図面 (/)
※この項目の情報は公開日時点(2017年6月1日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります
図面 (0)
図面はありません
課題
解決手段
概要
背景
サーモトロピック液晶ポリマー(以下、液晶ポリマーまたはLCPと略称する)は、機械特性、成形性、耐薬品性、ガス遮断性、耐湿性、電気特性などに優れるため、多種多様な分野の部品に用いられている。特に、耐熱性、薄肉成形性および絶縁性に優れることから、電子部品等への使用が拡大しつつある。
近年、高度情報化社会の発展とともに、パーソナル・コンピューターや携帯電話等の情報・通信分野において、情報通信機器の伝送情報量および伝達速度が爆発的に増大している。特に、マイクロ波およびミリ波の高周波領域において適応できる高性能な高周波用電子部品のニーズがより強くなってきている。
しかしながら、誘電率の高い液晶ポリマーを電気コネクタの基板として使用した場合、高周波信号が減衰してしまい、信号伝播速度が低下するといった問題が生じる。そのため、これらの電子部品に使用する液晶ポリマーは、低誘電率であることが求められている。
一般に、液晶ポリマーにガラス繊維およびガラスバルーンが配合された液晶性ポリエステル樹脂組成物(特許文献1)は誘電率が低いことが知られている。また、液晶ポリマーの誘電率を低下させるために、アスペクト比4以上の繊維状充填材および特定粒子径の無機球状中空体が配合された液晶ポリエステル組成物が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、上記液晶ポリエステル組成物は、液晶ポリマー中でガラスビーズや無機球状中空体が破損したり、均一に分散しないといったことにより、組成物の物性が低下したり、物性にムラが発生するなどの問題があった。
したがって、液晶ポリマーの物性を低下させることなく、樹脂自体の誘電率が低く、誘電特性に優れた液晶ポリマーが求められていた。
概要
液晶ポリマーの物性を低下させることなく、樹脂自体が低誘電率化された、誘電特性に優れた液晶ポリマーを提供すること。 式(I)で表されるビフェニルフルオレン化合物、およびそれらの反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)と、他の重合性単量体(B)とから構成される共重合体である、液晶ポリマー。なし
目的
本発明の目的は、液晶ポリマーの物性を低下させることなく、樹脂自体が低誘電率化された、誘電特性に優れた液晶ポリマーを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
式(I)で表されるビフェニルフルオレン化合物、およびそれらの反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)と、他の重合性単量体(B)とから構成される共重合体である、液晶ポリマー。(R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基またはアリール基を示し、X1およびX2は、同一または異なって、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を示す。)
請求項2
X1およびX2がいずれもヒドロキシル基である、請求項1に記載の液晶ポリマー。
請求項3
重合性単量体(A)が、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび/または9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、およびそれらの反応性誘導体からなる群から選択される、請求項1または2に記載の液晶ポリマー。
請求項4
重合性単量体(A)の合計量が、他の重合性単量体(B)の合計量100モル部に対して0.01〜30モル部である、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ポリマー。
請求項5
他の重合性単量体(B)が、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよび脂肪族ジオールからなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶ポリマー。
請求項6
他の重合性単量体(B)が芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ポリマー。
請求項7
他の重合性単量体(B)が、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の液晶ポリマー。
請求項8
請求項9
他の重合性単量体(B)が、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールである、請求項1〜8のいずれかに記載の液晶ポリマー。
請求項10
芳香族ジカルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項5、7または9に記載の液晶ポリマー。
請求項11
芳香族ジオールが、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレンおよびビスフェノールAからなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項5、7または9に記載の液晶ポリマー。
請求項12
請求項13
技術分野
背景技術
0002
サーモトロピック液晶ポリマー(以下、液晶ポリマーまたはLCPと略称する)は、機械特性、成形性、耐薬品性、ガス遮断性、耐湿性、電気特性などに優れるため、多種多様な分野の部品に用いられている。特に、耐熱性、薄肉成形性および絶縁性に優れることから、電子部品等への使用が拡大しつつある。
0003
近年、高度情報化社会の発展とともに、パーソナル・コンピューターや携帯電話等の情報・通信分野において、情報通信機器の伝送情報量および伝達速度が爆発的に増大している。特に、マイクロ波およびミリ波の高周波領域において適応できる高性能な高周波用電子部品のニーズがより強くなってきている。
0004
しかしながら、誘電率の高い液晶ポリマーを電気コネクタの基板として使用した場合、高周波信号が減衰してしまい、信号伝播速度が低下するといった問題が生じる。そのため、これらの電子部品に使用する液晶ポリマーは、低誘電率であることが求められている。
0005
一般に、液晶ポリマーにガラス繊維およびガラスバルーンが配合された液晶性ポリエステル樹脂組成物(特許文献1)は誘電率が低いことが知られている。また、液晶ポリマーの誘電率を低下させるために、アスペクト比4以上の繊維状充填材および特定粒子径の無機球状中空体が配合された液晶ポリエステル組成物が提案されている(特許文献2)。
0006
しかしながら、上記液晶ポリエステル組成物は、液晶ポリマー中でガラスビーズや無機球状中空体が破損したり、均一に分散しないといったことにより、組成物の物性が低下したり、物性にムラが発生するなどの問題があった。
0007
したがって、液晶ポリマーの物性を低下させることなく、樹脂自体の誘電率が低く、誘電特性に優れた液晶ポリマーが求められていた。
先行技術
0008
特開2004−323705号公報
特開2004−143270号公報
発明が解決しようとする課題
0009
本発明の目的は、液晶ポリマーの物性を低下させることなく、樹脂自体が低誘電率化された、誘電特性に優れた液晶ポリマーを提供することにある。
課題を解決するための手段
0010
本発明者等は、液晶ポリマーの低誘電率化について鋭意検討した結果、フルオレン構造を有するビフェニル化合物に由来する繰返し単位を液晶ポリマーの構成成分とすることによって、得られる液晶ポリマーの誘電率が低下することを見出し、本発明を完成させるに至った。
0011
すなわち本発明は、式(I)で表されるビフェニルフルオレン化合物、およびそれらの反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)と、他の重合性単量体(B)とから構成される液晶ポリマーを提供する。
0012
(R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基またはアリール基を示し、X1およびX2は、同一または異なって、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を示す。)
発明の効果
0013
本発明の液晶ポリマーは、液晶ポリマーの物性を低下させることなく、樹脂自体が低誘電率化されているため、高周波用電子部品などの成形用樹脂として好適に用いられる。
0014
本発明の液晶ポリマーは、異方性溶融相を形成するポリエステルまたはポリエステルアミドであり、当該技術分野においてサーモトロピック液晶ポリエステル又はサーモトロピック液晶ポリエステルアミドと呼ばれるものであれば特に限定されない。
0015
本明細書において、重合性単量体の「反応性誘導体」とは、目的とする構成単位を導入できる反応性を有する単量体の誘導体を言うものとする。本発明において用い得る好適なフルオレン構造を含むビスフェノール化合物またはジカルボン酸化合物の反応性誘導体としては、フルオレン構造を含むビスフェノール化合物またはジカルボン酸化合物のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、アシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体、ならびにこれら置換体のアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が例示される。置換基としてのアルキル基またはアルコキシ基としては、炭素原子数6までのものが好適に用いられる。式(I)で表されるフルオレン構造を含むビスフェノール化合物またはジカルボン酸化合物、およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)として、1種のみの化合物を用いてもよく、2種以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
0016
本明細書において、「芳香族」とは縮合環数が4までの芳香族基を含む化合物を意味するものとする。また、「脂肪族」とは、炭素原子数2〜12の、分岐を有していてもよい飽和または不飽和炭素鎖を含む化合物を示すものとする。
0017
本発明の液晶ポリマーに用いる、式(I)で表されるフルオレン構造を含むビスフェノール化合物またはジカルボン酸化合物としては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン等が挙げられ、液晶ポリマーの低誘電率化効果に優れる点で、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンまたは9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。
0018
本発明の液晶ポリマーに用いる、式(I)で表されるフルオレン構造を含むビスフェノール化合物またはジカルボン酸化合物およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)の合計量は、他の重合性単量体(B)の合計量100モル部に対して、0.01〜30モル部であることが好ましく、0.1〜20モル部であることがより好ましく、0.5〜15モル部であることがさらに好ましい。重合性単量体(A)の合計量が他の重合性単量体(B)の合計量100モル部に対して30モル部を超えると、重合が困難になる傾向がある。重合性単量体(A)の合計量が他の重合性単量体(B)の合計量100モル部に対して0.01モル部未満であると、低誘電率化効果が得られない傾向がある。
0019
本発明の液晶ポリマーに用いる他の重合性単量体(B)としては、従来の液晶ポリマーに用いられる単量体、例えば芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。これら化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、ヒドロキシ基および/またはアミノ基を有する単量体を少なくとも1種用いることが望ましい。
0020
本発明の液晶ポリマーに用いる他の重合性単量体(B)は、前記化合物の1種以上が結合してなるオリゴマーであってもよい。なお、本明細書および特許請求の範囲における、他の重合性単量体(B)の量については、「重合性単量体」をオリゴマーとして用いる場合であっても、当該オリゴマーを構成する単量体ユニットに基づいて算出するものとする。
0021
芳香族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−5−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−7−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらの中でも、4−ヒドロキシ安息香酸もしくは6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸またはその組み合わせが、得られる液晶ポリマーの耐熱性および機械強度ならびに融点を調節し易いという点でより好ましい。なお、本発明における芳香族ヒドロキシカルボン酸には、上記式(I)で示される化合物は包含されないものとする。
0022
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、3,4’−ジカルボキシビフェニルおよび4,4’−ジカルボキシターフェニル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらの中でも、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸が好適に用いられ、特に得られる液晶ポリマーの耐熱性を効果的に高められる点で、テレフタル酸が好ましい。なお、本発明における芳香族ジカルボン酸には、上記式(I)で示される化合物は包含されないものとする。
0023
芳香族ジオールの具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェノールエーテル、2,2’−ジヒドロキシビナフチルおよびビスフェノールA、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらの中でも、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレンが好適に用いられ、特に重合時の反応性に優れる点において、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルまたは2,6−ジヒドロキシナフタレンが好ましい。なお、本発明における芳香族ジオールには、上記式(I)で示される化合物は包含されないものとする。
0024
芳香族アミノカルボン酸の具体例としては、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
0025
芳香族ヒドロキシアミンの具体例としては、4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルエーテル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルメタン、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルスルフィドおよび2,2’−ジアミノビナフチル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらの中でも、4−アミノフェノールが得られる液晶ポリマーの耐熱性および機械強度のバランスをとりやすいことから好ましく用いられる。
0026
芳香族ジアミンの具体例としては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体等が挙げられる。
0027
脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ならびにそれらのアシル化物等が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオールを含有するポリマーを、前記の芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させてもよい。
0028
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。これらの中でも、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸が重合時の反応性に優れることから好ましく用いられる。
0029
本発明の液晶ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、チオエステル結合を含むものであってもよい。このような結合を与える単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの単量体の使用量は、他の重合性単量体(B)の合計量に対して10モル部以下であるのが好ましい。
0030
他の重合性単量体(B)として、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸からなる群から選択される2種以上の化合物を併用することは、本発明の好ましい態様の一つである。これら重合性単量体のうち、芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む組合せがより好適に用いられ、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールを含む組合せがさらに好適に用いられる。これらの中でも、他の重合性単量体(B)が4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールである組合せが特に好適に用いられる。
0031
本発明の液晶ポリマーに用いる他の重合性単量体(B)の具体例としては、例えば下記の組み合わせからなるものが挙げられる:
1)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸共重合体
2)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
3)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
4)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン共重合体
5)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
6)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン共重合体
7)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
8)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
9)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
10)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
11)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
12)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
13)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
14)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
15)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
16)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
17)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
18)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
19)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
20)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル /4−アミノフェノール共重合体
21)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
22)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
23)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
24)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
25)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体。
0033
以下、本発明の液晶ポリマーの製造方法について説明する。
0034
本発明の液晶ポリマーを製造する方法に特に制限はなく、式(I)で表されるフルオレン構造を含むビスフェノール化合物またはジカルボン酸化合物およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)ならびに他の重合性単量体(B)を、エステル結合またはアミド結合を形成させる公知の縮重合方法、たとえば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などに供することにより本発明の液晶ポリマーを得ることができる。
0035
溶融アシドリシス法は、本発明の液晶ポリマーを製造するのに好ましい方法である。この方法は、最初に重合性単量体を加熱して反応物質の溶融溶液を形成し、次いで縮重合反応を続けて溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合の最終段階で副生する揮発物(たとえば酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。
0037
溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいずれの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用される重合性単量体(A)ならびに他の重合性単量体(B)はいずれも、常温において、ヒドロキシル基および/またはアミノ基をアシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。
0040
溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれの場合においても、重合反応は、温度150〜400℃、好ましくは250〜380℃で、常圧および/または減圧下で行うのがよく、必要に応じて触媒を用いてもよい。
0041
触媒の具体例としては、ジアルキルスズオキシド(たとえばジブチルスズオキシド)、ジアリールスズオキシドなどの有機スズ化合物;二酸化チタン;三酸化アンチモン;アルコキシチタンシリケート、チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物;カルボン酸のアルカリおよびアルカリ土類金属塩(たとえば酢酸カリウム);ルイス酸(たとえば三フッ化硼素)、ハロゲン化水素(たとえば塩化水素)などの気体状酸触媒などが挙げられる。
0042
触媒を使用する場合、該触媒の量は他の重合性単量体(B)全量に対し、好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは2〜100ppmである。
0044
ペレット状、フレーク状、または粉末状の液晶ポリマーは、分子量を高め耐熱性を向上させる目的などで、減圧下、真空下、または窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下において、実質的に固相状態で熱処理を行ってもよい。
0045
上記のようにして得られた、本発明の液晶ポリマーには、無機充填剤および/または有機充填材、以下に説明する他の添加剤、および他の樹脂成分から選択される一種以上を配合して、液晶ポリマー組成物としてもよい。
0046
本発明の液晶ポリマーに配合してもよい無機または有機充填材は、繊維状、板状または粒状のものであってよく、たとえばガラス繊維、ミルドガラス、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、ウォラストナイト、タルク、マイカ、グラファイト、炭酸カルシウム、ドロマイト、クレイ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、硫酸バリウム、および酸化チタンが挙げられる。これらの中では、ガラス繊維が物性とコストのバランスが優れている点で好ましい。これらの充填材は、2種以上を併用してもよい。
0047
本発明の液晶ポリマー組成物における、無機または有機充填材の合計量は、液晶ポリマー100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは5〜100重量部である。前記の無機または有機充填材の合計量が液晶ポリマー100重量部に対して200重量部を超える場合には、液晶ポリマー組成物の成形加工性が低下する傾向や、成形機のシリンダーや金型の磨耗が大きくなる傾向がある。
0048
本発明の液晶ポリマーには、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤、例えば高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、炭素原子数10〜25のものをいう)、ポリシロキサン、フッ素樹脂などの離型改良剤;染料、顔料などの着色剤;酸化防止剤;熱安定剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;界面活性剤などを配合してもよい。これらの添加剤は1種のみを配合してもよく、または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
0049
本発明の液晶ポリマー組成物における他の添加剤の合計量は、液晶ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。他の添加剤の合計量が液晶ポリマー100重量部に対して10重量部を超える場合には、液晶ポリマー組成物の成形加工性が低下する傾向や、熱安定性が悪くなる傾向がある。
0050
また、本発明の液晶ポリマーもしくは液晶ポリマー組成物を成形するに際し、上記他の添加剤のうち高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の外部滑剤効果を有する添加剤を、予め、液晶ポリマーのペレット表面に付着せしめてもよい。
0051
本発明の液晶ポリマーには、他の樹脂成分を添加してもよい。他の樹脂成分としては、たとえばポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、およびその変性物、ならびにポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。他の樹脂成分は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。他の樹脂成分の配合量は特に限定的ではなく、液晶ポリマーの用途や目的に応じて適宜定めればよい。一つの典型的な例において、他の樹脂成分の合計量は、液晶ポリマー100重量部に対して0.1〜100重量部、特に0.1〜80重量部である。
0052
本発明の液晶ポリマー組成物は、無機充填剤、有機充填剤、他の添加剤および/または他の樹脂成分等を液晶ポリマー中に添加し、これをバンバリーミキサー、ニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリマーの結晶融解温度近傍から結晶融解温度プラス100℃までの温度範囲で溶融混練して得ることができる。
0053
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
0054
実施例における特性値は以下の方法によって測定した。
0055
〈溶融粘度〉
溶融粘度測定装置(東洋精機(株)製キャピログラフ1D)により、0.7mmφ×10mmのキャピラリーを用いて、溶融粘度を測定した。
溶融粘度が低いほど成形時の流動性に優れることを意味する。
0056
〈結晶融解温度〉
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ(株)製ExstAr6000)を用いて、試料を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)を測定した後、Tm1より20〜50℃高い温度で10分間保持した。次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却し、さらに再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を結晶融解温度(Tm)とした。
0057
〈誘電率〉
試料を、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製NEX-15-1E)を用いて表1に記載の条件で、長さ85mm、幅1.70mm、厚さ1.70mmのスティック状試験片に成形し、その試験片を用いて、ネットワークアナライザー(アジレントテクノロジー社製PNAシリーズE8316A)にて10GHzにおける誘電率をJIS C2565に準拠する空洞共振器摂動法により測定した。
0058
0059
実施例1
下記化合物を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に25〜170℃の間を50分かけて昇温し、170℃で30分保った後、375℃まで4時間かけて昇温し、さらに375℃で10分反応させた後、375℃で減圧を行った。次いで1時間かけて10torrまで減圧し、所定の撹拌トルクに達した時点で重縮合を完結させた。反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。
4−ヒドロキシ安息香酸: 314.2g(35モル部)
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸: 61.2g(5モル部)
ハイドロキノン: 114.5g(16モル部)
4,4’−ビフェノール: 157.3g(13モル部)
テレフタル酸: 323.9g(30モル部)
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン: 22.8g(1モル部)
無水酢酸: 688.4g(103モル部)
0060
得られたペレットを成形し、誘電率を測定した。その結果を得られた樹脂の溶融粘度および結晶融解温度とともに表2に示した。
0061
実施例2
下記化合物を反応容器に仕込んだ以外は実施例1と同様にして液晶ポリマーのペレットを得た。
4−ヒドロキシ安息香酸: 314.2g(35モル部)
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸: 61.2g(5モル部)
ハイドロキノン: 85.9g(12モル部)
4,4’−ビフェノール: 157.3g(13モル部)
テレフタル酸: 323.9g(30モル部)
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン: 113.9g(5モル部)
無水酢酸: 688.7g(103モル部)
0062
得られたペレットを成形し、誘電率を測定した。その結果を得られた樹脂の溶融粘度および結晶融解温度とともに表2に示した。
0063
実施例3
下記化合物を反応容器に仕込んだ以外は実施例1と同様にして液晶ポリマーのペレットを得た。
4−ヒドロキシ安息香酸: 314.2g(35モル部)
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸: 61.2g(5モル部)
ハイドロキノン: 68.0g(9.5モル部)
4,4’−ビフェノール: 157.3g(13モル部)
テレフタル酸: 323.9g(30モル部)
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン: 170.8g(7.5モル部)
無水酢酸: 689.0g(103モル部)
0064
得られたペレットを成形し、誘電率を測定した。その結果を得られた樹脂の溶融粘度および結晶融解温度とともに表2に示した。
0065
実施例4
下記化合物を反応容器に仕込んだ以外は実施例1と同様にして液晶ポリマーのペレットを得た。
4−ヒドロキシ安息香酸: 314.2g(35モル部)
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸: 61.2g(5モル部)
ハイドロキノン: 50.1g(7モル部)
4,4’−ビフェノール: 157.3g(13モル部)
テレフタル酸: 323.9g(30モル部)
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン: 227.8g(10モル部)
無水酢酸: 689.2g(103モル部)
0066
得られたペレットを成形し、誘電率を測定した。その結果を得られた樹脂の溶融粘度および結晶融解温度とともに表2に示した。
0067
実施例5
下記化合物を反応容器に仕込んだ以外は実施例1と同様にして液晶ポリマーのペレットを得た。
4−ヒドロキシ安息香酸: 314.2g(35モル部)
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸: 61.2g(5モル部)
ハイドロキノン: 85.9g(12モル部)
4,4’−ビフェノール: 157.3g(13モル部)
テレフタル酸: 323.9g(30モル部)
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン: 123.0g(5モル部)
無水酢酸: 688.1g(103モル部)
0068
得られたペレットを成形し、誘電率を測定した。その結果を得られた樹脂の溶融粘度および結晶融解温度とともに表2に示した。
0069
実施例6
下記化合物を反応容器に仕込んだ以外は実施例1と同様にして液晶ポリマーのペレットを得た。
4−ヒドロキシ安息香酸: 385.1g(42.9モル部)
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸: 192.1g(15.7モル部)
ハイドロキノン: 112.4g(15.7モル部)
テレフタル酸: 223.5g(20.7モル部)
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン: 113.9g(5モル部)
無水酢酸: 688.3g(103モル部)
0070
得られたペレットを成形し、誘電率を測定した。その結果を得られた樹脂の溶融粘度および結晶融解温度とともに表2に示した。
0071
比較例1
下記化合物を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に40〜170℃の間を1時間かけて昇温し、170℃で30分保った後、350℃まで7.5時間かけて昇温し、さらに350℃で10分反応させた後、350℃で減圧を行った。次いで1.5時間かけて5torrまで減圧し、所定の撹拌トルクに達した時点で重縮合を完結させた。反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。
4−ヒドロキシ安息香酸: 314.2g(35モル部)
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸: 61.2g(5モル部)
ハイドロキノン: 121.7g(17モル部)
4,4’−ビフェノール: 157.3g(13モル部)
テレフタル酸: 323.9g(30モル部)
無水酢酸: 684g(103モル部)
0072
得られたペレットを成形し、誘電率を測定した。その結果を得られた樹脂の溶融粘度および結晶融解温度とともに表2に示した。
0073
比較例2
下記化合物を反応容器に仕込んだ以外は比較例1と同様にして液晶ポリマーのペレットを得た。
4−ヒドロキシ安息香酸: 377.0g(42モル部)
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸: 195.7g(16モル部)
ハイドロキノン: 150.3g(21モル部)
テレフタル酸: 226.7g(21モル部)
無水酢酸: 684g(103モル部)
0074
得られたペレットを成形し、誘電率を測定した。その結果を得られた樹脂の溶融粘度および結晶融解温度とともに表2に示した。
0075
実施例
0076
表2に示される通り、ビフェニルフルオレン化合物を含む液晶ポリマー(実施例1〜6)は、ビフェニルフルオレン化合物を含まない液晶ポリマー(比較例1〜2)と比較して、10GHzにおける誘電率が低いことがわかる。したがって、本発明の液晶ポリマーは、液晶ポリマー自体が低誘電率化されているため、ガラスビーズやガラスバルーン等を含有させることによる物性の低下を生じさせることなく用いることができることが理解される。
技術視点だけで見ていませんか?
この技術の活用可能性がある分野
分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成