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課題

口腔または経口組成物唾液分泌促進作用嚥下改善作用嚥下補助作用)、及び咀嚼改善作用(咀嚼補助作用)からなる群から選択される少なくとも1つの作用を付与するために用いられる口腔または経口組成物用添加剤を提供する。また、口腔または経口組成物用添加剤を用いて調製される口腔または経口組成物(飲食品、口腔または経口医薬品)及びその調製方法を提供する。

解決手段

本発明は、経口組成物に、唾液分泌促進作用、嚥下改善作用(嚥下補助作用)、及び咀嚼改善作用(咀嚼補助作用)からなる群から選択される少なくとも1つの作用を付与することのできる経口組成物(飲食品、経口医薬品)の調製に有効な添加剤(経口組成物用添加剤)を提供する。当該添加剤は、酵素処理イソクエルシトリンに増粘多糖類を併用することで調製することができる。

概要

背景

唾液は、口腔機能や口腔内の環境の維持等に重要な役割を果たしている。口腔機能としては、発声及び会話を円滑にする機能、並びに食物の摂取及び嚥下機能を挙げることができる。特に飲食品の摂取及び嚥下機能において、唾液は、食塊形成作用アミラーゼ分泌による消化活動、並びに味物質可溶化及びカーボネートデヒドロゲナーゼ分泌による味覚の維持作用に深く関わっている。また、口腔内の環境維持に関して、唾液は歯を含む口腔内の自浄作用、歯の再石灰化作用抗菌作用免疫作用抗炎症作用、及び成長因子等による組織修復促進作用に深く関わっている。

しかしながら、情緒ストレス障害神経症臓器障害脳炎腫瘍脳血管障害高血圧バセドウ病、及び糖尿病等の各種疾患、薬剤副作用放射線治療、並びに加齢等を原因として唾液の分泌量が低下することが知られている。特に高齢者は、加齢による唾液腺機能の低下に加え、複数の慢性疾患やそれらの治療薬により、唾液の分泌量が減少するため、口腔内の乾燥を訴える者が多いのが実情である。

唾液の分泌量の低下は、口腔内に乾燥をもたらし、その結果、咀嚼嚥下の困難、及び消化機能の低下を招く。また、口腔内不快感及び口臭発生の原因ともなる。更に症状が進行すると、歯周疾患、及び口内炎等の口腔感染症の原因になる。従って、何らかの手段によって、該当者の唾液の分泌量を増加させることが求められる。

従来、唾液の分泌量を増加させる手段として、酸味を用いて味覚的刺激を与える方法(特許文献1)、及び嗅覚的に刺激を与える方法(特許文献2)が提案されている。また、唾液分泌促進作用を有する植物抽出物を使用する方法(特許文献3〜6)、並びにムスカリン受容体を標的にした薬物(特許文献7)、及びPAR−2を標的とした薬物(特許文献8)を用いる方法も提案されている。

しかしながら、上記文献に開示されている方法は、いずれも効果の強さや持続性について充分とはいい難く、その他にも下記のような問題を有している。

特許文献1記載の方法は、嗜好性の面から汎用性がない。また、刺激が強いため、頻繁に適用すると歯牙の溶解や口腔粘膜に対する刺激等、口腔組織への影響が危惧される。特許文献2記載の方法は、嗅覚刺激消失とともに効果が消失してしまうという問題がある。特許文献3〜6記載の方法は、使用する植物抽出物には特有の刺激、呈味及び香味を有しているものが多く、また有機酸の併用が必須であるか又は推奨されているため、それを適用できる組成物食品組成物口腔用組成物)が限られるという問題がある。さらに特許文献7及び8記載の方法は、薬物利用のため、使用に制限がある場合がある。

概要

口腔または経口組成物に唾液分泌促進作用、嚥下改善作用嚥下補助作用)、及び咀嚼改善作用(咀嚼補助作用)からなる群から選択される少なくとも1つの作用を付与するために用いられる口腔または経口組成物用添加剤を提供する。また、口腔または経口組成物用添加剤を用いて調製される口腔または経口組成物(飲食品、口腔または経口医薬品)及びその調製方法を提供する。本発明は、経口組成物に、唾液分泌促進作用、嚥下改善作用(嚥下補助作用)、及び咀嚼改善作用(咀嚼補助作用)からなる群から選択される少なくとも1つの作用を付与することのできる経口組成物(飲食品、経口医薬品)の調製に有効な添加剤(経口組成物用添加剤)を提供する。当該添加剤は、酵素処理イソクエルシトリンに増粘多糖類を併用することで調製することができる。なし

目的

本発明は、上記従来技術に鑑み、唾液の分泌を促進することのできる口腔または経口組成物(飲食品、医薬品)の調製に有効な添加剤(口腔または経口組成物用添加剤)を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

増粘多糖類が、キサンタンガムローカストビーンガムグァーガムタラガム脱アシル型ジェランガムネイティブ型ジェランガムペクチンアルギン酸塩ゼラチン寒天サイリウムシードガム及びカラギナンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載する口腔または経口組成物用添加剤。

請求項3

酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜500質量部の割合で含有する請求項1又は2に記載する口腔または経口組成物用添加剤。

請求項4

口腔または経口組成物が飲食品または医薬品である、請求項1乃至3のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤。

請求項5

口腔または経口組成物が、唾液分泌機能が低下している人、嚥下機能が低下している人、及び咀嚼機能が低下している人よりなる群から選択される少なくとも1種の人が摂取または服用する飲食品または医薬品である、請求項1乃至4のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤。

請求項6

下記(1)及び(2)の少なくとも1方の物性を有するゲル、または下記(3)に記載する物性を有するゾルの形態を有する口腔組成物または経口組成物を調製するための添加剤である、請求項1乃至5のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤:(1)破断歪み:0.3〜0.8(2)かたさ:500〜500,000N/m2(3)粘度(ずり速度100[S-1]):0.006〜0.6Pa・s。

請求項7

請求項1乃至6のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤を含有する口腔または経口組成物。

請求項8

上記口腔または経口組成物が、唾液分泌機能が低下している人、嚥下機能が低下している人、及び咀嚼機能が低下している人よりなる群から選択される少なくとも1種の人が摂取または服用する飲食品または医薬品である、請求項7に記載する口腔または経口組成物。

請求項9

上記口腔または経口組成物が、下記(1)及び(2)の少なくとも1方の物性を有するゲル、または下記(3)に記載する物性を有するゾルの形態を有する飲食品または医薬品である、請求項7または8に記載する口腔または経口組成物:(1)破断歪み:0.3〜0.8(2)かたさ:500〜500,000N/m2(3)粘度(ずり速度100[S-1]):0.006〜0.6Pa・s。

請求項10

酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類、または請求項1乃至6のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤を、水分含量60質量%以上の飲食品または医薬品に配合する工程を有する、請求項7乃至9のいずれかに記載する口腔または経口組成物の調製方法

技術分野

0001

本発明は、飲食品及び医薬品などの口腔または経口組成物の調製に際して、これらの組成物有用性を高める目的で添加される可食性組成物言い換えれば口腔または経口組成物用添加剤に関する。より詳細には、口腔または経口組成物に唾液分泌促進作用嚥下改善作用嚥下補助作用)、及び咀嚼改善作用(咀嚼補助作用)からなる群から選択される少なくとも1つの作用を付与するために、成分の1つとして口腔または経口組成物の調製時に添加して用いられる口腔または経口組成物用添加剤に関する。

0002

また本発明は、当該口腔または経口組成物用添加剤を用いて調製される口腔または経口組成物(飲食品、医薬品)、及びその調製方法に関する。

背景技術

0003

唾液は、口腔機能や口腔内の環境の維持等に重要な役割を果たしている。口腔機能としては、発声及び会話を円滑にする機能、並びに食物の摂取及び嚥下機能を挙げることができる。特に飲食品の摂取及び嚥下機能において、唾液は、食塊形成作用アミラーゼ分泌による消化活動、並びに味物質可溶化及びカーボネートデヒドロゲナーゼ分泌による味覚の維持作用に深く関わっている。また、口腔内の環境維持に関して、唾液は歯を含む口腔内の自浄作用、歯の再石灰化作用抗菌作用免疫作用抗炎症作用、及び成長因子等による組織修復促進作用に深く関わっている。

0004

しかしながら、情緒ストレス障害神経症臓器障害脳炎腫瘍脳血管障害高血圧バセドウ病、及び糖尿病等の各種疾患、薬剤副作用放射線治療、並びに加齢等を原因として唾液の分泌量が低下することが知られている。特に高齢者は、加齢による唾液腺機能の低下に加え、複数の慢性疾患やそれらの治療薬により、唾液の分泌量が減少するため、口腔内の乾燥を訴える者が多いのが実情である。

0005

唾液の分泌量の低下は、口腔内に乾燥をもたらし、その結果、咀嚼や嚥下の困難、及び消化機能の低下を招く。また、口腔内不快感及び口臭発生の原因ともなる。更に症状が進行すると、歯周疾患、及び口内炎等の口腔感染症の原因になる。従って、何らかの手段によって、該当者の唾液の分泌量を増加させることが求められる。

0006

従来、唾液の分泌量を増加させる手段として、酸味を用いて味覚的刺激を与える方法(特許文献1)、及び嗅覚的に刺激を与える方法(特許文献2)が提案されている。また、唾液分泌促進作用を有する植物抽出物を使用する方法(特許文献3〜6)、並びにムスカリン受容体を標的にした薬物(特許文献7)、及びPAR−2を標的とした薬物(特許文献8)を用いる方法も提案されている。

0007

しかしながら、上記文献に開示されている方法は、いずれも効果の強さや持続性について充分とはいい難く、その他にも下記のような問題を有している。

0008

特許文献1記載の方法は、嗜好性の面から汎用性がない。また、刺激が強いため、頻繁に適用すると歯牙の溶解や口腔粘膜に対する刺激等、口腔組織への影響が危惧される。特許文献2記載の方法は、嗅覚刺激消失とともに効果が消失してしまうという問題がある。特許文献3〜6記載の方法は、使用する植物抽出物には特有の刺激、呈味及び香味を有しているものが多く、また有機酸の併用が必須であるか又は推奨されているため、それを適用できる組成物(食品組成物口腔用組成物)が限られるという問題がある。さらに特許文献7及び8記載の方法は、薬物利用のため、使用に制限がある場合がある。

先行技術

0009

特開平7−101856号公報
特開2003−40752号公報
特開平11−71253号公報
特開平10−182392号公報
特開2002−265375号公報
特開2005−162633号公報
特開平8−12575号公報
特開2001−64203号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、上記従来技術に鑑み、唾液の分泌を促進することのできる口腔または経口組成物(飲食品、医薬品)の調製に有効な添加剤(口腔または経口組成物用添加剤)を提供することを目的とする。好ましくは、本発明は、唾液分泌機能が低下した者に対して唾液の分泌を促進し、咀嚼や嚥下を補助することのできる口腔または経口組成物を調製するために有効な添加剤を提供することを主な目的とする。当該添加剤は、より好ましくは、口腔または経口組成物に上記作用を付与しながらも、望ましくない口腔内への刺激及び風味(味、香り)、並びに人体に有害な副作用を与えない、口腔または経口組成物に適した添加剤である。また、本発明は、かかる添加剤を用いた上記口腔または経口組成物の調製方法、及び当該口腔または経口組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討していたところ、酵素処理イソクエルシトリンキサンタンガム等の増粘多糖類を併用することで、酵素処理イソクエルシトリンが有する唾液分泌促進作用が増強することを見出した。またかかる知見に基づいてさらに検討したところ、特に酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対する増粘多糖類の割合を0.2〜500質量部とすることで、対象とする口腔または経口組成物(飲食品、組成物)の嗜好性(味、香りなど)に大きな影響を与えることなく、酵素処理イソクエルシトリンの唾液分泌促進作用を増強させることができることを確認し、さらなる研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
なお、以下、口腔または経口組成物を「口腔・経口組成物」と称する。

0012

本願発明は、以下の態様を有する。
(I)口腔・経口組成物用添加剤
(I−1)酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有する口腔・経口組成物用添加剤。

0013

(I−2)増粘多糖類が、キサンタンガム、ローカストビーンガムグァーガムタラガム脱アシル型ジェランガムネイティブ型ジェランガムペクチンアルギン酸塩ゼラチン寒天サイリウムシードガム及びカラギナンよりなる群から選択される少なくとも1種である、(I−1)に記載の口腔・経口組成物用添加剤。

0014

(I−3)酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜500質量部の割合で含有する(I−1)又は(I−2)に記載する口腔・経口組成物用添加剤。
(I−4)ゾル状の口腔・経口組成物を調製するための添加剤であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部の割合で含有する(I−1)又は(I−2)に記載する口腔・経口組成物用添加剤。
(I−5)ゲル状の口腔・経口組成物を調製するための添加剤であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部の割合で含有する(I−1)又は(I−2)に記載する口腔・経口組成物用添加剤。
(I−6)穀物加工飲食品を調製するための添加剤であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜1200質量部の割合で含有する(I−1)又は(I−2)に記載する口腔・経口組成物用添加剤。

0015

(I−7)固体状ペースト状及び液体状よりなる群から選択される少なくとも1種の形状を有するものである、(I−1)乃至(I−6)のいずれかに記載する口腔・経口組成物用添加剤。

0016

(I−8)口腔・経口組成物が飲食品または医薬品である、(I−1)乃至(I−7)のいずれかに記載する口腔・経口組成物用添加剤。

0017

(I−9)口腔・経口組成物が、唾液分泌機能が低下している人、嚥下機能が低下している人、及び咀嚼機能が低下している人よりなる群から選択される少なくとも1種の人が摂取または服用する飲食品または医薬品である、(I−1)乃至(I−8)のいずれかに記載する口腔・経口組成物用添加剤。

0018

(I−10)下記(1)及び(2)の少なくとも1つの物性を有するゲル、または下記(3)に記載する物性を有するゾルの形態を有する口腔・経口組成物を調製するための添加剤である、(I−1)乃至(I−9)のいずれかに記載する口腔・経口組成物用添加剤:
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。

0019

(I−11)下記(a)〜(c)のいずれかの用途に使用される、(I−1)乃至(I−10)のいずれかに記載する口腔・経口組成物用添加剤:
(a)口腔・経口組成物に唾液分泌促進作用を付与する唾液分泌促進剤
当該唾液分泌促進剤は、唾液分泌機能が低下した者(唾液分泌機能低下者)のための口腔・経口組成物(飲食品、医薬品)を調製するために好適に使用することができる。 (b)経口組成物に嚥下容易性を付与する嚥下補助剤
当該嚥下補助剤は、嚥下機能が低下した者(嚥下機能低下者)のための経口組成物(飲食品、医薬品)を調製するために好適に使用することができる。
(c)経口組成物に咀嚼容易性を付与する咀嚼補助剤
当該咀嚼補助剤は、咀嚼機能が低下した者(咀嚼機能低下者)のための経口組成物(飲食品、医薬品)を調製するために好適に使用することができる。

0020

(II)口腔・経口組成物、及びその調製方法
(II−1)(I−1)乃至(I−11)のいずれかに記載する口腔・経口組成物用添加剤を含有する口腔・経口組成物。

0021

(II−2)飲食品または医薬品である(II−1)に記載する口腔・経口組成物。

0022

(II−3)上記口腔・経口組成物が、唾液分泌機能が低下している人、嚥下機能が低下している人、及び咀嚼機能が低下している人よりなる群から選択される少なくとも1種の人が摂取または服用する飲食品または医薬品である、(II−1)または(II−2)に記載する口腔・経口組成物。
(II−4)上記口腔・経口組成物が、口腔内が乾いた状態の健常者が摂取する飲食品である、(II−1)〜(II−3)に記載する口腔・経口組成物。
なお、口腔内が乾いた状態としては、運動時、入浴時、寝起き時等の口腔内が乾いた状態を例示することができる。

0023

(II−5)上記口腔・経口組成物が、下記(1)及び(2)の少なくとも1つの物性を有するゲル、または下記(3)に記載する物性を有するゾルの形態を有する飲食品または口腔用若しくは経口用の医薬品である、(II−1)乃至(II−4)のいずれかに記載する口腔・経口組成物:
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。

0024

(II−6)酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類、または(I−1)乃至(I−11)のいずれかに記載する口腔・経口組成物用添加剤を、水分含量60質量%以上の飲食品または口腔用若しくは経口用の医薬品に配合する工程を有する、(II−1)乃至(II−5)のいずれかに記載する口腔・経口組成物の調製方法。

0025

(III)用途
(III−1)酵素処理イソクエルシトリンに増粘多糖類を併用することを特徴とする、酵素処理イソクエルシトリンが有する唾液分泌促進作用を増強する方法。

0026

(III−1−1)増粘多糖類が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、ペクチン、アルギン酸塩、ゼラチン、寒天、サイリウムシードガム及びカラギナンよりなる群から選択される少なくとも1種である、(III−1)に記載の増強方法

0027

(III−1−2)酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜500質量部の割合で用いる(III−1)又は(III−1−1)に記載する増強方法。

0028

(III−1−3)酵素処理イソクエルシトリンに増粘多糖類を併用して、下記(1)及び(2)の少なくとも1つの物性を有するゲル、または下記(3)に記載する物性を有するゾルの形態に調製する工程を有する、(III−1)、(III−1—1)及び(III−1−2)のいずれかに記載する増強方法:
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。
(III−1−4)ゾルの形態に調製する工程を有する増強方法であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部の割合で用いる(III−1−3)に記載する増強方法。
(III−1−5)ゲルの形態に調製する工程を有する増強方法であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部の割合で用いる(III−1−3)に記載する増強方法。
(III−1−6)穀物加工飲食品を調製する工程を有する増強方法であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜1200質量部の割合で含有する(III−1)、(III−1—1)及び(III−1−2)のいずれかに記載する増強方法。

0029

(III−2)酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有する口腔・経口組成物を、唾液分泌機能が低下している人に経口投与または摂取させる工程を有する、当該人の唾液分泌促進方法

0030

(III−2−1)増粘多糖類が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、ペクチン、アルギン酸塩、ゼラチン、寒天、サイリウムシードガム及びカラギナンよりなる群から選択される少なくとも1種である、(III−2)に記載の唾液分泌促進方法。

0031

(III−2−2)上記口腔・経口組成物が、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜500質量部の割合で含有するものである、(III−2)又は(III−2−1)に記載する唾液分泌促進方法。
(III−2−3)上記口腔・経口組成物がゾルの形態を有するものであって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部の割合で含有するものである(III−2−2)に記載する唾液分泌促進方法。
(III−2−4)上記口腔・経口組成物がゲルの形態を有するものであって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部の割合で含有するものである(III−2−3)に記載する唾液分泌促進方法。
(III−2−5)上記口腔・経口組成物が穀物加工飲食品であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜1200質量部の割合で含有するものである(III−2)又は(III−2−1)に記載する唾液分泌促進方法。

0032

(III−2−6)上記口腔・経口組成物が飲食品または医薬品である、(III−2)、(III−2−1)〜(III−2−5)のいずれかに記載する唾液分泌促進方法。

0033

(III−2−7)上記口腔・経口組成物が、下記(1)及び(2)の少なくとも1つの物性を有するゲル、または下記(3)に記載する物性を有するゾルの形態を有する飲食品または医薬品である、(III−2)、(III−2−1)、(III−2−2)〜(III−2−6)のいずれかに記載する唾液分泌促進方法:
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。

0034

(III−3)唾液分泌機能が低下している人に対して、唾液の分泌減少を改善するため、または唾液分泌を促進するために使用される、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有する口腔・経口組成物。

0035

(III−3−1)増粘多糖類が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、ペクチン、アルギン酸塩、ゼラチン、寒天、サイリウムシードガム及びカラギナンよりなる群から選択される少なくとも1種である、(III−3)に記載の口腔・経口組成物。

0036

(III−3−2)上記口腔・経口組成物が、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜500質量部の割合で含有するものである、(III−3)又は(III−3−1)に記載する口腔・経口組成物。
(III−3−3)上記口腔・経口組成物がゾルの形態を有するものであって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部の割合で含有するものである(III−3−2)に記載する口腔・経口組成物。
(III−3−4)上記口腔・経口組成物がゲルの形態を有するものであって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部の割合で含有するものである(III−3−2)に記載する口腔・経口組成物。
(III−3−5)上記口腔・経口組成物が穀物加工飲食品であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜1200質量部の割合で含有するものである(III−3)又は(III−3−1)に記載する唾液分泌促進方法。

0037

(III−3−6)口腔・経口組成物が飲食品または口腔用若しくは経口用の医薬品である、(III−3)、(III−3−1)〜(III−3−5)のいずれかに記載する口腔・経口組成物。

0038

(III−3−7)上記口腔・経口組成物が、下記(1)及び(2)の少なくとも1つの物性を有するゲル、または下記(3)に記載する物性を有するゾルの形態を有する飲食品または医薬品である、(III−3)、(III−3−1)〜(III−3−6)のいずれかに記載する口腔・経口組成物:
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。

発明の効果

0039

本発明の口腔・経口組成物用添加剤は、飲食品や医薬品などの口腔・経口組成物に唾液分泌促進作用、嚥下容易性、又は/及び咀嚼容易性を付与することができる。このため、当該添加剤は、唾液分泌機能が低下している人、嚥下機能が低下している人、または咀嚼機能が低下している人が摂取または服用する飲食品または口腔用若しくは経口用の医薬品を調製するために、好適に使用することができる。特に酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対する増粘多糖類の割合が0.2〜500質量部である本発明の口腔・経口組成物用添加剤は、嗜好性(味、香りなど)に与える影響が少ないため、添加量に大きな制限を受けることなく口腔・経口組成物の調製に使用することができる。

0040

また本発明の口腔・経口組成物は、上記口腔・経口組成物用添加剤を含有するため、唾液分泌促進作用、嚥下容易性又は/及び咀嚼容易性を有しており、唾液分泌機能が低下している人、嚥下機能が低下している人、または咀嚼機能が低下している人が摂取または服用する飲食品または口腔用若しくは経口用の医薬品として好適に提供することができる。

0041

さらに本発明の方法によれば、酵素処理イソクエルシトリンに増粘多糖類を併用することで、酵素処理イソクエルシトリンが有する唾液分泌促進作用を増強することができる。このため、酵素処理イソクエルシトリンに加えて増粘多糖類を含む経口組成物を唾液分泌機能が低下した被験者に摂取または服用させることにより、当該被験者の唾液分泌を促進し、唾液分泌低下を改善することが可能である。

図面の簡単な説明

0042

実験例1におけるゾル形態を有する口腔・経口組成物(対照試料1、被験試料1-1〜1-5)の唾液分泌促進効果を示したグラフである。横軸には口腔・経口組成物中のキサンタンガム(XG)の含有量(質量%)も合わせて示す。唾液分泌量は、水摂取時の唾液分泌量を1とした相対値として示す。
実験例2におけるゾル形態を有する口腔・経口組成物(被験試料2-1〜2-5)の唾液分泌促進効果を示したグラフである。横軸には口腔・経口組成物中の酵素処理イソクエルシトリン量をルチンの量に換算した量(ルチン換算量)のモル濃度(μM)を合わせて示す。唾液分泌量は、水摂取時の唾液分泌量を1とした相対値として示す。
酵素処理イソクエルシトリン、ケルセチン及びα−グルコシルルチン(αGルチン)をそれぞれ含有する口腔・経口組成物について、増粘多糖類(キサンタンガム)を配合してとろみをつけた場合(とろみあり)とつけない場合(とろみなし)とで唾液分泌促進効果を比較したグラフである(実験例3)。唾液分泌量は、水摂取時の唾液分泌量を1とした相対値として示す。
実験例4におけるゲル形態を有する口腔・経口組成物(対照試料4−1〜4−5、被験試料4-1〜4-5)の唾液分泌促進効果を示したグラフである。唾液分泌量は、水摂取時の唾液分泌量を1とした相対値として示す。
実験例5におけるゲル形態を有する口腔・経口組成物(対照試料、被験試料5-1〜5-5)の唾液分泌促進効果を示したグラフである。横軸には口腔・経口組成物中の酵素処理イソクエルシトリン量をルチンの量に換算した量(ルチン換算量)のモル濃度(μM)を合わせて示す。唾液分泌量は、水摂取時の唾液分泌量を1とした相対値として示す。

0043

(I)口腔・経口組成物用添加剤
本発明の口腔・経口組成物用添加剤(以下、単に「本発明の添加剤」ともいう)は、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有することを特徴とする。

0044

(1)酵素処理イソクエルシトリン
酵素処理イソクエルシトリンは、下記化学式で示されるα−グルコシルイソクエルシトリンを主成分とするものであり、糖転移イソクエルシトリンとも称される。



上記式において、nは0〜10のいずれかの整数を意味する。

0045

酵素処理イソクエルシトリンに含まれるα−グルコシルイソクエルシトリンは、nが0〜10の整数のいずれか一つの単一の化合物であってもよいし、またnが0〜10から選ばれる2種以上の化合物の混合物であってもよい。好ましくは混合物であり、より好ましくはnが0〜6から選ばれる2種以上の化合物の混合物である。なお、nが0のα−グルコシルイソクエルシトリンは、単に「イソクエルシトリン」とも称される。

0046

また、本発明では、α−グルコシルイソクエルシトリンをルチンの量に換算して60質量%以上含む酵素処理イソクエルシトリンを用いることが好ましい。なお、酵素処理イソクエルシトリン中のα−グルコシルイソクエルシトリン含量をルチン換算量で示すのは、波長351nmにおけるα−グルコシルイソクエルシトリンとルチンのモル吸光係数が同じであること、α−グルコシルイソクエルシトリンよりもルチンのほうが入手容易であることが理由である。このため、当業界では、ルチンを標準試料として紫外可視吸光度測定法により酵素処理イソクエルシトリン中のα−グルコシルイソクエルシトリン含量をルチンとして定量することが慣用されている。

0047

具体的には、酵素処理イソクエルシトリン中のα−グルコシルイソクエルシトリン含量は、食品添加物公定書第8版(日本国厚生労働省)の「酵素処理イソクエルシトリン」の欄に記載されている下記の定量法によりルチン換算量として算出することができる。

0048

(定量法)
(i)対象とする酵素処理イソクエルシトリン(対象試料)を乾燥し、その約0.05gを精密に量り、水に溶かして正確に100mlとする。必要があればろ過する。この液4mlを正確に量り、リン酸溶液(1gのリン酸を水に溶解して全量を1000mlにした水溶液。以下同じ)を加えて正確に100mlとし、検液とする。
(ii)別に定量用ルチンを135℃で2時間乾燥し、その約0.05gを精密に量り、メタノールに溶かして正確に100mlとする。この液4mlを正確に量り、リン酸溶液を加えて正確に100mlとし、標準液とする。
(iii)検液及び標準液につき、紫外可視吸光度測定法により、リン酸溶液を対照として、波長351nmにおける吸光度At及びAsを測定し、次式によりルチンとしてα−グルコシルイソクエルシトリンの含量を求める。

0049

酵素処理イソクエルシトリンは、一般に、イソクエルシトリンとでん粉又はデキストリンの混合物に、シクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼを用いてグルコースを付加して調製することができる(例えば、特開平1-213293号公報等)。またイソクエルシトリンは、一般に、ルチンの酵素分解によって得られるが、その他公知の方法(例えば、ルチンの分解、植物からの抽出単離、ケルセチンの配糖化等)によっても得ることができる。また酵素処理イソクエルシトリンを含む製剤は、簡便には商業的に入手することができ、例えば三栄源エフエフアイ(株)の「サンエミックNO.1」を挙げることができる。なお、「サンエミック」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標である。当該「サンエミック NO.1」に含まれる酵素処理イソクエルシトリンは、上記式におけるnが0〜6から選ばれる2種以上の化合物の混合物であり、また、主成分であるα−グルコシルイソクエルシトリンをルチン換算量で60質量%以上含む。また、「サンエミック NO.1」はα−グルコシルイソクエルシトリンを上記定量法によるルチン換算量で10質量%含み、その他の成分としてデキストリンを含む。

0050

本発明の添加剤に含まれる酵素処理イソクエルシトリンの割合は、本発明の効果を奏する限り、特に制限されず、通常α−グルコシルイソクエルシトリン(ルチン[C27H30O16]として)換算で0.01質量%以上100質量%未満の範囲から適宜設定することができる。なお、本明細書において酵素処理イソクエルシトリンの含有量は、特別の記載がない限り、その中に含まれるα−グルコシルイソクエルシトリンの含有量(ルチン[C27H30O16]として)(質量%)として示す。従って、本願発明(本件明細書)において、「酵素処理イソクエルシトリン1質量部」とは、酵素処理イソクエルシトリンに含まれるα−グルコシルイソクエルシトリンの量をルチン[C27H30O16]の量に換算して1質量部とした場合の量を意味する。

0051

(2)増粘多糖類
本発明が対象とする増粘多糖類は、飲食品または口腔用若しくは経口用医薬品への使用が許可されている可食性の増粘多糖類である。かかる増粘多糖類としては、例えば、キサンタンガム、ガラクトマンナン(例えば、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガムなど)、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カラギナン(例えば、カッパ型イオタ型ラムダ型など)、タマリンドシードガムグルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、寒天、ゼラチン、ペクチン(例えば、HMペクチン、LMペクチンなど)、アルギン酸、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウムアルギン酸カリウムアルギン酸カルシウムなど)、プルランカードラントラガントガムガティガムアラビアガムアラビノガラクタンカラヤガムファーセレランキチンウェランガムセルロース類(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムカルボキシメチルセルロースカルシウムカルボキシメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシプロピルエチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース発酵セルロース結晶セルロースなど)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン類(例えば、デンプンカルボキシメチルスターチナトリウムカルボキシメチルスターチヒドロキシプロピルスターチ、α化デンプン、リン酸架橋デンプンオクテニルコハク酸デンプン酢酸デンプンなど)、デキストリン類(例えば、ポリデキストロース難消化性デキストリンなど)及び大豆多糖類などを挙げることができる。

0052

本発明では、増粘多糖類の中でも、特にキサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、ペクチン、アルギン酸塩、ゼラチン、寒天、サイリウムシードガム及びカラギナンからなる群から選ばれる1種以上が好適に用いられる。より好ましい増粘多糖類は、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、ペクチン及びカラギナンからなる群から選ばれる1種以上である。特に好ましくはキサンタンガム、ペクチン及びカラギナンからなる群から選ばれる1種以上である。これらは1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。2種以上の組み合わせとしては、制限されないものの、キサンタンガムとグァーガム、キサンタンガムとローカストビーンガム、キサンタンガムとカラギナン、キサンタンガムとグァーガムとローカストビーンガム、脱アシル型ジェランガムとネイティブ型ジェランガムを挙げることができる。さらに、これらの増粘多糖類よりなる群から選択される少なくとも1種に、前述する増粘多糖類の群から選択される少なくとも1種を組み合わせて使用することもできる。

0053

本発明の添加剤に含まれる増粘多糖類の割合は、添加剤の形態によっても異なるが、例えば添加剤の形態が粉末顆粒または錠剤などの固体形態である場合、通常1質量%以上100質量%未満の範囲から適宜設定することができる。好ましくは3〜90質量%であり、より好ましくは5〜80質量%である。また、添加剤の形態がペースト状又は液体状形態である場合、通常0.1〜10質量%の範囲から適宜設定することができる。好ましくは0.2〜8質量%であり、より好ましくは0.3〜6質量%である。

0054

本発明の添加剤に含まれる酵素処理イソクエルシトリンに対する増粘多糖類の割合は、酵素処理イソクエルシトリン1質量部(ルチン換算量として:以下、同じ)に対して、通常0.2〜500質量部の範囲から選択することができる。また、本発明の添加剤に含まれる酵素処理イソクエルシトリンに対する増粘多糖類の割合は、添加調製する経口組成物の形状に応じて選択調整することができる。例えば、本発明の添加剤がゾル状の経口組成物を調製するための添加剤である場合、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対する増粘多糖類の割合として0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部の範囲を挙げることができる。また、本発明の添加剤がゲル状の経口組成物を調製するための添加剤である場合、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対する増粘多糖類の割合として1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部の範囲を挙げることができる。また、本発明の添加剤が穀類を加工して調整される飲食品(穀類加工飲食品)を調製するための添加剤である場合、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対する増粘多糖類の割合として0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜1200質量部となるような範囲を挙げることができる。

0055

(3)その他の成分
本発明の添加剤は、上記成分に加えて、本発明の効果を妨げない範囲で、任意の可食性成分を含有することができる。

0057

可食性金属塩は、増粘多糖類の水への溶解性を向上させる、または増粘やゲル化機能を向上させる場合に用いられる。可食性金属塩の種類は特に制限されないが、好ましくはナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウムクエン酸ナトリウム等)、カリウム塩(例えば、塩化カリウムクエン酸カリウム等)、カルシウム塩(例えば、塩化カルシウムクエン酸カルシウム等)、マグネシウム塩(例えば、塩化マグネシウム等)などを挙げることができる。可食性金属塩を用いる場合、本発明の口腔・経口組成物用添加剤に配合する可食性金属塩の割合は、添加剤の形態によっても異なるが、例えば粉末、顆粒または錠剤などの固体形態である場合、通常0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%の範囲を例示することができる。

0058

賦形剤は、増粘多糖類の溶解性を向上させる場合に用いられる。賦形剤としては、制限されないものの、単糖類(例えば、グルコース、ガラクトースフルクトース等)、二糖類(例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース等)、糖アルコール(例えば、キシリトール、ソルビトール等)、オリゴ糖、または澱粉分解物(例えば、デキストリン、粉飴等)を挙げることができる。好ましくはデキストリンや粉飴等の澱粉分解物、及び乳糖等の二糖類であり、より好ましくは、味に影響を与えないものであり、例えばデキストリンを挙げることができる。

0059

(4)添加剤の形態、調製方法、作用、及び用途等
本発明の添加剤は、少なくとも前述する酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有していれば、その形態は問わない。例えば、固体状、ペースト状、及び液体状等を挙げることができる。好ましくは粉末状、顆粒状、錠剤状等の固体状又は液体状であり、より好ましくは、水への溶解性に優れる点から顆粒状である。

0060

本発明の添加剤は、その形態に応じて常法に従って調製することができる。例えば、粉末状の添加剤は、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を、賦形剤と粉体混合することで調製することができる。また粉末状の添加剤は、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含む液体を乾燥(スプレードライフリーズドライ等)することによっても調製することができる。顆粒状の添加剤は、上記粉体混合物造粒することで調製することができる。また顆粒状の添加剤は、粉末状の増粘多糖類に、酵素処理イソクエルシトリンをバインダー液として噴霧することによっても調製可能である。錠剤状の添加剤は、前記粉末状または顆粒状の添加剤を打錠機によって錠剤状に成形することで調製可能である。液体状の添加剤は、溶媒(好ましくは水)に酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を添加することで調製することができる。

0061

本発明の添加剤は、通常、水または水を含む口腔・経口組成物(例えば液状の口腔・経口組成物)を摂取または服用する際に、対象とする口腔・経口組成物に添加して用いられる。対象とする口腔・経口組成物は、水であるか、または後述するように所定量以上の水分を有するように調整されているので、本発明の添加剤を添加し、また撹拌混合することにより増粘してゾルまたはゲルになる。

0062

ここで、本発明の添加剤を添加混合する際の対象の口腔・経口組成物の温度としては、本発明の添加剤が溶解または分散することで、それに含まれる増粘多糖類が水和し、膨潤する温度を挙げることができる。この温度は、増粘多糖類の種類によって異なり、1〜100℃の範囲で適宜設定することができる。

0063

対象口腔・経口組成物に対する本発明の添加剤の添加量は、対象口腔・経口組成物の種類及び水分含量、並びに目的や用途に応じて適宜調整することができる。例えば、本発明の添加剤を配合した後の口腔・経口組成物中に含まれる酵素処理イソクエルシトリン含量が0.0005〜1質量%となるような割合で添加することが望ましい。好ましくは口腔・経口組成物中に含まれる酵素処理イソクエルシトリン含量が0.001〜0.7質量%、より好ましくは0.0015〜0.5質量%となるような割合である。
なお、対象口腔・経口組成物が穀類を加工して調製される飲食品(穀類加工飲食品)である場合は、特に、本発明の添加剤を配合した後の経口組成物中に含まれる酵素処理イソクエルシトリン含量が0.003〜0.5質量%となるような割合で添加することが望ましい。好ましくは穀類加工飲食品中に含まれる酵素処理イソクエルシトリン含量が0.005〜0.45質量%、より好ましくは0.0065〜0.4質量%となるような割合である。

0064

本発明の添加剤は、対象とする口腔・経口組成物に唾液分泌促進作用を付与するために用いることができる。言い換えると、本発明の添加剤は唾液分泌促進作用を有する口腔・経口組成物を調製するために用いられる。この意味で、本発明の添加剤は唾液分泌促進剤と称することができる。なお、「唾液分泌促進剤」とは、唾液分泌量を増加する作用を有するものであり、本発明においては、上記するように、飲食品や医薬品などの口腔・経口組成物に添加することで、当該口腔・経口組成物に対して唾液分泌量を増加させる効能(唾液分泌促進作用)を付与するものをいう。

0065

また、本発明の添加剤は、対象とする口腔・経口組成物に嚥下容易性を付与するために用いることができる。言い換えると、本発明の添加剤は嚥下が容易な口腔・経口組成物を調製するために用いられる。この意味で、本発明の添加剤は嚥下補助剤(または嚥下改善剤)と称することができる。さらに本発明の添加剤は、対象とする口腔・経口組成物に咀嚼容易性を付与するために用いることができる。言い換えると、本発明の添加剤は咀嚼が容易な口腔・経口組成物を調製するために用いられる。この意味で、本発明の添加剤は咀嚼補助剤(または咀嚼改善剤)と称することができる。

0066

なお、本発明において、「嚥下」とは口腔内の物(食塊)を飲み下すことを意味する。また「咀嚼」とは、口腔内で経口組成物を細断化すること、また口腔内で経口組成物を細断化しながら唾液と充分に混ぜ合わせることを意味する。ここで細断化には、下顎や歯を使って経口組成物を噛み砕くことだけでなく、歯茎またはを使って経口組成物を押し潰すことも含まれる。

0067

(5)本発明の添加剤が添加の対象とする口腔・経口組成物
本発明の添加剤が添加の対象とする口腔組成物は、口から摂取または服用(投与)され、口腔内で滞留される飲食品及び口腔用医薬品であり、例えばガムグミフィルムタブレット(例えばトローチ)等の飲食品;洗口液歯磨き剤、フィルム、タブレット(例えばトローチ)等の口腔用医薬品を例示することができる。また本発明の添加剤が添加の対象とする経口組成物は、口から摂取または服用(投与)される飲食品及び経口医薬品である。なお、口腔組成物と経口組成物とは、口腔組成物が口腔内で一定時間滞留した状態で使用される組成物(嚥下されるもの及び嚥下されないものの両方を含む)であるのに対して、経口組成物は、通常、必要な咀嚼以外、口腔内で滞留されることなく嚥下される組成物である点で相違するものの、厳格区分けする必要はなく、一部共通するものであってもよい。なお、後述する本発明の経口組成物と区別するために、本発明の添加剤が添加の対象とする口腔・経口組成物を「対象口腔・経口組成物」と、また飲食品及び口腔用若しくは経口用の医薬品を、それぞれ「対象飲食品」及び「対象口腔・経口医薬品」ともいう。

0068

対象飲食品として、具体的には、水(ミネラルウォーターを含む)、清涼飲料(例えば、茶系飲料果実飲料野菜飲料コーヒー飲料ココア飲料スポーツ飲料炭酸飲料乳性飲料豆乳及び豆乳飲料、スポーツ飲料など)、乳製品(例えば、牛乳乳酸菌飲料など)などの飲料;スープ味噌汁汁粉甘酒などの汁物菓子(ペースト状及びジェル状の菓子、並びに菓子を流動状に調製したもの[ミキサー食ペースト食、及び離乳食]を含む。);栄養補助飲食品(ペースト状及びジェル状の栄養補助飲食品、栄養補助飲食品を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む);主食(例えば、米飯食品麺類パン類など、主食を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む。)及び総菜(総菜を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む);濃厚流動食経腸栄養剤(経口投与または経口摂取されるもの)等を挙げることができる。なお、上記菓子、栄養補助飲食品、主食、及び総菜等には穀類を加工して調製される穀類加工飲食品が含まれる。

0069

ここで穀類加工飲食品とは、例えば麦(大麦小麦)、稗、粟、米、蕎麦、豆(例えば、大豆など)、及びとうもろこしなどの穀類を加工して調製される飲食品を意味する。制限はされないものの、例えば菓子(例えば、クッキービスケットクラッカードーナツラスク、ケーキ(パンケーキを含む)、マドレーヌマカロンパイ、及びシュークリームなどの焼菓子、揚げ菓子、蒸し菓子)、米飯食品、麺類(例えば、うどん、そば、ラーメン春雨マカロニワンタンなど)、パン類(中華まん、及びピザを含む)、皮食品(例えば、餃子シュウマイ、ワンタン、春巻き)及びその皮、粉食品(例えば、ホットケーキ、たこ焼き、お好み焼き、クレープバッター)を製造するためのプレミックス粉(例えば、ホットケーキミックス粉、たこ焼きやお好み焼きのミックス粉、クレープのミックス粉、バッターミックス粉)、コーンフレークなどを挙げることができる。これらの穀類加工飲食品は、水分含量が少なく、パサパサして食塊がまとめにくいもの、及び水分を含むとべとつきを生じるものが多く、このため、口溶けが悪かったり飲み込み難かったりする。特に、米飯食品、小麦粉主体とする菓子、麺類、及びパン類は咀嚼機能低下者や嚥下機能低下者が飲み込み難い物性を有するものが多い。このような物性を有する穀類加工飲食品に対して本発明の添加剤を適用すると、穀類加工飲食品の口溶けを改善することができる。また喫食時に口腔内でまとまり感を得ることができ、および/または咽頭への付着感を低減することができるので、飲み込みやすい穀類加工飲食品を調製することができる。

0070

また対象口腔・経口医薬品としては、口腔内で使用されるか、経口的に投与されるものであればよく、例えば散剤粉末剤)、顆粒剤、錠剤(トローチ剤チュアブル剤を含む)、丸剤カプセル剤フィルム剤、及び液剤ドリンク剤)を例示することができる。

0071

なお、対象口腔・経口組成物に、本発明の添加剤を適用する場合は、対象口腔・経口組成物が所定量以上の水分を含んでいることが好ましい。かかる対象口腔・経口組成物の水分含量として、好ましくは60質量%以上を挙げることができる。好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。このため、対象口腔・経口組成物(飲食品、口腔・経口医薬品)の水分含量が60質量%よりも少ない場合は、本発明の添加剤を添加する前に、対象口腔・経口組成物の水分含量が上記範囲内になるように水を添加するなどして、対象口腔・経口組成物の水分含量を調整することが望ましい。例えば、対象口腔・経口組成物が粉末や顆粒状の製剤の場合は、水分含量が60質量%以上になるように水を配合して水にこれらの製剤を分散させる方法を挙げることができる。

0072

(II)口腔・経口組成物、及びその調製方法
本発明は、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有することを特徴とする口腔・経口組成物である。当該口腔・経口組成物には前述する本発明の添加剤を含有する口腔・経口組成物が含まれる。本発明の口腔組成物は、口から摂取または服用(投与)され、口腔内で滞留される飲食品及び口腔用医薬品であり、例えばガム、フィルム、タブレット等の飲食品;洗口液、歯磨き剤、フィルム、タブレット等の口腔用医薬品を例示することができる。また本発明の経口組成物は、経口的に摂取または服用されるものであればよく、例えば飲食品及び経口用医薬品が含まれる。なお、本発明が対象とする飲食品には、機能性表示食品、特定保健用食品、及び栄養機能食品などの健康食品が含まれる。

0073

本発明の口腔・経口組成物は、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類、好ましくは前述する本発明の添加剤を用いて調製することができる。

0074

本発明の口腔・経口組成物中に含まれる酵素処理イソクエルシトリンの割合は、本発明の効果を奏することを限度として特に制限されないが、通常0.0005〜1質量%の範囲を挙げることができる。好ましくは0.001〜0.7質量%、より好ましくは0.0015〜0.5質量%である。対象口腔・経口組成物が穀類を加工して調製される飲食品(穀類加工飲食品)である場合は、特に、本発明の経口組成物中に含まれる酵素処理イソクエルシトリンの割合は0.003〜0.5質量%の範囲であることが望ましい。好ましくは0.005〜0.45質量%、より好ましくは0.0065〜0.4質量%である。

0075

本発明の口腔・経口組成物中の増粘多糖類の割合としては、本発明の口腔・経口組成物に含まれる酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対する増粘多糖類の割合が0.2〜500質量部となるような範囲を挙げることができる。また、本発明の口腔・経口組成物に含まれる酵素処理イソクエルシトリンに対する増粘多糖類の割合は、添加調製する口腔・経口組成物の種類に応じて選択調整することができる。例えば、本発明の口腔・経口組成物がゾル状の口腔・経口組成物である場合、当該口腔・経口組成物に含まれる酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対する増粘多糖類の割合が0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部となるような範囲を挙げることができる。また、本発明の口腔・経口組成物がゲル状の口腔・経口組成物である場合、当該口腔・経口組成物に含まれる酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対する増粘多糖類の割合が1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部となるような範囲を挙げることができる。また、本発明の口腔・経口組成物が穀類加工飲食品である場合、当該口腔・経口組成物に含まれる酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対する増粘多糖類の割合が0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜12000質量部となるような範囲を挙げることができる。

0076

この条件を満たすものであれば、特に制限されないものの、本発明の口腔・経口組成物100質量%中の増粘多糖類の割合として、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.02〜8質量%、より好ましくは0.03〜6質量%の範囲を例示することができる。

0077

本発明の口腔・経口組成物は、それを摂取または服用(投与)する前、好ましくはその直前に、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を対象口腔・経口組成物に添加することで調製することができる。好ましくは、本発明の口腔・経口組成物は、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を対象口腔・経口組成物に添加し、撹拌混合することで調製することができる。また必要に応じて撹拌混合後、静置または冷却してゲル状に固化して調製することもできる。なお、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類として、簡便には前述する本発明の添加剤を用いることができる。

0078

ここで対象口腔・経口組成物は、上記(I)(5)に記載するものを挙げることができ、当該記載はここに援用することができる。対象口腔・経口組成物の水分含量が60質量%よりも少ない場合は、60質量%以上になるように水を添加するなどして、対象口腔・経口組成物の水分含量を調整することが望ましい。

0079

酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類(または本発明の添加剤)を対象口腔・経口組成物に添加配合する際の温度条件、または撹拌混合する際の温度条件は、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類が当該対象口腔・経口組成物中に溶解または分散できる温度であればよい。

0080

また、増粘多糖類のうち脱アシル型ジェランガム、カラギナン、ペクチン、アルギン酸塩などは、可溶性金属塩の存在下で増粘またはゲル化する性質を有するので、これらの増粘多糖類を用いる場合は可溶性金属塩を併用することが好ましい。かかる可溶性金属塩としては、制限はされないものの、好ましくはナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム等)、カリウム塩(例えば、塩化カリウム、クエン酸カリウム等)、カルシウム塩(例えば、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム等)、マグネシウム塩(例えば、塩化マグネシウム等)などを挙げることができる。可食性金属塩を用いる場合、本発明の口腔・経口組成物中に可食性金属塩が、通常0.00001〜15質量%、好ましくは0.00002〜10質量%の割合で含まれるように配合することが望ましい。

0081

撹拌混合は、特に制限されず、スプーンまたはフォークを使ってかき混ぜてもよいし、また家庭用ミキサーフードプロセッサーハンドミキサーブレンダークッキングカッタープロペラ撹拌機などの撹拌器具を使用して撹拌混合してもよい。

0082

斯くして本発明の口腔・経口組成物は、所定の物性を有するゲルまたはゾルの形態を有するように調製することができる。

0083

なお、本発明において「ゲル」とは、具体的には20℃の品温で1〜2分間静置した場合に保形性を有し、且つ自重で流動しないもの、つまり20℃品温で静置後1分と静置後2分の間でその形状が変わらないものを意味する。また「ゾル」とは、20℃の品温で2分間静置した場合に自重で流動し保形性を有しないか、または20℃品温で静置後1分と静置後2分の間でその形状が変わるものを意味する。なお、これらはいずれも標準大気圧(1atm)条件での状態を意味する。

0084

本発明の口腔・経口組成物がゲルの形態を有する場合、当該口腔・経口組成物は、品温20℃及び標準大気圧の条件で測定した破断歪みが0.3〜0.8、好ましくは0.4〜0.8、より好ましくは0.45〜0.75の範囲にあることが好ましい。

0085

ここで「破断歪み」は、下記の測定方法により求めることができる。
[破断歪みの測定方法]
(a)被験試料として、直径20mm、高さ10mmの円柱状の口腔・経口組成物(被験試料)(品温20℃)を用意する。
(b)テクスチャーアナライザー(テクスチャーアナライザーTA−XT−2i[Stable Micro Systems社製])を用いて、上記被験試料を圧縮する。圧縮は、直径100mmの治具を用いて、10mm/sの速度で行う。
(c)圧縮により得られる「応力歪み曲線」から破断点を決定し、下記式から破断歪みを求める。

0086

0087

ゲル形態の口腔・経口組成物の破断歪みが0.3〜0.8、好ましくは0.4〜0.8、より好ましくは0.45〜0.75の範囲にあると、口腔内で咀嚼することで細断化された経口組成物が口腔内で適度にまとまり(まとまり感を有し)、咀嚼機能や嚥下機能が低下した者にも咀嚼、嚥下しやすい食塊となる。破断歪みが0.8を大きく超えると、経口組成物を口腔内で細断化するまでに時間がかかり、飲み込みづらい場合がある。

0088

なお、酵素処理イソクエルシトリンに増粘多糖類を併用したゲル状の口腔・経口組成物による唾液分泌促進効果は、ゲル状の口腔・経口組成物の破断歪みが小さいほど大きくなる傾向がある。具体的には、ゲル状飲食品(20℃)の破断歪みが0.3〜0.8、好ましくは0.4〜0.8、より好ましくは0.45〜0.75である場合に、唾液分泌促進効果が特に顕著に認められる。

0089

また本発明の口腔・経口組成物がゲルの形態を有する場合、当該口腔・経口組成物は、品温20℃及び標準大気圧の条件で測定した「かたさ」が500,000N/m2以下、好ましくは500〜400,000N/m2の範囲、より好ましくは500〜250,000N/m2の範囲にあることが好ましい。ここで「かたさ」は、ユニバーサルデザインフード自主規格第2版(日本介護食品協議会)の記載に準じて測定することができる。具体的には、下記の測定方法により求めることができる。

0090

[かたさの測定方法]
被験試料を直径40mm、高さ20mmの容器充填し、テクスチャーアナライザー(テクスチャーアナライザーTA−XT−2i[Stable Micro Systems社製])を使用して、直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーを用いて、圧縮速度10mm/s、クリアランス5mmで2回圧縮測定する。1回目の圧縮時の最大応力を「かたさ」(N/m2)とする。

0091

特に「かたさ」が500〜500,000N/m2、好ましくは500〜250,000N/m2の範囲にあると、咀嚼機能が低下した者であっても咀嚼及び嚥下しやすい経口組成物となる。

0092

また、本発明の口腔・経口組成物がゾルの形態を有する場合、当該口腔・経口組成物は、品温20℃及び標準大気圧の条件で測定した粘度が、ずり速度100s−1で0.006Pa・s以上、好ましくは0.006〜0.6Pa・sの範囲、より好ましくは0.008〜0.4Pa・sの範囲にあることが好ましい。ここで「粘度」は、直径50mm、コーンプレート型の治具(樹脂製)を用い、試料測定温度(品温)を20℃にし、100s−1時の粘度値を読み取ることにより測定することができる。測定機器はARES−LS1(TA instruments社製)を用いることができる。

0093

斯くして調製される口腔・経口組成物は、後述する実験例に示すように、酵素処理イソクエルシトリンに加えて増粘多糖類を含むことで、増粘多糖類を含まない経口組成物と比べて、優れた唾液分泌促進作用を有する。このため、唾液分泌機能が低下している人に適した飲食品または口腔・経口医薬品として提供することができる。また、本発明の口腔・経口組成物は、後述する実験例に示すように、酵素処理イソクエルシトリンに加えて増粘多糖類を含むことで、増粘多糖類を含まない口腔・経口組成物と比べて、優れた咀嚼容易性及び嚥下容易性を有する。このため、咀嚼機能が低下している人または/および嚥下機能が低下している人が好適に摂取できる飲食品として、またこれらの人が好適に服用できる口腔用又は経口用医薬品として提供することができる。

0094

また、本発明の口腔・経口組成物が穀類加工飲食品である場合は、それを摂取または投与(服用)する前に、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類が穀類加工飲食品に含まれていれば、添加時期は特に制限されない。例えば、本発明の口腔・経口組成物がクッキーなどの焼き菓子である場合は、焼成前の生地に酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を添加し、当該生地を焼成することで、口溶けが改善された穀類加工飲食品を調製することができる。

0095

以下に、本発明を実施例及び実験例にて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実験例1ゾル形態を有する口腔・経口組成物の唾液分泌促進作用(その1)
(1)被験試料の調製
酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を表1に記載する割合で含有する口腔・経口組成物用添加剤を水(20℃)に溶解して、ゾル形態を有する口腔・経口組成物(被験試料1−1〜1−5)を調製し、品温20℃、標準大気圧の条件で粘度(ずり速度100s−1)を測定した。また、対照実験用に酵素処理イソクエルシトリンを水(20℃)に表1に記載する割合で溶解して口腔・経口組成物(対照試料1)を調製し、品温20℃、標準大気圧の条件で粘度(ずり速度100s−1)を測定した。なお、ここで増粘多糖類としてキサンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)を使用し、酵素処理イソクエルシトリンとして三栄源エフ・エフ・アイ(株)製の酵素処理イソクエルシトリン製剤「サンエミック(登録商標)NO.1」を使用した。当該酵素処理イソクエルシトリン製剤には、酵素処理イソクエルシトリンがα−グルコシルイソクエルシトリン(ルチン[C27H30O16]として)換算で10質量%の割合で含まれており、その他の成分はデキストリンである。
対照試料及び被験試料の粘度は、フルイドレオメーターARES−LS1(治具:直径50mm、コーンプレート型の樹脂製、ギャップ0.05mm)(TA instruments社製)を用いて、試料温度20℃、標準大気圧条件にて、ずり速度100s−1における粘度値を測定した。

0096

0097

なお、対照試料1及び被験試料1−1〜1−5に含まれる酵素処理イソクエルシトリンの量は、それに含まれるα-グルコシルイソクエルシトリンの量をルチンの量に換算して150μMである。酵素処理イソクエルシトリン量のルチン換算は、前述するように食品添加物公定書第8版(日本国厚生労働省)の「酵素処理イソクエルシトリン」の頁に記載されている定量法に準じて求めることができる。

0098

例えば、酵素処理イソクエルシトリン製剤(試料A)中の、上記[数1]に示す式で求めたα−グルコシルイソクエルシトリンの含量(ルチン(C27H30O16)として)が10質量%であった場合、酵素処理イソクエルシトリン製剤(試料A)6100g(610×(100/10) = 6100)(610はルチンの分子量)が酵素処理イソクエルシトリン1molに相当する。よって、上記の場合、水溶液中の酵素処理イソクエルシトリンのモル濃度を150μM(150×10−6 mol/L)にするためには、0.915g(6100g/mol×150×10−6mol)の酵素処理イソクエルシトリン製剤(試料A)を1Lの水に溶解(もしくは分散)する必要がある。

0099

(2)唾液分泌促進作用の測定
唾液分泌に異常のない健常者3名(A〜C:平均年齢31.3)をパネルとして、上記で調製した口腔・経口組成物(対照試料1、被験試料1−1〜1−5)、及び温度20℃の水(ブランク)の各々について、下記の方法により、その唾液分泌促進作用を評価した。

0100

(a)試料(ブランク[水]、比較試料1または被験試料1−1〜1−5)15gを口に含み、5秒間保持した後、一回で嚥下する。
(b)嚥下後、5秒間経過後に、舌の下に3.75cm×3.75cmの大きさの脱脂綿を入れて2分間保持する。なお、脱脂綿は予め重さを測定しておく。
(c)2分後、脱脂綿を回収して重さを測定する。
(d)舌の下に入れる前後の脱脂綿の重量変化から、各試料(ブランク[水]、比較試料1または被験試料1−1〜1−5)を摂取した場合の唾液分泌量を算出する。

0101

結果を表2及び図1に示す。唾液分泌量の個人差を排除するため、表2及び図1には、各被験者に対して水(ブランク)を用いて測定した唾液分泌量の平均値を1として標準化した数値(相対値)を示す。

0102

0103

表2に示すように、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類(この実験ではキサンタンガムを使用)を併用した口腔・経口組成物用添加剤を含む口腔・経口組成物(被験試料1−1〜1−5)を摂取すると、いずれの被験者もブランク(水)に比べて唾液分泌量が増加し、唾液分泌促進効果が認められた。また、この口腔・経口組成物は無味無臭であった。このため、上記被験試料1−1〜1−5の調製に用いた経口組成物用添加剤(実施例1−1〜1−5)によれば、適用する口腔・経口組成物の風味を損ねることなく、当該口腔・経口組成物に唾液分泌促進作用を付与できると考えられる。

0104

増粘多糖類を含まない対照試料1に関しては、水(ブランク)と比較して唾液分泌量の増加が認められたが、被験試料1−1〜1−5の唾液分泌量の増加と比べると、その唾液分泌促進効果は低かった。

0105

以上のことから、増粘多糖類(キサンタンガム)自体は単独で唾液分泌促進効果を有しないにも関わらず、酵素処理イソクエルシトリンに増粘多糖類を併用することで、酵素処理イソクエルシトリンが有する唾液分泌促進作用が増強することが判明した。

0106

実験例2ゾル形態を有する口腔・経口組成物の唾液分泌促進作用の評価(その2)(1)被験試料の調製
酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を表3に記載する割合で含有する口腔・経口組成物用添加剤を水(20℃)に溶解して、ゾル形態を有する口腔・経口組成物(被験試料2−1〜2−5)を調製した。なお、増粘多糖類としてキサンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)を使用し、酵素処理イソクエルシトリンとして、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製の酵素処理イソクエルシトリン製剤「サンエミック(登録商標)NO.1」を使用した。

0107

0108

(2)唾液分泌促進作用の測定
実験例1と同様に、唾液分泌に異常のない健常者3名(A〜C:平均年齢31.3歳)をパネルとして、上記で調製した口腔・経口組成物(被験試料2−1〜2−5)、及び水(ブランク)の各々について(いずれも温度20℃)、その唾液分泌促進作用を評価した。

0109

結果を表4及び図2に示す。唾液分泌量の個人差を排除するため、表4及び図2には、各被験者について水(ブランク)を用いて測定した唾液分泌量の平均値を1として標準化した数値(相対値)を示す。

0110

0111

表4に示すように、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類(キサンタンガム)を併用した口腔・経口組成物用添加剤を含む口腔・経口組成物(被験試料2−1〜2−5)を摂取すると、いずれの被験者もブランク(水)に比べて唾液分泌量が増加し、唾液分泌促進効果が認められた。また、この口腔・経口組成物は無味無臭であった。このため、上記被験試料2−1〜2−5(経口組成物用添加剤)を口腔・経口組成物に配合することで、当該口腔・経口組成物に唾液分泌促進作用を付与できると考えられる。

0112

以上のことから、酵素処理イソクエルシトリンに増粘多糖類(キサンタンガム)を併用することで、酵素処理イソクエルシトリンが有する唾液分泌促進作用が酵素処理イソクエルシトリンの量依存的に増強することが判明した。

0113

実験例3ゾル形態を有する口腔・経口組成物の唾液分泌促進作用の評価(その3)
各種の被験試料(酵素処理イソクエルシトリン、αGルチン、またはケルセチンの水溶液)に、増粘多糖類としてキサンタンガムを配合してとろみを付けて、実験例1と同様にして、それぞれの唾液分泌促進効果を評価し、増粘多糖類配合の有無(とろみあり/なし)による唾液分泌促進効果の違いを調べた。

0114

(1)被験試料の調製
被験物質として、酵素処理イソクエルシトリン製剤(サンエミック(登録商標) NO.1:三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)、ケルセチン(LKT Laboratories, Inc製)、及びα−グルコシルルチン(αGルチン)(東洋精糖(株)製)を用いて、これらをそれぞれ飲用水に溶解して、各化合物中の構造に含まれるルチンの量(モル濃度)に換算して各々25μM、75μM、150μM、750μM及び3750μMの水溶液(被験試料)を調製した。表5に、各被験試料について、ルチン換算量(モル濃度:μM)と水溶液中の被験物質の含有量(質量%)を示す。

0115

0116

なお、酵素処理イソクエルシトリン及びαGルチンといったケルセチン配糖体について、これらの化合物中に含まれるルチンの量(モル濃度)は、前述するように食品添加物公定書第8版(日本国厚生労働省)の「酵素処理イソクエルシトリン」の頁に記載されている定量法に準じて求めることができる。その詳細は、実験例1で説明した通りである。また各水溶液に0.1質量%濃度になるようにキサンタンガムを添加してとろみをつけた。また比較のため、実験例1と同様に、キサンタンガムを配合しないルチン換算濃度150μMの各水溶液(酵素処理イソクエルシトリン水溶液、αGルチン水溶液、ケルセチン水溶液)も調製した。

0117

なお、各試料の粘度をフルイドレオメーター(ARES−LS1、TAインスツルメント社製)を用いて以下の測定条件で測定した。
測定条件
測定温度:20℃
ジオメトリー:直径50mmのコーンプレート、ギャップ0.05mm
ずり速度:100s−1。

0118

(2)唾液分泌促進効果の評価とその結果
実験例1と同様にして(パネルも同じ)、上記で調製した各被験試料について、唾液分泌促進効果を評価した。結果を表6及び図3に示す。なお、とろみあり試料の粘度はすべて20mPa・s、とろみなし試料の粘度はすべて1mPa・sであった。

0119

0120

この結果からわかるように、酵素処理イソクエルシトリンの唾液分泌促進作用(唾液分泌増加作用)は、増粘多糖類を配合してとろみを付けることで増大することが判明した。一方、増粘多糖類配合による唾液分泌促進作用(唾液分泌増加作用)の増大効果は、ケルセチンそのもの、並びに酵素処理イソクエルシトリンと同様にケルセチン配糖体であるαGルチンには認められず、酵素処理イソクエルシトリン特有の効果であることも判明した。

0121

以上の実験例1〜3の結果から、唾液分泌促進剤として、酵素処理イソクエルシトリンに加えて増粘多糖類を配合してとろみを付けた口腔用組成物または経口用組成物を口から摂取することにより、唾液分泌量が顕著に増加することが判明した。また本発明の口腔用組成物または経口組成物用添加剤は、とろみを有する口腔または経口組成物を調製するための添加剤、及び嚥下補助剤として適していることがわかる。

0122

実験例4ゲル形態を有する口腔・経口組成物の唾液分泌促進作用(その1)
酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を表7に記載する割合で含有する口腔・経口組成物用添加剤を水(20℃)に溶解して、ゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製し、唾液分泌促進作用を評価した。
(1)対照試料及び被験試料の調製
下記の手順に従ってゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製した。
1.表7に記載する成分のうち(1)〜(4)を粉体混合する。
2.上記粉体混合物をイオン交換水(6)に添加し、90℃に加熱して、1300rpmで10分間撹拌しながら溶解する。
3.(1)〜(4)の水溶液に(5)を添加し、必要に応じてイオン交換水(6)で重量補正する。4.上記で調製した(1)〜(6)の水溶液を酸素バリア層を含む多層構造樹脂容器ラミコンカップ:東洋製罐(株)製)に充填し、シールする。
5.殺菌する(85℃、30分間)。
6.8℃に冷却してゲル化させてゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製する。
7.5℃の冷蔵庫にて保存する。

0123

0124

(2)対照試料及び被験試料(口腔・経口組成物)の破断歪みとかたさの測定
(2−1)破断歪みの測定
ガラス製の筒状物(内直径20mm、高さ10mm、厚み1.5mm)の中に、表7に記載する各対照試料及び被験試料の(1)〜(6)の溶解水溶液を注ぎ込み、8℃の水槽で2時間冷却して固化させた後、5℃で15時間静置して、円柱形態(直径20mm、高さ10mm)のゲル状口腔・経口組成物(対照試料4−1〜4−5、被験試料4−1〜4−5)を調製した。
上記で調製した円柱形態の各ゲル状口腔・経口組成物(直径20mm、高さ10mm)(以下、「対照試料」または「被験試料」という)の破断歪みを、下記手順に従って、テクスチャーアナライザー(テクスチャーアナライザーTA−XT−2i[Stable Micro Systems社製]、プローブ:P/50(φ50mm))を用いて測定した。なお、測定に際して対照試料または被験試料は、品温が20℃になるように調温した。
(a)直径100mmの治具を用いて、対照試料または被験試料を10mm/sの速度で圧縮する(開始位置:20mm、クリアランス:1mm)。
(b)圧縮により得られる「荷重−歪み曲線」の降伏点(応力の上昇が緩和する点:ピークもしくは変曲点)を破断点とし、下式から対照試料及び被験試料の破断歪みを求める。

0125

0126

結果を、表8に示す。なお、表に記載する値は各対照試料及び被験試料について3回測定した測定値の平均値である。

0127

0128

(2−2)かたさの測定
ステンレス製円柱状容器(内直径40mm、高さ15mm)の中に、表7に記載する各対照試料及び被験試料の(1)〜(6)の溶解水溶液を注ぎ込み、8℃の水槽で2時間冷却して固化させた後、5℃で15時間静置して、直径40mm、高さ15mmの容器に充填されたゲル状口腔・経口組成物(対照試料4−1〜4〜5、被験試料4−1〜4−5)を調製した。

0129

上記で調製した円柱形態の各ゲル状口腔・経口組成物(直径40mm、高さ15mm)のかたさ(N/m2)を、テクスチャーアナライザー(テクスチャーアナライザーTA−XT−2i[Stable Micro Systems社製]、プローブ:P/20(φ20mm))を用いて測定した。具体的には、直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーを用いて、圧縮速度10mm/s、クリアランス5mmで2回圧縮測定し、1回目の圧縮時の最大応力を「かたさ」(N/m2)とした。なお、測定に際して対照試料及び被験試料は、品温が20℃になるように調温した。
結果を表9に記載する。

0130

0131

(3)対照試料及び被験試料(口腔・経口組成物)の唾液分泌促進作用の評価
唾液分泌に異常のない健常者3名(A〜C:平均年齢31.3歳)をパネルとして、上記で調製した口腔・経口組成物(対照試料4−1〜4−5、被験試料4−1〜4−5、品温20℃)、及び温度20℃の水(ブランク)の各々について、下記の方法により、その唾液分泌促進作用を評価した。
(a)試料(対照試料4−1〜4−5、被験試料4−1〜4−5)10gを口に含み、20秒間自由に咀嚼した後、一回で嚥下する。水は10gを口に含み、20秒間口腔中で保持した後、一回で嚥下する。
(b)嚥下後、5秒間経過後に、舌の下に3.75cm×3.75cm×4mmの大きさの脱脂綿を入れて2分間保持する。なお、脱脂綿は予め重さを測定しておく。
(c)2分後、脱脂綿を回収して重さを測定する。
(d)舌の下に入れる前後の脱脂綿の重量変化から、各試料(ブランク[水]、対照試料4−1〜4−5、被験試料4−1〜4−5)を摂取した場合の唾液分泌量を算出する。

0132

結果を破断歪み及びかたさとともに表10に示す。唾液分泌量の個人差を排除するため、表及び図には、各被験者について水(ブランク)を用いて測定した唾液分泌量の平均値を1として標準化した数値(相対値)を示す。

0133

0134

上記表に示すように、酵素処理イソクエルシトリンを配合したゲル状口腔・経口組成物(被験試料4−1〜4−5)と酵素処理イソクエルシトリンを配合しないゲル状口腔・経口組成物(対照試料4−1〜4−5)とで、唾液分泌量に明らかな差異が認められ、酵素処理イソクエルシトリンを配合したゲル状口腔・経口組成物を口腔内で咀嚼し、または嚥下することで唾液分泌量が顕著に促進され増加することが確認された。

0135

実験例5ゲル形態を有する口腔・経口組成物の唾液分泌促進作用(その2)
酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を表11に記載する割合で含有する口腔・経口組成物用添加剤を水(20℃)に溶解して、ゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製し、実験例4に記載する方法に従って唾液分泌促進作用を評価した。

0136

(1)対照試料及び被験試料の調製
下記の手順に従ってゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製した。
1.表11に記載する成分のうち(1)〜(3)を粉体混合する。
2.上記粉体混合物をイオン交換水(5)に添加し、90℃に加熱して、1300rpmで10分間撹拌しながら溶解する。
3.上記の水溶液に(4)を添加し、必要に応じてイオン交換水(5)で重量補正する。4.上記で調製した(1)〜(5)の水溶液を酸素バリア層を含む多層構造の樹脂容器(ラミコンカップ:東洋製罐(株)製)に充填し、シールする。
5.殺菌する(85℃、30分間)。
6.8℃に冷却してゲル化させてゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製する。
7.5℃の冷蔵庫にて保存する。
調製した口腔・経口組成物は破断歪みが0.511〜0.526、かたさが41,528〜54,170N/m2であった。

0137

0138

(2)被験試料(口腔・経口組成物)の唾液分泌促進作用の評価
唾液分泌に異常のない健常者3名(A〜C:平均年齢31.3歳)をパネルとして、上記で調製した口腔・経口組成物(対照試料5、被験試料5−1〜5−6、品温20℃)、及び温度20℃の水(ブランク)の各々について、下記の方法により、その唾液分泌促進作用を評価した。
(a)試料(対照試料5、被験試料5−1〜5−5)10gを口に含み、20秒間自由に咀嚼した後、一回で嚥下する。水は10gを口に含み、20秒間口腔中で保持した後、一回で嚥下する。
(b)嚥下後、5秒間経過後に、舌の下に3.75cm×3.75cm×4mmの大きさの脱脂綿を入れて2分間保持する。なお、脱脂綿は予め重さを測定しておく。
(c)2分後、脱脂綿を回収して重さを測定する。
(d)舌の下に入れる前後の脱脂綿の重量変化から、各試料(ブランク[水]、対照試料5、被験試料5−1〜5−6)を摂取した場合の唾液分泌量を算出する。

0139

結果を表12及び図5に示す。唾液分泌量の個人差を排除するため、表及び図には、各被験者について水(ブランク)を用いて測定した唾液分泌量の平均値を1として標準化した数値(相対値)を示す。

0140

0141

表12に示すように、酵素処理イソクエルシトリンを含有しないゲル状の対照試料についても唾液分泌量の増加が認められたが、酵素処理イソクエルシトリンを増粘多糖類と併用することで(被験試料5−1〜5−6)、対照試料よりも格段に唾液分泌量が増加することが確認された。またその唾液分泌量の増大効果は、配合する酵素処理イソクエルシトリンの量に依存することが確認された(用量依存性)。

実施例

0142

以上の実験例4〜5の結果から、唾液分泌促進剤として、酵素処理イソクエルシトリンに加えて増粘多糖類を配合して破断歪みが0.3〜0.8の範囲内、または/及びかたさが500〜500,000N/m2のゲル形態を有する口腔用組成物または経口用組成物を口から摂取することにより、唾液分泌が顕著に増加することが判明した。また本発明の口腔または経口組成物用添加剤は、上記特定の破断歪みまたは/及びかたさを有するゲル形態の口腔用組成物または経口組成物を調製するための添加剤として適していることがわかる。

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