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技術 インベストメント鋳造用の中子のための組成物

出願人 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
発明者 ヤン・シージョン・トーマス・レマンアンソニー・ユ-チュン・クタオ・リージョン・パトリック・ポリンジャー
出願日 2016年11月11日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-220169
公開日 2017年6月1日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2017-094397
状態 特許登録済
技術分野 鋳型又は中子及びその造型方法 鋳型又は中子の材料
主要キーワード ピース品 イットリウム金属 ブレード性 最大仕事 消失性材料 反応性合金 シロキサンバインダー セラミック含有
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重要な関連分野

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図面 (11)

課題

インベストメント鋳造中子のための組成物及びそれらの製造方法を提供する。

解決手段

本開示は、一般に、アルミナ粒子及びシロキサンバインダーを含む前駆体から誘導された、主にムライトを含むセラミック中子に関する。遊離シリカセラミック体に存在するが、主にインベストメント鋳造で使用される金属合金との反応に利用できない。金属鋳造品の製造方法も開示される。

概要

背景

インベストメント鋳造は、多くの場合、鋳造金属の内部に内部流路を生成するために中子を利用する。溶融した金属又は合金は、中子を含有する金型注入される。金属が凝固した後、中子を取り出すと内部流路が残る。内部流路の構造は、中子の特徴によって決定される。

射出成形及びその他の従来のプロセスによって形成された中子は、単純な中空流路構造を生成することができる。しかし、一部の用途、例えばガスタービン用の鋳造ブレードなどでは、より複雑な流路幾何学的形状が、冷却のために鋳造ブレードの中空の流路を空気が吹き抜ける、その改善されたブレード性能のために望ましい。ブレードの冷却性能の改善は、冷却気流の減少となって現れ得る。それは燃焼に使う空気を増加させ、したがってエンジン推力を増加させる。ブレードの冷却性能が高くなると、燃焼器運転温度が上昇し、熱力学的効率が改善され、その結果より良好な燃料消費率がもたらされるが、タービンブレード構成部品の温度はなお耐久性許容範囲内に維持される。タービンブレード冷却回路に特に有用な流路の幾何学的形状は、例として、米国特許第5660524号、米国特許第6036441号、米国特許第6168381号、米国特許第6595748号及び米国特許第6832889号に記載されている。タービンブレードでこれらの代表的な冷却回路を商業的に実施するための主な制約は、必要なセラミック中子を従来の成形技術によって1ピース品として製造できないことである。目的の冷却回路の幾何学的形状を調べると、形成された構造の部品破壊せずに成型部品の取り外しを可能にする、分離可能金型半体構築を可能にする見切り線が一つも存在しないことが示される。したがって、そのような精巧な冷却回路を製造するための中子の製造は、その幾何学的形状がいくつかの成形可能な断片に解体され、各断片が異なる成形金型をもつ、入念な多段階プロセスを必要とする。個々の成形体は、その結果、成形及び焼成後に組み立てられ、精密なインベストメント鋳造のための中子の歩留りは、部品間のレジストリがないために、付随して減少する。この多ピースプロセスもまた、複数の金型の資本費用、中子の仕上げ及び組立てに必要な手作業、並びに、寸法公差及び多ピース中子組立体鋳造中機械的安定性が低いために、正味鋳造歩留りがさらに減少することに起因して、非常に高価である。

単純及び複雑な流路構造を用いて中子を製造する一方法は、例えば、米国特許第7487819号に記載される使い捨ての中子型(DCD)による方法である。中子は、セラミック粒子及び有機バインダーを含有するスラリーを使い捨ての中子型に注入することによって形成される。次に、スラリーを硬化させた後、焼成して凝固したセラミック中子を製造する。使い捨ての中子型は、中子焼成プロセス前又は間又は後に、例えば化学的、熱的又は機械的プロセスによって取り外すことができる。

インベストメント鋳造業で使用されるセラミック中子材料は、多くの場合、主にシリカ(SiO2)で作成される。シリカは、その低い熱膨張率高温寸法安定性及びその鋳物からの取り外しやすさのために、インベストメント鋳造で一般に使用される中子材料である。インベストメント鋳造で作成された物品は、鋳造金属又は金属合金である。一部の例では、この金属は従来のシリカ系セラミック中子と反応することがある。そのため、シリカは鋳造プロセス中に特定の金属と反応することがあるので、反応性金属の鋳造にシリカを含有する中子材料を使用することには問題があることが公知である。

イットリウムを合金に添加することは、タービン翼形の使用温度ニッケル基超合金酸化耐性を改善する1つのアプローチである。しかし、イットリウムは鋳造中にシリカと反応し、合金中のイットリウムの減少をもたらし、構成部品に機械的性質を損なう合金を導入することがあり得る。これは、これらの(反応性)ニッケル基超合金の鋳造にシリカ中子を使用する際の主な制約である。

アルミナ及びイットリア材料が、この反応性の問題を低減又は除去するために鋳造で使用されてきた。例えばアルミナは、シリカよりも反応性が低い。しかし、加工に必要な高温に関して、アルミナはシリカ材料よりも加工するには硬い。このことは、シリカと比較して熱膨張率が高いために、寸法公差の問題をもたらす。また、アルミナ中子は溶解度及び/又は浸出率が低いために、鋳造後のそれらの除去のために、より極端浸出条件を必要とすることもあり得る。これらの制約は、射出成形などの従来法によって形成されたセラミック中子、並びにDCDプロセスによって形成されたセラミック中子にも等しくあてはまる

反応性合金を鋳造するのに有用な先行技術のアルミナ中子組成物、例えば米国特許第4837187号及び米国特許第5409871号及び米国特許第5580837号などが公知であり、熱可塑性有機高分子バインダー中のアルミナ及びその他のセラミック添加剤から成る。高分子バインダーは室温で固体であり、高温で、溶融状態で混合されなければならない。これらの組成物はその後に高圧樹脂トランスファー成形法で使用され、それも高温下で行わなければならない。第4837187号特許は、80〜125℃及び200〜1500psigの圧力で混合及び成形されるエチレン酢酸ビニルポリマーワックスの混合物を用いる。第5409871号及び第5580837号特許は、米国特許第5332537号に記載されるように200℃で混合及び注入することによって相溶化されなければならない親水性及び疎水性バインダーセラミック粉末混合物を開示する。この混合物は、5〜300Pa−secの比較的低い粘度を有するが、この粘度を実現し、使用中に混合物の均質性を維持するために、この高温まで加熱されることを頼みとする。いずれのそのようなプロセスも、中子混合物及び注入プロセス装置を周囲温度よりも非常に高い温度で維持するエネルギー消費で実行することは費用がより高くつくだけでなく、両方とも約60℃よりも上で剛性を失う消失性有機高分子中子型を使用することとは相容れない。これらの例のどちらも、理想的には室温又は室温前後で100psig未満の圧力で実施されるDCDプロセスに適合する性質をもつ低反応性又は非反応性の中子組成物の形成又は使用を教示しない。

シェルの中の金属の対向面にY2O3コーティングを使用することが、Yを含有する反応性合金について実施されているが、純粋なY2O3中子についてよく実施されている技術であるようには思えない。さらに、イットリアは非反応性中子に理想的な材料ではない。希土類酸化物のアルミナ又はシリカに対するコストは非常に高い(>10倍)。イットリアは、アルミナと比較して体積弾性率が低いために中子強度が低い。また、イットリアは、強い苛性アルカリ水溶液を用いる従来の加圧オートクレーブで弱い浸出を示す。その上、イットリアは、高い熱膨張を示し、CTEは(アルミナのように)7ppmである。

Bochiechio(米国特許出願公開第2014/0182809号)は、インベストメント鋳造のためのムライト及び金属を含有する中子の使用を教示する。米国特許出願公開第2014/0182809号は、セラミック材料の熱膨張率を耐熱金属構成部品にぴったり合わせるためにこれらの組成物の使用に注目していて、反応性合金とこれらの組成物の鋳物は教示していない。逆に、それが60重量%以下のシリカを許容することは、当業者に反応性合金の鋳物が想定されていないことを示す。本開示は、Bochiechioとは対照的に、反応性合金の鋳造に適した中子を使用する。

そのため、反応性金属及び合金を使用して作成される複雑な内部流路構造をもつ鋳造品を生成することのできる中子を製造するためのDCD加工に適合する低反応性材料系が必要とされている。

概要

インベストメント鋳造中子のための組成物及びそれらの製造方法を提供する。本開示は、一般に、アルミナ粒子及びシロキサンバインダーを含む前駆体から誘導された、主にムライトを含むセラミック中子に関する。遊離シリカセラミック体に存在するが、主にインベストメント鋳造で使用される金属合金との反応に利用できない。金属鋳造品の製造方法も開示される。

目的

米国特許出願公開第20150306657号明細書





本開示は、第1の態様において、反応性金属のインベストメント鋳造用のセラミック中子の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

反応性金属インベストメント鋳造用のセラミック中子の製造方法であって、当該方法が、a.アルミナ粒子及びシロキサンバインダーを含むスラリーを型に注入する工程と、b.スラリーをセラミック中子へ熱変換する工程とを含み、セラミック中子が、ムライトアルミナ及び11重量%以下の遊離シリカを含む、方法。

請求項2

熱変換工程が1400℃〜1700℃の温度で実施される、請求項1に記載の方法。

請求項3

セラミック中子が0.1重量%〜6重量%の遊離シリカを含有する、請求項3に記載の方法。

請求項4

酸化物をセラミック中子の実質的に表面全体に塗工する工程をさらに含み、酸化物が、シリカの形成の正規化されたギブズ自由エネルギーよりも小さい、形成の正規化されたギブズ自由エネルギーを有する、請求項1に記載の方法。

請求項5

酸化物が、イットリウムジルコニウム又はアルミニウムを含む、請求項4に記載の方法。

請求項6

酸化物が、酸化イットリウムケイ酸イットリウム及び酸化アルミニウムイットリウムの1種以上から選択される、請求項5に記載の方法。

請求項7

工工程が、セラミック中子をイットリウム、ジルコニウム又はアルミニウムを含む酸化物の溶液又は懸濁液にディップコーティングすること、或いはイットリウム、ジルコニウム又はアルミニウムを含む酸化物の溶液又は懸濁液をセラミック中子の表面に噴霧又は刷毛塗りすることによって達成される、請求項4に記載の方法。

請求項8

型が、使い捨ての中子型である、請求項1に記載の方法。

請求項9

溶融した反応性金属をムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカを含むセラミック中子と接触させる工程と、反応性金属を凝固させる工程を含む、金属鋳造品の製造方法。

請求項10

セラミック中子が、セラミック中子の実質的に表面全体に酸化物をさらに含み、酸化物が、シリカの形成の正規化されたギブズ自由エネルギーよりも小さい、形成の正規化されたギブズ自由エネルギーを有する、請求項1に記載の方法。

請求項11

反応性金属が、ニッケル及びイットリウムを含む合金から選択される、請求項9に記載の方法。

請求項12

反応性金属が、ニッケル及びイットリウムを含む合金から選択される、請求項10に記載の方法。

請求項13

酸化物が、イットリウム、ジルコニウム又はアルミニウムを含む、請求項10に記載の方法。

請求項14

酸化物が、酸化イットリウム、ケイ酸イットリウム及び酸化アルミニウムイットリウムの1種以上から選択される、請求項13に記載の方法。

請求項15

セラミック中子が、使い捨ての中子型を使用して形成される、請求項9に記載の方法。

請求項16

ムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカ、並びにセラミック中子の実質的に表面全体に配置された酸化物を含む、セラミック中子。

請求項17

酸化物がイットリウムを含む、請求項16に記載のセラミック中子。

請求項18

酸化物がY2O3である、請求項17に記載のセラミック中子。

技術分野

0001

本開示は、一般にインベストメント鋳造中子のための組成物及びそれらの製造方法に関する。一部の特定の実施形態では、本開示は、アルミナシリカムライト及び一部の例では中子表面の酸化物を含む中子に関する。

背景技術

0002

インベストメント鋳造は、多くの場合、鋳造金属の内部に内部流路を生成するために中子を利用する。溶融した金属又は合金は、中子を含有する金型注入される。金属が凝固した後、中子を取り出すと内部流路が残る。内部流路の構造は、中子の特徴によって決定される。

0003

射出成形及びその他の従来のプロセスによって形成された中子は、単純な中空流路構造を生成することができる。しかし、一部の用途、例えばガスタービン用の鋳造ブレードなどでは、より複雑な流路幾何学的形状が、冷却のために鋳造ブレードの中空の流路を空気が吹き抜ける、その改善されたブレード性能のために望ましい。ブレードの冷却性能の改善は、冷却気流の減少となって現れ得る。それは燃焼に使う空気を増加させ、したがってエンジン推力を増加させる。ブレードの冷却性能が高くなると、燃焼器運転温度が上昇し、熱力学的効率が改善され、その結果より良好な燃料消費率がもたらされるが、タービンブレード構成部品の温度はなお耐久性許容範囲内に維持される。タービンブレード冷却回路に特に有用な流路の幾何学的形状は、例として、米国特許第5660524号、米国特許第6036441号、米国特許第6168381号、米国特許第6595748号及び米国特許第6832889号に記載されている。タービンブレードでこれらの代表的な冷却回路を商業的に実施するための主な制約は、必要なセラミック中子を従来の成形技術によって1ピース品として製造できないことである。目的の冷却回路の幾何学的形状を調べると、形成された構造の部品破壊せずに成型部品の取り外しを可能にする、分離可能金型半体構築を可能にする見切り線が一つも存在しないことが示される。したがって、そのような精巧な冷却回路を製造するための中子の製造は、その幾何学的形状がいくつかの成形可能な断片に解体され、各断片が異なる成形金型をもつ、入念な多段階プロセスを必要とする。個々の成形体は、その結果、成形及び焼成後に組み立てられ、精密なインベストメント鋳造のための中子の歩留りは、部品間のレジストリがないために、付随して減少する。この多ピースプロセスもまた、複数の金型の資本費用、中子の仕上げ及び組立てに必要な手作業、並びに、寸法公差及び多ピース中子組立体鋳造中機械的安定性が低いために、正味鋳造歩留りがさらに減少することに起因して、非常に高価である。

0004

単純及び複雑な流路構造を用いて中子を製造する一方法は、例えば、米国特許第7487819号に記載される使い捨ての中子型(DCD)による方法である。中子は、セラミック粒子及び有機バインダーを含有するスラリーを使い捨ての中子型に注入することによって形成される。次に、スラリーを硬化させた後、焼成して凝固したセラミック中子を製造する。使い捨ての中子型は、中子焼成プロセス前又は間又は後に、例えば化学的、熱的又は機械的プロセスによって取り外すことができる。

0005

インベストメント鋳造業で使用されるセラミック中子材料は、多くの場合、主にシリカ(SiO2)で作成される。シリカは、その低い熱膨張率高温寸法安定性及びその鋳物からの取り外しやすさのために、インベストメント鋳造で一般に使用される中子材料である。インベストメント鋳造で作成された物品は、鋳造金属又は金属合金である。一部の例では、この金属は従来のシリカ系セラミック中子と反応することがある。そのため、シリカは鋳造プロセス中に特定の金属と反応することがあるので、反応性金属の鋳造にシリカを含有する中子材料を使用することには問題があることが公知である。

0006

イットリウムを合金に添加することは、タービン翼形の使用温度ニッケル基超合金酸化耐性を改善する1つのアプローチである。しかし、イットリウムは鋳造中にシリカと反応し、合金中のイットリウムの減少をもたらし、構成部品に機械的性質を損なう合金を導入することがあり得る。これは、これらの(反応性)ニッケル基超合金の鋳造にシリカ中子を使用する際の主な制約である。

0007

アルミナ及びイットリア材料が、この反応性の問題を低減又は除去するために鋳造で使用されてきた。例えばアルミナは、シリカよりも反応性が低い。しかし、加工に必要な高温に関して、アルミナはシリカ材料よりも加工するには硬い。このことは、シリカと比較して熱膨張率が高いために、寸法公差の問題をもたらす。また、アルミナ中子は溶解度及び/又は浸出率が低いために、鋳造後のそれらの除去のために、より極端浸出条件を必要とすることもあり得る。これらの制約は、射出成形などの従来法によって形成されたセラミック中子、並びにDCDプロセスによって形成されたセラミック中子にも等しくあてはまる

0008

反応性合金を鋳造するのに有用な先行技術のアルミナ中子組成物、例えば米国特許第4837187号及び米国特許第5409871号及び米国特許第5580837号などが公知であり、熱可塑性有機高分子バインダー中のアルミナ及びその他のセラミック添加剤から成る。高分子バインダーは室温で固体であり、高温で、溶融状態で混合されなければならない。これらの組成物はその後に高圧樹脂トランスファー成形法で使用され、それも高温下で行わなければならない。第4837187号特許は、80〜125℃及び200〜1500psigの圧力で混合及び成形されるエチレン酢酸ビニルポリマーワックスの混合物を用いる。第5409871号及び第5580837号特許は、米国特許第5332537号に記載されるように200℃で混合及び注入することによって相溶化されなければならない親水性及び疎水性バインダーセラミック粉末混合物を開示する。この混合物は、5〜300Pa−secの比較的低い粘度を有するが、この粘度を実現し、使用中に混合物の均質性を維持するために、この高温まで加熱されることを頼みとする。いずれのそのようなプロセスも、中子混合物及び注入プロセス装置を周囲温度よりも非常に高い温度で維持するエネルギー消費で実行することは費用がより高くつくだけでなく、両方とも約60℃よりも上で剛性を失う消失性有機高分子中子型を使用することとは相容れない。これらの例のどちらも、理想的には室温又は室温前後で100psig未満の圧力で実施されるDCDプロセスに適合する性質をもつ低反応性又は非反応性の中子組成物の形成又は使用を教示しない。

0009

シェルの中の金属の対向面にY2O3コーティングを使用することが、Yを含有する反応性合金について実施されているが、純粋なY2O3中子についてよく実施されている技術であるようには思えない。さらに、イットリアは非反応性中子に理想的な材料ではない。希土類酸化物のアルミナ又はシリカに対するコストは非常に高い(>10倍)。イットリアは、アルミナと比較して体積弾性率が低いために中子強度が低い。また、イットリアは、強い苛性アルカリ水溶液を用いる従来の加圧オートクレーブで弱い浸出を示す。その上、イットリアは、高い熱膨張を示し、CTEは(アルミナのように)7ppmである。

0010

Bochiechio(米国特許出願公開第2014/0182809号)は、インベストメント鋳造のためのムライト及び金属を含有する中子の使用を教示する。米国特許出願公開第2014/0182809号は、セラミック材料の熱膨張率を耐熱金属構成部品にぴったり合わせるためにこれらの組成物の使用に注目していて、反応性合金とこれらの組成物の鋳物は教示していない。逆に、それが60重量%以下のシリカを許容することは、当業者に反応性合金の鋳物が想定されていないことを示す。本開示は、Bochiechioとは対照的に、反応性合金の鋳造に適した中子を使用する。

0011

そのため、反応性金属及び合金を使用して作成される複雑な内部流路構造をもつ鋳造品を生成することのできる中子を製造するためのDCD加工に適合する低反応性材料系が必要とされている。

先行技術

0012

米国特許出願公開第20150306657号明細書

0013

本開示は、第1の態様において、反応性金属のインベストメント鋳造用のセラミック中子の製造方法を提供する。この方法は、アルミナ粒子及びシロキサンバインダーを含むスラリー混合物を型に注入する工程と、スラリーをセラミック中子に熱変換する工程を含む。セラミック中子は、ムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカを含む。

0014

本開示は、第2の態様において、金属鋳造品の製造方法を提供する。この方法は、溶融した反応性金属をムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカを含むセラミック中子と接触させる工程を含む。ある実施形態では、セラミック中子は、実質的にその表面全体に酸化物を有する。酸化物は、シリカの形成の正規化されたギブズ自由エネルギーよりも小さい、形成の正規化されたギブズ自由エネルギーを有する。その次に反応性金属を凝固させる。

0015

本開示は、第3の態様において、シロキサンバインダー及びアルミナ粒子を混合してスラリーを形成すること及びアルミナ粒子とシロキサンバインダーを含むスラリーを熱処理によってムライトに変換することによって形成されたセラミック中子を提供する。セラミック中子は、ムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカを含む。ある実施形態では、セラミック中子は、実質的にその表面全体に酸化物を有する。

0016

本開示は、第4の態様において、溶融した反応性金属を、ムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカを含むセラミック中子と接触させることによって形成した金属鋳造品を提供する。

0017

本開示は、第5の態様において、ムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカ及びセラミック中子の表面に配置された酸化物を含むセラミック中子を提供する。

0018

本開示のこれら及びその他の目的、特徴及び利点は、添付の図面と併せて、本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0019

本明細書に記載されるセラミック中子の一実施形態の電子エネルギー損失分光法(EELS)による元素分析透過型電子顕微鏡TEM明視野像を示す図である。
リンガム型ダイアグラムの形の、温度の関数としてプロットされた、数種類金属酸化物について共通する反応種O2に対して正規化されたΔGfを示す図である。
1000℃で1時間焼成した本発明の一実施形態のX線回折パターンを示す図である。
1200℃で1時間焼成した本発明の一実施形態のX線回折パターンを示す図である。
1400℃で1時間焼成した本発明の一実施形態のX線回折パターンを示す図である。
1600℃で1時間焼成した本発明の一実施形態のX線回折パターンを示す図である。
異なる温度での焼成後の本発明の一実施形態の室温で測定したかさ密度及び骨格密度を示す図である。
本発明の実施形態のブロッホ減衰固体状態マジック角回転29Si核磁気共鳴(NMRスペクトルを示す図である。
比較例の低倍率及び中間倍率走査電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。
比較例及び本発明の実施形態の中間倍率のSEM顕微鏡写真を示す図である。

0020

下に提示される各々の実施形態は、本開示の特定の態様の説明を容易にするものであり、本開示の範囲を制限すると解釈されるべきではない。さらに、本明細書において明細書及び特許請求の範囲の全体を通して使用される近似を表す語は、その関連する基本機能を変えることなく許容範囲内で変化し得る任意の量的表現を修飾するために適用されてよい。したがって、「約」などの1以上の用語によって修飾された値は、指定される正確な値に限定されない。一部の例では、近似を表す語は、値を測定するための計測器の精度に相当することがある。

0021

以下の明細書及び特許請求の範囲において、単数形で記載されたものであってもは、文脈から別途明らかでない限り、複数形も包含される。本明細書において、用語「〜ことがある」及び「〜であってよい」とは、一組の状況下で物事が起こる可能性、指定された性質、特性又は機能を有する可能性を示し、かつ/或いは限定された動詞に関連する1又はそれ以上の能力、性能又は可能性を表現することによって、その別の動詞を限定する。したがって、「〜ことがある」及び「〜であってよい」の使用は、修飾された用語が示された能力、機能又は使用に対して明らかに好適であるか、可能であるか又は適していることを示すが、一部の状況では、修飾される用語が時には好適でも、可能でも又は適してもないことがあることも考慮される。

0022

米国特許第7487819号において見出される使い捨ての中子型及び鋳造プロセスの説明は、本明細書に援用される。DCDプロセスとの適合性を有し、鋳造中に実質的に非反応性であり、入り組んだ内部形状をもつ構造の製造を可能にし、その一方でインベストメント鋳造によって形成される物品に求められる合金との適合性を有するセラミック中子を形成するためのプロセスが必要である。要約すると、セラミック中子は以下の基準を満たさなければならない。
1)破裂又は膨張せずに、使い捨ての薄壁プラスチック型での低圧射出成形ができるほど十分に低い粘度のスラリーから形成されること。
2)セラミック含有量の不均質性収縮差及び同類のものをもたらす過度の沈降なく、注入後の部品の取扱い及び二次加工を可能にするのに十分な高い粘度及び降伏応力を有するスラリーから形成されること。
3)素地の状態で十分な強度を有し、良好な寸法公差の歩留りで生産できるほど十分に低い硬化及び焼成中の収縮性を有すること。
4)必要な焼成体の全ての性質の要件、例えば取扱いのための室温強度、鋳造のための高温強度及び耐クリープ性高温割れ及び金属再結晶化を避けるための圧縮強度を制限するのに十分な低密度(すなわち十分な多孔性)などを満たし、実用的な温度及び圧力条件下、実用的な時間で効果的な浸出を可能にすること。

0023

本開示の組成物は、米国特許第7287573号に教示される理由(つまり、成形収縮が小さく、素地(green part)が強く、型から取り出しやすく、多孔質成形金型又は成形後の特別な乾燥手順の必要がない)のために、インベストメント鋳造のための従来の中子作成(又は任意のその他のニアネットシェイプ高温セラミック部品作製)の状況において有用である。本発明はまた、その他の作製技術、例えば米国特許第7413001号などに記載される技術を踏まえて、本発明が、これらの反応性のより低いセラミック組成物幾何学的に複雑な冷却回路の形態で消失性ポリマー成形金型に作成すること(それは、成形金型を破裂又は歪ませないように、低圧及び室温に近い温度下で行われなければならない)を可能にする点で有用である。また、本開示は、米国特許第7487819号に見出される使い捨ての中子型及び鋳造プロセスの状況においても有用である。

0024

本明細書において詳述される、アルミナ粉末及び(室温の)液体シロキサンバインダーを含有する組成物は、低粘度スラリーとして容易に作成され、使い捨ての金型に低圧で室温で注入可能であったが、この液相バインダーは、焼成によって非晶質シリカを形成することが知られていた。その後の焼成によってこれは結晶性シリカに変換されることができ、より高い温度及び長時間での延長焼成によりムライトに変換される。かなりの化学的努力が、シリカ−アルミナ系のムライトへの変換を改善すること(Suttor,Kleebe,and Zeigler,J.Am.Cer.Soc.80,2541,1997)及び変換が開始する温度を下げること(Michalet et al,Cer.Int 27,315,2001)に集中した。ムライトはこれまでにインベストメント鋳造のシェル材料として特定されているが(米国特許第4966225号)、遊離シリカを含有する系は、インベストメント鋳造条件下で反応性合金に適合すると思われていない。シリカとイットリウム含有合金との既知の反応性と、さらにムライトを形成するためのシリカを加えたアルミナの反応が不完全である可能性を踏まえて、検出可能な量の遊離シリカを含有するこの系を用いて作成した中子が、鋳造中にイットリウム含有合金に対して十分に低い反応性を示すことは予想外であった。

0025

用語「低反応性」及び「非反応性」とは、本明細書では互換的に用いられる。低反応性は、鋳造時に、中子−金属反応が十分に低いので鋳造品の機械的性質が不利益な影響を受けていない中子の性質に関する。

0026

本開示は、反応性合金のインベストメント鋳造で使用されるセラミック中子に関する。この中子は、ムライト、アルミナ及びシリカを含有する構造であり、遊離シリカの多くがムライトシェルの中に封入されている。中子は、アルミナ粒子とシロキサンバインダーを含む前駆体スラリーから誘導されたムライトを含む。この前駆体スラリーは、シリカ粉末−シロキサンバインダー系の加工の利点を保持する。熱処理は、シロキサンバインダーによって生じたシリカの大部分を、アルミナとの反応によってムライトに変換するために使用される。遊離Al2O3及びその他の少ない構成要素も存在し得る。

0027

このアプローチを使用する際の1つの懸念は、残留する遊離シリカが鋳造中に反応性金属と反応することを防ぐために、シリカをムライトに完全に反応させなければならないことである。本開示はこの問題に対処し、インベストメント鋳造時に反応性金属と明らかに反応することを防ぐ材料(ムライト)のシェルの内部の遊離シリカの大部分を封鎖することによって、中子材料の加工においてシロキサンバインダーの使用を可能にする。このため、少量の未反応の遊離シリカの存在は、中子において許容される。これらの量は、存在するどんな他の相の結晶粒の表面でも、その次に溶融した合金との直接接触を可能にする、連続するシリカ相を生成するには不十分である。アルミナ及びシリカから誘導されたムライトからなるが、未反応のシリカも含有するこのミクロ組織は、鋳造プロセス中の金属合金のどんなシリカとの接触及び反応性も大幅に低下させる。

0028

一態様では、本開示は、反応性材料、例えば反応性金属などのインベストメント鋳造のためのセラミック中子の製造方法に関する。結果として得られる鋳物は、入り組んだ幾何学的形状、例えば(限定されるものではないが)ガスタービンエンジンの中空の翼形内部冷却に使用される幾何学的形状などを有することがある。本方法は、アルミナ粒子及びシロキサンバインダーを含むスラリーを得ることを含む。アルミナ粒子は、シロキサンバインダーとの望ましいブレンドを作るように合わせることができる。例えば、アルミナの様々な測定した粒度及び形態を、特定の比で一緒に混合して特定のスラリーの特徴を得ることができる。粒度は、D50値(μm)(粒度体積メジアン値)を挙げるセラミック業界の慣習によって説明することができる。ある実施形態では、D50サイズは、150μm以下である。ある実施形態では、D50サイズは、100μm以下又は50μmである。その他の実施形態では、D50サイズ範囲は、1〜150μmである。さらにその他の実施形態では、D50サイズ範囲は、3〜150μmである。さらにその他の実施形態では、D50サイズ範囲は、1〜50μm、3〜50μm、1〜100μm又は3〜100μmである。

0029

系の全体的な最終化学量論は、(3:2)ムライト相境界のシリカが豊富な側であるべきでなく、ムライト又はアルミナを加えたムライトである(すなわちシリカが豊富でない)最終の系を生じるべきである。スラリー組成物は、スラリー中のシロキサンの量からのシリカ収率の計算及び所与シロキサン混合物の特定のチャー収率に基づく焼成時の限度に従うべきである。ある実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のアルミナの重量%は、67.6重量%〜90重量%である。ある実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のアルミナの重量%は、75重量%〜90重量%である。その他の実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のアルミナの重量%は、80重量%〜90重量%である。さらにその他の実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のアルミナの重量%は、75重量%〜85重量%である。ある実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のアルミナの重量%は、80重量%〜85重量%である。その他の実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のアルミナの重量%は、82重量%〜88重量%である。その他の実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のアルミナの重量%は、70重量%〜80重量%である。さらにその他の実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のアルミナの重量%は、70重量%〜75重量%である。

0030

結果として得られるスラリーの望ましい特徴を提供する様々なシロキサンバインダーが利用されてよい。本明細書において用いられる用語「シロキサンバインダー」には、単一成分のバインダーと1以上のバインダーの混合物の両方が含まれる。バインダーに単一成分か又は成分の混合物のいずれかを使用することにより、様々な特徴、例えば粘度又はシリカ収率などを合わせることが可能になる。組成物は、一般に、ケイ素を含有する液体中に分散したセラミック粉末を含むスラリーである。この液体は、スラリー技術の用語で「バインダー」と呼ばれることもある。特に、液体は、シロキサン種、例えば、(a)1以上のシロキサンポリマー、例えば(限定されるものではないが)、一例としてRTV615(Momentive Performance Materials社の商標名)が挙げられる、シリコーン分野で周知のいわゆる「室温加硫」(RTV)系、並びにポリマー原料を含むその他のかかるシリコーン配合物など、(b)シロキサンモノマー、及び/又は(c)シロキサンオリゴマーを含む。シロキサン種は、アルケニル官能基及びヒドリド官能基を含んでいてもよい。液体で使用されるシロキサン種は、当技術分野で「硬化性」又は「反応性」と呼ばれる種類であり、所定の1組の加工条件下で、その種が架橋(「硬化」)反応を受けることを意味する。

0031

本明細書に記載される組成物においてバインダー液として使用することのできるアルケニル官能基を有するシロキサン種は、一般式(I)のアルケニルシロキサンである。

0032

式中、R1、R2及びR3は、各々独立に水素又は一価炭化水素基ハロゲン化炭素基又はハロゲン化炭化水素基であり、Xaは二価炭化水素基であり、aは、0〜8の整数である。用語「一価炭化水素基」及び「二価炭化水素基」は、本明細書において、直鎖アルキル枝分れアルキルアリールアラルキルシクロアルキル及びビシクロアルキル基を示す。

0033

ヒドリド官能基を含むシロキサン種は、1以上のケイ素原子直接結合した水素を有するヒドロシロキサンであり、そのために反応性Si−H官能基を含有する。

0034

本開示において有用なアルケニルシロキサンの例としては、次の種類の多官能性オレフィン置換シロキサンが挙げられる。

0035

式中、Rは一価炭化水素、ハロゲン化炭素又はハロゲン化炭化水素であり、R’は、ビニルなどのアルケニル基又はアリル、1−ブテニルなどのその他の末端オレフィン基である。R”はR又はR’を含んでいてもよく、a=0〜200であり、b=1〜80であり、a及びbは流体の最大粘度が約1000センチストークとなり、b/a比は式(II)のシロキサン1分子当たり3個以上の反応性オレフィン基となるように選択される。

0036

好適なアルキル/アルケニルシクロシロキサンは、式(III)のものである。
RR’SiO]x、 (III)
式中、R及びR’は上記で定義した通りであり、xは3〜18の整数である。

0037

その他の好適な官能性不飽和シロキサンは、式(IV)のものであってよい。

0038

式中、R、R’及びR”は上記で定義した通りである。ある実施形態では、合計比(c+d+e+g)/fは、2以上である。

0039

不飽和シロキサンの例としては、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンヘキサビニルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラフェニルジシロキサン、1,1,3−トリビニルトリメチルジシロキサン、1,3−ジメチルテトラビニルジシロキサン及び同類のものが挙げられる。環状アルキル−又はアリールビニルシロキサンの例としては、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリ−メチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジビニルオクタフェニルシクロペンタシロキサン及び同類のものが挙げられる。

0040

好適な多官能性ヒドリドシロキサンとしては、下に示す組成物が挙げられる。

0041

式中、Rは上記で定義した通りであり、R’’’は、R又はHを含んでいてもよく、a及びbは上記の通り定義され、b/a比は式(V)のシロキサン1分子当たり3個以上の反応性Si−H基となるように選択される。

0042

好適なアルキル/ヒドリドシクロシロキサンは、式(VI)のものである。

0043

[HRSiO]x、 (VI)
式中、Rは上記で定義した通りであり、xは、3〜18の整数である。

0044

その他の好適な官能性ヒドリドシロキサンとしては、以下が挙げられる。

0045

式中、R及びR’’’は上記で定義した通りである。ある実施形態では、合計比(c+d+e+g)/fは2以上である。

0046

シロキサンヒドリドの例としては、ポリメチルハイドロジェン)シロキサン、ポリ[(メチルハイドロジェン)−コ−(ジメチル)]シロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン及びその他の環状メチルハイドロジェンシロキサンテトラキスジメチルシロキシシラン及び式(VII)に対応する、組成[HSi(CH3)2O1/2]2(SiO2)を含む有機修飾樹脂ヒドリド官能性ケイ酸塩が挙げられる。

0047

液体中のシロキサン種は、上記のアルケニルシロキサン及びヒドリドシロキサンを1種以上含むように選択されてよい。

0048

本開示を考えると当業者には明らかなように、非架橋マトリックスの粘度を調節し、硬化した素地の硬度、強度及び歪みを変化させるなどのために、下の式(VIII)及び(IX)に記載されるさらなる末端官能性アルケニルシロキサン又はヒドリドシロキサンを、単独で又は組合せて添加して、マトリックス組成物を増強させてよい。

0049

及び

0050

式中R及びR’は上記で定義した通りであり、nは0〜500であり、ある実施形態では0〜30、特定の実施形態では0〜10である。

0051

ある実施形態では、A)式(II)〜(IV)又は式(V)〜(VII)にそれぞれ定義される多官能性アルケニル又は多官能性ヒドリドシロキサン、及びB)式(VIII)又は(IX)にそれぞれ定義される末端官能性アルケニル又はヒドリドシロキサンの各々から1つの成分を組合せることによって十分な架橋ネットワークをもたらすことができること(相補的アルケニルとヒドリド反応性官能基との架橋を許すために、組成物がアルケニル官能性種とヒドリド官能性種の両方を含有するようにする点だけ制限される)も明らかなはずである。

0052

液体バインダーの粘度、その理論架橋密度及び得られるシリカチャー収率は、適切なシロキサン種及び化学量論比の全ヒドリド反応性官能基:アルケニル反応性官能基を用いて調節することができる。例えば、組成物の粘度は、約1〜約6000センチストーク、ある実施形態では約1〜約300センチストーク、特定の実施形態では約1〜約100センチストークで変動することができる。反応性ヒドリド又はアルケニル官能性架橋部位間の最も短い式の繰返し単位距離の数平均分子質量(本明細書の目的においてMWcと短縮される)で表される理論架橋密度は、ある実施形態ではでは約30〜約4,100g/モル、ある実施形態では約30〜約500g/モル、特定の実施形態では約150g/モルまでで変動することができる。その他の実施形態、例えばバインダーにシロキサンポリマーが含まれる実施形態などでは、MWcは、例えば、約35000g/モルまでなど大幅に高くてよい。ある実施形態では、MWcは、約10000g/モル〜約35000g/モルの範囲内である。そのような比較的大きいMWcのバインダーは、本明細書に記載される技術に従って加工された場合に、MWcの小さいバインダーよりも(未焼成〜乾燥状態での)破壊歪みが大きく、硬化収縮の小さい、柔らかく適合性のある材料をもたらすことがある。適切に硬く弾力のある硬化材料を製造するため、ヒドリド対アルケニルのモル比は、通常、約0.5〜3の範囲内、ある実施形態では約0.5〜2の範囲内、特定の実施形態では約1.0〜1.75の範囲内である。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及び1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの特定の例では、0.5〜2のモル比で組合せることにより、空気中1000℃での硬化したマトリックスの熱分解によって最初の質量の74〜87%のシリカ収率を得た。

0053

ある実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のシロキサンの重量%は、10重量%〜32.4重量%である。ある実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のシロキサンの重量%は、10重量%〜25重量%である。その他の実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のシロキサンの重量%は、10重量%〜20重量%である。さらにその他の実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のシロキサンの重量%は、15重量%〜25重量%である。ある実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のシロキサンの重量%は、15重量%〜20重量%である。その他の実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のシロキサンの重量%は、12重量%〜18重量%である。その他の実施形態では、総アルミナ+シロキサンに対するスラリー中のシロキサンの重量%は、20重量%〜30重量%又は25重量%〜30重量%である。

0054

スラリー中に存在してよいその他の添加剤としては、限定されるものではないが、シェル型又は中子組成物の耐熱性を高めるためのアルミニウム、イットリウム、ハフニウムアルミン酸イットリウム、アルミン酸希土類コロイドアルミナ、アルミニウム、イットリウム、ハフニウム、マグネシウム及び/又はジルコニウムの酸化物が挙げられる。その上、分散剤、例えばステアリン酸又はオレイン酸などを添加してもよい。その他の構成要素、例えば焼成中に除去されて中子に孔を作成する消失性材料などを含めてもよい。本開示の目的において、消失性材料は、本明細書において開示される高温焼成下で燃えやすい有機材料である。生じる気体又は揮発性の液体は、焼成体を去り、残らない。そのような消失性材料の例としては、限定されるものではないが、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリスチレン球状ビーズ及びグラファイト又はガラス状炭素粉末が挙げられる。

0055

このスラリーは、次に、架橋によって硬化する前に、得られるセラミック中子に望ましい形状の型に移される。従来の金属型又は使い捨ての薄壁中子型技術(DCD)、例えば米国特許第7487819号(参照によりその全文が本明細書において開示される)に記載されるものなどが、射出成形又は任意のその他の種類の従来の成形に使用されるように、このプロセスで使用されてよい。ある実施形態では、スラリーは、使い捨ての中子型に移される。

0056

ひとたびスラリーを型に移せば、スラリーを硬化させて凝固した物品、つまり素地を形成してよい。ある実施形態では、硬化のための温度は、25℃〜110℃である。その他の実施形態では、硬化のための温度は、40℃〜80℃である。さらにその他の実施形態では、硬化のための温度は、50℃〜70℃である。さらにその他の実施形態では、硬化のための温度は、55℃〜65℃である。ある実施形態では、硬化のための時間は、1時間〜24時間である。スラリーを硬化させて素地にする、どんな時間と温度の組合せも許容される。限定されない例として、硬化工程は、50℃で約2時間であってよい。別の限定されない例として、硬化工程は、35℃で約24時間であってよい。

0057

ある実施形態では、変換は二段階焼成プロセスで起こる。最初の低温焼成工程により、シロキサンバインダー中のケイ素が非晶質シリカに変換される。この「低温焼成」工程は、ある実施形態では、型を焼き払う。ある実施形態では、最初の工程は、10〜20時間実施される。ある実施形態では、最初の工程は、12〜18時間実施される。ある実施形態では、最初の工程は、約16時間実施される。これらの実施形態の一部では、第1の温度は250℃〜750℃であるか又は第1の温度は350℃〜650℃である。その他の実施形態では、第1の温度は400℃〜600℃であるか又は第1の温度は450℃〜550℃である。

0058

その後、中子はさらなる熱処理(すなわち高温焼成)を受ける。この工程では、過剰なアルミナと結合した非晶質シリカは、ムライトに変換される。ある実施形態では、この変換の温度は、1050℃〜1700℃又は1150℃〜1650℃又は1200℃〜1650℃である。ある実施形態では、この変換の温度は、1400℃〜1650℃であるか又はこの工程の温度は1450℃〜1650℃である。さらにその他の実施形態では、この工程の温度は1500℃〜1650℃であるか又はこの工程の温度は1500℃〜1600℃である。ある実施形態では、この変換の温度は、1550℃〜1650℃であるか又はこの変換の温度は、1575℃〜1625℃である。その他の実施形態では、この変換の温度は、1400℃〜1600℃であるか又はこの変換の温度は、1450℃〜1600℃である。さらにその他の実施形態では、この変換の温度は、1550℃〜1600℃である。ある実施形態では、この変換に利用される時間は、1時間〜24時間である。ある実施形態では、この変換に利用される時間は、1時間〜12時間である。ある実施形態では、この変換に利用される時間は、1時間〜6時間である。ある実施形態では、この変換に利用される時間は1時間である。本明細書に記載されるように、非晶質シリカを含有する中子のムライトを含有するセラミック中子への変換を最大化する、どんな時間と温度の組合せも許容される。

0059

ある実施形態では、この手順に使用される3つの別個の加熱イベントがあることがある。第1の加熱イベントでは、スラリーが硬化されて素地を形成する。第2の加熱イベントは、上記の低温焼成工程である。第3の加熱イベントは、過剰なアルミナの存在下でのシリカのムライトへの変換である。ある実施形態では、硬化及び焼成工程は、1つの炉で1回の実行によって達成されてよい。その他の実施形態では、焼成工程は、1つの炉で1回の実行によって達成されてよい。

0060

形成されたセラミック中子は、ムライト、アルミナ及び遊離シリカを含む。遊離シリカはセラミック中子に存在してもよいが、このシリカの多くはムライトに封入され、金属から「隠れている」(又は「実質的に非反応性である」)状態となり、金属合金との反応に利用できなくなり、機能的に不活性となり、反応性合金の鋳造に適合しなくなる。このミクロ組織は、図1に示される(下でより詳細に説明される)。潜在的に反応性である多少の遊離シリカがセラミック中子に存在するかもしれないが、これらの量は最小限であるべきである。ある実施形態では、セラミック中子は、11重量%までの遊離シリカを含有する又はセラミック中子は、10重量%以下の遊離シリカを含有する又はセラミック中子は、最大8重量%の遊離シリカを含有する。ある実施形態では、セラミック中子は、最大6重量%の遊離シリカを含有する又はセラミック中子は、最大3重量%の遊離シリカを含有する。ある実施形態では、セラミック中子は、最大1重量%の遊離シリカを含有する。ある実施形態では、セラミック中子は、0.1重量%〜10重量%の遊離シリカを含有する。その他の実施形態では、セラミック中子は、0.1重量%〜5重量%の遊離シリカ又は0.1重量%〜6重量%の遊離シリカを含有する。さらにその他の実施形態では、セラミック中子は、1重量%〜10重量%の遊離シリカを含有する。ある実施形態では、セラミック中子は、1重量%〜5重量%の遊離シリカ又は0.1重量%〜3重量%の遊離シリカを含有する。さらにその他の実施形態では、セラミック中子は、1重量%〜3重量%の遊離シリカを含有する又はセラミック中子は、0.5重量%〜1重量%の遊離シリカを含有する。ある実施形態では、セラミック中子は、2重量%〜8重量%の遊離シリカを含有する。さらにその他の実施形態では、セラミック中子は、3重量%〜6重量%の遊離シリカを含有する。その他の実施形態では、セラミック中子は、0.1重量%〜1重量%の遊離シリカを含有する。

0061

本開示の目的において、シロキサンバインダーの形態で最初にスラリー中に存在するケイ素含有構成要素の大部分は、ケイ素含有セラミック相ムライトに変換される。しかし、熱によって変換されたスラリーは、その他の材料、例えばシリカ、他のAl2O3−SiO2ポリフォーム及び/又はアルミナなども含まれることがあることは当然理解される。残りの遊離シリカは、形成されたムライトに封入されて、それをその後の鋳造工程に非反応性か又は最小限の反応性にしてよい。

0062

上に述べるように、イットリウム(又は別の反応性金属)は、鋳造中にシリカと反応して、金属(例えばイットリアなど)とケイ素の酸化物を形成することができる。ケイ素は合金中で再溶解することができ、その後の合金の固溶化熱処理中の再溶融と機械的性質の欠点をもたらす。しかし、本開示では、利用できる遊離シリカはほとんどなく、存在する遊離シリカの少なくとも一部分がムライトによって封鎖され、それを金属との反応に利用できなくする。その上、セラミック中子の表面に酸化物を塗工することにより、中子−金属界面でのシリカと金属との反応がさらに最小化される。本開示の目的において、用語「酸化物」は、特に断りのない限り、以下の可能性のいずれか1つを意味し得る。1)単一のコーティングで塗工された単一の酸化物、2)複数のコーティング工程で塗工された単一の酸化物、3)単一のコーティングで塗工された複数の酸化物(すなわち混合物)、又は4)複数のコーティングで塗工された複数の酸化物、これにはa)複数のコーティング工程で1つの酸化物混合物の塗工又はb)1種類の酸化物(又は混合物)の塗工と、それに続く異なる酸化物(又は混合物)の塗工が含まれ、必要に応じて繰り返される。ある実施形態では、酸化物の塗工は最初の焼成プロセスの後に行われる。その他の実施形態では、酸化物の塗工は最後の焼成プロセスの後に行われる。ある実施形態では、本方法は、酸化物をセラミック中子の実質的に表面全体に塗工することをさらに含む。「実質的に表面全体に」とは、反応性金属に露出しているセラミック中子の全表面に酸化物を塗工することが好ましいが、表面のわずかな割合には酸化物が存在しないこともあることを示す。

0063

金属酸化物の中子材料は、起電列のより多くの活性金属、つまり、より容易に酸化する金属との反応を受けやすい。金属Mと二酸化ケイ素中子材料の反応の一般型は、Mの可能性のある酸化状態に応じて、以下の通りである。
M+SiO2→MO2+Si (1)
M’+3/2SiO2→M’2O3+3/2Si (2)。

0064

これらの反応は、界面にMを含む酸化物スケールを生成し、金属又は合金に溶解することができるか又は反応してその他の種を形成するSiを生成する。1又は2などの反応が進行する傾向は、得られる金属酸化物の熱力学的安定性に依存する。

0065

この反応性を評価する簡便な方法が、問題の反応のギブズ自由エネルギー変化、ΔGrである。反応のギブズ自由エネルギーは、単純に、特定の一定温度及び圧力で化学系から抽出され得る最大仕事として定義される。慣例では、ΔGr<0のプロセスは、示された条件下で自然発生的である。反応のギブズ自由エネルギーの特別な例は、形成のギブズ自由エネルギー、ΔGfと名付けられる。ΔGfは、1気圧で、全ての要素の標準的な最低エネルギー形態から1モルの物質を製造するための反応の自由エネルギー変化と定義される。多くの金属酸化物のΔGf値が公知であり、(例えば、Barin,et al.,「Thermochemical Data of Pure Substances Parts I及びII」,VCH Publishers,New York,2nd ed.,1993において)絶対温度の関数として測定されている。図2は、温度の関数としてプロットされ、共通する反応種O2に対して正規化されたエリンガム型ダイアグラムの形の数種類の金属酸化物のΔGfを示す。表1は、1800Kで1モルのO2に対して正規化された数種類の金属酸化物のΔGfを記載したものである。

0066

正規化されたΔGf値を熟慮すると、金属酸化物の安定性の順番はY2O3>HfO2>ZrO2>Al2O3>3Al2O3−2SiO2>SiO2であることが分かる。他の元素の酸化物と比較してその形成の正規化されたギブズ自由エネルギーが最も大きい負数であるので、Y2O3は最も安定している。上に示したこの傾向は、合金中のイットリウム又はその他の反応性元素と、表面付近の遊離シリカとの接触を制限する、中子を金属酸化物でコーティングする追加のプロセスステップの状況において重要である。同じ温度のSiO2よりも負数の大きい正規化されたΔGfをもついずれの金属酸化物も、反応の熱力学推進力はより小さく、この目的に用いられてよい。一例として、1800Kで実施される金属鋳造プロセスにおいて、−590kJ/モルO2よりも小さい正規化されたΔGfをもつどんな金属酸化物も、1800KでSiO2よりも反応性が低い。相対的な反応性が、共通する反応種O2に対して正規化されたΔGfに基づくことに留意することが重要である。

0067

さらに、多孔質セラミック中子の表面に、SiO2よりも負数の大きいΔGfをもつ金属酸化物を含む微粒子層を付加することにより、反応を受ける熱力学的傾向が低くなるだけでなく、物理的な障壁がもたらされる。これにはいくつかの利益がある。例えば、コーティング層は反応性が低くなり、中子−金属界面での金属酸化物の発生が少なくなる。また、コーティング層は、輸送又は動力学限界を導入することによってセラミック中子基材還元される割合を減らすこともできる。

0068

Y2O3は、本開示でうまく機能するコーティングである。それは、遊離二酸化ケイ素を含有する中子上の酸化イットリウム粒子の場合、イットリウムを含有する合金に対して鋳造すると、合金中のイットリウム金属が酸化イットリウム粒子と反応しないためである。これは、正味の化学変化がなく、正味の自由エネルギー変化がゼロとなるためである。酸化イットリウム粒子のコーティングは、下にある二酸化ケイ素中子材料にイットリウムが接近することを減らす物理的障壁としても働くことができた。

0069

酸化物は、いくつかの異なる方法でセラミック中子の表面に付加されてよい。ある実施形態では、付加は、セラミック中子を酸化物前駆体、例えばイットリウム、ジルコニウム又はアルミニウムの塩の溶液又は懸濁液中ディップコーティングすることによって達成される。その他の実施形態では、セラミック中子はコロイド状懸濁液又は金属塩溶液中でディップコーティングされる。一実施形態では、塩は硝酸塩である。さらにその他の実施形態では、セラミック中子は、コロイド状酸化物懸濁液中でディップコーティングされる。ある実施形態では、セラミック中子は、イットリアを含有するコロイド状懸濁液中でディップコーティングされる。さらにその他の実施形態では、セラミック中子は、ジルコニアを含有するコロイド状懸濁液中でディップコーティングされる。さらにその他の実施形態では、セラミック中子は、アルミナを含有するコロイド状懸濁液中でディップコーティングされる。その他の実施形態では、付加は、酸化物の溶液又は懸濁液をセラミック中子の表面に吹き付けることによって達成される。その他の実施形態では、付加は、酸化物の溶液又は懸濁液をセラミック中子の表面に刷毛塗りすることによって達成される。さらにその他の実施形態では、セラミック中子はコロイド状酸化物懸濁液によって吹き付け又は刷毛塗りされる。ある実施形態では、セラミック中子はイットリアを含有するコロイド状懸濁液によって吹き付け又は刷毛塗りされる。その他の実施形態では、セラミック中子はジルコニアを含有するコロイド状懸濁液によって吹き付け又は刷毛塗りされる。ある実施形態では、セラミック中子はアルミナを含有するコロイド状懸濁液によって吹き付け又は刷毛塗りされる。

0070

ある実施形態では、その後のプロセスステップ、例えば再焼成又は鋳造用の加熱などは、塗工される種(例えば、イットリア)と中子の表面に存在するものとの反応を起こすことがある。一例として、コロイドイットリア溶液を用いてセラミック中子の表面にイットリアの連続コーティング堆積させる場合、イットリアは表面に存在する反応体と反応してしまうことがある。例えば、シリカ又はアルミナがセラミック中子の表面に存在する場合、イットリアコーティングを加えることは、ケイ酸イットリウム又は酸化アルミニウムイットリウムがその後の加熱工程で(しかし金属注入工程の前に)形成される原因になることがある。そのため、ある実施形態では、セラミック中子の表面に加えた酸化イットリウムは、ケイ酸イットリウムか又は酸化アルミニウムイットリウムとなることがある。その他の実施形態では、酸化物はイットリアであり得る。ある実施形態では、酸化物はアルミナであり得る。これらの実施形態では、アルミナは露出したシリカと反応してムライトを形成することがある。酸化物の組合せもある実施形態で存在することがある。

0071

本開示はさらに、金属鋳造品の製造方法に関する。この方法は、ムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカを含むセラミック中子を得ることを含む。ある実施形態では、酸化物はセラミック中子の実質的に表面全体に配置される。酸化物は、シリカの形成の正規化されたギブズ自由エネルギーよりも小さい、形成の正規化されたギブズ自由エネルギーを有する。このムライト−アルミナ組成物を含むセラミック中子は、中子表面への酸化物の塗工に加えて、インベストメント鋳造時の反応性金属含有合金の使用を可能にする。次に、溶融した反応性金属を、例えば型を使用することによってセラミック中子と接触させ、この反応性金属を凝固させる。

0072

ある実施形態では、反応性金属は、ニッケルコバルト又は鉄を含む合金である。その他の実施形態では、反応性金属は、イットリウム(Y)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、タンタル(Ta)又はアルミニウム(Al)をさらに含む。さらに別の実施形態では、反応性金属は、単結晶もしくは方向性凝固超合金である合金である。

0073

本開示はさらに、本明細書において開示される方法によって形成されたセラミック中子に関する。手短に言えば、セラミック中子は、アルミナ粒子及びシロキサンバインダーを含むスラリーを得ること、並びにスラリーの一部分を熱処理によってムライトに変換することによって形成される。セラミック中子は、ムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカを含む。ある実施形態では、酸化物はセラミック中子の実質的に表面全体に配置される。酸化物は、シリカの形成の正規化されたギブズ自由エネルギーよりも小さい、形成の正規化されたギブズ自由エネルギーを有する。

0074

本開示はさらに、溶融した反応性金属を、ムライト、アルミナ及び11重量%以下の遊離シリカを含むセラミック中子と接触させることによって形成した金属鋳造品に関する。次に、金属を凝固させる。ある実施形態では、セラミック中子は、実質的にその表面全体に酸化物が配置されている。ある実施形態では、酸化物は、シリカの形成の正規化されたギブズ自由エネルギーよりも小さい、形成の正規化されたギブズ自由エネルギーを有する。

0075

開示されるプロセス及びセラミック中子を使用することは多くの利益がある。これらの薄壁使い捨て中子型はまた、より複雑な構造を生成することを可能にする。本開示のスラリー及びプロセスは、既に存在するDCDプロセスに適合し、従来の成形によって作成されることのできない反応性合金の鋳造のための複雑な幾何学的形状の構造を生成する。本開示は、セラミック中子の作製のためのDCDプロセスとの適合性を提供し、例えば、複雑な中子形状を作製する能力と付随するプロセス時間及び歩留りが挙げられる。このスラリー系はまた、ニアネットシェイプの能力も可能にし、鋳造後の仕上げの必要性を制限する。

0076

本明細書に提示される実施例は、単に例証を目的とするものであり、特許請求される本開示の範囲へのいかなる種類の制限とも解釈されるべきではない。特段の指定のない限り、全ての成分は、普通の化学薬品供給業者から市販されている。

0077

実施例1
下の表2は、実施例1のスラリーのアルミナ部分を形成するために混合された測定したアルミナ粒度及び重量百分率を記載したものである。

0078

このアルミナ混合物を、55体積%のAl2O3添加量反応性シロキサン混合物と組合せて、所望のスラリーを形成した。反応性シロキサンは、1,3,5,7−テトラビニル1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(当技術分野でD4Viとしても公知)及びヒドリド官能性有機ケイ酸塩樹脂(CAS登録番号68988−57−8、組成式[HSi(CH3)2O1/2]2(SiO2)をもつ式(VII)に対応、当技術分野でMHQ樹脂としても公知)であった。反応性シロキサンの質量比を、Si−H/ビニルモル比が約1:1となるように維持した。

0079

Karstedt型白金触媒シロキサン含有量に対して50ppm w/r、Pt)もその後の硬化工程で固体形態にそれを架橋させるためにスラリーに添加され、成形品の形状の完全性を保存するのを助けた。次に、スラリーを薄壁の有機ポリマーの使い捨て中子型に注入した。

0080

次に、充填した使い捨て中子型を50℃で15時間硬化させて、凝固した素地を形成した。次に、型を焼き払い、素地に存在するシロキサンを低温焼成中子の非晶質シリカに熱分解するために、500℃の最終温度で12時間の低温焼成を空気雰囲気下で実施した。

0081

最後に、高温焼成工程を低温焼成中子で行った。低温焼成したピースを空気中で1時間、次の各温度:1000℃、1200℃、1400℃及び1600℃で別々に焼成した。これらの異なる温度での低温焼成中子の組成変化の結果を図3〜6のX線回折パターンにそれぞれ示す。図3は、1000℃で加熱を行った場合のセラミック中子のX線回折パターンを示す。結果として得られる中子の組成は、非晶質SiO2及びコランダムα−Al2O3からなる。焼成温度が1200℃であった場合のX線回折パターン(図4)は、組成物がなお非晶質SiO2及びコランダムα−Al2O3を含むことを示すが、失透(devitrefication)して高温安定性結晶シリカ形態のクリストバライトとなることによる、非晶質シリカのいくらか形質転換も示す。図5は、1400℃でのX線回折パターンを表し、コランダムα−Al2O3が存在していること、並びにクリストバライトの量が増加したことを示す。この段階で唯一検出可能なシリカ形態はクリストバライトである。また、少量の非晶質シリカも存在することがあるが、これらはXRDによって検出可能でなかった。最後に、図6は、1600℃で1時間加熱が実施された場合のX線回折パターンを示す。分かるように、セラミック中子の組成は、コランダムα−Al2O3及びムライト(3Al2O3−2SiO2)である。いくらかの遊離シリカがこれらの条件下でなお存在していることが注目されるが、X線回折はそれを示すほど感受性が高くはない。しかし、29Si−NMRスペクトル(下の実施例3に記載)は、遊離シリカの存在を確認する。遊離シリカの含有量は6重量%である。

0082

低温焼成から高温焼成への相組成の変化を下に示す。

0083

4つの別個の長方形試験片を同じスラリーで作製し、上の条件に従って1600℃の高温で1時間焼成した。以下の性質:開放気孔率、室温曲げ強さ及び線焼成収縮が測定された。結果として得られる様々な特色の値を下の表3に示す。

0084

これらのパラメータは、ガスタービン翼形の精密なインベストメント鋳造で現在使用される中子材料の許容範囲内にある。

0085

図1は、本明細書に記載される遊離シリカのカプセル封入元素分布を示す、電子顕微鏡を使用して得たスペクトル画像である。Si−Alマップは、3つの主要相が存在していることを示す(数字分類)。「1」と示される領域は、コランダム(α−Al2O3)であり、「2」と示される部分はムライト(3Al2O3−2SiO2)であり、「3」と示される部分は非晶質シリカ(SiO2)である。非晶質シリカ(「3」)は、通常、上記のようにムライト(「2」)によって連続的に取り囲まれている。

0086

図7は、in−situ高温焼成条件下、実施例1に記載されるセラミックサンプルの動きを説明する。500℃までゆっくり焼成した後、1000℃、1200℃、1400℃及び1600℃で1時間の焼成に1つのサンプルを取り出した。グラフに示されるように、かさ密度及び骨格密度を測定した。グラフは、アルミナ+シリカのムライトへの変換の進行を示す。かさ密度は、500から1000℃まではバーンアウトの完了のために低下し、1000〜1200℃は基本的に一定のままであり、その後、シリカがムライト変換の前に粘性焼結を受ける時に最後に上がり始め、クリストバライトとなる非晶質シリカに関連する高密度化が起こり、本体全体は温度が1600℃に達する時に全体的な焼結を開始する。1400℃を上回ると骨格密度は低下し始める。これは低密度ムライト相の形成に一致し、この温度を上回るX線回折パターンにおけるムライトピーク出現に従う。最大焼成温度1600℃での、最後の骨格密度は(理論密度と比較して)高く、ムライトへの高い変換を示す。これは、密閉気孔率が最小の強い壁と矛盾せず、それはインベストメント鋳造中子に望ましい。

0087

実施例2
本発明の組成物のもう一つの例を下に示す。この組成物は、約40体積%の多孔性をもたらし、最終の試験片においてムライトが完全に変換され、体積変化がないことが推定される。

0088

消失性固体と組合せたこのアルミナ混合物を、52体積%の固体添加量で実施例1の反応性シロキサン混合物と混合して、所望のスラリーを形成した。

0089

溶解度試験を、本開示の組成物及びプロセスから得られる物品で実施し、鋳造後の金属部分からのこれらの中子材料の浸出率が、当業界で現在慣用されるアルミナ中子材料の浸出率に匹敵するはずであることをこれらの試験は示した。このことは、本発明がシリカ−ジルコンと比較して中子と金属の反応性を低下させることに成功していないことを示す。その理由は、鋳造する特定の中空形状を可能にした後に中子を容易に取り出すことができないならば、単に非反応性であることは実際的でも有用でもないためである。

0090

実施例3
この実験の組は下の表4に記載される4つのサンプルの反応性を比較する。サンプル1及び2は、それぞれ、シリカ−ジルコン及びアルミナ組成物を表す比較ベースラインである。サンプル3及び4は、それぞれ、実施例2及び1で製造した材料に対応する本発明の実施形態である。

0091

サンプル1は、実施例1と同じ反応性シロキサン混合物中のシリカ及びジルコン粉末を混合し、プラスチック型に注入し、シロキサンを硬化させ、炉内でサンプルを加熱して、材料を多孔質焼結シリカ/ジルコン体に変換することによって調製した。

0092

サンプル2は、アクリルレートバインダー中の表2のアルミナブレンド(とさらにイットリア、MgO及びガラス状炭素)の粉末を、合計計60体積%の固体添加量で混合し、プラスチック型に注入し、バインダーを硬化させ、炉内でサンプルを加熱して、主にアルミナから成るが、焼成中のアルミナとそれぞれMgO又はY2O3との反応の結果として、少量のスピネル(MgAl2O4)及びイットリウムアルミナガーネット(YAG、Y3Al5O12)も含有する多孔質焼結体に材料を変換することによって調製した。この配合物は、業界標準、つまり米国特許第4837187号に示される代表的なアルミナ中子(Y酸化物及びMg酸化物を添加)の焼成セラミック相組成に概ね近い。

0093

サンプル3及び4は、シロキサンバインダー中のアルミナ粉末を混合して、それぞれ実施例2及び1の組成に対応するスラリーを形成し、プラスチック型に注入し、シロキサンを硬化させ、炉内でサンプルを加熱して、ムライトを含有する多孔質焼結体に材料を変換することによって調製した。サンプル3を、1600℃のピーク温度まで8時間加熱した。サンプル4は、1600℃のピーク温度まで1時間加熱した。サンプル3及び4のX線回折測定により、サンプル3と4の両方で結晶性ムライト及びアルミナの存在を確認した。

0094

図8は、サンプル3及び4の材料からの29SiNMRスペクトルを示す。この技術は、ケイ素原子を異なる化学環境で分解し、それらを定量することができる。シリカ環境のケイ素原子は、−105〜−115ppm領域でシグナルを示す。ムライト環境のケイ素原子は、−85〜−95ppm領域でシグナルを示す。スキャンから、サンプル3のシリカレベルは、29Si NMR法の検出限界よりも低いこと、その一方でサンプル4は、ムライト/アルミナ構造に未反応のシリカを含有することが明らかである。サンプル4の積分ピーク面積定量分析は、未反応のシリカが総シグナルの約40%を占めることを示す。積分したケイ素シグナルをムライト及び遊離シリカ中のケイ素から得たモル寄与率に比例させると、これは約6重量%の遊離シリカ含有量と解釈される。サンプル3の電子顕微鏡分析により、シリカの小さい孤立した領域が存在するが、サンプルの約1重量%未満に相当することが示された。

0095

サンプルをRene’N5ニッケル基超合金で鋳造することによって、反応性を試験した。非反応性合金を表すベースライン試験をRene’N5で実施した。試験は、反応性合金の一例として1660ppmwのイットリウム(Y)を添加したRene’N5でさらに実施した。

0096

浸漬試験は、注文製作した長方形の0.5”×0.5”×1.5”高さのシェルと1.5”×1.5”×0.09”高さのベースで実施した。フェースコートは、コロイドシリカバインダーを含むジルコンスラリー(80メッシュアルミナスタッコ、2層)であった。バックアップ層は、コロイドシリカを含むアルミナスラリー(0.25”厚さに築いた60グリットのアルミナスタッコ)であった。シェルを蒸気オートクレーブ内で脱蝋し、5時間で1000℃まで上昇させて空気中で焼成し、1000℃で1時間保持し、5時間で室温まで冷却した。

0097

典型的な実験では、1片の中子材料をシェルに割り込ませ、金属合金装填材料ストリップをそれに沿って置いた。サンプルを、内径3”×長さ12”のホットゾーン水冷式冷却プレートを備えた、抵抗加熱した一方向凝固(DS)炉に入れた。サンプル温度を、真空下2時間で900℃まで上昇させた。次に、サンプルをアルゴンで3回埋め戻しパージし、30分で1425℃まで上昇させ、5分間保持し、1550℃まで上昇させ、5分間保持して装填液(liquid charge)を完全に溶融した。所望の保持時間の後、それからサンプルを8”/時間の線形速度回収した。

0098

冷却後、サンプルを薄片切り、固定し、磨き、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて調べた。図9は、サンプル1A、2A及び3AのSEM画像を低倍率及び中間倍率で示す。比較的滑らかな、特徴のない界面(feature-free interface)が、合金領域(上側、淡灰色)と中子領域(下側)との間に存在する。これは、合金中にイットリウム添加剤が存在しないと、これらの中子材料の3つ全てに関して重要な反応帯がないことを示す。

0099

図10は、1660ppmwのイットリウムを含有するRene’N5で鋳造したサンプル1〜4の中間倍率のSEM顕微鏡写真を示す。シリカサンプルでは顕著な対比が見られ、サンプル1Bは合金と中子の間に大きい反応帯を有する。サンプル1Bの画像では、合金は画像の下にあり、中子領域の端を画像の上部に見ることができる。サンプル2B、3B及び4は全て平均厚さが約10マイクロメートル以下の、より薄い反応帯を示す。この薄い反応帯は、これらの材料がシリカベースラインよりもかなり低い反応性を示すことを示す。さらに、サンプル4の結果は、中子体に6重量%の未反応の遊離シリカが存在しているにもかかわらず、同様のレベルの反応性を実現することが可能であることを示す。

0100

本開示のいくつかの態様が本明細書において説明され描写されたが、代わりの態様が同じ目的を達成するために当業者によって実施されてよい。したがって、添付される特許請求の範囲が、本開示の真の精神及び範囲内にあるそのような全ての代わりの態様に適用されることが意図される。

実施例

0101

本開示は、一部の特定の実施形態に関して記載された。それらは説明だけを目的とし、決して制限であると解釈されるべきではない。よって、それに変更が行われてよいことは当然理解され、それは本開示の範囲及び添付される特許請求の範囲内である。さらに、上で言及される全ての特許、特許出願、記事及びテキストは、参照により本明細書に援用される。

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