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図面 (5)

課題

零相電圧検出器および零相電流検出器を用いることなく地絡事故の検出を行うことができる地絡検出装置を提供する。

解決手段

配電線に設けられた開閉器子局3に配置され、配電線での地絡事故を検出する地絡検出装置1において、配電線に配置された電流検出器CT1,CT2,CT3が検出した電流信号ia,ib,ic、および、電圧検出器VT1,VT2,VT3が検出した電圧信号vab,vbc,vcaに基づいて、相毎の基準電圧を基準とした線電流ベクトル変化ベクトルである電流変化ベクトルを生成する電流変化ベクトル生成部11と、電流変化ベクトル生成部11によって生成された各電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcに基づいて、地絡事故が発生したか否かを判定する地絡判定部12とを備えるようにした。電流変化ベクトルの生成には、零相電圧または零相電流を必要としない。

概要

背景

配電線には複数の開閉器子局が設けられており、各開閉子局は、それぞれの位置で配電線の状態を検出して、検出結果を親局に送信している。親局は、各開閉子局から受信した検出結果に基づいて配電線全体の状態を把握し、開閉器開閉する指示を、開閉器子局に送信する。各開閉子局では、過電流地絡事故が検出される。

地絡事故の検出には、零相電圧または零相電流の大きさを用いる手法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。零相電圧(零相電流)は、開閉器が備えている零相電圧検出器零相電流検出器)によって検出される。零相電圧検出器(零相電流検出器)は、地絡事故の検出のために、零相電圧(零相電流)を専用に検出するものである。

概要

零相電圧検出器および零相電流検出器を用いることなく地絡事故の検出を行うことができる地絡検出装置を提供する。配電線に設けられた開閉器子局3に配置され、配電線での地絡事故を検出する地絡検出装置1において、配電線に配置された電流検出器CT1,CT2,CT3が検出した電流信号ia,ib,ic、および、電圧検出器VT1,VT2,VT3が検出した電圧信号vab,vbc,vcaに基づいて、相毎の基準電圧を基準とした線電流ベクトル変化ベクトルである電流変化ベクトルを生成する電流変化ベクトル生成部11と、電流変化ベクトル生成部11によって生成された各電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcに基づいて、地絡事故が発生したか否かを判定する地絡判定部12とを備えるようにした。電流変化ベクトルの生成には、零相電圧または零相電流を必要としない。

目的

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、零相電圧検出器および零相電流検出器を用いることなく地絡事故の検出を行うことができる地絡検出装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

配電線に設けられた開閉器子局に配置され、前記配電線での地絡事故を検出する地絡検出装置であって、前記配電線に配置された電気信号検出器が検出した電気信号に基づいて、相毎の基準電圧を基準とした線電流ベクトル変化ベクトルである電流変化ベクトルを生成する電流変化ベクトル生成手段と、前記電流変化ベクトル生成手段によって生成された各電流変化ベクトルに基づいて、地絡事故が発生したか否かを判定する地絡判定手段と、を備えていることを特徴とする地絡検出装置。

請求項2

前記電流変化ベクトル生成手段は、前記電気信号検出器が検出した電流信号に基づいて各相の線電流ベクトルを生成し、前記電気信号検出器が検出した電圧信号に基づいて各相の電圧ベクトルを生成するベクトル生成手段と、前記各相の電圧ベクトルを用いて、前記各相の線電流ベクトルを相毎の基準電圧を基準としたベクトルに変換し、当該変換後の各相の線電流ベクトルの変化ベクトルを演算する演算手段と、を備えている、請求項1に記載の地絡検出装置。

請求項3

前記電流変化ベクトル生成手段は、前記電気信号検出器が検出した電流信号に基づいて各相の線電流ベクトルを生成し、前記電気信号検出器が検出した電圧信号に基づいて各相の電圧ベクトルを生成するベクトル生成手段と、前記ベクトル生成手段が生成した各相の線電流ベクトルの変化ベクトルを演算し、前記ベクトル生成手段が生成した各相の電圧ベクトルを用いて、前記変化ベクトルを相毎の基準電圧を基準としたベクトルに変換する演算手段と、を備えている、請求項1に記載の地絡検出装置。

請求項4

記相毎の基準電圧は、各相の相電圧である、請求項1ないし3のいずれかに記載の地絡検出装置。

請求項5

前記相毎の基準電圧は、各相の線間電圧である、請求項1ないし3のいずれかに記載の地絡検出装置。

請求項6

前記地絡判定手段は、前記電流変化ベクトル生成手段によって生成された各電流変化ベクトルのいずれか1つの大きさのみが所定の閾値より大きい場合に、地絡事故が発生したと判定する、請求項1ないし5のいずれかに記載の地絡検出装置。

請求項7

前記地絡判定手段によって、大きさが所定の閾値より大きいと判定された電流変化ベクトルに対応する相を、地絡が発生した相であると判定する地絡相判定手段をさらに備えている、請求項6に記載の地絡検出装置。

請求項8

前記地絡判定手段によって、大きさが所定の閾値より大きいと判定された電流変化ベクトルの位相に基づいて、地絡抵抗を算出する地絡抵抗算出手段をさらに備えている、請求項6または7に記載の地絡検出装置。

請求項9

配電線での地絡事故を検出する地絡検出方法であって、前記配電線に配置された電気信号検出器が検出した電気信号に基づいて、相毎の基準電圧を基準とした線電流ベクトルの変化ベクトルである電流変化ベクトルを生成する第1の工程と、前記第1の工程で生成された各電流変化ベクトルに基づいて、地絡事故が発生したか否かを判定する第2の工程と、を備えていることを特徴とする地絡検出方法。

技術分野

0001

本発明は、配電線に設けられた開閉器子局に配置され、前記配電線での地絡事故を検出する地絡検出装置に関する。

背景技術

0002

配電線には複数の開閉器子局が設けられており、各開閉子局は、それぞれの位置で配電線の状態を検出して、検出結果を親局に送信している。親局は、各開閉子局から受信した検出結果に基づいて配電線全体の状態を把握し、開閉器開閉する指示を、開閉器子局に送信する。各開閉子局では、過電流や地絡事故が検出される。

0003

地絡事故の検出には、零相電圧または零相電流の大きさを用いる手法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。零相電圧(零相電流)は、開閉器が備えている零相電圧検出器零相電流検出器)によって検出される。零相電圧検出器(零相電流検出器)は、地絡事故の検出のために、零相電圧(零相電流)を専用に検出するものである。

先行技術

0004

特開2011−217481号公報

発明が解決しようとする課題

0005

また、開閉器には、過電流を検出するための電流検出器や、電圧を検出するための電圧検出器も備えられている。つまり、開閉器は、零相電圧検出器、零相電流検出器、電流検出器および電圧検出器の4つの検出器を備えている。したがって、開閉器が大きくなる上に、開閉器の製造コストが高くなる。

0006

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、零相電圧検出器および零相電流検出器を用いることなく地絡事故の検出を行うことができる地絡検出装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の第1の側面によって提供される地絡検出装置は、配電線に設けられた開閉器子局に配置され、前記配電線での地絡事故を検出する地絡検出装置であって、前記配電線に配置された電気信号検出器が検出した電気信号に基づいて、相毎の基準電圧を基準とした線電流ベクトル変化ベクトルである電流変化ベクトルを生成する電流変化ベクトル生成手段と、前記電流変化ベクトル生成手段によって生成された各電流変化ベクトルに基づいて、地絡事故が発生したか否かを判定する地絡判定手段とを備えていることを特徴とする。

0008

本発明の好ましい実施の形態においては、前記電流変化ベクトル生成手段は、前記電気信号検出器が検出した電流信号に基づいて各相の線電流ベクトルを生成し、前記電気信号検出器が検出した電圧信号に基づいて各相の電圧ベクトルを生成するベクトル生成手段と、前記各相の電圧ベクトルを用いて、前記各相の線電流ベクトルを相毎の基準電圧を基準としたベクトルに変換し、当該変換後の各相の線電流ベクトルの変化ベクトルを演算する演算手段とを備えている。

0009

本発明の好ましい実施の形態においては、前記電流変化ベクトル生成手段は、前記電気信号検出器が検出した電流信号に基づいて各相の線電流ベクトルを生成し、前記電気信号検出器が検出した電圧信号に基づいて各相の電圧ベクトルを生成するベクトル生成手段と、前記ベクトル生成手段が生成した各相の線電流ベクトルの変化ベクトルを演算し、前記ベクトル生成手段が生成した各相の電圧ベクトルを用いて、前記変化ベクトルを相毎の基準電圧を基準としたベクトルに変換する演算手段とを備えている。

0010

本発明の好ましい実施の形態においては、前記相毎の基準電圧は、各相の相電圧である。

0011

本発明の好ましい実施の形態においては、前記相毎の基準電圧は、各相の線間電圧である。

0012

本発明の好ましい実施の形態においては、前記地絡判定手段は、前記電流変化ベクトル生成手段によって生成された各電流変化ベクトルのいずれか1つの大きさのみが所定の閾値より大きい場合に、地絡事故が発生したと判定する。

0013

本発明の好ましい実施の形態においては、前記地絡判定手段によって、大きさが所定の閾値より大きいと判定された電流変化ベクトルに対応する相を、地絡が発生した相であると判定する地絡相判定手段をさらに備えている。

0014

本発明の好ましい実施の形態においては、前記地絡判定手段によって、大きさが所定の閾値より大きいと判定された電流変化ベクトルの位相に基づいて、地絡抵抗を算出する地絡抵抗算出手段をさらに備えている。

0015

本発明の第2の側面によって提供される地絡検出方法は、配電線での地絡事故を検出する地絡検出方法であって、前記配電線に配置された電気信号検出器が検出した電気信号に基づいて、相毎の基準電圧を基準とした線電流ベクトルの変化ベクトルである電流変化ベクトルを生成する第1の工程と、前記第1の工程で生成された各電流変化ベクトルに基づいて、地絡事故が発生したか否かを判定する第2の工程とを備えていることを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明によると、電流変化ベクトル生成手段が相毎の電流変化ベクトルを生成し、地絡判定手段が各電流変化ベクトルに基づいて地絡事故が発生したか否かを判定する。電流変化ベクトルの生成には、零相電圧または零相電流を必要としない。したがって、零相電圧検出器および零相電流検出器を用いることなく地絡事故の検出を行うことができる。開閉器に零相電圧検出器および零相電流検出器を備える必要がないので、開閉器を小型軽量化することができ、また、開閉器の製造コストを削減することができる。

0017

本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。

図面の簡単な説明

0018

第1実施形態に係る地絡検出装置を説明するための図である。
線電流ベクトルを相電圧基準のベクトルに変換する方法を説明するための図である。
地絡事故が発生したときの電流変化ベクトルを示すベクトル図である。
地絡検出装置が行う地絡検出処理の処理手順について説明するためのフローチャートである。

実施例

0019

以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。

0020

図1は、第1実施形態に係る地絡検出装置1を説明するための図であり、三相(a相、b相、c相)の配電線に設けられた開閉器子局3に配置されている状態を示している。開閉器子局3は、配電線に複数設けられている各開閉器2に対応して設けられており、親局との間で通信部31を介して通信を行っている。開閉器子局3は、地絡検出装置1や過電流検出装置(図示しない)などを備えており、各種検出装置による検出結果を親局に送信する。親局は、各開閉器子局3から受信した検出結果に基づいて、各開閉器子局3に、対応する開閉器2を開閉する指示を送信する。なお、開閉器子局3は、各種検出装置による検出結果を表示するための表示装置なども備えているが、図1においては記載を省略している。

0021

開閉器2は、親局からの指示に応じて、配電線の開路および閉路を行うものである。開閉器2は、各相の配電線に直列接続された開閉スイッチ21a,21b,21cを備えており、開閉スイッチ21a,21b,21cを開閉することで、配電線の開路および閉路を行う。また、開閉器2は、開閉スイッチ21a,21b,21cの上流側(電源側)に、電流検出器CT1,CT2,CT3および電圧検出器VT1,VT2,VT3を備えている。

0022

電流検出器CT1,CT2,CT3は、それぞれ配置された配電線を流れる電流を検出するものであり、いわゆる計器用変流器(Current Transformer)である。電流検出器CT1はa相の配電線に配置されており、電流検出器CT2はb相の配電線に配置されており、電流検出器CT3はc相の配電線に配置されている。電流検出器CT1,CT2,CT3によってそれぞれ検出された電流信号ia,ib,icは、地絡検出装置1に入力される。なお、電流検出器CT1,CT2,CT3に代えて、他の構成の電流検出器(例えば、光電流測定など)を用いてもよい。

0023

電圧検出器VT1,VT2,VT3は、それぞれ配電線間の線間電圧を検出するものであり、いわゆる計器用変圧器(Voltage Transformer)である。電圧検出器VT1はa相の配電線とb相の配電線との間の線間電圧を検出し、電圧検出器VT2はb相の配電線とc相の配電線との間の線間電圧を検出し、電圧検出器VT3はc相の配電線とa相の配電線との間の線間電圧を検出する。電圧検出器VT1,VT2,VT3によってそれぞれ検出された電圧信号vab,vbc,vcaは、地絡検出装置1に入力される。なお、電圧検出器VT1,VT2,VT3に代えて、他の構成の電圧検出器(例えば、コンデンサ分圧など)を用いてもよい。

0024

なお、電圧検出器VT2およびVT3で電圧信号vbc,vcaを検出する代わりに、電圧信号vabの位相を120°遅らせた信号を電圧信号vbcとし、電圧信号vabの位相を120°進めた信号を電圧信号vcaとして用いるようにしてもよい。つまり、少なくとも1つの線間電圧を検出することができればよい。

0025

本実施形態においては、電流検出器CT1,CT2,CT3および電圧検出器VT1,VT2,VT3が開閉スイッチ21a,21b,21cの上流側(電源側)に配置されている場合について説明したが、これに限られない。電流検出器CT1,CT2,CT3は、開閉スイッチ21a,21b,21cの下流側(末端側)に配置されていてもよい。また、電圧検出器VT1,VT2,VT3は、開閉スイッチ21a,21b,21cの下流側に配置されていてもよい。

0026

地絡検出装置1は、配電線での地絡事故の発生を検出するものである。また、地絡検出装置1は、地絡事故が発生した相を判定し、地絡抵抗を算出する。地絡検出装置1は、電流検出器CT1,CT2,CT3よりそれぞれ入力される電流信号ia,ib,icと、電圧検出器VT1,VT2,VT3よりそれぞれ入力される電圧信号vab,vbc,vcaとに基づいて、地絡の検出、地絡相の判定、および、地絡抵抗の算出を行い、検出結果(判定結果、算出値)を通信部31に出力する。通信部31は、検出結果(判定結果、算出値)を親局に送信する。

0027

地絡検出装置1は、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されており、電流変化ベクトル生成部11、および、地絡判定部12を備えている。

0028

電流変化ベクトル生成部11は、入力される電圧信号vab,vbc,vcaおよび電流信号ia,ib,icに基づいて、各相電圧基準の線電流ベクトルの変化ベクトルを生成して出力するものである。電流変化ベクトル生成部11は、ベクトル生成部11a、演算部11b、および、記憶部11cを備えている。

0029

ベクトル生成部11aは、各相の線電流ベクトルおよび線間電圧ベクトルを生成するものである。a相の線電流ベクトルをIa,b相の線電流ベクトルをIb,c相の線電流ベクトルをIcと表し、b相に対するa相の線間電圧ベクトルをVab,c相に対するb相の線間電圧ベクトルをVbc,a相に対するc相の線間電圧ベクトルをVcaと表す。ベクトル生成部11aは、電流検出器CT1、CT2,CT3からそれぞれ入力される電流信号ia,ib,icをデジタル信号に変換し、デジタルフィルタバンドパスフィルタ)で基本波周波数(例えば60Hz)成分のみを抽出し、それぞれ振幅および位相を検出し、これらに基づいて線電流ベクトルIa,Ib,Icを生成する。また、ベクトル生成部11aは、電圧検出器VT1、VT2,VT3からそれぞれ入力される電圧信号vab,vbc,vcaをデジタル信号に変換し、デジタルフィルタで基本波の周波数成分のみを抽出し、それぞれ振幅および位相を検出し、これらに基づいて線間電圧ベクトルVab,Vbc,Vcaを生成する。ベクトル生成部11aは、生成した線電流ベクトルIa,Ib,Icおよび線間電圧ベクトルVab,Vbc,Vcaを演算部11bに出力する。

0030

演算部11bは、ベクトル生成部11aより入力される線電流ベクトルIa,Ib,Icを各相電圧基準のベクトルに変換し、変化ベクトルを生成して出力するものである。演算部11bは、ベクトル生成部11aより入力される線電流ベクトルIa,Ib,Icを、線間電圧ベクトルVab,Vbc,Vcaを用いて、各線間電圧基準のベクトルに変換し、位相を30°遅らせることで各相電圧基準のベクトルに変換する。そして、各相電圧基準のベクトルに変換された線電流ベクトルIa,Ib,Icを記憶部11cに記憶させつつ、所定時間t(例えば、数十〜数百ミリ秒)前の線電流ベクトルを記憶部11cから読み出す。所定時間tが短すぎると、地絡事故による電流の変化の途中で、後述する電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcを生成してしまい、適切に地絡を検出できない場合がある。一方、所定時間tが長すぎると、地絡事故の発生から検出までに時間がかかってしまう。したがって、地絡事故による電流の変化に係る時間より長い時間で、できるだけ短い時間を設定するのが望ましい。演算部11bは、ベクトル生成部11aより入力されて各相電圧基準のベクトルに変換された線電流ベクトルIa,Ib,Icから、記憶部11cから読み出された線電流ベクトルIa’,Ib’,Ic’をそれぞれ減算して、電流変化ベクトルΔIa(=Ia−Ia’),ΔIb(=Ib−Ib’),ΔIc(=Ic−Ic’)を算出し、地絡判定部12に出力する。

0031

図2は、線電流ベクトルIaを相電圧基準のベクトルに変換する方法を説明するための図である。線電流ベクトルIaは時間によって変化するので、経過時間によらない線電流ベクトルIaの変化を算出するためには、時間に関係ない基準に合わせる必要がある。本実施形態においては、線電流ベクトルIaを相電圧ベクトルを基準にしたベクトルに変換している。図2(a)の左の図は、線電流ベクトルIaおよび相電圧ベクトルVaを示している。このときの線電流ベクトルIaの位相をα、相電圧ベクトルVaの位相をβとしている。線電流ベクトルIaを相電圧ベクトルVaを基準にしたベクトルに変換するということは、図2(a)の右の図のように、線電流ベクトルIaの位相を、相電圧ベクトルVaの位相βが0°になるように変更することであり、つまり、位相αから位相βを減算することである。本実施形態では、各線電流ベクトルIa,Ib,Icの位相から、それぞれ各線間電圧ベクトルVab,Vbc,Vcaの位相を減算し、さらに、それぞれ30°を減算することで、各線電流ベクトルIa,Ib,Icを各相電圧基準のベクトルに変換している。

0032

図2(b)の左の図は、別のタイミング(所定時間t前)での線電流ベクトルIaおよび相電圧ベクトルVaを、線電流ベクトルIa’および相電圧ベクトルVa’として示している。この場合、線電流ベクトルIa’を相電圧ベクトルVa’を基準にしたベクトルに変換すると、図2(b)の右の図のようになる。線電流ベクトルIaおよび線電流ベクトルIa’を、それぞれ相電圧基準のベクトルに変換することで、線電流ベクトルIa’から線電流ベクトルIaへの変化を算出できるようになった。図2(a)および(b)では、相電圧基準のベクトルに変換された線電流ベクトルIaおよび線電流ベクトルIa’は、同じベクトルになっており、電流変化ベクトルΔIa=Ia−Ia’はゼロになる。

0033

図2(c)の左の図は、別のタイミングでの線電流ベクトルIaおよび相電圧ベクトルVaを、線電流ベクトルIa’および相電圧ベクトルVa’として示している。この場合、線電流ベクトルIa’を相電圧ベクトルVa’を基準にしたベクトルに変換すると、図2(c)の右の図のようになる。この場合、電流変化ベクトルΔIa=Ia−Ia’は図示したベクトルになり、経過時間以外の理由で線電流ベクトルIaが変化したことが判る。

0034

また、各線電流ベクトルIa,Ib,Icを各相電圧基準のベクトルに変換することで基準をあわせるので、各電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcを同じベクトル図に表すことができる(後述する図3参照)。

0035

なお、線電流ベクトルIa,Ib,Icを各線間電圧基準のベクトルに変換する際に、例えば線間電圧ベクトルVabを基準として変換し、その後、線電流ベクトルIbについては位相を120°進め、線電流ベクトルIcについては位相を120°遅らせるようにしてもよい。また、先に、線電流ベクトルIa,Ib,Icの変化ベクトルを生成し、各相電圧基準のベクトルに変換して出力するようにしてもよい。

0036

なお、電流変化ベクトル生成部11の構成は、上述したものに限定されず、各相電圧基準の電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcを生成するものであればよい。また、ベクトル生成部11aの前段アナログフィルタを設けるようにしてもよい。また、ベクトル生成部11aが所定時間ごとに線電流ベクトルIa,Ib,Icおよび線間電圧ベクトルVab,Vbc,Vcaを生成し、演算部11bが前回入力された線電流ベクトルIa’,Ib’,Ic’と今回入力された線電流ベクトルIa,Ib,Icとから変化ベクトルを先に演算し、線間電圧ベクトルVab,Vbc,Vcaを用いて各相電圧基準の電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcに変換するようにしてもよい。

0037

地絡判定部12は、地絡事故が発生したか否かを判定するものであり、電流変化ベクトル生成部11より入力される各相電圧基準の電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIc(以下では、単に「ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIc」と記載する場合がある)に基づいて、判定を行う。地絡判定部12は、ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcの大きさのうちいずれか1つのみが、所定の閾値Xを超えた場合に、地絡事故が発生したと判定する。各相の配電線間に接続された負荷が変動した場合や、短絡事故が発生した場合、断線事故が発生した場合などには、2つ以上の相で電流が変化するので、ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcのいずれか2つ以上が大きくなる。本実施形態では、いずれか1つのみが大きくなった場合に地絡事故と判定するので、負荷変動短絡断線による誤検出を抑制することができる。閾値Xは、適切に地絡を検出することができ、微弱な電流の変動や測定誤差で誤検出しないような値が設定される。また、地絡判定部12は、大きさが所定の閾値Xを超えたベクトル(ΔIa,ΔIb,ΔIc)に対応する相で、地絡事故が発生したと判定する。

0038

図3は、地絡事故が発生したときのベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcを示すベクトル図である。ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcの位相は、各相の相電圧を基準として表される。破線で示す円Cは、地絡事故が発生したと判定するための閾値Xを示している。ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcのいずれか1つの先端が円Cの外側に達している場合、ベクトルの大きさが閾値Xを超えているので、地絡事故が発生したと判定される。図3(a)は、a相が完全地絡した場合のものを示しており、図3(b)は、a相が高抵抗地絡した場合のものを示している。

0039

a相が地絡した場合、地絡の前後でa相のみに大きな電流変化があるので、ベクトルΔIaが大きくなる。一方、b相およびc相の電流変化は小さいので、ベクトルΔIb,ΔIcは小さい。図3においては、ベクトルΔIb,ΔIcは小さすぎてベクトルが表示されていない。図3(a)および(b)においては、ベクトルΔIaの先端が円Cの外側に達しており、ベクトルの大きさが閾値Xを超えているので、地絡事故が発生したと判定される。また、ベクトルΔIaの大きさが閾値Xを超えていることから、a相で地絡事故が発生したと判定される。

0040

また、地絡事故の様相によって、ベクトルΔIaの位相が変わってくる。図3(a)に示すように、a相が完全地絡した場合、ベクトルΔIaの位相は約90°進んでいる。地絡事故発生時、地絡相には通常の負荷電流に加え大地にも電流が流れる。完全地絡の場合は、対地静電容量により大地に流れる電流が約90°の進み位相になる。したがって、地絡前後のベクトル差であるΔIaは位相が約90°になる。一方、図3(b)に示すように、a相が高抵抗地絡した場合、ベクトルΔIaの位相は、約0°である。大地に流れる電流の位相は対地静電容量と地絡抵抗からなるインピーダンスによって決まるが、高抵抗で地絡した場合、地絡抵抗が対地静電容量より十分大きく対地静電容量分を無視することができ、大地に流れる電流の位相が約0°となる。したがって、地絡前後のベクトル差であるΔIaは位相が約0°になる。これらのことから、地絡抵抗の概算値を算出することができる。本実施形態においては、下記(1)式を用いて、位相θに基づいて、地絡抵抗の概算値Rを算出している。なお、厳密には、配電線の線路インピーダンスも関係するのであるが、線路インピーダンスは小さいので、これを無視して算出している。
R=(Vab・cosθ)/(√3・ΔIa ) ・・・・ (1)

0041

地絡判定部12は、地絡事故が発生したと判定した場合、地絡事故が発生したこと、地絡相、および、地絡抵抗の情報を、通信部31に出力する。通信部31は、これらの情報を、親局に送信する。

0042

次に、地絡検出装置1が行う地絡検出処理の処理手順について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。

0043

図4は、地絡検出処理を説明するためのフローチャートである。当該処理は、地絡検出装置1が起動された時に開始される。

0044

まず、電流検出器CT1,CT2,CT3が検出した電流信号ia,ib,ic、および、電圧検出器VT1,VT2,VT3が検出した電圧信号vab,vbc,vcaが入力される(S1)。次に、入力された電流信号ia,ib,icおよび電圧信号vab,vbc,vcaに基づいて、ベクトル生成部11aによって、線電流ベクトルIa,Ib,Icおよび線間電圧ベクトルVab,Vbc,Vcaが生成される(S2)。具体的には、入力された信号がデジタル信号に変換されて、デジタルフィルタによって基本波の周波数成分のみが抽出されて、ベクトル化される。

0045

次に、演算部11bによって、各相電圧基準の電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcが生成される(S3)。具体的には、線電流ベクトルIa,Ib,Icを、線間電圧ベクトルVab,Vbc,Vcaを用いて、各相電圧基準のベクトルに変換する。そして、各相電圧基準のベクトルに変換された線電流ベクトルIa,Ib,Icから、記憶部11cから読み出された、所定時間t前の線電流ベクトルIa’,Ib’,Ic’をそれぞれ減算することで算出される。

0046

次に、ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcに基づいて、地絡判定が行われる(S4)。具体的には、地絡判定部12によって、各ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcの大きさが所定の閾値Xを超えたか否かが判定され、いずれか1つの大きさのみが閾値Xを超えた場合に、地絡事故が発生したと判定される。地絡事故が発生したと判定されなかった場合(S5:NO)、ステップS1に戻って、ステップS1〜S5が繰り返される。

0047

一方、地絡事故が発生したと判定された場合(S5:YES)、地絡相が判定される(S6)。具体的には、大きさが閾値Xを超えたベクトル(ΔIa,ΔIb,ΔIc)に対応する相で、地絡事故が発生したと判定される。そして、大きさが閾値Xを超えた(地絡相の)ベクトル(ΔIa,ΔIb,ΔIc)の位相θに基づいて、下記(1)式を用いて、地絡抵抗の概算値Rが算出される(S7)。そして、判定結果(地絡事故が発生したこと、地絡相、および、地絡抵抗の情報)が、通信部31を介して、親局に送信され(S8)、ステップS1に戻る。

0048

次に、本実施形態に係る地絡検出装置の作用および効果について説明する。

0049

本実施形態によると、電流検出器CT1,CT2,CT3によって検出された電流信号ia,ib,ic、および、電圧検出器VT1,VT2,VT3によって検出された電圧信号vab,vbc,vcaが、ベクトル生成部11aによってベクトル化される。そして、演算部11bによって、線電流ベクトルIa,Ib,Icおよび線間電圧ベクトルVab,Vbc,Vcaに基づいて、各相電圧基準の電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcが生成される。地絡判定部12は、ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcに基づいて、地絡の判定を行う。ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcの生成には、零相電圧または零相電流を必要としない。したがって、零相電圧検出器および零相電流検出器を用いることなく地絡事故の検出を行うことができる。開閉器に零相電圧検出器および零相電流検出器を備える必要がないので、開閉器を小型軽量化することができ、また、開閉器の製造コストを削減することができる。

0050

また、本実施形態によると、地絡判定部12は、ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcに基づいて、地絡相を判定することができる。また、地絡判定部12は、地絡抵抗の概算値Rを算出することができる。

0051

なお、本実施形態では、電圧検出器VT1、VT2,VT3がそれぞれ配電線間の線間電圧を検出する場合について説明したが、電圧検出器VT1、VT2,VT3がそれぞれ配電線の相電圧を検出するようにしてもよい。

0052

本実施形態では、地絡の判定のために、各相電圧基準の電流変化ベクトルΔIa,ΔIb,ΔIcを用いたが、これに限られない。例えば、各線間電圧基準の電流変化ベクトルを用いるようにしてもよい。また、各相電圧に所定の位相を加算した電圧(例えば、各相電圧をそれぞれ10°ずつずらした電圧)を基準とした場合の電流変化ベクトルを用いてもよい。つまり、相毎の基準電圧を基準とした電流変化ベクトルを用いればよい。

0053

本発明に係る地絡検出装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る地絡検出装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。

0054

1地絡検出装置
11電流変化ベクトル生成部
11a ベクトル生成部
11b演算部
11c 記憶部
12地絡判定部(地絡判定手段、地絡相判定手段、地絡抵抗算出手段)
2開閉器
21a,21b,21c開閉スイッチ
CT1,CT2,CT3電流検出器
VT1,VT2,VT3電圧検出器
3開閉器子局
31通信部

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