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技術 増幅素子、光源装置及び撮像装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 内田武志
出願日 2015年11月12日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-222513
公開日 2017年5月25日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2017-092321
状態 特許登録済
技術分野 半導体レーザ 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 機械的安定度 非対称量 連続掃引 最適位相差 高温水蒸気雰囲気 動作環境温度 マルチモ 相対傾き
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図面 (10)

課題

ASEを低減する増幅素子を提供する。

解決手段

増幅素子1は、共振器を構成する一対の反射鏡11、12と、一対の反射鏡の間に配置された活性層13と、活性層を励起するための励起手段14と、を有し、共振器と励起手段によって励起された活性層によって、増幅素子に入射されるレーザ光の強度を増幅し、共振器は、レーザ光の波長に合わせて、共振器長が変化するように構成されている。

概要

背景

近年、発振波長を変えることのできる波長可変レーザは、Optical Coherence Tomography(以下OCTという)への応用が期待できることから、近年盛んに研究開発が行われている。波長可変レーザとしては、Micro Electro Mechanical Systems(以下、MEMSという)技術により垂直共振器型面発光レーザ(以下、VCSELという)の発振波長を制御する、いわゆるMEMS−VCSELが知られている。MEMS−VCSELでは、具体的には、一対の反射鏡の一方を機械的に動かすことで共振器長を変動させ、レーザ発振波長を変化させている。

MEMS−VCSELは出力が小さいため、光源装置として用いるには、増幅素子によってMEMS−VCSELの出力を増幅する構成が用いられる。非特許文献1では、MEMS−VCSELとSemiconductor Optical Amplifier(以下SOAという)を用いた光源装置を用いて、OCT撮像を行っている。このSOAは、MEMS−VCSELから射出された光を増幅している。

概要

ASEを低減する増幅素子を提供する。増幅素子1は、共振器を構成する一対の反射鏡11、12と、一対の反射鏡の間に配置された活性層13と、活性層を励起するための励起手段14と、を有し、共振器と励起手段によって励起された活性層によって、増幅素子に入射されるレーザ光の強度を増幅し、共振器は、レーザ光の波長に合わせて、共振器長が変化するように構成されている。

目的

効果

実績

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請求項1

増幅素子であって、共振器を構成する一対の反射鏡と、前記一対の反射鏡の間に配置された活性層と、前記活性層を励起するための励起手段と、を有し、前記共振器と前記励起手段によって励起された前記活性層によって、前記増幅素子に入射されるレーザ光の強度を増幅し、前記共振器は、前記レーザ光の波長に合わせて、共振器長が変化するように構成されていることを特徴とする増幅素子。

請求項2

前記レーザ光の波長が短いほど、前記共振器の前記共振器長が短くなることを特徴とする請求項1に記載の増幅素子。

請求項3

前記レーザ光の波長が、前記増幅素子の反射率スペクトルディップ半値全幅内に含まれるように、前記共振器の前記共振器長が変化することを特徴とする請求項1又は2に記載の増幅素子。

請求項4

前記増幅素子の一対の反射鏡のそれぞれの反射率は、ともに99.0%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の増幅素子。

請求項5

前記一対の反射鏡の少なくとも一方の反射鏡と前記活性層との間に間隙が形成されており、前記増幅素子は、前記少なくとも一方の反射鏡を動かす電極を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の増幅素子。

請求項6

前記励起手段は、前記活性層に電流注入するための電極を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の増幅素子。

請求項7

前記増幅素子は、前記一対の反射鏡と前記活性層とが積層された方向に、光を射出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の増幅素子。

請求項8

前記一対の反射鏡と前記活性層は、基板の上に、基板に垂直な方向に積層されていることを特徴とする請求項7に記載の増幅素子。

請求項9

前記レーザ光は、前記増幅素子に、前記一対の反射鏡と前記活性層とが積層された方向から入射されることを特徴とする請求項7又は8に記載の増幅素子。

請求項10

波長可変レーザと、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の増幅素子と、前記波長可変レーザが射出する光を、前記増幅素子に入射させるための光学素子と、を有することを特徴とする光源装置

請求項11

前記増幅素子の発光領域は、前記波長可変レーザの発光領域よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載の光源装置。

請求項12

前記一対の反射鏡の少なくとも一方の反射鏡と前記活性層との間に間隙が形成されており、前記増幅素子は、前記少なくとも一方の反射鏡を動かす制御部を有し、前記制御部は、前記波長可変レーザが射出する光の波長が、前記増幅素子の反射率スペクトルのディップの半値全幅内に含まれるように、前記少なくとも一方の反射鏡を動かすことを特徴とする請求項10又は11に記載の光源装置。

請求項13

前記波長可変レーザは、一対の反射鏡と、前記一対の反射鏡の間に配置された活性層とを有し、前記波長可変レーザの前記一対の反射鏡の一方と、前記増幅素子の前記一対の反射鏡の一方と、は共通であり、前記波長可変レーザの前記活性層と、前記増幅素子の前記活性層と、は共通であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の光源装置。

請求項14

前記光学素子は、前記増幅素子の前記波長可変レーザから射出された光を受ける面に形成されたレンズであることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の光学装置

請求項15

前記光学素子は、第1ポートと第2ポートと第3ポートを含むサーキュレータを有し、前記波長可変レーザは、前記第1ポートに光学的に接続され、前記増幅素子は、前記第2ポートに光学的に接続され、前記波長可変レーザから射出された光は、前記第1ポート、前記第2ポート、前記増幅素子、前記第2ポート、前記第3ポートの順で前記サーキュレータから射出されることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。

請求項16

請求項11乃至15のいずれか1項に記載の光源装置と、前記光源装置からの光を測定対象物照射する照射光参照光とに分岐させ、前記測定対象物に照射された光の反射光と前記参照光による干渉光を発生させる干渉光学系と、前記干渉光を受光する検出部と、を有することを特徴とする撮像装置

技術分野

0001

本発明は、増幅素子光源装置及び撮像装置に関する。

背景技術

0002

近年、発振波長を変えることのできる波長可変レーザは、Optical Coherence Tomography(以下OCTという)への応用が期待できることから、近年盛んに研究開発が行われている。波長可変レーザとしては、Micro Electro Mechanical Systems(以下、MEMSという)技術により垂直共振器型面発光レーザ(以下、VCSELという)の発振波長を制御する、いわゆるMEMS−VCSELが知られている。MEMS−VCSELでは、具体的には、一対の反射鏡の一方を機械的に動かすことで共振器長を変動させ、レーザ発振波長を変化させている。

0003

MEMS−VCSELは出力が小さいため、光源装置として用いるには、増幅素子によってMEMS−VCSELの出力を増幅する構成が用いられる。非特許文献1では、MEMS−VCSELとSemiconductor Optical Amplifier(以下SOAという)を用いた光源装置を用いて、OCT撮像を行っている。このSOAは、MEMS−VCSELから射出された光を増幅している。

0004

米国特許第8059690号明細書
米国特許第8189643号明細書

先行技術

0005

V.Jayaraman,et al,「OCTImaging up to 760 kHZ Axial Scan Rate Using Single−Mode 1310nmMEMS−TunableVCSELs with >100nm Tuning Range」,OSA/CLEO 2011, PDPB2.pdf

発明が解決しようとする課題

0006

非特許文献1のようなSOAを用いてレーザ光の強度を増幅すると、増幅されたレーザ光とは別に、Amplified spontaneous emission(以下ASE)と呼ばれる光も出力される。ASEはSOA内部で自然放出により発生した光が誘導増幅で増幅された光である。そのため、SOAで増幅するレーザ光とはコヒーレンシー可干渉性)はない。

0007

信号雑音比(以下SN比という)を上げるためにレーザ光の強度は大きい方が好ましいが、眼底断層像を取得するための眼科OCTでは、照射するレーザ光の強度に制限がある。ASEはレーザ光とともに、測定対象物へ照射する光に含まれるため、光出力の制限を考えるためにはASEの強度も含めて制限値以下に抑える必要がある。一方、OCTはレーザ光の干渉を利用しているため、レーザ光と干渉しないASEはOCTで断層像を得るための信号にはならない。つまり、ASEが存在すると、ASEが存在しない場合に比べて、干渉信号生むレーザ光の強度を低くする必要があり、SN比が低下してしまう。

0008

本発明の目的は、ASEを低減する増幅素子を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、増幅素子であって、共振器を構成する一対の反射鏡と、前記一対の反射鏡の間に配置された活性層と、前記活性層を励起するための励起手段と、を有し、前記共振器と前記励起手段によって励起された前記活性層によって、前記増幅素子に入射されるレーザ光の強度を増幅し、前記共振器は、前記レーザ光の波長に合わせて、共振器長が変化するように構成されていることを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明によれば、ASEを低減する増幅素子を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の増幅素子を備えた光源装置の一例を示す模式図
実施形態1に係る光源装置の一例を示す模式図
実施形態1に係る増幅素子の一例を示す模式図
実施形態1に係る波長可変レーザの一例を示す模式図
実施形態1に係る増幅素子の反射率を示す模式図
実施形態2に係る光源装置の一例を示す模式図
実施形態3に係る光源装置の一例を示す模式図
実施形態4に係る光源装置の一例を示す模式図
実施形態5に係る撮像装置の一例を示す模式図

実施例

0012

図1は、本発明の光源装置の一例を示す模式図である。本発明の光源装置は、増幅素子1と、波長可変レーザ2と、波長可変レーザ2が射出する光を増幅素子1に入射させるための光学素子3と、を有している。

0013

増幅素子1は、共振器を構成する一対の反射鏡11,12と、一対の反射鏡11,12の間に配置された活性層13と、活性層13を励起するための励起手段14を有している。励起手段14は、例えば、図1のように活性層13に電流注入する一対の電極でもよい。励起手段14は、活性層13に反転分布を形成するものであれば特に限定されず、活性層13を光励起する外部光源であってもよい。

0014

波長可変レーザ2から射出された光は光学素子3を通り、増幅素子1に入射される。そして、増幅素子1に入射した光は、励起手段14によって励起された活性層13と増幅素子1の共振器とによって、光強度が増幅され、増幅素子1から射出される。具体的には、波長可変レーザ2から射出された光は、増幅素子1に入射すると、共振器によって多重反射され、励起手段14によって励起された活性層13を複数回通る。励起された活性層13では反転分布が形成されており、波長可変レーザ2から射出された光が、活性層13を複数回通る間に、何度も誘導放出が生じ、波長可変レーザ2から射出された光と同じ波長の光の強度が増幅される。

0015

このため、本発明の増幅素子1は、波長可変レーザ2が射出する光の波長に合わせて、共振器長を変える構成を採っている。具体的には、波長可変レーザ2が射出する発振波長の光が増幅素子1で共振するように、一対の反射鏡11,12と活性層13との積層方向において反射鏡11の位置が時間的に変えられる。この構成により、波長可変レーザ2の発振波長の掃引に合わせて、その発振波長の光を増幅素子1で増幅することができる。さらには、共振によって強められない波長での自然放出が抑制されて、活性層13を励起するためのエネルギーが、波長可変レーザ2が射出する光の波長への増幅に効率的に使用されることになる。

0016

さらに、増幅素子1内で自然放出光が発生しても、その光はほとんど共振器長と対応しない波長であるため、増幅素子1の共振器によって増幅されることはほとんどない。そのため、ASEの発生が抑制される。この結果、増幅素子1からは、波長可変レーザ2が射出する光の波長とほぼ同じ波長で、かつコヒーレンシーを有するレーザ光が射出される。そして、波長可変レーザ2の波長可変幅全域において、上述したASEの抑制の作用が働くため、波長掃引の各時点において、ASE光をほとんど含まない、コヒーレンシーを有する光が増幅素子1から射出される。また、本発明によれば、光源装置から射出される波長掃引範囲の総光量に占めるASEについても、従来よりも大きく低減させることができる。

0017

また、本発明の増幅素子1を用いれば、スペクトル線幅についても、MEMS−VCSELと同等の線幅を維持することができる。そのため、光源装置のコヒーレント長が無くなり、OCTにおいて、画角が広く、より深い断層像を得ることができる。

0018

また、励起手段14によって活性層13は励起されるが、増幅素子1はレーザのように発振しない構成である。そのために、反射鏡11,12の反射率は、発振しないような反射率に設定されている。このため、反射鏡11,12の反射率は、波長可変レーザ2の波長可変幅において99.0%以下であることが好ましく、95.0%以下であることがより好ましい。また、反射鏡11,12の反射率は、増幅素子1の共振器によって、波長可変レーザ2の発振波長の光を複数回往復させて共振させる反射率を有している必要がある。このため、反射鏡11,12の反射率は、波長可変レーザ2の波長可変幅において60.0%以上であることが好ましく、80.0%以上であることがより好ましい。例えば、分布ブラッグ反射鏡のような多層膜反射層を構成する場合は、その多層膜の層数を変えることで反射率を制御することができる。

0019

また、増幅素子1の共振器長は、波長可変レーザ2が射出する光の波長と対応させるため、増幅素子1の反射鏡11と波長可変レーザ2の波長可変機構とを同期させる必要がある。つまり、増幅素子1の反射鏡11の振動振幅周波数位相が、波長可変レーザ2が射出する光の波長変化の変化量、周波数、位相と同期させる必要がある。そのため、波長可変レーザ2としてMEMS−VCSELを用いる場合には、MEMS−VCSELの可動鏡と増幅素子1の反射鏡11と同様の構成にする。そして、MEMS−VCSELの可動鏡と増幅素子1の反射鏡11をそれぞれ駆動する電圧信号の振幅、周波数、位相を同じにすればよい。

0020

なお、反射鏡11の駆動方法は、静電気力を利用して駆動する方法、圧電効果を利用して駆動させる方法、熱による膨張収縮を利用する方法などを用いることが可能である。

0021

以下では、図面を用いて、本発明の好ましい形態についてより詳細に述べる。ただし、本発明は、実施形態に限定されない。なお、本明細書中では、VCSELの基板側を下側、基板と反対側を上側として説明するが、この上側、下側は、必ずしも鉛直方向の上下方向と対応するものではない。

0022

[実施形態1]
図2は、本実施形態の光源装置の一例を示す模式図である。本実施形態の光源装置は、MEMS−VCSEL200、光学系300、MEMS−面発光型SOA100、制御部400を備えている。

0023

図3(a)は、MEMS−面発光型SOA100の断面模式図である。図3(b)は、MEMS−面発光型SOA100の上面模式図であり、図3(b)のA−A’断面が図3(a)に相当する。MEMS−面発光型SOA100は、第1基板101上に、第1下部反射鏡102と、第1half−VCSEL103と、第1梁106と、第1上部反射鏡105と、をこの順で有している。第1上部反射鏡105は、第1梁106によって支持されている。第1梁106は第1half−VCSEL103の上に第1支持層104によって支持されている。ここで、図3(a)、(b)で示すZ方向は、第1下部反射鏡102、第1half−VCSEL103と、第1梁106と、第1上部反射鏡105とが積層される方向であり、MEMS−面発光型SOA100の光射出方向でもある。そして、XY面内方向は、Z方向と交差する面内方向である。

0024

第1間隙107が第1梁106と第1half−VCSEL103との間に設けられている。そして、第1梁106の上には、第1上部電極111が形成されている。第1half−VCSEL103の上に第1中間電極112が形成されている。なお、図3(a)は、図3(b)のA−A’断面であるため、第1中間電極112は図示されないはずであるが、理解を助けるために、第1中間電極112をA−A’断面に投影した場合を図示している。

0025

第1梁106は、導電性を有する部材で構成されている。そして、第1上部電極111と第1中間電極112との間に交流電圧印加することによって、第1梁106がZ方向に振動する。この結果、第1上部反射鏡105もZ方向に振動し、第1上部反射鏡105と第1下部反射鏡102からなる一対の反射鏡の共振器長が変動する。

0026

第1half−VCSEL103は、第1下部スペーサ層113と、第1活性層109と、第1上部スペーサ層114を、第1基板101側からこの順で有している。また、第1電流狭窄層108が第1上部スペーサ層114内に形成されている。第1電流狭窄層108の第1低抵抗領域115が、MEMS−面発光型SOA100の発光領域と対応する。

0027

第1下部電極110は、第1基板101の下に配置されている。この第1下部電極110は、MEMS−VCSEL200から射出された光がMEMS−面発光型SOA100に入射されるように、開口が設けられたリング状の電極で構成されている。第1下部電極110は、リング状の電極の代わりに、分割電極であってもよい。第1中間電極112と第1下部電極110とを介して、第1half−VCSEL103に電流を注入して、第1活性層109に反転分布を形成する。この反転分布を利用して、第1活性層109内で誘導放出が生じ、MEMS−VCSEL200からの光を増幅する。

0028

図4(a)は、MEMS−VCSEL200の断面模式図である。図4(b)は、MEMS−VCSEL200の上面模式図であり、図4(b)のB−B’断面が図4(a)に相当する。MEMS−VCSEL200は、第2基板201上に、第2下部反射鏡202と、第2half−VCSEL203と、第2梁206と、第2上部反射鏡205と、をこの順で有している。第2上部反射鏡205は、第2梁206によって支持されている。第2梁206は第2half−VCSEL203の上に第2支持層204によって支持されている。ここで、図4(a)、(b)で示すZ方向は、第2下部反射鏡202と第2half−VCSEL203と第2梁206と第2上部反射鏡205とが積層される方向であり、MEMS−VCSEL200の光射出方向でもある。そして、XY面内方向は、Z方向と交差する面内方向である。

0029

第2間隙207が第2梁206と第2half−VCSEL203との間に設けられている。そして、第2梁206の上には、第2上部電極211が形成されている。第2half−VCSEL203の上に第2中間電極212が形成されている。なお、図4(a)は、図4(b)のB−B’断面であるため、第2中間電極212は図示されないはずであるが、理解を助けるために、第2中間電極212をA−A’断面に投影した場合を図示している。

0030

第2half−VCSEL203は、第2下部スペーサ層213と、第2活性層209と、第2上部スペーサ層214を、第2基板201側からこの順で有している。また、第2電流狭窄層208が第2上部スペーサ層214内に形成されている。第2電流狭窄層208の第2低抵抗領域215が、MEMS−VCSEL200の発光領域と対応する。

0031

第2下部電極210は、第1基板101の下に配置されている。第2中間電極212と第2下部電極210の間に電圧を印加することで、第2下部電極210から、第2基板201、第2下部反射鏡202、第2下部スペーサ層213を介して第2活性層209に電子が供給される。一方、第2中間電極212から、第2上部スペーサ層214、第2電流狭窄層208の第2低抵抗領域215を介して、第2活性層209にホールが供給される。その結果、第2活性層209にて、電子とホールが再結合して第2活性層209で発光が生じる。

0032

第2梁206は、導電性を有する部材で構成されている。そして、第2上部電極211と第2中間電極212との間に交流電圧を印加することによって、第2梁206がZ方向に振動する。この結果、第2上部反射鏡205もZ方向に振動し、第2上部反射鏡205と第2下部反射鏡202からなる一対の反射鏡の共振器長が変動する。その結果、第2活性層209で発光した光のうち共振器長に応じた特定の波長の光が外部に射出される。このようにして、MEMS−VCSEL200の発振波長が可変となる。

0033

図2で示すように、MEMS−面発光型SOA100の第1電流狭窄層108の第1低抵抗領域115は、MEMS−VCSEL200の第2電流狭窄層208の第2低抵抗領域215より大きい。このため、MEMS−面発光型SOA100の発光領域は、MEMS−VCSEL200の発光領域よりも大きくなっている。この構成は以下の理由により、好ましい。面発光型レーザや面発光型の増幅素子は、端面発光型の増幅素子とは異なり、光が活性層を通る距離が短く、増幅率を高めるために、活性層13における発光領域が大きい方が好ましい。具体的には、増幅素子1の発光領域は、15μm以上30μm以下が好ましい。一方で、MEMS−VCSELの発光領域を大きくすると、横モードマルチモードとなり、増幅素子1で増幅されて射出された光も横モードがマルチモードとなる。そうすると、後段光ファイバ等の結合効率が悪くなってしまう。そのため、MEMS−VCSELの横モードはシングルモードであることが望ましい。そのため、MEMS−VCSELの発光領域は小さくする方が好ましく、2μm以上10μm以下が好ましい。

0034

また、光学系300は、凸レンズ301とMEMS−VCSEL200、MEMS−面発光型SOA100との間を所定の距離に保っている。この光学系300により、MEMS−VCSEL200から射出された光を空間伝搬させることでスポット径を必要倍率まで拡大し、MEMS−面発光型SOA100へ入射させている。図2点線は、伝搬するビームのスポット径の変化を模式的に表している。このように、凸レンズ301は、MEMS−面発光型SOA100の第1活性層109において、MEMS−VCSEL200から射出された直後のビーム径よりも大きいビーム径となるように集光する。つまり、MEMS−VCSEL200とMEMS−面発光型SOA100は、ビームウエストの位置にくるように配置されている。例えば、凸レンズ301とMEMS−VCSEL200の距離を1.0mm、凸レンズ301とMEMS−面発光型SOA100との距離を5.0mmとする。これにより光学系300は5倍のビーム径の拡大を行っている。この構成により、MEMS−面発光型SOA100の発光領域は、MEMS−VCSEL200の発光領域よりも大きくすることができる。この構成により、横モードをシングルモードにしたまま、例えば、5mW程度のMEMS−VCSELの出力を、10mWを超えるような出力に増幅することができる。このために、第1下部電極110は、MEMS−VCSEL200からの光をMEMS−面発光型SOA100に入射させるための開口を有している。この開口は、MEMS−VCSEL200の第2電流狭窄層208の第2低抵抗領域215より大きい。

0035

MEMS−面発光型SOA100は、図3(a)で示すように、第1下部反射鏡102と第1上部反射鏡105により、MEMS−面発光型SOA100が射出した光を共振させて、第1活性層109内を往復する回数を増やす構成を有している。このため、光増幅率が向上する。さらに、第1上部反射鏡105をZ方向に駆動することにより、共振器長を変えている。このため、特定の波長の光が共振によって増幅され、それ以外の波長の光は増幅されない。その結果、ASEが低減される。

0036

このために、図2のように、制御部400は、MEMS−面発光型SOA100の第1上部反射鏡105の駆動とMEMS−VCSEL200の第2上部反射鏡205の駆動を制御している。MEMS−VCSEL200の発振波長は、MEMS−VCSEL200の第2上部反射鏡205の駆動によって制御され、MEMS−面発光型SOA100の共振器長は第1上部反射鏡105の駆動によって制御される。そのため、制御部400は、第1上部反射鏡105,205を駆動するための電圧信号どうしを同期させている。この制御部400は、いわゆるドライバで構成され、電気回路やICなどを組み合わせて構成される。電圧信号は、正弦波で駆動してもよいし、鋸波で、矩形であってもよい。なお、図2に示すように、制御部400は、MEMS−面発光型SOA100の活性層やMEMS−VCSEL200の活性層への電流注入を制御し、レーザ発振および増幅をする構成であってもよい(配線は図示せず)。

0037

上記で述べたように、MEMS−VCSEL200の発振波長とMEMS−面発光型SOA100の共振波長は、理想的には正弦波で連続掃引している状態で一致させるのがよい。図5は、第1上部反射鏡105を駆動させない状態における、MEMS−面発光型SOA100に入射した光の反射率スペクトル波長依存性を示している。具体的には、第1上部反射鏡105を駆動させない状態において、MEMS−面発光型SOA100の第1基板101側から光を入射させた時のMEMS−面発光型SOA100全体での反射率を表している。図5では、測定した波長帯域での反射率の最大値を1としている。

0038

図5で示すように、第1上部反射鏡105を駆動させない状態では、波長が約1060nmでディップと言われる反射率が他の波長帯域よりも低下した部分が表れている。ディップの半値全幅は1.87nmである。また、このディップの波長は、MEMS−面発光型SOA100の共振器長に対応しているため、第1上部反射鏡105を駆動させることで、移動させることができる。また、言い換えると、ディップは、透過率が高い波長である。

0039

このディップの半値全幅内に、MEMS−VCSEL200から射出された光の波長があれば、MEMS−面発光型SOA100で増幅され、MEMS−面発光型SOA100から射出される。しかし、例えば、第1上部反射鏡105を駆動させない状態において、MEMS−VCSEL200から射出された光の波長が1045nmの場合、MEMS−面発光型SOA100の反射率が大きいため、MEMS−面発光型SOA100からほぼ射出されない。このため、MEMS−面発光型SOA100のディップの波長とMEMS−VCSEL200の発振波長との波長差の絶対値は、MEMS−面発光型SOA100の反射率スペクトルのディップの半値全幅の半分である0.94nm以下にすることが好ましい。この構成により、MEMS−VCSEL200の発振波長がMEMS−面発光型SOA100によって効率よく増幅され、そして、MEMS−面発光型SOA100から効率よく射出される。なお、このディップ波長においては、MEMS−VCSEL200から射出された光は、0.32psの間共振器内に滞在し、その間に共振器を往復して、第1活性層109を複数回通ることで、誘導放出によって増幅される。0.32psという数字は、以下の式1のτに相当する。τは共振器内の光子寿命である。また、式1において、Qは共振器のQ値である。ω0は共振器の共振周波数である。λ0は共振器の共振波長であり、ディップの波長を表している。Δλはディップの半値全幅を表している。Δωは、ディップの半値全幅に対応する周波数領域での半値全幅である。
Q=ω0τ=λ0/Δλ≒ω0/Δω ・・・式1
なお、ω0がΔωに対して十分大きいため、λ0/Δλをω0/Δωと近似することができる
この構成を達成するために、例えば、MEMS−面発光型SOA100とMEMS−VCSEL200の共振器長、梁、上部反射鏡の構成を同じにして、制御部400から各梁への駆動電圧信号を同じ位相、同じ振幅、同じ周波数とすればよい。その構成であれば、ディップの半値全幅内にMEMS−VCSEL200の発振波長が入るように、第1梁106、第2梁206を駆動することができる。

0040

しかし、初期状態で、MEMS−VCSEL200の発振波長の変動波形とMEMS−面発光型SOA100の共振波長の変動波形の位相を合わせたとしても、経時変化によりMEMSの物性の変化等によりその変動波形に位相差が生じることがある。位相差が生じると、MEMS−VCSEL200の発振波長が上記のMEMS−面発光型SOA100の反射率スペクトルのディップから外れてしまう。そのため、MEMS−面発光型SOA100の反射率が増大し、MEMS−面発光型SOA100から光が射出されなくなる。

0041

そこで、制御部400は定期的に位相差を検知して補正をする機能を有する。具体的には、以下の方法で補正を実施する。まず、MEMS−VCSEL200の活性層とMEMS−面発光型SOA100の活性層に、一定の電流を注入して駆動する。その状態で、それぞれの梁に正弦波の電圧信号を印加する。その状態でMEMS−面発光型SOA100から出力される光出力を測定しつつ、2つの梁に印加する正弦波の電圧信号の位相差を調整する。そして、MEMS−面発光型SOA100からの光出力が最も大きくなる、2つの梁に印加する正弦波の電圧信号の位相差を取得する。光出力が最も大きくなる状態は、MEMS−面発光型SOA100の反射率スペクトルのディップとMEMS−VCSEL200の共振波長が最も近い状態である。そのため、この位相差を最適位相差として記憶し、それ以降の2つの梁の駆動時に使用する。

0042

また、位相差とともに、梁の振幅も経時変化することがある。そのため、制御部400は定期的に以下の方法で振幅についても調整を行う。まず、MEMS−VCSEL200が必要な波長帯域を掃引できていることをOCTシステム干渉光時間波形より確認する。必要な波長帯域が掃引できていない場合、梁を駆動する電圧を上げ、必要な掃引帯域が得られるようにする。次に、MEMS−VCSEL200が必要な掃引帯域を掃引している状態にしておき、MEMS−面発光型SOA100の梁を掃引するための電圧を変化させる。そして、掃引帯域の短波長長波長側の両方の端の付近の光出力が最大となるところの電圧を記憶する。この電圧が最適値であるため、この値を次回以降の駆動で使用する。

0043

(上部反射鏡及び下部反射鏡)
上部反射鏡と下部反射鏡は、例えば、高屈折率の層と低屈折率の層とが光学厚さ1/4波長で交互に積層された分布ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector:以下DBRという)で構成されている。反射鏡は、波長可変範囲を広くするためには、出来る限り広帯域において高反射率を有することが好ましい。上部反射鏡および下部反射鏡には、半導体で構成されたDBR、誘電体で構成されたDBRのどちらを用いることもできる。一般的に、誘電体で構成されたDBRの方が半導体で構成されたDBRよりも、高屈折率の層と低屈折率の層の屈折率差を大きくしやすいため、少ない積層数で高い反射率を実現できる。一方、半導体で構成されたDBRはペア数が多くなってしまうが、結晶成長中に同時に成膜でき、ドーピングにより電流を流すことができる等のプロセス上の利点がある。また、半導体で構成されたDBRは、梁と兼用することができる。

0044

エピタキシャル成長一括形成するためには、下部反射鏡に半導体DBR、上部反射鏡にも半導体DBRを用いることができるが、より広帯域で高反射率を得るために誘電体DBRを上部反射鏡に用いてもよい。なお、誘電体DBRを上部反射鏡として用いる際に、半導体層の上に誘電体DBRを形成する構成とすることができる。上記の上部反射鏡の材料の例として、半導体DBRではAl0.4Ga0.6AsとAl0.9Ga0.1As、誘電体DBRでは酸化シリコン酸化チタンを用いることができる。下部反射鏡としてはGaAsとAlAsを用いることができる。

0045

また、反射鏡として、高屈折率差サブ波長回折格子(High IndexContrast Subwavelength Grating:以下HCGという)を用いてもよい。HCGは高屈折率の材料と低屈折率の材料とが面内方向に交互に周期的に並んだ構成である。HCGの例として、AlGaAs層のような半導体層を加工して周期的な間隙を設けた、高屈折率領域(AlGaAs部)と低屈折領域(間隙部)の周期構造体が挙げられる。高速波長可変を行う観点から、可動鏡である上部反射鏡を軽量な反射鏡とすることが求められており、HCGを用いることが好ましい。なお、HCGとして、特許文献1及び2に記載されているものを用いることができる。

0046

また、MEMS−面発光型SOA100の上部反射鏡と下部反射鏡は、MEMS−VCSELの光射出側ではない下部反射鏡よりも反射率が小さいことが好ましい。

0047

(梁)
梁は、2箇所の支持領域で支持されていてもよいし、3箇所以上の支持領域で支持されていてもよい。また、梁は、シリコンカンチレバーのような1箇所で支持する構成も構わない。また、梁には、結晶成長時の歪みや、動作環境温度由来する応力などを緩和するための構造が形成されていてもよい。

0048

梁は、共振器長を変化させることができるものであれば特に限定されない。例えば、本実施形態のように静電気力で駆動するものでもよいし、ピエゾ等の圧電材料を用いて機械的に駆動するものでもよい。

0049

また、梁は、上部反射鏡を兼ねる構成であってもよいし、本実施形態のように上部反射鏡とは別に構成されていてもよい。後者の場合、梁の発光部領域と対応する位置、つまり発光領域と対応する位置に、上部反射鏡が配置されていればよく、上部反射鏡は梁の上でも下でもどちらにでも配置されていてもよい。また梁の発光領域と対応する位置に貫通孔が形成され、その貫通孔に上部反射鏡が配置されている構成でもよい。梁と上部反射鏡とが別体で構成される場合には、後述する製造方法において、梁前駆体層パターニングの前に、上部反射鏡をパターニング形成すればよい。

0050

(上部スペーサ層及び下部スペーサ層)
上部スペーサ層と下部スペーサ層は、同じ半導体材料で構成されていてもよいし、異なる半導体材料で構成されていてもよい。半導体材料は、GaAs、AlGaAsなどを用いることができる。

0051

また、上部スペーサ層と下部スペーサ層は、導電性を有している。例えば、p型であれば、Mgなどのアクセプターが適量ドープされている。一方、n型であれば、Siなどのドナーが適量ドープされている。また、上部スペーサ層及び下部スペーサ層は、単層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。

0052

(活性層)
活性層は電流を注入することで光を発生する材料であれば特に限定されない。850nm付近の波長帯域の光を出射させる場合、AlnGa1−nAs(0≦n≦1)からなる量子井戸構造を有する材料を用いることができる。また、1060nm付近の波長帯域の光を出射させる場合、InnGa1−nAs(0≦n≦1)からなる材料などを用いることができる。

0053

また、活性層は十分に広い利得を有するものであることが好ましく、具体的には上部反射鏡および下部反射鏡の反射帯域より広い波長領域において利得を有することが好ましい。そのような活性層としては、例えば、少なくとも2つ以上の異なるエネルギー準位で発光が可能な量子井戸構造、いわゆる非対称量井戸構造を有する活性層が挙げられる。また、量子井戸構造は、単量子井戸または多重量子井戸を有するように複数の層で構成されたものであってもよい。本実施形態における活性層の材料・構造は、発振波長させたい波長に応じて適宜選択できる。

0054

(電流狭窄層)
電流狭窄層は、選択酸化プロセスにより、選択的に酸化される酸化領域高抵抗部、酸化されない非酸化領域を低抵抗部として電流狭窄構造を形成している。選択酸化プロセスにより電流狭窄層となる被酸化層は、AlAs層またはAl組成比の高い、例えばAl0.98Ga0.02As層が好ましい。高温水蒸気雰囲気中で電流狭窄層を選択酸化することで、AlxOyが形成され、電流狭窄構造が形成される。非酸化領域の形状を制御することによって発光形状を制御できる。発光部内部に形成される非酸化領域、すなわち発光領域の大きさは5μm乃至15μm程度である。また、発光部と支持領域の間の領域では、電流狭窄層は漏れ電流が生じないように選択酸化された酸化領域である。非酸化領域は酸化された酸化領域により囲まれている。

0055

また、電流狭窄層の位置は、コンタクト層と下部反射鏡の間であれば、活性層の上側でもよいし、下側でもよい。また電流狭窄層は複数あってもよい。その場合には、複数の電流狭窄層は、活性層の上側、下側のいずれか一方にあってもよいし、両方にあってもよい。

0056

(間隙)
間隙には、通常固体が存在しない。よって、その雰囲気により間隙は真空であってもよいし、空気、不活性ガス、水のような液体といった流体が存在してもよい。なお、間隙の構造体の厚さ方向の長さは、波長可変帯域幅や可動反射鏡プルインを考慮して決定することができる。例えば、間隙を空気とした1060nmを中心として波長可変帯域幅100nmで可変する際には、間隙の長さは2μm程度となる。

0057

(上部電極、中間電極及び下部電極)
上部電極、中間電極及び下部電極は、チタンや金などの単体の金属や合金、または金属膜積層体を用いることができる。例えば、Ti/Au、AuGe/Ni/Auを電極材料として用いることができる。また、梁と中間電極との間に静電引力を働かせて梁を駆動する場合、上部電極は、梁の支持領域に配置されていなくても、可動部分に配置されていてもよい。下部電極は、キャリアが注入できれば、下部反射鏡の下側ではなく、下部反射鏡の上側であってもよい。

0058

[実施形態2]
図6は、本実施形態の光源装置の一例の断面模式図である。本実施形態の光源装置は、MEMS−VCSEL200とMEMS−面発光型SOA150を、1つのCANパッケージ(以下CANpkgという)の中に集積する構成例を示す。MEMS−VCSEL200は、実施形態1で説明した構成と同じである。MEMS−面発光型SOA150は、実施形態1で説明したMEMS−面発光型SOA100とは、以下の点で異なっている。すなわち、MEMS−面発光型SOA150は、第1基板151のMEMS−VCSEL200からの光を受ける面に凸レンズ面302が形成されている。それ以外については、MEMS−面発光型SOA150は、実施形態1で説明したMEMS−面発光型SOA100と同じである。この凸レンズ面302は、図2の凸レンズ301と同様の機能を有している。CANpkgは、例えばVCSELの光実装として一般的に用いられる。

0059

本実施形態では、CANpkgの基台500の上に、MEMS−VCSEL200と円筒形スペーサ501が配置されており、スペーサ501の上部にMEMS−面発光型SOA150が配置されている。そして、MEMS−VCSEL200とMEMS−面発光型SOA150を覆うように、基台500に固定されたキャップ502が配置されている。そして、キャップ502を覆うようにファイバ保持部材503が配置されている。光ファイバ505は、ファイバ保持部材503によって保持されている。MEMS−面発光型SOA150から射出された光は、キャップ502に保持されたレンズ504に入射して、ファイバ保持部材503に保持された光ファイバ505に集光される。

0060

スペーサ501はMEMS−VCSEL200の光出射面とMEMS−面発光型SOA150との距離を一定に保つ役割を有しており、例えばSiで構成されている。また、スペーサ501は、MEMS−VCSEL200の上面とMEMS−面発光型SOA150の下面を平行に保つ役割がある。スペーサ501がMEMS−VCSEL200の上面とMEMS−面発光型SOA150の下面との距離、および2つの面の相対傾きを決めている。そのため、本実施形態では、実装組み立て時に制御するパラメータが減り、実装時間の短縮や歩留まり向上ができる。

0061

MEMS−面発光型SOA150の凸レンズ面302は、MEMS−VCSEL200からの光の波面の曲率を大きくし、平行光に近い状態にする機能を持つ。そして、凸レンズ面302は、平行光をMEMS−面発光型SOA150のhalf−VCSELに入射させる。

0062

本実施形態でも実施形態1と同じ制御部400が使用されている(不図示)。CANpkgの基台500には、基台500を貫通している電極リード(不図示)がある。さらに、電極リードと、MEMS−VCSEL200、MEMS−面発光型SOA150を電気的に接続しているワイヤー(不図示)がある。この電極リードとワイヤーと通じて、制御部400の電気信号がMEMS−VCSEL200とMEMS−面発光型SOA150に入力され、実施形態1と同様に駆動する。駆動の詳細については実施形態1と同様であるため、省略する。また、CANpkg内の電気配線についても、一般的なCANpkgの配線と同様であるため、省略する。

0063

本実施形態の光源装置は、実施形態1と比較して、凸レンズ301の代わりに凸レンズ面302が第1基板151の下側の面に形成された構成を採るため、小型化の効果を得ることができる。また、レーザ光源の全製作コストのうち、一般に実装のコストが大きく、半分以上を占める場合もある。本実施形態では一般的なCANpkg内にすべての部材をおさめ、pkg個数も1つであるため、大幅な低コスト化が可能である。

0064

CANpkgの基台500上に直接、MEMS−VCSEL200が固定されている。そして、CANpkgの基台500に配置されたスペーサ501を介して、MEMS−面発光型SOA150がCANpkgの基台500に固定されている。そのため、固定後のずれはほぼ生じない。さらに、凸レンズ面302はMEMS−面発光型SOA150の基板の下面に半導体プロセスのフォトリソグラフィーの精度で製作しているため、凸レンズ面302とMEMS−面発光型SOA150の位置合わせは必要としない。そのため、位置合わせ箇所はMEMS−VCSEL200とMEMS−面発光型SOA150の面内方向のみであり、位置合わせが容易になる。そのため、低コストでできることに加え、素子機械的安定度にも優れている。

0065

MEMS−面発光型SOA150で光が反射し、MEMS−VCSEL200へ戻る光が存在する場合がある。MEMS−VCSEL200への戻り光が存在すると、光源としての特性が不安定になる恐れがある。それを低減するために、MEMS−面発光型SOA150からの戻り光に対して凸レンズ面302を透過した後の波面を意図的に曲率を持たせてもよい。こうすることで、MEMS−面発光型SOA150からの戻り光がMEMS−VCSEL200へ到達した時のビームのスポット径がMEMS−VCSEL200を出射時と異ならせることができる。スポット径が異なるということは戻り光の光パワーは同じであっても、MEMS−VCSEL200の発振モードへ結合する効率は下がり、結果として戻り光の影響を抑えることができる。意図的に波面に曲率を持たせる構成の一つは、MEMS−面発光型SOA150の下部反射鏡の位置をレンズを通ったビームのビームウエスト位置からずれた位置とすることで実現できる。

0066

[実施形態3]
図7は本実施形態の光源装置の一例を示す断面模式図である。本実施形態の光源装置は、MEMS−VCSEL250とMEMS−面発光型SOA600が同一の基板601上に、XY面内方向に配置されるようにモノリシックに形成された構成である。MEMS−VCSEL250とMEMS−面発光型SOA600は、共通の活性層を含むhalf−VCSEL603と、共通の下部反射鏡602、共通の下部電極610を有する。

0067

MEMS−VCSEL250の第2上部反射鏡255の反射率は、共通の下部反射鏡602の反射率より高く、その反射率は99.9%以上である。一方、共通の下部反射鏡602の反射率は99.0%以下である。そのため、MEMS−VCSEL250で発生した光は、下部反射鏡602から射出される。

0068

また、MEMS−面発光型SOA600の第1上部反射鏡605の反射率は、共通の下部反射鏡602の反射率と同じ、またはそれ以下とするのが好ましい。また、MEMS−面発光型SOA600の第1上部反射鏡605の反射率は、MEMS−VCSEL250の第2上部反射鏡255の反射率よりも低くなっている。この反射率の関係を満たすには、第1上部反射鏡605、第2上部反射鏡255をそれぞれDBRで構成して、その総数を変えることで調整すればよい。

0069

下部電極610は、MEMS−VCSEL250から光が射出されるように、開口を有している。また、下部電極610は、実施形態1,2と同様に、MEMS−面発光型SOA600に光が入射されるように開口を有している。下部電極610は、MEMS−VCSEL250から光が射出され、MEMS−面発光型SOA600に光が入射される構成であればよく、分割電極であってもよい。

0070

基板601の下に、反射面312,313を有するチップ310が配置されている。反射面312,313は、表面が平坦な金属膜で形成されている。反射面312は、MEMS−VCSEL250から−Z方向に射出された光を、+X方向に反射するように、Z方向に対して傾けられてチップ310に配置されている。一方、反射面313は、反射面312で反射された+X方向に進む光を+Z方向に反射するように、Z方向に対して傾けて配置されている。

0071

さらに、MEMS−VCSEL250とMEMS−面発光型SOA600には、曲率を持った凸レンズ面311、314が形成されている。

0072

この構成により、MEMS−VCSEL250の凸レンズ面311から光が射出された光は、反射面312と313でそれぞれ90°反射され、MEMS−面発光型SOA600の凸レンズ面314からMEMS−面発光型SOA600に入射する。そして、その光は、MEMS−面発光型SOA600で共振しながら増幅され、第1上部反射鏡605を通して、MEMS−面発光型SOA600の上方へ射出される。

0073

本実施形態によると、MEMS−VCSEL250の凸レンズ面311、MEMS−面発光型SOA600の凸レンズ面314、反射面312,313は、半導体プロセスのフォトリソグラフィーの精度で位置合わせを行うことができる。そのため、実施形態1に比べて実装工程が容易になる。さらに、実施形態1に比べて小型にすることが可能である。

0074

パッケージに関しては、実施形態2のようなCANpkgでもよいし、その他のパケージでもでもよい。

0075

また、本実施形態において、反射面は2つでなくても3つ以上の反射面で構成されていてもよい。例えば、下部電極610の下にさらに反射面を有し、3つの反射面を経由して、MEMS−VCSEL250から射出された光をMEMS−面発光型SOAに入射される構成でもよい。この場合には、下部電極610が光を伝搬する反射面を兼ねる構成でもよい。また、反射面312,313は繋がっていてもよい。

0076

[実施形態4]
図8は、本実施形態の光源装置の一例を示す模式図である。本実施形態は、増幅素子1から波長可変レーザ2への戻り光をさらに低減する構成である。本実施形態の光源装置は、波長可変レーザ2と増幅素子1の他に、サーキュレータ303を備えている。サーキュレータ303は、3つのポートを有している。サーキュレータ303は、第1ポート304に入射した光は第2ポート305から、第2ポートに入射した光は第3ポート306から射出する特性を有している。第2ポート305から第1ポート304に入射される光は、第2ポート305から第3ポート306に入射される光に対して−20dB以下である。このため、第2ポート305からサーキュレータ303に入射した光は、第1ポート304にほとんど戻らない。

0077

波長可変レーザ2は、光ファイバ307を介してサーキュレータ303の第1ポート304と光学的に接続されている。増幅素子1とは、光ファイバ308を介してサーキュレータ303の第2ポート305と光学的に接続されている。サーキュレータ303の第3ポート306には、光ファイバ700が光学的に接続されている。

0078

波長可変レーザ2から射出された光は、光ファイバ307を通り、サーキュレータ303の第1ポート304に入射される。サーキュレータ303の第1ポート304に入射された光は、第2ポート305に接続された光ファイバ308を通って増幅素子1に光を入射される。増幅素子1に入射された光は、増幅素子1で増幅され、再び光ファイバ308を通り、サーキュレータ303の第2ポート305に入射される。サーキュレータ303の第2ポート305に入射された光は、ほとんど第1ポート304に向かわず、第3ポート306に入射され、光ファイバ700から射出される。このように、波長可変レーザ2から射出された光は、第1ポート304、第2ポート305、増幅素子1、第2ポート305、第3ポート306の順でサーキュレータ303から射出される。本実施形態では、サーキュレータ303を用いることにより、増幅素子1から波長可変レーザ2への戻り光を低減することができる。

0079

波長可変レーザ2は、実施形態1,2で説明したMEMS−VCSEL200を用いることができる。また、増幅素子1は、実施形態1,2で説明したMEMS−面発光型SOAとは一部異なり、入射面と射出面が同じ構成である。この構成は、例えば、実施形態1で説明したMEMS−面発光型SOA100において、第1下部反射鏡102の反射率を99.9%以上として、第1上部反射鏡105の反射率を99.0%程度にすればよい。また、第1基板101の下に配置された第1下部電極110に、実施形態1のような開口を形成する必要はない。

0080

本実施形態では、増幅素子1と波長可変レーザ2とを別のパッケージに入れてもよいし、一つのパッケージに内に入れてもよい。また、増幅素子1と波長可変レーザ2とサーキュレータ303を一つのパッケージに入れてもよい。

0081

[実施形態5]
本実施形態では、実施形態1乃至4のいずれかの光源装置を用いた情報取得装置の例について説明する。波長可変型の光源装置は、光通信用光源光計測用光源として利用することができる。さらに、波長可変型の光源装置は、非侵襲非破壊で測定対象物の内部の情報を取得する情報取得装置の光源装置として利用することができる。以下では、本実施形態の光源装置を用いた情報取得装置の一例として、光干渉断層撮像装置(以下、OCT装置という)について図9を用いて説明する。

0082

図9は、本実施形態に係るOCT装置を示す模式図である。OCT装置は、光源装置801、干渉光学系802、光検出部803、測定対象物の内部情報を取得する情報取得部804、を少なくとも有する。光源装置801として、実施形態1乃至3のいずれかのレーザ装置を用いることができる。また、図示していないが、情報取得部804はフーリエ変換器を有する。ここで、情報取得部804がフーリエ変換器を有するとは、情報取得部804が入力されたデータに対してフーリエ変換する機能を有していれば形態は特に限定されない。一例は、情報取得部804が演算部を有し、この演算部がフーリエ変換する機能を有する場合である。具体的には、演算部がCPUを有するコンピュータであり、このコンピュータが、フーリエ変換機能を有するアプリケーションを実行する場合である。他の例は、情報取得部804がフーリエ変換機能を有するフーリエ変換回路を有する場合である。

0083

光源装置801から出た光は干渉光学系802を経て測定対象物体812の情報を有する干渉光となって出力される。干渉光は光検出部803において受光される。なお光検出部803は差動検出型でも良いし単純な強度モニタ型でも良い。受光された干渉光の強度の時間波形の情報は光検出部803から情報取得部804に送られる。情報取得部804では、受光された干渉光の強度の時間波形のピーク値を取得してフーリエ変換をし、物体812の情報(例えば断層像の情報)を取得する。なお、ここで挙げた光源装置801、干渉光学系802、光検出部803、情報取得部804を任意に設けることができる。

0084

以下、光源装置801から光が照射されてから、測定対象の物体の内部の情報を得るまでについて詳細に説明する。光源装置801から出た光は、ファイバ805を通って、カップラ806に入り照射光用のファイバ807を通る照射光と、参照光用のファイバ808を通る参照光とに分岐される。カップラ806は、光源の波長帯域でシングル状態動作のもので構成し、各種ファイバカップラは3dBカップラで構成することができる。照射光はコリメーター809を通って平行光になり、ミラー810で反射される。ミラー810で反射された光はレンズ811を通って物体812に照射され、物体812の奥行き方向の各層から反射される。

0085

一方、参照光はコリメーター813を通ってミラー814で反射される。カップラ806では、物体812からの反射光とミラー814からの反射光による干渉光が発生する。干渉した光はファイバ815を通り、コリメーター816を通って集光され、光検出部803で受光される。光検出部803で受光された干渉光の強度の情報は電圧などの電気的な情報に変換されて、情報取得部804に送られる。情報取得部804では、干渉光の強度のデータを処理、具体的にはフーリエ変換し断層像の情報を得る。このフーリエ変換する干渉光の強度のデータは通常、等波数間隔サンプリングされたデータであるが、等波長間隔にサンプリングされたデータを用いることも可能である。

0086

得られた断層像の情報は、情報取得部804から画像表示部817に送って画像として表示させてもよい。なお、ミラー810を照射光の入射する方向と垂直な平面内で走査することで、測定対象の物体812の3次元の断層像を得ることができる。また、光源装置801の制御は、情報取得部804が電気回路818を介して行ってもよい。また図示しないが、光源装置801から出る光の強度を逐次モニタリングし、そのデータを干渉光の強度の信号の振幅補正に用いてもよい。

0087

OCT装置は、眼科、歯科皮膚科等の分野において、動物や人のような生体内の断層像を取得する際に有用である。生体の断層像に関する情報とは、生体の断層像のみならず、断層像を得るために必要な数値データをも含む。特に、測定対象を人体の眼底や歯、血管とし、それらの断層像に関する情報を取得することに用いられることが好適である

0088

1増幅素子
2 波長可変レーザ

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