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技術 制御装置

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 橘田祐也石川豊アーロンディーフーバー
出願日 2016年11月11日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2016-220863
公開日 2017年5月25日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-089893
状態 特許登録済
技術分野 変速機構成 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御
主要キーワード 回転許容状態 回転阻止状態 係合度合 SPセンサ 準備モード 摩擦係合機構 係合タイミング 係合解除状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

機械式係合機構切り替えに際し、異音や振動の発生を抑制する一方、前進段から後進段へのシフト操作に対する応答感を向上すること。

解決手段

複数の係合機構を含む自動変速機制御装置を提供する。前記複数の係合機構はブレーキとして機能する機械式係合機構を含む。前記機械式係合機構は、回転要素を、一方向の回転のみ規制する第一の状態と双方向の回転を規制する第二の状態とに切り替え可能である。前記制御装置は、前記第一の状態から前記第二の状態へ切り替える際に、複数の油圧式摩擦係合機構係合状態にする係合制御を行う。前記係合制御に並行して、所定の油圧式摩擦係合機構B1、B2を半係合状態として、出力部材制動する制御を実行可能である。

概要

背景

自動変速機は、一般に遊星歯車機構と、クラッチブレーキといった係合機構とを備え、係合機構により動力伝達経路切り換えることで各変速段を実現している。係合機構としては、油圧式係合機構の他、機械式係合機構の採用も提案されており、特に、双方向の回転規制を行う状態に切り替え可能なクラッチ(ツーウェイクラッチ)をブレーキとして用いた構成も提案されている(例えば特許文献1)。

概要

機械式係合機構の切り替えに際し、異音や振動の発生を抑制する一方、前進段から後進段へのシフト操作に対する応答感を向上すること。複数の係合機構を含む自動変速機の制御装置を提供する。前記複数の係合機構はブレーキとして機能する機械式係合機構を含む。前記機械式係合機構は、回転要素を、一方向の回転のみ規制する第一の状態と双方向の回転を規制する第二の状態とに切り替え可能である。前記制御装置は、前記第一の状態から前記第二の状態へ切り替える際に、複数の油圧式摩擦係合機構係合状態にする係合制御を行う。前記係合制御に並行して、所定の油圧式摩擦係合機構B1、B2を半係合状態として、出力部材制動する制御を実行可能である。

目的

本発明の目的は、機械式係合機構の切り替えに際し、異音や振動の発生を抑制する一方、前進段から後進段へのシフト操作に対する応答感を向上することにある

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

自動変速機制御装置であって、前記自動変速機は、駆動力が入力される入力軸と、出力部材と、前記入力軸に入力された駆動力を前記出力部材に伝達する複数の遊星歯車機構と、前記複数の遊星歯車機構における駆動力の伝達経路切り替えて複数の変速段確立可能な複数の係合機構と、を含み、前記複数の係合機構は、ブレーキとして機能する機械式係合機構と、複数の油圧式摩擦係合機構と、を含み、前記機械式係合機構は、前記複数の遊星歯車機構が備える複数の回転要素のうちの所定の回転要素の一方向の回転のみ規制する第一の状態と、前記所定の回転要素の双方向の回転を規制する第二の状態と、に切り替え可能であり、前記複数の変速段は、前記機械式係合機構が前記第一の状態で確立可能な少なくとも一つの前進段と、前記機械式係合機構が前記第二の状態で確立する後進段と、を含み、前記制御装置は、シフトポジションを検出する検出手段と、前記複数の係合機構を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記シフトポジションが前進レンジから後進レンジへ切り替えられたことが検出された場合に、前記機械式係合機構を前記第一の状態から前記第二の状態に切り替える切替制御を実行可能であり、前記切替制御では、前記複数の油圧式摩擦係合機構の中から選択される複数の油圧式摩擦係合機構を係合状態にする係合制御の後、前記機械式係合機構を前記第一の状態から前記第二の状態に切り替え、前記制御手段は、前記係合制御と並行して、前記複数の油圧式摩擦係合機構の中から選択される少なくとも一つの油圧式摩擦係合機構を半係合状態にすることにより、前記出力部材を制動する半係合制御を実行可能である、ことを特徴とする制御装置。

請求項2

請求項1に記載の制御装置であって、車速を検出する検出手段を更に備え、前記半係合制御は、検出された車速が閾値以上の場合に、実行可能である、ことを特徴とする制御装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の制御装置であって、前記制御手段は、車両が登後進中か否かを判定可能であり、前記半係合制御は、登坂後進中でないと判定された場合に、実行可能である、ことを特徴とする制御装置。

請求項4

請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の制御装置であって、前記係合制御において選択される前記複数の油圧式摩擦係合機構は、第一の油圧式摩擦係合機構と、前記係合制御において、前記第一の油圧式摩擦係合機構よりも遅れ係合される第二の油圧式摩擦係合機構と、を含み、前記半係合制御においては、第三の油圧式摩擦係合機構と、第四の油圧式摩擦係合機構とが半係合状態にされ、前記第三の油圧式摩擦係合機構は、前記第二の油圧式摩擦係合機構の係合度合に応じて半係合状態が解除され、前記第四の油圧式摩擦係合機構は、前記係合制御中に継続して半係合状態とされる、ことを特徴とする制御装置。

請求項5

請求項4に記載の制御装置であって、車速を検出する検出手段を更に備え、検出された車速が閾値未満の場合は、前記半係合制御において、前記第三の油圧式摩擦係合機構を半係合状態にせずに解除状態にする、ことを特徴とする制御装置。

請求項6

請求項4または請求項5に記載の制御装置であって、前記制御手段は、車両が登坂後進中か否かを判定可能であり、車両が登坂後進中と判定された場合場合は、前記半係合制御において、前記第三の油圧式摩擦係合機構を半係合状態にせずに解除状態にする、ことを特徴とする制御装置。

請求項7

請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の制御装置であって、前記複数の変速段のうち、前進最低速段は、少なくとも前記第三の油圧式摩擦係合機構と前記第四の油圧式摩擦係合機構とが係合状態で、かつ、前記機械式係合機構が前記第一の状態で確立し、前記後進段は、少なくとも前記第四の油圧式摩擦係合機構が係合状態で、少なくとも前記第三の油圧式摩擦係合機構が解除状態で、かつ、前記機械式係合機構が前記第二の状態で確立する、ことを特徴とする制御装置。

請求項8

請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の制御装置であって、前記第一の油圧式摩擦係合機構は、前記入力軸の回転数を0とするための油圧式摩擦係合機構であり、前記第二の油圧式摩擦係合機構は、前記所定の回転要素と前記入力軸とを断続する油圧式摩擦係合機構である、ことを特徴とする制御装置。

請求項9

請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の制御装置であって、前記係合制御において選択される前記複数の油圧式摩擦係合機構は、それらの係合により前記所定の回転要素の回転数が0となるように選択された油圧式摩擦係合機構である、ことを特徴とする制御装置。

請求項10

請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の制御装置であって、前記係合制御において選択される前記複数の油圧式摩擦係合機構は、それらの係合により前記出力部材の回転を規制しない油圧式摩擦係合機構である、ことを特徴とする制御装置。

技術分野

0001

本発明は自動変速機制御装置に関する。

背景技術

0002

自動変速機は、一般に遊星歯車機構と、クラッチブレーキといった係合機構とを備え、係合機構により動力伝達経路切り換えることで各変速段を実現している。係合機構としては、油圧式係合機構の他、機械式係合機構の採用も提案されており、特に、双方向の回転規制を行う状態に切り替え可能なクラッチ(ツーウェイクラッチ)をブレーキとして用いた構成も提案されている(例えば特許文献1)。

先行技術

0003

特開2014−202340号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ブレーキとしてツーウェイクラッチを用いた場合、ツーウェイクラッチに接続される回転要素を、一方向の回転のみ規制する状態(逆方向の回転は許容される)と、双方向の回転を規制する状態とに切り替え可能である。双方向の回転を規制する状態に切り替える際には、ツーウェイクラッチに接続される回転要素がケーシングに固定された状態となることから、この回転要素が回転しているときに切り替えると異音や振動の発生やツーウェイクラッチの破損の要因となる。そこで、この回転要素を静止させる係合組合せを経由して、切り替えを行うことが考えられる。

0005

変速段前進段から後進段に切り替える場合に、ツーウェイクラッチを双方向の回転を規制する状態に切り替える構成とした場合、後進段のインギヤの前にツーウェイクラッチの状態を切り替える処理が必要とされる。この処理の間に、自動変速機の入力軸出力部材との間の駆動伝達が途切れ駆動輪自由回転可能な状態であると、後進段へのシフト操作に対する応答感が弱くなる場合がある。

0006

本発明の目的は、機械式係合機構の切り替えに際し、異音や振動の発生を抑制する一方、前進段から後進段へのシフト操作に対する応答感を向上することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明によれば、
自動変速機の制御装置であって、
前記自動変速機は、
駆動力が入力される入力軸と、
出力部材と、
記入力軸に入力された駆動力を前記出力部材に伝達する複数の遊星歯車機構と、
前記複数の遊星歯車機構における駆動力の伝達経路を切り替えて複数の変速段を確立可能な複数の係合機構と、を含み、
前記複数の係合機構は、
ブレーキとして機能する機械式係合機構と、
複数の油圧式摩擦係合機構と、を含み、
前記機械式係合機構は、
前記複数の遊星歯車機構が備える複数の回転要素のうちの所定の回転要素の一方向の回転のみ規制する第一の状態と、前記所定の回転要素の双方向の回転を規制する第二の状態と、に切り替え可能であり、
前記複数の変速段は、
前記機械式係合機構が前記第一の状態で確立可能な少なくとも一つの前進段と、
前記機械式係合機構が前記第二の状態で確立する後進段と、を含み、
前記制御装置は、
シフトポジションを検出する検出手段と、
前記複数の係合機構を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記シフトポジションが前進レンジから後進レンジへ切り替えられたことが検出された場合に、前記機械式係合機構を前記第一の状態から前記第二の状態に切り替える切替制御を実行可能であり、
前記切替制御では、前記複数の油圧式摩擦係合機構の中から選択される複数の油圧式摩擦係合機構を係合状態にする係合制御の後、前記機械式係合機構を前記第一の状態から前記第二の状態に切り替え、
前記制御手段は、前記係合制御と並行して、前記複数の油圧式摩擦係合機構の中から選択される少なくとも一つの油圧式摩擦係合機構を半係合状態にすることにより、前記出力部材を制動する半係合制御を実行可能である、
ことを特徴とする制御装置が提供される。

発明の効果

0008

本発明によれば、機械式係合機構の切り替えに際し、異音や振動の発生を抑制する一方、前進段から後進段へのシフト操作に対する応答感を向上することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の一実施形態に係る自動変速機のスケルトン図。
係合機構の係合表の例を示す図。
遊星歯車機構のギヤレシオを示す図。
図1の自動変速機の速度線図
図1の自動変速機の制御装置の例を示すブロック図。
油圧センサの配設例を示す図。
後進レンジ選択時の処理の概要説明図。
制御例を示すタイミングチャート
図4Aの制御装置の処理例を示すフローチャート
図4Aの制御装置の処理例を示すフローチャート。
図4Aの制御装置の処理例を示すフローチャート。
図4Aの制御装置の処理例を示すフローチャート。

実施例

0010

図1は本発明の一実施形態に係る自動変速機1のスケルトン図である。図1を参照して、自動変速機1は、その変速機ケースを構成するケーシング12内に回転自在に軸支された入力軸10と、ケーシング12に支持された支持部材12aに、入力軸10と同軸回りに回転自在に支持された出力部材11と、出力軸カウンタ軸)13と、を備える。

0011

入力軸10には、内燃機関EG(単にEGと呼ぶ場合がある)からの駆動力が入力され、該駆動力により入力軸10は回転する。入力軸10と内燃機関EGとの間には発進デバイスが設けられている。発進デバイスとしては、クラッチタイプの発進デバイス(単板クラッチ多板クラッチ等)や、流体継手タイプの発進デバイス(トルクコンバータ等)を挙げることができるが、本実施形態では、トルクコンバータTCを設けている。したがって、内燃機関EGの駆動力はトルクコンバータTCを介して入力軸10に入力される。

0012

出力部材11は、入力軸10と同心のギヤを備え、出力軸13はこのギヤに噛み合うギヤを備える。入力軸10の回転は以下に述べる変速機構により変速されて出力軸13に伝達される。出力軸13の回転(駆動力)は、例えば、不図示の差動歯車装置を介して駆動輪に伝達されることになる。

0013

自動変速機1は変速機構として、遊星歯車機構P1乃至P4と、係合機構C1〜C3、B1〜B3及びF1を備える。本実施形態の場合、遊星歯車機構P1乃至P4はいずれもシングルピニオン型の遊星歯車機構である。遊星歯車機構P1乃至P4によって、入力軸10から出力部材11に駆動力を伝達する。遊星歯車機構P1乃至P4は、駆動力の伝達経路を複数経路形成可能である。そして、係合機構C1〜C3、B1〜B3及びF1によって遊星歯車機構P1乃至P4における駆動力の伝達経路を切り替えて複数の変速段を確立する。

0014

遊星歯車機構P1乃至P4は、サンギヤS1乃至S4と、リングギヤR1乃至R4と、ピニオンギヤを支持するキャリアCr1乃至Cr4と、を回転要素(合計で12個)として備え、入力軸10と同軸上に配設されている。

0015

後述する図3の速度線図におけるギヤレシオに対応する間隔での並び順順序付けを行うと、遊星歯車機構P1のサンギヤS1、キャリアCr1、リングギヤR1を、この順に、第1の回転要素、第2の回転要素、第3の回転要素、と呼ぶことができる。

0016

同様に、遊星歯車機構P2のリングギヤR2、キャリアCr2、サンギヤS2を、この順に、第4の回転要素、第5の回転要素、第6の回転要素、と呼ぶことができる。

0017

同様に、遊星歯車機構P3のサンギヤS3、キャリアCr3、リングギヤR3を、この順に、第7の回転要素、第8の回転要素、第9の回転要素、と呼ぶことができる。

0018

同様に、遊星歯車機構P4のリングギヤR4、キャリアCr4、サンギヤS4を、この順に、第10の回転要素、第11の回転要素、第12の回転要素、と呼ぶことができる。

0019

係合機構C1〜C3、B1〜B3及びF1は、クラッチ又はブレーキとして機能する。クラッチは、自動変速機1が備える回転要素間断続を行う。ブレーキは、自動変速機1が備える回転要素と、ケーシング12との間の断続を行う。自動変速機1が備える回転要素とは、入力軸10、遊星歯車機構P1乃至P4のサンギヤ、リングギヤ、キャリアを含む。

0020

本実施形態の場合、係合機構C1〜C3はクラッチであり、係合機構B1〜B3及びF1はブレーキである。したがって、係合機構C1〜C3をクラッチC1〜C3と呼び、係合機構B1〜B3及びF1をブレーキB1〜B3及びF1と呼ぶ場合がある。係合機構C1〜C3及びB1〜B3を係合状態(締結状態)と解放状態係合解除状態)とで切り換えることで、また、係合機構F1の状態を切り替えることで、入力軸10から出力部材11への駆動力の伝達経路が切り替えられ、複数の変速段が実現される。

0021

本実施形態の場合、係合機構C1〜C3及びB1〜B3は、いずれも油圧式摩擦係合機構を想定している。油圧式摩擦係合機構としては、乾式又は湿式の単板クラッチ、乾式又は湿式の多板クラッチ等が挙げられる。

0022

係合機構F1は、所定の回転要素(ここでは互いに連結されているキャリアCr1及びCr2)とケーシング12との間に設けられている。係合機構F1は、所定の回転要素(キャリアCr1及びCr2)の一方向の回転のみ規制し逆方向の回転を許容する一方向回転許容状態(OWCと呼ぶ場合がある)と、その双方向の回転を規制する回転阻止状態(TWCと呼ぶ場合がある)と、に切り替え可能である。

0023

一方向回転許容状態とは、いわゆるワンウェイクラッチと同じ機能となる状態であり、回転方向の一方では駆動伝達し、逆方向では空転させる状態である。本実施形態の場合、係合機構F1はブレーキとして機能するので、係合機構F1が一方向回転許容状態の場合、所定の回転要素(キャリアCr1及びCr2)の一方向の回転のみ許容される状態となる。回転阻止状態とは、回転方向の双方向で駆動伝達する状態である。本実施形態の場合、係合機構F1はブレーキとして機能するので、係合機構F1が回転阻止状態の場合、所定の回転要素(キャリアCr1及びCr2)は双方向の回転が阻止される。

0024

係合機構F1としては、例えば、公知のツーウェイクラッチを採用可能である。公知のツーウェイクラッチとしては、対応する油圧アクチュエータ又は電磁アクチュエータ駆動制御により、一方向回転許容状態、回転阻止状態、及び、双方向回転許容状態に切り替えることが可能なものがある。また、公知のツーウェイクラッチとして、一方向回転許容状態は更に、正方向の回転許容状態と逆方向の回転許容状態とに切り替え可能なものがある。本実施形態では、一方向回転許容状態と回転阻止状態とに切り替えられれば足り、かつ、一方向回転許容状態は片側の回転方向の許容状態のみ利用できれば足りる。しかし、双方向回転許容状態等、他の状態を選択できるツーウェイクラッチを採用しても構わない。

0025

次に、各構成間の連結関係について図1を参照して説明する。

0026

遊星歯車機構P3のサンギヤS3は、入力軸10に連結されている。リングギヤR3は遊星歯車機構P2のサンギヤS2に連結されている。キャリアCr3は遊星歯車機構P1のリングギヤR1及び遊星歯車機構P4のキャリアCr4に連結されている。遊星歯車機構P2のキャリアCr2は遊星歯車機構P1のキャリアCr1に連結されている。リングギヤR2は出力部材11に連結されている。したがって、遊星歯車機構P2は出力軸13に駆動伝達を行う遊星歯車機構である。

0027

クラッチC1は、その係合状態において入力軸10と遊星歯車機構P1のキャリアCr1及びこれに連結されるキャリアCr2とを連結し、その解放状態においてこれらの連結を解除する。クラッチC2は、その係合状態において遊星歯車機構P3のリングギヤR3と遊星歯車機構P4のサンギヤS4とを連結し、その解放状態においてこれらの連結を解除する。クラッチC3は、その係合状態において入力軸10と遊星歯車機構P4のリングギヤR4とを連結し、その解放状態においてこれらの連結を解除する。

0028

ブレーキB1は、その係合状態においてケーシング12と遊星歯車機構P1のサンギヤS1とを連結し、その解放状態においてこれらの連結を解除する。ブレーキB2は、その係合状態においてケーシング12と遊星歯車機構P4のサンギヤS4とを連結し、その解放状態においてこれらの連結を解除する。ブレーキB3は、その係合状態においてケーシング12と遊星歯車機構P4のリングギヤR4とを連結し、その解放状態においてこれらの連結を解除する。

0029

ブレーキF1は、既に述べたとおり、一方向回転許容状態の場合に、遊星歯車機構P2のキャリアCr2(及びこれに連結されるキャリアCr1)の一方向の回転のみ規制し、回転阻止状態の場合に、遊星歯車機構P2のキャリアCr2(及びこれに連結されるキャリアCr1)をケーシング12に固定された状態とする。

0030

次に、図2Aは自動変速機1が備える係合機構の係合組合せを示す係合表(締結表)、図2Bは自動変速機1が備える遊星歯車機構のギヤレシオ、図3は自動変速機1の速度線図である。図2Aの「ギヤレシオ」は入力軸10−出力部材11間のギヤレシオを示す。

0031

本実施形態の場合、前進10段(1st〜10th)、後進1段(RVS)を確立可能である。”P/N”は、非走行レンジを示しており、”P”がパーキングレンジ、”N”がニュートラルレンジである。”RPM”は後述するRVS準備処理における係合組合せを示しており、この処理においてブレーキF1は一方向回転許容状態から回転阻止状態に切り替えられる。

0032

図2Aの係合表の例において、「○」は係合状態であることを示し、無印は解放状態であることを示す。”RPM”において、「□」は半係合状態とされることを示し(ブレーキB2)、「(□)」は、半係合状態とされるか、解放状態とされることを示す(ブレーキB1)。

0033

なお、変速段の確立に必須ではないが、隣接する前後の変速段への移行をスムーズにするために、係合状態としている係合機構が含まれている。例えば、一速段(1st)の場合、ブレーキB2の係合は必須ではないが、後進段(RVS)や二速段(2nd)へ移行する場合に、係合状態を切り替える係合機構を少なくする目的で、係合状態としている。同様に、五速段(5th)の場合、クラッチC3の係合は必須ではないが、四速段(4th)や六速段(6th)への移行する場合に、係合状態を切り替える係合機構を少なくする目的で、係合状態としている。

0034

ブレーキF1については、「○」は回転阻止状態であることを示し、「△」は一方向回転許容状態であることを示す。一速段(1st)の場合、ブレーキF1は回転阻止状態と一方向回転許容状態のいずれの状態でもよいが、回転阻止状態の場合、エンジンブレーキが有効化され、一方向回転許容状態の場合、エンジンブレーキが効かなくなる。一速段(1st)の場合にブレーキF1をどちらの状態とするかのアルゴリズムは適宜設計できるが、例えば、一速段(1st)に移行する前の状態を継承するものとしてもよい。具体的には、後進段(RVS)から一速段(1st)に移行する場合、一速段(1st)は回転阻止状態のままとする。ただし、車速が所定速度よりも高くなった場合等に一方向回転許容状態に切り替えてもよい。同様に、他の前進段(2nd〜10th)から一速段(1st)に移行する場合、一速段(1st)は一方向回転許容状態のままとする。

0035

非走行レンジ(P/N)においても、ブレーキF1の状態は回転阻止状態と一方向回転許容状態のいずれの状態でもよい。したがって、一速段(1st)と同様に、非走行レンジ(P/N)に移行する前の状態を継承してもよい。

0036

二速段(2nd)から十速段(10th)において、ブレーキF1は一方向回転許容状態とされるが、自動変速機1の構成上、空転状態となる。このため、ブレーキF1の状態を”(△)”と表示している。仮に、ブレーキF1が、上述した双方向回転許容状態を選択可能な機械式係合機構の場合、二速段(2nd)から十速段(10th)においてブレーキF1を双方向回転許容状態とすることも可能である。

0037

なお、本実施形態の場合、二速段(2nd)から十速段(10th)においてはいずれも、ブレーキF1の状態として、一方向回転許容状態が選択される構成であるが、自動変速機1の構成次第で、回転阻止状態が選択される構成も採用可能である。

0038

図3の速度線図は、入力軸10への入力に対する各要素の、各変速段における回転速度比を示している。縦軸速度比を示し、「1」が入力軸10と同回転数であることを示し、「0」は停止状態であることを示す。横軸は遊星歯車機構P1〜P4の回転要素間のギヤレシオに基づいている。λはキャリアCrとサンギヤSとのギヤレシオを示している。なお、図3において、出力軸13に対応する要素は図示を省略している。

0039

<制御装置>
図4Aは自動変速機1の制御装置100のブロック図である。制御装置100は自動変速機1だけでなく、内燃機関EGやトルクコンバータTCの各制御も行うことが可能であるが、本実施形態の場合、内燃機関EGは制御装置100とは別に設けたエンジンECU200により制御される構成を想定している。制御装置100はエンジンECU200から内燃機関EGや車両の各種情報を受信することができる。また、制御装置100は、自動変速機1の情報をエンジンECU200に送信することもできる。

0040

制御装置100は、CPU等の処理部101と、RAM、ROM等の記憶部102と、外部デバイスやエンジンECUと処理部101とをインターフェースするIF部103と、を備える。IF部103は例えば通信インタフェース入出力インタフェース等から構成される。

0041

処理部101は記憶部102に記憶されたプログラムを実行し、各種のセンサ110の検出結果に基づいて、各種のアクチュエータ120を制御する。

0042

各種のセンサ110には、自動変速機1に設けられる各種のセンサが含まれるが、図4Aでは以下のセンサを例示している。

0043

入力軸回転数センサ111は入力軸10の回転数(回転速度)を検出するセンサである。SPセンサシフトポジションセンサ)112は運転者が選択したシフトポジションを検出するセンサである。本実施形態の場合、シフトポジションとして、Pレンジ(パーキングレンジ)、Dレンジ(前進レンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)、Rレンジ(後進レンジ)の4種類を想定している。Dレンジが選択された場合、処理部101は記憶部102に記憶された変速マップにしたがって一速段(1st)から十速段(10th)のいずれかを選択して変速を行う。Rレンジが選択された場合、処理部101は後進段を選択する。

0044

油圧センサ113には、係合機構C1〜C3、B1〜B3の各作動油油圧を検出するセンサが含まれる。車速センサ114は、自動変速機1が搭載される車両の走行速度を検出する。傾斜センサ115は、車両の走行路の傾斜を検出する。これにより、車両が登坂走行か否かを検出できる。

0045

各種のアクチュエータ120には、自動変速機1に設けられる各種のアクチュエータが含まれる。例えば、係合機構C1〜C3、B1〜B3及びF1の動作状態を切り替える電磁ソレノイド等の電磁アクチュエータが含まれる。こうして、処理部101は各種のアクチュエータ120を制御する。

0046

図4Bは油圧センサ113の配設例を示す。油圧センサ113は、例えば、係合機構C1〜C3、B1〜B3毎に設けることができる。これにより各係合機構の作動油の油圧を検出することができる。なお、油圧センサ113は必ずしも各係合機構に設ける必要があるわけではない。

0047

各係合機構には、作動油を供給する電磁弁LSが割り当てられており、作動油の供給ラインLを電磁弁LSで開放又は遮断することで、係合機構の係合、解放を切り替えることができる。油圧センサ113は電磁弁LSから係合機構に供給される作動油が供給されるように設けられ、油圧センサ113の検出結果は係合機構に供給される作動油の油圧を示すことになる。供給ラインLには内燃機関EGにより駆動されるオイルポンプ116により作動油が圧送される。

0048

<ブレーキF1の切替制御>
本実施形態の場合、後進段ではブレーキF1が回転阻止状態である。前進段や非走行レンジから後進段に切り替える際、ブレーキF1を一方向回転許容状態から回転阻止状態に切り替える場合がある。この時、異音の発生や振動低減のため、ブレーキF1のケーシング12側と、キャリアCr2側との差回転数が0であることが好ましい。換言するとキャリアCr2の回転数が0であることが好ましい。

0049

そこで、キャリアCr2の回転数が0となる係合機構の組み合わせを経由させる。本実施形態の場合、キャリアCr2の回転数を直接計測するセンサはないことから、キャリアCr2と入力軸10とを連結状態とし、入力軸回転数センサ111の検出結果等からキャリアCr2の回転数が0であることを確認する。その後、ブレーキF1を回転阻止状態に切り替える。

0050

図5は、変速段を前進一速段から後進段に切り替える際の係合機構の係合組合せを示す。変速段が前進一速段にある場合、図2(A)に示したようにブレーキB1、B2が係合状態にある。ブレーキF1は一方向回転許容状態にある場合を想定する。

0051

まず、図5の段階1に示すように、ブレーキB1、B2の解放を開始する制御を行う。ブレーキB1、B2の解放を開始すると、次の段階2に移行する。

0052

段階2では、クラッチC1、C3及びブレーキB3を係合する。リングギヤR2及び出力軸13は回転自在であり、駆動輪は自由回転可能になる。よって車両が不測の挙動を示す事態を回避できる。

0053

図3の速度線図から明らかなように、クラッチC3及びブレーキB3を係合することで、入力軸10はケーシング12に固定された状態となる。クラッチC1を係合することでキャリアCr2が入力軸10に連結された状態となる。

0054

一方、駆動輪が自由回転可能な場合、後進段へのシフト操作に対する応答感(具体的には車両の減速感)が弱くなる場合がある。そこで、一定の条件を満たす場合に、運転者に応答感を感じさせる処理(半係合制御)を行う。詳細は後述するが、本実施形態の場合、ブレーキB2は解放を完了せずに、半係合状態に維持する。ブレーキB1は、解放を完了するか、又は、半係合状態に維持したのち、解放を完了する。

0055

次に、所定の条件が成立すると、次の段階3に移行する。所定の条件は、キャリアCr2の回転数が0であることが確認される条件である。基本的には、クラッチC1の係合完了と、入力回転数センサ111の検出結果<所定値(例えば0とみなせる値)である。クラッチC1の係合完了は、例えば、C1油圧センサ113の検出結果が所定油圧を示す場合や、クラッチC1用の電磁弁LSに対する制御量が規定値に達した場合等に係合が完了したと判定することができる。他の係合機構の係合完了についても、同様の判定手法を採用することができる。

0056

段階3では、ブレーキF1を一方向回転許容状態から回転阻止状態に切り替える。ブレーキF1のケーシング12側と、キャリアCr2側との差回転が0であるため、異音や振動が発生することを回避できる。ブレーキF1の切り替えが完了すると、段階4に進む。段階4では、クラッチC1、ブレーキB3を解除し、ブレーキB2を係合する。以上により、後進段の組み合わせが成立する(図2A)。

0057

段階1〜段階3の処理をRVS準備処理と呼び、段階4の処理をRVSインギヤ処理と呼ぶ場合がある。制御上、変速段の制御状態としてRVS準備モードが設定されるとRVS準備処理を行う。また、段階3が完了した段階で変速段の制御状態としてRVSインギヤモードを設定し、RVSインギヤモードが設定されるとRVSインギヤ処理を行う。このようなモード設定は例えば記憶部102にモード情報の記憶領域を設けて管理する。図5制御内容に関する処理部101が実行する処理例は図7図9を参照して後述する。

0058

<半係合制御>
シフトポジションがDレンジからRレンジに切り替えられた場合、本実施形態では、上述したRVS準備処理によりブレーキF1の状態を切り替えてから後進段をインギアする場合がある。この場合、後進段の確立までに若干のタイムラグが発生する。RVS準備処理では、複数の係合機構C1、C3、B3が係合されるが、既に述べたとおり、これらの係合だけが確立した場合、駆動輪は自由回転可能となる。車両がある程度の車速を有している状態では、Rレンジに切り替えても、RVS準備処理の間、車両は減速しない。運転者がRレンジへ切り替えたことの応答感(減速感)を感じにくくなる。

0059

そこで、本実施形態では、RVS準備処理を行うときの車両の走行状態に応じて、出力部材11を制動させる係合組合せを選択し、運転者がRレンジへ切り替えたことの応答感を発生させる。出力部材11を制動させる係合組合せ自体は、係合が完了すると自動変速機1が内部的にロックする組合せとするが、完全にロックするとショックが大きくなったり、自動変速機1の故障を招く場合があるので、一部の係合機構を半係合させて減速感を調整する。以下具体例を説明する。

0060

図6はRVS準備処理において係合機構C1、C3、B1〜B3の供給油圧の変化を示すタイミングチャートである。”P”は係合完了時の油圧を示している。

0061

図6のEX1は、係合機構C1、C2、B3を係合する例を示している。シフトポジションSPがDレンジからRレンジへ切り替えられると、RVS準備処理が開始され、係合機構C1、C3、B3に時間をずらして作動油が供給される。係合機構B3、C3が優先的に係合され、その後、係合機構C1が係合される。これは、入力軸10を固定した後、係合機構C1を係合して、キャリアCr2の回転数を0にする意味がある。係合機構C1、C3、B3は同時に作動油を供給してもよいが、時間をずらして作動油を供給することにより、異音や振動は小さくなる。

0062

図6のEX2は、係合機構B1を半係合させて解放する例を示している。シフトポジションSPがDレンジからRレンジへ切り替えられると、RVS準備処理が開始され、係合機構B1の解放が開始される。しかし、完全に解放せずに、ある程度の係合力を有するように作動油が供給される。係合機構B1の解放は、RVS準備処理の終了時点でもよいが、本実施形態では、係合機構C1がある程度の係合力を発生した時点(係合機構C1の油圧が規定油圧に達した時点)で半係合状態を終了し、解放している。本実施形態の場合、車両の走行状態に応じて、EX2に示すように係合機構B1を半係合状態を経由して解放するか、半係合せずに解放する。詳細は後述する。

0063

図6のEX3は、係合機構B2を半係合する例を示している。シフトポジションSPがDレンジからRレンジへ切り替えられると、RVS準備処理が開始され、係合機構B2の解放が開始される。しかし、完全に解放せずに、ある程度の係合力(油圧)を有するように作動油が供給され、RVS準備処理中、維持される。係合機構B2は、後進段で係合されるので(図2A)、RVS準備処理中、半係合状態としておくことで、後進段のインギアに要する時間を短縮できる。

0064

次に、図6の例における、RVS準備処理中の出力部材11の制動について説明する。RVS準備処理開始から係合機構C1の油圧が規定油圧に達するまでの期間TM1においては、係合機構B3、C3、B1及びB2が係合力を発揮する。仮に、これらの係合機構が全て係合完了した場合、図3から明らかなように自動変速機1が内部的にロックする。しかし、係合機構B1、B2は半係合状態とされるので、自動変速機1は内部的にロックすることなく、出力部材11の回転(リングギアR2の回転)に抵抗を与え、車両を減速させることができる。

0065

係合機構C1の油圧が規定油圧に達してから、RVS準備処理終了までの区間TM2においては、係合機構B3、C3、C1及びB2が係合力を発揮する。仮に、これらの係合機構が全て係合完了した場合、図3から明らかなように自動変速機1が内部的にロックする。しかし、係合機構B2は半係合状態とされるので、自動変速機1は内部的にロックすることなく、出力部材11の回転(リングギアR2の回転)に抵抗を与え、車両を減速させることができる。

0066

こうして、期間TM1、TM2のいずれにおいても、出力部材11の回転に抵抗を与え、車両を減速させることができる。

0067

減速の度合いは、例えば、係合機構B2の半係合の係合力(油圧)によって調整可能である。係合機構B2の半係合の係合力は、固定値であっても変動値であってもよい。変動値とする場合、運転者のアクセル操作があった場合は、係合力を増大する(減速の度合いを増大する)ようにしてもよい。

0068

なお、本実施形態では、半係合制御の対象を係合機構B1、B2の二つとしたが、自動変速機1の構成によっては、一つでよい場合や、三つ以上であってもよい場合がある。

0069

<RVS準備処理の他の例>
RVS準備処理を短時間で終了するために、3つの係合機構C1、C3、B3のうちの一つ(例えばB3)をDレンジ選択中の段階で係合又は半係合させてもよい。本実施形態の自動変速機1の構成の場合、ブレーキF1が一方向回転許容状態で図2Aの一速段の係合組合せの場合、係合機構B3の係合、解放により、エンジンブレーキの有効化と無効化とを切り替えられる。よって、係合機構B3の事前係合を開始しても、走行に支障を与えることはない。したがって、例えば、停車中や低車速の場合に、Dレンジ選択中にB3を係合又は半係合させて、Rレンジへの切り替えに備えてもよい。

0070

<後進段への切替制御>
図5の制御内容について、処理部101が実行する処理例を図7図9を参照して説明する。

0071

まず、図7を参照する。S1では、ブレーキF1を一方向回転許容状態から回転阻止状態へ切り替える条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、ブレーキF1が一方向回転許容状態の場合であって、SPセンサ112により運転者がシフトレンジをDレンジ(例えば一速段)から後進レンジに切り替えたことが検出された場合、この条件が成立したと判定する。該当する場合はS2へ進み、該当しない場合はS6へ進む。

0072

S2では制御モードとして、RVS準備モードを設定する。その後、S4へ進む。S3ではRVS準備モードを設定中か否かを判定する。該当する場合、S4へ進み、該当しない場合はS5へ進む。S4ではRVS準備処理を行う。詳細は後述する。S5では他の処理を行って一単位の処理を終了する。

0073

図8を参照する。同図はS4のRVS準備処理を示すフローチャートである。S11では自動制御装置1の駆動源トルク制限を実行する。例えば、係合機構等の必要油圧が確保される範囲で内燃機関EGの出力を減少させる。

0074

S12ではブレーキF1の、回転阻止状態への切り替えが完了したか否かを判定する。該当する場合はS17へ進み、該当しない場合はS13へ進む。

0075

S13では図5の段階2や図6のEX1で説明したように、係合機構C1、C3及びB3を係合する制御を開始する。S13の工程が複数回繰り返されることにより、三つの係合機構C1、C3及びB3の係合が完了することになる。

0076

S14では、図6のEX2、EX3で説明したように、係合機構B1、B2の半係合制御を行う。これにより、S13の係合制御に並行してS14の半係合制御が実行される。半係合制御の処理内容の詳細は後述する。

0077

S15では、、クラッチC1の係合が完了し、かつ、入力軸10の回転数=0か否かを判定する。これらの条件を全て満たす場合はS16へ進み、満たさない場合は一単位の処理を終了する。

0078

S16では、図5の段階3で説明したように、ブレーキF1の状態を回転阻止状態に切り替える。ブレーキF1のケーシング12側と、キャリアCr2側との差回転数が0の状態で切り替えられるため、異音や振動の発生を防止し、また、ブレーキF1の破損を回避できる。

0079

S17では、RVS準備モードの設定を解除する。S18ではRVSインギヤモードを設定する。この設定により、別ルーチン(例えば図7のS5)で、図5の段階4で説明したように、係合機構C1及び係合機構B3を解除し、係合機構B2を係合する処理が行われる。以上により、処理が終了する。

0080

図9を参照する。同図はS14の半係合制御処理を示すフローチャートである。S21では、係合機構B2の半係合制御を行う。ここでは、図6のEX3に示したように、係合機構B2の係合の解放を開始するが、完全に解放せずに、ある程度の係合力を有するように作動油を供給する。

0081

S22では、傾斜センサ115と車速センサ114の検出結果から、車両が登後進中か否かを判定し、登坂後進中の場合はS26へ進み、後進中でない場合はS23へ進む。やや特殊な状況であるが、登坂路を前進中に脇道に後進で進入する場合等においては、DレンジからRレンジに切り替えられる際に、車両が登り坂を惰性で後進している状況が生じ得る。この場合には、出力部材11が制動されると、車両が前進方向に躍動する場合がある。よって、係合機構B1の半係合制御を回避すべくS26へ進む。逆に、車両が登坂後進中でなければ、運転者に応答感を感じさせるべく、後述するS25の処理が実行可能となる。

0082

S23では、車速センサ114の車速検出結果が閾値V以上か否かを判定し、閾値V以上であればS24へ進み、閾値V未満であればS26へ進む。

0083

閾値Vは、運転車にシフト操作の応答感(減速感)を感じさせるのに適当な車速を設定し、例えば、数km/h(具体的には、1km/h或いは2km/h)とする。車速検出結果が閾値V以上であれば、運転者に応答感を感じさせるべく、後述するS25の処理が実行可能となる。車速検出結果が閾値V未満であれば、運転者に応答感を感じさせる必要性は薄く、無駄な油圧の消費を回避するためS26へ進む。

0084

S24では、油圧センサ113の検出結果に基づいて、図6のEX2で説明したように係合機構C1の油圧が規定油圧以上になっているか否かを判定する。規定油圧以上の場合はS26へ進み、規定油圧未満の場合はS25へ進む。

0085

S25では、係合機構B1の半係合制御を行う。ここでは、図6のEX2に示したように、係合機構B1の係合の解放を開始するが、完全に解放せずに、ある程度の係合力を有するように作動油を供給する。これにより、図6に示した期間TM1において、出力部材11が制動され、運転者に応答感を感じさせることができる。

0086

S26では、係合機構B1の係合解除制御を行う。ここでは、係合機構B1を解放する。S25の半係合制御が行われた場合には、期間TM2において係合機構B1が解放状態となる。S25の半係合制御が行われなかった場合は、期間TM1及びTM2の双方にいて係合機構B1が解放状態となり、運転者に応答感を感じさせるのは期間TM2のみとなる。以上により処理が終了する。

0087

<他の処理例>
図本実施形態では、S21の処理によって、RVS準備処理中、係合機構B2の半係合状態が維持されるため、期間TM2においては常に出力部材11が制動される。しかし、S25の係合機構B1の半係合制御を行わない場合(つまり、期間TM1において出力部材11を制動しない場合)は、係合機構B2を解放するようにしてもよい。これにより、期間TM1で出力部材11を制動しない場合は期間TM2においても出力部材11を制動しないことになる。図10は、図9代わるS14の半係合制御処理を示すフローチャートである。

0088

図10の処理例において、S22、S23の処理は図9のS22、S23の処理と同じである。S22で登坂後進中ではないと判定し、かつ、S23で車速検出結果が閾値V以上であると判定した場合は、S31へ進み、係合機構B2の半係合制御を行う。その内容は図9のS21の処理と同じである。

0089

S22で登坂後進中と判定した場合や、S23で車速検出結果が閾値V未満と判定した場合は、S32へ進み、係合機構B2の係合解除制御を行う。ここでは係合機構B2を解放する。S24〜S26の処理は図9のS24〜S26の処理と同じである。

0090

図10の処理例では、運転者に応答感を感じさせる必要がある場合は、期間TM1、TM2の双方で出力部材11が制動され、運転者に応答感を感じさせる必要がない場合は、期間TM1、TM2の双方で出力部材11が制動されないことになる。

0091

<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の制御装置(例えば100)は、
自動変速機(例えば1)の制御装置であって、
駆動力が入力される入力軸(例えば10)と、
出力部材(例えば11)と、
前記入力軸に入力された駆動力を前記出力部材に伝達する複数の遊星歯車機構(例えばP1-P4)と、
前記複数の遊星歯車機構における駆動力の伝達経路を切り替えて複数の変速段を確立可能な複数の係合機構(例えばC1-C3,B1-B3,F1)と、を含み、
前記複数の係合機構は、
ブレーキとして機能する機械式係合機構(例えばF1)と、
複数の油圧式摩擦係合機構(例えばC1-C3,B1-B3)と、を含み、
前記機械式係合機構は、
前記複数の遊星歯車機構が備える複数の回転要素のうちの所定の回転要素(例えばCr1,Cr2)の一方向の回転のみ規制する第一の状態と、前記所定の回転要素の双方向の回転を規制する第二の状態と、に切り替え可能であり、
前記複数の変速段は、
前記機械式係合機構が前記第一の状態で確立可能な少なくとも一つの前進段(例えば1st-10th)と、
前記機械式係合機構が前記第二の状態で確立する後進段(例えばRVS)と、を含み、
前記制御装置は、
シフトポジションを検出する検出手段(例えば112)と、
前記複数の係合機構を制御する制御手段(例えば101)と、を備え、
前記制御手段は、前記シフトポジションが前進レンジから後進レンジへ切り替えられたことが検出された場合に、前記機械式係合機構を前記第一の状態から前記第二の状態に切り替える切替制御(例えばS4)を実行可能であり、
前記切替制御では、前記複数の油圧式摩擦係合機構の中から選択される複数の油圧式摩擦係合機構(例えばC1,C3,B3)を係合状態にする係合制御(例えばS13)の後、前記機械式係合機構を前記第一の状態から前記第二の状態に切り替え(例えばS16)、
前記制御手段は、前記係合制御と並行して、前記複数の油圧式摩擦係合機構の中から選択される少なくとも一つの油圧式摩擦係合機構(例えばB1,B2)を半係合状態にすることにより、前記出力部材を制動する半係合制御(例えばS14)を実行可能である、
ことを特徴とする。

0092

この構成によれば、機械式係合機構の切り替えに際し、前記係合制御により異音や振動の発生を抑制する一方、前記出力部材を制動することで、前記前進段から前記後進段へのシフト操作に対する応答感を向上することができる。

0093

2.上記実施形態の制御装置は、
車速を検出する検出手段(例えば114)を更に備え、
前記半係合制御は、検出された車速が閾値以上の場合(例えばS23)に、実行可能である、
ことを特徴とする。

0094

この構成によれば、運転者に応答感を感じさせることが不要な場合に、無駄な油圧を消費することを防止できる。

0095

3.上記実施形態の制御装置は、
前記制御手段は、車両が登坂後進中か否かを判定可能であり(例えばS22)、
前記半係合制御は、登坂後進中でないと判定された場合に、実行可能である、
ことを特徴とする。

0096

この構成によれば、登坂後進中に前進方向に車両が躍動することを抑制できる。

0097

4.上記実施形態の制御装置は、
前記係合制御において選択される前記複数の油圧式摩擦係合機構は、
第一の油圧式摩擦係合機構(例えばB3,C3)と、
前記係合制御において、前記第一の油圧式摩擦係合機構よりも遅れて係合される第二の油圧式摩擦係合機構(例えばC1)と、を含み、
前記半係合制御においては、第三の油圧式摩擦係合機構(例えばB1)と、第四の油圧式摩擦係合機構(例えばB2)とが半係合状態にされ、
前記第三の油圧式摩擦係合機構は、前記第二の油圧式摩擦係合機構の係合度合に応じて半係合状態が解除され(例えばS24)、
前記第四の油圧式摩擦係合機構は、前記係合制御中に継続して半係合状態とされる(例えばS21)、
ことを特徴とする。

0098

この構成によれば、前記複数の油圧式摩擦係合機構の係合タイミングに対応しながら、前記出力部材の制動を継続することができる。

0099

5.上記実施形態の制御装置は、
車速を検出する検出手段(例えば114)を更に備え、
検出された車速が閾値未満の場合は、前記半係合制御において、前記第三の油圧式摩擦係合機構を半係合状態にせずに解除状態にする(例えばS23,S26)、
ことを特徴とする。

0100

この構成によれば、運転者に応答感を感じさせることが不要な場合に、無駄な油圧を消費することを防止できる。

0101

6.上記実施形態の制御装置は、
前記制御手段は、車両が登坂後進中か否かを判定可能であり(例えばS22)、
車両が登坂後進中と判定された場合場合は、前記半係合制御において、前記第三の油圧式摩擦係合機構を半係合状態にせずに解除状態にする(例えばS22,S26)、
ことを特徴とする。

0102

この構成によれば、登坂後進中に前進方向に車両が躍動することを抑制できる。

0103

7.上記実施形態の制御装置は、
前記複数の変速段のうち、前進最低速段(例えば1st)は、少なくとも前記第三の油圧式摩擦係合機構と前記第四の油圧式摩擦係合機構とが係合状態で、かつ、前記機械式係合機構が前記第一の状態で確立し、
前記後進段は、少なくとも前記第四の油圧式摩擦係合機構が係合状態で、少なくとも前記第三の油圧式摩擦係合機構が解除状態で、かつ、前記機械式係合機構が前記第二の状態で確立する、
ことを特徴とする。

0104

この構成によれば、前記第四の油圧式摩擦係合機構が前記係合制御中に半係合状態に維持されることで、その後の前記後進段の確立をより短時間で行える。

0105

8.上記実施形態の制御装置は、
前記第一の油圧式摩擦係合機構は、前記入力軸の回転数を0とするための油圧式摩擦係合機構であり、
前記第二の油圧式摩擦係合機構は、前記所定の回転要素と前記入力軸とを断続する油圧式摩擦係合機構である、
ことを特徴とする。

0106

この構成によれば、前記機械式係合機構の切り替えによる異音や振動の発生を防止でき、また、前記機械式係合機構が破損する確率を低下させることができる。

0107

9.上記実施形態の制御装置は、
前記係合制御において選択される前記複数の油圧式摩擦係合機構は、それらの係合により前記所定の回転要素(例えばCr1,Cr2)の回転数が0となるように選択された油圧式摩擦係合機構である、
ことを特徴とする。

0108

この構成によれば、前記機械式係合機構の切り替えによる異音や振動の発生を防止でき、また、前記機械式係合機構が破損する確率を低下させることができる。

0109

10.上記実施形態の制御装置は、
前記係合制御において選択される前記複数の油圧式摩擦係合機構は、それらの係合により前記出力部材の回転を規制しない油圧式摩擦係合機構である、
ことを特徴とする。

0110

この構成によれば、前記係合制御中に駆動輪の自由回転を可能としつつ、必要な場合に駆動輪の回転を規制して運転者にシフト操作の応答感を感じさせることができる。

0111

1自動変速機、11出力部材、100制御装置、112シフトポジションセンサ、B1〜B3係合機構、C1〜C3 係合機構、F1 係合機構

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