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技術 イオン液体用イオン交換膜の処理方法及びイオン液体用イオン交換膜

出願人 JFEエンジニアリング株式会社
発明者 土居真片山靖
出願日 2015年11月18日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2015-226110
公開日 2017年6月1日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-097975
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(システム) イオン交換 燃料電池(本体)
主要キーワード 外部タンク 価バナジウムイオン 低粘性化 価バナジウム 充電用直流電源 テトラフルオロボレートアニオン ジシアナミドアニオン ビスフルオロスルホニル
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この項目の情報は公開日時点(2017年6月1日)のものです。
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図面 (11)

課題

膜抵抗が低く、イオン液体で使用できるイオン液体用イオン交換膜を提供する。

解決手段

基材となるイオン交換膜をイオン液体アニオンの0.1M以上の濃度の溶液煮沸処理して、イオン交換膜内の対イオン置換し、真空中で加熱して水分を除去した後、必要に応じて、イオン交換膜を傷めない有機溶媒(例えばエタノール)によりイオン液体を低粘性化させた状態で、真空中で100℃超〜160℃での含浸処理により、イオン液体をイオン交換膜内へ含浸する。

概要

背景

次電池は、電気繰り返し充放電することができる環境負荷の小さいエネルギー貯蔵源として注目を集めている。産業用の2次電池としては、鉛蓄電池ナトリウム硫黄(NAS)電池リチウムイオン電池レドックスフロー電池等が知られている。このうち、活物質溶液を外部のタンク等に蓄え、ポンプ等により流通型の電解セルに供給して充放電させるレドックスフロー電池は、室温で作動し、活物質が液体外部タンク貯蔵できるため、大型化が容易であり、更に他の2次電池の電解液と比べて再生が容易で長寿命であるなどの利点を有する。

このレドックスフロー電池としては、正極電解液(以下、単に正極液と称する)と負極電解液(以下、単に負極液と称する)に共にバナジウムを使うバナジウム・レドックスフロー電池が実用化されている(特許文献1、2参照)。これは、図1に例示する如く、流通型の電解セル10と、該電解セル10に挿入された、例えばカーボンフェルトグラファイトからなる正極電極(以下、単に正極と称する)14及び負極電極(以下、単に負極と称する)24と、前記電解セル10内で前記正極14側と負極24側を分離するように設けられた、例えばナフィオン等の陽イオン交換膜でなるセパレータ12と、前記電解セル10の正極14側に正極液17を供給して循環させるための正極液タンク16及びポンプ18と、同じく電解セル10の負極24側に負極液27を供給して循環させるための負極液タンク26及びポンプ28とを備えており、電解セル10に充電した電気を外部の負荷30に放電するようにされている。

ここで、バナジウム・レドックスフロー電池においては、一般的に、正極液17として5価バナジウム硫酸水溶液、負極液27として2価バナジウム硫酸水溶液、正の活物質16Aとして5価バナジウムイオンV+5、負の活物質26Aとして2価バナジウムイオンV+2、正の電解質26Bとして水素イオンH+、負の電解質16Bとして硫酸イオンSO42-、電解液の溶媒として水H2Oが用いられている。

このバナジウム・レドックスフロー電池においては、バナジウムイオン溶液が電解セル10内を循環する際にバナジウムイオンの価数が変化することで充放電が行われる。充放電による化学反応次式のとおりであり、正極14では(1)式の充放電反応が起こり、負極24では(2)式の充放電反応が起こる。

しかしながら、バナジウム・レドックスフロー電池は、電解液として水溶液を用いているので、水の電気分解により水素が発生するのを防止するため、およそ1.8V以下の起電力にしか対応できない。又、前記(1)式による正極14側の還元電位VRが1.00V、負極24側の酸化電位VOが0.26Vで、正負活物質ペアの起電力はVR+VO=1.26Vにすぎない。又、電解液のイオン濃度も1.7mol/L程度であり、理論容量29Wh/Lと、エネルギー密度が非常に低い。例えばNAS電池の場合には理論容量が180Wh/Lである。従って、電解セル10やタンク16、26を大型にする必要があり、設備費用高コストとなる。

又、レアメタル金属であるバナジウムを活物質に用いており、電解還元で作製するため高コストである。更に、セパレータ12として陽イオン交換膜を用いた場合は、バナジウムイオンと水素イオンが同じ極性であるので混ざってしまい、クロスオーバが発生するため自己放電が発生し、充放電効率が低下したり、電荷液濃度バランス崩れて充放電容量が低下する等の問題点を有していた。

一方、特許文献3〜7には、電解液の溶媒としてイオン液体を用いることが記載されている。

又、特許文献8〜10には、レドックスフロー電池用イオン交換膜処理方法が記載され、特許文献11には、燃料電池用陰イオン交換膜の製造方法が記載されている。

概要

膜抵抗が低く、イオン液体で使用できるイオン液体用イオン交換膜を提供する。基材となるイオン交換膜をイオン液体アニオンの0.1M以上の濃度の溶液で煮沸処理して、イオン交換膜内の対イオン置換し、真空中で加熱して水分を除去した後、必要に応じて、イオン交換膜を傷めない有機溶媒(例えばエタノール)によりイオン液体を低粘性化させた状態で、真空中で100℃超〜160℃での含浸処理により、イオン液体をイオン交換膜内へ含浸する。

目的

本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、膜抵抗が低くイオン液体に使用可能なイオン液体用イオン交換膜を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

基材となるイオン交換膜イオン液体アニオンの0.1M以上の濃度の溶液煮沸処理して、イオン交換膜内の対イオン置換し、真空中で加熱して水分を除去した後、真空中で100℃超〜160℃での含浸処理により、イオン液体をイオン交換膜内へ含浸することを特徴とするイオン液体用イオン交換膜の処理方法

請求項2

前記イオン液体のイオン交換膜内への含浸を、イオン交換膜を傷めない有機溶媒によりイオン液体を低粘性化させた状態で行うことを特徴とする請求項1に記載のイオン液体用イオン交換膜の処理方法。

請求項3

アニオンとしてジシアナミドアニオン(DCA-)、テトラフルオロボレートアニオン(BF4-)、ヘキサフルオロフォスフェートアニオン(PF6-)、ビスフルオロスルホニルアミドアニオン(FSA-)、又は、ビストリフルオロメチルスルホニルアミドアニオン(TFSA-)のいずれかを持つイオン液体がイオン交換膜内へ含浸されていることを特徴とするイオン液体用イオン交換膜。

技術分野

0001

本発明は、イオン液体イオン交換膜処理方法及びイオン液体用イオン交換膜に係り、特に、レドックスフロー電池セパレータとして用いるのに好適な、イオン交換膜をイオン液体に対して使用可能とするためのイオン液体用イオン交換膜の処理方法、及び、この方法によって処理されたイオン液体用イオン交換膜に関する。

背景技術

0002

次電池は、電気繰り返し充放電することができる環境負荷の小さいエネルギー貯蔵源として注目を集めている。産業用の2次電池としては、鉛蓄電池ナトリウム硫黄(NAS)電池リチウムイオン電池、レドックスフロー電池等が知られている。このうち、活物質溶液を外部のタンク等に蓄え、ポンプ等により流通型の電解セルに供給して充放電させるレドックスフロー電池は、室温で作動し、活物質が液体外部タンク貯蔵できるため、大型化が容易であり、更に他の2次電池の電解液と比べて再生が容易で長寿命であるなどの利点を有する。

0003

このレドックスフロー電池としては、正極電解液(以下、単に正極液と称する)と負極電解液(以下、単に負極液と称する)に共にバナジウムを使うバナジウム・レドックスフロー電池が実用化されている(特許文献1、2参照)。これは、図1に例示する如く、流通型の電解セル10と、該電解セル10に挿入された、例えばカーボンフェルトグラファイトからなる正極電極(以下、単に正極と称する)14及び負極電極(以下、単に負極と称する)24と、前記電解セル10内で前記正極14側と負極24側を分離するように設けられた、例えばナフィオン等の陽イオン交換膜でなるセパレータ12と、前記電解セル10の正極14側に正極液17を供給して循環させるための正極液タンク16及びポンプ18と、同じく電解セル10の負極24側に負極液27を供給して循環させるための負極液タンク26及びポンプ28とを備えており、電解セル10に充電した電気を外部の負荷30に放電するようにされている。

0004

ここで、バナジウム・レドックスフロー電池においては、一般的に、正極液17として5価バナジウム硫酸水溶液、負極液27として2価バナジウム硫酸水溶液、正の活物質16Aとして5価バナジウムイオンV+5、負の活物質26Aとして2価バナジウムイオンV+2、正の電解質26Bとして水素イオンH+、負の電解質16Bとして硫酸イオンSO42-、電解液の溶媒として水H2Oが用いられている。

0005

このバナジウム・レドックスフロー電池においては、バナジウムイオン溶液が電解セル10内を循環する際にバナジウムイオンの価数が変化することで充放電が行われる。充放電による化学反応次式のとおりであり、正極14では(1)式の充放電反応が起こり、負極24では(2)式の充放電反応が起こる。

0006

しかしながら、バナジウム・レドックスフロー電池は、電解液として水溶液を用いているので、水の電気分解により水素が発生するのを防止するため、およそ1.8V以下の起電力にしか対応できない。又、前記(1)式による正極14側の還元電位VRが1.00V、負極24側の酸化電位VOが0.26Vで、正負活物質ペアの起電力はVR+VO=1.26Vにすぎない。又、電解液のイオン濃度も1.7mol/L程度であり、理論容量29Wh/Lと、エネルギー密度が非常に低い。例えばNAS電池の場合には理論容量が180Wh/Lである。従って、電解セル10やタンク16、26を大型にする必要があり、設備費用高コストとなる。

0007

又、レアメタル金属であるバナジウムを活物質に用いており、電解還元で作製するため高コストである。更に、セパレータ12として陽イオン交換膜を用いた場合は、バナジウムイオンと水素イオンが同じ極性であるので混ざってしまい、クロスオーバが発生するため自己放電が発生し、充放電効率が低下したり、電荷液濃度バランス崩れて充放電容量が低下する等の問題点を有していた。

0008

一方、特許文献3〜7には、電解液の溶媒としてイオン液体を用いることが記載されている。

0009

又、特許文献8〜10には、レドックスフロー電池用イオン交換膜の処理方法が記載され、特許文献11には、燃料電池用陰イオン交換膜の製造方法が記載されている。

先行技術

0010

特開2014−157793号公報
特開2006−147374号公報
特表2012−518247号公報
特開2014−127358号公報
特開2010−086935号公報
特開2010−170782号公報
特開2010−244972号公報
特開2001−160409号公報
特開2008−027627号公報
国際公開WO2013/027758号公報
特開2010−092660号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、従来のイオン交換膜は水溶液に用いることを前提としており、イオン液体を含む溶液には用いることができないという問題点を有していた。

0012

なお、水溶液の場合と同様にイオン液体に単に浸漬処理したり、あるいは、ナフィオン膜不純物を除去する場合のように100℃以下の煮沸処理を行うことが考えられるが、このような処理では膜抵抗が高く使用できないという問題点を有していた。

0013

GCエンジニアリング製イオン交換膜セレミオン商品名)各種を用いた従来処理の膜抵抗測定結果(○印)と硫酸水溶液(△印)の場合の比較結果を図2に示す。最も低抵抗のセレミオンDSVの場合で、イオン交換膜の膜抵抗は硫酸水溶液の場合の約500倍あることがわかる。

0014

なお、従来処理とは、真空中で40℃加熱処理し水分を除去した後、大気中に取り出し、イオン液体に1日浸漬したものである。

0015

本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、膜抵抗が低くイオン液体に使用可能なイオン液体用イオン交換膜を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0016

本発明は、基材となるイオン交換膜をイオン液体アニオンの0.1M以上の濃度の溶液で煮沸処理して、イオン交換膜内の対イオン置換し、真空中で加熱して水分を除去した後、真空中で100℃超〜160℃での含浸処理により、イオン液体をイオン交換膜内へ含浸することにより、前記課題を解決したものである。

0017

ここで、前記イオン液体のイオン交換膜内への含浸を、イオン交換膜を傷めない有機溶媒によりイオン液体を低粘性化させた状態で行うことができる。

0018

本発明は、又、アニオンとしてジシアナミドアニオン(DCA-)、テトラフルオロボレートアニオン(BF4-)、ヘキサフルオロフォスフェートアニオン(PF6-)、ビスフルオロスルホニルアミドアニオン(FSA-)、又は、ビストリフルオロメチルスルホニルアミドアニオン(TFSA-)のいずれかを持つイオン液体がイオン交換膜内へ含浸されていることを特徴とするイオン液体用イオン交換膜を提供するものである。

発明の効果

0019

本発明によれば、基材となるイオン交換膜をイオン液体アニオンの0.1M以上の濃度の溶液で煮沸処理して、イオン交換膜内の対イオンを置換し、真空中で加熱して水分を除去した後、真空中で100℃超〜160℃での含浸処理により、イオン液体をイオン交換膜内へ含浸することにより膜抵抗を飛躍的に低減することができ、イオン液体用イオン交換膜として使用可能となる。

図面の簡単な説明

0020

従来のバナジウム・レドックスフロー電池の原理的な構成を示す図
従来例による処理を行ったイオン交換膜の膜抵抗測定結果と硫酸水溶液での結果を比較して示す図
イオン液体を用いたレドックスフロー電池の原理を説明するための充電動作時の状態を示す図
同じく放電動作時の状態を示す図
同じく正負極での反応式を示す図
同じく陰イオン交換膜の処理方法を説明するための断面図
同じく陰イオン交換膜の処理手順を示すフローチャート
本発明の原理を説明するためのイオン液体の真空含浸処理温度とイオン交換膜抵抗の関係の例を示す図
同じくアニオン置換処理でのアニオン濃度の影響を示す図
同じくイオン交換膜種とエタノール添加の効果を示す図

実施例

0021

以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。

0022

本発明の適用対象であるイオン液体を用いたレドックスフロー電池は、図1に示した従来のバナジウム・レドックスフロー電池と同様の基本的な構成において、図3図4(全体構成と充放電動作時の電子イオン動きを示す図)及び図5(反応式を示す図)に示す如く、正及び負の活物質として2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシルTEMPO)を用い、活物質TEMPOの溶媒かつ電解質としてイオン液体を用いている。

0023

図5に示すように、正極14での反応は、ニトロオキシドラジカル(TEMPOラジカルとする)が電子を放出しオキソアンモニウムカチオン(TEMPOカチオンもしくはTEMPO陽イオン)となる。一方、負極24ではTEMPOラジカルが電子を受け取りアミノオキシアニオン(TEMPOアニオンもしくはTEMPO陰イオン)となる。

0024

充電動作時の状態を示す図3から、充電用直流電源32より負極24へ電子e-が供給され、その電子e-を授受した負極液27中のTEMPOラジカル(TEMPO*)34*がTEMPO陰イオン(TEMPO-)34-となる。一方、正極液17中のTEMPOラジカル34*は正極14へ電子e-を放出し、TEMPO陽イオン(TEMPO+)34+となり、直流電源32へ電子e-を供給する。これにより負極24側の電位(負極液電位と称する)V-が低下し、正極14側の電位(正極液電位と称する)V+が上昇するため電位差ΔV1が発生し、これによる陰イオン交換膜12’の電界により対イオンであるDCAアニオン36-が負極液27から正極液17へ移動し、この電位差ΔV1を解消する。

0025

逆に、放電動作時には図4に示すように、TEMPO陰イオン34-から負極24へ電子e-が供給され、負極液27中のTEMPO陰イオン34-はTEMPOラジカル34*に戻る。負極24の電子e-は負荷30を通って正極14に移動して、正極液17中のTEMPO陽イオン34+が電子e-を受け取り、TEMPOラジカル34*に戻る。これにより負極24側の電位V-が上昇し、正極14側の電位V+が低下するため充電動作時と逆方向の電位差ΔV2が発生し、これによる陰イオン交換膜12’の電界により対イオンであるDCAアニオン36-が正極液17から負極液27へ移動し、この電位差ΔV2を解消する。

0026

イオン液体は、TEMPOと反応しないイオン液体であればどのようなものでも可能であるが、一例として1−ブチル1−メチルイミダゾリウムジシアナミド[Bmim][DCA]が挙げられる。この場合、正の電解質は、1−ブチル1−メチルイミダゾリウムカチオン(Bmim+)38+、負の電解質および対イオンとして、ジシアナミドアニオン(DCA-)36-、セパレータとして、正負の活物質TEMPOを通さず、対イオンのDCA-イオンのみを通す、孔径の小さな陰イオン交換膜12’を用いたものである。

0027

前記TEMPOは、常温固体融点約40℃)の有機ラジカル種であるが、イオン液体と混合することで、溶媒和により弱引力化されて常温で液体の状態となっている。

0028

前記陰イオン交換膜12’としては、例えばAGCエンジニアリング株式会社製の陰イオン交換膜DSV等の低抵抗交換膜ベースとし、図6及び図7に例示する如く、
(1)イオン液体アニオンの高濃度(1M)溶液(NaDCA溶液)による煮沸処理でイオン交換膜内のアニオンSO42-を対イオンであるDCA-に完全に置換した後、濯ぎにより洗浄してカチオンNa+を除去し(図7のステップ100)、
(2)例えば真空引き後グローブボックス内を加熱することにより、真空加熱して水分を除去した後(図7のステップ110)、
(3)例えば真空引きグローブボックス内を加熱することにより、イオン交換膜及び液体の酸化変質を抑止しながら、高粘度イオン液体を、必要に応じて、膜が傷まない有機溶媒(例えばエタノール等のアルコール系溶媒)で低粘性化した状態で浸潤して、イオン交換膜内へ含浸した(図7のステップ120)ものを用いることができる。

0029

イオン液体の真空含浸処理温度の検討結果を図8に示す。図8から、真空含浸温度は100℃超〜160℃、好ましくは120℃〜160℃が適切であることがわかる。即ち、100℃以下では膜抵抗が大きく、160℃を超えると変色して劣化する。

0030

同じくNaDCA濃度(M)と膜抵抗の関係の例を図9に示す。NaDCA濃度が高くなるに従い、特に濃度1M以上で膜抵抗が小さくなり、濃度0.1M未満では膜抵抗が大きいことがわかる。

0031

同じくイオン交換膜種(アストム社製AFB)とエタノール添加によるイオン液体低粘性化の効果を図10に示す。エタノール添加処理することにより、更にイオン交換膜抵抗の低減が可能であることがわかる。エタノールの他に同様の効果を示す有機溶媒としては、メタノールプロパノールイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、エチレングリコールジメチルグリコール等のエーテル系溶媒アセトニトリルジメチルホルムアミド等を挙げることができる。

0032

有機ラジカルとして正極14側、負極24側にTEMPOを用いた場合、本発明に係る陰イオン交換膜12’により、50cP以下の低粘性20cP、バナジウム・レドックスフロー電池と同等の電圧1.5Vで、2倍以上の高容量、正極側4.5M(充電)、負極側3.4M(充電)を実現できた。

0033

なお、前記実施形態においては、イオン液体として1−ブチル1−メチルイミダゾリウムジシアナミドが用いられ、正負活物質としてTEMPOが用いられていたが、イオン液体や正負活物質の種類は、これに限定されず、例えば正負活物質として、正負個々に常温固体の他の有機ラジカル種を用いることも可能である。またイオン液体は有機ラジカル種に対し、カチオンもしくはアニオンが小さいものであればよく、アニオンとしてはジシアナミドアニオン(DCA-)以外にテトラフルオロボレートアニオン(BF4-)、ヘキサフルオロフォスフェートアニオン(PF6-)、ビスフルオロスルホニルアミドアニオン(FSA-)、ビストリフルオロメチルスルホニルアミドアニオン(TFSA-)が可能である。陰イオン交換膜12’も実施形態に示したDSVやAFBをベースとするものに限定されず、カチオンを対イオンとした場合には陽イオン交換膜も可能である。電極14、24もカーボンフェルトやグラファイト製に限定されない。

0034

イオン交換膜の使用対象もレドックスフロー電池に限定されず、各種フロー電池やリチウムイオン電池、燃料電池などの各種電池や、イオン液体を用いる分離・精製プロセス化学合成触媒プロセスなどのもの一般に使用できる。

0035

10…電解セル
12’…陰イオン交換膜
14…正極(電極)
16…正極(電解)液タンク
17…正極(電解)液
24…負極(電極)
26…負極(電解)液タンク
27…負極(電解)液
30…負荷
32…充電用直流電源
34*…TEMPOラジカル
34+…TEMPO陽イオン(正極の活物質)
34-…TEMPO陰イオン(負極の活物質)
38+…Bmim+(電解質の正イオン
36-…DCA-(電解質の負イオン

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