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技術 光モジュール及び光モジュールの製造方法

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 京野孝史井尻英幸中村孝夫中西裕美池上隆俊石原邦亮塩谷陽平熊野哲弥
出願日 2015年11月18日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-225736
公開日 2017年6月1日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2017-098301
状態 特許登録済
技術分野 半導体レーザ
主要キーワード 中間アセンブリ 一製造条件 煽り角 フラックスフリー ドライエア雰囲気 搭載順 フィッティング曲線 パッケージ温度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

信頼性の低下を抑制しながら、生産性の向上を図ると共に、製造コストの低減を図り得る光モジュール及び光モジュールの製造方法を提供する。

解決手段

一実施形態に係る光モジュール1は、複数のレーザダイオード(LD)21〜23と、複数のLDからの複数のレーザ光合波する合波光学系30と、複数のLD及び合波光学系を収容するパッケージ10とを備え、パッケージは、複数のLD及び合波光学系が搭載される支持体と、合波光を通す透過窓を有するキャップと、を有し、少なくとも一つのLDの発振波長が550nm以下であり、パッケージの内部の水分濃度は3000ppm以下であり、合波光学系は、樹脂硬化型接着剤により支持体に固定されている。

概要

背景

パッケージ内に、発振波長が550nm以下であるレーザダイオードを含む複数のレーザダイオードが気密封止された光モジュールでは、特許文献1に記載されているような集塵効果が生じることが知られている。集塵効果は、パッケージ内に残存する汚染物質がレーザダイオードの出射端面などに付着することである。発振波長が550nm以下であるレーザダイオードでは、出射されるレーザダイオードのエネルギーが高いため、上記集塵効果が顕著であり、集塵効果が生じると、レーザダイオードの出力劣化が生じる。その結果、光モジュールの信頼性が低下する。集塵効果の原因となる汚染源としては、光学部品を他の部品接着するための樹脂硬化型接着剤(例えば、紫外線硬化樹脂)などである。特許文献1に記載の技術では、上記集塵効果を抑制するために、光学部品を他の部品に接着するために、汚染源とならないフラックスフリー半田もしくはSi系有機物を含有しない接着剤を使用している。

概要

信頼性の低下を抑制しながら、生産性の向上をると共に、製造コストの低減をり得る光モジュール及び光モジュールの製造方法を提供する。 一実施形態に係る光モジュール1は、複数のレーザダイオード(LD)21〜23と、複数のLDからの複数のレーザ光合波する合波光学系30と、複数のLD及び合波光学系を収容するパッケージ10とを備え、パッケージは、複数のLD及び合波光学系が搭載される支持体と、合波光を通す透過窓を有するキャップと、を有し、少なくとも一つのLDの発振波長が550nm以下であり、パッケージの内部の水分濃度は3000ppm以下であり、合波光学系は、樹脂硬化型接着剤により支持体に固定されている。

目的

集塵効果は、パッケージ内に残存する汚染物質がレーザダイオードの出射端面などに付着することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

複数のレーザダイオードと、前記複数のレーザダイオードから出射される複数のレーザ光合波すると共に、前記複数のレーザ光の合波光を出射する合波光学系と、前記複数のレーザダイオード及び前記合波光学系を収容するパッケージと、を備え、前記パッケージは、前記複数のレーザダイオード及び前記合波光学系が搭載される支持体と、前記支持体に接合されており前記支持体に搭載された前記複数のレーザダイオード及び前記合波光学系を気密封止すると共に、前記合波光を通す透過窓を有するキャップと、を有し、前記複数のレーザダイオードのうち少なくとも一つのレーザダイオードの発振波長が550nm以下であり、前記パッケージの内部の水分濃度は3000ppm以下であり、前記合波光学系は、樹脂硬化型接着剤により前記支持体に固定されている、光モジュール

請求項2

前記支持体と前記キャップで画成される前記パッケージの内部空間の体積が200mm3以上である、請求項1に記載の光モジュール。

請求項3

前記複数のレーザダイオードのそれぞれは、前記複数のレーザダイオードのそれぞれに対応するサブマウントを介して前記支持体に搭載されており、各前記サブマウントは導電性接着剤によって前記支持体に固定されている、請求項1又は2に記載の光モジュール。

請求項4

前記発振波長が435nm〜465nmである、請求項1〜3の何れか一項に記載の光モジュール。

請求項5

前記発振波長が390nm〜420nmである、請求項1〜3の何れか一項に記載の光モジュール。

請求項6

前記パッケージ内に配置される吸湿剤を更に備える、請求項1〜5の何れか一項に記載の光モジュール。

請求項7

前記吸湿剤は、前記キャップの内壁に設けられている、請求項6に記載の光モジュール。

請求項8

前記支持体は、ステムと、前記ステムに搭載されるベース部材と、を有し、前記複数のレーザダイオード及び前記合波光学系は、前記ベース部材に搭載される、請求項1〜7の何れか一項に記載の光モジュール。

請求項9

前記合波光学系は、前記複数のレーザダイオードから出射される複数のレーザ光に対する複数のコリメートレンズであって、前記複数のレーザ光のそれぞれを実質的にコリメート光に変換する前記複数のコリメートレンズと、前記複数のコリメートレンズにより実質的にコリメート光に変換された前記複数のレーザ光を一本のレーザ光に合波する複数の波長選択性フィルタと、を有する、請求項1〜8の何れか一項に記載の光モジュール。

請求項10

前記パッケージ内の水分濃度は2000ppm以下である、請求項1〜9の何れか一項に記載の光モジュール。

請求項11

前記パッケージ内の水分濃度は1000ppm以下である、請求項10に記載の光モジュール。

請求項12

支持体とキャップとを含むパッケージ内に、複数のレーザダイオードと、前記複数のレーザダイオードからそれぞれ出射される複数のレーザ光を合波して合波光を生成する合波光学系とが収容されており、前記キャップに設けられた透過窓から前記合波光を出射する光モジュールを製造する方法であって、前記複数のレーザダイオードと、前記合波光学系とが前記支持体に搭載された光学部品実装品を準備する工程と、前記パッケージの内部の水分濃度が3000ppm以下となるように、前記光学部品実装品が有する前記支持体に前記キャップを接合することによって、前記支持体上の複数のレーザダイオード及び前記合波光学系を前記キャップで封止する工程と、を備え、前記複数のレーザダイオードのうち少なくとも一つのレーザダイオードの発振波長が550nm以下であり、前記光学部品実装品において、前記合波光学系は、前記支持体に樹脂硬化型接着剤で接着されている、光モジュールの製造方法。

請求項13

前記封止する工程は、前記光学部品実装品と、前記支持体に接合されるキャップとを、ドライエア雰囲気中でベーク処理する工程と、ドライエア雰囲気中において、前記ベーク処理された前記光学部品実装品が有する前記複数のレーザダイオード及び前記合波光学系を、前記ベーク処理された前記キャップにより気密封止するように、前記キャップを前記支持体に接合する工程と、を有する、請求項12に記載の光モジュールの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、光モジュール及び光モジュールの製造方法に関する。

背景技術

0002

パッケージ内に、発振波長が550nm以下であるレーザダイオードを含む複数のレーザダイオードが気密封止された光モジュールでは、特許文献1に記載されているような集塵効果が生じることが知られている。集塵効果は、パッケージ内に残存する汚染物質がレーザダイオードの出射端面などに付着することである。発振波長が550nm以下であるレーザダイオードでは、出射されるレーザダイオードのエネルギーが高いため、上記集塵効果が顕著であり、集塵効果が生じると、レーザダイオードの出力劣化が生じる。その結果、光モジュールの信頼性が低下する。集塵効果の原因となる汚染源としては、光学部品を他の部品接着するための樹脂硬化型接着剤(例えば、紫外線硬化樹脂)などである。特許文献1に記載の技術では、上記集塵効果を抑制するために、光学部品を他の部品に接着するために、汚染源とならないフラックスフリー半田もしくはSi系有機物を含有しない接着剤を使用している。

先行技術

0003

特開2004−233885号公報

発明が解決しようとする課題

0004

樹脂硬化型接着剤の代わりに、特許文献1のように、フラックスフリー半田もしくはSi系有機物を含有しない接着剤を使用すると集塵固効果を抑制可能である。しかしながら、フラックスフリー半田もしくはSi系有機物を含有しない接着剤を使用した場合は、樹脂硬化型接着剤を使用している場合より、光モジュールの生産性が低下すると共に、製造コストが増大する。

0005

本発明は、信頼性の低下を抑制しながら、生産性の向上を図ると共に、製造コストの低減を図り得る光モジュール及び光モジュールの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一形態に係る光モジュールは、複数のレーザダイオードと、上記複数のレーザダイオードから出射される複数のレーザ光合波すると共に、上記複数のレーザ光の合波光を出射する合波光学系と、上記複数のレーザダイオード及び上記合波光学系を収容するパッケージと、を備え、上記パッケージは、上記複数のレーザダイオード及び上記合波光学系が搭載される支持体と、上記支持体に接合されており上記支持体に搭載された上記複数のレーザダイオード及び上記合波光学系を気密封止すると共に、上記合波光を通す透過窓を有するキャップと、を有し、上記複数のレーザダイオードのうち少なくとも一つのレーザダイオードの発振波長が550nm以下であり、上記パッケージの内部の水分濃度は3000ppm以下であり、上記合波光学系は、樹脂硬化型接着剤により上記支持体に固定されている。

発明の効果

0007

本発明によれば、信頼性の低下を抑制しながら、生産性の向上を図ると共に、製造コストの低減を図り得る光モジュール及び光モジュールの製造方法を提供できる。

図面の簡単な説明

0008

図1は、第1の実施形態に係る光モジュールの一例を示す斜視図である。
図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
図3は、図1に示された光モジュールにおいてキャップを取り外した状態である光学部品実装品を示す斜視図である。
図4は、図3に示した光学部品実装品の平面図である。
図5は、第1の実施形態に係る光モジュールの製造方法を示すフローチャートである。
図6は、ベース部材への第1〜第3のレーザダイオード(LD)の搭載方法を説明する図面である。
図7は、ベース部材へのTEC(温調素子)の搭載方法を説明する図面である。
図8は、TEC状にベース部材を搭載した状態を示す図面である。
図9は、図8の後工程を説明する図面である。
図10は、ベース部材上に、第1〜第3のコリメートレンズが搭載された状態を示す図面である。
図11は、第1のコリメートレンズの光軸調整方法を説明するための図面である。
図12は、第2のコリメートレンズの光軸調整方法を説明するための図面である。
図13は、第3のコリメートレンズの光軸調整方法を説明するための図面である。
図14は、ベース部材上に、第1及び第2の波長選択性フィルタが搭載された状態を示す図面である。
図15は、第1の波長選択性フィルタの光軸調整方法を説明するための図面である。
図16は、第2の波長選択性フィルタの光軸調整方法を説明するための図面である。
図17は、第2の実施形態に係る光モジュールの一例の斜視図である。
図18は、図17に示された光モジュールにおいてキャップを取り外した状態である光学部品実装品を示す斜視図である。
図19は、実験例で使用した光モジュールの斜視図である。
図20は、実験結果をプロットしたグラフである。
図21は、実験結果をまとめた図表である。

実施例

0009

[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。

0010

本発明の一形態に係る光モジュールは、複数のレーザダイオードと、上記複数のレーザダイオードから出射される複数のレーザ光を合波すると共に、上記複数のレーザ光の合波光を出射する合波光学系と、上記複数のレーザダイオード及び上記合波光学系を収容するパッケージと、を備え、上記パッケージは、上記複数のレーザダイオード及び上記合波光学系が搭載される支持体と、上記支持体に接合されており上記支持体に搭載された上記複数のレーザダイオード及び上記合波光学系を気密封止すると共に、上記合波光を通す透過窓を有するキャップと、を有し、上記複数のレーザダイオードのうち少なくとも一つのレーザダイオードの発振波長が550nm以下であり、上記パッケージの内部の水分濃度は3000ppm以下であり、上記合波光学系は、樹脂硬化型接着剤により上記支持体に固定されている。

0011

上記構成では、パッケージの内部の水分濃度は3000ppm以下である。そのため、パッケージ内において合波光学系が樹脂硬化型接着剤により上記支持体に接合されていても、発振波長が550nm以下であるLDの出力劣化が抑制され得る。そのため、光モジュールの信頼性の低下を抑制できる。更に、合波光学系の支持体への接合に樹脂硬化型接着剤を使用しているため、光モジュールの生産性を向上できると共に、製造コストの低減を図ることが可能である。

0012

上記記支持体と上記キャップで画成される上記パッケージの内部空間の体積が200mm3以上であってもよい。パッケージが複数のレーザダイオードと合波光学系を収容する場合、パッケージの内部空間の体積は200mm3以上に大きくなり易い。このような体積の大きいパッケージに対しては、合波光学系の支持体への接合にプロセスが簡便な樹脂硬化型接着剤を使用することで、生産性を高めることができる。

0013

上記複数のレーザダイオードのそれぞれは、上記複数のレーザダイオードのそれぞれに対応するサブマウントを介して上記支持体に搭載されており、各上記サブマウントは導電性接着剤によって上記支持体に固定されていてもよい。このように、各サブマウントの支持体への固定に導電性接着剤を使用してもパッケージの内部の水分濃度は3000ppm以下であることから光モジュールの信頼性の低下を抑制できる。更に、各サブマウントの支持体への固定に導電性接着剤を使用することから、光モジュールの生産性を向上できると共に、製造コストの低減を図ることが可能である。導電性接着剤の例は、銀(Ag)ペーストカーボン(C)ペースト、銅(Cu)ペーストである。体積抵抗率及び接続抵抗の観点から、Agペーストが望ましい。

0014

上記発振波長が435nm〜465nmであってもよい。或いは、発振波長は390nm〜420nmであってもよい。

0015

上記パッケージ内に配置される吸湿剤を更に備えてもよい。吸湿剤によりパッケージの内部の水分濃度をより低減できる。

0016

上記吸湿剤は、上記キャップの内壁に設けられていてもよい。キャップの内壁に吸湿剤を設けることで、支持体において複数のLD及び合波光学系を配置する十分なスペースを確保できる。

0017

上記支持体は、ステムと、上記ステムに搭載されるベース部材と、を有し、上記複数のレーザダイオード及び上記合波光学系は、上記ベース部材に搭載されてもよい。

0018

上記合波光学系は、上記複数のレーザダイオードから出射される複数のレーザ光に対する複数のコリメートレンズであって、上記複数のレーザ光のそれぞれを実質的にコリメート光に変換する上記複数のコリメートレンズと、上記複数のコリメートレンズにより実質的にコリメート光に変換された上記複数のレーザ光を一本のレーザ光に合波する複数の波長選択性フィルタと、を有してもよい。

0019

上記パッケージ内の水分濃度は2000ppm以下であってもよい。これにより光モジュールの信頼性低下をより抑制できる。

0020

上記パッケージ内の水分濃度は1000ppm以下であってもよい。これにより光モジュールの信頼性低下をより一層抑制できる。

0021

本発明の他の側面に係る光モジュールの製造方法は、支持体とキャップとを含むパッケージ内に、複数のレーザダイオードと、上記複数のレーザダイオードからそれぞれ出射される複数のレーザ光を合波して合波光を生成する合波光学系とが収容されており、上記キャップに設けられた透過窓から上記合波光を出射する光モジュールを製造する方法であり、上記複数のレーザダイオードと、上記合波光学系とが上記支持体に搭載された光学部品実装品を準備する工程と、上記パッケージの内部の水分濃度が3000ppm以下となるように、上記光学部品実装品が有する上記支持体に上記キャップを接合することによって、上記支持体上の複数のレーザダイオード及び上記合波光学系を上記キャップで封止する工程と、を備え、上記複数のレーザダイオードのうち少なくとも一つのレーザダイオードの発振波長が550nm以下であり、上記光学部品実装品において、上記合波光学系は、上記支持体に樹脂硬化型接着剤で接着されている。

0022

上記方法では、パッケージの内部の水分濃度が3000ppm以下である光モジュールを製造できる。そのため、パッケージ内において合波光学系が樹脂硬化型接着剤により上記支持体に接合されていても、発振波長が550nm以下であるLDの出力劣化が抑制され得る。そのため、信頼性の低下が抑制された光モジュールを製造できる。更に、合波光学系の支持体への接合に樹脂硬化型接着剤を使用しているため、光モジュールの生産性を向上できると共に、製造コストの低減を図ることが可能である。

0023

上記封止する工程は、上記光学部品実装品と、上記支持体に接合されるキャップとを、ドライエア雰囲気中でベーク処理する工程と、ドライエア雰囲気中において、上記ベーク処理された上記光学部品実装品が有する上記複数のレーザダイオード及び上記合波光学系を、上記ベーク処理された上記キャップにより気密封止するように、上記キャップを上記支持体に接合する工程と、を有してもよい。

0024

このようにベーク処理する工程を設け、ドライエア雰囲気中で上記ベーク処理された上記キャップにより気密封止するように、上記キャップを上記支持体に接合することで、水分濃度を3000ppm以下にし得る。

0025

本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。

0026

(第1の実施形態)
図1図4に示したように、第1の実施形態に係る光モジュール1は、パッケージ10、第1のレーザダイオード(LD)21、第2のLD22、第3のLD23及び合波光学系30を備える。光モジュール1はミラー41を更に備えてもよい。同様に、光モジュール1は、PD(フォトダイオード)42を備えてもよい。同様に、光モジュール1は、サーミスタ43(温測抵抗体)を備えてもよい。以下では、断らない限り、ミラー41、PD42及びサーミスタ43を備えた光モジュール1の形態について説明する。

0027

光モジュール1は、第1のLD21から出射される第1のレーザ光L1、第2のLD22から出射される第2のレーザ光L2及び第3のLD23から出射される第3のレーザ光L3を合波光学系30で合波し、その合波光をパッケージ10から出射する。具体的には、第1のレーザ光L1及び第2のレーザ光L2を合波光学系30により合波して第1の合波光ML1を生成し、第1の合波光ML1及び第3のレーザ光L3を合波光学系30で合波して第2の合波光ML2を生成し、その第2の合波光ML2をパッケージ10から出射する。

0028

第1〜第3のLD21〜23は、可視域波長を有するレーザ光を出射する。第1〜第3のLD21〜23のうちの少なくとも一つは、発振波長が550nm以下のLDである。例えば、第1〜第3のLD21〜23のうちの少なくとも一つは、発振波長が波長範囲435nm〜465nmの何れかの波長であり得る。又は、第1〜第3のLD21〜23のうちの少なくとも一つは、発振波長が波長範囲390nm〜420nmの何れかの波長であり得る。

0029

以下の説明では、第1のLD21の発振波長が波長範囲610nm〜670nmの何れかであり、第2のLD22の発振波長が波長範囲500nm〜550nmの何れかであり、第3のLD23の発振波長が波長範囲435nm〜465nmの何れかの波長である形態について説明する。

0030

図1及び図2に示したように、パッケージ10は、支持体11とキャップ12とを有し、支持体11にキャップ12が接合されることによって構成されている。パッケージ10は、第1のLD21、第2のLD22、第3のLD23及び合波光学系30を気密封止した状態で収容する。

0031

まず、図2図4を利用して、支持体11及び支持体11上の構成について説明する。図4では、ボンディングワイヤなどによる配線の図示は省略している。支持体11は、第1のLD21、第2のLD22、第3のLD23及び合波光学系30を支持するための部材である。図2に示したように、支持体11は、ステム111と、温調素子であるTEC(Thermo—Electric Cooler)112と、ベース部材113とを有する。支持体11上に、第1のLD21、第2のLD22、第3のLD23及び合波光学系30が搭載された部品を光学部品実装品2とも称す。光学部品実装品2は、キャップ12が取り外された状態の光モジュール1に対応する。

0032

ステム111は、平坦な主面111aを有する板状部材である。ステム111の材料の例は、Ni/Auめっきを施した鉄合金である。以下、説明の便宜のため、主面111aの法線方向をZ方向と称し、Z方向に直交する2つの方向をX方向及びY方向と称す。X方向及びY方向は直交している。

0033

ステム111には、9本のリードピン50を有するリードピン群50Aと、9本のリードピン50を含むリードピン群50Bとが設けられている。リードピン群50Aが有する9本のリードピン50は、主面111aの法線方向にステム111に絶縁された状態で通されており、互いに平行に並列配置されている。同様に、リードピン群50Bが有する9本のリードピン50は、主面111aの法線方向にステム111に絶縁された状態で通されており、互いに平行に並列配置されている。リードピン群50A,50Bがそれぞれ有するリードピン50は、ステム111の主面111aの上に突出している。

0034

リードピン群50A及びリードピン群50Bは、Y方向において所定の距離を空けて配置されている。一実施形態において、Y方向におけるステム111の一方の縁部側にリードピン群50Aが配置され、他方の縁部側にリードピン群50Bが配置されている。

0035

リードピン群50A及びリードピン群50Bに含まれる計18本のリードピン50は、第1〜第3のLD21〜23及びPD42のそれぞれにおけるアノード及びカソードのそれぞれに供給される信号用として8本、並びにTEC112への電流供給用として2本が割り当てられ、他のリードピン50はGND線として割り当てられる。

0036

TEC112は、ステム111の主面111a上に搭載されている。TEC112は、Y方向において、リードピン群50Aとリードピン群50Bとの間に配置され得る。図2及び図3に示したように、TEC112の表面112aが主面111aに接着されることで、TEC112は主面111aに固定されている。TEC112の表面112aと主面111aとは例えば銀(Ag)ペーストで接着される。表面112aは平坦面であり、放熱面として機能する。TEC112の配線パッドは、ボンディングワイヤB8を介してリードピン50と電気的に接続されている。TEC112の表面112aと反対側の平坦な表面112b上には、ベース部材113が搭載されている。

0037

図2図3及び図4に示したように、ベース部材113は、第1の表面113aと第2の表面113bとを有する。ベース部材113は、例えば、AgペーストによってTEC112に固定されている。ベース部材113は、導電性材料からなる導電性基板であってもよいし、絶縁性材料からなる絶縁基板であってもよい。

0038

図4に示したように、平面視(すなわち、ステム111の厚さ方向からみた場合)におけるベース部材113の形状は、矩形又は正方形といった四角形形状である。ベース部材113の平面視形状が矩形である場合、ベース部材113の短辺の長さは例えば7mm程度であり、長辺の長さは例えば12mmである。ベース部材113の平面視形状が正方形である場合、ベース部材113の一辺の長さは、例えば、10mm程度である。ベース部材113の材料の例はNi/Auめっきを施した鉄合金である。

0039

図2及び図3に示したように、第2の表面113bの高さは第1の表面113aの高さよりも低くなっている。すなわち、ベース部材113は、互いに高さが異なる第1の表面113a及び第2の表面113bを有しており、これらの第1及び第2の表面113a,113bによって段差を形成している。第1及び第2の表面113a,113bは互いに平行である。

0040

よって、ベース部材113は、第1の表面113aを有する板状部材において、第2の表面113bを形成するような切り欠き部を有していることになる。換言すれば、ベース部材113は、板状の本体部の主面に、平面視が実質的にL字状のLD搭載部が一体的に設けられた部材と見なせる。この場合、板状の上記本体部の主面のうち、LD搭載部の設置領域以外の領域が第2の表面113bに相当し、LD搭載部の表面が第1の表面113aに相当する。

0041

図2図4に示したように、第1の表面113aは、第1〜第3のLD21〜LD23が搭載されるLD搭載面(或いはLD搭載領域)であり、ステム111の厚さ方向(Z方向)からみた場合に実質的にL字状を呈する。

0042

第1のLD21は、第1のレーザ光L1を出射する。第1のLD21は、発振波長が波長範囲610nm〜670nmの何れかであるLDであり、第1のLD21は、例えば赤色LDである。第1のLD21の発振波長の例は640nmである。第1のLD21はLDチップであり得る。第1のLD21は、たとえばAlGaAs3元系材料で構成されるが、これに限定されない。第1のLD21は、上記例示した波長範囲内の発振波長を実現できる材料、すなわち、赤色の波長範囲610nm〜670nm程度の波長の光を出力できる材料であればよい。

0043

第1のLD21は、第1のLD21は光軸方向がX方向に延在するように、すなわち、第1のLD21から第1のレーザ光L1がX方向に出射されるようにベース部材113上に搭載される。第1のLD21は、第1のサブマウント61の主面61a上に搭載されており、第1のサブマウント61を介してベース部材113の第1の表面113a上に搭載されている。第1のLD21は、AuSn半田といった半田又はAgペーストによって主面61aに接着されている。第1のサブマウント61は、例えばAgペースト(導電性接着剤)によって第1の表面113aに接着されている。第1のLD21はボンディングワイヤB1を介して第1のサブマウント61と電気的に接続されており、第1のサブマウント61はボンディングワイヤB2を介してリードピン50と電気的に接続されている。第1のLD21は、第1の表面113aに沿った光軸でもって第1のレーザ光L1を出射する。

0044

第2のLD22は、第2のレーザ光L2を出射する。第2のLD22は、発振波長が波長範囲500nm〜550nmの何れかであるLDであり、第2のLD22は例えば、緑色LDである。第2のLD22の発振波長の例は535nmである。第2のLD22はLDチップであり得る。第2のLD22は、たとえばInGaN3元系材料で構成されるが、これに限定されない。第2のLD22は、上記例示した波長範囲内の発振波長を実現できる材料、すなわち、緑色の波長範囲500nm〜550nm程度の波長の光を出力できる材料であればよい。

0045

第2のLD22は、第2のLD22の光軸方向が第1のLD21の光軸方向に対して直交するように、すなわち、第1のLD21からの第1のレーザ光L1の出射方向と第2のLD22からの第2のレーザ光L2の出射方向とが直交するように、第1の表面113a上に搭載されている。第2のLD22は、第2のサブマウント62の主面62a上に搭載されており、第2のサブマウント62を介してベース部材113の第1の表面113a上に搭載されている。第2のLD22は、AuSn半田といった半田又はAgペーストによって主面62aに接着されている。第2のサブマウント62は、例えばAgペースト(導電性接着剤)によって第1の表面113aに接着されている。第2のLD22はボンディングワイヤB3を介して第2のサブマウント62と電気的に接続されており、第2のサブマウント62はボンディングワイヤB4を介してリードピン50と電気的に接続されている。

0046

第3のLD23は、第3のレーザ光L3を出射する。第3のLD23は、発振波長が波長範囲435nm〜465nmの何れかであるLDであり、第3のLD3は例えば、青色半導体レーザである。第3のLD23はLDチップであり得る。第3のLD23は、たとえばGaN系材料で構成されるが、これに限定されない。第3のLD23は、上記例示した波長範囲内の発振波長を実現できる材料、すなわち、青色の波長範囲435nm〜465nm程度の波長の光を出力できる材料であればよい。

0047

第3のLD23は、第3のLD23の光軸方向が第1のLD21の光軸方向に対して直交するように、すなわち、第1のLD21からの第1のレーザ光L1の出射方向と第3のLD23からの第3のレーザ光L3の出射方向とが直交するように、第1の表面113a上に搭載されている。更に、第3のLD23は、第1のLD21の光軸方向に対して第2のLD22と同じ側に配置されており、X方向において、第2のLD22に対して第1のLD21と反対側に配置されている。

0048

第3のLD23は、第3のサブマウント63の主面63a上に搭載されており、第3のサブマウント63を介してベース部材113の第1の表面113a上に搭載されている。第3のLD23は、AuSn半田といった半田又はAgペーストによって主面63aに接着されている。第3のサブマウント63は、例えばAgペースト(導電性接着剤)によって第1の表面113aに接着されている。第3のLD23はボンディングワイヤB5を介して第3のサブマウント63と電気的に接続されており、第3のサブマウント63はボンディングワイヤB6を介してリードピン50と電気的に接続されている。

0049

第1の実施形態では、ベース部材113の第1の表面113aを基準とした場合における、第1のLD21のレーザ光出射点の高さ、第2のLD22のレーザ光出射点の高さ、及び第3のLD23のレーザ光出射点の高さ、は互いに等しくなるように第1〜第3のサブマウント61〜63の高さが設定されている。すなわち、第1のLD21の光軸、第2のLD22の光軸及び第3のLD23の光軸は、第1の表面113aを基準として互いに実質同一の高さにある。なお、各第1〜第3LD21〜23における各第1〜第3のレーザ光L1,L2,L3の光出射端面の高さは、各第1〜第3LD21〜23がエピアップ形態実装されている場合、各第1〜第3LD21〜23の上端の高さと略一致しており、各第1〜第3LD21〜23がエピダウン形態で実装されている場合、対応する第1〜第3のサブマウント61〜63の上端の高さと略一致している。

0050

第1〜第3のサブマウント61〜63の材料としては、第1のLD21、第2のLD22及び第3のLD23を構成する半導体材料熱膨張係数が近い材料を用いることができ、例えばAlN、SiC、Si又はダイヤモンド等を用いることが可能である。

0051

図2図4に示したように、第2の表面113bは、合波光学系30が搭載される合波光学系搭載面(或いは、合波光学系搭載領域)であり、Z方向からみた場合において、第2の表面113bは第1の表面113aの内側に配置されている。第2の表面113b上には、図示しない配線パッドが設けられていてもよく、その配線パッドは、ボンディングワイヤB7を介してリードピン50と電気的に接続されている。

0052

第2の表面113b上には、合波光学系30が有する第1のコリメートレンズ31、第2のコリメートレンズ32、第3のコリメートレンズ33、第1の波長選択性フィルタ34及び第2の波長選択性フィルタ35が搭載される第1のサブベース部材71、第2のサブベース部材72、第3のサブベース部材73、第4のサブベース部材74及び第5のサブベース部材75が設けられている。

0053

第1〜第5のサブベース部材71〜75の材料は、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33並びに第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35と熱膨張係数が近い材料、例えばガラスであり得る。第1〜第5のサブベース部材71〜75は、セラミック又は金属によって構成されていてもよい。第1〜第5のサブベース部材71〜75は、例えばAgペーストによって第2の表面113bに固定される。第1〜第5のサブベース部材71〜75の材料をベース部材113と同一にして、ベース部材113との一体成型品としてもよい。第1〜第5のサブベース部材71〜75の搭載面(上面)の面積は、それらが搭載する第1〜第3のコリメートレンズ31〜33並びに第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35を固定するために必要な量の接着剤を塗布可能な面積、例えば0.3〜0.5平方ミリメートル程度であることが望ましい。第1〜第5のサブベース部材71〜75の厚さは、例えば0.1mm程度である。

0054

合波光学系30は、第1のコリメートレンズ31、第2のコリメートレンズ32、第3のコリメートレンズ33、第1の波長選択性フィルタ34、第2の波長選択性フィルタ35を有する。

0055

第1のコリメートレンズ31は、第1のLD21の光出射端面と光学的に結合されており、第1のLD21から出射された第1のレーザ光L1をコリメート平行化)する。第1のコリメートレンズ31の焦点距離の例は、5mm未満である。第1のコリメートレンズ31は、第1のサブベース部材71上に搭載されており、第1のサブベース部材71を介してベース部材113の第2の表面113b上に搭載されている。第1のコリメートレンズ31は、第1のサブベース部材71に樹脂硬化型接着剤により接着され固定されている。樹脂硬化型接着剤の例は、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、及び、紫外線硬化熱硬化とを併用する樹脂を含む。

0056

第2のコリメートレンズ32は、第2のLD22の光出射端面と光学的に結合されており、第2のLD22から出射された第2のレーザ光L2をコリメートする。第2のコリメートレンズ32の焦点距離の例は、第1のコリメートレンズ31と同様である。第2のコリメートレンズ32は、第2のサブベース部材72上に搭載されており、第2のサブベース部材72を介してベース部材113の第2の表面113b上に搭載されている。第2のコリメートレンズ32は、第2のサブベース部材72に樹脂硬化型接着剤により接着され固定されている。第2のコリメートレンズ32に対して使用される樹脂硬化型接着剤の例は、第1のコリメートレンズ31に対する樹脂硬化型接着剤の例と同様である。

0057

第3のコリメートレンズ33は、第3のLD23の光出射端面と光学的に結合されており、第3のLD23から出射された第3のレーザ光L3をコリメートする。第3のコリメートレンズ33の焦点距離の例は、第1のコリメートレンズ31と同様である。第3のコリメートレンズ33は、X方向において第2のサブベース部材72の側方に並んで配置された第3のサブベース部材73上に搭載されている。第3のコリメートレンズ33は、第3のサブベース部材73を介してベース部材113の第2の表面113b上に搭載されている。第3のコリメートレンズ33は、第3のサブベース部材73に樹脂硬化型接着剤により接着され固定されている。第3のコリメートレンズ33に対して使用される樹脂硬化型接着剤の例は、第1のコリメートレンズ31に対する樹脂硬化型接着剤の例と同様である。

0058

第1〜第3のコリメートレンズ31〜33それぞれの光軸と第1〜第3のLD21〜23それぞれの光軸とは、互いに略一致するように調整されている。一例として、第1〜第3のサブマウント61〜63それぞれの厚さが0.15mmであり、第1〜第3のサブマウント61〜63それぞれの主面61a〜63aに対する第1〜第3のLD21〜23それぞれのレーザ光出射点の高さが0.1mmであり、第1の表面113aを基準とする当該レーザ光出射点の高さは0.25mmである。

0059

ここで、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33が、例えば、一辺が1.0mmである側面視正方形状のレンズホルダに保持されたレンズであって、側面視におけるレンズホルダの一辺からレンズ中心までの距離が0.5mmである場合、第1の表面113aと第2の表面113bとの段差の高さを0.25mm程度とすると、第1〜第3のLD21〜23の光軸高さと第1〜第3のコリメートレンズ31〜33の光軸高さとが略一致することとなる。

0060

ベース部材113における第1の表面113aと第2の表面113bとの段差の高さは、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33を調芯する際における上下方向の調芯代、及び第1〜第3コリメートレンズ31〜33の各レンズホルダを第2の表面113b上に固定させる樹脂硬化型接着剤の塗布厚を考慮すると、0.25mmよりも数百μm程度高くすることが望ましい。よって、例えば、ベース部材113自体の厚さ(ベース部材113のLD搭載領域の厚さ)を1.0mm、ベース部材113における第2の表面113bの厚さ(ベース部材113のレンズ搭載領域の厚さ)を0.4mmとし、第1の表面113aと第2の表面113bとの段差の高さを0.6mmとしている。

0061

第1の波長選択性フィルタ34は、例えばガラス基板上に形成された多層膜フィルタであり、ベース部材113の第2の表面113b上に第4のサブベース部材74を介して搭載されている。第1の波長選択性フィルタ34は、第1及び第2のLD21,22の光軸の交点上に位置するように、第2の表面113b上に配置されている。第1の波長選択性フィルタ34は、第4のサブベース部材74に樹脂硬化型接着剤により接着され固定されている。第1の波長選択性フィルタ34に対して使用される樹脂硬化型接着剤の例は、第1のコリメートレンズ31に対する樹脂硬化型接着剤の例と同様である。第1の波長選択性フィルタ34の一方の面は第1のコリメートレンズ31と光学的に結合されており、第1の波長選択性フィルタ34の他方の面は第2のコリメートレンズ32と光学的に結合されている。

0062

第1の波長選択性フィルタ34は、第1のコリメートレンズ31によりコリメートされた第1のレーザ光L1を透過し、第2のコリメートレンズ32によりコリメートされた第2のレーザ光L2を第2の波長選択性フィルタ35側に反射する。第1の波長選択性フィルタ34を透過した第1のレーザ光L1の光軸と、第1の波長選択性フィルタ34において反射した第2のレーザ光L2の光軸とは、互いに略一致するように調整される。このように、第1の波長選択性フィルタ34は、第1のレーザ光L1及び第2のレーザ光L2が合波された第1の合波光ML1を出力する。

0063

第2の波長選択性フィルタ35は、第1の波長選択性フィルタ34と同様、例えばガラス基板上に形成された多層膜フィルタであり、ベース部材113の第2の表面113b上に第5のサブベース部材75を介して搭載されている。第2の波長選択性フィルタ35は、第1及び第3のLD21,23の光軸の交点上に位置するように、第2の表面113b上に配置されている。したがって、第2の波長選択性フィルタ35は、第1の波長選択性フィルタ34に対して第1のLD21と反対側に配置されている。第2の波長選択性フィルタ35は、第5のサブベース部材75に、樹脂硬化型接着剤により接着され固定されている。第2の波長選択性フィルタ35に対して使用される樹脂硬化型接着剤の例は、第1のコリメートレンズ31に対する樹脂硬化型接着剤の例と同様である。第2の波長選択性フィルタ35の一方の面は第1の波長選択性フィルタ34の上記他方の面と光学的に結合されており、第2の波長選択性フィルタ35の他方の面は第3のコリメートレンズ33と光学的に結合されている。

0064

第2の波長選択性フィルタ35は、第1の波長選択性フィルタ34から出射された第1のレーザ光L1及び第2のレーザ光L2(第1の合波光ML1)を透過し、第3のコリメートレンズ33によりコリメートされた第3のレーザ光L3を、X方向において第1の波長選択性フィルタ34と反対側に反射する。第2の波長選択性フィルタ35を透過した第1のレーザ光L1及び第2のレーザ光L2の光軸と、第2の波長選択性フィルタ35において反射した第3のレーザ光L3の光軸とは、互いに略一致するように調整されている。このように、第2の波長選択性フィルタ35は、第1の合波光ML1と第3のレーザ光L3が合波された第2の合波光ML2を出力する。

0065

ベース部材113の第2の表面113bを基準とした場合における、第1の波長選択性フィルタ34及び第2の波長選択性フィルタ35の各中心位置の高さは、第2の表面113bを基準とした場合における各第1〜第3のレーザ光L1,L2,L3の光軸の高さと実質的に同一であることが望ましい。

0066

ミラー41は、第6のサブベース部材76を介してベース部材113の第2の表面113b上に搭載されている。ミラー41は、例えば、樹脂硬化型接着剤によって、第6のサブベース部材76に固定されている。ミラー41は、X方向において第2の波長選択性フィルタ35に対して第1の波長選択性フィルタ34と反対側に配置されている。ミラー41は、第2の合波光ML2の一部を上方(ベース部材113と反対側)に反射させると共に残部を透過させる。ミラー41は、側面視において、斜面41aと底面41bと側面41cとを有する直角三角形状となっている。すなわち、ミラー41は、第2の合波光ML2の光軸が延びる方向に対して傾斜する斜面41aと、底面41bと、を有する。斜面41aは、第2の表面113bに対して実質45度の角度を成している。底面41bは、ベース部材113に対して固定される。

0067

ミラー41の斜面41aは、第2の合波光ML2を第2の表面113bに対して交差する方向に反射させる。斜面41a上には例えば半透明膜が形成されており、斜面41aにおける光の反射率が95%、斜面41aにおける光の透過率が5%となっている。斜面41aを透過する透過光は、斜面41aにおいて第2の表面113bに近づく方向に屈折する。

0068

PD42は、ベース部材113の第2の表面113b上に搭載されている。PD42は、第1〜第3のレーザ光L1,L2,L3のモニタ用として用いられる。PD42は、ボンディングワイヤB9によってリードピン50と電気的に接続されている。PD42は、ミラー41の側面41cの斜め下方に配置されている。PD42は、ミラー41の斜面41aにおいて屈折した光を受光することによって、第2の合波光ML2の強度を検知可能となっている。PD42は、第1のレーザ光L1、第2のレーザ光L2及び第3のレーザ光L3のそれぞれに対して高い感度を有していることが望ましく、例えば、Si製PDである。

0069

サーミスタ43は、ベース部材113の第1の表面113aにおける第1のLD21の側方に配置されている。サーミスタ43は例えばAgペーストでベース部材113に固定されている。サーミスタ43は、ボンディングワイヤB10によってリードピン50と電気的に接続されている。

0070

図2を参照して、パッケージ10について更に説明する。支持体11上に設けられた第1〜第3のLD21〜23及び合波光学系30等は、キャップ12により気密封止されている。キャップ12は、筒状部121と底部122とを有し、有底筒状を呈する。

0071

筒状部121は、キャップ12における側周壁を構成している。筒状部121の一方の開口の縁部には、フランジ部123が設けられていてもよい。筒状部121の平面視形状、換言すれば、筒状部121の中心軸線に直交する断面の形状の例は、例えば、正方形又は矩形といった四角形である。

0072

底部122は、筒状部121の一方の開口を塞ぐように、筒状部121の一方の端部に一体的に設けられている。筒状部121にフランジ部123が設けられている場合、底部122はフランジ部123と反対側の開口を塞いでいる。底部122には、第2の合波光ML2を通すための透過窓124が設けられている。具体的には、底部122には、開口122aが形成されており、その開口122aに透過窓部材125が設けられることによって、透過窓124が形成されている。透過窓部材125は、第2の合波光ML2を透過可能な部材であればよく、例えば、第2の合波光ML2に対して透過性を有する樹脂からなる樹脂部材或いはガラス部材が挙げられる。透過窓部材125はレンズでもよい。例えば、透過窓部材125は第2の合波光ML2を第2の合波光ML2の光軸上の点に集光するレンズでもよい。

0073

キャップ12は底部122と反対側、すなわち、開放されている側(或いは開口側)が支持体11側になるように配置された状態で、例えば溶接によって支持体11に接合されている。

0074

支持体11とキャップ12とを有するパッケージ10の内部空間S10、すなわち、支持体11が有するステム111の主面111aとキャップ12とで画成される空間(或いは、LD等の収容空間)の体積は200mm3以上である。すなわち、パッケージ10は、CANパッケージの内部空間の体積(例えば20mm3〜50mm3)より大きな体積の内部空間S10を有する。パッケージ10の内部空間S10の体積は、通常、1200mm3以下である。

0075

パッケージ10の内部の水分濃度は、3000ppm以下であり、2000ppm以下が好ましく、1000ppm以下が更に好ましい。水分濃度は、MIL規格883に規定されている方法、具体的には、MILSTD−883EにおけるMETHOD.NO.1018.2のINTERNALWATER−VAPOR CONTENTで規定されている方法に準拠して測定される値である。すなわち、所定の真空度に調整された真空チャンバ内に光モジュール1を配置しながら真空チャンバ内のガス質量分析計で測定して水分濃度をモニタしておく。その後、真空チャンバ内でパッケージを、例えば穿孔具によって破壊し、質量分析計で測定される水分濃度の変化を測定することで得られる水分濃度である。水分濃度は低いほど望ましいが、検出精度制約で100ppmが下限となる。

0076

光モジュール1は、水分濃度を上記範囲にするために、図2に示したように、吸湿剤13を有してもよい。吸湿剤13は、例えば、キャップ12の内壁に固定され得る。吸湿剤13は、例えば、キャップ12の底部122のうち第3のLD23に近い箇所(例えば、Z方向において、第3のLD23の真上)に配置され得る。吸湿剤13の例は、ゼオライト及び酸化カルシウム系材料が挙げられ、その形態の例としては粒状、シート状及びペースト状が挙げられる。

0077

次に、光モジュール1の製造方法の一例について説明する。光モジュール1の製造方法は、図5に示したように、準備工程S10と、封止工程S20とを有する。各工程について説明する。以下の説明では、リードピン50が予め設けられたステム111、及び、第1〜第6のサブベース部材71〜76が第2の表面113bの所定位置に予め設けられたベース部材113を用いた場合を説明する。

0078

[準備工程]
準備工程S10では、図3に示した光学部品実装品2を準備する。光学部品実装品2を準備する場合、支持体11上の光学部品、すなわち、第1〜第3のLD21〜23及び合波光学系30を構成する第1〜第3のコリメートレンズ31〜33並びに第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35などの支持体11への搭載順番などは、所望の第2の合波光ML2が生成できれば限定されない。準備工程S10の一例について詳細に説明する。

0079

準備工程S10では、図6に示したように、第1〜第3のLD21〜LD23をそれぞれ第1〜第3のサブマウント61〜63の各主面61a,62a,63aに搭載する。第1〜第3のLD21〜23は、対応する主面61a,62a,63aに、例えば、AuSn半田といった半田で接着される。続いて、各第1〜第3のLD21〜LD23の上面電極(第1〜第3のサブマウント61〜63と反対側の電極)からそれぞれの第1〜第3のサブマウント61〜63のパターンワイヤボンディングによって電気的導通を確保し、各第1〜第3のLD21〜LD23と各第1〜第3のサブマウント61〜63とからなる中間アセンブリC1,C2,C3を作製する。

0080

その後、次の3つの点を満たすように、中間アセンブリC1〜C3をそれぞれベース部材113の第1の表面113a上に、例えばAgペーストを使用して接着固定する。
(a)第1のLD21からの第1のレーザ光L1の出射方向(すなわち、第1のLD21の光軸方向)に対して、第2及び第3のLD22,23からの第2及び第3のレーザ光L2,L3の出射方向(すなわち、第2及び第3のLD22,23の光軸方向)が直交する点。
(b)第1のLD21の光軸方向に対して第2及び第3のLD22,23が同じ側に配置される点。
(c)第2及び第3のLD22,23は、第1のLD21の光軸方向において、第1のLD21側から第2のLD22及び第3のLD23の順に配置される点。

0081

以下の説明では、第1のLD21の光軸方向をX方向として、光モジュール1の構成の場合の説明と同様に、Y方向及びZ方向を利用して説明する場合もある。

0082

ベース部材113の第1の表面113a上に先に第1〜第3のサブマウント61〜63を搭載し、その後、第1〜第3のサブマウント61〜63の各主面61a〜63aに第1〜第3のLD21〜23を搭載し、最後にワイヤボンディングによって第1〜第3のサブマウント61〜63と第1〜第3のLD21〜23との電気的導通を確保してもよい。この場合、第1の表面113aに第1〜第3のサブマウント61〜63を搭載するときのプロセス温度は、主面61a〜63aに第1〜第3のLD21〜23を搭載するときのプロセス温度以上であり、且つ主面61a〜63aに第1〜第3のLD21〜23を搭載するときのプロセス温度は、上記ワイヤボンディングにおけるプロセス温度以上である。

0083

上記のように、第1の表面113aに第1〜第3のサブマウント61〜63を搭載するときのプロセス温度を主面61a〜63aに第1〜第3のLD21〜23を搭載するときのプロセス温度以上とすることによって、第1〜第3のLD21〜23を搭載するときに第1〜第3のサブマウント61〜63の位置が変化する事態を回避することが可能となる。また、主面61a〜63aに第1〜第3のLD21〜23を搭載するときのプロセス温度をワイヤボンディングにおけるプロセス温度以上とすることによって、ワイヤボンディングを行うときに第1〜第3のLD21〜23の位置が変化する事態を回避することが可能となる。

0084

上述した第1〜第3のサブマウント61〜63及び第1〜第3のLD21〜23の搭載と並行して、図7に示したように、ステム111の主面111a上へTEC112を搭載する。TEC112は、例えばAgペーストによって主面111aに接合される。主面111a上へのTEC112の搭載を行った後には、図8に示したように、TEC112の表面112b上にベース部材113を搭載する。ベース部材113は、例えばAgペーストによって表面112bに接合される。

0085

ベース部材113をTEC112の表面112b上に搭載した後には、図9に示したように、PD42をベース部材113の第2の表面113b上に搭載すると共に、サーミスタ43をベース部材113の第1の表面113a上に搭載する。そして、各リードピン50とベース部材113上の配線パッドとのワイヤボンディング、各リードピン50とTEC112の配線パッドとのワイヤボンディング、及び各リードピン50と各第1〜第3のサブマウント61〜63とのワイヤボンディング等の配線を行う。

0086

ここで、ステム111の主面111a上へのTEC112の搭載におけるプロセス温度(例えばAgペーストの焼成温度)は、TEC112の表面112b上へのベース部材113の搭載におけるプロセス温度以上である。表面112b上へのベース部材113の搭載におけるプロセス温度は、上記ワイヤボンディングにおけるプロセス温度以上である。

0087

このように、主面111a上へのTEC112の搭載におけるプロセス温度を表面112b上へのベース部材113の搭載におけるプロセス温度以上とすることによって、ベース部材113を搭載するときにTEC112の位置が変化する事態を回避することが可能となる。また、表面112b上へのベース部材113の搭載におけるプロセス温度をワイヤボンディングにおけるプロセス温度以上とすることによって、ワイヤボンディングを行うときにベース部材113の位置が変化する事態を回避することが可能となる。

0088

次に、図10に示したように、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33を、光軸調整をした状態で、ベース部材113に搭載する。

0089

第1〜第3のコリメートレンズ31〜33のベース部材113への搭載時には、各第1〜第3のコリメートレンズ31〜33からの出射光投影パターン観測しつつ各第1〜第3のコリメートレンズ31〜33の位置を調整することによって第1〜第3のコリメートレンズ31〜33の光学調芯を行う。

0090

各第1〜第3のコリメートレンズ31〜33の位置調整時には、各第1〜第3のコリメートレンズ31〜33からの出射光がコリメートされているか否かが確認される。ここで、仮に上記コリメートの品質が低い場合(コリメート性が良くない場合)には、第1のレーザ光L1、第2のレーザ光L2及び第3のレーザ光L3の第2の合波光ML2において収差非点収差及び球面収差)が大きくなり、例えば画像の品質が劣化するという問題を生じさせる可能性がある。よって、コリメート性を高く維持すべく、第1の実施形態では、下記の手順によって3つの第1〜第3のコリメートレンズ31〜33の光学調芯(光軸調整)を実施している。図11図13を利用して光軸調整の方法について説明する。図11図13では、ベース部材113上の構成を模式的に示している。

0091

図11に示したように、最初に第1のLD21と第1のコリメートレンズ31との相対位置を決定する。このとき、第1のコリメートレンズ31を、第1のサブベース部材71を介してベース部材113の第2の表面113b上に搭載する。そして、第1のLD21を発光させつつ、第1のコリメートレンズ31を第1のサブベース部材71上に配置する。ここで、第1のLD21からの第1のレーザ光L1は、反射されることなく第1のLD21からの出射方向に直進する。この際、第1の表面113aに垂直な仮想平面H上に位置する第1の投影点P1に第1のレーザ光L1が投影されるように第1のコリメートレンズ31を配置する。仮想平面Hは、例えば、第1のLD21の光出射端面から前方に所定距離(例えば1m〜2m)離れた位置に配置され得る。

0092

また、第1のレーザ光L1の光軸がベース部材113の第1の表面113a(又は第2の表面113b)に対して実質平行となるように第1のコリメートレンズ31の上下位置を調整する。このとき、例えば、第1のサブベース部材71に紫外線硬化樹脂を塗布し且つその厚みを確保しながら、第1のコリメートレンズ31をコレット等によって吸着しつつコレットの上下位置(Z方向或いはステム111の厚さ方向の位置)を調整させる。これにより、第1の表面113a(又は第2の表面113b)に対する第1のレーザ光L1の煽り角が調整される。

0093

そして、例えば、第1のLD21の光出射端面から第1のLD21の光軸方向に所定距離(例えば1m〜2m)離れた位置、すなわち、上記仮想平面Hの位置に二次元センサであるCCD等の撮像素子を配置し、撮像素子に投影される第1のレーザ光L1のビーム径を観測しつつ第1のコリメートレンズ31の調芯を行うことによって、第1のコリメートレンズ31の一方の焦点と第1のLD21の光出射端面とを一致させる。このように第1のコリメートレンズ31の一方の焦点と第1のLD21の光出射端面とを一致させることによって、第1のコリメートレンズ31が出力する第1のレーザ光L1は実質コリメート光となる。

0094

第1のコリメートレンズ31と第1のLD21の光出射端面との距離が第1のコリメートレンズ31の焦点距離よりも短い場合には、第1のコリメートレンズ31から出射する第1のレーザ光L1は発散光となる。一方、第1のコリメートレンズ31と上記光出射端面との距離が上記焦点距離よりも長い場合には、第1のコリメートレンズ31から出射する第1のレーザ光L1は収束光となる。

0095

しかしながら、第1の実施形態では、上述したように第1のコリメートレンズ31の一方の焦点と第1のLD21の光出射端面とを一致させているので、第1のコリメートレンズ31から出射する第1のレーザ光L1の光束は実質平行となっており、数m離れた位置においても投影パターンを観測することが可能である。以上のように第1のコリメートレンズ31の一方の焦点と第1のLD21の光出射端面とを一致させた後、第1のサブベース部材71上の紫外線硬化樹脂を硬化させて第1のコリメートレンズ31を第1のサブベース部材71上に固定させる。

0096

次に、図12に示したように、第2のLD22と第2のコリメートレンズ32との相対位置を決定する。このとき、第2のコリメートレンズ32を、第2のサブベース部材72を介してベース部材113の第2の表面113b上に搭載する。この際、仮想平面H上に位置する第2の投影点P2に第2のレーザ光L2が投影されるように、第2のコリメートレンズ32を配置する。ベース部材113の第1の表面113aを基準とする第2の投影点P2の高さは、第1の表面113aを基準とする第1の投影点P1の高さと同一である。

0097

具体的には、第1の表面113aに垂直な反射面を有する調芯用ミラー80を、その反射面が第1のLD21の光軸に対して45°の角度を成すように、第2のLD22の光軸上に配置する。そして、第2のLD22を発光させる。このとき、第2のレーザ光L2は上記仮想平面H上に投影される。続いて、第2のLD22の光軸がベース部材113の第1の表面113a(又は第2の表面113b)に対して実質平行となるように第2のコリメートレンズ32の上下位置を調整する。このとき、例えば、第2のサブベース部材72に紫外線硬化樹脂を塗布し且つその厚みを確保しながら、第2のコリメートレンズ32をコレット等によって吸着しつつコレットの上下位置を調整させる。これにより、第1の表面113a(又は第2の表面113b)に対する第2のレーザ光L2の煽り角が調整される。第2のコリメートレンズ32の上下位置を調整する際には、第1の表面113aを基準とする第1のレーザ光L1の第1の投影点P1の高さと同一とする。

0098

例えば、第1のLD21及び第1のコリメートレンズ31の調芯を行った際に上記仮想平面Hに配置された撮像素子を利用し、その撮像素子に投影される第2のレーザ光L2のビーム径を観測しつつ第2のコリメートレンズ32の調芯を行うことによって、第2のコリメートレンズ32の一方の焦点と第2のLD22の光出射端面とを一致させる。このように第2のコリメートレンズ32の一方の焦点と第2のLD22の光出射端面とを一致させることによって、第2のコリメートレンズ32が出力する第2のレーザ光L2は実質コリメート光となる。

0099

続いて、図13に示したように、第3のLD23と第3のコリメートレンズ33との相対位置を決定する。まず、第3のコリメートレンズ33を、第3のサブベース部材73を介してベース部材113の第2の表面113b上に搭載する。この際、仮想平面H上に位置する第3の投影点P3に第3のレーザ光L3が投影されるように、第3のコリメートレンズ33を配置する。ベース部材の第1の表面113aを基準とする第3の投影点P3の高さは、第1の表面113aを基準とする第1の投影点P1の高さと同一である。この工程では、第2の投影点P2及び第3の投影点P3の位置が実質的に互いに一致するように、第3コリメートレンズ33を配置するとよい。

0100

具体的には、第1の表面113aに垂直な反射面を有する調芯用ミラー80を、その反射面が第1のLD21の光軸に対して45°の角度を成すように、第3のレーザ光L3の光軸上に配置する。そして、第3のLD23を発光させる。このとき、第3のレーザ光L3は上記仮想平面H上に投影される。続いて、第3のレーザ光L3の光軸がベース部材113の第1の表面113a(又は第2の表面113b)に対して実質平行となるように第3のコリメートレンズ33の上下位置を調整する。このとき、例えば、第3のサブベース部材73に紫外線硬化樹脂を塗布し且つその厚みを確保しながら、第3のコリメートレンズ33をコレット等によって吸着しつつコレットの上下位置を調整させる。これにより、第1の表面113a(又は第2の表面113b)に対する第3のレーザ光L3の煽り角が調整される。第3のコリメートレンズ33の上下位置を調整する際には、第1の表面113aを基準とする第1のレーザ光L1の第1の投影点P1の高さと同一とすると共に、第3の投影点P3の位置を、第2のレーザ光L2の第2の投影点P2の位置と実質的に一致させる。

0101

例えば、第1のLD21及び第1のコリメートレンズ31の調芯を行った際に上記仮想平面Hに配置された撮像素子を利用し、その撮像素子に投影される第3のレーザ光L3のビーム径を観測しつつ第3のコリメートレンズ33の調芯を行うことによって、第3のコリメートレンズ33の一方の焦点と第3のLD23の光出射端面とを一致させる。このように第3のコリメートレンズ33の一方の焦点と第3のLD23の光出射端面とを一致させることによって、第3のコリメートレンズ33が出力する第3のレーザ光L3は実質コリメート光となる。

0102

次に、図14に示したように、第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35を、光軸調整を行った状態でベース部材113に搭載する。図15及び図16を参照して、第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35の光軸調整方法について説明する。

0103

図15に示したように、第1の波長選択性フィルタ34をベース部材113の第2の表面113b上に搭載する。このとき、上述した第1〜第3のコリメートレンズ31〜33の調芯に利用した撮像素子における第2のレーザ光L2の投影パターンを第1のレーザ光L1の投影パターンに実質一致させるように第1の波長選択性フィルタ34の角度を調整する。

0104

具体的には、まず第1の波長選択性フィルタ34を第2のLD22の光軸上に置き、第1の波長選択性フィルタ34において第2のレーザ光L2を反射させて、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33の光軸調整の際に使用したCCD等の撮像素子、すなわち、前述した仮想平面Hの位置に配置された撮像素子の投影面上に投影パターンを投影させる。そして、第1の波長選択性フィルタ34の振れ角及び煽り角を調整することにより、第2のレーザ光L2の投影パターンを第1のレーザ光L1の投影パターンに実質一致させる。このように第1の波長選択性フィルタ34の振れ角及び煽り角を調整して第1のレーザ光L1の投影パターンに第2のレーザ光L2の投影パターンを実質一致させた後には、第4のサブベース部材74上の紫外線硬化樹脂を硬化させて、第1の波長選択性フィルタ34を第4のサブベース部材74に固定させる。

0105

第1の波長選択性フィルタ34により、第1のレーザ光L1の投影パターンは、第1の波長選択性フィルタ34の厚みの影響を受けて僅かに平行移動することとなる。しかしながら、平行移動した第1のレーザ光L1の投影パターンに、第2のレーザ光L2の投影パターンを実質一致させるようにすれば問題無く調芯を行うことが可能である。

0106

続いて、図16に示したように、第2の波長選択性フィルタ35をベース部材113の第2の表面113b上に搭載する。このとき、第1の波長選択性フィルタ34を搭載したときと同様に、第3のレーザ光L3の投影パターンが第1のレーザ光L1の投影パターンと実質一致するように、第2の波長選択性フィルタ35の振れ角及び煽り角を調整する。また、第1の波長選択性フィルタ34の光反射面と第2の波長選択性フィルタ35の光反射面とが互いに平行となるように第2の波長選択性フィルタ35を配置する。具体的な調整方法は、上述した第1の波長選択性フィルタ34の配置手順と同様である。

0107

次に、ミラー41をベース部材113の第2の表面113b上に搭載する。ミラー41は、その斜面41aが第2の表面113bに対して45度の角度を成す状態で第2の表面113b上に搭載される。ミラー41は、第6のサブベース部材76上に紫外線硬化樹脂によって固定される。

0108

上記説明した各工程を実施することにより、ステム111、TEC112及びベース部材113を有する支持体11上に、第1〜第3のLD21〜23、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33、第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35等が搭載された光学部品実装品2(図4参照)が得られる。第1〜第3のコリメートレンズ31〜33等の固定のために紫外線硬化樹脂を例示したが、樹脂硬化型接着剤であればよい。

0109

(封止工程)
封止工程S20では、まず、光学部品実装品2及びキャップ12をドライエア雰囲気でベーク処理する(ベーク処理工程)。ドライエア雰囲気の露点、ベーク処理のベーク温度及び処理時間は、所望の水分濃度を実現するために適宜調整され得る。露点の例は、−40℃以下であり、ベーク温度の例は、90℃以下であり、処理時間の例は1時間〜12時間である。ベーク温度を90℃以下とすることで、熱が合波光学系30の特性に悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。一実施形形態では、露点−50℃のドライエア雰囲気中に光学部品実装品2及びキャップ12を配置し、80℃の温度で4時間のベーク処理を行う。

0110

上記ベーク処理工程を行った後、ドライエア雰囲気下において、ステム111の主面111aをキャップ12で覆うと共に、ミラー41の斜面41aの上方(ベース部材113と反対側)にキャップ12の透過窓124を位置させた状態でキャップ12をステム111に溶接によって接合し、パッケージ10を構成することによって、光モジュール1が完成する(接合工程)。ドライエア雰囲気の露点の例は、ベーク処理工程の場合と同様である。上記キャップ12は、例えば、抵抗溶接機によってステム111に溶接され得る。ただし、第1〜第3のLD21〜23、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33、第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35等を気密封止できれば、キャップ12のステム111への溶接方法或いは接合方法は限定されない。

0111

光モジュール1では、第1のLD21、第2のLD22及び第3のLD23のそれぞれから、第1のレーザ光L1、第2のレーザ光L2及び第3のレーザ光L3のそれぞれが出射される。これらの第1〜第3のレーザ光L1,L2,L3は、それぞれ第1のコリメートレンズ31、第2のコリメートレンズ32及び第3のコリメートレンズ33を透過する際にコリメートされる。そして、第1のレーザ光L1及び第2のレーザ光L2は第1の波長選択性フィルタ34によって合波されて第1の合波光ML1として出射される。その後、第1の合波光ML1と第3のレーザ光L3とは第2の波長選択性フィルタ35によって合波されて第2の合波光ML2として出射される。第1のレーザ光L1、第2のレーザ光L2及び第3のレーザ光L3からなる第2の合波光ML2は、ミラー41の斜面41aによってベース部材113における第2の表面113bの法線方向に反射され、透過窓124を通過して光モジュール1の外部へ出射される。

0112

光モジュール1では、合波光学系30を支持体11に樹脂硬化型接着剤を利用して固定している。具体的には、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33並びに第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35を支持体11の一部であるベース部材113が有する第1〜第5のサブベース部材71〜75に樹脂硬化型接着剤を利用して固定している。

0113

内部空間S10の体積が200mm3以上であるパッケージ10内に第1〜第3のコリメートレンズ31〜33並びに第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35といった複数の光学部品を固定する際に上記樹脂型接着剤を使用すれば、生産性の向上を図れると共に、製造コストの低減を図ることができる。

0114

ただし、上記樹脂型接着剤は、発振波長が550nm以下のLD(以下、説明の便宜のため、「着目LD」と称す)をパッケージ内に気密封止した光モジュールにおいて、着目LDに対する汚染源となることが知られている。すなわち、発振波長が550nm以下のLDである着目LDから出力されるレーザ光のエネルギーが高いことから、パッケージ内に残存する樹脂型接着剤から放出される物質がレーザ光により分解されて着目LDの出射端面に付着する集塵効果として知られている現象が生じやすい。このような集塵効果が生じると、着目LDからのレーザ光の出力が低下し、光モジュールの信頼性が低下する。これを回避するためには、汚染源とならない接着剤(例えば、特許文献1に記載のフラックスフリーの半田又はSi系有機物被含有の接着剤)の使用等が考えられるが、光モジュールの製造コストが増加する。また、汚染源とならない上記接着剤では樹脂硬化型接着剤に比べて接着工程が複雑になりやすく、接着に時間も要する。その結果、光モジュールの生産性が低下する。特に、パッケージ内に、複数のLDが設けられそれに応じてレンズ及び波長選択性フィルタ等の数も増えている場合は、光モジュールの生産性がより一層低下する。

0115

これに対して、本願発明者らは、パッケージ10の内部の水分濃度が3000ppm以下であれば、集塵効果を抑制できることを見出した。そして、光モジュール1では、パッケージ10の内部の水分濃度が3000ppm以下であることから、樹脂型接着剤を使用しても集塵効果によって第3のLD23の出力劣化が生じにくい。そして、樹脂硬化型接着剤は、前述した集塵効果の汚染源とならない接着剤よりも低コストであり得る。また、樹脂硬化型接着剤では前述した集塵効果の汚染源とならない接着剤よりも、接着工程が簡易であり、接着時間の短縮も図れる。そのため、光モジュール1では、生産性を向上させながら、製造コストの低減も可能である。更に、集塵効果が抑制されているので、光モジュール1の信頼性低下も抑制できる。集塵効果は、水分濃度が低いほど抑制できるため、水分濃度が2000ppm以下、更には、1000ppm以下であれば、上述した光モジュール1の信頼性の低下をより一層抑制できると共に、生産性の向上及び製造コストの低減もより一層図れる。

0116

上記水分濃度を実現する光モジュール1は、光モジュール1の製造方法で説明したように、光学部品実装品2を製造した後に、光学部品実装品2及びキャップ12を、所定のドライエア雰囲気下でベーク処理した後、ドライエア雰囲気下でキャップ12を支持体11に接合することで実現可能である。そして、合波光学系30を支持体11に樹脂硬化型接着剤で接着しているので、合波光学系30の支持体11への接着工程が簡易且つ容易である。その結果、光モジュール1の製造方法は、生産性の向上を図りながら製造コストも低減可能である。

0117

光モジュール1において、第1〜第3のLD21〜23は、第1〜第3のサブマウント61〜63を介して、支持体11の一部を構成するベース部材113に設けられている。一実施形態において、第1〜第3のサブマウント61〜63は、Agペーストを利用してベース部材113に接着されている。このAgペーストも上記集塵効果の汚染源となり得るが、パッケージ10の内部の水分濃度が3000ppm以下であることから、着目LDの劣化を抑制できており、結果として、光モジュール1では、信頼性低下を抑制できている。また、Agペーストの代わりに集塵効果の汚染源とならない接着剤を利用しようとすると製造コストが増加するが、Agペーストを使用していることから、光モジュール1の製造コストの一層の低減を図れている。Agペーストを利用する場合、第1〜第3のサブマウント61〜63を所定位置に配置した後に、ベーキングしてフラックスを飛ばして、第1〜第3のサブマウント61〜63を支持体11に接着すればよい。よって、第1〜第3のLD21〜23に対応する第1〜第3のサブマウント61〜63といった複数の部品を光モジュール1が有する場合、生産性の向上も図れる。第1〜第3のサブマウント61〜63を接着するための導電性接着剤としてAgペーストを例示したが、Agペースト以外の導電性接着剤に対しても同様の作用効果を有し得る。導電性接着剤の例は、Agペースト以外に、カーボン(C)ペースト及び銅(Cu)ペーストを含み得る。ただし、体積抵抗率及び接続抵抗の観点からAgペーストが望ましい。

0118

上述した集塵効果は、波長が短い、すなわち、レーザ光のエネルギーが高い方が顕著になりやすい。そのため、例えば、光モジュール1の構成は、発振波長が波長範囲390nm〜420nmであるLD(例えば、青紫色LD)を含む場合、或いは、例示したように、発振波長が波長範囲435nm〜465nmであるLD(例えば、青色LD)、すなわち、図1等に例示した第3のLD23を含む場合により一層有効な構成である。

0119

光モジュール1が吸湿剤13を含む場合には、パッケージ10内の水分濃度の低減をより一層図ることが可能である。キャップ12の内壁に吸湿剤13を配置する形態では、吸湿剤13の配置のためにベース部材113上のスペースを使用しないため、ベース部材113上に他の光学部品(第1〜第3のコリメートレンズ31〜33等)のスペースを十分に確保しながら、例えば、第3のLD23の近くに配置することが可能である。光モジュール1が有するパッケージ10の内部空間S10が200mm3以上であれば、キャップ12の内壁に吸湿剤13を配置可能な領域を確保し易い。

0120

更に、光モジュール1では、第1のLD21、第2のLD22、第3のLD23、第1のコリメートレンズ31、第2のコリメートレンズ32、第3のコリメートレンズ33、第1の波長選択性フィルタ34及び第2の波長選択性フィルタ35がベース部材113に搭載されている。また、ベース部材113は、TEC112上に搭載されている。よって、TEC112の温度をATC(Automatic Temperature Controller)を用いて制御することによって第1のLD21、第2のLD22及び第3のLD23の温度が一定に維持される。従って、周囲の環境温度の影響を受けにくくなるので、第1のLD21、第2のLD22及び第3のLD23の発光特性を一定に維持することができる。

0121

また、TEC112によって温度が一定に維持されることにより、第1〜第3のLD21〜23と第1〜第3のコリメートレンズ31〜33との間における光結合状態の変動を抑制することができる。よって、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33から出射された第1〜第3のレーザ光L1,L2,L3のコリメート性を高く維持することができる。従って、光モジュール1の後段(第2の合波光ML2の出力側)に接続される光学系(例えば走査光学系)において第2の合波光ML2を集光させる場合に、非点収差及び球面収差を大幅に低減させることができ、色滲みが生じる可能性を低減させることが可能となる。

0122

光モジュール1では、第1〜第3のLD21〜23のそれぞれに対応して、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33のそれぞれが配置されている。そして、これらの第1〜第3のコリメートレンズ31〜33は、互いに独立した3つの第1〜第3のサブベース部材71〜73を介してベース部材113の第2の表面113b上に搭載されている。このような構成によれば、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33を固定させるための樹脂硬化型接着剤が別の第1〜第3のコリメートレンズ31〜33の固定位置にまで流れ出ることを防ぐことができる。従って、第1〜第3のLD21〜23から出射される第1のレーザ光L1、第2のレーザ光L2及び第3のレーザ光L3の光軸の変動を抑制し、光軸調整を精度良く行うことが可能となる。

0123

また、光モジュール1の製造において合波光学系30における光軸調整は、例えば、図11図13図15及び図16を利用して行うことができる。すなわち、第1のLD21の光軸方向において、第1のLD21の出射端面から所定距離、例えば1m或いは2m離れた位置に配置した撮像素子を利用して光軸調整を行い得る。このような光軸調整を経た光モジュール1では、合波光学系30から出射直後において第2の合波光ML2に含まれる第1〜第3のレーザ光L1〜L3の光軸が一致していると共に、第1のLD21から出射される第1のレーザ光L1の進行方向(或いは光路上)において第1のLD21の出射端面から上記所定距離(例えば、1m又は2m)の位置においても、第2の合波光ML2に含まれる第1〜第3のレーザ光L1〜L3の光軸が実質的に一致している。よって、光モジュール1は、光軸がより高精度で調整された第2の合波光ML2を出力できる。

0124

特に、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33の焦点距離が5mm未満である場合、光学部品の位置ズレなどの影響を受けやすく、光軸調整が困難であることが知られている。しかしながら、例えば、図11図13図15及び図16を利用して説明した方法で、光軸調整をすることで、前述したように、光軸がより高精度で調整された第2の合波光ML2を出力できる。

0125

(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る光モジュール1Aについて説明する。図17は光モジュール1Aの外観を示す斜視図であり、図18は光モジュール1Aからキャップ12Aを外した状態を示す斜視図である。図18に示したように、キャップ12Aを外した状態の光モジュール1Aを第1の実施形態の場合と同様に光学部品実装品2Aと称す。なお、図18では、便宜上、ボンディングワイヤB1〜B10等、一部の図示を省略している。

0126

図17及び図18に示したように、光モジュール1Aは、第2の合波光ML2の出射方向が、第1の実施形態と異なる。そのため、光モジュール1Aは、パッケージ10に代えてパッケージ10Aを備え、ミラー41とPD42に代えて、ビームスプリッタ44とPD45とを備えている。

0127

パッケージ10Aは、支持体11Aと、キャップ12Aとを有する。キャップ12Aは、筒状部121に透過窓124が設けられている点でキャップ12と相違する点以外は、キャップ12と同様の構成を有する。

0128

支持体11Aは、ベース部材113に代えてベース部材113Aを有する点で、支持体11と相違する点以外は、支持体11と同様の構成を有する。ベース部材113Aは、ビームスプリッタ44が配置される台座90を有する点、第6のサブベース部材76を有しない点及びPD45が配置される第3の表面113cが更に形成されている点で、ベース部材113と相違する点以外は、ベース部材113と同様の構成を有する。

0129

台座90は、第1のLD21の光軸方向(図18のX方向)において、ベース部材113Aにおける第1のLD21と反対側の端部に設けられている。第3の表面113cは、ベース部材113Aの角部に形成されている。第3の表面113cが形成されているベース部材113Aの角部は、台座90が配置されているベース部材113Aの端部と、第2及び第3のLD22,23が配置される側と反対側の端部とで形成される角部である。第3の表面113cは、第2の表面113bより低い。

0130

ビームスプリッタ44は、ベース部材113Aが有する台座90の斜面90aに接触し傾斜した状態で保持されている。ビームスプリッタ44は、例えば、樹脂硬化型接着剤によって、台座90に固定されている。ビームスプリッタ44は斜面44aを有し、斜面44aはベース部材113Aの第2の表面113bに対して例えば45度の角度を成している。PD45は、斜面44aの下方において第3の表面113c上に配置されている。

0131

また、ビームスプリッタ44の斜面44aには例えば誘電体多層膜が貼り付けられており、この斜面44aは第2の合波光ML2の一部を下方に反射させる機能を有する。すなわち、ビームスプリッタ44は、第2の波長選択性フィルタ35から出射される第2の合波光ML2の一部を下方(第3の表面113c側)に反射させると共に残部を透過させる。このように、斜面44aは、第1〜第3のレーザ光L1,L2,L3を反射させる反射面となっている。斜面44aにおいて下方に反射された第1〜第3のレーザ光L1,L2,L3は、PD45に入射する。PD45は、ビームスプリッタ44の斜面44aにおいて反射した光を受光することによって、第2の合波光ML2の強度を検知可能となっている。

0132

光モジュール1Aにおいても、キャップ12A内には、吸湿剤13が設けられてもよい。吸湿剤13の配置位置の例は、第1の実施形態の場合と同様である。

0133

以上のように構成される第2実施形態の光モジュール1Aは、第2の合波光ML2の出射方向が、第1の実施形態と異なる点及びそれに伴う上述した構成上の点以外は、光モジュール1の構成と同様である。すなわち、光モジュール1Aにおいてもパッケージ10A内の内部の水分濃度は3000ppm以下である。よって、光モジュール1Aにおいても、第1の実施形態の光モジュール1と少なくとも同様の効果が得られる。例えば、光モジュール1Aにおいてもパッケージ10A内の内部の水分濃度は3000ppm以下であることから、光モジュール1Aの信頼性の低下を抑制できており、生産性の向上が図れると共に、製造コストの低減も図れる。

0134

(実験例)
次に、光モジュールが有するパッケージ内の水分濃度が3000ppm以下である場合において、光モジュールに含まれる、発振波長が550nm以下のLDの出力劣化が抑制される点について実験例を参照して説明する。実験に使用した光モジュールを、図19に示したように、それぞれ光モジュールE1,E2,E3,E4と称す。

0135

光モジュールE1,E2,E4は、図19に示したように、製造条件が異なる点以外は、図17及び図18に示した光モジュール1Aと同様の構成を有する。したがって、光モジュールE1,E2,E4の説明において、光モジュール1Aの構成要素と対応する構成要素には、光モジュール1Aの構成要素と同様の符号を用いて説明する。光モジュールE1,E2,E4は吸湿剤13を備えていない。光モジュールE3は、光モジュールE1においてキャップ12Aの内壁に吸湿剤13を備えたものである。したがって、光モジュールE3の説明においても、光モジュール1Aの構成要素と対応する構成要素には、光モジュール1Aの構成要素と同様の符号を用いて説明する。

0136

光モジュールE1,E2,E3,E4において、第1のLD21は赤色LDチップであり発振波長は640nmであった。第2のLD22は緑色LDチップであり発振波長は525nmであった。第3のLD23は、青色LDチップであり発振波長は450nmであった。光モジュールE1〜E4のパッケージ10Aの内部空間の体積は約400mm3であった。

0137

(光モジュールE1)
光モジュールE1は、図5に示した工程にしたがって製造した。すなわち、まず、光学部品実装品2Aを作製した。光学部品実装品2Aの製造において、第1〜第3のLD21〜23は、AuSn半田によって第1〜第3のサブマウント61〜63に接着した。第1〜第3のサブマウント61〜63、TEC112、PD45及びサーミスタ43をAgペーストによってベース部材113に接着した。ベース部材113Aとして、第2の表面113bに第1〜第5のサブベース部材71〜75が一体成型されているものを用いた。

0138

合波光学系30、すなわち、第1〜第3のコリメートレンズ31〜33並びに第1及び第2の波長選択性フィルタ34,35は、紫外線硬化樹脂(デクセリアルズ製、型番:SA1801SN、樹脂種類:エポキシ系)で支持体11に接着した。ビームスプリッタ44は、紫外線硬化樹脂によって台座90に固定した。

0139

続いて、光学部品実装品2A及びキャップ12Aを、露点−50℃のドライエア雰囲気において、温度80℃で4時間、ベーク処理した後、露点−50℃のドライエア雰囲気で支持体11にキャップ12Aを抵抗溶接機で溶接した。

0140

(光モジュールE2)
実験例1の光モジュールE1の製造におけるベーク処理における温度及び処理時間を80℃及び2時間に変更した点以外は、光モジュールE1と同様にして光モジュールE2を製造した。

0141

(光モジュールE3)
光モジュールE3は、内壁に吸湿剤が設けられたキャップ12Aを使用した点以外は、光モジュールE1と同様の製造方法で製造した。吸湿剤13には、ペースト状のカルシウム系材料を使用し、キャップ12Aの内壁に塗布した。

0142

(光モジュールE4)
光モジュールE1の場合と同様にして、光学部品実装品2Aを作製した後、ベーク処理を行わずに、キャップ12Aを支持体11に接合して、光モジュールE4を製造した。キャップ12Aを支持体11に接合する際の溶接方法は、光モジュールE1の場合と同様である。

0143

(光モジュール通電試験
光モジュールE1,E3,E4に対して通電試験を行った。通電試験は、パッケージ温度を35℃とし、電流値一定で、第1〜第3のLD21〜23を同時に発光させて行った。第3のLD23の初期出力は25mWに調整しておき、試験開始から300時間経過後の第3のLD23の出力を計測し、出力劣化率を算出した。第3のLD23の出力は、出力の計測時に、第1及び第2のLD21,23の発光を停止し、PDで測定した。試験開始から300時間経過後の第3のLD23の出力をI[mW]とした場合、出力劣化率は、(I/25)×100(%)で定義した。光モジュールE1,E3,E4が有する第1及び第2のLD21,22についても第3のLD23と同様にして、出力劣化率を算出した。

0144

(水分濃度測定試験
製造した光モジュールE1,E2,E3,E4におけるパッケージ10A内の水分濃度を、MIL規格883に規定されている方法、具体的には、MIL−STD−883EにおけるMETHOD.NO.1018.2のINTERNALWATER−VAPOR CONTENTで規定されている方法に準拠して測定した。測定においては、四重極質量分析計ファイファーバキューム製、型式:QMI422/QMA−125)を使用した。なお、水分濃度測定試験に用いた光モジュールE1,E2,E3,E4は、光モジュール通電試験に用いたサンプルと同一製造条件の別サンプルであった。

0145

試験結果)
光モジュール試験結果及び水分濃度測定試験の結果を図20及び図21の通りであった。図20は、光モジュールE1,E3,E4の出力劣化率を水分濃度に対してプロットしたものである。図20において、横軸は、水分濃度(ppm)を示しており、縦軸は、出力劣化率を示している。図20において、プロット点繋ぐ破線はプロット点をフィッティングしたフィッティング曲線である。図21は、光モジュール通電試験及び水分濃度測定試験の試験結果をまとめた図表である。図21における光モジュールE2の出力劣化率は、図におけるフィッティング曲線に基づいた推定値である。

0146

図20及び図21より、水分濃度が低減するにつれて、光モジュールE1〜E4における第3のLD23、すなわち、第3のLD23の出力劣化率が低減していることがわかる。よって、パッケージ内に紫外線硬化樹脂及びAgペーストが存在していても、水分濃度を低下させることにより、第3のLD23の出力劣化を抑制できることがわかる。これは、汚染物質の移動に水分が関与しているためと考えられる。また、図20及び図21に示していないが、前述したように、光モジュール通電試験では、第1及び第2のLD21,22の出力劣化率も算出したが、第1及び第2のLD21,22においては、実質的に出力劣化は生じていなかった。したがって、出力劣化は、第3のLD23で支配的であることがわかる。

0147

また、水分濃度は、ベーク処理において例えば処理時間を調整することで低下できる。具体的には、2時間以上のベークで水分濃度は3000ppm以下となっており、4時間以上のベークで2000ppm以下となっている。更に、吸湿剤を利用することで、同じベーク処理でも更に水分濃度を低下できる(例えば、1000ppm以下とし得る)ことがわかる。

0148

更に、例えば、光モジュールにおける第3のLD23の出力劣化率として許容可能と考えられる出力劣化率20%に対応する水分濃度(ppm)は、約3050ppmである。したがって、水分濃度3000ppm以下であれば、光モジュールの製造において、紫外線硬化樹脂及びAgペーストを使用しても、第3のLD23の出力劣化率を許容可能な20%以下に抑制できる。その結果、パッケージ内の水分濃度が3000ppm以下である光モジュールでは、光モジュールの信頼性低下を抑制しながら、生産性を向上させると共に、製造コストの低減も図ることができる。ここでは、初期光出力が25mWの場合を示したが、これより光出力を低くしても集塵効果はその進行は遅くなるもの依然問題である。従って、本発明はより低光出力の光モジュールに対しても効果が得られる。

0149

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、本発明は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。

0150

例えば、これまでの光モジュールは、3つのLDを搭載していたが、光モジュールは複数のLDを備え、少なくとも一つのLDの発振波長が550nm以下であればよい。よって、光モジュールは、2個のLDを備える形態でもよいし、4個以上のLDを備える形態でもよい。光モジュールが有する複数のLDの発振波長は、例示したように全てのLDに対して異なっていなくてもよい。

0151

光モジュールが有するパッケージを構成する支持体は、TECを備えていなくてもよい。この場合、支持体は、ステムとベース部材とを有し、ステム上にベース部材が搭載されることになる。また、支持体の構成は、本発明の趣旨を逸脱しないかぎり、複数のLD及び合波光学系が搭載される部材であればよい。

0152

例えば、上記各実施形態では、第1のコリメートレンズ31によりコリメートされた第1のレーザ光L1を透過し、第2のコリメートレンズ32によりコリメートされた第2のレーザ光L2を前方に反射する第1の波長選択性フィルタ34を用いたが、この第1の波長選択性フィルタ34に代えて、第1のレーザ光L1を反射し且つ第2のレーザ光L2を透過させる波長選択性フィルタを用いることも可能である。また、第1の合波光ML1を透過し第3のレーザ光L3を反射させる第2の波長選択性フィルタ35に代えて、第1の合波光ML1を反射し第3のレーザ光L3を透過させる波長選択性フィルタを用いることも可能である。

0153

これまでの説明では、複数のLDと合波光学系を収容するパッケージの内部空間の体積は200mm3未満でもよい。ただし、パッケージが複数のLD(特に、3個以上のLD)と合波光学系を収容する場合、パッケージの内部空間の体積は、200mm3以上となりやすい。このような体積の大きいパッケージに対しては、合波光学系の支持体への接合にプロセスが簡便な樹脂硬化型接着剤を使用することで、生産性を更に高めることができる。

0154

1,1A…光モジュール、2…光学部品実装品、10,10A…パッケージ、11,11A…支持体、12,12A…キャップ、13…吸湿剤、30…合波光学系、31…第1のコリメートレンズ、32…第2のコリメートレンズ、33…第3のコリメートレンズ、34…第1の波長選択性フィルタ、35…第2の波長選択性フィルタ、61…第1のサブマウント、62…第2のサブマウント、63…第3のサブマウント、111…ステム、113,113A…ベース部材、124…透過窓、L1…第1のレーザ光、L2…第2のレーザ光、L3…第3のレーザ光、ML1…第1の合波光、ML2…第2の合波光、S10…内部空間。

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