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技術 固定構造

出願人 株式会社EVIジャパン
発明者 小嵐伸作
出願日 2015年12月11日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-242591
公開日 2017年6月15日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-104437
状態 特許登録済
技術分野 注入、注射、留置装置 媒体導出入付与装置 体外人工臓器 ガスケットシール 管の敷設
主要キーワード 断面視円形状 取り換え作業 損傷個所 挿通部位 略筒状体 保持部位 挿通部材 経皮端子
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月15日)のものです。
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図面 (6)

課題

密着性の高い保持機構組立体を提供する。

解決手段

保持機構組立体1は、挿通部材であるドライブライン2と、ドライブライン2を対象である皮膚Sに固定する固定部材3と、固定部材3がドライブライン2を液密に保持させる保持構造4とを備え、保持構造4は、チャック部材51と、ネジ部材52と、シール部材53とを備え、保持構造4は、ドライブライン2が固定部材3の挿通部22に挿通され、チャック部材51がドライブライン2の外周に配置され、チャック部材51の固定部材側当接部61が挿通部22の挿通部傾斜面34に当接した状態で、挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72を螺号させることで、ネジ部材52の先端当接部74がチャック部材51のネジ部材側当接部62を押圧し、シール部材53のチャック部材側接触面93がチャック部材51を押圧して、固定部材3に対してドライブライン2を密着して保持する。

概要

背景

挿通対象挿通される挿通部材を保持するための保持構造が知られている。
例えば、このような保持構造の一例として、特許文献1に記載の経皮カテーテル留置セットが挙げられる。この経皮カテーテル留置セットは、貫通路を有する経皮端子と、貫通路に挿嵌されるカテーテルと、カテーテルの保持部位の周囲に設けられた環状のゴムを、経皮端子の頭部と嵌合することで押圧するキャップとを有する。カテーテルは、経皮端子の頭部に設けられた雄ネジと、キャップの内面に設けられた雌ネジとが螺号することで環状のゴムを押圧してカテーテルを付勢することでカテーテルが経皮端子に保持されている。

概要

密着性の高い保持機構組立体を提供する。保持機構組立体1は、挿通部材であるドライブライン2と、ドライブライン2を対象である皮膚Sに固定する固定部材3と、固定部材3がドライブライン2を液密に保持させる保持構造4とを備え、保持構造4は、チャック部材51と、ネジ部材52と、シール部材53とを備え、保持構造4は、ドライブライン2が固定部材3の挿通部22に挿通され、チャック部材51がドライブライン2の外周に配置され、チャック部材51の固定部材側当接部61が挿通部22の挿通部傾斜面34に当接した状態で、挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72を螺号させることで、ネジ部材52の先端当接部74がチャック部材51のネジ部材側当接部62を押圧し、シール部材53のチャック部材側接触面93がチャック部材51を押圧して、固定部材3に対してドライブライン2を密着して保持する。

目的

本発明の目的は、密着性の高い保持構造を備えた保持機構組立体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

挿通部材と、前記挿通部材を対象に固定する固定部材と、前記固定部材が前記挿通部材を液密に保持させる保持構造とを備えた、挿通部材の保持機構組立体であって、前記固定部材は、前記対象に固定される固定部と、前記挿通部材が挿通される挿通部とを有し、前記挿通部は、第一開口部と、第二開口部と、前記第一開口部と前記第二開口部とを連通する連通路と、前記連通路の内面において第一開口部から第二開口部に向かって内径縮径するように設けられた挿通部傾斜面と、前記第一開口部の内周面に設けられた雌ネジ部とを有し、前記保持構造は、チャック部材と、ネジ部材と、シール部材とを備え、前記チャック部材は、一方の端部側の外周面に設けられ、前記挿通部傾斜面と当接する固定部材側当接部と、他方の端部側の外周面に設けられ、前記ネジ部材と当接するネジ部材側当接部と、内側に設けられ、前記挿通部材の外周に対して密着して嵌合する嵌合部とを有し、前記ネジ部材は、前記挿通部材が挿通されるネジ部材挿通路と、外周面に設けられた雄ネジ部と、前記挿通部に挿入される先端部と、前記先端部の内側に設けられ前記ネジ部材側当接部と当接する先端当接部と、前記シール部材と嵌合するネジ部材嵌合部とを有し、前記シール部材は、前記挿通部材の外周を弾性的に押圧する挿通部材側押圧部と、前記ネジ部材と嵌合するシール部材嵌合部と、前記チャック部材に対して前記挿通部材の周回り方向に接触するチャック部材側接触面とを有し、前記保持構造は、前記挿通部材が前記固定部材の前記挿通部に挿通され、前記チャック部材が前記挿通部材の外周に配置され、前記チャック部材の前記固定部材側当接部が前記挿通部の前記挿通部傾斜面に当接した状態で、前記挿通部の前記雌ネジ部に対して前記ネジ部材の前記雄ネジ部を螺号させることで、前記ネジ部材の前記先端当接部が前記チャック部材の前記ネジ部材側当接部を押圧し、前記シール部材の前記チャック部材側接触面が前記チャック部材を押圧して、前記固定部材に対して前記挿通部材を密着して保持する、挿通部材の保持機構組立体。

請求項2

前記ネジ部材は、前記挿通部材の軸方向に前記シール部材を押圧する押圧面が前記ネジ部材嵌合部に設けられ、前記シール部材が押圧されて変形した際に、前記シール部材の変形した部分を収納する収納部を有する、請求項1に記載の挿通部材の保持機構組立体。

請求項3

前記チャック部材が、径方向に分割され、一体的に合わせられることで略筒状体となる第一チャック部材と第二チャック部材とから構成された、請求項1または請求項2に記載の挿通部材の保持機構組立体。

請求項4

前記固定部が、前記第二開口部側に設けられ、前記挿通部の外周面から前記連通路の延びる方向と非平行に突出するフランジ部を有し、前記挿通部材が、医療用チューブである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の挿通部材の保持機構組立体。

技術分野

0001

本発明は、挿通対象挿通される挿通部材を保持するための保持機構組立体の技術に関する。

背景技術

0002

挿通対象に挿通される挿通部材を保持するための保持構造が知られている。
例えば、このような保持構造の一例として、特許文献1に記載の経皮カテーテル留置セットが挙げられる。この経皮カテーテル留置セットは、貫通路を有する経皮端子と、貫通路に挿嵌されるカテーテルと、カテーテルの保持部位の周囲に設けられた環状のゴムを、経皮端子の頭部と嵌合することで押圧するキャップとを有する。カテーテルは、経皮端子の頭部に設けられた雄ネジと、キャップの内面に設けられた雌ネジとが螺号することで環状のゴムを押圧してカテーテルを付勢することでカテーテルが経皮端子に保持されている。

先行技術

0003

特開平3−254758号公報

発明が解決しようとする課題

0004

液密性気密性といった密着性の高い保持構造が求められている。この点、上記特許文献1に記載の経皮カテーテル留置セットでは、雄ネジと雌ネジとの螺号が緩いと、経皮端子とキャップとの間の密着性を確保できないおそれがある。

0005

そこで、本発明の目的は、密着性の高い保持構造を備えた保持機構組立体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明の保持機構組立体は、挿通部材と、前記挿通部材を対象に固定する固定部材と、前記固定部材が前記挿通部材を液密に保持させる保持構造とを備えた、挿通部材の保持機構組立体であって、前記固定部材は、前記対象に固定される固定部と、前記挿通部材が挿通される挿通部とを有し、前記挿通部は、第一開口部と、第二開口部と、前記第一開口部と前記第二開口部とを連通する連通路と、前記連通路の内面において第一開口部から第二開口部に向かって内径縮径するように設けられた挿通部傾斜面と、前記第一開口部の内周面に設けられた雌ネジ部とを有し、前記保持構造は、チャック部材と、ネジ部材と、シール部材とを備え、前記チャック部材は、一方の端部側の外周面に設けられ、前記挿通部傾斜面と当接する固定部材側当接部と、他方の端部側の外周面に設けられ、前記ネジ部材と当接するネジ部材側当接部と、内側に設けられ、前記挿通部材の外周に対して密着して嵌合する嵌合部とを有し、前記ネジ部材は、前記挿通部材が挿通されるネジ部材挿通路と、外周面に設けられた雄ネジ部と、前記挿通部に挿入される先端部と、前記先端部の内側に設けられ前記ネジ部材側当接部と当接する先端当接部と、前記シール部と嵌合するネジ部材嵌合部とを有し、前記シール部材は、前記挿通部材の外周を弾性的に押圧する挿通部材側押圧部と、前記ネジ部材と嵌合するシール部材嵌合部と、前記チャック部材に対して前記挿通部材の周回り方向に接触するチャック部材側接触面とを有し、前記保持構造は、前記挿通部材が前記固定部材の前記挿通部に挿通され、前記チャック部材が前記挿通部材の外周に配置され、前記チャック部材の前記固定部材側当接部が前記挿通部の前記挿通部傾斜面に当接した状態で、前記挿通部の前記雌ネジ部に対して前記ネジ部材の前記雄ネジ部を螺号させることで、前記ネジ部材の前記先端当接部が前記チャック部材の前記ネジ部材側当接部を押圧し、前記シール部材の前記チャック部材側接触面が前記チャック部材を押圧して、前記固定部材に対して前記挿通部材を密着して保持する。

発明の効果

0007

本発明における固定構造によれば、密着性の高い保持構造とすることができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明の一実施形態に係る保持機構組立体の全体的な構成を示した側面一部断面図である。
保持機構組立体の組立斜視図である。
保持構造の断面一部拡大図である。
変形例に係る保持機構組立体の全体的な構成を示した側面一部断面図である。
保持機構組立体の組立斜視図である。

実施例

0009

次に、発明の実施の形態を説明する。まず、本発明の一実施形態にかかる保持機構組立体1について説明する。
本実施形態に係る保持機構組立体1とは、挿通対象に挿通される挿通部材を保持するための構造である。ここで、挿通とは、長さを持つ部材である挿通部材が、少なくとも保持機構組立体1の内部と外部とに亘って存在する状態とすることを意味する。挿通部材は、挿通対象に挿通された部分が保持されていれば、挿通対象を貫通してもよいし、貫通しなくてもよい。挿通対象は、挿通部材を挿通するための孔を有しており、当該孔を通して挿通部材を挿通させる。挿通部材は、長さを持つ部材である。

0010

本実施形態においては、挿通部材の一例である医療用チューブ一種であるドライブライン2は、挿通対象である体内に挿通され、挿通部位の皮膚Sから目的部位へと到達するように案内される。なお、挿通部材は、ドライブラインに限定されず、例えば、カテーテルや、その他の医療用チューブ、または中実医療用ケーブルであってもよく、長さを有する他の部材であってもよい。また、挿通部材が挿通される挿通対象は、経皮的に導入される体腔であってもよいが、皮膚に限定されるものではなく、臓器や骨等の生物を構成する要素など、細菌等の侵入を抑制する必要がある対象物、例えば生体であることが好ましい。

0011

<保持機構組立体の構成>
次に、本実施形態に係る保持機構組立体1の全体構成について図1及び図2を用いて説明する。

0012

本実施形態に係る保持機構組立体1は、挿通部材であるドライブライン2と、ドライブライン2を対象である皮膚Sに固定する固定部材3と、固定部材3がドライブライン2を液密に保持させる保持構造4とを備えている。ここで、固定部材3を皮膚Sに固定するとは、皮膚Sの一部が固定部材3の表面にアンカリングする(定着する)ことにより固定部材3を皮膚Sに固定することを意味する。

0013

ドライブライン2は、人体の内部へ挿通する筒状の部材であり、医療用チューブの一種である。ドライブライン2の外表面は、繊維によって被覆されている。ドライブライン2の体内側の端部は体内に配置された図示せぬ医療用機器に連結されており、ドライブライン2の体外側端部は、体外に配置された図示せぬ機器に連結されている。ドライブライン2の体外側端部には、図示せぬ機器に連結するための図示せぬコネクタが取り付けられてもよい。コネクタの外径は、ドライブライン2の外径よりも大きくてもよく、小さくてもよい。

0014

本実施形態においては、体内に配置された医療用機器は、補助人工心臓である。補助人工心臓は、体内の血液を循環させるポンプを有する部材である。体外に配置された機器は、前記ポンプを冷却するための冷却水送り出す圧送ポンプと、ポンプへ電力を送る電源とを含む。ドライブライン2は、内部に前記圧送ポンプと前記補助人工心臓との間で冷却水を循環させる冷却水循環通路11と、前記電源と前記ポンプとを連結する電源ケーブル12とを有する。なお、ドライブライン2の構成はこれに限定するものではなく、公知の構成を採用できる。例えば、ドライブライン2は、電源ケーブルのみを有する構成としても良いし、冷却水循環路のみを有する構成としてもよいし、他の機能を有する部材などを有する構成としてもよい。

0015

固定部材3は、皮膚Sに固定される固定部21と、ドライブライン2が挿通される挿通部22とを有する。詳細は後述するが、ここでは、固定部材3の少なくとも一部には、皮膚Sの一部のアンカリングを促進するために表面処理が施されている。また、固定部材の材料は、対象に固定できる剛性などを有すれば特に限定されないが、本実施形態のように生体組織である皮膚Sに固定される部材である場合には、生体適合性の高い金属で形成されていることが好ましい。生体適合性の高い金属としては、例えば、チタンチタン合金等である。なお、固定部21には、メッシュ状のチタン繊維などの細胞の侵入が可能な多孔性材料で表面が形成されて、固定部21と皮膚Sとの密着性が向上されて、細菌の生体内への侵入の防止が図られている。

0016

固定部21は、対象である皮膚Sに固定される部分であり、詳細には、皮膚Sに設けられた孔周辺の皮膚Sに固定される部分である。固定部21は、挿通部22の外周に設けられており、固定部21と挿通部22とは一体的に構成されている。なお、本実施形態においては、固定部21と挿通部22とは一体的に構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、挿通部22の外周に別体として設けた固定部21を溶接等により固定する構成としても良い。固定部21は、フランジ部25を有する。フランジ部25の構成については後述する。

0017

挿通部22は、ドライブライン2が挿通される部分であり、略円筒状に構成されている。挿通部22は、第一開口部31と、第二開口部32と、第一開口部31と第二開口部32とを連通する連通路33と、連通路33の内面において第一開口部31から第二開口部32に向かって内径が縮径するように設けられた挿通部傾斜面34と、前記第一開口部31の内周面に設けられた雌ネジ部35とを有する。なお、各図面においては、雌ネジ部35のネジ溝等の図示は省略している。

0018

第一開口部31は、挿通部22の体外側に設けられた開口部であり、第二開口部32は、体内側に設けられた開口部である。第一開口部31は、開口面が挿通部22の軸方向に対して直交するように形成されている。第二開口部32は、開口面が挿通部22の軸方向に対して非直交となるように形成されている。第一開口部31の断面は円形状に形成されており、断面直径は、後述するネジ部材52の外径と略同じ長さとなるように形成されている。第二開口部32の断面は楕円形状に形成されており、第二開口部32の断面積は、ドライブライン2を第二開口部32と平行な方向に切断した時の断面積よりも大きくなるように形成されている。

0019

連通路33は、第一開口部31と第二開口部32とを連通する通路であり、断面視円形状に形成されている。連通路33は、中心軸が一つの直線となるように構成されている。なお、連通路33は、中心軸が一つの直線となるように形成されているがこれに限定されるものではなく、例えば、中途部において屈曲または屈折するように形成されていても良い。また、本実施形態においては、連通路33が固定部21に対して傾斜するように構成されているが、傾斜角度は特に限定されない。また、連通路は、対象に対して直交するように形成してもよい。

0020

挿通部傾斜面34は、連通路33の内面に設けられた部分であり、第一開口部31から第二開口部32に向かって内径が縮径するように設けられる。挿通部傾斜面34は、傾斜角度が一定となるように設けられている。すなわち、挿通部傾斜面34は、図1に示す断面が直線状となるように構成されている。なお、挿通部傾斜面34は、傾斜角度が一定となるように形成されているが、本実施形態に限定されるものでなく、例えば、第二開口部32に向かって傾斜角度が大きくなるように形成することもできる。この場合、挿通部傾斜面は、図1に示す断面が曲線状となるように構成される。

0021

雌ネジ部35は、第一開口部31の内周面に設けられた部分である。雌ネジ部35は、後述する雄ネジ部72と螺号する。

0022

また、固定部はフランジ部を有してもよい。フランジ部は、固定部の第二開口部側に設けられ、挿通部の外周面から連通路の延びる方向と非平行に突出する。本実施形態における固定部21のフランジ部25は、第二開口部32側に設けられ、挿通部22の外周面から連通路33の延びる方向と非平行に突出する部分である。言い換えれば、連通路33の延びる方向は、固定部21のフランジ部25に対して傾斜している。
フランジ部25の表面には、固定対象への密着性が向上するような表面処理が施されていてもよい。フランジ部25に表面処理がされていることで、固定部材が対象へ強固に固定される場合があるからである。本実施形態では、フランジ部25への表面処理の一つとして、第一開口部31側からの見た平面視において外周が長円状に形成された複数のすり状の皿孔部26が、皮膚等の組織入り込むことが可能なように、フランジ部25の第一開口部31側の表面に設けられている。さらに、フランジ部25への表面処理として、細胞が侵入して増殖可能なサイズの孔を複数設けることにより、フランジ部25の表面全体多孔質層が設けられている(図示せず)。このような表面処理により、例えば、皮膚Sの一部のアンカリングを促進することができる。
表面処理は、例えば、切削ブラスト加工アルカリ性処理液での処理などの、物理的または化学的な処理によって行うことが可能であり、細胞のマトリックスとして機能して細胞の侵入・増殖を目的とする場合には、フランジ部25の表面の少なくとも一部を多孔質状に形成するなどにより行われる。
また、表面処理は、皮膚S以外を対象とする場合にも、例えばアンカー効果などが生じることで、対象との強固な固定に寄与する場合があると考えられる。
他のフランジ部25への表面処理としては、凹凸を形成することが挙げられる。凹凸の形成は、例えば、ブラスト加工、特にはグリッドブラスト加工により行うことができる。

0023

本実施形態の保持構造4は、固定部材3がドライブライン2を液密に保持させるための構造であり、体内側が液密に保たれるための構造である。保持構造4は、チャック部材51と、ネジ部材52と、シール部材53とを備える。

0024

チャック部材51は、ドライブライン2のような挿通部材を締め付け把持するための部材である。チャック部材51は、一方の端部側の外周面に設けられ、挿通部傾斜面34と当接する固定部材側当接部61と、他方の端部側の外周面に設けられ、ネジ部材52と当接するネジ部材側当接部62と、内側に設けられ、ドライブライン2の外周に対して密着して嵌合する嵌合部63と、シール部材53と当接するシール部材側当接部64とを有する。チャック部材51は、挿通部22の内周面とドライブライン2の外周面との間に配置される部材であり、保持構造4において、ドライブライン2を締め付けることにより保持する役割と、液密を達成する役割とを有する部材である。チャック部材の材料は、特に限定されるものではないが、挿通対象を保持する役割と液密を達成する役割とを達成できる材料として、ドライブライン2を締め付けることができる程度の微小な変形が可能な材料を用いることができる。本実施形態におけるチャック部材51は、耐食性の高い金属であって固定部材3を形成する金属と同等の硬度を持つまたは固定部材3を形成する金属より低い硬度を持つ金属で形成されている。耐食性の高い金属とは、例えば、チタンやチタン合金等である。

0025

固定部材側当接部61は、チャック部材51が挿通部22に配置された状態において、第二開口部32側の端部に設けられた当接部であり、挿通部傾斜面34と当接する部分である。固定部材側当接部61は、挿通部傾斜面34と当接して、チャック部材51が縮径する方向の力(ドライブライン2側への向きの力)が挿通部傾斜面34よりチャック部材51に対して与えられるように構成されている。本実施形態では、固定部材側当接部61は、挿通部傾斜面34と傾斜角度が同一の傾斜面で構成されている。言い換えれば、固定部材側当接部61が、挿通部傾斜面34との面接触によって、挿通部傾斜面34と当接するように構成されている。すなわち、固定部材側当接部61には、挿通部傾斜面34と傾斜角度が同一の傾斜面が少なくとも一部分に形成されていることが好ましい。

0026

ネジ部材側当接部62は、チャック部材51が挿通部22に配置された状態において、第一開口部31側の端部に設けられた当接部であり、ネジ部材52と当接する部分である。ネジ部材側当接部62は、チャック部材51の第一開口部31側に形成された傾斜面の一部として構成されている。ネジ部材側当接部62は、ネジ部材52の後述する先端当接部74と当接して、チャック部材51が縮径する方向の力(ドライブライン2側への向きの力)が先端当接部74よりチャック部材51に対して与えられるように構成されている。また、ネジ部材52の先端当接部74も、ネジ部材52の径方向外側へ向かう力をネジ部材側当接部62から受けることとなる。本実施形態では、ネジ部材側当接部62は、傾斜面である先端当接部74と傾斜角度が同一の傾斜面で構成されている。言い換えれば、ネジ部材側当接部62が、先端当接部74との面接触によって、先端当接部74と当接するように構成されている。すなわち、ネジ部材側当接部62には、挿通部傾斜面34と傾斜角度が同一の傾斜面が少なくとも一部分に形成されていることが好ましい。
なお、ネジ部材側当接部62は、傾斜面で構成されるが、これに限定されるものではなく、少なくともネジ部材52からチャック部材51を第二開口部32側へ押す方向の力を受けることができる形状であればよい。

0027

嵌合部63は、ドライブライン2の外周に対して密着して嵌合する部分である。ここでは、嵌合部63は、チャック部材51の内周面全体である。チャック部材51は、第一開口部31側となる開口部と第二開口部32側となる開口部とを連通する連通孔を有し、ドライブライン2がこれらの開口部から延出するように、ドライブライン2を把持するのであるが、本実施形態においては、嵌合部63はチャック部材51の前記連通孔の内周面全体である。
嵌合部63は、図1における断面円形状に設けられており、断面の直径が均一となるように形成されている。なお、嵌合部63は、断面の直径が均一となるように形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば中央部において、断面の直径が拡大されるように形成された段部を有してもよい。

0028

シール部材側当接部64は、チャック部材51が挿通部22に配置された状態において、第一開口部31側の端部に設けられた当接部であり、シール部材53と当接する部分である。シール部材側当接部64は、チャック部材51の第一開口部31側に形成された傾斜面の一部と、挿通部22の径方向に平行な面とで構成されており、ネジ部材側当接部62と連続して形成されている。なお、シール部材側当接部64は、チャック部材51の第一開口部31側に形成された傾斜面の一部と、挿通部22の径方向に平行な面とで構成されるが、これに限定されるものではなく、シール部材53からチャック部材51を第二開口部32側へ押す方向の力を受けることができる形状であればよい。

0029

本実施形態におけるチャック部材51は、図2に示すように、径方向に分割され、一体的に合わせられることで略筒状体となる第一チャック部材65と第二チャック部材66とから構成される。第一チャック部材65の接合面67と第二チャック部材66の接合面68とが接合することによりチャック部材51が形成される。また、チャック部材51は、外周面に凹部69が設けられている。凹部69は、チャック部材51を挿通対象に取り付ける際の滑り止めのために設けられた部分である。なお、チャック部材51の構造は、径方向に分割できる構造に限られず、軸方向に分割できる構造や、分割できない構造としてもよい。

0030

ネジ部材52は、第一開口部31の内周面に設けられた雌ネジ部35と螺号して第一開口部31を遮蔽するとともにドライブライン2を保持する部材である。ネジ部材52は、ドライブライン2が挿通されるネジ部材挿通路71と、外周面に設けられた雄ネジ部72と、挿通部22に挿入される先端部73と、先端部73の内側に設けられネジ部材側当接部62と当接する先端当接部74と、シール部材53と嵌合するネジ部材嵌合部75とを有する。ネジ部材52は、挿通部22の内周面と、シール部材53の外周面及びチャック部材51の外周面との間に配置される部材であり、保持構造4において、第一開口部31を遮蔽する役割と、チャック部材51及びシール部材53を押圧する役割と、ドライブライン2を保持する役割とを有する部材である。ネジ部材の材料は、第一開口部を遮蔽する役割と、チャック部材及びシール部材を押圧する役割と、挿通対象を保持する役割とを達成できる材料であれば特に限定されない。本実施形態においては、ネジ部材52は、耐食性の高い金属であって固定部材3を形成する金属と同等の硬度を持つ、または、固定部材3を形成する金属より低い硬度を持つ金属で形成されている。耐食性の高い金属とは、例えば、チタンやチタン合金等である。

0031

ネジ部材挿通路71は、ネジ部材52の内部に設けられるドライブライン2を挿通するための通路である。ネジ部材挿通路71は、体外側の端部から中途部まで設けられており、ドライブライン2の外径とほぼ同じ直径で構成されている。

0032

雄ネジ部72は、ネジ部材52の外周面に設けられる部分であり、雌ネジ部35と螺号する部分である。
先端部73は、固定部材3の挿通部22に挿入される部分であり、その外周面に雄ネジ部72が設けられる。なお、各図面においては、雄ネジ部72のネジ山等の図示は省略している。

0033

先端当接部74は、先端部73の内周面に設けられ、ネジ部材側当接部62と当接する部分である。先端当接部74は、チャック部材51を構成するネジ部材側当接部62と当接する部分であり、ネジ部材側当接部62の傾斜面の傾斜角度と同一の傾斜角度を有する傾斜面で構成されている。先端当接部74は、ネジ部材嵌合部75と連続して形成されている。なお、先端当接部74は、ネジ部材側当接部62の傾斜面の傾斜角度と同一の傾斜角度を有する傾斜面で構成されるが、これに限定されるものではない。先端当接部74の形状は、先端当接部74の少なくとも一部がネジ部材側当接部62と当接することで、ネジ部材52からチャック部材51を第二開口部32側へ押す方向の力を伝えることができる形状であればよい。

0034

ネジ部材嵌合部75は、シール部材53と嵌合する部分である。ネジ部材嵌合部75には、ドライブライン2の軸方向にシール部材53を押圧する押圧面81が設けられる。ネジ部材嵌合部75は、図3に示すように、第一開口部31側に径方向と平行な押圧面81と、シール部材53の外周面と平行な当接面82と、第一開口部31側から第二開口部32側へ向かうにつれて内径が縮径するように設けられた当接面83とを有する。なお、ネジ部材嵌合部の構成は、シール部材と嵌合し、かつ、押圧面を有する構成であればよく、その構成は、本実施形態に示される構成に限定されない。

0035

また、ネジ部材52は、シール部材53が押圧されて変形した際に、シール部材53の変形した部分を収納する収納部76を有する。収納部76は、ネジ部材嵌合部75の第一開口部31側であって、径方向内側(ネジ部材挿通路71側)に設けられている。

0036

また、ネジ部材52の外周には、Oリング78を配置するための凹部77が設けられている。凹部77は、先端部73の外周面に設けられている。Oリング78は、ネジ部材52の外周面と挿通部22の内周面との間に設けられており、ネジ部材52と挿通部22との間の液密を補助する役割を有する部材である。なお、Oリング78はネジ部材52の外周ではなく、挿通部22の内周面に取り付けられてもよい。

0037

シール部材53は、ドライブライン2の外周を弾性的に押圧する挿通部材側押圧部91と、ネジ部材52と嵌合するシール部材嵌合部92と、チャック部材51に対してドライブライン2の周回り方向に接触するチャック部材側接触面93とを有する。シール部材53は、ネジ部材52の内周面とドライブライン2の外周面との間に配置される部材であり、保持構造4において、ドライブライン2を締め付けることにより保持する役割と、液密を達成する役割とを有する部材である。シール部材の材料は、挿通対象を締め付けることにより保持する役割と、液密を達成する役割とを有することが可能な材料であればよく、代表的には弾性を有する材料を用いることができる。例えば、シール部材53の材料は、弾性を有する樹脂材料であることが好ましく、弾性を有するシリコン樹脂などの単独組成合成樹脂や、合成樹脂と無機化合物との混合物などが挙げられる。

0038

挿通部材側押圧部91は、ドライブライン2の外周面と接触し弾性的に押圧することで、液密を保持するための部材である。ここでは、挿通部材側押圧部91は、ドライブライン2の外周面と平行な面で構成されている。

0039

シール部材嵌合部92は、ネジ部材52の内周面と当接する部分である。シール部材嵌合部92は、ネジ部材52のネジ部材嵌合部75と当接する部分であり、第一開口部31側に形成された押圧面81と平行な当接面と、ネジ部材嵌合部75の当接面82と平行な当接面と、第一開口部31側から第二開口部32側へ向かうにつれて内径が縮径するように設けられた当接面とを有する。

0040

チャック部材側接触面93は、チャック部材51に対して接触する部分である。チャック部材側接触面93は、シール部材側当接部64と当接する部分であり、チャック部材51の第一開口部31側に形成された傾斜面の一部と対向する傾斜面と、挿通部22の径方向に平行な面とで構成されており、シール部材嵌合部92と連続して形成されている。なお、チャック部材側接触面93は、チャック部材51の第一開口部31側に形成された傾斜面の一部と対向する傾斜面と、挿通部22の径方向に平行な面とで構成されるが、これに限定されるものではない。チャック部材側接触面93の形状は、チャック部材側接触面93の少なくとも一部がチャック部材51に対して接触することで、シール部材53からチャック部材51を第二開口部32側へ押す方向の力を伝えることができる形状であればよい。

0041

<ドライブラインの保持構造の組立>
次に、保持機構組立体1の組立方法について、図1から図3を用いて説明する。

0042

ドライブライン2は、固定部材3の挿通部22に挿通される。例えば、皮膚Sに設けられた孔から体外側へ延出したドライブライン2を固定部材3の第二開口部32から第一開口部31側へ挿通することで固定部材3の挿通部22に挿通される。

0043

また、チャック部材51がドライブライン2の外周に配置される。具体的には、チャック部材51を構成する第一チャック部材65の嵌合部63とドライブライン2の外周とを当接しつつ、第二チャック部材66の嵌合部63をドライブライン2の外周と当接させる。第一チャック部材65の接合面67と第二チャック部材66の接合面68とを合わせることにより、チャック部材51がドライブライン2の外周に配置される。

0044

チャック部材51は、第一開口部31側から挿通部22内に挿入される。ここでは、挿通部22内に挿入されたチャック部材51の固定部材側当接部61は、挿通部22の挿通部傾斜面34に当接するが、この時点では、必ずしも挿通部22の挿通部傾斜面34に当接していなくともよい。次に、ドライブライン2の外周に、シール部材53が、シール部材53がチャック部材51の上側(第1開口部31側)となるように嵌められる。その後、ドライブライン2の外周に、Oリング78を嵌めたネジ部材52が、ネジ部材52がシール部材53の上側(第一開口部31側)となるように嵌められる。そして、挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72を螺号させる。雌ネジ部35が雄ネジ部72と螺号されることにより、ネジ部材52は固定部材3の第二開口部32側へと移動する。

0045

挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72を螺号させていくことにより、ネジ部材52の先端当接部74を第二開口部32の方向へ移動し、先端当接部74がチャック部材51のネジ部材側当接部62を押圧する。なお、シール部材53のチャック部材側接触面93がチャック部材51のシール部材側当接部64を押圧する。このとき、挿通部22の挿通部傾斜面34に当接していない場合には、チャック部材51が第二開口部32側へ移動し、チャック部材51の固定部材側当接部61が挿通部22の挿通部傾斜面34に当接する。そして、雌ネジ部35に対する雄ネジ部72の螺号を進めていくと、チャック部材51の移動が規制されることで、固定部材3に対してドライブライン2を密着して保持する力が発生する(詳細は後述)。これにより、密着性の高い保持構造4を備えた保持機構組立体1を組立てることができる。
なお、上記の組立手順は一例であり、挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72を螺号させるまでの組立手順は特に限定されない。

0046

<挿通部材の保持についての詳細>
挿通部材であるドライブライン2の保持について、挿通部22、チャック部材51、ネジ部材52、及びシール部材53にかかる力に関して、図3を用いて詳細に説明する。
上述したように、挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72の螺号を進めることにより、ネジ部材52の先端当接部74が第二開口部32側へ移動する。チャック部材51のネジ部材側当接部62はネジ部材52の先端当接部74と当接するため、ネジ部材52がチャック部材51を挿通部22の軸方向に押圧する。ここで、チャック部材51のネジ部材側当接部62とネジ部材52の先端当接部74との傾斜面が互いに面接触していることから、ネジ部材側当接部62は、ネジ部材側当接部62の接触面に垂直な方向の力F1を先端当接部74から受ける。この力F1は挿通部22の軸方向と平行な方向(チャック部材51を第二開口部32側へ押す方向)の分力F11と、挿通部22の径方向と平行な方向(チャック部材51をドライブライン2側へ押す方向)の分力F1Aに分解することができる。つまり、挿通部22の径方向と平行な方向の分力F1Aは、チャック部材51の嵌合部63に伝わり、ドライブライン2を押圧する力F11Aとなる。
なお、図3に示す力F1は、実際には面圧としてかかるところを、簡略的に面の中心点にかかる力として表している。以下の他の力についても同様である。

0047

また、挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72の螺号を進めることにより、ネジ部材52のネジ部材嵌合部75は、シール部材53のシール部材嵌合部92を押圧する。詳細には、ネジ部材嵌合部75の押圧面81からシール部材嵌合部92の軸方向と平行な当接面に対して、当接面と直交する方向へ押圧する。このときシール部材嵌合部92の当接面に係る力F2は、挿通部22の軸方向と平行な方向(チャック部材51を第二開口部32側へ押す方向)の力である。

0048

ネジ部材52のネジ部材嵌合部75からシール部材53のシール部材嵌合部92を押圧する力F2が加わることにより、シール部材53のチャック部材側接触面93は、チャック部材51を押圧する。より詳細には、シール部材53のチャック部材側接触面93が、チャック部材51のシール部材側当接部64を押圧する。このとき、チャック部材51のシール部材側当接部64に係る力のうち、径方向に平行な面に係る力F31は、挿通部22の軸方向と平行な方向(チャック部材51を第二開口部32側へ押す方向)の力である。

0049

また、チャック部材51のシール部材側当接部64に係る力のうち、傾斜面に係る力は、挿通部22の軸方向と平行な方向(チャック部材51を第二開口部32側へ押す方向)の分力F32と挿通部22の径方向と平行な方向の分力(図示せず)とに分解することができる。挿通部22の径方向と平行な方向の分力は、チャック部材51の嵌合部63に伝わり、ドライブライン2を押圧する力となる。ただし、シール部材53は、材料として弾性部材が用いられる場合には、その力はネジ部材52からチャック部材51に付与される力ほどの強さではない。

0050

また、上述したように、ネジ部材52の先端当接部74からチャック部材51のネジ部材側当接部62へ押圧する力F1が加わることにより、チャック部材51の固定部材側当接部61は、固定部材3の挿通部傾斜面34を押圧する。このとき、挿通部傾斜面34は、固定部材側当接部61から挿通部傾斜面34に対して垂直となる力F4を受ける。このとき、チャック部材51の第二開口部32側への移動が規制され、固定部材側当接部61は、挿通部傾斜面34が受ける力F4に対する反力f4を挿通部傾斜面34から受ける。固定部材側当接部61に係る力f4は、挿通部22の軸方向と平行な方向(チャック部材51を第一開口部31側へ押す方向)の分力と挿通部22の径方向と平行な方向(チャック部材51をドライブライン2側へ押す方向)の分力f4Aとに分解することができる。力f4Aは、チャック部材51の嵌合部63に伝わり、ドライブライン2を押圧する力F13となる。

0051

また、チャック部材51のシール部材側当接部64に係る力F31及びF32についても、チャック部材51の第二開口部32側への移動が規制されているため、シール部材53のチャック部材側接触面93に反力f31及びf32が発生する。加えて、シール部材53は、ネジ部材52及びチャック部材51よりも硬度が低く可塑性を有する素材で形成されている場合、シール部材嵌合部92の当接面に係る力F2及びチャック部材側接触面93に係る反力f31及びf32によって変形し、挿通部22の径方向と平行な方向の力F5及びF6を発生させる。挿通部22の径方向と平行な方向の力のうち、力F5は、シール部材53の挿通部材側押圧部91からドライブライン2に係る力であり、力F6は、シール部材53のシール部材嵌合部92の当接面からネジ部材52のネジ部材嵌合部75の当接面82に係る力である。シール部材53の挿通部材側押圧部91からドライブライン2へ係る力F5が発生することにより、シール部材53とドライブライン2とが密着し液密を保つことができる。また、力F6が発生することにより、ネジ部材52の先端部73が挿通部22の第一開口部31の内周面、特に雌ネジ部35付近へ押圧されることにより、雄ネジ部72と雌ネジ部35とを密着させることができるので、固定部材3とネジ部材52との液密を保つことができる。また、ネジ部材52は、ネジ部材52の先端当接部74からチャック部材51のネジ部材側当接部62へ押圧する力F1に対する反力をチャック部材51より受けるので、雄ネジ部72と雌ネジ部35とをさらに密着させることができ、雄ネジ部72と雌ネジ部35との、挿通部22の軸周り方向の凹凸が密着した嵌合となることができる。

0052

また、挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72を螺号させることにより、ネジ部材52のネジ部材嵌合部75が第二開口部32側へ移動する。これにより、シール部材53が配置された部分の容積が小さくなることで、シール部材53が弾性的に変形する。このような場合であっても、収納部76にシール部材53の変形した部分が収納されるため、シール部材53の破損などが防止される。

0053

上述したように、チャック部材51の嵌合部63には、主に、挿通部22の径方向と平行な方向(チャック部材51をドライブライン2側へ押す方向)の力F11A及び力F13がかかる。挿通部22の径方向と平行な方向(チャック部材51をドライブライン2側へ押す方向)の力のうち力F11Aは、嵌合部63の第一開口部31側の部分に面圧として作用する。一方、挿通部22の径方向と平行な方向(チャック部材51をドライブライン2側へ押す方向)の力のうち力F13は、嵌合部63の第二開口部32側の部分に面圧として作用する。このように構成することにより、チャック部材51の嵌合部63とドライブライン2の外周面とが広い面積で密着する。そしてチャック部材51の嵌合部63とドライブライン2の外周面とが広い面積で密着することにより、チャック部材51とドライブライン2との間の液密が確保される。また、チャック部材51は、固定部材側当接部61の傾斜面の傾斜角とネジ部材側当接部62の傾斜面の傾斜角との絶対値を略同一とすることにより、嵌合部63の第二開口部32側の部分の面圧と第一開口部31側の部分の面圧との差を大きくしないようにすることができ、チャック部材51とドライブライン2との隙間が生じることを抑制することもできる。

0054

また、シール部材53の挿通部材側押圧部91には、挿通部22の径方向と平行な方向(シール部材53をドライブライン2側へ押す方向)の力F5が面圧として作用する。このように構成することにより、シール部材53の挿通部材側押圧部91とドライブライン2の外周面とが広い面積で密着する。そしてシール部材53の挿通部材側押圧部91とドライブライン2の外周面とが広い面積で密着することにより、チャック部材51とドライブライン2との間の液密が確保される。

0055

また、保持機構組立体1としての液密性を確保するためには、ドライブライン2とチャック部材51との液密の確保のみならず、ネジ部材52と固定部21との液密も確保されることが好ましい。そのためには、Oリング78による液密性の確保に加えて、固定部材3の挿通部22とネジ部材52とが密着するように構成することが必要である。

0056

挿通部22の径方向と平行な方向(シール部材53をネジ部材52の当接面82側へ押す方向)力F6は、ネジ部材52の先端部73であって雄ネジ部72周辺を、挿通部22の第一開口部31の内周面、特に雌ネジ部35付近へ押圧する面圧として作用する。
そして、ネジ部材52の雄ネジ部72と、挿通部22の雌ネジ部35とが広い面積で密着することにより、固定部材3の内周面とネジ部材52の外周面との間でも液密が確保される。

0057

<効果>
以上説明したように、固定部材の第一開口部31と第二開口部32との間で液密性が確保される。すなわち、第二開口部32側から順に、チャック部材51の嵌合部63とドライブライン2の外周面、シール部材53の挿通部材側押圧部91とドライブライン2の外周面、及びネジ部材52の雄ネジ部72と、挿通部22の雌ネジ部35とがそれぞれ広い面積で密着することにより、液密性が確保されるのである。

0058

このように構成することにより、保持機構組立体1を皮膚Sに固定してドライブライン2を保持した場合において、体外側と体内側との間で液密性が確保される。このため、例えば、保持機構組立体1に外部から液体がかかった場合などに、液体中の細菌が体内側に入り込むことを防止することができる。また、液体中の細菌が体内側に入り込むことを防止することができるため、細菌が体内に侵入して繁殖することなどによる皮膚Sの落ち込み(ダウングロース)を防止することができる。また、ドライブライン2に付着した液体が体内に浸入することを防ぐことができるため、保持機構組立体1を皮膚Sに固定した状態の人が、入浴等の液体に接触する行為を行うことができる。

0059

また、本実施形態では、第二開口部32側から順に、チャック部材51の嵌合部63とドライブライン2の外周面、シール部材53の挿通部材側押圧部91とドライブライン2の外周面、及びネジ部材52の雄ネジ部72と、挿通部22の雌ネジ部35とがそれぞれ広い面積で密着することにより、固定部材3のドライブライン2を把持する力が強い。すなわち、ドライブライン2に強い引張力がかかった場合であってもドライブライン2が軸方向に動き難い。このため、ドライブライン2が固定部21から抜けてしまうことや、ドライブライン2が体腔側に移動して臓器などを損傷させることを防ぐことができる。さらに、ドライブライン2の荷重の大部分を固定部材3のフランジ部25で受けることができるため、ドライブライン2の荷重による皮膚Sの損傷を防ぐことができる。そのため、細菌が損傷個所から体内に侵入することによる皮膚Sの落ち込み(ダウングロース)を防止することができる。

0060

さらに、ドライブライン2の外径は、挿通部22の内径よりも小さく形成されるが、本実施形態では、ドライブライン2の外径と挿通部22の内径との差が大きい場合でも、液密性が確保される。これにより、例えば、皮膚Sに保持機構組立体1を形成する際に、ドライブライン2の体外側端部にドライブライン2の外径よりも外径が大きいコネクタ等が取り付けられていても、第二開口部32からドライブライン2を挿入することができる。より詳細には、補助人工心臓の体内への設置、および保持機構組立体1を皮膚Sへ設置する際には、第二開口部32からドライブライン2の体外側端部を挿入し、第一開口部31からドライブライン2の体外側端部を導出することが多い。また、ドライブライン2の体外側端部にドライブライン2の外径よりも外径が大きいコネクタ等が取り付けられていることも多い。このため、本実施形態のように、ドライブライン2の外径と挿通部22の内径との差を大きくすることで、ドライブライン2を挿通部に挿通しやすくできると共に、密着性の高い保持構造とすることができる。

0061

以上のように、保持機構組立体1は、挿通部材であるドライブライン2と、ドライブライン2を対象である皮膚Sに固定する固定部材3と、固定部材3がドライブライン2を液密に保持させる保持構造4とを備えた、ドライブライン2の保持機構組立体1であって、固定部材3は、皮膚Sに固定される固定部21と、ドライブライン2が挿通される挿通部22とを有し、挿通部22は、第一開口部31と、第二開口部32と、第一開口部31と第二開口部32とを連通する連通路33と、連通路33の内面において第一開口部31から第二開口部32に向かって内径が縮径するように設けられた挿通部傾斜面34と、第一開口部31の内周面に設けられた雌ネジ部35とを有し、保持構造4は、チャック部材51と、ネジ部材52と、シール部材53とを備え、チャック部材51は、一方の端部側の外周面に設けられ、挿通部傾斜面34と当接する固定部材側当接部61と、他方の端部側の外周面に設けられ、ネジ部材52と当接するネジ部材側当接部62と、内側に設けられ、挿通部材の外周に対して密着して嵌合する嵌合部63とを有し、ネジ部材52は、ドライブライン2が挿通されるネジ部材挿通路71と、外周面に設けられた雄ネジ部72と、挿通部22に挿入される先端部73と、先端部73の内側に設けられネジ部材側当接部62と当接する先端当接部74と、シール部材53と嵌合するネジ部材嵌合部75とを有し、シール部材53は、ドライブライン2の外周を弾性的に押圧する挿通部材側押圧部91と、ネジ部材52と嵌合するシール部材嵌合部92と、チャック部材51に対してドライブライン2の周回り方向に接触するチャック部材側接触面93とを有し、保持構造4は、ドライブライン2が固定部材3の挿通部22に挿通され、チャック部材51がドライブライン2の外周に配置され、チャック部材51の固定部材側当接部61が挿通部22の挿通部傾斜面34に当接した状態で、挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72を螺号させることで、ネジ部材52の先端当接部74がチャック部材51のネジ部材側当接部62を押圧し、シール部材53のチャック部材側接触面93がチャック部材51を押圧して、固定部材3に対してドライブライン2を密着して保持するものである。

0062

このように構成することにより、密着性の高い保持機構組立体1を提供することができる。

0063

また、ネジ部材52は、ドライブライン2の軸方向にシール部材53を押圧する押圧面81がネジ部材嵌合部75に設けられ、シール部材53が押圧されて変形した際に、シール部材53の変形した部分を収納する収納部76を有するものである。

0064

このように構成することにより、シール部材53が押圧されて変形した際に、シール部材53の変形した部分を収納することができる。また、収納部76を有することで、シール部材53を押圧する際に変形させやすくなるため、挿通部22の雌ネジ部35に対してネジ部材52の雄ネジ部72を螺号させやすくなる。

0065

また、チャック部材51が、径方向に分割され、一体的に合わせられることで略筒状体となる第一チャック部材65と第二チャック部材66とから構成されたものである。

0066

このように構成することにより、ドライブライン2をチャック部材51に挿通しやすくなり組立性が向上する。

0067

また、固定部21が、第二開口部32側に設けられ、挿通部22の外周面から連通路33の延びる方向と非平行に突出するフランジ部25を有し、挿通部材が、医療用チューブであるドライブライン2で構成されるものである。

0068

このように構成することにより、密着性が高いため、細菌感染を防止することができる。

0069

また、嵌合部が、中央部において、断面の直径が拡大されるように形成されている場合、チャック部材と嵌合部との間に隙間が生じる。この隙間には、チャック部材が押圧された際に、挿通部材の変形した部分が収納される。つまり、この隙間を有することで、挿通部材に生じた変形を吸収し、密着性を高める。

0070

<変形例>
本発明の保持機構組立体1の変形例について図4及び図5を用いて説明する。本変形例に係る保持機構組立体1と上記の保持機構組立体1との主たる相違点は、ドライブライン2の屈曲や径方向の捩れを防止する部材であるキンクガード101をネジ部材52の体外側端部に設けた点である。その他の点は、上記の実施形態に係る保持機構組立体1と同様であるので、説明を省略し、以下、キンクガード101について説明する。

0071

キンクガード101はネジ部材52に固定される固定部111と、ドライブライン2が挿通される挿通部112とを有する。ここでは、固定部111は、シリコンで構成されているが、硬質の合成樹脂などで構成されていてもよい。

0072

固定部111は、ネジ部材52に固定される部材であり、ネジ部材52と嵌合される嵌合部113とネジ部材52の体外側端部と略同径のフランジ部114とを有する。ネジ部材52の体外側端部には、キングガード101の嵌合部113を嵌合させるための嵌合孔79が設けられている。嵌合部113には径方向に突出した爪部115が外周面に設けられており、嵌合孔79に設けられた凹部に爪部115を係合させることにより、キンクガード101をネジ部材52に固定する。本変形例では、爪部115がシール部材53の端面を覆うように嵌合孔79に入り込んでいるので、シール部材53を外部から保護することができる。また、ドライブライン2に捩れや屈曲が発生するような力がかかると、この力は、ドライブライン2から挿通部112の切り込み部135(詳細は後述)により分割された部分を介して爪部115に伝達される。このため、シール部材53に上記の力が伝達されにくいので、シール部材53を保護することができ、密着性を維持しやすい。

0073

また、挿通部112は、ドライブライン2が挿通される部材であり、略円筒状に構成されている。挿通部112は、第一開口部131と、第二開口部132と、第一開口部131と第二開口部132とを連通する連通路133とを有する。第一開口部131は第二開口部132よりも小さく構成されており、第一開口部131の孔径は、ドライブライン2の外形と略同じ長さに構成されている。また、連通路133は、第一開口部131側から第二開口部132側へ向かって内径が拡径するように設けられている。

0074

挿通部112の側面には第一開口部131側端部から中途部まで切り込み部135が設けられている。切り込み部135は、ドライブライン2の挿通時に第一開口部131の直径を拡大することができるように設けられた遊び部分であり、挿通部112の側面に複数個設けられている。なお、切り込み部135の一つは、第一開口部131から第二開口部132に至るまで設けられてもよい。この場合、キンクガード101の断面形状は、C字形状となり、キンクガード101をドライブライン2の径方向から取り付けることができる。このため、皮膚Sに保持機構組立体1を形成した後でも、体外側からキンクガード101の取り換え作業などができ、メンテナンス性に優れる。

0075

キンクガード101に挿通されたドライブライン2は、第一開口部131によって把持されることとなり、ドライブライン2の径方向の捩れや屈曲が発生し難くなる。

0076

以上説明したように、本変形例では、長尺部材である挿通部材としてのドライブライン2の径方向の捩れや屈曲を防止することが可能となる。なお、キンクガードの構成は上記の構成に限られず、公知の構成を適用できる。また、挿通部材が医療用チューブである場合に限られず、キンクガードを有する構成は、可撓性を有する挿通部材を有する保持機構組立体に適用できる。

0077

本発明の挿通部材の保持機構組立体は、上記の実施形態に限らず、例えば、基体に対して挿通部材を挿通して固定する構造において適用できる。例えば、挿通部材の他の例としては、電線コントロールケーブルなどの可撓性を有する部材や、配管などの剛性を有する部材が挙げられる。また、基体としても特に限定されず、例えば、車体や壁などが挙げられる。要は、本発明の挿通部材の保持機構組立体は、挿通部材を液密または気密に固定するために用いることができる。

0078

1保持機構組立体
2ドライブライン(挿通部材)
3固定部材
4保持構造
21 固定部
22挿通部
25フランジ部
31 第一開口部
32 第二開口部
33連通路
34 挿通部傾斜面
35雌ネジ部
51チャック部材
52ネジ部材
53シール部材
61固定部材側当接部
62 ネジ部材側当接部
63 嵌合部
71 ネジ部材挿通路
72雄ネジ部
73 先端部
74 先端当接部
76収納部
81押圧面
91 挿通部材側押圧部
92 シール部材嵌合部
93 チャック部材側接触面

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