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技術 パワーステアリング装置及びこれを備えるステアリング装置

出願人 KYB株式会社
発明者 清水哲郎
出願日 2015年11月18日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-225577
公開日 2017年6月1日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-094760
状態 特許登録済
技術分野 操向リンク系及び4WS 操向伝動装置 自動自転車、自転車一般 パワーステアリング機構 継手
主要キーワード 非円形軸 テーパ面どうし 出力軸孔 結合軸 テーパ面状 プレッシャパッド シャフトケース ロッドエンド
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重要な関連分野

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図面 (10)

課題

解決手段

パワーステアリング装置100は、ステアリングホイール1から操舵トルクが入力されて回転するステアリングシャフト2と、操舵トルクを補助する回転トルクをステアリングシャフト2に付与する電動モータ30と、電動モータ30の回転を減速してステアリングシャフト2に伝達する減速部40と、を備え、ステアリングシャフト2は、ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25のいずれか一方が選択的にセレーション結合するセレーション部14と、ピニオンギヤ21に当接することによりピニオンギヤ21を径方向位置決めするテーパ部21と、を有する。

概要

背景

特許文献1には、操舵軸と、左右のタイロッドに連結され左右の車輪操舵力を伝達するステアリングアームとの間に介装されるパワーステアリング装置が開示されている。

概要

パワーステアリング装置の製造コストを低減させる。パワーステアリング装置100は、ステアリングホイール1から操舵トルクが入力されて回転するステアリングシャフト2と、操舵トルクを補助する回転トルクをステアリングシャフト2に付与する電動モータ30と、電動モータ30の回転を減速してステアリングシャフト2に伝達する減速部40と、を備え、ステアリングシャフト2は、ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25のいずれか一方が選択的にセレーション結合するセレーション部14と、ピニオンギヤ21に当接することによりピニオンギヤ21を径方向位置決めするテーパ部21と、を有する。

目的

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、パワーステアリング装置の製造コストを低減させることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

転舵機構車輪転舵する転舵力を付与するパワーステアリング装置であって、操舵ハンドルから操舵トルクが入力されて回転するステアリングシャフトと、前記操舵トルクを補助する回転トルクを前記ステアリングシャフトに付与する電動モータと、前記電動モータの回転を減速して前記ステアリングシャフトに伝達する減速部と、を備え、前記ステアリングシャフトは、前記転舵機構のピニオンギヤ及びピットマンアームのいずれか一方が選択的に相対回転不能に結合する結合部と、前記ピニオンギヤに当接することにより前記ピニオンギヤを径方向位置決めする位置決め部と、を有することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項2

前記ステアリングシャフトを収容し2以上の支持部によって前記ステアリングシャフトを支持するシャフトケースをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。

請求項3

前記シャフトケースは、前記結合部に前記ピニオンギヤが結合される場合に前記ピニオンギヤを収容するラックケースが前記ピニオンギヤの軸方向から接触する接触部と、前記ラックケースが前記ピニオンギヤの径方向に隙間を持って嵌合する嵌合部と、を有することを特徴とする請求項2に記載のパワーステアリング装置。

請求項4

前記ステアリングシャフトは、前記結合部に前記ピットマンアームが結合される場合に前記ピットマンアームに当接する当接部をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のパワーステアリング装置。

請求項5

前記位置決め部は、前記ピニオンギヤ及び前記ピットマンアームのいずれか一方とテーパ面で接触するテーパ部であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のパワーステアリング装置。

請求項6

前記位置決め部は、前記ピニオンギヤ及び前記ピットマンアームのいずれか一方に嵌合するインロー部であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のパワーステアリング装置。

請求項7

前記車輪を転舵する前記転舵機構としてのラックアンドピニオン機構及びリンク機構のいずれか一方と、前記車輪を転舵する転舵力を前記ラックアンドピニオン機構及び前記リンク機構のいずれか一方に付与する請求項1から6のいずれか一つに記載のパワーステアリング装置と、を備えることを特徴とするステアリング装置

技術分野

0001

本発明は、パワーステアリング装置及びこれを備えるステアリング装置に関するものである。

背景技術

0002

特許文献1には、操舵軸と、左右のタイロッドに連結され左右の車輪操舵力を伝達するステアリングアームとの間に介装されるパワーステアリング装置が開示されている。

先行技術

0003

特開2014−184872号公報

発明が解決しようとする課題

0004

一般に、パワーステアリング装置のステアリングシャフトの回転を車輪の転舵力に変換する転舵機構としては、パワーステアリング装置が搭載される車両の仕様等に応じて、ラックアンドピニオン機構や特許文献1に開示されるようなリンク機構が採用される。また、パワーステアリング装置では、転舵機構の種類に応じて設計された部品を使用するのが一般的である。

0005

しかしながら、転舵機構の種類によって部品が異なると、部品点数の増加によりパワーステアリング装置の設計や製造のコストが増加する。

0006

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、パワーステアリング装置の製造コストを低減させることを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

第1の発明は、パワーステアリング装置であって、操舵ハンドルから操舵トルクが入力されて回転するステアリングシャフトと、操舵トルクを補助する回転トルクをステアリングシャフトに付与する電動モータと、電動モータの回転を減速してステアリングシャフトに伝達する減速部と、を備え、ステアリングシャフトは、転舵機構のピニオンギヤ及びピットマンアームのいずれか一方が選択的に相対回転不能に結合する結合部と、ピニオンギヤに当接することによりピニオンギヤを径方向位置決めする位置決め部と、を有することを特徴とする。

0008

第1の発明では、結合部によって、ラックアンドピニオン機構のピニオンギヤとリンク機構のピットマンアームとの両方をステアリングシャフトに結合することができる。また、ステアリングシャフトに位置決め部が設けられることにより、ラックギヤとの噛み合い精度を確保するために比較的高精度で径方向に位置決めする必要があるピニオンギヤを高精度で径方向に位置決めすることができる。よって、ラックアンドピニオン機構とリンク機構とのいずれが転舵機構として使用されても、パワーステアリング装置を共通化することができる。

0009

第2の発明は、ステアリングシャフトを収容し2以上の支持部によってステアリングシャフトを支持するシャフトケースをさらに備えることを特徴とする。

0010

第2の発明では、シャフトケースが2以上の支持部によってステアリングシャフトを支持することにより、ステアリングシャフトは安定した状態で支持される。したがって、パワーステアリング装置と転舵機構の組み立てを容易に行うことができる。

0011

第3の発明は、シャフトケースが、結合部にピニオンギヤが結合される場合にピニオンギヤを収容するラックケースがピニオンギヤの軸方向から接触する接触部と、ラックケースがピニオンギヤの径方向に隙間を持って嵌合する嵌合部と、を有することを特徴とする。

0012

第3の発明では、シャフトケースがラックケースとの間で径方向隙間を形成するため、ピニオンギヤの噛み合い精度を確保しつつラックケースとシャフトケースとを容易に連結することができる。したがって、パワーステアリング装置と転舵機構との組み立てを容易に行うことができる。

0013

第4の発明は、ステアリングシャフトが、結合部にピットマンアームが結合される場合にピットマンアームに当接する当接部をさらに有することを特徴とする。

0014

第4の発明では、ピニオンギヤのように径方向への高い精度の位置決めを必要としないピットマンアームがステアリングシャフトに結合される場合には、ピットマンアームは位置決め部に当接せず当接部に当接させることができる。

0015

第5の発明は、位置決め部が、ピニオンギヤ及びピットマンアームのいずれか一方とテーパ面で接触するテーパ部であることを特徴とする。

0016

第6の発明は、位置決め部が、ピニオンギヤ及びピットマンアームのいずれか一方に嵌合するインロー部であることを特徴とする。

0017

第7の発明は、ステアリング装置であって、車輪を転舵する転舵機構としてのラックアンドピニオン機構及びリンク機構のいずれか一方と、車輪を転舵する転舵力をラックアンドピニオン機構及びリンク機構のいずれか一方に付与する発明1から発明7のいずれか一つに記載のパワーステアリング装置と、を備えることを特徴とする。

発明の効果

0018

本発明によれば、パワーステアリング装置の製造コストを低減させることができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施形態に係るステアリング装置の構成図である。
本発明の実施形態に係るパワーステアリング装置の断面図である。
本発明の実施形態に係るステアリング装置の断面図であって、ラックアンドピニオン機構を転舵機構として備える場合を示す。
図3におけるA部の拡大図である。
図3におけるB部の拡大図である。
本発明の実施形態に係るステアリング装置のリンク機構の構成図である。
本発明の実施形態に係るステアリング装置の断面図であって、リンク機構を転舵機構として備える場合を示す。
図7におけるC部の拡大図である。
本発明の実施形態に係るパワーステアリング装置における出力軸の変形例を示す断面図である。

実施例

0020

以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るパワーステアリング装置100及びこれを備えるステアリング装置101について説明する。

0021

ステアリング装置101は、車両に搭載され、ドライバが操舵ハンドルとしてのステアリングホイール1に加える操舵トルクを変換して車輪5を転舵する装置である。

0022

図1に示すように、ステアリング装置101は、車輪5を転舵する転舵機構20と、車輪5を転舵する転舵力を転舵機構20に付与するパワーステアリング装置100と、を備える。

0023

ステアリング装置101では、車輪5を転舵する転舵機構20の構成は、車両の仕様等に応じて決められる。具体的には、車両の仕様等に応じて、その車両に搭載されるステアリング装置101の転舵機構20をラックアンドピニオン機構20Aにするか、リンク機構20Bにするかが決められる。

0024

パワーステアリング装置100は、転舵機構20としてラックアンドピニオン機構20Aを備えるステアリング装置101と、転舵機構20としてリンク機構20Bを備えるステアリング装置101と、の両方に共通使用される。言い換えれば、パワーステアリング装置100は、転舵機構20がラックアンドピニオン機構20Aとリンク機構20Bのいずれの場合であっても、車輪5を転舵する転舵力を付与可能なものである。

0025

まず、図1及び図2を参照して、パワーステアリング装置100の全体構成について説明する。

0026

パワーステアリング装置100は、図1及び図2に示すように、ステアリングホイール1から入力される操舵トルクによって回転するステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2を収容するシャフトケース6と、操舵トルクを補助する回転トルクをステアリングシャフト2に付与する電動モータ30と、電動モータ30の回転を減速してステアリングシャフト2に伝達する減速部40と、を備える。

0027

ステアリングシャフト2は、ステアリングホイール1に連係して操舵トルクが伝達される入力軸3と、下端が転舵機構20に連係する出力軸10と、入力軸3と出力軸10を連結するトーションバー4と、を有する。出力軸10の構成については、後に具体的に説明する。

0028

ステアリングシャフト2は、図2に示すように、シャフトケース6を貫通して設けられる。シャフトケース6は、入力軸3を収容する第1シャフトケース7と、出力軸10及び減速部40を収容する第2シャフトケース8と、を有する。

0029

第1シャフトケース7は、第1シャフト軸受9Aを介してステアリングシャフト2の入力軸3を回転自在に支持すると共に第2シャフト軸受9Bを介して出力軸10を回転自在に支持する。また、第2シャフトケース8は、第3シャフト軸受9Cを介して出力軸10を回転自在に支持する。このように、ステアリングシャフト2を収容するシャフトケース6は、第1、第2、第3シャフト軸受9A,9B,9Cを支持部として3点でステアリングシャフト2を回転自在に支持する。第1、第2、第3シャフト軸受A,9B,9Cは、転がり軸受である。

0030

第2シャフトケース8には、出力軸10の軸方向に垂直に形成される垂直面8Aと、垂直面8Aに接続する円筒面8Bと、が形成される。後述するようにステアリング装置101がラックアンドピニオン機構20Aを転舵機構20として備える場合では、第2シャフトケース8には、ピニオンギヤ21を収容するラックケース50が連結される。

0031

また、ステアリングシャフト2が貫通するシャフトケース6の軸方向両端の開口部、つまり第1シャフトケース7と第2シャフトケース8のそれぞれの開口部には、シャフトケース6内へのダスト等の浸入を防止する第1,第2ダストシール6A,6Bがそれぞれ設けられる。

0032

電動モータ30は、ドライバによるステアリングホイール1の操舵を補助する回転トルクを付与するための動力源である。電動モータ30が回転軸(図示省略)から出力する回転トルクは、ドライバのステアリングホイール1の操作によってねじれるトーションバー4のねじれ量をトルクセンサ(図示省略)により検出し、検出されたねじれ量に基づいてコントローラ(図示省略)により演算される。

0033

電動モータ30が出力する回転トルクは、減速部40によって減速されてステアリングシャフト2の出力軸10にアシスト力として伝達される。このように、ステアリングホイール1から入力される操舵トルクを検出するトルクセンサの検出結果に基づいて電動モータ30が駆動され、電動モータ30はステアリングシャフト2を介して転舵機構20に回転トルクを付与する。よって、電動モータ30によりドライバによるステアリングホイール1の操舵が補助される。

0034

減速部40は、図1に示すように、電動モータ30の回転を減速して出力軸10に伝達するウォームギヤ機構である。減速部40は、電動モータ30の回転に伴い回転するウォーム軸41と、ウォーム軸41と噛み合うウォームホイール42と、を有する。減速部40のウォームホイール42は、後述する出力軸10の圧入部12に圧入されて減速部40の出力を出力軸10に伝達する。

0035

電動モータ30が駆動してウォーム軸41が回転すると、ウォームホイール42は、ウォーム軸41の歯数とウォームホイール42の歯数とに応じた減速比により減速されて回転する。よって、電動モータ30の回転は、ウォーム軸41の歯数とウォームホイール42の歯数とに応じた減速比により減速されて出力軸10に伝達される。このように、ステアリング装置101では、電動モータ30の回転を減速部40によって減速することにより、操舵トルクをアシストするより大きなアシスト力を出力軸10に付与することができる。

0036

次に、出力軸10の構成について具体的に説明する。

0037

出力軸10は、図2に示すように、第2シャフト軸受9Bによって支持される大径部11と、大径部11よりも外径が小さく形成され減速部40のウォームホイール42が圧入される圧入部12と、圧入部12よりも外径が小さく形成され第3シャフト軸受9Cによって支持される小径部13と、小径部13よりも外径が小さく外周にセレーションが形成される結合部としてのセレーション部14と、小径部13とセレーション部14との軸方向の間に形成され後述するピニオンギヤ21を径方向に位置決めする位置決め部としてのテーパ部15と、テーパ部15とセレーション部14との間に形成されリンク機構20Bの後述するピットマンアーム25に当接する当接部16と、を有する。

0038

出力軸10では、上端から下端に向かって大径部11、圧入部12、小径部13、セレーション部14の順に設けられる。つまり、大径部11の外径が、出力軸10の最大外径である。このように、出力軸10は、先端(下端)に向かうにつれ外径が減少する階段状に形成される。

0039

大径部11と圧入部12との間には、段差11Aが形成される。ウォームホイール42は、出力軸10の下端側から段差11Aに当接するまで圧入部12に圧入される。これにより、ウォームホイール42は、ウォーム軸41と噛み合う位置に位置決めされる。

0040

テーパ部15は、小径部13に向かうにつれ外径が大きくなるように出力軸10の中心軸に対して傾斜するテーパ面として形成される。

0041

当接部16は、出力軸10の中心軸に垂直に形成される平面である。当接部16とセレーション部14との間には、セレーション部14よりも小さい外径で形成される逃がし部17が設けられる。

0042

出力軸10において、セレーション部14よりも先端側(図2中下方側)には、出力軸10の外周に取り付けられる部品の抜け止めをするナット70(図3参照)が螺合する雄ねじ部18が設けられる。

0043

次に、図3から図5を参照して、ステアリング装置101が転舵機構20としてラックアンドピニオン機構20Aを備える場合について説明する。

0044

ラックアンドピニオン機構20Aは、図3に示すように、出力軸10に連結され出力軸10の回転に伴って回転するピニオンギヤ21と、ピニオンギヤ21に噛み合うラックギヤ22Aを有し車輪5を転舵するラック軸22と、ラックアンドピニオン機構20Aを収容するラックケース50と、を有する。

0045

ピニオンギヤ21は、出力軸10のセレーション部14にセレーション結合によって相対回転不能に結合され、出力軸10の回転に伴って回転する。ピニオンギヤ21は、図4に示すように、出力軸10のテーパ部15に対応したテーパ面状に形成されるギヤ接触面21Aを有し、テーパ部15とテーパ面どうしで接触する。テーパ部15とギヤ接触面21Aとの間の隙間は、セレーション部14とピニオンギヤ21とのセレーション結合における径方向隙間(がた)よりも小さく形成される。これにより、ピニオンギヤ21は、出力軸10のテーパ部15によって径方向に高い精度で位置決めされ、ラック軸22のラックギヤ22Aとの噛み合い精度が確保される。

0046

ラック軸22は、図3に示すように、ラックケース50に設けられる支持機構60によってピニオンギヤ21に向けて付勢される。支持機構60は、ラック軸22に摺接するプレッシャパッド61と、ラックケース50に螺合するアジャスタカバー62と、プレッシャパッド61とアジャスタカバー62との間に圧縮状態で介装されピニオンギヤ21に向けてプレッシャパッド61を付勢するスプリング63と、を有する。アジャスタカバー62の螺合位置を変更することにより、スプリング63のセット荷重が調整されて、ラック軸22への付勢力が調整される。ラック軸22がピニオンギヤ21に向けて付勢されることにより、ラック軸22とピニオンギヤ21との間のバックラッシュが低減され、ピニオンギヤ21が回転してラック軸22が移動する際の歯打ち音が低減される。

0047

出力軸10は、ドライバの操作によってステアリングホイール1に入力される操舵トルクが入力軸3及びトーションバー4を介して出力軸10に伝達されることにより、回転する。ラック軸22のラックギヤ22Aに噛み合うピニオンギヤ21が出力軸10の回転に伴って回転することにより、ラック軸22が直線運動する。ラック軸22が直線運動することにより、タイロッド(図示省略)等を介して車輪5が転舵される。このように、出力軸10の回転がラックアンドピニオン機構20Aによって直線運動に変換されて、車輪5が転舵される。

0048

ラックケース50は、ナット70とピニオンギヤ21との軸方向の間に設けられる第4シャフト軸受9Dを介して出力軸10を回転自在に支持する。

0049

ラックケース50は、図5に示すように、ピニオンギヤ21の軸方向に沿って第2シャフトケース8の接触部としての垂直面8Aに接触する。また、ラックケース50は、ピニオンギヤ21の径方向に隙間を持って第2シャフトケース8の嵌合部としての円筒面8Bに嵌合する。ラックケース50と第2シャフトケース8の円筒面8Bとの間の径方向隙間は、出力軸10のテーパ部15とピニオンギヤ21のギヤ接触面21Aとの間の隙間よりも大きく形成される。

0050

ラックケース50と第2シャフトケース8の垂直面8Aとの間には、ピニオンギヤ21及び出力軸10の軸方向に圧縮され径方向には圧縮されないシール部材51が設けられる。シール部材51によって、ラックケース50と第2シャフトケース8との間を通じたダスト等の浸入が防止される。

0051

ここで、ラックケース50と第2シャフトケース8との間に径方向に圧縮されるシール部材51が設けられて、両者の間に径方向隙間がない場合には、ラックケース50と第2シャフトケース8との径方向の相対位置を調整することができない。このため、ピニオンギヤ21とラックギヤ22Aとの噛み合い精度を確保しつつラックケース50と第2シャフトケース8とを適切な位置で連結することが困難となる。

0052

これに対し、ステアリング装置101では、第2シャフトケース8は、ラックケース50と共にシール部材51を径方向ではなく軸方向に圧縮するように設けられて、ラックケース50との間には径方向隙間を形成する。よって、ラックケース50と第2シャフトケース8との径方向の相対位置を調整することにより、ピニオンギヤ21とラックギヤ22Aとの噛み合い精度を確保しつつラックケース50と第2シャフトケース8とを容易に連結することができる。言い換えれば、ラックケース50と第2シャフトケース8とを連結するために、ピニオンギヤ21とラックギヤ22Aとの噛み合い精度が悪化することを防止することができる。

0053

次に、図6から図8を参照して、ステアリング装置101が転舵機構20としてリンク機構20Bを備える場合について説明する。

0054

リンク機構20Bは、図6及び図7に示すように出力軸10に連結され出力軸10の回転に伴って回転するピットマンアーム25と、車輪5に連結されるタイロッド26と、ピットマンアーム25とタイロッド26とを連結するロッドエンド27と、を有する。

0055

ピットマンアーム25は、出力軸10のセレーション部14が挿入されてセレーション結合される出力軸孔25Aと、出力軸孔25Aから離間すると共に出力軸孔25Aと略平行に設けられる一対の連結孔25B,25Cと、を有する。

0056

ピットマンアーム25は、図8示すように、セレーション部14にセレーション結合された状態では、テーパ部15には当接せずに離間し、当接部16に当接する。ピットマンアーム25は、噛み合い精度が必要なピニオンギヤ21のような径方向への高い精度の位置決めを必要としない。このため、ピットマンアーム25は、テーパ部15には当接せず離間していてもよい。なお、ピットマンアーム25を径方向に高い精度で位置決めする必要がある場合には、ピニオンギヤ21のようにピットマンアーム25にテーパ状の接触面を形成し、テーパ部15と接触面とが接触するように構成してもよい。

0057

ロッドエンド27は、タイロッド26とピットマンアーム25とを連結するボールジョイントである。ロッドエンド27における一方の軸27Aは、ピットマンアーム25の一方の連結孔25Bに挿入されて連結される。ロッドエンド27における他方の軸27Bは、タイロッド26の一方の端部に連結される。タイロッド26の他方の端部には、ナックルアーム等(図示省略)を介して車輪5が連結される。図6では、一方の車輪5と連結するタイロッド26及びロッドエンド27のみを図示し、他方の車輪5と連結するタイロッド及びピットマンアーム25の他方の連結孔25Cに連結されるロッドエンドは図示を省略している。

0058

一般に、転舵機構20がリンク機構20Bである場合には、ラックケース50のようなピットマンアーム25を収容するケースは設けられない。ナット70とピットマンアーム25との間には、ラックアンドピニオン機構20の第4シャフト軸受9Dに代えて、カラー部材28が設けられる。

0059

出力軸10の回転によりピットマンアーム25は出力軸10を中心に回転し、ピットマンアーム25の回転に伴い出力軸10から離れた位置に連結されるロッドエンド27は出力軸10を中心に円弧運動する。これにより、出力軸10の回転はロッドエンド27を介してタイロッド26に直線運動として伝達される。このように、リンク機構20Bによってステアリングシャフト2における出力軸10の回転が車輪5の転舵力に変換される。

0060

以上のように、出力軸10のセレーション部14には、ラックアンドピニオン機構20Aのピニオンギヤ21及びリンク機構20Bのピットマンアーム25の両方がセレーション結合可能であって、ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25のいずれか一方が車両の仕様等に応じて選択的に結合される。また、テーパ部15によってピニオンギヤ21を径方向に高い精度で位置決めできるため、ピニオンギヤ21とラック軸22のラックギヤとの噛み合い精度が確保され、転舵機構20としてのラックアンドピニオン機構20Aの機能を損なうことがない。よって、パワーステアリング装置100は、転舵機構20としてラックアンドピニオン機構20Aを備えるステアリング装置101と、転舵機構20としてリンク機構20Bを備えるステアリング装置101と、の両方に適用できる。したがって、転舵機構20の種類に合わせてパワーステアリング装置100の構成を変更する必要がなく、パワーステアリング装置100の製造コストを低減することができる。

0061

次に、図9を参照して、上記実施形態の変形例について、説明する。

0062

上記実施形態では、出力軸10の結合部は、セレーション部14である。ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25は、セレーション部14にセレーション結合されることによって出力軸10に対して相対回転不能に設けられる。これに代えて、結合部は、ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25が相対回転不能に結合するものであれば、セレーション部14に限らず、その他の構造であってもよい。例えば、結合部は、多角形断面や楕円形断面など真円形以外の断面形状に形成される非円形軸部であり、ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25が非円形軸部の断面形状に対応する断面形状の孔部を有するものでもよい。この場合には、出力軸10の非円形軸部がピニオンギヤ21及びピットマンアーム25の孔部に挿入されることで、両者が相対回転不能に結合される。また、結合部は、キー溝が形成される結合軸部であってもよい。この場合には、ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25にも対応するキー溝を形成し、結合軸部のキー溝とピニオンギヤ21及びピットマンアーム25のキー溝とにわたって差し込まれるキーによって両者が相対回転不能に結合される。

0063

また、上記実施形態では、ピニオンギヤ21を径方向に位置決めする位置決め部は、テーパ部15である。これに対し、図9に示すように、位置決め部は、ピニオンギヤ21に形成される凹部121に嵌合する凸部として出力軸10に形成されるインロー部115であってもよい。この場合であっても、インロー部115と凹部121との間の径方向隙間は、セレーション部14とピニオンギヤ21とのセレーション結合における径方向隙間よりも小さく形成される。なお、ピニオンギヤ21に凸部が形成され、出力軸10にインロー部115として凹部が形成されてもよい。

0064

また、上記実施形態では、出力軸10は、ピットマンアーム25が当接する当接部16を有する。これに対し、出力軸10には、当接部16が形成されなくてもよい。この場合には、ピットマンアーム25もピニオンギヤ21と同様にテーパ部15によって径方向に位置決めされる。

0065

また、上記実施形態では、減速部40は、ウォームギヤ機構である。これに対し、減速部40は、複数のギヤ機構を有するものでもよい。例えば、減速部40は、遊星歯車機構によって構成される第1減速部と、ウォームギヤ機構によって構成される第2減速部と、を有し、2つの減速部によって電動モータ30の回転を減速してステアリングシャフト2に伝達してもよい。

0066

以上の実施形態によれば以下の効果を奏する。

0067

パワーステアリング装置100では、出力軸10のセレーション部14には、ラックアンドピニオン機構20Aのピニオンギヤ21及びリンク機構20Bのピットマンアーム25の両方がセレーション結合可能であり、ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25のいずれか一方が車両の仕様等に応じて選択的に結合される。また、テーパ部15によってピニオンギヤ21を径方向に高い精度で位置決めできるため、ピニオンギヤ21とラック軸22のラックギヤ22Aとの噛み合い精度が確保され、転舵機構20としてのラックアンドピニオン機構20Aの機能を損なうことがない。よって、転舵機構20がラックアンドピニオン機構20Aであるステアリング装置101と転舵機構20がリンク機構20Bであるステアリング装置101とで、ステアリングシャフト2を含むパワーステアリング装置100の各構成を共通化することができる。したがって、パワーステアリング装置100の製造コストを低減することができる。

0068

また、ステアリングシャフト2は、第1、第2、第3シャフト軸受9A,9B,9Cを介してシャフトケース6に支持される。このように、ステアリングシャフト2が2箇所以上の支持部によってシャフトケース6に支持されることにより、パワーステアリング装置100と転舵機構20とを組み立てる前であっても、ステアリングシャフト2が安定した状態で支持される。よって、ステアリングシャフト2の出力軸10にピニオンギヤ21又はピットマンアーム25を結合してパワーステアリング装置100と転舵機構20とを組み立てる組立作業を容易に行うことができる。

0069

また、転舵機構20がラックアンドピニオン機構20Aである場合において、シャフトケース6の第2シャフトケース8は、ラックケース50と共にシール部材51を径方向には圧縮せず軸方向に圧縮するように設けられて、ラックケース50との間で径方向隙間を形成する。よって、ピニオンギヤ21とラックギヤ22Aとの噛み合い精度を確保しつつラックケース50と第2シャフトケース8とを容易に連結することができる。

0070

以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。

0071

転舵機構20(ラックアンドピニオン機構20A、リンク機構20B)に車輪を転舵する転舵力を付与するパワーステアリング装置100は、ステアリングホイール1から操舵トルクが入力されて回転するステアリングシャフト2と、操舵トルクを補助する回転トルクをステアリングシャフト2に付与する電動モータ30と、電動モータ30の回転を減速してステアリングシャフト2に伝達する減速部40と、を備え、ステアリングシャフト2は、転舵機構20(ラックアンドピニオン機構20A、リンク機構20B)のピニオンギヤ21及びピットマンアーム25のいずれか一方が選択的にセレーション結合するセレーション部14と、ピニオンギヤ21に当接することによりピニオンギヤ21を径方向に位置決めする位置決め部(テーパ部21、インロー部115)と、を有する。

0072

この構成では、セレーション部14によって、ラックアンドピニオン機構20Aのピニオンギヤ21とリンク機構20Bのピットマンアーム25との両方をステアリングシャフト2に結合することができる。また、ステアリングシャフト2に位置決め部(テーパ部21、インロー部115)が設けられることにより、ラックギヤ22Aとの噛み合い精度を確保するために比較的高精度で径方向に位置決めする必要があるピニオンギヤ21を高精度で径方向に位置決めすることができる。よって、ラックアンドピニオン機構20Aとリンク機構20Bとのいずれが転舵機構20として使用されても、パワーステアリング装置100のステアリングシャフト2を共通化することができる。したがって、パワーステアリング装置100の製造コストを低減させることができる。

0073

また、パワーステアリング装置100は、ステアリングシャフト2を収容し2以上の支持部によってステアリングシャフト2を支持するシャフトケース6をさらに備える。

0074

この構成では、シャフトケース6が2以上の支持部によってステアリングシャフト2を支持することにより、ステアリングシャフト2は安定した状態で支持される。したがって、パワーステアリング装置100と転舵機構20(ラックアンドピニオン機構20A、リンク機構20B)の組み立てを容易に行うことができる。

0075

また、パワーステアリング装置100では、シャフトケース6が、セレーション部14にピニオンギヤ21が結合される場合にピニオンギヤ21を収容するラックケース50がピニオンギヤ21の軸方向から接触する垂直面8Aと、ラックケース50がピニオンギヤ21の径方向に隙間を持って嵌合する円筒面8Bと、を有する。

0076

この構成では、シャフトケース6がラックケース50との間で径方向隙間を形成するため、ピニオンギヤ21の噛み合い精度を確保しつつラックケース50とシャフトケース6とを容易に連結することができる。したがって、パワーステアリング装置100と転舵機構20との組み立てを容易に行うことができる。

0077

また、パワーステアリング装置100では、ステアリングシャフト2が、セレーション部14にピットマンアーム25が結合される場合にピットマンアーム25に当接する当接部16をさらに有する。

0078

この構成では、ピニオンギヤ21のように径方向への高い精度の位置決めを必要としないピットマンアーム25がステアリングシャフト2に結合される場合には、ピットマンアーム25は位置決め部(テーパ部21、インロー部115)に当接せず当接部に当接させることができる。

0079

また、パワーステアリング装置100では、位置決め部が、ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25のいずれか一方とテーパ面で接触するテーパ部15である。

0080

また、パワーステアリング装置100では、位置決め部が、ピニオンギヤ21及びピットマンアーム25のいずれか一方に嵌合するインロー部115でもよい。

0081

ステアリング装置101は、車輪5を転舵する転舵機構20としてのラックアンドピニオン機構20A及びリンク機構20Bのいずれか一方と、車輪5を転舵する転舵力をラックアンドピニオン機構20A及びリンク機構20Bのいずれか一方に付与するパワーステアリング装置100と、を備える。

0082

以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。

0083

100…パワーステアリング装置、101…ステアリング装置、1…ステアリングホイール(操舵ハンドル)、2…ステアリングシャフト、5…車輪、6…シャフトケース、8A…垂直面(接触部)、8B…円筒面(嵌合部)、14…セレーション部(結合部)、15…テーパ部(位置決め部)、16…当接部、20…転舵機構、20A…ラックアンドピニオン機構、20B…リンク機構、21…ピニオンギヤ、25…ピットマンアーム、30…電動モータ、40…減速部、50…ラックケース、115…インロー部(位置決め部)

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