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技術 養液栽培用部材および養液栽培方法

出願人 三菱ケミカルアグリドリーム株式会社
発明者 稲山光男
出願日 2015年12月7日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-238746
公開日 2017年6月15日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-104023
状態 特許登録済
技術分野 水耕栽培 植物の栽培
主要キーワード 群設置 長側辺 略半円筒形 凸状部材 閉鎖回路 通気スペース 上向きコ字形 子タンク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月15日)のものです。
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図面 (6)

課題

安定した品質葉菜類果菜類等を栽培することが可能であり、また収穫量を増やすことが可能である養液栽培用部材および養液栽培方法を提供する。

解決手段

養液栽培用部材1は、栽培ベット槽2と定植パネル板3と、凸状部材4と、防水性シート及び親水性シート6とを有する。定植パネル板3の植え穴3aを通して根鉢7を凸状部材4の上に載せ、栽培ベット2の底面2bに培養液を流すことにより植物を生育させる。排水溝2eと凸状部材4との間の通気スペース8から根に空気(酸素)が供給される。

概要

背景

従来の葉菜類果菜類栽培は、露地栽培およびハウス栽培が中心である。しかし、これらの栽培方法は、天候不順や連作障害などの原因により安定した野菜生産ができない、気象農業用水の条件で栽培場所が限定される、肥料の流出により自然環境への負荷があるなどの問題を有している。

そこで、近年、養液などを使用する水耕栽培によって葉菜類や果菜類の栽培を行うことが試みられている。水耕栽培は、天候に左右されない安定した野菜の生産が可能であり、栽培場所が限定されない、肥料の流出が少ない栽培が可能であるなどのメリットを有している。たとえば、特許文献1(特開2006−136311号公報)には、養液による水耕栽培の技術が開示され、栽培ベッドの底面に敷設した保水シートを濡らす程度の養液を供給して栽培を行うことにより、安定した作物の生育が可能な栽培方法が開示されている。

養液栽培方法においては、根への養液の供給と酸素の供給を適切に行うことが重要であるが、植物の根の成長によって根の育成スペースが密生状態となり、酸素が十分に供給されなくなる場合がある。これらを改善する方法として、たとえば特許文献2(特開2000−50754号公報)には、根の成長に合わせて水耕栽培用ベッド本体と蓋との間を調整可能とする方法が開示されている。

しかしながら、この特許文献2の方法では、根の成長に合わせて蓋の高さを度々調整する必要があり、栽培する植物の根の成長に関する専門的な知見が必要であるばかりか、高さ調整作業の手間がかかるという問題がある。また、キュウリなどのように根が伸び密集することによりマット状になってしまう植物の場合、植物の生育が緩慢になるという問題がある。これは、根の成長が活発である場所(以降「根群発達層」ともいう。)は、養液が供給されている場所、つまりマット状になった根の下部領域が主となっているため、特許文献2の方法では、このマット状の下部領域(根群発達層)への酸素が十分に供給されないためであると推察される。

概要

安定した品質の葉菜類や果菜類等を栽培することが可能であり、また収穫量を増やすことが可能である養液栽培用部材および養液栽培方法を提供する。養液栽培用部材1は、栽培ベット槽2と定植パネル板3と、凸状部材4と、防水性シート及び親水性シート6とを有する。定植パネル板3の植え穴3aを通して根鉢7を凸状部材4の上に載せ、栽培ベット2の底面2bに培養液を流すことにより植物を生育させる。排水溝2eと凸状部材4との間の通気スペース8から根に空気(酸素)が供給される。

目的

本発明は、安定した品質の葉菜類や果菜類等を栽培することが可能であり、また収穫量を増やすことが可能である養液栽培用部材および養液栽培方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

底面に勾配をもたせた栽培ベット槽と、該栽培ベット槽の上に配置された、複数の植え穴穿設された定植パネル板とを有し、前記栽培ベット槽の底面に排水溝が設けられている養液栽培用部材において、該排水溝に被さるように親水性シートが配置され、該親水性シートと該排水溝の底面との間に通気スペースが形成されていることを特徴とする養液栽培用部材。

請求項2

前記植え穴の下方の前記栽培ベット槽の底面上に、根鉢置用凸状部材が配置され、前記親水性シートは、該凸状部材の上面に重なっていることを特徴とする請求項1に記載の養液栽培用部材。

請求項3

前記凸状部材は、前記排水溝を跨いで配置されており、該凸状部材の下側が前記通気スペースとなっていることを特徴とする請求項2に記載の養液栽培用部材。

請求項4

前記栽培ベッド槽の底面と前記凸状部材との当接部に、水及び気体の通過が可能な連通部が存在することを特徴とする請求項2又は3に記載の養液栽培用部材。

請求項5

前記凸状部材に開口が設けられていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の養液栽培用部材。

請求項6

前記栽培ベット槽の底面に防水性シートが設けられ、前記親水性シートは防水性シートの上側に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の養液栽培用部材。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の養液栽培用部材の前記植え穴を通して苗根鉢を配置し、前記栽培ベット槽の底面に培養液を流して植物を生育させることを特徴とする養液栽培方法

請求項8

前記植物はウリ科の植物であることを特徴とする養液栽培方法。

技術分野

0001

本発明は、植物の養液栽培用部材と、これを用いた植物の養液栽培方法に関し、特に根が密生する植物の栽培においても根への酸素の供給が良好となる養液栽培用部材及び養液栽培方法に関する。

背景技術

0002

従来の葉菜類果菜類の栽培は、露地栽培およびハウス栽培が中心である。しかし、これらの栽培方法は、天候不順や連作障害などの原因により安定した野菜生産ができない、気象農業用水の条件で栽培場所が限定される、肥料の流出により自然環境への負荷があるなどの問題を有している。

0003

そこで、近年、養液などを使用する水耕栽培によって葉菜類や果菜類の栽培を行うことが試みられている。水耕栽培は、天候に左右されない安定した野菜の生産が可能であり、栽培場所が限定されない、肥料の流出が少ない栽培が可能であるなどのメリットを有している。たとえば、特許文献1(特開2006−136311号公報)には、養液による水耕栽培の技術が開示され、栽培ベッドの底面に敷設した保水シートを濡らす程度の養液を供給して栽培を行うことにより、安定した作物の生育が可能な栽培方法が開示されている。

0004

養液栽培方法においては、根への養液の供給と酸素の供給を適切に行うことが重要であるが、植物の根の成長によって根の育成スペースが密生状態となり、酸素が十分に供給されなくなる場合がある。これらを改善する方法として、たとえば特許文献2(特開2000−50754号公報)には、根の成長に合わせて水耕栽培用ベッド本体と蓋との間を調整可能とする方法が開示されている。

0005

しかしながら、この特許文献2の方法では、根の成長に合わせて蓋の高さを度々調整する必要があり、栽培する植物の根の成長に関する専門的な知見が必要であるばかりか、高さ調整作業の手間がかかるという問題がある。また、キュウリなどのように根が伸び密集することによりマット状になってしまう植物の場合、植物の生育が緩慢になるという問題がある。これは、根の成長が活発である場所(以降「根群発達層」ともいう。)は、養液が供給されている場所、つまりマット状になった根の下部領域が主となっているため、特許文献2の方法では、このマット状の下部領域(根群発達層)への酸素が十分に供給されないためであると推察される。

先行技術

0006

特開2006−136311号公報
特開2000−50754号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上記の通り、養液を使用する水耕栽培においては、根群発達層に酸素を適切に供給することが重要であるが、キュウリなどのように根の成長が活発であり、根が栽培ベット槽内で密集してマット状となってしまう植物を栽培する場合には、根群発達層領域に、適切な量の酸素を供給することは難しい。また、特に果菜類等の栽培は、栽培期間が長く、根が著しく密生する状態となるため、適切な量の酸素を供給することは難しい。

0008

本発明は、安定した品質の葉菜類や果菜類等を栽培することが可能であり、また収穫量を増やすことが可能である養液栽培用部材および養液栽培方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、成長して密集してマット状となった根(以降「根群」ともいう。)は、根群のうち養液に接している下層部(根群発達層)において成長が著しく、根群全体を押し上げるようにして根が発達していくこと、そして、この根の成長が著しい根群発達層に効果的に酸素が供給されることで、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。

0010

本発明の養液栽培用部材は、底面に勾配をもたせた栽培ベット槽と、該栽培ベット槽の上に配置された、複数の植え穴穿設された定植パネル板とを有し、前記栽培ベット槽の底面に排水溝が設けられている養液栽培用部材において、該排水溝に被さるように親水性シートが配置され、該親水性シートと該排水溝の底面との間に通気スペースが形成されていることを特徴とするものである。

0011

本発明の養液栽培方法は、本発明の養液栽培用部材の前記植え穴を通して根鉢を配置し、前記栽培ベット槽の底面に培養液を流して植物を生育させることを特徴とするものである。

0012

本発明の一態様では、前記植え穴の下方の前記栽培ベット槽の底面上に、苗根鉢載置用凸状部材が配置され、前記親水性シートは、該凸状部材の上面に重なっている。この凸状部材は、栽培ベット槽と一体であってもよく、別体であってもよい。

0013

本発明の一態様では、前記凸状部材は、前記排水溝を跨いで配置されており、該凸状部材の下側が前記通気スペースとなっている。

0014

本発明の一態様では、前記栽培ベッド槽の底面と前記凸状部材との当接部に、水及び気体の通過が可能な連通部が存在する。

0015

本発明の一態様では、前記凸状部材に開口が設けられている。

0016

本発明の一態様では、前記栽培ベット槽の底面に防水性シートが設けられ、前記親水性シートは防水性シートの上側に配置されている。

発明の効果

0017

本発明の養液栽培用部材は、底面に勾配をもたせた栽培ベット槽の上に、多数の植え穴を穿設した定植パネル板を配置し、前記栽培ベット槽の底面に排水溝を有し、かつ、前記排水溝の上面に親水性シートを配置し、親水性シートと排水溝底面との間を通気スペースとしたものであり、この通気スペースを介して、密集した根群発達層に対しても効率よく、養液と酸素を供給することができる。そのため、本発明の養液栽培用部材を用いることにより、根の成長が早く、根群となり易い植物であっても十分に栽培することが可能となる。

0018

従って、本発明によれば、安定した品質の葉菜類や果菜類等を栽培することが可能であり、また収穫量を増やすことが可能である養液栽培用部材および養液栽培方法が提供される。

0019

なお、本発明の養液栽培用部材は、栽培ベット槽の底面に防水性シートを備えることが好ましい。栽培ベット槽の底面に防水性シートを備えることで、栽培ベット槽からの養液漏れを防止することができる。また、栽培ベット槽を複数接続して栽培する場合においても、該接続部から養液が漏れることを防止することができる。

図面の簡単な説明

0020

実施の形態に係る養液栽培用部材の断面斜視図である。
実施の形態に係る養液栽培用部材の断面図である。
栽培ベットの斜視図である。
凸状部材の斜視図である。
実施の形態に係る栽培システムの平面図である。

0021

以下、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は、下記実施形態に制限されるものではない。

0022

図1は実施の形態に係る養液栽培用部材を示す断面斜視図、図2はその一部の拡大断面図である。図2では、苗根鉢から伸びて密集状となっている根も示されている。図3,4は、栽培ベット及び凸状部材の斜視図である。

0023

この養液栽培用部材1は、それぞれ発泡スチロール等の発泡プラスチック製の栽培ベット槽2及び定植パネル板3と、凸状部材4と、防水性シート5と、親水性シート6とを有する。

0024

図3に明示の通り、栽培ベット槽2は、上面が開放した一方向に延在する長函状であり、1対の長側壁2a,2aと底版部2bとを有した上向きコ字形断面形状を有している。

0025

長側壁2a,2aの上端面と内側面との交差角縁部は切欠状の段部2dとなっており、この段部2dに定植パネル板3の側縁係合する。

0026

底版部2bの上面(栽培ベット槽2の底面)に排水溝2eが栽培ベット槽2の長手方向に延設されている。

0027

なお、本実施形態の栽培ベット槽2は、底板部2bの上面(栽培ベット槽2の底面)には、勾配を設けておらず、栽培ベット槽2本体を勾配をもたせて設置する形態としているが、底板部2bの上面(栽培ベット槽2の底面)に勾配をもたせ、栽培ベット槽2を水平に設置する形態としてもよい。

0028

この実施の形態では、排水溝2eは底版部2bの幅方向中央に1条のみ設けられているが、排水溝2eの本数は、2以上でもよく、養液及び酸素の必要供給量によって、適宜設定することができる。好ましくは栽培ベット槽2の幅W2方向において100〜700mmに1本であり、より好ましくは200〜600mmに1本であり、更に好ましくは300〜500mmに1本である。

0029

また、排水溝2eの深さH3は、供給する養液の量や栽培ベッド槽の勾配によって適宜設定することができるが、養液Lが流れる深さと湿気中の酸素を供給するための十分な空間が確保されていればよい。生産性や部材のコストを考慮すると、排水溝2eの深さH3は10〜50mmが好ましく、15〜40mmがより好ましく、15〜35mmが更に好ましい。

0030

また、排水溝2eの幅W1は、供給する養液の量や栽培ベッド槽の勾配によって適宜設定することができるが、養液Lが流れる深さと湿気中の酸素を供給するための十分な空間が確保される幅とすればよい。生産性や部材のコストを考慮すると、排水溝2eの幅W1は30〜200mmが好ましく、40〜180mmがより好ましく、50〜150mmが更に好ましい。

0031

栽培ベット槽2及び定植パネル板3の長さは、例えば1000〜3000mm程度とされるが、これに限定されない。

0032

定植パネル板3には、長手方向に間隔をおいて複数の植え穴3aが設けられている。植え穴3aは凸状部材4の上方に位置している。図示の実施の形態では、排水溝2eが1本だけ設けられ、植え穴3aの列も1列となっているが、排水溝2eが複数本設け、また植え穴3aも複数列設けてもよく、更に、前記排水溝2eと植え穴3aの位置は、必ずしも同一線上でなくても良い。

0033

防水性シート5は、栽培ベット2の長側壁2a,2aの上端面及び内側面、底版部2b上面、排水溝2eの底面及び両側面を覆うように設けられている。

0034

排水溝2eを跨ぐように凸状部材4が設けられている。この実施の形態では、凸状部材4は略半円筒形の本体部4cを有し、該本体部4cの長手方向の両側辺から外方に向ってフランジ部4aが突設されている。本体部4cには、このフランジ部4aの近傍に開口4bが長手方向に間隔をあけて複数個設けられている。

0035

なお、本体部4cは半円筒形に限らず、半楕円形下向きコ字形などの断面形状のものであってもよい。開口4bの形状は、養液と空気を通過させることができる形状であれば特に限定することは無く、たとえば、円形状、楕円形状またはスリット形状であっても良い。

0036

また、開口4bの位置は、特に限定されないが、フランジ部4aから高さ5〜50mm、特に5〜40mm、とりわけ5〜30mmの間に設置することが好ましい。

0037

凸状部材4は、防水性シート5を敷設した後、本体部4cが排水溝2eを跨ぎフランジ部4a,4aが排水溝2eの縁部に沿って延在するように配置される。フランジ部4aと、その下側の防水性シート5との間には、凸状部材4の撓みや防水性シート5の皺などにより、液及び空気が通過する連通部4dが形成される。なお、連通部4dの高さを大きくするために、スペーサを配置したり、フランジ部4aの下面に突起を設けたりしてもよい。この凸状部材4と排水溝2eとで囲まれるスペースが通気スペース8となっている。

0038

凸状部材4の高さは、特に限定されることはなく、栽培ベット槽2と定植パネル板3との間の空間Sの高さと、栽培する植物によって適宜設定することができるが、凸状部材4の頂部から定植パネル板3の下面までの高さH1は20〜100mm、特に20〜80mmが好ましい。

0039

また、栽培ベット槽2の底版部2bと定植パネル板3との間の高さH2は、栽培する植物の種類や、栽培する期間によって適宜設定することができるが、生産性や材料のコストを考慮すると、50mm〜150mm程度とすることが好ましい。

0040

この栽培ベット2の長側壁2aの上端面及び内側面、排水溝2e以外の底版部2b上面、並びに凸状部材4の上面を覆うように親水性シート6が設けられる。親水性シート6は、空気を透過させると共に毛管作用によって液を汲み上げることができ、更に根を通過させない素材であれば、特に限定することはない。例えば、不織布、紙、布などが挙げられる。この親水性シートとしては、「根切りシート」として市販されているものなどを用いることができる。

0041

このように構成された養液栽培用部材1は、複数個突き合わされ、長さ10〜100mの栽培ベット槽列10(図5)とされる。防水性シート5は各栽培ベット槽2に跨って連続して敷設される。これにより、栽培ベット槽2同士の突き合わせ面からの漏水が防止される。

0042

各栽培ベット槽2に被せられた定植パネル板3の植え穴3aを通して苗根鉢7を凸状部材4の上に載せ、栽培ベット槽2の底面2bに培養液を流すことにより植物を生育させる。これにより、長側辺2a,2a、底版部2b及び定植パネル板3で囲まれる生育スペースSに苗根鉢7から根7r(図2)が伸びる。

0043

凸状部材4を使用することで、栽培ベット槽2と定植パネル板3との間の生育スペースSを適度なものとすることができ、また苗根鉢7が養液の流れに洗われないので、苗根鉢7の培地崩れたり、培地が流出することが抑制される。

0044

凸状部材4、排水溝2e及び親水性シート6を配置することで、栽培ベット槽2の底面を流れる養液の流れが、栽培する植物の根の成長によって阻害されたり、養液が滞留したりすることを抑制することができる。つまり、滞留した養液を該排水溝2eに流入させることで養液の滞留を抑制することができ、栽培する植物の根が養液に水没して酸素不足になることを抑制し、かつ、植物の根に適度な量の養液を供給することが可能となる。

0045

また、通気スペース8から連通部4d及び開口4b並びに親水性シート6を通して、排水溝2e内と通気スペース8内の酸素(空気)を、根生育スペースSで生長して密集した根の根群発達層に、効率よく供給することが可能となる。

0046

本発明の養液栽培方法によると、水中で生育させる水中根と、湿気中に維持し多数の根毛を有する湿気中根の2つの異なった形態・機能を持った根を発生させることができる。水中根は主に養液中の肥料と水を吸収し、湿気中根は主に湿気中から直接酸素を吸収する。

0047

本発明の養液栽培方法で生育させた植物の根群は、水中根が多く占める領域と、湿気中根が多く占める領域と、水中根と湿気中根が混在する領域の3つの領域を有する根群とすることができる。更に、水中根と湿気中根が混在する領域と、水中根が多く占める領域に効率よく酸素を供給することで、根が密生した状態においても溶存酸素不足することを抑制することができ、収穫量を増加さることが可能となる。

0048

本発明の養液栽培用部材は、水深が浅く、根への酸素供給が容易である薄膜水耕栽培(以後「NFT」ともいう。)に特に適している。

0049

また、本発明は、根が多く成長する果菜類の栽培に好ましく、より好ましくはウリ科の植物の栽培に使用することができ、更に好ましくはキュウリの栽培に好適に使用することができる。

0050

図5は、本発明の実施の形態に係る養液栽培システムを示す平面図である。

0051

図5では、ハウス内に複数の栽培ベット槽1を複数個直列に接続して栽培ベット槽列10とし、この栽培ベット槽列10を複数列(図示では4列)配列して栽培ベット槽群20とし、栽培ベット槽群20を複数並列して設置している。なお、1つの栽培ベット槽列10にあっては、複数個の栽培ベット槽1を直列に配列し、各栽培ベット槽1に跨って防水性シート5を敷いている。これにより、栽培ベット槽1同士の突き合わせ面からの漏水を防止している。1つの栽培ベット槽列10を構成する栽培ベット槽1の数は5〜100個程度であるが、これに限定されない。

0052

各々の栽培ベット槽列10は、長手方向の一端部から他端部に向けて流水勾配を有するように約1/80〜1/200程度の勾配で設置されている。1つの栽培ベット槽群20に1個の子タンク33が付随して設置されている。

0053

この養液栽培システムは、養液を貯める親タンク26を有する。この親タンク26に液肥と水が供給制御弁24a,25a付き配管24,25から供給され、所定濃度の養液が調製される。親タンク26で調製された所定濃度の養液がポンプ27、配管28、三方弁29、流量計30及びボールタップ31を介して各子タンク33に分配供給される。三方弁29には、給水用配管32が接続されており、該三方弁29を切り替え操作することにより子タンク33に配管32からの水を供給できるよう構成されている。

0054

子タンク33内の液は、ポンプ34、配管35及び弁36を介して各栽培ベット槽列10に供給される。

0055

子タンク33に親タンク26で調製された養液を供給して貯めておくことにより、各栽培ベット槽列10に、親タンク26で調製された均一の濃度の養液を常に供給することができる。

0056

図5では、1つの栽培ベット槽群20で使用した養液を、配管37を介して当該栽培ベット槽群20の子タンク33に戻して、養液を循環させる。子タンク33内には、ボールタップ31によって親タンク26から養液又は配管32からの水が追加供給され、子タンク33内の養液の液面レベルが一定に維持される。

0057

図5のように、栽培ベット槽群20毎に子タンク33を設けることで、子タンク33で栽培する養液を比較的に少量で管理することができる。収穫が終了すると、1つの栽培ベット槽群20に使用していた養液は廃棄され、新しい養液で栽培を開始することが好ましい。

0058

これにより、前期作の栽培によって養液内に流出した、根からの分泌物有機酸など)や、根の表皮細胞脱落などの影響を受けることがなく、次期で栽培される野菜も、安定して栽培が可能となる。

0059

図5では、一部の栽培ベット槽群20では栽培を続行している間に、他の栽培ベット槽群20では清掃(収穫が終了した後の清掃)を行うなど、各栽培ベット槽群20ごとに、別々に工程を進めることができる。

0060

また、1つの栽培ベット槽群20で病原菌が発生した場合にも、他の栽培ベット槽群20への病原菌の感染を抑制することができる。即ち、親タンク26まで養液を戻さないので、養液を循環させる閉鎖回路(栽培ベット槽群20)内だけで汚染が止まる。

0061

各栽培ベット槽群20で栽培している葉菜類や果菜類の栽培後期において、養液の供給から水の供給へ切り替えることにより、子タンク33と栽培ベット槽列10を循環する養液の肥料濃度を低下させることができる。その結果、栽培後期において、植物体内硝酸量を、徐々に削減させることが可能となり、硝酸量を減少させた状態で葉菜類や果菜類の収穫を行うことができる。

0062

植物体内の硝酸は、人体に取り込まれるとアミド態の窒素と結合して、ニトロソアミンを生成する。栽培後期に養液の肥料濃度を低くすることにより、植物体内の硝酸濃度を低減することができる。また、使用していた養液中の窒素、リン酸カリも栽培後期において低濃度とすることにより、収穫が終了した後、養液の廃棄においても、環境への負荷を大幅に軽減することができる。

0063

[実施例1]
図1〜4に示す栽培ベット槽1を5個直列に配列して長さ10mの栽培ベット槽列10を構成し、これを4列並設して栽培ベット槽群20を構成した。この栽培ベット槽群20を1群設置し、図5に示す栽培システムを構成した。このシステムを用い、下記条件にてキュウリを栽培した。養液としては、養液濃度をEC2.0dS/m、養液温度を20℃に設定したものを用いた。収穫の結果を表1に示す。

0064

栽培面積:60m2
株数:80株(0.75m2/株)
・栽培ベット槽の大きさ
H1:50mm
H2:100mm
H3:20mm
W1:100mm
W2:400mm
・栽培ベット槽の勾配:1/100
・養液の供給量:10リットル/min

0065

実施例

0066

表1の結果より、本発明の養液栽培部材を用いてキュウリを栽培することにより、1年間の10a当たりの換算収穫量として約45t収穫することができた。キュウリの土耕栽培による平均収穫量20〜25t/10aと比較し、本発明の養液栽培用部材を用いた栽培は、多くの収穫量を得ることができた。

0067

1養液栽培用部材
2栽培ベット
2b 底面
2e排水溝
3定植パネル板
3a植え穴
4凸状部材
4b 開口
4d 連通部
5防水性シート
6親水性シート
7苗根鉢
8通気スペース
10 栽培ベット槽列
20 栽培ベット槽群
26 親タンク
29三方弁
30流量計
31 ボールタップ

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