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技術 弁開閉時期制御装置

出願人 アイシン精機株式会社
発明者 榊原徹野口祐司朝日丈雄濱崎弘之梶田知宏菅沼秀行
出願日 2015年12月2日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-235840
公開日 2017年6月8日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-101608
状態 特許登録済
技術分野 特殊操作のための弁装置
主要キーワード 角ポジション 離間空間 ブッシュ状 ダイカスト加工 外周ガイド 付勢ユニット 角流路 内周ガイド
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

装置性能を低下させることなく、簡便な構成でトーションスプリング姿勢を安定させる。

解決手段

弁開閉時期制御装置Aは、回転軸芯X方向に沿って固定された蓋部材22を有する駆動側回転体20と、従動側回転体30と、蓋部材22の内側に形成されたロック凹部28とを有するロック機構Lと、蓋部材22の外側に配置されたトーションスプリング46と、を備え、蓋部材22には、トーションスプリング46の回転軸芯X方向の移動を規制する規制凸部22Aが、ロック凹部28の反対側の面から突出形成されている。

概要

背景

弁開閉時期制御装置として、従動側回転体を、駆動側回転体に対して進角方向付勢するトーションスプリングを備えた技術が開示されている(例えば、特許文献1−2参照)。

特許文献1の弁開閉時期制御装置では、トーションスプリングを駆動側回転体のフロントプレートと従動側回転体との間に配置している。このフロントプレートのトーションスプリングと接触する接触面に、トーションスプリングの一巻目巻き角に沿った螺旋状の溝を形成することで、トーションスプリングの姿勢を安定させている。

特許文献2の弁開閉時期制御装置では、駆動側回転体の前面側に露出する有底筒状ブッシュを従動側回転体に固定し、このブッシュにトーションスプリングを収容している。このトーションスプリングの端部を径方向外側に延出させ、フロントプレートに固定されるピン状のフック係止している。また、ブッシュの径方向内側に突出した複数のリブを設け、このリブとトーションスプリングとを当接させることで、トーションスプリングの中心軸と、従動側回転体の回転軸芯とが平行となるようにトーションスプリングの姿勢を矯正している。

概要

装置性能を低下させることなく、簡便な構成でトーションスプリングの姿勢を安定させる。弁開閉時期制御装置Aは、回転軸芯X方向に沿って固定された蓋部材22を有する駆動側回転体20と、従動側回転体30と、蓋部材22の内側に形成されたロック凹部28とを有するロック機構Lと、蓋部材22の外側に配置されたトーションスプリング46と、を備え、蓋部材22には、トーションスプリング46の回転軸芯X方向の移動を規制する規制凸部22Aが、ロック凹部28の反対側の面から突出形成されている。

目的

そこで、装置性能を低下させることなく、簡便な構成でトーションスプリングの姿勢を安定させることのできる弁開閉時期制御装置が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内燃機関クランクシャフト同期回転し、回転軸芯方向に沿って固定された蓋部材を有する駆動側回転体と、弁開閉用のカムシャフトと同じ回転軸芯で一体回転する従動側回転体と、前記回転軸芯方向に沿って移動するロック部材と、前記蓋部材の内側に形成されて前記ロック部材が係合可能なロック凹部と、を有するロック機構と、前記蓋部材の外側に配置され、前記駆動側回転体および前記従動側回転体に付勢力を作用させるトーションスプリングと、を備え、前記蓋部材には、前記トーションスプリングの前記回転軸芯方向の移動を規制する規制凸部が、前記ロック凹部の反対側の面から突出形成されている弁開閉時期制御装置

請求項2

前記規制凸部は、前記蓋部材のうち前記ロック凹部の反対側に位置する部位に設けられている請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。

請求項3

前記ロック凹部は、個別に熱硬化処理が施されている請求項2に記載の弁開閉時期制御装置。

請求項4

前記ロック凹部の内面には、筒状部材が嵌められている請求項2又は3に記載の弁開閉時期制御装置。

請求項5

前記蓋部材は、焼結加工品またはダイカスト加工品で構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の弁開閉時期制御装置。

請求項6

前記駆動側回転体に対して前記回転軸芯方向に沿って挿入された複数のボルトが位置する前記蓋部材のボルト締結部の1箇所に、前記トーションスプリングの端部が係止されている請求項1〜5の何れか一項に記載の弁開閉時期制御装置。

請求項7

前記ボルト締結部は、前記蓋部材と一体で前記回転軸芯方向に沿って突出形成された筒状のボス部で構成されている請求項6に記載の弁開閉時期制御装置。

請求項8

前記ボルト締結部の前記トーションスプリングの係止部から前記トーションスプリングの巻き出し方向に沿う前記規制凸部までの周方向距離は、前記ボルト締結部から前記巻き出し方向と反対方向に沿う前記規制凸部までの周方向距離よりも大きい請求項6又は7に記載の弁開閉時期制御装置。

請求項9

前記蓋部材の前記ボルト締結部の少なくとも1箇所は、前記トーションスプリングの外周部をガイドする外周ガイド部を有している請求項6〜8の何れか一項に記載の弁開閉時期制御装置。

請求項10

前記蓋部材には、前記トーションスプリングの内周部をガイドする内周ガイド部が前記蓋部材と一体で前記回転軸芯方向に沿って突出形成されている請求項6〜9の何れか一項に記載の弁開閉時期制御装置。

技術分野

背景技術

0002

弁開閉時期制御装置として、従動側回転体を、駆動側回転体に対して進角方向付勢するトーションスプリングを備えた技術が開示されている(例えば、特許文献1−2参照)。

0003

特許文献1の弁開閉時期制御装置では、トーションスプリングを駆動側回転体のフロントプレートと従動側回転体との間に配置している。このフロントプレートのトーションスプリングと接触する接触面に、トーションスプリングの一巻目巻き角に沿った螺旋状の溝を形成することで、トーションスプリングの姿勢を安定させている。

0004

特許文献2の弁開閉時期制御装置では、駆動側回転体の前面側に露出する有底筒状ブッシュを従動側回転体に固定し、このブッシュにトーションスプリングを収容している。このトーションスプリングの端部を径方向外側に延出させ、フロントプレートに固定されるピン状のフック係止している。また、ブッシュの径方向内側に突出した複数のリブを設け、このリブとトーションスプリングとを当接させることで、トーションスプリングの中心軸と、従動側回転体の回転軸芯とが平行となるようにトーションスプリングの姿勢を矯正している。

先行技術

0005

特開平11−132014号公報
特開2013‐185459号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1の弁開閉時期制御装置は、フロントプレートに螺旋状の溝を形成することで、トーションスプリングの姿勢を安定させることができるが、加工が複雑であり改善の余地がある。

0007

また、特許文献2のようにブッシュの径方向内側に複数のリブを設ける構成であると、トーションスプリングが縮径した際、リブと当接するまでにトーションスプリングが回転軸芯方向に対して傾くおそれがある。その結果、駆動側回転体と従動側回転体とが相対的に傾斜して円滑な相対回転阻害され、装置性能が低下する。また、トーションスプリングの端部が係止されるピン状のフックが移動しないように、フックおよびフロントプレートには強度が求められ、装置の大型化を招きやすい。

0008

そこで、装置性能を低下させることなく、簡便な構成でトーションスプリングの姿勢を安定させることのできる弁開閉時期制御装置が望まれている。

課題を解決するための手段

0009

弁開閉時期制御装置の特徴構成は、内燃機関クランクシャフト同期回転し、回転軸芯方向に沿って固定された蓋部材を有する駆動側回転体と、弁開閉用のカムシャフトと同じ回転軸芯で一体回転する従動側回転体と、前記回転軸芯方向に沿って移動するロック部材と、前記蓋部材の内側に形成されて前記ロック部材が係合可能なロック凹部と、を有するロック機構と、前記蓋部材の外側に配置され、前記駆動側回転体および前記従動側回転体に付勢力を作用させるトーションスプリングと、を備え、前記蓋部材には、前記トーションスプリングの前記回転軸芯方向の移動を規制する規制凸部が、前記ロック凹部の反対側の面から突出形成されている点にある。

0010

本構成のように、駆動側回転体(蓋部材)の外側にトーションスプリングを配置すれば、駆動側回転体又は従動側回転体とトーションスプリングとの接触により摩擦粉が発生しても装置内部へ侵入することがない。よって、摩耗粉噛込みによって駆動側回転体と従動側回転体との円滑な相対回転が阻害されることがなく、装置性能が低下しない。また、トーションスプリングが外部にあるので、従動側回転体と駆動側回転体とを組付けた後に、トーションスプリングを設置することができ、組付が容易である。

0011

特に、本構成では、蓋部材にトーションスプリングの回転軸芯方向の移動を規制する規制凸部を設けているので、トーションスプリングが縮径又は拡径する際に規制凸部がトーションスプリングに当接し、トーションスプリングの傾きを矯正して姿勢を安定させることができる。その結果、駆動側回転体と従動側回転体とが相対的に傾斜しないので、装置性能が低下しない。しかも、規制凸部は、蓋部材の表面から突出形成させる構成なので、加工が極めて容易である。このように、装置性能を低下させることなく、簡便な構成でトーションスプリングの姿勢を安定させることのできる弁開閉時期制御装置を提供できた。

0012

他の構成として、前記規制凸部は、前記蓋部材のうち前記ロック凹部の反対側に位置する部位に設けられていても良い。

0013

ロック凹部の強度を確保するために、蓋部材のうちロック凹部の反対側に位置する部位を外側に突出させて厚みを確保する必要があるが、本構成のようにロック凹部の反対側に位置する部位に規制凸部を形成すれば、該突出部位を規制凸部として有効活用することができる。その結果、蓋部材全体の厚みが無駄に大きくならず、蓋部材の形状も複雑なものにはならない。

0014

他の構成として、前記ロック凹部は、個別に熱硬化処理が施されていても良い。

0015

規制凸部の表面は、常にトーションスプリングによって擦られているため、局所的に摩耗がし易い。そこで、本構成のように、ロック凹部に熱硬化処理を行えば、この焼入れの影響を受けてロック凹部の反対側にある規制凸部の耐摩耗性を高めることができ、トーションスプリングの姿勢を長期間に亘って安定させることができる。

0016

他の構成として、前記ロック凹部の内面には、筒状部材が嵌められていても良い。

0017

本構成のようにロック凹部に筒状部材を設けることで、蓋部材のうち比較的厚みの薄いロック凹部が筒状部材によって補強される。その結果、トーションスプリングの縮径に伴って加重を受けてもロック凹部の反対側にある規制凸部の変形が防止され、トーションスプリングの姿勢を長期間に亘って安定させることができる。また、規制凸部の反対側にあるロック凹部の変形も防止されるので、ロック部材の係合精度が低下しない。

0018

他の構成として、前記蓋部材は、焼結加工品またはダイカスト加工品で構成されていても良い。

0019

一般的に、従動側回転体と駆動側回転体との間には作動油が供給される流体圧室が配置されている。本構成のように蓋部材を焼結加工品やダイカスト加工品で構成して、内部にごく微小な空隙を無数に存在させれば、駆動側回転体と従動側回転体との間にある作動油が蓋部材の外面側に染み出す。その結果、トーションスプリングと蓋部材との接触による摩耗を抑制することができる。

0020

他の構成として、前記駆動側回転体に対して前記回転軸芯方向に沿って挿入された複数のボルトが位置する前記蓋部材のボルト締結部の1箇所に、前記トーションスプリングの端部が係止されていても良い。

0021

本構成のように、蓋部材と他の部材とを締結するボルトが位置する蓋部材のボルト締結部の1箇所に、トーションスプリングの端部を係止させれば、特許文献2のようにピン状のフックを設ける必要がなく、装置がコンパクトなものとなる。しかも、ボルト締結部にはボルトが挿入されているので、ボルトの高強度によって耐久性が高まる。

0022

他の構成として、前記ボルト締結部は、前記蓋部材と一体で前記回転軸芯方向に沿って突出形成された筒状のボス部で構成されていても良い。

0023

本構成によれば、ボルト締結部が、蓋部材と一体で突出形成された筒状のボス部で構成されているので、加工が容易で製造コストを節約することができる。しかも、ボルトの高強度に加えて蓋部材と一体で突出形成されたボルト締結部によって、トーションスプリングに対する係止力を高めることができる。

0024

他の構成として、前記ボルト締結部の前記トーションスプリングの係止部から前記トーションスプリングの巻き出し方向に沿う前記規制凸部までの周方向距離は、前記ボルト締結部から前記巻き出し方向と反対方向に沿う前記規制凸部までの周方向距離よりも大きくても良い。

0025

トーションスプリングは、ボルト締結部からの巻き出し方向に進むに連れて、蓋部材の外表面から離間する。そこで、本構成のように、トーションスプリングの端部が係止されるボルト締結部から巻き出し方向に沿う周方向に離れた位置、つまり、巻き出し方向と反対方向に近接した位置に凸部を形成すれば、トーションスプリングと蓋部材の外表面との間の離間空間を有効に活用することができる。その結果、凸部を形成するために別途軸方向の空間を確保する必要がなく、装置の軸長を短縮してコンパクトなものとすることができる。

0026

しかも、トーションスプリングの巻き出し開始領域では蓋部材の外表面とトーションスプリングとが接触しており、巻き出し開始領域に対して径方向の反対側に位置する領域では、蓋部材の規制凸部が離間空間を補うようにトーションスプリングと接触している。つまり、トーションスプリングの径方向に対向する2つの領域が蓋部材と接触しているので、トーションスプリングの姿勢を確実に安定させることができる。

0027

他の構成として、前記蓋部材の前記ボルト締結部の少なくとも1箇所は、前記トーションスプリングの外周部をガイドする外周ガイド部を有していても良い。

0028

本構成では、トーションスプリングの外周部がボルト締結部の外周ガイド部によってガイド可能されるので、トーションスプリングの姿勢を確実に安定させることができる。また、ボルト締結部を外周ガイド部として活用すれば、別途ガイド部材を設ける必要がなく、効率的である。

0029

他の構成として、前記蓋部材には、前記トーションスプリングの内周部をガイドする内周ガイド部が前記蓋部材と一体で前記回転軸芯方向に沿って突出形成されていても良い。

0030

本構成のように蓋部材に内周ガイド部を設ければ、従動側回転体にトーションスプリングの内周部をガイドする内周ガイド部を設ける必要がなく、従動側回転体が摩耗しない。その結果、装置性能を劣化させることがない。また、蓋部材を突出形成しているので、加工が容易である。

図面の簡単な説明

0031

弁開閉時期制御装置の断面図である。
図1のII-II線断面図である。
弁開閉時期制御装置をフロントプレート側から見た図である。
トーションスプリングとフロントプレートとの断面図である。
弁開閉時期制御装置の分解斜視図である。
別実施形態(a)の筒状部材を示す断面図である。
別実施形態(b)の規制凸部を示す断面図である。

実施例

0032

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。

0033

基本構成
図1および図2に示すように、駆動側回転体としての外部ロータ20と、従動側回転体としての内部ロータ30と、外部ロータ20および内部ロータ30の相対回転位相を進角方向に付勢する付勢機構としての付勢ユニット40と、電磁制御弁50とを備えて弁開閉時期制御装置Aが構成されている。なお、付勢ユニット40は相対回転移動を遅角方向に付勢するものでも良く、特に限定されない。

0034

外部ロータ20(駆動側回転体の一例)は、内燃機関としてのエンジンEのクランクシャフト1と同期回転するようにタイミングチェーン7を介して連係しており、吸気カムシャフト5の回転軸芯Xと同軸芯上に配置されている。内部ロータ30(従動側回転体の一例)は、回転軸芯Xと同軸芯上に配置されることで外部ロータ20に内包され、吸気カムシャフト5に対して一体回転するように連結している。

0035

この弁開閉時期制御装置Aは、内部ロータ30の回転軸芯Xと同軸芯に電磁制御弁50を備えている。弁開閉時期制御装置Aは、電磁制御弁50による作動油(流体の一例)の制御により外部ロータ20と内部ロータ30との相対回転位相を変更し、これにより吸気バルブ5Vの開閉時期の制御を行う。なお、外部ロータ20と内部ロータ30とが位相制御機構として機能する。

0036

エンジンE(内燃機関の一例)は、乗用車などの車両に備えられるものである。このエンジンEは、下部にクランクシャフト1を備え、上部のシリンダブロック2に形成されたシリンダボアの内部にピストン3を収容し、このピストン3とクランクシャフト1とをコネクティングロッド4で連結した4サイクル型に構成されている。

0037

なお、クランクシャフト1の回転力を弁開閉時期制御装置Aに伝える伝動構成としては、タイミングベルト式を用いて良く、多数のギヤを有するギヤトレインによりクランクシャフト1の駆動力を伝える構成でも良い。

0038

また、エンジンEの上部には、吸気カムシャフト5と排気カムシャフトとを備え、クランクシャフト1の駆動力で駆動される油圧ポンプPを備えている。吸気カムシャフト5は回転により吸気バルブ5Vを開閉作動させる。油圧ポンプPは、エンジンEのオイルパン貯留される潤滑油を、供給流路8を介して作動油として電磁制御弁50に供給する。

0039

エンジンEのクランクシャフト1に形成した出力スプロケット6と、タイミングスプロケット22Pとに亘ってタイミングチェーン7を巻回することで、外部ロータ20がクランクシャフト1と同期回転する。図面には示していないが、排気側のカムシャフトの前端にもタイミングスプロケットが備えられ、これにもタイミングチェーン7が巻回されている。

0040

なお、本実施形態では、吸気カムシャフト5に弁開閉時期制御装置Aを備えているが、弁開閉時期制御装置Aを排気カムシャフトに備えても良いし、吸気カムシャフト5と排気カムシャフトとの双方に備えても良い。

0041

図2に示すように、弁開閉時期制御装置Aは、クランクシャフト1からの駆動力により外部ロータ20が駆動回転方向Sに向けて回転する。また、内部ロータ30が外部ロータ20に対して駆動回転方向Sと同方向に相対回転する方向を進角方向Saと称し、この逆方向を遅角方向Sbと称する。

0042

〔弁開閉時期制御装置〕
弁開閉時期制御装置Aは、図1図2図5に示すように外部ロータ20と内部ロータ30とを備えている。なお、内部ロータ30と吸気カムシャフト5との間に挟み込まれる位置にブッシュ状中間部材を備えても良い。

0043

外部ロータ20は、外部ロータ本体21と、蓋部材22と、リヤプレート23とを有しており、これらが複数の締結ボルト24の締結により固定されている。蓋部材22の外周にはタイミングスプロケット22Pが形成されている。なお、リヤプレート23の外周にタイミングスプロケット22Pを形成しても良いし、外部ロータ本体21と蓋部材22又はリヤプレート23とを一体にしてカップ状に形成しても良い。

0044

蓋部材22とリヤプレート23とに挟み込まれる位置に外部ロータ本体21が配置されている。外部ロータ本体21には、回転軸芯Xを基準にして径方向の内側に突出する複数の区画部21Tが一体的に形成されている。

0045

内部ロータ30は、外部ロータ本体21の区画部21Tの突出端に密接する円柱状の内部ロータ本体31と、外部ロータ本体21の内周面に接触するように内部ロータ本体31の外周に突出して備えた複数(4つ)のベーン部32とを有している。なお、ベーン部32は4つに限らず任意の数に設定できる。

0046

これにより、回転方向で隣接する区画部21Tの中間位置で、内部ロータ本体31の外周側に複数の流体圧室Cが形成される。つまり、外部ロータ20と内部ロータ30との間には、作動油が給排される流体圧室Cが形成されている。そして、これらの流体圧室Cがベーン部32で仕切られることにより進角室Caと遅角室Cbとが形成される。

0047

また、図1に示すように、連結ボルト38にはボルト頭部38Aと雄ネジ部38Sとが形成され、雄ネジ部38Sが吸気カムシャフト5の雌ネジ部に螺合することにより、内部ロータ30が吸気カムシャフト5に連結される。特に、この連結時には、内部ロータ30と後述するスプリングホルダ41の座部42とが、連結ボルト38と吸気カムシャフト5とに挟み込まれる状態で一体化する。これによって、連結ボルト38の締結力を内部ロータ30に直接作用させず、内部ロータ30の変形を防止することができる。

0048

連結ボルト38は、回転軸芯Xを中心にする筒状に形成され、この内部空間に電磁制御弁50のスプール51と、これを突出方向に付勢するスプールスプリング(不図示)とが収容されている。この電磁制御弁50の構成は後述する。

0049

この弁開閉時期制御装置Aでは、位相制御機構としての外部ロータ20と内部ロータ30との相対回転位相を最進角位相にロック(固定)するロック機構Lを備えている。図1および図2に示すように、このロック機構Lは、1つのベーン部32に対し回転軸芯Xに沿う姿勢で形成されたガイド孔26にガイドされながら移動するロック部材25と、このロック部材25を突出付勢するロックスプリング27と、蓋部材22に形成したロック凹部28とを備えている。つまり、ロック部材25は回転軸芯Xの方向に沿って移動し、ロック凹部28は、外部ロータ20のうち回転軸芯Xの方向に沿って固定された蓋部材22の内側に形成されている。なお、ロック機構Lとしては、最進角位相でロックするものに限らず、例えば、最遅角位相や最遅角位相と最進角位相との間の任意の位置でロックする構成のものを備えても良い。

0050

エンジンEの稼働時には吸気カムシャフト5から作用する変動トルクが遅角方向Sbに作用する。このような理由から、この変動トルクの作用を抑制するように付勢ユニット40による付勢方向を、内部ロータ30に対して進角方向Saに変位させるように設定している。この付勢ユニット40の構成は後述する。

0051

〔弁開閉時期制御装置:油路構成
図1および図2に示すように、作動油の供給により相対回転位相を進角方向Saに変位させる空間が進角室Caであり、これとは逆に、作動油の供給により相対回転位相を遅角方向Sbに変位させる空間が遅角室Cbである。ベーン部32が進角方向Saの作動端(ベーン部32の進角方向Saの作動端の近傍の位相を含む)に達した状態での相対回転位相を最進角位相と称し、ベーン部32が遅角方向Sbの作動端(ベーン部32の遅角方向Sbの作動端の近傍の位相を含む)に達した状態での相対回転位相を最遅角位相と称する。

0052

内部ロータ本体31には、遅角室Cbに連通する遅角流路33と、進角室Caに連通する進角流路34とが形成されている。また、ロック凹部28に対して遅角流路33が連通している。

0053

この弁開閉時期制御装置Aでは、ロック機構Lがロック状態にある状態で遅角室Cbに作動油が供給される際、ロック凹部28に対して遅角流路33を経由して作動油が供給される。これにより、ロックスプリング27の付勢力に抗してロック部材25がロック凹部28から離脱し、ロック状態が解除される。つまり、本実施形態では、最進角位相でロックされた状態でエンジンEが始動され、遅角室Cbおよびロック凹部28に作動油が供給され、ロックスプリング27の付勢力に対抗する油圧が確保された後にロックが解除され、相対回転位相を所望の位相に制御するものである。

0054

〔電磁制御弁・油路構成〕
図1に示すように、電磁制御弁50は、スプール51と、スプールスプリングと、電磁ソレノイド54とで構成されている。つまり、スプール51は、連結ボルト38の内部空間で回転軸芯Xに沿う方向にスライド移動自在に配置され、連結ボルト38にはスプール51の外端側の操作位置を決めるため止め輪で成るストッパー53が備えられている。また、スプールスプリングは、このスプール51を吸気カムシャフト5から離間する方向(突出方向)に付勢力を作用させる。

0055

電磁ソレノイド54は、内部のソレノイドに供給された電力に比例した量だけ突出作動するプランジャ54aを備えており、このプランジャ54aの押圧力によりスプール51を操作する。また、スプール51は内部ロータ30と共に回転可能に構成され、電磁ソレノイド54は、エンジンEに支持されることにより回転不能に構成されている。

0056

電磁ソレノイド54は、プランジャ54aをスプール51の外端に接当可能な位置に配置され、非通電状態では非押圧位置に保持され、スプール51は遅角ポジションに保持される。また、電磁ソレノイド54に所定電力通電する状態ではプランジャ54aが内端側の押圧位置に達しスプール51は進角ポジションに保持される。さらに、電磁ソレノイド54に対して、進角ポジションに設定する電力より低い電力を通電することにより、プランジャ54aの突出量が制限され、スプール51は進角ポジションと遅角ポジションとの中間となる中立ポジションに保持される。

0057

また、連結ボルト38の内部には、スプール51のポジションにより、油圧ポンプPからの流体を制御して遅角流路33と進角流路34との何れかに供給するための流路が形成されている。従って、例えば、電磁ソレノイド54によりスプール51が遅角ポジションに操作され、次に、中立ポジションに操作され、さらに、進角ポジションに操作された場合には、これに対応して、油圧ポンプPからの作動油を遅角室Cbに供給する状態と、作動油の給排を行わない状態と、進角室Caに作動油を供給する状態とが、この順序で作り出される。本実施形態では、遅角流路33の一部を、後述するスプリングホルダ41と内部ロータ30とに形成している。つまり、内部ロータ30のみに遅角流路33を形成する場合に比べ、スプリングホルダ41を有効活用して軸長を短縮している。しかも、スプリングホルダ41の表面を切欠いて遅角流路33を形成できるので、加工が容易である。

0058

〔弁開閉時期制御装置:付勢ユニット〕
図1図3図5に示すように、付勢ユニット40は、外部ロータ20の蓋部材22と、内部ロータ30に固定されるスプリングホルダ41と、スプリングホルダ41に支持されるトーションスプリング46とで構成されている。なお、スプリングホルダ41を省略して、内部ロータ30を回転軸芯Xに沿って外側に突出形成しても良い。

0059

蓋部材22には、トーションスプリング46の回転軸芯Xに沿う移動を規制する規制凸部22Aが外表面から突出形成されている。つまり、規制凸部22Aは、ロック凹部28の反対側の面から外側に向かって突出形成されている。特に本実施形態では、規制凸部22Aは、ロック凹部28の反対側に位置する部位から外側に向かって突出形成されている。これによって、ロック凹部28の厚みが増大し、ロック部材25が繰返し当接しても変形しない強度を確保している。また、ロック凹部28は、レーザ焼入れなどで個別に熱硬化処理を施して硬度を高めても良い。これによって、簡便且つ迅速な方法で、トーションスプリング46と頻繁に接触する規制凸部22Aがロック凹部28の焼入れの影響を受け、規制凸部22Aの耐摩耗性を高めることができる。なお、規制凸部22Aに直接、熱硬化処理を施しても良い。

0060

また、リヤプレート23の側から挿入される締結ボルト24の雄ネジが螺合される雌ネジを内面に有する筒状のボス部としてのボルト挿入凸部22Cが、蓋部材22と一体で回転軸芯Xの方向に沿う外方に突出形成されている。また、蓋部材22の内周側には、トーションスプリング46の内周部をガイドする内周ガイド部22Bが、蓋部材22と一体で回転軸芯Xの方向に沿う外方に突出形成されている。なお、ボルト挿入凸部22Cの内面の雌ネジを省略しても良い。また、内周ガイド部22Bを省略して、後述するスプリングホルダ41の突出部43にガイド機能を持たせても良い。

0061

スプリングホルダ41は、内部ロータ本体31に連結する座部42と、座部42から回転軸芯Xに沿って突出する姿勢で形成された突出部43とが一体的に形成されている。

0062

座部42の中心位置には連結ボルト38が挿通する挿通孔42Aが形成されている。また、内部ロータ30の嵌合凹部31Aに嵌め込まれる環状突部42Bが、座部42の径方向に沿う外方に突出する状態で環状形成されている。この環状突部42Bは、内部ロータ30の嵌合凹部31Aと蓋部材22との間に挟まれる。さらに、座部42の内部ロータ30側には、内部ロータ30に圧入、又はすきま嵌めされた位置決めピン44が嵌合するピン孔42Cが形成されている。なお、環状突部42Bは、座部42の周方向に分割して突出形成しても良い。また、位置決めピン44を省略して、環状突部42Bより座部42の径方向外方にさらに突出した再突出部位を設け、この最突出部位を嵌合凹部31Aの外方に切欠き形成した部位に挿入して位置決めしても良い。

0063

内部ロータ30に固定された位置決めピン44を座部42のピン孔42Cに位置合わせした状態で、内部ロータ30の嵌合凹部31Aにスプリングホルダ41の環状突部42Bを嵌め込む。この構成では、嵌合凹部31Aに環状突部42Bが嵌り込んだ状態では、各々の相対回転が許される程度の嵌合状態であり、座部42のピン孔42Cに位置決めピン44が嵌め込まれることにより、各々の回転が規制される。

0064

突出部43には、トーションスプリング46の一方の端部を支持する凹状の空間である係合部43Aが切り欠き形成されている。

0065

トーションスプリング46は、スプリングホルダ41の外周部を取り囲む領域に配置されるコイル部46Aと、コイル部46Aで回転軸芯Xに沿う方向の外端位置から外方に延出する第1アーム46B(一方の端部)と、外端位置から径方向外方に延出する第2アーム46C(他方の端部)と、を備えている。

0066

図5に示すように、蓋部材22の中央位置には、突出部43の外周径D2より僅かに大径となる内径で回転軸芯Xを中心とする孔径D1(内径)となる貫通孔22Dが形成されている。回転軸芯Xに沿う方向視で突出部43の最外周縁が外周径D2となる。なお、トーションスプリング46のコイル部46Aの内径は外周径D2より充分に大きい値に設定されている。

0067

回転軸芯Xに沿う方向視で環状突部42Bの外周縁の外端径D3は、孔径D1より大きく設定されている。また、内部ロータ本体31の嵌合凹部31Aの内周径D4が外端径D3より僅かに大きい値に設定されている。内部ロータ本体31の嵌合凹部31Aは、蓋部材22の側となる外端面に対して、回転軸芯Xを中心とする領域を窪ませる形態で形成されている。これにより、外周径D2の突出部43が、孔径D1の貫通孔22Dに挿通可能となる。また、貫通孔22Dの孔径D1より外端径D3が大きい環状突部42Bが、蓋部材22に対して抜け止め状態で保持される。さらに、この外端径D3の環状突部42Bが、内周径D4の嵌合凹部31Aに嵌め込み可能となる。

0068

蓋部材22の外壁で貫通孔22Dを取り囲む円周領域には、トーションスプリング46のコイル部46Aの内周部がガイドされる内周ガイド部22Bが配置されている。内周ガイド部22Bより外周側には、筒状のボルト挿入凸部22C(ボルト締結部、外周ガイド部の一例)が周方向に沿って複数(本実施形態では4箇所)設けられ、その内の1つのボルト挿入凸部22Cにトーションスプリング46の第2アーム46Cが係止される。つまり、トーションスプリング46は、蓋部材22のボルト挿入凸部22Cと内部ロータ30に固定されるスプリングホルダ41の係合部43Aとに係止され、外部ロータ20および内部ロータ30に付勢力を作用させている。

0069

また、複数のボルト挿入凸部22Cの内側は、トーションスプリング46のコイル部46Aの外周部がガイドされる外周ガイド部として機能している。なお、複数のボルト挿入凸部22Cを周方向に沿わせて配置せずに、蓋部材22の中心から径方向の距離を夫々異ならせても良い。この場合、複数のボルト挿入凸部22Cの少なくとも1箇所の内側が、トーションスプリング46の外周部をガイドする外周ガイド部として機能する。

0070

図3に示すように、規制凸部22Aは、トーションスプリング46が係止される係止部としてのボルト挿入凸部22Cと他のボルト挿入凸部22Cとの周方向に沿う間に配置されている。特に、この規制凸部22Aは、ボルト挿入凸部22Cのトーションスプリング46の係止部からトーションスプリング46の巻き出し方向に沿う規制凸部22Aまでの周方向距離L1は、ボルト挿入凸部22Cからトーションスプリング46の巻き出し方向と反対方向に沿う規制凸部22Aまでの周方向距離L2よりも大きい。つまり、図4に示すように、ボルト挿入凸部22Cからトーションスプリング46の巻き出し方向に向かうに連れて生じる蓋部材22との空間Kに対応して、規制凸部22Aが突出形成されている。

0071

〔付勢ユニットの組み立て〕
図1および図5に示すように、外部ロータ本体21の背部にリヤプレート23を配置し、ロック機構Lおよび位置決めピン44が装着された内部ロータ本体31を外部ロータ本体21の内部に嵌め込み、また、連結ボルト38の内部にスプール51等を収容する。

0072

次に、蓋部材22の貫通孔22Dに対し裏面側からスプリングホルダ41の突出部43を挿通しつつ、スプリングホルダ41の座部42のピン孔42Cを内部ロータ30に固定された位置決めピン44に位置合わせした状態で、スプリングホルダ41の座部42を内部ロータ本体31の嵌合凹部31Aに嵌め込む。これにより、嵌合凹部31Aの円周状の内周面に、複数の座部42の外端縁が接触し、スプリングホルダ41の重心位置を回転軸芯Xの位置に保持するように位置決めが行われ、内部ロータ30とスプリングホルダ41とが一体回転可能な状態に達する。

0073

次に、蓋部材22と外部ロータ本体21とリヤプレート23とを、締結ボルト24により連結する。さらに、スプリングホルダ41の座部42の挿通孔42Aに連結ボルト38を挿通し、この連結ボルト38の雄ネジ部38Sを吸気カムシャフト5の雌ネジ部に螺合させて締結を行う。

0074

これにより、吸気カムシャフト5と、内部ロータ30と、スプリングホルダ41とが一体化する。この状態では、スプリングホルダ41の座部42を蓋部材22の貫通孔22Dの外周が押さえ込み、スプリングホルダ41の浮き上がりが阻止される。

0075

次いで、コイル部46Aの一部を蓋部材22の内周ガイド部22Bに挿入しつつ、蓋部材22のボルト挿入凸部22Cにトーションスプリング46の第2アーム46Cを係止させる。さらに、トーションスプリング46の第1アーム46Bを突出部43の係合部43Aに係合して保持し、弁開閉時期制御装置Aが完成する。

0076

この完成状態では、付勢ユニット40のトーションスプリング46が最も拡径した状態であり、外部ロータ20に対して内部ロータ30を進角方向Saに変位させる付勢力を作用させている。また、トーションスプリング46のコイル部46Aの内周部が蓋部材22の内周ガイド部22Bにガイドされ、コイル部46Aの外周部が複数のボルト挿入凸部22C(外周ガイド部)にガイドされることで、トーションスプリング46の縮径,拡径による径方向の移動がガイドされる。さらに、蓋部材22の規制凸部22Aによって、トーションスプリング46の縮径による回転軸芯X方向に対する傾きが阻止される。

0077

〔実施形態の作用・効果〕
このように、外部ロータ20と内部ロータ30とで構成される本体部分(位相制御機構)の外部に付勢ユニット40を備えるため、本体部分の小型化が可能となる。また、トーションスプリング46が、例えば蓋部材22に接触して摩耗粉が発生しても、本体部分の内部に進入することがなく、摩耗粉の噛込みによって外部ロータ20と内部ロータ30との相対回転が阻害されることがない。しかも、本体部分を組立てた後にトーションスプリング46を設置すれば良いので、トーションスプリング46の組付が極めて容易である。

0078

蓋部材22のうち、ロック凹部28の外側に規制凸部22Aを設けているので、トーションスプリング46が縮径して軸長が伸びるに伴って回転軸芯Xに対して傾きかける際、この規制凸部22Aがトーションスプリング46に当接してその傾きを矯正させることができる。その結果、外部ロータ20と内部ロータ30とが相対的に傾斜せずに姿勢が安定するので、装置性能が低下しない。また、ロック部材25が係入する際の変形を防止するために、ロック凹部28を蓋部材22の外側に突出させ厚みを確保し、その突出部位を規制凸部22Aとして有効活用している。その結果、蓋部材22全体の厚みを無駄に大きくすることなく弁開閉時期制御装置Aがコンパクトなものとなる。

0079

しかも、トーションスプリング46が、蓋部材22の内周ガイド部22Bと複数のボルト挿入凸部22Cとの間に挟まれてガイドされるので、トーションスプリング46の径方向の移動も適正なものとなり、規制凸部22Aの傾き防止機能と相俟ってトーションスプリング46の姿勢が確実に安定する。これら内周ガイド部22Bおよび複数のボルト挿入凸部22Cは、蓋部材22を突出形成するだけなので加工が容易で、トーションスプリング46と内部ロータ30とが接触して内部ロータ30が摩耗する不都合もない。

0080

規制凸部22Aの反対側に位置するロック凹部28に対して個別に熱硬化処理を施す場合は、規制凸部22Aとトーションスプリング46との点接触による局所的な摩耗に対する耐久性を高めることができる。

0081

スプリングホルダ41を内部ロータ30に圧入するのではなく位置決めピン44で位置合わせする構成であるので、内部ロータ30を変形させずに、装置性能が低下しない。さらに、例えば、トーションスプリング46の一端を内部ロータ30に対して直接的に係合させるものでは、係合部分に強度を高める必要がある。これに対してスプリングホルダ41を用いることで内部ロータ30の強度を高める必要がない。一方、トーションスプリング46の他端を外部ロータ20に係合させる際、締結ボルト24を螺合させるボルト挿入凸部22Cを用いているので、ボルトの高強度によって係合部分の強度が高い。このため、ピン状のフックなどを別途設ける必要がなく、効率的である。

0082

規制凸部22Aを、トーションスプリング46の他端が係合する係止部としてのボルト挿入凸部22Cに近接して設けているので、ボルト挿入凸部22Cからトーションスプリング46の巻き出し方向に行くに連れて形成される蓋部材22との離間空間Kを有効に活用している。その結果、規制凸部22Aを形成するために別途回転軸芯Xの方向に空間を設ける必要がなく、弁開閉時期制御装置Aの軸長を短縮できる。しかも、トーションスプリング46の巻き出し開始領域では蓋部材22の外表面とトーションスプリング46とが接触しており、巻き出し開始領域に対して径方向の反対側に位置する領域では、規制凸部22Aが離間空間Kを補うようにトーションスプリング46と接触している。つまり、トーションスプリング46の径方向に対向する2つの領域が蓋部材22と接触しているので、トーションスプリング46の縮径又は拡径に伴う傾倒を防止して、トーションスプリング46の姿勢を確実に安定させることができる。

0083

また、この構成の弁開閉時期制御装置Aでは、作動油が例えば蓋部材22の貫通孔22Dから外部にリークするが、この作動油により、トーションスプリング46や蓋部材22などの摩耗を抑制できる。

0084

〔別実施形態〕
上述した実施形態以外に以下のように構成しても良い。なお、図面の理解を容易にするため、同じ部材には同じ名称および符号を用いて説明する。

0085

(a)図6に示すように、ロック凹部28の内面に、筒状の筒状部材29が嵌められていても良い。これによって、この筒状部材29が規制凸部22Aの補強部材としても機能する。その結果、トーションスプリング46の縮径に伴って加重を受けても規制凸部22Aが変形を防止され、トーションスプリング46の姿勢を長期間に亘って安定させることができる。また、規制凸部22Aの反対側にあるロック凹部28の変形も防止されるので、ロック部材25の係合精度が低下しない。なお、この筒状部材29は、ロック凹部28の側壁に当接する構造に加えて、底部を有する断面U字状などで構成しても良く、規制凸部22Aを補強できる形状であれば特に限定されない。

0086

(b)図7に示すように、規制凸部22Aの表面を断面円弧状に形成するなどしても良く、規制凸部22Aの形状は特に限定されない。このように規制凸部22Aの表面を曲面にすると、規制凸部22Aとトーションスプリング46との摩擦力を軽減させる効果が期待でき、トーションスプリング46の移動抵抗が減るので、内部ロータ30の作動性が高まる。

0087

(c)トーションスプリング46が設置される側である外部ロータ20の蓋部材22を、焼結加工品またはダイカスト加工品で構成しても良い。このように構成すれば、蓋部材22の内部にごく微少な空隙が無数に存在するので、流体圧室Cからの作動油が染み出す。その結果、トーションスプリング46と蓋部材22との接触による摩耗を抑制することができる。なお、作動油の染み出し促進するために、規制凸部22Aに微小な貫通孔を形成しても良い。

0088

(d)上述した実施形態では、規制凸部22Aを、蓋部材22のうちロック凹部28の反対側に位置する部位から外側に向かって突出形成したが、蓋部材22のうちロック凹部28の反対側に位置する部位を含まない外表面から外側に向かって突出形成しても良い。

0089

(e)上述した実施形態では、複数のボルト挿入凸部22Cを蓋部材22と一体で回転軸芯Xの方向に沿う外方に突出形成して、その内の1つのボルト挿入凸部22C(係止部)にトーションスプリング46の第2アーム46Cを係止した。これに代えて、締結ボルト24の頭部をボルト締結部(係止部)として、トーションスプリング46の第2アーム46Cを係止しても良いし、締結ボルト24の雄ネジに直接トーションスプリング46の第2アーム46Cを係止しても良い。

0090

(f)上述した実施形態では、トーションスプリング46を蓋部材22の外側に配置したが、蓋部材としてのリヤプレート23の外側に配置しても良い。この場合、蓋部材22の構成が、前後対称にリヤプレート23に適用されるので詳細な説明は省略する。

0091

本発明は、駆動側回転体と従動側回転体との相対回転位相を所定の方向に付勢する機構を備えている弁開閉時期制御装置に利用することができる。

0092

1クランクシャフト
5カムシャフト(吸気カムシャフト)
20駆動側回転体(外部ロータ)
22蓋部材
22A規制凸部
22B内周ガイド部
22Cボルト締結部(ボルト挿入凸部、外周ガイド部)
24ボルト(締結ボルト)
25ロック部材
28ロック凹部
29筒状部材
30従動側回転体(内部ロータ)
46トーションスプリング
46C 端部(第2アーム)
A弁開閉時期制御装置
E内燃機関(エンジン)
Lロック機構
L1 巻き出し方向に沿う周方向距離
L2 巻き出し方向と反対方向に沿う周方向距離
X 回転軸芯

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