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技術 分析装置、分析装置のドリフト評価方法、及びプログラム

出願人 東亜ディーケーケー株式会社
発明者 岩本基石原和彦
出願日 2015年12月7日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-238678
公開日 2017年6月15日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-106747
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード リニアアレイ検出器 Y座標 ゼロドリフト 水銀測定装置 余熱状態 スパンドリフト X座標 全窒素測定
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月15日)のものです。
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図面 (2)

課題

試料液試薬を反応させた反応液吸光度測定する分析装置において、ドリフト確認のための時間的ロスを省き、しかも、操作者直感的に理解しやすく、校正作業終了後即座に確認結果を得ることを可能とする。

解決手段

校正モードにおいて、校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Cs(但しCz≠Cs)、並びに校正液Zを試料液とした際の吸光度データIz及び校正液Sを試料液とした際の吸光度データIsに基づき、吸光度を濃度に換算するための検量線情報を作成する。また、校正のために得た校正液の吸光度データを、前回の校正モード時において作成した検量線情報に基づき、濃度に換算する。

概要

背景

吸光光度計を用いる分析装置では、吸光度測定対象成分の濃度との関係を示す検量線を得るため、濃度既知校正液を用いた校正作業を定期的に行う必要がある。この校正作業時に、検量線が極端に変動(ドリフト)している場合は、装置の故障試薬変質等、何らかのトラブルが生じている可能性が高い。そのため、校正時に過大なドリフトが発生した際にはアラームを出すことも考えられる。

しかし、アラーム機能だけでは、アラームを出すほど過大ではないが、通常よりも大きいドリフトの発生を検知することができない。その場合、装置内に、校正時の吸光度の履歴を残しておき、操作者が今回の校正時の吸光度と対比できるようにすることも考えられる。
しかしながら、操作者が吸光度のドリフトを見ても、その吸光度のドリフトが、実際の濃度データにどの程度影響を与え得るものなのか、直感的に理解することは困難である。
そこで、実務上、ドリフトを確認したい場合には、校正作業とは別に、校正液を試料液として濃度を測定し、その校正液の既知濃度と対比をすることが行われている。

ところが、吸光光度計を用いる分析装置は、試料液の吸光度をそのまま測定するものだけでなく、試料液に試薬を反応させた反応液吸光度測定するものも多い。
特に1回の測定に1時間程度を要する場合(例えば特許文献1)、ドリフト確認のために校正液の測定作業を行うと時間的ロスが大きい。例えば、ゼロドリフトスパンドリフトの双方を確認するには、2時間程度を要することとなる。

概要

試料液に試薬を反応させた反応液を吸光度測定する分析装置において、ドリフト確認のための時間的ロスを省き、しかも、操作者が直感的に理解しやすく、校正作業終了後即座に確認結果を得ることを可能とする。校正モードにおいて、校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Cs(但しCz≠Cs)、並びに校正液Zを試料液とした際の吸光度データIz及び校正液Sを試料液とした際の吸光度データIsに基づき、吸光度を濃度に換算するための検量線情報を作成する。また、校正のために得た校正液の吸光度データを、前回の校正モード時において作成した検量線情報に基づき、濃度に換算する。

目的

本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、試料液に試薬を反応させた反応液を吸光度測定する分析装置において、ドリフト確認のための時間的ロスを省き、しかも、操作者が直感的に理解しやすく、校正作業終了後即座に確認結果を得ることが可能な分析装置のドリフト評価方法、及び、この評価方法を実施するための分析装置及びプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

試料液試薬を反応させて反応液を得る反応部と得られた反応液の吸光度を測定する吸光光度計と、前記反応部及び前記吸光光度計を制御すると共に、前記吸光光度計で得られる吸光度が入力される演算制御部を備え、前記演算制御部は、校正モードにおいて、校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Cs(但しCz≠Cs)、並びに校正液Zを試料液とした際の吸光度データIz及び校正液Sを試料液とした際の吸光度データIsに基づき、吸光度を濃度に換算するための検量線情報を作成すると共に、前回の校正モード時において作成した検量線情報に基づき、今回の校正モード時において得られた吸光度データIz及び吸光度データIsの一方又は両方を濃度に換算することを特徴とする分析装置

請求項2

前記演算制御部は、前記校正液Z及び前記校正液Sの一方又は両方について、前記換算した濃度と、今回の校正モード時における既知濃度との差を求める請求項1に記載の分析装置。

請求項3

試料液に試薬を反応させて得られた反応液の吸光度を測定して試料液の濃度を求める分析装置のドリフト評価方法であって、校正モード時に、校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Cs(但しCz≠Cs)、並びに校正液Zを試料液とした際の吸光度データIz及び校正液Sを試料液とした際の吸光度データIsに基づき、吸光度を濃度に換算するための検量線情報を作成すると共に、前記校正液Z及び前記校正液Sの一方又は両方について、前回の校正モード時において作成した検量線情報に基づき、今回の校正モード時において得られた吸光度データを濃度に換算し、前記換算した濃度と、今回の校正モード時における既知濃度との差を求めることを特徴とする分析装置のドリフト評価方法。

請求項4

試料液に試薬を反応させて反応液を得る反応部と得られた反応液の吸光度を測定する吸光光度計と、前記反応部及び前記吸光光度計を制御すると共に、前記吸光光度計で得られる吸光度が入力される演算制御部を備える分析装置において校正モードが選択された際に、前記演算制御部に以下のステップを含む処理を実行させるプログラム。[ステップA1]前記反応部と前記吸光光度計を、校正液Zと校正液Sの各々を試料液として各々の反応液の吸光度データを得るように制御し、校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Cs(但しCz≠Cs)、並びに校正液Zを試料液とした際の吸光度データIz及び校正液Sを試料液とした際の吸光度データIsに基づき、吸光度を濃度に換算するための検量線情報を作成するステップ。[ステップA2]前回の校正モード時において作成した検量線情報に基づき、今回の校正モード時において得られた吸光度データIz及び吸光度データIsの一方又は両方を濃度に換算するステップ。

請求項5

前記ステップA2が、さらに、前記校正液Z及び前記校正液Sの一方又は両方について、前記換算した濃度と、今回の校正モード時における既知濃度との差を求めるステップである請求項4に記載のプログラム。

技術分野

0001

本発明は分析装置、分析装置のドリフト評価方法、及びプログラムに関する。さらに詳しくは、試料液試薬を反応させた反応液吸光度測定することにより、試料液中の成分の濃度を求める分析装置、分析装置のドリフト評価方法、及びプログラムに関する。

背景技術

0002

吸光光度計を用いる分析装置では、吸光度測定対象成分の濃度との関係を示す検量線を得るため、濃度既知校正液を用いた校正作業を定期的に行う必要がある。この校正作業時に、検量線が極端に変動(ドリフト)している場合は、装置の故障や試薬の変質等、何らかのトラブルが生じている可能性が高い。そのため、校正時に過大なドリフトが発生した際にはアラームを出すことも考えられる。

0003

しかし、アラーム機能だけでは、アラームを出すほど過大ではないが、通常よりも大きいドリフトの発生を検知することができない。その場合、装置内に、校正時の吸光度の履歴を残しておき、操作者が今回の校正時の吸光度と対比できるようにすることも考えられる。
しかしながら、操作者が吸光度のドリフトを見ても、その吸光度のドリフトが、実際の濃度データにどの程度影響を与え得るものなのか、直感的に理解することは困難である。
そこで、実務上、ドリフトを確認したい場合には、校正作業とは別に、校正液を試料液として濃度を測定し、その校正液の既知濃度と対比をすることが行われている。

0004

ところが、吸光光度計を用いる分析装置は、試料液の吸光度をそのまま測定するものだけでなく、試料液に試薬を反応させた反応液を吸光度測定するものも多い。
特に1回の測定に1時間程度を要する場合(例えば特許文献1)、ドリフト確認のために校正液の測定作業を行うと時間的ロスが大きい。例えば、ゼロドリフトスパンドリフトの双方を確認するには、2時間程度を要することとなる。

先行技術

0005

特許第4044399号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、試料液に試薬を反応させた反応液を吸光度測定する分析装置において、ドリフト確認のための時間的ロスを省き、しかも、操作者が直感的に理解しやすく、校正作業終了後即座に確認結果を得ることが可能な分析装置のドリフト評価方法、及び、この評価方法を実施するための分析装置及びプログラムを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

上記の課題を達成するために、本発明は、以下の構成を採用した。
[1]試料液に試薬を反応させて反応液を得る反応部と
得られた反応液の吸光度を測定する吸光光度計と、
前記反応部及び前記吸光光度計を制御すると共に、前記吸光光度計で得られる吸光度が入力される演算制御部を備え、
前記演算制御部は、校正モードにおいて、校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Cs(但しCz≠Cs)、並びに校正液Zを試料液とした際の吸光度データIz及び校正液Sを試料液とした際の吸光度データIsに基づき、吸光度を濃度に換算するための検量線情報を作成すると共に、
前回の校正モード時において作成した検量線情報に基づき、今回の校正モード時において得られた吸光度データIz及び吸光度データIsの一方又は両方を濃度に換算することを特徴とする分析装置。
[2]前記演算制御部は、前記校正液Z及び前記校正液Sの一方又は両方について、前記換算した濃度と、今回の校正モード時における既知濃度との差を求める[1]に記載の分析装置。

0008

[3]試料液に試薬を反応させて得られた反応液の吸光度を測定して試料液の濃度を求める分析装置のドリフト評価方法であって、
校正モード時に、校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Cs(但しCz≠Cs)、並びに校正液Zを試料液とした際の吸光度データIz及び校正液Sを試料液とした際の吸光度データIsに基づき、吸光度を濃度に換算するための検量線情報を作成すると共に、
前記校正液Z及び前記校正液Sの一方又は両方について、前回の校正モード時において作成した検量線情報に基づき、今回の校正モード時において得られた吸光度データを濃度に換算し、前記換算した濃度と、今回の校正モード時における既知濃度との差を求めることを特徴とする分析装置のドリフト評価方法。

0009

[4]試料液に試薬を反応させて反応液を得る反応部と
得られた反応液の吸光度を測定する吸光光度計と、
前記反応部及び前記吸光光度計を制御すると共に、前記吸光光度計で得られる吸光度が入力される演算制御部を備える分析装置において校正モードが選択された際に、
前記演算制御部に以下のステップを含む処理を実行させるプログラム。
[ステップA1]
前記反応部と前記吸光光度計を、校正液Zと校正液Sの各々を試料液として各々の反応液の吸光度データを得るように制御し、
校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Cs(但しCz≠Cs)、並びに校正液Zを試料液とした際の吸光度データIz及び校正液Sを試料液とした際の吸光度データIsに基づき、吸光度を濃度に換算するための検量線情報を作成するステップ。
[ステップA2]
前回の校正モード時において作成した検量線情報に基づき、今回の校正モード時において得られた吸光度データIz及び吸光度データIsの一方又は両方を濃度に換算するステップ。
[5]前記ステップA2が、さらに、前記校正液Z及び前記校正液Sの一方又は両方について、前記換算した濃度と、今回の校正モード時における既知濃度との差を求めるステップである[4]に記載のプログラム。

発明の効果

0010

本発明の分析装置、分析装置のドリフト評価方法、及びプログラムによれば、試料液に試薬を反応させた反応液を吸光度測定する分析装置のドリフト確認のための時間的ロスを省き、しかも、操作者が直感的に理解しやすく、校正作業終了後即座に確認結果を得ることが可能である。

図面の簡単な説明

0011

本発明の1実施形態に係る分析装置の概略構成図である。

実施例

0012

<分析装置の構成>
本発明の1実施形態に係る分析装置について図1を用いて説明する。本実施形態の分析計は、全窒素、全りんCODの3項目JIS法準拠して求める分析装置である。この3項目の内、CODについては、試料液に試薬を反応させることなく、直接吸光度を測定することにより求められるが、全窒素、全りんについては、試料液に試薬を反応させることにより得られる反応液の吸光度を測定することにより求められる。

0013

本実施形態の分析装置は、反応部10と吸光光度計20と、演算制御部30とから構成されている。
反応部10は、反応槽11と、加熱分解槽12と、反応槽11内の温度を測定する温度センサー13と、反応槽11内の反応液を吸光光度計20のフローセルに導入するためのポンプ14と、多数の流路を備えている。
反応部10には、ポンプや各種弁が設けられており、これら弁やポンプの動作を演算制御部30が制御することにより、試料液や試薬等が、各流路内を適宜移動できるようになっている。反応部10の加熱分解槽12も、演算制御部30により制御されるようになっている。

0014

図1には、本実施形態の分析装置の主要な流路、弁及びポンプを示した。流路L1は反応槽11内の反応液を吸光光度計20に導入するための流路で、この流路L1に、ポンプ14と吸光光度計20のフローセルが設けられている。
流路L2は試料液流路、流路L3〜L5は試薬流路である。流路L3は、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を反応槽11に送る流路、流路L4は、水酸化ナトリウム溶液塩酸を反応槽11に送る流路、流路L5はモリブデン酸アンモニウム溶液L−アスコルビン酸溶液を反応槽11に送る流路である。なお、モリブデン酸アンモニウム溶液は、少量のタルトラアンチモン(III)酸カリウムを含む硫酸酸性のモリブデン酸アンモニウム溶液である。

0015

流路L6は全窒素測定用のサンプル分解流路、流路L7は全りん測定用のサンプル分解流路で、何れも、下端が反応槽11の底部に挿入され、上端側は、図示を省略するポンプに接続可能とされている。このポンプは、エアポンプ及びステッピングモーターを使用した定量ポンプであることが好ましい。また、何れも流路の中間部分が加熱分解槽12に収容されている。そして、流路L6の加熱分解槽12に収容されている部分の反応槽11側には常閉弁SV1が、反応槽11と反対側には常閉弁SV2が設けられている。また、流路L7の加熱分解槽12に収容されている部分の反応槽11側には常閉弁SV3が、反応槽11と反対側には常閉弁SV4が設けられている。
流路L8は、純水を反応槽11に送る流路、流路L9〜L10は廃液流路である。

0016

吸光光度計20は、図示を省略するフローセルと光源分光検出器で構成されている。フローセルは、石英ガラス製である。光源としては、重水素ランプタングステンランプが用いられており、これらは、同光軸上に配置されている。分光検出器は、回折格子を用いた分光部とリニアアレイ検出器で構成されている。
演算制御部30は、反応部10と吸光光度計20を制御すると共に、吸光光度計で得られる吸光度が入力されるようになっている。演算制御部30には、本発明のプログラムが組み込まれている。

0017

<試料液の測定>
本実施形態の分析装置は、演算制御部30による制御の下、以下の手順により、試料液の全窒素、全りん、CODの3項目を求める。加熱分解槽12の温度は、加熱分解時以外は、全工程を通じて70℃の余熱状態とされており、加熱分解時には120℃とされる。各工程において行われる洗浄は、洗浄が必要な部分に純水を導入し、その後廃液することにより行われる。
なお、以下の説明において、吸光光度計20によって得られる試料液または反応液の吸光度は、ブランク測定値を差し引くことによってブランク補正した値であることが好ましい。ブランク測定値は、フローセルに純水を流した際の吸光度である。

0018

1.全窒素サンプル調整
まず、流路L2により、所定量の試料液を反応槽11に導入する。ここで、必要に応じて、流路L8から純水を反応槽11に導入して試料液を希釈する。次いで、流路L3、L4により、全窒素測定用の加熱分解試薬であるペルオキソ二硫酸カリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液を反応槽11に導入する。その後流路L6にポンプをつないで、常閉弁SV1と常閉弁SV2を開とした状態で反応槽11内にバブリングすることにより、試料液と加熱分解試薬を混合し、全窒素サンプル液とする。そして、流路L6につながれたポンプを駆動させることにより、全窒素サンプル液の全量を流路L6の加熱分解槽12(余熱状態)に収容されている部分まで吸引して、常閉弁SV1と常閉弁SV2を閉状態に戻し、全りんサンプル調整を行っている間待機する。

0019

2.全りんサンプル調整
反応槽11内を洗浄した後、流路L2により、所定量の試料液を反応槽11に導入する。ここで、必要に応じて、流路L8から純水を反応槽11に導入して試料液を希釈する。次いで、流路L3により、全りん測定用の加熱分解試薬であるペルオキソ二硫酸カリウム溶液を反応槽11に導入する。その後流路L7にポンプをつないで、常閉弁SV3と常閉弁SV4を開とした状態で反応槽11内にバブリングすることにより、試料液と加熱分解試薬を混合し、全りんサンプル液とする。そして、流路L7につながれたポンプを駆動させることにより、全りんサンプル液の全量を流路L7の加熱分解槽12(余熱状態)に収容されている部分まで吸引して、常閉弁SV3と常閉弁SV4を閉状態に戻す。

0020

3.加熱分解とCOD測定
流路L6にポンプをつないで、常閉弁SV2を開とした状態でエアを圧送し、その後常閉弁SV2を閉状態に戻すことにより、流路L6の加熱分解槽12に収容されている部分の圧力を高める。
同様に、常閉弁SV4を開とした状態でエアを圧送し、その後常閉弁SV4を閉状態に戻すことにより、流路L7の加熱分解槽12に収容されている部分の圧力を高める。

0021

そして、加熱分解槽12の温度を120℃として、30分間、流路L6の全窒素サンプル液と流路L7の全りんサンプル液を加熱分解し、各々全窒素測定用の加熱分解液と全りん測定用の加熱分解液とする。
加熱分解により、試料液中の窒素化合物はすべて酸化されて硝酸イオンとなる。また、試料液中のリン化合物はすべて酸化されてリン酸イオンとなる。

0022

この加熱分解を行う30分の間に、COD測定を平行して行う。すなわち、反応槽11内を洗浄した後、流路L2により、所定量の試料液を反応槽11に導入する。ここで、必要に応じて、流路L8から純水を反応槽11に導入して試料液を希釈する。次いで、ポンプ14により、吸光光度計20のフローセルに反応槽11内の試料液を吸引して、吸光度を測定する。吸光度測定後、流路L1と反応槽11を洗浄する。

0023

吸光度は、重水素ランプによる波長254nmとタングステンランプによる波長546nmの光をフローセル内の試料液に照射することにより測定される。フローセルを通過した光は、分光部で分光された後、リニアアレイ検出器で各々の波長毎に検出され、各々の波長毎の吸光度が求められる。254nmの吸光度はCODに対応するが、濁り成分の量の影響を受ける。546nmの吸光度は濁り成分の量に対応する。254nmの吸光度から546nmの吸光度を差し引いた値を、予め求めた検量線情報に基づき換算することによって、試料液のCOD値が求められる。

0024

4.全窒素測定
流路L6にポンプをつないで、常閉弁SV1と常閉弁SV2を開として、流路L6内の全窒素測定用の加熱分解液を反応槽11に圧送して戻す。ここに、流路L4により塩酸を導入してpHを2〜3に調整し、全窒素測定用の反応液を得る。
次いで、ポンプ14により、吸光光度計20のフローセルに反応槽11内の反応液を吸引して、吸光度を測定する。吸光度測定後、流路L1、L6と反応槽11を洗浄する。

0025

吸光度は、重水素ランプによる波長220nmと波長254nmの光をフローセル内の試料液に照射することにより測定される。フローセルを通過した光は、分光部で分光された後、リニアアレイ検出器で各々の波長毎に検出され、各々の波長毎の吸光度が求められる。220nmの吸光度は硝酸イオン濃度に対応するが、濁り成分の量の影響を受ける。254nmの吸光度は硝酸イオン濃度の吸収がないため、220nmの吸光度から254nmの吸光度を差し引いた値を、予め求めた検量線情報に基づき換算することによって、試料液の全窒素濃度が求められる。

0026

5.全りん測定
流路L7にポンプをつないで、常閉弁SV3と常閉弁SV4を開として、流路L7内の全りん測定用の加熱分解液を反応槽11に圧送して戻す。ここに、流路L5によりL−アスコルビン酸溶液とモリブデン酸アンモニウム塩酸を導入してモリブデン青を生成させる。
次いで、ポンプ14により、吸光光度計20のフローセルに反応槽11内の反応液を吸引して、吸光度を測定する。吸光度測定後、流路L1、L7と反応槽11を洗浄する。

0027

吸光度は、タングステンランプによる波長880nmの光をフローセル内の試料液に照射することにより測定される。フローセルを通過した光は、分光部で分光された後、リニアアレイ検出器で検出され、880nmの波長の吸光度が求められる。この吸光度を、予め求めた検量線情報に基づき換算することによって、試料液の全りん濃度が求められる。

0028

6.洗浄
反応槽11と各流路の洗浄を行う。ここまでの工程に要する時間は約60分である。

0029

<校正>
分析装置において校正モードが選択された際に、演算制御部30は、以下のステップA1を含む処理を実行する。
校正モードは、操作者による入力指示によって選択されてもよいし、予めプログラムにされた所定のタイミングに従って選択されてもよい。所定のタイミングは、一定の期間毎でもよいし、試薬交換等、分析装置の使用状況が予め定めた条件を満たした時であってもよい。

0030

[ステップA1]
反応部10と吸光光度計20を、校正液Zと校正液Sの各々を試料液として各々の反応液の吸光度データを得るように制御し、
校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Cs(但しCz≠Cs)、並びに校正液Zを試料液とした際の吸光度データIz及び校正液Sを試料液とした際の吸光度データIsに基づき、吸光度を濃度に換算するための検量線情報を作成するステップ。

0031

校正液Zとしては、測定対象成分の濃度がゼロ、又は測定対象成分の濃度がゼロに近い既知濃度の校正液を用いることが好ましい。校正液Sとしては、測定対象成分の濃度がフルスケールの濃度、又はフルスケールの濃度に近い既知濃度の校正液を用いることが好ましい。
本実施形態では校正液Zとして純水を用いる。また、校正液Sとしては硝酸カリウム・りん酸二水素カリウム混合溶液が用いられる。この校正液Sは、全窒素、全りんの双方の校正液として共用できる。
校正液Zによる校正と校正液Sによる校正は、各々1回以上行えばよいが、高い精度を求める場合は、各々複数回行うことが好ましい。例えば、校正液Zによる校正と校正液Sによる校正を各々3回行う場合、校正に要する時間は、合計で約6時間となる。

0032

全窒素測定においては、校正液Zを試料液とした際の220nmの吸光度から254nmの吸光度を差し引いた値が吸光度データIzとなる。また、校正液Sを試料液とした際の220nmの吸光度から254nmの吸光度を差し引いた値が吸光度データIsとなる。
校正液Zによる校正を複数回行った場合、検量線の作成には各吸光度データIzの平均値Izaを吸光度データIzとして用いる。また、校正液Sによる校正を複数回行った場合、検量線の作成には各吸光度データIsの平均値Isaを吸光度データIsとして用いる。

0033

吸光度データIz及び吸光度データIs、並びに校正液Zの既知濃度Cz及び校正液Sの既知濃度Csに基づき、検量線を作成することができる。検量線は、吸光度をX座標、濃度をY座標とした際に、点(Iz,Cz)と点(Is,Cs)の2点を通る直線である。
本発明における検量線情報は、吸光度データIz及び吸光度データIs、並びに既知濃度Cz及び既知濃度Csからなる情報でもよいし、これらから求めた検量線を示す式の情報でもよい。
検量線が作成されることにより、測定モードにおいて、試料液の反応液を得て吸光度を測定した際に、濃度未知の測定対象成分の濃度を検量線に基づき求めることができる。

0034

<ドリフト評価>
分析装置において校正モードが選択された際に、演算制御部30は、上記ステップA1と共に、下記のステップA2を含む処理を実行する。これにより、本発明のドリフト評価方法が実施される。
[ステップA2]
前回の校正モード時において作成した検量線情報に基づき、今回の校正モード時において得られた吸光度データIz及び吸光度データIsの一方又は両方を濃度に換算するステップ。

0035

校正液Zによる校正を複数回行う場合、ステップA2において濃度に換算する今回の吸光度データIzは、複数回の内の1回(例えば初回)において得られたデータでもよいし、複数回のデータの平均値でもよい。また、校正液Sによる校正を複数回行う場合、ステップA2において濃度に換算する今回の吸光度データIsは、複数回の内の1回(例えば初回)において得られたデータでもよいし、複数回のデータの平均値でもよい。
例えば初回のデータを用いる場合は、ステップA1が完了する前に、ステップA2を行うことも可能である。

0036

ステップA2では、前回の校正モード時において作成した検量線情報が、吸光度データIz及び吸光度データIs、並びに既知濃度Cz及び既知濃度Csからなる情報として記憶されていれば、これらの情報に基づき、今回の校正モード時において得られた吸光度データIz及び吸光度データIsの一方又は両方を濃度に換算する。前回の校正モード時において作成した検量線情報が、検量線を示す式として記憶されていれば、この式に基づき今回の校正モード時において得られた吸光度データIz及び吸光度データIsの一方又は両方を濃度に換算する。以下、前者の場合について換算方法を詳述するが、後者の場合も、下記の計算の一部を検量線情報作成時に行っているだけで、本質的な違いはない。

0037

今回の校正モード時において得られた吸光度データIzと吸光度データIsを、各々前回のものと区別するために吸光度データIz’と吸光度データIs’とすると、前回の検量線情報に基づいて、吸光度データIz’から求められる換算濃度Dzと、吸光度データIs’から求められる濃度Dsは、各々以下の式(1)、(2)で表される。
Dz=(Iz’−Iz)/(Is−Iz)*(Cs−Cz)+Cz ・・・(1)
Ds=(Is’−Is)/(Is−Iz)*(Cs−Cz)+Cs ・・・(2)

0038

なお、検量線情報が検量線を示す式の場合、上記式(1)、(2)は、以下の式(1)’、(2)’となる。
Dz=α*Iz’+β ・・・(1)’
Ds=α*Is’+β ・・・(2)’
但し、式(1)’、(2)’において、
α=(Cs−Cz)/(Is−Iz)
β=(Cz*Is−Cs*Iz)/(Is−Iz)

0039

演算制御部30が、式(1)及び式(2)の少なくとも一方を行うことにより、吸光度ではなく、濃度として扱える数値が得られる。そのため、操作者は、式(1)で得られた換算濃度Dzを、今回の校正モード時において用いた校正液Zの既知濃度Cz’と対比するか、式(2)で得られた換算濃度Dsを、今回の校正モード時において用いた校正液Sの既知濃度Cs’と対比することにより、ドリフト状況を直感的に認識することができる。

0040

演算制御部30は、前記式(1)及び式(2)に代えて、下記式(3)または式(4)を行ってもよい。この場合、ドリフト量を濃度換算で直接得られるので、操作者は、ドリフト状況をより直感的に認識することができる。
Dz−Cz’=(Iz’−Iz)/(Is−Iz)*(Cs−Cz)+Cz−Cz’
・・・(3)
Ds−Cs’=(Is’−Is)/(Is−Iz)*(Cs−Cz)+Cs−Cs’
・・・(4)

0041

なお、前回の校正時と今回の校正時に用いる校正液の既知濃度に変更がなければ(Cz=Cz’、Cs=Cs’)、式(3)と式(4)は、以下の式(5)と式(6)となる。
Dz−Cz=(Iz’−Iz)/(Is−Iz)*(Cs−Cz) ・・・(5)
Ds−Cs=(Is’−Is)/(Is−Iz)*(Cs−Cz) ・・・(6)
また、本実施形態のように、前回の校正時と今回の校正時に用いる校正液Zの既知濃度Czが共にゼロである場合(Cz=0)、式(5)と式(6)は、以下の式(7)と式(8)となる。
Dz=(Iz’−Iz)/(Is−Iz)*Cs ・・・(7)
Ds−Cs=(Is’−Is)/(Is−Iz)*Cs ・・・(8)

0042

また、演算制御部30は、前記式(5)及び式(6)に代えて、下記式(9)または式(10)を行ってもよい。この場合、ドリフト量をフルスケール濃度(FS)における比率(%)として得られるので、操作者は、測定値に与えるドリフトの影響をさらに直感的に認識することができる。
[Dz−Cz](%)
=(Iz’−Iz)/(Is−Iz)*(Cs−Cz)/FS*100 ・・・(9)
[Ds−Cs](%)
=(Is’−Is)/(Is−Iz)*(Cs−Cz)/FS*100 ・・・(10)
前回の校正時と今回の校正時に用いる校正液Zの既知濃度Czが共にゼロであり、かつ校正液Sの既知濃度Csが共にフルスケール濃度(FS)である場合(Cz=Cz’=0、Cs=FS)、式(9)と式(10)は、以下の式(11)と式(12)となる。
[Dz](%)=(Iz’−Iz)/(Is−Iz)*100 ・・・(11)
[Ds−Cs](%)=(Is’−Is)/(Is−Iz)*100 ・・・(12)

0043

演算制御部30が、上記の式(1)〜(12)の何れか1以上の演算を行うことにより、本発明のドリフト評価方法が完了する。ただし、演算制御部30が、上記の式(1)、式(2)の何れかの演算を行うところで、演算処理を終了する場合、操作者が換算濃度と既知濃度とを対比し、その差を求めることによって本発明のドリフト評価方法が完了する。

0044

本発明のドリフト評価方法が完了すると、操作者は、ドリフトの状況を直感的に確認できる。
また、上記演算は、校正のために得たデータをそのまま転用して行えるので、ドリフト確認のため、試料液と試薬との反応をわざわざ行う必要がない。
また、上記演算を校正モードにおいて、校正液Zによる校正と校正液Sによる校正を各々複数回行う場合、初回の校正により得られたデータを用いて上記演算を行えば、校正の全工程の終了を待たずにドリフト状況の確認ができる。
そのため、ドリフト状況によっては、残りの校正工程を中止するなどの対処も可能となる。

0045

なお、上記実施形態では、全窒素、全りん、CODの3項目をJIS法に準拠して求める分析装置を例にとって説明したが、分析装置の分析対象はこれに限られず、例えば、全窒素、全りんの2項目を求める分析装置であってもよい。また、六価クロム、全クロムニッケルマンガン、銅等を試料液と試薬を反応させて吸光度分析する装置であってもよい。また、水銀化合物を試薬との反応により水銀に変換した試料液から、気化させた水銀を原子吸光光度法によって求める水銀測定装置であってもよい。

0046

また、反応部と、吸光光度計の具体的な構成、及び分析の手順は、分析対象成分に応じて適宜変更すればよく、特に限定はない。

0047

また、上記実施形態では、各ステップを実行させるためのプログラムが演算制御部30に組み込まれている態様としたが、演算制御部30の機能の一部または全部は、直接または通信ステムを利用して接続された外部コンピュータに担わせてもよい。
その場合、プログラムは、予めコンピュータに記録されていてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませてもよい。
また、予めコンピュータに記録されているプログラムと、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータに読み込ませるプログラムとを組み合わせてもよい。

0048

10…反応部、11…反応槽、12…加熱分解槽、13…温度センサー、
14…ポンプ、20…吸光光度計、30…演算制御部

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