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技術 導電部材の接合体

出願人 矢崎総業株式会社
発明者 杉山善崇勝又文治山形由紀高橋宏和鍋田泰徳
出願日 2015年11月30日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2015-232685
公開日 2017年6月8日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-100139
状態 特許登録済
技術分野 はんだ付け、接着又は永久変形による接続 溶融はんだ付
主要キーワード 針状突起 加締め力 グラデーション状 仮保持状態 バスバ アルミ電線 アルミニウム酸化膜 撚り線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月8日)のものです。
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図面 (11)

課題

導電部材に形成された酸化膜の影響を低減し、また耐久性を高めることのできる導電部材の接合体を提供する。

解決手段

第1金属で構成される第1の導電部材M1と、第2金属で構成される第2の導電部材M2と、第1の導電部材と第2の導電部材との端面同士を接合する第3金属で構成される接合部L1とを含み、接合部と第1の導電部材との接合界面L1aまたは当該接合界面の近傍領域は、第1金属と第3金属との固溶体S1aで構成され、接合部と第2の導電部材との接合界面L1bまたは当該接合界面の近傍領域は、第2金属と第3金属との固溶体S1bで構成される

概要

背景

従来から、アルミニウム等で構成された導電部材同士の間に接続部材を設け、この接続部材を機械的に加締めて接合する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。

概要

導電部材に形成された酸化膜の影響を低減し、また耐久性を高めることのできる導電部材の接合体を提供する。第1金属で構成される第1の導電部材M1と、第2金属で構成される第2の導電部材M2と、第1の導電部材と第2の導電部材との端面同士を接合する第3金属で構成される接合部L1とを含み、接合部と第1の導電部材との接合界面L1aまたは当該接合界面の近傍領域は、第1金属と第3金属との固溶体S1aで構成され、接合部と第2の導電部材との接合界面L1bまたは当該接合界面の近傍領域は、第2金属と第3金属との固溶体S1bで構成される

目的

本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、導電部材に形成された酸化膜の影響を低減し、また耐久性を高めることのできる導電部材の接合体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

第1金属で構成される第1の導電部材と、第2金属で構成される第2の導電部材と、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材との端面同士を接合する第3金属で構成される接合部と、を含み、前記接合部と第1の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、前記第1金属と前記第3金属との固溶体で構成され、前記接合部と第2の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、前記第2金属と前記第3金属との固溶体で構成されることを特徴とする導電部材の接合体

請求項2

前記第3金属は、前記第1金属および前記第2金属より融点が低い低融点金属で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の導電部材の接合体。

請求項3

前記第1金属および前記第2金属は、Al又はAlを主成分とする合金で構成され、前記第3金属は、Zn又はZnを主成分とする合金で構成され、前記固溶体は、AlとZnとの固溶体であることを特徴とする請求項2に記載の導電部材の接合体。

請求項4

前記接合部について、前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の端部との対向面に、1または2以上の突起部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の導電部材の接合体。

請求項5

前記第1の導電部材および前記第2の導電部材は、板状材で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の導電部材の接合体。

請求項6

前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の少なくとも一方は、複数の芯線束ね電線で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の導電部材の接合体。

技術分野

0001

本発明は、導電部材接合体に関する。

背景技術

0002

従来から、アルミニウム等で構成された導電部材同士の間に接続部材を設け、この接続部材を機械的に加締めて接合する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。

先行技術

0003

特開2003−229183号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところが、従来の技術では、導電部材の表面に形成される酸化膜の影響により、十分な導通が得られないという難点があった。

0005

即ち、例えばアルミニウムで構成された導電部材の表面には、緻密で硬度の高いアルミニウム酸化膜が形成され、このアルミニウム酸化膜は機械的に圧力を加える加締め工程では十分には破壊されず、接合部の電気抵抗が比較的高くなるという問題があった。

0006

一方で、アルミ電線やアルミニウム製のバスバなどで、アルミニウム酸化膜を十分に破壊するために大きな力(圧力や振動等)を加えると、電線やバスバ自体が大きく変形してしまうという不都合を生じる。

0007

また、従来の技術では、導電部材同士の接合は、接続部材による加締め力のみであるため、使用時に加わる振動等によって、接続部材から導電部材が抜けてしまう虞があり、耐久性に乏しいという問題もあった。

0008

本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、導電部材に形成された酸化膜の影響を低減し、また耐久性を高めることのできる導電部材の接合体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

前記目的を達成するために、請求項1に記載の導電部材の接合体は、第1金属で構成される第1の導電部材と、第2金属で構成される第2の導電部材と、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材との端面同士を接合する第3金属で構成される接合部と、を含み、前記接合部と第1の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、前記第1金属と前記第3金属との固溶体で構成され、前記接合部と第2の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、前記第2金属と前記第3金属との固溶体で構成されることを特徴とする。

0010

請求項1に記載した導電部材の接合体によれば、接合部と第1の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、第1金属と第3金属との固溶体で構成され、接合部と第2の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、第2金属と第3金属との固溶体で構成されるので、第1の導電部材および第2の導電部材の表面に形成される酸化膜は固溶体を形成する際に加熱工程で除去され、酸化膜による電気抵抗の影響を低減して、良好な電導性を確保することができる。

0011

また、第1の導電部材および第2の導電部材は、固溶体を介して接合されるので、加締め力で接合される場合に比して、耐久性を向上させることができる。

0012

請求項2に記載の導電部材の接合体は、請求項1記載の発明について、前記第3金属は、前記第1金属および前記第2金属より融点が低い低融点金属で構成されていることを特徴とする。

0013

これにより、第1金属および第2金属の融点未満、第3金属の融点以上の温度環境により、比較的容易に固溶体を形成することができる。

0014

請求項3に記載の導電部材の接合体は、請求項2記載の発明について、前記第1金属および前記第2金属は、Al又はAlを主成分とする合金で構成され、前記第3金属は、Zn又はZnを主成分とする合金で構成され、前記固溶体は、AlとZnとの固溶体であることを特徴とする。

0015

これにより、比較的容易に導電部材の接合体を得ることができる。

0016

請求項4に記載の導電部材の接合体は、請求項1から請求項3の何れかに記載の発明について、前記接合部について、前記第1の導電部材または第2の導電部材の端部と対向面に、1または2以上の突起部が形成されていることを特徴とする。

0017

これにより、接合界面または当該接合界面の近傍領域に、比較的深い深度で固溶体を形成することができる。

0018

請求項5に記載の導電部材の接合体は、請求項1から請求項4の何れかに記載の発明について、前記第1の導電部材および前記第2の導電部材は、板状材で構成されていることを特徴とする。

0019

これにより、板状材同士の端面を強固に接合することができる。

0020

請求項6に記載の導電部材の接合体は、請求項1から請求項4の何れかに記載の発明について、前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の少なくとも一方は、複数の芯線束ねた電線で構成されていることを特徴とする。

0021

これにより、板状材と電線、或いは電線同士を強固に接合することができる。

発明の効果

0022

本発明によれば、導電部材に形成された酸化膜の影響を低減し、また耐久性を高めることのできる導電部材の接合体を提供することができる。

図面の簡単な説明

0023

本発明の第1の実施の形態に係る導電部材の接合体の接合前の状態を示す断面図(a)、一部拡大断面図(b)および他の一部拡大断面図(c)である。
本発明の第1の実施の形態に係る導電部材の接合体の接合後の状態を示す断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る導電部材の接合体の接合後の一部拡大断面図である。
接合界面の近傍領域における固溶体のAlとZnとの濃度分布を示すグラフである。
本発明の第2の実施の形態に係る導電部材の接合体の接合前の状態を示す断面図(a)および一部拡大断面図(b)である。
本発明の第2の実施の形態に係る導電部材の接合体の接合後の状態を示す断面図である。
本発明の第2の実施の形態に係る導電部材の接合体の接合後の一部拡大断面図である。
本発明の第3の実施の形態に係る導電部材の接合体の接合前の状態を示す断面図(a)、接合後の状態を示す断面図(b)および一部拡大断面図(c)である。
第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る導電部材の接合体に適用可能な電線の構成例を示す断面図(a)および他の構成例を示す断面図(b)である。
導電部材の接合体の参考例を示す斜視図である。

実施例

0024

[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係る導電部材の接合体1Aについて図1図4を参照して説明する。

0025

ここで、図1(a)は第1の実施の形態に係る接合体1Aの接合前の状態を示す断面図、図1(b)はその一部拡大断面図、図1(c)は他の一部拡大断面図である。

0026

図1に示す第1の実施の形態に係る接合前の導電部材の接合体1Aは、第1金属で構成される第1の導電部材M1と、第2金属で構成される第2の導電部材M2と、第1の導電部材M1と第2の導電部材M2との端面同士を接合する第3金属で構成される接合部L1とを含んでいる。

0027

本実施の形態に係る導電部材の接合体1Aでは、第1の導電部材M1を構成する第1金属および第2の導電部材M2を構成する第2金属は、ともにAl(アルミニウム)とされる。なお、第1金属および第2金属として、Alを主成分として含むAl合金を用いるようにしてもよい。

0028

また、本実施の形態に係る導電部材の接合体1Aでは、接合部L1を構成する第3金属は、第1金属および第2金属より融点が低い低融点金属の一種であるZn(亜鉛)とされる。なお、第3金属として、Znを主成分として含むZn合金を用いるようにしてもよい。

0029

また、本実施の形態では、第1の導電部材M1および第2の導電部材M2は、板状材で構成されている。板状材の断面形状は特には限定されず、四角形円形多角形等の何れであってもよい。

0030

また、接合部L1は、第1の導電部材M1および第2の導電部材M2を構成する板状材の断面形状に合わせた開口部2cを両端側に有する筒状部2aと、その中空部の略中央に位置する隔壁部2bとから構成されている。なお、特には限定されないが、隔壁部2bは例えば1mm程度の厚さとされる。

0031

また、第1の導電部材M1または第2の導電部材M2の端部との対向面10となる隔壁部2bの表面は、図1(b)に示すように平滑面とすることができる。これにより、接合部L1と、第1の導電部材M1または第2の導電部材M2の端部との密着性を高めることができる。

0032

また、図1(c)に示すように第1の導電部材M1または第2の導電部材M2の端部20との対向面となる隔壁部2bの表面に、1または2以上の突起部11を形成するようにできる。この場合には、後述する接合状態において、固溶体を比較的深い深度で形成することができる。

0033

なお、図1(c)では、隔壁部2bの第2の導電部材M2側の表面のみに突起部11を形成する場合を示しているが、これに限らず、隔壁部2bの第1の導電部材M1側の表面にも同様の突起部11を形成するようにしてもよい。

0034

また、突起部11に代えて、隔壁部2bの表面を粗面化するようにしてもよい。

0035

そして、図1(a)の仮保持状態で、接合部L1等を所定温度まで加熱する。より具体的には、第3金属を構成するZnの融点以上で、第1金属および第2金属を構成するAlの融点未満の温度まで加熱する。加熱方法は、特には限定されず接合体1Aに所定の電流を流して内部から加熱する抵抗加熱や、加熱装置によって外部から加熱するなどの何れかを適用することができる。なお、加熱時に、第1の導電部材M1および第2の導電部材M2を、接合部L1を押圧する方向に加圧するようにしてもよい。

0036

ここで、図2は、第1の実施の形態に係る導電部材の接合体1Aの接合後の状態を示す断面図、図3は、導電部材の接合体1Aの接合後の一部拡大断面図である。

0037

図2に示すように、図1に示す接合部L1の筒状部2aを構成するZnは溶融後、固化して、第1の導電部材M1および第2の導電部材M2の端部を外側から接合する。

0038

一方、接合前において隔壁部2bで構成されていた接合部L1と第1の導電部材M1との接合界面L1aまたは当該接合界面L1aの近傍領域は、第1金属(Al)と第3金属(Zn)との固溶体S1aで構成される。

0039

また、接合前において隔壁部2bで構成されていた接合部L1と、第2の導電部材M2との接合界面L1bまたは当該接合界面L1bの近傍領域は、第2金属(Al)と第3金属(Zn)との固溶体S1bで構成される。

0040

ここで、図4は、接合界面L1a(L1b)の近傍領域における固溶体のAlとZnとの濃度分布を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は接合界面L1a(L1b)を基準点「0」とした距離(μm)、縦軸はAlとZnの濃度を示す。

0041

このように、図3に例示するように、接合界面L1a(L1b)またはこの接合界面L1a(L1b)の近傍領域では、接合界面L1a(L1b)から離れるに従ってZnの濃度が下がり、逆に接合界面L1a(L1b)から離れるに従ってAlの濃度が上がるグラデーション状の固溶体S1a(S1b)が形成される。

0042

以上述べたように、本実施の形態に係る導電部材の接合体1Aによれば、Alで構成される第1の導電部材M1および第2の導電部材M2の端面に、アルミニウム酸化膜が形成されていた場合であっても、このアルミニウム酸化膜は、接合部L1を構成する低融点金属であるZnを溶融する過程で除去されるため、アルミニウム酸化膜の影響を低減し、良好な電導性を確保することができる。

0043

また、第1の導電部材M1および第2の導電部材M2は、固溶体S1a、S1bを介して接合されるので、従来のように加締め力で接合する導電部材の接合体に比して、耐久性を向上させることができる。

0044

[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る導電部材の接合体1Bについて図5図7を参照して説明する。

0045

なお、第1の実施の形態に係る導電部材の接合体1Aと同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。

0046

第2の実施の形態に係る導電部材の接合体1Bでは、板状の第2の導電部材M2に代えて、Al(アルミニウム)で構成される複数の芯線W1aを束ねた電線W1を用いる点が異なる。なお、接合部L3と逆側の電線W1の端部には、コネクタ端子30が設けられている。

0047

Zn(亜鉛)で構成される接合部L3は、第1の実施の形態に係る導電部材の接合体1Aにおける接合部L1と同様の構成を備えている。但し、隔壁部2bの表面に形成される突起部111は、電線W1の芯線W1a間に挿入可能な程度の細さの針状等とされている。なお、突起部111に代えて、隔壁部2bの表面を粗面化するようにしてもよい。

0048

そして、図5(a)の仮保持状態で、接合部L3等を所定温度まで加熱する。より具体的には、第3金属を構成するZnの融点以上で、第1金属および第2金属を構成するAlの融点未満の温度まで加熱する。加熱方法は、特には限定されず接合体1Bに所定の電流を流して内部から加熱する抵抗加熱や、加熱装置によって外部から加熱するなどの何れかを適用することができる。なお、加熱時に、第1の導電部材M1および電線W1を、接合部L3を押圧する方向に加圧するようにしてもよい。

0049

ここで、図6は、第2の実施の形態に係る導電部材の接合体1Bの接合後の状態を示す断面図、図7は、導電部材の接合体1Bの接合後の一部拡大断面図である。

0050

図6に示すように、図5(a)に示す接合部L3の筒状部2aを構成するZnは溶融後、固化して、第1の導電部材M1および第2の導電部材としての電線W1の端部を外側から接合する。

0051

一方、接合前において隔壁部2bで構成されていた接合部L3と第1の導電部材M1との接合界面L3aまたは当該接合界面L3aの近傍領域は、第1金属(Al)と第3金属(Zn)との固溶体S2aで構成される。

0052

また、接合前において隔壁部2bで構成されていた接合部L3と、電線W1との接合界面L3bまたは当該接合界面L3bの近傍領域は、第2金属(Al)と第3金属(Zn)との固溶体S2bで構成される。

0053

また、電線W1の芯線W1aの隙間115にもZnまたは固溶体S3bが進入して、各芯線W1a間を接合している。

0054

接合界面L3a(L3b)の近傍領域における固溶体のAlとZnとの濃度分布は、前出の図4のグラフの通りである。

0055

以上述べたように、本実施の形態に係る導電部材の接合体1Bによれば、Alで構成される第1の導電部材M1および第2の導電部材としての電線W1の芯線W1aの端面に、アルミニウム酸化膜が形成されていた場合であっても、このアルミニウム酸化膜は、接合部L3を構成する低融点金属であるZnを溶融する過程で除去されるため、アルミニウム酸化膜の影響を低減し、良好な電導性を確保することができる。

0056

また、第1の導電部材M1および第2の導電部材としての電線W1は、固溶体S2a、S2bを介して接合されるので、従来のように加締め力で接合する導電部材の接合体に比して、耐久性を向上させることができる。

0057

[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係る導電部材の接合体1Cについて図8を参照して説明する。

0058

なお、第2の実施の形態に係る導電部材の接合体1Bと同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。

0059

第3の実施の形態に係る導電部材の接合体1Cでは、板状の第1の導電部材M1に代えて、複数のAl(アルミニウム)で構成される芯線W2aを束ねた電線W2を用いる点が異なる。即ち、第3の実施の形態に係る導電部材の接合体1Cでは、電線W1、W2の端面同士を接合部L5を介して接合している。

0060

Zn(亜鉛)で構成される接合部L5は、第2の実施の形態に係る導電部材の接合体1Bにおける接合部L3と同様の構成を備えている。

0061

なお、隔壁部2bの両面に、電線W1、W2の芯線W1a、W2a間に挿入可能な程度の細さの針状突起を形成するようにできる(図示せず)。また、突起部に代えて、隔壁部2bの両面を粗面化するようにしてもよい。

0062

そして、図8(a)の仮保持状態で、接合部L5等を所定温度まで加熱する。より具体的には、第3金属を構成するZnの融点以上で、第1金属および第2金属を構成するAlの融点未満の温度まで加熱する。加熱方法は、特には限定されず接合体1Cに所定の電流を流して内部から加熱する抵抗加熱や、加熱装置によって外部から加熱するなどの何れかを適用することができる。なお、加熱時に、電線W1、W2を、接合部L5を押圧する方向に加圧するようにしてもよい。

0063

ここで、図8(b)は、第3の実施の形態に係る導電部材の接合体1Bの接合後の状態を示す断面図、図8(c)は、導電部材の接合体1Cの接合後の一部拡大断面図である。

0064

図8(b)に示すように、図8(a)に示す接合部L5の筒状部2aを構成するZnは溶融後、固化して、第1の導電部材および第2の導電部材を構成する電線W1、W2の端部を外側から接合する。

0065

一方、接合前において隔壁部2bで構成されていた接合部L5と第1の導電部材としての電線W2との接合界面L5aまたは当該接合界面L5aの近傍領域は、第1金属(Al)と第3金属(Zn)との固溶体S3aで構成される。

0066

また、接合前において隔壁部2bで構成されていた接合部L5と、電線W1との接合界面L5aまたは当該接合界面L5aの近傍領域は、第2金属(Al)と第3金属(Zn)との固溶体S3bで構成される。

0067

また、電線W1、W2の芯線W1a、W2aの隙間115にもZnまたは固溶体S3a、S3bが進入して、各芯線W1a、W2a間を接合している。

0068

接合界面L5aの近傍領域における固溶体のAlとZnとの濃度分布は、前出の図4のグラフの通りである。

0069

以上述べたように、本実施の形態に係る導電部材の接合体1Cによれば、Alで構成される第1の導電部材および第2の導電部材としての電線W1、W2の芯線W1a、W2aの端面に、アルミニウム酸化膜が形成されていた場合であっても、このアルミニウム酸化膜は、接合部L5を構成する低融点金属であるZnを溶融する過程で除去されるため、アルミニウム酸化膜の影響を低減し、良好な電導性を確保することができる。

0070

また、第1の導電部材および第2の導電部材としての電線W1、W2は、固溶体S3a、S3bを介して接合されるので、従来のように加締め力で接合する導電部材の接合体に比して、耐久性を向上させることができる。

0071

[電線の構成例]
図9(a)、(b)を参照して、上述の第2の実施の形態および第3の実施の形態に係る導電部材の接合体1B、1Cに適用可能な電線W100a、100bの構成例について説明する。

0072

図9(a)に示す電線W100aでは、Alで構成される複数の芯線W10から成る撚り線の略中央に、当該芯線W10よりも大径のZnで構成される芯線W11が配置されている。

0073

これにより、電線W100aの端部と板状の導電部材の端部、或いは電線W100aの端部同士を上述の接合部L3、L5を介して接合する際に、接合部L3、L5を構成するZn自体や、AlとZnの固溶体が芯線W10間の隙間に充填され易くすることができ、より強固に接合することが可能となる。

0074

図9(b)に示す電線W100bでは、Alで構成される複数の芯線W10間に、当該芯線W10と略同径のZnで構成される複数の芯線W12がランダムに配置されている。

0075

これにより、電線W100bの端部と板状の導電部材の端部、或いは電線W100bの端部同士を上述の接合部L3、L5を介して接合する際に、接合部L3、L5を構成するZn自体や、AlとZnの固溶体が芯線W10間の隙間に充填され易くすることができ、より強固に接合することが可能となる。
なお、電線の構成材として、Alに代えて、Alを主成分として含むAl合金を用いるようにしてもよい。

0076

[導電部材の接合体の参考例]
本発明に係る上述の実施の形態では、導電部材の端部を接合部L1〜L5を介して接合している。

0077

これに対して、図10に示す参考例では、板状の導電部材M10、M20の側端部を低融点金属の一種であるZn(亜鉛)で構成される接合部100を介して接合している。

0078

より具体的には、隔壁部100eの両端側から延設され、折曲げ可能な一対のツメ部100a、100bを上下に備える接合部100を用い、ツメ部100a側の隙間100cにAl(アルミニウム)で構成される板状の導電部材M10を矢印D1方向に挿入する。また、ツメ部100b側の隙間100dにCu(銅)で構成される板状の導電部材M20を矢印D2方向に挿入する。

0079

そして、ツメ部100a、100bを加締めて、接合部100で板状の導電部材M10、M20を仮保持した状態で、接合部100等を所定温度まで加熱する。より具体的には、Znの融点以上で、AlおよびCuの融点未満の温度まで加熱する。加熱方法は、特には限定されず接合体に所定の電流を流して内部から加熱する抵抗加熱や、加熱装置によって外部から加熱するなどの何れかを適用することができる。

0080

これにより、接合部100を構成するZnは溶融後、固化して、板状の導電部材M10、M20の側端部を外側から接合する。

0081

一方、接合部100の隔壁部100eと導電部材M10との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、AlとZnとの固溶体を介して接合される。

0082

また、接合部100の隔壁部100eと導電部材M20との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、CuとZnとの固溶体を介して接合される。

0083

これにより、加締め力で接合する導電部材の接合体に比して、耐久性を向上させることができる。
なお、Alに代えて、Alを主成分として含むAl合金を用いるようにしてもよい。また、Znに代えて、Znを主成分として含むZn合金を用いるようにしてもよい。

0084

(その他)
上述した実施の形態では、第1の導電部材M1を構成する第1金属および第2の導電部材M2を構成する第2金属として、Al(アルミニウム)を用いる場合を示したが、これに限らず、Al(アルミニウム)を主成分とする合金としてもよい。例えば、Al(アルミニウム)とCu(銅)の合金、またはAl(アルミニウム)とMg(マグネシウム)やSi(シリコン)などの合金でもよい。また、第1金属および第2金属の少なくとも一方をCu(銅)等とすることができる。

0085

また、接合部L1〜L5を構成する第3金属としてZn(亜鉛)を用いる場合を示したが、これに限らず、第1金属と第2金属の部材と固溶体を形成可能な金属を適宜選択することができる。

0086

また、図1等に示す接合部L1〜L5に代えて、第1の導電部材M1および第2の導電部材M2の端部に、Zn(亜鉛)の粉体や、Znの微粒子を所定の基材に混合したペーストを塗布するようにしてもよい。

0087

1A〜1C…導電部材の接合体
2a…筒状部
2b…隔壁部
2c…開口部
30…コネクタ端子
L1〜L5…接合部
L1a、L1b、L2a、L2b、L5a…接合界面
M1…第1の導電部材
M2…第2の導電部材
S1a、S1b、S2a、S2b、S3a、S3b…固溶体
W1、W2…電線
W1a、W2a…芯線
11、111…突起部
115…隙間

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