、レーザー光の測定点の座標(x、y)を、測距センサ15の取り付け位置を考慮して、車両本体11を中心とする座標系とへと変換する。そして、オドメトリにより計算した車両本体11の自己位置推定値と車両本体11を中心とする座標系での距離情報を、設置環境における絶対座標系での距離情報へと変換する。これによって測距密度の向上と測距周期の短縮とを図ることが可能となる。

0133

図30は、実施形態6の自走ロボット1の制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
測距センサ15は、設置環境内の対象物までの距離を計測する光走査型の測距手段である。演算部210は、水平障害物判定部251と、自己位置推定部233と、エンコーダ演算部221とを備える。自己位置推定部233は、測距センサ15から取得する距離情報に基づいて自己位置を推定し、移動量から求めた自己位置を、推定した自己位置を用いて補正する自己位置推定処理を実行する。

0134

移動量の積算値から自己位置を算出するオドメトリでは、移動距離に応じて累積誤差が増加する。自走ロボット1では、オドメトリで算出した自己位置を、測距センサ15から取得する距離情報に基づいて推定した自己位置を用いて補正することで、正確な自己位置を把握することができる。
演算部210は、自己位置推定処理によって推定した自己位置に基づいて、移動装置である駆動モータ122の制御を行う駆動モータ制御部222を備える。

0135

自走ロボット1は、目的地を設定されると、第一マップメモリ230aに予め入力されているマップデータ(地図情報)に基づいて、経路演算部234が経路生成を行う。生成された走行経路に応じて、駆動モータ制御部222が駆動モータ122を制御し、走行を開始する。走行中、駆動輪120の回転軸である駆動軸に設けられたエンコーダ123によって、駆動輪120の回転量を監視し、エンコーダ演算部221によって自走ロボット1の移動量の算出を行う。

0136

自走ロボット1は、制御システムにて予め決められているタイミングで、測距センサ15によって周囲の物体に対する測距を行う。実施形態6の構成では、直射レーザー光L1による測距データと反射レーザー光L2による測距データとは、水平障害物判定部251で処理される。

0137

水平障害物判定部251では、直射レーザー光L1及び反射レーザー光L2による測距データと第一マップメモリ230a内のマップデータとを比較し、測距センサ15の水平方向の障害物の有無判定が行われる。
また、比較結果から自己位置推定部233によって自走ロボット1の自己位置の推定が行われる。水平障害物判定では、例えば、人や他の移動走行車など、第一マップメモリ230a内のマップデータには無い障害物を検出する可能性もあるため、この検出情報は第二マップメモリ230bへと記憶させる。
自走ロボット1は、自己位置推定部233によって推定した位置情報と、第一マップメモリ230a及び第二マップメモリ230b内に記憶された情報とに基づいて経路演算を行う。これにより、目的地までの効率の良い自律走行を実現することができる。

0138

図31は、実施形態6の自走ロボット1の制御動作の一例を示すフローチャート図である。
自律走行制御を開始すると、まず、演算部210が指示された目的地までの走行経路を生成し(S2000)、走行を開始する(S2001)。走行を開始するとオドメトリによる自己位置推定を行いながら走行する(S2002)。

0139

走行中は、水平面上の測距制御を行う。
測距センサ15が照射するレーザー光(直射レーザー光L1及び反射レーザー光L2)によって発光位置を含む仮想水平面上の測距データを取得する(S2003)。「S2002」のオドメトリの結果と「S2003」の測距データとを、第一マップメモリ230aに記憶されたマップデータ(地図情報)と比較することで、マップデータ上での自己位置を推定する(S2004)。
推定した自己位置を現在地情報として、第二マップメモリ230bに上書きする(S2005)。

0140

レーザー光による測距データに基づいて、障害物301の有無を確認し、走行可能かどうか判定する(S2006)。走行不可能の場合(「S2006」で「No」)は、再度、走行経路を生成する(S2000)。走行可能の場合(「S2006」で「Yes」)は走行継続し(S2007)、目的地かどうかを判定する(S2008)。目的地に未到着の場合(「S2008」で「No」)は、「S2002」以降の制御を繰り返す。目的地に到着した場合(「S2008」で「Yes」)は、自律走行制御を終了する。

0141

上述した各実施形態では、自律走行時の障害物の回避や自己位置の推定のために測距する必要がある範囲の外側に照射されるレーザー光の光路を変更する光路変更手段が、光を反射する鏡(ミラー151)である場合について説明した。光路変更手段としては、光を反射する鏡に限らず、光を屈曲させるプリズムレンズを用いても良い。

0142

以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。

0143

(態様A)
駆動モータ122及び駆動輪120等の走行手段と、レーザー光等の光の照射方向を連続的に変化させる測距センサ15等の光走査型の測距手段とを備える自走ロボット1等の自律走行装置において、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部を反射して光路を変更するミラー151等の反射手段を備える。
これによれば、上記各実施形態について説明したように、反射手段は、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光を反射するため、走査範囲の中央には測距手段からの光が直接照射される。このため、走査範囲の中央が自律走行装置の進行方向に向くように測距手段を配置することで、自律走行装置の進行方向の測距を行うことが可能となる。また、反射手段は、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部を反射して光路を変更するため、測距手段からの照射方向とは異なる反射手段による反射方向の測距を行うことができる。このように、態様Aでは、自律走行装置の進行方向の測距を行いつつ、測距する必要がある範囲外の走査範囲に照射される光を、測距手段からの照射方向とは異なる方向(進行方向の足元等)の測距に活用することが可能となる。

0144

(態様B)
態様Aにおいて、ミラー151等の反射手段として、入射したレーザー光等の光を測距センサ15の測距手段の走査平面(発光位置を含む仮想水平面等)に対して下方に傾けて装置本体の進行方向に反射するものを備える。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、進行方向以外の方向に照射された光を、進行方向の足元の測距に活用することが可能となり、走査平面上における進行方向の測距と、進行方向の足元の測距とを同時に行うことが可能となる。

0145

(態様C)
態様AまたはBにおいて、ミラー151等の反射手段の反射方向を変更するミラー調整モータ161を有するミラー保持部160等の反射方向変更手段を備える。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、反射手段の姿勢を変えながら障害物の検出を行うことで、障害物の高さ等の三次元の形状情報を取得することができ、より円滑な運用が可能となる。

0146

(態様D)
態様Bの構成を備えた態様Cにおいて、測距センサ15等の測距手段からミラー151等の反射手段を介さずに装置本体の進行方向に照射された直射レーザー光L1等の光によって検出された装置本体の前方の対象物の距離情報と、反射手段で反射した反射レーザー光L2等の光によって検出された装置本体の進行方向の対象物の距離情報と、が異なるときに、ミラー調整モータ161を有するミラー保持部160等の反射方向変更手段は走査平面(発光位置を含む仮想水平面等)に対する反射手段の反射方向の傾きが変化するように、反射手段を揺動させる。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、進行方向の足元に障害物を検出したときに、障害物の高さを把握することができ、乗り越えられる高さであった場合、迂回せずに最短で目的地へと移動することが可能となる。

0147

(態様E)
態様CまたはDにおいて、ミラー151等の反射手段とその反射方向を変更するミラー調整モータ161を有するミラー保持部160等の反射方向変更手段との組み合わせを複数備える。
これによれば、上記実施形態3について説明したように、障害物の形状の情報を多く捉えることが可能となる。

0148

(態様F)
態様Dの構成を備えた態様Eにおいて、二組のミラー調整モータ161を有するミラー保持部160等の複数の反射方向変更手段は、それぞれが反射方向を変更するミラー151等の反射手段の反射方向の走査平面(発光位置を含む仮想水平面等)に対する傾きが変化する範囲が互いに異なるように、それぞれの反射手段を揺動させる。
これによれば、上記実施形態3について説明したように、障害物の形状をより早く検出することが可能となる。

0149

(態様G)
態様A乃至Fの何れかの態様において、反射手段として、車両本体11等の装置本体の側方の足元に向けてレーザー光等の光を反射するもの(側方ミラー152等)を備える。
これによれば、上記実施形態4について説明したように、進行方向以外の方向に照射された光を、装置本体の側方の足元の測距に活用することが可能となり、進行方向の測距と、装置本体の側方の足元の測距とを同時に行うことができる。

0150

(態様H)
態様A乃至Gの何れかの態様において、反射手段として、車両本体11等の装置本体の後方足元に向けてレーザー光等の光を反射するもの(後方ミラー153)を備える。
これによれば、上記実施形態5について説明したように、進行方向以外の方向に照射された光を、装置本体の後方の足元の測距に活用することが可能となり、進行方向の測距と、装置本体の後方の足元の測距とを同時に行うことができる。

0151

(態様I)
態様A乃至Hの何れかの態様において、ミラー151等の反射手段として、入射したレーザー光等の光を、測距センサ15等の測距手段の走査範囲の中央(自走ロボット1の進行方向等)に向けて反射するものを備える。
これによれば、上記実施形態6について説明したように、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側に照射される光を、走査範囲の中央側の測距に活用することが可能となり、走査範囲の中央近傍に対する測距性能の向上を図ることができる。

0152

(態様J)
態様A乃至Iの何れかの態様において、ミラー151等の反射手段として、装置本体における位置が測距センサ15等の測距手段が走査しながらレーザー光等の光を照射する位置(発光位置等)よりも後方となるものを備える。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、光を照射する位置よりも後方に照射された光を測距手段からの照射方向とは異なる方向(進行方向の足元等)の測距に活用することが可能となる。

0153

(態様K)
態様A乃至Jの何れかの態様において、ミラー151等の反射手段を複数備える。
これによれば、上記実施形態3について説明したように、障害物の形状の情報を多く捉えることが可能となる。

0154

(態様L)
態様A乃至Kの何れかの態様において、走行経路の周囲に存在する物体の形状の情報を記憶する第二マップメモリ230b等の物体形状記憶手段を備え、測距センサ15等の測距手段の測定結果に基づいて対象物の形状の情報を作成し、物体形状記憶手段が有する対象物についての物体の形状の情報と、作成した対象物の形状の情報とを比較する演算部210等の対象物形状確認手段を備える。
これによれば、上記実施形態6について説明したように、設置環境を移動する物体であっても良好に物体追跡が実現できる。

0155

(態様M)
態様A乃至Lの何れかの態様において、ミラー151等の反射手段で反射されて障害物301等の対象物に照射された反射レーザー光L2等の光によって得た測距情報と、測距手段から反射されることなく対象物に照射された直射レーザー光L1等の光によって得た測距情報と、を分離して記憶する第一マップメモリ230a及び第二マップメモリ230b等の記憶手段を備える。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、設置環境のレイアウト情報と一時的な障害物情報とを個別に把握し、分割して管理することができる。

0156

(態様N)
駆動モータ122及び駆動輪120等の走行手段と、レーザー光等の光の照射方向を連続的に変化させる測距センサ15等の光走査型の測距手段とを備える自走ロボット1等の自律走行装置において、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部の光路を変更するミラー151等の光路変更手段を備え、光路変更手段として、入射した光の光路を測距手段の走査平面(発光位置を含む仮想水平面等)に対して下方に傾け、装置本体の幅を前方に延長した範囲に向けて光路を変更するものを備える。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射された光を、装置本体の進行方向の足元の測距に活用することが可能となる。このため、走査平面上における進行方向の測距と、進行方向の足元の測距とを同時に行うことが可能となる。

0157

(態様O)
駆動モータ122及び駆動輪120等の走行手段と、レーザー光等の光の照射方向を連続的に変化させる測距センサ15等の光走査型の測距手段とを備える自走ロボット1等の自律走行装置において、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部の光路を変更するミラー151等の光路変更手段を備え、光路変更手段として、装置本体の側方の足元に向けて光路を変更するもの(側方ミラー152等)を備える。
これによれば、上記実施形態4について説明したように、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射された光を、装置本体の側方の足元の測距に活用することが可能となる。これにより、進行方向の測距と、装置本体の側方の足元の測距とを同時に行うことが可能となる。

0158

(態様P)
駆動モータ122及び駆動輪120等の走行手段と、レーザー光等の光の照射方向を連続的に変化させる測距センサ15等の光走査型の測距手段とを備える自走ロボット1等の自律走行装置において、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部の光路を変更するミラー151等の光路変更手段を備え、光路変更手段として、装置本体の後方足元に向けて光路を変更するもの(側方ミラー152及び後方ミラー153)を備える。
これによれば、上記実施形態5について説明したように、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射された光を、装置本体の後方の足元の測距に活用することが可能となる。これにより、進行方向の測距と、装置本体の後方の足元の測距とを同時に行うことが可能となる。

0159

(態様Q)
態様A乃至Pの何れかの態様において、測距センサ15等の測距手段から取得する距離情報に基づいて障害物301等の障害物を検出する障害物検出部と、距離情報に基づいて自己位置を推定し、移動量から求めた自己位置を、推定した自己位置を用いて補正する自己位置推定部233等の自己位置推定部と、障害物検出部で検出した障害物情報と、自己位置の推定において補正した自己位置とに基づいて、駆動モータ122及び駆動輪120等の走行手段の制御を行う駆動モータ制御部222等の走行制御部を備える。
これによれば、上記各実施形態について説明したように、測距手段の検出情報を用いて自律走行を行う自走ロボット1等の自律走行装置を実現することが可能となる。

0160

(態様R)
レーザー光等の光の照射方向を連続的に変化させる測距センサ15等の光走査型の測距手段を備える自走ロボット1等の測距装置において、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部を反射して光路を変更するミラー151等の反射手段を備える。
これによれば、上記各実施形態について説明したように、反射手段は、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光を反射するため、走査範囲の中央には測距手段からの光が直接照射される。このため、走査範囲の中央の測距を行うことが可能となる。また、反射手段は、測距手段の走査範囲の中央を除く端部側の方向に照射される光の少なくとも一部を反射して光路を変更するため、測距手段からの照射方向とは異なる反射手段による反射方向の測距を行うことができる。このように、態様Rでは、測距手段の走査範囲の中央の測距を行いつつ、測距する必要がある範囲外の走査範囲に照射される光を、測距手段からの照射方向とは異なる方向の測距に活用することが可能となる。

0161

1 自走ロボット
11 車両本体
15 測距センサ
120駆動輪
120a右駆動輪
120b左駆動輪
121補助輪
122a 右駆動モータ
122b 左駆動モータ
122 駆動モータ
123エンコーダ
123a 右エンコーダ
123b 左エンコーダ
140バッテリー
151ミラー
151a 第一ミラー
151b 第二ミラー
151fミラー反射面
152側方ミラー
153後方ミラー
160 ミラー保持部
160a 第一ミラー保持部
160b 第二ミラー保持部
161ミラー調整モータ
161a 第一ミラー調整モータ
161b 第二ミラー調整モータ
161s回転子
162モータホルダ
162aアジャスタ挿入部
163アジャスタ
164 上部板バネ
165ミラーベース
166a 第一突き当て部
166b 第二突き当て部
167a 第一下部板バネ
167b 第二下部板バネ
168 側方ミラー保持部
169 後方ミラー保持部
210演算部
221 エンコーダ演算部
222 駆動モータ制御部
230マップデータベースメモリ
230a 第一マップメモリ
230b 第二マップメモリ
230c 第三マップメモリ
233自己位置推定部
234経路演算部
251 水平障害物判定部
252足元障害物判定部
253 足元障害物形状判定部
254 ミラー調整モータ制御部
300 床面
301障害物
302 凹部
L1直射レーザー光
L2 反射レーザー光

先行技術

0162

特許5278283号

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