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技術 連結型ネジ溝スペーサ、および真空ポンプ

出願人 エドワーズ株式会社
発明者 坂口祐幸三輪田透三枝健吾吉原菜穂子
出願日 2015年12月9日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-240009
公開日 2017年6月15日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-106365
状態 特許登録済
技術分野 非容積形送風機
主要キーワード スペーサ軸 静止円板 排気要素 渦巻状溝 渦流形 位相角度θ 延長ライン 頂点面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月15日)のものです。
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図面 (15)

課題

ネジ溝ポンプ部の排気性能を維持しつつ小型化を実現する連結型ネジ溝スペーサ、および、当該連結型ネジ溝スペーサが配設された真空ポンプを提供する。

解決手段

連結型ネジ溝スペーサ20は、シグバーンポンプ部とネジ溝ポンプ部とを連結させる構造を備える。より詳しくは、排気要素部であるネジ溝ポンプ部の構造を、円筒ネジの上にシグバーン形の構造が取り付けられた構造にし、当該取り付け部分において各部品が連結する構成にする。つまり、シグバーン部と円筒状ネジ(ネジ溝ポンプ部)の流路境目を、真空ポンプの軸線方向から見て略直角になるように繋ぎ、シグバーン部とネジ溝ポンプ部の流路を繋ぐ。この構成により、ネジ溝ポンプ部の圧縮流路長を、連結されたシグバーン部によって径方向に伸ばすことができる。

概要

背景

シグバーン型の構成を有するシグバーン型分子ポンプは、回転円板回転円盤)と、当該回転円板と軸方向に隙間(クリアランス)をもって設置された固定円板と、を備え、当該回転円板もしくは固定円板の少なくとも何れか一方の隙間対向表面スパイラル状溝らせん溝または渦巻状溝ともいう)流路刻設されている。そして、スパイラル状溝流路内に拡散して入ってきた気体分子に、回転円板によって回転円板接線方向(すなわち、回転円板の回転方向の接線方向)の運動量を与えることで、スパイラル状溝により吸気口から排気口に向けて優位な方向性を与えて排気を行う真空ポンプである。
このようなシグバーン型分子ポンプ、あるいはシグバーン型分子ポンプ部を有する真空ポンプを工業的に利用するためには、回転円板と固定円板の段が単段では圧縮比不足するので多段化がなされている。求められる圧縮性能を満たすために段数を増やすと、それだけポンプ自体の大きさが大きくなってしまう。
また、多段化する場合には、回転円板を半割れ形状にする必要が生じる。すると、ポンプの外筒ケーシング)をシグバーン部(シグバーンポンプ部)を覆う長さにまで長くする必要があり、この場合もポンプ自体の大きさが大きくなってしまう。

また、ネジ溝式ポンプ型の構成を有するネジ溝型分子ポンプは、特に高温仕様の真空ポンプにおいては、ネジ部(ネジ溝部)での圧縮性能を良くするために、ネジ溝部の長さ(ネジ長)を長くしたり、2つ以上の複数の流路が設けられたパラレルパスタイプで構成するなどして製造していた。
しかしながら、ネジ長を長くすることで排気構造周囲構造(ケーシングなど)の部分が大きくなったり、あるいは、パラレルパスにすることで複雑な部品が増えるなどして、製造コストが大きくなってしまっていた。
図14は、従来の1Passネジタイプの真空ポンプを説明するための図である。
たとえば、流路が1つである1Passネジ溝スペーサ2001が備わる従来の真空ポンプ1001では、圧縮性能を良くしたい場合、ネジ溝部の軸方向の長さを長くする必要があった。このようにネジ溝部の軸方向の長さを長くすると、その分だけベース3を大きくする必要が生じるため、製造コストが大きくなってしまっていた。

概要

ネジ溝ポンプ部の排気性能を維持しつつ小型化を実現する連結型ネジ溝スペーサ、および、当該連結型ネジ溝スペーサが配設された真空ポンプを提供する。連結型ネジ溝スペーサ20は、シグバーンポンプ部とネジ溝ポンプ部とを連結させる構造を備える。より詳しくは、排気要素部であるネジ溝ポンプ部の構造を、円筒状ネジの上にシグバーン形の構造が取り付けられた構造にし、当該取り付け部分において各部品が連結する構成にする。つまり、シグバーン部と円筒状ネジ(ネジ溝ポンプ部)の流路の境目を、真空ポンプの軸線方向から見て略直角になるように繋ぎ、シグバーン部とネジ溝ポンプ部の流路を繋ぐ。この構成により、ネジ溝ポンプ部の圧縮流路長を、連結されたシグバーン部によって径方向に伸ばすことができる。

目的

本発明は、真空ポンプにおいて、ネジ溝ポンプ部の排気性能を維持しつつ小型化を実現する連結型ネジ溝スペーサ、および、当該連結型ネジ溝スペーサが配設された真空ポンプを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

スパイラル状山部とスパイラル状谷部を有するスパイラル状溝刻設された円板型のスパイラル状溝部と、ネジ山部とネジ谷部を有するネジ溝が形成され、前記スパイラル状溝部と連結する円筒型のネジ溝部と、を有することを特徴とする連結型ネジ溝スペーサ

請求項2

前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部は、前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部が連結する連結部において、前記スパイラル状山部と前記スパイラル状谷部との境界線の少なくともいずれか一方の境界線、またはその境界線を延長した第1延長線と、前記ネジ山部と前記ネジ谷部との境界線の少なくともいずれか一方の境界線、またはその境界線を延長した第2延長線が、連続して連結していることを特徴とする請求項1に記載の連結型ネジ溝スペーサ。

請求項3

前記連結部において、さらに、前記スパイラル状山部の頂上面と前記ネジ山部の頂上面は、非連続状態で連結していることを特徴とする請求項2に記載の連結型ネジ溝スペーサ。

請求項4

前記連結部において、さらに、前記スパイラル状山部と、前記ネジ山部が、連続して連結していることを特徴とする請求項2に記載の連結型ネジ溝スペーサ。

請求項5

前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部は、前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部が連結する連結部において、前記スパイラル状山部と、前記ネジ山部が、連続して連結していることを特徴とする請求項1に記載の連結型ネジ溝スペーサ。

請求項6

前記連結部において、さらに、前記スパイラル状山部と前記スパイラル状谷部との境界面と、前記ネジ山部と前記ネジ谷部との境界面が非連続状態で、前記スパイラル状山部と前記ネジ山部が連結することで、前記スパイラル状山部と前記ネジ山部とが交差することを特徴とする請求項5に記載の連結型ネジ溝スペーサ。

請求項7

前記ネジ溝部における、軸線とネジ深さの勾配角度である第1勾配角度の値は、前記スパイラル状溝部における、前記軸線に垂直な軸垂線と溝深さの勾配角度である第2勾配角度の値以下であることを特徴とする請求項1から請求項6に記載の連結型ネジ溝スペーサ。

請求項8

前記スパイラル状溝部の内径接線と前記スパイラル状山部の内径側接線により形成される第1角度の値は、前記スパイラル状溝部の外径接線と前記スパイラル状山部の内径側接線により形成される第2角度の値以下であり、かつ、前記第1角度は15°より大きく、前記第2角度は25°よりも小さく形成させることを特徴とする請求項1から請求項7に記載の連結型ネジ溝スペーサ。

請求項9

前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部は、一体型で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の連結型ネジ溝スペーサ。

請求項10

吸気口と排気口が形成された外装体と、前記外装体に内包され、回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に配設された回転翼と、前記回転翼と同心配置され、かつ前記回転翼と隙間を介して軸方向において対向する固定翼と、前記外装体に固定された前記請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の連結型ネジ溝スペーサを有するネジ溝型ポンプ機構と、を具備することを特徴とする真空ポンプ

技術分野

0001

本発明は、連結型ネジ溝スペーサ、および真空ポンプに関する。詳しくは、ネジ溝ポンプ部(円筒ネジ部)とシグバーンポンプ部とを有する真空ポンプにおいて、ネジ溝ポンプ部の小型化を実現する連結型ネジ溝スペーサ、および真空ポンプに関する。

背景技術

0002

シグバーン型の構成を有するシグバーン型分子ポンプは、回転円板回転円盤)と、当該回転円板と軸方向に隙間(クリアランス)をもって設置された固定円板と、を備え、当該回転円板もしくは固定円板の少なくとも何れか一方の隙間対向表面スパイラル状溝らせん溝または渦巻状溝ともいう)流路刻設されている。そして、スパイラル状溝流路内に拡散して入ってきた気体分子に、回転円板によって回転円板接線方向(すなわち、回転円板の回転方向の接線方向)の運動量を与えることで、スパイラル状溝により吸気口から排気口に向けて優位な方向性を与えて排気を行う真空ポンプである。
このようなシグバーン型分子ポンプ、あるいはシグバーン型分子ポンプ部を有する真空ポンプを工業的に利用するためには、回転円板と固定円板の段が単段では圧縮比不足するので多段化がなされている。求められる圧縮性能を満たすために段数を増やすと、それだけポンプ自体の大きさが大きくなってしまう。
また、多段化する場合には、回転円板を半割れ形状にする必要が生じる。すると、ポンプの外筒ケーシング)をシグバーン部(シグバーンポンプ部)を覆う長さにまで長くする必要があり、この場合もポンプ自体の大きさが大きくなってしまう。

0003

また、ネジ溝式ポンプ型の構成を有するネジ溝型分子ポンプは、特に高温仕様の真空ポンプにおいては、ネジ部(ネジ溝部)での圧縮性能を良くするために、ネジ溝部の長さ(ネジ長)を長くしたり、2つ以上の複数の流路が設けられたパラレルパスタイプで構成するなどして製造していた。
しかしながら、ネジ長を長くすることで排気構造周囲構造(ケーシングなど)の部分が大きくなったり、あるいは、パラレルパスにすることで複雑な部品が増えるなどして、製造コストが大きくなってしまっていた。
図14は、従来の1Passネジタイプの真空ポンプを説明するための図である。
たとえば、流路が1つである1Passネジ溝スペーサ2001が備わる従来の真空ポンプ1001では、圧縮性能を良くしたい場合、ネジ溝部の軸方向の長さを長くする必要があった。このようにネジ溝部の軸方向の長さを長くすると、その分だけベース3を大きくする必要が生じるため、製造コストが大きくなってしまっていた。

0004

実開平5−38389号公報
実用新案登録第2501275号
特開平5−10289号公報
実公平7−34234号公報

先行技術

0005

特許文献1には、真空ポンプにおいて大型化することなくポンプ性能を向上させることを目的とし、ロータの筒部と内筒との間にもネジ溝部を設けるとともに、筒部の上流側端部に筒部の外側と内側とを連通させる開口を設ける構成について記載されている。
特許文献2には、ジーグバーン形(シグバーン型)の真空ポンプにおいて、排気性能を高め、かつ、回転円板および静止円板の段数を低減することを目的とし、大気低真空域寄り複数個の回転円板および静止円板の対向面に、方向の異なるスパイラル状溝を設ける構成について記載されている。
また、特許文献3には、複合形ドライ真空ポンプにおいて、大気圧から直接排気することを目的とし、ネジ溝ポンプ部の後段に、大気圧から作動できる渦流円盤式のジークバーンポンプ(シグバーンポンプ)部を設けて複合させる構成について記載されている。
特許文献4には、複合形真空ポンプにおいて、高真空度を達成することを目的とし、ネジ溝形ポンプ要素とジグバーン(シグバーンポンプ)形ポンプ要素と渦流形ポンプ要素とを、この順序で配設する構成について記載されている。

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献1から特許文献4には、シグバーンポンプ部とネジ溝ポンプ部とが合わさる部分(すなわち、結合する部分)の構成については記載されていない。

0007

そこで、本発明は、真空ポンプにおいて、ネジ溝ポンプ部の排気性能を維持しつつ小型化を実現する連結型ネジ溝スペーサ、および、当該連結型ネジ溝スペーサが配設された真空ポンプを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために、請求項1記載の本願発明では、スパイラル状山部とスパイラル状谷部を有するスパイラル状溝が刻設された円板型のスパイラル状溝部と、ネジ山部とネジ谷部を有するネジ溝が形成され、前記スパイラル状溝部と連結する円筒型のネジ溝部と、を有することを特徴とする連結型ネジ溝スペーサを提供する。
請求項2記載の本願発明では、前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部は、前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部が連結する連結部において、前記スパイラル状山部と前記スパイラル状谷部との境界線の少なくともいずれか一方の境界線、またはその境界線を延長した第1延長線と、前記ネジ山部と前記ネジ谷部との境界線の少なくともいずれか一方の境界線、またはその境界線を延長した第2延長線が、連続して連結していることを特徴とする請求項1に記載の連結型ネジ溝スペーサを提供する。
請求項3記載の本願発明では、前記連結部において、さらに、前記スパイラル状山部の頂上面と前記ネジ山部の頂上面は、非連続状態で連結していることを特徴とする請求項2に記載の連結型ネジ溝スペーサを提供する。
請求項4記載の本願発明では、前記連結部において、さらに、前記スパイラル状山部と、前記ネジ山部が、連続して連結していることを特徴とする請求項2に記載の連結型ネジ溝スペーサを提供する。
請求項5記載の本願発明では、前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部は、前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部が連結する連結部において、前記スパイラル状山部と、前記ネジ山部が、連続して連結していることを特徴とする請求項1に記載の連結型ネジ溝スペーサを提供する。
請求項6記載の本願発明では、前記連結部において、さらに、前記スパイラル状山部と前記スパイラル状谷部との境界面と、前記ネジ山部と前記ネジ谷部との境界面が非連続状態で、前記スパイラル状山部と前記ネジ山部が連結することで、前記スパイラル状山部と前記ネジ山部とが交差することを特徴とする請求項5に記載の連結型ネジ溝スペーサを提供する。
請求項7記載の本願発明では、前記ネジ溝部における、軸線とネジ深さの勾配角度である第1勾配角度の値は、前記スパイラル状溝部における、前記軸線に垂直な軸垂線と溝深さの勾配角度である第2勾配角度の値以下であることを特徴とする請求項1から請求項6に記載の連結型ネジ溝スペーサを提供する。
請求項8記載の本願発明では、前記スパイラル状溝部の内径接線と前記スパイラル状山部の内径側接線により形成される第1角度の値は、前記スパイラル状溝部の外径接線と前記スパイラル状山部の内径側接線により形成される第2角度の値以下であり、かつ、前記第1角度は15°より大きく、前記第2角度は25°よりも小さく形成させることを特徴とする請求項1から請求項7に記載の連結型ネジ溝スペーサを提供する。
請求項9記載の本願発明では、前記スパイラル状溝部と前記ネジ溝部は、一体型で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の連結型ネジ溝スペーサを提供する。
請求項10記載の本願発明では、吸気口と排気口が形成された外装体と、前記外装体に内包され、回転自在に支持された回転軸と、前記回転軸に配設された回転翼と、前記回転翼と同心配置され、かつ前記回転翼と隙間を介して軸方向において対向する固定翼と、前記外装体に固定された前記請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の連結型ネジ溝スペーサを有するネジ溝型ポンプ機構と、を具備することを特徴とする真空ポンプを提供する。

発明の効果

0009

本発明によれば、ネジ溝ポンプ部とシグバーンポンプ部(シグバーン部)とを有する真空ポンプにおいて、シグバーンポンプ部とネジ溝ポンプ部とを連結させることにより、排気性能を維持したままネジ溝ポンプ部の高さを小型化することができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明の実施形態に係る真空ポンプの概略構成例を示した図である。
本発明の実施形態に係る連結型ネジ溝スペーサを説明するための図である。
本発明の実施形態に係る連結型ネジ溝スペーサを説明するための図である。
本発明の実施形態に係る連結型ネジ溝スペーサを説明するための図である。
本発明の実施形態および変形例1に係る連結型ネジ溝スペーサの基本構造を説明するための図である。
本発明の実施形態の変形例1に係る連結型ネジ溝スペーサを説明するための図である。
本発明の実施形態の変形例1に係る連結型ネジ溝スペーサを説明するための図である。
本発明の実施形態の変形例2に係る連結型ネジ溝スペーサを説明するための図である。
本発明の実施形態の変形例2に係る連結型ネジ溝スペーサを説明するための図である。
本発明の実施形態の変形例2に係る連結型ネジ溝スペーサの基本構造を説明するための図である。
本発明の実施形態および各変形例に係る連結型ネジ溝スペーサを説明するための図である。
本発明の実施形態および各変形例に係る連結型ネジ溝スペーサの構造を説明するための図である。
本発明の実施形態に係る連結型ネジ溝スペーサを備えた真空ポンプの圧縮性能を説明するための図である。
従来技術(1Passネジタイプ)を説明するための図である。

実施例

0011

(i)実施形態の概要
本発明の実施形態に係る連結型ネジ溝スペーサは、シグバーンポンプ部とネジ溝ポンプ部とを連結させる構造を備える。
より詳しくは、排気要素部であるネジ溝ポンプ部の構造を、円筒状ネジの上にシグバーン形の構造が取り付けられた構造にし、当該取り付け部分において各部品が連結する構成にする。つまり、シグバーン部と円筒状ネジ(ネジ溝ポンプ部)の流路の境目を、真空ポンプの軸線方向から見て略直角(以後、「軸方向直角に」などと表現する)になるように繋ぎ、シグバーン部とネジ溝ポンプ部の流路を繋ぐ
なお、連結する構成については、鋳造で製造することで一体型に形成することもできる。
この構成により、ネジ溝ポンプ部の圧縮流路長を、連結されたシグバーン部によって径方向に伸ばすことができる。

0012

(ii)実施形態の詳細
本発明の実施形態の真空ポンプは、配設される固定円板または配設される回転円板の少なくともいずれか一方に、山部と谷部を有するスパイラル状溝が刻設(配設)されるシグバーンポンプ部と、さらに、回転円筒との対向面にスパイラル状溝が形成され、所定のクリアランスを隔てて回転円筒の外周面に対向するネジ溝スペーサが備えられ、回転円筒が高速回転することでガスが回転円筒の回転に伴ってネジ溝(らせん溝)にガイドされながら排気口側送り出される気体移送機構であるネジ溝ポンプ部を有する。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1から図13を参照して詳細に説明する。

0013

(ii−1)真空ポンプの構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る真空ポンプ1の概略構成例を示した図であり、真空ポンプ1の軸線方向の断面図を示している。
なお、本発明の実施形態では、便宜上、回転翼の直径方向を「径(直径・半径)方向」、回転翼の直径方向と垂直な方向を「軸線方向(または軸方向)」として説明する。
真空ポンプ1の外装体を形成するケーシング(外筒)2は、略円筒状の形状をしており、ケーシング2の下部(排気口6側)に設けられたベース3と共に真空ポンプ1の筐体を構成している。そして、この筐体の内部には、真空ポンプ1に排気機能を発揮させる構造物である気体移送機構が収納されている。
本実施形態では、この気体移送機構は、大きく分けて、回転自在に支持された回転部(ロータ部/シグバーン部)と筐体に対して固定された固定部(ネジ溝ポンプ部)から構成されている。
また、図示しないが、真空ポンプ1の外装体の外部には、真空ポンプ1の動作を制御する制御装置専用線を介して接続されている。

0014

ケーシング2の端部には、当該真空ポンプ1へ気体を導入するための吸気口4が形成されている。また、ケーシング2の吸気口4側の端面には、外周側へ張り出したフランジ部5が形成されている。
また、ベース3には、当該真空ポンプ1から気体を排気するための排気口6が形成されている。

0015

回転部は、回転軸であるシャフト7、このシャフト7に配設されたロータ8、ロータ8に設けられた複数枚の回転翼9、排気口6側(ネジ溝ポンプ部)に設けられたロータ円筒部10を備える。なお、シャフト7およびロータ8によりロータ部が構成される。
各回転翼9は、シャフト7の軸線に対して垂直に放射状に伸び円板形状の円板部材により構成される。なお、本実施形態では、回転翼9の最下段(排気口6側)は円盤にし、シグバーン部の圧縮を行う構成にする。
また、ロータ円筒部10は、ロータ8の回転軸線と同心の円筒形状をした円筒部材により構成される。

0016

シャフト7の軸線方向中程には、シャフト7を高速回転させるためのモータ部が設けられ、ステータコラム80に内包されている。
さらに、ステータコラム80内には、シャフト7のモータ部に対して吸気口4側と排気口6側に、シャフト7をラジアル方向(径方向)に非接触で支持するための径方向磁気軸受装置が設けられている。また、シャフト7の下端には、シャフト7を軸線方向(アキシャル方向)に非接触で支持するための軸方向磁気軸受装置が設けられている。

0017

筐体(ケーシング2)の内周側には、固定部(ステータ部)が形成されている。この固定部は、固定翼50などから構成され、シャフト7の軸線に対し垂直な平面から所定の角度だけ傾斜してケーシング2の内周面からシャフト7に向かって伸びたブレードから構成されている。そして、固定翼50は円筒形状をしたスペーサ(ステータ部)により互いに隔てられて固定されている。
なお、回転翼9と固定翼50は互い違いに配置され、軸線方向に複数段形成されるが、真空ポンプに要求される排出性能を満たすために、必要に応じて任意の数のロータ部品およびステータ部品を設けることができる。

0018

さらに、本実施形態では、上述したシグバーンポンプ部よりも排気口6側に、連結型ネジ溝スペーサ20を有するネジ溝ポンプ部が配設される。
連結型ネジ溝スペーサ20には、従来のネジ溝スペーサと同様に、ロータ円筒部10との対向面にはネジ溝(らせん溝)が形成されている。
連結型ネジ溝スペーサ20におけるロータ円筒部10との対向面側(すなわち、真空ポンプ1の軸線に平行な内周面)は、所定のクリアランスを隔ててロータ円筒部10の外周面に対面しており、ロータ円筒部10が高速回転すると、真空ポンプ1で圧縮されたガスがロータ円筒部10の回転に伴ってネジ溝にガイドされながら排気口6側へ送出されるようになっている。すなわち、ネジ溝は、ガスを輸送する流路となっている。
このように、連結型ネジ溝スペーサ20におけるロータ円筒部10との対向面と、ロータ円筒部10とが、所定のクリアランスを隔てて対向することにより、連結型ネジ溝スペーサ20の軸線方向側内周面に形成されたネジ溝でガスを移送する気体移送機構を構成している。
なお、ガスが吸気口4側へ逆流する力を低減させるために、このクリアランスは小さければ小さいほど好ましい。
また、連結型ネジ溝スペーサ20に形成されたらせん溝の方向は、らせん溝内をロータ8の回転方向にガスが輸送された場合、排気口6に向かう方向である。
また、らせん溝の深さは、排気口6に近づくにつれて浅くなるようになっており、らせん溝を輸送されるガスは排気口6に近づくにつれて圧縮されるようになっている。
上述した構成により、真空ポンプ1では、吸気口4から吸引されたガスは、シグバーン部で圧縮された後、ネジ溝式ポンプ部でさらに圧縮されて排気口6から排出されるので、真空ポンプ1は、当該真空ポンプ1に配設される真空室(図示しない)内の真空排気処理を行うことができる。

0019

(ii−2)連結型ネジ溝スペーサの構成
上述した連結型ネジ溝スペーサ20について、詳細を説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る連結型ネジ溝スペーサ20を説明するための図である。
図2に示したように、本実施形態に係る連結型ネジ溝スペーサ20は、ネジ溝スペーサ軸直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202とを有する。
ネジ溝スペーサ軸垂直部201は、真空ポンプ1の軸線方向に対して略垂直(水平)に構成される。そして、当該ネジ溝スペーサ軸垂直部201の吸気口4側の面は、シグバーン部の回転翼9と所定のクリアランスを隔てて対向(対面)し、かつ、山部と谷部を有するスパイラル状溝が刻設されている。一方、当該ネジ溝スペーサ軸垂直部201の吸気口4側とは反対側の面は、ベース3側に配設される。
ネジ溝スペーサ軸平行部202は、真空ポンプ1の軸線方向に対して略平行に構成される。そして、当該ネジ溝スペーサ軸平行部202には、所定のクリアランスを隔ててロータ円筒部10と対向する面である内周面に、ネジ溝が形成されている。

0020

(ii−3−1)連結部の基本構造タイプ1
図3は、本実施形態に係る連結型ネジ溝スペーサ20を説明するための図である。
上述したように、ネジ溝スペーサ軸垂直部201には、垂直部山部300と垂直部谷部400を有するスパイラル状溝が刻設され、一方、ネジ溝スペーサ軸平行部202には、平行部山部500と平行部谷部600を有するネジ溝が形成されている。
ここで、本実施形態の連結型ネジ溝スペーサ20は、図3に示したように、たとえば鋳造で製造することにより、ネジ溝スペーサ軸垂直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202が一体型で形成された連結型ネジ溝スペーサ20とした。
このように、ネジ溝スペーサ軸垂直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202を一体型の構成にすることで、別部品にして締結させる構成にするよりも、締結に要する手間や製造コストを低減させることができる。

0021

上述したように、本実施形態に係る真空ポンプ1では、連結型ネジ溝スペーサ20を配設することで、ネジ溝スペーサ軸垂直部201と回転翼9(シグバーン部)により軸方向に対して垂直な流路でガスを圧縮する。続けて、ネジ溝スペーサ軸平行部202とロータ円筒部10(ネジ溝ポンプ部)により軸方向と平行な流路でさらにガスを圧縮する。
このように、本実施形態に係る真空ポンプ1では、連結型ネジ溝スペーサ20が、ガスの流路を、軸方向に対して垂直方向から平行方向へと繋ぐ役割を担っているので、ケーシング2の軸線方向の長さ(n)やベース3の軸線方向の長さ(m)を長くすることなく(すなわち、真空ポンプ1の全体の高さが高くなるのを抑えつつ)、ガスを圧縮する流路を長くすることができる。なお、垂直方向から平行方向へと繋がれた流路は、軸線方向断面で見ると、アルファベットの「L」の逆形をした流路となる。

0022

なお、本実施形態では、連結型ネジ溝スペーサ20のネジ溝スペーサ軸垂直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202を一体型で形成する構成にしたが、これに限られることはない。たとえば、ネジ溝スペーサ軸垂直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202が別部品で構成されていても、上述したように、軸方向に対して垂直方向から平行方向へと逆L字型に構成されてあれば性能上は問題ない。

0023

図4は、本実施形態に係る連結型ネジ溝スペーサ20を説明するための図であり、図3の一部を拡大して示している。
図5は、本発明の実施形態に関わる連結型ネジ溝スペーサ20(および、後述する変形例1に係る連結型ネジ溝スペーサ21)の基本構造を説明するための図である。
なお、図5を用いて以下に説明する内容に関しては、連結型ネジ溝スペーサ20を使って説明するが、後述する変形例1に係る連結型ネジ溝スペーサ21にも同様に適用される。そのため、連結型ネジ溝スペーサ21に関しては、同図5内にて連結型ネジ溝スペーサ21を示す符号(連結型ネジ溝スペーサ21、ネジ溝スペーサ軸垂直部211、ネジ溝スペーサ軸平行部212)を記し、連結型ネジ溝スペーサ21を用いた説明については省略する。

0024

図5(a)は、ネジ溝スペーサ軸垂直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202とが連結する位置(つなぎ目構造の位置)を説明するための図であり、図5(b)は、つなぎ目構造をより詳細に説明するための展開図である。
まず、図4に示したように、連結型ネジ溝スペーサ20では、ネジ溝スペーサ軸垂直部201に刻設されたスパイラル状溝の山部(垂直部山部300)と、ネジ溝スペーサ軸平行部202に形成されたネジ溝の山部(平行部山部500)は、各々の山部の付け根である底面(すなわち、各々の谷部との境界面)との境界線またはその境界線を延長したラインがずれることなく連続するように、ネジ溝スペーサ軸垂直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202がつなぎ合わされて構成されている。区別のために、スパイラル状溝の境界線を延長したラインを第1延長線、そして、ネジ溝の境界線を延長したラインを第2延長線と定義する。
さらに、ネジ溝スペーサ軸垂直部201の垂直部山部300と、ネジ溝スペーサ軸平行部202の平行部山部500は、ネジ溝スペーサ軸垂直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202のつなぎ目(連結部)において、両者(ネジ溝スペーサ軸垂直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202)の山部(垂直部山部300と平行部山部500)同士は、底面との境界線の延長ライン上は連続しているものの山部(頂上面、あるいは頂点面)自体は連続しておらず、非連続状に構成されている。つまり、ガス通路(流路)としては、円周方向が開口している構成になっている。
ここで、つなぎ目とは、図5(a)に示したように、連結型ネジ溝スペーサ20においてネジ溝スペーサ軸垂直部201とネジ溝スペーサ軸平行部202が重なり(合わさり)、かつ、回転翼9とロータ円筒部10に対向する側の一帯のことである。

0025

上述した連結型ネジ溝スペーサ20のつなぎ目を、上面(回転翼9側)から見た展開図および側面(ロータ円筒部10)から見た展開図の形で説明すると、図5(b)および(c)に示したようになる。
図5(b)および(c)に示したように、連結型ネジ溝スペーサ20は、シグバーン部の出口にあたるネジ溝スペーサ軸垂直部201の内径側(内周側)において、垂直部山部300と垂直部谷部400は、所定の出口角度(α1:第1角度と定義する)を有する。この出口角度α1は、ネジ溝スペーサ軸垂直部201の内径接線と垂直部山部300の内径側接線により形成される。
また、シグバーン部の入口にあたるネジ溝スペーサ軸垂直部201の外径側(外周側)において、垂直部山部300と垂直部谷部400は、所定の入口角度(α2:第2角度と定義する)を有する。この入口角度α2は、ネジ溝スペーサ軸垂直部201の外径接線と垂直部山部300の内径側接線により形成される。
さらに、連結型ネジ溝スペーサ20は、ネジ溝スペーサ軸平行部202の出口(排気口6側)の内径側において、平行部山部500と平行部谷部600は、所定のリード角(γ)を有する。なお、本実施形態では、このリード角γの値が小さくなるにつれて、つなぎ目構造におけるネジ溝スペーサ軸平行部202のネジ断面積は大きくなる。したがって、ネジ溝部(ネジ溝スペーサ軸平行部202)の上面における平行部山部500の断面の外周ラインを、シグバーン部(ネジ溝スペーサ軸垂直部201)の位相角度θとしてシグバーン部の山幅(頂上面の幅)を形成している本実施形態では、シグバーン部の山部の位相角度(θ)も大きくなる。
なお、Z1はシグバーン部の出口の深さであり、より詳しくは、ネジ溝スペーサ軸垂直部201(シグバーン部)の内径のラインと、ネジ溝スペーサ軸平行部202(ホルベック)の上面のラインとで挟まれた部分の長さを示している。Lは、ネジ溝スペーサ軸平行部202の軸方向の長さを示している。

0026

(ii−3−2)連結部の基本構造タイプ2(変形例1)
図6および図7は、本実施形態の変形例1に係る連結型ネジ溝スペーサ21を説明するための図であり、図7は、図6の一部を拡大表示した図である。
図6および図7に示したように、本変形例1に係る連結型ネジ溝スペーサ21では、上述した連結型ネジ溝スペーサ20と同様に、ネジ溝スペーサ軸垂直部211に刻設されたスパイラル状溝の山部(垂直部山部300)と、ネジ溝スペーサ軸平行部212に形成されたネジ溝の山部(平行部山部500)は、各々の山部の付け根である底面(すなわち、各々の谷部との境界面)との境界線またはその境界線を延長したラインがずれることなく連続するように、ネジ溝スペーサ軸垂直部211とネジ溝スペーサ軸平行部212がつなぎ合わされて構成されている。
しかし、本変形例1の連結型ネジ溝スペーサ21では、連結型ネジ溝スペーサ20とは異なり、ネジ溝スペーサ軸垂直部211の垂直部山部300とネジ溝スペーサ軸平行部212の平行部山部500は、ネジ溝スペーサ軸垂直部211とネジ溝スペーサ軸平行部212のつなぎ目(図5(a))において、両者(ネジ溝スペーサ軸垂直部211とネジ溝スペーサ軸平行部212)の山部(垂直部山部300と平行部山部500)同士も連続するように形成される。つまり、ガス通路(流路)としては、円周方向が開口していない(すなわち、閉塞している)構成になっている。

0027

(ii−3−3)連結部の基本構造タイプ3(変形例2)
図8および図9は、本実施形態の変形例2に係る連結型ネジ溝スペーサ22を説明するための図であり、図9図8の一部を拡大表示した図である。
図8および図9に示したように、本変形例2に係る連結型ネジ溝スペーサ22では、上述した連結型ネジ溝スペーサ20や連結型ネジ溝スペーサ21とは異なり、ネジ溝スペーサ軸垂直部221に刻設されたスパイラル状溝の山部(垂直部山部300)と、ネジ溝スペーサ軸平行部222に形成されたネジ溝の山部(平行部山部500)は、各々の山部同士が滑らかに途切れることなく連続するように、ネジ溝スペーサ軸垂直部221とネジ溝スペーサ軸平行部222がつなぎ合わされて構成され、かつ、垂直部山部300の底面と垂直部谷部400の底面とが接触する境界面300aと、平行部山部500の底面と平行部谷部600とが接触する境界面500aを延長した面は、つなぎ目において交差するように構成されている。
このように、本変形例2に係る連結型ネジ溝スペーサ22では、ネジ溝スペーサ軸垂直部221とネジ溝スペーサ軸平行部222が連結(結合)するつなぎ目構造において、ネジ溝スペーサ軸平行部222の平行部山部500がネジ溝スペーサ軸垂直部221の垂直部山部300まで延長されて構成され、かつ、各々の山部と谷部との境界面は非連続状態で連結される。
これにより、垂直部山部300と平行部山部500が交差する交差面を有する構造になり、ガス通路の円周方向は閉塞される構成になる。

0028

図10は、本発明の変形例2に関わる連結型ネジ溝スペーサ22の基本構造を説明するための図である。
図10(a)は、ネジ溝スペーサ軸垂直部221とネジ溝スペーサ軸平行部222とが連結する位置(つなぎ目構造の位置)を説明するための図であり、図10(b)および(c)は、つなぎ目構造をより詳細に説明するための展開図である。
上述した連結型ネジ溝スペーサ22のつなぎ目を、上面(回転翼9側)から見た展開図および側面(ロータ円筒部10)から見た展開図で説明すると、図10(b)および(c)に示したようになる。
図10(b)および(c)に示したように、本変形例2に係る連結型ネジ溝スペーサ22では、上述した実施形態および変形例1と同様に、シグバーン部の出口にあたるネジ溝スペーサ軸垂直部221の内径側において、垂直部山部300と垂直部谷部400は、所定の出口角度(α1:第1角度と定義する)を有する。この出口角度α1は、ネジ溝スペーサ軸垂直部221の内径接線と垂直部山部300の内径側接線により形成される。
また、上述した実施形態および変形例1と同様に、シグバーン部の入口にあたるネジ溝スペーサ軸垂直部221の外径側において、垂直部山部300と垂直部谷部400は、所定の入口角度(α2:第2角度と定義する)を有する。この入口角度α2は、ネジ溝スペーサ軸垂直部221の外径接線と垂直部山部300の内径側接線により形成される。
さらに、ネジ溝スペーサ軸平行部222の出口(排気口6側)の内径側において、平行部山部500と平行部谷部600は、平行部谷部600側で所定のリード角(γ)を有する。なお、本変形例2でも、上述した実施形態および変形例1と同様に、このリード角γの値が小さくなるにつれて、つなぎ目構造におけるネジ溝スペーサ軸平行部222のネジ断面積は大きくなり、その結果、シグバーン部の山部の位相角度(θ)も大きくなる。
なお、本変形例2では、上述した実施形態および変形例1とは異なり、シグバーン部の山部の位相角度θは、上述した交差面の外周ライン(図10(c))により定義される。本変形例2では、交差面の外周ラインとは、ネジ溝スペーサ軸平行部222における平行部山部500がネジ溝スペーサ軸平行部222を超えて延長され、ネジ溝スペーサ軸垂直部221の垂直部山部300と交差する部分の垂直部山部300側のラインを指す。

0029

図10(b)および(c)に示したように、本変形例2に係る連結型ネジ溝スペーサ22では、上述した実施形態および変形例1とは異なり、つなぎ目構造において、ネジ溝スペーサ軸垂直部221の垂直部山部300とネジ溝スペーサ軸平行部222の平行部谷部600が交差する交差面が形成される。
このように、本変形例2では、つなぎ目構造において交差面が形成されるので、ネジ溝スペーサ軸垂直部221の垂直部山部300とネジ溝スペーサ軸平行部222の平行部山部500を、各々の頂上面同士が滑らかに途切れることなく連続した状態で連結させる(つなぎ合わせる)ことができる。その結果、ネジ溝スペーサ軸垂直部221とネジ溝スペーサ軸平行部222を滑らかに連結(結合)させることができる。

0030

(ii−4)連結型ネジ溝スペーサにおける角度(勾配
図11は、本発明の実施形態および各変形例に係る連結型ネジ溝スペーサ20(21、22)のつなぎ目構造を説明するための図である。
なお、図11を用いて以下に説明する内容に関しては、連結型ネジ溝スペーサ20を用いて説明するが、同内容は変形例1に係る連結型ネジ溝スペーサ21および変形例2に係る連結型ネジ溝スペーサ22にも同様に適用される。そのため、連結型ネジ溝スペーサ21および連結型ネジ溝スペーサ22に関しては、同図11内にて連結型ネジ溝スペーサ21および連結型ネジ溝スペーサ22(ならびに、関連する各要素)を示す符号を記して、連結型ネジ溝スペーサ21および連結型ネジ溝スペーサ22を用いた説明については省略する。
図11に示したように、本発明の実施形態および各変形例では、軸線とネジ溝スペーサ軸平行部202に形成されたネジ溝のネジ深さにより形成される角度(勾配)であるネジ深さ角度B1(第1勾配角度)と、軸垂線とネジ溝スペーサ軸垂直部201に形成されたスパイラル状溝の溝深さにより形成される角度(勾配)である溝深さ角度B2(第2勾配角度)には、B2≧B1の関係が形成されるように構成する。
この構成により、連結型ネジ溝スペーサ20にて高い排気性能を発揮させることができる。

0031

図12は、本発明の実施形態および各変形例に係る連結型ネジ溝スペーサ20(21、22)の構造を説明するための図である。
なお、図12を用いて以下に説明する内容に関しては、ネジ溝スペーサ軸垂直部201(連結型ネジ溝スペーサ20)を用いて説明するが、同内容は変形例1に係るネジ溝スペーサ軸垂直部211(連結型ネジ溝スペーサ21)および変形例2に係るネジ溝スペーサ軸垂直部221(連結型ネジ溝スペーサ22)にも同様に適用される。そのため、ネジ溝スペーサ軸垂直部211およびネジ溝スペーサ軸垂直部221に関しては、同図12内にてネジ溝スペーサ軸垂直部211およびネジ溝スペーサ軸垂直部221を示す符号を記して説明することで、ネジ溝スペーサ軸垂直部211およびネジ溝スペーサ軸垂直部221を用いた説明については省略する。
図12は、図5(b)および(c)、ならびに図10(b)および(c)で説明したα1およびα2を示している。
本発明の実施形態および各変形例では、出口角度α1と入口角度α2には、以下の関係が形成されるように構成する。
(1)α1≦α2
(2)15°<α1、かつ、α2<25°
この構成により、連結型ネジ溝スペーサ20(21、22)にて高い排気性能を発揮させることができる。

0032

図13は、本発明の実施形態および各変形例に係る連結型ネジ溝スペーサ20(21、22)のうち、連結型ネジ溝スペーサ22を備えた真空ポンプ1の圧縮性能を説明するための図である。
図13は、縦軸が連結型ネジ溝スペーサ22を備えた真空ポンプ1の入口圧力(Torr)であり、横軸が連結型ネジ溝スペーサ22を備えた真空ポンプ1の出口圧力(Torr)であって、sが従来の1Passネジ溝スペーサ2001が配設された真空ポンプ1001の解析値シミュレーション時の値)を、そして、tが連結型ネジ溝スペーサ22が配設された真空ポンプ1の解析値を表す。
図13に示したように、出口圧力に関わらず高い圧縮性能を示すtが示すように、連結型ネジ溝スペーサ22を備えた真空ポンプ1は従来の真空ポンプ1001に比べて、排気性能が向上していることがわかる。

0033

上述した構成により、本発明の実施形態および各変形例に係る連結型ネジ溝スペーサ20(21、22)、および当該連結型ネジ溝スペーサ20(21、22)が配設された真空ポンプ1は、連結型ネジ溝スペーサ20(21、22)により一つの部品のように合わさった(あるいは、一つの部品として一体化した)シグバーン部によって軸方向に対して垂直にガスを圧縮し、その後、ネジ溝ポンプ部(ホルベック)を配設して軸方向に圧縮する。このように、軸方向に対して垂直方向から平行方向へと流路を繋ぐ(軸線方向断面から見て「L字」の形を構成する)ことで流路を長くしたので、排気性能を維持したままネジ溝ポンプ部の高さを小型化することができる。
その結果、排気性能は維持しつつ、ポンプ全体のサイズは小型化することが実現できるので、製造コストの削減が可能になる。
なお、本発明の実施形態および各変形例は、必要に応じて組み合わせる構成にしても良い。

0034

1真空ポンプ
2ケーシング
3ベース
4吸気口
5フランジ部
6排気口
7シャフト
8ロータ
9回転翼
10 ロータ円筒部
20 連結型ネジ溝スペーサ(タイプ1)
21 連結型ネジ溝スペーサ(タイプ2)
22 連結型ネジ溝スペーサ(タイプ3)
50固定翼
80ステータコラム
201 ネジ溝スペーサ軸垂直部
202 ネジ溝スペーサ軸平行部
211 ネジ溝スペーサ軸垂直部
212 ネジ溝スペーサ軸平行部
221 ネジ溝スペーサ軸垂直部
222 ネジ溝スペーサ軸平行部
300 垂直部山部
300a境界面
400 垂直部谷部
500 平行部山部
500a 境界面
600 平行部谷部
1001 従来の真空ポンプ
2001 従来の1Passネジ溝スペーサ

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