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技術 記録装置

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 宮下栄一
出願日 2015年12月9日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-240311
公開日 2017年6月15日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-105059
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他) ベルト、ローラ以外の手段による供給 単票の取扱い
主要キーワード 丸軸形状 続行処理 カム受 分岐機構 押さえ位置 光学式センサー 外付けタイプ 各搬送ローラー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (17)

課題

媒体押さえ部材媒体浮き上がりを適切に抑制することのできる記録装置を提供する。

解決手段

プリンターは、搬送方向Yに搬送される用紙14を支持する搬送ベルトベルト面51aと直交する移動方向Wに移動し、移動方向Wにおいて複数の記録位置PHA位置決めされ、用紙14に対してヘッド面72aからインク吐出するヘッド72と、用紙14と対向可能な媒体案内面81aを有する第1の押さえ部材81と、を備え、第1の押さえ部材81は、ヘッド72が記録位置PHAで位置決めされているときには媒体案内面81aの少なくとも一部がヘッド72のヘッド面72aよりもベルト面51aに近い、複数の記録位置PHAと対応する押さえ位置P1に保持される一方、ヘッド72がメンテナンスされるときには媒体案内面81aがヘッド72のヘッド面82aよりもベルト面51aから離れた退避位置に移動可能である。

概要

背景

従来から、媒体の一例である用紙を搬送する搬送部を備え、搬送部によって搬送された用紙の印刷面にヘッド液体吐出面からインク液体)を吐出することにより画像等の記録(印刷)を行う記録装置が知られている。搬送部の一例として、ローラー懸架されて周回する無端状の搬送ベルトを備えるものが知られている。搬送ベルトは、搬送する用紙の印刷面とは反対側の面をベルト面に吸着させて搬送することができる。

用紙はベルト面に吸着されているものの、用紙がベルト面から浮き上がると、印刷品質の低下を招く。また、用紙が未乾燥の状態で搬送される場合、用紙の端部がカールし、ベルト面から浮き上がりやすくなる。そこで、特許文献1の記録装置は、用紙のベルト面からの浮き上がりを抑制するために、ヘッドの上流側においてヘッドの液体吐出面よりもベルト面に近い押さえ位置に突出した媒体案内面で媒体を押さえ媒体押さえ部材を備えている。

他方、媒体案内面がヘッドの液体吐出面よりも突出している状態においては、媒体押さえ部材がヘッドのメンテナンス、例えばヘッドのクリーニングキャッピングを妨げる虞がある。そこで、特許文献1の記録装置は、ヘッドがメンテナンスされるときにおいて媒体案内面がヘッドの液体吐出面よりも突出しないように媒体押さえ部材を移動させている。

概要

媒体押さえ部材が媒体の浮き上がりを適切に抑制することのできる記録装置を提供する。プリンターは、搬送方向Yに搬送される用紙14を支持する搬送ベルトのベルト面51aと直交する移動方向Wに移動し、移動方向Wにおいて複数の記録位置PHA位置決めされ、用紙14に対してヘッド面72aからインクを吐出するヘッド72と、用紙14と対向可能な媒体案内面81aを有する第1の押さえ部材81と、を備え、第1の押さえ部材81は、ヘッド72が記録位置PHAで位置決めされているときには媒体案内面81aの少なくとも一部がヘッド72のヘッド面72aよりもベルト面51aに近い、複数の記録位置PHAと対応する押さえ位置P1に保持される一方、ヘッド72がメンテナンスされるときには媒体案内面81aがヘッド72のヘッド面82aよりもベルト面51aから離れた退避位置に移動可能である。

目的

本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、媒体押さえ部材が媒体の浮き上がりを適切に抑制することのできる記録装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

搬送方向に搬送される媒体を支持する支持部の支持面と直交する移動方向に移動し、前記移動方向において複数の記録位置で位置決めされ、前記媒体に対して液体吐出面から液体吐出するヘッドと、前記媒体と対向可能な媒体案内面を有する媒体押さえ部材と、を備え、前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドが前記記録位置で位置決めされているときには前記媒体案内面の少なくとも一部が前記ヘッドの前記液体吐出面よりも前記支持面に近い、前記複数の記録位置と対応する押さえ位置に保持される一方、前記ヘッドがメンテナンスされるときには前記媒体案内面が前記ヘッドの前記液体吐出面よりも前記支持面から離れた退避位置に移動可能であることを特徴とする記録装置

請求項2

前記媒体押さえ部材が押さえ位置から退避位置へ移動する方向は、前記ヘッドの前記移動方向に沿っている請求項1に記載の記録装置。

請求項3

前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドの移動と連動して前記移動方向に移動する請求項2に記載の記録装置。

請求項4

前記ヘッドを支持して前記ヘッドを前記移動方向に移動させるヘッドフレームと、前記媒体押さえ部材に設けられた係合部と係合し、前記ヘッドがメンテナンスされるときに前記媒体押さえ部材の動き規制する規制部材と、を備え、前記ヘッドは、当該ヘッドがメンテナンスされるときに前記移動方向において前記支持部に近接する側に移動し、前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドよりも前記搬送方向の上流側において前記押さえ位置に保持可能に前記ヘッドフレームに支持され、前記ヘッドがメンテナンスされるときにおいて前記規制部材により前記移動方向において前記支持部に近接する側への移動が規制されることにより前記ヘッドの液体吐出面よりも前記支持面から離れる方向に移動する請求項3に記載の記録装置。

請求項5

前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドフレームに対して前記移動方向において前記支持部に近接する側に向かって付勢されている請求項4に記載の記録装置。

請求項6

前記ヘッドを支持して前記ヘッドを前記移動方向に移動させるヘッドフレームと、前記媒体押さえ部材に前記ヘッドフレームに向かう力を付与する付勢部材と、前記押さえ位置において前記媒体押さえ部材と接触することにより、前記媒体押さえ部材の動きを規制する規制部材と、を備え、前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドよりも前記搬送方向の上流側において前記押さえ位置に保持可能に前記ヘッドフレームに支持され、前記ヘッドがメンテナンスされるときにおいて前記規制部材が前記ヘッドフレーム内に移動することにより前記ヘッドの前記液体吐出面よりも前記支持面から離れる方向に移動する請求項3に記載の記録装置。

請求項7

前記ヘッドを支持するヘッドフレームと、前記ヘッドフレームを前記移動方向に移動させることにより前記ヘッドを移動方向に移動させるカムと、を備え、前記媒体押さえ部材は、前記カムにより前記移動方向に移動させられる請求項3に記載の記録装置。

請求項8

前記媒体案内面は、ローラー外周面を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録装置。

請求項9

前記支持部は、静電吸着により前記媒体を搬送する搬送ベルトである請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録装置。

技術分野

0001

本発明は、支持部からの媒体浮き上がりを抑制可能な媒体押さえ部材を備える記録装置に関する。

背景技術

0002

従来から、媒体の一例である用紙を搬送する搬送部を備え、搬送部によって搬送された用紙の印刷面にヘッド液体吐出面からインク液体)を吐出することにより画像等の記録(印刷)を行う記録装置が知られている。搬送部の一例として、ローラー懸架されて周回する無端状の搬送ベルトを備えるものが知られている。搬送ベルトは、搬送する用紙の印刷面とは反対側の面をベルト面に吸着させて搬送することができる。

0003

用紙はベルト面に吸着されているものの、用紙がベルト面から浮き上がると、印刷品質の低下を招く。また、用紙が未乾燥の状態で搬送される場合、用紙の端部がカールし、ベルト面から浮き上がりやすくなる。そこで、特許文献1の記録装置は、用紙のベルト面からの浮き上がりを抑制するために、ヘッドの上流側においてヘッドの液体吐出面よりもベルト面に近い押さえ位置に突出した媒体案内面で媒体を押さえる媒体押さえ部材を備えている。

0004

他方、媒体案内面がヘッドの液体吐出面よりも突出している状態においては、媒体押さえ部材がヘッドのメンテナンス、例えばヘッドのクリーニングキャッピングを妨げる虞がある。そこで、特許文献1の記録装置は、ヘッドがメンテナンスされるときにおいて媒体案内面がヘッドの液体吐出面よりも突出しないように媒体押さえ部材を移動させている。

先行技術

0005

特開2012−218354号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、押さえ位置における媒体案内面とベルト面との間隔が大きい場合、用紙の端部がベルト面から浮いた状態を許容しやすくなり、適切な印刷が行われずに印刷品質が低下する虞がある。しかし、押さえ位置における媒体案内面とベルト面との間隔が用紙のカールに対して小さい場合、用紙が媒体案内面とベルト面との間に入り込まずに用紙の詰まりが発生する虞がある。

0007

本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、媒体押さえ部材が媒体の浮き上がりを適切に抑制することのできる記録装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する記録装置は、搬送方向に搬送される媒体を支持する支持部の支持面と直交する移動方向に移動し、前記移動方向において複数の記録位置で位置決めされ、前記媒体に対して液体吐出面から液体を吐出するヘッドと、前記媒体と対向可能な媒体案内面を有する媒体押さえ部材と、を備え、前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドが前記記録位置で位置決めされているときには前記媒体案内面の少なくとも一部が前記ヘッドの前記液体吐出面よりも前記支持面に近い、前記複数の記録位置と対応する押さえ位置に保持される一方、前記ヘッドがメンテナンスされるときには前記媒体案内面が前記ヘッドの前記液体吐出面よりも前記支持面から離れた退避位置に前記押さえ位置から移動可能である。

0009

上記構成によれば、媒体の浮き上がりを押さえるための媒体押さえ部材における媒体案内面の位置を、ヘッドが記録位置に位置決めされているときと、ヘッドがメンテナンスされるときとで異なるように移動することができる。このため、媒体の厚さや状態等に応じて媒体案内面と支持面との間隔を変更することができるため、媒体の浮き上がりを適切に抑制することができる。

0010

また、上記記録装置において、前記媒体押さえ部材が押さえ位置から退避位置へ移動する方向は、前記ヘッドの前記移動方向に沿っていることが好ましい。
例えば、媒体押さえ部材の押さえ位置から退避位置への移動方向とヘッドの移動方向とを直交させる場合、記録装置に媒体押さえ部材とヘッドを移動させるための複数の空間が設けられることになり、印刷装置が大型化する虞がある。この点、上記構成によれば、媒体押さえ部材が退避位置へ移動する方向がヘッドの移動方向に沿っているため、媒体押さえ部材が退避位置へ移動する方向がヘッドの移動方向に沿わない場合と比較して、印刷装置を小型化できる。

0011

また、上記記録装置において、前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドの移動と連動して前記移動方向に移動することが好ましい。
上記構成によれば、ヘッドを移動させるための駆動源と媒体押さえ部材を移動させるための駆動源とを共通化することができる。

0012

また、上記記録装置においては、前記ヘッドを支持して前記ヘッドを前記移動方向に移動させるヘッドフレームと、前記媒体押さえ部材に設けられた係合部と係合し、前記ヘッドがメンテナンスされているときに前記媒体押さえ部材の動き規制する規制部材と、を備え、前記ヘッドは、当該ヘッドがメンテナンスされているときに前記移動方向において前記支持部に近接する側に移動し、前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドよりも前記搬送方向の上流側において前記押さえ位置に保持可能に前記ヘッドフレームに支持され、前記ヘッドがメンテナンスされているときにおいて前記規制部材により前記移動方向において前記支持部に近接する側への移動が規制されることにより前記ヘッドの液体吐出面よりも前記支持面から離れる方向に移動することが好ましい。

0013

上記構成によれば、ヘッドが移動方向に移動してヘッドの記録位置が変更されるときにヘッドフレームに支持されている媒体押さえ部材も移動して押さえ位置が変更される。このため、ヘッドの移動量と押さえ部材の移動量とを同一にすることができるため、媒体の厚さや状態等に応じて記録位置を変更する際に、押さえ位置も媒体の厚さや状態等に応じた位置に変更することができる。

0014

また、上記記録装置において、前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドフレームに対して前記移動方向において前記支持部に近接する側に向かって付勢されていることが好ましい。
上記構成によれば、媒体押さえ部材は移動方向において支持部に近接する側に向かって付勢されているため、媒体の浮き上がりをより抑制することができ、媒体の搬送にかかる負荷を低減できる。

0015

また、上記記録装置においては、前記ヘッドを支持して前記ヘッドを前記移動方向に移動させるヘッドフレームと、前記媒体押さえ部材に前記ヘッドフレームに向かう力を付与する付勢部材と、前記押さえ位置において前記媒体押さえ部材と接触することにより、前記媒体押さえ部材の動きを規制する規制部材と、を備え、前記媒体押さえ部材は、前記ヘッドよりも前記搬送方向の上流側において前記押さえ位置に保持可能に前記ヘッドフレームに支持され、前記ヘッドがメンテナンスされているときにおいて前記規制部材が前記ヘッドフレーム内に移動することにより前記ヘッドの前記液体吐出面よりも前記支持面から離れる方向に移動することが好ましい。

0016

上記構成によれば、ヘッドが移動方向に移動してヘッドの記録位置が変更されるときにヘッドフレームに支持されている媒体押さえ部材も移動して押さえ位置が変更される。このため、ヘッドの移動量と押さえ部材の移動量とを同一にすることができるため、媒体の厚さや状態等に応じて記録位置を変更する際に、押さえ位置も媒体の厚さや状態等に応じた位置に変更することができる。

0017

また、上記記録装置においては、前記ヘッドを支持するヘッドフレームと、前記ヘッドフレームを前記移動方向に移動させることにより前記ヘッドを移動方向に移動させるカムと、を備え、前記媒体押さえ部材は、前記カムにより前記移動方向に移動させられることが好ましい。

0018

上記構成によれば、ヘッドを移動方向に移動させるカムにより押さえ部材を移動させることができるため、ヘッド及び媒体押さえ部材の移動をカムにより同時に行うことができる。

0019

また、上記記録装置において、前記媒体案内面は、ローラーの外周面を含むことが好ましい。
上記構成によれば、媒体案内面にローラーの外周面が含まれるため、媒体が媒体案内面に接触したときの搬送方向の移動がローラーにより補助される。このため、媒体の搬送にかかる負荷が低減される。

0020

また、上記記録装置において、前記支持部は、静電吸着により前記媒体を搬送する搬送ベルトである。
上記構成によれば、搬送ベルトの静電吸着により媒体の浮き上がりがより抑制される。

図面の簡単な説明

0021

記録装置の一実施形態の概略構造を示す正面図。
図1において記録部から搬送ベルトが離れ、キャップが接触した状態を示す正面図。
記録部が記録位置にあるときの記録部の側面図。
図3部分拡大図
移動機構の斜視図。
図3のD6−D6線矢視断面図。
規制部材の斜視図。
規制部材とガイド部材とが係合している状態を示す斜視図。
記録部が記録位置にあり、ギャップが最大となるときの記録部の側面図。
図9のD10−D10線矢視断面図。
記録部がメンテナンス位置にあるときの記録部の側面図。
図11のD12−D12線矢視断面図。
変形例の記録部が記録位置にあるときの記録部の側面図。
図13の記録部がメンテナンス位置にあるときの記録部の側面図。
変形例の記録部の部分側面図。
図15の記録部の背面図。

実施例

0022

以下、記録装置の一実施形態として、液体の一例であるインクを吐出するヘッドを備え、媒体の一例である用紙にインクを吐出して文字や図形などを含む画像を印刷(記録)するインクジェット式プリンターについて、図を参照して説明する。

0023

図1に示すように、本実施形態の記録装置の一例としてのプリンター11は、複数の外装ケースなどからなる略直方体を呈する筐体12を装置本体として有する。プリンター11は、筐体12内に、図1に太い一点鎖線で示すように、用紙14を搬送する搬送経路13を備える。そして、この搬送経路13に沿って、用紙14を搬送する搬送部50と、搬送される用紙14に対してインクを吐出して記録を行う記録部70とが、筐体12に装着されている。搬送部50は、用紙14を搬送する複数のローラー対と、用紙14を鉛直方向Zにおける下方ZB側から支持しつつ搬送する搬送ベルト51とを備えている。搬送ベルト51は、ベルト移動部60によって、搬送経路13を挟んで記録部70と対峙する第1位置に移動可能とされた状態、すなわち使用可能な状態で筐体12に装着されている。

0024

記録部70は、用紙14の搬送方向Yと交差(ここでは直交)する幅方向Xを長手方向とし、この長手方向に亘ってインクを同時に吐出可能なヘッド72を有する所謂ラインヘッドである。ラインヘッドとされた記録部70は、搬送ベルト51に支持された状態で搬送される用紙14に向かって上方ZA側(上側)からインクを吐出することにより記録としての印刷を行う。なお、記録部70によって用紙14への印刷が行われるときの搬送ベルト51の位置、すなわち搬送ベルト51が記録部70と対峙する第1位置を搬送位置KPと呼称する。

0025

搬送経路13は、記録部70よりも搬送方向Y上流側の第1供給経路21及び第2供給経路22と、記録部70よりも搬送方向Y下流側の第3供給経路23、分岐経路24、及び、排出経路25とにより構成されている。

0026

第1供給経路21は、筐体12の下方ZB側となる底部に挿抜可能に備えられた用紙カセット27と、記録部70とを結ぶ経路である。そして、第1供給経路21には、用紙カセット27に積層状態で載置された用紙14のうち、最上位の用紙14を送り出すピックアップローラー28と、このピックアップローラー28により送り出された用紙14を1枚ずつ分離する分離ローラー29とが設けられている。さらに、分離ローラー29よりも搬送方向Y下流側には、第1供給ローラー対31が設けられている。

0027

第2供給経路22は、筐体12の一側面に備えられたカバー12aを開けることによって露出する挿入部12bと、記録部70とを結ぶ経路である。そして、第2供給経路22には、挿入部12bから挿入された用紙14を挟持して搬送する第2供給ローラー対32が設けられている。さらに、第1供給経路21と第2供給経路22と第3供給経路23とが合流した位置には、第3供給ローラー対33が設けられていると共に、第3供給経路23には、第5供給ローラー対35が設けられている。

0028

第3供給経路23は、記録部70を囲うように設けられた経路であって、一旦記録部70を通過した用紙14を、再び記録部70よりも上流側へ戻すための経路である。すなわち、記録部70よりも下流側には、分岐機構36が設けられていると共に、排出経路25から分岐した分岐経路24には、正転逆転の双方の回転が可能な分岐ローラー対37が設けられている。

0029

排出経路25は、印刷済みの用紙14が排出される排出口38と、記録部70とを結ぶ経路である。なお、排出口38から排出された用紙14は載置台39に載置される。そして、排出経路25には、少なくとも1つの搬送ローラー対(本実施形態では、第1搬送ローラー対41〜第5搬送ローラー対45)が設けられている。さらに、第3供給経路23にも第6搬送ローラー対46、及び第7搬送ローラー対47が設けられている。これらの第1搬送ローラー対41〜第7搬送ローラー対47はインクが付着した用紙14を挟持して搬送する。

0030

すなわち、第1搬送ローラー対41〜第7搬送ローラー対47は、それぞれ、駆動源の駆動力に基づいて回転する円柱状の駆動ローラー48と、駆動ローラー48の回転に伴って従動回転する歯付きローラー49とにより構成されている。また、歯付きローラー49は、駆動ローラー48と対をなさずに単独でも設けられている。すなわち、歯付きローラー49は、第3供給経路23、分岐経路24、排出経路25において、用紙14の印刷が施された面である印刷面(記録面)が通過する側に設けられている。また、歯付きローラー49は、搬送方向において第1搬送ローラー対41〜第7搬送ローラー対47の各搬送ローラー対の間にも設けられており、各搬送ローラー対と記録部70との間にも設けられている。一方、駆動ローラー48は、用紙14の印刷が施されていない非印刷面(非記録面)、もしくは両面印刷された用紙14では先に印刷された面が通過する側に設けられている。

0031

本実施形態では、記録部70に対峙する搬送位置KPにある搬送ベルト51が、その外周面となるベルト面51aに用紙14を静電吸着によって支持した状態で、周回することによって用紙14を搬送する。すなわち、搬送ベルト51は、静電吸着によって用紙14を搬送する。この点で、搬送ベルト51は「搬送方向Yに搬送される用紙14を支持する支持部」に相当し、ベルト面51aは「支持面」に相当する。

0032

すなわち、搬送ベルト51は、2つのローラー間に張架された無端状のベルトであって、2つのローラーのうちの一方のローラーは駆動源によって回動される駆動ローラー52とされ、他方のローラーはベルトの周回に伴って回転する従動ローラー53とされている。また、帯電ローラー54は、金属製のローラー軸の表面にゴム層が形成されており、ローラー軸の端部に、図示しない板バネ直接接触させて高圧印加される。あるいは、帯電ローラー54は、帯電ローラー54のローラー軸を受ける軸受部導電性軸受導電性樹脂または焼結軸受など)とされ、この導電性軸受を介して高圧が印加される構成とされてもよい。そして、搬送ベルト51は、駆動ローラー52の回転に伴って周回し、この周回時においてベルト面51aに接触する帯電ローラー54によって搬送ベルト51に静電気が帯電する。なお、帯電ローラー54は、搬送ベルト51に対し、正の電荷と負の電荷とを交互に供給することが好ましい。搬送ベルトは、この帯電した静電気によって、駆動ローラー52と従動ローラー53との間に形成される上方ZA側の平坦なベルト面51aに用紙14を吸着し、吸着した用紙14を記録部70に対峙させながら搬送方向Yへ搬送する。

0033

また、本実施形態では、記録部70に対して、搬送方向Y上流側において用紙14を検出する第1センサーSaと、搬送方向Y下流側において用紙14を検出する第2センサーSbと、が配設されている。第1センサーSa及び第2センサーSbは、用紙14を検出したときに所定の信号を出力する「ON」の状態となるセンサー(例えば光学式センサー)であり、用紙14が滞ることなく搬送ベルト51により搬送されている場合、第1センサーSaが「ON」となってから所定の時間後に第2センサーSbが「ON」となる。

0034

プリンター11は、搬送ベルト51が、記録部70によって印刷が行われる搬送位置KPから、この搬送位置KPよりも記録部70から離れた第2位置へ移動させるベルト移動部60が備えられている。すなわち、ベルト移動部60は、駆動源としての第1モーターM1の駆動に伴って作動するリンク部材61を有している。このリンク部材61が、第1モーターM1の駆動に伴って動作し、搬送ベルト51を、第1位置である搬送位置KPから、図1において二点鎖線の矢印で示すように、駆動ローラー52を中心に従動ローラー53側を下方ZBに向かって揺動させて、搬送位置KPよりも記録部70から離れた第2位置に移動させる。

0035

図2に示すように、本実施形態では、搬送ベルト51が搬送位置KPから駆動ローラー52を中心に約90度回転(揺動)した位置が第2位置とされ、この第2位置をクリーニング位置TPと呼称する。そして、本実施形態では、搬送ベルト51のベルト面51aは、搬送位置KPでは略水平面となる水平姿勢となり、クリーニング位置TPでは鉛直方向Zに沿う略垂直面となる垂直姿勢となる。

0036

ところで、搬送ベルト51がこのクリーニング位置TPにある状態は、記録部70による用紙14への印刷が行われない状態である。そこで、プリンター11において、例えば記録部70内のインクの乾燥を抑制することによって記録部70の印刷性能(例えば印字品質)を維持するべく、図2に示すように、印刷が行われない状態の記録部70に対して下方ZB側からキャップ65を接触させて記録部70を覆うキャップ移動機構64が備えられている。

0037

このキャップ移動機構64は、記録部70において少なくともインクを吐出する部分を閉空間で覆うことが可能なキャップ65を保持する第1の部材66と第2の部材67とが、搬送方向Yに沿って往復移動する際にリンク機構カム機構によってキャップ65を鉛直方向Zに沿って移動(上下移動)させる構造とされている。そして、図1に示すように、記録部70から離れた記録部70を覆わない状態においては、キャップ65、及びキャップ移動機構64を構成する部材(例えば、第1の部材66と第2の部材67)は、図中二点鎖線の矢印で示すように搬送位置KPとクリーニング位置TPとの間を移動(揺動)する搬送ベルト51とは接触しない位置に配設される。換言すれば、搬送ベルト51は、その搬送位置KPとクリーニング位置TPとの間の移動において、記録部70を覆わない状態のキャップ65及びキャップ移動機構64と接触しないようにプリンター11に備えられている。

0038

また、図1及び図2に示すように、プリンター11は、第2位置にある搬送ベルト51の付近に搬送ベルト51の汚れを除去するクリーニング部材63を有するクリーニングユニット62が備えられている。

0039

クリーニングユニット62は、図示しない駆動源としてのモーターの駆動に伴って搬送方向Yに沿って往復移動可能とされ、クリーニング部材63が搬送方向Yへの移動により搬送ベルト51のベルト面51aに接触することによって、ベルト面51aに付着したインクなどの汚れを拭き取ってクリーニングする。

0040

クリーニングユニット62は、織布(ウエブ)などのクリーニング部材63が、丸軸形状ロール芯ロール状に巻かれた状態で、搬送方向Yと交差する幅方向Xの両端部のフレーム(図示略)に支持されている。

0041

クリーニングユニット62は、図示しない駆動源(例えばアクチュエーター)によって搬送方向Yに沿って往復移動(スライド移動)する構成とされている。このクリーニングユニット62の移動にともなって、クリーニング部材63が図2の第2位置にある搬送ベルト51のベルト面51aに接触する。制御装置100は、クリーニング部材63とベルト面51aとが接触した状態で帯電ローラー54を回転させることにより、クリーニング部材63によるベルト面51aのクリーニングを行う。

0042

クリーニングユニット62によるクリーニングは、例えば搬送ベルト51が汚れたと推定された場合に実行される。これらの動作処理は、制御装置100によって実行される。制御装置100は、中央演算処理装置(CPU)、記憶装置メモリ)、及び、各種の駆動回路などによって構成され、記録部70においてインクを吐出させる処理などの印刷処理を制御する。制御装置100は、各駆動源などを所定の順序駆動制御することにより各処理を実行する。

0043

制御装置100は、用紙14の印刷時において、第1センサーSaが「ON」となったら、例えばプリンター11に入力された印刷データに基づいて印刷を開始する処理、つまり記録部70においてインクの吐出を開始する処理を実行する。そして、制御装置100は、設定時間内に第2センサーSbが「ON」したか否か、すなわち第1センサーSaが用紙14を検出してから第2センサーSbが用紙14を検出するまでの経過時間が、設定された時間内であるか否かの判定処理を行う。設定された時間は、例えば、用紙14が滞りなく搬送経路13に沿って搬送される場合の第1センサーSaから第2センサーSbまでの到達時間である。

0044

第2センサーSbが設定時間内に「ON」となって用紙14が検出された場合は、用紙14は滞ることなく搬送経路13を搬送されていることになるので、今の印刷の続行処理が行われたのち、次の印刷に備えるべく印刷待機の状態となる。他方、第2センサーSbが設定時間内に「ON」しない場合、すなわち第2センサーSbが用紙14を検出しない場合は、用紙14は搬送経路13において搬送ベルト51による搬送が滞ったジャム状態であると推定される。このように用紙14がジャム状態(紙ジャム)となった場合は、記録部70において吐出されたインクが用紙14に付着せずに搬送ベルト51に付着してしまうことが生じ得る。また、ユーザーにより搬送が滞った用紙14を除去する紙ジャム処理が行われた際に、インクの付着した用紙14が引きずられることによって記録部70まわりにインクが付着してしまうことが生じ得る。このため、制御装置100は、ユーザーによる紙ジャム処理が行われた後、クリーニングユニット62による搬送ベルト51のクリーニングを行うため、搬送ベルト51を第2位置に移動させる。他方、制御装置100は、キャップ移動機構64を図1に示す記録部70を覆わない位置から、図2に示す記録部70を覆う位置に移動させる。

0045

図3及び図4を参照して、記録部70について説明する。
記録部70は、筐体12(図1参照)に支持されるヘッドフレーム71、用紙14に対して液体吐出面(以下、「ヘッド面72a」)からインク(液体)を吐出するヘッド72、及び、ヘッド72を移動させる移動機構75(図5参照)を備える。

0046

ヘッドフレーム71は、鉛直方向Zの上方ZA側にインクが収容されるインク収容部73が設けられる。ヘッド72のヘッド面72aには、インク収容部73内部のインクを搬送ベルト51により搬送される用紙14に向かって吐出するノズル(図示略)が形成されている。

0047

図4に示されるように、ヘッド72は、ヘッド面72aが搬送位置KPにあるベルト面51aと平行するように、ヘッドフレーム71に支持されている。用紙14への印刷時において、ヘッド面72aは、ベルト面51aから所定の距離を隔てた位置(以下、「記録位置」)に保持される。以下、用紙14への印刷時におけるヘッド面72aとベルト面51aとの距離を「ギャップG」と言う。

0048

ヘッド72は、移動機構75(図5参照)により搬送ベルト51のベルト面51aと直交する移動方向Wに移動する。ヘッド72は、移動機構75により移動方向Wに移動することにより、異なるギャップGを有する記録位置PHAに保持される。すなわち、ヘッド72は、移動方向Wにおいて複数の記録位置PHAで位置決めされる。

0049

図5に示すように、移動機構75は、駆動源であるモーター76と、モーター76の回転が伝達されるカムシャフト77、及び、カムシャフト77に設けられるカム78を備える。モーター76は、筐体12(図1参照)に支持され、幅方向Xに延びるカムシャフト77の一方の端部に接続されている。カム78は、カムシャフト77の軸方向の両端部付近に設けられている。カム78は、外周が円形状を有し、カムシャフト77はカム78の中心から偏心した位置に挿通されている。ヘッドフレーム71には、カム78の上方ZA側の部分に接触可能な位置にカム受部71aが設けられ、ヘッドフレーム71を移動方向Wに沿って移動させるためのガイド部71bが設けられている。ガイド部71bは、鉛直方向Zに延びる円筒状の部材であり、内部に筐体12(図1参照)に支持される棒状の部材(図示略)が摺動可能に収容される。このため、ヘッドフレーム71及びヘッドフレーム71に支持されるヘッド72は、ガイド部71bの延びる移動方向Wに沿って移動することができる。換言すれば、ヘッドフレーム71はヘッド72を移動方向Wに移動させる。本実施形態では、ガイド部71bは鉛直方向Zに延びるため、ヘッドフレーム71の移動方向Wは、鉛直方向Zと一致する。また、移動方向Wは、搬送ベルト51のベルト面51aと直交する。

0050

モーター76が回転するとき、カム78が偏心して回転する。これにより、カム受部71aを介してヘッド72が移動方向Wにおいてベルト面51aから離間する離間方向WA側に押し上げられる、または、重力に従い移動方向Wにおいてベルト面51aに近接する近接方向WB側に下がる。図4に示すヘッド72が離間方向WAに移動するとき、ヘッド面72aは、ベルト面51aから離間する方向に移動するため、ギャップGが大きくなる。ヘッド72が近接方向WBに移動するとき、ヘッド面72aは、ベルト面51aに近づく方向に移動するため、ギャップGが小さくなる。すなわち、ヘッド72は、モーター76の回転により複数の記録位置PHAを取ることができる。また、モーター76の回転を停止することにより、ヘッド72は、移動方向Wにおいて複数の記録位置PHAで保持される。

0051

図3に示されるように、記録部70の搬送方向Yの上流側及び下流側には、用紙14の浮き上がりを抑制する押さえ機構80が設けられている。記録部70の搬送方向Yの上流側の端部には、第1の押さえ部材81が設けられ、下流側の端部には第2の押さえ部材84が設けられている。

0052

図4に示されるように、第1の押さえ部材81は、ヘッド72よりも搬送方向Yの上流側において押さえ位置P1に保持可能にヘッドフレーム71に支持されている。第1の押さえ部材81は、用紙14と対向可能な媒体案内面81aを有する。この点で、第1の押さえ部材81は「媒体押さえ部材」に相当する。第1の押さえ部材81は、複数のガイド部材82及び複数のローラー83により構成されている。複数のガイド部材82及び複数のローラー83は、それぞれ幅方向Xに並んで配置されている。ガイド部材82は、ベルト面51aと対向可能な傾斜面82aを備えている。傾斜面82aは、搬送方向Yの上流側から下流側に向かうにつれて、鉛直方向Zの上方ZAから下方ZBに向かうように傾斜している。ローラー83は、ガイド部材82の搬送方向Yの下流側の端部においてガイド部材82に回転可能に支持されている。ローラー83は、軸方向が搬送方向Yと直交する方向(幅方向X)と一致する。傾斜面82a及びローラー83の外周面83aにより、媒体案内面81aが構成されている。すなわち、媒体案内面81aは、ローラー83の外周面83aを含む。第1の押さえ部材81は、ヘッドフレーム71と第1の押さえ部材81に設けられる保持機構90とにより位置決めされる。

0053

図3に示されるように、第2の押さえ部材84は、ヘッド72よりも搬送方向Yの下流側においてヘッドフレーム71に支持されている。第2の押さえ部材84は、ヘッドフレーム71に支持されている。第2の押さえ部材84の用紙14と対向可能な下面84aは、ヘッド72のヘッド面72aよりも移動方向Wの離間方向WA側に位置している。第2の押さえ部材84は、記録部70により印刷された用紙14が下面84aよりもベルト面51aから浮き上がることを抑制する。

0054

図4及び図6図8を参照して、保持機構90の構成について説明する。
図4に示されるように、保持機構90は、第1の押さえ部材81の動きを規制する規制部材91と、第1の押さえ部材81をヘッドフレーム71に対して移動方向Wにおいてベルト面51aに近接する側(近接方向WB側)に向かって付勢する付勢部材92と、を備えている。

0055

図6に示されるように、ガイド部材82は、鉛直方向Zの上方ZA側に突出する複数の爪82bを備えている。爪82bは上方ZA側の先端が、ヘッドフレーム71の鉛直方向Zの下方ZB側の部分に設けられる保持部71cの穴71dの縁に引っかかることができるように穴71dに挿入されている。ヘッドフレーム71とガイド部材82との間には、ガイド部材82に鉛直方向Zの下方ZBに向かう力を付与する付勢部材92が配置されている。このため、ヘッドフレーム71が移動方向Wの近接方向WBに移動するとき、付勢部材92及び重力によって、ガイド部材82がヘッドフレーム71とともに近接方向WBに移動する。また、ヘッドフレーム71が移動方向Wの離間方向WAに移動するとき、付勢部材92及び重力によって爪82bが穴71dの縁に引っ掛かり、ガイド部材82がヘッドフレーム71とともに離間方向WAに移動する。このように、第1の押さえ部材81は、ヘッド72と連動して移動方向Wに移動する。爪82bが穴71dの縁に引っ掛かる限り、第1の押さえ部材81の媒体案内面81aの少なくとも一部がヘッド面72aよりも近接方向WB側に位置する。なお、以下では第1の押さえ部材81の媒体案内面81aの少なくとも一部がヘッド面72aよりも近接方向WB側にあるときの第1の押さえ部材81の位置を押さえ位置P1とする。押さえ位置P1は、移動方向Wに沿って移動可能である。

0056

図7に示されるように、規制部材91は、幅方向Xに延びる長尺部材であり、軸方向の両端部を筐体12(図1参照)に対して移動不能に筐体12に支持されている。規制部材91は、搬送方向Yの下流側に向かって突出する複数の突出部91aを備えている。複数の突出部91aは、幅方向Xに並んで設けられている。

0057

図8に示されるように、ガイド部材82には、鉛直方向Zの上方ZA側に突出する複数の係合部82cが設けられている。係合部82cは、上方ZA側の先端が搬送方向Yの上流側に曲げられている。複数の係合部82cは、それぞれが規制部材91における突出部91aの上方ZA側の面と対向するように配置されている。このため、第1の押さえ部材81の移動方向Wの近接方向WBへの移動は、係合部82cが突出部91aと接触することにより規制される。そして、図6に示すヘッド72が係合部82cと突出部91aとが接触してからさらに移動方向Wの近接方向WBに移動するとき、ヘッド72の移動方向Wの位置は変化するが、第1の押さえ部材81の移動方向Wの位置は変化しない。このため、第1の押さえ部材81がヘッド72に対して移動方向Wの離間方向WAに相対移動する。すなわち、第1の押さえ部材81は、媒体案内面81aが移動方向Wにおいてヘッド面72aよりもベルト面51aから離れる方向(以下、「退避方向」ともいう。)に移動する。なお、以下では係合部82cと突出部91aとが接触するときの第1の押さえ部材81の位置を退避位置P2(図11参照)とする。ヘッド72は、爪82bの先端が穴71dの上方ZA側に形成される度当て部(例えば、穴71dの天井面)と接触する位置まで、または、付勢部材92が最大に圧縮されるまで移動方向Wの近接方向WB側に移動することができる。

0058

次に、本実施形態のプリンター11の作用について説明する。
図1に示すように、プリンター11は、用紙14に印刷を行うとき、搬送ベルト51が搬送位置KPに配置されている。制御装置100は、図示しない操作部をユーザーが操作することにより、または、印刷を行う用紙14の厚さを自動的に検出して、移動機構75(図5参照)を制御してヘッド72を移動方向Wに移動させて図4に示すギャップGを変更する。

0059

また、図1に示す制御装置100は、搬送経路13において紙ジャムが発生したとき、移動機構75(図5参照)を制御して図9及び図10に示すギャップGが最大となる位置までヘッド72を移動方向Wの離間方向WAに移動させることができる。

0060

図3に示すギャップGが最小となる記録位置PHAから、図9に示すギャップGが最大となる記録位置PHAまでにおいて、第1の押さえ部材81は、ヘッド72と同様に移動する。このため、ヘッド72が記録位置PHAにあるとき、第1の押さえ部材81の媒体案内面81aの搬送方向Yの下流側の端部は、ヘッド面72aよりも搬送ベルト51に近い位置に維持される。すなわち、第1の押さえ部材81は、ヘッド72が記録位置PHAで位置決めされているときには、媒体案内面81aの少なくとも一部がヘッド72のヘッド面72aよりもベルト面51aに近い押さえ位置P1に保持される。記録位置PHAの変化にともなって押さえ位置P1も変化する。すなわち、押さえ位置P1は、複数の記録位置PHAと対応する。

0061

図2に示すように、プリンター11は、搬送ベルト51のクリーニングを行うとき、搬送ベルト51がクリーニング位置TPに配置されている。そして、このとき、記録部70の乾燥を抑制するために制御装置100は、キャップ65をヘッド72のヘッド面72a(図11参照)付近かつヘッド面72aよりも移動方向Wにおいて近接方向WB側のキャップ位置に移動させる。このとき、制御装置100は、図11に示すようにヘッド72を記録位置PHAよりも移動方向Wにおいて近接方向WB側のメンテナンス位置PHBに移動させる。ヘッド72は、搬送ベルト51のクリーニング時に限らず、プリンター11をキャップ65で覆うキャッピング時にも、プリンター11のメンテナンスされるとき(メンテナンス時)における動作態様として、移動方向Wにおいて搬送ベルト51に近接する側(近接方向WB側)に移動する。

0062

このとき、第1の押さえ部材81は、係合部82c(図12参照)が突出部91aに引っ掛かり、移動方向Wの近接方向WB側への移動が規制されている。すなわち、メンテナンス時に規制部材91は係合部82cと係合し、移動方向Wにおける近接方向WB側への第1の押さえ部材81の動きを規制する。このため、図12に示すように、ガイド部材82は、爪82bがヘッドフレーム71の穴71dの縁よりも移動方向Wの離間方向WA側に位置している。そして、第1の押さえ部材81は、媒体案内面81aの全体がヘッド面72aよりも移動方向Wの離間方向WAに位置している。すなわち、第1の押さえ部材81は、メンテナンス時において規制部材91により移動方向Wにおいて搬送ベルト51に近接する側(近接方向WB側)への移動が規制されることにより、ヘッド72のヘッド面72aよりもベルト面51aから離れる退避方向に移動する。

0063

上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)プリンター11は、用紙14の浮き上がりを押さえるための第1の押さえ部材81の媒体案内面81aによる押さえ位置P1を移動することができる。すなわち、第1の押さえ部材81を、ヘッド72が記録位置PHAに位置決めされているときと、ヘッド72がクリーニングなどでメンテナンスされるときとで、媒体案内面81aによる押さえ位置P1および退避位置P2が異なるように、移動させることができる。このため、用紙14の厚さや状態等に応じて媒体案内面81aとベルト面51aとの間隔を変更することができるため、用紙14の浮き上がりを適切に抑制することができる。

0064

(2)例えば、第1の押さえ部材81の押さえ位置P1からメンテナンス時における退避位置P2への移動方向とヘッド72の移動方向Wとを直交させる場合、プリンター11に第1の押さえ部材81とヘッド72を移動させるための複数の空間が設けられることになり、プリンター11が大型化する虞がある。この点、本実施形態では、第1の押さえ部材81の退避方向(移動方向)がヘッド72の移動方向Wに沿っているため、退避方向が移動方向Wに沿わない場合と比較して、プリンター11を小型化できる。

0065

(3)プリンター11は、第1の押さえ部材81がヘッド72の移動と連動して移動方向Wに移動する。このため、ヘッド72を移動させるための駆動源と第1の押さえ部材81を移動させるための駆動源とを共通化したモーター76にすることができる。

0066

(4)プリンター11は、ヘッド72が移動方向Wに移動してヘッド72の記録位置PHAが変更されるときにヘッドフレーム71に支持されている第1の押さえ部材81も移動して押さえ位置P1が変更される。このため、ヘッド72の移動量と第1の押さえ部材81の移動量とを同一にすることができるため、用紙14の厚さや状態等に応じて記録位置PHAを変更する際に、押さえ位置P1も用紙14の厚さや状態等に応じた位置に変更することができる。

0067

(5)プリンター11は、第1の押さえ部材81が移動方向Wにおいて搬送ベルト51に近接する側に向かって付勢されているため、用紙14の浮き上がりをより抑制することができ、用紙14の搬送にかかる負荷を低減できる。また、静電吸着の搬送ベルト51に用紙14を押し付けることができるため、静電吸着の効率を高めることができる。

0068

(6)プリンター11は、媒体案内面81aにローラー83の外周面83aが含まれるため、用紙14が媒体案内面81aに接触したときの搬送方向Yの移動がローラー83により補助される。このため、用紙14の搬送にかかる負荷が低減される。

0069

(7)プリンター11の搬送ベルト51は、静電吸着によって用紙14を搬送するため、用紙14の浮き上がりがより抑制される。また、静電吸着の搬送ベルト51を用いる搬送方法においては、用紙14をベルト面51aに確実に押し付けるために、媒体案内面81aとベルト面51aとの距離が用紙14の厚さに近い方が好ましい。プリンター11は、印刷時における媒体案内面81aの位置を変更可能である。このため、媒体案内面81aとベルト面51aとの距離を用紙14の厚さに応じて変更することにより印刷品質の低下を抑制することができる。

0070

なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態の保持機構90を、図13及び図14に示される保持機構190に変更することもできる。保持機構190は、押さえ位置P1において第1の押さえ部材81と接触することにより第1の押さえ部材81の動きを規制する規制部材191と、第1の押さえ部材81にヘッドフレーム71に向かう力を付与する付勢部材192とを備えている。付勢部材192の一端は、例えば、第1の押さえ部材81よりも移動方向Wの近接方向WB側において筐体12に取り付けられる。付勢部材192の一端は、第1の押さえ部材81に取り付けられる。このため、付勢部材192は、第1の押さえ部材81に移動方向Wの離間方向WA側に向かう力を付与する。規制部材191は、第1の押さえ部材81の移動方向Wの離間方向WA側の面と接触可能にヘッドフレーム71に設けられる。保持機構190は、規制部材191をヘッドフレーム71に収容する駆動機構をさらに備えている。制御装置100は、メンテナンス時において規制部材191をヘッドフレーム71内に移動させ、第1の押さえ部材81から離れさせる。このため、第1の押さえ部材81は、付勢部材192の付勢により移動方向Wの離間方向WA側に移動し、ヘッド72のヘッド面72aよりもベルト面51aから離れる退避方向(移動方向Wにおける離間方向WA)に移動する。

0071

・実施形態の押さえ機構80を、図15及び図16に示される押さえ機構180に変更することもできる。押さえ機構180は、カム78の上方ZA側の部分に接触可能なカム受部181aを有する支持体181を備えている。ガイド部材82の爪82bは、支持体181の下方ZB側の端部に形成される穴181bの縁に引っかかることができる。第1の押さえ部材81は、カムシャフト77が回転することにより、カム78に押し上げられて、または、重力にともなって移動方向Wに沿って移動する。すなわち、第1の押さえ部材81は、カム78により移動方向Wに移動させられる。

0072

図15及び図16に示す変形例において、カムシャフト77及びカム78とは異なる第2のカムシャフト及び第2のカムを設け、この第2のカムにカム受部181aを係合させることもできる。この変形例において、第2のカムシャフトを、カムシャフト77とは異なる駆動源に接続することもできる。制御装置100は、カムシャフト77及び第2のカムシャフトを各別に駆動させることにより、メンテナンス時に第1の押さえ部材81をヘッド面72aから退避させることができる。

0073

・実施形態の第1の押さえ部材81を移動方向Wに沿わない退避方向に退避(移動)させることもできる。この場合も、第1の押さえ部材81をヘッド面72aよりもベルト面51aから十分に離れた位置に移動させることにより、第1の押さえ部材81がヘッド面72aのメンテナンスを阻害することが抑制される。

0074

・実施形態の第1の押さえ部材81からローラー83を省略することもできる。
・上記実施形態において、搬送ベルト51に代えて搬送ローラーを採用することもできる。搬送ローラーは、静電吸着を行わないものとしてもよい。この場合、支持部は、板状の部材により構成され、ヘッド72のメンテナンス時においてヘッド72から離れる位置に移動する。

0075

・上記実施形態において、ベルト移動部60は、必ずしも駆動ローラー52のローラー軸を中心に揺動させて搬送ベルト51を搬送位置KPとクリーニング位置TPとの間で移動させる構成でなくてもよい。例えば、搬送ベルト51は、揺動による移動ではなく、平行移動によって搬送位置KPとクリーニング位置TPとの間を移動する構成であってもよい。

0076

・上記実施形態において、搬送ベルト51は、3つ以上の複数のローラー間に張架された無端状のベルトであってもよい。なお、この場合、複数のローラーのうちの少なくとも2つのローラーは、そのうちの1つのローラーが、搬送ベルト51の揺動中心となる本実施形態での駆動ローラー52とされ、他の1つのローラーが、記録部70と対峙して用紙14を搬送するベルト面51aを駆動ローラー52との間で形成する従動ローラー53とされる。

0077

・上記実施形態において、記録部70は、用紙14の幅方向Xの略全域に渡ってインクを同時に吐出可能な液体吐出ヘッドを備える所謂ラインヘッドの構成に限らない。例えば、記録部70は、用紙14の搬送方向と交差する幅方向Xに往復移動するキャリッジにインクを吐出する液体吐出ヘッドを備える所謂シリアルヘッドの構成であってもよい。なお、シリアルヘッドの構成の場合は、記録部70の長手方向は、キャリッジの移動方向であり、搬送される用紙14は搬送方向Yへ間欠搬送される構成とされる。

0078

・上記実施形態において、記録部70から吐出する記録液であるインクの供給元は、例えばプリンター11の筐体12の内部に設けられるインク収容体であってもよい。あるいは、筐体12の外部に設けられる所謂外付けタイプのインク収容体であってもよい。特に外付けタイプのインク収容体の場合はインクの容量を大きくできるので、記録部70からより多くのインクの吐出を行うことが可能である。

0079

なお、筐体12の外部に設けられたインク収容体から記録部70にインクを供給する場合には、インクを供給するためのインク供給チューブを筐体12の外側から内側へ引き回す必要がある。よって、この場合には、筐体12にインク供給チューブを挿通可能な孔や切り欠きなどを設けることが好ましい。あるいは筐体12に隙間を設け、この隙間を通してインク供給チューブを筐体12の外側から内側へ引き回しても良い。このようにすれば、インク供給チューブのインク流路を用いた記録部70に対するインクの供給を容易に行うことができる。

0080

・上記実施形態において、記録装置としてのプリンター11は、インク以外の他の流体(液体や、機能材料粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体ゲルのような流体、流体として流して吐出できる固体を含む)を吐出したり噴射したりして記録を行う流体吐出装置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材色材画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を吐出して印刷を行う液状体吐出装置であってもよい。また、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を吐出する流状体吐出装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体吐出装置に本発明を適用することができる。なお、本明細書において「流体」とは、気体のみからなる流体を含まない概念であり、流体には、例えば液体(無機溶剤有機溶剤溶液液状樹脂液状金属金属融液)等を含む)、液状体、流状体、粉粒体粒体粉体を含む)などが含まれる。

0081

11…プリンター(記録装置)、14…用紙(媒体)、51…搬送ベルト(支持部)、51a…ベルト面(支持面)、70…記録部、71…ヘッドフレーム、72…ヘッド、72a…ヘッド面(液体吐出面)、78…カム、81…第1の押さえ部材(媒体押さえ部材)、81a…媒体案内面、82…ガイド部材、82a…傾斜面、82c…係合部、83…ローラー、83a…外周面、90…保持機構、91…規制部材、92…付勢部材、191…規制部材、192…付勢部材、PHA…記録位置、P1…押さえ位置、P2…退避位置、X…幅方向、Y…搬送方向、Z…鉛直方向、ZA…上方、ZB…下方、W…移動方向、WA…離間方向(退避方向)、WB…近接方向、G…ギャップ。

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