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図面 (6)

課題

解決手段

本発明は、哺乳類ベータディフェンシンの同時又は連続的な非経口及び経口投与による方法。

概要

背景

ヒトディフェンシン

多数の要素の中で特に、自然免疫にとって重要な成分は、個別に高い選択性を示す一方で、集合としては広範なバクテリアウイルス、及び菌類を素早く殺傷可能な抗菌ペプチド(AMP)である。AMPの生物学的意義は、自然界で遍在性分布することから更に際立ったものとなり、恐らくは全ての多細胞生物で生成されている。ヒトにおいて、主要なAMPはディフェンシンである。ヒトディフェンシンは、3つの細胞システインジスルフィド結合トポロジに基づいて、α-及びβ-ディフェンシンへ分類可能な小さなカチオン性ペプチドである。α-ディフェンシンは、更に、好中球顆粒から最初に単離されたもの(HNP1乃至4)と、小腸陰窩内のパネート細胞によって発現されるもの(HD5及びHD6)とに細分することができる。β-ディフェンシンは主に、皮膚、気管消化管泌尿生殖器系腎臓膵臓、及び乳腺を含む、様々な組織及び臓器上皮細胞により生産される。β-ディフェンシンファミリの中で性質決定が最も進んでいるものは、hBD1乃至3である。しかしながら、様々なバイオインフォマティクスツールを用いて、ヒトゲノムでは、推定上のβ-ディフェンシン相同体をコードする約40個のオープンリーディングフレーム注釈が付いている。一部のヒトディフェンシンは恒常的に生産されるが、他のものは炎症性サイトカイン又は外因性微生物産物により誘導される。

ヒトディフェンシンは、その直接的な抗菌活性に加え、広範な免疫調節/代替特性を有することが徐々に明らかとなってきている。これらには、様々なケモカイン及びサイトカインの誘導と、走化及びアポトーシス活性と、プロスタグランジンヒスタミン及びロイコトリエン放出の誘導と、補体阻害と、Toll様受容体シグナル伝達による樹状細胞成熟刺激と、好中球による病原菌クリアランスの刺激とが含まれる。更に、ヒトディフェンシンは、創傷治癒上皮及び繊維芽細胞の増殖、血管新生、及び脈管形成においても役割を果たしている。

ヒトディフェンシンが多くの感染性及び炎症性疾患において重要な役割を果たすというエビデンスが増えつつある。ヒトディフェンシンの過剰発現は、炎症を起こした、及び/又は感染した皮膚において観察されることが多く、これは微生物成分又は内因性炎症性サイトカインによる局所的な誘導のためである可能性が高い。乾癬では、hBD2及びhBD3が過剰となり、尋常性座瘡又は表在性毛嚢炎患者病変上皮では、hBD2の有意な上方制御が観察されている。一方、hBD2及びhBD3の下方制御は、アトピー性皮膚炎に関連している。回腸クローン病は、HD5及びHD6の発現欠如に関連し、クローン病では、結腸において、hBD2乃至4の発現は下方制御される。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患(IBD)は、原因不明慢性再発性腸疾患と定義される。IBDとは、2種類の疾患、クローン病及び潰瘍性大腸炎(UC)を示す。両疾患は、腸における炎症反応の無抑制な活性化により生じると思われる。この炎症カスケードは、炎症性サイトカインの作用と、リンパ球サブセット選択的活性化とにより継続すると考えられる。IBDの患者において、腸の内側の裏打ち潰瘍及び炎症は、腹痛下痢、及び直腸出血の症状をもたらす。潰瘍性大腸炎は大腸で生じるが、クローン病において、疾患は、胃腸管全体で小腸及び大腸と同様に関与し得る。殆どの患者にとって、IBDは、数か月乃至数年間に亘り継続する症状を伴う慢性疾患である。若年成人において最も一般的であるが、全年齢で発生し得る。世界中で見られるが、米国、英国、及び欧等の先進国において最も多い。ユダヤ系の人に特に多く、人種間でも罹患率に差がある。最近の研究により、クローン病の発症リスクに影響する、ATG16L1、IL23R、IRGM、及びNOD2を含む特定の遺伝子が確認されている。潰瘍性大腸炎の罹病性を助長する30種類ものヒト遺伝子が確認されている。

IBDの臨床症状は、間欠性直腸出血、痙攣性腹痛、体重減少、及び下痢である。IBDの診断は、臨床症状、バリウム注腸の使用に基づくが、直接的可視化(S状結腸鏡検査又は大腸内視鏡検査)が最も正確な検査である。長期化したIBDは、結腸癌危険因子であり、IBDの治療には、投薬及び外科手術が含まれ得る。

一部のUC患者は、直腸においてのみ疾患を有する(直腸炎)。他のUC患者は、直腸及び隣接する左結腸に限定された疾患を有する(直腸S状結腸炎)。更に他の患者は、結腸全体のUCを有する(汎発性IBD)。UCの症状は、より広範囲の疾患において(疾患に関与する結腸の部分が大きい場合)、一般的に重篤となる。

直腸に限定された疾患(直腸炎)又は左結腸末端に限定されたUC(直腸S状結腸炎)の患者の予後は、全結腸UCの患者よりも良い。経口薬又は浣腸剤を用いる短期間の定期的治療で十分となり得る。より広範囲の疾患を有する患者において、炎症を起こした腸からの失血は、貧血をもたらす場合があり、鉄補給剤による治療、或いは輸血を要する恐れもある。稀に、炎症が非常に重篤である時には、結腸が急性的拡張して大きなサイズとなる場合がある。この状態は、中毒性巨大結腸症と呼ばれる。中毒性巨大結腸症の患者は、発熱、腹痛及び腹部膨張脱水症、及び栄養失調により、病状が極めて悪化する。投薬により患者が速やかに改善しない場合は、通常、外科手術により結腸の破裂を防ぐ必要がある。

クローン病は、消化管の全領域で生じ得る。この疾患と共に、炎症及び繊維症による腸閉塞が、多くの患者で発生する。肉芽腫及び瘻孔の形成は、クローン病に多い合併症である。疾患進行の結果には、経静脈栄養、外科手術、及び人工肛門形成術が含まれる。

IBDは、薬物により治療し得る。IBDを治療するために最も一般的に使用される薬物は、サリチル酸塩等の抗炎症薬である。サリチル酸塩調製物は、軽度から中度の疾患の治療に有効となっている。更に、長期的に投薬を行う場合、疾患の再燃頻度を低減することができる。サリチル酸塩の例には、スルファサラジンアザフィジンオルサラジン、及びメサラミンが含まれる。こうした薬物は全て、最大限治療効果のために、高用量を経口で投与する。こうした薬物には、副作用が無い訳ではない。アザルフィジンは、高用量で投与された場合、むかつきを引き起こす恐れがあり、稀な事例として、軽度の腎炎が一部のサリチル酸塩調製物で報告されている。

コルチコステロイドは、IBDの治療において、サリチル酸塩より強力且つ即効性であるが、重篤な副作用の可能性があるため、コルチコステロイドの使用は疾患の重症度が高い患者に限定される。コルチコステロイドの副作用は、通常、長期使用により生じる。副作用には、骨及び皮膚の薄化、感染症に対する感受性の増加、糖尿病高血圧緑内障筋肉の消耗/衰弱、丸顔化、精神障害、及び稀に、股関節破壊を含む。

サリチル酸塩又はコルチコステロイドに反応しないIBD患者では、免疫系を抑制する薬物が用いられる。免疫抑制剤の例には、アザチオプリン及び6-メルカプトプリンが含まれる。この状況で用いられる免疫抑制剤は、IBDの抑制に有用であり、コルチコステロイドの段階的な低減又は除去を可能にする。しかしながら、免疫抑制剤により、患者は、免疫低下状態となり、他の多くの疾患に罹患しやすくなる。

よく知られているIBD研究用のモデルは、DSS大腸炎マウスモデルであり、非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。

概要

炎症性腸疾患の治療方法の提供。本発明は、哺乳類ベータディフェンシンの同時又は連続的な非経口及び経口投与による方法。

目的

WO2007/081486によれば、ディフェンシンの機能は、管腔においてバクテリアを直接的に標的として死滅させ、上皮組織への侵入を防止することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

炎症性腸疾患治療用の、同時又は連続的に経口及び非経口投与される薬剤の製造における哺乳類ベータディフェンシンの使用。

技術分野

0001

本発明は、哺乳類ベータディフェンシンの同時又は連続的な非経口及び経口投与による炎症性腸疾患治療に関する。

背景技術

0002

ヒトディフェンシン

0003

多数の要素の中で特に、自然免疫にとって重要な成分は、個別に高い選択性を示す一方で、集合としては広範なバクテリアウイルス、及び菌類を素早く殺傷可能な抗菌ペプチド(AMP)である。AMPの生物学的意義は、自然界で遍在性分布することから更に際立ったものとなり、恐らくは全ての多細胞生物で生成されている。ヒトにおいて、主要なAMPはディフェンシンである。ヒトディフェンシンは、3つの細胞システインジスルフィド結合トポロジに基づいて、α-及びβ-ディフェンシンへ分類可能な小さなカチオン性ペプチドである。α-ディフェンシンは、更に、好中球顆粒から最初に単離されたもの(HNP1乃至4)と、小腸陰窩内のパネート細胞によって発現されるもの(HD5及びHD6)とに細分することができる。β-ディフェンシンは主に、皮膚、気管消化管泌尿生殖器系腎臓膵臓、及び乳腺を含む、様々な組織及び臓器上皮細胞により生産される。β-ディフェンシンファミリの中で性質決定が最も進んでいるものは、hBD1乃至3である。しかしながら、様々なバイオインフォマティクスツールを用いて、ヒトゲノムでは、推定上のβ-ディフェンシン相同体をコードする約40個のオープンリーディングフレーム注釈が付いている。一部のヒトディフェンシンは恒常的に生産されるが、他のものは炎症性サイトカイン又は外因性微生物産物により誘導される。

0004

ヒトディフェンシンは、その直接的な抗菌活性に加え、広範な免疫調節/代替特性を有することが徐々に明らかとなってきている。これらには、様々なケモカイン及びサイトカインの誘導と、走化及びアポトーシス活性と、プロスタグランジンヒスタミン及びロイコトリエン放出の誘導と、補体阻害と、Toll様受容体シグナル伝達による樹状細胞成熟刺激と、好中球による病原菌クリアランスの刺激とが含まれる。更に、ヒトディフェンシンは、創傷治癒上皮及び繊維芽細胞の増殖、血管新生、及び脈管形成においても役割を果たしている。

0005

ヒトディフェンシンが多くの感染性及び炎症性疾患において重要な役割を果たすというエビデンスが増えつつある。ヒトディフェンシンの過剰発現は、炎症を起こした、及び/又は感染した皮膚において観察されることが多く、これは微生物成分又は内因性炎症性サイトカインによる局所的な誘導のためである可能性が高い。乾癬では、hBD2及びhBD3が過剰となり、尋常性座瘡又は表在性毛嚢炎患者病変上皮では、hBD2の有意な上方制御が観察されている。一方、hBD2及びhBD3の下方制御は、アトピー性皮膚炎に関連している。回腸クローン病は、HD5及びHD6の発現欠如に関連し、クローン病では、結腸において、hBD2乃至4の発現は下方制御される。

0006

炎症性腸疾患

0007

炎症性腸疾患(IBD)は、原因不明慢性再発性腸疾患と定義される。IBDとは、2種類の疾患、クローン病及び潰瘍性大腸炎(UC)を示す。両疾患は、腸における炎症反応の無抑制な活性化により生じると思われる。この炎症カスケードは、炎症性サイトカインの作用と、リンパ球サブセット選択的活性化とにより継続すると考えられる。IBDの患者において、腸の内側の裏打ち潰瘍及び炎症は、腹痛下痢、及び直腸出血の症状をもたらす。潰瘍性大腸炎は大腸で生じるが、クローン病において、疾患は、胃腸管全体で小腸及び大腸と同様に関与し得る。殆どの患者にとって、IBDは、数か月乃至数年間に亘り継続する症状を伴う慢性疾患である。若年成人において最も一般的であるが、全年齢で発生し得る。世界中で見られるが、米国、英国、及び欧等の先進国において最も多い。ユダヤ系の人に特に多く、人種間でも罹患率に差がある。最近の研究により、クローン病の発症リスクに影響する、ATG16L1、IL23R、IRGM、及びNOD2を含む特定の遺伝子が確認されている。潰瘍性大腸炎の罹病性を助長する30種類ものヒト遺伝子が確認されている。

0008

IBDの臨床症状は、間欠性直腸出血、痙攣性腹痛、体重減少、及び下痢である。IBDの診断は、臨床症状、バリウム注腸の使用に基づくが、直接的可視化(S状結腸鏡検査又は大腸内視鏡検査)が最も正確な検査である。長期化したIBDは、結腸癌危険因子であり、IBDの治療には、投薬及び外科手術が含まれ得る。

0009

一部のUC患者は、直腸においてのみ疾患を有する(直腸炎)。他のUC患者は、直腸及び隣接する左結腸に限定された疾患を有する(直腸S状結腸炎)。更に他の患者は、結腸全体のUCを有する(汎発性IBD)。UCの症状は、より広範囲の疾患において(疾患に関与する結腸の部分が大きい場合)、一般的に重篤となる。

0010

直腸に限定された疾患(直腸炎)又は左結腸末端に限定されたUC(直腸S状結腸炎)の患者の予後は、全結腸UCの患者よりも良い。経口薬又は浣腸剤を用いる短期間の定期的治療で十分となり得る。より広範囲の疾患を有する患者において、炎症を起こした腸からの失血は、貧血をもたらす場合があり、鉄補給剤による治療、或いは輸血を要する恐れもある。稀に、炎症が非常に重篤である時には、結腸が急性的拡張して大きなサイズとなる場合がある。この状態は、中毒性巨大結腸症と呼ばれる。中毒性巨大結腸症の患者は、発熱、腹痛及び腹部膨張脱水症、及び栄養失調により、病状が極めて悪化する。投薬により患者が速やかに改善しない場合は、通常、外科手術により結腸の破裂を防ぐ必要がある。

0011

クローン病は、消化管の全領域で生じ得る。この疾患と共に、炎症及び繊維症による腸閉塞が、多くの患者で発生する。肉芽腫及び瘻孔の形成は、クローン病に多い合併症である。疾患進行の結果には、経静脈栄養、外科手術、及び人工肛門形成術が含まれる。

0012

IBDは、薬物により治療し得る。IBDを治療するために最も一般的に使用される薬物は、サリチル酸塩等の抗炎症薬である。サリチル酸塩調製物は、軽度から中度の疾患の治療に有効となっている。更に、長期的に投薬を行う場合、疾患の再燃頻度を低減することができる。サリチル酸塩の例には、スルファサラジンアザフィジンオルサラジン、及びメサラミンが含まれる。こうした薬物は全て、最大限治療効果のために、高用量を経口で投与する。こうした薬物には、副作用が無い訳ではない。アザルフィジンは、高用量で投与された場合、むかつきを引き起こす恐れがあり、稀な事例として、軽度の腎炎が一部のサリチル酸塩調製物で報告されている。

0013

コルチコステロイドは、IBDの治療において、サリチル酸塩より強力且つ即効性であるが、重篤な副作用の可能性があるため、コルチコステロイドの使用は疾患の重症度が高い患者に限定される。コルチコステロイドの副作用は、通常、長期使用により生じる。副作用には、骨及び皮膚の薄化、感染症に対する感受性の増加、糖尿病高血圧緑内障筋肉の消耗/衰弱、丸顔化、精神障害、及び稀に、股関節破壊を含む。

0014

サリチル酸塩又はコルチコステロイドに反応しないIBD患者では、免疫系を抑制する薬物が用いられる。免疫抑制剤の例には、アザチオプリン及び6-メルカプトプリンが含まれる。この状況で用いられる免疫抑制剤は、IBDの抑制に有用であり、コルチコステロイドの段階的な低減又は除去を可能にする。しかしながら、免疫抑制剤により、患者は、免疫低下状態となり、他の多くの疾患に罹患しやすくなる。

0015

よく知られているIBD研究用のモデルは、DSS大腸炎マウスモデルであり、非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。

先行技術

0016

Kawada et al. “Insights from advances in research of chemically induced experimental models of human inflammatory bowel disease”, World J. Gastroenterol., Vol. 13 (42), pp. 5581-5593 (2007)
Wirtz and Neurath “Mouse models of inflammatory bowel disease”, Advanced Drug Delivery Reviews, Vol. 59 (11), 1073-1083 (2007)

発明が解決しようとする課題

0017

炎症性腸疾患(IBD)の治療は、従来、アミノサリチル酸塩、コルチコステロイド、チオプリンメトトレキサート、及び抗腫瘍壊死因子剤の投与により達成されてきた。ヒトベータディフェンシンは、IBDの発生及び/又は治療において役割を果たすと長く考えられてきた。

0018

IBDを予防及び治療可能な薬剤の必要性が高いことは明らかである。

0019

WO2007/081486では、炎症性腸疾患の治療における、幾つかのヒトディフェンシンの使用を開示している。発明者は、クローン病に対して経口投与されたディフェンシンが、腸管腔の適切な位置での放出が可能な剤形において、侵入バクテリアの数を減らし、正常な上皮性関門機能を回復することにより、炎症性疾患の重症度を低下させることを示した。

0020

WO2007/081486によれば、ディフェンシンの機能は、管腔においてバクテリアを直接的に標的として死滅させ、上皮組織への侵入を防止することである。即ち、ディフェンシンの機能は、純粋に抗感染症化合物と同様である。

課題を解決するための手段

0021

本発明は、マウスに誘導したDSS大腸炎モデルにおける経口投与hBD2の10日間の治療期間後の抗炎症活性を実証する。

0022

こうしたデータは、哺乳類ベータディフェンシンの同時又は連続的な経口及び非経口投与に関連したIBDの有益な治療効果を示す。

0023

一態様において、本発明は、炎症性腸疾患に苦しむ個体に哺乳類ベータディフェンシンを投与する方法であって、前記哺乳類ベータディフェンシンの同時又は連続的な経口及び非経口投与を含む方法に関する。

0024

一態様において、本発明は、予防的治療用、或いはIBDに苦しむ患者を寛解状態に保つ方法としての哺乳類ベータディフェンシンの経口投与に関する。

0025

一態様において、本発明は、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与後に、この寛解状態の期間を引き延ばすことに関する。

0026

IBDに苦しむ患者では、元の症状が時折、急性的に復活する場合があり、これは「再発」として知られている。状況に応じて、自然に消滅する場合もあるが、投薬を要する場合もある。再発までの時間は、数週間から数年の間であり、患者によって異なる。本発明の一態様において、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与は、IBDに苦しむ患者における再発の発生を低減する。

0027

本願の定義の節において説明したように、IBDは、結腸及び小腸の一群炎症状態である。IBDの主要なタイプには、クローン病及び潰瘍性大腸炎(UC)がある。本発明の好適な一実施形態において、治療対象のIBDは、軽度の活動性及び/又は中度から重度の活動性を有するクローン病及び潰瘍性大腸炎である。

0028

本発明の一態様において、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与は、結腸の上皮裏打ちにおける好中球の浸潤を減少させるために使用し得る。この減少は、近位結腸又は遠位結腸に位置し得る。

0029

本発明の他の態様において、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与は、結腸における炎症の治療に使用し得る。

0030

本発明の更に他の態様において、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与は、消化管内の上皮裏打ちにおけるサイトカイン産生を調節するために使用し得る。調節は、好ましくは、炎症性サイトカイン及びケモカインからなる群から選択された少なくとも1つのサイトカインの活性の下方制御である。好ましくは、調節は、炎症性のIL-23、IL-1β、及びTNFαからなる群から選択された少なくとも1つのサイトカインの活性の下方制御、及び/又は抗炎症性サイトカインIL-10の活性の上方制御である。

図面の簡単な説明

0031

研究中疾患活動性指数(DAI)スコア(体重による)の推移。結果は、1群当たりn=10匹の平均値±平均値の標準偏差として示す。特定のデータにおける対照(ビヒクル)群からの有意差は、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001として示す(ノンパラメトリックデータに対するクラスカル-ワリス検定)。
近位結腸試料組織学的スコア。結果は、1群当たりn=10匹の平均値±平均値の標準偏差として示す。対照(ビヒクル)群からの有意差は、**P<0.01、***P<0.001として示す(ノンパラメトリックデータに対するクラスカル-ワリス検定+Dunnのポストテスト)。
遠位結腸試料の組織学的スコア。結果は、1群当たりn=10匹の平均値±平均値の標準偏差として示す。対照(ビヒクル)群からの有意差は、**P<0.01として示す(ノンパラメトリックデータに対するクラスカル-ワリス検定+Dunnのポストテスト)。
ヒト、アカゲザル、チンパンジ、及びオランウータンのベータディフェンシン2のClustal W(2.1)多重配列アライメント。 *は、単一の完全な保存残基を有する位置を示す。 :は、以下の「強い」群の1つが完全に保存されていることを示す: -STA、NEQK、NHQK、NDEQ、QHRK、MILV、MILF、HY、FYW。 .は、以下の「弱い」群の1つが完全に保存されていることを示す: -CSA、ATV、SAG、STNK、STPA、SGND、SNDEQK、NDEQHK、NEQHRK、VLIM、HFY。
ヒトディフェンシン1乃至4のClustal W(2.1)多重配列アライメント。 *は、単一の完全な保存残基を有する位置を示す。 :は、以下の「強い」群の1つが完全に保存されていることを示す: -STA、NEQK、NHQK、NDEQ、QHRK、MILV、MILF、HY、FYW。 .は、以下の「弱い」群の1つが完全に保存されていることを示す: -CSA、ATV、SAG、STNK、STPA、SGND、SNDEQK、NDEQHK、NEQHRK、VLIM、HFY。

0032

定義

0033

ディフェンシン:本明細書で使用する「ディフェンシン」という用語は、抗菌ペプチドのディフェンシンクラスに属するものとして当業者に認識されるポリペプチドを示す。ポリペプチドが本発明によるディフェンシンであるかを判断するためには、無料利用可能なHMMERソフトウェアパッケージを用いることにより、アミノ酸配列をPFAMデータベース隠れマルコフモデルプロファイル(HMMプロファイル)と比較し得る。

0034

PFAMディフェンシンファミリには、例えばDefensin_1又は「哺乳類ディフェンシン」(受入番号PF00323)及びDefensin_2又はDefensin_beta又は「ベータディフェンシン」(受入番号PF00711)が含まれる。

0035

本発明のディフェンシンは、ベータディフェンシンクラスに属する。ベータディフェンシンクラス由来のディフェンシンは、システインのパターン等、当業者に公知である共通の構造的特徴共有する。

0036

本発明によるディフェンシンの例には、ヒトベータディフェンシン1(hBD1、配列番号1参照)、ヒトベータディフェンシン2(hBD2、配列番号2参照)、ヒトベータディフェンシン3(hBD3、配列番号3参照)、ヒトベータディフェンシン4(hBD4、配列番号4参照)、及びマウスベータディフェンシン3(mBD3、配列番号6参照)が含まれる。

0037

同一性:2つのアミノ酸配列又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、「同一性」というパラメータにより記述される。

0038

本発明のために、2つのアミノ酸配列間の同一性の度合いは、好ましくはバージョン3.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:European Molecular Biology Open Software Suite、Rice et al., 2000, Trendsin Genetics 16: 276-277; http://emboss.org)のニードルプログラム実装されるニードルマン-ウンシュアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)を用いて決定される。使用する任意パラメータは、ギャップ開始ペナルティが10、ギャップ伸長ペナルティが0.5、及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリクスである。「最長同一性(-nobriefオプションを使用して取得)」と標識された、ニードルの出力は、パーセント同一性として使用され、以下のように計算される:
(同一残基×100)/(アライメントの長さ-アライメント内のギャップの総数)

0039

単離ポリペプチド:本明細書で使用する「単離変異体」又は「単離ポリペプチド」という用語は、原料から単離された変異体又はポリペプチドを示す。一態様において、変異体又はポリペプチドは、RP-HPLC解析により、少なくとも純度1%、好ましくは少なくとも純度5%、更に好ましくは少なくとも純度10%、更に好ましくは少なくとも純度20%、更に好ましくは少なくとも純度40%、更に好ましくは少なくとも純度60%、更により好ましくは少なくとも純度80%、最も好ましくは少なくとも純度90%と判定される。

0040

実質的に純粋なポリペプチド:「実質的に純粋なポリペプチド」という用語は、本明細書において、自然状態で或いは組換えにより随伴する他のポリペプチド材料を、重量で、多くとも10%、好ましくは多くとも8%、更に好ましくは多くとも6%、更に好ましくは多くとも5%、更に好ましくは多くとも4%、更に好ましくは多くとも3%、更により好ましくは多くとも2%、最も好ましくは多くとも1%、更に最も好ましくは多くとも0.5%含有するポリペプチド調製物を示す。したがって、実質的に純粋なポリペプチドは、調製物に存在する全ポリペプチド材料に対して、重量で、少なくとも純度92%、好ましくは少なくとも純度94%、更に好ましくは少なくとも純度95%、更に好ましくは少なくとも純度96%、更に好ましくは少なくとも純度96%、更に好ましくは少なくとも純度97%、更に好ましくは少なくとも純度98%、更により好ましくは少なくとも純度99%、最も好ましくは少なくとも純度99.5%、更に最も好ましくは少なくとも純度100%である。本発明のポリペプチドは、実質的に純粋な形態であることが好ましい。これは、例えば、周知の組換え方法、或いは古典的な精製方法、或いは化学合成によりポリペプチドを調製することにより達成することができる。

0041

寛解:本明細書において、「寛解」という用語は、「発作」と呼ばれることが多い活動性疾患に対して、疾患が制御された期間を示す。

0042

再発:「再発」という用語は、本明細書において、IBDの症状の再発生を示す。IBDの最も一般的な初期症状は、慢性下痢(場合により出血性)、痙攣性腹痛、発熱、食欲低下、及び体重減少である。症状は、数日又は数週間続き、治療せずに消滅する場合もある。IBDは不定期間隔で患者の生涯に亘り再発する。再発は、軽度又は重度となる場合、短期又は長期となる場合がある。重度の再発は、激痛脱水、及び失血につながる恐れがある。

0043

炎症性腸疾患(IBD):炎症性腸疾患(IBD)は、結腸及び小腸の一群の炎症状態である。IBDの主要なタイプには、クローン病及び潰瘍性大腸炎(UC)がある。

0044

他の形態のIBDは、症例が遙かに少なく、常に典型的なIBDとして分類されるとは限らない:
コラーゲン大腸炎
リンパ球性大腸炎
虚血性大腸炎
・便流変更性大腸炎
ベーチェット病
不確定大腸炎

0045

クローン病とUCとの主な違いは、炎症性変化の位置及び性質である。クローン病は、口から肛門まで消化管の何れの部分にも影響する可能性があるが(皮膚病変)、症例の大部分は、回腸末端部で始まる。一方、潰瘍性大腸炎は、結腸及び直腸に限定される。

0046

治療:本明細書で使用する「治療」及び「治療する」という用語は、状態、疾患、又は障害と闘うことを目的とした患者の管理及びケアを示す。患者を悩ます特定の状態に対するあらゆる治療を含むものであり、例えば、症状又は合併症の緩和又は軽減と、状態、疾患、又は障害の進行の遅延と、状態、疾患、又は障害の治癒又は除去と、及び/又は状態、疾患、又は障害の予防とを目的とした活性化合物の投与を含み、ここで「予防する」又は「予防」とは、状態、疾患、又は障害の発生を妨げる、減らす、又は遅らせることを目的とした患者の管理及びケアを示すと理解されるべきであり、症状又は合併症の発生リスクを防止又は低減するための活性化合物の投与を含む。治療対象の患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。本発明による治療対象の患者は、様々な年齢となり得る。

0047

哺乳類ベータディフェンシン

0048

本発明は、潰瘍性大腸炎及び/又はクローン病等の炎症性腸疾患の治療におけるマウス、サル、又はヒトベータディフェンシン等の哺乳類ベータディフェンシン、更に好ましくはヒト科ベータディフェンシン、更に好ましくはヒトベータディフェンシンの医薬的使用に関する。

0049

一実施形態において、本発明の哺乳類ベータディフェンシンは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、及び/又は配列番号6のアミノ酸配列の何れかに対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の同一性の度合いを有する。好適な実施形態において、本発明の哺乳類ベータディフェンシンは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、及び/又は配列番号4のアミノ酸配列の何れかに対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の同一性の度合いを有する。更に好適な実施形態において、本発明の哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシン1(配列番号1)、ヒトベータディフェンシン2(配列番号2)、ヒトベータディフェンシン3(配列番号3)、ヒトベータディフェンシン4(配列番号4)、ヒトベータディフェンシン4の変異体(配列番号5)、及び/又はマウスベータディフェンシン3(配列番号6)からなる。更により好適な実施形態において、発明の哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシン1(配列番号1)、ヒトベータディフェンシン2(配列番号2)、ヒトベータディフェンシン3(配列番号3)、及び/又はヒトベータディフェンシン4(配列番号4)からなる。

0050

好適な実施形態において、本発明の哺乳類ベータディフェンシンは、配列番号2のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の同一性の度合いを有する。好適な実施形態において、本発明の哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシン2(配列番号2)からなる。

0051

更に他の実施形態において、本発明の哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシン及び/又はマウスベータディフェンシンと、その機能的に等価な変異体とからなる。好ましくは、哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシン1、ヒトベータディフェンシン2、ヒトベータディフェンシン3、ヒトベータディフェンシン4、チンパンジベータディフェンシン2、マカクベータディフェンシン2、及びマウスベータディフェンシン3と、その機能的に等価な変異体とからなる。更に好ましくは、本発明の哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシン2と、その機能的に等価な変異体とからなる。

0052

本発明の哺乳類ベータディフェンシンは、好適な実施形態の化合物とも呼ばれる。

0053

本発明において、哺乳類(例えばヒト)ベータディフェンシンの「機能的に等価な変異体」とは、炎症性腸疾患に対して親哺乳類(例えばヒト)ベータディフェンシンと略同じ効果を示す修飾哺乳類(例えばヒト)ベータディフェンシンである。好ましくは、炎症性サイトカイン及びケモカイン及び/又は抗炎症性サイトカインの活性に対しても、哺乳類(例えばヒト)ベータディフェンシンと略同じ効果を示す。一実施形態において、炎症性及び抗炎症性サイトカインの活性に対する効果は、WO2010/007166にて実施例4及び6に記載されるように測定される。効果は、ヒト末梢血単核球(PBMC)、ヒトCD14+単球由来樹状細胞、ヒト単球株化細胞、及びヒト未成熟樹状細胞からなる群から選択されたヒト細胞、好ましくはヒトPBMCにおいて測定し得る。

0054

本発明によれば、哺乳類(例えばヒト)ベータディフェンシンの機能的に等価な変異体は、哺乳類(例えばヒト)ベータディフェンシンのアミノ酸配列と比較して、好ましくは配列番号2を有するヒトベータディフェンシン2と比較して、1乃至5個のアミノ酸修飾、好ましくは1乃至4個のアミノ酸修飾、更に好ましくは1乃至3個のアミノ酸修飾、最も好ましくは1乃至2個のアミノ酸修飾、特に1個のアミノ酸修飾を含み得る。

0055

「修飾」という用語は、本明細書において、哺乳類(例えばヒト)ベータディフェンシンの任意の化学修飾を意味する。修飾は、アミノ酸の置換、欠失、及び/又は挿入、更にアミノ酸側鎖交換、或いは、アミノ酸配列において類似特性を有する非天然アミノ酸の使用にすることができる。特に、修飾は、C末端アミド化等のアミド化にすることができる。

0056

好ましくは、アミノ酸修飾は、軽微な性質のものであり、即ち、ポリペプチドのフォールディング及び/又は活性に対する有意な影響の無い保存的なアミノ酸置換又は挿入、単一の欠失、僅かなアミノ又はカルボキシル末端伸長、或いは、ポリヒスチジンタグ抗原性エピトープ、又は結合ドメイン等、正味荷電を変更することにより精製を促進する小さな伸長部である。一実施形態において、ポリヒスチジンタグ、抗原性エピトープ、又は結合ドメイン等の小さな伸長部は、約20乃至25個までの残基の小さなリンカーペプチドを介して哺乳類(例えばヒト)ベータディフェンシンに付着させ、リンカーは、制限酵素切断部位を含み得る。図4又は図5のClustal Wアライメントを用いて、タンパク質生物活性に実質的な影響を与えること無く、どのアミノ酸残基を置換することが可能かを予測することができる。配列は、Clustal W 2.1(http://www.genome.jp/tools/clustalw/)及び以下の設定を用いてアライメントした:ギャップ開始ペナルティ:10、ギャップ伸長ペナルティ:0,05、重み遷移:NO、タンパク質に対する親水性残基:GPSNDQE、親水性ギャップ:YES重み行列:BLOSUM(PROTEIN用)。

0057

以下の群内(Clustal W、「強」保存群)での置換は、本発明の意味において保存的な置換と見做すべきである。
-STA、NEQK、NHQK、NDEQ、QHRK、MILV、MILF、HY、FYW。

0058

以下の群内(Clustal W、「弱」保存群)での置換は、本発明の意味において半保存的な置換と見做すべきである。
-CSA、ATV、SAG、STNK、STPA、SGND、SNDEQK、NDEQHK、NEQHRK、VLIM、HFY。

0059

保存的な置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニンリジン、及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疏水性アミノ酸(ロイシンイソロイシン、及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニントリプトファン、及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(グリシンアラニンセリントレオニン、及びメチオニン)の群内で行われる置換である。比活性を一般に変更しないアミノ酸置換は、当該技術分野において公知であり、例えば、H. Neurath and R.L. Hill, 1979, In, The Proteins, Academic Press, New Yorkに記載されている。最も一般的に発生する交換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、及びAsp/Glyである。

0060

20個の標準的なアミノ酸に加え、非標準的アミノ酸(4-ヒドロキシプロリン、6-N-メチルリジン、2-アミノイソ酪酸イソバリン、及びα-メチルセリン)を、野生型ポリペプチドのアミノ酸残基に置換し得る。限られた数の非保存的アミノ酸、遺伝コードによりコードされていないアミノ酸、及び非天然アミノ酸を、アミノ酸残基に置換し得る。「非天然アミノ酸」は、タンパク質合成後に修飾されており、及び/又は、標準的アミノ酸とは異なる側鎖(群)内の構造を有する。非天然アミノ酸は、化学合成可能であり、好ましくは、市販のものであり、ピペコリン酸チアゾリジンカルボン酸デヒドロプロリン、3-及び4-メチルプロリン、及び3,3-ジメチルプロリンを含む。

0061

哺乳類ベータディフェンシン内の必須アミノ酸は、部位特異的変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発等、当該技術において公知の手順により同定可能である(Cunningham and Wells, 1989, Science 244: 1081-1085)。後者の手法では、単一のアラニンの突然変異分子内の全ての残基に導入し、結果的に生じた突然変異分子を生物活性(即ち、炎症性腸疾患に対する活性及び/又はTNF-α活性の抑制)について試験して、分子の活性にとって重要なアミノ酸残基を特定する。Hilton et al., 1996, J. Biol. Chem. 271: 4699-4708を参照されたい。必須アミノ酸の同一性も、哺乳類ベータディフェンシンに関するポリペプチドとの同一性の解析から推測することができる(図4及び図5のClustal Wアライメント参照)。

0062

単一又は複数のアミノ酸の置換は、公知の突然変異誘発、組換え、及び/又はシャッフルの方法を用いた後、Reidhaar-Olson and Sauer, 1988, Science 241: 53-57、Bowie and Sauer, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2152-2156、WO95/17413、又はWO95/22625により開示されたもの等、関連するスクリーニング手順により作成及び試験することができる。使用可能な他の方法には、エラープローンPCRファージディスプレイ(例えば、Lowman et al., 1991, Biochem. 30:10832-10837、米国特許第5,223,409号、WO92/06204)、及び領域特異的変異誘発(Derbyshire et al., 1986, Gene 46:145、Ner et al., 1988, DNA 7:127)が含まれる。

0063

本発明のポリペプチドのN末端伸長は、1乃至50個のアミノ酸、好ましくは2乃至20個のアミノ酸、特に3乃至15個のアミノ酸により適切に構成され得る。一実施形態において、N末端ペプチド伸長は、Arg(R)を含まない。他の実施形態において、N末端伸長は、以下に定めるようなkex2又はkex2様切断部位を含む。好適な実施形態において、N末端伸長は、少なくとも2個のGlu(E)及び/又はAsp(D)アミノ酸残基を含むペプチドであり、例えば、以下の配列の1つを含むN末端伸長である:EAE、EE、DE、及びDD

0064

特定の置換の結果を確実に予測できない場合、上述した方法により誘導体を容易に検定し、生物活性の有無を決定し得る。

0065

方法及び用途

0066

ヒトベータディフェンシン2は、マウスの10日間デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性大腸炎モデルにおいて疾患パラメータの重症度を有意に低減し、したがって、潰瘍性大腸炎及びクローン病等の炎症性腸疾患の治療のための薬剤として強力な活性を示すことが分かった。

0067

したがって、本発明は、炎症性腸疾患の予防的治療の方法又はIBDに苦しむ患者を寛解状態に保つ方法を提供し、治療は、こうした治療を必要とする患者に対して、ヒトベータディフェンシン2等の哺乳類ベータディフェンシンの有効量を、例えば、医薬組成物の形態で、経口投与することを含む。

0068

一実施形態において、本発明は、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与後に、この寛解の期間を引き延ばすこと、或いは、IBDに苦しむ患者における再発の発生を減少させることに関する。

0069

本発明による炎症性腸疾患は、クローン病及び潰瘍性大腸炎に関する。好適な実施形態において、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与を用いて治療するべきクローン病の病期は、寛解状態及び/又は軽度の活動性を有するクローン病である。他の好適な実施形態において、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与を用いて治療するべき潰瘍性大腸炎の病期は、潰瘍性大腸炎の寛解期である(例えば、全大腸炎/寛解、左側大腸炎/寛解、及び寛解状態の難治性疾患)。

0070

本発明の一実施形態において、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与は、結腸の上皮裏打ちにおける好中球の浸潤を減少させるために使用し得る。この減少は、近位結腸又は遠位結腸に位置し得る。

0071

本発明の他の実施形態において、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与は、結腸における炎症の治療のために使用し得る。

0072

本発明の更に他の実施形態において、哺乳類ベータディフェンシンの経口投与は、消化管内の上皮裏打ちにおけるサイトカイン産生を調節するために使用し得る。

0073

調節は、好ましくは、炎症性サイトカイン及びケモカインからなる群から選択された少なくとも1つのサイトカインの活性の下方制御である。好ましくは、調節は、炎症性のIL-23、IL-1β、及びTNFαからなる群から選択された少なくとも1つのサイトカインの活性の下方制御、及び/又は抗炎症性サイトカインIL-10の活性の上方制御である。

0074

他の実施形態において、本発明は、炎症性腸疾患を治療する方法を提供し、治療は、医薬組成物の形態である哺乳類ベータディフェンシンの有効量の同時又は連続的な非経口及び経口投与を行うことを含む。炎症性腸疾患の活動的突発(「発作」)中、IBDに苦しむ患者には、一実施形態において、ヒトベータディフェンシン2等の哺乳類ベータディフェンシンの非経口投与を施し、これに組み合わせて或いは続けて、寛解期中の前記哺乳類ベータディフェンシンの経口投与を行う。

0075

一実施形態において、hBD2による治療方法は、1日2回、3種類の用量レベル経口経路により投与した場合、IBDのインビボモデルにおいて疾患活動性指数(DAI)の有意の抑制をもたらし、hBD2は、更に、同モデルにおいて非常に有意な抗炎症活性を示した。

0076

哺乳類ベータディフェンシンは、任意の従来の経路による投与用に処方された組成物において治療的に利用することができる。本発明の一実施形態において、哺乳類ベータディフェンシンは、経口投与される。

0077

本発明の他の実施形態において、哺乳類ベータディフェンシンは、同時又は連続的な経口及び非経口投与により投与される。

0078

経口投与は、通常、腸内での薬物送達のために行われ、作用物質は、腸粘膜を介して送達される。

0079

非経口投与は、経口/腸経路ではない任意の投与経路であり、これにより薬剤の肝臓での初回通過分解が回避される。したがって、非経口投与には、任意の注射及び注入、例えば、静脈内投与筋肉内投与皮下投与等のボーラス注射又は連続注入が含まれる。

0080

皮下及び筋肉内の形態の非経口投与が一般に好適となる。

0081

更に他の実施形態において、好適な実施形態の組成物は、凍結乾燥物としての安定性及び再水和後の安定性をもたらす適切な賦形剤を利用して、凍結乾燥物として処方し得る。

0082

ヒトベータディフェンシン等の哺乳類ベータディフェンシンを含有する医薬組成物は、従来の方法、例えば、混合、粒状化コーティング、溶解、又は凍結乾燥プロセスにより製造することができる。

0083

好適な実施形態の医薬組成物は、ヒトベータディフェンシン等の哺乳類ベータディフェンシンと、医薬的に許容可能な担体及び/又は希釈剤とを含む。

0084

医薬的に許容可能な担体及び/又は希釈剤は、当業者によく知られている。溶液として処方された組成物に関して、許容可能な担体及び/又は希釈剤は、生理食塩水滅菌水を含み、抗酸化剤緩衝液静菌薬、及び他の一般的な添加物を任意に含み得る。

0085

非経口投与は、注射及び注入の形態としてよく、前記製剤は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳液等の形態を取り得る。或いは、活性成分は、適切なビヒクル、例えば、滅菌パイロジェンフリー水と共に使用する前の構成として、滅菌固体無菌単離又は溶液からの凍結乾燥により得られた粉末の形態にしてもよい。製剤は、アンプルバイアル充填済みシリンジ注入バッグ等の単位用量又は複数用量封入容器において提供することが可能であり、或いは、使用直前に例えば水である注射用滅菌液体賦形剤の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管することができる。

0086

油性又は非水性の担体、希釈剤、溶媒、又はビヒクルの例には、プロピレングリコールポリエチレングリコール野菜油、及び注入可能有機エステルが含まれ、保存剤湿潤剤乳化剤、又は懸濁化剤安定化剤、及び/又は分散剤等の調合剤を含有し得る。

0087

本発明の化合物は、経口投与用の様々な剤形で処方し得る。固形調製物は、粉末、タブレットドロップカプセルトローチ、及び分散性顆粒を含み得る。経口投与に適した他の形態は、乳液、シロップエリキシル剤水溶液水性懸濁液練り歯みがきゲル歯磨き剤チューインガムを含む液体調製物、或いは、使用の少し前に溶液、懸濁液、及び乳液等の液体調製物に転換するための固体調製物を含み得る。

0088

粉末において、担体は、微粉化した活性成分との混合物である微粉化固体である。タブレットにおいて、活性成分は、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及び大きさに圧縮される。適切な担体は、炭酸マグネシウムステアリン酸マグネシウムタルク砂糖ラクトースペクチンデキストリン澱粉ゼラチントラガントメチルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウム低融点ワックスカカオバター等である。

0089

本発明によるドロップは、滅菌又は非滅菌水性又は油性溶液又は懸濁液を含み、有効成分を適切な水溶液に溶解し、任意に殺菌剤及び/又は防黴剤及び/又は他の任意の適切な保存剤を含め、任意に表面活性剤を含めることにより調製し得る。油性溶液の調製に適切な溶媒は、グリセリン希釈アルコール、及びプロピレングリコールを含む。

0090

乳液は、水性プロピレングリコール溶液中の溶液において調製してよく、或いはレシチンソルビタンモノオレエート、又はアカシア等の乳化剤を含有し得る。水溶液は、活性成分を水に溶解させ、適切な着色剤香味料、安定化剤、及び増粘剤を添加することにより調整し得る。水性懸濁液は、微粉化した活性成分を、天然又は合成ゴム樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の粘性材料、及び他の周知の懸濁剤と共に水中に分散させることにより調製可能である。

0091

製剤は、(哺乳類ベータディフェンシン及び他の任意の有効成分に加え)担体、増量剤崩壊剤滑沢剤、砂糖及び甘味料香料、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤浸透圧調整用の塩、緩衝剤、希釈剤、分散剤及び表面活性剤、結合剤潤滑剤、及び/又は当該技術分野において公知の他の医薬品添加物を含有することができる。

0092

当業者は、更に、哺乳類ベータディフェンシンを、適切な形で、Remington's Pharmaceutical Sciences, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA 1990に記載されるもの等、一般的な慣例にしたがって処方し得る。

0093

ヒトベータディフェンシン等の哺乳類ベータディフェンシンは、単独で、或いは、1つ又は2つ以上の他の医薬化合物又は原薬との併用療法において、及び/又は一つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤と共に、用いることができる。

0094

インビトロ合成

0095

哺乳類ベータディフェンシンは、当該技術分野において公知である従来の方法を用いて、インビトロ合成により調製し得る。様々な市販の合成装置を利用可能であり、例えば、Applied Biosystems Inc.、Beckman等の自動合成機を利用可能である。合成機を用いることにより、自然発生アミノ酸は、非天然アミノ酸、特にD体(又はD形)、例えば、D-アラニン及びD-イソロイシン、ジアステレオ異性体、長さ又は機能性が異なる側鎖等により置換し得る。特定の配列及び調製の方法は、利便性経済性、必要な純度等により決定される。

0096

アミド又は置換アミン形成、例えば、還元的アミノ化用のアミノ基、チオエーテル又はジスルフィド形成用のチオール基、アミド形成用のカルボキシル基等、結合のために都合の良い機能を有する化学的な連結を様々なペプチド又はタンパク質に提供し得る。

0097

必要に応じて、合成中又は発現中に、他の分子又は表面との連結を可能にする様々な基をペプチドに導入し得る。したがって、システインを用いて、チオエーテル、金属イオン錯体との連結用のヒスチジン、アミド又はエステルを形成するためのカルボキシル基、アミドを形成するためのアミノ基等を作成することができる。

0098

哺乳類ベータディフェンシン又はその機能的等価物は、従来の組換え合成の方法により単離及び精製してもよい。組換え合成は、適切な発現ベクタ及び真核細胞発現システムを用いて実施し得る。溶液は、発現宿主及び媒体から調整し得て、存在するディフェンシンは、HPLC、排除クロマトグラフィゲル電気泳動アフィニティクロマトグラフィ、又は他の精製手法を用いて精製し得る。大腸菌におけるヒトベータディフェンシン2の組換え発現の方法は、WO2010/007166(Novozymes)において開示されている。

0099

投与量

0100

ヒトベータディフェンシン等の哺乳類ベータディフェンシンは、炎症性腸疾患を治療する上で有効な量で、好ましくは患者への毒性が許容される状態で、医薬組成物内において利用されることが好ましい。こうした治療のために、適切な用量は、当然ながら、例えば、使用される本発明の化合物の化学的性質及び薬物動態データ、個別の宿主、投与の方式、及び治療する状態の性質及び重症度に応じて変化する。しかしながら、一般に、多くの哺乳動物、例えばヒトにおいて、満足できる結果を得るために、指示1日用量は、好ましくは約0.0001 mg/kg体重乃至約1 0mg/kg体重、更に好ましくは約0.001 mg/kg体重乃至約10 mg/kg体重、例えば0.005 mg/kg体重乃至5 mg/kg体重、更に好ましくは約0.01 mg/kg体重乃至約10 mg/kg体重、好ましくは約0.1 mg/kg体重乃至約10 mg/kg体重であり、例えば、1日に1回、2回、3回、又は4回までの分割量で投与される。好適な実施形態の化合物は、ヒト等の大型哺乳動物に対して、従来用いられるものと同様の用量で同様の投与方式により投与することができる。

0101

一実施形態において、1日用量は、好ましくは0.0001乃至10 mg/kg体重、更に好ましくは0.001乃至10 mg/kg体重、更に好ましくは0.005乃至5 mg/kg体重である。

0102

特定の実施形態において、好適な実施形態の医薬組成物は、ヒトベータディフェンシン等の哺乳類ベータディフェンシンを、投与の経路に応じて、単位剤形当たり約0.5mg以下乃至約1500mg以上、好ましくは約0.5、0.6、0.7、0.8、又は0.9mg乃至約150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、又は1000mg、更に好ましくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25mg乃至約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100mgの量で含むことができる。しかしながら、特定の実施形態では、上述したものより低い又は高い投与量が好適となり得る。適切な濃度及び投与量は、当業者が容易に決定することができる。

0103

一実施形態において、哺乳類ベータディフェンシンは、少なくとも1日1回、例として少なくとも1日2回、例えば少なくとも1日3回、例として少なくとも1日4回投与される。

0104

本発明の範囲を限定するものとして解釈するべきではない以下の実施例により、本発明を更に記載する。

0105

実施例1

0106

マウスにおける10日間デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性大腸炎モデル

0107

以下の研究の目的は、マウスにおける経口デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)投与により誘導した炎症性腸疾患(大腸炎)の急性(10日間)モデルでのヒトベータディフェンシン2の抗炎症活性を判定することであった。

0108

DSS大腸炎マウスモデルは、炎症性腸疾患の研究用として良く知られたモデルであり、Kawada et al. "Insights from advances in research of chemically induced experimental models of human inflammatory bowel disease", World J. Gastroenterol., Vol. 13 (42), pp. 5581-5593 (2007)、及びWirtz and Neurath "Mouse models of inflammatory bowel disease", Advanced Drug Delivery Reviews, Vol. 59 (11), 1073-1083 (2007)において説明されている。

0109

材料

0110

試験品目

0111

ヒトベータディフェンシン2(hBD2)、メチルプレドニゾロン21-ヘミスクシナート(「プレドニゾロン」)、PBS緩衝液(GIBCO)。

0112

実験動物

0113

雄のC57BL/6マウス(Harlan Interfauna Iberica、スペインバルセロナ)は、飲み水にDSSの2%溶液を10日間に亘り投与した場合に結腸の有意な炎症を起こすことが実証された種及び性別であることから、これを研究に用いた。

0114

特定

0115

動物は、尾部の番号及び文字コードにより特定した。加えて、各ケージは、動物の番号及び性別、試験品のコード又は名称、用量レベル、投与経路、治療期間、群番号研究コード、研究監督者名前を示す色分けされたカードにより特定した。

0116

重量

0117

研究開始日の動物の平均体重は、22.4±0.16gだった。

0118

順化

0119

研究開始前最短7日間は、主研究のものと同じ条件とした。

0120

収容

0121

到着時、ステンレス鋼蓋付きのポリカーボネート製ケージ(Eタイプ、Charles River、255×405×197mm)に動物を無作為に分けて収容した。動物は、温度(22±2℃)、照明(明/暗12/12時間)、気圧、空気の入れ替え回数、及び相対湿度(30乃至70%)が制御された動物飼育室において、性別に応じて1ケージ当たり5匹の群で収容した。全てのケージには、おがくず(Lignocel3-4、Harlan Interfauna Iberica、スペイン)を床に敷き、寝藁とした。全てのマウスに、乾燥したペレット状の標準的な齧歯動物飼料(Teklad Global 2014、Harlan Interfauna Iberica、スペイン)を自由に利用させた。水はボトルに入れ、適宜提供した。動物飼育室への水道水の供給は、定期的に分析し、組成を確認し、考えられる汚染物(化学物質及び微生物)を検出した。

0122

器具及び材料

0123

器具:
動物SartoriusモデルBP 2100
外科切開器具
Eppendorf 5415C遠心分離器
Nikon Eclipse E600FN顕微鏡
Hook&Tucker instruments rotamixer
IKA Ultra Turraxホモジナイザ
Sartoriusモデル BP 221S 化学天秤

0124

材料及び試薬:
滅菌使い捨て注射器(1ml)
滅菌バタフライ25G注入セット
麻酔剤(ケタミン/キシラジン)
局所麻酔クリーム(EMLA、Astra Zeneca)
デキストラン硫酸ナトリウム30,000乃至50,000Da(MP Biomedicals)
リン酸緩衝食塩水(PBS、Sigma)
中性緩衝ホルマリン(VWR)

0125

実験プロトコル

0126

研究デザイン:動物は、5実験群に分割した。各群は雄10匹で構成した。A群:対照ビヒクル(PBS)により1日2回経口投与で治療。B群:メチルプレドニゾロンにより治療(1 mg/kgを1日2回経口投与)。C群:hBD2により治療(0.05 mg/kgを1日2回経口投与)。D群:hBD2により治療(0.5 mg/kgを毎日経口投与)。E群:hBD2により治療(5 mg/kgを毎日経口投与)。全実験群への動物の割り当ては無作為に行った。各ケージに最大5匹を収容した(Directive86/609/EECの通り)。全動物は、到着時に実験室にて、試験品の投与前に体重を測定した。

0127

試験物質の投与

0128

対照ビヒクル及びhBD2は、滅菌カニューレを用いて、10ml/kg体重の投与量を経口投与した。全群の動物には、対応する試験品(試験、基準、又はビヒクル)を1日2回(9.00時及び17.00時)、10日連続して与えた(実験日1乃至10)。

0129

実験手順

0130

大腸炎の誘導

0131

大腸炎は、飲み水に2%のDSSを7日間に亘り加えることによりマウスにおいて誘導した。1日目に全てのマウスの体重を量り、実験群にしたがってマークを付けた。各ケージの飲料ボトルに、DSS溶液を入れ、全てのボトルの蓋を正しく取り付け、詰まりが無いことを確認した。3日目に、ボトル内に残った溶液を捨て、新しいDSS溶液を入れた。この手順は、5日目にも繰り返した。8日目に、残った溶液を廃棄し、加圧滅菌した水に置き換えた。動物は、2日後の10日目に屠殺した。

0132

臨床評価(疾患活動性指数)

0133

DSS処理動物の毎日の臨床評価は、以下のパラメータにより、0乃至4の範囲の有効な臨床用の疾患活動性指数(DAI)を計算して実施した:便の硬さ、直腸出血の有無、及び体重減少。

0134

0135

体重減少は、元の体重(1日目)と各実験日(2乃至10日目)の実体重とのパーセントの差として計算した。下痢の発生は、肛門の毛に付着した粘液/糞便物質として定義した。直腸出血は、目に見える血液/粘液を含む下痢、又は肉眼的直腸出血として定義した。DAIの1日の最高スコアは12である。

0136

安楽死及び結腸試料の採取

0137

10日目に、対照ビヒクル、hBD2、又はプレドニゾロンの最後の投与の2時間後に、動物を麻酔剤の過剰投与により殺した。結腸を取り除き、盲腸の排除後に長さ及び重量を測定した。結腸の2つの部分(近位及び遠位)を各動物から取り出し、中性緩衝ホルマリン中で保存後、以下の採点法により組織学的解析を行った(ヘマトキシリン及びエオジン染色):

0138

記述スコア:変化は観察されない(0)。微小散在状態の粘膜炎細胞浸潤があり、微小な上皮過形成の有無は問わない(1)。場合によっては粘膜下組織内まで延び、糜爛を伴う軽度の散在状態から拡散状態までの炎症細胞浸潤があり、微小から軽度の上皮過形成及び微小から軽度の杯細胞からのムチン沈着を有する(2)。場合によっては貫壁性となり、潰瘍を伴う場合が多い軽度から中度の炎症細胞浸潤があり、中度の上皮過形成及びムチン沈着を有する(3)。貫壁性となる場合が多く、潰瘍を伴う強度の炎症細胞浸潤があり、強度の上皮過形成及びムチン沈着を有する(4)。重度の潰瘍を伴う強度の炎症細胞浸潤、及び腸腺喪失がある(5).

0139

組織学的評価

0140

結腸の2つの部分(近位及び遠位)を各動物から取り出し、組織学的解析用に処理し(ヘマトキシリン及びエオジン染色)、上述した組織学的採点法に従って、盲検観察者により採点した。

0141

統計分析

0142

結果の統計的有意性は、統計プログラムGraphPad Instat3を用いて評価した。結果は、平均値±平均値の標準偏差として示し、(n)は動物の数である。体重、結腸の長さ、及び結腸の重量の群間の差を、対応の無いデータに対する分散分析(ANOVA)に加えてDunnettのポストテストにより評価し、多重比較を可能にした。疾患活動性指数及び組織学的スコアの群間の差は、対応の無いデータに対するクラスカル-ワリス検定+Dunnetのポストテストにより評価して多重比較を行った。P<0.05の値は、有意と見做した。各図及び表において、対応する対照(ビヒクル)群に対する有意差は、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001として示している。

0143

結果

0144

本研究において、試験品NZ39000(hBD2)による治療は、毎日、3種類の用量レベル(0.05、0.5、及び5 mg/kg)において、経口経路で投与した際に、疾患活動性指数(DAI)の有意な抑制をもたらした(図1及び下記表)。有意な抑制は、基準品(プレドニゾロン)及びhBD2による治療後に以下の有意差で共に観察された。

0145

未記載の日及び治療では、有意差は無かった。

0146

0147

0148

0149

0150

有意な減少は、近位及び遠位結腸の両方で観察された(図2及び3)。

0151

結論

0152

結果は、試験用量で経口投与されたhBD2が、DSS投与により誘導した疾患活動性指数の増加を、0.05 mg/kgでは6、7、8、9、及び10日目に、0.5 mg/kgでは6、9、及び10日目に、5 mg/kgでは3、4、5、6、7、8、9、及び10日目に有意に減少させることを実証している。疾患活動性指数により得られた結果と同様に、10日目の各動物の近位及び遠位結腸の組織学的分析では、経口投与したhBD2による組織障害スコアの非常に有意な減少が明らかとなった。効果は、近位において、遠位より顕著となった。本研究において、試験品hBD2による治療は、毎日、3つの用量レベルにおいて、経口経路で投与した時、疾患活動性指数(DAI)の有意な抑制をもたらした。基準品(プレドニゾロン)は、マウスにおいて有意な食欲抑制効果を有することが知られており(各日2回投与された)、そのため疾患の重症度に関係の無い動物体重に対する有意な効果をもたらす恐れがある。この効果を考慮して、付加的なDAIスコアを、体重効果の変化なしで実施し、便の硬さ及び直腸出血のみを測定可能なパラメータとして使用した。この場合、試験品hBD2は、基準品プレドニゾロンと同様の非常に有意な抗炎症活性を示した。デキストラン硫酸ナトリウムの投与は、組織学的検査後に証明されたように、動物の結腸組織の有意な炎症及び損傷をもたらした。この損傷は、近位部と比較した場合、結腸遠位部において、より顕著となった。試験品hBD2による1日2回の3つの用量レベルでの治療は、近位結腸における組織障害の有意な減少をもたらした。同様に、試験品hBD2による1日2回の中及び高用量レベルでの治療は、更に遠位結腸における組織障害の有意な減少をもたらした。プレドニゾロンによる1 mg/kgの用量の1日2回の経口投与での治療(B群)も、近位及び遠位結腸においてDSSにより誘導された組織損傷を有意に減少させた。結果は、更に、対照群と比較した場合、高用量の試験品により治療した動物における10日目での有意な体重増加を示している(P<0.05)。この結果は、上述した試験品群における、体重減少の低下につながる(例えば、摂食の増加、下痢の減少等による)動物の全般的健康状態の改善を示唆している。プレドニゾロンにより治療した動物(B群)は、2日目から研究終了までの、体重の有意な減少を示す。上述したように、この体重減少は、この特定の事例において動物の全般的な健康状態を示すものと見做すことはできず、プレドニゾロンはマウスの食欲に対して有意な抑制効果を有することが知られており、これにより体重減少が説明される。本研究において得られた結果は、10日間の治療期間後の、マウスに誘導されたDSS大腸炎のモデルにおける経口投与hBD2の抗炎症活性を実証している。

実施例

0153

[項目1]
炎症性腸疾患の治療用の、同時又は連続的に経口及び非経口投与される薬剤の製造における哺乳類ベータディフェンシンの使用。
[項目2]
前記薬剤は、少なくとも1回の前記薬剤の非経口投与後に経口投与される、項目1の使用。
[項目3]
前記薬剤は、前記薬剤の投与量の少なくとも1回の非経口投与と一緒に経口投与される、項目1記載の使用。
[項目4]
あるディフェンシンは、経口投与され、あるディフェンシンは、非経口投与され、前記経口投与されたディフェンシンと非経口投与されたディフェンシンとは同じである、項目1乃至3記載の使用。
[項目5]
あるディフェンシンは、経口投与され、あるディフェンシンは、非経口投与され、前記経口投与されたディフェンシンと非経口投与されたディフェンシンとは異なる、項目1乃至3記載の使用。
[項目6]
炎症性腸疾患の予防的治療用の、経口投与される薬剤の製造における哺乳類ベータディフェンシンの使用。
[項目7]
炎症性腸疾患を寛解状態に保つための、経口投与される薬剤の製造における哺乳類ベータディフェンシンの使用。
[項目8]
炎症性腸疾患の寛解を引き延ばすための、経口投与される薬剤の製造における哺乳類ベータディフェンシンの使用。
[項目9]
炎症性腸疾患の再発の発生を減少させるための、経口投与される薬剤の製造における哺乳類ベータディフェンシンの使用。
[項目10]
前記炎症性腸疾患は、クローン病である、先行項目6乃至9の何れかに記載の使用。
[項目11]
前記クローン病は、軽度の活動性疾患又は中度から重度の活動性疾患である、項目10記載の使用。
[項目12]
前記炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎である、先行項目6乃至9の何れかに記載の使用。
[項目13]
前記大腸炎は、全大腸炎又は左側大腸炎である、項目12記載の方法。
[項目14]
結腸の上皮裏打ちにおける好中球の浸潤を減少させるための、経口投与される薬剤の製造における哺乳類ベータディフェンシンの使用。
[項目15]
好中球の浸潤は、近位結腸において減少する、項目14記載の使用。
[項目16]
好中球の浸潤は、更に下行及びS状結腸において減少する、項目15記載の使用。
[項目17]
結腸における炎症を減少させるための、経口投与される薬剤の製造における哺乳類ベータディフェンシンの使用。
[項目18]
前記結腸における炎症は、炎症性腸疾患である、項目17記載の使用。
[項目19]
消化管の上皮裏打ちにおけるサイトカイン産生を調節するための、経口投与される薬剤の製造における哺乳類ベータディフェンシンの使用。
[項目20]
消化管の上皮裏打ちにおける前記サイトカイン産生は、炎症性腸疾患に起因する、項目19記載の使用。
[項目21]
前記薬剤は、IL-23、IL-1β、IL-6、IL-8、MCP-1、及びTNFαからなる群から選択された少なくとも1つのサイトカイン又はケモカインの活性の下方制御に有効である、項目19記載の使用。
[項目22]
前記薬剤は、IL-10の活性の上方制御に有効である、項目19記載の使用。
[項目23]
前記薬剤は、ヒトに投与され、前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシンである、先行項目の何れかに記載の使用。
[項目24]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4からなる群から選択されたアミノ酸配列の何れかに対して少なくとも80%の配列同一性を有する、先行項目の何れかに記載の使用。
[項目25]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、先行項目の何れかに記載の使用。
[項目26]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシン2の変異体であり、10個以下、好ましくは5個以下、更に好ましくは2個以下のアミノ酸が、配列番号2と比較して変化している、先行項目の何れかに記載の使用。
[項目27]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトPBMC、ヒトCD14+単球由来樹状細胞、ヒト単球株化細胞、及びヒト未成熟樹状細胞からなる群から選択されたヒト細胞、好ましくはヒトPBMCにおいて、少なくとも1つの炎症性サイトカインの活性を下方制御することができる、先行項目の何れかに記載の使用。
[項目28]
前記炎症性サイトカインは、TNFα、IL-23、及びIL-1βからなる群から選択され、好ましくはTNFαである、項目27記載の使用。
[項目29]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトPBMC、ヒトCD14+単球由来樹状細胞、ヒト単球株化細胞、及びヒト未成熟樹状細胞からなる群から選択されたヒト細胞、好ましくはヒトPBMCにおいて、少なくとも1つの抗炎症性サイトカインの活性を上方制御することができる、先行項目の何れかに記載の使用。
[項目30]
前記抗炎症性サイトカインは、IL-10である、項目29記載の使用。
[項目31]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、少なくとも1日1回、例として少なくとも1日2回、例えば少なくとも1日3回投与される、先行項目の何れかに記載の使用。
[項目32]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、0.0001乃至10 mg/kg、好ましくは0.001乃至10 mg/kg、更に好ましくは0.005乃至5 mg/kgの1日投与量で投与される、先行項目の何れかに記載の使用。
[項目33]
炎症性腸疾患の治療において使用される哺乳類ベータディフェンシンであって、前記方法は、哺乳類ベータディフェンシンの有効量の同時又は連続的な経口及び非経口投与を含む、哺乳類ベータディフェンシン。
[項目34]
前記ディフェンシンは、少なくとも1回のディフェンシンの非経口投与後に経口投与される、項目33の使用。
[項目35]
前記ディフェンシンは、ディフェンシンの投与量の少なくとも1回の非経口投与と一緒に経口投与される、項目33記載の使用。
[項目36]
あるディフェンシンは、経口投与され、あるディフェンシンは、非経口投与され、前記経口投与されたディフェンシンと非経口投与されたディフェンシンとは同じである、項目33記載の使用。
[項目37]
あるディフェンシンは、経口投与され、あるディフェンシンは、非経口投与され、前記経口投与されたディフェンシンと非経口投与されたディフェンシンとは異なる、項目33記載の使用。
[項目38]
炎症性腸疾患の予防的治療において使用される哺乳類ベータディフェンシンであって、前記方法は、患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの有効量の経口投与を含む、哺乳類ベータディフェンシン。
[項目39]
炎症性腸疾患に苦しむ患者を寛解状態に保つ際に使用される哺乳類ベータディフェンシンであって、前記方法は、前記患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの治療的有効量の経口投与を含む、哺乳類ベータディフェンシン。
[項目40]
炎症性腸疾患に苦しむ患者における寛解を引き延ばす際に使用される哺乳類ベータディフェンシンであって、前記方法は、前記患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの治療的有効量の経口投与を含む、哺乳類ベータディフェンシン。
[項目41]
炎症性腸疾患に苦しむ患者における再発の発生を減少させる際に使用される哺乳類ベータディフェンシンであって、前記方法は、前記患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの治療的有効量の経口投与を含む、哺乳類ベータディフェンシン。
[項目42]
前記患者は、クローン病に苦しむ、先行項目38乃至41の何れかに記載の使用。
[項目43]
前記患者は、軽度の活動性疾患又は中度から重度の活動性疾患に苦しむ、項目38記載の使用。
[項目44]
前記患者は、潰瘍性大腸炎に苦しむ、先行項目38乃至41の何れかに記載の使用。
[項目45]
前記大腸炎は、全大腸炎又は左側大腸炎である、項目44記載の使用。
[項目46]
結腸の上皮裏打ちにおける好中球の浸潤を減少させる際に使用する哺乳類ベータディフェンシンであって、前記方法は、必要とする患者に対して哺乳類ベータディフェンシンの有効量を経口投与することを含む、哺乳類ベータディフェンシン。
[項目47]
好中球の浸潤は、近位結腸において減少する、項目46記載の使用。
[項目48]
好中球の浸潤は、更に下行及びS状結腸において減少する、項目47記載の使用。
[項目49]
結腸における炎症を減少させる際に使用される哺乳類ベータディフェンシンであって、前記方法は、患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの治療的有効量の経口投与を含む、哺乳類ベータディフェンシン。
[項目50]
前記患者は、炎症性腸疾患に苦しむ、項目49記載の使用。
[項目51]
消化管の上皮裏打ちにおけるサイトカイン産生を調節する際に使用される哺乳類ベータディフェンシンであって、前記方法は、必要とする患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの有効量の経口投与を含む、哺乳類ベータディフェンシン。
[項目52]
前記患者は、炎症性腸疾患に苦しむ、項目51記載の使用。
[項目53]
前記量は、IL-23、IL-1β、IL-6、IL-8、MCP-1、及びTNFαからなる群から選択された少なくとも1つのサイトカイン又はケモカインの活性の下方制御に有効である、項目51記載の使用。
[項目54]
前記量は、IL-10の活性の上方制御に有効である、項目51記載の使用。
[項目55]
前記患者は、ヒトであり、前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシンである、項目33乃至54の何れかに記載の使用。
[項目56]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4からなる群から選択されたアミノ酸配列の何れかに対して少なくとも80%の配列同一性を有する、項目33乃至54の何れかに記載の使用。
[項目57]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、項目33乃至54の何れかに記載の使用。
[項目58]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシン2の変異体であり、10個以下、好ましくは5個以下、更に好ましくは2個以下のアミノ酸が、配列番号2と比較して変化している、項目33乃至57の何れかに記載の使用。
[項目59]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトPBMC、ヒトCD14+単球由来樹状細胞、ヒト単球株化細胞、及びヒト未成熟樹状細胞からなる群から選択されたヒト細胞、好ましくはヒトPBMCにおいて、少なくとも1つの炎症性サイトカインの活性を下方制御することができる、項目33乃至58の何れかに記載の使用。
[項目60]
前記炎症性サイトカインは、TNFα、IL-23、及びIL-1βからなる群から選択され、好ましくはTNFαである、項目59記載の使用。
[項目61]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトPBMC、ヒトCD14+単球由来樹状細胞、ヒト単球株化細胞、及びヒト未成熟樹状細胞からなる群から選択されたヒト細胞、好ましくはヒトPBMCにおいて、少なくとも1つの抗炎症性サイトカインの活性を上方制御することができる、項目33乃至60の何れかに記載の使用。
[項目62]
前記抗炎症性サイトカインは、IL-10である、項目61記載の使用。
[項目63]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、少なくとも1日1回、例として少なくとも1日2回、例えば少なくとも1日3回投与される、項目33乃至62の何れかに記載の使用。
[項目64]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、0.0001乃至10 mg/kg、好ましくは0.001乃至10 mg/kg、更に好ましくは0.005乃至5 mg/kgの1日投与量で投与される、項目33乃至63の何れかに記載の使用。
[項目65]
炎症性腸疾患の治療の方法であって、哺乳類ベータディフェンシンの有効量の同時又は連続的な経口及び非経口投与を含む方法。
[項目66]
前記ディフェンシンは、少なくとも1回のディフェンシンの非経口投与後に経口投与される、項目65の方法。
[項目67]
前記ディフェンシンは、ディフェンシンの投与量の少なくとも1回の非経口投与と一緒に経口投与される、項目65記載の方法。
[項目68]
炎症性腸疾患の予防的治療の方法であって、患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの有効量の経口投与を含む方法。
[項目69]
炎症性腸疾患に苦しむ患者を寛解状態に保つ方法であって、前記患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの治療的有効量の経口投与を含む方法。
[項目70]
炎症性腸疾患に苦しむ患者における寛解を引き延ばす方法であって、前記患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの治療的有効量の経口投与を含む方法。
[項目71]
炎症性腸疾患に苦しむ患者における再発の発生を減少させる方法であって、前記患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの治療的有効量の経口投与を含む方法。
[項目72]
前記患者は、クローン病に苦しむ、先行項目68乃至71の何れかに記載の方法。
[項目73]
前記患者は、軽度の活動性疾患又は中度から重度の活動性疾患に苦しむ、項目72記載の方法。
[項目74]
前記患者は、潰瘍性大腸炎に苦しむ、先行項目68乃至71の何れかに記載の方法。
[項目75]
前記大腸炎は、全大腸炎又は左側大腸炎である、項目74記載の方法。
[項目76]
結腸の上皮裏打ちにおける好中球の浸潤を減少させる方法であって、必要とする患者に対して哺乳類ベータディフェンシンの有効量を経口投与することを含む方法。
[項目77]
好中球の浸潤は、近位結腸において減少する、項目76記載の方法。
[項目78]
好中球の浸潤は、更に下行及びS状結腸において減少する、項目77記載の方法。
[項目79]
結腸における炎症を減少させる方法であって、患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの治療的有効量の経口投与を含む方法。
[項目80]
前記患者は、炎症性腸疾患に苦しむ、項目79記載の方法。
[項目81]
消化管の上皮裏打ちにおけるサイトカイン産生を調節する方法であって、必要とする患者に対する哺乳類ベータディフェンシンの有効量の経口投与を含む方法。
[項目82]
腸内投与は、経口である、項目81記載の方法。
[項目83]
前記患者は、炎症性腸疾患に苦しむ、項目81記載の方法。
[項目84]
前記量は、IL-23、IL-1β、IL-6、IL-8、MCP-1、及びTNFαからなる群から選択された少なくとも1つのサイトカイン又はケモカインの活性の下方制御に有効である、項目81記載の方法。
[項目85]
前記量は、IL-10の活性の上方制御に有効である、項目81記載の方法。
[項目86]
前記患者は、ヒトであり、前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシンである、先行項目68乃至85の何れかに記載の方法。
[項目87]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4からなる群から選択されたアミノ酸配列の何れかに対して少なくとも80%の配列同一性を有する、先行項目68乃至86の何れかに記載の方法。
[項目88]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、先行項目68乃至87の何れかに記載の方法。
[項目89]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトベータディフェンシン2の変異体であり、10個以下、好ましくは5個以下、更に好ましくは2個以下のアミノ酸が、配列番号2と比較して変化している、先行項目68乃至88の何れかに記載の方法。
[項目90]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトPBMC、ヒトCD14+単球由来樹状細胞、ヒト単球株化細胞、及びヒト未成熟樹状細胞からなる群から選択されたヒト細胞、好ましくはヒトPBMCにおいて、少なくとも1つの炎症性サイトカインの活性を下方制御することができる、先行項目68乃至89の何れかに記載の方法。
[項目91]
前記炎症性サイトカインは、TNFα、IL-23、及びIL-1βからなる群から選択され、好ましくはTNFαである、項目90記載の方法。
[項目92]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、ヒトPBMC、ヒトCD14+単球由来樹状細胞、ヒト単球株化細胞、及びヒト未成熟樹状細胞からなる群から選択されたヒト細胞、好ましくはヒトPBMCにおいて、少なくとも1つの抗炎症性サイトカインの活性を上方制御することができる、先行項目68乃至91の何れかに記載の方法。
[項目93]
前記抗炎症性サイトカインは、IL-10である、項目92記載の方法。
[項目94]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、少なくとも1日1回、例として少なくとも1日2回、例えば少なくとも1日3回投与される、先行項目68乃至93の何れかに記載の方法。
[項目95]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、0.0001乃至10 mg/kg、好ましくは0.001乃至10 mg/kg、更に好ましくは0.005乃至5 mg/kgの1日投与量で投与される、先行項目68乃至94の何れかに記載の方法。
[項目96]
先行項目68乃至95の方法の何れかにおいて使用する哺乳類ベータディフェンシン。
[項目97]
炎症性腸疾患に苦しむ個体に哺乳類ベータディフェンシンを投与する方法であって、前記哺乳類ベータディフェンシンの同時又は連続的な経口及び非経口投与を含む方法。
[項目98]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、少なくとも1回の前記薬剤の非経口投与後に経口投与される、項目97記載の方法。
[項目99]
前記哺乳類ベータディフェンシンは、前記薬剤の投与量の少なくとも1回の非経口投与と一緒に経口投与される、項目97記載の方法。
[項目100]
あるディフェンシンは、経口投与され、あるディフェンシンは、非経口投与され、前記経口投与されたディフェンシンと非経口投与されたディフェンシンとは同じである、項目97乃至99記載の方法。
[項目101]
あるディフェンシンは、経口投与され、あるディフェンシンは、非経口投与され、前記経口投与されたディフェンシンと非経口投与されたディフェンシンとは異なる、項目97乃至99記載の方法。

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