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技術 補強板及びその製造方法

出願人 株式会社イノアックコーポレーション
発明者 青山晃
出願日 2015年12月10日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-240819
公開日 2017年6月15日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-105325
状態 特許登録済
技術分野 車両用車体構造
主要キーワード 凹状湾曲面 ホットメルト接着材 ガラス繊維クロス 外板材 S同士 各面材 チョップストランドマット 軟質ポリウレタン発泡体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

外板材に合わせた形状を持たせつつ、強度アップを図ることが可能な補強板及びその製造方法の提供を目的とする。

解決手段

本発明の補強板10は、ルーフパネル91と成形天井92との間に配置されて、ルーフパネル91のうち車室側を向く凹状湾曲面91Mに貼り合わせされる。補強板10は、積層シート20が凹状湾曲面91Mに沿った形状に賦形されてなり、積層シート20は、連続気泡構造を有する発泡シート21を基材とし、その発泡シート21の表裏の両面にバインダ25を介して1対のガラス繊維シート22,22が貼り合わされた構造を有している。

概要

背景

従来、この種の補強板として、乗り物自動車)のルーフパネルに車室側から貼り合わされるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この補強板では、ルーフパネルの形状に沿わせ易くするために、格子状の薄肉部が設けられていた。

概要

外板材に合わせた形状を持たせつつ、強度アップをることが可能な補強板及びその製造方法の提供を目的とする。本発明の補強板10は、ルーフパネル91と成形天井92との間に配置されて、ルーフパネル91のうち車室側を向く凹状湾曲面91Mに貼り合わせされる。補強板10は、積層シート20が凹状湾曲面91Mに沿った形状に賦形されてなり、積層シート20は、連続気泡構造を有する発泡シート21を基材とし、その発泡シート21の表裏の両面にバインダ25を介して1対のガラス繊維シート22,22が貼り合わされた構造を有している。

目的

本発明は、外板材に合わせた形状を持たせつつ、強度アップを図ることが可能な補強板及びその製造方法の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

乗り物外板材内装材との間に配置されて、前記外板材のうち前記乗り物の室内側を向く面に貼り合わせされる補強板であって、複数のシートが積層された積層シートが前記外板材における前記室内側を向く面に沿った形状に賦形されてなり、前記積層シートは、連続気泡構造を有する発泡シート基材とし、その発泡シートの表裏の両面にバインダを介して繊維からなる1対の補強材が貼り合わされた構造を有している補強板。

請求項2

前記積層シートは、前記発泡シートとの間に前記補強材を挟んで前記積層シートの最外面を構成する1対の面材を有し、前記面材は、前記補強材に染み込んだ前記バインダにて前記補強材に接着されている請求項1に記載の補強板。

請求項3

前記1対の面材のうち前記室内側に配置される面材は、通気性を有している請求項2に記載の補強板。

請求項4

前記バインダが、熱硬化性樹脂からなる請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載の補強板。

請求項5

乗り物の外板材と内装材との間に配置されて、前記外板材のうち前記乗り物の室内側を向く面に貼り合わせされる補強板の製造方法であって、複数のシートを用意することと、前記複数のシートを貼り合わせて積層シートを形成することと、前記積層シートを前記外板材における前記室内側を向く面に沿った形状に成形することと、を含み、前記複数のシートを用意するにあたり、連続気泡構造の発泡シートと、繊維からなる1対の補強材と、を用意し、前記積層シートを形成するにあたり、前記発泡シートを基材とし、前記発泡シートの表裏の両面に前記補強材を貼り合わせる補強板の製造方法。

請求項6

前記複数のシートを用意するにあたり、前記発泡シートと前記補強材との貼り合わせ面のうち少なくとも一方の面に熱硬化性樹脂からなるバインダを塗布し、前記発泡シートと前記1対の補強材とを含む前記複数のシートを加熱プレス成形することにより、前記積層シートの形成と前記積層シートの成形とを一度に行う請求項5に記載の補強板の製造方法。

請求項7

前記複数のシートを用意するにあたり、1対の面材を用意し、前記積層シートを形成するにあたり、各前記補強材に染み込んだ前記バインダを介して前記1対の補強材の外側に前記1対の面材を貼り合わせて、前記1対の面材にて前記積層シートの最外面を構成する請求項6に記載の補強板の製造方法。

請求項8

前記1対の面材のうち前記室内側に配置される面材として、通気性を有する面材を用いる請求項7に記載の補強板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、乗り物外板材内装材との間に配置されて、外板材のうち室内側を向く面に貼り合わせされる補強板及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、この種の補強板として、乗り物(自動車)のルーフパネルに車室側から貼り合わされるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この補強板では、ルーフパネルの形状に沿わせ易くするために、格子状の薄肉部が設けられていた。

先行技術

0003

特開昭59−11972号公報(第2頁左欄第6行目〜第2頁右欄第2行目、図5

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上述した従来の補強板では、薄肉部の強度が弱いため、補強板の強度アップが困難であるという問題があった。

0005

本発明は、外板材に合わせた形状を持たせつつ、強度アップを図ることが可能な補強板及びその製造方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、乗り物の外板材と内装材との間に配置されて、前記外板材のうち前記乗り物の室内側を向く面に貼り合わせされる補強板であって、複数のシートが積層された積層シートが前記外板材における前記室内側を向く面に沿った形状に賦形されてなり、前記積層シートは、連続気泡構造を有する発泡シート基材とし、その発泡シートの表裏の両面にバインダを介して繊維からなる1対の補強材が貼り合わされた構造を有している補強板である。

0007

請求項2の発明は、前記積層シートは、前記発泡シートとの間に前記補強材を挟んで前記積層シートの最外面を構成する1対の面材を有し、前記面材は、前記補強材に染み込んだ前記バインダにて前記補強材に接着されている請求項1に記載の補強板である。

0008

請求項3の発明は、前記1対の面材のうち前記室内側に配置される面材は、通気性を有している請求項2に記載の補強板である。

0009

請求項4の発明は、前記バインダが、熱硬化性樹脂からなる請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載の補強板である。

0010

請求項5の発明は、乗り物の外板材と内装材との間に配置されて、前記外板材のうち前記乗り物の室内側を向く面に貼り合わせされる補強板の製造方法であって、複数のシートを用意することと、前記複数のシートを貼り合わせて積層シートを形成することと、前記積層シートを前記外板材における前記室内側を向く面に沿った形状に成形することと、を含み、前記複数のシートを用意するにあたり、連続気泡構造の発泡シートと、繊維からなる1対の補強材と、を用意し、前記積層シートを形成するにあたり、前記発泡シートを基材とし、前記発泡シートの表裏の両面に前記補強材を貼り合わせる補強板の製造方法である。

0011

請求項6の発明は、前記複数のシートを用意するにあたり、前記発泡シートと前記補強材との貼り合わせ面のうち少なくとも一方の面に熱硬化性樹脂からなるバインダを塗布し、前記発泡シートと前記1対の補強材とを含む前記複数のシートを加熱プレス成形することにより、前記積層シートの形成と前記積層シートの成形とを一度に行う請求項5に記載の補強板の製造方法である。

0012

請求項7の発明は、前記複数のシートを用意するにあたり、1対の面材を用意し、前記積層シートを形成するにあたり、各前記補強材に染み込んだ前記バインダを介して前記1対の補強材の外側に前記1対の面材を貼り合わせて、前記1対の面材にて前記積層シートの最外面を構成する請求項6に記載の補強板の製造方法である。

0013

請求項8の発明は、前記1対の面材のうち前記室内側に配置される面材として、通気性を有する面材を用いる請求項7に記載の補強板の製造方法である。

発明の効果

0014

[請求項1の発明]
本発明の補強板は、積層シートが外板材における室内側を向く面に沿った形状に賦形されてなる。ここで、本発明では、積層シートの基材が連続気泡構造の発泡シートで構成されているので、従来の補強板のように補強板に薄肉部を設けることなく、積層シートの賦形が可能となる。また、発泡シートの表裏の両面に補強材が貼り合わされることで、積層シートの強度アップが図られる。これらにより、補強板に外板材に合わせた形状を持たせつつ、補強板の強度アップを図ることが可能となる。

0015

[請求項2,4の発明]
請求項2の発明では、発泡シートと補強材とを貼り合わせるバインダが、補強材に染み込んでいる。ここで、上記構成を取る場合、補強材に染み込んだバインダが補強板の外側に漏れ出るという問題が生じ得る。しかしながら、本発明では、補強材の外側に面材が貼り合わされた構成となっているので、面材によって補強板の外側にバインダが漏れ出ることを防ぐことが可能となる。しかも、面材は、補強材に染み込んだバインダによって接着されるので、面材を補強材に貼り合わせるために、別のバインダを用意する必要がなくなる。また、1対の面材は、積層シートの最外面を構成するので、補強板の外面に平滑性を持たせることが可能となる。また、請求項4の発明のように、バインダが熱硬化性樹脂からなる場合にも、バインダを硬化させるときに補強材に染み込んだバインダが補強材の外側に漏れ出ることを防ぐことが可能となる。

0016

[請求項3の発明]
本発明によれば、補強板に吸音性能を持たせることが可能となる。

0017

[請求項5の発明]
本発明の製造方法により製造された補強板は、積層シートが外板材における室内側を向く面に沿った形状に賦形されてなる。ここで、本発明では、積層シートの基材として、連続気泡構造の発泡シートを用いるので、従来の補強板のように補強板に薄肉部を設けることなく、積層シートの賦形が可能となる。また、発泡シートの表裏の両面に補強材を貼り合わせることで、積層シートの強度アップが図られる。これらにより、補強板に外板材に合わせた形状を持たせつつ、補強板の強度アップを図ることが可能となる。

0018

[請求項6の発明]
本発明によれば、発泡シートと補強材との貼り合わせに、熱硬化性樹脂からなるバインダを用いることで、積層シートの形成と積層シートの成形とを一度に行うことが可能となる。

0019

[請求項7の発明]
本発明によれば、1対の補強材の外側に1対の面材を貼り合わせるので、成形金型の成形面にバインダが付着することが抑制される。しかも、面材は、補強材に染み込んだバインダにより貼り合わされるので、面材を貼り合わせるためのバインダを別に用意する必要がなくなる。また、1対の面材にて積層シートの最外面が構成されるので、補強板の外面に平滑性を持たせることが可能となる。

0020

[請求項8の発明]
本発明によれば、補強板に吸音性能を持たせることが可能となる。

図面の簡単な説明

0021

(A)本発明の一実施形態に係る補強板が取り付けられた車両の斜視図、(B)車両の天井部の断面図
ルーフパネル及び補強板の断面図
補強板におけるガラス繊維シート周辺の拡大断面図
バインダの塗布工程とシートの重ね合わせ工程の一例を示す図
(A)バインダの塗布工程の別の例を示す図、(B)シートの重ね合わせ工程の別の例を示す図
加熱プレス成形前のシート群と成形金型の断面図
加熱プレス成形後のシート群と成形金型の断面図
変形例に係る補強板におけるガラス繊維シート周辺の拡大断面図

実施例

0022

以下、本発明の一実施形態を図1図7に基づいて説明する。図1(A)に示すように、本実施形態の補強板10は、自動車の車両90のルーフパネル91を補強するために用いられる。具体的には、図1(B)に示されるように、補強板10は、ルーフパネル91と成形天井92との間に配置され、ルーフパネル91の車室側を向く面に接着材93(図2参照)を介して貼り付けられる。接着材93は、特に限定されるものではなく、ホットメルト接着材であってもよいし、両面テープ面ファスナーであってもよい。ここで、ルーフパネル91は、中央部が車両90の外側へ膨出するように湾曲し、ルーフパネル91の車室側を向く面は凹状湾曲面91Mとなっている。なお、本実施形態では、自動車が、本発明の「乗り物」に相当し、ルーフパネル91が本発明の「外板材」に相当し、成形天井92が本発明の「内装材」に相当する。

0023

図1(B)に示すように、補強板10は、複数のシートが貼り合わされた積層シート20が凹状湾曲面91Mに沿った形状に賦形されてなる。図2には、積層シート20の層構造の詳細が示されている。同図に示されるように、積層シート20は、基材としての発泡シート21の表裏の両面にガラス繊維シート22,22(本発明の「補強材」に相当する。)が貼り合わされた構造を有している。発泡シート21は、連続気泡構造の発泡体で構成されていて、ガラス繊維シート22は、発泡シート21を補強する役割を担っている。

0024

詳細には、図3に示すように、発泡シート21と1対のガラス繊維シート22,22(図3には、一方のガラス繊維シート22のみが示されている。)とは、熱硬化性樹脂からなるバインダ25を介して接着されている。ここで、ガラス繊維シート22は、複数のガラス繊維22Sでシート状に形成されたもので、バインダ25は、ガラス繊維22Sの間の隙間に入り込むことで、ガラス繊維シート22に染み込んでいる。

0025

図2に示すように、積層シート20は、発泡シート21との間にガラス繊維シート22,22を挟んで積層シート20の最外面を構成する第1面材23及び第2面材24を有している。第1面材23及び第2面材24は、ガラス繊維シート22に染み込んだバインダ25によってガラス繊維シート22,22と接着している(図3参照)。

0026

第1面材23は、ルーフパネル91側に配置され、第1面材23の外面は、ルーフパネル91との貼り合わせ面を形成する。第1面材23は、例えば、樹脂フィルムで構成され、通気性を有しない。積層シート20では、第1面材23が通気性を有しないことで、ガラス繊維シート22に染み込んだバインダ25が積層シート20の外側へ染み出ることが防がれている。

0027

成形天井92側、即ち、車室側に配置される第2面材24は、例えば、不織布シートで構成され、通気性を有している。これにより、本実施形態では、補強板10に吸音性能を付与することが可能となっている。

0028

ここで、発泡シート21は、上述したように、連続気泡構造の発泡体で構成されているので、吸音性を有している。また、本実施形態では、第2面材24が通気性を有しているのに加えて、発泡シート21と第2面材24に挟まれた部分(即ち、ガラス繊維シート22及びバインダ25で構成される部分)も、通気性を有している。従って、本実施形態の補強板10では、車室側からの空気が発泡シート21まで到達することが可能となり、補強板10全体として、発泡シート21の吸音性能を引き出すことが可能となっている。なお、発泡シート21と第2面材24に挟まれた部分が通気性を有する理由については、以下のようになっている。

0029

即ち、ガラス繊維シート22に染み込んだバインダ25は、図3に示すように、ガラス繊維22S同士の間に部分的に介在し、ガラス繊維シート22内には複数の空隙100が残されている。そして、複数の空隙100の少なくとも一部がガラス繊維シート22のシート厚方向に延在することで、バインダ25が染み込んだガラス繊維シート22に、シート厚方向に空気が通過可能な通気路101が形成されている。このように、本実施形態では、バインダ25は、ガラス繊維シート22の通気性を損なわない程度に染み込んでいる。また、バインダ25は、ガラス繊維シート22と発泡シート21との貼り合わせ面同士、及び、ガラス繊維シート22と第2面材24との貼り合わせ面同士を、部分的に接着している。言い換えれば、バインダ22は、ガラス繊維シート22の表裏の全体に存在しているわけではなく、部分的に存在している。これらの結果、積層シート20のうち発泡シート21と第2面材24に挟まれた部分を、積層シート20の厚み方向で空気が通過可能となる。

0030

なお、ここで、第2面材24が通気性を有することで、第2面材24側から積層シート20の外側へバインダ25が染み出るという問題が考えられる。この問題を防ぐべく、本実施形態では、第2面材24は、バインダ25が染み出ない程度の厚みに形成されている。

0031

積層シート20を構成する各シート、即ち、発泡シート21、ガラス繊維シート22、第1面材23及び第2面材24の詳細については、以下のようになっている。

0032

基材としての発泡シート21の厚みは、補強板10の厚み7〜12mmに対して、6.5〜11.5mmとなっている。発泡シート21は、補強板10の補強効果の観点から、アスカーC硬さ(JIS K7312に準拠。)が30以上のものが好ましく、35以上のものがさらに好ましい。また、発泡シート21は、通気性を有することが好ましい。これにより、発泡シート21に吸音性を付与することが可能となる。発泡シート21の通気量(JIS L1096 通気性A法に準拠。)は、好ましくは、2〜20cc/cm2/秒であり、より好ましくは、5〜10cc/cm2/秒である。発泡シート21の通気量が5cc/cm2/秒より低いと、高周波の吸音性が低下する。発泡シート21の通気量が10cc/cm2/秒より高いと低周波の吸音性が低下する。

0033

発泡シート21としては、ポリウレタン発泡体に代表される公知の連続気泡構造の発泡体で構成されたシートを用いることができる。ポリウレタン発泡体は、硬質ポリウレタン発泡体であっても軟質ポリウレタン発泡体であってもよいが、補強板への補強性能の観点から、硬質ポリウレタン発泡体であることが好ましい。また、発泡シート21を連続気泡構造の発泡体で構成することにより、発泡シート21に吸音性を付与することが可能となる。なお、補強板10の断熱性能の観点から、発泡シート21がポリウレタン発泡体で構成されていることが好ましい。

0034

ガラス繊維シート22は、ガラス繊維22S(図3参照)がフェルト状に加工されたガラス繊維マットであってもよいし、ガラス繊維22Sが格子状に織られてなるガラス繊維クロスであってもよい。積層シート20の賦形の観点からは、ガラス繊維シート22は、好ましくは、ガラス繊維マットであり、より好ましくは、チョップストランドマットである。なお、ガラス繊維22Sとしては、種々の繊維長のものを特に限定せずに用いることができる。

0035

熱硬化性樹脂からなるバインダ25の例としては、安価で且つ接着性が良好な液状イソシアネートが挙げられる。液状イソシアネートは、熱及び触媒の存在下で水との反応により硬化して、接着材として機能するものである。液状イソシアネートの例としては、例えば、芳香族系のTDI(トルエンジイソシアネート)、ポリメリックMDI(4,4'ジフェニルメタンジイソシアネート)、NDI(1,5−ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、PPDI(パラフェニレンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、TMXDI(テトラメチルキシレンジイソシアネート)、及びそれらの変性体(具体的には、ウレタン変性アロファネート変性、ビューレット変性、カルボイミド/ウレトニミン変性等種々の変性がなされたもの)が挙げられるが、好ましくは、ポリメリックMDI、TDI変性体、MDI変性体、又はそれらの混合物である。また、これらの液状イソシアネートとしては、粘度3〜300cpのものが、浸透性塗布性等に優れるので、より好ましい。また、これらのうち特にポリメリックMDIは蒸気圧が低くガラス繊維との親和性が良好で、反応性・接着性、作業性の面で適している。これら液状イソシアネートの種類は、接着性・反応性・積層シート20の強度・作業性等に応じて適宜選択される。

0036

第1面材23は、接着材93との接着性やバインダ25との接着性の観点から、表面が平滑な樹脂フィルムが好ましい。樹脂フィルムを構成する樹脂の例としては、ポリプロピレンポリエチレンテレフタラートナイロン等の樹脂が挙げられる。

0037

第2面材24は、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等で構成される。第2面材24の通気量(JIS L1096通気性A法に準拠。)は、10〜200cc/cm2/秒であることが好ましい。第2面材24の通気性が10cc/cm2/秒より低いと、補強板10の吸音性能が低下し、200cc/cm2/秒より高いと、第2面材24からのバインダ25の染み出しが生じる。また、第2面材24の厚みは、0.5mm以上であることが好ましい。積層シート20への賦形を容易にするために、第2面材24の引張破断伸び(JIS L1913 一般不織布試験方法6.3引張強さ及び伸び率に準拠。)は、20%以上が好ましい。

0038

本実施形態の補強板10の構成に関する説明は以上である。次に、補強板10の製造方法について説明する。

0039

補強板10を製造するには、まず、積層シート20を構成する複数のシートを用意する。具体的には、連続気泡構造の発泡シート21、1対のガラス繊維シート22,22、樹脂フィルムからなる第1面材23及び不織布シートからなる第2面材24を用意する。

0040

次いで、バインダ25の塗布とシートの重ね合わせが行われる。図4には、バインダの塗布工程とシートの重ね合わせ工程の一例が示されている。図4の例では、発泡シート21の送給ライン50において、発泡シート21の表側と裏側のそれぞれにロールコータ51が設けられている。ロールコータ51は、コーティングロール52と、ドクターロール53と、を横並びにして備え、コーティングロール52とドクターロール53との間にバインダ25が供給される。そして、バインダ25を表面に付した1対のコーティングロール52,52に発泡シート21が挟まれることで、発泡シート21の両面にバインダ25が塗布される。なお、バインダ25の塗布量は、コーティングロール52とドクターロール53との隙間を調節することで調整される。

0041

発泡シート21にバインダ25が塗布されると、発泡シート21の両面に1対のガラス繊維シート22,22が重ね合わされ、次いで、表裏の一方側のガラス繊維シート22に第1面材23が重ね合わされると共に、表裏の他方側のガラス繊維シート22に第2面材24が重ね合わされる。具体的には、送給ライン50には、1対のロールコータ51,51より下流側に、1対の第1送りロール54,54と1対の第2送りロール55,55とが順番に備えられている。1対の第1送りロール54,54は、バインダ25が塗布された発泡シート21と、その発泡シート21の表側と裏側とに配置される1対のガラス繊維シート22,22と、を挟んで下流側へ送ることで、それら3枚のシート21,22,22を重ね合わせた状態にする。また、1対の第2送りロール55,55は、3枚のシート21,22,22と、3枚のシート21,22,22の表裏の一方側に配置される第1面材23と、他方側に配置される第2面材24と、を挟んで下流側へ送ることで、それら3枚のシート21,22,22と、2枚の面材23,24と、を重ね合わせた状態にする。以上のようにして、発泡シート21、1対のガラス繊維シート22,22、第1面材23及び第2面材24が重ね合わされたシート群26Gが得られる。

0042

図5(A)及び図5(B)には、バインダの塗布工程とシートの重ね合わせ工程の別の例が示されている。図5(A)の例では、ガラス繊維シート22の片面にバインダ25を塗布する工程が示されている。同図に示されるロールコータ51Vは、図4に示したロールコータ51と同様の構成となっている。バインダ25が塗布されたガラス繊維シート22は巻取ロール56により巻き取られる。

0043

ガラス繊維シート22にバインダ25が塗布されると、図5(B)に示すように、発泡シート21の表側と裏側とにガラス繊維シート22が重ね合わされる。具体的には、発泡シート21の送給ライン50Vには、1対の第1送りロール54V,54Vが設けられていて、1対の第1送りロール54V,54Vが、発泡シート21と1対のガラス繊維シート22,22とを挟んで下流側に送ることで、3枚のシート21,22,22が重ね合わされる。なお、ガラス繊維シート22は、バインダ25の塗布面が発泡シート21との重ね合わせ面となるように配置される。

0044

3枚のシート21,22,22が重ね合わされると、次いで、第1面材23と第2面材24とが重ね合わされる。具体的には、図5(B)に示すように、送給ライン50Vには、1対の第1送りロール54V,54Vより下流側に1対の第2送りロール55V,55Vが設けられていて、1対の第2送りロール55V,55Vが、3枚のシート21,22,22と、3枚のシート21,22,22の表裏の一方側に配置される第1面材23と、他方側に配置される第2面材24と、を挟んで下流側へ送ることで、それら3枚のシート21,22,22と、2枚の面材23,24と、を重ね合わせた状態にする。以上のようにして、発泡シート21、1対のガラス繊維シート22,22、第1面材23及び第2面材24が重ね合わされたシート群26Gが得られる。

0045

バインダの塗布工程とシートの重ね合わせ工程を経て、シート群26Gが得られると、そのシート群26Gがルーフパネル91(図1参照)に応じた長さにカットされ、図6に示す成形金型30にて加熱プレス成形される。成形金型30は、成形突部31Tを有する雄型31と、成形突部31Tに対応した成形凹部32Aを有する雌型32とで構成され、成形突部31Tの外面と成形凹部32Aの内面とがそれぞれ成形面31Mと成形面32Mを構成する。なお、成形凹部32Aの内面形状は、ルーフパネル91(図1(A)及び図1(B)参照)の凹状湾曲面91Mに沿った形状となっている。

0046

シート群26Gの加熱プレス成形では、まず、加熱された成形金型30を型開き状態にして、シート群26Gを雄型31と雌型32の間にセットし、次いで、成形金型30を型閉じしてシート群26Gを成形する。すると、シート群26Gから積層シート20が形成されると共に、その積層シート20がルーフパネル91の凹状湾曲面91Mに沿った形状に成形される(図7参照)。

0047

積層シート20の形成の詳細は以下のようになっている。即ち、成形金型30が型閉じされると、バインダ25が熱硬化し、発泡シート21とガラス繊維シート22,22とが接着される。また、発泡シート21又はガラス繊維シート22に塗布されたバインダ25は、加熱プレス成形が行われるまでにガラス繊維シート22に染み込み、その染み込んだバインダ25の熱硬化によって、一方のガラス繊維シート22と第1面材23とが接着されると共に、他方のガラス繊維シート22と第2面材24とが接着される。このようにして、発泡シート21、1対のガラス繊維シート22,22、第1面材23及び第2面材24がバインダ25にて貼り合わされた積層シート20が形成される。なお、このとき、第1面材23と第2面材24とによって、バインダ25が積層シート20の外側に漏れ出ることが抑えられ、成形金型30の成形面31M,32Mにバインダ25が付着することが抑えられる。

0048

加熱プレス成形が終了すると、積層シート20の成形体が成形金型30から脱型され、その成形体に、適宜、トリミングが施されて、図1に示した補強板10が完成する。

0049

本実施形態に係る補強板10の構成及び補強板10の製造方法に関する説明は以上である。次に、補強板10及びその製造方法の作用効果について説明する。

0050

本実施形態の補強板10では、積層シート20がルーフパネル91の凹状湾曲面91Mに沿った形状に賦形されている。ここで、補強板10では、積層シート20の基材が連続気泡構造の発泡シート21で構成されているので、従来の補強板のように補強板に薄肉部を設けることなく、積層シート20の賦形が可能となる。また、発泡シート21の表裏の両面にガラス繊維シート22が貼り合わされることで、積層シート20の強度アップが図られる。これらにより、補強板10にルーフパネル91に合わせた形状を持たせつつ、補強板10の強度アップを図ることが可能となる。また、本実施形態の補強板10を用いることで、ルーフパネル91の厚みを薄くしても、車両90の屋根部に必要な剛性を確保することが可能となり、車両90の軽量化及び燃費向上が図られる。

0051

ここで、本実施形態の補強板10では、発泡シート21とガラス繊維シート22とを貼り合わせるバインダ25が熱硬化性樹脂からなっているので、バインダ25を熱硬化させるときに、ガラス繊維シート22に染み込んだバインダ25が補強板10の外側に漏れ出るという問題が生じ得る。しかしながら、本実施形態の補強板10では、ガラス繊維シート22の外側に第1面材23及び第2面材24が貼り合わされた構成となっているので、各面材23,24によって補強板10の外側にバインダ25が漏れ出ることを防ぐことが可能となる。しかも、第1面材23及び第2面材24は、ガラス繊維シート22に染み込んだバインダ30によって接着されるので、各面材23,24をガラス繊維シート22に貼り合わせるために、別のバインダを用意する必要がなくなる。

0052

また、本実施形態の補強板10の製造方法によれば、発泡シート21とガラス繊維シート22との貼り合わせに、熱硬化性樹脂からなるバインダ25を用いることで、積層シート20の形成と積層シート20の成形とを一度に行うことが可能となる。さらに、本実施形態の補強板10の製造方法によれば、第1面材23及び第2面材24により、成形金型30の成形面31M,32Mにバインダ25が付着することが抑制される。

0053

[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。

0054

(1)上記実施形態では、本発明を自動車の車両90のルーフパネル91に貼り合わされる補強板10に適用した例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、自動車の車両90のドアパネルの外板材に貼り合わされる補強板に適用してもよい。この場合、ドアパネルの外板材が本発明の「外板材」に相当し、ドアパネルの内装材が本発明の「内装材」に相当する。また、本発明の「乗り物」は、自動車に限定されるものでもなく、鉄道航空機等であってもよい。

0055

(2)上記実施形態では、本発明の「補強材」が、ガラス繊維22Sによって構成されていたが、例えば、ポリエステル繊維ポリアミド繊維アクリル繊維ビニロン繊維炭素繊維天然繊維(例えば、セルロースナノファイバー)、ザイロン登録商標)等の繊維によって構成されていてもよい。(これらの繊維においても、種々の繊維長のものを特に限定せずに用いることができる。)なお、補強板への補強効果の観点から、本発明の「補強材」を構成する繊維は、上記実施形態のように、ガラス繊維であることが好ましい。また、このような繊維からなる補強材は、作業性及び作業環境の観点から、例えば、織物編み物、不織布等のように、予めシート状に形成されていることが好ましい。

0056

(3)上記実施形態では、バインダ25は、ガラス繊維シート22に部分的に染み込んでいたが、図8に示すように、ガラス繊維シート22に全体的に染み込んでいてもよい。なお、この場合、バインダ25によってガラス繊維シート22の通気性が損なわれてもよい。

0057

(4)上記実施形態では、バインダ25によって、ガラス繊維シート22と発泡シート21との貼り合わせ面同士、及び、ガラス繊維シート22と各面材23,24との貼り合わせ面同士が部分的に接着されていたが、それら貼り合わせ面同士が全体的に接着されていてもよい(図8参照)。

0058

(5)上記実施形態では、ガラス繊維シート22と第1面材23及び第2面材24との接着が、ガラス繊維シート22に染み込んだバインダ25によってなされていたが、ガラス繊維シート22にバインダ25が十分に染み込まない場合には、別のバインダによってなされていてもよい。なお、この場合においても、当該別のバインダは、熱硬化性樹脂からなることが好ましい。

0059

(6)上記実施形態では、バインダ25が、熱硬化性樹脂から構成されていたが、UV硬化性樹脂から構成されていてもよいし、ホットメルト接着材のように熱可塑性樹脂から構成されていてもよい。

0060

(7)上記実施形態では、第2面材24が通気性を有する構成であったが、通気性を有しない構成であってもよい。

0061

(8)上記実施形態において、積層シート20が、第1面材23と第2面材24のうち一方の面材又は両方の面材を備えない構成であってもよい

0062

(9)上記実施形態の補強板10の製造方法では、積層シート20の形成と積層シート20の成形とを加熱プレス成形で一度に行っていたが、複数のシートを接着して積層シート20を形成しておいてから、積層シート20の成形を行ってもよい。この場合、複数のシートの接着に、例えば、ホットメルト等の接着材や両面テープ等を用いてもよい。

0063

(10)上記実施形態の補強板10の製造方法では、塗布工程において、ガラス繊維シート22へのバインダ25の塗布が、ロールコータ51によってなされたが、これに限定されるものではなく、スプレーコータフローコータディッピング等によってなされてもよいし、スプレーガン等によってなされてもよい。

0064

10補強板
20積層シート
21発泡シート
22ガラス繊維シート(補強材)
23 第1面材
24 第2面材
25バインダ
90 車両
91ルーフパネル(外板材)
92成形天井(内装材)

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