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技術 フォトンカウンティング撮像装置及びX線検出装置

出願人 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
発明者 加藤徹林幹人中井宏章
出願日 2015年12月1日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2015-234651
公開日 2017年6月8日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-101998
状態 特許登録済
技術分野 放射線診断機器
主要キーワード 時間判定回路 不感期間 主記憶回路 補正値信号 ヒストグラムカウンタ 集積回路記憶装置 エネルギー帯域 リバース型
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

エネルギー分解能の精度の信頼性の向上。

解決手段

X線管13は、X線を発生する。X線検出器25は、X線管13から発生されたX線を蛍光に変換するシンチレータ33と、蛍光に感応して所定の波高値電気信号を個別に発生する複数のAPDセル37を有する検出器画素31と、複数のAPDセル37からの電気信号に基づき入射X線光子エネルギーに応じた波高値を有するエネルギー信号を生成する出力回路39とを有する。データ収集回路27は、エネルギー信号に基づいてX線のカウントを示すカウントデータをエネルギー・ビン毎に生成する。データ収集回路27は、検出器画素31の充電期間充電完了期間とでカウントデータの生成態様を切り替える。

概要

背景

X線コンピュータ断層撮影装置に使用されるX線検出装置として、X線エネルギー計測するフォトンカウンティング型のX線検出装置が知られている。フォトンカウンティング型のX線検出装置としては、SiPM(silicon photo-multiplier)がある。SiPMは、複数の検出器画素を有する。各検出器画素はシンチレータと複数のAPD(avalanche photo-diode)セルとを有する。シンチレータは、入射したX線を複数の蛍光光子に変換する。複数の蛍光光子は、複数のAPDセルに受光される。ガイガーモードにおいて各APDセルは、一個以上の蛍光光子に感応して電子雪崩を起こし(発火し)、蛍光光子の個数に依存しない規定の波高値又は電荷量の電流パルスを発生する。発火したAPDセル数蛍光光子数(すなわち、入射X線のエネルギー)に依存する。複数のAPDセルからの複数の電流パルスは一個の電流パルス(出力パルス)に集約され、当該出力パルスの波高値又は電荷量を測定することにより、入射X線のエネルギーを計測することができる。

APDセルは、蛍光光子に感応して発火すると、次に発火可能となるまで充電が必要である。SiPMに入射するX線の線量が過大になると、APDセルの充電が間に合わなくなる。充電が不十分な状態で発火すると見かけの出力パルスの波高値が低下してしまう。この現象が発生した場合、充電不足に起因する波高値であるのか、本当に低い波高値であるのか区別することはできない。出力パルスの波高値はX線のエネルギーを決める重要な物理量であるため、充電不足に起因する波高値の低下を招き得るX線検出装置は、エネルギー分解能の精度の信頼性が低いといえる。

概要

エネルギー分解能の精度の信頼性の向上。X線管13は、X線を発生する。X線検出器25は、X線管13から発生されたX線を蛍光に変換するシンチレータ33と、蛍光に感応して所定の波高値の電気信号を個別に発生する複数のAPDセル37を有する検出器画素31と、複数のAPDセル37からの電気信号に基づき入射X線光子のエネルギーに応じた波高値を有するエネルギー信号を生成する出力回路39とを有する。データ収集回路27は、エネルギー信号に基づいてX線のカウントを示すカウントデータをエネルギー・ビン毎に生成する。データ収集回路27は、検出器画素31の充電期間充電完了期間とでカウントデータの生成態様を切り替える。

目的

特開2008−256522号公報
特開2014−176620号公報






実施形態の目的は、エネルギー分解能の精度の信頼性を向上するフォトンカウンティング撮像装置及びX線検出装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

X線を発生するX線管と、前記X線管から発生されたX線を蛍光に変換する変換体と、前記蛍光に感応して所定の波高値電気信号を個別に発生する複数の光電変換素子を有する検出器画素と、前記複数の光電変換素子からの電気信号に基づき前記X線のエネルギーに応じた波高値を有するエネルギー信号を生成する出力回路とを有するX線検出器と、前記エネルギー信号に基づいてX線のカウントを示すカウントデータエネルギー帯域毎に生成するデータ収集回路であって、前記検出器画素の充電期間充電完了期間とで前記カウントデータの生成態様を切り替える、データ収集回路と、を具備するフォトンカウンティング撮像装置

請求項2

前記データ収集回路は、前記充電期間において前記エネルギー信号をカウントせず、前記充電完了期間において前記エネルギー信号をカウントする、請求項1記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項3

前記データ収集回路は、前記エネルギー信号をカウントして前記カウントデータを生成するカウント回路と、前記充電期間の場合、前記充電期間である旨の充電信号を出力し、前記充電完了期間の場合、前記充電信号を出力しない充電信号出力回路と、を有し、前記カウント回路は、前記充電信号出力回路から前記充電信号が出力された場合、前記エネルギー信号をカウントせず、前記充電信号出力回路から前記充電信号が出力されない場合、前記エネルギー信号をカウントする、請求項2記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項4

前記充電信号出力回路は、前記検出器画素の測定電位基準電位とを比較し、前記測定電位が前記基準電位よりも低い場合、前記充電期間であるとして前記充電信号を前記カウント回路に出力し、前記測定電位が前記基準電位よりも低くない場合、前記充電完了期間であるとして前記充電信号を前記カウント回路に出力しない、請求項3記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項5

前記充電信号出力回路と前記カウント回路との間に設けられ、前記カウント回路への前記充電信号と前記エネルギー信号との入力タイミングを同期するために前記充電信号の前記カウント回路への入力時刻遅延させる遅延回路をさらに備える、請求項3記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項6

前記データ収集回路は、前記X線検出器からのエネルギー信号をカウントして前記カウントデータを生成するカウント回路と、前記充電期間の場合、前記X線検出器と前記カウント回路との接続を遮断し、前記充電完了期間の場合、前記X線検出器と前記カウント回路とを接続する切替器と、を有する、請求項2記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項7

前記検出器画素の測定電位と基準電位とを比較し、前記測定電位が前記基準電位よりも低い場合、前記充電期間である旨の充電信号を前記切替器に出力し、前記測定電位が前記基準電位よりも低くない場合、前記充電信号を出力しない比較器をさらに備え、前記切替器は、前記充電信号が供給された場合、前記X線検出器と前記カウント回路との接続を遮断し、前記充電信号が供給されない場合、前記X線検出器と前記カウント回路とを接続する、請求項6記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項8

前記エネルギー信号の出力からの経過時間に基づいて前記充電期間と前記充電完了期間とを判定し、前記充電期間であると判定した場合、前記充電期間である旨の充電信号を前記切替器に出力し、前記充電完了期間であると判定した場合、前記充電信号を前記切替器に出力しない判定回路をさらに備え、前記切替器は、前記充電信号が供給された場合、前記X線検出器と前記カウント回路との接続を遮断し、前記充電信号が供給されない場合、前記X線検出器と前記カウント回路とを接続する、請求項6記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項9

前記X線検出器からの前記エネルギー信号を検出する検出回路をさらに備え、前記判定回路は、前記検出回路により前記エネルギー信号が検出されたことを契機として前記経過時間を計測し、前記経過時間が前記光電変換素子に応じた電荷充電時間を経過するまでは、前記充電期間であるとして前記充電信号を前記切替器に出力し、前記経過時間が前記充電時間を経過した場合、前記充電完了期間であるとして前記充電信号を前記切替器に出力しない、請求項8記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項10

前記データ収集回路は、前記充電期間において前記エネルギー信号を、前記検出器画素への印加電圧増倍率との関係に応じて補正し、前記充電完了期間において前記エネルギー信号を補正しない、請求項1記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項11

前記データ収集回路は、前記エネルギー信号の波高値に基づいて前記検出器画素への印加電圧と増倍率との関係に応じた補正値を決定する補正値決定回路と、前記エネルギー信号の波高値を前記補正値に応じて補正して補正信号を出力する補正回路と、前記補正回路からの前記補正信号をカウントするカウント回路と、を有する、請求項10記載のフォトンカウンティング撮像装置。

請求項12

X線を蛍光に変換する変換体と、前記蛍光に感応して所定の波高値の電気信号を個別に発生する複数の光電変換素子を有する検出器画素と、前記複数の光電変換素子からの電気信号に基づき前記X線のエネルギーに応じた波高値を有するエネルギー信号を生成する出力回路とを有するX線検出器と、前記X線検出器からのエネルギー信号に基づいてX線のカウントを示すカウントデータをエネルギー帯域毎に生成するデータ収集回路であって、前記検出器画素の充電期間と充電完了期間とで前記カウントデータの生成態様を切り替える、データ収集回路と、を具備するX線検出装置

技術分野

0001

本発明の実施形態は、フォトンカウンティング撮像装置及びX線検出装置に関する。

背景技術

0002

X線コンピュータ断層撮影装置に使用されるX線検出装置として、X線エネルギー計測するフォトンカウンティング型のX線検出装置が知られている。フォトンカウンティング型のX線検出装置としては、SiPM(silicon photo-multiplier)がある。SiPMは、複数の検出器画素を有する。各検出器画素はシンチレータと複数のAPD(avalanche photo-diode)セルとを有する。シンチレータは、入射したX線を複数の蛍光光子に変換する。複数の蛍光光子は、複数のAPDセルに受光される。ガイガーモードにおいて各APDセルは、一個以上の蛍光光子に感応して電子雪崩を起こし(発火し)、蛍光光子の個数に依存しない規定の波高値又は電荷量の電流パルスを発生する。発火したAPDセル数蛍光光子数(すなわち、入射X線のエネルギー)に依存する。複数のAPDセルからの複数の電流パルスは一個の電流パルス(出力パルス)に集約され、当該出力パルスの波高値又は電荷量を測定することにより、入射X線のエネルギーを計測することができる。

0003

APDセルは、蛍光光子に感応して発火すると、次に発火可能となるまで充電が必要である。SiPMに入射するX線の線量が過大になると、APDセルの充電が間に合わなくなる。充電が不十分な状態で発火すると見かけの出力パルスの波高値が低下してしまう。この現象が発生した場合、充電不足に起因する波高値であるのか、本当に低い波高値であるのか区別することはできない。出力パルスの波高値はX線のエネルギーを決める重要な物理量であるため、充電不足に起因する波高値の低下を招き得るX線検出装置は、エネルギー分解能の精度の信頼性が低いといえる。

先行技術

0004

特開2008−256522号公報
特開2014−176620号公報

発明が解決しようとする課題

0005

実施形態の目的は、エネルギー分解能の精度の信頼性を向上するフォトンカウンティング撮像装置及びX線検出装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本実施形態に係るフォトンカウンティング撮像装置は、X線を発生するX線管と、前記X線管から発生されたX線を蛍光に変換する変換体と、前記蛍光に感応して所定の波高値の電気信号を個別に発生する複数の光電変換素子を有する検出器画素と、前記複数の光電変換素子からの電気信号に基づき前記X線のエネルギーに応じた波高値を有するエネルギー信号を生成する出力回路とを有するX線検出器と、前記エネルギー信号に基づいてX線のカウントを示すカウントデータエネルギー帯域毎に生成するデータ収集回路であって、前記検出器画素の充電期間充電完了期間とで前記カウントデータの生成態様を切り替える、データ収集回路と、を具備する。

図面の簡単な説明

0007

本実施形態に係るフォトンカウンティングCT装置の構成を示す図
図1のX線検出器に含まれる複数の検出器画素(SiPM)の模式的な斜視図
図2半導体チップの模式的な回路
図3のAPDセルの模式的な縦断面を示す図
図3の検出器画素から出力されるエネルギー信号の波高値を模式的に示す図
低線量下において検出器画素(SiPM)から出力される電流パルスの波高値を示すグラフ
高線量下において検出器画素(SiPM)から出力される電流パルスの波高値を示すグラフ
本実施形態の実施例1に係るX線検出装置の回路構成を示す図
実施例1に係るX線検出装置のタイミングチャートを示す図
本実施形態の実施例2に係るX線検出装置の回路構成を示す図
実施例2に係るX線検出装置のタイミングチャートを示す図
本実施形態の実施例3に係るX線検出装置の回路構成を示す図
実施例3に係るX線検出装置のタイミングチャートを示す図
本実施形態の実施例4に係るX線検出装置の回路構成を示す図
実施例4に係る検出器画素の増倍率逆電圧との線形関係を示すグラフ
本実施形態の実施例5に係るX線検出装置の回路構成を示す図

実施例

0008

以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるフォトンカウンティング撮像装置及びX線検出装置を説明する。

0009

本実施形態に係るフォトンカウンティング撮像装置は、X線CTタイプの装置(以下、フォトンカウンティングCT装置と呼ぶ)とX線撮影タイプの装置(以下、フォトンカウンティングXR装置と呼ぶ)とのいずれのタイプにも適用可能である。以下、本実施形態に係るフォトンカウンティング撮像装置としてフォトンカウンティングCT装置を具体例に挙げて詳細に説明する。

0010

フォトンカウンティングCT装置には、X線管とX線検出装置とが1体となって被検体の周囲を回転する回転/回転型(ROTATE/ROTATE—TYPE)や、リング状に配列された多数の検出器画素が固定され、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転型(STATIONARY/ROTATE—TYPE)等様々なタイプが考えられるが、いずれのタイプでも本実施形態は適用可能である。しかしながら、以下の説明においてフォトンカウンティングCT装置は、回転/回転型であるものとして説明する。

0011

図1は、本実施形態に係るフォトンカウンティングCT装置の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るフォトンカウンティングCT装置は、架台10とコンソール50とを有する。例えば、架台10はCT検査室に設置され、コンソール50はCT検査室に隣接する制御室に設置される。架台10とコンソール50とは互いに通信可能に有線又は無線で接続されている。架台10は、被検体SをフォトンカウンティングCT撮像するための構成を有するスキャン装置である。コンソール50は、架台10を制御するコンピュータである。

0012

架台10は、円筒形状を有する回転フレーム11を回転軸Z回りに回転可能に支持している。回転フレーム11は、アルミ等の金属により円環形状に形成された金属枠である。回転フレーム11には、回転軸Zを挟んで対向するようにX線管13とX線検出装置15とが取り付けられている。より詳細には、架台10は、アルミ等の金属により形成されたメインフレーム(図示せず)を装備し、メインフレームにより回転軸Z回りに軸受等を介して回転フレーム11が回転可能に支持されている。メインフレームの回転フレーム11との接触部には環状電極(図示せず)が設けられている。メインフレームの当該接触部には環状電極に摺り接触するように導電性摺動子(図示せず)が取り付けられている。当該環状電極及び摺動子を介して、架台10に収容された電源装置(図示せず)からの電力が回転フレーム11に搭載されたX線検出装置15や高電圧発生器17等の各種機器に供給される。

0013

回転フレーム11の開口(bore)にはFOV(field of view)が設定される。回転フレーム11の開口内には天板19が挿入される。天板19には被検体Sが載置される。天板19に載置された被検体Sの撮像部位がFOV内に含まれるように天板19が位置決めされる。回転フレーム11は、回転駆動装置21からの動力を受けて回転軸Z回りに一定の角速度で回転する。回転駆動装置21としてダイレクトドライブモータサーボモータ等の任意のモータが用いられる。回転駆動装置21は、例えば、架台10に収容されている。回転駆動装置21は、架台制御回路23からの駆動信号を受けて回転フレーム11を回転させるための動力を発生する。

0014

X線管13は、高電圧発生器17に接続されている。高電圧発生器17は、例えば、回転フレーム11に取付けられている。高電圧発生器17は、架台10の電源装置(図示せず)から環状電極及び摺動子を介して供給された電力から、架台制御回路23による制御に従いX線管13に印加する高電圧を発生する。高電圧発生器17とX線管13とは高圧ケーブル(図示せず)を介して接続されている。高電圧発生器17により発生された高電圧は、高圧ケーブルを介してX線管13に印加される。

0015

X線検出装置15は、X線管13から発生されたX線をフォトン単位で検出する。具体的には、X線検出装置15は、X線検出器25とデータ収集回路27とを有する。X線検出器25は、X線管13から発生されたX線を検出する。より詳細には、X線検出器25は、2次元湾曲面上に配列された複数の検出器画素(図示せず)を有している。各検出器画素はX線を検出する。本実施形態に係るX線検出器25としては、例えば、SiPM(silicon photomultipliers)が適用される。具体的には、SiPMタイプのX線検出器25は、詳細は後述するが、各検出器画素について、X線管13から発生されたX線を蛍光に変換する変換体と、蛍光に感応して所定の波高値の電気信号を個別に発生する複数の光電変換素子と、複数の光電変換素子からの電気信号に基づき入射X線のエネルギーに応じた波高値を有する出力信号(以下、エネルギー信号と呼ぶ)を生成する出力回路(図示せず)とを有する。データ収集回路27は、X線検出器25からのエネルギー信号に基づいて、X線検出器25により検出されたX線のカウントを示すデジタルデータ(以下、カウントデータと呼ぶ)を、複数のエネルギー帯域(エネルギー・ビン)毎に生成する。詳細は後述するが、データ収集回路27は、X線検出器25に含まれる複数の光電変換素子の充電期間と充電完了期間とでカウントデータの生成態様を切り替えることが可能に構成されている。カウントデータは、生成元の検出器画素のチャンネル番号列番号、収集されたビューを示すビュー番号、及びエネルギー・ビン番号により識別されたカウント値のデータのセットである。カウントデータは、例えば、架台10に収容された非接触データ伝送装置(図示せず)を介してコンソール50に供給される。

0016

架台制御回路23は、コンソール50のシステム制御回路61からの制御に従いX線検出装置15、高電圧発生器17、及び回転駆動装置21を同期的に制御し、被検体SについてフォトンカウンティングCT撮像を行う。ハードウェア資源として、架台制御回路23は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の処理装置プロセッサ)とROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置メモリ)とを有する。架台制御回路23は、架台10に設けられても良いし、コンソール50に設けられても良いし、架台10及びコンソール50とは別体の装置に設けられても良い。また、架台制御回路23は、特定用途向け集積回路(Application Specific IntegratedCircuit:ASIC)やフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Logic Device:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されても良い。処理装置は、記憶装置に保存されたプログラム読み出して実行することで上記機能を実現する。なお、記憶装置にプログラムを保存する代わりに、処理装置の回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、処理装置は、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで上記機能を実現する。

0017

図1に示すように、コンソール50は、バス(bus)を介して接続された画像再構成装置51、画像処理装置53、表示機器55、入力機器57、主記憶回路59、及びシステム制御回路61を有する。画像再構成装置51、画像処理装置53、表示機器55、入力機器57、主記憶回路59、及びシステム制御回路61間のデータ通信は、バスを介して行われる。

0018

画像再構成装置51は、架台10からのカウントデータに基づいて被検体Sに関する画像を再構成する。具体的には、画像再構成装置51は、カウントデータ記憶部511と再構成演算部513とを有する。カウントデータ記憶部511は、架台10から伝送されたカウントデータを記憶するHDDSSD、集積回路記憶装置等の記憶装置である。再構成演算部513は、例えば、複数のエネルギー・ビンに関するカウントデータに基づいて被検体Sに含まれる各基底物質空間分布表現するフォトンカウンティングCT画像を発生する。画像再構成アルゴリズムとしては、FBP(filtered back projection)法やCBP(convolution back projection)法等の解析学的画像再構成法や、ML−EM(maximum likelihood expectation maximization)法やOS−EM(ordered subset expectation maximization)法等の統計学的画像再構成法等の既存の画像再構成アルゴリズムが用いられれば良い。

0019

画像再構成装置51は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等の処理装置(プロセッサ)とROMやRAM等の記憶装置(メモリ)とを有する。また、画像再構成装置51は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。当該処理装置は、当該記憶装置に保存されたプログラムを読み出して実行することで再構成演算部513の機能を実現する。なお、当該記憶装置にプログラムを保存する代わりに、当該処理装置の回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、当該処理装置は、回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで再構成演算部513の機能を実現する。また、上記再構成演算部513として機能する専用のハードウェア回路が画像再構成装置に実装されても良い。

0020

画像処理装置53は、画像再構成装置51により再構成されたCT画像に種々の画像処理を施す。例えば、画像処理装置53は、CT画像がボリュームデータの場合、当該CT画像にボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の3次元画像処理を施して表示画像を発生する。画像処理装置53は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU等の処理装置(プロセッサ)とROMやRAM等の記憶装置(メモリ)とを有する。また、画像再構成装置51は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。

0021

表示機器55は、2次元のCT画像や表示画像等の種々の情報を表示する。表示機器55としては、例えば、CRTディスプレイ液晶ディスプレイ有機ELディスプレイLEDディスプレイプラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。

0022

入力機器57は、ユーザからの各種指令情報入力受け付ける。入力機器57としては、キーボードマウス、各種スイッチ等が利用可能である。なお、入力機器57は、コンソール50に設けられても良いし、架台10に設けられても良い。

0023

主記憶回路59は、種々の情報を記憶するHDDやSSD、集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、主記憶回路59は、CD−ROMドライブDVDドライブフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。例えば、主記憶回路59は、本実施形態に係るフォトンカウンティングCT撮像に関する制御プログラム等を記憶する。

0024

システム制御回路61は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の処理装置(プロセッサ)とROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置(メモリ)とを有する。また、システム制御回路61は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。システム制御回路61は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の中枢として機能する。具体的には、システム制御回路61は、主記憶回路59に記憶されている制御プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線コンピュータ断層撮影装置の各部を制御する。

0025

画像再構成装置51、画像処理装置53、及びシステム制御回路61は、コンソール50内の単一の基板に集約されても良いし、複数の基板に分散して実装されても良い。

0026

以下、本実施形態に係るフォトンカウンティングCT装置の詳細について説明する。

0027

まずは、本実施形態に関わるX線検出装置について説明する。

0028

図2は、X線検出器25に含まれる複数の検出器画素(SiPM)の模式的な斜視図である。図2に示すように、X線検出器25は、半導体基板に2次元上に配列された複数の検出器画素31を有している。例えば、1台のX線検出器25に8000個以上の検出器画素31が配列され、より詳細には、チャンネル方向に関して500ch、列方向に関して16列以上配列される。各検出器画素31は、蛍光体33と半導体チップ35とを有している。蛍光体33はシンチレータと呼ばれている。複数の蛍光体33の各々は、例えば、柱状形状を有し、互いに遮光材(図示せず)を隔てて配置される。各シンチレータ33は、X線管13からのX線光子相互作用し、当該X線光子を複数の蛍光(シンチレーション光子に変換する。シンチレータ33としては、例えば、GSO、LaBr3等の任意の結晶が用いられると良い。

0029

図3は、半導体チップ35の模式的な回路図である。図3に示すように、各半導体チップ35には複数の光電変換素子が実装される。本実施形態に係る光電変換素子としては、APD(avalanche photo-diode)セルが用いられる。半導体チップ35には複数のAPDセル37が2次元状に配列されている。エネルギー分解能とダイナミックレンジの確保との観点から、例えば、1個の検出器画素31に数100〜数1000のAPDセルが配置されると良い。APDセル37は、シリコンベースとした半導体である。APDセル37の構造としては、リーチスルー型リバース型等が知られている。本実施形態に係るAPDセル37としては、既存の如何なる構造も利用可能である。

0030

図4は、APDセル37の模式的な縦断面を示す図である。図4に示すAPDセル37は、一例として、短波長用のAPDセルを示しているが、本実施形態はこれに限定され、近赤外用のAPDセル等の様々なタイプに適用可能である。APDセル37は、シンチレータ33からの蛍光光子の入射を受けて電子正孔対を爆発的に生成する。この現象は電子雪崩と呼ばれている。電子雪崩によりAPDセル37は、規定量の電流パルスを発生する。APDセル37が電子雪崩を起こすことは「発火する」と呼ばれている。

0031

各半導体チップ35に含まれる複数のAPDセル37は、図3に示す共通の出力回路39を介して波形整形回路41に接続されている。出力回路39は、複数のAPDセル37により発生された電流パルスを重ね合わせて当該検出器画素31に入射したX線光子のエネルギーに応じた電流パルスであるエネルギー信号を発生する。波形整形回路41は、出力回路39からのエネルギー信号の波形を整形する。

0032

図5は、検出器画素31から出力されるエネルギー信号の波高値を模式的に示す図である。上記の通り、シンチレータ33により発生される蛍光光子の個数は入射X線光子のエネルギーに依存する。各APDセル37はX線光子のエネルギーに依らず規定の波高値を有する電流パルスを出力する。よって各検出器画素31に属する複数のAPDセル37から出力される電流パルスの重ね合わせであるエネルギー信号の波高値は、入射X線光子のエネルギーに依存する。エネルギー信号の波高値を弁別することにより、検出器画素31に入射したX線光子のエネルギーを弁別することが可能となる。

0033

APDセル37の動作モードは標準モードとガイガーモードとに分けられる。標準モードは、APDセル37に降伏電圧以下の電圧が印加された場合の動作モードである。この場合、APDセル37に入射した蛍光光子の個数に比例した電荷量の電気信号がAPDセル37から出力される。ガイガーモードは、APDセル37に降伏電圧以上の電圧が印加された場合の動作モードである。この場合、上述のように、APDセル37に入射した蛍光光子の光子数に無関係の、電圧値に依存した規定の電荷量の電流パルスがAPDセル37から出力される。APDセル37から電流パルスが出力されることに伴いクエンチング抵抗(図示せず)に電流が流れる。この間、APDセル37に印加されている電圧値は、逆バイアス電圧から降伏電圧まで降下する。APDセル37に印加されている電圧値が降伏電圧まで降下すると、APDセル37からの電流パルスの出力が終了する。APDセル37に印加されている電圧値が降伏電圧に到達すると、APDセル37が再充電される。再充電によりAPDセル37に印加された電圧が降伏電圧から逆バイアス電圧まで回復する。電圧が降伏電圧から逆バイアス電圧まで回復するまでの期間は、充電期間と呼ばれている。電圧が逆バイアスまで回復すると再びガイガーモード動作が可能となる。

0034

ここで、検出器画素31からのエネルギー信号の非線形性について説明する。上記の通り、APDセル37は、蛍光光子を受けて発火すると充電期間に移行する。充電期間が完了するまでAPDセル37は、蛍光光子を受けても発火することができないか、もしくは、低い波高値の電流パルスしか出力することができない。図6に示すように、低線量下では検出器画素31(SiPM)を構成する複数のAPDセル37が十分に充電されているため、同一のエネルギーのX線光子が入射した場合、各X線光子に起因するエネルギー信号の波高値は一定である。図7に示すように、高線量下では同時に多数のAPDセル37が発火するので、検出器画素31(SiPM)が十分に充電されず、エネルギー信号の波高値は本来よりも低くなってしまう。この場合、充電不足に起因する波高値であるのか、本当に低い波高値であるのか区別がつかないため、当該エネルギー信号に基づくカウントデータの信頼性、ひいては、エネルギー分解能の精度の信頼性が高いとは言えない。

0035

本実施形態に係るX線検出装置15は、このような高線量下におけるエネルギー分解能の精度の信頼性を向上するため、複数のAPDセル37の充電期間と充電完了期間とでカウントデータの生成態様を切り替える。

0036

以下、本実施形態に係るX線検出装置15の実施例について詳細に説明する。なお以下の説明において、本実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。

0037

(実施例1)
図8は、実施例1に係るX線検出装置15の回路構成を示す図である。X線検出装置15は、検出器画素31の個数分の読出チャンネルを装備している。これら複数の読出チャンネルは、ASIC(application specific integrated circuits)等の集積回路並列的に実装されている。各読出チャンネルの構成は略同一であるため、図8においては、説明の簡単のため、1チャンネル分の構成のみを示し、他のチャンネルの構成は省略している。

0038

図8に示すように、X線検出装置15は、X線検出器25とデータ収集回路27とを有している。X線検出器25は、読出チャンネル毎に検出器画素31を有している。検出器画素31は、X線光子を受けて当該X線光子のエネルギーに応じた波高値を有するエネルギー信号(電流パルス)を出力する。検出器画素31はデータ収集回路27に接続されている。また、X線検出器25は、検出器画素31の他に電源V1、配線抵抗R1、寄生容量やバイパスコンデンサ等のコンデンサC1、クエンチ抵抗Rc等の回路素子を有している。電源V1は、検出器画素31に印加される逆電圧を発生する。電源V1は検出器画素31のアノード側、より詳細には、検出器画素31を構成する複数のAPDセル各々のアノード側に接続されている。逆電圧は、幾つでも良いが、例えば、80V程度に設定されると良い。

0039

データ収集回路27は、検出器画素31からのエネルギー信号をカウントし、エネルギー信号のカウントに基づいて入射X線光子のカウントを示すカウントデータを複数のエネルギー・ビン毎に生成する。エネルギー信号のカウントにおいてデータ収集回路27は、検出器画素31の充電期間においてエネルギー信号をカウントせず、充電完了期間においてエネルギー信号をカウントする。

0040

上記機能を実現するための具体的な一構成例について説明する。図8に示すように、データ収集回路27は、積分回路71、A/D変換器ADC)73、比較回路75、参照電圧発生器77、遅延回路79、及びカウント回路81を有している。電源V1は検出器画素31と比較回路75とに分岐接続されている。検出器画素31の出力端はクエンチ抵抗を介して積分回路71、A/D変換器73、及びカウント回路81に直列的に接続されている。比較回路75の入力端には電源V1と参照電圧発生器77とが接続され、出力端には遅延回路79の入力端が接続され、遅延回路79の出力端はカウント回路81の入力端に接続されている。

0041

積分回路71は、検出器画素31からのアナログのエネルギー信号を微小時間に亘り積分し、積分されたエネルギー信号を出力する。積分回路71の出力端はA/D変換器73の入力端に接続されている。A/D変換器73は、アナログの積分されたエネルギー信号をデジタルのエネルギー信号に変換する。デジタルのエネルギー信号は、積分されたエネルギー信号の波高値に対応するデジタル値を有する。A/D変換器73の出力端はカウント回路81の入力端に接続されている。

0042

比較回路75は、検出器画素31が充電期間にある場合、充電期間にある旨の電気信号(以下、充電信号と呼ぶ)を出力し、充電完了期間にある場合、充電信号を出力しない。図8に示すように、比較回路75の入力端は参照電圧発生器77の出力端と検出器画素31のアノード側(入力端)とに接続されている。参照電圧発生器77は、検出器画素31が定常状態にあるときの当該検出器画素31の電位を有する参照電圧Vrefを発生する。参照電圧Vrefは比較回路75の入力端に入力される。具体的には、参照電圧Vrefは、検出器画素31への印加電圧(逆電圧)V1と略同一の電位に設定される。また、検出器画素31のアノード側の電位(以下、比較電位)V2も比較回路75の入力端に入力される。比較回路75は、比較電位V2と参照電圧Vrefの電位とを比較する。比較電位V2と参照電圧Vrefの電位とが略同一の場合、検出器画素31が定常状態にあり充電が完了していることを意味する。比較電位V2が参照電圧Vrefの電位よりも低い場合、検出器画素31が定常状態になく充電していることを意味する。従って、比較回路75は、比較電位V2と参照電圧Vrefの電位とが略同一の場合、充電信号を出力せず、比較電位V2が参照電圧Vrefの電位よりも低い場合、充電信号を出力する。充電信号は、遅延回路79の入力端に入力される。なお充電信号は、デジタル信号でもアナログ信号でも良いが、以下の説明を具体的に行うため一例としてデジタル信号であるとする。

0043

遅延回路79は、比較回路75とカウント回路81との間に設けられている。遅延回路79は、比較回路75からの充電信号と検出器画素31からのエネルギー信号とのカウント回路81の入力タイミングを同期するために、充電信号のカウント回路81への入力時刻遅延させる。遅延回路79により充電信号に付加される遅延時間は、例えば、積分回路71とA/D変換器73との処理時間の合計である。遅延回路79の出力端はカウント回路81の入力端に接続されている。

0044

カウント回路81は、A/D変換器73からのデジタルのエネルギー信号を、当該エネルギー信号の波高値が属するエネルギー・ビン毎にカウントし、カウントデータをエネルギー・ビン毎に生成する。例えば、カウント回路81は、ヒストグラムカウンタ又はMCA(Multi-Channel Analyzer)により実現される。あるいは、カウント回路81は、エネルギー・ビンの個数だけ並列的に実装された波高弁別回路と単一チャンネルのカウント回路81とにより実現されても良い。カウント回路81は、充電信号と略同一時刻に入力されたエネルギー信号にフラグを付加する。当該フラグは、付加対象のエネルギー信号が、充電期間にある検出器画素31に入射したX線光子に由来することを示す。カウント回路81は、フラグが付加されたエネルギー信号をカウントせず、フラグが付加されていないエネルギー信号をカウントすることにより、カウントデータを生成する。生成されたカウントデータは、非データ伝送装置等によりコンソール50に伝送される。

0045

図9は、実施例1に係るX線検出装置15のタイミングチャートを示す図である。図9に示すように、入射X線の強度が過大線量に相当する所定値Icよりも低い場合、X線光子が検出器画素31に入射しても当該検出器画素31の逆電圧V1の充電が即座に完了するため比較電位V2が定常状態から低下することはない。しかしながら、入射X線の強度が所定値Icに達すると(時刻t1)、検出器画素31の逆電圧V1の充電が間に合わなくなり、定常状態よりも比較電位V2が低下することとなる。比較回路75は、比較電位V2を測定し、参照電圧Vrefの電位と比較電位V2との差分を測定する。比較回路75は、参照電圧Vrefの電位が比較電位V2に対して差がある場合、すなわち、比較電位V2が参照電圧Vrefの電位よりも低い場合、検出器画素31が充電期間にあるとみなして充電信号を出力する。カウント回路81は、充電信号が出力されている期間に入力されたエネルギー信号にフラグを付加する。フラグが付加されたエネルギー信号はカウント回路81によりカウントされることはない。

0046

図9に示すように、入射X線の強度が低下し所定値Icまで達すると(時刻t2)、検出器画素31の逆電圧V1の充電が完了し、比較電位V2が再び逆電圧V1の電位に一致する。比較回路75は、参照電圧Vrefが比較電位V2に対して差がない場合、すなわち、比較電位V2が参照電圧Vrefよりも低下しない場合、検出器画素31が充電完了期間にあるとみなして充電信号を出力しない。カウント回路81は、充電信号が出力されている期間に入力されたエネルギー信号にフラグを付加せず、フラグが付加されていないエネルギー信号はカウント回路81によりカウントされる。

0047

上記の実施例1によれば、データ収集回路27は、比較電位V2が定常状態よりも低下した場合、充電期間にあると判定し、比較電位V2が定常状態よりも低下していない場合、充電完了期間にあると判定している。データ収集回路27は、検出器画素31が充電期間にある場合、検出器画素31からのエネルギー信号をカウントせず、検出器画素31が充電完了期間にある場合、検出器画素31からのエネルギー信号をカウントする。これにより充電期間における検出器画素31のエネルギー信号がカウントデータに反映されず、充電完了期間における検出器画素31のエネルギー信号のみがカウントデータに反映されるので、カウントデータの正確性が向上する。ひいては、X線検出装置15のエネルギー分解能の精度の信頼性が向上することとなる。

0048

なお、上記の説明においては、付加対象のエネルギー信号が、充電期間にある検出器画素31に入射したX線光子に由来することを示すフラグを当該エネルギー信号に付加するとしたが、本実施形態はこれに限定されない。すなわち、付加対象のエネルギー信号が、充電期間にある検出器画素31に入射したX線光子に由来することを示すのであれば、フラグに限定され、任意のビット数の情報であっても良い。

0049

また、上記の説明においては比較回路75とカウント回路81との間に遅延回路79を設けるとしたが本実施形態はこれに限定されない。すなわち、遅延回路79なしに充電信号とデジタル信号とを同期できる又は同期する必要がないのであれば、遅延回路79を設けなくても良い。

0050

(実施例2)
実施例1に係るX線検出装置15は、充電期間におけるエネルギー信号をカウント回路81によりカウントすることを回避するために、比較回路75が充電期間と充電完了期間との判定を行い、充電期間である旨の充電信号をカウント回路81に供給するものとした。実施例2に係るX線検出装置15は、検出器画素31とカウント回路81との間に切替器を装備し、充電期間において検出器画素31とカウント回路81との間の接続を遮断するものとする。なお以下の説明において、実施例1と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。

0051

図10は、実施例2に係るX線検出装置15の回路構成を示す図である。図10に示すように、実施例2において検出器画素31の出力端はクエンチ抵抗を介して切替器83、積分回路71、A/D変換器73、及びカウント回路81が直列的に接続されている。比較回路75の出力端は切替器83に接続されている。

0052

比較回路75は、実施例1と同様に、検出器画素31が充電期間にある場合、充電信号を出力し、検出器画素31が充電完了期間にある場合、充電信号を出力しない。充電信号は、切替器83に供給される。

0053

切替器83は、検出器画素31が充電期間にある場合、X線検出器25とカウント回路81との接続を遮断し、検出器画素31が充電完了期間にある場合、X線検出器25とカウント回路81とを接続する。具体的には、切替器83は、比較回路75から充電信号が出力されている期間、X線検出器25とカウント回路81との接続を遮断し、比較回路75から充電信号が出力されていない期間、X線検出器25とカウント回路81とを接続する。

0054

図11は、実施例2に係るX線検出装置15のタイミングチャートを示す図である。図11縦軸出力値に規定され、横軸は時間に規定されている。図11に示すように、高線量下において過大量のX線光子が検出器画素31に入射すると、比較電位V2の低下を伴いながら検出器画素31からエネルギー信号が出力される。比較回路75は、比較電位V2を測定し、参照電圧Vrefと比較電位V2との差分を測定する。比較回路75は、参照電圧Vrefの電位が比較電位V2に対して差がある場合、すなわち、比較電位V2が参照電圧Vrefの電位よりも低下する場合、検出器画素31が充電期間にあるとみなして充電信号を出力する。切替器83は、充電信号が出力されている期間、検出器画素31と積分回路71との接続を遮断する。これにより、検出器画素31に光子が入射した場合であってもAPDセルは発火しないため、検出器画素31がエネルギー信号を出力することはない。すなわち、検出器画素31と積分回路71との接続が遮断されている場合、検出器画素31はエネルギー信号を出力せずに充電し続けることができる。

0055

図11に示すように、検出器画素31の逆電圧V1の充電が継続されると、充電が完了して比較電位V2が再び逆電圧V1の電位に一致する(時刻t2)。比較回路75は、参照電圧Vrefの電位が比較電位V2に対して差がない場合、すなわち、比較電位V2が参照電圧Vrefの電位よりも低下しない場合、検出器画素31が充電完了期間にあるとみなして充電信号を出力しない。切替器83は、充電信号が出力されていない期間、検出器画素31と積分回路71とを接続する。これにより、検出器画素31に光子が入射した場合、APDセルは発火するため、検出器画素31がエネルギー信号を出力することとなる。すなわち、検出器画素31と積分回路71とが接続されている場合、検出器画素31の後段にエネルギー信号が供給されるので、結果的に、充電信号が出力されていない期間に入射したX線光子に由来するエネルギー信号(デジタル信号)は、カウント回路81によりカウントされることとなる。

0056

実施例2によれば、データ収集回路27は、実施例1と同様、検出器画素31が充電期間にある場合、検出器画素31からのエネルギー信号をカウントせず、検出器画素31が充電完了期間にある場合、検出器画素31からのエネルギー信号をカウントする。これにより充電完了期間において検出器画素31に入射したX線光子に由来するエネルギー信号のみがカウントデータに反映されるので、カウントデータの正確性が向上する。ひいては、X線検出装置15のエネルギー分解能の精度の信頼性が向上することとなる。

0057

また、実施例2によれば、データ収集回路27は、検出器画素31が充電期間にある場合、検出器画素31とカウント回路81との接続を遮断し、検出器画素31が充電完了期間にある場合、検出器画素31とカウント回路81とを接続する。カウント回路81との接続が遮断されている期間においては、X線光子が入射したとしても比較電位V2が降下せず、検出器画素31の充電が継続される。すなわち、検出器画素31とカウント回路81との接続が遮断されることにより、検出器画素31に不感期間強制的に設け、検出器画素31の充電期間を短縮することができる。よって、実施例1に比して、実施例2に係るX線検出装置15は、照射X線を効率的に利用することができる。

0058

(実施例3)
実施例1及び実施例2に係るX線検出装置15は、充電期間と充電完了期間とを判定するために、参照電圧Vrefの電位と比較電位V2とを比較する比較回路75を装備するものとした。実施例3に係るX線検出装置15は、予め決定された充電時間を利用して充電期間と充電完了期間とを判定する。なお以下の説明において、実施例1又は2と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。

0059

図12は、実施例3に係るX線検出装置15の回路構成を示す図である。図12に示すように、実施例3において検出器画素31の出力端はクエンチ抵抗Rcを介して切替器83とパルス検出回路85とに分岐接続されている。一方の出力系統は、直列的に接続された切替器83、積分回路71、A/D変換器73、及びカウント回路81を有している。他方の出力系統は、直列的に接続されたパルス検出回路85と時間判定回路87とを有し、時間判定回路87の出力端は切替器83の入力端に接続される。時間判定回路87の一の入力端はパルス検出回路85の出力端に接続され、他の入力端は充電時間記憶回路89の出力端に接続されている。

0060

パルス検出回路85は、検出器画素31からのエネルギー信号を検出する。具体的には、パルス検出回路85は、検出器画素31からのエネルギー信号の波高値を測定し、測定された波高値が所定値以上である場合、エネルギー信号を検出した旨の信号(以下、検出信号と呼ぶ)を出力し、測定された波高値が所定値以上でない場合、検出信号を出力しない。所定値は、任意の値に設定可能である。パルス検出回路85は、エネルギー信号の有無のみの検出を目的としているので、所定値はゼロ等に設定されても良い。検出信号は、時間判定回路87に供給される。なお検出信号は、アナログ信号でもデジタル信号でも実現可能であるが、以下の説明を具体的に行うため一例としてデジタル信号であるとする。

0061

時間判定回路87は、検出器画素31からのエネルギー信号の出力からの経過時間に基づいて、検出器画素31が充電期間にあるか充電完了期間にあるかを判定する。時間判定回路87は、高速クロッククロックパルス計数するカウンタ回路により実現される。ここで、時間判定回路87のクロック周波数は、高ければ高いほど良いが、フォトンカウンティング回路系(積分回路71、A/D変換器73、及びカウント回路81)の最大カウントレートの十倍以上が良い。時間判定回路87は、具体的には、パルス検出回路85によりエネルギー信号が検出されたこと、すなわち、パルス検出回路85から検出信号が供給されたことを契機として、当該エネルギー信号が検出された時点からの経過時間を計測する。そして時間判定回路87は、経過時間を所定の充電時間に対して比較し、経過時間が所定の充電時間を経過していない場合、充電期間にあると判定し、経過時間が充電時間を経過した場合、充電完了期間にあると判定する。充電時間は、充電時間記憶回路89に記憶されている。時間判定回路87は、充電期間にあると判定した場合、充電信号を切替器83に出力し、充電完了期間にあると判定した場合、充電信号を切替器83に出力しない。

0062

充電時間記憶回路89は、経過時間との比較対象である充電時間を記憶する。充電時間記憶回路89は、例えば、ROM等の記憶装置により実現されると良い。物理的に充電時間は複数の検出器画素31の間でばらつきがある。しかしながら、検出器画素31の充電に要する時定数は、配線抵抗R1とコンデンサC1との積に基づいて決まる。そのため、予め各検出器画素31の配線抵抗R1とコンデンサC1とを計測することにより、当該検出器画素31の充電時間を計測又は算出することが可能である。充電時間記憶回路89には、当該充電時間記憶回路89が属する読出チャンネルに接続された検出器画素31の充電時間が記憶される。記憶された充電時間は時間判定回路87により読み出される。

0063

図13は、実施例3に係るX線検出装置のタイミングチャートを示す図である。図13の縦軸は出力値に規定され、横軸は時間に規定されている。図13に示すように、高線量下において過大量のX線光子が検出器画素に入射すると(時刻t1)、比較電位V2の低下を伴いながら検出器画素31からエネルギー信号が出力される。パルス検出回路85は、検出器画素31から出力されたエネルギー信号を検出し、検出信号を出力する。時間判定回路87は、検出信号を入力したことを契機として当該検出信号の入力からの経過時間を計測し、計測された経過時間を充電時間に対して比較する。時間判定回路87は、経過時間が充電時間を経過していないと判定した場合、検出器画素31が充電期間にあるとみなして充電信号を出力する。切替器83は、充電信号が出力されている期間、検出器画素31と積分回路71との接続を遮断する。これにより、検出器画素31にX線光子が入射した場合であってもAPDセルは発火しないため、検出器画素31がエネルギー信号を出力することはない。すなわち、検出器画素31と積分回路71との接続が遮断されている場合、検出器画素31はエネルギー信号を出力せずに充電し続けることができる。

0064

図13に示すように、経過時間が充電時間を経過したと判定した場合(時刻t2)、検出器画素31が充電完了期間にあるとみなして充電信号を出力しない。切替器83は、充電信号が出力されていない期間、検出器画素31と積分回路71とを接続する。これにより、検出器画素31にX線光子が入射した場合、APDセルは発火するため、検出器画素31がエネルギー信号を出力することとなる。すなわち、検出器画素31と積分回路71とが接続されている場合、検出器画素31の後段にエネルギー信号が供給されるので、結果的に、充電信号が出力されていない期間に入射したX線光子に由来するエネルギー信号がカウントされることとなる。

0065

上記の通り、実施例3に係るデータ収集回路27は、上記の実施例1及び実施例2と同様、検出器画素31が充電期間にある場合、検出器画素31からのエネルギー信号をカウントせず、検出器画素31が充電完了期間にある場合、検出器画素31からのエネルギー信号をカウントする。これにより充電完了期間における検出器画素31のエネルギー信号のみがカウントデータに反映されるので、カウントデータの正確性が向上する。ひいては、X線検出装置15のエネルギー分解能の精度の信頼性が向上することとなる。

0066

また、実施例3に係るデータ収集回路27は、充電期間と充電完了期間とを判定するために、実施例1及び実施例2に係るデータ収集回路27に必要であった比較回路を装備することなく、予め決定された充電時間を利用して充電期間と充電完了期間とを判定することができる。このため、実施例3においては、参照電圧の発生のための高電圧回路を装備する必要がないので、実施例1及び実施例2に比して回路規模を削減することができる。
(実施例4)
実施例1、実施例2、及び実施例3に係るX線検出装置15は、充電期間に入射したX線光子に由来するエネルギー信号をカウントせず、充電完了期間に入射したX線光子に由来するエネルギー信号をカウントするとした。実施例4に係るX線検出装置15は、充電期間に入射したX線光子に由来するエネルギー信号を、検出器画素31への印加電圧と増倍率との関係に応じて補正するものとする。実施例1、2又は3と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。

0067

図14は、実施例4に係るX線検出装置15の回路構成を示す図である。図14に示すように、実施例4において電源V1は検出器画素31とA/D変換器95とに分岐接続されている。検出器画素31の出力端は、積分回路71、A/D変換器73、加算回路93、及びカウント回路81に直列的に接続されている。A/D変換器95の入力端は検出器画素31のアノード側に接続され3、A/D変換器95と補正値決定回路97とは直列的に接続され、補正値決定回路97の出力端は加算回路93の入力端に接続されている。

0068

A/D変換器95は、検出器画素31の比較電位V2をリアルタイムで測定し、測定された比較電位V2を示すアナログ信号をデジタル信号に変換する。

0069

補正値決定回路97は、デジタルの比較電位V2に基づいて、エネルギー信号の波高値に対する補正値を決定する。具体的には、補正値決定回路97は、測定された比較電位V2とエネルギー信号の波高値に対する補正値との関係を示すLUT(look up table)を記憶している。補正値決定回路97は、測定された比較電位V2をLUTに入力して当該比較電位V2に対応する補正値に関するデジタル信号(以下、補正値信号と呼ぶ)を出力する。出力された補正値信号は、加算回路93に入力される。なお、比較電位V2が逆電圧V1の電位に等しい場合、ゼロに等しい補正値を有する補正値信号が出力される。すなわち、比較電位V2が逆電圧V1の電位に等しい場合、A/D変換器73からのエネルギー信号は補正されない。

0070

加算回路93は、A/D変換器73からのエネルギー信号の波高値に、補正値決定回路97からの補正値信号が示す補正値を加算し、補正後の波高値を有するエネルギー信号を出力する。補正後の波高値は、検出器画素31の比較電位V2が充電完了期間における比較電位V2(逆電圧V1の電位)に等しいときの入射X線光子に由来するエネルギー信号の波高値に等しい。

0071

カウント回路81は、加算回路93からの補正後のエネルギー信号をカウントし、複数のエネルギー・ビン毎のカウントデータを収集する。

0072

以下、補正値決定回路97による補正値の決定処理について説明する。図15は、検出器画素31の増倍率と逆電圧との線形関係を示すグラフである。図の縦軸は増倍率に規定され、横軸は逆電圧に規定される。図15に示すように、増倍率と逆電圧との間には直線的な線形関係が成立している。増倍率は、逆電圧が上昇するにつれて略直線的に上昇する。

0073

波高値に対する補正値は、検出器画素31毎の増倍率と逆電圧との線形関係に応じて決定される。増倍率と逆電圧との線形関係はAPDセル毎に異なる。検出器画素31を構成する複数のAPDセル各々の増倍率と逆電圧との線形関係が測定され、測定された複数のAPDセルにそれぞれ対応する複数の線形関係に基づいて検出器画素31に関する増倍率と逆電圧との線形関係が決定される。あるいは、検出器画素31を構成する複数のAPDセルのうちの代表的な線形関係が検出器画素31に関する線形関係として決定されても良い。

0074

APDセルの充電が完全である場合の波高値をH0、充電が不十分である場合の波高値h0、H0からh0への減衰率をAとすると、波高値h0は波高値H0と減衰率Aとに基づいて以下の(1)式により規定される。

0075

h0=A*H0 (0<A≦1) …(1)

0076

減衰率Aは、印加電圧V1のときの増倍率K1と比較電位V2のときの増倍率K2とに基づいて一意に決定される。印加電圧V1のときの増倍率K1、比較電位V2のときの増倍率K2、印加電圧V1のときの波高値H0、及び比較電位V2のときの波高値h0の関係は以下の(2)式により規定される。なお、αは、図15の逆電圧変化に対する増倍率変化を示す直線の傾きを示す。

0077

H0:h0=K1:K2=K1:K1−(V1−V2)*α
H0=K1/(K1−(V1−V2)*α)*h0 …(2)

0078

補正値Bは、以下の(3)式の通り、波高値H0と波高値h0とに基づいて決定される。予め比較電位V2毎に補正値Bが算出され、各比較電位V2と補正値Bとの関係がLUTに規定される。

0079

B=H0−h0
=(V1−V2)*α/(K1−(V1−V2)*α)*h0 …(3)

0080

上記の通り、補正値決定回路は、A/D変換器から比較電位V2が入力された場合、当該比較電位V2に対応する補正値BをLUTから決定する。決定された補正値Bに関する補正値信号は、加算回路93に供給される。加算回路93は、補正値信号の入力後にA/D変換器から入力されたデジタル信号のデジタル値に当該補正値信号が示す補正値を加算することにより、補正後の波高値を算出する。補正後の波高値に関するデジタル信号は、カウント回路に供給される。カウント回路81は、補正後の波高値に関するデジタル信号をカウントする。

0081

上記の通り、実施例4に係るデータ収集回路27は、充電期間において検出器画素31に入射したX線光子に由来するエネルギー信号の波高値を、当該検出器画素31の増倍率と逆電圧との関係を利用して補正することにより、当該X線光子が充電完了期間に入射した場合に有しうるエネルギー信号の波高値を推定する。よって、実施例1、実施例2、及び実施例3に比して、実施例4に係るX線検出装置は、X線の利用効率を高め、換言すれば、カウントのサンプリング数を向上させることができる。

0082

(実施例5)
実施例4に係るX線検出装置15は、エネルギー信号を補正するために加算回路93を装備するものとした。実施例5に係るX線検出装置15は、エネルギー信号を補正するために乗算回路99を装備する。以下の説明において、実施例4と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。

0083

図16は、実施例5に係るX線検出装置15の回路構成を示す図である。図16に示すように、A/D変換器73の出力端には乗算回路99の入力端が接続され、乗算回路99の出力端にはカウント回路81の入力端が接続されている。また、A/D変換器95の出力端には補正値決定回路98の入力端が接続され、補正値決定回路98の出力端が乗算回路99の入力端に接続されている。

0084

補正値決定回路98は、上記(2)のK1/(K1−(V1−V2)*α)、すなわち、減衰率Aの逆数を補正値Cとして算出する。上記の通り、減衰率Aは、印加電圧V1のときの増倍率K1と比較電位V2のときの増倍率K2とに基づいて一意に決定される。A/D変換器95から比較電位V2が入力された場合、補正値決定回路98は、当該比較電位V2に対応する補正値Cを減衰率Aに基づいて決定し、補正値Cに関する補正値信号を出力する。

0085

乗算回路99は、A/D変換器73からのエネルギー信号の波高値に、補正値決定回路98からの補正値信号が示す補正値Cを乗算し、補正後の波高値を有するエネルギー信号を出力する。補正後の波高値は、検出器画素31の比較電位V2が充電完了期間における比較電位V2(逆電圧V1の電位)に等しいときの入力X線光子に由来するエネルギー信号の波高値に等しい。

0086

カウント回路81は、乗算回路99からの補正後のエネルギー信号をカウントし、複数のエネルギー・ビン毎のカウントデータを収集する。

0087

上記の通り、実施例5に係るデータ収集回路27は、充電期間において検出器画素31に入射したX線光子に由来するエネルギー信号の波高値を、当該検出器画素31の増倍率と逆電圧との関係を利用して補正することにより、当該X線光子が充電完了期間に入射した場合に有しうるエネルギー信号の波高値を推定する。よって、実施例1、実施例2、及び実施例3に比して、実施例4に係るX線検出装置は、X線の利用効率を高め、換言すれば、カウントのサンプリング数を向上させることができる。

0088

また、実施例5に係る補正値Cは、(2)式と(3)式との比較の通り、実施例4に係る補正値Bに比してより単純である。よって実施例5によれば、より簡易にエネルギー信号を補正することができる。

0089

(変形例)
上記の実施形態においてフォトンカウンティング撮像装置は、X線CTタイプの装置(フォトンカウンティングCT装置)であるとした。しかしながら、本実施形態に係るフォトンカウンティング撮像装置は、X線撮影タイプの装置(フォトンカウンティングXR装置)でも良い。

0090

この場合、フォトンカウンティングXR装置は、回転フレーム11の代わりに、X線管13とX線検出装置15とを取付けられたアームと、当該アームを複数の可動軸に関して移動自在に支持する支持フレームを有している。支持フレームには回転駆動装置21が内蔵されており、架台制御回路23により作動される。

0091

フォトンカウンティングXR装置に係るX線検出装置15は、上記のフォトンカウンティングCT装置に係るX線検出装置15と略同一であるので説明は省略する。

0092

上記の構成により、フォトンカウンティングXR装置においても、データ収集回路27は、上記のフォトンカウンティングCT装置と同様、検出器画素の充電期間と充電完了期間とでカウントデータの生成態様を切り替えることができる。

0093

総括
上記の説明の通り、本実施形態に係るフォトンカウンティング撮像装置は、X線管13、X線検出器25、及びデータ収集回路27を有している。X線管13は、X線を発生する。X線検出器25は、X線管13から発生されたX線を蛍光に変換するシンチレータ33と、蛍光に感応して所定の波高値の電気信号を個別に発生する複数のAPDセル37を有する検出器画素31と、複数のAPDセル37からの電気信号に基づき入射X線光子のエネルギーに応じた波高値を有するエネルギー信号を生成する出力回路39とを有する。データ収集回路27は、エネルギー信号に基づいてX線のカウントを示すカウントデータをエネルギー・ビン毎に生成する。データ収集回路27は、検出器画素31の充電期間と充電完了期間とでカウントデータの生成態様を切り替える。

0094

上記の構成により、本実施形態に係るフォトンカウンティング撮像装置は、検出器画素31が充電期間にある場合、検出器画素31からのエネルギー信号をカウントせず、検出器画素31が充電完了期間にある場合、検出器画素31からのエネルギー信号をカウントする。これにより充電完了期間における検出器画素31のエネルギー信号のみがカウントデータに反映されるので、カウントデータの正確性が向上する。ひいては、X線検出装置15のエネルギー分解能の精度の信頼性が向上することとなる。

0095

フォトンカウンティング撮像において肺野小児ではX線検出装置15に多くの線量のX線が入射することとなる。本実施形態によれば、上記の構成により、高線量によるカウントの劣化を防止できるので、高線量時におけるX線検出装置15のエネルギー分解能を向上し、ひいては、高精度の画像を再構成できる。

0096

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0097

10…架台、11…回転フレーム、13…X線管、15…X線検出装置、17…高電圧発生器、19…天板、21…回転駆動装置、23…架台制御回路、25…X線検出器、27…データ収集回路、31…検出器画素、33…シンチレータ、35…半導体チップ、37…APDセル、39…出力回路、41…波形整形回路、50…コンソール、51…画像再構成装置、53…画像処理装置、55…表示機器、57…入力機器、59…主記憶回路、61…システム制御回路、511…カウントデータ記憶部、513…再構成演算部。

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