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技術 透湿性積層体

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 川合豊間野滋充
出願日 2015年12月8日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2015-239676
公開日 2017年6月15日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-105032
状態 特許登録済
技術分野 被包材 積層体(2)
主要キーワード 可動シリンダー 高透湿度 製造ノウハウ ドット柄 機能性物品 試験幅 分散混合性 包装用積層材料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月15日)のものです。
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課題

目付高透湿性でありながら、層間接着強度およびヒートシール適性に優れた透湿性積層体を提供する。

解決手段

ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)、ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)、熱可塑性樹脂不織布II(C)の順に積層した透湿性積層体であり、目付が20〜400g/m2、透湿度が1,000〜20,000g/(m2・24hr)、耐水圧が100kPa以上、かつ、当該ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)と当該ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)との層間接着剥離強度が0.5N/15mm以上であることを特徴とする透湿性積層体である。

概要

背景

従来、この種のポリオレフィン系樹脂多孔質フィルムおよび不織布からなる積層体は、防水性透湿性通気性を兼ね備えていることから、ハウスラップ養生シート防水シートなど建築資材への利用のほか、除湿剤、乾燥剤として用いられる塩化カルシウム酸化カルシウム収納袋として利用されてきた。これらの積層方法は、ホットメルト接着剤によるラミネーションドライラミネーションウエトラミネーションのほか、熱ラミネーション法が用いられているが、中でも低コストで製造できる熱ラミネーション法が有利である。

しかしながら、従来からのポリオレフィン系樹脂の多孔質フィルムと不織布との熱ラミネーションは、融着可能温度範囲が狭く、相反する透湿性と層間接着強度両立した積層体を得ることが困難である。従って、生産設備の設計、生産環境および生産条件など製造ノウハウに因る部分が多く、品質が安定しにくい問題点が顕在している。
先行技術として、特開2002−113828号公報(特許文献1)では、150℃以上の耐熱性を有する通気性耐熱繊維素材層、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布層および微多孔性フィルム熱接着により積層された包装用積層材料が提案されており、通気性、透湿性、微粉体バリア性を有するとともに、シール性にすぐれ、脱酸素剤吸湿剤などの各種機能性物品包装に適しているとされる。

概要

目付高透湿性でありながら、層間接着強度およびヒートシール適性に優れた透湿性積層体を提供する。ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)、ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)、熱可塑性樹脂不織布II(C)の順に積層した透湿性積層体であり、目付が20〜400g/m2、透湿度が1,000〜20,000g/(m2・24hr)、耐水圧が100kPa以上、かつ、当該ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)と当該ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)との層間接着剥離強度が0.5N/15mm以上であることを特徴とする透湿性積層体である。 なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)、ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)、熱可塑性樹脂不織布II(C)の順に積層した透湿性積層体であり、目付が20〜400g/m2、透湿度が1,000〜20,000g/(m2・24hr)、耐水圧が100kPa以上、かつ、当該ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)と当該ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)との層間接着剥離強度が0.5N/15mm以上であることを特徴とする透湿性積層体。

請求項2

前記多孔質フィルム(B)は、目付が10〜100g/m2、透湿度が4,000〜15,000g/(m2・24hr)であることを特徴とする請求項1に記載の透湿性積層体。

請求項3

前記多孔質フィルム(B)は、直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE)が10〜50質量部、低密度ポリエチレン(LDPE)が1〜10質量部、および無機充填材が40〜89質量部の割合で含有し、当該無機充填材が炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透湿性積層体。

請求項4

前記不織布I(A)、前記多孔質フィルム(B)、前記不織布II(C)を、(A)/(B)/(C)の順で重ね合わせ、ヒートロールニップロール間で押圧してラミネートされる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の透湿性積層体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、多孔質フィルムおよび不織布からなる透湿性積層体であり、詳しくは、低目付高透湿性でありながら、層間接着強度およびヒートシール適性に優れているため、養生シート防水シートなどへの利用のほか、除湿剤、乾燥剤などの収納袋としても好適に使用できるものである。

背景技術

0002

従来、この種のポリオレフィン系樹脂多孔質フィルムおよび不織布からなる積層体は、防水性透湿性通気性を兼ね備えていることから、ハウスラップ、養生シート、防水シートなど建築資材への利用のほか、除湿剤、乾燥剤として用いられる塩化カルシウム酸化カルシウムの収納袋として利用されてきた。これらの積層方法は、ホットメルト接着剤によるラミネーションドライラミネーションウエトラミネーションのほか、熱ラミネーション法が用いられているが、中でも低コストで製造できる熱ラミネーション法が有利である。

0003

しかしながら、従来からのポリオレフィン系樹脂の多孔質フィルムと不織布との熱ラミネーションは、融着可能温度範囲が狭く、相反する透湿性と層間接着強度を両立した積層体を得ることが困難である。従って、生産設備の設計、生産環境および生産条件など製造ノウハウに因る部分が多く、品質が安定しにくい問題点が顕在している。
先行技術として、特開2002−113828号公報(特許文献1)では、150℃以上の耐熱性を有する通気性耐熱繊維素材層、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布層および微多孔性フィルム熱接着により積層された包装用積層材料が提案されており、通気性、透湿性、微粉体バリア性を有するとともに、シール性にすぐれ、脱酸素剤吸湿剤などの各種機能性物品包装に適しているとされる。

先行技術

0004

特開2002−113828号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載の包装用積層材料は、強度および耐熱性には優れるものの、ポリエチレン系多孔質フィルムと不織布層との熱ラミネーション時に、多孔質フィルムの通気性・透湿性が低下する懸念があった。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために発明者が鋭意検討した結果、本発明は、特定の原料および物性を有する多孔質フィルムと不織布とを熱ラミネーションすることで、低目付、高透湿性でありながら、層間接着強度およびヒートシール適性に優れた透湿性積層体が得られることが分かった。
すなわち、本発明は、以下の透湿性積層体を提供する。
ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)、ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)、熱可塑性樹脂不織布II(C)の順に積層した透湿性積層体であり、目付が20〜400g/m2、透湿度が1,000〜20,000g/(m2・24hr)、耐水圧が100kPa以上、かつ、当該ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)と当該ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)との層間接着剥離強度が0.5N/15mm以上であることを特徴とする透湿性積層体。

0007

また本発明で用いる前記多孔質フィルム(B)は、目付が10〜100g/m2、透湿度が4,000〜15,000g/(m2・24hr)であることが好ましく、さらには直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE)が10〜50質量部、低密度ポリエチレン(LDPE)が1〜10質量部、および無機充填材が40〜89質量部の割合で含有し、当該無機充填材が炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムであることが好ましい。

0008

また本発明は、前記不織布I(A)、前記多孔質フィルム(B)、前記不織布II(C)を、(A)/(B)/(C)の順で重ね合わせ、ヒートロールニップロール間で押圧してラミネートされることが好ましい。

発明の効果

0009

本発明の透湿性積層体は、低目付、高透湿性でありながら、層間接着強度およびヒートシール適性に優れているため、養生シート、防水シートなどへの利用のほか、除湿剤、乾燥剤などの収納袋としても好適に使用できる。

0010

以下、本発明の透湿性積層体を詳述する。
本発明の透湿性積層体は、ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)、ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)、熱可塑性樹脂不織布II(C)の順に積層した透湿性積層体であり、目付が20〜400g/m2、透湿度が1,000〜20,000g/(m2・24hr)、耐水圧が100kPa以上、かつ、当該ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)と当該ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)との層間接着剥離強度が0.5N/15mm以上であることを特徴とする。

0011

<ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)>
ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)は、原料、製造方法、製造元および物性に特に規定は無い。
原料はポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂を主成分とするが、ポリエチレンテレフタレート(PET)など非オレフィン系樹脂芯材とし、ポリエチレン(PE)を鞘材とした芯鞘構造複合繊維不織布を用いても構わない。

0012

製造方法は乾式法湿式法スパンボンド法およびメルトブロー法などの繊維形成方法から、サーマルボンド法ケミカルボンド法ニードルパンチ法およびスパンレース法などの繊維結合方法によって得られる一般的なものを指す。

0013

製造元は例として、旭化成せんい(株)、ユニチカ(株)、繊維加工(株)、三井化学(株)、JNC(株)、出光ユニテック(株)などの商品が挙げられ、本発明における前記不織布I(A)の目付は特に限定せず、本発明の用途、要求される物性に応じて異なってくるが、より好ましくは5〜100g/m2である。

0014

<ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)>
ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)は、目付が10〜100g/m2、透湿度が1,000〜20,000g/(m2・24hr)であることが好ましく、さらには直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が密度0.900〜0.940g/cm3、融点100〜130℃、配合量10〜50質量部、低密度ポリエチレン(LDPE)が密度0.910〜0.930g/cm3、融点100〜120℃、配合量1〜10質量部、および無機充填材が配合量40〜89質量部の割合で含有し、当該無機充填材が炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムであることが好ましい。

0015

前記ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)の材料となる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は特に限定されるものではなく、エチレンプロピレン、エチレン−(1−ブテン)、エチレン−(1−ヘキセン)、エチレン−(4−メチル−1−ペンテン)およびエチレン−(1−オクテン)等のエチレン−(α−オレフィン共重合体からなる市販品を任意に使用する事ができる。また、該直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の重合触媒には特に制限はなく、チーグラー触媒フィリップス型触媒、カミンスキー型触媒メタロセン系触媒等いずれのものでも適合する。重合については一段重合二段重合、もしくはそれ以上の多段重合等があり、いずれの方法でもよい。

0016

前記直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、前記のように、ピクノメーター法(JIS K7112 B法)による密度は0.900〜0.940g/cm3、走査速度10℃/分に設定したDSCで測定した場合の融解ピーク温度(JIS K7121)による融点は100〜130℃であることが好ましい。また、190℃,2.16kg荷重(JIS K7210 条件D)におけるMFRは0.5〜10g/10minであることが好ましい。前記ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)への配合量は10〜50質量部が好ましく、より好ましくは20〜40質量部である。規定された範囲内であることによって、強度、剛性耐水性、透湿性を備えた透湿性積層体が得られる。

0017

前記低密度ポリエチレン(LDPE)は、ラジカル開始剤を触媒とする高圧法により製造されるポリエチレンを指す。製造元およびグレードなど特に限定は無く、市販品を任意に使用する事ができ、前記密度が0.910〜0.930g/cm3、前記融点が100〜120℃であることが好ましい。配合量は好ましくは1〜10質量部、より好ましくは1〜8質量部である。配合量が規定された範囲内であることによって、具体的には、インフレーション高速成型時におけるバブル揺れドローレゾナンスなど抑制されるため、厚みおよび通気性が均質な多孔質フィルムが得られる特長がある。

0018

前記無機充填材としては、フィルム多孔化の発現汎用性の高さ、低価格であることから本発明では炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムが好ましい。該無機充填材の平均粒子径は好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは0.8〜3μmである。0.5μm以上とすることで、分散分配不良や二次凝集がなく均一に分散させることができる。一方、5μm以下とすることで、薄膜化した際に大きなボイドが発生することなく、強度や耐水性を十分に確保することができる。また、前記無機充填材には、ポリオレフィン系樹脂との分散混合性を向上させる目的で、あらかじめ脂肪酸脂肪酸エステルなどを微粒子コーティングし、微粒子表面をポリエチレン樹脂なじみ易くしておくことがより好ましい。
配合量は好ましくは40〜89質量部、より好ましくは52〜79質量部である。配合量が40質量部以上とすることで、優れた透湿性が得られ、89質量部以下とすることで、耐水性および強度を得ることが出来る。

0020

前述した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)および無機充填材などをタンブラーミキサーミキシングロールバンバリーミキサーリボンブレンダースーパーミキサー等の混合機所要間混合した後、異方向二軸押出機あるいは同方向二軸押出機等の混練機を用い、混練物の均一な分散分配を促す。または、混合機による混合分散を介さずにポリエチレン樹脂、無機充填材などを直接押出機に投入し、混練することも可能である。混練された樹脂組成物ストランドカットダイカットなどの方法により一旦ペレット化することが好ましいが、そのままダイを通じてフィルム状の原反成形してもよい。前記フィルム状の原反を製造する方法は限定されず、公知の方法を用いてフィルム状の原反を製造してもよいが、製造効率コストなどから、前記樹脂組成物を溶融押出後、インフレーション、チューブラやTダイなどの成形方式によりフィルム状に成形する方式が好ましい。

0021

前記溶融押出成形により得られたフィルム状の原反を多孔化する方法としては、延伸開孔法が一般的であるが、その方法についても限定されない。例えば、ロール延伸方式、テンター方式、同時式や逐次式等の二軸延伸方式などの公知の延伸方式を適用することができる。本発明においては、少なくとも一軸方向に1回、または延伸ムラ、通気性との兼ね合いより2回以上行なってもよく、延伸温度は0〜100℃が好ましく、より好ましくは30〜80℃である。延伸倍率は合計1.5〜4.0倍が好ましく、より好ましくは合計2.0〜3.5倍である。延伸倍率を合計1.5倍以上とすることで、均一に延伸されて十分に優れた外見と透湿性を有するフィルムを得ることができ、一方で、延伸倍率を合計4.0倍以下とすることで、耐水圧と機械物性バランスに優れたフィルムが得られる。

0022

前記多孔質フィルム(B)について、目付は10〜100g/m2であることが好ましく、より好ましくは30〜100g/m2である。目付が10g/m2以上であることにより、引張強度引裂強度および剛性を十分確保することができる。また、目付が100g/m2以下であることにより、十分な軽量感を得ることができる。透湿度は1,000〜20,000g/(m2・24hr)であることが好ましく、より好ましくは4,000〜15,000g/(m2・24hr)である。透湿度が1,000g/(m2・24hr)であることにより、本発明の透湿性積層体が優れた通気性・透湿性を得ることができ、また、20,000g/(m2・24hr)であることにより、十分な防水性と機械強度が得られる。

0023

<熱可塑性樹脂不織布II(C)>
熱可塑性樹脂不織布II(C)は、前記不織布I(A)と同一の不織布を用いてもよいし、異なる不織布を用いてもよい。異なる不織布の場合もまた、原料、製造方法、製造元および物性に特に規定は無く、任意のものが使用できる。

0024

<透湿性積層体の物性>
本発明は、ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)、ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)、熱可塑性樹脂不織布II(C)の順に積層した透湿性積層体であり、目付が20〜400g/m2、透湿度が1,000〜20,000g/(m2・24hr)、耐水圧が100kPa以上、かつ、当該不織布I(A)と当該多孔質フィルム(B)との層間接着剥離強度が0.5N/15mm以上であることを特徴とする。

0025

目付は20〜400g/m2であり、好ましくは50〜200g/m2である。目付が20g/m2以上であることにより、引張強度、引裂強度および剛性を十分確保することができる。また、目付が400g/m2以下であることにより、十分な軽量感と柔軟性を得ることができ、除湿剤、乾燥剤などの収納袋としても適当である。

0026

透湿度は1,000〜20,000g/(m2・24hr)であり、好ましくは4,000〜15,000g/(m2・24hr)である。透湿度が1,000g/(m2・24hr)以上であることにより、優れた通気性・透湿性を得ることができ、また、20,000g/(m2・24hr)以下であることにより、十分な防水性と機械強度が得られる。

0027

耐水圧が100kPa以上であり、好ましくは150kPa以上である。耐水圧が100kPa以上あることにより、養生シート、防水シートなど屋外での使用のほか、除湿剤、乾燥剤などの収納袋としても十分な耐水性を持っているといえる。

0028

不織布I(A)と多孔質フィルム(B)との層間接着剥離強度が0.5N/15mm以上であり、好ましくは0.8N/15mm以上である。前記層間接着剥離強度が0.5N/15mm以上であることにより、使用中のデラミネーション層間剥離)が無く、十分実用に耐えることができる。

0029

<透湿性積層体の製造方法>
本発明の透湿性積層体は、以下に記す方法で製造される。
前記不織布I(A)、前記多孔質フィルム(B)および前記不織布II(C)を重ね合わせ、ヒートロールとニップロール間で押圧してラミネートするのが好ましい。代表的な方法としては、「熱フラットロール法」あるいは「熱エンボスロール法」が挙げられる。ここで、フラットロールはクロムなどでメッキされた平滑な表面を持つロールで、エンボスロールは平滑な表面に各種形状のエンボスパターン格子柄ドット柄水玉柄、くさび柄など)が彫刻されたロールである。
前記ヒートロールは一般的には、加熱された水、水蒸気または油などの媒体循環させ加熱する金型ロール、あるいは誘導コイルが内蔵された誘導発熱式ロールや外部からIHヒーターで加熱する高周波加熱ロールなどが一般的に入手できる。ニップロールは金属製あるいは合成ゴム製であり、ニップロール両端に設けられた圧縮空気または作動油による可動シリンダーで、ヒートロールと押圧(ニップ)される。

0030

本発明において、不織布I(A)、多孔質フィルム(B)、不織布II(C)を熱ラミネーションする順番は特に指定しない。3層同時に熱ラミネーションしてもよいが、あらかじめ不織布I(A)と多孔質フィルム(B)、または多孔質フィルム(B)、不織布II(C)の2層を熱ラミネーションしておき、その後、残りの資材と積層することで、透湿度と層間接着強度を両立することも可能である。

0031

熱フラットロール法および熱エンボスロール法における一般的な条件として、ヒートロール温度範囲は80〜200℃が好ましく、より好ましくは110〜180℃である。ニップロール圧力範囲は20〜1000N/cmが好ましく、より好ましくは50〜500N/cmである。ラミネーション速度範囲は、5〜70m/minが好ましく、より好ましくは10〜50m/minである。これらのラミネーション条件は、不織布および多孔質フィルムの目付、軟化点または融点のほか、透湿性積層体の透湿性、耐水圧、層間接着強度などの要求物性によって、適宜調整することができる。

0032

ヒートロールで十分加熱され押圧された多孔質フィルムは、ポリオレフィン系樹脂の融点付近であるため、徐々に軟化微多孔構造が失われる懸念がある。従って、ニップ直後冷水循環式冷却ロール等で冷却することによって、透湿性積層体の過剰な熱量を素早く除去することで、通気性、透湿性を維持することができるため好ましい。冷却温度は特に限定されないが、5〜50℃がより好ましい。

0033

以下、本発明の実施例および比較例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0034

[実施例1]
ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)および熱可塑性樹脂不織布II(C)として、芯材がポリエステル、鞘材がポリエチレンの芯鞘構造の複合繊維不織布(ユニチカ(株)製、エルベス T0203WDO、目付:20g/m2)を使用した。
ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)は、以下の製造方法で作製した。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)として、ノバテックLL UF230(日本ポリエチレン(株)製、密度0.920g/cm3、MFR1.0g/10min、融点122℃)を27質量部、低密度ポリエチレン(LDPE)として、ノバテックLDLF441(日本ポリエチレン(株)製、密度0.923g/cm3、MFR2.3g/10min、融点110℃)を5質量部、無機充填材として、炭酸カルシウム(ライトBS−0、備粉化工業(株)製、平均粒子径1.1μm)を64質量部、可塑剤として、ジペンタエリスリトール液体可塑剤(D600、(株)ジェイ・プラス製)を4質量部、熱安定剤として、IRGANOX B225(BASFジャパン(株)製)を0.1質量部を原料として用いた。これらの原料をヘンシェルミキサーで5分間混合した後、φ80mm同方向二軸押出機にてコンパウンドペレットを作製した。その後、φ90mm単軸押出機およびφ300mm円ダイの空冷インフレーション成形法からロール式縦延伸機で、目付が75g/m2、透湿度が10,000g/(m2・24hr)、幅が1000mmの多孔質フィルム(B)を得た。
前記(A)〜(C)を、φ600mm誘導発熱式フラットロール、φ500mmシリコン製ニップロールを備えた熱ラミネーション設備を使用し、以下の工程で貼り合わせて透湿性積層体を得た。
第1工程:φ600mm誘導発熱式フラットロール温度を140℃、φ500mmシリコン製ニップロール温度を120℃、ラミネーション加工速度を23m/minおよびニップロール圧力を120N/cmにて、不織布I(A)と多孔質フィルム(B)とを貼り合わせた。
第2工程:さらに不織布II(C)を第1工程と同条件で、積層構成が(A)/(B)/(C)となるように貼り合わせた。

0035

[実施例2]
ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)および熱可塑性樹脂不織布II(C)として、実施例1と同様のものを使用した。
ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)は、以下の製造方法で作製した。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)として、ノバテックLL UF230(日本ポリエチレン(株)製、密度0.920g/cm3、MFR1.0g/10min、融点122℃)を17質量部、低密度ポリエチレン(LDPE)として、ノバテックLDLF441(日本ポリエチレン(株)製、密度0.923g/cm3、MFR2.3g/10min、融点110℃)を5質量部、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)として、ハーモレックスNF324A(日本ポリエチレン(株)製、密度0.906g/cm3、MFR1.0g/10min、融点120℃)を10質量部、無機充填材として、炭酸カルシウム(ライトンBS−0、備北粉化工業(株)製、平均粒子径1.1μm)を64質量部、可塑剤として、ジペンタエリスリトール系液体可塑剤(D600、(株)ジェイ・プラス製)を4質量部、熱安定剤として、IRGANOX B225(BASFジャパン(株)製)を0.1質量部を原料として用いた。これらの原料を前記実施例1と同条件にて作製して、目付が75g/m2、透湿度が8,000g/(m2・24hr)、幅が1000mmの多孔質フィルム(B)を得た。
前記(A)〜(C)を、φ600mm誘導発熱式フラットロール、φ500mmシリコン製ニップロールを備えた熱ラミネーション設備を使用し、以下の工程で貼り合わせて透湿性積層体を得た。
第1工程:φ600mm誘導発熱式フラットロール温度を120℃、φ500mmシリコン製ニップロール温度を100℃、ラミネーション加工速度を23m/minおよびニップロール圧力を120N/cmにて、不織布I(A)と多孔質フィルム(B)とを貼り合わせた。
第2工程:さらに不織布II(C)を第1工程と同条件で、積層構成が(A)/(B)/(C)となるように貼り合わせた。

0036

[比較例1]
ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)および熱可塑性樹脂不織布II(C)として、実施例1と同様のものを使用した。
ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)は、以下の製造方法で作製した。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)として、ノバテックLL UF230(日本ポリエチレン(株)製、密度0.920g/cm3、MFR1.0g/10min、融点122℃)を64質量部、低密度ポリエチレン(LDPE)として、ノバテックLDLF441(日本ポリエチレン(株)製、密度0.923g/cm3、MFR2.3g/10min、融点110℃)を5質量部、無機充填材として、炭酸カルシウム(ライトンBS−0、備北粉化工業(株)製、平均粒子径1.1μm)を27質量部、可塑剤として、ジペンタエリスリトール系液体可塑剤(D600、(株)ジェイ・プラス製)を4質量部、熱安定剤として、IRGANOX B225(BASFジャパン(株)製)を0.1質量部を原料として用いた。これらの原料を、前記実施例1と同条件にて作製して、目付が75g/m2、透湿度が800g/(m2・24hr)、幅が1000mmの多孔質フィルム(B)を得た。
前記(A)〜(C)を、φ600mm誘導発熱式フラットロール、φ500mmシリコン製ニップロールを備えた熱ラミネーション設備を使用し、以下の工程で貼り合わせて透湿性積層体を得た。
第1工程:φ600mm誘導発熱式フラットロール温度を140℃、φ500mmシリコン製ニップロール温度を120℃、ラミネーション加工速度を23m/minおよびニップロール圧力を120N/cmにて、不織布I(A)と多孔質フィルム(B)とを貼り合わせた。
第2工程:さらに不織布II(C)を第1工程と同条件で、積層構成が(A)/(B)/(C)となるように貼り合わせた。

0037

[比較例2]
ポリオレフィン系樹脂不織布I(A)および熱可塑性樹脂不織布II(C)として、実施例1と同様のものを使用した。
ポリオレフィン系樹脂多孔質フィルム(B)は、以下の製造方法で作製した。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)として、ノバテックLL UF230(日本ポリエチレン(株)製、密度0.920g/cm3、MFR1.0g/10min、融点122℃)を27質量部、低密度ポリエチレン(LDPE)として、ノバテックLDLF441(日本ポリエチレン(株)製、密度0.923g/cm3、MFR2.3g/10min、融点110℃)を5質量部、無機充填材として、炭酸カルシウム(ライトンBS−0、備北粉化工業(株)製、平均粒子径1.1μm)を64質量部、可塑剤として、ジペンタエリスリトール系液体可塑剤(D600、(株)ジェイ・プラス製)を4質量部、熱安定剤として、IRGANOX B225(BASFジャパン(株)製)を0.1質量部を原料として用いた。これらの原料を前記実施例1と同条件にて作製して、目付が75g/m2、透湿度が10,000g/(m2・24hr)、幅が1000mmの多孔質フィルム(B)を得た。
前記(A)〜(C)の材料を、φ600mm誘導発熱式フラットロール、φ500mmシリコン製ニップロールを備えた熱ラミネーション設備を使用し、以下の工程で貼り合わせて透湿性積層体を得た。
第1工程:φ600mm誘導発熱式フラットロール温度を90℃、φ500mmシリコン製ニップロール温度を90℃、ラミネーション加工速度を23m/minおよびニップロール圧力を250N/cmにて、不織布I(A)と多孔質フィルム(B)とを貼り合わせた。
第2工程:さらに不織布II(C)を第1工程と同条件で、積層構成が(A)/(B)/(C)となるように貼り合わせた。

0038

測定方法および評価)
実施例1〜2および比較例1〜2を以下の項目で評価した。評価結果は表1に示す。

0039

(1)目付
得られた透湿性積層体から試験片(MD:250mm,TD:200mm)を採取した後、電子天秤で重量(g)を測定し、その数値を20倍して目付とした。
(2)透湿度
透湿度はJIS Z0208(カップ法)に準拠する。温度40℃、相対湿度90%に設定した恒温恒湿オーブン内に1時間入れ、吸湿剤である塩化カルシウム15gの重量変化から吸湿量を求める。サンプルは無作為に3点測定し、その算術平均値を求めた。
(3)耐水圧
JIS L1092 B法(高水圧法)に準拠する測定装置を用いて、20.0±3.0℃の環境下で50kPa/minの昇圧速度で、透湿性積層体から水滴が3点滲み出した時の圧力を耐水圧とした。サンプルは無作為に3点測定し、その算術平均値を求めた。
(4)不織布I(A)と多孔質フィルム(B)との層間接着剥離強度
23℃、50%湿度環境下でJIS K7127準拠の引張試験機試験幅15mm、引張速度200m/min、チャック間隔50mmにおいて、多孔質フィルムの機械流れ方向(MD)に沿って、180℃剥離(T剥離)強度を測定する。サンプルは無作為に3点測定し、その算術平均値を求めた。

0040

実施例

0041

実施例1,2の透湿性積層体は、高透湿度でありながら、層間接着強度およびヒートシール適性が優れている。特に実施例2は、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンを含む多孔質フィルムのため、比較的低温で熱ラミネーションが可能であり、十分な層間接着強度を有している。
しかしながら、比較例1は、耐水性は高いものの、透湿フィルムの透湿性が800g/(m2・24hr)と低いため、層間接着強度もしくはヒートシール適性が不十分であった。また、比較例2は、φ600mm誘導発熱式フラットロール温度が90℃と予熱が十分でないため、ポリオレフィン系材料の軟化が不足し、層間接着強度が不適である。

0042

本発明の透湿性積層体は、多孔質フィルムおよび不織布からなる透湿性積層体であり、詳しくは、低目付、高透湿性でありながら、層間接着強度およびヒートシール適性に優れているため、養生シート、防水シートなどへの利用のほか、除湿剤、乾燥剤などの収納袋としても好適に使用できるものである。

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