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技術 脂肪組織または胎盤組織に由来する接着性細胞および治療におけるその使用

出願人 プルリステムリミテッド
発明者 メイロン,モラントレン,アミルオフィル,レイチェルアバーマン,ザミドロリ-カーミ,ニリット
出願日 2017年2月8日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2017-021090
公開日 2017年6月1日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-095516
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 医療用材料
主要キーワード 大がま クリーンルーム施設 CPM測定 分離用容器 支持条件 OFLO 流量バルブ pH測定
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

脂肪組織又は胎盤組織由来する接着性細胞を使用して疾患を処置する方法の提供。

解決手段

虚血及び/又は結合組織再生並びに/或いは修復を処置することにおける使用のための医薬品を製造するための、胎盤組織及び脂肪組織から選択される組織の接着性細胞の使用であって、二次元接着性細胞選択、及びそれに続く三次元マトリックス上での又はバイオリアクター中の三次元設定における接着性培養によって単離された接着性細胞、及びその使用。

概要

背景

発展し続ける医学界では、非常に多量の成体幹細胞細胞移植および組織工学のためにますます求められている。加えて、成体幹細胞治療は、様々な状態を処置および治療するために、例えば、造血系障害心臓疾患パーキンソン病アルツハイマー病、脳卒中、火傷筋ジストロフィー自己免疫障害糖尿病および関節炎などを処置および治療するために途切れることなく発展し続けている。

近年では、かなりの活動が、損傷した器官(例えば、脳、心臓、骨および肝臓など)の組織修復を含む様々な医学的用途のための間葉系間質細胞MSC)の治療的可能性、および、骨髄移植(BMT)の支持におけるその治療的可能性に集中している。MSCは、例えば、骨髄脂肪組織胎盤および血液から得られる不均一な細胞集団であり、様々な生物活性因子からの影響に依存して、異なるタイプの間葉系の成熟細胞(例えば、細網内皮細胞線維芽細胞脂肪細胞骨形成性前駆体細胞)に分化することができる。したがって、MSCが、新しい組織(例えば、骨、軟骨および脂肪など)を傷害修復または病的組織の置換のために作るための基礎として、また、遺伝的疾患および後天的疾患のための処置として再生医療において広範囲に研究されている[FibbeおよびNoort、Ann NY Acad Sci(2003)、996:235〜44;Horwitz他、Cytotherapy(2005)、7(5):393〜5;ZimmetおよびHare、Basic Res Cardiol(2005)、100(6):471〜81]。さらに、MSCの多能能力、その容易な単離および培養、ならびに、その大きい潜在的なエクスビボ拡大能はMSCを魅力のある治療ツールにしている[FibbeおよびNoort、上掲;Minguell他、Exp Biol Med(Maywood)(2001)、226(6):507〜20]。

胎盤由来のMSCは、他の組織から単離されるMSCに共通する多くのマーカー(例えば、CD105、CD73、CD90およびCD29)を示し、造血系細胞マーカー、内皮細胞マーカーおよび栄養膜特異的な細胞マーカー発現を示さない。脂肪生成分化、骨形成分化および神経形成分化が、胎盤由来MSCを適切な条件のもとで培養した後で達成されている[Yen他、Stem Cells(2005)、23(1):3〜9]。さらに、胎盤から単離され、インビトロ培養されたMSCは、MSCと類似する様式で免疫特権を有することが明らかにされている。したがって、胎盤は、実験および臨床での様々な用途のためのMSCの倫理的議論の余地のない、容易に入手可能な供給源を提供する[Zhang他、Exp Hematol(2004)、32(7):657〜64]。

本発明者らは、胎盤由来MSCを拡大するために好適な三次元(3D)培養条件を以前に考案している(PCT出願番号IL2007/000380)(これはその全体において参照によって本明細書中にすべてが組み込まれる)。

MSCの主たる臨床的使用が下記にまとめられる。

虚血
末梢動脈疾患PAD
末梢動脈疾患(PAD)は、重篤な医学的合併症を引き起こし得る、四肢における血流を徐々に制限する慢性疾患である。この疾患は多くの場合、高血圧心臓血管疾患高脂血症、糖尿病、肥満および脳卒中を含む、他の臨床的状態に付随する。重症虚血肢(CLI)が、慢性的な虚血により誘導される四肢における痛み、潰瘍、組織喪失または組織壊疽を有する患者を説明するために使用される。CLIは、血管手術または血管専門家による包括的処置を必要とするPAD患者の末期段階を表す。冠状動脈疾患および脳動脈疾患とは対照的に、末梢動脈疾患(PAD)は依然として、重篤であり、かつ、患者数が極めて多いにもかかわらず、診断されることが希であり、したがって、処置されることが一層より少ない、正当に評価されていない状態である。結果として、CLIは、四肢の切断または死に至ることが多く、PAD患者における死亡率心筋梗塞および脳卒中の患者の死亡率を超えている。

虚血状態を処置するための試みでは、様々な成体幹細胞が使用されている。例えば、脂肪組織由来間質細胞(ADSC)と、内皮細胞(EC)との共培養は、主にVEGFおよびHGF分泌により、ECの生存性、遊走および管形成における著しい増大をもたらした。間質細胞が虚血マウス後肢移植された4週間後、血管形成スコアが改善された[Nakagami他、J Atheroscler Thromb(2006)、13(2):77〜81]。Moon他[Cell Physiol Biochem(2006)、17:279〜90]は、脂肪組織由来の始原体細胞(ADSC)により、四肢の虚血が免疫不全マウスにおいて処置され得るかを試験しており、レーザードップラー灌流指数における著しい増大をADSC移植群において明らかにしている。

加えて、臍帯血(UCB)由来間葉系幹細胞が、医学的処置および外科的治療を既に受けていたバーガー病の4名の男性に移植されたとき、虚血性休息痛が男性の冒された四肢から突然に消失した[Kim他、Stem Cells(2006)、24(6):1620〜6]。そのうえ、満期胎盤の胎膜から単離されたヒト間葉系幹細胞FMhMSC)の、梗塞を生じさせたラット心臓への移植では、増大した毛細管密度左心室機能の正常化、および、瘢痕組織における著しい減少を伴い、このことが、幹細胞酪酸およびレチノイン酸とのヒアルロナン混合エステルにより前処理されたときに高まった[Ventura他(2007)、J.Biol.Chem.、282:14243〜52]。

脳卒中
脳卒中は世界中で主要な死亡原因の1つであり、脳卒中により、全死亡のおよそ9%が引き起こされ、医療費全体の約2%〜4%が費やされる。脳卒中の死亡率が、おそらくは脳卒中の危険因子(特に、高い血圧、糖尿病および喫煙)の改善された抑制のために先進国では絶えず低下しているが、脳卒中は依然として、永続的な損傷(例えば、組織損傷神経学的損傷)を引き起こしている。

脳卒中のための新しい処置療法には、幹細胞治療が含まれる。幹細胞または始原体を、局所的であっても、または、静脈経路を介してであっても、傷害を受けた部位に移植して、機能しない細胞に取って代わり、内因性の幹細胞または始原体細胞の増殖および/または分化を高め、かつ、必要な免疫調節因子を供給することが、細胞に基づく主たる戦略として意図されており、細胞に基づく主たる戦略としての立場である。脳卒中のための幹細胞/始原体細胞の潜在的供給源には、胎児神経幹細胞胚性幹細胞、神経奇形腫細胞、臍帯血由来造血系幹細胞骨髄由来幹細胞および胎盤由来間葉系幹細胞が含まれる[Andres他、Neurosurg Focus(2008)、24(3−4):E16]。

近年の研究において、Koh他[Koh他、Brain Res.(2008)]は、移植されたヒト臍帯血由来間葉系幹細胞(hUC−MSC)の神経保護効果および神経保護機構虚血性脳卒中ラットモデルにおいて調べた。インビトロでのニューロン分化が誘導された20日後、hUC−MSCはニューロン形態学的特徴を示し、ニューロン細胞マーカーおよびニューロン因子(例えば、神経膠細胞系由来神経栄養因子脳由来神経栄養因子)を発現した。さらに、免疫抑制された虚血性脳卒中ラットの損傷した半球へのhUC−MSCのインビボ移植は、コントロールラットと比較して、神経行動学的機能を改善し、梗塞体積を低下させた。移植の3週間後、hUC−MSCが、損傷を受けた半球に存在し、かつ、ニューロン特異的マーカーを発現したが、それにもかかわらず、これらの細胞は、機能的に活性なニューロン細胞になっていなかった。

整形外科用
様々な状態および病変結合組織(例えば、骨、および靱帯)の再生および/または修復を必要とする。これらには、例えば、骨折、火傷、熱傷深部創傷変性骨、結合組織の喪失を伴う様々なガン(例えば、骨ガン骨肉腫骨転移)、および、関節軟骨欠損が含まれる。

治癒を高めるための自家BM−MSCの使用が動物およびヒトの様々な整形外科用途のために記載されており、そのような使用には、靱帯治癒のための骨髄の経皮注入(Carstanjcn他、2006)、整形外科診療所における骨髄の自家移植片または同種移植片による骨欠損の処置(Horwitz他、1999;Horwitz他、2002)、臨界サイズの骨欠損の再生で、イヌにおいて、ヒドロキシアパタイトリン酸三カルシウムからなるセラミック円柱負荷された同種骨髄MSC[ArinzehTL他、J Bone Joint Surg Am(2003)、85−A(10):1927〜35]または自家骨髄MSC[Bruder SP他、J Bone Joint Surg Am、1998(Jul)、80(7):985〜96]を使用する再生、あるいは、ウサギにおいて同種末梢血由来MSCを使用する再生(Chao他、2006)、および、ヒヒにおいてMSC移植を使用する広範囲の骨形成(Livingston他、2003)が含まれる。

ウマの整形外科分野において、BMおよび脂肪を供給源とする間葉系幹細胞が、実験的には、軟骨下骨嚢胞外科的処置骨折修復[KrausおよびKirker−Head、Vet Surg(2006)、35(3):232〜42]および軟骨修復[Brehm他、Osteoarthritis Cartilage(2006)、14(12):1214〜26;Wilke他、J Orthop Res(2007)、25(7):913〜25]のために使用されており、また、臨床的には、ウマにおける、酷使により誘導される腱の傷害の処置において使用されている。さらに、様々な異なる治療的取り組みが、ウマにおける提靱帯治癒を促進させるために使用されている(Herthel、2001)。Herthel(2001)は、自然の靱帯再生刺激するための、自家幹細胞および関連する骨髄成分の病変部内注入を伴う、提靱帯治癒を容易にするための新規生物学的取り組みを明らかにしている。

傷害を受けた腱についてのウサギモデルにおいて、MSC処置された組織が、自然の修復された組織よりも強く、堅かったことが示された(Gordon他、2005)。加えて、腱のすき間への培養MSCの播種は、著しく改善された修復生体力学をもたらした(Young他、1998;Osiris Therapeutics、www.osiris.com)。

Osiris社のChondrogen(成体間葉系幹細胞)が現在、安全性および効力を評価するために患者において試験されている。MSC処置を受けた動物において、コ
トロール動物との比較では、手術により除かれた半月板組織が再生され、軟骨表面が保護され、かつ、緩和された関節損傷が認められた。これらの利益が、少なくとも1年間を通して動物モデルにおいて持続した(Osiris Therapeutics、www.osiris.com)。

概要

脂肪組織又は胎盤組織に由来する接着性細胞を使用して疾患を処置する方法の提供。虚血及び/又は結合組織の再生並びに/或いは修復を処置することにおける使用のための医薬品を製造するための、胎盤組織及び脂肪組織から選択される組織の接着性細胞の使用であって、二次元接着性細胞選択、及びそれに続く三次元マトリックス上での又はバイオリアクター中の三次元設定における接着性培養によって単離された接着性細胞、及びその使用。なし

目的

したがって、胎盤は、実験および臨床での様々な用途のためのMSCの倫理的に議論の余地のない、容易に入手可能な供給源を提供する

効果

実績

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請求項1

虚血をその必要性のある対象において処置する方法であって、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織接着性細胞治療効果的な量を対象に投与し、それにより、虚血を対象において処置することを含む方法。

請求項2

結合組織再生および/または修復を必要とする医学的状態をその必要性のある対象において処置する方法であって、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の治療効果的な量を対象に投与し、それにより、結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態を対象において処置することを含む方法。

請求項3

虚血を処置するために特定される医薬品を製造するための、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の使用。

請求項4

結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態を処置するために特定される医薬品を製造するための、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の使用。

請求項5

虚血を処置することにおける使用のための表示を含む包装材を含む製造物であって、前記包装材により、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の医薬的に効果的な量が包装される製造物。

請求項6

結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態を処置することにおける使用のための表示を含む包装材を含む製造物であって、前記包装材により、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の医薬的に効果的な量が包装される製造物。

請求項7

前記接着性細胞は免疫反応を対象において抑制することができる、請求項1,2,3,4,5または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項8

前記接着性細胞の少なくとも10%が増殖期にある、請求項1,2,3,4,5または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項9

前記虚血は末梢動脈疾患PAD)である、請求項1,3または5に記載の方法、使用または製造物。

請求項10

前記末梢動脈疾患(PAD)は重症虚血肢(CLI)である、請求項9に記載の方法、使用または製造物。

請求項11

前記虚血は中枢神経系(CNS)の虚血を含む、請求項1,3または5に記載の方法、使用または製造物。

請求項12

前記虚血が、末梢動脈疾患、虚血性血管疾患虚血性心臓疾患、虚血性脳疾患、虚血性腎臓疾患および虚血性胎盤からなる群から選択される、請求項1,3または5に記載の方法、使用または製造物。

請求項13

前記接着性細胞は三次元(3D)培養から得られる、請求項1,2,3,4,5または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項14

前記三次元(3D)培養は3Dバイオリアクターを含む、請求項13に記載の方法、使用または製造物。

請求項15

前記細胞を3D培養において培養することが灌流下で行われる、請求項13に記載の方法、使用または製造物。

請求項16

前記三次元培養培養条件が、ポリエステルおよびポリプロピレンからなる群から選択される接着性材料を含む、請求項13に記載の方法、使用または製造物。

請求項17

前記細胞を培養することが少なくとも3日間にわたって行われる、請求項1,2,3,4,5または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項18

前記細胞を培養することが、前記細胞の少なくとも10%が増殖中になるまで行われる、請求項1,2,3,4,5または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項19

前記接着性細胞は、CD73、CD90、CD29およびCD105からなる群から選択される陽性マーカー発現を含む、請求項1,2,3,4,5または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項20

前記接着性細胞は、CD3、CD4、CD45、CD80、HLA−DR、CD11b、CD14、CD19、CD34およびCD79からなる群から選択される陰性のマーカー発現を含む、請求項1,2,3,4,5または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項21

前記接着性細胞は、本質的には本明細書中で記載されるような発現プロフィルを含む、請求項1,2,3,4,5または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項22

前記接着性細胞は、間質幹細胞表現型を含む細胞を含む、請求項1,2,3,4,5または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項23

前記間質幹細胞表現型はT細胞抑制活性を含む、請求項22に記載の方法、使用または製造物。

請求項24

前記結合組織は、、骨および/または靱帯を含む、請求項2,4または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項25

前記結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態が、骨折骨ガン熱傷関節軟骨欠損および深部創傷からなる群から選択される、請求項2,4または6に記載の方法、使用または製造物。

請求項26

前記医学的状態が、軟骨下骨嚢胞、骨折、骨粗鬆症変形性関節炎変性骨、骨ガン、軟骨損傷、関節軟骨欠損、変性椎間板疾患、骨形成不全症(OI)、火傷、熱傷、深部創傷、遅れ創傷治癒傷害を受けた腱、および、傷害を受けた靱帯からなる群から選択される、請求項2,4または6に記載の方法、使用または製造物。

技術分野

0001

本発明は、脂肪組織または胎盤組織由来する接着性細胞を使用して疾患を処置する方法に関し、より具体的には、虚血、ならびに/あるいは、結合組織再生および/または修復を必要とする医学的状態を、そのような接着性細胞を使用して処置する方法に関する。

背景技術

0002

発展し続ける医学界では、非常に多量の成体幹細胞細胞移植および組織工学のためにますます求められている。加えて、成体幹細胞治療は、様々な状態を処置および治療するために、例えば、造血系障害心臓疾患パーキンソン病アルツハイマー病、脳卒中、火傷筋ジストロフィー自己免疫障害糖尿病および関節炎などを処置および治療するために途切れることなく発展し続けている。

0003

近年では、かなりの活動が、損傷した器官(例えば、脳、心臓、骨および肝臓など)の組織修復を含む様々な医学的用途のための間葉系間質細胞MSC)の治療的可能性、および、骨髄移植(BMT)の支持におけるその治療的可能性に集中している。MSCは、例えば、骨髄、脂肪組織、胎盤および血液から得られる不均一な細胞集団であり、様々な生物活性因子からの影響に依存して、異なるタイプの間葉系の成熟細胞(例えば、細網内皮細胞線維芽細胞脂肪細胞骨形成性前駆体細胞)に分化することができる。したがって、MSCが、新しい組織(例えば、骨、軟骨および脂肪など)を傷害の修復または病的組織の置換のために作るための基礎として、また、遺伝的疾患および後天的疾患のための処置として再生医療において広範囲に研究されている[FibbeおよびNoort、Ann NY Acad Sci(2003)、996:235〜44;Horwitz他、Cytotherapy(2005)、7(5):393〜5;ZimmetおよびHare、Basic Res Cardiol(2005)、100(6):471〜81]。さらに、MSCの多能能力、その容易な単離および培養、ならびに、その大きい潜在的なエクスビボ拡大能はMSCを魅力のある治療ツールにしている[FibbeおよびNoort、上掲;Minguell他、Exp Biol Med(Maywood)(2001)、226(6):507〜20]。

0004

胎盤由来のMSCは、他の組織から単離されるMSCに共通する多くのマーカー(例えば、CD105、CD73、CD90およびCD29)を示し、造血系細胞マーカー、内皮細胞マーカーおよび栄養膜特異的な細胞マーカー発現を示さない。脂肪生成分化、骨形成分化および神経形成分化が、胎盤由来MSCを適切な条件のもとで培養した後で達成されている[Yen他、Stem Cells(2005)、23(1):3〜9]。さらに、胎盤から単離され、インビトロ培養されたMSCは、MSCと類似する様式で免疫特権を有することが明らかにされている。したがって、胎盤は、実験および臨床での様々な用途のためのMSCの倫理的議論の余地のない、容易に入手可能な供給源を提供する[Zhang他、Exp Hematol(2004)、32(7):657〜64]。

0005

本発明者らは、胎盤由来MSCを拡大するために好適な三次元(3D)培養条件を以前に考案している(PCT出願番号IL2007/000380)(これはその全体において参照によって本明細書中にすべてが組み込まれる)。

0006

MSCの主たる臨床的使用が下記にまとめられる。

0007

虚血
末梢動脈疾患PAD
末梢動脈疾患(PAD)は、重篤な医学的合併症を引き起こし得る、四肢における血流を徐々に制限する慢性疾患である。この疾患は多くの場合、高血圧心臓血管疾患高脂血症、糖尿病、肥満および脳卒中を含む、他の臨床的状態に付随する。重症虚血肢(CLI)が、慢性的な虚血により誘導される四肢における痛み、潰瘍、組織喪失または組織壊疽を有する患者を説明するために使用される。CLIは、血管手術または血管専門家による包括的処置を必要とするPAD患者の末期段階を表す。冠状動脈疾患および脳動脈疾患とは対照的に、末梢動脈疾患(PAD)は依然として、重篤であり、かつ、患者数が極めて多いにもかかわらず、診断されることが希であり、したがって、処置されることが一層より少ない、正当に評価されていない状態である。結果として、CLIは、四肢の切断または死に至ることが多く、PAD患者における死亡率心筋梗塞および脳卒中の患者の死亡率を超えている。

0008

虚血状態を処置するための試みでは、様々な成体幹細胞が使用されている。例えば、脂肪組織由来間質細胞(ADSC)と、内皮細胞(EC)との共培養は、主にVEGFおよびHGF分泌により、ECの生存性、遊走および管形成における著しい増大をもたらした。間質細胞が虚血マウス後肢移植された4週間後、血管形成スコアが改善された[Nakagami他、J Atheroscler Thromb(2006)、13(2):77〜81]。Moon他[Cell Physiol Biochem(2006)、17:279〜90]は、脂肪組織由来の始原体細胞(ADSC)により、四肢の虚血が免疫不全マウスにおいて処置され得るかを試験しており、レーザードップラー灌流指数における著しい増大をADSC移植群において明らかにしている。

0009

加えて、臍帯血(UCB)由来の間葉系幹細胞が、医学的処置および外科的治療を既に受けていたバーガー病の4名の男性に移植されたとき、虚血性休息痛が男性の冒された四肢から突然に消失した[Kim他、Stem Cells(2006)、24(6):1620〜6]。そのうえ、満期胎盤の胎膜から単離されたヒト間葉系幹細胞FMhMSC)の、梗塞を生じさせたラット心臓への移植では、増大した毛細管密度左心室機能の正常化、および、瘢痕組織における著しい減少を伴い、このことが、幹細胞酪酸およびレチノイン酸とのヒアルロナン混合エステルにより前処理されたときに高まった[Ventura他(2007)、J.Biol.Chem.、282:14243〜52]。

0010

脳卒中
脳卒中は世界中で主要な死亡原因の1つであり、脳卒中により、全死亡のおよそ9%が引き起こされ、医療費全体の約2%〜4%が費やされる。脳卒中の死亡率が、おそらくは脳卒中の危険因子(特に、高い血圧、糖尿病および喫煙)の改善された抑制のために先進国では絶えず低下しているが、脳卒中は依然として、永続的な損傷(例えば、組織損傷神経学的損傷)を引き起こしている。

0011

脳卒中のための新しい処置療法には、幹細胞治療が含まれる。幹細胞または始原体を、局所的であっても、または、静脈経路を介してであっても、傷害を受けた部位に移植して、機能しない細胞に取って代わり、内因性の幹細胞または始原体細胞の増殖および/または分化を高め、かつ、必要な免疫調節因子を供給することが、細胞に基づく主たる戦略として意図されており、細胞に基づく主たる戦略としての立場である。脳卒中のための幹細胞/始原体細胞の潜在的供給源には、胎児神経幹細胞胚性幹細胞、神経奇形腫細胞、臍帯血由来造血系幹細胞骨髄由来幹細胞および胎盤由来間葉系幹細胞が含まれる[Andres他、Neurosurg Focus(2008)、24(3−4):E16]。

0012

近年の研究において、Koh他[Koh他、Brain Res.(2008)]は、移植されたヒト臍帯血由来間葉系幹細胞(hUC−MSC)の神経保護効果および神経保護機構虚血性脳卒中ラットモデルにおいて調べた。インビトロでのニューロン分化が誘導された20日後、hUC−MSCはニューロン形態学的特徴を示し、ニューロン細胞マーカーおよびニューロン因子(例えば、神経膠細胞系由来神経栄養因子脳由来神経栄養因子)を発現した。さらに、免疫抑制された虚血性脳卒中ラットの損傷した半球へのhUC−MSCのインビボ移植は、コントロールラットと比較して、神経行動学的機能を改善し、梗塞体積を低下させた。移植の3週間後、hUC−MSCが、損傷を受けた半球に存在し、かつ、ニューロン特異的マーカーを発現したが、それにもかかわらず、これらの細胞は、機能的に活性なニューロン細胞になっていなかった。

0013

整形外科用
様々な状態および病変が結合組織(例えば、骨、および靱帯)の再生および/または修復を必要とする。これらには、例えば、骨折、火傷、熱傷深部創傷変性骨、結合組織の喪失を伴う様々なガン(例えば、骨ガン骨肉腫骨転移)、および、関節軟骨欠損が含まれる。

0014

治癒を高めるための自家BM−MSCの使用が動物およびヒトの様々な整形外科用途のために記載されており、そのような使用には、靱帯治癒のための骨髄の経皮注入(Carstanjcn他、2006)、整形外科診療所における骨髄の自家移植片または同種移植片による骨欠損の処置(Horwitz他、1999;Horwitz他、2002)、臨界サイズの骨欠損の再生で、イヌにおいて、ヒドロキシアパタイトリン酸三カルシウムからなるセラミック円柱負荷された同種骨髄MSC[ArinzehTL他、J Bone Joint Surg Am(2003)、85−A(10):1927〜35]または自家骨髄MSC[Bruder SP他、J Bone Joint Surg Am、1998(Jul)、80(7):985〜96]を使用する再生、あるいは、ウサギにおいて同種末梢血由来MSCを使用する再生(Chao他、2006)、および、ヒヒにおいてMSC移植を使用する広範囲の骨形成(Livingston他、2003)が含まれる。

0015

ウマの整形外科分野において、BMおよび脂肪を供給源とする間葉系幹細胞が、実験的には、軟骨下骨嚢胞外科的処置骨折修復[KrausおよびKirker−Head、Vet Surg(2006)、35(3):232〜42]および軟骨修復[Brehm他、Osteoarthritis Cartilage(2006)、14(12):1214〜26;Wilke他、J Orthop Res(2007)、25(7):913〜25]のために使用されており、また、臨床的には、ウマにおける、酷使により誘導される腱の傷害の処置において使用されている。さらに、様々な異なる治療的取り組みが、ウマにおける提靱帯治癒を促進させるために使用されている(Herthel、2001)。Herthel(2001)は、自然の靱帯再生刺激するための、自家幹細胞および関連する骨髄成分の病変部内注入を伴う、提靱帯治癒を容易にするための新規生物学的取り組みを明らかにしている。

0016

傷害を受けた腱についてのウサギモデルにおいて、MSC処置された組織が、自然の修復された組織よりも強く、堅かったことが示された(Gordon他、2005)。加えて、腱のすき間への培養MSCの播種は、著しく改善された修復生体力学をもたらした(Young他、1998;Osiris Therapeutics、www.osiris.com)。

0017

Osiris社のChondrogen(成体間葉系幹細胞)が現在、安全性および効力を評価するために患者において試験されている。MSC処置を受けた動物において、コ
トロール動物との比較では、手術により除かれた半月板組織が再生され、軟骨表面が保護され、かつ、緩和された関節損傷が認められた。これらの利益が、少なくとも1年間を通して動物モデルにおいて持続した(Osiris Therapeutics、www.osiris.com)。

0018

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、虚血をその必要性のある対象において処置する方法が提供され、この場合、この方法は、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の治療効果的な量を対象に投与し、それにより、虚血を対象において処置することを含む。

0019

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態をその必要性のある対象において処置する方法が提供され、この場合、この方法は、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の治療効果的な量を対象に投与し、それにより、結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態を対象において処置することを含む。

0020

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、虚血を処置するために特定される医薬品を製造するための、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の使用が提供される。

0021

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態を処置するために特定される医薬品を製造するための、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の使用が提供される。

0022

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、虚血を処置することにおける使用のための表示を含む包装材を含む製造物であって、包装材により、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の医薬的に効果的な量が包装される製造物が提供される。

0023

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態を処置することにおける使用のための表示を含む包装材を含む製造物であって、包装材により、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞の医薬的に効果的な量が包装される製造物が提供される。

0024

本発明のいくつかの実施形態によれば、接着性細胞は免疫反応を対象において抑制することができる。

0025

本発明のいくつかの実施形態によれば、接着性細胞の少なくとも10%が増殖期にある。

0026

本発明のいくつかの実施形態によれば、虚血は末梢動脈疾患(PAD)である。

0027

本発明のいくつかの実施形態によれば、末梢動脈疾患(PAD)は重症虚血肢(CLI)である。

0028

本発明のいくつかの実施形態によれば、虚血は中枢神経系(CNS)の虚血を含む。

0029

本発明のいくつかの実施形態によれば、虚血が、末梢動脈疾患、虚血性血管疾患虚血性心臓疾患、虚血性脳疾患、虚血性腎臓疾患および虚血性胎盤からなる群から選択される

0030

本発明のいくつかの実施形態によれば、接着性細胞は三次元(3D)培養から得られる。

0031

本発明のいくつかの実施形態によれば、三次元(3D)培養は3Dバイオリアクターを含む。

0032

本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞を3D培養において培養することが灌流下で行われる。

0033

本発明のいくつかの実施形態によれば、三次元培養の培養条件が、ポリエステルおよびポリプロピレンからなる群から選択される接着性材料を含む。

0034

本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞を培養することが少なくとも3日間にわたって行われる。

0035

本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞を培養することが、細胞の少なくとも10%が増殖中になるまで行われる。

0036

本発明のいくつかの実施形態によれば、接着性細胞は、CD73、CD90、CD29およびCD105からなる群から選択される陽性マーカー発現を含む。

0037

本発明のいくつかの実施形態によれば、接着性細胞は、CD3、CD4、CD45、CD80、HLA−DR、CD11b、CD14、CD19、CD34およびCD79からなる群から選択される陰性のマーカー発現を含む。

0038

本発明のいくつかの実施形態によれば、接着性細胞は、本質的には本明細書中で記載されるような発現プロフィルを含む。

0039

本発明のいくつかの実施形態によれば、接着性細胞は、間質幹細胞表現型を含む細胞を含む。

0040

本発明のいくつかの実施形態によれば、間質幹細胞表現型はT細胞抑制活性を含む。

0041

本発明のいくつかの実施形態によれば、結合組織は、腱、骨および/または靱帯を含む。

0042

本発明のいくつかの実施形態によれば、結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態が、骨折、骨ガン、熱傷、関節軟骨欠損および深部創傷からなる群から選択される。

0043

本発明のいくつかの実施形態によれば、医学的状態が、軟骨下骨嚢胞、骨折、骨粗鬆症変形性関節炎、変性骨、骨ガン、軟骨損傷、関節軟骨欠損、変性椎間板疾患、骨形成不全症(OI)、火傷、熱傷、深部創傷、遅れ創傷治癒、傷害を受けた腱、および、傷害を受けた靱帯からなる群から選択される。

0044

別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明
の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。

図面の簡単な説明

0045

本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施形態を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。

0046

図1A〜Gは、3D担体を含有するバイオリアクターシステムにおいて作製される骨様微小環境を示す。図1A〜Bは、天然骨(図1A)と、骨の微小環境を模倣する、接着性細胞を播種した7日後のPluriX(商標)3D担体の構造(図1B)との比較を示す電子顕微鏡写真である。図1C〜Fは、骨髄から作製される接着性細胞が播種されたPluriX(商標)3Dマトリックスを播種後20日で示す電子顕微鏡写真(図1C〜D、それぞれ150倍および250倍に拡大)および播種後40日で示す電子顕微鏡写真(図1E〜F、それぞれ350倍および500倍に拡大)である。図1Gは、個々の部分を数字で定義したPlurix3Dプラグフローバイオリアクターの略図である:培養培地リザーバー(1)、ガス混合物供給(2)、フィルター(3)、注入点(4)、3D担体が設置されるカラム(5)、流量モニター(6)、流量バルブ(6a)、分離用容器(7)、細胞成長分析計(8)、蠕動ポンプ(9)、サンプル採取点(10)、溶存O2測定電極(11)、pH測定電極(12)、制御システム(13)、新鮮成長培地(14)、使用後の成長培地(15)。

0047

図2は、バイオリアクターシステム内の3D成長条件成長させた、胎盤由来の接着性細胞の異なる製造ロットロット5〜8)を示すグラフである。接着性細胞(2×106個)を10000〜15000細胞/担体の密度でバイオリアクターに播種した。12日間の培養の後、3D接着性細胞は150000〜250000細胞/担体の密度、すなわち、150個の担体を含有するバイオリアクターにおいて22.5〜37.5×106個に達した。

0048

図3A〜Bは、従来の2D培養条件で培養された胎盤細胞における膜マーカー(明紫色)に対して比較されたときの、胎盤由来の3D接着性細胞における発現した膜マーカー(暗紫色)の発現レベルにおける差を示す棒グラフである。接着性細胞をフラスコ(2D)において4〜6週間成長させ、または、ポリスチレン担体(3D)でバイオリアクターシステムにおいて2〜3週間成長させた。細胞をフラスコまたは担体のいずれかから集めた後、細胞をインキュベートし、接着性細胞に特徴的な膜マーカー(図3A)または造血細胞に特徴的な膜マーカー(図3B)を認識するモノクローナル抗体(MAb)のパネルに結合させた。3D培養の接着性細胞において発現されるMSC膜マーカーと比較して、CD90、CD105、CD73およびCD29の膜マーカーについて示されるように、2D培養の細胞におけるMSC膜マーカーが著しく高く発現することに留意すべきである。特に、2D培養の細胞における87%に対して、CD105は3D培養の細胞において56%の発現を示した(図3A)。2Dおよび3D培養両者の接着性細胞は造血系の膜マーカーを何ら発現しなかった(図3B)。

0049

図4Aは、2Dおよび3D条件のもとで培養された、胎盤から作製される接着性細胞、または、そのような接着性細胞の馴化培地におけるタンパク質レベルの比較を示す棒グラフである。図4Aは、2Dおよび3D培養接着性細胞の馴化培地においてELISAによって分析されたときの、1×106細胞/mlについて正規化されたFlt−3リガンドのレベルをpg/ml単位で示す。結果は3回の独立した実験のうちの1つを表す。タンパク質サンプルを、2D条件下で成長させた接着性細胞(白色棒)、および、3D条件下で成長させた接着性細胞(灰色棒)から採取した。図は2つの反復実験の1つを表す。2Dおよび3D培養条件の細胞および馴化培地でのいくつかのタンパク質の発現レベルにおける差に留意すべきである。

0050

図4Bは、2Dおよび3D条件のもとで培養された、胎盤から作製される接着性細胞、または、そのような接着性細胞の馴化培地におけるタンパク質レベルの比較を示す棒グラフである。図4Bは、2Dおよび3D培養接着性細胞の馴化培地においてELISAによって分析されたときの、1×106細胞/mlについて正規化されたIL−6のレベルをpg/ml単位で示す。結果は3回の独立した実験のうちの1つを表す。タンパク質サンプルを、2D条件下で成長させた接着性細胞(白色棒)、および、3D条件下で成長させた接着性細胞(灰色棒)から採取した。図は2つの反復実験の1つを表す。2Dおよび3D培養条件の細胞および馴化培地でのいくつかのタンパク質の発現レベルにおける差に留意すべきである。

0051

図4Cは、2Dおよび3D条件のもとで培養された、胎盤から作製される接着性細胞、または、そのような接着性細胞の馴化培地におけるタンパク質レベルの比較を示す棒グラフである。図4Cは、2Dおよび3D培養接着性細胞の馴化培地においてELISAによって分析されたときの、1×106細胞/mlについて正規化されたSCFのレベルをpg/ml単位で示す。結果は3回の独立した実験のうちの1つを表す。タンパク質サンプルを、2D条件下で成長させた接着性細胞(白色棒)、および、3D条件下で成長させた接着性細胞(灰色棒)から採取した。図は2つの反復実験の1つを表す。2Dおよび3D培養条件の細胞および馴化培地でのいくつかのタンパク質の発現レベルにおける差に留意すべきである。

0052

図4Dは、2Dおよび3D条件のもとで培養された、胎盤から作製される接着性細胞、または、そのような接着性細胞の馴化培地におけるタンパク質レベルの比較を示す棒グラフである。図4Dは、両者間で比較される、iTRAQ試薬により標識されたタンパク質サンプルを用いた質量分析法によって分析されたときの、種々の細胞タンパク質の発現レベルを示す。タンパク質サンプルを、2D条件下で成長させた接着性細胞(白色棒)、および、3D条件下で成長させた接着性細胞(灰色棒)から採取した。図は2つの反復実験の1つを表す。2Dおよび3D培養条件の細胞および馴化培地でのいくつかのタンパク質の発現レベルにおける差に留意すべきである。

0053

図5A〜Dは、骨芽細胞への胎盤由来3D接着性細胞のインビトロ分化能を示す顕微鏡写真である。ヒトの胎盤由来接着性細胞を、骨形成誘導培地(10%のFCS、100nMのデキサメタゾン、0.05mMのアスコルビン酸2−リン酸、10mMのB−グリセロリン酸を含有するDMEM)で3週間の期間、培養した。図5A〜Bは、アリザリンレッドS染色によって示されるように、石灰化したマトリックスを発現する細胞を示す。図5C〜Dは、骨形成誘導培地により処理されず、線維芽細胞様の表現型を維持したコントロール細胞を示し、石灰化を表していない。

0054

図6は、移植後3.5週間で化学療法(連続した2週間にわたる25mg/kgのブスルファン腹腔内注入)により処置されたNOD−SCIマウスの骨髄(BM)において検出されるヒトCD45+細胞の割合を示すグラフである。単核臍帯血由来細胞から精製されたCD34+細胞(100000個)だけを移植し(5匹のマウス、a)、または、2D条件で培養された0.5×106個の胎盤由来の接着性細胞(2D接着性細胞)と同時移植し(2匹のマウス、b)、または、pluriX(商標)バイオリアクターにおいて3D条件で培養された胎盤由来の接着性細胞(3D接着性細胞)と同時移植した(5匹のマウス、c)。その後、BMをマウスの大腿骨および脛骨から回収した。BMにおけるヒト細胞フローサイトメトリーによって検出した。CD45を発現するヒト細胞の割合を、細胞を抗ヒトCD45−FITCとインキュベートすることによって求めた。HSCだけにより処置されたマウス(a)におけるヒト細胞の割合と比較して、2D接着性細胞が同時移植されたマウス(b)、同様にまた、3D接着性細胞が同時移植されたマウス(c)の骨髄におけるヒト細胞(hCD45+)の割合がより高いことに留意すべきである。3D接着性細胞培養細胞により処置されたマウスにおいて、2D接着性細胞培養細胞により処置されたマウスと比較してより大きい生着が認められ、このことは、3D培養の接着性細胞に特有なより大きい治療上の利点を示している。

0055

図7A〜Bは、脂肪組織由来の接着性細胞が同時移植された場合のCD34+細胞(図7B)と比較した、CD34+細胞のみが移植されたマウス(図7A)におけるヒト移植片のCD45+細胞のFACS分析である。ヒトCD34+だけにより処置されたマウス(7B、約12%)と比較して、脂肪組織由来の接着性細胞が同時移植されたマウスにおけるヒト造血集団(hCD45+)の割合が著しく高い(7A、約29%)ことに留意すべきである。

0056

図8Aは、ヒト臍帯血単核細胞(CB)と、等量の放射線照射(3000Rad)された臍帯血細胞(iCB)、ヒト末梢血由来単球(PBMC)、2D培養(2D)もしくは3D培養(3D)の胎盤由来の接着性細胞、または、PBMC、および2Dおよび3D培養の胎盤由来の接着性細胞の混合物(PBMC+2DおよびPBMC+3D)との間で行われた混合リンパ球反応を示すグラフである。CB細胞集団のサイズが、培養の最後の18時間の期間中に測定された(CPM単位で測定される)3H−チミジン取り込みによって表される。刺激されたCB細胞増殖が上昇するので、免疫応答のレベルがより大きくなる。接着性細胞とインキュベートされた細胞によって示される免疫応答レベルがより低くなること、および、特に、接着性細胞と同時インキュベートされたときにPBMCに対するCB免疫応答が低下することに留意すべきである。3回の反復がそれぞれの反応について行われた。

0057

図8Bは、Celligen(商標)による胎盤由来の3D接着性細胞(PLX−C細胞と称される)の作製を示す流れ図である。

0058

図8Cは、The New Brunswick Scientific社のウエブサイトから改作された、Celligen(商標)バイオリアクター槽およびポートの略図である。

0059

図9Aは、Celligenによって作製される3D接着性細胞(PLX−Cと称される)の細胞周期分析を示す。細胞を70%EtOHにおいて一晩固定処理し、遠心分離し、ヨウ化プロピジウム(PI)溶液再懸濁し、その後、FACSによって分析した。

0060

図9Bは、Plurixによって作製される3D接着性細胞(PLXと称される)の細胞周期分析を示す。細胞を70%EtOHにおいて一晩固定処理し、遠心分離し、ヨウ化プロピジウム(PI)溶液に再懸濁し、その後、FACSによって分析した。

0061

図10A−Cは、内皮に典型的なマーカーのPLX−C表面での発現ではなく、線維芽細胞に典型的なマーカーのPLX−C表面での発現を示す。図10Aは内皮マーカーCD31の陰性の発現を示し、図10Bは内皮マーカーKDRの陰性の発現を示し、図10Cはヒト線維芽細胞マーカー(D7−FIB)の陽性の発現を示す。イソ型IgG1(FITC)についての赤色ヒストグラム陰性コントロールを表し、一方、青色ヒストグラムは、陽性に染色された細胞を表すことに留意すること。

0062

図11A−Dは、PLX−C細胞表面における刺激分子および共刺激分子の発現を示す。図11AはCD80のPLX−C発現を示し、図11BはCD86のPLX−C発現を示し、図11CはCD40のPLX−C発現を示し、図11DはHLA−A/B/CのPLX−C発現を示す。陰性コントロールが、関連したイソ型蛍光分子により調製された。赤色ヒストグラムは細胞のPLX−Cマーカー発現集団を示し、青色ヒストグラムは細胞の骨髄(BM)マーカー発現集団を示し、緑色ヒストグラムは細胞の単核細胞(MNC)マーカー発現集団を示すことに留意すること。

0063

図12Aは、PLX−Cによるリンパ球増殖阻害を示す。図12Aは、2×105個の末梢血(PB)由来MNC(ドナーA)が等量の放射線照射(3000Rad)されたPB由来MNC(ドナーB)により刺激され、その後、増大する量のPLX−C細胞が培養物に加えられたことにより行われたMLR試験を示す。各群の3つの反復反応物が96ウエルプレートに播種された。増殖速度が[3H]チミジン取り込みによって測定された。図12Bは、ConA(1.5mg/ml)により刺激された末梢血(PB)由来MNCを示す。増大する量のPLX−C細胞が培養物に加えられた。各群の3つの反復反応物が96ウエルプレートに播種された。増殖速度が[3H]チミジン取り込みによって測定された。

0064

図13A−Bは、末梢血細胞との共培養の後での前炎症性サイトカイン分泌および抗炎症性サイトカイン分泌のPLX−C調節を示す。図13A〜図13Bは、ConAにより刺激される(末梢血から単離された)ヒト由来MNCをPLX−Cと共培養した後でのIFNγの分泌(図13A)およびTNFαの分泌(図13B)を示す。

0065

図13Cは、末梢血細胞との共培養の後での前炎症性サイトカイン分泌および抗炎症性サイトカイン分泌のPLX−C調節を示す。図13Cは、LPSにより刺激される(末梢血から単離された)ヒト由来MNCをPLX−Cと共培養した後でのIFNγ、TNFαおよびIL−10の分泌を示す。上清が集められ、ELISAを使用するサイトカイン分析に供された。

0066

図14は、PLX−C細胞に感染させるために使用されたルシフェラーゼ発現ベクターを示す。OmicsLinkから得られる発現ベクターLv33をこの場合には使用した。ルシフェラーゼ遺伝子ORF内クローン化された。

0067

図15は、感染PLX−C細胞による高いルシフェラーゼ発現を示す。細胞にルシフェラーゼ発現ベクターを感染させ、細胞を感染後48時間でIVISシステムによって可視化した。様々な細胞が高いレベルのルシフェラーゼ発現を示したことに留意すること。

0068

図16A−Bは、SCID/Beigeマウスへの2×106個のルシフェラーゼ発現PLX−C細胞の注射を示す。1匹のマウスがIM注射され、1匹のマウスがIV注射された。注射を受けたマウスを、PLX−Cのインビボ生体分布を評価するためにIVISシステムを使用してモニターした。1日目のIVIS結果(図16A)および4日目のIVIS結果(図16B)が示される。

0069

図16C−Dは、SCID/Beigeマウスへの2×106個のルシフェラーゼ発現PLX−C細胞の注射を示す。1匹のマウスがIM注射され、1匹のマウスがIV注射された。注射を受けたマウスを、PLX−Cのインビボ生体分布を評価するためにIVISシステムを使用してモニターした。6日目のIVIS結果(図16C)および22日目のIVIS結果(図16D)が示される。

0070

図17は、本発明の接着性細胞(PLX−Cと称される)により処置されたマウスのおよび足における増大した灌流を示すグラフである。図はマウスの腰および足における灌流パーセントメジアンを示す。腰および足での血流を、手術後0日目、6日目、9日目、14日目および21日目に両側から非接触レーザードップラーを使用して測定した(示されるのは、21日目における測定結果である)。結果が、実験期間中の正常な肢における血流に対する虚血肢における血流の比率として表される。

0071

図18は、肢機能および虚血性損傷のインビボ評価を示すグラフである。虚血肢の損なわれた使用の半定量的評価を、下記のスコアシステムを使用して連続的に行った:3=足の引きずり、2=引きずりがないが、足底屈もない、1=足底屈、および、0=足指曲げて、尾の穏やかな牽引抵抗する。

0072

図19A−Cは、PLX−C処置の後での増大した毛細管密度を示す。図19Aは、PBSにより処置されたマウスにおける毛細管密度を示し、図19Bは、PLX−C細胞により処置されたマウスにおける毛細管密度を示し、図19Cは、筋肉細胞あたりの毛細管の数を示す棒グラフである。増大した毛細管密度が、特異的な毛細管染色によって明らかにされるように、誘導された肢虚血の後、コントロールマウスにおいてではなく、PLX−C処置マウスにおいて認められたことに留意すること。

0073

20A−Bは、PLX−C投与の後での低下した酸化ストレスおよび内皮炎症を示す。図20Aは、酸化ストレスを示す棒グラフであり(ニトロチロシン染色)、図20Bは、内皮炎症を示す棒グラフである(VCAM評価)。低下した酸化ストレスおよび内皮炎症が、PLX−Cにより処置されたマウスにおいて認められることに留意すること。

0074

本発明は、いくつかの実施形態において、組織における血管形成を、胎盤組織または脂肪組織の接着性細胞を使用して増大させる方法、ならびに、虚血、あるいは、結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態を、胎盤組織または脂肪組織の接着性細胞を使用して処置する方法に関する。

0075

本発明の原理および作用が、図面および付随する説明を参照してより十分に理解されることができる。

0076

本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明において示される細部、または、実施例によって例示される細部に限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、または、様々な方法で実施または実行される。また、本明細書中で用いられる表現法および用語法記述のためであって、限定であると見なしてはならないことを理解しなければならない。

0077

本発明を実施に移しているとき、本発明者らは、胎盤組織または脂肪組織から得られる接着性細胞が、組織における血管形成を増大させることにおいて、また、虚血、ならびに、結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態を処置することにおいて非常に効率的であることを発見している。

0078

本明細書中下記において、また、下記の実施例の節の実施例1〜実施例8において例示されるように、本発明者らは、間質幹細胞の性質を含む脂肪由来接着性細胞および胎盤由来接着性細胞を拡大することができた。それに従って拡大された細胞は、接着アッセイおよび再集団化アッセイによって立証されるように、凍結保存後生存可能であることが見出された(実施例1を参照のこと)。胎盤由来接着性細胞のフローサイトメトリー分析では、全く異なったマーカー発現プロフィルが明らかにされた(図3A〜図3Bを参照のこと)。下記の実施例の節の実施例6においてさらに示されるように、胎盤由来接着性細胞の移植は、動脈結紮を受けたマウス(虚血後肢モデル)の腰および足における血流を著しく誘導し(図17)、肢の機能を著しく改善し(図18)、毛細管密度を増大させ(図19A〜図19C)、また、酸化ストレスおよび内皮炎症を低下させた(図20A〜図20B)。

0079

したがって、本発明の1つの局面によれば、組織における血管形成を増大させる方法が提供される。この方法は、組織を、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞と接触させ、それにより、組織における血管形成を増大させることによって行われる。

0080

本明細書中で使用される表現「組織における血管形成を増大させる」は、新しい毛細血管を組織において生成するプロセスを増大させること(誘導すること、アップレギュレーションすること)を示す。

0081

本明細書中で使用される表現「接着性細胞」は、足場依存的で、すなわち、インビトロで成長するために表面への付着を必要とする細胞の均一集団または不均一集団を示す。

0082

本明細書中で使用される表現「脂肪組織」は、脂肪細胞(fat cell、adipocyte)を含む結合組織を示す。

0083

本明細書中で使用される用語「胎盤組織」は、子宮壁の内側を覆い、妊娠期間中は胎児を包む、胎児が臍帯によって結び付けられる哺乳動物雌性器官の任意の部分を示す。出産後、胎盤は排出される(これは分娩後胎盤と呼ばれる)。例示的な実施形態では、胎盤は胎盤全体を示す。

0084

胎盤組織または脂肪組織に由来する接着性細胞を、二次元または三次元の培養条件を使用して増殖させることができる。

0085

接着性細胞を2D培養において増殖させるための条件が、本明細書中下記において、また、下記の実施例の節においてさらに記載される。

0086

本明細書中で使用される表現「三次元培養」は、細胞成長との適合性を有し、同時に、細胞が2層以上の層で成長することを可能にする条件に細胞が配置される培養を示す。生きている生物(または組織)における細胞のインシトゥー環境が三次元構造にあることが十分に理解される。細胞が他の細胞によって取り囲まれる。細胞が、様々な局所的微小環境の確立を可能にする細胞外マトリックスナノスケール繊維の複雑なネットワークで保持される。それらの細胞外リガンドが、基底膜への結合だけでなく、様々な血管およびリンパ管への接近もまた媒介する。酸素ホルモンおよび栄養分が細胞に運ばれ、老廃物が運び去られる。本発明の三次元培養における条件は、下記においてさらに例示されるように、そのような環境を模倣するために設計される。

0087

三次元培養の条件は、接着性細胞の拡大を可能にするような条件であることが理解され
る。

0088

本明細書中で使用される用語「拡大する」および用語「拡大」は、細胞および最終的には細胞成長の、実質的に分化がない維持、すなわち、細胞集団の増大(例えば、少なくとも2倍)で、そのような増大に随伴する分化がないことを示す。

0089

本明細書中で使用される用語「維持する」および用語「維持」は、実質的に分化がない細胞更新、すなわち、実質的に定常的な細胞集団で、そのような定常性に随伴する分化がないことを示す。

0090

述べられたように、本発明のこの局面の接着性細胞は脂肪組織または胎盤組織から取り出される。

0091

胎盤の細胞を満期または早産の胎盤から得ることができる。胎盤は、好ましくは、胎盤が完全に放血されると集められる。胎盤は、好ましくは、残存する細胞を除くために十分な期間にわたって灌流される。本明細書中で使用される用語「灌流する」または用語「灌流」は、流体を器官または組織に浴びせるか、または通すという行為を示す。胎盤組織は任意の哺乳動物に由来し得る。例えば、胎盤組織はヒト由来である。胎盤組織の好ましい供給源は分娩後の胎盤(例えば、1〜6時間)に由来する。しかしながら、胎盤組織もしくは胎盤細胞の供給源、または、胎盤組織を単離する方法は本発明にとって重要でない。

0092

胎盤由来の接着性細胞を胎盤の胎児部分(すなわち、羊膜または胎盤の内側部分、実施例1参照)および母体部分(すなわち、基底脱落膜および壁側脱落膜)の両方から得ることができる。組織試料生理学緩衝液[例えば、リン酸塩緩衝化生理的食塩水(PBS)またはハンクス緩衝液]で洗浄される。単細胞懸濁物が、組織を消化酵素により処理すること(下記参照)、または/および、組織部分を細かく刻み、ナイロンフィルターに通すことによって、あるいは、洗浄媒体とともに穏やかなピペッティングすること(Falcon、Becton,Dickinson、San Jose、CA)によって作製される。

0093

脂肪組織由来の接着性細胞を、当業者に知られている様々な方法によって単離することができる。例えば、そのような方法が米国特許第6153432号に記載されている。脂肪組織は、大網内臓部位、乳房部位性腺部位または他の脂肪組織部位に由来し得る。脂肪組織の一つの供給源は大網脂肪である。ヒトでは、脂肪は典型的には脂肪吸引によって単離される。

0094

脂肪組織からの単離された接着性細胞は、組織を消化酵素(例えば、コラゲナーゼトリプシンおよび/またはジスパーゼなど)、および/または、効果的な濃度のヒアルロニダーゼもしくはDNAse、および、エチレンジアミン四酢酸EDTA)により、25℃〜50℃の間での温度で10分〜3時間にわたって処理することによって取り出すことができる。その後、細胞は20ミクロン〜1mmの間のナイロンまたはチーズクロスメッシュフィルターに通すことができる。その後、細胞は直接に媒体での分画遠心法に供されるか、あるいは、FicollまたはPercollまたは他の微粒子勾配による分画遠心法に供される。細胞は100〜3000xgの間での速度において1分〜1時間にわたって4〜50℃の間の温度で遠心分離される(米国特許第7078230号参照)。

0095

胎盤組織または脂肪組織に由来する接着性細胞に加えて、本発明ではまた、(本明細書中下記においてさらに記載されるように)間質幹細胞表現型によって特徴づけられる他の細胞供給源からの接着性細胞の使用が想定される。接着性細胞を回収することができる組織供給源には、臍帯血、毛嚢[例えば、米国特許出願第20060172304号に記載
されるように]、精巣[例えば、Guan K.et al.、Nature、2006(4月27日)、440(7088):1199〜203に記載されるように]、ヒト嗅粘膜[例えば、Marshall,CT.et al.、Histol Histopathol、2006(Jun)、21(6):633〜43に記載されるように]、胚性卵黄嚢[例えば、Geijsen N、Nature、2004(1月8日)、427(6970):148〜54に記載されるように]および羊水[Pieternellaet al.(2004)、Stem Cells、22:1338〜1345]が含まれるが、これらに限定されない。これらはすべて、間葉系幹細胞を含むことが知られている。これらの組織供給源からの接着性細胞は、細胞を接着性の表面で培養する。従って、接着性細胞を最初の集団における他の細胞から単離することによって単離することができる。

0096

起源(例えば、胎盤組織または脂肪組織)にかかわらず、細胞の回収は、好ましくは、無菌条件下で行われる。単離された細胞が得られると、単離された細胞は、接着性細胞をそれにより単離するために接着性材料(例えば、表面として構成される接着性材料)に接着させることができる。培養は、実施例の節の実施例4に記載のように2D条件下で行われることができ、細胞は、3D条件にさらに移されることができる。

0097

本明細書中で使用される「接着性材料」は、細胞を表面に保持することができる化学的構造(例えば、荷電を帯びた表面露出基)を有する細胞非毒性(すなわち、生物学的に適合した)材料の合成物天然物、または、それらの組合せを示す。

0098

本発明のこの態様に従って使用することができる接着性材料の例には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアルキレンポリフルオロクロロエチレンポリ塩化ビニルポリスチレンポリスルホン酢酸セルロースガラス繊維セラミック粒子マトリゲル細胞外マトリックス成分(例えば、フィブロネクチンコンドロネクチンラミニン)、コラーゲンポリ乳酸および不活性金属繊維が含まれるが、これらに限定されない。

0099

間質幹細胞についての精製または富化のさらなる工程を、この分野では広く知られている方法を使用して、(例えば、本明細書中下記にさらに記載するように、間質幹細胞マーカーの発現を使用するFACSなどによって)行うことができる。

0100

本発明に従って培養することにおいて有用な基礎培地の限定されない例には、培地199、CMRL1415、CMRL1969、CMRL1066、NCTC135、MB75261、MAB8713、DM145、ウイリアムズG、ノイマン&タイテル、ヒグチ、MCDB301、MCDB202、MCDB501、MCDB401、MCDB411、MCDB153をはじめとして、数多くの中で、最少必須培地イーグルADC−1、LPM(ウシ血清アルブミン非含有)、F10(HAM)、F12(HAM)、DCCM1、DCCM2、RPMI1640、BGJ培地(フィトンジャソン改変を含む培地および含まない培地)、基礎培地イーグル(BME、アール塩基礎の添加を伴う培地)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM−血清非含有)、ヤマネ、IMEM−20、グラスゴー改変イーグル培地(GMEM)、ライボビッツL−15培地、マッコイ5A培地、培地M199(M199E、アール塩基礎を伴う)、培地M199(M199H、ハンクス塩基礎を伴う)、最少必須培地イーグル(MEM−E、アール塩基礎を伴う)、最少必須培地イーグル(MEM−H、ハンクス塩基礎を伴う)、および、最少必須培地イーグル(MEM−NAA、非必須アミノ酸を伴う)が含まれる。本発明において使用される好適な培地はDMEMである。これらの培地および他の有用な培地を、とりわけ、GIBCO(Grand Island、N.Y.、米国)およびBiological Industries(Bet HaEmek、イスラエル)から入手することができる。これらの培地のいくつかが、William B.JakobyおよびIra H.Pasta
nによって編集され、Academic Press,Inc.によって発行されるMethodsin Enzymology(第LVIII巻、“Cell Culture“、62頁〜72頁)に要約される。

0101

培地には、例えば、血清(例えば、ウシまたは他の種の胎児血清など)、ならびに、場合により、または、代替として、ピコグラム/ml〜ミリグラム/mlの間の濃度での増殖因子ビタミン(例えば、アスコルビン酸)、サイトカイン、塩(例えば、B−グリセロリン酸)、ステロイド(例えば、デキサメタソン)、およびホルモン(例えば、成長ホルモンエリスロポイエチントロンボポイエチンインターロイキン3、インターロイキン6、インターロイキン7、マクロファージコロニー刺激因子、c−kitリガンド/幹細胞因子オステオプロテゲリンリガンド、インスリンインスリン様増殖因子上皮増殖因子線維芽細胞増殖因子神経成長因子毛様体神経栄養因子血小板由来増殖因子および骨形態形成タンパク質)などを補充することができる。

0102

さらなる成分が培養培地に加えられ得ることがさらに認識される。そのような成分は、抗生物質抗真菌剤アルブミンアミノ酸、および、細胞の培養のためにこの分野で知られている他の成分であり得る。加えて、様々な成分を、必要とされるときには分化プロセスを強化するために加えることができる(さらには下記参照)。

0103

本発明の接着性細胞がヒト対象に投与される場合に備えて、細胞および培養培地(例えば、上記で記載される培地添加物を伴う培養培地)は実質的に異物非含有でなければならず、すなわち、何らかの動物由来混入物(例えば、マイコプラズマ)を有してはならないことが理解される。例えば、培養培地には、血清代替物ヒト血清、および/または、合成もしくは組換え産生された因子を補充することができる。

0104

述べられたように、接着性細胞が得られると、接着性細胞は二次元環境または三次元環境継代することができる(下記の実施例の節の実施例1および実施例4を参照のこと)。だが、細胞は、(本明細書中上記で述べられたように)、単離直後に3D形態のマトリックスに移され得るか、または、代替として、二次元条件の後で三次元環境に継代され得ることが理解される。

0105

したがって、本発明のこの局面の接着性材料は3D培養のために構成され、それにより、組織(例えば、胎盤)の構造基盤を模倣するように細胞の接着のための利用可能な付着表面を実質的に増大させる生育マトリックスを提供する。

0106

規模産生のために、培養を3Dバイオリアクターで行うことができる。

0107

そのようなバイオリアクターの例には、プラグフローバイオリアクター、連続撹拌タンクバイオリアクター、定常床バイオリアクター、CelliGen Plus(登録商標)バイオリアクターシステム(New Brunswick Scientific(NBS))またはBIOFLO310バイオリアクターシステム(New Brunswick Scientific(NBS))が含まれるが、これらに限定されない。

0108

実施例の節の実施例4において示されるように、Celligenバイオリアクターでは、接着性細胞を、制御された条件(例えば、pH、温度および酸素レベル)のもと、一定の細胞成長培地灌流により3D拡大することができる。さらに、細胞培養は、グルコース、乳酸、グルタミングルタミン酸およびアンモニウム濃度レベルについて直接的にモニターすることができる。接着性細胞のグルコース消費速度および乳酸形成速度は、細胞成長速度を測定すること、および、回収時期を決定することを可能にする。

0109

本発明とともに使用され得る他の3Dバイオリアクターには、下記のバイオリアクターが含まれるが、これらに限定されない:時定数定常状態リアクター内で維持するために、培養培地がバイオリアクターに連続的に供給され、生成物が連続的に抜き取られる連続撹拌槽型バイオリアクター。繊維状床バスケットを有する撹拌槽型バイオリアクターを、例えば、New Brunswick Scientific Co.(Edison、NJ)から入手することができる。定常床バイオリアクター、エアーリフトバイオリアクター(このバイオリアクターでは、空気が、典型的には、中央通気管の底部に供給され、気泡を形成しながら上に流れ、排気ガスをカラムの上部から放出する)、ポリアクティブ発泡体を有する細胞播種灌流バイオリアクター[Wendt,D.et al.、Biotechnol Bioeng、84:205〜214(2003)に記載されるようなバイオリアクター]、ラジアルフロー灌流バイオリアクターにおける管状のポリL−乳酸(PLLA)の多孔性足場[Kitagawaet al.、Biotechnology and Bioengineering、93(5):947〜954(2006)に記載されるようなバイオリアクター]。本発明に従って使用することができる他のバイオリアクターが、米国特許第6277151号、同第6197575号、同第6139578号、同第6132463号、同第5902741号および同第5629186号に記載される。

0110

細胞の播種が好ましくは、播種時において100000細胞/mm〜1500000細胞/mmで行われる。合計で150±30×106個の細胞が播種される1つの例示的な実施形態において、3〜5×106細胞/g担体が播種されるか、または、0.015〜0.1×106細胞/mlが播種される。

0111

細胞は、制御されない分化および老化を避けながら、細胞の少なくとも約10%が増殖中であるときに回収することができる。

0112

培養することが、少なくとも2日間、3日間、4日間、5日間、10日間、20日間、1ヶ月間程度、または、一層より長い期間にわたって行われる。バイオリアクターにおける培養はこの期間を延ばすことができることが理解される。3D培養における接着性細胞の培養は培養培地の連続流通のもとで行うことができる。継代培養もまた、細胞数を増大させるために行うことができる。培養培地が、培養条件を延ばし、また、培養条件を改善するために取り替えられ得ることが理解される。

0113

本発明のいくつかの実施形態の接着性細胞は、(S期およびG2/M期をFACSモニタリングすることによってアッセイされ得るように)少なくとも約10%、28%、30%、50%、80%またはそれ以上の増殖性細胞を含む。

0114

本発明のいくつかの実施形態の接着性細胞は、好ましくは、少なくとも1つの「間質幹細胞表現型」を含むことができる。

0115

本明細書中で使用される「間質幹細胞表現型」は、骨髄由来の間質幹細胞(すなわち、間葉系幹細胞)に典型的な構造的表現型または機能的表現型を示す。

0116

本明細書中で使用される表現「幹細胞」は、最終分化していない細胞を示す。

0117

従って、例えば、細胞は紡錘体形状を有することができる。代替として、または、加えて、細胞は、間質幹細胞に典型的な1つのマーカーまたは一連のマーカー(例えば、表面マーカー)を発現することができる。間質幹細胞表面マーカー(陽性および陰性)の例には、CD105+、CD29+、CD44+、CD73+、CD90+、CD3−、CD4−、CD34−、CD45−、CD80−、CD19−、CD5−、CD20−、CD
11B−、CD14−、CD19−、CD79−、HLA−DR−およびFMC7−が含まれるが、これらに限定されない。他の間質幹細胞マーカーには、チロシンヒドロキシナーゼ、ネスチンおよびH−NFが含まれるが、これらに限定されない。

0118

本発明の教示に従って作製される胎盤組織の接着性細胞は、本質的には下記の実施例の節の実施例4において記載されるような遺伝子発現プロフィルを有する。

0119

間質幹細胞に典型的な機能的表現型の例には、T細胞抑制活性(これはT細胞を刺激せず、逆に、T細胞を抑制する)、造血幹細胞支持活性、ならびに、脂肪生成性分化肝性分化、骨形成性分化および神経性分化が含まれるが、これらに限定されない。

0120

これらの構造的特徴または機能的特徴はどれも、本発明の細胞を適格とするために使用することができる(下記の実施例の節の実施例1〜2参照)。

0121

本発明の教示に従って作製された細胞の集団は、実施例の節の実施例1において示されるような特異なタンパク質発現プロフィルを特徴とする。従って、例えば、発明の教示に従って作製された胎盤組織または脂肪組織の接着性細胞は、高いレベルの選択された因子を発現および/または分泌することができる。例えば、そのような細胞は、SCF、Flt−3、H2Aヒストンファミリー(H2AF)またはアルデヒドデヒドロゲナーゼX(ALDHX)を、2D培養で成長させられた胎盤組織または脂肪組織の接着性細胞によって発現または分泌されるレベルよりも少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、または、好ましくは12倍大きく発現または分泌する。加えて、または、代替として、本発明の細胞の集団は、IL−6、真核細胞翻訳伸長因子(EEEF2)、レチクロカルビン3、EF−ハンドカルシウム結合ドメイン(RCN2)またはカルポニン塩基性平滑筋CNN1)を、2D培養で成長させた胎盤組織または脂肪組織の接着性細胞によって発現または分泌されるレベルよりも少なくとも2倍、3倍または5倍大きいレベルで分泌または発現する。加えて、または、代替として、本発明の細胞の集団は、2D培養の細胞に対して比較されたとき、様々な他のタンパク質発現レベルがより低いことを特徴とする。従って、例えば、2D培養で成長させられた胎盤組織または脂肪組織の接着性細胞によって発現または分泌されるヘテロリボヌクレオタンパク質H1(Hnrph1)、CD44抗原イソ型2前駆体、3−ホスホアデノシン5−ホスホスルフェートシンターゼ2イソ型a(Papss2)またはリボソームタンパク質L7a(rpL7a)の発現レベルの0.6、0.5、0.25または0.125未満を分泌または発現する。

0122

下記の実施例の節の実施例3〜実施例4において示されるように、接着性細胞、具体的には、3D接着性細胞は、混合リンパ球反応(MLR)アッセイにおいてヒト臍帯血単核細胞の免疫反応を抑制すること、したがって、臨床において優先的に使用され得る生物学的活性(例えば、T細胞抑制活性、造血幹細胞支持活性)を示すことが見出された。

0123

本発明の1つの実施形態によれば、本発明の接着性細胞は、免疫反応を対象において抑制することができる。

0124

本明細書中で使用される表現「免疫反応を対象において抑制する」は、抗原(例えば、外来細胞またはその一部)に応答して対象において生じる免疫反応を低下させるか、または阻害することを示す。接着性細胞によって抑制され得る免疫応答には、体液性免疫応答および細胞性免疫応答が含まれ、これらは、抗体およびTリンパ球(T細胞の増殖)による病原体抗原の特異的な認識をそれぞれ伴う。

0125

本発明の1つの実施形態によれば、本発明の接着性細胞は、二次元(2D)培養で成長
させられた胎盤組織または脂肪組織の接着性細胞の免疫抑制活性よりも大きい免疫抑制活性によって特徴づけられる。

0126

本発明の1つの実施形態によれば、そのような免疫抑制活性は、T細胞増殖における低下を含む。

0127

本明細書中上記で述べられたように、また、下記の実施例の節の実施例6において記載されるように、本発明の接着性細胞はインビボでの血管形成(例えば、腰および足における血流)を誘導し、動脈結紮を受けた動物の肢機能を著しく改善し、毛細管密度を増大させ、また、酸化ストレスおよび内皮炎症を低下させた。さらに、下記の実施例の節の実施例7において詳しく記載されるように、本発明の接着性細胞は、脳卒中からの回復をラットモデルにおいて著しく改善した。

0128

したがって、本発明の別の局面によれば、虚血をその必要性のある対象において処置する方法が提供される。この方法は、本発明の接着性細胞の治療効果的な量を対象に投与し、それにより、虚血を対象において処置することによって行われる。

0129

用語「虚血」は、本明細書中で使用される場合、不十分な血管形成によって特徴づけられるか、または、不十分な血管形成に関連する何らかの病理(疾患、状態、症候群または障害)を示す。例には、末梢動脈疾患(PAD)(例えば、肢虚血および重症虚血肢(CLI)など)、虚血性心臓疾患、虚血性脳疾患(例えば、脳卒中)、遅れた創傷治癒、遅れた潰瘍治癒、生殖関連障害動脈硬化、虚血性血管疾患、虚血性心臓疾患、心筋梗塞、冠状動脈疾患(CAD)、アテローム動脈硬化性心臓血管疾患、左主冠状動脈疾患、動脈閉塞性疾患、末梢虚血、末梢血管疾患腎臓の血管疾患、末梢動脈疾患、肢虚血、下肢虚血脳虚血脳血管疾患網膜症修復、再構築障害、フォンヒッペルリンダウ症候群、遺伝性出血性毛細管拡張症、虚血性血管疾患、バーガー病、虚血性腎臓疾患および虚血性胎盤が含まれるが、これらに限定されない。

0130

本明細書中で使用される用語「処置する」は、病理(例えば、虚血)の発達を阻害するか、もしくは停止させること、および/または、病理の軽減、寛解もしくは退行を生じさせることを示す。当業者は、様々な方法論およびアッセイが、病理の発達を評価するために使用され得ること、また、同様に、様々な方法論およびアッセイが、病理の軽減、寛解もしくは退行を評価するために使用されるかもしれないことを理解する。用語「処置する」はまた、病理に関連する症状を緩和または軽減することを示す場合がある。

0131

本明細書中で使用される表現「その必要性のある対象」は、任意の対象(例えば、哺乳動物)を示し、例えば、病理と診断されるか、または病理に苦しむヒト対象などを示す。

0132

本明細書中上記で述べられたように、また、下記の実施例の節の実施例8において記載されるように、本発明者らは、本発明の接着性細胞が結合組織の再生および/または修復を可能にすることを見出している。

0133

したがって、本発明のさらにさらなる局面によれば、結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態をその必要性のある対象において処置する方法が提供される。この方法は、本発明の接着性細胞の治療効果的な量を対象に投与することによって行われる。

0134

表現「結合組織」は、コラーゲンの線維弾性繊維(例えば、筋肉および血管の間およびそれらの回りの弾性繊維)および単純な細胞を含む支持用骨格組織を示す。結合組織の例には、密性結合組織(例えば、靱帯、腱、歯周靱帯)、輪紋状結合組織(例えば、タン
パク質性繊維(例えば、コラーゲンおよびエラスチンなど)を伴う輪紋状結合組織)、網様結合組織、脂肪組織、血液、骨、軟骨、皮膚、椎間板歯髄象牙質歯肉、細胞外マトリックス(ECM)形成細胞疎性結合組織および平滑筋細胞が含まれるが、これらに限定されない。

0135

本明細書中で使用される表現「結合組織の再生および/または修復を必要とする医学的状態」は、結合組織の損傷(すなわち、機能しない組織、ガン性または前ガン性の組織、破壊された組織、破砕された組織、線維症性組織または虚血性組織)または喪失(例えば、外傷感染性疾患および遺伝的疾患の後での喪失)によって特徴づけられる何らかの病理を示す。そのような病理の限定されない例には、骨折、骨ガン(例えば、骨肉腫、骨ガン転移)、熱傷、関節軟骨欠損および深部創傷が含まれる。

0136

表現「対象に投与する」は、本発明の細胞を標的組織に導入することを示す。細胞はレシピエントに由来し得るか、あるいは、同種ドナーまたは異種ドナーに由来し得る。この表現はまた、対象への本発明の細胞の「移植(transplantation)」、「細胞置換」または「移植(grafting)」を包含する。

0137

対象は、ヒトまたは飼育されている様々な動物(これらには、ウマ(すなわち、ウマ科動物)、ウシ、ヤギヒツジブタ、イヌ、ネコラクダアルパカラマおよびヤクが含まれるが、これらに限定されない)を含めて、結合組織の再生および/または修復の必要性のある任意の哺乳動物であり得る。

0138

本発明の教示の1つの実施形態によれば、本発明の接着性細胞は、(上記で言及されたように)、軟骨下骨嚢胞、骨折、骨粗鬆症、変形性関節炎、変性骨、結合組織の喪失を伴う様々なガン(例えば、骨ガン、骨肉腫、骨転移)、軟骨損傷、関節軟骨欠損、変性椎間板疾患、骨形成不全症(OI)、火傷、熱傷、深部創傷、遅れた創傷治癒、傷害を受けた靱帯、および、傷害を受けた腱(例えば、その必要性のあるウマおよび他の対象における、酷使により誘導される腱の傷害)を含めて、様々な状態を処置するために使用することができる。

0139

本発明のこの態様に従って投与することができる細胞には、二次元環境または三次元環境で培養され得る上記の接着性細胞、ならびに、その接着性細胞の間葉系および非間葉系の部分的に分化した誘導体または最終分化した誘導体が含まれる。

0140

系列特異的な細胞を本発明の間質幹細胞から誘導する様々な方法がこの分野では広く知られている。例えば、米国特許第5486359号、同第5942225号、同第5736396号、同第5908784号および同第5902741号参照。

0141

細胞は未感作であるか、または、目的とする系列を誘導するように遺伝子操作され得る(米国特許出願公開第20030219423号参照)。

0142

細胞および培地は、新鮮な調製物または凍結(例えば、冷凍保存)された調製物の自己供給源または非自己供給源(すなわち、同種または異種)のものであり得る。

0143

医学的状態に依存して、対象には、さらなる化学的薬物(例えば、免疫調節、化学療法など)または細胞が投与され得る。

0144

非自己細胞は、身体に投与されたとき、免疫反応を誘導する可能性があるので、いくつかの取り組みが、非自己細胞の拒絶の可能性を軽減するために開発されている。これらには、レシピエントの免疫系を抑制すること、または、非自己細胞を、移植前に、免疫隔離
する半透膜カプセル化することのいずれかが含まれる。

0145

カプセル化技術は一般には、小さい球状賦形剤を伴うマイクロカプセル化)およびより大きいフラットシート膜および中空繊維膜を伴うマクロカプセル化分類される(Uludag,H.et al.、“Technology of mammalian cell encapsulation.”、Adv Drug Deliv Rev、2000、42:29〜64)。

0146

マイクロカプセルを調製する様々な方法がこの分野では知られており、これらには、例えば、Lu MZet al. “Cell encapsulation with alginate and alpha− phenoxycinnamylidene−acetylated poly(allylamine).“、Biotechnol Bioeng、2000、70:479〜83)、Chang TMおよびPrakash S”Procedures for microencapsulation of enzymes, cells and genetically engineered microorganisms.“、Mol Biotechnol、2001、17:249〜60)、および、Lu MZet al.”A novel cell encapsulation method using photosensitive poly(allylamine alpha−cyanocinnamylideneacetate).”、J Microencapsul、2000、17:245〜51)によって開示される方法が含まれる。

0147

例えば、マイクロカプセルが、修飾コラーゲンを、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルHEMA)、メタクリル酸(MAA)およびメタクリル酸メチル(MMA)のターポリマー外皮により複合体化し、これにより、2〜5μmのカプセル厚さを生じさせることによって調製される。そのようなマイクロカプセルはさらに、負荷電の滑らかな表面を与えるために、また、血漿タンパク質の吸収を最小限に抑えるために、2〜5μmのさらなるターポリマー外皮によりカプセル化することができる(Chia,S.M.et al.、“Multi−layered microcapsules for cell encapsulation“、Biomaterials、2002、23:849〜56)。

0148

他のマイクロカプセルはアルギン酸塩海洋多糖類)(Sambanis,A、“Encapsulated islets in diabetes treatment.“、Diabetes Technol.Ther.、2003、5:665〜8)またはその誘導体に基づく。例えば、マイクロカプセルを、塩化カルシウムの存在下における、ポリカチオンのポリ(メチレン−co−グアニジン塩酸塩との、ポリアニオンアルギン酸ナトリウムおよびセルロース硫酸ナトリウムの間での多電解質複合体化によって調製することができる。

0149

細胞のカプセル化は、より小さいカプセルが使用されるときには改善されることが理解される。従って、カプセルサイズが1mm〜400μmに減少したとき、カプセル化細胞品質管理機械的安定性拡散特性およびインビトロ活性が改善された(Canaple L.et al.、“Improving cell encapsulation
through size control.“、J Biomater Sci Polym Ed、2002、13:783〜96)。そのうえ、7nmもの小さい十分に制御された細孔サイズ、目的に合わせて調節された表面化学および精密な微小構造を有するナノ多孔性バイオカプセルは、細胞のための微小環境を首尾良く免疫隔離することが見出された(Williams D、”Small is beautiful: microparticle and nanoparticle technology i
n medical devices.”、Med Device Technol、1999、10:6〜9;Desai,T.A.、“Microfabrication technology for pancreatic cell encapsulation.“、Expert Opin Biol Ther、2002、2:633〜46)。

0151

本明細書中に記載される方法のいずれかにおいて、細胞または培地はそれ自体で投与することができ、または、好ましくは、医薬的に許容され得る担体をさらに含む医薬組成物の一部として投与することができる。

0152

本明細書中で使用される「医薬組成物」は、本発明の接着性細胞(即ち、三次元培養から得られる、胎盤組織および脂肪組織からなる群から選択される組織の接着性細胞)と、他の化学的成分(例えば、医薬的に好適な担体および賦形剤)との調製物を示す。医薬組成物の目的は、対象に対する化合物の投与を容易にすることである。

0153

以降、用語「医薬的に許容され得る担体」は、対象に対する著しい刺激を生じさせず、かつ、投与された化合物の生物学的活性および生物学的性質を阻害しない担体または希釈剤を示す。担体の非限定的な例には、プロピレングリコール生理食塩水エマルジョンおよび有機溶媒と水の混合物がある。

0154

本明細書中において、用語「賦形剤」は、化合物の投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される不活性な物質を示す。賦形剤の非限定的な例には、炭酸カルシウムリン酸カルシウム、様々な糖およびタイプのデンプンセルロース誘導体ゼラチン植物油およびポリエチレングリコールが含まれる。

0155

本発明の好ましい実施形態によれば、医薬用担体は塩類水溶液である。

0156

薬物の配合および投与のための様々な技術が“Remington’s Pharmaceutical Sciences”(Mack Publishing Co.、Easton、PA、最新版)(これは参考として本明細書中に組み込まれる)に見出され得る。

0157

医薬組成物を(本明細書中上記に詳述されるように)全身的な方法で投与することができる。あるいは、例えば、患者の組織領域に直接的に医薬組成物の注射をすることによって、局所的に医薬組成物を投与することができる。

0158

本発明の医薬組成物は、この分野で十分に知られている様々なプロセスによって、例え
ば、混合、溶解、造粒糖衣錠作製、研和乳化、カプセル化、包括化または凍結乾燥の従来のプロセスによって製造することができる。

0159

本発明に従って使用するための医薬組成物は活性な化合物を医薬として使用可能な製剤にする加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む一つ以上の医薬的に許容され得る担体を使用して従来のように配合されてもよい。適切な配合は選択された投与経路に依存する。

0160

注射の場合、医薬組成物の有効成分は、水溶液において、好ましくは生理学的に適合し得る、緩衝液(例えば、ハンクス溶液リンゲル溶液、生理学的な食塩水緩衝液、または凍結培地含有凍結保存物など)において配合することができる。経粘膜投与の場合、浸透剤が配合において使用される。そのような浸透剤はこの分野では一般に知られている。

0161

本発明の方法において使用される任意の調製物について、治療効果的な量または用量は、最初はインビトロでアッセイおよび細胞培養アッセイから推定することができる。好ましくは、用量は所望の濃度または滴定量を得るために動物モデルにおいて配合される。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。

0162

本明細書中に記載される有効成分の毒性および治療効力は、細胞培養または実験動物における、インビトロで標準的な薬学的手法によって、決定されることができる。

0163

これらのインビトロでの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用に対する投薬量範囲を決定するために使用することができる。投薬量は、用いられる投薬形態および利用される投与経路に依存して変化し得る。正確な配合、投与経路および投薬量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選ぶことができる(Fingl他、(1975)「The Pharmacological Basis of Therapeutics」,Ch.1p.1参照)。例えば、パーキンソン病の患者は、処置に対する肯定反応を示す改善された運動機能について症候的に監視されることができる。

0164

注射の場合、医薬組成物の有効成分は、水溶液において、好ましくは生理学的に適合し得る、緩衝液(例えば、ハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理学的な食塩水緩衝液など)において配合することができる。

0165

投薬量および投薬間隔は、移植された細胞による神経伝達物質の合成を効果的に制御するために十分である有効成分のレベルまで個々に調節することができる。所望の効果を達成するために必要な投薬量は、個体の特徴、および、投与経路に依存する。検出アッセイを、血漿中濃度を決定するために使用することができる。

0166

処置される状態の重篤度および応答性に依存して、投薬単回投与であることも複数回投与であることも可能であり、処置の経過が、数日から数週間まで、あるいは、疾患状態縮小が達成されるまで続く。

0167

投与される組成物の量は、当然のことではあるが、処置されている対象、苦痛の重篤度、投与様式、主治医の判断などに依存する。投薬量および投与のタイミングは、個々に変化する状態の慎重かつ継続的な監視に対応する。例えば、処置されているパーキンソン病の患者は、監視している徴候に基づいて、疾患の症状を緩和するのに十分な量の細胞を投与されるだろう。

0168

靱帯傷害についてのモデルには、間葉系幹細胞を使用する前十字靱帯再建のウサギモデル[Jit−Kheng他、Arthroscopy(2004)、20(9):899〜910]、長期間の生体再吸収性足場を前十字靱帯修復のために使用するためのヤギモデル[Altman他、J Am Acad Orthop Surg(2008)、16(4):177〜187]が含まれるが、これらに限定されない。腱修復についてのモデルには、腱の自家間葉系幹細胞媒介修復のための成体ニュージーランド白ウサギモデル[Awad他、Tissue Eng(1999)、5(3):267〜77]が含まれるが、これに限定されない。骨修復についてのモデルが、例えば、間葉系幹細胞を骨修復のために操作することを記載する、Stem Cells in Endocrinology、Humana Press(2005)、183〜206に記載された。

0169

移植の後、本発明の細胞は好ましくは、治療効果が観察されるように、疾患領域においてある期間(例えば、約1ヶ月)にわたって生存する。

0170

適合し得る医薬用担体に配合された本発明の調製物を含む組成物はまた、適応される状態を処置するために、調製され、適切な容器に入れられ、かつ表示され得る。

0171

本発明の組成物は、所望される場合には、有効成分を含有する1つまたは複数の単位投薬形態物を含有し得るパックまたはディスペンサーデバイス(例えば、FDA承認キットなど)で提供され得る。パックは、例えば、金属箔またはプラスチック箔を含むことができ、例えば、ブリスターパックなどである。パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための説明書が添付され得る。パックまたはディスペンサーにはまた、医薬品の製造、使用または販売規制する政府当局により定められた形式で容器に付けられた通知が伴うことがあり、この場合、そのような通知は、組成物の形態またはヒトもしくは動物への投与の当局による承認を反映する。そのような通知は、例えば、処方薬物についての米国食品医薬品局により承認されたラベル書きであり得るか、または承認された製品添付文書であり得る。

0172

本発明の接着性細胞は、製造物として好適に包装され得る医薬組成物として好適に配合することができる。そのような製造物は、組織における血管形成を増大させること、虚血を処置すること、ならびに/あるいは、結合組織の再生および/または修復を必要とする病理を処置することにおける使用のための表示を含む包装材を含み、この場合、包装材により、本発明の接着性細胞が包装される。

0173

本発明の接着性細胞は免疫抑制および/または寛容性を対象において誘導することができる。したがって、本発明の接着性細胞は、免疫抑制および/または寛容性を必要とする何らかの状態を処置するために使用することができる。そのような状態には、心臓血管疾患、リウマチ様疾患腺疾患胃腸疾患皮膚疾患肝疾患神経学的疾患筋疾患腎疾患、生殖に関連づけられる疾患、結合組織疾患および全身性疾患(これらに限定されない)を含めて、様々な自己免疫疾患および炎症性疾患急性および慢性の炎症性疾患を含む)が含まれるが、これらに限定されない。

0174

自己免疫性心臓血管疾患の例には、アテローム性動脈硬化(Matsuura E.他、Lupus、1998、7(Suppl 2):S135)、心筋梗塞(Vaarala O.、Lupus、1998、7(Suppl 2):S132)、血栓症(Tincani A.他、Lupus、1998、7(Suppl 2):S107〜9)、ヴェーゲナー肉芽腫症高安動脈炎、川崎症候群(Praprotnik S.他、Wien Klin Wochenschr、2000(Aug 25)、112(15−16):660)、抗第VIII因子自己免疫疾患(Lacroix−Desmazes S.他、Semin Thromb Hemost、2000、26(2):157)、壊
死性小血管血管炎、顕微鏡的多発血管炎チャーグ・ストラウス症候群、寡免疫性巣状壊死性および半月体形成性の糸球体腎炎(NoelLH.、Ann Med Interne(Paris)、2000(May)、151(3):178)、抗リン脂質症候群(Flamholz R.他、J Clin Apheresis、1999、14(4):171)、抗体誘導による心不全(Wallukat G.他、Am J Cardiol、1999(Jun 17)、83(12A):75H)、血小板減少性紫斑病(Moccia F.、Ann Ital Med Int、1999(Apr−Jun)、14(2):114;Semple JW.他、Blood、1996(May 15)、87(10):4245)、自己免疫性溶血性貧血(Efremov DG.他、Leuk Lymphoma、1998(Jan)、28(3−4):285;Sallah S.他、Ann Hematol、1997(Mar)、74(3):139)、シャーガス病における心臓自己免疫性(Cunha−Neto E.他、J Clin Invest、1996(Oct 15)、98(8):1709)、および、抗ヘルパーTリンパ球自己免疫性(CaporossiAP.他、Viral Immunol、1998、11(1):9)が含まれるが、これらに限定されない。

0175

自己免疫性リウマチ様疾患の例には、リウマチ様関節炎(Krenn V.他、Histol Histopathol、2000(Jul)、15(3):791;Tisch R.、McDevitt HO.、Proc Natl Acad Sci units SA、1994(Jan 18)、91(2):437)、および、強直性脊椎炎(Jan Voswinkel他、Arthritis Res、2001、3(3):189)が含まれるが、これらに限定されない。

0176

自己免疫性腺疾患の例には、膵臓疾患I型糖尿病、甲状腺疾患グレーヴズ病、甲状腺炎自発性自己免疫性甲状腺炎、橋本甲状腺炎特発性粘液水腫卵巣自己免疫性、自己免疫性抗精子不妊症、自己免疫性前立腺炎およびI型自己免疫性多腺性症候群が含まれるが、これらに限定されない。疾患には、膵臓の自己免疫疾患、I型糖尿病(Castano L.およびEisenbarth GS.、Ann.Rev.Immunol.、8:647;Zimmet P.、Diabetes Res Clin Pract、1996(Oct)、34(Suppl):S125)、自己免疫性甲状腺疾患、グレーヴズ病(Orgiazzi J.、Endcrinol Metab Clin North Am、2000(Jun)、29(2):339;Sakata S.他、Mol
Cell Endocrinol、1993(Mar)、92(1):77)、自発性自己免疫性甲状腺炎(Braley−Mullen H.およびYu S、J Immunol、2000(Dec 15)、165(12):7262)、橋本甲状腺炎(Toyoda N.他、Nippon Rinsho、1999(Aug)、57(8):1810)、特発性粘液水腫(Mitsuma T.、Nippon Rinsho、1999(Aug)、57(8):1759)、卵巣自己免疫性(Garza KM.他、J
Reprod Immunol、1998(Feb)、37(2):87)、自己免疫性抗精子不妊症(Diekman AB.他、Am J Reprod Immunol、2000(Mar)、43(3):134)、自己免疫性前立腺炎(Alexander RB.他、Urology、1997(Dec)、50(6):893)およびI型自己免疫性多腺性症候群(Hara T.他、Blood、1991(Mar 1)、77(5):1127)が含まれるが、これらに限定されない。

0177

自己免疫性胃腸疾患の例には、慢性炎症性腸疾患(Garcia Herola A.他、Gastroenterol Hepatol、2000(Jan)、23(1):16)、セリアック病(Landau YE.およびShoenfeld Y.Harefuah、2000(Jan 16)、138(2):122)、大腸炎回腸炎およびクローン病が含まれるが、これらに限定されない。

0178

自己免疫性皮膚疾患の例には、自己免疫性水疱性皮膚疾患、例えば、尋常性天疱瘡水疱性類天疱瘡および落葉状天疱瘡(これらに限定されない)などが含まれるが、これらに限定されない。

0179

自己免疫性肝疾患の例には、肝炎、自己免疫性慢性活動性肝炎(Franco A.他、Clin Immunol Immunopathol、1990(Mar)、54(3):382)、原発性胆汁性肝硬変(Jones DE.、Clin Sci(Colch)、1996(Nov)、91(5):551;Strassburg CP.他、Eur J Gastroenterol Hepatol、1999(Jun)、11(6):595)および自己免疫性肝炎(Manns MP.、J Hepatol、2000(Aug)、33(2):326)が含まれるが、これらに限定されない。

0180

自己免疫性神経学的疾患の例には、多発性硬化症(CrossAH.他、J Neuroimmunol、2001(Jan 1)、112(1−2):1)、アルツハイマー病(Oron L.他、J Neural Transm Suppl、1997、49:77)、重症筋無力症(Infante AJ.およびKraig E、Int Rev Immunol、1999、18(1−2):83;Oshima M.他、Eur J Immunol、1990(Dec)、20(12):2563)、神経障害運動神経障害(Kornberg AJ.、J Clin Neurosci、2000(May)、7(3):191)、ギランバレー症候群および自己免疫性神経障害(Kusunoki S.、Ann J Med Sci、2000(Apr)、319(4):234)、筋無力症ランバート・イートン筋力症症候群(Takamori M.、Am J Med Sci、2000(Apr)、319(4):204)、腫瘍随伴性神経学的疾患、小脳萎縮、腫瘍随伴性小脳萎縮およびスティッフマン症候群(Hiemstra HS.他、Proc Natl Acad Sci units SA、2001(Mar 27)、98(7):3988);腫瘍随伴性スティッフマン症候群、進行性小脳萎縮、脳炎ラスムッセン脳炎、筋萎縮性側索硬化症シドナム舞踏病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群および自己免疫性多腺性内分泌障害(Antoine JC.およびHonnorat J.、Rev Neurol(Paris)、2000(Jan)、156(1):23);免疫異常神経障害(Nobile−Orazio E.他、Electroencephalogr Clin Neurophysiol Suppl、1999、50:419);後天性神経性筋強直症先天性多発性関節拘縮症(Vincent A.他、Ann NY Acad Aci、1998(May 13)、841:482)、神経炎視神経炎(Soderstrom M.他、J Neurol Neurosurg Psychiatry、1994(May)、57(5):544)および神経変性疾患が含まれるが、これらに限定されない。

0181

自己免疫性筋疾患の例には、筋炎、自己免疫性筋炎および原発性シェーグレン症候群(Feist E.他、Int Arch Allergy Immunol、2000(Sep)、123(1):92)および平滑筋自己免疫疾患(Zauli D.他、Biomed Pharmacother、1999(Jun)、53(5−6):234)が含まれるが、これらに限定されない。

0182

自己免疫性腎疾患の例には、腎炎および自己免疫性間質性腎炎(Kelly CJ.、J Am Soc Nephrol、1990(Aug)、1(2):140)が含まれるが、これらに限定されない。

0183

生殖に関連づけられる自己免疫疾患の例には、繰り返される胎児消失(fetal loss)(Tincani A.他、Lupus、1998、7(Suppl 2):S
107〜9)が含まれるが、これに限定されない。

0184

自己免疫性結合組織疾患の例には、耳疾患、自己免疫性耳疾患(Yoo TJ.他、Cell Immunol、1994(Aug)、157(1):249)および内耳の自己免疫疾患(Gloddek B.他、Ann NY Acad Sci、1997(Dec 29)、830:266)が含まれるが、これらに限定されない。

0185

自己免疫性全身疾患の例には、全身性エリテマトーデス(Erikson J.他、Immunol Res、1998、17(1−2):49)および全身性硬化症(Renaudineau Y.他、Clin Diagn Lab Immunol、1999(Mar)、6(2):156;Chan OT.他、Immunol Rev、1999(Jun)、169:107)が含まれるが、これらに限定されない。

0186

さらに、接着性細胞は、移植片拒絶、慢性的移植片拒絶、亜急性移植片拒絶、超急性移植片拒絶、急性移植片拒絶および移植片対宿主病(これらに限定されない)を含めて、移植片の移植に関連する様々な疾患を処置するために使用することができる。

0187

本明細書中で使用される用語「約」は、±10%を示す。

0188

本発明の追加の目的、利点及び新規な特徴は、下記実施例を考察すれば、当業技術者には明らかになるであろう。なおこれら実施例は本発明を限定するものではない。さらに、先に詳述されかつ本願の特許請求の範囲の項に特許請求されている本発明の各種実施態様と側面は各々、下記実施例の実験によって支持されている。

0189

下記の実施例が参照されるが、下記の実施例は、上記の説明と一緒に、本発明を非限定様式で例示する。

0190

本願で使用される用語と、本発明で利用される実験方法には、分子生化学微生物学および組み換えDNA技法が広く含まれている。これらの技法は文献に詳細に説明されている。例えば以下の諸文献を参照されたい:「Molecular Cloning:A
laboratory Manual」Sambrook他(1989);Ausubel,R.M.編「Current Protocols in Molecular Biology」I〜III巻(1994)、Ausubel他著;「Current Protocols in Molecular Biology」John Wiley and Sons,米国メリーランド州バルチモア(1989);Perbal著「A Practical Guide to Molecular Cloning」John Wiley & Sons,米国ニューヨーク(1988);Watson他、「Recombinant DNA」Scientific American Books、米国ニューヨーク;Birren他編「Genome Analysis:A Laboratory Manual Series」1〜4巻、Cold Spring
Harbor Laboratory Press、米国ニューヨーク(1998);米国特許の4666828号、4683202号、4801531号、5192659号および5272057号に記載される方法;Cellis,J.E.編「Cell Biology:A Laboratory Handbook」I〜III巻(1994);Coligan,J.E.編「Current Protocols in Immunology」I〜III巻(1994);Stites他編「Basic and Clinical Immunology」(第8版)、Appleton & Lange、米国コネティカット州ノーウォーク(1994);MishellとShiigi編「Selected Methodsin Cellular Immunology
」、W.H. Freeman and Co.、米国ニューヨーク(1980);また利用可能な免疫検定法は、例えば以下の特許と科学文献に広範囲にわたって記載されている:米国特許の3791932号、3839153号、3850752号、3850578号、3853987号、3867517号、3879262号、3901654号、3935074号、3984533号、3996345号、4034074号、4098876号、4879219号、5011771号および5281521号;Gait,M.J.編「Oligonucleotide Synthesis」(1984);Hames,B.D.およびHiggins S.J.編「Nucleic Acid Hybridization」(1985);Hames,B.D.およびHiggins S.J.編「Transcription and Translation」(1984);Freshney,R.I.編「Animal Cell Culture」(1986);「Immobilized Cells and Enzymes」IRL Press(1986);「A Practical Guide to Molecular Cloning」Perbal,B.著(1984)および「Methods in Enzymology」1〜317巻、Academic Press;「PCRProtocols:A Guide To Methods And Applications」、Academic Press、米国カリフォルニアサンディエゴ(1990);Marshak他、「Strategies for Protein Purification and Characterization−A Laboratory Course Manual」、CSHLPress、(1996);なおこれらの文献の全ては、あたかも本願に完全に記載されているように援用するものである。その他の一般的な文献は、本明細書を通じて提供される。それらの文献に記載の方法は当業技術界で周知であると考えられ、読者の便宜のために提供される。それらの文献に含まれるすべての情報は本願に援用するものである。

0191

実施例1
骨髄、胎盤組織および脂肪組織からの接着性細胞の作製および培養
接着性細胞を、3D担体を含有するバイオリアクターにおいて培養して、特異的な細胞マーカー発現プロフィルにより特徴づけられる3D接着性細胞を作製した。成長効率細胞計数によって調べた。これらの細胞の分化能を、分化培地で培養することによって調べた。

0192

材料および実験手順
骨髄接着性細胞−骨髄(BM)接着性細胞を、開心術またはBM生検を受ける血液学的に健康なドナーの吸引された胸骨骨髄から得た。骨髄吸引物をハンクス平衡塩溶液(HBSS;GIBCOBRL/Invitrogen、Gaithersburg、MD)で3倍希釈し、Ficoll−Hypaque(Robbins Scientific
Corp.、Sunnyvale、CA)密度勾配遠心分離に供した。その後、骨髄単核細胞(1.077gm/cm3未満)を集め、HBSSで3回洗浄し、成長培地[10%のFCS(GIBCO BRL)、10−4Mのメルカプトエタノール(Merck、White House Station、NJ)、Pen−Strep−ナイスタチン混合物(100U/ml:100μg/ml:1.25un/ml;Beit Ha’Emek)、2mMのL−グルタミン(Beit Ha’Emek)が補充されたDMEM(Biological Industries、Beit Ha’emek、イスラエル)]に再懸濁した。個々のドナーからの細胞を、培養培地を毎週交換しながら、37℃(5%CO2)で組織培養フラスコ(Corning、Acton、MA)において別々にインキュベートした。細胞を、0.25%トリプシン−EDTA(Beit Ha’Emek)を使用して3〜4日毎に剥がした。2〜40回の継代培養の後、60〜80%のコンフルエンスに達したとき、細胞を、分析のために、または、バイオリアクターにおける培養のために集めた。

0193

胎盤由来の接着性細胞。満期出産胎盤の内側部分(Bnei Zionメディカルセンター、Haifa、イスラエル)を無菌条件下で切断し、ハンクス緩衝液により3回洗浄し、0.1%のコラゲナーゼ(1mg/ml組織;Sigma−Aldrich、St.Lewis、MO)とともに37℃で3時間インキュベートした。その後、穏やかなピペッティングを使用して、懸濁された細胞を、10%のFCS、Pen−Strep−ナイスタチン混合物(100U/ml:100μg/ml:1.25un/ml)および2mMのL−グルタミンが補充されたDMEMにより洗浄し、75cm2フラスコに播種し、5%CO2を伴う加湿条件のもとで組織培養インキュベーターにおいて37℃でインキュベートした。その後、細胞をプラスチック表面に72時間接着させ、その後、培地を3〜4日毎に交換した。60〜80%のコンフルエンスに達したとき(通常、10〜12日)、細胞を、0.25%トリプシン−EDTAを使用して成長フラスコから剥離し、新しいフラスコに播種した。その後、培養細胞を、分析のために、または、バイオリアクターにおける培養のために集めた。

0194

脂肪由来の接着性細胞−接着性細胞を脂肪吸引法のヒト脂肪組織から得た(Rambam Haifa、イスラエル)。脂肪組織を等体積のPBSにより徹底的に洗浄し、コラゲナーゼ(20mg/ml)により37℃で30分間消化した。その後、細胞を、10%のFCS、Pen−Strep−ナイスタチン混合物(100U/ml:100μg/ml:1.25un/ml)およびL−グルタミンを含有するDMEMにより洗浄し、1200rpmにおいて室温(RT)で10分間遠心分離し、溶解液(1:10;Biological Industries、Beit Ha’emek、イスラエル、赤血球を除くために)により再懸濁し、遠心分離し、10%のFCS、Pen−Strep−ナイスタチン混合物(100U/ml:100μg/ml:1.25un/ml)およびL−グルタミンを含有するDMEMにより再懸濁した。その後、洗浄された細胞を無菌組織培養培地フラスコに3〜10×107細胞/フラスコで播種した。翌日、細胞をPBSにより洗浄して、残留RBCおよび死細胞を除いた。細胞を、5%CO2を伴う加湿条件のもとで組織培養インキュベーターにおいて37℃で保った。培地を3〜4日毎に交換した。60〜80%のコンフルエンスで、細胞を、0.25%トリプシン−EDTAを使用して成長フラスコから剥離し、新しいフラスコに播種した。2〜40回の継代培養の後、60〜80%のコンフルエンスに達したとき、細胞を、分析のために、または、バイオリアクターにおける培養のために集めた。

0195

PluriX(商標)プラグフローバイオリアクター−PluriX(商標)プラグフローバイオリアクター(Pluristem、Haifa、イスラエル;図1Gに例示されるようなもの;米国特許第6911201号もまた参照のこと)に、ポリエステルの不織布マトリックスから作製された1〜100mlの充填された3Dポロシブ担体(直径、4mm)を負荷した。これらの担体は大きい細胞数の増殖を比較的小さい体積において可能にする。ガラス器具はPluristem(Pluristem、Haifa、イスラエル)によって設計および製造された。バイオリアクターは37℃のインキュベーターにおいて維持され、流量がバルブ(図1Gにおける6a)および蠕動ポンプ(図1Gにおける9)によって調節およびモニターされた。バイオリアクターは、細胞の連続した播種を可能にするサンプリングおよび注入点(図1Gにおける4)を含有する。培養培地がリザーバー(図1Gにおける1)からpH6.7〜7.4で供給された。リザーバーには、空気/CO2/O2を異なる割合で含有するろ過されたガス混合物(図1Gにおける2、3)が、バイオリアクターにおける細胞密度に依存して供給された。O2の割合は、モニター(図1Gにおける6)によって求められるバイオリアクターの出口での溶存O2のレベルに合わせられた。ガス混合物がシリコーンチューブまたはディフューザー(Degania Bet,Emek Hayarden、イスラエル)を介してリザーバーに供給された。培養培地は、循環している非接着性細胞捕集を可能にする分離用容器(図1Gに
おける7)に通された。培地の循環が蠕動ポンプ(図1Gにおける9)によって得られた。バイオリアクターはさらに、さらなるサンプリング点(図1Gにおける10)、および、連続した培地交換のための容器を備えた。

0196

3D接着性細胞の作製−上記のように成長させた非コンフルエントな初代ヒト接着性2D細胞培養物トリプシン処理し、洗浄し、10%のFCS、Pen−Strep−ナイスタチン混合物(100U/ml:100μg/ml:1.25un/ml)および2mMのL−グルタミンが補充されたDMEMに再懸濁し、注入点を介して無菌のプラグフローバイオリアクター(図1G参照)における3D担体に播種した(103〜105細胞/ml)。接種前に、バイオリアクターはPBS−Ca−Mg(Biological Industries、Beit Ha’emek、イスラエル)で満たされ、オートクレーブ処理され(120℃、30分)、10%の熱不活化ウシ胎児血清およびPen−Strep−ナイスタチン混合物(100U/ml:100μg/ml:1.25un/ml)を含有するダルベッコ成長培地により洗浄された。流れが0.1〜5ml/分の速度で保たれた。播種プロセスでは、2〜48時間にわたる循環の中断が伴い、それにより、細胞が担体に留まることを可能になった。バイオリアクターは、無菌の空気およびCO2が必要に応じて供給されるインキュベーターを使用して、制御された温度(37℃)およびpH(pH=6.7〜7.4)の条件のもとで保たれた。成長培地を週に2〜3回取り替えた。循環培地を、4時間毎〜7日毎に、新鮮なDMEM培地により取り替えた。1×106〜1×107細胞/mlの密度で(12〜40日の成長の後)、全培地体積をバイオリアクターから取り出し、バイオリアクターおよび担体をPBSにより3〜5回洗浄した。その後、3D接着性細胞をトリプシン−EDTA(Biological Industries、Beit Ha’emek、イスラエル;穏やかな撹拌とともに3〜15分、1〜5回)により担体から剥離し、その後、DMEMに再懸濁し、凍結保存した。

0197

3D接着性細胞の性状の生物学的アッセイ−凍結保存された3D接着性細胞を解凍し、計数した。細胞生存能の評価のために、2×105個の細胞を150cm2組織培養フラスコに播種し、その接着能および再増殖を播種後7日以内に評価した。その後、3D接着性細胞の膜マーカー表現型を、蛍光モノクローナル抗体フローサイトメーター(Beckman Coulter、Fullerton、CA)を使用して分析した。

0198

フローサイトメトリーアッセイを使用する3D培養の接着性細胞および2D培養の接着性細胞の細胞膜マーカープロフィルの比較−2D培養および3Dフローシステム培養からの100000〜200000個の接着性細胞を5mlのチューブにおいて0.1mlの培養培地に懸濁し、下記MAb、FITCコンジュゲート化抗ヒトCD90(Chemicon International Inc.、Temecula、CA)、PEコンジュゲート化抗ヒトCD73(Bactlab Diagnostic、Ceasarea、イスラエル)、PEコンジュゲート化抗ヒトCD105(eBioscience、San Diego、CA)、FITCコンジュゲート化抗ヒトCD29(eBioscience、San Diego、CA)、Cy7−PEコンジュゲート化抗ヒトCD45(eBioscience)、PEコンジュゲート化抗ヒトCD19(IQProducts、Groningen、オランダ)、PEコンジュゲート化抗ヒトCD14 MAb(IQProducts)、FITCコンジュゲート化抗ヒトCD11b(IQProducts)およびPEコンジュゲート化抗ヒトCD34(IQProducts)のそれぞれの飽和濃度と、または、FITCコンジュゲート化抗ヒトHLA−DR MAb(IQProducts)とインキュベートした(4℃、30分、暗所)。インキュベート後、細胞を、1%の熱不活化FCSを含有する氷冷PBSで2回洗浄し、500μlホルムアルデヒド(0.5%)に再懸濁し、FC−500フローサイトメーター(Beckman Coulter、Fullerton、CA)を使用して分析した。

0199

質量分析法による分析を使用する3D培養の接着性細胞および2D培養の接着性細胞のタンパク質プロフィルの比較−2D由来培養手法および3D由来培養手法の接着性細胞を上記のように胎盤から作製した。簡単に記載すると、2D培養物を、0.3〜0.75×106個の細胞を、60〜80%のコンフルエンスに達するまで、加湿5%CO2雰囲気のもと、37℃で、175cm2フラスコにおいて4日間培養することによって作製した。2〜10×106細胞/mlを、2000個の担体を含有するバイオリアクターに播種し、18日間培養することによって、3D培養物を作製した。回収後、細胞を(3回)洗浄して、全血清を除き、ペレット化し、凍結した。タンパク質を製造者プロトコルに従ってペレットから単離した[Tri試薬キット(Sigma、Saint Louis、米国)を使用し、トリプシンにより消化し、iTRAQ試薬(Applied Biosciences、FosterCity、CA)により標識した]。簡単に記載すると、iTRAQ試薬は、非ポリマーの、等重核のタグ化試薬である。それぞれのサンプルに含まれるペプチドが、それらのN末端および/またはリシン側鎖を介して4つの等重核の同位体コードタグのうちの1つにより標識される。4つの標識されたサンプルが混合され、ペプチドが質量分析法により分析される。ペプチドがフラグメント化されたとき、それぞれのタグが、異なった質量レポーターイオンを放出する。従って、4つのレポーターの比率により、サンプルにおける所与ペプチドの相対的な存在量が与えられる(http://docs.appliedbiosystems.com/pebiodocs/00113379.pdfにおける情報)。

0200

胎盤由来接着性細胞の2D培養対3D培養のプロテオミックス分析を、QTOF−PremierでのLC−MS/MS(Waters、San Francisco、CA)を使用してSmolerプロテオミックセンター(Biology部門、Technion、Haifa、イスラエル)において行い、同定および分析をnrデータベースのヒト部分に対してPep−Minerソフトウエア[Beer,I.et al.、Proteomics、4、950〜60(2004)]によって行った。分析されたタンパク質は、ヘテロ核リボヌクレオタンパク質H1(Hnrph1、GeneBankアクセション番号NP_005511)、H2Aヒストンファミリー(H2AF、GenBankアクセション番号NP_034566.1)、真核生物翻訳伸長因子2(EEEF2、GeneBankアクセション番号NP_031933.1)、レチクロカルビン3、EF−ハンドカルシウム結合ドメイン(RCN2、GeneBankアクセション番号NP_065701)、CD44抗原イソ型2前駆体(GeneBankアクセション番号NP_001001389)、カルポニン1塩基性平滑筋(CNN1、GeneBankアクセション番号NP_001290)、3ホスホアデノシン5ホスホ硫酸シンターゼ2イソ型a(Papss2、GeneBankアクセション番号NP_004661)、リボソームタンパク質L7a(rpL7a、GeneBankアクセション番号NP_000963)およびアルデヒドデヒドロゲナーゼX(ALDHX、GeneBankアクセション番号P47738)であった。すべての実験が2回行われた。分析の性質のために、すべてのタンパク質は、サンプルにおいて現れたペプチドの数に従って分析された(それぞれの分析において1つのタンパク質から2〜20個のペプチドが出現した)。

0201

ELISAを使用する3D培養の接着性細胞および2D培養の接着性細胞における分泌タンパク質の比較−胎盤から作製された2D由来培養手法および3D由来培養手法の接着性細胞を上記のように作製した(3D培養物は24日の期間にわたった)。その後、馴化培地を集め、Flt−3リガンド、IL−6、トロンボポエチンTPO)および幹細胞因子(SCF)について、3回の独立した実験で、ELISA(R&D Systems、Minneapolis、MN)を使用して分析した。結果を1×106細胞/mlについて正規化した。

0202

骨芽細胞分化培地−細胞を、10%のFCS、100nMのデキサメタゾン、0.05
mMのアスコルビン酸2−リン酸、10mMのB−グリセロリン酸が補充されたDMEMを含有する骨芽細胞分化培地で3週間の期間、培養することによって、骨形成性分化を評価した。石灰化したマトリックスがアリザリンレッドS染色によって示され、アルカリホスファターゼがアルカリホスファターゼアッセイキットによって検出された(すべての試薬がSigma−Aldrich(St.Lewis、MO)から得られた)。

0203

実験結果
PluriX(商標)バイオリアクターシステムは生理学的な類似する微小環境をもたらす。
接着性細胞のための効率的な培養条件を与えるために、生理学的に類似する微小環境(図1Aに示す)が、PluriX(商標)バイオリアクター(Pluristem、Haifa、イスラエル;担体が図1Gに例示され、播種前が図1Bに示される)を使用して人工的に作製された。図1C〜Fに示されるように、播種後の20日(図1C〜D、それぞれ150倍および250倍に拡大)および40日(図1E〜F、それぞれ350倍および500倍に拡大)において、骨髄から作製された3D接着性細胞が首尾良く培養され、3Dマトリックス上で拡大培養された。

0204

PluriXバイオリアクターシステムで成長させた細胞は著しく拡大培養された。胎盤由来3D接着性細胞の種々の製造ロットをPluriXバイオリアクターシステムで成長させた。播種密度は13300細胞/担体であった(合計で2×106細胞)。播種後14日で、細胞密度は15倍になり、およそ200000細胞/担体に達し(図2)、すなわち、150個の担体のバイオリアクターにおいて30×106個に達した。異なる実験において、細胞が1.5×104細胞/mlの密度でバイオリアクターに播種され、播種後30日で、担体は、50倍を超える大きい細胞数、すなわち、およそ0.5×106細胞/担体または0.5×107細胞/mlを含有した。成長カラムの様々なレベルでの担体上の細胞密度は一致していた。このことは、細胞への酸素および栄養分の均一な移動を示している。従って、この3D培養システムは、生着および成功した移植を支持するという目的のために十分な量に効率的に成長させることができる、高密度の間葉系細胞培養の成長および長期にわたる維持のための支持条件を提供することが判明した。

0205

3D接着性細胞は特異な膜マーカー特徴を示す。骨環境を模倣する3D培養手法によって行われたとき、可溶性分子の分泌プロフィルおよびタンパク質産生における違いを明確にするために、FACS分析を行った。図3Aに示すように、細胞マーカーのFACS分析は、3D接着性細胞が、2D条件で成長させた接着性細胞とは異なるマーカー発現パターン呈示することを示す。2D培養の細胞は、3D培養の細胞と比較して、陽性の膜マーカー(CD90、CD105、CD73およびCD29の膜マーカー)のレベルが著しく上昇した。例えば、CD105は、2D培養の細胞における87%に対して、3D培養の細胞では56%の発現を示した。2Dおよび3Dの両方の胎盤培養の接着性細胞は造血系の膜マーカーを何ら発現しなかった(図3B)。

0206

3D接着性細胞は可溶性因子の特異なプロフィルを示す。造血陥凹部は、大量のサイトカイン、ケモカインおよび増殖因子を産生するサポーター細胞を含む。2D培養の接着性細胞と、3D培養の接着性細胞との違いをさらに明確にするために、2Dおよび3Dの接着性細胞培養物の馴化培地における4つの主要な造血系分泌タンパク質のプロフィルをELISAによって行った。図4A〜Cは、3D条件で成長させられた細胞が、より高いレベルのFlt−3リガンド(図4A)、IL−60(図4B)およびSCF(図4C)を含む馴化培地をもたらし、一方、低いレベルのIL−6、ゼロに近いレベルのFlt−3リガンドおよびSCFが2D培養物の馴化培地において検出されたことを示す。トロンボポエチン(TPO)の産生は両方の培養物において非常に低く、等しかった。

0207

3D接着性細胞は特異なタンパク質プロフィルを質量分析法による分析において示す。2D培養の接着性細胞と、3D培養の接着性細胞との違いをさらに明確にするために、これらの細胞のタンパク質プロフィルを質量分析法によって分析した。図4Dは、2D培養の接着性細胞および3D培養の接着性細胞が顕著に異なるタンパク質発現プロフィルを示すことを示す。下記の表1に示されるように、3D培養の細胞では、H2AFおよびALDHXの発現レベルがはるかにより大きいこと(それぞれ、9倍超および12倍超)、また、EEEF2、RCN2およびCNN1のタンパク質のレベルがより大きいこと(それぞれ、約3倍、2.5倍および2倍)が示される。加えて、3D培養の細胞では、Hnrph1およびCD44抗原イソ型2前駆体のタンパク質の発現レベルが約1/2であり、Papss2およびrpL7aの発現レベルが約1/3であることが示される。

0208

3D接着性細胞は、骨芽細胞に分化する能力を有する。−3D接着性細胞をさらに特徴づけるために、細胞を骨芽細胞分化培地で3週間の期間、培養した。その後、カルシウム沈殿を行った。分化した細胞は、カルシウム(これは図5A〜Bにおいて赤色に示される)を産生することが示され、これに対して、コントロール細胞は線維芽細胞様の表現型を維持し、石灰化を示さなかった(図5C〜D)。これらの結果は、胎盤由来の3D接着性細胞が、骨芽細胞にインビトロで分化する能力を有することを示す。

0209

実施例2
HSCの生着を改善する胎盤由来の3D接着性細胞の能力の評価
3D接着性細胞がHSC生着を支持することを、亜致死量放射線照射された免疫欠損NOD−SCIDマウス、または、化学療法により前処理された免疫欠損NOD−SCIDマウスにおいて検出されるヒト造血細胞(hCD45+)のレベルによって評価した。

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