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課題

再生医療材料又は再生美容材料の製造に用いることができる高品質真皮幹細胞を、真皮組織から効率的に検出及び分離する手段を提供すること。

解決手段

ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子の発現指標として、哺乳動物の真皮組織から真皮幹細胞を分離する方法。

概要

背景

哺乳動物組織は、傷害若しくは疾患、又は加齢等に伴い細胞臓器の損傷が起こった場合、再生系が働き、細胞・臓器の損傷を回復しようとする。この作用に、当該組織に備わる多能性を有した幹細胞が大きな役割を果たしている。幹細胞は、あらゆる細胞・臓器に分化する多能性を有しており、この性質により細胞・臓器の損傷部を補うことで回復に導くと考えられている。近年、このような幹細胞を応用した、次世代の医療として再生医療に期待が高まっている。

哺乳動物おける幹細胞研究で最も進んでいる組織は骨髄である。骨髄には生体造血幹細胞が存在しており、全ての血液細胞(例えば、赤血球白血球リンパ球など)へ分化することから、血液の主要な供給源と考えられている。また、骨髄には、造血幹細胞だけでなく、その他の臓器や組織(例えば、骨、軟骨筋肉脂肪など)に分化可能な幹細胞が包含されていることが報告されている(非特許文献1)。さらに、近年、幹細胞は骨髄のほかにも、皮膚、肝臓膵臓、脂肪等の哺乳動物のあらゆる臓器や組織に存在し、それらの臓器や組織の再生や恒常性維持に大きく関与していることが証明されている(非特許文献2、3、4、5)。これらの幹細胞を再生医療へ利用するためには、まず生体組織から幹細胞を分離し、培養して目的の細胞・臓器への分化誘導を行う必要がある。

現在までに、骨髄、肝臓、膵臓、脂肪などから幹細胞を分離する方法について幾つかの報告がある。従来主流であった方法として、酵素処理などで各臓器から細胞分散液を調製し、遠心操作により幹細胞を分離する方法がある。例えば、Vanらは、骨髄から調製した細胞分散液から、パーコールグラディエント遠心法により、幹細胞を分離する方法を報告している(非特許文献6)。また、Zukらは、同様に脂肪から遠心分離法を用いて幹細胞を分離する方法を報告している(非特許文献7)。しかし、これらの方法では、血液細胞、血管内皮細胞脂肪組織周囲の細胞などが混入し、幹細胞のみを効率よく分離する技術としては満足いくものではなかった。

そこで、さらに分離効率の高い幹細胞の分離方法として、遠心分離法以外の方法の開発が進められてきた。近年の報告から、各臓器や組織に存在する幹細胞は、特殊なタンパク質をそれぞれ合成していることが明らかにされている。この特殊なタンパク質はマーカータンパク質と呼ばれ、各臓器の幹細胞に特異的なものであり、これを利用することで、幹細胞を同定し、分離する技術の検討が行われている。例えば、Reyesらは、骨髄に存在する幹細胞のマーカータンパク質(AC133)を発見し、これを利用することで、幹細胞を分離し、特殊な培養液により培養する技術について報告している(非特許文献8)。また、膵臓に存在する幹細胞のマーカータンパク質(c−Met、c−Kit、CD45及びTER119)を利用して膵臓から幹細胞を選択的に分離する方法(特許文献1)、肝臓における幹細胞のマーカータンパク質(Itm2A)をコードするmRNAを利用することで肝臓から幹細胞を分離・検出する方法(特許文献2)も報告されている。このように、マーカータンパク質を利用することで、幹細胞を選択的に分離することが可能になると考えられている。

しかし、幹細胞におけるマーカータンパク質は、各臓器や組織によって異なっており、これらを全て把握することは困難である。それ故、未だそれぞれの臓器や組織における幹細胞のマーカータンパク質の研究は進んでおらず、効率よく幹細胞を分離できるマーカータンパク質の発見が望まれていた。例えば、真皮幹細胞のマーカータンパク質としては、Nestin、Fibronectin、Vimentin等が知られているが(非特許文献9)、これらのマーカータンパク質では、真皮幹細胞の検出・分離効率が十分なものではなかった。

概要

再生医療材料又は再生美容材料の製造に用いることができる高品質な真皮幹細胞を、真皮組織から効率的に検出及び分離する手段を提供すること。ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子の発現指標として、哺乳動物の真皮組織から真皮幹細胞を分離する方法。なし

目的

それ故、未だそれぞれの臓器や組織における幹細胞のマーカータンパク質の研究は進んでおらず、効率よく幹細胞を分離できるマーカータンパク質の発見が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子の発現指標として、哺乳動物真皮組織から真皮幹細胞を分離する方法。

請求項2

ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子の発現を指標として、哺乳動物の真皮組織における真皮幹細胞を検出する方法。

請求項3

ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子の発現を指標として、哺乳動物の真皮組織における真皮幹細胞の品質を評価する方法。

請求項4

真皮幹細胞が、脂肪細胞骨芽細胞軟骨細胞、及び平滑筋細胞への分化能を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子を含む、真皮幹細胞の検出又は分離用マーカーのセット。

請求項6

ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子に対して特異的親和性を有する物質を少なくとも1種含む、真皮幹細胞の検出又は分離用キット

請求項7

特異的親和性を有する物質が、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質に対する抗体である、請求項6に記載のキット。

請求項8

特異的親和性を有する物質が、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質をコードする遺伝子に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドである、請求項6に記載のキット。

技術分野

0001

本発明は、真皮幹細胞におけるマーカー発現指標として哺乳動物真皮組織より多分化能を有する真皮幹細胞を検出及び分離する方法、ならびに真皮幹細胞を検出及び分離するためのマーカーに関する。

背景技術

0002

哺乳動物の組織は、傷害若しくは疾患、又は加齢等に伴い細胞臓器の損傷が起こった場合、再生系が働き、細胞・臓器の損傷を回復しようとする。この作用に、当該組織に備わる多能性を有した幹細胞が大きな役割を果たしている。幹細胞は、あらゆる細胞・臓器に分化する多能性を有しており、この性質により細胞・臓器の損傷部を補うことで回復に導くと考えられている。近年、このような幹細胞を応用した、次世代の医療として再生医療に期待が高まっている。

0003

哺乳動物おける幹細胞研究で最も進んでいる組織は骨髄である。骨髄には生体造血幹細胞が存在しており、全ての血液細胞(例えば、赤血球白血球リンパ球など)へ分化することから、血液の主要な供給源と考えられている。また、骨髄には、造血幹細胞だけでなく、その他の臓器や組織(例えば、骨、軟骨筋肉脂肪など)に分化可能な幹細胞が包含されていることが報告されている(非特許文献1)。さらに、近年、幹細胞は骨髄のほかにも、皮膚、肝臓膵臓、脂肪等の哺乳動物のあらゆる臓器や組織に存在し、それらの臓器や組織の再生や恒常性維持に大きく関与していることが証明されている(非特許文献2、3、4、5)。これらの幹細胞を再生医療へ利用するためには、まず生体組織から幹細胞を分離し、培養して目的の細胞・臓器への分化誘導を行う必要がある。

0004

現在までに、骨髄、肝臓、膵臓、脂肪などから幹細胞を分離する方法について幾つかの報告がある。従来主流であった方法として、酵素処理などで各臓器から細胞分散液を調製し、遠心操作により幹細胞を分離する方法がある。例えば、Vanらは、骨髄から調製した細胞分散液から、パーコールグラディエント遠心法により、幹細胞を分離する方法を報告している(非特許文献6)。また、Zukらは、同様に脂肪から遠心分離法を用いて幹細胞を分離する方法を報告している(非特許文献7)。しかし、これらの方法では、血液細胞、血管内皮細胞脂肪組織周囲の細胞などが混入し、幹細胞のみを効率よく分離する技術としては満足いくものではなかった。

0005

そこで、さらに分離効率の高い幹細胞の分離方法として、遠心分離法以外の方法の開発が進められてきた。近年の報告から、各臓器や組織に存在する幹細胞は、特殊なタンパク質をそれぞれ合成していることが明らかにされている。この特殊なタンパク質はマーカータンパク質と呼ばれ、各臓器の幹細胞に特異的なものであり、これを利用することで、幹細胞を同定し、分離する技術の検討が行われている。例えば、Reyesらは、骨髄に存在する幹細胞のマーカータンパク質(AC133)を発見し、これを利用することで、幹細胞を分離し、特殊な培養液により培養する技術について報告している(非特許文献8)。また、膵臓に存在する幹細胞のマーカータンパク質(c−Met、c−Kit、CD45及びTER119)を利用して膵臓から幹細胞を選択的に分離する方法(特許文献1)、肝臓における幹細胞のマーカータンパク質(Itm2A)をコードするmRNAを利用することで肝臓から幹細胞を分離・検出する方法(特許文献2)も報告されている。このように、マーカータンパク質を利用することで、幹細胞を選択的に分離することが可能になると考えられている。

0006

しかし、幹細胞におけるマーカータンパク質は、各臓器や組織によって異なっており、これらを全て把握することは困難である。それ故、未だそれぞれの臓器や組織における幹細胞のマーカータンパク質の研究は進んでおらず、効率よく幹細胞を分離できるマーカータンパク質の発見が望まれていた。例えば、真皮幹細胞のマーカータンパク質としては、Nestin、Fibronectin、Vimentin等が知られているが(非特許文献9)、これらのマーカータンパク質では、真皮幹細胞の検出・分離効率が十分なものではなかった。

0007

WO2002/088335号
特開2004−187679号

先行技術

0008

Pittenger M.F.,et al.,Science,1999,284,143−147
Goodell M.F.,et al.,Nat.Med.,1997,3,1337−1345
Zulewski H.,et al.,Diabetes,2001,50,521−533
Suzuki A.,et al.,Hepatology,2000,32,1230−1239
Zuk P.A.,et al.,Tissue Engineering,2001,7,211−228
Van den Bos,C.,et al.,Human Cell,1997,10,45−50
Zuk P.A.,et al.,Molecular Biology of the Cell,2002,13,4279−4295
Reyes M.,et al.,J.Clin.Invest.,2002,109,337−346
TomaJG1.,et al.,Nat Cell Biol,2001,3(9),778−784

発明が解決しようとする課題

0009

従って、本発明は、再生医療材料又は再生美容材料の製造に用いることができる高品質な真皮幹細胞を、真皮組織から効率的に検出及び分離する手段を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定の膜タンパク質の発現を指標として哺乳動物の真皮組織から分離した真皮幹細胞が、未分化性を維持し、かつ、高い分化効率で複数種の細胞に分化することのできる多分化能を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。

0011

すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子の発現を指標として、哺乳動物の真皮組織から真皮幹細胞を分離する方法。
(2)ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子の発現を指標として、哺乳動物の真皮組織における真皮幹細胞を検出する方法。
(3)ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子の発現を指標として、哺乳動物の真皮組織における真皮幹細胞の品質を評価する方法。
(4)真皮幹細胞が、脂肪細胞骨芽細胞軟骨細胞、及び平滑筋細胞への分化能を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子を含む、真皮幹細胞の検出又は分離用マーカーのセット。
(6)ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子に対して特異的親和性を有する物質を少なくとも1種含む、真皮幹細胞の検出又は分離用キット
(7)特異的親和性を有する物質が、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質に対する抗体である、(6)に記載のキット。
(8)特異的親和性を有する物質が、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質をコードする遺伝子に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドである、(6)に記載のキット。

発明の効果

0012

本発明の方法によれば、未分化性を維持し、かつ、複数種の細胞に分化することのできる多分化能を有する真皮幹細胞を効率よく分離することができる。本発明により得られる真皮幹細胞を培養することにより分化誘導された各種細胞は、再生医療又は再生美容材料として提供することができる。

0013

本発明は、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子の発現を指標として哺乳動物の真皮組織から真皮幹細胞を検出及び分離する方法を提供する。2種以上のマーカータンパク又はそれをコードする遺伝子の発現を指標とする場合は、その数は2種、3種、4種、又は5種のいずれでもよく、またその組み合わせも限定はされないが、ITGA2とNGFR、ITGA8とNGFR、ITGB1とNGFR、ITGB3とNGFRの組み合わせが好ましく、ITGA2とNGFR、ITGA8とNGFRの組み合わせがより好ましい。本明細書において、「マーカー」とは上記のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子(マーカー遺伝子)から構成される群の各々を意味する。

0014

本発明の方法において真皮幹細胞の分離源となる真皮組織とは、表皮の下部に存在する構造であり、表皮とは基底膜によって隔てられており、乳頭層乳頭下層網状層から成る。細胞の由来は哺乳動物であれば特に限定はされず、例えば、ヒト、マウスラットモルモットハムスターサルウサギイヌネコブタウシウマ等が挙げられる。本発明の方法により得られた真皮幹細胞をヒトの治療に用いる場合は、ヒトであることが好ましい。

0015

本発明の方法で分離される真皮幹細胞は、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRの5種のマーカータンパク質又はそれをコードする遺伝子について、ITGA2+、ITGA8+、ITGB1+、ITGB3+、NGFR+、ITGA2+/ITGA8+、ITGA2+/ITGB1+、ITGA2+/ITGB3+、ITGA2+/NGFR+、ITGA8+/ITGB1+、ITGA8+/ITGB3+、ITGA8+/NGFR+、ITGB1+/ITGB3+、ITGB1+/NGFR+、ITGB3+/NGFR+、ITGA2+/ITGA8+/ITGB1+、ITGA2+/ITGA8+/ITGB3+、ITGA2+/ITGA8+/NGFR+、ITGA2+/ITGB1+/ITGB3+、ITGA2+/ITGB1+/NGFR+、ITGA2+/ITGB3+/NGFR+、ITGA8+/ITGB1+/ITGB3+、ITGA8+/ITGB1+/NGFR+、ITGB1+/ITGB3+/NGFR+、ITGA2+/ITGA8+/ITGB1+/ITGB3+、ITGA2+/ITGA8+/ITGB1+/NGFR+、ITGA8+/ITGB1+/ITGB3+/NGFR+、ITGA2+/ITGA8+/ITGB1+/ITGB3+/NGFR+のいずれかの発現パターンを呈する。

0016

本発明において真皮幹細胞の分離のためのマーカータンパク質として用いるITGA2(integrin, alpha 2:Genbank number: Nucleotide NM_002203.3; Protein NP_002194.2)、ITGA8(integrin, alpha 8:Genbank number: Nucleotide NM_003638.2; Protein NP_003629.2)、ITGB1(integrin, beta 1:Genbank number: Nucleotide NM_002211.3; Protein NP_002202.2)、ITGB3(integrin, beta 3:Genbank number: Nucleotide NM_000212.2; Protein NP_000203.2)は、細胞間及び細胞外マトリックス相互作用を有するインテグリンファミリーの膜タンパク質であり、NGFR(nerve growth factor receptor:Genbank number: Nucleotide NM_002507.3; Protein NP_002498.1)は、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーの膜タンパク質である。ヒトのITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRのアミノ酸配列は、配列表の配列番号2、4、6、8、及び10にそれぞれ示される。これらのマーカータンパク質は、哺乳動物の種類等によってそのアミノ酸配列が異なる場合があり、本発明においては真皮幹細胞の表面に発現し、その検出及び分離のための指標として用いることができる限り、配列番号2、4、6、8、及び10の各アミノ酸配列に対して80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質であってもよく、そのようなホモログタンパク質も、本発明にいうITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRマーカータンパク質に包含されるものとする。ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRマーカータンパク質をコードする遺伝子の塩基配列は、配列番号1、3、5、7及び9にそれぞれ示される。これらのマーカー遺伝子もまた、真皮幹細胞の表面に発現し、その検出及び分離のための指標として用いることができる限り、配列番号1、3、5、7、及び9の各塩基配列に対して80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の配列同一性を有する塩基配列からなる遺伝子であってもよく、そのようなホモログ遺伝子も、本発明にいうITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFR遺伝子に包含されるものとする。

0017

真皮幹細胞の選別と分離は、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRマーカータンパク質に対して特異的に結合し得る抗体を用いて行うことができる。抗体は、上記のマーカータンパク質と特異的に結合可能なものであれば特に限定されず、ポリクローナル抗体モノクローナル抗体のいずれあってもよい。また抗体は、上記のマーカータンパク質に特異的に結合し得る限り断片であってもよい。抗体の断片としては、例えば、Fab断片、F(ab’)2断片、単鎖抗体(scFv)等が挙げられる。

0018

抗体の作製は、上記マーカータンパク質を抗原として、常法により作製することができる。例えば、ポリクローナル抗体は、抗原を感作した哺乳動物(例えば、ウサギ、ラット、マウス等)から血液を採取し、この血液から公知の方法により血清を分離することによって得られる。また、モノクローナル抗体は、抗原を感作した哺乳動物から抗体産生細胞脾臓細胞リンパ節細胞等)を取り出して骨髄腫細胞細胞融合させ、得られたハイブリドーマクローニングして、その培養物から回収することによって得られる。また、
抗ITGA2抗体(コスモバイオ社製)、抗ITGA8抗体(R&D systems社製)、抗ITGB1抗体(日本BD社製)、抗ITGB3抗体(フナコシ社製)、及び抗NGFR抗体(Acris社製)等の市販品を用いることができる。マーカータンパク質の検出には、これらの抗体を適宜標識すればよい。標識物質は、蛍光色素放射性同位体酵素等を使用することができる。また、抗体を標識せずに、該抗体に特異的に結合する物質、例えば、プロテインAプロテインGなどを用いることも可能である。これらの抗体を用いて真皮幹細胞の選別と分離を行う場合は、後述の蛍光細胞分離法(Fluorescence activated cell sorting :FACS)で行うことができる。

0019

また、生体移植材料の製造に用いる真皮幹細胞の品質を評価する場合など、真皮幹細胞の検出又は同定のみを目的とする場合は、細胞より膜タンパク質を抽出し、ウェスタンブロット法によって行うことができる。また、上記マーカータンパク質をコードする遺伝子(マーカー遺伝子)に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを用いる方法によっても行うことができる。上記マーカー遺伝子に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号1、3、5、7、及び9にそれぞれ示される塩基配列又はその相補配列において連続する少なくとも15塩基以上のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドが挙げられ、オリゴヌクレオチドはマーカー遺伝子増幅のためのプライマーとして、またポリヌクレオチドはマーカー遺伝子の検出のためのプローブとして用いることができる。プライマーの長さは、15bp〜50bp、好ましくは15bp〜35bp、より好ましくは20bp〜30bpが例示できる。またプローブの長さは、15bp〜全配列の塩基数、好ましくは50bp〜1000bp、より好ましくは100bp〜500bpが例示できる。オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドは、検出を容易にするために、標識物質をつけてもよい。標識物質としては、当該技術分野においてよく知られる蛍光物質、放射性同位体、化学発光物質、酵素、ビオチン等を用いることができる。これらのオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを用いて真皮幹細胞の検出又は同定する方法としては、RTPCR法ノーザンブロット法DNAチップ法、in situハイブリダイゼーション法などが挙げられる。

0020

上記のITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質に対する抗体、又は、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質をコードする遺伝子に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドは、必要な試薬とともにキット化し、真皮幹細胞の検出又は分離用キットとして提供できる。本発明のキットには、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質に対する抗体の少なくとも1種、及び/又は、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRよりなる群から選ばれるマーカータンパク質をコードする遺伝子に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの少なくとも1種を含んでいればよく、その他には、標識物質、検出試薬二次抗体緩衝液洗浄液使用説明書等が含まれていてもよい。

0021

抗体を用いてそれぞれのマーカータンパク質を発現する細胞を選別及び分離する方法は、当分野で通常行われている方法で行えばよく、例えば、蛍光細胞分離法(Fluorescence activated cell sorting :FACS)、磁気細胞分離法(Magenetic activated cell sorting:MACS)等が挙げられるが、FACSが好ましい。セルソーター機能を有するフローサイトメーターを用いれば、指定した蛍光を発する特定の細胞のみを分取することが可能である。このような機器として、例えばFACS AriaII(日本BD社製)、JSAN(ベイバイオサイエンス社製)、MoFlo XDPベックマンコールター社製)等が挙げられ、機器の操作は添付の使用書に従って行うことができる。また、MACSは、マーカータンパク質に対する抗体を磁気ビーズ固定化し、強力な磁石を利用して円筒形容器内壁に目的とする真皮幹細胞を精製することができる。固定化する磁気ビーズ試薬としては、一般的なものを用いることができる。例えば、MACS(Miltenyi Biotech社製)、IMag(日本BD社製)等が挙げられる。

0022

また、上記の抗体を用いる方法以外の方法としては、例えばITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFRのプロモーターの下流にGFP等の蛍光タンパク質の遺伝子を連結したプラスミド真皮細胞に導入し、発現した蛍光タンパク質の蛍光強度に基づいてFACSでITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、及びNGFR陽性細胞を分離する方法が挙げられる。

0023

本発明において上記マーカーを用いて分離した真皮幹細胞は「多分化能」を有する。ここで、「多分化能」は、複数種の細胞に分化し得る能力をいい、「多能性」ともいう。本発明において上記マーカーを用いて分離した真皮幹細胞は、間葉系細胞、例えば、脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、平滑筋細胞(以下、これらの細胞を「分化細胞」という)への分化能を有する。本発明において、「分化細胞」は、細胞集団又は組織の形態であってもよい。

0024

真皮幹細胞の維持及び分化誘導のための培養方法の条件及び操作は、当該技術分野で常套的な条件及び操作に従って行うことができる。

0025

真皮幹細胞の分化誘導のための培地には、幹細胞の生存及び増殖に必要な成分(無機塩炭水化物ホルモン必須アミノ酸非必須アミノ酸ビタミン脂肪酸)を含む基本培地、例えば、Dulbeco’s Modified Eagle Medium(D−MEM)、Minimum Essential Medium(MEM)、RPMI1640、Basal Medium Eagle(BME)、Dulbeco’s Modified Eagle Medium:Nutrient Mixture F−12(D−MEM/F−12)、Glasgow Minimum Essential Medium(Glasgow MEM)、ハンクス液(Hank’s balanced salt solution)に、分化誘導の目的とする細胞に応じた分化誘導又は促進因子を少なくとも1種添加した培地が用いられる。脂肪細胞分化誘導因子としては、例えば、デキサメタゾン(DEX)、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)、インドメタシン(IDM)、インスリン(Ins)、トログリタゾン、ビオチン等が挙げられる。骨芽細胞分化誘導因子としては、例えば、デキサメタゾン(DEX)、ハイドロコルチゾン、β-グリセロフォスフェートアスコルビン酸、BMP4、BMP2等が挙げられる。軟骨細胞分化誘導因子としては、例えば、TGF−β3、デキサメタゾン(DEX)、アスコルビン酸二リン酸等が挙げられる。平滑筋細胞分化誘導因子としては、例えば、血小板由来成長因子(PDGF)等が挙げられる。また、上記培地には、細胞の増殖速度を増大させるために、必要に応じて、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、上皮細胞増殖因子(EGF)等の増殖因子、腫瘍壊死因子(TNF)、ビタミン類インターロイキン類、インスリン、トランスフェリンヘパリンヘパラン硫酸コラーゲンウシ血清アルブミンBSA)、フィブロネクチンプロゲステロンセレナイト、B27−サプリメント、N2−サプリメント、ITS−サプリメント等を添加してもよく、また、抗生物質ペニシリンストレプトマイシン等)などを添加してもよい。培地の各成分は、各々適する方法で滅菌して使用する。

0026

また、上記以外には、1〜20%の含有率で血清(例えば、10%FBS)が含まれることが好ましい。しかし、血清はロットの違いにより成分が異なり、その効果にバラツキがあるため、ロットチェックを行った後に使用することが好ましい。

0027

目的とする細胞の分化誘導因子を添加した分化誘導用培地は市販されており、これらの市販品の培地を用いてもよい。例えば、脂肪細胞分化誘導用培地としては、脂肪細胞分化誘導用培地(DSバイオファーマ社製)、脂肪前駆細胞分化培地:Preadipocyte Differentiation Medium (タカラバイオ社製)、脂肪細胞分化培地TADM(東洋紡社製)等、骨芽細胞分化誘導用培地としては、骨芽細胞分化誘導用培地(DSバイオファーマ社製)、ブレットキット骨芽細胞分化用培地(三光純薬社製)等、軟骨細胞分化誘導用培地としては、軟骨細胞誘導用培地(DSバイオファーマ社製)、ブレットキット軟骨細胞分化用培地(三光純薬社製)等、平滑筋細胞分化誘導用培地としては、平滑筋細胞分化誘導用培地(KURABO社製)、平滑筋細胞分化培地SMDM(コスモ・バイオ社製)等が挙げられる。

0028

幹細胞の培養又は幹細胞に分化を促す場合の容器としては、使い捨てのシャーレを使用することが好ましい。なお、培地の交換は1〜3日毎に1回行うことが好ましい。

0029

幹細胞の増殖及び分化誘導のための培養温度は、細胞の由来により異なるが、例えばヒト由来の場合30℃〜40℃が好ましく、36〜38℃がより好ましい。また、CO2ガス濃度は、例えば約1〜10%が好ましく、約2〜5%がより好ましい。

0030

目的とする細胞への分化誘導の確認は、分化細胞の種類に応じて公知の方法にて行うことができる。例えば、脂肪細胞への分化誘導確認は、細胞をオイルレッドOで染色する方法、細胞内のトリグリセリド量を測定する方法、細胞内のペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体−γ(PPARγ)遺伝子の発現量を測定する方法等により行うことができる。骨芽細胞への分化誘導確認は、細胞をアルカリフォスファターゼで染色する方法、細胞のアルカリフォスファターゼ活性を測定する方法、細胞内のオスリックス(Osterix)の発現量を測定する方法等により行うことができる。軟骨細胞への分化誘導確認は、細胞をアルシアンブルーで染色する方法、細胞内のCollagen type IIの発現量を測定する方法等により行うことができる。平滑筋細胞への分化誘導確認は、平滑筋α-アクチン平滑筋ミオシン重鎖カルポニン、SM22αの有無を測定する方法等により行うことができる。

0031

本発明において分離した真皮幹細胞から分化誘導させた分化細胞は、生体組織の損傷や障害の治療や美容を目的とした移植材料として用いることができる。例えば分化細胞が脂肪細胞である場合は、豊胸乳がん切除後の乳房再建目元シワハリの低下の改善等、分化細胞が骨芽細胞の場合は骨折の治療、低身長・骨変形・脚長差を改善するための骨延長術等、分化細胞が軟骨細胞は、関節軟骨退化変性・変形その他の異常に関連する疾患(例えば、変形性関節症関節リウマチ肩関節周囲炎、顎関節症など)の治療、平滑筋細胞の場合は、平滑筋細胞の傷害や異常に起因する疾患(例えば、排尿障害尿漏れ頻尿尿閉など)、平滑筋腫平滑筋肉腫等)の治療への利用が挙げられる。

0032

また、本発明において分離した真皮幹細胞から分化誘導させた分化細胞を細胞治療に用いる場合には、レシピエントと同種の動物由来の幹細胞を用いることが好ましい。分化細胞の成体への移植方法は、分化細胞の種類によって異なるが、例えば、脂肪細胞を例にすると、生理食塩水や培養液に脂肪細胞を1×103〜1×107個/mLとなるように調整し、腹腔内や皮下などへ注射やカテーテルなどにより局所注入することにより行うことできる。

0033

以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。

0034

(実施例1)フローサイトメトリーによる真皮由来細胞からの幹細胞の分離及び未分化性の評価
(1)フローサイトメトリーによる真皮由来細胞からの幹細胞の分離
皮膚から分離した真皮由来細胞と、さらにその真皮由来細胞から表面タンパク質である
ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、NGFRを指標として細胞を分離した。本試験では、皮膚から分離した真皮由来細胞として、市販されているヒト皮膚線維芽細胞(東洋紡株式会社製)を用いた。なお、細胞の増殖には同社市販の培養液としてヒト線維芽細胞増殖培地を用いた。

0035

増殖させたヒト皮膚線維芽細胞を、それぞれ5%FBS添加ハンクス液(シグマアルドリッチ株式会社製)中で、抗ITGA2抗体(コスモバイオ社製)、抗ITGA8抗体(R&D systems社製)、抗ITGB1抗体(R&D systems社製)、抗ITGB3抗体(フナコシ社製)、抗NGFR抗体(Acris社製)と30分間中にて反応させた。反応後、5%FBS添加ハンクス液にて3回洗浄し、続いてAlexa Fluor 488及び/又はAlexa Fluor 594で標識した抗IgG抗体ライフテクノロジーズ株式会社製)と30分間氷中にて反応させた。最後に、5%FBS添加ハンクス液にて3回洗浄し、PI(Propidium iodide)5μg/mLを含む5%FBS添加ハンクス液中に細胞を懸濁した。これら蛍光標識した細胞を、FACSAria(日本BD社製)にて解析した。ゲートの設定はネガティブコントロールを指標にした。まず、前方散乱光(forward scatter)、側方散乱光(side scatter)及びPIにより、残存する赤血球、細胞の残骸、細胞の凝集を除いた部分にゲート(R1)をかけた。次に、ゲート(R1)内のITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、NGFR陽性細胞をそれぞれ解析し、さらに染色の組み合わせによりITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、NGFRのみが陽性である細胞(以降、ITGA2+、ITGA8+、ITGB1+、ITGB3+、NGFR+細胞と記す)、あるいはITGA2、ITGA8、ITGB1、又はITGB3とNGFRとが両方陽性である細胞(以降、ITGA2+/NGFR+、ITGA8+/NGFR+、ITGB1+/NGFR+、ITGB3+/NGFR+細胞と記す)にゲートを設定し、それぞれのマーカーを発現している細胞を分離した。なお、本試験では、分離前の雑多細胞群を標準細胞とした。

0036

(2)分離した細胞の未分化性の評価
(1)でFACSAriaにより分離した各細胞について、幹細胞の特性である未分化性の評価を以下のようにして行った。
各細胞をPBS(−)にて2回洗浄し、Trizol Reagent(Invitrogen社製)によって各細胞からRNAを抽出した。2−STEPリアルタイムPCRキット(Applied Biosystems社製)を用いて抽出したRNAをcDNA逆転写した後、ABI7300(Applied Biosystems社製)により、下記のプライマーセットを用いてリアルタイムPCR(95℃:15秒間、60℃:30秒間、40cycles)を実施し、未分化マーカーであるNanog(Cell Res.2007 Jan;17(1):42−9.Review.Nanog and transcriptional networks in embryonic stem cell pluripotency.Pan G,Thomson JA.)の遺伝子発現量を測定した。その他の操作は定められた方法に従って実施した。

0037

NANOG(未分化マーカー)遺伝子用プライマーセット:
TGCCTGCAGTTTTTCATCC(配列番号11)
GAGGCAGTTTCAGAGGAA(配列番号12)
APDH(内部標準)遺伝子用のプライマーセット:
TGCACCACCAACTGCTTAGC(配列番号13)
TCTTCTGGGTGGCAGTGATG(配列番号14)

0038

各細胞の未分化性は、分離前の標準細胞におけるNanogmRNAの発現量を内部標準であるGAPDH mRNAの発現量に対する割合として算出したNANOGの遺伝子相対発現量(NANOG遺伝子発現量/GAPDH遺伝子発現量)の値を1.0とし、これに対し、分離後の各細胞におけるNANOGの遺伝子相対発現量の値を算出し、評価した。結果を以下の表1に示す。

0039

0040

表1に示す通り、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、NGFR及びそれらの組み合わせの発現を指標として真皮由来細胞から分離した細胞のいずれにおいても
未分化マーカー遺伝子NANOGの発現が高く、特に、ITGA2とNGFR、ITGA8とNGFRを組み合わせた場合に顕著であった。

0041

(実施例2)幹細胞の多分化能の評価
実施例1においてFACSAriaにより分離した各細胞と分離前の標準細胞を用いて、以下の方法で分化誘導培養を行い、脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、平滑筋細胞への分化誘導の確認を行った。

0042

(1)脂肪細胞への分化誘導確認
FACSAriaにより分離した各細胞と分離前の標準細胞を、脂肪細胞分化誘導用培地(DSバイオファーマ社製)にて、37℃、5%CO2の条件で14日間培養した。培地は3日間毎に新鮮な脂肪細胞誘導用培地に交換した。脂肪細胞への分化誘導確認は細胞を4%パラホルムアルデヒド溶液により固定した後、オイルレッドO染色により行った。

0043

(2)骨芽細胞への分化誘導確認
FACSAriaにより分離した各細胞と分離前の標準細胞を、骨芽細胞分化誘導用培地(DSバイオファーマ社製)にて、37℃、5%CO2の条件で14日間培養した。培地は3日間毎に新鮮な骨芽細胞分化誘導用培地に交換した。骨芽細胞への分化誘導確認は細胞を4%パラホルムアルデヒド溶液により固定した後、アルカリフォスファターゼ染色により行った。

0044

(3)軟骨細胞への分化誘導確認
FACSAriaにより分離した各細胞と分離前の標準細胞を、軟骨細胞誘導用培地(DSバイオファーマ社製)にて、37℃、5%CO2の条件で14日間培養した。培地は3日間毎に新鮮な軟骨細胞分化誘導用培地に交換した。軟骨細胞への分化誘導確認は細胞を4%パラホルムアルデヒド溶液により固定した後、アルシアンブルー染色により行った。

0045

(4)平滑筋細胞への分化誘導確認
FACSAriaにより分離した各細胞と分離前の標準細胞を、平滑筋細胞分化誘導用培地(KURABO社製)にて、37℃、5%CO2の条件で14日間培養した。培地は3日間毎に新鮮な平滑筋細胞分化誘導用培地に交換した。平滑筋細胞への分化誘導確認は細胞を4%パラホルムアルデヒド溶液により固定した後、免疫染色(α—Smooth muscle actinの有無)により行った。

0046

(5)真皮由来細胞から分離した幹細胞の分化誘導率(%)の評価
ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、NGFRをもとに真皮由来細胞から分離した幹細胞の脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、平滑筋細胞への分化誘導率を評価した。具体的には、(1)〜(4)の分化誘導確認により、顕微鏡観察にて細胞の分化有無計測し、その結果をもとに分化誘導率(総細胞数に対する分化した細胞数の割合%)を算出した。細胞の分化誘導率(%)の評価基準は、分化誘導率が10%以下を「−」、10〜20%を「+」、20〜30%を「++」、30%〜40%以上を「+++」、40%〜50%以上を「++++」、50%以上を「+++++」とした。結果を以下の表2に示す。

0047

0048

表2に示す通り、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、NGFR及びそれらの組み合わせの発現を指標に分離した細胞は、いずれも脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、平滑筋細胞への分化誘導率が高く、多分化能を有することが示された。特に、多分化能は、NGFRとITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3のいずれかとを組み合わせて分離した細胞において、より高くなることが示された。

実施例

0049

以上の試験結果から、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、NGFRの発現を指標とすることにより、真皮組織から未分化性を維持し、かつ多分化能の高い幹細胞を分離することが可能であることが示された。また、ITGA2、ITGA8、ITGB1、ITGB3、NGFRは、再生医療材料又は再生美容材料に用いる幹細胞の品質を評価するためのマーカーとしても用いることも可能であることが示された。

0050

本発明の方法により真皮組織から分離した真皮幹細胞は、脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、平滑筋細胞への分化能が高く、優れた多分化能を示す。よって、本発明は、上記細胞の障害や損傷の治療を目的とした再生医療材料又は再生美容材料の製造分野において利用できる。

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