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技術 菌の検査方法

出願人 翠川裕
発明者 翠川裕田中淳貴
出願日 2015年11月30日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-233396
公開日 2017年6月8日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-099305
状態 特許登録済
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード 黒色変化 検出用デバイス 発育状況 塗抹培養 硫化水素発生 黒色コロニー 衛生環境 選択分離培地
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年6月8日)のものです。
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図面 (8)

課題

迅速かつ簡便に、硫化水素産生菌又は有機酸生菌を検出する技術を提供すること。

解決手段

本発明では、硫黄源鉄源とを含有した培地に対象の菌を密集させて接種した後、前記培地に有機酸産生菌を接種し、所定時間培養する培養工程、前記培養工程の後、前記対象の菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、を少なくとも有し、前記検出工程では、前記培地における前記有機酸産生菌を接種した箇所に、前記対象の菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を硫化水素産生菌と判定する、菌の検出方法などを提供する。

概要

背景

細菌の中には、その増殖過程において硫化水素を産生するものがある。中でもサルモネラ属菌の多くは、硫化水素の産生が著しいことが一般的に知られている。

サルモネラ属菌は、通常、サルモネラ属菌標準試験法NIHSJ-01-ST4(090218)に示された方法で鑑別する。具体的には、RV培地とTT培地で選択増菌培養後、2種類の分離寒天培地(DHL培地等の硫化水素産生性で検出する培地と、ES培地等の硫化水素産生性に関係なくサルモネラを検出する培地の、それぞれ1種類)に塗抹培養し、集落の産生を検討する。そして、サルモネラと疑われる集落3個をTSI寒天培地及びLIM培地に接種し、生化学的性状の確認を行う。更に、抗O血清による凝集反応により、O抗原血清型別を実施してサルモネラ属菌と確定する。

また、出願人自身も、発明者として以前に、硫黄源を含有する寒天培地と、アスコルビン酸又はクエン酸水溶液を含有する担体とで構成されることを特徴とする、サルモネラ菌検出用デバイスを提案している(特許文献1参照)。

概要

迅速かつ簡便に、硫化水素産生菌又は有機酸生菌を検出する技術を提供すること。本発明では、硫黄源と鉄源とを含有した培地に対象の菌を密集させて接種した後、前記培地に有機酸産生菌を接種し、所定時間培養する培養工程、前記培養工程の後、前記対象の菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、を少なくとも有し、前記検出工程では、前記培地における前記有機酸産生菌を接種した箇所に、前記対象の菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を硫化水素産生菌と判定する、菌の検出方法などを提供する。

目的

本発明では、迅速かつ簡便に、硫化水素産生菌又は有機酸産生菌を検出する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

硫黄源鉄源とを含有した培地に対象の菌を密集させて接種した後、前記培地に有機酸生菌を接種し、所定時間培養する培養工程、前記培養工程の後、前記対象の菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、を少なくとも有し、前記検出工程では、前記培地における前記有機酸産生菌を接種した箇所に、前記対象の菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を硫化水素産生菌と判定する、菌の検出方法

請求項2

硫黄源と鉄源とを含有した培地に硫化水素産生菌を密集させて接種した後、前記培地に対象の菌を接種し、所定時間培養する培養工程、前記培養工程の後、前記硫化水素産生菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、を少なくとも有し、前記検出工程では、前記培地における前記対象の菌を接種した箇所に、前記硫化水素産生菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を有機酸産生菌と判定する、菌の検出方法。

請求項3

硫黄源と鉄源とを含有した培地に有機酸産生菌を密集させて接種した後、前記培地に対象の菌を接種し、所定時間培養する培養工程、前記培養工程の後、前記対象の菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、を少なくとも有し、前記検出工程では、前記培地における前記対象の菌を接種した箇所に、前記対象の菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を硫化水素産生菌と判定する、菌の検出方法。

請求項4

硫黄源と鉄源とを含有した培地に対象の菌を密集させて接種した後、前記培地に硫化水素産生菌を接種し、所定時間培養する培養工程、前記培養工程の後、前記硫化水素産生菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、を少なくとも有し、前記検出工程では、前記培地における前記硫化水素産生菌を接種した箇所に、前記硫化水素産生菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を有機酸産生菌と判定する、菌の検出方法。

技術分野

0001

本発明は、菌の検査方法に関する。より詳しくは、硫化水素産生菌又は有機酸生菌を検出することが可能な技術に関する。

背景技術

0002

細菌の中には、その増殖過程において硫化水素を産生するものがある。中でもサルモネラ属菌の多くは、硫化水素の産生が著しいことが一般的に知られている。

0003

サルモネラ属菌は、通常、サルモネラ属菌標準試験法NIHSJ-01-ST4(090218)に示された方法で鑑別する。具体的には、RV培地とTT培地で選択増菌培養後、2種類の分離寒天培地(DHL培地等の硫化水素産生性で検出する培地と、ES培地等の硫化水素産生性に関係なくサルモネラを検出する培地の、それぞれ1種類)に塗抹培養し、集落の産生を検討する。そして、サルモネラと疑われる集落3個をTSI寒天培地及びLIM培地に接種し、生化学的性状の確認を行う。更に、抗O血清による凝集反応により、O抗原血清型別を実施してサルモネラ属菌と確定する。

0004

また、出願人自身も、発明者として以前に、硫黄源を含有する寒天培地と、アスコルビン酸又はクエン酸水溶液を含有する担体とで構成されることを特徴とする、サルモネラ菌検出用デバイスを提案している(特許文献1参照)。

先行技術

0005

国際公開第2005/078120号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上述した標準試験法は、人の便検体や、食肉食鳥等の食品検体などから検出されたサルモネラ野生株を分離する場合には有効であるが、菌株として保存培地長期間保存されたものやチフス菌などを用いた場合には、菌の発育状況が悪く、生化学的な性状も十分に発現しないため、増菌培養の必要があることが問題となっていた。また、特に、DHL培地等の選択分離培地を用いた場合において、単独の集落をサルモネラ属菌が形成している場合には硫化水素を産生していることが認められるが、菌が密集していると硫化水素を目視することが不可能であるという弱点があった。

0007

更に、特許文献1に記載された方法では、サルモネラ菌検出用デバイスとして用いられるアスコルビン酸又はクエン酸を含ませたろ紙劣化しやすく、作成にも手間がかかるという問題があった。

0008

そこで、本発明では、迅速かつ簡便に、硫化水素産生菌又は有機酸産生菌を検出する技術を提供することを主目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本願発明者らは、上記課題を解決するため硫化水素産生菌を検出する技術について鋭意研究を行い、サルモネラ属菌等の硫化水素産生菌を、腸内細菌であり代謝の際に乳酸等有機酸を産生する、大腸菌大腸菌群等の有機酸産生菌と接触させることを試みた。その結果、有機酸産生菌は、硫化水素産生菌の硫化水素産生能を高め、硫化水素の産生を顕著に促進する事実を見出した。

0010

すなわち、本発明では、まず、硫黄源と鉄源とを含有した培地に対象の菌を密集させて接種した後、前記培地に有機酸産生菌を接種し、所定時間培養する培養工程、
前記培養工程の後、前記対象の菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、
を少なくとも有し、
前記検出工程では、前記培地における前記有機酸産生菌を接種した箇所に、前記対象の菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を硫化水素産生菌と判定する、菌の検出方法を提供する。
また、硫黄源と鉄源とを含有した培地に硫化水素産生菌を密集させて接種した後、前記培地に対象の菌を接種し、所定時間培養する培養工程、
前記培養工程の後、前記硫化水素産生菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、
を少なくとも有し、
前記検出工程では、前記培地における前記対象の菌を接種した箇所に、前記硫化水素産生菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を有機酸産生菌と判定する、菌の検出方法も提供する。
更に、硫黄源と鉄源とを含有した培地に有機酸産生菌を密集させて接種した後、前記培地に対象の菌を接種し、所定時間培養する培養工程、
前記培養工程の後、前記対象の菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、
を少なくとも有し、
前記検出工程では、前記培地における前記対象の菌を接種した箇所に、前記対象の菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を硫化水素産生菌と判定する、菌の検出方法も提供する。
更にまた、硫黄源と鉄源とを含有した培地に対象の菌を密集させて接種した後、前記培地に硫化水素産生菌を接種し、所定時間培養する培養工程、
前記培養工程の後、前記硫化水素産生菌からの硫化水素の発生を検出する検出工程、
を少なくとも有し、
前記検出工程では、前記培地における前記硫化水素産生菌を接種した箇所に、前記硫化水素産生菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を有機酸産生菌と判定する、菌の検出方法も提供する。

発明の効果

0011

本発明によれば、迅速かつ簡便に、硫化水素産生菌又は有機酸産生菌を検出することが可能となる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。

図面の簡単な説明

0012

サルモネラ属菌を密集させて接種し、培養した場合の培地の様子を撮影した図面代用写真である。
実施例1における培地の様子(A:培養前、B:6時間後、C:24時間後)を撮影した図面代用写真である。
実施例2における培地の様子(A:6時間後、B:24時間後)を撮影した図面代用写真である。
黒色コロニーと赤色コロニーとが同時に形成されている培地の様子を撮像した図面代用写真である。
実施例3における培地の様子(A:非チフスサルモネラ属菌を下半分に接種し、サルモネラ属菌を接種しなかった上半分に大腸菌群を接種したもの、B:サルモネラ属菌を下半分に接種したもの)を撮影した図面代用写真である。
非チフスサルモネラ属菌を下半分に接種し、サルモネラ属菌を接種しなかった上半分に大腸菌群を接種したシャーレの、6時間培養後の様子を撮像した図面代用写真である。
実施例4における培地の様子(A:チフス菌を全面に接種したもの、B:チフス菌を全面に接種し、大腸菌群を4箇所点状に接種したもの)を撮影した図面代用写真である。

0013

以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。

0014

図1は、サルモネラ属菌をシャーレ全面に密集させて接種(塗抹)し、培養した場合の培地の様子を撮影した図面代用写真である。通常は、図1の図面代用写真に示すように、サルモネラ属菌を密集させて接種すると、硫化水素の発生は起きない。

0015

しかし、本願発明者らは、硫化水素産生菌を有機酸産生菌と接触させることを試みたところ、有機酸産生菌は、硫化水素産生菌の硫化水素産生能を高め、硫化水素の産生を顕著に促進する事実を見出した。

0016

より具体的には、サルモネラ属菌等の硫化水素産生菌は、大腸菌、大腸菌群等の有機酸産生菌が産生する有機酸を栄養源として代謝し、硫化水素産生を促進させ、培地上で硫化鉄(FeS)を発現させることが分かった。この硫化鉄の発現は肉眼で確認可能であることから、本発明に係る検出方法を用いれば、硫化水素を産生する菌(硫化水素産生菌)を目視にて検出できる。

0017

また、この事実から、有機酸産生菌は、硫化水素産生菌と共生関係にあることが分かり、硫化水素産生菌を用いて、逆に有機酸産生菌を検出できることも判明した。

0018

本発明に係る検出方法を用いれば、迅速かつ簡便に、硫化水素産生菌又は有機酸産生菌を検出することが可能となる。また、培地上に形成された硫化鉄が顕著に目視にて確認できるため、菌の検出の精度を向上することも可能となる。そのため、細菌検査現場において、硫化水素産生菌又は有機酸産生菌を容易に分離でき、検査効率が格段に向上する。

0019

また、前述の通り、従来のサルモネラ菌検出用デバイスであるアスコルビン酸又はクエン酸を含ませたろ紙は、劣化しやすく、作成にも手間がかかる。しかし、本発明に係る検出方法を用いることで、常温で保存等されていた有機酸産生菌の菌株のみを接種すれば、これらが培養の過程で増殖すると共に、アスコルビン酸又はクエン酸と同様に有機酸を産生する。本発明に係る検出方法では、硫化水素産生菌がこの有機酸を栄養源として代謝する原理を用いていることから、本発明に係る検出方法を用いることで、上述したろ紙を作成する工程を行うことなく、サルモネラ属菌等の硫化水素産生菌の検出を行うことができる。

0020

更に、本発明に係る検出方法を用いれば、硫化水素産生菌又は有機酸産生菌に関する、検出用キット、検出用デバイス等を提供できる。これにより、硫化水素産生菌や有機酸産生菌を新たな生物資源としても活用できる。

0021

以下、本発明に係る検出方法における各工程について、詳細に説明する。

0022

1.培養工程(I)
本発明において、培養工程(I)は、具体的には、硫黄源と鉄源とを含有した培地に対象の菌を密集させて接種した後、前記培地に有機酸産生菌を接種し、所定時間培養する工程(I−1)、硫黄源と鉄源とを含有した培地に硫化水素産生菌を密集させて接種した後、前記培地に対象の菌を接種し、所定時間培養する工程(I−2)、硫黄源と鉄源とを含有した培地に有機酸産生菌を密集させて接種した後、前記培地に対象の菌を接種し、所定時間培養する工程(I−3)、又は、硫黄源と鉄源とを含有した培地に対象の菌を密集させて接種した後、前記培地に硫化水素産生菌を接種し、所定時間培養する工程(I−4)、である。

0023

(1)培地
前記培地は、硫黄源と鉄源とを含有したものであれば特に限定されず、公知の培地を適宜選択して用いることができるが、寒天培地とすることが好ましい。

0024

寒天培地としては、例えば、DHL寒天培地(Desoxycholate-hydrogen sulfide-lactose)、SS寒天培地(Salmonella-Shigella)、SS−SB寒天培地(Salmonella-Shigella Sucrose Bromcresolpurple)、TSI寒天培地(Triple Sugar Iron)等の寒天培地を挙げることができる。

0025

前記培地に用いることができる栄養源等も特に限定されず、培養する菌の性質などに応じて適宜選択して用いることができる。
前記栄養源としては、例えば、グルコースフルクトースショ糖乳糖澱粉グリセリンデキストリンレシチン等の炭素源硫酸アンモニウム硝酸アンモニウムリン酸アンモニウムリン酸二アンモニウム塩化アンモニウム等の無機窒素源アミノ酸ペプトン等の有機窒素源ナトリウムマグネシウムカリウム、鉄、亜鉛カルシウムマンガン等の無機栄養源;その他各種ビタミンなどから選ばれる1種又は2種以上の栄養源などが挙げられる。

0026

(2)対象の菌
前記対象の菌は特に限定されず、本発明に係る検出方法では、細菌、真菌等を含めたあらゆる菌を対象とすることができる。なお、本発明では、多くの菌種を含む、所謂、「菌群」と呼ばれるものも対象とすることができる。

0027

(3)硫化水素産生菌
前記硫化水素産生菌は、硫化水素を産生する菌であれば特に限定されず、例えば、サルモネラ属シトロバクター属プロテウス属、エドワージエラ属等に属する菌などが挙げられるが、本発明では、これらの中でも特に、サルモネラ属菌が好ましい。なお、本発明では、前記硫化水素産生菌には、パラチフスA菌のように、サルモネラ属菌の中でも硫化水素を産生しない菌は含まれない。

0028

また、本発明に係る菌の検出方法を用いれば、硫化水素産生菌の中でも、後述する実施例4で示すように、チフス菌のような硫化水素産生能が弱い細菌であっても検出が可能である。このチフス菌によって引き起こされる感染症(例えば、腸チフスなど)は、未だ衛生環境の悪い地域や発展途上国等で流行しており、非常に問題となっている。本発明により、検査時間の短縮、検出効率の向上を図ることで、硫化水素産生能が弱いチフス菌を含め、硫化水素産生菌による感染症の予防、早期発見等にも役立つ。

0029

更に、サルモネラ属菌等の硫化水素産生菌は、長期保存すると、硫化水素産生能が低下することも知られている。しかし、後述する実施例1〜4では、いずれも半年保存したサルモネラ属菌を用いているにもかかわらず、硫化水素の産生を検出することができた。したがって、本発明に係る菌の検出方法を用いることにより、長期保存して硫化水素産生能が低下した硫化水素産生菌も、検出することが可能となる。

0030

(4)有機酸産生菌
前記有機酸産生菌は、乳酸、酪酸酢酸等の有機酸を産生する菌であれば特に限定されず、例えば、大腸菌、大腸菌群、乳酸菌などが挙げられるが、本発明では、これらの中でも特に、大腸菌、大腸菌群が好ましい。このように、本発明では、有機酸産生菌として、Escherichia coli、Citrobacter、Klebsiella、Enterobacter、Proteus等の多くの菌種を含む、大腸菌群を用いてもよい。

0031

(5)培養条件
本発明に係る検出方法における培養条件は特に限定されず、培養する菌の性質などに応じて、培養温度、培養時間等を適宜自由に設定することができ、具体的には、例えば、37℃で6時間、又は37℃で24時間培養する条件等が挙げられる。

0032

2.検出工程(II)
本発明において、検出工程(II)は、具体的には、培養工程(I−1)の後、前記対象の菌からの硫化水素の発生を検出する工程(II−1)、培養工程(I−2)の後、前記硫化水素産生菌からの硫化水素の発生を検出する工程(II−2)、培養工程(I−3)の後、前記対象の菌からの硫化水素の発生を検出する工程(II−3)、又は、培養工程(I−4)の後、前記硫化水素産生菌からの硫化水素の発生を検出する工程(II−4)、である。

0033

(1)菌の検出方法
検出工程(II−1)では、具体的には、前記培地における前記有機酸産生菌を接種した箇所に、前記対象の菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を硫化水素産生菌と判定する。また、検出工程(II−2)では、前記培地における前記対象の菌を接種した箇所に、前記硫化水素産生菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を有機酸産生菌と判定する。更に、検出工程(II−3)では、前記培地における前記対象の菌を接種した箇所に、前記対象の菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を硫化水素産生菌と判定する。更にまた、検出工程(II−4)では、前記培地における前記硫化水素産生菌を接種した箇所に、前記硫化水素産生菌からの硫化水素が発生している場合、前記対象の菌を有機酸産生菌と判定する。

0034

本発明において、対象の菌又は硫化水素産生菌からの、硫化水素発生の具体的な検出方法は特に限定されず、例えば、前記培地における、有機酸産生菌、対象の菌、又は硫化水素産生菌を接種した箇所の色調変化解析することで、硫化水素の発生を検出することが可能である。

0035

より具体的な一例を挙げると、硫黄源と鉄源とを含有した培地に硫化水素産生菌を接種し、該培地上の所定の箇所に有機酸産生菌を接種し、所定時間培養すると、該有機酸産生菌を接種した培地の箇所のみ黒色に変色する。そのため、培地が黒色に変色するか否かを肉眼にて検出することで、硫化水素の発生を検出できる。

0036

以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。

0037

<実施例1>
本実施例1では、縦8cm、横25cmのシャーレにDHL寒天培地を作製し、該DHL寒天培地に非チフスサルモネラ属菌を密集させて全面に接種(塗抹)し、1辺20mmの正方形格子に大腸菌群をn=3で1〜11個点状にそれぞれ接種し、培養前(図2のA参照)、37℃で6時間後(図2のB参照)、37℃で24時間後(図2のC参照)に、目視にて観察した。

0038

図2のA〜Cの図面代用写真に示す通り、大腸菌群を接種した箇所のみ黒色変化を認め、時間の経過とともに黒色が拡大していくのを目視にて確認した。

0039

すなわち、サルモネラ属菌が培養されたDHL寒天培地上に接種された大腸菌群の周囲に、硫化鉄(FeS)の黒色反応円が出現する現象が認められた。その一方で、大腸菌群を接種しなかった場合では、この現象が認められなかった。したがって、大腸菌群の周囲では、サルモネラ属菌が嫌気条件下で硫化水素を産生し、増殖していることを目視にて確認できた。これにより、大腸菌群によってサルモネラ属菌の硫化水素産生能が促進されることが推察された。

0040

<実施例2>
本実施例2では、縦8cm、横25cmのシャーレにDHL寒天培地を作製し、該DHL寒天培地に非チフスサルモネラ属菌を密集させて全面に接種し、1辺20mmの正方形各格子に大腸菌群をn=3で1〜11個点状にそれぞれ接種し、37℃で6時間後(図3のA参照)、37℃で24時間後(図3のB参照)に、目視にて観察した。

0041

図3のA及びBの図面代用写真に示す通り、サルモネラ属菌を接種した箇所のみ黒色変化を認め、時間の経過とともに黒色が拡大していくのを観察した。

0042

次に、黒色反応をしている部分を釣菌し、DHL寒天培地に接種したところ、図4の図面代用写真に示すように、黒色コロニー(非チフスサルモネラ属菌)と赤色コロニー(大腸菌群)とが同時に形成された。

0043

そのため、大腸菌群はサルモネラ属菌と共生関係にあることが判明し、前述した実施例1の結果も鑑みると、大腸菌群は、サルモネラ属菌による硫化水素産生を促進する機能を有すると結論できた。

0044

<実施例3>
本実施例3では、大腸菌群のサルモネラ属菌への影響を確認するため、直径90mmのシャーレ2枚にDHL寒天培地を作製し、それぞれのシャーレの下半分に非チフスサルモネラ属菌を密集させて接種し、一方のシャーレにおいてサルモネラ属菌を接種しなかった上半分に大腸菌群を接種し(図5のA参照)、もう一方はそのままとして、37℃で24時間培養後、それぞれ目視にて確認した(図5のA及びB参照)。

0045

図5のAの図面代用写真に示す通り、大腸菌群が上半分に接種されたシャーレの中央には、硫化鉄(FeS)による明瞭な黒色帯が現れた(シャーレ上方の斜線部分は、赤色であった)。したがって、大腸菌群がサルモネラ属菌による硫化水素産生を促進している事実を確認できた。

0046

なお、本実施例3において、図6の図面代用写真に示すように、非チフスサルモネラ属菌を下半分に接種し、サルモネラ属菌を接種しなかった上半分に大腸菌群を接種したシャーレにおいて、6時間培養後には大腸菌群を接種した部位は一部黒色を呈したことを確認しており、この結果から、6時間培養後においても大腸菌群がサルモネラ属菌の硫化水素産生能を活発化していることを確認できた。

0047

<実施例4>
直径90mmのシャーレ2枚にDHL寒天培地を作製し、それぞれのシャーレにチフス菌を密集させて全面に接種し、一方のシャーレにおいて大腸菌群を点状に4箇所接種し(図7のB参照)、37℃で24時間培養後、それぞれ目視にて観察した(図7のA及びB参照)。

実施例

0048

図7のBの図面代用写真に示す通り、大腸菌群を接種した箇所のみが黒色変化した。したがって、本発明に係る検出方法を用いれば、チフス菌のような硫化水素産生能が弱い硫化水素産生菌であっても、大腸菌群等の有機酸産生菌の存在下で、硫化鉄(FeS)の黒色を明瞭に確認することができ、確実に検出することが可能となることが分かった。

0049

本発明に係る検出方法を用いれば、迅速かつ簡便に、硫化水素産生菌又は有機酸産生菌を検出することが可能となる。そのため、水道水、飲料、食品、食品に接触する器具医療機器、これらに用いられる各種部品等における、硫化水素産生菌又は有機酸産生菌の検出を、簡便、迅速かつ高精度に行うことができる。

0050

また、実施例4で示したように、本発明に係る検出方法を用いれば、チフス菌のような硫化水素産生能が弱い硫化水素産生菌であっても、確実に検出することが可能とある。

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