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図面 (8)

課題

NOx吸収触媒の下流側に配置されたNOx濃度センサ検出出力に基づくリッチスパイク実行制御をより適切に行うことができる排気浄化装置を提供する。

解決手段

リッチスパイクの終了時点(t2)から第1時間TIM1が経過するまでの還元雰囲気期間では、NOx濃度CATNOXを第1代替値(RPNOX1)に設定し、さらに還元雰囲気期間の終了時点(t3)直後において、検出出力SENSAXが下降する出力下降状態と判定されたときはNOx濃度CATNOXを第2代替値(RPNOX2)に設定し、還元雰囲気期間及びその直後の出力下降状態ではリッチスパイクを実行する必要がないと判定する。還元雰囲気期間の終了時点(t3)以後において、検出出力SENSAXが同一値を維持するかまたは上昇する出力維持上昇状態と判定されたときは、制御用検出値SENSNOXを使用してリッチスパイクの実行時期の判定を行う。

概要

背景

特許文献1は、内燃機関排気通路NOx吸収剤を配置するとともに、NOx吸収剤の下流側にNOx濃度センサアンモニアにも反応するタイプ)を配置した排気浄化装置を開示する。この装置では、NOx吸収剤に吸収されたNOxを放出すべく空燃比を一時的にリッチにするリッチスパイクを実行したときに、NOx濃度センサによって検出されるアンモニア濃度の変化から余剰還元剤量が求められる。NOx濃度センサによるリッチスパイクの開始時期近傍の検出値は、NOx濃度とみなされ、リッチスパイク終了時期近傍の検出値は、アンモニア濃度とみなされる。特許文献1に示されるようにジルコニアを含むイオン伝導性固体電解質層を有するNOx濃度センサの検出出力は、NOx濃度に比例するだけでなく、リッチスパイクを実行したときに生成されるアンモニアの濃度にも比例することが知られている。以下、本明細書のおける「NOx濃度センサ」は、ジルコニアを含むイオン伝導性固体電解質層を有するNOx濃度センサを意味するものとする。

概要

NOx吸収触媒の下流側に配置されたNOx濃度センサの検出出力に基づくリッチスパイク実行制御をより適切に行うことができる排気浄化装置を提供する。 リッチスパイクの終了時点(t2)から第1時間TIM1が経過するまでの還元雰囲気期間では、NOx濃度CATNOXを第1代替値(RPNOX1)に設定し、さらに還元雰囲気期間の終了時点(t3)直後において、検出出力SENSAXが下降する出力下降状態と判定されたときはNOx濃度CATNOXを第2代替値(RPNOX2)に設定し、還元雰囲気期間及びその直後の出力下降状態ではリッチスパイクを実行する必要がないと判定する。還元雰囲気期間の終了時点(t3)以後において、検出出力SENSAXが同一値を維持するかまたは上昇する出力維持上昇状態と判定されたときは、制御用検出値SENSNOXを使用してリッチスパイクの実行時期の判定を行う。

目的

本発明はこの点に着目してなされたものであり、NOx吸収触媒の下流側に配置されたNOx濃度センサの検出出力に基づくリッチスパイク実行制御をより適切に行うことができる排気浄化装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

内燃機関排気酸化雰囲気にあるとき排気中のNOxを吸収し、排気が還元雰囲気にあるとき吸収したNOxを還元するNOx吸収触媒と、該NOx吸収触媒の下流側に設けられ、排気中のNOx濃度を検出するNOx濃度センサとを前記機関排気通路に備える、内燃機関の排気浄化装置において、前記機関に供給する混合気空燃比を一時的にリッチ化して排気を還元雰囲気とするリッチスパイクを実行するリッチ化手段であって、前記リッチスパイクの実行時期の判定を前記NOx濃度センサの検出出力に基づいて行うリッチ化手段を備え、前記リッチ化手段は、前記検出出力の変化傾向を判定する変化傾向判定手段を有し、前記リッチスパイクが終了した時点から設定時間が経過するまでの還元雰囲気期間では、前記リッチスパイクを実行する必要がないと判定するとともに、前記還元雰囲気期間の終了時点直後において、前記検出出力が下降する出力下降状態と判定されたときは、前記リッチスパイクを実行する必要がないと判定し、前記還元雰囲気期間の終了時点以後において、前記検出出力が同一値を維持するかまたは上昇する出力維持上昇状態と判定されたときは、前記検出出力を使用して、前記実行時期の判定を行うことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。

請求項2

前記検出出力を所定サンプリング周期サンプリングするサンプリング手段と、前記検出出力のサンプリング値についてローパスフィルタ処理を行うことによって制御用検出値を算出する制御用検出値算出手段とを備え、前記リッチ化手段は、前記出力維持上昇状態と判定されたときは、前記制御用検出値を使用して前記実行時期の判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項3

前記リッチ化手段は、前記出力維持上昇状態への移行後に前記出力下降状態と判定されても、前記制御用検出値の使用を継続することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項4

前記変化傾向判定手段は、前記検出出力の最新のM個(Mは2以上の整数)のサンプリング値の移動平均値である第1移動平均値を算出する第1移動平均値算出手段と、前記検出出力の最新のN個(NはMより大きい整数)のサンプリング値の移動平均値である第2移動平均値を算出する第2移動平均値算出手段とを有し、前記第1移動平均値が前記第2移動平均値以上である状態を、前記出力維持上昇状態と判定することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項5

前記変化傾向判定手段は、前記第1移動平均値が前記第2移動平均値以上であるという判定結果が所定回数連続して得られたときに、前記出力維持上昇状態であるとの判定を確定することを特徴する請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項6

前記リッチ化手段は、前記リッチスパイクが終了した時点から、前記設定時間より長い上限時間が経過した後は、前記制御用検出値を使用して前記実行時期の判定を行うことを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関排気浄化装置に関し、特に排気通路に設けられたNOx吸収触媒及びNOx濃度センサを備える排気浄化装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1は、内燃機関の排気通路にNOx吸収剤を配置するとともに、NOx吸収剤の下流側にNOx濃度センサ(アンモニアにも反応するタイプ)を配置した排気浄化装置を開示する。この装置では、NOx吸収剤に吸収されたNOxを放出すべく空燃比を一時的にリッチにするリッチスパイクを実行したときに、NOx濃度センサによって検出されるアンモニア濃度の変化から余剰還元剤量が求められる。NOx濃度センサによるリッチスパイクの開始時期近傍の検出値は、NOx濃度とみなされ、リッチスパイク終了時期近傍の検出値は、アンモニア濃度とみなされる。特許文献1に示されるようにジルコニアを含むイオン伝導性固体電解質層を有するNOx濃度センサの検出出力は、NOx濃度に比例するだけでなく、リッチスパイクを実行したときに生成されるアンモニアの濃度にも比例することが知られている。以下、本明細書のおける「NOx濃度センサ」は、ジルコニアを含むイオン伝導性固体電解質層を有するNOx濃度センサを意味するものとする。

先行技術

0003

特開2002−180865号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1に示された装置では、リッチスパイク終了時期近傍の検出出力は、アンモニア濃度とみなされるが、リッチスパイクの実行によって供給される還元剤とNOxとが反応してアンモニアが生成される時間は、かならずしも一定ではなく、検出出力がアンモニア濃度を示すか、NOx濃度を示すかの判定をリッチスパイク終了時期とのタイミング関係のみに基づいて行うと正確な判定を行うことができない。例えば、リッチスパイク終了時期から一定時間TNH3内の検出出力はアンモニア濃度を示すと判定するようにした場合に、一定時間TNH3の設定が短すぎる場合には、一定時間TNH3経過直後にアンモニア濃度をNOx濃度と誤判定し、リッチスパイクが直ちに実行される可能性がある。また逆に一定時間TNH3の設定が長すぎる場合には、以下のような不具合が発生する可能性がある。すなわち、NOx吸収剤の吸収能力が低下している状態では、リッチスパイク終了後、比較的早い時期にNOx吸収剤の下流側にNOxが流出するが、これをアンモニア濃度と誤判定して、次のリッチスパイク開始時期を正確に判定できないおそれがある。

0005

本発明はこの点に着目してなされたものであり、NOx吸収触媒の下流側に配置されたNOx濃度センサの検出出力に基づくリッチスパイク実行制御をより適切に行うことができる排気浄化装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(1)の排気酸化雰囲気にあるとき排気中のNOxを吸収し、排気が還元雰囲気にあるとき吸収したNOxを還元するNOx吸収触媒(15)と、該NOx吸収触媒の下流側に設けられ、排気中のNOx濃度を検出するNOx濃度センサ(17)とを前記機関の排気通路(13)に備える、内燃機関の排気浄化装置において、前記機関に供給する混合気の空燃比を一時的にリッチ化して排気を還元雰囲気とするリッチスパイクを実行するリッチ化手段であって、前記リッチスパイクの実行時期の判定を前記NOx濃度センサの検出出力(SENSAX)に基づいて行うリッチ化手段を備え、前記リッチ化手段は、前記検出出力の変化傾向を判定する変化傾向判定手段を有し、前記リッチスパイクが終了した時点(t2)から設定時間(TIM1)が経過するまでの還元雰囲気期間では、前記リッチスパイクを実行する必要がないと判定するとともに、前記還元雰囲気期間の終了時点(t3)直後において、前記検出出力が下降する出力下降状態と判定されたときは、前記リッチスパイクを実行する必要がないと判定し、前記還元雰囲気期間の終了時点(t3)以後において、前記検出出力が同一値を維持するかまたは上昇する出力維持上昇状態と判定されたときは、前記検出出力を使用して、前記実行時期の判定を行うことを特徴とする。

0007

この構成によれば、リッチスパイクの実行時期の判定がNOx濃度センサの検出出力に基づいて行われ、リッチスパイクが終了した時点から設定時間が経過するまでの還元雰囲気期間では、リッチスパイクを実行する必要がないと判定され、さらに還元雰囲気期間の終了時点直後において、検出出力が下降する出力下降状態と判定されたときも、リッチスパイクを実行する必要がないと判定され、還元雰囲気期間の終了時点以後において、検出出力が同一値を維持するかまたは上昇する出力維持上昇状態と判定されたときは、検出出力を使用して実行時期の判定が行われる。リッチスパイクの終了後比較的短時間のうちに検出出力が下降する出力下降状態では、NOx濃度センサ近傍にアンモニアが存在している可能性が高いことが確認されており、還元雰囲気期間及びその直後の出力下降状態では、リッチスパイクを実行する必要がないと判定し、出力維持上昇状態へ移行後に検出出力を使用してリッチスパイク実行時期の判定を行うことによって、アンモニア濃度の影響によるリッチスパイク実行時期の誤判定を確実に防止しつつ、リッチスパイク終了後比較的短時間のうちに、検出出力を使用したリッチスパイク実行時期判定を行うことが可能となる。その結果、リッチスパイク終了後、直ぐにリッチスパイクが実行される不具合、あるいはNOx吸収触媒のNOx吸能力が低下している場合にリッチスパイクの実行時期が遅れる不具合を防止できる。

0008

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記検出出力(SENSAX)を所定サンプリング周期サンプリングするサンプリング手段と、前記検出出力のサンプリング値についてローパスフィルタ処理を行うことによって制御用検出値(SENSNOX)を算出する制御用検出値算出手段とを備え、前記リッチ化手段は、前記出力維持上昇状態と判定されたときは、前記制御用検出値(SENSNOX)を使用して前記実行時期の判定を行うことを特徴とする。

0009

この構成によれば、検出出力が所定サンプリング周期でサンプリングされ、検出出力のサンプリング値についてローパスフィルタ処理を行うことによって制御用検出値が算出され、出力維持上昇状態と判定されたときの、リッチスパイクの実行時期の判定には制御用検出値が使用される。NOx濃度センサの検出出力は微少変動成分を多く含むため、そのままリッチスパイクの実行時期判定に使用すると判定結果の変動を招く。ローパスフィルタ処理によって微少変動成分を減衰させ、ローパスフィルタ処理後の制御用検出値を使用することによって、そのような不具合を防止できる。

0010

請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記リッチ化手段は、前記出力維持上昇状態への移行後に前記出力下降状態と判定されても、前記制御用検出値(SENSNOX)の使用を継続することを特徴とする。

0011

この構成によれば、出力維持上昇状態への移行後に出力下降状態と判定されても、制御用検出値の使用が継続される。出力維持上昇状態へ移行した後は、NOx濃度センサ近傍にアンモニアがほとんど存在しないことが確認されているので、出力維持上昇状態への移行後に出力下降状態と判定されるのは、例えば機関負荷の減少による機関排出NOx濃度の低下、もしくはノイズの影響で検出出力が変動することによるものと考えられる。したがって、そのような変動を出力変化傾向の判定に反映させないことによって、制御を安定化することができる。

0012

請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記変化傾向判定手段は、前記検出出力の最新のM個(Mは2以上の整数)のサンプリング値の移動平均値である第1移動平均値(AVSNOX1)を算出する第1移動平均値算出手段と、前記検出出力の最新のN個(NはMより大きい整数)のサンプリング値の移動平均値である第2移動平均値(AVSNOX2)を算出する第2移動平均値算出手段とを有し、前記第1移動平均値(AVSNOX1)が前記第2移動平均値(AVSNOX2)以上である状態を、前記出力維持上昇状態と判定することを特徴とする。

0013

この構成によれば、検出出力の最新のM個のサンプリング値の移動平均値である第1移動平均値が算出されるとともに、検出出力の最新のN個(N>M)のサンプリング値の移動平均値である第2移動平均値が算出され、第1移動平均値が第2移動平均値以上である状態が出力維持上昇状態と判定される。NOx濃度センサの検出出力は、微少変動成分を多く含むので、サンプリング値そのものを用いて変化傾向の判定を行うと、短時間のうちに判定結果が変動し、正確な判定を行うことが困難である。また、例えば第2移動平均値のみを算出し、その変化傾向を判定する(1つの移動平均値の前回値と今回値大小関係に応じて判定する)ことも考えられるが、そのような判定手法でも判定結果の変動が大きいことが確認されている。そこで、サンプリングデータ数が異なる2つの移動平均値の大小関係を用いて、出力維持上昇状態を判定することにより、比較的安定的かつ正確な変化傾向の判定を行うことができる。

0014

請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記変化傾向判定手段は、前記第1移動平均値(AVSNOX1)が前記第2移動平均値(AVSNOX1)以上であるという判定結果が所定回数NCTH)連続して得られたときに、前記出力維持上昇状態であるとの判定を確定することを特徴する。

0015

この構成によれば、第1移動平均値が第2移動平均値より大きいという判定結果が所定回数連続して得られたときに、出力維持上昇状態であるとの判定が確定されるので、より確実かつ安定した判定結果が得られる。

0016

請求項6に記載の発明は、請求項2から5の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記リッチ化手段は、前記リッチスパイクが終了した時点(t2)から、前記設定時間(TIM1)より長い上限時間(TIM2)が経過した後は、前記制御用検出値(SENSNOX)を使用して、前記実行時期の判定を行うことを特徴とする。

0017

この構成によれば、リッチスパイクが終了した時点から、還元雰囲気期間の設定時間より長い上限時間が経過した後は、制御用検出値を使用して実行時期の判定が行われる。アンモニアの影響がなくなっても出力下降状態が比較的長い時間継続する場合があるため、アンモニアの影響が確実に無くなると考えられる時間を上限時間とすることにより、上限時間経過後は検出出力の変化傾向の判定を不要として、演算装置処理負荷を軽減するとともに、制御用検出値の使用が過度に遅れることを防止できる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の一実施形態にかかる内燃機関及び制御装置の構成を示す図である。
リッチスパイクを実行した直後のNOx濃度センサ出力の推移を説明するためタイムチャートである。
NOx濃度センサ出力の変化傾向の判定方法を説明するためのタイムチャートである。
NOx濃度センサ出力に応じてリッチスパイク制御を行う処理のフローチャートである。
図4の処理で実行される変化傾向判定処理のフローチャートである。
図4に示すリッチスパイク制御を行うことによる効果を説明するためのタイムチャートである。
NOx濃度センサの配置に関する変形例を示す図である。

実施例

0019

以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及び制御装置の構成を示す図であり、例えば4気筒のエンジン1の吸気通路2の途中にはスロットル弁3が設けられている。スロットル弁3にはスロットル弁開度THを検出するスロットル弁開度センサ4が連結されており、その検出信号電子制御ユニット(以下「ECU」という)5に供給される。

0020

燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気通路2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料供給通路に接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間及び開弁時期が制御される。エンジン1の各気筒には点火プラグ(図示せず)が設けられており、ECU5によって点火時期が制御される。

0021

スロットル弁3の上流側には吸入空気流量AIRを検出する吸入空気流量センサ7が設けられている。またスロットル弁3の下流側には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ8、及び吸気温TAを検出する吸気温センサ9が設けられている。エンジン1の本体には、エンジン冷却水温TWを検出する冷却水温センサ10が装着されている。センサ8〜10の検出信号は、ECU5に供給される。

0022

ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ11が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ11は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば6度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU5に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御エンジン回転数エンジン回転速度)NEの検出に使用される。

0023

エンジン1の排気通路13には排気浄化用三元触媒14及びNOx吸収触媒15が設けられている。三元触媒14の上流側であって各気筒に連通する排気マニホールド集合部より下流側には、比例型酸素濃度センサ16(以下「LAFセンサ16」という)が装着されており、このLAFセンサ16は排気中の酸素濃度(空燃比)にほぼ比例した検出信号を出力し、ECU5に供給する。NOx吸収触媒15の下流側には、排気中のNOx濃度を検出するNOx濃度センサ17が設けられている。

0024

NOx吸収触媒15は、エンジン1に供給する混合気の空燃比が理論空燃比よりリーン側に設定され、排気が酸化雰囲気にあるとき、排気中のNOxを吸収する一方、混合気の空燃比が理論空燃比よりリッチ側に設定され、排気が還元雰囲気にあるとき(排気中の還元剤濃度が酸素濃度より高い状態にあるとき)、吸収したNOxを還元剤により還元し、窒素ガス水蒸気、及び二酸化炭素として排出するように構成されている。また、NOx吸収触媒15は、排気が酸化雰囲気にあるときに酸素蓄積し、還元雰囲気にあるときに蓄積した酸素を放出する機能を有する。

0025

特許文献1に示されるように、排気が還元雰囲気にあるときは、NOxの還元に使用されなかった還元剤の一部からアンモニア(NH3)が生成され、NOx吸収触媒15から排出される。NOx濃度センサ17は、ジルコニアを含むイオン伝導性固体電解質層を有するものであり、NOx濃度センサ17の検出出力は、NOxだけでなくアンモニアの濃度にも比例する。また本実施形態では、NOx濃度センサ17は、排気中の酸素濃度(空燃比)を検出する機能も備えている。

0026

ECU5には、エンジン1により駆動される車両のアクセルペダル踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ21及び当該車両の走行速度(車速)VPを検出する車速センサ22が接続されており、それらセンサの検出信号がECU5に供給される。スロットル弁3は図示しないアクチュエータにより開閉駆動され、スロットル弁開度THはアクセルペダル操作量APに応じてECU5により制御される。

0027

ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベル所定レベル修正し、アナログ信号値デジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、該CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、燃料噴射弁6及び点火プラグに駆動信号を供給する出力回路などを備えている。

0028

ECU5は、上述の各種センサの検出信号に基づいて、種々のエンジン運転状態判別し、燃料噴射弁6による燃料噴射量の制御を行う。基本的には、LAFセンサ16によって検出される空燃比が目標空燃比と一致するように燃料噴射量の制御を行い、空燃比を理論空燃比よりリーン側に設定するリーン運転を適時実行する。リーン運転中は、エンジン1から排出されるNOx量が増加するが、NOx吸収触媒15に吸収されて、最終的に排出される排気中のNOx濃度は規制値以下に抑制される。

0029

NOx吸収触媒15に吸収可能なNOx量には限界があるため、本実施形態では、NOx濃度センサ17の検出出力SENSAXに基づいて算出されるNOx濃度CATNOXが判定閾値RSPNOXを超えると、空燃比を一時的に理論空燃比よりリッチ側(例えば空燃比13.5程度)に設定するリッチスパイクを実行する。

0030

図2は、リッチスパイクを実行した直後の制御用検出値SENSNOXの推移を示すタイムチャートであり、この図を参照して本実施形態におけるNOx濃度CATNOXの算出手法概要を説明する。制御用検出値SENSNOXは、検出出力SENSAXを所定サンプリング周期でサンプリングし、最新のK個(例えば5個)のサンプリング値を平均化することにより算出される移動平均値である。検出出力SENSAXは、後述するように微少変動成分を多く含むため、制御用検出値SENSNOXとしては、検出出力SENSAXの移動平均値が使用される。

0031

図2に示す時刻t1からt2までの期間TRSPがリッチスパイク実行期間であり、リッチスパイク終了直後は、破線で示すように実際のNOx濃度は減少しているが、検出出力SENSAXはNOx吸収触媒15から排出されるアンモニアにも反応するため、制御用検出値SENSNOXは、時刻t2以後一時的に増加し、その後減少する。リッチスパイク実行期間TRSPは、本実施形態では、NOx吸収触媒15に吸収されたNOxが全て還元されるのに要する時間と推定される所定時間(例えば10秒程度)に設定される。なお、図2に示すRSPNOXは、リッチスパイクの実行時期を判定するための判定閾値である。

0032

本実施形態では、リッチスパイク実行直後におけるアンモニアの影響を排除するために、以下のようにNOx濃度CATNOXを算出して、算出したNOx濃度CATNOXをリッチスパイク実行制御に適用するようにしている。

0033

1)リッチスパイクが終了する時刻t2から第1時間TIM1経過後の時刻t3までの期間(以下「還元雰囲気期間TRA」という)では、NOx濃度CATNOXを、制御用検出値SENSNOXではなく、第1代替値RPNOX1に設定する。

0034

2)時刻t3以後は、検出出力SENSAXの変化傾向、すなわち検出出力SENSAXが下降する出力下降状態か、あるいは同一値を維持するかまたは上昇する出力維持上昇状態かを判定し、時刻t3直後における出力下降状態では、NOx濃度CATNOXを、制御用検出値SENSNOXではなく、第2代替値RPNOX2に設定する。

0035

3)時刻t3以後において、出力維持上昇状態と判定された時点(時刻t4)以後は、NOx濃度CATNOXを制御用検出値SENSNOXに設定する。時刻t4以後に出力下降状態と判定されても第2代替値RPNOX2への変更は行わずに、制御用検出値SENSNOXへの設定を継続する。

0036

4)時刻t2から第2時間TIM2が経過した時刻t5以後は、検出出力SENSAXの変化傾向の判定を行うことなく、NOx濃度CATNOXを制御用検出値SENSNOXに設定する。

0037

第1及び第2代替値RPNOX1,RPNOX2は、例えば判定閾値RSPNOXより小さい一定値(例えば「0」)に設定する。この設定によって、還元雰囲気期間TRA及び還元雰囲気期間TRA直後の出力下降状態では、リッチスパイクを実行する必要がないと判定される(後述する図4参照)。

0038

第1時間TIM1は、エンジン1の運転状態に応じて設定することが望ましく、例えばリッチスパイク開始後にNOx濃度センサ17の酸素濃度検出機能を用いて検出される酸素濃度がリッチ判定閾値以下(ほぼゼロ)となった時点からリッチスパイク終了時点(図2,時刻t2)までの時間(以下「リッチ検出時間TR」という)を計測し、リッチ検出時間TRが長くなるほど第1時間TIM1を長く設定することが望ましい。リッチ検出時間TRは、NOx吸収触媒15に流入する排気が還元雰囲気にある時間に相関し、この時間が長いほどアンモニア生成量が多くなるからである。第2時間TIM2は、予め設定される一定時間とする。エンジン1の運転状態によっては、リッチスパイク終了後に制御用検出値SENSNOXが比較的長い時間に亘って下降状態を継続する可能性があることを考慮したもので、第2時間TIM2は、変化傾向の判定処理を実行する時間の上限時間に相当するものであり、アンモニアの影響が確実になくなる時間に設定される。

0039

次に図3を参照して変化傾向判定の手法を説明する。上述したようにNOx濃度センサ17の検出出力SENSAXは微少変動成分を多く含むため、本実施形態ではサンプリング値の数が異なる2つの移動平均値を用いて変化傾向の判定を行う。図3は、図2における時刻t4付近の検出出力SENSAXを用いて算出された移動平均値の推移を示す図であり、同図に示す破線は検出出力SENSAXの最新のM個(例えば5個)のサンプリング値の移動平均値(以下「第1移動平均値」という)AVSNOX1の推移を示し、一点鎖線は検出出力SENSAXの最新のN個(例えば20個)のサンプリング値の移動平均値(以下「第2移動平均値」という)AVSNOX2の推移を示す。また検出出力SENSAXの最新のK個のサンプリング値の移動平均値を、制御用検出値SENSNOX(図2参照)として算出し、リッチスパイク実行時期の判定に適用する。移動平均値の算出に適用するサンプリング値の数K,M,Nは、予め実験によって適切な値に設定される。

0040

本実施形態では、第1移動平均値AVSNOX1及び第2移動平均値AVSNOX2を算出し、第1移動平均値AVSNOX1が第2移動平均値AVSNOX2以上であるときに、出力維持上昇状態にあると判定し、出力維持上昇状態以外の状態を出力下降状態と判定する手法を採用し、さらに出力維持上昇状態にあるとの判定は、AVSNOX1≧AVSNOX2という判定結果が所定回数NCTH(例えば20回)連続したときに確定させることとした。所定回数NCTHは、予め実験によって適切な値に設定される。図3に示す例においては、時刻t11近傍から第1移動平均値AVSNOX1が第2移動平均値AVSNOX2を超え始めるが、同じ判定結果が連続しないため、時刻t12において出力維持上昇状態にあるとの判定が確定される。

0041

この変化傾向判定手法を適用することによって、正確かつ安定した判定を行うことができる。なお、図3に示す例では、時刻t12において出力維持上昇状態にあるとの判定が確定された後の時刻t13の近傍で、出力下降状態に移行しているが、これは実際にNOx濃度またはアンモニア濃度が変動したものではなくノイズの影響によるものである。そこで、本実施形態ではこのようなノイズの影響も考慮して、リッチスパイク終了後に出力維持上昇状態にあるとの判定を確定したのちに、出力下降状態に移行してもNOx濃度CATNOXを第2代替値RPNOX2に設定することは行わずに、制御用検出値SENSNOXへの設定を継続する(上記3)参照)。

0042

図4は、NOx濃度センサ17の検出出力SENSAXに応じてNOx濃度CATNOXを算出し、リッチスパイク制御を行う処理のフローチャートである。この処理は、クランク回転に同期した周期で実行される。なお、検出出力SENSAXのサンプリングは、図示しない処理において所定サンプリング周期(例えば10msec周期)で実行される。

0043

テップS10では、検出出力SENSAXの最新の5個のサンプリング値の移動平均値として、リッチスパイク実行判定に使用する制御用検出値SENSNOXを算出する。ステップS13では、リッチスパイク終了時点(図2,t2)からの経過時間TMARSPが第1時間TIM1を超えたか否かを判別する。リッチスパイク終了直後はこの答が否定(NO)となり、検出値使用フラグFSENSACTを「0」に設定し(ステップS14)、NOx濃度CATNOXを第1代替値RPNOX1に設定する(ステップS15)。その後ステップS24に進む。

0044

ステップS13の答が肯定(YES)であるときは、さらに経過時間TMARSPが第2時間TIM2(>TIM1)を超えたか否かを判別する(ステップS16)。この答が否定(NO)であるときは、検出値使用フラグFSENSACTが「1」であるか否かを判別する(ステップS17)。ステップS17の答が否定(NO)であるときは、図5に示す変化傾向判定処理を実行する(ステップS18)。ステップS16またはS17の答が肯定(YES)であるときは、ステップS22に進み、検出値使用フラグFSENSACTを「1」に設定し(ステップS22)、NOx濃度CATNOXを制御用検出値SENSNOXに設定する(ステップS23)。その後ステップS24に進む。

0045

図5のステップS31では、第1移動平均値AVSNOX1を算出し、ステップS32では、第2移動平均値AVSNOX2を算出する。ステップS33では、第1移動平均値AVSNOX1が第2移動平均値AVSNOX2以上であるか否かを判別する。ステップS33の答が否定(NO)であるときは、カウンタEQUPの値を「0」に設定する(ステップS34)とともに、出力維持上昇フラグFEQUPを「0」に設定する(ステップS35)。

0046

ステップS33の答が肯定(YES)であるときは、カウンタCEQUPの値を「1」だけ増加させ(ステップS36)、カウンタCEQUPの値が所定回数NCTH以上であるか否かを判別する(ステップS37)。ステップS37の答が否定(NO)であるときは、ステップS35に進み、肯定(YES)となると、出力維持上昇状態にあるとの判定を確定し、出力維持上昇フラグFEQUPを「1」に設定する(ステップS38)。

0047

図5の処理によれば、第1移動平均値AVSNOX1が第2移動平均値AVSNOX2以上である状態が所定回数NCTH連続したときに、出力維持上昇状態にあるとの判定が確定される。

0048

図4戻り、ステップS19では、出力維持上昇フラグFEQUPが「1」であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であって出力変化傾向が出力下降状態にあるときは、検出値使用フラグFSENSACTを「0」に設定し(ステップS20)、NOx濃度CATNOXを第2代替値RPNOX2に設定する(ステップS21)。その後ステップS24に進む。ステップS19の答が肯定(YES)であって出力変化傾向が出力維持上昇状態にあるときは、ステップS22に進む。

0049

ステップS22で検出値使用フラグFSENSACTが「1」に設定されると、以後はステップS17の答が肯定(YES)となって、変化傾向の判定を行うことなく、NOx濃度CATNOXの制御用検出値SENSNOXへの設定が継続される。ステップS13〜S23の処理によって、上述した1)〜4)の演算処理が実行される。

0050

ステップS24では、NOx濃度CATNOXが判定閾値RSPNOXを超えたか否かを判別する。その答が否定(NO)であるときは、リッチスパイク要求フラグFRSPREQを「0」に設定し(ステップS25)、ステップS24の答が肯定(YES)であるときは、リッチスパイク要求フラグFRSPREQを「1」に設定する。
リッチスパイク要求フラグFRSPREQが「0」から「1」に変化すると、リッチスパイクが所定時間に亘って実行される(図2,TRSP)。

0051

図6は、上述したリッチスパイク制御を行うことによる効果を説明するためのタイムチャートであり、縦軸はNOx濃度センサ17の出力として、飽和しない検出出力SENSAXa(微少変動成分が除かれているもの)が示されている。図6(a)は、リッチスパイク終了直後の所定時間TX中は、検出出力SENSAXaをリッチスパイク実行時期判定に使用しない手法を採用し、かつ所定時間TXが短すぎる例を示す。この例では、時刻t21からt22までリッチスパイクが実行され、時刻t22から所定時間TX経過後の時刻t23から検出出力SENSAXaを使用するリッチスパイク実行時期判定が開始されると、その時点で検出出力SENSAXaは、判定閾値RSPNOXを超えているため直ちにリッチスパイクが開始されるという不具合が発生する。なお、この図において破線は真のNOx濃度の推移を示し、一点鎖線はリッチスパイクが時刻t23から開始された場合の検出出力SENSAXaの推移を示す。

0052

図6(b)は、時刻t31からt32までリッチスパイクが実行され、リッチスパイク実行中にNOx濃度センサ17に異常(検出出力SENSAXaが高い状態で固定される異常)が発生した例が示されている。リッチスパイク終了後に変化傾向判定を行わない場合には、アンモニアの影響が確実になくなると考えられる時刻t34から異常検知が可能となるので、異常検知が遅れる。これに対し本実施形態では、時刻t32から第1時間TIM1が経過する時刻t33から、検出出力SENSAXaの変化傾向判定が行われ、時刻t33の直後に検出出力SENSAXaがNOx濃度CATNOXとして参照されるため、NOx濃度センサ17に異常が発生したことが早期に検知可能となる。

0053

以上のように本実施形態では、リッチスパイクの実行時期の判定がNOx濃度センサ17の検出出力SENSAXに基づいて行われ、リッチスパイクの終了時点(図2,t2)から第1時間TIM1が経過するまでの還元雰囲気期間TRAでは、NOx濃度CATNOXが第1代替値RPNOX1に設定され、さらに還元雰囲気期間TRAの終了時点(図2,t3)直後において、検出出力SENSAXが下降する出力下降状態と判定されたときはNOx濃度CATNOXが第2代替値RPNOX2に設定され、第1及び第2代替値RPNOX1,RPNOX2が判定閾値RSPNOXより小さい値に設定される。したがって、還元雰囲気期間TRA及びその直後の出力下降状態ではリッチスパイクを実行する必要がないと判定され、還元雰囲気期間TRAの終了時点以後において、検出出力SENSAXが同一値を維持するかまたは上昇する出力維持上昇状態と判定されたときは、制御用検出値SENSNOXを使用して実行時期の判定が行われる。検出出力SENSAXが下降している出力下降状態では、NOx濃度センサ近傍にアンモニアが存在している可能性が高いことが確認されており、還元雰囲気期間TRA及びその直後の出力下降状態では、リッチスパイクを実行する必要がないと判定し、出力維持上昇状態へ移行後に制御用検出値SENSNOXを使用してリッチスパイク実行時期の判定を行うことによって、アンモニア濃度の影響によるリッチスパイク実行時期の誤判定を確実に防止しつつ、リッチスパイク終了後比較的短時間のうちに、制御用検出値SENSNOXを使用したリッチスパイク実行時期判定を行うことが可能となる。その結果、リッチスパイク終了後、直ぐにリッチスパイクが実行される不具合、あるいはNOx吸収触媒15のNOx吸収能力が低下している場合にリッチスパイクの実行時期が遅れる不具合を防止できる。

0054

また、検出出力SENSAXが所定サンプリング周期でサンプリングされ、検出出力SENSAXのサンプリング値の移動平均化演算(ローパスフィルタ処理)を行うことによって制御用検出値SENSNOXが算出され、出力維持上昇状態と判定されたときは、制御用検出値SENSNOXを使用してリッチスパイクの実行時期判定が行われる。NOx濃度センサ17の検出出力SENSAXは微少変動成分を多く含むため、そのままリッチスパイクの実行時期判定に使用すると判定結果の変動を招く。移動平均化演算によって微少変動成分を減衰させ、移動平均化処理後の制御用検出値SENSNOXを使用することによって、そのような不具合を防止できる。

0055

また、出力維持上昇状態への移行後に出力下降状態と判定されても、制御用検出値SENSNOXの使用が継続される。出力維持上昇状態へ移行した後は、NOx濃度センサ17近傍にアンモニアがほとんど存在しないことが確認されているので、出力維持上昇状態への移行後に出力下降状態と判定されるのは、例えばエンジン負荷の減少による排気中のNOx濃度の低下、もしくはノイズの影響で検出出力が変動することによるものと考えられる(図3,t13近傍参照)。したがって、そのような変動を出力変化傾向の判定に反映させないことによって、制御を安定化することができる。

0056

また、検出出力SENSAXの最新の5個のサンプリング値の移動平均値である第1移動平均値AVSNOX1が算出されるとともに、検出出力SENSAXの最新の20個のサンプリング値の移動平均値である第2移動平均値AVSNOX2が算出され、第1移動平均値AVSNOX1が第2移動平均値AVSNOX2以上である状態が出力維持上昇状態と判定される。NOx濃度センサ17の検出出力SENSAXは、微少変動成分を多く含むので、サンプリング値そのものを用いて変化傾向の判定を行うと、短時間のうちに判定結果が変動し、正確な判定を行うことが困難である。また、例えば第2移動平均値AVSNOX2のみを算出し、その変化傾向を判定する(1つの移動平均値の前回値と今回値の大小関係に応じて判定する)ことも考えられるが、そのような判定手法でも判定結果の変動が大きいことが確認されている。そこで、サンプリングデータ数が異なる2つの移動平均値AVSNOX1,AVSNOX2の大小関係を用いて、出力維持上昇状態を判定することにより、比較的安定的かつ正確な変化傾向の判定を行うことができる。

0057

また、第1移動平均値AVSNOX1が第2移動平均値AVSNOX2以上であるという判定結果が所定回数NCTH連続して得られたときに、出力維持上昇状態であるとの判定が確定されるので、より確実かつ安定した判定結果が得られる。

0058

また、還元雰囲気期間TRAの設定時間に相当する第1時間TIM1より長い上限時間としての第2時間TIM2が、リッチスパイク終了時点から経過した後は、制御用検出値SENSNOXを使用して実行時期の判定が行われる。アンモニアの影響がなくなっても出力下降状態が比較的長い時間継続する場合があるため、アンモニアの影響が確実に無くなると考えられる時間を第2時間TIM2とすることにより、第2時間TIM2経過後は検出出力SENSAXの変化傾向の判定を不要として、演算装置の処理負荷を軽減するとともに、制御用検出値SENSNOXの使用が過度に遅れることを防止できる。

0059

本実施形態では、ECU5がリッチ化手段の一部、変化傾向判定手段、サンプリング手段、制御用検出値算出手段、第1移動平均値算出手段、及び第2移動平均値算出手段を構成し、燃料噴射弁6がリッチ化手段の一部を構成する。

0060

[変形例1]
図7(a)に示すように、排気通路13に設けられるNOx吸収触媒15aが、2つのベッドの搭載された上流側触媒31及び下流側触媒32によって構成されるものである場合には、NOx濃度センサ17は、上流側触媒31の下流側であって下流側触媒32の上流側の位置に配置するようにしてもよい。このような構成では、下流側触媒32のNOx吸収量が飽和した状態を、NOx濃度センサ17の検出結果から直接検知することはできないが、上流側触媒31のNOx吸収量が飽和した状態を、上述した実施形態に比べて早期に検知することが可能となり、下流側触媒32のNOx吸収量が飽和する時期を予測して、リッチスパイクの実行時期を判定することができる。

0061

また図7(a)に示す構成によれば、リッチスパイクの実行時間を所定時間に設定するのではなく、NOx濃度センサ17の出力に基づいてリッチスパイクの終了時期を適切に判定すること可能となる。上述した実施形態のようにNOx吸収触媒15の下流側にNOx濃度センサ17を配置する場合には、NOx濃度センサ17の出力に基づいてリッチスパイクの終了時期を判定すると、終了時期が遅くなって余った還元剤が排出される可能性が高くなるのに対し、本変形例の配置を採用することによって、NOx濃度センサ17の出力に基づくリッチスパイク終了時期判定を適切に行うことが可能となる。

0062

[変形例2]
図7(b)に示すように、NOx吸収触媒15の上流側にもNOx濃度センサ18を設けて、NOx濃度センサ18によって検出されるNOx濃度CNOXUPと、NOx濃度センサ17によって検出されるNOx濃度CATNOXとからNOx浄化率RNOX(=CATNOX/CNOXUP)を算出し、NOx浄化率RNOXが浄化率閾値RNOXTHを超える時点からリッチスパイクを開始するようにしてもよい。

0063

なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実記形態では、検出出力SENSAXの移動平均化演算を行うことによって、制御用検出値SENSNOXを算出するようにしたが、移動平均化演算に限るものではなく、他のローパススフィルタ演算を適用してもよい。

0064

また検出出力SENSAXの含まれる微少変動成分がもともと少ない場合には、検出出力SENSAXをそのまま制御用検出値SENSNOXとして使用してもよい。また、移動平均値AVSNOX1,AVSNOX2の算出に適用するサンプリング値の個数は、5個及び20個に限るものではなく、検出出力SENSAXに含まれる微少変動成分に応じて適宜設定可能である。

0065

1内燃機関
5電子制御ユニット(リッチ化手段、変化傾向判定手段、サンプリング手段、制御用検出値算出手段、第1移動平均値算出手段、及び第2移動平均値算出手段)
6燃料噴射弁(リッチ化手段)
15NOx吸収触媒
17NOx濃度センサ
AVSNOX1 第1移動平均値
AVSNOX2 第2移動平均値
SENSAX検出出力
SENSNOX 制御用検出値
TIM1 第1時間(設定時間)
TIM2 第2時間(上限時間)

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