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技術 Snイオンを利用した1液型高耐食性塗料組成物

出願人 新日鐵住金株式会社神東塗料株式会社
発明者 上村隆之橋本康樹秋田昌紀杉田直也
出願日 2015年12月1日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2015-235121
公開日 2017年6月8日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2017-101146
状態 特許登録済
技術分野 流動性材料の適用方法、塗布方法 塗料、除去剤
主要キーワード 鋼製配管 維持補修 塩分付着 合成樹脂調合ペイント 手工具 ケレン処理 供用中 耐食性改善元素
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この項目の情報は公開日時点(2017年6月8日)のものです。
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課題

普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管等の表面の深さ方向に進行する錆を抑制するための1液型高耐食性塗料組成物を提供する。

解決手段

1液型高耐食性塗料組成物は、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂、(B)硫酸第一スズ、(C)防錆顔料、(D)体質顔料、及び(E)着色顔料を含有し、(D)硫酸第一スズの含有量が、塗料組成物の100重量部に対して2.0〜8.0重量部であり、(C)防錆顔料の含有量が、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂の固形分100重量部に対して10〜20重量部であり、(D)体質顔料が、セリサイト系顔料二酸化ケイ素系顔料含水ケイ酸マグネシウム系顔料、及び炭酸カルシウム系顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有し、形成される塗膜における顔料体積濃度が、30〜40%の範囲である。

概要

背景

従来から、製鉄所化学プラント海洋構造物等の過酷な環境下にある普通鋼からなる鋼構造物鋼製配管等の防食には、アルキド樹脂系塗料下塗りとした塗装システムが用いられてきており、さらに必要に応じて各種の上塗り塗料塗り重ねられている。

一方、鋼製橋梁等には安定錆保護機能により塗装が不要である耐候性鋼材が多く用いられている。しかし、耐候性鋼材においても融雪剤等によって安定錆の形成が阻害される場合には、特許文献1に示されるように表面処理剤が塗装される。この場合、表面処理剤は、安定錆が形成されるまでの期間、耐候性鋼材の上に存在すればよいので、その膜厚は10〜100μm程度と薄く、バインダーとして用いられる樹脂としては、ブチラール樹脂フェノール樹脂ビニルエステル樹脂等の非架橋タイプが主である。

製鉄所、化学プラント、海洋構造物等における普通鋼からなる鋼構造物や鋼製配管等では、厚膜塗装ステムを採用していても、供用中塗膜劣化、すなわち塗膜に鋼材にまで達する傷が付くことは不可避であり、その傷から錆が発生することを如何に抑制するかが施設管理者の課題である。鋼材の水平方向に拡がる錆は、初期段階では外観の悪化にとどまるが、深さ方向に進行する錆は、構造物の内部に保管されている物質漏出や強度低下ひいては構造物の寿命にも関わる問題であり、その対策が求められている。

また、補修塗装においては、構造上の制約危険物が存在する等の周辺環境の制約のため、粉塵が多量に発生するブラスト処理火花が生じるディスクサンダー処理といった有効性の高いケレン処理作業が行えない場合が殆どであり、そのため被塗面に錆や塩化物等が残留し、早期に補修塗膜膨れや剥がれ等が生じることがある。さらに、残留した錆や塩化物等の作用により塗膜下での局所的な深い腐食も生じている。

出願人は、かかる問題を克服するために、鋼材の深さ方向に進行する錆を抑制する手段としてSnイオンを利用した高耐食性塗料組成物を提案したが(特許文献2参照)、鋼材の深さ方向の進行錆を効果的に抑制する1液型塗料組成物がさらに求められている。

概要

普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管等の表面の深さ方向に進行する錆を抑制するための1液型高耐食性塗料組成物を提供する。1液型高耐食性塗料組成物は、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂、(B)硫酸第一スズ、(C)防錆顔料、(D)体質顔料、及び(E)着色顔料を含有し、(D)硫酸第一スズの含有量が、塗料組成物の100重量部に対して2.0〜8.0重量部であり、(C)防錆顔料の含有量が、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂の固形分100重量部に対して10〜20重量部であり、(D)体質顔料が、セリサイト系顔料二酸化ケイ素系顔料含水ケイ酸マグネシウム系顔料、及び炭酸カルシウム系顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有し、形成される塗膜における顔料体積濃度が、30〜40%の範囲である。なし

目的

製鉄所、化学プラント、海洋構造物等における普通鋼からなる鋼構造物や鋼製配管等では、厚膜塗装システムを採用していても、供用中の塗膜の劣化、すなわち塗膜に鋼材にまで達する傷が付くことは不可避であり、その傷から錆が発生することを如何に抑制するかが施設管理者の課題である

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管の表面に使用される1液型高耐食性塗料組成物であって、塗料組成物が、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂、(B)硫酸第一スズ、(C)防錆顔料、(D)体質顔料、及び(E)着色顔料を含有し、(B)硫酸第一スズの含有量が、塗料組成物の100重量部に対して2.0〜8.0重量部であり、(C)防錆顔料の含有量が、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂固形分100重量部に対して10〜20重量部であり、(D)体質顔料が、セリサイト系顔料二酸化ケイ素系顔料含水ケイ酸マグネシウム系顔料、及び炭酸カルシウム系顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有し、形成される塗膜における顔料体積濃度が、30〜40%の範囲であることを特徴とする1液型高耐食性塗料組成物。

請求項2

請求項1に記載の1液型高耐食性塗料組成物を下塗り塗料(I)として、1回あたりの硬化膜厚が35〜70μmとなるようにして鋼構造物または鋼製配管の表面に複数回塗装し、次いで長油性フタル酸樹脂系塗料及び中油性フタル酸樹脂系塗料からなる群から選ばれる上塗り塗料(II)を硬化膜厚で20〜50μmとなるようにその表面に塗装することを特徴とする塗装方法

請求項3

請求項2に記載の塗装方法によって塗装されていることを特徴とする普通鋼材または耐候性鋼材の鋼構造物または鋼製配管。

技術分野

0001

本発明は、製鉄所化学プラント海洋構造物等の過酷な環境下にある普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物鋼製配管等の維持補修に用いられる1液型高耐食性塗料組成物に関する。

背景技術

0002

従来から、製鉄所、化学プラント、海洋構造物等の過酷な環境下にある普通鋼からなる鋼構造物や鋼製配管等の防食には、アルキド樹脂系塗料下塗りとした塗装システムが用いられてきており、さらに必要に応じて各種の上塗り塗料塗り重ねられている。

0003

一方、鋼製橋梁等には安定錆保護機能により塗装が不要である耐候性鋼材が多く用いられている。しかし、耐候性鋼材においても融雪剤等によって安定錆の形成が阻害される場合には、特許文献1に示されるように表面処理剤が塗装される。この場合、表面処理剤は、安定錆が形成されるまでの期間、耐候性鋼材の上に存在すればよいので、その膜厚は10〜100μm程度と薄く、バインダーとして用いられる樹脂としては、ブチラール樹脂フェノール樹脂ビニルエステル樹脂等の非架橋タイプが主である。

0004

製鉄所、化学プラント、海洋構造物等における普通鋼からなる鋼構造物や鋼製配管等では、厚膜塗装ステムを採用していても、供用中塗膜劣化、すなわち塗膜に鋼材にまで達する傷が付くことは不可避であり、その傷から錆が発生することを如何に抑制するかが施設管理者の課題である。鋼材の水平方向に拡がる錆は、初期段階では外観の悪化にとどまるが、深さ方向に進行する錆は、構造物の内部に保管されている物質漏出や強度低下ひいては構造物の寿命にも関わる問題であり、その対策が求められている。

0005

また、補修塗装においては、構造上の制約危険物が存在する等の周辺環境の制約のため、粉塵が多量に発生するブラスト処理火花が生じるディスクサンダー処理といった有効性の高いケレン処理作業が行えない場合が殆どであり、そのため被塗面に錆や塩化物等が残留し、早期に補修塗膜膨れや剥がれ等が生じることがある。さらに、残留した錆や塩化物等の作用により塗膜下での局所的な深い腐食も生じている。

0006

出願人は、かかる問題を克服するために、鋼材の深さ方向に進行する錆を抑制する手段としてSnイオンを利用した高耐食性塗料組成物を提案したが(特許文献2参照)、鋼材の深さ方向の進行錆を効果的に抑制する1液型塗料組成物がさらに求められている。

先行技術

0007

特許第4687231号
特開2014−227434

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、かかる従来技術の現状に鑑みなされたものであり、その目的は、普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管等の表面の深さ方向に進行する錆を抑制するための1液型高耐食性塗料組成物、及びそれを使用した塗装方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するためには、鋼材の深さ方向に進行する錆を抑制する手段として、塗料組成物中特定量二価スズイオン硫酸第一スズ)の存在が重要である。

0010

具体的には、二価のスズイオンによる錆抑制メカニズムは以下の通りである。
飛来塩分量の多い環境下濡れ状態では、FeCl3溶液による腐食が本質的な条件となり、Fe3+の加水分解によりpHが低下した状態でFe3+が酸化剤として作用する。
カソード反応:Fe3++e−→Fe2+
アノード反応:Fe→Fe2++2e−
従って、腐食の総括反応は2Fe3++Fe→3Fe2+となる。
Snは、Sn2+として溶解すると、空気酸化あるいは2Fe3++Sn2+→2Fe2++Sn4+という反応によってSn4+を生成する。Sn2+およびSn4+はいずれも鋼のアノード溶解を抑制するという作用がある。結果として、スズイオンの存在は、防錆顔料として有効に作用する。なお、乾燥過程でのカソード反応は酸素還元反応であることはいうまでもない。

0011

本発明は、上記の知見を前提として鋼材の深さ方向の進行錆を効果的に抑制する1液型高耐食性塗料組成物をさらに検討した結果、完成されたものであり、以下の(1)〜(3)の構成を有するものである。
(1)普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管の表面に使用される1液型高耐食性塗料組成物であって、塗料組成物が、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂、(B)硫酸第一スズ、(C)防錆顔料、(D)体質顔料、及び(E)着色顔料を含有し、(B)硫酸第一スズの含有量が、塗料組成物の100重量部に対して2.0〜8.0重量部であり、(C)防錆顔料の含有量が、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂固形分100重量部に対して10〜20重量部であり、(D)体質顔料が、セリサイト系顔料二酸化ケイ素系顔料含水ケイ酸マグネシウム系顔料、及び炭酸カルシウム系顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有し、形成される塗膜における顔料体積濃度が、30〜40%の範囲であることを特徴とする1液型高耐食性塗料組成物。
(2)(1)に記載の1液型高耐食性塗料組成物を下塗り塗料(I)として、1回あたりの硬化膜厚が35〜70μmとなるようにして鋼構造物または鋼製配管の表面に複数回塗装し、次いで長油性フタル酸樹脂系塗料及び中油性フタル酸樹脂系塗料からなる群から選ばれる上塗り塗料(II)を硬化膜厚で20〜50μmとなるようにその表面に塗装することを特徴とする塗装方法。
(3)(2)に記載の塗装方法によって塗装されていることを特徴とする普通鋼材または耐候性鋼材の鋼構造物または鋼製配管。

発明の効果

0012

本発明によれば、腐食性の高い過酷な高飛来塩化物環境下にある普通鋼または耐候性鋼材からなる鋼構造物や鋼製配管等の表面の深さ方向に進行する錆を効果的に防止することができる1液型高耐食性塗料組成物を提供することができる。

0013

本発明の1液型高耐食性塗料組成物は、普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管等の表面に使用されるものであり、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂、(B)硫酸第一スズ、(C)防錆顔料、(D)体質顔料、及び(E)着色顔料を含有する。

0014

基剤樹脂としては、1液型塗料用樹脂として使用されている、ウレタン樹脂アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、および、それらの混合物グラフト重合物ブロック重合物を使用することができるが、本発明では、作業性と性能のバランスから、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂を使用することが好ましい。

0015

(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂としては、不飽和基含有アルキド樹脂、不飽和基含有エポキシ変性アルキド樹脂、不飽和基含有ポリエステル樹脂、および、それらと他の樹脂との混合物が好適に使用できる。(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂は、塗料組成物100重量部に対して20〜40重量部配合されることが好ましい。

0016

(B)硫酸第一スズは、深さ方向の錆の進行を抑制するために使用されるものであり、塗料組成物の100重量部に対して2.0〜8.0重量部、好ましくは4.0〜8.0重量部配合される。(B)硫酸第一スズの配合が上記割合より少ない場合には、深さ方向の錆を抑制する効果が得られず、また、上記割合より多い場合には、塗膜が長期間水につけられた場合に膨れが生じやすくなるので好ましくない。

0017

本発明の塗料組成物には、通常の防食用途の1液型塗料に使用される各種の顔料として(C)防錆顔料、(D)体質顔料、(E)着色顔料が使用される。

0018

(C)防錆顔料としては、縮合リン酸アルミニウム系、カルシウム系リン酸亜鉛系、モリブデン酸亜鉛系、メタホウ酸バリウム系等が挙げられる。(C)防錆顔料の配合量は、(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂の固形分100重量部に対して10〜20重量部、好ましくは11〜19重量部である。(C)防錆顔料の配合が上記割合より少ない場合には、塗膜の傷からの錆の発生を抑制する効果が不十分となり、また、上記割合を超えて配合してもそれ以上の効果は認められない。

0019

(D)体質顔料は、塗料性状を調整するために用いられる。一般に1液型塗料においては、硫酸バリウムカオリンマイカクレー系、セリサイト系、二酸化ケイ素系、含水ケイ酸マグネシウム系などの体質顔料が用いられるが、本発明の塗料組成物は、セリサイト系顔料、二酸化ケイ素系顔料、含水ケイ酸マグネシウム系顔料、及び炭酸カルシウム系顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の体質顔料が使用される。これらの体質顔料の配合量は、塗料組成物中の顔料の全重量の50重量%以上であることが好ましい。50重量%より少ない場合には十分な充填効果が得られず、塗膜強度が得られない可能性がある。

0020

(E)着色顔料は、塗料を彩色するためのものであり、通常の1液型塗料に使用される着色顔料が使用される。このような着色顔料としては、二酸化チタンカーボンブラックフタロシアニンブルーベンガラ有機黄色顔料、有機系赤顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0021

本発明の塗料組成物では、形成される塗膜における硫酸第一スズ、防錆顔料、体質顔料、着色顔料からなる顔料体積濃度は30〜40%の範囲にあり、好ましくは31〜39%の範囲にある。ここで「顔料体積濃度」は、塗料中全樹脂分と全顔料との合計固形分に占めるその顔料分体積割合である。顔料の体積は、顔料の重量と密度から計算することができる。顔料体積濃度が上記下限より小さい場合には、塗膜が長期間浸漬されたときに膨れが生じやすくなり、一方上記上限より大きい場合には、塗膜が長期間浸漬されたときに点錆が生じやすくなる。

0022

本発明の塗料組成物は、上記の(A)〜(E)の成分以外に、通常の1液型塗料に用いられるタレ止め剤消泡剤レベリング剤カップリング剤金属ドライヤー等の添加剤をそのまま使用することができる。

0023

本発明の塗料組成物は、単独で複数回、例えば2〜3回塗り重ねて使用されることができるが、周囲と色調を合わせたり長期間変退色を抑制する必要がある場合には、本発明の塗料組成物を下塗り塗料(I)とし、他の適当な上塗り塗料(II)を併用することができる。本発明の塗料組成物を下塗り塗料(I)として使用する場合には、1回あたりの硬化膜厚が35〜70μmとなるようにして、鋼構造物または鋼製配管等の表面に塗装され、この表面にさらに上塗り塗料(II)が塗装される。

0024

上塗り塗料(II)は、例えば長油性フタル酸樹脂系塗料及び中油性フタル酸樹脂系塗料のような合成樹脂調合ペイントから選ばれ、その膜厚としては、20〜50μmが好適である。上述のように、下塗り塗料(I)及び上塗り塗料(II)を塗布した場合、複層塗膜のSAEJ2334(SAE:Society Automotive Engineers)試験50サイクルにおける剥離面積率が3%未満、好ましくは1.5%未満であり、最大腐食深さが0.25mm未満、好ましくは0.2mm未満であることができる。

0025

本発明の塗料組成物を使用して塗装することにより、製鉄所や化学プラント、海洋構造物等における鋼構造物や鋼製配管では、塗膜に鋼材に達するような傷が入っても深さ方向への錆の進行が効果的に抑制されるので、補修が容易であり、設備を長期間稼働することが可能になる。

0026

補修塗装においては、構造上の制約や危険物が存在する等の周辺環境の制約のため、粉塵が多量に発生するブラスト処理や火花が生じるディスクサンダー処理といった有効性の高いケレン処理作業が行えない場合が殆どである。その場合はワイヤーブラシ処理やスクレーパー等の手工具でのケレン処理作業となり錆や塩化物等が残存する。本発明の塗料組成物を使用して塗装することにより、鋼材の深さ方向への錆の進行が抑制される。本発明の塗料組成物の塗装対象となる鋼材としては、普通鋼材のみならず、Sn,Cu,Cr,Ni等の耐食性改善元素が添加されている耐候性鋼材でもよく、寧ろ好適である。

0027

表1に示す材料及び配合の(A)不飽和結合を有する酸化重合性樹脂、(B)硫酸第一スズ、(C)防錆顔料、(D)体質顔料、(E)着色顔料等に粘度30〜70dPa・Sになるように適量の溶剤を加えて、均一な状態となるように攪拌することにより下塗り塗料を作成した。表中の各成分の含有量は重量部を表わす。

0028

作成した下塗り塗料を、普通鋼材から作成したブラスト板またはワイヤーブラシ処理で浮き錆を除去した錆鋼板の全面に、所定の乾燥膜厚が得られるよう1回あたり50μmになるようにエアースプレーで1日1回塗りで2回塗装した。また、上塗り塗料については、下塗り塗料の塗装後に1回塗りで25μmとなるようエアースプレーで塗装した。塗装終了後は23℃で7日間乾燥して、試験板上に防錆塗膜を形成させた。なお、錆鋼板は、同様のブラスト板をSAEJ2334で10サイクル試験して作成したものを使用した。

0029

こうして作成した供試材をSAEJ2334で50サイクル試験して、鋼材の最大腐食深さと塗膜の剥離面積率を測定した。上塗り塗膜を塗装した試験板についても同様に、SAE J2334で50サイクル試験して鋼材の最大腐食深さと塗膜の剥離面積率を測定した。

0030

SAEJ2334 湿潤:50℃、相対湿度100%、6時間→塩分付着*:0.25時間→乾燥:60℃、相対湿度50%、17.75時間
*以下の重量%組成の塩を溶かした水溶液噴霧する。
0.5%NaCl、0.1%CaCl2、0.0075%NaHCO3
製鉄所や海洋構造物等における鋼構造物や鋼製配管等の屋外環境湿潤状態は、SAE J2334に近いと考えられる。

0031

0032

表1中、比較例1〜3、実施例1〜3は、(B)硫酸第一スズの含有量を変化させた例であり、比較例4,5、実施例4,5は、顔料体積濃度を変化させた例であり、比較例6,7、実施例6,7は、(C)防錆顔料の含有量を変化させた例である。また、実施例8,9は、実施例2の下塗り塗料の上にさらに上塗り塗料を塗装した供試材の例である。

実施例

0033

表1から、混合塗料中の(B)硫酸第一スズの含有量が本発明の範囲内である実施例1〜3は、(B)硫酸第一スズの含有量が本発明の範囲外である比較例1〜3と比較して、ブラスト鋼板および錆鋼板の両方において、最大腐食深さおよび剥離面積率が小さいことがわかる。この効果は、(B)硫酸第一スズの含有量が本発明にとってより好ましい範囲(4.0〜8.0重量部)である実施例2,3において、一層顕著である。また、実施例8,9から、上記効果は、上塗り塗料をさらに塗装した場合でも同様に奏されることがわかる。さらに、実施例4〜7、比較例4〜7から、顔料体積濃度または(C)防錆顔料の含有量の値が本発明の範囲外になると、(B)硫酸第一スズの含有量が本発明の範囲内であっても、上記効果に劣ることがわかる。

0034

本発明の塗料組成物は、製鉄所、化学プラント、海洋構造物等の過酷な環境下にある普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物や鋼製配管等の錆抑制を含む維持補修に極めて有用である。

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